特許第6138743号(P6138743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138743
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】化学発光体
(51)【国際特許分類】
   F21K 2/06 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   F21K2/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-225413(P2014-225413)
(22)【出願日】2014年11月5日
(65)【公開番号】特開2016-91823(P2016-91823A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年10月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月15日 JR博多シティ 駅前広場で開催された博多駅商店連合会,JR博多シティ、エフエム福岡主催の「九州ゴスペルフェスティバル2014in博多」において試供品を配布 平成26年10月15日〜17日 サンシャインシティ・コンベンションセンターTOKYOで開催された株式会社ビジネスガイド社主催の「第50回インターナショナルプレミアム・インセンティブショー秋2014」において「LUMICALIGHT LUNA 8」を展示品として発表 平成26年9月29日 プレス専用情報収集サイト「プレスリリースプラットフォーム」を運営している株式会社リアライズのウェブサイトにて、「ケミカルライト最大級のペンライトを発売」の記事について公開(ウェブサイトのアドレス:https://www.pressreleases.jp/) 平成26年10月7日 自社ウェブサイトにて、「ケミカルライト最大級のコンサートペンライト「ルミカライトルナ8(エイト)を発売いたします」の記事について公開(ウェブサイトのアドレス:http://www.lumica.co.jp/news/000485.html 等) 平成26年10月19日 動画共有サイト「You Tube」にて、「LUMICA LUNA8(ルミカ ルナエイト)の使い方」について公開(ウェブサイトのアドレス:http://www.youtube.com/watch?v=FBVk1vSd3kQ) 平成26年10月17日 Twitter社ウェブサイトにて、「ケミカルライト最大級のペンライトを発売」について公開(ウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/LUMICA_LIGHT/status/522935230391259136 等) 平成26年10月17日 自社ウェブサイトにて、「コンサートライト「ルミカライト ルナ8」を販売(ウェブサイトのアドレス:http://www.lumicashop.com/ 等) 平成26年10月30日 株式会社KADOKAWAが発行するゲーム雑誌「週刊ファミ通」にて、「ルミカライト ルナ8(エイト)」について公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】原田 士郎
(72)【発明者】
【氏名】小室 雄一
【審査官】 丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−066701(JP,U)
【文献】 米国特許第06685331(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 2/06
G09F 13/00 − 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が密閉された外部ケースであって、前記外部ケースの内部であり、かつ前記外部ケースに内包されるアンプルの外部に化学発光用組成物の一方の組成物が充填された外部ケースと、
前記外部ケースの略中央に配置されるスペーサーであって、前記スペーサーの外縁に前記スペーサーの長さ方向に溝部として設けられたアンプルを収容する保持部を有し、前記外部ケースの略中央に配置されることで前記外部ケースと前記スペーサーとの間に化学発光用組成物の一方の組成物が充填される隙間が生じるスペーサーと、
前記スペーサーの保持部に配置された化学発光用組成物の他方の組成物が充填されたアンプルと、を有する化学発光体。
【請求項2】
前記アンプルが、前記スペーサーと略同じ長さである請求項1記載の化学発光体。
【請求項3】
前記スペーサーが、発泡樹脂製の発泡体である請求項1または2記載の化学発光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合することで化学発光する二種類の化学発光用組成物を用いた化学発光体に関する。また、これらの化学発光用組成物を利用し、大型化しても軽量とすることができる化学発光体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンサートライトのようにイベント時に用いられるライトや防災用ライト等の手持ち型ライト、夜間の釣り用に使用される浮き、セレモニー会場の装飾等のように、化学発光用蛍光液と化学発光用酸化液の組み合わせのような2種類の液体や固体を混合させることで化学発光を生じさせる化学発光体が広く用いられている(特許文献1、2)。
