特許第6138732号(P6138732)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ツバキE&Mの特許一覧

<>
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000002
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000003
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000004
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000005
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000006
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000007
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000008
  • 特許6138732-2軸減速装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138732
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】2軸減速装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/16 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   F16H1/16 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-140715(P2014-140715)
(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公開番号】特開2016-17575(P2016-17575A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2016年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150800
【氏名又は名称】株式会社ツバキE&M
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】椎野 里司
(72)【発明者】
【氏名】平井 達也
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 由
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5292108(JP,B2)
【文献】 特開2012−39130(JP,A)
【文献】 特開2014−44456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端に取り付けた物品を、各別の回転駆動源の駆動により互いに直交する2軸周りに減速回転させる2軸減速装置において、
互いに直交する入力軸及び出力軸、並びに両軸を回転伝達可能に連結する歯車機構を筐体内に備える2つの減速機ユニットを、夫々の入力軸が平行をなし、夫々の出力軸が直交するように組み付け、夫々の減速機ユニットから突出する入力軸の一端を回転駆動源に連結し、一方の減速機ユニットから突出する出力軸の一端に前記物品の取付け台を、他方の減速機ユニットから突出する出力軸の一端に固定台を設けてあることを特徴とする2軸減速装置。
【請求項2】
前記減速機ユニットは、前記入力軸と平行をなし、前記出力軸と直交する座面を有する連結座を前記筐体の外面に備え、2つの減速機ユニットは、L字形断面を有し、夫々の連結座に2辺を固定した連結金具を介して連結して組み付けてあることを特徴とする請求項1に記載の2軸減速装置。
【請求項3】
前記歯車機構は、前記入力軸と一体回転するウォームと、前記出力軸と一体回転するウォームホイールとを備えるウォーム歯車機構であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の2軸減速装置。
【請求項4】
前記回転駆動源はステップモータであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の2軸減速装置。
【請求項5】
前記2つの減速機ユニットを、夫々の出力軸が水平方向及び鉛直方向に対して傾斜する姿勢となるように前記固定台を固定箇所に固定して使用されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の2軸減速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を互いに直交する2軸周りに回転移動させるべく用いられる2軸減速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電、照明等の用途に太陽光を利用する各種の装置が実用化されている。この種の装置においては、太陽光を効率的に集光するために、ミラー、レンズ、パネル等の平板状の物品を太陽に正対して追従移動させ、夫々の位置で位置決めする必要があり、この種の用途においては、特許文献1、2等に開示された装置が用いられている。
【0003】
