(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態として弾球遊技機と回胴遊技機を例に挙げ、それらの遊技機に取り付けられる電子回路基板について詳述する。説明は次の順序で行う。
<1.弾球遊技機の構成>
<2.回胴遊技機の構成>
<3.電子部品の識別情報の類型>
<4.基板例>
<5.実施の形態の基板の識別情報>
<6.実施の形態の基板の基板管理番号>
<7.基板管理番号の配置及び基板ケース、カバー体の関係>
<8.まとめ及び変形例>
なお本明細書及び特許請求の範囲において、「文字」とはアルファベット、ひらがな、カタカナ、数字、記号等、基板管理番号や識別情報に使用されるものの総称として用いている。
【0013】
<1.弾球遊技機の構造>
まず
図1〜
図3を参照して、実施の形態としての弾球遊技機100の構成を説明する。
図1は実施の形態の弾球遊技機100の外観を示す正面側の斜視図であり、
図2は遊技盤の正面図である。
図1,
図2に示す弾球遊技機100は、主に「枠部」と「遊技盤部」から成る。
「枠部」は以下説明する前枠102,外枠104、ガラス扉105、操作パネル107を有して構成される。「遊技盤部」は
図2の遊技盤103から成る。以下の説明上で、「枠部」「枠側」とは前枠102,外枠104、ガラス扉105、操作パネル107の総称とする。また「盤部」「盤側」とは遊技盤103を示す。
【0014】
図1に示すように弾球遊技機100は、木製の外枠104の前面に額縁状の前枠102が開閉可能に取り付けられている。図示していないが、この前枠102の裏面には遊技盤収納フレームが形成されており、その遊技盤収納フレーム内に
図2に示す遊技盤103が装着される。これにより遊技盤103の表面に形成した遊技領域103aが前枠102の開口部102aから
図1の弾球遊技機100の前面側に臨む状態となる。
なお遊技領域103aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉105が設けられており、遊技領域103aは透明ガラスを介して前面の遊技者側に表出される。
【0015】
ガラス扉105は軸支機構106により前枠102に対して開閉可能に取り付けられている。そしてガラス扉105の所定位置に設けられた図示しない扉ロック解除用キーシリンダを操作することで、前枠102に対するガラス扉105のロック状態を解除し、ガラス扉105を前側に開放できる構造とされている。また扉ロック解除用キーシリンダの操作によっては、外枠104に対する前枠102のロック状態も解除可能な構成とされている。
またガラス扉105の前面側には、枠側の発光手段として装飾ランプ120wが各所に設けられている。装飾ランプ120wは、例えばLED(Light Emitting Diode)による発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
【0016】
ガラス扉105の下側には操作パネル107が設けられている。この操作パネル107も、図示しない軸支機構により、前枠102に対して開閉可能とされている。
操作パネル107には、上受け皿ユニット108、下受け皿ユニット109、発射操作ハンドル110が設けられている。
【0017】
上受け皿ユニット108には、弾球に供される遊技球を貯留する上受け皿108aが形成されている。下受け皿ユニット109には、上受け皿108aに貯留しきれない遊技球を貯留する下受け皿109aが形成されている。
また上受け皿ユニット108には、上受け皿108aに貯留された遊技球を下受け皿109a側に抜くための球抜きボタン116が設けられている。下受け皿ユニット109には、下受け皿109aに貯留された遊技球を弾球遊技機100の下方に抜くための球抜きレバー117が設けられている。
また上受け皿ユニット108には、図示しない遊技球貸出装置に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン114と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン115とが設けられている。
さらに上受け皿ユニット108には、演出ボタン111,112、十字キー113が設けられている。演出ボタン111,112は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタンとされる。また十字キー113は遊技者が演出状況に応じた操作や演出設定等のための操作を行う操作子である。
【0018】
発射操作ハンドル110は操作パネル107の右端部側に設けられ、遊技者が弾球のために
図3に示す発射装置156を作動させる操作子である。
また前枠102の上部の両側と、発射操作ハンドル110の近傍には、演出音を音響出力するスピーカ125が設けられている。
【0019】
次に
図2を参照して、遊技盤103の構成について説明する。遊技盤103は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤103には、発射された遊技球を案内する球誘導レール131が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール131に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域103aとなっている。
【0020】
この遊技領域103aの略中央部には、液晶表示装置132(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。
液晶表示装置132では、後述する演出制御基板151の制御の下、背景画像上で、例えば左、中、右の3つの装飾図柄の変動表示が行われる。また通常演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出などの各種の演出画像の表示も行われる。
【0021】
また遊技領域103a内には、液晶表示装置132の表示面の周囲を囲むように、センター飾り135Cが設けられている。
センター飾り135Cは、そのデザインにより装飾効果を発揮するだけでなく、周囲の遊技球から液晶表示装置132の表示面を保護する作用を持つ。さらにセンター飾り135Cは、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長による遊技球の流路の左右打ち分けを可能とする部材としても機能する。すなわち球誘導レール131を介して遊技領域103a上部に打ち出された遊技球の流下経路は、センター飾り135Cによって分割された左遊技領域103bと右遊技領域103cのいずれかを流下することとなる。いわゆる左打ちの場合、遊技球は左遊技領域103bを流下していき、右打ちの場合、遊技球は右遊技領域103cを流下していく。
【0022】
また左遊技領域103bの下方には、左下飾り135Lが設けられ、装飾効果を発揮するとともに左遊技領域103bとしての範囲を規定する。
同様に右遊技領域103cの下方には右下飾り135Rが設けられ、装飾効果を発揮するとともに左遊技領域103bとしての範囲を規定する。
なお、遊技領域103a(左遊技領域103b及び右遊技領域103c)内には、所要各所に釘149や風車147が設けられて遊技球の多様な流下経路を形成する。
また液晶表示装置132の下方にはセンターステージ135Sが設けられており、装飾効果を発揮するとともに、遊技球の遊動領域として機能する。
なお図示していないが、センター飾り135Cには、適所に視覚的演出効果を奏する可動体役物が設けられている。
【0023】
遊技領域103aの右上縁付近には、複数個のLEDを配置して形成されたドット表示器による図柄表示部133が設けられている。
この図柄表示部133では、所定のドット領域により、第1特別図柄表示部、第2特別図柄表示部、及び普通図柄表示部が形成され、第1特別図柄、第2特別図柄、及び普通図柄のそれぞれの変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)が行われる。
なお、上述した液晶表示装置132は、図柄表示部133による第1、第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示する。
【0024】
センター飾り135Cの下方には、上始動口141(第1の特別図柄始動口)を有する入賞装置が設けられ、さらにその下方には下始動口142a(第2の特別図柄始動口)を備える普通変動入賞装置142が設けられている。
上始動口141及び下始動口142aの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(
図3に示す上始動口センサ171,下始動口センサ172)が形成されている。
上始動口141は、図柄表示部133における第1特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口で、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置となっている。
【0025】
下始動口142aを有する普通変動入賞装置142は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。すなわち下始動口142aを開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)142bを備えた、いわゆる電動チューリップ型の入賞装置である。
この普通変動入賞装置142の下始動口142aは、図柄表示部133における第2特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口である。そして、この下始動口142aの入賞率は可動翼片142bの作動状態に応じて変動する。すなわち可動翼片142bが開いた状態では、入賞が容易となり、可動翼片142bが閉じた状態では、入賞が困難又は不可能となるように構成されている。
【0026】
また普通変動入賞装置142の左右には、一般入賞口143が複数個設けられている。各一般入賞口142の内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(
図3に示す一般入賞口センサ174)が形成されている。
また右遊技領域103cの下部側には、遊技球が通過可能なゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口144が設けられている。この普通図柄始動口144は、図柄表示部133における普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出するセンサ(
図3に示すゲートセンサ173)が形成されている。
【0027】
右遊技領域103c内の普通図柄始動口144から普通変動入賞装置142へかけての流下経路途中には第1特別変動入賞装置145(特別電動役物)が設けられている。
第1特別変動入賞装置145は、突没式の開放扉145bにより第1大入賞口145aを閉鎖/開放する構造とされている。また、その内部には第1大入賞口145aへの遊技球の通過を検出するセンサ(
図3の第1大入賞口センサ175)が形成されている。
第1大入賞口145aの周囲は、右下飾り135Rが遊技盤103の表面から膨出した状態となっており、その膨出部分の上辺及び開放扉145bの上面が右流下経路103cの下流案内部を形成している。従って、開放扉145bが盤内部側に引き込まれることで、下流案内部に達した遊技球は容易に第1大入賞口145に入る状態となる。
【0028】
また普通変動入賞装置142の下方には、第2特別変動入賞装置146(特別電動役物)が設けられている。第2特別変動入賞装置146は、下部が軸支されて開閉可能な開放扉146bにより、その内側の第2大入賞口146aを閉鎖/開放する構造とされている。また、その内部には第2大入賞口146aへの遊技球の通過を検出するセンサ(
図3の第2大入賞口センサ176)が形成されている。
開放扉146bが開かれることで第2大入賞口146aが開放される。この状態では、左遊技領域103b或いは右遊技領域103cを流下してきた遊技球は、高い確率で第2大入賞口150に入ることとなる。
【0029】
以上のように盤面の遊技領域には、入賞口として上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1大入賞口145a、第2大入賞口146a、一般入賞口143が形成されている。
本実施の形態の弾球遊技機100においては、これら入賞口のうち、普通図柄始動口144以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に設定された入賞球1個当りの賞球数が遊技球払出装置155(
図3参照)から払い出される。
なお、これらの各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口148を介して遊技領域103aから排出される。
ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、ゲートを遊技球が通過したりすることをいう。実際には入賞口ごとに形成されたセンサ(各入賞検出スイッチ)により遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。
【0030】
以上のような盤面において、センター飾り135C、左下飾り135L、右下飾り135R、センターステージ135S、第1特別変動入賞装置145、第2特別変動入賞装置146、さらには図示していない可動体役物には、詳細には図示していないが各所に、盤側の発光手段として装飾ランプ120bが設けられている。
装飾ランプ120bは、例えばLEDによる発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
【0031】
次に弾球遊技機100の制御系の構成について説明する。
図3は弾球遊技機100の内部構成の概略的なブロック図である。
本実施の形態の弾球遊技機100は、その制御構成を形成する基板として主に、主制御基板150、演出制御基板151、液晶制御基板152、払出制御基板153、発射制御基板154、電源基板158が設けられている。
【0032】
主制御基板150は、マイクロコンピュータ等が搭載され、弾球遊技機100の遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。
演出制御基板151は、マイクロコンピュータ等が搭載され、主制御基板150から演出制御コマンドを受けて、画像表示、発光、音響出力を用いた各種の演出動作を実行させるための制御を行う。
液晶制御基板152はマイクロコンピュータやビデオプロセッサ等が搭載され、演出制御基板151からの表示制御コマンドを受けて、液晶表示装置132による表示動作の制御を行う。
【0033】
払出制御基板153は、マイクロコンピュータ等が搭載され、主制御基板150から払出制御コマンドを受けて、遊技球払出装置155による賞球の払い出し制御を行う。
発射制御基板154は、弾球遊技機100に設けられている発射装置156による遊技球の発射動作の制御を行う。
電源基板158は、外部電源(例えばAC24V)からAC/DC変換、さらにはDC/DC変換を行い、各部に動作電源電圧Vccを供給する。なお電源経路の図示は省略している。
【0034】
主制御基板150及びその周辺回路について述べる。
主制御基板150は、マイクロコンピュータを構成するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を搭載している。また主制御基板150は、各部とのインターフェース回路、乱数を生成する乱数回路、各種の時間計数のためのCTC(Counter Timer Circuit)、上記CPUに割込み信号を与える割込コントローラなども備えている。
【0035】
この主制御基板150は、盤面の遊技領域の各入賞手段(上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1大入賞口145a、第2大入賞口146a、一般入賞口143)に設けられるセンサの検出信号を受信する構成となっている。
すなわち、上始動口センサ171、下始動口センサ172、ゲートセンサ173、一般入賞口センサ174、第1大入賞口センサ175、第2大入賞口センサ176のそれぞれの検出信号が主制御基板150に供給される。
なお、これらのセンサ(171〜176)は、入球した遊技球を検出する検出スイッチにより構成されるが、具体的にはフォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
主制御基板150は、これらのセンサ(171〜176)のそれぞれの検出信号の受信に応じて処理を行う。例えば抽選処理、図柄変動制御、賞球払出制御、演出制御コマンド送信制御、外部データ送信処理などを行う。
【0036】
また主制御基板150には、下始動口142の可動翼片142bを開閉駆動する普通電動役物ソレノイド177が接続され、主制御基板150は遊技進行状況に応じて制御信号を送信して普通電動役物ソレノイド177の駆動動作を実行させ、可動翼片142bの開閉動作を実行させる。
さらに、主制御基板150には、第1大入賞口145の開放扉145bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド178と、第2大入賞口146の開放扉146bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド179が接続されている。主制御基板150は、いわゆる大当たり状況に応じて、第1大入賞口ソレノイド178又は第2大入賞口ソレノイド179を駆動制御して、第1大入賞口145又は第2大入賞口146の開放動作を実行させる。
【0037】
また主制御基板150には、図柄表示部133が接続されており、図柄表示部133に制御信号を送信して、各種図柄表示(LEDの消灯/点灯/点滅)を実行させる。これにより図柄表示部133における第1特別図柄表示部180、第2特別図柄表示部181、普通図柄表示部182での表示動作が実行される。
【0038】
また主制御基板150には、枠用外部端子基板157が接続される。主制御基板150は、遊技進行に関する情報を、枠用外部端子基板157を介して図示しないホールコンピュータに送信可能となっている。遊技進行に関する情報とは、例えば大当り当選情報、賞球数情報、図柄変動表示実行回数情報などの情報である。ホールコンピュータとは、パチンコホールの弾球遊技機100を統括的に管理する管理コンピュータであり、弾球遊技機100の外部に設置されている。
【0039】
また主制御基板150には、払出制御基板153が接続されている。払出制御基板153は、図示しないCPUを内蔵したマイクロプロセッサ、ROM、RAMを搭載し、マイクロコンピュータを構成している。
この払出制御基板153には、発射装置156を制御する発射制御基板154と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置155が接続されている。
主制御基板150は、払出制御基板153に対し、払い出しに関する制御コマンドを送信する。払出制御基板153は当該制御コマンドに応じて遊技球払出装置155を制御し、遊技球の払い出しを実行させる。