【0003】
これらの化学発光体は、前述の特許文献1や2に示されるように、筒状容器内(外部ケース内)に、さらにガラスアンプル等の内筒を設け、一方の液(または固体)をこの内筒内に充填し、その内筒の外側でありかつ外部ケース内に他方の液を充填し、保管時においては2種の液が内筒(ガラスアンプルの場合、ガラス)によって分離されるものの、使用時には化学発光体を折り曲げることで内筒が破割し、2種の液(または液と固体)が混合し筒状容器内で化学発光が生じる構成として提案され利用されている。
【0004】
化学発光体は、様々な形状で提供されているが、例えば、特許文献3には、2層構造のカップの内部にアンプルを設けた化学発光体が提案されている。この特許文献3に開示されたカップは、従来から知られた発光性のカップを改良したものであり、使用中発光液体により発光されるので美観がよく、またその底部により瓶のキャップを開けることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4044934号公報
【特許文献2】特開平8−280421号公報
【特許文献3】特開2001−70124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から広く採用されている、外部ケースとなる円筒内に、化学発光用蛍光液や酸化液の一方の液と、他方の液を内包したアンプルとを充填する形態による化学発光体を大型化しようとする場合、その径や長さを大きくするに伴って、内包される液量が増えることで著しく全体の重量が増加し使用しにくくなる。
【0007】
一方で、特許文献3のカップのように外部ケースと内筒との二重構造を設けて、その外部ケースと内筒との間に複数のガラスアンプルを入れる場合、中央に穴が開いた構造のため、軽量で広い発光面を得られる円筒型化学発光体とすることができるものの、二重筒の構造を封止しなければならないことから、樹脂等で成形される容器の溶着が複雑となり、液漏れが発生する不良品が生じてしまう場合があった。また、発光用溶液が混合されることで開始される発光に伴い生じる内圧によって、内筒が変形したり、発光溶液を混合するために折り曲げ応力をかけてもアンプルが折れにくかったりという問題が生じる場合があった。従って、軽量で広い発光面を得ることができ、発光等に伴う内圧に強く、液漏れが生じにくく、かつ、ガラスアンプルが折れ易い化学発光体が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0009】
本発明は、両端が密閉された外部ケースであって、前記外部ケースの内部であり、かつ前記外部ケースに内包されるアンプルの外部に化学発光用組成物の一方の組成物が充填された外部ケースと、前記外部ケースの略中央に配置されるスペーサーであって、前記スペーサーの外縁に前記スペーサーの長さ方向に溝部として設けられたアンプルを収容する保持部を有し、前記外部ケースの略中央に配置されることで前記外部ケースと前記スペーサーとの間に化学発光用組成物の一方の組成物が充填される隙間が生じるスペーサーと、前記スペーサーの保持部に配置された化学発光用組成物の他方の組成物が充填されたアンプルと、を有する化学発光体に関するものである。この化学発光体は、化学発光体の内部にスペーサーを設けることで化学発光用組成物の一方の組成物が充填されるアンプルを所定の位置に固定し、かつ、スペーサーにより発光体内部の組成物量(液量)を少なくすることで、発光体としての重量を少なくし、かつ、十分な発光面積を得ることができるものである。さらに、アンプルの位置をスペーサーで固定することで、使用時までアンプルを破割することなく保持しやすくし、一方で使用時には軽い折り曲げの力で破割させることができる。
【0010】
本発明は、2種の化学発光用組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体に関する。ここで、混合することで化学発光を生じさせる2種の組成物とは、例えば、化学発光用蛍光液(シュウ酸エステルと色素、溶媒等)と化学発光用酸化液(過酸化水素水のような酸化剤と触媒成分、溶媒等)のような液状のものが一般的であるが、これらの液と同様に混合することで化学発光を生じさせる粉体状や粒状の固体状のものを用いてもよい。この組成物は双方が液状の場合、混合性に優れており全体で均一な発光を速やかに生じさせやすく好ましい。また、一方が固体状の場合、破割性を有するアンプルを他方の液が通過し浸透しながら発光が生じるため、比較的緩やかな反応となる。なお、ここで混合することで化学発光を生じさせるものは、一般的にそれぞれを複数の化合物等の組成物として調製されるが、本発明においては単独の物質で用いることができるようなものも含めて組成物と表記する。
【0011】