この装置は、出力端に取り付けた物品を、各別の回転駆動源の駆動により互いに直交する2軸(鉛直軸及び水平軸)周りに回転させることにより前述した移動及び位置決めを実現すべく構成されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5292108号公報
【特許文献2】特開2000−258722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、多数の歯車を組み合わせた構成を有しており、また特許文献2に開示された装置は、鉛直軸周りに回転する基台上に水平軸周りに回転する物品の支持台を取付け、基台及び支持台を各別の回転駆動源により駆動する専用の装置として構成されており、いずれも構成の複雑化が避けられないという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、出力端に取り付けた物品を、互いに直交する2軸周りに減速回転させて移動及び位置決めすることができる簡素な構成の装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る2軸減速装置は、出力端に取り付けた物品を、各別の回転駆動源の駆動により互いに直交する2軸周りに減速回転させる2軸減速装置において、互いに直交する入力軸及び出力軸、並びに両軸を回転伝達可能に連結する歯車機構を筐体内に備える2つの減速機ユニットを、夫々の入力軸が平行をなし、夫々の出力軸が直交するように組み付け、夫々の減速機ユニットから突出する入力軸の一端を回転駆動源に連結し、一方の減速機ユニットから突出する出力軸の一端に前記物品の取付け台を、他方の減速機ユニットから突出する出力軸の一端に固定台を設けてあることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、互いに直交する入力軸及び出力軸と両軸を連結する歯車機構とを筐体内に備える2つの減速機ユニットを別個に構成し、これらを、夫々の入力軸が平行をなし、夫々の出力軸が直交するように組み付ける。2つの減速機ユニットの入力軸は、各別の回転駆動源に連結し、2つの減速機ユニットの出力軸の端部には固定台、取付け台を夫々設け、固定台を適宜の固定位置に固定し、物品は取付け台に取り付けて使用する。前記入力軸、出力軸及び歯車機構を備える2つの減速機ユニットを組み付けた簡素な構成により、前記物品の移動及び位置決めを実施することができる。
【0009】
また本発明に係る2軸減速装置は、前記減速機ユニットが、前記入力軸と平行をなし、前記出力軸と直交する座面を有する連結座を前記筐体の外面に備え、2つの減速機ユニットは、L字形断面を有し、夫々の連結座に2辺を固定した連結金具を介して連結して組み付けてあることを特徴とする。
【0010】
この発明においては、2つの減速機ユニットの組み付けを、夫々の筐体に設けた連結座と、L字形断面を有する連結金具とを用いて簡素に実現する。
【0011】
また本発明に係る2軸減速装置は、前記歯車機構が、前記入力軸と一体回転するウォームと、前記出力軸と一体回転するウォームホイールとを備えるウォーム歯車機構であることを特徴とする。
【0012】
この発明においては、入力軸と出力軸とを回転伝達可能に連結する歯車機構としてウォーム歯車機構を使用する。ウォーム歯車機構は、最小限のバックラッシ下での回転伝達が可能であり、バックラッシの影響による物品の位置決め誤差を低減し、正確な位置決めが可能となる。またウォーム歯車機構は、ウォームホイールからウォームへの回転伝達を規制するロック機能を有するから、物品の自重による位置ずれを防止することができる。
【0013】
また本発明に係る2軸減速装置は、前記回転駆動源がステップモータであることを特徴とする。
【0014】
この発明においては、回転駆動源としてステップモータを使用する。ステップモータは回転位置の制御が可能であり、取付け台に取り付けた物品の回転位置(角度)を高精度に定めることができる。
【0015】
また本発明に係る2軸減速装置は、前記2つの減速機ユニットを、夫々の出力軸が水平方向及び鉛直方向に対して傾斜する姿勢となるように前記固定台を固定箇所に固定して使用されることを特徴とする。
【0016】
この発明においては、歯車機構のバックラッシの影響を排除し、取付け台に取り付けた物品を高精度に位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る2軸減速装置においては、簡素な構成を有する2つの減速機ユニットを組み付けることで、出力端に取り付けた物品を互いに直交する2軸周りに減速回転させて移動及び位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る2軸減速装置の正面図である。
図2】実施の形態に係る2軸減速装置の側面図である。
図3】減速機ユニットを部分的に破断して示す正面図である。
図4】減速機ユニットを部分的に破断して示す側面図である。
図5】実施の形態に係る2軸減速装置の使用状態を示す説明図である。
図6】実施の形態に係る2軸減速装置の使用状態を示す説明図である。
図7】実施の形態に係る2軸減速装置の使用状態を示す説明図である。
図8】実施の形態に係る2軸減速装置の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施の形態に係る2軸減速装置の正面図、図2は、実施の形態に係る2軸減速装置の側面図である。図示の如く2軸減速装置は、2つの減速機ユニット1、1を後述の如く組み付けて構成されている。
【0020】