また払出制御基板153は、主制御基板150に対して、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御基板150側では、この払出状態信号によって、遊技球払出装置155が正常に機能しているか否かを監視する。具体的には、賞球の払い出し動作の際に、玉詰まりや賞球の払い出し不足といった不具合が発生したか否かを監視している。
【0040】
また主制御基板150は、特別図柄変動表示に関する情報を含む演出制御コマンドを、演出制御基板151に送信する。なお、主制御基板150から演出制御基板151への演出制御コマンドの送信は一方向通信により実行されるようにしている。これは、外部からの不正行為による不正な信号が演出制御基板151を介して主制御基板150に入力されることを防止するためである。
【0041】
続いて演出制御基板151及びその周辺回路について説明する。
演出制御基板151は、マイクロコンピュータを構成するCPU、ROM、RAMを搭載している。また演出制御基板151は、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、上記CPUに割込み信号を与える割込コントローラ回路なども備えている。
この演出制御基板151は、演出制御プログラム及び主制御基板150から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、この弾球遊技機100の場合、液晶表示装置132、装飾ランプ120w、120b、スピーカ159及び図示を省略した可動体役物となる。
演出制御基板151の主な役割は、主制御基板150からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置132側への演出制御コマンドの送信、スピーカ125による出力音制御、装飾ランプ120w,120b(LED)の発光制御、可動体役物の動作制御などとなる。
【0042】
演出制御基板151は、液晶表示装置132側への演出制御コマンドの送信を行うが、その演出制御コマンドは、液晶インターフェース基板166を介して液晶制御基板152に送られる。
【0043】
液晶制御基板152は、液晶表示装置132の表示制御を行う。この液晶制御基板152には、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行うVDP(Video Display Processor)、画像展開処理を行う画像データが格納された画像ROM、展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)、液晶制御用のCPU、液晶制御用のROM、液晶制御用のRAM等を備えている。
液晶制御基板152は、これらの構成により、演出制御基板151からの演出制御コマンドに基づいて各種の画像データを生成し、液晶表示装置132に出力する。これによって液晶表示装置132において各種の演出画像が表示される。
【0044】
また演出制御基板151は、光演出や音演出の制御を行う。このため演出制御基板151には枠ドライバ部161、盤ドライバ部162及び音源IC(Integrated Circuit)159が接続されている。
枠ドライバ部161は、枠側の装飾ランプ部163のLEDについて発光駆動を行う。なお、装飾ランプ部163とは、
図1に示したように枠側に設けられている装飾ランプ120wを総括的に示したものである。
盤ドライバ部162は、盤側の装飾ランプ部164のLEDについて発光駆動を行う。なお、装飾ランプ部164とは、
図2に示したように盤側に設けられている装飾ランプ120bを総括的に示したものである。
また盤ドライバ部162は、可動体役物モータ部165のモータの駆動も行う。可動体役物モータ165は、盤側に形成されている1又は複数の可動体役物を駆動する1又は複数の各モータを総括的に示している。
なおこの例では盤ドライバ部162は、盤側に形成されている可動体役物を駆動する可動体役物モータ部165のモータの駆動も行うものとしているが、装飾ランプ部164の各LEDを発光駆動するドライバ部と、可動体役物モータ部165のモータを駆動するドライバ部が別体として設けられても良い。
【0045】
可動体役物モータ部165としては、例えば複数の役物に対応して複数のモータ(例えばステッピングモータ)が設けられる。
各モータには原点位置が規定されている。原点位置は、例えば役物が
図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。
モータが原点位置にあるか否かを演出制御基板151側で確認できるようにするため、各モータには原点スイッチ168が設けられている。例えばフォトインターラプタが用いられる。この原点スイッチ168の情報が演出制御基板151のCPUによって検知される。
【0046】
また演出制御基板151は、スピーカ125により所望の音を出力させるべく、音源IC159に対する制御を行う。音源IC159には音データROM169が接続されており、音源IC159は音データROM169から必要な音データ(再生するフレーズの音データ)を取得して音声信号出力を行う。
音源IC159は、複数チャネルのフレーズをミキシングして所定本数(チャネル数)の音声信号を得る。
図1に示したように、本例の場合、スピーカ125は複数設けられるため、音源IC159の出力チャネル数は例えばLch,Rchの2チャネルなど(ステレオ出力)が可能となる。上記のミキシングにより、演出制御基板151より再生指示された複数チャネルのフレーズを同時再生可能とされる。
【0047】
音源IC159による出力音声信号はアンプ部167で増幅された後、スピーカ125に対して与えられる。
なお、
図3では図示の都合上、音源IC159の出力チャネル数を1つとしているが、実際にはアンプ部167及びスピーカ125は例えばLch、Rchに対応した出力チャネルがそれぞれ設けられ、ステレオによる音再生が可能とされる。
また、上記では音源IC159を演出制御基板151とは別体に設けるものとしたが、音源IC159は演出制御基板151上に設けることもできる。
【0048】
また演出制御基板151には、遊技者が操作可能な操作部160が接続され、操作部160からの操作検出信号を受信可能となっている。この操作部160は、
図1で説明した演出ボタン111,112、十字キー113と、それらの操作検出機構のことである。
演出制御基板151は、操作部160からの操作検出信号に応じて、各種演出制御を行うことができる。
【0049】
演出制御基板151は、主制御基板150から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に演出パターンを決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置132による演出画像の表示、スピーカ125からの音再生、装飾ランプ部163、164(装飾ランプ120w、120b)におけるLEDの点灯点滅駆動、可動体役物モータ部165のモータによる可動体役物の動作が実現され、時系列的に種々の演出パターンが展開されていく。
【0050】
<2.回胴遊技機の構成>
続いて
図4〜
図8により実施の形態の回胴遊技機200の構成を説明する。
図4は回胴遊技機200の正面図、
図5Aは平面図、
図5Bは右側面図、
図6は前面パネル202の背面図、
図7は本体ケース201の正面図である。
【0051】
本実施の形態の回胴遊技機200は、
図5からわかるように、矩形箱状の本体ケース201と、各種の遊技部材を装着した前面パネル202とが、図示しないヒンジ機構を介して連結され、前面パネル202が本体ケース201に対して開閉可能に構成されている。
【0052】
図7に示すように、本体ケース201の略中央には、3つの回転リール(回胴)204a,204b,204cを備える図柄回転ユニット203が配置されている。また、その下側に、メダル払出装置205が配置されている。
各回転リール204a,204b,204cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。
メダル払出装置205は、メダルを貯留するメダルタンク205aを有する。また払出ケース205b内に、
図8で後述する払出モータ275、払出接続基板273、ホッパー基板274、メダル払出センサ276等が収納されている。
メダルタンク205aに貯留されたメダルは、払出モータ275の回転に基づいて、払出口205cから図面手前方向に向けて導出される。なお限界量を越えて貯留されたメダルは超過メダル導出部205dを通して補助タンク206に落下するよう構成されている。
【0053】
メダル払出装置205に隣接して電源基板241が配置される。また、図柄回転ユニット203の上方に主制御基板240が配置され、主制御基板240に隣接して回胴設定基板271が配置されている。
また図柄回転ユニット203の内部には、
図8に示す回胴LED中継基板256と回胴中継基板253とが設けられ、図柄回転ユニット203に隣接して外部集中端子板270が配置されている。
さらに、本体ケース201においては、図柄回転ユニット203の側方に前面パネル202の開放(ドアの開放)を検知するためのドア開放センサ235が設けられている。
【0054】
図4に示すように、前面パネル202の上部にはLCDユニット207が配置されている。このLCDユニット207には、遊技動作を盛り上げるためなどに各種のキャラクタが表示される。
またLCDユニット207の下部には、回転リール204a,204b,204cを表出させる表示窓208が形成されている。この表示窓208を通しては、各回転リール204a,204b,204cの回転方向に、各々3個程度の図柄が見えるようにされている。そして、例えば合計9個の図柄の水平方向の二本(又は三本)と、対角線方向の二本が仮想的な停止ラインとなる。
なお、図柄回胴ユニット203の内部には、回転リール204a,204b,204cが停止した状態において視認される9個の図柄それぞれを内側から照射可能な位置に回胴用LEDが配置されている(不図示)。それぞれの回胴用LEDはそれぞれの回転リールの回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯される。
【0055】
表示窓208の下方には、遊技状態を示すLED群209や、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部210や、貯留数表示部211が設けられている。
LED群209は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLEDや再遊戯状態を示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊戯に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。
払出表示部210は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。
貯留数表示部211は、クレジット状態で貯留されているメダル数が表示されている。
【0056】
表示窓208の上方、左、右には、LED演出部215a,215b,215cが設けられている。LED演出部215a,215b,215cは、所定の絵柄、意匠が施され、内側に配置されたLEDによって光による演出が実行されるように構成されている。LED演出部215a,215b,215cで実行される演出は、例えば、BBやRBに当選したことを示す演出や、AT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等である。
なお、個々の説明は省略するが、前面パネル202には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
【0057】
前面パネル202の中央右側には、メダルを投入するメダル投入口212が設けられ、これに近接して、メダル投入口212に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン213が設けられている。
また、前面パネル202の中央左側には、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン214と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン216とが設けられている。
【0058】
また、前面パネル202には、回転リール204a,204b,204cの回転を開始させるためのスタートレバー217と、回転中の回転リール204a,204b,204cを停止させるための停止ボタン218a,218b,218cが設けられている。
遊技者がスタートレバー217を操作すると、通常は、3つの回転リール204a,204b,204cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するリール演出のために、回転リール204a,204b,204cの全部又は一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する場合もある。
【0059】
前面パネル202の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿219と、払出装置205の払出口205cに連通するメダル導出口220とが設けられている。
また前面パネル202の上方左右、及び下方左右にはスピーカ230a,230b,230c,230dが配置されている。
【0060】
図6に示すように前面パネル202の裏側は、
図4で示したメダル投入口212に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置221と、メダル選別装置221により不適正と判別されたメダルをメダル導出口220に案内する返却通路222とが設けられている。
また、前面パネル202の裏側上部には、基板ケース223が配置されている。この基板ケース223には、
図8で述べる演出制御基板242、演出インターフェース基板243、液晶制御基板244、液晶インターフェース基板245などが収容されている。
またメダル選別装置221の側方には、各種の遊技部材と主制御基板240との間の信号を中継する遊技中継基板260(
図8で後述する)が設けられている。
【0061】
図8は、回胴遊技機200の内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態の回胴遊技機200は、その制御構成が主制御基板240を中心に構成されている。
主制御基板240は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、回胴遊技機200の遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主性制御基板240が回転リール204a,204b,204cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。
主制御基板240は、電源基板241、演出インターフェース基板243、回胴中継基板253、遊戯中継基板260、外部集中端子板270、回胴設定基板271、払出接続基板273との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
【0062】
電源基板241は、AC24Vを受けて、これを整流・平滑して直流電圧を得る。そして電源基板241はコンバータ回路を備えて各部に必要な電源電圧を生成する。図では主制御基板240を介して各部に与えられる主制御電源電圧V1、及び演出インターフェース基板243を介して各部に与えられる演出制御電源電圧V2を示している。
また電源基板241には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板240にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。
【0063】
演出制御基板242は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、回胴遊技機200の演出動作に関する制御を行う。
演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介して主制御基板240からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板240は、演出制御基板242に対して、スピーカ230a〜230dによる音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット207による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板242はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。
また演出制御基板242では、主制御基板240から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
なお、演出制御基板242においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール204の停止順序を遊技者に報知している。
また演出制御基板242は、主制御基板240からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板240で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。
これらのような演出制御動作のため、演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を通して各部と必要な通信を行う。
【0064】
演出制御基板242は、演出インターフェース基板243、及び液晶インターフェース基板245を介して液晶制御基板244に接続されている。
液晶制御基板244は、LCDユニット207における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板244には、VDP、画像ROM、VRAM、液晶制御用のCPU、液晶制御用のROM、液晶制御用のRAM等が搭載される。
このような液晶制御基板244は、演出制御基板242からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板245を介してLCDユニット207に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
【0065】
また、演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介してスピーカ中継基板247を制御し、スピーカ230a〜230dを用いた音演出を実行させる。
また演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介して、LED基板248や回胴LED中継基板256を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現する。