本発明は、この2種の化学発光用組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体の構造に特徴を有するものである。本発明の化学発光体は、両端が密閉された外部ケースであって、前記外部ケースの内部であり、かつ前記外部ケースに内包されるアンプルの外部に化学発光用組成物の一方の組成物が充填された外部ケースを有する。本発明の化学発光体は、非使用時(保管時等)は、2種の化学組成物が混合されないように化学発光体の外部ケースに内包されるアンプルによって分離されることが求められる。また、外部ケースの内部であり、かつ、前記アンプルの外部に化学発光用組成物の一方の組成物が充填されている。また、アンプル内部には、化学発光用組成物の他方の組成物が内包されている。
【0012】
この、本発明の化学発光体に用いられる外部ケースは、樹脂製容器が一般的であり、この容器は樹脂を用いて射出成型等の樹脂成形法により成形される。この樹脂としては、耐熱性、耐溶剤性、機械強度といった観点から、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等を主とするものが一般的に用いられる。例えば、ポリプロピレンの場合、適宜、添加剤が加えられたポリプロピレン樹脂組成物が市販されており、このような樹脂組成物により製造される容器は樹脂としてポリプロピレンを採用した樹脂組成物製の化学発光体の外部ケースとなる。また、使用時に化学発光体内部の化学発光による光の分散性を向上させるために、樹脂組成物に適宜、光分散剤を加えたり、色調を変えるために着色剤を混合して外部ケースを製造してもよい。また、製造条件の制御によって結晶化度をコントロールする等して、白濁状態の光分散性が高い容器としてもよい。
【0013】
本発明の外部ケースは、前述のように樹脂製である。ここで、外部ケースは、外部ケース内に、アンプル、化学発光用の化学組成物等を加えた後、所定の方法で密閉され外部ケースとなる。この密閉方法の代表的な方法としては、外部ケース用の本体容器に当該容器の横断面を閉塞する蓋部を取り付ける方法が挙げられ、具体的な蓋部の取り付け方として、熱溶着により蓋部を取り付ける方法が挙げられる。この蓋部を取り付けるにあたっては、その蓋部を取り付けるためのスペースが外部ケース用の本体容器に設けられる。さらには、その蓋部は熱溶着等を行いやすいように、外部ケースを円柱状とし、溶着部はその円周部とするように溶着しやすい構造であることが好ましい。
【0014】
この外部ケースは、適宜、化学発光体の用途に合わせた任意の形状としてよいが、円筒状や略直方体状のものなどを用いることができる。本発明の化学発光体は、内部にスペーサーを設けることで全体としての重量を低減することができるため、径を太くしたり、長さを長くすることで広い発光面積を有する化学発光体の設計に適している。この発光面積は主にこの外部ケースの大きさに依存する。また、外部ケースに螺合部や、クリップのような係止部等の他の部材と連結することができる連結部を設けてもよい。このような連結部を有する場合、被連結部を有する他の部材と組み合わせてより広範な用途に使用しやすくなる。
【0015】
また、本発明の化学発光体は、前記外部ケースの略中央に配置されるスペーサーであって、前記スペーサーの外縁にアンプルを収容する保持部を有し、前記外部ケースの略中央に配置されることで前記外部ケースと前記スペーサーとの間に化学発光用組成物が充填される隙間が生じるスペーサーを有する。このスペーサーにより、外部ケースに内包される化学発光用組成物量を低減することができる。また、スペーサーに設けられた保持部にアンプルを収容することで、そのアンプルを安定して保持することができる。
【0016】
本発明の化学発光体は、外部ケースの略中央に配置されるスペーサーを有する。スペーサーと外部ケースとの間に生じる隙間に化学発光用組成物の一方の組成物が充填されるが、この隙間に充填されている化学発光用組成物の一方の組成物がアンプルを破割した時にアンプル内の他方の組成物と反応することで化学発光して化学発光体の外部ケース内で発光する。このとき化学発光体の外部ケースの外周部に相当する部分が発光面となるため、その化学発光体の外周部の周方向全体がほぼ均一に発光しやすいようにスペーサーは略中央の外部ケースと同じ軸心上に設けておき、スペーサーと外部ケースとの隙間が化学発光体の外周部に得られるように配置することが好ましい。このスペーサーと外部ケースとの間に生じる隙間は、例えば約0.3mm〜5mm程度の隙間とすることができる。
【0017】
さらに、このスペーサーはその外縁にアンプルを収容する保持部を有している。この保持部は、スペーサーの長さ方向に沿って設けられた溝部のような形状で達成することができる。この溝部にアンプルをはめ込むように収容することができる。この保持部にアンプルを保持させることで、非使用時には、内部のアンプルが破割しないように保護し、一方で、使用時に軽い折り曲げの力などを加えれば容易に破割することができるような、使用しやすい化学発光体とすることができる。前記スペーサーに設けられたアンプルを収容する保持部は、スペーサーに2個以上5個以下程度設けることが好ましい。本発明の化学発光体は、その直径が太いものを得るときに好ましい形状である。このため、その広い外周面に沿って化学発光体組成物、特にアンプルを破割した後のアンプル内の化学発光用組成物が展開しやすく、混合されやすいように、外縁の複数の位置にアンプルが設けられていることが好ましい。また、そのような配置とすることで、バランスのとれた美感と、重量感を得ることができる。
