特許第6138758号(P6138758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECライティング株式会社の特許一覧

特許6138758照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム
<>
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000002
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000003
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000004
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000005
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000006
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000007
  • 特許6138758-照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138758
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170522BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H05B37/02 C
   H04Q9/00 301D
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-502370(P2014-502370)
(86)(22)【出願日】2013年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2013055420
(87)【国際公開番号】WO2013129575
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2012-44859(P2012-44859)
(32)【優先日】2012年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】300022353
【氏名又は名称】NECライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】西川 雄樹
【審査官】 角張 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−196994(JP,A)
【文献】 特開2002−044761(JP,A)
【文献】 特開2005−005879(JP,A)
【文献】 特開2007−220651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L2/00−27/00
H03J9/00−9/06
H04Q9/00−9/16
H04R1/00−1/08
1/12−1/14
1/42−1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、
前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラと
を備え、
前記赤外線リモートコントローラは、前記電子機器の制御内容を指定する電子機器用コードを赤外線によって送信し、
前記照明装置は、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて制御を行い
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、スピーカを備え、前記スピーカの音量を複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能であり、
前記電子機器用コードは、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定するコードであって、
前記電子機器は、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルを格納したメモリを備え、前記照明装置から前記電子機器用コードを受信することに応じて、当該電子機器用コードに基づいた前記スピーカの音量制御を行うと共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて、前記照明装置の明るさを制御する、
ことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記照明装置と前記電子機器とは、電気配線により電気的に接続され、
前記照明装置は、前記赤外線リモートコントローラから赤外線で送信された前記電子機器用コードを受信して、電気信号に変換する赤外線受信部を備え、電気信号に変換した電子機器用コードを、前記電気配線を介して前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記照明装置から、電気信号に変換された電子機器用コードを、前記電気配線を介して受信して、該電子機器用コードに基づいて制御をする、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
記第1の照明装置用コードが示す情報は、前記照明装置を遠隔操作するために前記赤外線リモートコントローラから赤外線によって前記照明装置に送信される第2の照明装置用コードが示す情報と同じ種類の制御情報である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記電子機器は、前記照明装置の制御内容を指定する前記第1の照明装置用コードを生成して前記電気配線を介して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記赤外線受信部が電気信号に変換した電子機器用コードが入力される入力ノードと、入力ポートから入力される前記第1の照明装置用コードに応じて前記照明装置の制御を行う制御部と、を備え、
前記電子機器は、前記電子機器用コードの入力端子と、前記第1の照明装置用コードの出力端子と、を備え、
前記入力ノードは、前記電子機器の前記入力端子に接続され、
前記電子機器の前記出力端子は、前記制御部の前記入力ポートに接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記赤外線リモートコントローラは、前記照明装置の遠隔操作にあたって、前記照明装置の制御内容を指定する第2の照明装置用コードを赤外線によって前記照明装置に送信し、
前記赤外線受信部は、前記第2の照明装置用コードを受信して電気信号に変換し、
前記赤外線受信部が電気信号に変換した第2の照明装置用コードは、前記入力ノードに入力され、
前記入力ノードは、前記制御部の前記入力ポートに接続されており、前記入力ノードに入力された前記第2の照明装置用コードは、前記入力ポートに入力され、