LED基板148には、例えば
図4に示したLED演出部215a,215b,215cとしてのLEDが配置されている。
回胴LED中継基板256は、第1回胴LED基板250a、第2回胴LED基板250b、第3回胴LED基板250cについて演出制御基板242からのLED駆動信号を中継する。
第1回胴LED基板250aには、回転リール204aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板250bには、回転リール204bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板250cには、回転リール204cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
【0066】
主制御基板240は、遊技中継基板260を介して、回胴遊技機200の各種遊技部材に接続されている。
遊戯表示基板261は、遊技状態を示すLED群209や、7セグメントLEDを有した払出表示部210や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部211を搭載している。主制御基板240は、遊戯表示基板261に対して、遊戯中継基板260を介して制御コマンドを送信し、遊戯状態に応じた表示を実行させるように制御している。
【0067】
始動スイッチ基板262には、スタートレバー217による始動スイッチが搭載されている。
停止スイッチ基板263には停止ボタン218a、218b、218cによる停止スイッチが搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板264には、マックス投入ボタン216の投入スイッチが搭載されている。
精算スイッチ基板265には清算ボタン214の清算スイッチが搭載されている。
主制御基板240は、これらの基板(261〜265)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板260を介して受信する。
【0068】
ドアセンサ266は、前面パネル202の鍵穴に対して設けられたセンサである。ドアセンサ266によって遊戯の中止解除動作を認識可能とされている。
メダル通過センサ267及びレバー検出センサ268は、メダル選別装置221に設けられている。メダル通過センサ267は、例えばフォトインタラプタで構成され、選別された正規のメダルの通過を検出するセンサである。レバー検知センサ268は、例えばフォトマイクロセンサで構成され、メダル投入口212から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。つまり、メダル投入口212から投入されたメダルは、レバー検知センサ268を通過した後に正規のメダルだけが選別された後、メダル通過センサ267によりその通過が検出される。
主制御基板240は、これらのセンサ(266,267,268)の検出信号を、遊技中継基板260を介して受信する。さらに主制御基板240は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
ブロッカーソレノイド269は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板240は、遊技中継基板260を介してブロッカーソレノイドを制御する。
【0069】
また主制御基板240は、回胴中継基板253を経由して、回転リール204a,204b,204cを回転させる3つのステッピングモータ(第1回胴ステッピングモータ254a、第2回胴ステッピングモータ254b、第3回胴ステッピングモータ254c)と接続されている。
さらに主制御基板240は、回胴中継基板253を経由して、回転リール204a,204b,204cの原点位置を検出するための3つのインデックスセンサ(第1回胴インデックスセンサ255a、第2回胴インデックスセンサ255b、第3回胴インデックスセンサ255c)に接続されている。
主制御基板240は、ステッピングモータ254a,254b,254cを駆動又は停止させることによって、回転リール204a,204b,204cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板240は、インデックスセンサ255a,255b,255cの検出信号に基づき、回転リール204a,204b,204cの原点位置を検知できる。
【0070】
また主制御基板240は、払出接続基板273を介してメダル払出のための装置部にも接続されている。メダル払出のための装置部として、メダル払出制御を行うホッパー基板274と、払出モータ275と、メダル払出センサ276が設けられている。
ホッパー基板274は、主制御基板240からの制御コマンドに基づいて払出モータ275を回転させて、所定量のメダルを払出しする。
メダル払出センサ276は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ276による検出信号は、払出メダル枚数が不足したり払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
【0071】
また主制御基板240は外部集中端子板270に接続されている。外部集中端子板270は例えばホールコンピュータに接続されており、主制御基板240は外部集中端子板270を通してメダルの投入枚数やメダルの払出枚数などをホールコンピュータに出力している。
また主制御基板240は、回胴設定基板271にも接続されている。回胴設定基板271は、係員が設定キースイッチ272を用いて設定した設定値を示す信号などを出力している。設定値とは、当該回胴遊技機200で実行される抽選処理の当選確率などを、設定1から設定6まで6段階で規定するもので、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定される。
【0072】
<3.電子部品の識別情報の類型>
図1〜
図3で説明した弾球遊技機100では、主制御基板150、演出制御基板151、液晶制御基板152、払出制御基板153、発射制御基板154、枠用外部端子基板157、電源基板158、液晶IF基板166などとしての電子回路基板が取り付けられている。もちろん、枠ドライバ部161,盤ドライバ部162、音源IC159、アンプ部167、音データROM169を搭載した基板や、
図3では省略した中継基板などもあるし、各種センサ(171〜176)としてのセンシングデバイスとその周辺回路を装着した基板、液晶パネルやLEDを装着した基板などもある。
【0073】
また
図4〜
図8で説明した回胴遊技機200では、主制御基板240、電源基板241、演出制御基板242、演出インターフェース基板243、液晶制御基板244、液晶インターフェース基板245、LED基板248、スピーカー中継基板247、第1〜第3回胴LED基板250a〜250c、回胴中継基板253、回胴LED中継基板256、遊戯中継基板260、外部集中端子板270、回胴設定基板271、払出接続基板273、ホッパー基板274等が取り付けられている。さらにLEDユニット207を構成する基板や、遊技表示基板261、各種スイッチやセンサのための基板(262〜265)等も取り付けられている。
【0074】
本実施の形態の弾球遊技機100や回胴遊技機200におけるこれらの基板には、それぞれ基板管理番号が付されている。
さらに基板上の各個別の電子部品について、その情報を示すために視認可能な識別情報が表記されている。識別情報とは、例えば個々の電子部品にユニークに付与された部品番号である。そして特に基板上での電子部品の密集や配置の状況に関わらず、個別の電子部品について識別情報が明確に認識できるようにしている。
本実施の形態の弾球遊技機100や回胴遊技機200では少なくとも1つ以上の基板が、各電子部品についての識別情報に関して、以下の類型のいずれかに該当する。
【0075】
なお、遊技機に取り付けられる基板の各電子部品に対しては、その基板上に電子部品の識別情報を表記することで、基板自体や特定の電子部品を容易に取り換えられないようにし、不正行為を困難にする要請がある。
しかし基板上に複数の電子部品を密集して設置した場合には、複数の電子部品それぞれに対応した識別情報を正確に表示するのが困難となる。また回路構成上、基板領域内の電子部品が増加することで、基板領域が圧迫され基板上に識別情報の表示を行うことが困難になってくる。このような状況では、多くの電子部品と識別情報が混在しているため、仮に電子部品が不正に取り換えられたとしても早期に特定することが困難である。
そこで本実施の形態では、以下の類型のいずれかの手法により、電子回路基板上で電子部品を容易に識別できるようにしている。
【0076】
例えば基板上での電子部品に対する識別情報の具体的な表記例を
図14〜
図17に示しており、これについては後述するが、ここでは
図9〜
図13により、実施の形態の基板における識別情報の表記に関する類型を説明していく。
なお
図9〜
図13及び
図18〜
図21では、電子部品を斜線を付した方形で表している。
また以下では、電子部品から第1距離(後述の
図18の第1距離K1)を介した位置として電子部品の近傍に表記された識別情報を「第1識別情報」と呼び、電子部品から第1距離より長い第2距離(後述の
図18の第2距離K2)を介して離れた位置に表記された識別情報を「第2識別情報」と呼ぶこととする。
【0077】
図9は1つの電子部品21について1つの識別情報25を表記する場合の例を示している。
まず
図9A、
図9B、
図9Cは、第1識別情報に相当する例である。
図9Aの例では、例えばコンデンサ等の電子部品21についての「C101」という識別情報25が、電子部品21の近傍(電子部品21の長辺近傍)に表記されている。
図9Bの例では、電子部品21についての「C101」という識別情報25が、電子部品21の近傍(電子部品21の短辺近傍)に表記されている。
図9Cの例では、電子部品21についての「C101」という識別情報25が、電子部品21の近傍(電子部品21の角部近傍)に表記されている。
【0078】
この
図9A、
図9B、
図9Cの例では、特に電子部品21と識別情報25の対応関係は不明確にならない程度の近傍に識別情報25が表記されているため、作業者等が基板を検査して個別部品を認識する際等に問題は生じない。
ところが、基板上の電子部品配置によっては、電子部品21の近傍に識別情報25を表記できない場合も多い。そこで以下説明するように、上述の第2識別情報としての表記も用いるようにする。
【0079】
図9D、
図9E、
図9F、
図9Gは、第2識別情報に相当する例であり、識別情報25が対応する電子部品21の近傍とは言えない位置に表記されるようにした例である。
図9Dの例は、電子部品21に対して、その電子部品21についての「C101」という識別情報25が離れた位置に表記されており、電子部品21と識別情報25の対応が引出線33によって表されている。
図9Eの例は、電子部品21の周囲に囲い線31が表記され、その電子部品21についての「C101」という識別情報25が離れた位置に表記されている。そして電子部品21の囲い線31から引出線33が延長され、対応する識別情報25を示している。
図9Fの例は、電子部品21に対して、その電子部品21についての「C101」という識別情報25が離れた位置に表記されている。識別情報25の周囲には囲い線32が表記される。そして電子部品21と囲い線32の間に引出線33が表記され、電子部品21と識別情報25の対応が示されている。
図9Gの例は、電子部品21の周囲に囲い線31が表記され、識別情報25の周囲にも囲い線32が表記される。そして囲い線32、33の間に引出線33が表記されて電子部品21と識別情報25の対応が示されている。
この
図9D、
図9E、
図9F、
図9Gのいずれの例でも電子部品21と、第2識別情報として離れた位置に表記された識別情報25について、引出線33によって対応関係が明確にわかるようにされている。
【0080】
図10は、対応マーカ34としての表記を用いて第2識別情報と電子部品21との対応関係を示すようにした例である。
図10Aの例は、電子部品21の近傍に「※A」という対応マーカ34を付し、第2識別情報として離れた位置にある識別情報25の近傍にも同じ文字の「※A」という対応マーカ35を付すことで対応を示している。
図10Bの例は、電子部品21の周囲に囲い線31を設け、囲い線31の近傍に「※B」という対応マーカ34を付している。そして第2識別情報として離れた位置にある識別情報25の近傍にも同じ文字の「※B」という対応マーカ35を付すことで対応を示している。
図10Cの例は、電子部品21の近傍に「※C」いう対応マーカ34を付している。そして第2識別情報として離れた位置にある識別情報25の周囲に囲い線32を設け、囲い線32の近傍に「※C」という対応マーカ35を付すことで対応を示している。
図10Dの例は、電子部品21の周囲に囲い線31を設け、囲い線31の近傍に「※D」という対応マーカ34を付している。そして第2識別情報として離れた位置にある識別情報25の周囲にも囲い線32を設け、囲い線32の近傍に「※D」という対応マーカ35を付すことで対応を示している。
以上のように
図10A、
図10B、
図10C、
図10Dでは、電子部品21側の対応マーカ34と識別情報25側の対応マーカ35として同一の文字を用いることで、対応関係が明確にわかるようにされている。
【0081】
図10E、
図10F、
図10G、
図10Hの例は、対応マーカ34又は35について、引出線33を用いた例である。
図10Eの例は、電子部品21から離れた位置に「※E」という対応マーカ34を表記し、対応マーカ34と電子部品21の対応を引出線33で示している。その上で、識別情報25には囲い線32を設け、囲い線32の近傍に同じ文字の「※E」という対応マーカ35を付している。
図10Fの例は、電子部品21に囲い線31を設けるとともに、囲い線31から離れた位置に「※F」という対応マーカ34を引出線33を介して表記している。そして識別情報25側も囲い線32を設けると共に、同じ文字の「※F」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
図10Gの例は、電子部品21の近傍に「※G」という対応マーカ34を表記している。そして識別情報25側は囲い線32を設けると共に、同じ文字の「※G」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
図10Hの例は、電子部品21に囲い線31を設けるとともに、囲い線31の近傍に「※H」という対応マーカ34を表記している。そして識別情報25は、同じ文字の「※H」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
【0082】
これら
図10E、
図10F、
図10G、
図10Hのように、対応マーカ34、35が電子部品21や識別情報25から離れて表記される場合もあるが、その場合は引出線33が用いられればよい。これらの各例の場合も対応関係は明確となる。
なお図示していない類型として、例えば
図10E、
図10F、
図10Gにおいて識別情報25側に囲い線32を設けない例や、
図10Hにおいて識別情報25側に囲い線32を設ける例など、更に他の類型もある。
【0083】
続いて
図11は、複数の電子部品21による電子部品群22と、第2識別情報としての複数の識別情報25による識別情報群27で対応関係を示す例を示している。
なお以下、
図11、
図12,
図13では、
図11Aに示すように4つの電子部品21を密集配置されたひとかたまりの電子部品群22とし、各電子部品21に対応する4つの識別情報25をひとかたまりの識別情報群27とした例で説明する。
【0084】
図11Aの例は、電子部品群22とは離間して表記された識別情報群27の間に引出線33を設けて対応関係を示している。
図11Bの例は、同じく電子部品群22とは離間して表記された識別情報群27の間に引出線33を設けて対応関係を示しているのであるが、引出線33を、電子部品群22側で枝分かれさせて各電子部品21の近傍から表記している。
図11Cの例は、電子部品群22の周囲に囲い線31を設け、この囲い線31から識別情報群27に引出線33を形成している。
図11Dの例は、識別情報群27の周囲に囲い線32を設け、電子部品群22から識別情報群27の囲い線32に引出線33を設けたものである。
図11Eの例は、電子部品群22の周囲に囲い線31を設け、識別情報群27にも囲い線32を設けている。そして囲い線31、32の間に引出線33を形成している。
この
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、
図11Eのいずれも、引出線33によって電子部品群22と識別情報群27の対応関係が明確に示される。
【0085】
図12は電子部品群22と識別情報群27の対応関係を対応マーカ34で示した例である。
図12Aの例は、電子部品群22の近傍に「※A」という対応マーカ34を表記し、離れた位置に表記された識別情報群27の近傍にも「※A」という対応マーカ35を表記したものである。
図12Bの例は、電子部品群22の周囲に囲い線31を設け、囲い線31の近傍に「※B」という対応マーカ34を付している。そして離れた位置に表記された識別情報群27の近傍にも同じ文字の「※B」という対応マーカ35を付している。
図12Cの例は、電子部品群22の近傍に「※C」いう対応マーカ34を付している。そして離れた位置にある識別情報群27の周囲に囲い線32を設け、囲い線32の近傍に「※C」という対応マーカ35を付している。
図12Dの例は、電子部品群22の周囲に囲い線31を設け、囲い線31の近傍に「※D」という対応マーカ34を付している。そして離れた位置にある識別情報群27の周囲にも囲い線32を設け、囲い線32の近傍に「※D」という対応マーカ35を付している。
この
図12A、
図12B、
図12C、
図12Dでは、電子部品群22側の対応マーカ34と識別情報群27側の対応マーカ35として同一の文字を用いることで、対応関係が明確にわかるようにされている。
【0086】
図13は、対応マーカ34又は35について、引出線33を用いた例である。
図13Aの例は、電子部品群22から離れた位置に「※A」という対応マーカ34を表記し、対応マーカ34と電子部品群22の対応を引出線33で示している。その上で、識別情報群27には囲い線32を設け、囲い線32の近傍にも同じ文字の「※A」という対応マーカ35を付している。
図13Bの例は、同じく電子部品群22と識別情報群27に「※B」という対応マーカ34、35を付したものであるが、引出線33を、電子部品群22側で枝分かれさせて各電子部品21の近傍から表記している。
図13Cの例は、電子部品群22に囲い線31を設けるとともに、囲い線31から離れた位置に「※C」という対応マーカ34を引出線33を介して表記している。そして識別情報群27側も囲い線32を設けると共に、同じ文字の「※C」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
図13Dの例は、電子部品群22の近傍に「※D」という対応マーカ34を表記している。そして識別情報群27側は囲い線32を設けると共に、同じ文字の「※D」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