減速機ユニット1、1は、同一の構成を有している。図3は、減速機ユニット1を部分的に破断して示す正面図、図4は、減速機ユニット1を部分的に破断して示す側面図である、これらの図の向きは、図1、2において上位置に示す減速機ユニット1の向きと対応している。
【0021】
図示の如く減速機ユニット1は、矩形箱形をなすハウジング(筐体)10と、該ハウジング10の内部に支持された入力軸11及び出力軸12とを備える、入力軸11は、ハウジング10の一側半部に貫通形成された円形断面の支持孔11a内に一対の玉軸受13,13により両持ち支持されており、玉軸受13,13による支持位置間に一体形成されたウォーム14を備えている。
【0022】
入力軸11の一端は、支持孔11aの一側の開口を通してハウジング10の外部に突出させてある。入力軸11が突出するハウジング10の外面には、支持孔11aの同側の開口に一端を嵌め合わせた筒形のブラケット20を介してモータ(駆動源)2が取付けられている。モータ2は、ブラケット20内に突出するモータ軸21を有している。モータ軸21の突出端は、入力軸11の突出端と同軸上に突き合わせてあり、モータ軸21と入力軸11とは、カップリング22を介して連結されている。モータ2は、例えば、回転角度の制御が可能なステップモータであり、入力軸11は、モータ2からの伝動により軸周りに回転駆動される。
【0023】
出力軸12は、ハウジング10の他側半部に貫通形成された円形断面の支持孔12a内に一対の玉軸受15、15により両持ち支持されており、入力軸11から所定長離隔した位置で、該入力軸11と軸心を直交させて配置されている。
【0024】
出力軸12には、玉軸受15、15による支持位置間にウォームホイール16が嵌着固定されており、該ウォームホイール16は、入力軸11に一体形成されたウォーム14に噛合させてある。出力軸12には、ウォーム14及びウォームホイール16を備える歯車機構を介して入力軸11の回転が減速伝動され、出力軸12は、入力軸11と直交する軸周りに、入力軸11よりも低速度にて回転する。
【0025】
出力軸12の両端は、支持孔12aの両側の開口を通してハウジング10の外部に突出させてあり、一方の突出端には、円板状をなす回転台3が、同軸をなして嵌着固定されている。回転台3は、モータ2の取付け面と直交するハウジング10の外面上に位置し、出力軸12の回転に応じて、該出力軸12と一体回転する。
【0026】
以上の如く構成された減速機ユニット1において、駆動源としてのモータ2の回転は、入力軸11、ウォーム14、ウォームホイール16及び出力軸12を介して回転台3に伝えられ、該回転台3が出力軸12の軸心周りに回転する。入力軸11と出力軸12とを連結する歯車機構は、ウォーム14及びウォームホイール16を備えるウォーム歯車機構に限らず、傘歯車機構、ハイポイド歯車機構等、互いに直交する入力軸11と出力軸12とを回転伝達可能に連結する他の歯車機構であってもよいが、ウォーム歯車機構は、最小限のバックラッシ下での回転伝達が可能であるから、モータ2の正逆転の切り換え時に発生する位置ずれを軽微に抑えることができる。
【0027】
出力軸12が突出するハウジング10の外面には、夫々の4隅に連結座17、17…が設けてある。これらの連結座17、17…は、出力軸12の軸心と直交し、入力軸11の軸心と平行をなして加工された座面を有しており、夫々の中央部には通し孔18、18…が形成されている。通し孔18は、出力軸12の軸長方向と平行をなし、ハウジング10の両面の対応する位置にある連結座17、17間を連通するように形成されている。
【0028】
ハウジング10は、入力軸11の軸心を通る割り線により2つ割り可能であり、入力軸11、出力軸12、軸受13、15、ウォームホイール16等を組み付けた状態で夫々の半部を合わせ、ハウジング10の両短辺に沿って相隣する連結座17、17間に位置する固定ボルト19、19…(図4参照)を締め付けることにより一体化させてある。
【0029】
図1図2に示す2軸減速装置は、以上の如く構成された減速機ユニット1を2つ使用し、これらを、モータ2、2の取付け部を同側として夫々の入力軸11、11が平行となり、且つ夫々の出力軸12、12が直交するように位置合わせし、2つの連結金具4により連結して構成されている、
【0030】
連結金具4は、L字形断面を有するアングル材であり、夫々の一辺は、一方の減速機ユニット1のハウジング10の両面の短辺に沿って並ぶ連結座17、17に当て、これらの連結座17、17に設けた通し孔18、18に固定ボルト40、40を通し、両側で締め付けることにより、ハウジング10を両面から挟持するように共締め固定される。
【0031】
連結金具4の他辺は、固定位置から外向きに延びており、これらの他辺は、他方の減速機ユニット1のハウジング10の一面(回転台3の取付け側と逆側の面)の長辺に沿って並ぶ連結座17、17にスペーサ5を介して当接させ、前記連結座17、17に設けた通し孔18、18に通した固定ボルト40、40を両側で締め付けることにより、前記連結座17、17にスペーサ5を介して密着するように共締め固定される。
【0032】
2つの減速機ユニット1は、連結金具4による上記の連結により、図1図2に示すように構成される。なお、スペーサ5は、他方の減速機ユニット1のハウジング10の前記一面から突出する出力軸12の軸端部の配設空間を確保するために使用されている。
【0033】
図5図8は、以上の如く構成された実施の形態に係る2軸減速装置の使用状態を示す説明図である。これらの図は、2つの減速機ユニット1、1のハウジング10、モータ2及び回転台3を、連結金具4及びスペーサ5と共に模式的に示す斜視図であり、以下の説明においては、各図の上下、左右を使用する。