【0018】
本発明において、このスペーサーを化学発光用組成物よりも比重が軽いものを採用することで、化学発光体全体の軽量化にも資することができる。また、化学発光体組成物を吸液しないような素材を用いることで、スペーサー内部に化学発光用組成物が含有される量も減るため、より軽量化しやすくなる。さらに、スペーサーとして光散乱性の高い白色物質等を用いることで、使用時に化学発光体ないで発光する化学発光用組成物による発光の色の変化を少なくし、かつ、光損失を少なくし外部に散乱させ高い輝度とすることが期待される。このような観点から、スペーサーは、発泡樹脂製の発泡体であることが好ましい。また、スペーサーは、化学発光用組成物に用いられる溶剤等に対する耐溶剤性等も有することが好ましい。このようなスペーサーとしては、ポリエチレン(PE)および/またはポリプロピレン(PP)の発泡樹脂製の発泡体を用いることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の化学発光体は、前記スペーサーの保持部に配置された化学発光用組成物の他方の組成物が充填されたアンプルを有する。このアンプルは、化学発光体に折り曲げの力が加わった時に、外部ケース内で割れるアンプルであればよく、一般的にはガラス製のアンプルが用いられる。ガラス製とすることで、非使用時には外部の液と内部の液の混合を遮断することができ、さらに、化学発光体の折り曲げによりかかる負荷によって、適度に割れやすいものとすることができるためである。なお、本発明において、化学発光体の折り曲げは、破割性アンプルが破割する程度の折り曲げであれば足り、特にガラス製の破割性アンプルとする場合、その折り曲げは緩やかなカーブを描く程度の折り曲げでよい。
【0020】
本発明の化学発光体は、特に太い径を有するものとしたいときに適した構成であり、例えば直径20mm以上や、好ましくは直径30mm以上のような径の化学発光体としても、全体としての重量を軽量化することができる。また、その長さも、その用途に合わせて適宜設定されるが、例えば、長さ4インチ以上等として設計することができる。
【0021】
外部ケースと蓋部の接着面が減ることで十分な溶着が可能な溶封構造とすることで、液漏れが生じるおそれのある溶封部の総面積を減らし、かつ溶着熱を均一に加熱しやすい形状とすることができるため、極めて高い精度で液漏れを防止出来る。さらに、発光のための化学発光用組成物の混合反応により生じる総液量や気体量の増加に伴い発光体の内圧が高くなってもスペーサー(好ましくは発泡体)がその圧力を吸収できる構造となっているため安全性が高い。
【0022】
本発明の化学発光体を製造するにあたっては、本発明の化学発光体を得ることができればよく、一端が密閉された外部ケースの開放端側から、化学発光用組成物の一方の組成物およびスペーサー、化学発光用組成物の他方の組成物が含まれるアンプルを任意の順序で加えて、その後、外部ケースの開放端を密閉することで得ることができる。すなわち、一端が密閉された外部ケースの内部に、前記外部ケースの略中央に配置される、外縁にアンプルを収容する保持部を有する発泡樹脂製のスペーサーと、前記外部ケースの内部でありかつ前記スペーサーの保持部に収容されるアンプルの外部に加えられる化学発光用組成物の一方の組成物と、前記スペーサーの保持部に配置される化学発光用組成物の他方の組成物を含有するアンプルとを加え、前記外部ケースの開放端を密閉することで両端が密閉された化学発光体とすることを特徴とする化学発光体の製造方法とすることができる。このような製造方法とすることで、スペーサーを内包し軽量化等に適した化学発光体を得ることができる。より具体的には、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、両端が開放された管上の外部ケースを、所望の長さに切断する。次に、その外部ケースの一方の端部に蓋を溶着することで、一方の端部が開放された容器状の外部ケースとする。次に、外部ケースに所定の量の化学発光用組成物の一方の組成物として化学発光用蛍光液を加える。次に、アンプルを収容する保持部として機能する溝部を設けた中実のPP製発泡体からなるスペーサーを、化学発光用蛍光液が加えられた外部ケースの略中央部に配置する。次に、外部ケースに配置されたスペーサーの保持部に、化学発光用組成物の他方の組成物を含有するアンプルを配置する。その後、外部ケースの横断面を閉塞する蓋部を嵌合し溶着することで開放端を密閉する。これによって、化学発光体を得ることができる。
【0023】
上記した製造方法等で製造される化学発光体は、化学発光体内部に化学発光用液のような組成物を内包しているが、それらすべてを内包する外部ケースの溶着部を溶着しやすい形状とすることができるため、製造時、および得られる製品の液漏れ防止効果等の安全性が高い。また、スペーサーがアンプルの保持部を有することから、複数のアンプルを外部ケース内に内包させる場合でも、アンプル同士の接触等のおそれが少なく、欠陥品が生じにくい方法で製造することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、軽量で広い発光面積を有する化学発光体を得ることができる。また、化学発光体等の反応に伴う内圧に強く、化学発光体からの液漏れが生じにくく、かつ、ガラスアンプルが折れ易い化学発光体とすることができる。また、このような化学発光体を効率よく製造する方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の化学発光体の全体構造を示す概略斜視図である。