図13Eの例は、電子部品群22に囲い線31を設けるとともに、囲い線31の近傍に「※E」という対応マーカ34を表記している。そして識別情報群27側では、同じ文字の「※E」という対応マーカ35を引出線33を介して表記している。
【0087】
これら
図13A、
図13B、
図13C、
図13D、
図13Eのように、対応マーカ34、35が電子部品群22や識別情報群27から離れて表記される場合、対応マーカ34又は35に対して引出線33を用いる。これらの各例の場合も対応関係は明確となる。
なお図示していない類型として、例えば
図13A、
図13B、
図13C、
図13Dにおいて識別情報25側に囲い線32を設けない例や、
図13Eにおいて識別情報25側に囲い線32を設ける例など、更に他の類型もある。
【0088】
<4.基板例>
実施の形態の弾球遊技機100や回胴遊技機200に装着される基板の具体例である基板10として、基板10Aを
図14、
図15に示し、また基板10Bを
図16,
図17に示す。
図14は基板10Aの第一主面(部品面)10x、
図15は第一主面10xからみて裏側となる第二主面(半田面)10yを示している。
図16は基板10Bの第一主面(部品面)10x、
図17は第一主面10xからみて裏側となる第二主面(半田面)10yを示している。
【0089】
なお、これらの各図では、図面の見やすさを考慮して、配線パターンの図示は省略した。また同じく図面の見やすさのため、電子部品21、電子部品群22、識別情報25、識別情報群27、囲い線31、32、引出線33、対応マーカ34、35としての符号は、一部のみに付した。符号“21”“25”が付して無くとも、第一主面10b及び第二主面10h上で略方形又は円形で示しているものが電子部品21であり、各所に表記されている文字が識別情報25である。
【0090】
また
図14〜
図17、及び後述する
図21,
図23には基板上の大部分の領域を一点鎖線で囲っている。この一点鎖線内の領域を説明上、「実装領域J」と呼ぶこととする。実装領域Jとは、電子部品21、電子部品群22、識別情報25、識別情報群27、囲い線31、32、引出線33、対応マーカ34、35、さらには図示していない配線パターンが配置されている領域である。
即ち一点鎖線で示す実装領域Jは、基板上で基板管理番号が記載できない領域ということである、
例えば
図14には「FJ+AB1231C」という基板管理番号50Aを示しているが、この基板管理番号50Aは、実装領域J以外の領域に記載されている。
【0091】
基板10A、10Bは多層基板である。例えば
図14又は
図16の第一主面(部品面)10x側から
図15又は
図17の第二主面10y側に向かって順に、部品面側シルク印刷層、部品面側メタル層、部品面側パターン層、第2パターン層、第3パターン層、第4パターン層、第5パターン層、半田面側パターン層、半田面側メタル層、半田面側シルク印刷層とされている。
部品面側メタル層には、第一主面10xにマウントする電子部品21の端子と接合される金属接点が形成される。
部品面側パターン層から半田面側パターン層までの6つの層に、電源ライン、グランドライン、部品間配線等としての配線パターンが形成される。
半田面側メタル層には、第二主面10yにマウントする電子部品21の端子と接合される金属接点が形成される。
【0092】
識別情報25、囲い線31、32、引出線33、対応マーカ34,35は、部品面側シルク印刷層、半田面側シルク印刷層で表記される。
なお部品面側シルク印刷層において表記される識別情報25の位置は、部品面側メタル層や部品面側パターン層の電極位置や配線パターンに影響されない。第一主面10x側から視認できるパターン上に識別情報25の文字列が表記されている状態でもよい。
同じく、半田面側シルク印刷層において表記される識別情報25の位置は、半田面側メタル層や半田面側パターン層の電極位置や配線パターンに影響されない。第二主面10y側から視認できるパターン上に識別情報25の文字列が表記されている状態でもよい。
【0093】
基板10Aは、
図14,
図15に示すように、4つの端辺11,12,13,14を持った略長方形に形成されている。
そして装着されている各電子部品21は、各辺が基板10Aの各端辺11,12,13,14と平行になるように配置されている。
この基板10Aの第一主面10xには、識別情報25が「IC1」「IC2」等のIC、「C101」「C102」等のコンデンサ、「R201」「R202」等の抵抗、「CN1」のコネクタ等の電子部品21が搭載されている。なお識別情報25が「IC5」のICはBGA(ball grid array)タイプのICである。
第二主面10yには、識別情報25が「C301」「C302」等のコンデンサ、「R401」「R402」等の抵抗などの電子部品21が搭載されている。
【0094】
基板10Bも、
図16,
図17に示すように、4つの端辺11,12,13,14を持った略長方形に形成されている。
この基板10Bは、電子部品21として各辺が基板10Aの各端辺11,12,13,14と非平行に配置されたもの(つまり斜めに取り付けられたもの)を含む。
この基板10Bの第一主面10xには、識別情報25が「IC13」「IC14」等のIC、「C501」「C502」等のコンデンサ、「R501」「R601」等の抵抗、「CN2」等のコネクタなどの電子部品21が搭載されている。
なお識別情報25が「IC13」〜「IC17」の各ICはBGAタイプのICである。これらは基板10Bに対して斜めに取り付けられている。
第二主面10yには、識別情報25が「C801」「C802」等のコンデンサ、「R801」「R802」等の抵抗などの電子部品21が搭載されている。
【0095】
図14〜
図17の各図には、識別情報25や識別情報群27についての上述の類型に相当する部分を例示するために、符号P1〜P7を示した。符号P1〜P7の意味は次のとおりである。
・P1は、
図9A〜
図9Cのように電子部品21の近辺に第1識別情報で識別情報25が表記されている部分である。
図14〜
図17では
図9A又は
図9Bに相当する部分を例示している。
・P2は、
図9D〜
図9Gのように1つの電子部品21について、離間した第2識別情報としての識別情報25が表記され、引出線33によって対応関係が示されている部分である。
図14〜
図17では
図9Dに相当する部分を例示している。
・P3は、
図10A〜
図10Dのように、1つの電子部品21について、離間した第2識別情報としての識別情報25が表記され、対応マーカ34、35によって対応関係が示されている部分である。
図14〜
図17では
図10Cに相当する部分を例示している。
・P4は、
図10E〜
図10Hのように、1つの電子部品21について、離間した第2識別情報としての識別情報25が表記され、対応マーカ34、35によって対応関係が示されているとともに、対応マーカ34、35の一方又は両方が引出線33で電子部品21或いは識別情報25と結ばれている部分である。
図14〜
図17では
図10Eに相当する部分を例示している。
・P5は、
図11のように、電子部品群22と複数の第2識別情報による識別情報群27について、引出線33で対応関係が示されている部分である。
図14〜
図17では
図11Eに相当する部分を例示している。
・P6は、
図12のように、電子部品群22と複数の第2識別情報による識別情報群27について、対応マーカ34、35で対応関係が示されている部分である。
図14〜
図17では
図12Dに相当する部分を例示している。
・P7は、
図13のように、電子部品群22と複数の第2識別情報による識別情報群27について、対応マーカ34、35で対応関係が示されているとともに、対応マーカ34、35の一方又は両方が引出線33で電子部品群22或いは識別情報群27と結ばれている部分である。
図14〜
図17では
図13Cの電子部品群22側と
図13Bの識別情報群27側の組み合わせに相当する部分を例示している。
【0096】
基板管理番号については
図14〜
図17に示すように記載されている。
基板10Aは、
図14、
図15のように、基板管理番号50Aが、その構成文字が横一列の文字列によって記載される形式(第1記載形式)で記載されている。なお「文字」とはアルファベット、ひらがな、カタカナ、数字、記号等の総称として用いており、「文字列」とはアルファベット、数字、記号等が混在したものも含む。
【0097】
基板10Bは、
図16、
図17のように、基板管理番号50Bが第1記載形式ではない第2記載形式で記載されている。説明上、第2記載形式は第1記載形式以外の記載形式を指すものとしており、つまり「構成文字が横一列の文字列によって記載される形式ではない形式」である。
この例の場合は、第2記載形式は、基板管理番号の構成文字が複数列とされた記載形式としている。即ち基板管理番号50Bとしての構成文字が管理番号構成部分51,52に分けられて、これらが上下に並んだ2列として記載されている。
【0098】
なお、第2記載形式としての具体例は他にも想定される。例えば後述する
図23Aに示すように、基板管理番号50Bとしての構成文字が管理番号構成部分51,52に分けられて、これらが電子回路基板上の離間した位置に記載される記載形式も第2記載形式の一例となる。
説明上、第1記載形式で記載したものを「基板管理番号50A」、第2記載形式で記載したものを「基板管理番号50B」とし、形式によらず包括的に基板管理番号を指す場合は「基板管理番号50」と表記する。
【0099】
この基板管理番号50は、日付けや機種固有番号としての情報や製造者情報(メーカーの識別情報)が含まれる。例えば主制御基板150,240、払出制御基板153などには、製造者情報と他の情報(日付けや機種固有番号)が含まれた情報となる。基板種別によっては製造者情報を含まない状態で記述される場合もある。
図14〜
図17においては、仮に「FJ+AB1231C」としての基板管理番号50を示したが、「FJ」はメーカー固有に設定された製造者情報の例で、「AB1231C」は他の情報(日付けや機種固有番号)の例としている。
図16,
図17の場合、基板管理番号50Bは、製造者情報と、その他の情報が2段(2列)で記載されていることになる。
【0100】
<5.実施の形態の基板の識別情報>
以上の基板10A、10Bのような実施の形態における基板10は、基板上での電子部品21の密集や配置の状況に関わらず、個別の電子部品21について識別情報25が明確に認識できるようにしている。このために上述した
図9A、
図9B、
図9Cの識別情報25のような第1識別情報と、
図9D、
図9E、
図9F、
図9G、
図10〜
図13のような第2識別情報とを併用する。
そしてそのような基板上で、基板管理番号50が、ある程度の文字サイズで明確に記載されたものとなっている。このために、各基板の平面サイズや実装領域Jの都合に応じて、基板毎、或いは第一主面10xと第二主面10yという基板面毎に、基板管理番号50の記載について第1記載形式、第2記載形式を使い分ける。
また実施の形態の基板10は、さらに配線の容易性や、BGAタイプのIC等の端子識別の容易性なども実現する。
ここでは、実施の形態の基板構成として、上述の類型で示した電子部品21(電子部品群22)と識別情報25(識別情報群27)に関する配置や表記の詳細、及び基板管理番号50の記載について説明する。
【0101】
まず
図18A、
図18Bを参照して各電子部品21に対応する識別情報について第1識別情報、第2識別情報を併用することについて説明する。
図18Bは、電子部品21から第1距離K1を介した位置、即ち電子部品21の近傍に第1識別情報としての識別情報25が表記されている。この第1距離K1とは、引出線33等を用いなくとも、対応関係が明確な近傍となる距離である。基板10上において、全ての電子部品21についてこのような第1識別情報としての識別情報25を表記すれば、各電子部品21についての情報が明確となる。
しかしながら、電子部品の配置位置の都合や密集配置により、第1距離より長い第2距離K2を介した離間位置に識別情報25を表記しなければならないことが多々ある。そのような場合、
図18Aのように第2識別情報としての識別情報25を表記する。
例えば電子部品群22に対して識別情報群27を比較的長い距離である第2距離K2だけ離間させて配置しつつ、その両者の囲い線31、32を引出線33によって結ぶ。このような表記で、密集した電子部品21のひとかたまりである電子部品群22と、識別情報群27の対応を明確にする。もちろんこの
図18Aの例以外に
図9D〜
図9G、
図10〜
図13で各種例示したような態様で第2識別情報を表記してもよい。
【0102】
上記
図14〜
図17に示した基板10A、10Bでは、符号P1〜P7を付して例示したように、このような第1識別情報,第2識別情報を有している。即ち基板10上に装着されている個別の電子部品21の情報を示すために視認可能に表記される識別情報25として、電子部品から第1距離K1を介した位置として電子部品の近傍に表記された第1識別情報と、電子部品から第1距離K1より長い第2距離K2を介して表記された第2識別情報とを有する。
このように識別情報25は必ずしも電子部品21の近傍の第1識別情報のみとはせず、部品配置やその密集性に応じて第2識別情報を用いることで、電子部品毎に識別情報をわかりやすい状態で表記できる。
【0103】
なお第1距離K1は、特定の値の距離を指すものではない。第1距離K1は、識別情報25の表記位置が電子部品21の近傍と認識できる距離であり、第2距離K2との比較として短いと認識される距離である。
第2距離K2も、特定の値の距離を指すものではない。第2距離K2は、識別情報25(識別情報群27)の表記位置が電子部品21の近傍とは認識できない距離を指すものであり、第1距離K1との比較として長いと認識される距離である。
「近傍」とは、引出線33や対応マーカ34が無くとも電子部品21と識別情報25の対応関係が明確な距離といえる。従って或る具体的な電子回路基板を見た場合に、上記意味での「近傍」に識別情報25が設けられている場合、その識別情報25と対応する電子部品21との間の距離が「第1距離K1」となる。
また、この第1距離K1より長い距離だけ離間して「近傍」とはいえない位置に設けられた識別情報25が存在する場合、その識別情報25と対応する電子部品21との間の距離が「第2距離K2」となる。
なお「第2距離」とは、或る電子部品21と対応する識別情報25の間の距離としているが、
図18A、
図18Cに距離K2’として示すように、電子部品群22と識別情報群27の間の距離と考えてもよい。つまり電子部品群22と識別情報群27を基準に考えた場合、「第2距離」とは図示する距離K2’のこととなる。
【0104】
また基板10A、10Bは、それらの基板10上で、隣接する少なくとも1つの電子部品21との間隔が、所定文字サイズの識別情報25の表記領域を確保できない間隔とされた状態で装着されている複数の電子部品21による電子部品群22について、当該電子部品群22内の各電子部品21に対応して第2識別情報による識別情報25が表記されている(符号P5、P6,P7参照)。
図19Aにその様子を示す。
図19Aの電子部品群22は、各電子部品21の図面上の横方向の間隔が“w1”とされ、縦方向の間隔が“h1”とされている。
表記すべき識別情報25は、例えば文字列方向のサイズが“w2”、高さ方向のサイズが“h2”であるとする。この場合、w1<w2、h1<h2である。
このような場合、各電子部品21について近傍に識別情報25を表記することが困難である。仮に表記できたとしても、対応関係がわかりにくくなる上、視認性も低下する。 そこで、このような場合に識別情報25の視認性向上のために、第2識別情報としての電子部品21から離間した識別情報25を用いるとよい。
なお、w1<w2、或いはh1<h2の一方の条件が満たされれば、第2識別情報として識別情報25を表記することが適切である。
【0105】
特に、複数の同一種別の電子部品21による電子部品群22については、当該電子部品群22内の各電子部品21に対応して第2識別情報で識別情報25が表記されている(符号P5、P6,P7参照)。例えばコンデンサが密集している部分では、識別情報25として「C101」「C102」・・・が近傍に付されていても、密集している個々の電子部品21(コンデンサ)との対応がわかりにくくなるためである。
【0106】
なお基板10上の全ての電子部品21について第2識別情報としての識別情報25を表記するという考え方もあり得る。しかしながら、第1識別情報として対応関係が明確に表記できるのであれば第1識別情報を用いることが望ましい。例えば密集していない部分についても含めて敢えて全ての電子部品21について第2識別情報を用いると、逆に基盤10の縁部に識別情報25が集中したり、引出線33が多くなるなどにより、対応関係が判別しにくくなることがあるためである。
即ち、基板10上では、識別情報25をなるべく第1識別情報として表記するが、密集した電子部品については第2識別情報を採用することで、電子部品から離れた部分に識別情報を表記することを少なくすることも適切である。このような第1,第2識別情報の併用によって、視認性や情報の認識性の良い識別情報表記を実現できる。
【0107】
また基板10A、10Bは、第1識別情報及び第2識別情報としての全ての識別情報25を形成する文字列の方向が、対応する電子部品21の長辺と平行となる方向とされている例とした。
図19Bにモデルを示す。図面上横方向が長辺方向となる電子部品21H、及び電子部品群22Hと、図面上縦方向が長辺方向となる電子部品21V及び電子部品群22Vを示している。それらに対応する識別情報25は、全て、文字列方向が対応する電子部品21の長辺と平行な方向となる。
図14〜
図17の基板10A、10B上の識別情報25(符号P1〜P7参照)についてみても、この
図19Bのような文字列方向の規則が反映されている。即ち識別情報25は、全て対応する電子部品21の長辺と平行な文字列方向となっている。さらには
図15の符号P7の部分のように、電子部品群22内に長辺方向が異なるように配置された電子部品21が存在する場合も、それに合わせて識別情報群27内の各識別情報25は、対応するそれぞれの電子部品21の長辺と平行となる方向としている。
【0108】
第1識別情報については、以上のように電子部品21の長辺方向と文字列方向を一致させることで見やすいものとすることができる。
第2識別情報も電子部品21の長辺方向を文字列方向とすることで、電子部品21に対応する識別情報25を認識しやすくできる。即ち離れた位置である第2識別情報については、文字列方向の縦横の規則性によって、対応する電子部品21が判別しやすいためである。
【0109】
いずれにしても、全ての識別情報25について、電子部品21の長辺方向と文字列方向を一致させるという規則で表記することで、対応関係の認識性や識別情報25の視認性を向上させることができる。
但し、場合によっては例外を設けることもあり得る。例えば基板10上の部品配置や表記余裕などに応じて、一部は規則外とすることも考えられる。その場合は、引出線33を用いたり、電子部品21の極近傍に表記するなどで、対応関係を明確にすることが望ましい。
上記の文字列方向の規則は、必ずしも全ての識別情報25ではなくとも、基板10上の一部(例えば大部分)の識別情報25に適用されていれば、対応関係の判別性、視認性は向上させることができる。