前記制御部は、前記入力ポートから入力される前記第2の照明装置用コードに応じて前記照明装置の制御を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の照明システムで用いられる、赤外線リモートコントローラ。
【請求項7】
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラとを備える照明システムの動作方法であって、
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、スピーカを備え、前記スピーカの音量を複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能であり、
前記電子機器は、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルを格納したメモリを備え、
前記赤外線リモートコントローラが、前記電子機器の制御内容である、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定する電子機器用コードを赤外線によって送信するステップと、
前記照明装置が、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信するステップと、
前記電子機器が、前記照明装置から前記電子機器用コードを受信することに応じて、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて前記スピーカの音量制御を行うと共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信するステップと、
前記照明装置が、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて、前記照明装置の明るさを制御するステップと、
を含むことを特徴とする照明システムの動作方法。
【請求項8】
電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記電子機器は、照明装置と共に照明ユニットを構成し、
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能なスピーカと、メモリを備え、
前記メモリには、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルが格納され、
赤外線リモートコントローラから送信された電子機器用コードに基づいて前記照明装置から送信される、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定するコードである電子機器用コードを受信することに応じて、前記電子機器用コードに基づいて前記スピーカの音量を制御すると共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信する処理を前記マイクロコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、赤外線リモートコントローラ、照明システムの動作方法、及び、電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内で臨場感あふれる音をマルチチャネル方式で再生する音響装置が知られている。例えば、5.1チャネル方式の音響装置は、5個のスピーカを備える。
【0003】
従来より、再生音の空間的な広がりを実現するため、これらスピーカの最適な配置の仕方が検討されてきた。特許文献1は、天井に設置された照明装置にこれらのスピーカを設けるという一例を開示している。このことにより、再生音の空間的な広がりが実現される。その上、これらスピーカを天井に直接設置するよりも、スピーカの存在を目立ちにくくすることができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−55331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)機器が知られている。ブルートゥースは、近距離無線通信規格の一つである。
【0006】
本願発明者は、照明装置と電子機器とを含む照明ユニットを天井に設置した照明システムを提案している。ここでは、ブルートゥースに対応した音響装置を電子機器の一例に挙げる。この照明システムでは、照明装置を赤外線リモートコントローラで遠隔操作することができる。その上、音響装置を、ブルートゥースによる通信が可能な携帯端末などの照明ユニット外部の外部機器で遠隔操作することができる。
【0007】
しかしながら、照明装置に使用される通信規格は、一般に、音響装置のものと異なる。従って、使用者は、照明装置を遠隔操作する赤外線リモートコントローラと、音響装置を遠隔操作する外部機器とを使い分けなければならない。このことは、使用者にとって不便である。さらに、赤外線による遠隔操作は安価に達成できるために、赤外線を用いて電子機器の遠隔操作を実現したいという事情もある。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、照明装置を遠隔操作する赤外線リモートコントローラによって、照明装置とともに照明ユニットに含まれる電子機器も制御可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る照明システムは、
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、
前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラと
を備え、
前記赤外線リモートコントローラは、前記電子機器の制御内容を指定する電子機器用コードを赤外線によって送信し、
前記照明装置は、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて制御を行い
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、スピーカを備え、前記スピーカの音量を複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能であり、
前記電子機器用コードは、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定するコードであって、
前記電子機器は、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルを格納したメモリを備え、前記照明装置から前記電子機器用コードを受信することに応じて、当該電子機器用コードに基づいた前記スピーカの音量制御を行うと共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて、前記照明装置の明るさを制御する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の観点に係る赤外線リモートコントローラは、
前記照明システムで用いられる。
【0011】
本発明の第3の観点に係る照明システムの動作方法は、
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラとを備える照明システムの動作方法であって、