図2】本発明の化学発光体の構成を把握するための概略断面図である。
図3】本発明の化学発光体において外部ケースの蓋部を設ける工程を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
【0027】
図1は、本発明の化学発光体の全体構造を示す概略斜視図である。この化学発光体10は、両端が蓋部11および蓋部12によって密閉された円筒状の外部ケース1を有する。また、その外部ケース1の内部の略中央であり円筒状の外部ケース1と同じ軸心上に位置している、中実のスペーサー2を有している。このスペーサー2は、その長さ方向に溝部として設けられた保持部を3か所有しており、この保持部にアンプル3が設置されている。蓋部11、12は凹型状であり、その底面はスペーサー2の下面、上面と接するような構造となっている。なお、ここで、外部ケースやスペーサー、アンプルの長さ方向等は、図1においての左右方向である。
【0028】
図2は、本発明の化学発光体の構成を把握するための概略断面図であり、図1で表される化学発光体のA−A断面図である。この断面図に示すように、外部ケース1とスペーサー2との間には隙間4が生じるような構成となっており、その隙間4には、化学発光用組成物の一方の液として酸化液6が充填されている。また、保持部21に保持されたアンプル3には化学発光体組成物の他方の液として蛍光液5が充填されている。
【0029】
この図1、2で表されるような形態の化学発光体は、非使用時には、アンプル3により、蛍光液5と、酸化液6とが分離されているため、発光が生じない。一方で、使用時には、外部ケース1を折り曲げることで、アンプル3が折れアンプル3内の蛍光液5が、隙間4の酸化液と接触・混合されることで化学発光が生じる。この化学発光は、アンプル3が収容されていた部分や、隙間4のように化学発光用液が展開される部分で生じる。すなわち、化学発光体の周方向に沿って発光部が得られるため、筒内全体に対応する広い発光面積を得ることができる。また、内部のスペーサーに光散乱性の発泡体を採用すれば、スペーサー側から光が散乱するため、見た目の発光強度が高い化学発光体とすることができる。また、スペーサーが圧力を吸収することで、内圧の変化等の影響も少なく、外部ケースの形状変化はほとんど生じない。例えば、スペーサー2として、中実のPP製発泡体を採用して、直径30mm、長さ20cmとしたとき、およそ60g程度の重量の化学発光体とすることができる。これを、従来の形状で大型化した場合、およそ140gとなるため、半分以下の重量とすることができる。
【0030】
また、本発明においては、アンプル3はスペーサー2と略同じ長さとすることで、化学発光体10の全長方向でアンプル3内の化学発光体を混合させることができるため、均質な発光を短時間で達成することができる。また、スペーサー2を、外部ケース1内部の長さ方向のスペースと略同じ長さとし、スペーサー2とアンプル3の長さ方向の左右の動きは蓋部11、12によって制限されていることで外部ケース内に内包されたスペーサーやアンプルの移動が少なく運搬等による破損を防止することができる。
【0031】
この化学発光体を製造するにあたっては、例えば、図1において、蓋部11を設けた外部ケース1の蓋部11側を下にして、開放端となる上部からこの円筒状外部ケース1の円の略中央部に、スペーサー2を配置し、さらにスペーサー2の外縁部沿って設けられた3つの保持部21に、蛍光液5が内包されたアンプル3を3つ、それぞれ収容させる。そして、外部ケース1とスペーサー2との隙間に酸化液6を充填する。その後、蓋部12を溶着により設けることで化学発光体10を得ることができる。
【0032】
図3は、この溶着時の工程を示すものであり、本発明の化学発光体において外部ケースの蓋部を設ける際の化学発光体上部の概略断面図である。図3において、下端が密閉された外部ケース1の内部に、前述のようにスペーサー2、アンプル3、化学発光用組成物の一方の液(図示せず)を加えた後、上部から横断面を閉塞する蓋部12を嵌合し、溶着部13を溶着することで開放端を密閉する。このように製造することで、蓋部11や蓋部12と、外部ケース1とが接する部分、すなわち、外部ケース1の略外周部(図3において溶着部13)のみ溶着するものとなるため、安定して強固な溶着を行いやすくなる。よって、液漏れ等の生じにくい化学発光体とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の化学発光体は、広い発光面積を有する化学発光体として、化学発光体が従来使用されてきたようなコンサートライトや、警告灯、表示灯等の様々な用途に使用することができ、産業上有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 外部ケース
10 化学発光体
11、12 蓋部
13 溶着部
2 スペーサー
21 保持部
3 アンプル
4 隙間
5 蛍光液
6 酸化液
図1
図2
図3