なお平面形状が略正方形や略円形の電子部品21については、例えば
図19Bで述べた横方向、縦方向のいずれを長辺方向と考えてもよい。
【0110】
また基板10A、10Bは、第2識別情報としての複数の識別情報25による識別情報群27(第2識別情報群)における複数の第2識別情報は、隣接する第2識別情報同士が、対応する電子部品群と当該第2識別情報群の間の距離(第2距離K2’)よりも短い第3距離だけ離間して表記されている(符号P5、P6,P7参照)。
図18Aで説明すると、識別情報群27における隣り合う識別情報25の間は、第3距離K3だけ離間され表記されている。この第3距離K3は第2距離K2’よりも短い距離である。
第2識別情報を用いて表記することで、部品配置やその密集性に関わらず、部品毎に識別情報をわかりやすいものとするが、第2識別情報群内で多数の識別情報25を詰めて記載すると、逆に表示が見づらくなる。一方、識別情報群27としてのまとまりを維持しないと、電子部品群22との対応がわかりずらくなる。
そこで識別情報群27内では、各識別情報25を比較的短い第3距離K3を離間させて配置する。これにより識別情報群27としてのまとまりを維持し、電子部品群22との対応の認識性を良好とし、かつ識別情報群27内のそれぞれの識別情報25を見やすくすることができる。
【0111】
また特に
図18Aのように囲い線32で囲われた識別情報群27における複数の識別情報25について第3距離K3をもって表記することで、識別情報群27の範囲を囲い線32により一層明確化したうえで、各識別情報25を見やすくでき、かつ電子部品21との対応の認識性を良好とできる。
なお、以上において第3距離K3とは、特定の値の距離を指すものではない。第3距離K3は、隣接する識別情報25の間の表記間隔である。本実施の形態では、この第3距離K3が第2距離K2’(又はK2でもよいが)との比較として短いと認識される距離となっているものである。
また必ずしも基板10上の全ての識別情報群27において、識別情報25の間が第3距離とされていなくてもよい。例えばそれぞれが識別情報25とされた複数の文字列が、縦方向にのみ並べられている場合、第3距離K3を考えなくても良い。
【0112】
また基板10A、10Bは、識別情報群27(第2識別情報群)は、同一種類の電子部品による電子部品群25に対応し、識別情報群27における各識別情報25は、同一種類の電子部品22についての識別情報として示されている(符号P5、P6,P7参照)。
例えば
図18Aでは、コンデンサとしての電子部品21の電子部品群22群に対して、識別情報群27では、コンデンサとしての識別情報25である「C101」「C102」・・・がまとめられている。さらに
図18Cでは、抵抗としての電子部品21の電子部品群22群に対して、識別情報群27では、抵抗としての識別情報25である「R10」「R11」・・・がまとめられている。
【0113】
このように電子部品群22と識別情報群27は、同一種類の電子部品に適用する。これにより電子部品群22と識別情報群27の対応がより明確になり、各識別情報25がどの電子部品21についての情報であるかがわかりやすいものとできる。
特に
図18Aのように囲い線32で囲われた識別情報群27における各識別情報25が、同一種類の電子部品についての識別情報とされていることで、よりひとかたまりの識別情報群が把握しやすい。
【0114】
またこのように同一種類の電子部品21に適用することで、識別情報群27内のそれぞれの識別情報25の表記も効率化できる。
例えば
図18Dに表記の効率化の例を各種示している。例えば9個のコンデンサの識別情報25をまとめる場合に、図示のように先頭の識別情報25の頭文字としてコンデンサを示す「C」を1つだけ表記するということが可能である。
即ち
図18D左上のように、1つの識別情報「C101」以外は、単に「102」「103」・・・「109」というように表記しても良い。
また
図18D右上のように、囲い線32の途中に「C」を付して、囲い線32内部は「101」「102」「103」・・・「109」というように表記しても良い。
また
図18D左下のように、囲い線32の近傍に「C」を付して、囲い線32内部は「101」「102」「103」・・・「109」というように表記しても良い。
また
図18D右下のように、囲い線32の内部に「C」を付したうえで、それぞれは「101」「102」「103」・・・「109」というように表記しても良い。
このように表記を効率化して識別情報群27内の全体の文字数を削減することで、識別情報群27に必要な領域サイズを小さくし、基板10上の部品配置の都合などで識別情報群27に広い領域が確保しにくい場合にも対応できる。
【0115】
なお、必ずしも全ての電子部品群22と識別情報群27の組が、同一種類の電子部品について形成されている必要はない。例えば1つの電子部品群22に抵抗とコンデンサが混在し、対応する識別情報群27には、コンデンサに対応する「C101」等の識別情報25と、抵抗に対応する「R10」等の識別情報25が混在することもあり得る。
少なくとも一部の電子部品群22と識別情報群27の組が、同一種類の電子部品について設けられていることで、その組の対応関係や認識性を向上できるものである。
【0116】
また基板10A、10Bは、第2識別情報25に対して表記された囲い線32を有する。例えば
図18Aのように、識別情報群27(第2識別情報群)の周囲に囲い線32を表記している(符号P5、P6,P7参照)。
また
図9F、
図9G、
図10C,
図10D〜
図10Gのように、1つの識別情報25の周囲に囲い線32を設ける場合もある。
このように第2識別情報に対して囲い線を設けることで、第2識別情報の認識性を高めることができる。特に第2識別情報が識別情報群27として表記される場合、囲い線32を設けることで、識別情報群27のひとかたまりの認識性を高め、電子部品群22と対応する範囲を明確にできる。
【0117】
また囲い線32が表記された第2識別情報に対応する電子部品に対しても部品側の囲い線31が表記されている。
例えば符号P5、P6,P7で示した部分では、電子部品群22にも囲い線31が設けられている。また
図9G、
図10Fのように第2識別情報が対応する単体の電子部品21について囲い線31が設けられる場合もある。
このように電子部品21(電子部品群22)と第2識別情報としての識別情報25(識別情報群27)がそれぞれ部品側の囲い線31,識別情報側の囲い線32で囲われるようにすることで、それぞれの認識性を高めることができ、対応関係の明確化、視認性の向上を図ることができる。
【0118】
なお、例えば
図9E、
図10B、
図10H、
図11C、
図12B、
図13Eのように識別情報25側には囲い線を設けず、電子部品21(電子部品群22)側に囲い線31を設ける例もある。
いずれにしても電子部品21(電子部品群22)側に囲い線31を設けることで、識別情報25が対応する電子部品21の認識性を高めたり、電子部品群22の範囲を明確にできる。
【0119】
また電子部品21側の囲い線31により、電子部品群22を柔軟に設定できる。
例えば
図17において符号P5を付した3カ所のうち、略中央の2カ所の部分は、電子部品21が密集している部分について、囲い線31で2つの電子部品群22が設定されている。また
図21には略中央の電子部品21が密集した部分を囲い線31で4つの電子部品群22に分けている。
このように囲い線31によって、電子部品群22を単に部品配置によらずにフレキシブルに設定できるため、例えば対応する識別情報群27の表記領域の都合などに応じて、囲い線31で電子部品群22を設定できる。これにより基板10上での配置、基板面積などに応じて、見やすい識別情報表記を実現できる。
換言すれば、ある領域に密集した電子部品21について、必ずしも1つの電子部品群22とはしなくてもよいということである。基板10上の識別情報群27の表記領域の状況などに応じて電子部品群22を区分し、それぞれについて識別情報群27を設けることで、見やすい識別情報表記を実現できる。
【0120】
また基板10A、10Bでは、電子部品21(電子部品群22)の周囲の囲い線31と、第2識別情報としての識別情報25(識別情報群27)の周囲の囲い線32に対して、対応マーカ34、35を表記してそれぞれの対応関係を示す部分が設けられている(符号P6,P7参照)。
これにより囲い線31,32の対応関係が明確に示される。特に囲い線31,32の間を引出線33で結べない場合や、引出線33が可能ではあるが長くなりすぎたり、配線パターン等と相まって引出線33が見難くなったりする場合に、対応マーカ34、35を用いて対応関係を示すことが好適である。
【0121】
なお、必ずしも囲い線31、32同士を対応マーカ34、35で示す例ではなく、
図10A〜
図10C、
図10E、
図10G、
図10H、
図12A〜
図12C、
図13A、
図13B、
図13D、
図13Eのようにしてもよい。即ち電子部品21(電子部品群22)と識別情報25(識別情報群27)の両方又は一方に囲い線31を設けないで対応マーカ34、35を付す場合もある。このような場合でも、電子部品群22の範囲や識別情報群27の範囲が明確であれば、対応マーカ34、35によって離間した位置での対応関係を明確にできる。
【0122】
また基板10A、10Bでは、第2識別情報としての識別情報25(識別情報群27)に対して、電子部品21(電子部品群22)との対応関係を示すように表記された引出線33を有する(符号P2、P5参照)。
引出線33により第2識別情報についての電子部品21との対応関係を明確化できる。引出線33によって対応関係を示す態様は
図9D〜
図9G、
図11A〜
図11Eのような例がある。
【0123】
また基板10A、10Bでは、1つの電子部品21の周囲もしくは複数の電子部品21による電子部品群22の周囲に、部品側の囲い線31が表記され、第2識別情報としての1つの識別情報25の周囲もしくは識別情報群27の周囲に、識別情報側の囲い線32が表記され、対応する部品側の囲い線31と識別情報側の囲い線32の間に引出線33が表記されている部分がある(符号P5、
図9G参照)。
例えば
図9G、
図11Eのように電子部品21(電子部品群22)と識別情報25(識別情報群27)がそれぞれ囲い線31,32で囲われ、引出線33によって対応関係が示されるようにすることで電子部品21と識別情報25の対応関係の認識性を高めることができる。
なお、必ずしも全ての電子部品21(電子部品群22)と識別情報25(識別情報群27)の間に引出線33を設ける必要はない。引出線33を設けた部分では、上述の効果が得られる。
【0124】
また基板10A、10Bでは、識別情報群27における複数の識別情報25は、対応する電子部品群22における複数の電子部品21の配置関係と同じ配置関係で表記されている(符号P5、P6,P7参照)。
例えば
図21では、電子部品群22と識別情報群27として、4つの組を例示している。いずれの識別情報群27も、引出線33によって対応が示された電子部品群22における各電子部品21の配置関係と同一の配置関係で、「C101」等の識別情報25を表記している。
例えば電子部品21が4行3列の配置の電子部品群22については識別情報群27も4行3列で識別情報25を表記している。また電子部品21が、1行目が3つ、2行目が4つ、3行目が3つという配置の場合、対応する識別情報群27も1行目が3つ、2行目が4つ、3行目が3つという配置で識別情報25を表記している。
これにより、識別情報群27内の各識別情報25が、対応する電子部品群22内のどの電子部品21に対応するかを、極めてわかりやすくすることができる。識別情報群27と電子部品群22の形状が相似的になることで群どうしの対応関係がわかりやすくなり、また各電子部品21と各識別情報25の関係も群内の位置関係で把握しやすいためである。
【0125】
またこのように配置関係を一致させた電子部品群22と識別情報群27とが囲い線31、32で明確化され、さらに引出線33で対応づけられることで、各識別情報25と電子部品21の対応性、認識性が著しく向上する。
また、電子部品群22と識別情報群27を引出線33で結べないような場合は、対応マーカ34,35により対応関係を示すことが好適である。
なお、基板10上の全ての識別情報群27において、個々の識別情報25の配置を、対応する電子部品群21の各電子部品21の配置と同一にしなければならないというものではない。少なくとも識別情報25の配置が対応する電子部品群21の電子部品21の配置関係と同一とされた識別情報群27を有していれば、その識別情報群27において上述の効果が得られる。もちろん全ての識別情報群27において識別情報25の配置を、対応する電子部品群21の各電子部品21の配置と同一とすれば基板10全体として認識性向上効果は大きい。
【0126】
また基板10A、10Bでは、電子部品21と、その電子部品21からみて基板端部側に配置された識別情報25を対応づけるように表記されている引出線33を有する(符号P2、P5参照)。
例えば
図21のように、基板10上の電子部品21(電子部品群22)から基板端部、即ち端辺11,12,13,14のいずれかに向かう方向に向かって引出線33が設けられて識別情報25(識別情報群27)を指し示すようにする状態は、第2識別情報を基板中央部以外に配置することにより得られる。
これにより比較的部品密度の高い基板中央部の電子部品21の情報を、端部近傍の第2識別情報により明確に記すことができる。また第2識別情報を基板中央部に配置しないことで、第2識別情報としての識別情報25自体も見やすいものとすることができる。
なお、必ずしも全ての引出線33が、基板中央寄りの電子部品21(電子部品群22)から基板外縁寄りと識別情報25(識別情報群27)に向かうように表記されていなくてもよい。このような引出線33(つまり電子部品21と識別情報25の位置関係)が一部にでも存在することで、基板上の配置の効率化や識別情報25の見やすさを実現できるためである。
【0127】
また
図14,
図15で示した基板10Aでは、第1識別情報,第2識別情報としてのそれぞれの識別情報25は、第1端辺基準の識別情報と第2端辺基準の識別情報のいずれかとして形成されている(
図14,
図15の符号P1〜P7参照)。
第1端辺基準の識別情報とは、基板10の第1端辺(端辺12)に対して平行に長辺が配置された電子部品21に対応して、文字列方向が第1端辺と平行で、かつ第1端辺(端辺12)側が文字の下方となるようにされた識別情報25である。
第2端辺基準の識別情報とは、基板10の第2端辺(端辺13)に対して平行に長辺が配置された電子部品21に対応して、文字列方向が第2端辺と平行で、かつ第2端辺(端辺12)側が文字の下方となるようにされた識別情報25である。
【0128】
図20A,
図20Bで説明する。
図20Aは例えば基板10の第一主面10x、
図20Bは第二主面10yを示している。ここでは「C101」等の識別情報25を例示したが、いずれの識別情報25も、端辺12を基準としたものか、端辺13を基準としたものかのいずれかである。
即ち長辺が端辺12に平行な電子部品21に対応する識別情報25は、文字列方向が端辺12と平行とされ、端辺12が下側(矢印DR1で示す方向が上方)となる。
長辺が端辺13に平行な電子部品21に対応する識別情報25は、文字列方向が端辺13と平行とされ、端辺13が下側(矢印DR2で示す方向が上方)となる。
個々の電子部品21に対する識別情報25のそれぞれが、第1端辺基準と第2端辺基準のいずれかになるということは、全ての識別情報25の表記は、2つの辺(端辺12と端辺13)側から見て読み易い状態となっていることになる。
また文字列方向が電子部品21の長辺と平行になるため、電子部品21と識別情報25の対応関係も把握しやすい。
これにより識別情報25の対応関係を明確にし、かつ識別情報25が読み取りやすいようになる。
【0129】
またこのような基板10は、第1端辺(端辺12)と第2端辺(端辺13)のいずれかが下端となる方向性で、弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられているようにすることが適切である。
図20Cに、弾球遊技機100や回胴遊技機200の筐体輪郭を破線で示しているが、基板10−1、10−2、10−3が、
図20A、
図20Bで付した矢印DR1で示す方向が上方となるように、取り付けられている。
このようにすることで、遊技機に取り付けられている状態で、第1端辺(端辺12)基準の識別情報25は、遊技機に正対した視認者が通常に視認できる状態であり、文字が上下逆にはならず、非常に見やすい。例えば弾球遊技機100の背面(例えば後述の
図31参照)に正対した姿勢や、或いは回胴遊技機200の前面パネル202を開けて前面パネル202の背面(
図6参照)や、本体ケース内部(
図7参照)に対して正対した姿勢で、視認者にとって識別番号25が上下逆とならない。
また第2端辺(端辺13)基準の識別情報25は、視認者からみて文字が横になるが、方向が揃っているため、さほど読み取りにくいものとはならない。
【0130】
また第一主面10xと第二主面10yという表裏の両方の基板面において、識別情報25のそれぞれは、第1端辺基準、第2端辺基準のいずれかとして統一されている。
上下の方向性を基板10の表面、裏面で統一することで、基板10を遊技機から外した状態でも識別情報の表記を見やすく、また電子部品21と識別情報25の対応関係も把握しやすい。
また、例えば端辺14側を差し込むように、遊技機に対して垂直に取り付けるような場合を考えると、第一主面10xと第二主面10yのいずれも、第2端辺(端辺13)基準の識別情報25が見やすいものとなる。
【0131】
以上のように基板10は、識別情報を形成する文字の上下方向が、遊技機本体の上下方向とは逆方向とならない状態で、遊技機に取り付けられている。具体的には基板10は、第1端辺(端辺12)もしくは第2端辺(端辺13)のいずれかが下方となるように遊技機に取り付けられるようにする。これにより弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられた基板10上で、逆さの状態で視認しなければならない識別情報25がなくなるため、電子部品21を容易に識別できるようにすることができる。
なお、全ての識別情報25について、第1端辺基準と第2端辺基準のいずれかとなるようにするのが最も良いが、電子部品21の形状等の特徴などに応じて、文字列方向や文字の上下方向が例外的なものとなった識別情報25が存在しても良い。第1端辺基準と第2端辺基準の識別情報25が支配的であれば、基板全体として識別情報25の視認性を向上できる。
【0132】
また
図16、
図17に示した基板10Bは、平面形状が略方形であって、略方形の各辺が基板の各端辺(11〜14)に対して非平行となる斜め状態で装着されている電子部品21を有する。
図16において識別情報25が「IC13」〜「IC17」として示した電子部品21である。
このように一部の電子部品21を斜め状態で配置することで基板10上での配線パターンの引き回しを容易化でき、製造効率を向上させることができる。
【0133】
図23Aで説明する。
図23Aにおいては長辺が端辺12に平行な電子部品21H、長辺が端辺13に平行な電子部品21Vとともに、斜め状態の電子部品21Sを示している。