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、スピーカを備え、前記スピーカの音量を複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能であり、
前記電子機器は、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルを格納したメモリを備え、
前記赤外線リモートコントローラが、前記電子機器の制御内容である、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定する電子機器用コードを赤外線によって送信するステップと、
前記照明装置が、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信するステップと、
前記電子機器が、前記照明装置から前記電子機器用コードを受信することに応じて、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて前記スピーカの音量制御を行うと共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信するステップと、
前記照明装置が、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて、前記照明装置の明るさを制御するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の観点に係る電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラムは、
電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記電子機器は、照明装置と共に照明ユニットを構成し、
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能なスピーカと、メモリを備え、
前記メモリには、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルが格納され、
赤外線リモートコントローラから送信された電子機器用コードに基づいて前記照明装置から送信される、前記複数段階の音量レベルのうちのいずれかを指定するコードである電子機器用コードを受信することに応じて、前記電子機器用コードに基づいて前記スピーカの音量を制御すると共に、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信する処理を前記マイクロコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照明装置を遠隔操作する赤外線リモートコントローラによって、照明装置とともに照明ユニットに含まれる電子機器も制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る照明システムを例示する概略ブロック図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る照明システムの音響装置がIRコードを用いて照明装置を制御する場合を例示するブロック図である。
図3図1の照明システムの詳細なブロック図である。
図4図1の照明システムにおける制御テーブルを例示する図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る照明システムのリモートコントローラによる音響装置の遠隔操作についてのシーケンス図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る照明システムの音響装置による照明装置の制御についてのシーケンス図である。
図7】本発明の一実施の形態に係る照明システムの照明装置及び音響装置の主要部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に関連づけて説明する。
【0016】
1.照明システムの概要
図1は、本実施の形態に係る照明システム1を例示する概略ブロック図である。照明システム1は、照明装置2と、音響装置3と、赤外線リモートコントローラ(以下「リモートコントローラ」と呼ぶ)4とを備える。そして、照明装置2と音響装置3とによって、照明ユニット10が構成される。照明ユニット10は、照明装置2と音響装置3とを一体的に組み合わせて構成したものである。例えば、照明装置2と音響装置3とが同じ筐体内に収納されることにより、照明装置2と音響装置3とが一体的に組み合わされて照明ユニット10として構成される。照明ユニット10は、室内の天井に、引掛けシーリング等に引っ掛けられて設置される。つまり、照明装置2と音響装置3とは、共に室内の天井に設置される。本実施の形態では、照明ユニット10の遠隔操作に焦点をあてて説明する。リモートコントローラ4は、照明ユニット10を赤外線によって遠隔操作する。なお、照明ユニット10は、照明装置2と電子機器とが接続され、両者が組み合わさったものであればよい。音響装置3は、電子機器の一例であり、他の電子機器であってもよい。
【0017】
照明システム1は、2つの機能を持つ。1つ目の機能は、照明装置2による照明機能である。照明装置2は、壁面に備えられているスイッチ又は照明装置2に備わるスイッチによる操作に加え、リモートコントローラ4を用いた赤外線通信による遠隔操作が可能である。リモートコントローラ4は、照明装置2の遠隔操作にあたって、赤外線コードAの赤外線を搬送波(例えば、明滅パルス)として照明装置2に送信する。以下、赤外線コードをIRコードと呼ぶ。ここで、IRコードAは、照明装置2を制御するための照明装置用コード(第2の照明装置用コード)であり、照明装置2の制御内容を指定する。このように、リモートコントローラ4は、赤外線を搬送波で送信する、赤外線通信を行う機器である。
【0018】
照明システム1の2つ目の機能は、音響装置3による音響機能である。音響装置3は、ブルートゥース機器であり、ブルートゥースによる通信が可能である。
【0019】
音響装置3は、2種類の遠隔操作が可能である。1種類目の遠隔操作は、照明システム1の外部機器(図示せず)を用いたブルートゥースによる遠隔操作である。外部機器としては、携帯電話機又はタブレット型コンピュータなどの携帯端末、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ、他の機器に使用されるリモートコントローラなどが挙げられる。なお、1種類目の遠隔操作で行われる通信は、ブルートゥースの他、赤外線通信以外の他の通信であってもよい。2種類目の遠隔操作は、リモートコントローラ4による赤外線通信を用いた遠隔操作である。本実施の形態では、2種類の遠隔操作のうち、リモートコントローラ4を用いた音響装置3の遠隔操作について説明する。
【0020】
リモートコントローラ4は赤外線通信を行う機器なので、リモートコントローラ4を用いて音響装置3を遠隔操作するためには、音響装置3が赤外線通信に対応していなければならない。そのためには、赤外線受光素子(例えば、フォトダイオード)等を音響装置3に設ける必要がある。しかしながら、この方法は、音響装置3のハードウェアに大きな変更が必要である上、コストがかさむ。また、音響装置3が図3のように照明装置2と天井との間に配置される場合、照明装置2が邪魔をして、赤外線が音響装置3に届きにくい場合もある。