【0034】
これらの図に示す如く2軸減速装置は、2つの減速機ユニット1、1の出力端に取付けた回転台3、3の一方を適宜の固定箇所に固定し、他方にミラー、レンズ、パネル等の物品6を取付けて使用される。図5においては、下位置にある減速機ユニット1(下ユニット)のハウジング10から下向きに突出する回転台3が床面等の略水平な固定箇所(図示せず)に固定され、物品6は、上位置にある減速機ユニット1(上ユニット)のハウジング10から右向きに突出する回転台3にL字形の取付け具60を介して取付けてある。
【0035】
この場合、下ユニットのハウジング10は、該下ユニットのモータ2を駆動することにより、回転台3の固定面上で略鉛直な軸周りに回転し、上ユニットのハウジング10も一体回転する。一方、上ユニットの回転台3は、該上ユニットのモータ2を駆動することにより略水平な軸周りに回転する。この結果、物品6は、下ユニットのモータ2を駆動することにより鉛直軸周りに回転し、上ユニットのモータ2を駆動することにより水平軸周りに回転することとなり、互いに直交する2軸周りに物品6を回転移動させ、該物品6の角度を適宜に変更することができる。
【0036】
図6は、図5とは逆に、下ユニットのハウジング10から下向きに突出する回転台3に物品6を取付け、上ユニットのハウジング10から右向きに突出する回転台3を壁面等の略鉛直な固定箇所(図示せず)に固定した使用形態を示している。この使用形態において物品6は、上ユニットのモータ2の駆動に応じて水平軸周りに回転し、下ユニットのモータ2の駆動に応じて鉛直軸周りに回転することとなり、互いに直交する2軸周りに物品6を回転移動させ、該物品6の角度を適宜に変更することができる。
【0037】
図7図8は、2つの減速機ユニット1を左右方向に並べた使用形態を示している。図7においては、左位置にある減速機ユニット1(左ユニット)のハウジング10から下向きに突出する回転台3が、床面等の略水平な固定箇所(図示せず)に固定され、物品6は、右位置にある減速機ユニット1(右ユニット)のハウジング10から右向きに突出する回転台3に取付けてある。また図8においては、右ユニットのハウジング10から右向きに突出する回転台3が、壁面等の略鉛直な固定箇所(図示せず)に固定され、物品6は、左ユニットのハウジング10から下向きに突出する回転台3に取付けてある。これらの使用形態においても物品6は、左ユニット及び右ユニットのモータ2、2の駆動に応じて水平軸及び鉛直軸周りに回転移動し、該物品6の角度を適宜に変更することができる。
【0038】
実施の形態に係る2軸減速装置は、以上のような種々の使用形態にて使用することができ、前述した如く、ミラー、レンズ、パネル等の物品6を太陽に追従移動させる用途等の広範な用途に使用することができる、実施の形態に係る2軸減速装置は、同一構成を有する2つの減速機ユニット1、1を、連結金具4での連結により組み付けた構成を有しており、前述した用途で従来使用されていた装置の構成を大幅に簡素化することができる。
【0039】
減速機ユニット1が内蔵するウォーム歯車機構は、前述の如く、最小限のバックラッシ下での回転伝達が可能であるから、モータ2、2の正逆転の切り換え時にバックラッシに起因して発生する物品6の位置ずれを軽微に抑え、該物品6を正確に位置決めすることができる。またウォーム歯車機構は、ウォームホイール16からウォーム14への回転伝達を規制するロック機能を有するから、モータ2の非駆動時に物品6の自重により回転台3が回転する虞れがなく、物品6は位置決めされた状態を維持することができる。またモータ2は、ステップモータとしてあり、該モータ2の回転を減速して回転台3に伝えるように構成してあるから、回転台3、3の回転により物品6の回転位置(角度)を高精度に定めることができる。
【0040】
図5図8に示す使用形態においては、2つの減速機ユニット1、1のいずれかの出力軸12が鉛直となる。出力軸12が鉛直である減速機ユニット1においては、入力軸11側のウォーム14と出力軸12側のウォームホイール16との噛合部にバックラッシ相当分の遊びが存在する。前述の如く、ウォーム14とウォームホイール16との間のバックラッシはわすかであるが、出力端に取付けたと物品6に前記遊びに起因する位置ずれが生じる虞れがある。
【0041】
このような位置ずれの発生は、2つの減速機ユニット1、1を夫々の出力軸12、12を傾斜させた姿勢で設置することで解消することができる。この場合、出力軸12に固定したウォームホイール16は、出力端に取付けた物品6及び取付け具60(並びに回転駆動源)の自重により付勢され、入力軸11側のウォーム14に片当たり状態で噛み合うこととなる。この結果、前述した遊びの影響を排除し、物品6を正確に位置決めすることが可能となる。2つの減速機ユニット1、1夫々の出力軸12、12の傾斜角度は、適宜に設定可能であるが、水平及び鉛直方向の夫々に対して45°とするのが望ましい。
【0042】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
1 減速機ユニット
2 モータ(回転駆動源)
3 回転台(取付け台、固定台)
4 連結金具
6 物品
10 ハウジング(筐体)
11 入力軸
12 出力軸
14 ウォーム(歯車機構)
16 ウォームホイール(歯車機構)
17 連結座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8