識別情報25が「IC100」の電子部品(IC)21Sと、識別情報25が「CN10」「CN20」の電子部品21H、21Vに注目する。
「IC100」は多数の端子を有し、コネクタ「CN10」「CN20」と多数の配線が接続される。コネクタとしての電子部品21は通常、基板10上の端部近辺で端辺と平行に配置されている。
ここで、コネクタ「CN10」からみると、「IC100」の2つの辺が正面に現れている。このため2つの辺の端子に対する配線90の設計が容易である。
また「IC100」の図面の右下側となる辺からみると、コネクタ「CN10」「CN20」が前面斜め方向に見えている。これによりコネクタ「CN10」「CN20」に対する配線90、91の設計が容易である。
【0134】
即ち平面形状が略方形であって、略方形の各辺が基板10の各端辺(11〜14)に対して平行となる状態で装着されている他の電子部品21H、21Vを有する上で、斜め状態で装着されている電子部品21Sを設けることにより、基板10上の各電子部品間の配線パターンの引き回しを容易化することができる。電子部品21H、21Vと電子部品21Sが互いに相手の辺を見やすい位置関係を作り出すことができるためである。
【0135】
また、識別情報25を形成する文字列の方向は、対応する電子部品21H、21V、21Sの長辺と平行となる方向とされている(
図23及び
図16,
図17参照)。
即ち識別情報25の文字列方向は、斜め状態の電子部品21についても、その長辺方向と平行方向とされている。なお、略正方形の平面形状の場合は、いずれを長辺方向としてもよい。
従って識別情報25としても、端辺12に平行な文字列、端辺13に平行な文字列、斜め方向の文字列が、それぞれ存在することになる。このようにすれば、第2識別情報としての識別情報25と電子部品21の対応関係がより明確になる。即ち斜めの文字列は、斜め状態の電子部品21Sに対応することが一目瞭然となるためである。
電子部品側についても、端辺12に平行な電子部品21H、端辺13に平行な電子部品21V、斜め装着された電子部品21Sが混在することで、個々の電子部品21の視覚的な識別性が向上する。
また電子部品21Sの場合、識別情報25としての文字の方向は、例えば第1端辺(端辺12)基準の識別情報25の文字と比べて傾くことになる。ここで
図20で説明したように、基板10は、識別情報25を形成する文字の上下方向が、遊技機本体の上下方向とは逆方向とならない状態で、遊技機に取り付けられる。例えば第1端辺(端辺12)が下方となるように遊技機に取り付けられる。
図23に示すような電子部品21Sの場合、識別情報25としての文字の方向も、遊技機本体に取り付けられた状態で、上下が逆さになるものではない。つまり文字の下方が端辺12,14をそれぞれ斜め下方としており、その一方の端面が下となるように遊技機に取り付けられるためである。
このようにすることで、電子部品21Sの場合でも、遊技機に取り付けられた状態で、識別情報を形成する文字の上下方向が、遊技機本体の上下方向とは逆方向とならないようにすることができ、視認性を良好にできる。
【0136】
また基板10A、10Bには、装着された電子部品21の中には、平面形状が略方形であってチップ底面に複数の端子が配列された底面端子型電子部品がある。底面端子型電子部品とは、例えばBGAタイプのICやPGA(pin grid array)タイプのIC等である。そしてその電子部品21の列方向の端子位置を示す第1端子情報と、行方向の端子位置を示す第2端子情報が、基板10上に視認可能に表記されている。
図22にBGAタイプのIC50の例を示している。
図22Aは平面図、
図22Bは底面図、
図22Cは正面図である。図示のように底面側に、多数の端子51がマトリクス状に形成されている。なお
図22Dのように、底面全体に端子51が形成されるものではなく、底面の一部に端子が形成されないタイプのものもある。
このようなBGAタイプのIC50等、基板10上に端子が表出しないものは、視認による端子判別が困難である。
【0137】
そこで
図22Eのように、IC50の側方に第1端子情報55、第2端子情報56を表記することで、端子配置を認識できるようにする。例えば第1端子情報55は端子列番号、第2端子情報は端子行番号である。この
図22Eでは第1端子情報55として、各列の端子列番号「A」〜「AH」を示し、第2端子情報56として各行の端子行番号「1」〜「28」を示している。
なお、端子列番号、端子行番号は全てを表記しなくても良い。例えば
図22Fのように先頭と終端の端子列番号「A」「AH」を表記し、先頭と終端の端子行番号「1」「28」を表するものでもよい。もちろんこれ以外に、間欠的な端子列番号、端子行番号としてもよい。
【0138】
図16の基板10Bでは、「IC17」の電子部品21において、
図22Eのように第1端子情報55、第2端子情報56を表記した例を示した。
また
図14の基板10Aでは、「IC5」の電子部品21において、
図22Fのように第1端子情報55、第2端子情報56を表記した例を示した。
このようにチップ底面に複数の端子51が配列された底面端子型電子部品について、第1端子情報55、第2端子情報56を表記することで、端子配置を視覚的に容易に認識できる。
【0139】
また、これらの場合、第1端子情報55を、底面端子型電子部品の一の辺側に表記し、第2端子情報56を、底面端子型電子部品の、一の辺とは異なる辺側に表記するようにしている。
列方向の端子位置を示す第1端子情報55と、行方向の端子位置情報を示す第2端子情報56を、電子部品21の互いに異なる辺側に配置することで、列・行の端子情報を認識しやすくできる。
なお底面端子型電子部品において、どちらを列方向、行方向とするかは任意である。ある方向を列方向、列方向と垂直の方向を行方向と考えれば良い。
【0140】
また
図22E、
図22F、さらには
図14,
図16に示すように、第1端子情報55としての文字と、第2端子情報56としての文字は、上下方向が同一の向きで表記されている。
このように第1端子情報55と第2端子情報56とで文字の上下方向を統一することで、各情報の表記を見やすくし、端子位置が把握しやすいようにできる。
この上下方向は、識別情報25の方向とも一致させるとよい。例えば
図14の場合、端辺12を基準とした識別情報25の文字方向と同じとしている。
図16の場合、斜め配置の識別情報25の文字方向と同じとしている。このようにすることで、第1端子情報55と第2端子情報56の見やすさを向上させることができる。
【0141】
また第1端子情報55を第1種の文字、例えばアルファベットで表記し、第2端子情報56を第2種の文字、例えば数字で表記している。
このように異なる文字種で表記することで、第1端子情報55と第2端子情報56を区別しやすくし、認識性を高めることができる。
また
図14の「IC5」の電子部品21では、第1端子情報55と第2端子情報56は、その文字の上下方向が、第1端辺(端辺12)基準の識別情報25と同方向としている。
また
図16の「IC17」の電子部品21では、第1端子情報55と第2端子情報56は、その文字の上下方向が、その「IC17」という識別情報25と同方向としている。
基板10は
図20で説明したように、第1端辺(端辺12)もしくは第2端辺(端辺13)のいずれかが下方となるように遊技機に取り付けられる。すると、第1端子情報55と第2端子情報56も、識別情報25と同じく、弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられた基板10上で、文字の上下が逆さの状態となることはない。これにより遊技機に取り付けられた状態でも第1端子情報55と第2端子情報56の視認性を良好とできる。
【0142】
以上により、チップ底面に複数の端子51が配列された電子部品21(底面端子型電子部品)についての端子配置を容易に確認でき、製造や検査に便利となる。
なお、BGAタイプのICの裏面はコンデンサ等の電子部品21が密集配置されやすい。例えば
図16,
図17の基板10Bで言えば、第二主面10y側では、ちょうど「IC17」の裏に当たる部分に、多数のコンデンサ等の電子部品21が配置されている。
図14,
図15の基板10Aの場合でも、「IC5」の裏側となる部分に多数のコンデンサ等の電子部品21が配置されている。
このような場合、密集した電子部品21の識別情報25については、上述のように第2識別情報の態様で表記することが非常に好適となる。
【0143】
<6.実施の形態の基板の基板管理番号>
続いて基板管理番号50について述べる。
上述のように
図14,
図15の基板10Aには第1記載形式の基板管理番号50Aが記載されている。一方で、
図16,
図17の基板10Bには第2記載形式の基板管理番号50Bが記載されている。
基板管理番号は通常、その構成文字が横一列の文字列による第1記載形式で記載されるが、この場合、基板上で記載領域が十分に確保できない場合、各文字を極度に小さくしなければならない。
例えば
図14、
図15、
図21、
図23Bの例では実装領域Jの外に、比較的横長で大きめの文字サイズに対応可能な高さの記載領域が確保できるため、第1記載形式の基板管理番号50Aが記載できている。十分に大きな文字サイズで、横一列の文字列とすることで、基板管理番号全体が読み取りやすい。ところが
図16,
図17の例では、実装領域Jの外に、そのような横長の記載領域が確保できない。
【0144】
そこで
図16,
図17の場合、構成文字が管理番号構成部分51,52に分けられて2列とされた2列書きの基板管理番号50Bを記載するようにしている。このようにすることで、横長の領域が確保できなくても、十分な文字サイズで基板管理番号50Bを記載することができる。
【0145】
近年、基板10上に非常に多数の電子部品を密集配置することも多い。配線パターンも複雑化している。一方で、基板自体の平面サイズは、弾球遊技機100や回胴遊技機200に実装する都合上、むやみに拡大できない。
これらの事情で、基板上では実装領域Jの占める範囲が大部分となり、基板管理番号50を記載する領域の確保は困難となっている。記載領域が十分にとれない場合、文字サイズを小さくして詰め込むように記載することになるが、そのようにすると、基板管理番号50の視認性が著しく悪化する。
そこで、必ずしも第1記載形式にこだわらずに、基板10の記載領域事情に応じて第2記載形式で記述することで、十分な大きさの基板管理番号50が表記できるようにするものである。
【0146】
また第2記載形式の他の例として、
図23Aの例のように、基板管理番号の構成文字が複数の管理番号構成部分51,52に分割され、各管理番号構成部分51,52が、基板10上の離間した位置に記載されるようにしてもよい。
図23Aの場合は、実装領域Jの外に、基板管理番号50としての文字の全部を記載するのに十分な横長領域、或いは2列での表記可能な領域が確保できない場合である。このような場合でも、図のように「FJ」と「AB1231C」という2つの管理番号構成部分51,52を離間して記載することで、十分大きな文字サイズで基板管理番号50を表記できる。
【0147】
つまり
図16、
図17のように2列書きで各列を同じ位置(近傍)に記載すれば、基板管理番号50の全文字の認識性が高められる。
一方で
図23Aのような離間記載は、2列での表記可能な領域が確保できない場合における視認性のよい基板管理番号記載を実現するという点で好適となる。
なお、
図23Bは、コネクタ「CN21「CN22」が端辺12の左側に沿って配置されることで、第1記載形式での基板管理番号50Aを記載する横長の領域が確保できる場合である。このように第1記載形式での基板管理番号50Aが十分なサイズで記載可能であれば、その基板面では、第2記載形式よりも第1記載形式での記載を優先して適用することが考えられる。
【0148】
ここで、実装領域Jの拡大、つまり基板管理番号50の記載可能領域の縮小には、上述の識別情報25の表記の工夫も影響している。
例えば第2識別情報としての識別情報25が電子部品21と離れて表記されることで、基板10の周縁部に識別情報25が表記される場合も増加する。
また、識別情報群27を設ける場合、比較的広い領域が占有され、これが実装領域Jの拡大につながる。特に識別情報群27は電子部品21があまり密集していない端部近傍に設けることが多くなるため、基板管理番号50の記載可能領域は小さくなりやすい。
また引出線33を基板管理番号50によって分断させないことも考慮する必要がある。
また
図21のように、基板10上の電子部品21(電子部品群22)から基板端部、即ち端辺11,12,13,14のいずれかに向かう方向に向かって引出線33が設けられて識別情報25(識別情報群27)を指し示すようにすることも、識別情報25(識別情報群27)による基板端部付近の占有を促進する。
また対応マーカ34、35を用いることで、識別情報25や識別情報群27が、より基板10の周縁部に表記されやすくなる。
また斜め方向に装着される電子部品21Sがある場合、その周辺配線や識別情報25,識別情報群27が基板端部に接近しやすくなる(例えば
図16参照)
【0149】
これらの事情から実装領域Jとして、基板管理番号50を記載できない領域が拡大する。このような場合に、第2記載形式の基板管理番号50Bを用いることで、基板管理番号50が視認性よく記載できる。換言すれば、特に上述の第2識別情報としての識別情報25(識別情報群27)を設ける場合に、第2記載形式の基板管理番号50Bを用いることの効果は顕著となる。
即ち第2識別情報としての識別情報25と電子部品21の関係が明確化されること、及び第2記載形式を用いて識別情報25に比較して十分な文字サイズで基板管理番号50Bを記載できることで、基板管理番号50と識別情報25の双方の視認性を高めることができる。
【0150】
具体的には以下の(a)(b)(c)の基板が望ましい。
(a)実施の形態のように、第2記載形式の基板管理番号50Bと、電子部品21から離間して表記される第2識別情報としての識別情報25を有する基板。
電子部品21から離間して表記される第2識別情報を引出線33、対応マーカー34,35等によって電子部品21に対応させて表記した場合、基板上が広く占有され、横一列の基板管理番号が記載できないことが多くなる。第2記載形式の基板管理番号50Bを用いることで、十分な大きさで基板管理番号を記載できる。
また第2識別情報と電子部品21の関係が明確化されること、及び第2記載形式の基板管理番号50Bを用いて識別情報25に比較して十分な文字サイズで基板管理番号を記載できることで、基板管理番号50と識別情報25の双方の視認性を高めることができる。
【0151】
(b)実施の形態のように、第2記載形式の基板管理番号50Bと、第2識別情報としての識別情報群27を有する基板。
識別情報群27は基板周縁部近傍に記載することが多くなる。つまり中央部は素子が密集することが多いためである。すると基板周縁部近傍に基板管理番号50を記載する余裕がなくなりやすい。この場合に第2記載形式で大きい文字サイズの基板管理番号50Bが記載できることで、識別情報25の見やすさと基板管理番号50の見やすさを両立できる。
【0152】
(c)実施の形態のように、第2記載形式の基板管理番号50Bと、電子部品21から基板端部方向に引かれた引出線33によって示される第2識別情報を有する基板。
引出線33によって基板端部方向の第2識別情報が電子部品21と対応づけられることは、基板周縁部に識別情報25が記載されることを促進する。このため基板周縁部近傍に基板管理番号50を記載する余裕がなくなりやすいが、この場合に第2記載形式で大きい文字サイズの基板管理番号50Bが記載できるようにする。これによって識別情報25の見やすさと基板管理番号50の見やすさが両立できる。
【0153】
また
図16、
図17、
図21、
図23の各例で示す第2記載形式の基板管理番号50Bは、製造者情報としての管理番号構成部分51と、他の情報としての管理番号構成部分52が、異なる列、又は離間した位置に記載される記載形式としている。
2列表記又は離間表記とする際に、製造者情報部分と他の情報部分(日付けや機種固有コード等)で分割することで、視認者の基板管理番号50Bの認識性を阻害しない。つまり第2記載形式としても製造者情報、日付け、機種固有コード等を容易に認識できる表記とすることができる。
【0154】
また、製造者情報としての管理番号構成部分51と、他の情報としての管理番号構成部分52とが異なる工法で記載されたものとするとよい。
製造者情報としての管理番号構成部分51は、各基板10で共通の文字である。一方、他の情報としての管理番号構成部分52は、基板毎に異なる場合がある。そこで異なる工法で記載することで、共通文字部分の記載の効率化等を実現する。
基板管理番号50の記載のための工法としては、印刷法、写真法、直接描画法(例えばレーザ描画など)がある。
例えば製造者情報「FJ」又は「FJ+」の部分は印刷法、他の情報「AB1231C」の部分は直接描画法をとることが考えられる。
また、各機種共通の製造者情報部分についてはマスターフィルムを用いるようにし、機種毎に異なる情報の部分には、マスターフィルムが不要な工法を用いるということも考えられる。
【0155】
弾球遊技機100や回胴遊技機200においては、多数の基板10が装着されるが、全ての基板10が第2記載形式の基板管理番号50Bを備えるものとする必要はない。各基板10の記載可能領域の都合によって第1記載形式の基板管理番号50Aを有する基板10と、第2記載形式の基板管理番号50Bを有する基板20とすればよい。
これにより、各基板10の領域事情に応じて見やすい基板管理番号記載を実現できる。
また基板面積が大きい基板は第1記載形式の基板管理番号50Aを用い、基板面積が小さい基板では第2記載形式の基板管理番号50Bを用いるということも考えられる。
【0156】
また1つの基板10において第一主面10xと第二主面10yで第1,第2記載形式を使い分けても良い。
例えば
図14,
図15では第一主面10xと第二主面10yに第1記載形式の基板管理番号50Aが記載された例を示したが、表裏の一方に第1記載形式の基板管理番号50Aが記載され、他方に第2記載形式の基板管理番号50Bが記載される基板10も想定される。特に第一主面10xと第二主面10yでは、識別情報25(識別情報群27)の表記の状態が異なることで、基板管理番号50の記載可能領域の事情が異なるものとなりやすい。そこで、表裏で基板管理番号50A、50Bを使い分けることで、どちらも明確な基板管理番号記載が可能となる。
【0157】
図示した各例では、基板管理番号50は第1記載形式又は第2記載形式のいずれかであるが、いずれも、基板管理番号50を構成する文字は、第1端辺(端辺12)側が文字の下方となる状態で基板10に記載されている。
このような基板10は、第1端辺(端辺12)が下端となる方向性で、弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられているようにする。
例えば
図20Cにおいて、基板10−1、10−2、10−3はそれぞれ端辺12が下方となる状態で取り付けられているとする。基板10−1は2列表記の基板管理番号50B、基板10−2は管理番号構成部分51,52を離間させた基板管理番号50B、基板10−3は第1記載形式で表記された基板管理番号50Aが、それぞれ表記されている例を示している。いずれの基板10についても、視認者にとっては、通常の姿勢、例えば弾球遊技機100の背面(例えば
図31参照)に正対した姿勢や、或いは回胴遊技機200の前面パネル202を開けて前面パネル202の背面(
図6参照)や、本体ケース内部(
図7参照)に対して正対した姿勢で、通常に文字列が横書きとなっている基板管理番号50を確認できる。つまり基板管理番号としての文字の向きが横向きであったり、上下逆の状態とはなっていない。よって基板管理番号50を非常に読み取りやすい。
【0158】
上述のように識別情報25については、文字の方向性に関しては、文字の上下方向が第1端辺基準又は第2端辺基準とされることで、視認性を向上させた。これは各電子部品21との対応も考慮されているが、基板管理番号50に関しては個別の電子部品21との対応は考慮する必要はない。あくまでも基板10が弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられた状態で視認性が良いことが求められる。そこで、第1端辺(端辺12)が下端となる方向性で基板10が取り付けられるのであれば、その第1端辺基準で基板管理番号50としての文字が記載されればよいことになる。
従って、基板10が、第1端辺が下方となる方向性で遊技機に取り付けられる場合、基板管理番号50は第1端辺基準で記載され、識別情報25は、電子部品21に応じて第1端辺基準又は第2端辺基準で記載されることが適切となる。即ちいずれにしても、識別情報を形成する文字の上下方向が、遊技機本体の上下方向とは逆方向とならない。
これにより、基板10を弾球遊技機100や回胴遊技機200に装着した状態での、各識別情報25の視認性の向上、基板管理番号50の視認性の向上、及び識別情報25と電子部品21の対応のわかりやすさを併せて実現できる。
【0159】
また識別情報25の文字列方向は電子部品21の長辺と平行とすることで電子部品21と識別情報25の対応関係も把握しやすくしている。
図16,
図17、
図23Aのように基板の各端辺(11〜14)に対して非平行となる斜め方向に装着される電子部品21Sが存在する場合も、それに対応する識別情報25も電子部品21Sの長辺方向と平行方向(つまり各端辺(11〜14)とは非平行)として電子部品21Sと識別情報25の対応関係を明確にしている。
これらの場合も、基板管理番号50については基板の端辺11、12に平行な状態で記載する。これにより識別情報25と基板管理番号50のそれぞれの視認性を向上させることができる。つまり各識別情報25、25Sが電子部品21との対応関係が明確化されている上、基板管理番号50は第1又は第2記載形式を用いて識別情報に比較して十分な文字サイズで基板管理番号を記載できることで、基板管理番号と識別情報の双方の視認性を高めることができる。
【0160】
<7.基板管理番号の配置及び基板ケース、カバー体の関係>
ここまでの説明のように本実施の形態では、基板管理番号50は、基板10上で十分なサイズで明確に記載されるように工夫が為されている。以下では、基板管理番号50の配置について各種の例を説明する。
【0161】
まず基板10は、遊技機の背面や内部に装着されるが、その際に基板10がそのままむき出しでネジ等で固定されるのではなく、基板ケースに収納された状態で装着される。
図24は基板10が基板ケース70に収納された状態を示す斜視図であり、
図25Aはその平面図である。
基板ケース70は透明又は半透明の樹脂により筐体が形成されている。基板ケース70の筐体は、上面部70Aとベース部70Bが接合されて形成される。そしてその筐体内部に各種の電子部品21をマウントし、また基板管理番号50が記載された基板10が収納されている。
なお、以下の説明及び図示では、基板管理番号50としては、第1記載形式の基板管理番号50Aが記載されている例とするが、いずれも第2記載形式の基板管理番号50Bとされるものであってもよい。
【0162】
基板ケース70は透明又は半透明の樹脂により筐体が形成されることで、内方の基板10を視認可能としている。従って基板管理番号50や、各電子部品21、及び図示していない識別情報25等も基板ケース70の外部から視認可能である。
基板ケース70には放熱等の目的で孔部72が各所に形成されている。例えばケース上面に多数の小孔としての孔部72が形成され、またケース縁部に上面から側面にかけて孔部72が形成されている例を示している。もちろん孔部72を設ける場合の位置、形状、サイズ、数は多様に考えられる。
なお、説明上、「孔部72」とは、基板管理番号50の全部の文字の記載面積以上の開口空間を有するものではなく比較的小さな開口を指すものとする。基板管理番号50の記載面積以上の開口空間を有する筐体の開口は後述の開口部78Aと
呼んで区別する。
【0163】
また、基板ケース70は、遊技機への取付の都合や基板10の形状、マウントする部品種別、部品配置などの都合に応じて、適宜所要の形状とされる。
図24,
図25Aの例のように、適宜、斜面や壁面等が形成されることで、筐体上の屈曲部73が形成されたり、ケース内の所定位置に補強用のリブ74等が形成される。
また上面部70Aとベース部70Bを接合するネジを挿入するネジ支柱部75(支柱周囲の肉厚変化部分も含む)も所要箇所に設けられる。
また
図24、
図25では示していないが、基板ケース70の筐体には、基板10の一部をむき出しにする切欠部や大型の開口(
図28、
図29の開口部78Aや切欠部78B)が設けられることもある。
さらに基板ケース70の上面側などに基板の種別、遊技機の機種名、設定情報等の印刷が施されることもある(
図28、
図29の印刷部76)。
また特に基板10が主制御基板150,240などの場合、基板ケース70がむやみに開けられないように封印シール(
図29の封印シール77)が添付される場合や、カシメ機構によりケース筐体を破壊しなければ基板10を取り出せないようにすることもある。
【0164】
基板10に取り付けられたコネクタCNは、他の基板等との結線、つまりハーネス63やフレキシブル基板等の接続のため、基板ケース70から表出させる必要がある。このためコネクタCNは基板ケース70から露出されるようにケース筐体に部品用開口79が形成され、コネクタCNが表出される。
図25Bに、コネクタ配置部分を拡大して示している。基板10に取り付けられたコネクタCNは、基板ケース70に形成された部品用開口79から突出するようにされる。なお、このようにコネクタCNが突出するようにするために、基板ケース70の筐体上面はコネクタ位置対応部分が、低い高さとなるように形成されている。
この基板10に装着されるコネクタCNは、例えばピン側ハウジングとされ、ハーネス63が取り付けられたジャック側ハウジング62が接続される(もちろんピン側、ジャック側は逆でも良い)。これにより
図24のように基板ケース70内の基板10からハーネス63が導出され、他の基板10等と電気的に接続される。
【0165】
本実施の形態の弾球遊技機100や回胴遊技機200では、各基板10がそれぞれ基板ケース70に収納された状態で、例えば
図31に示すように取り付けられる。即ち複数の基板10が、互いのコネクタCNに接続したハーネス63によって電気的に接続された状態となる。
以下では、基板10における基板管理番号50の配置を説明する。
まず基板管理番号50とコネクタCNの位置関係を
図26,
図27を参照して説明する。
【0166】
図26は、基板管理番号50が、コネクタCNが配置される端辺とは異なる端辺の近傍の位置に記載される例を示している。
なお、以下の説明でも、先述の通り、基板10は端辺12側が下方となる姿勢状態で遊技機に取り付けられるものとする(
図20と同様に矢印DR1を付す)。
図26Aは、端辺11,12が長手方向となる基板10の例である。コネクタCN101が、その長辺が基板10の端辺14に沿う状態で端辺14の近傍に取り付けられている。またコネクタCN102が、その長辺が基板10の端辺13に沿う状態で端辺13の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺11に沿うように端辺11の近傍とされている。
図26Bも端辺11,12が長手方向となる基板10の例である。2つのコネクタCN103,CN104が、それぞれの長辺が基板10の端辺11に沿う状態で端辺11の近傍に取り付けられている。またコネクタCN105が、その長辺が端辺13に沿う状態で端辺13の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺12に沿うように端辺12の近傍とされている。
図26Cは、端辺11,12が短手方向となる基板10の例である。2つのコネクタCN106,CN107が、それぞれの長辺が基板10の端辺14に沿う状態で端辺14の近傍に取り付けられている。またコネクタCN108が、その長辺が端辺13に沿う状態で端辺13の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺11に沿うように端辺11の近傍とされている。
【0167】
図26A、
図26B、
図26Cのいずれの例も、基板10は、コネクタCNの長辺が基板端辺に沿うようにコネクタが取り付けられるとともに、基板管理番号50の記載位置は、コネクタCNの長辺が沿った基板端辺とは異なる基板端辺の近傍の位置とされている。
各図からわかるように、コネクタCNが配置された端辺とは異なる端辺に基板管理番号50を記載することでコネクタCNから導出されるハーネス63によって基板管理番号50が視認不能とならないようにすることができる。さらにいずれの場合も、基板面直上方向の視点による正面視としても視認不能となっていない。
【0168】
なお、遊技機に取り付けられた状態で、ハーネス63は、必ずしも端辺から基板の外側にまっすぐ(端辺に対して垂直方向に向かうように)配置されるわけではなく、ハーネス接続先の相手側の基板に向かうように配置される。例えば
図26Bには、コネクタCN103,CN104からのハーネス63が右側に向かう例、
図26Cには、コネクタ108からのハーネス63が下方に向かう例を示している。
しかしハーネス63がいずれの方向に向かう場合でも、基板管理番号50が、コネクタCNが配置される端辺とは異なる端辺の近傍に記載されるようにすれば、基板管理番号50がハーネス63に覆われて視認不能となる状態はほとんど生じない。
またハーネス63の長さの余裕が大きい場合、ハーネス63が撓んでコネクタCNより基板中央側を多少覆うことがあるが、基板管理番号50がコネクタCNとは異なる端辺付近に記載されることで、基板管理番号50が視認不能とならないようにできる。
【0169】
なお、上述のように基板10が遊技機に取り付けられた状態で、基板管理番号50が上下逆転せずにして見やすくするためには、基板管理番号50は端辺11又は12(つまり遊技機に取り付けた状態で水平方向となる端辺)に沿って記載するとともに、端辺12側が文字の下方側となることが好適である。従って
図26A、
図26Cのように端辺11,12のいずれにもコネクタCNが配置されない場合、基板管理番号50の記載位置は端辺11,12のいずれかの近傍であればよい。
図26Bのように、端辺11にコネクタCN(CN103,CN104)が配置されている場合は、水平方向である他方の端辺12の近傍に基板管理番号50の記載位置を設定すれば良い。
【0170】
図27は、基板管理番号50がコネクタCNと同じ端辺の近傍に記載される例である。
図27Aは、端辺11,12が長手方向となる基板10の例である。コネクタCN201,CN202が、それぞれの長辺が端辺11に沿う状態で端辺11の近傍に取り付けられている。またコネクタCN203が、その長辺が端辺13に沿う状態で端辺13の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺11に沿って設けたコネクタCNの近傍であって、より基板中央側とされている。
図27Bも端辺11,12が長手方向となる基板10の例である。コネクタCN204が、その長辺が端辺11に沿う状態で端辺11の近傍に取り付けられている。またコネクタCN205が、その長辺が端辺12に沿う状態で端辺12の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺12に沿って設けたコネクタCNの近傍であって、より基板中央側とされている。
【0171】
この
図27A,
図27Bのように基板管理番号50の記載位置は、コネクタCNの配置位置より基板中央側の位置とされていてもよい。
ハーネス63はコネクタCNから周辺の基板等に向かうように配置されるため、コネクタ配置位置より基板中央側の位置は、導電線材によっては覆われにくい位置となる。従って基板管理番号50がハーネス63によって視認不能となることは、ほとんどないことになる。
【0172】
図27Cは、端辺11,12が長手方向となる基板10の例である。コネクタCN206が、その長辺が端辺11に沿う状態で端辺11の近傍に取り付けられている。またコネクタCN207が、その長辺が端辺12に沿う状態で端辺12の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺11に沿って設けたコネクタCNに横に並ぶような位置とされている。
図27Dは、端辺11,12が短手方向となる基板10の例である。コネクタCN208が、その長辺が端辺13に沿う状態で端辺13の近傍に取り付けられている。またコネクタCN209が、その長辺が端辺12に沿う状態で端辺12の近傍に取り付けられている。基板管理番号50の記載位置は、端辺12に沿って設けたコネクタCNに横に並ぶような位置とされている。
【0173】
この
図27C,
図27Dのように、長辺が基板端辺に沿うようにコネクタCNが取り付けられるとともに、基板管理番号50の記載位置が、コネクタCNの長辺が沿った基板端辺の近傍であって、コネクタ位置から該基板端辺の線方向(矢印DL方向)にずれた位置とされているようにしてもよい。
このようにずれた状態に配置させることで、コネクタCNと同じ端辺の近傍に基板管理番号50が記載される場合でも、ハーネス63によって基板管理番号50が視認不能とならないようにすることができる。
【0174】
なお、取付状態で水平方向となる端辺11又は12の近傍に基板管理番号50の記載位置を設定するのが望ましいが、
図27Bや
図27Cのように、端辺11、12のいずれにもコネクタCNが配置されている場合、以上の方式でコネクタCNと同一端辺に沿って基板管理番号50の記載位置を設定することが有用である。
【0175】
以上の
図26,
図27の例のように、実施の形態の遊技機は、基板管理番号50が記載されるとともにコネクタCNが取り付けられた第1の電子回路基板(
図26,
図27のような基板10)を含む複数の電子回路基板10が搭載される遊技機である。そして第1の電子回路基板は、遊技機に搭載され、かつ他の電子回路基板とコネクタCNを介して導電線材(ハーネス63)により電気的に接続された状態において、導電線材によって視認不能とならない位置に基板管理番号50が記載されている。
これによりコネクタCNからの導電線材(例えばケーブル、ケーブルハーネス、フレキシブル基板等)によって基板管理番号50の視認を妨げられず、基板管理番号50の確認が容易にできる。
なお、以上の
図26,
図27で説明したコネクタCNと基板管理番号50の配置関係は、仮に基板10が基板ケース70に収納されない状態で遊技機に取り付けられる場合でも好適なものであることはいうまでもない。
【0176】
続いて、基板10上の基板管理番号50の配置と、基板ケース70の位置関係について説明する。
基板ケース70は上述のように透明又は半透明の樹脂で形成されるが、それであっても基板管理番号50の視認性を低下させる場合がある。例えば基板ケース70が透明又は半透明であったとしても、基板ケース70の形状や開口その他によって視認性が低下する領域がある。そこで実施の形態では、基板管理番号50の正面に、基板ケース筐体における非視認性低下部分が位置する状態となるようにし、基板管理番号50の視認性を向上させる。
【0177】
図28、
図29では、基板10の輪郭及びコネクタCN、基板管理番号50を実線で示し、基板ケース70は破線で示している。
なお、各図においてコネクタCNの周辺部は、基板ケース上面が低く設定されてコネクタCNが
図25Bのように露出されている部分である。
【0178】
図28Aは、基板管理番号50の正面に、基板ケース70の孔部72、或いはケース筐体の屈曲部73、或いは印刷部76が位置していない様子を示している。印刷部76は、実際にはケース筐体上に、遊技機の種別、仕様、基板の仕様その他の情報が印刷されている領域であり図では斜線で示している。
なお、基板管理番号50の正面とは、基板面の正面方向を意味する。遊技機を検査する人にとって基板管理番号50を通常に視認する位置に向かう方向である。
図28Bは、基板管理番号50の正面に、基板ケース70のリブ74やネジ支柱部756、或いは屈曲部73が位置していない様子を示している。
図28Cは、基板管理番号50全体の正面に、基板ケース70に形成された開口78Aが位置している様子を示している。つまり開口50を通して基板管理番号50の文字列の全てが見える状態である。また基板管理番号50の正面に、基板ケース70の孔部72や屈曲部73が位置していない例でもある。
図28Dは、基板管理番号50全体の正面に、基板ケース70に形成された切欠部78Bが位置している様子を示している。つまり切欠部78を通して基板管理番号50の文字列の全てが見える状態である。また基板管理番号50の正面に、基板ケース70の印刷部76や屈曲部73が位置していない例でもある。
【0179】
図29Aは、基板管理番号50全体の正面に、基板ケース70に形成された開口78Aが位置している様子を示している。つまり開口50を通して基板管理番号50の文字列の全てが見える状態である。また基板管理番号50の正面に、基板ケース70の孔部72や屈曲部73、リブ74、ネジ支柱部75、印刷部76、封印シール77がいずれも位置していない例でもある。図では封印シール77を塗りつぶし部分として示している。封印シール77は、例えば基板ケース70の上面から側面にわたるように添付されている。
図29Bは、基板管理番号50全体の正面
に、基板ケース70の孔部72や屈曲部73、リブ74、ネジ支柱部75、印刷部76、封印シール77がいずれも位置していない例である。
【0180】
このような基板管理番号50と基板ケース70の位置関係をまとめると次のようになる。
図28,
図29のいずれの例も、基板管理番号50の正面に、基板ケース70の筐体における非視認性低下部分が位置する状態となるようにしている。
そして非視認性低下部分とは、1つには、基板ケース70における非段差部である。基板管理番号50の正面が段差部とならないようにすることで視認性を確保する。
【0181】
具体的には、非段差部とは、基板ケース70の筐体において板厚が均一な平面部分である。
図28A、
図28B、
図29Bの例がこれに該当し、基板管理番号50の正面が板厚が均一な平面部分になっている。
板厚が均一な平面部分であれば、光の透過が均等となり、屈折率や透過率の違う領域を通して見ることにはならないため、基板管理番号50の視認性は妨げられない。
【0182】
また非段差部とは、基板ケース70の筐体における孔部72が存在しない平面部分であることが考えられる。例えば
図28A、
図28B、
図29A、
図29Bは孔部72を避けた位置となっている。
孔部72による段差が生じている領域では、孔部72による空間とケース筐体とが基板管理番号の正面に混在することで視認性が妨げられるため、そのような状態とならないようにして視認性を向上させる。
【0183】
また非段差部とは、基板ケース70の筐体における屈曲部73が存在しない平面部分であることが考えられる。
図28A〜
図28D、
図29A、
図29Bの全ての例で、基板管理番号50の正面が屈曲部73ではないようにされている。
ケース筐体の曲げ部分、凹凸部分、孔部、リブ、厚み変動部などとして屈曲部73が存在すると、光の屈折率、透過率が基板管理番号の正面で一定でなくなり、視認性が低下する。そこで屈曲部73が基板管理番号50の正面とならないようにすることで視認性を向上させる。
【0184】
また非段差部とは、基板ケース70の筐体の開口部78A又は切欠部78Bにより形成された空間部分であることが考えられる。
図28C、
図28D、
図29Aがこの例となる。
これらの場合、基板管理番号50の正面が、すべて空間である。従って基板ケース70の筐体樹脂による視認性の低下は生じないため、視認性は向上される。
【0185】
基板ケース70の非視認性低下部分とは、以上のような非段差部だけでなく、基板ケース筐体上で印刷が施されていない部分という条件も適切である。
図28A、
図28D、
図29A、
図29Bは、印刷部76が設けられているが、この印刷部76が正面に来ない位置に基板管理番号50が記載されている。
印刷が施された領域は、ケース内部の視認性が非常に低下するためである。
また
図28A、
図28D、
図29A、
図29Bは、基板管理番号50の正面が、印刷部76以外であって、かつ非段差部となっている例でもある。印刷部以外の非段差部が正面となる位置に基板管理番号50が記載されていることで、視認性を向上させている。
【0186】
さらに基板ケース70の非視認性低下部分とは、基板ケース筐体に対する封印シール77の添付領域以外の部分という条件も適切である。
図29A、
図29Bは、基板管理番号50の正面が、封印シール77の添付領域以外となっている例である。またこれらは、基板管理番号50の正面が、封印シール77の添付領域以外、かつ印刷部76以外であって、非段差部となっている例でもある。
封印シール77が添付された領域は、内部が視認できないため、基板管理番号50の正面に位置することは不適となる。そして非視認性低下部分は、基板ケース筐体に対する封印シール77の添付領域以外の非段差部であることが、視認性向上に適している。また非視認性低下部分は、基板ケース筐体に対する封印シール77の添付領域以外で印刷部76ではない部分であることも適切である。
【0187】
続いて、基板10上の基板管理番号50の配置と、基板ケース70及びカバー体80の位置関係について説明する。
遊技機において電子回路基板は、保護や不正改造の防止などの理由で、基板ケース70に収納された状態で遊技機に装着されることが多いが、さらに基板保護や基板10(基板ケース70)の取り外し等による不正防止などの理由で基板ケース70上にカバー体が設けられる場合も多い。
例えば
図30は遊技機背面に取り付けられるカバー体80の例を示しており、
図31はカバー体80が取り付けられた状態の遊技機背面の様子を示している。
なお
図31では、基板10の輪郭、コネクタCN及びハーネス63を実線で示し、基板ケース70は破線で示し、カバー体80は一点鎖線で示している。
図31では、基板10a〜10eをそれぞれ収納した基板ケース70a〜70eが遊技機に取り付けられている例を示している。各基板ケース70内の基板10同士は、それぞれコネクタCNからのハーネス63によって電気的に接続される。
そしてこれらの基板ケース70に対して、その上方(基板10の正面側)の一部を覆うように、カバー体80が取り付けられている。
【0188】
カバー体80は透明又は半透明の樹脂として、例えば
図30に示すような形状とされる。カバー体80の一辺には回動軸81が形成され、また所要箇所に固定部82が形成される。
このカバー体80は遊技機背面に設けられた軸支部(図示せず)に回動軸81が挿通されることで、遊技機背面側で開閉可能とされる。また閉状態において、固定部82に取り付けられた固定ピンが遊技機背面部の固定機構(図示せず)と嵌合することで背面に
図31のような状態で固定される。
またカバー体80には所要箇所に放熱等のための開口部83が形成されている。この例では、開口部83は、基板管理番号50としての文字列全体よりも大きい孔とされている。
【0189】
図31の例では、カバー体80は、各基板ケース70a〜70eの全てに対して覆うようにされておらず、基板ケース70d、70eは一部がカバー体80から表出した状態となっている。もちろん、カバー体80が背面の基板ケース70を全て覆うようにしてもよい。カバー体80がどの部分を覆うようにするかは機種や基板配置等に応じて適宜設定されれば良い。
【0190】
このようなカバー体80を含めた位置関係として基板管理番号50の記載位置を述べる。
実施の形態では、全部又は一部の基板10(第1の電子回路基板)は、カバー体80との互いの位置関係において、基板管理番号50がカバー体80によって識別不能とならないように配置されている。即ち実施の形態では、カバー体80によって基板管理番号50の視認性が若干低下することもあり得ることを考慮し、基板管理番号50とカバー体70との位置関係を工夫することで基板管理番号50の視認性を向上させている。
具体例を
図31で説明する。なお
図31では、5つの基板10a〜10eが、基板管理番号50の視認性向上のための各種の手法を採用した例としている。以下でそれぞれの視認性向上手法(1)〜(5)を述べるが、遊技機としては、各基板10につき、いずれの手法で視認性向上が図られていても良い。もちろん遊技機において以下の5種類の手法(1)〜(5)が採られた基板のそれぞれが全て搭載されている必要もない。
【0191】
(1)基板管理番号50の正面を、カバー体80が存在しない位置とする手法
基板10d、10eが該当する。
基板10d、10eの基板管理番号50の正面は、カバー体80によって覆われていない。
従ってこの基板10d又は10eを有する遊技機とは、全部又は一部の電子回路基板10のそれぞれが透明又は半透明の基板ケース70に収納され、さらに基板ケース70の一部に対してカバー体80が取り付けられている遊技機であって、基板面に記載された基板管理番号50が、その正面にカバー体80が存在しない位置となる状態で、基板ケース70に収納されて取り付けられている電子回路基板を有するものである。
カバー体80を有する遊技機の場合、カバー体によって基板管理番号50の視認性が若干低下することがある。そこで基板管理番号50の正面にカバー体80が存在しない状態とすることで視認性を向上させるものである。
なお、基板10aも、開口部83の存在によって、基板管理番号50の正面が、その正面にカバー体80が存在しない位置となる状態で、基板ケース70に収納されて取り付けられている電子回路基板に該当するといえる。
【0192】
(2)基板管理番号50の正面を、カバー体80が存在しない位置であって、基板ケース70の非視認性低下部分とする手法
基板10d、10e、10aが該当する
基板10d、10e、10aの基板管理番号50の正面は、カバー体80によって覆われておらず、さらに基板ケース70d、70e、70aの非視認性低下部分となっている。具体的には基板10dは、基板管理番号50の正面が基板ケース70の非段差部(孔部72や屈曲部73等ではないか、或いは開口空間である)で、基板10eは基板管理番号50の正面が切欠部78Bとなっている。
従って基板10d、10e又は10aを有する遊技機とは、基板面に記載された基板管理番号50の正面に基板ケース70の筐体における非視認性低下部分が位置する状態で基板ケース70に収納されたうえで、基板管理番号50の正面にカバー体80が存在しない位置となる状態で取り付けられている電子回路基板を有するものである。
基板ケース70は透明又は半透明とされるが、基板ケース70の形状や印刷等によって視認性が低下する領域がある。そこで基板管理番号の正面に、基板ケース筐体における非視認性低下部分が位置する状態となるようにすることで基板管理番号の視認性を向上させるものである。
【0193】
(3)基板管理番号50をカバー体80、基板ケース70のいずれも介さずに視認可能とする手法
基板10e、10aが該当する。
基板10eは、上記のように基板ケース70eの切欠部78Bが基板管理番号50の正面となる。
基板10a(基板ケース70a)は、全部分がカバー体80で覆われる範囲内に位置しているが、基板管理番号50の正面が基板ケース70aの開口部78Aとなっており、さらにカバー体80の開口部83となっている。
従って基板10e又は10aを有する遊技機とは、基板面に記載された基板管理番号50の正面に基板ケース70の筐体の切欠部78B(又は開口部78A)により形成された空間部分が位置する状態で基板ケース70に収納されたうえで、基板管理番号50の正面にカバー体80が存在しない位置となる状態で取り付けられている電子回路基板を有するものである。
【0194】
この場合、基板管理番号50は、基板ケース70にもカバー体80にも覆われないことになり、視認性は最もよいものとなる。
また、実際には電子部品21が多数配置された基板10においては、基板管理番号50を見つけづらいこともある。この手法の場合、開口部78Aや切欠部78B、開口部83によって基板管理番号50の位置が一目瞭然となることで、視認検査の効率化も図られるという利点もある。
【0195】
なお、以上の(1)(2)(3)の場合、カバー体80が不透明であっても基板管理番号50の視認性は確保される。従って基板管理番号50が記載された基板10の全てについて(1)(2)(3)のいずれかの手法を用いた場合、カバー体80は不透明の部材でも良い。
【0196】
(4)基板管理番号50の正面がカバー体80で覆われるが、カバー体80の非視認性低下部分で、かつ基板ケース70の非視認性低下部分とする手法
基板10b、10cが該当する。
基板10b、10c(基板ケース70b,70c)は、それらの全部がカバー体80で覆われる範囲内に位置している。
基板10bは基板管理番号50の正面が基板ケース70aの非段差部となっている。
基板10cは基板管理番号50の正面が基板ケース70cの開口部78Aとなっている。
従って基板10b、10cのいずれかを有する遊技機は、全部又は一部の電子回路基板10のそれぞれが透明又は半透明の基板ケース70に収納され、さらに基板ケース70の一部又は全部に対して覆うように透明又は半透明のカバー体80が取り付けられている遊技機であって、基板面に記載された基板管理番号50の正面に基板ケース70の筐体における非視認性低下部分が位置する状態で基板ケース70に収納されたうえで、基板管理番号50の正面に前記カバー体における非視認性低下部分が位置する状態で取り付けられている電子回路基板を有するものである。
【0197】
この場合、基板管理番号50の正面は、基板ケース70の非視認性低下部分とカバー体80の非視認性低下部分とが位置する状態となり、視認性を向上できる。
ここで、カバー体80における非視認性低下部分とは、基板ケース70のそれと同様に考えれば良い。例えば孔部、屈曲部、リブ、ネジ支柱部などとして生じる段差部や、印刷部、シール添付部が視認性低下部分であるから、それら以外の部分と考えれば良い。
図31の例の場合、基板10b,10cの基板管理番号50の正面は、カバー体80における板圧が均一な平面部分であるため、非視認性低下部分が正面にあるといえる。
【0198】
(5)カバー体80の範囲内で、カバー体80のみを介して視認可能とする手法
基板10cが該当する。
基板10cは上記のように基板管理番号50の正面に基板ケース70の開口部78Aによる空間が位置する。
従って基板10cを有する遊技機は、全部又は一部の電子回路基板のそれぞれが基板ケース70に収納され、さらに基板ケース70の一部又は全部に対して覆うように透明又は半透明のカバー体80が取り付けられている遊技機であって、基板面に記載された基板管理番号50の正面に基板ケース70の筐体の開口部78A(又は切欠部78B)により形成された空間部分が位置する状態で基板ケース70に収納されたうえで、基板管理番号50の正面にカバー体80における非視認性低下部分が位置する状態で取り付けられている電子回路基板を有するものである。
この場合、基板管理番号の正面は、カバー体の非視認性低下部分のみが位置する状態となり、視認性を向上できる。
【0199】
<8.まとめ及び変形例>
本実施の形態によれば、弾球遊技機100、回胴遊技機200に搭載された状態で電子回路基板10の基板管理番号50の視認性を向上させることができる。検査者は例えば遊技機背面や内面などを視認するときに正対した状態で普通の姿勢で基板管理番号50の文字を読み取れ(上下逆にならない)、またハーネス63によって隠されることもない。さらに基板ケース70やカバー体80によっても視認性が阻害されない。これにより基板管理番号50の確認や容易かつ正確になり、不正防止等にも非常に有効である。
なお、遊技機に搭載される全ての基板に基板管理番号50が記載されるとは限らない。基板管理番号50が記載されない電子回路基板も存在する。本発明としては、基板管理番号50が記載される基板10について、或いは基板管理番号50が記載される基板10のうちの少なくとも1つの基板10について、その基板管理番号50の視認性が本発明の手法により視認性を向上させれば良いことは当然である。
【0200】
また本実施の形態によれば、弾球遊技機100、回胴遊技機200の電子回路基板10において、基板管理番号50を十分な文字サイズで明確に記載でき、視認者にとって見やすいものとすることができる。
また弾球遊技機100、回胴遊技機200の電子回路基板10上で電子部品21の識別情報25が明瞭かつ正確に表示され、電子部品21を容易に識別できるようにすることができる。
またこのように基板管理番号50や電子部品21の識別情報25を明瞭かつ正確に表示することで不正対策に長けた遊技機を提供できることになる。
また電子回路基板10上で電子部品21の配線パターンの引き回しを容易化でき、製造効率を向上させることができる。これは斜め方向に装着される電子部品21Sを設けることによる。さらに、第2記載形式の基板管理番号50Bを用いることで、基板管理番号50の記載領域を確保するための制限が緩和されることにもよる。
また電子回路基板10上でチップ底面に複数の端子が配列された電子部品21(底面端子型電子部品)についての端子配置を容易に確認でき、製造や検査に便利となる。
【0201】
なお、本発明は実施の形態で挙げた例に限らず多様な変形例や適用例が考えられる。
例えば基板管理番号50Bは2列表記の例を挙げたが、3列以上の表記も考えられる。
また基板管理番号50Bは、2つの管理番号構成部分51,52に分けて離間した位置に記載する例も挙げたが、3つ以上の管理番号構成部分に分けて離間表記することも考えられる。
【0202】
識別情報25はシルク印刷によるものとしているが、識別情報25の表示色は多様に考えられる。シルク印刷の色は多様である。
また隣接する識別情報25(識別情報群27)では、シルク印刷の色を変えるなどして、それぞれを判別しやすくすることも考えられる。
また識別情報25(識別情報群27)毎に文字サイズを異なるようにしてもよい。
基板管理番号50については、識別情報25と明確に見分けられるように、識別情報25とは文字サイズが明確に異なることが望ましい。また基板管理番号50としての文字列は、明確性を確保するため、いわゆる中抜き文字としたり、識別情報25とは異なる色を用いることも考えられる。
【0203】
また基板10の第一主面10x上の電子部品21の識別情報25を第二主面10y側に表記したり、第二主面10y上の電子部品21の識別情報25を第一主面10x側に表記するような部分があってもよい。
【0204】
引出線33は、各図では実線で示したが実線に限られない。例えば二重線、三重線・・・n重線、破線、点線、一点鎖線、二点鎖線・・・n点鎖線、波線等、多様な線を用いることができる。
また引出線33の引出方は直線状以外に、屈折線、曲線、或いはこれらを複合した線を用いることができる。
【0205】
囲い線31,32を構成する線も、実線、二重線、三重線・・・n重線、破線、点線、一点鎖線、二点鎖線・・・n点鎖線、波線等、多様な線を用いることができる。
囲い線31,32の形状は、電子部品21(電子部品群22)や識別情報25(識別情報群27)に応じていればよく、正方形、長方形、菱形、台形、平行四辺形、三角形、5角形以上の多角形、各種方形の角にRをつけた形状、円形、楕円形、不定形等、多様な形状を用いることができる。
囲い線31、32は、基板10上の全ての電子部品21(電子部品群22)と識別情報25(識別情報群27)に設けるということに限定されるものではない。少なくとも囲い線31、32を設けた部分では上述した効果が得られる。
【0206】
対応マーカ34,35は、アルファベット、ひらがな、カタカナ、数字、「@、#、※」等の記号、文字以外のマークなどを用いることができる。
電子部品21側の対応マーカ34と識別情報25側の対応マーカ35は、同一とすれば良いが、異なるものでも良い。即ち対応関係が明確であれば良く、例えば電子部品側の対応マーカを「A」、第2識別情報側の対応マーカを「a」というように大文字/小文字で区別してもよい。
また、例えばゴシック体と明朝体のように、同一文字を異なる字体(フォント)で表記するなどでもよい。
【0207】
識別情報25は、電子部品21の部品番号とした例で説明したが、電子部品21の定数(抵抗値、容量値、特性値等)でもよいし、電圧/電流の制限値、定格電圧等でもよい。或いは、電子部品21の動作機能を示す情報でもよい。
【0208】
基板管理番号50の視認性向上のために、基板管理番号50の正面を基板ケース70の非視認性低下部分とするが、非視認性低下部分とは、上記例以外にも多様に考えられる。即ち基板ケース70上で視認性を低下する部分は、全て視認性低下部分であるため、それらに該当しない部分が非視認性低下部分となる。
視認性を低下させる部分とは、上述の段差部に該当する、基板管理番号記載領域より小さい孔部、厚み変化部、屈曲部、リブ、ネジ支柱、凹部、凸部、刻印が施された部分、射出成形時のゲート部分などで厚みが不規則になる部分など多様である。
従って非視認性低下部分とは、これらの多様な視認性低下部分を除く領域である。さらには上述の印刷部、封印シール77などのシール添付部なども除く領域である。
さらに段差部に該当しない視認性低下部分もある。例えば、段差はないが不透明となっている部分、不透明とは言えないが光透過率がかなり低い部分、不規則な光の屈折を生じさせる部分なども視認性低下部分であるため、非視認性低下部分とはこれら以外を指すと考えることもできる。
カバー体80における非視認性低下部分も同様に考えれば良い。
【0209】
さらに基板管理番号50の正面となる非視認性低下部分は、積極的に視認性を向上させる部分としてもよい。例えば開口部78A、切欠部78B、開口部83はその一例でもあるが、開口ではなくとも、基板ケース70やカバー体80における基板管理番号50の正面部分が薄肉部となるようにしてもよい。
或いは、基板ケース70やカバー体80における基板管理番号50の正面部分が、基板管理番号50を拡大して視認させる拡大レンズ状の湾曲面として形成されているようにしてもよい。これにより検査者による基板管理番号50の読み取りをより容易にすることもできる。