【0021】
そこで、本実施の形態では、音響装置3を照明装置2と電気的に接続し、照明装置2がリモートコントローラ4からIRコードBを受信し、照明装置2が受信したIRコードBを電気信号に変換してコードBとして音響装置3に送信するように、照明システム1が構成されている。そのため、音響装置3のハードウェアに大きな変更をしなくても、リモートコントローラ4を用いた音響装置3の遠隔操作が可能である。コストを抑制することもできる。無論、照明装置2のハードウェアの変更も最小限で済む。さらに、赤外線は照明装置2に届けばよいので、赤外線が音響装置3に届きにくい構成であっても、リモートコントローラ4を用いた音響装置3の遠隔操作が可能である。
【0022】
リモートコントローラ4は、音響装置3の遠隔操作にあたって、IRコードBを、赤外線の搬送波として照明装置2に送信する。IRコードBは、音響装置3を制御するための音響装置用コード(電子機器用コード)であり、音響装置3の制御内容を指定する。照明装置2は、IRコードBを受信し、受信したIRコードBを電気信号に変換してコードBとして音響装置3に送信する。そして、音響装置3は、照明装置2からコードBを受信し、受信したコードBをデコードする。コードBをデコードした結果は、音響装置3の制御内容を示す。音響装置3は、デコード結果に従って制御を実行する。
【0023】
本実施の形態の照明システム1では、さらに、音響装置3がコードCを用いて照明装置2を制御する機能を有する。図2は、音響装置3がコードCを用いて照明装置2を制御する場合を例示するブロック図である。この場合、音響装置3は、コードCを生成して照明装置2に送信する。コードCは、IRコードAと同様に、照明装置2を制御するための照明装置用コード(第1の照明装置用コード)であり、照明装置の制御内容を指定する。コードCが示す情報は、IRコードAが示す情報と同じ種類の制御情報である。つまり、照明装置2に送信されたコードCとIRコードAとの内容が同じであれば、これらを受信した照明装置2の動作も同じになる。このように、コードCとIRコードAとは、同じコードによって構成される。照明装置2は、音響装置3から送信されたコードCを受信し、受信したコードCをデコードする。コードCをデコードした結果は、照明装置2の制御内容を示す。照明装置2は、デコード結果に従って制御を実行する。
【0024】
音響装置3による照明装置2の制御は、以下の場合に好適である。例えば、再生楽曲の音量が大きい場合には、照明装置2の明るさがより明るくなるように、照明装置2を制御したい場合がある。音響装置3が、再生音の音量に基づいて生成したコードCを照明装置2に送信すれば、再生音の音量に基づいて照明装置2の明るさを制御することができる。
【0025】
2.照明システムの詳細
図3は、図1の照明システム1の詳細なブロック図である。照明システム1は、外部機器5(ここでは、携帯端末である。)をさらに備える。
【0026】
先ず、照明装置2の構成について説明する。照明装置2は、照明部21と、赤外線受信部(以下「IR受信部」)22と、照明側制御部23とを備える。
【0027】
照明部21は、蛍光灯またはLED(Light Emitting Diode)等で構成されている。照明部21は、例えば、5段階の明るさレベルL1−L5のいずれかで照明する。明るさの段階数は、任意である。明るさレベルL1は、最小レベルであって、最も暗い。明るさレベルL5は、最大レベルであって、最も明るい。明るさレベルが上がるにつれて、照明部21が放つ光の強さが大きくなる。照明部21は、照明側制御部23の制御により、明るさレベルL1−L5のうちのいずれかの明るさレベルに調整される。
【0028】
IR受信部22は、赤外線受光素子である。赤外線受光素子には、例えば、フォトダイオードがある。IR受信部22は、リモートコントローラ4からIRコードA(照明装置用)又はIRコードB(音響装置用)を赤外線信号として受信する。そして、IR受信部22は、受信した赤外線信号のIRコードA又はBを電気信号に変換した上で照明側制御部23に出力する。本明細書では、IRコードAが電気信号に変換された後のコードをコードAと呼び、IRコードBが電気信号に変換された後のコードをコードBと呼ぶ。
【0029】
照明側制御部23は、以下の3つの動作を主とする。第1に、照明側制御部23は、IR受信部22がリモートコントローラ4からIRコードAを受信した場合、受信したIRコードAに従って照明部21を制御する。その詳細は、以下の通りである。IRコードAは、明るさコードを含んでいる。明るさコードは、明るさレベルL1−L5のうちのいずれかを指定するコードである。IR受信部22がIRコードAを受信し、コードAが送信された際、先ず、照明側制御部23は、コードAをデコードする。このデコードにより、明るさコードを得ることができる。照明側制御部23は、デコード結果に従って、照明部21の明るさレベルが、明るさコードが指定する明るさレベルになるように、照明部21を制御する。
【0030】
第2に、照明側制御部23は、IR受信部22がリモートコントローラ4からIRコードA又はBを受信した場合、コードA又はBをそのまま音響側制御部31に出力する。なお、照明側制御部23は、コードA又はBを一度デコードし、デコード結果を音響側制御部31に出力するようにしてもよいし、デコード結果をさらにエンコードして音響側制御部31に出力するようにしてもよい。照明側制御部23は、コードAをデコードした場合には、このコードは音響側制御部31で使用されないので、コードAを音響制御部31に供給しなくてもよい。
【0031】
第3に、照明側制御部23は、音響側制御部31からコードCを受信した場合、受信したコードCに従って照明部21を制御する。具体的には、音響側制御部31からコードCを受信した際、先ず、照明側制御部23は、コードCをデコードする。コードCも、明るさコードを含んでいる。そして、照明側制御部23は、デコード結果に従って、照明部21の明るさレベルが、明るさコードが指定する明るさレベルになるように照明部21を制御する。
【0032】
続いて、音響装置3について説明する。音響装置3は、音響側制御部31と、メモリ32と、複数個のスピーカ33と、ブルートゥース送受信部34とを備える。メモリ32は、例えば、フラッシュメモリである。メモリ32は、制御テーブル321を格納している。ブルートゥース送受信部34は、音響側制御部31の制御に従って外部機器5と通信する。
【0033】
音響装置3は、例えば、5.1チャネル方式で音声を再生する。図3では、複数個のスピーカ33のうち、任意の1個を示している。複数個のスピーカ33の各々は、音響装置3の筐体に好適に取り付けられている。なお、スピーカ33の個数は、音響装置3の仕様に合わせて好適に決めることができる。複数個のスピーカ33の各々は、音量レベルを調整する増幅器を備えている。音響側制御部31がこの増幅器を制御することにより、複数個のスピーカ33の各々の音量レベルが制御される。
【0034】
スピーカ33は、例えば、5段階の音量レベルで音量を調整可能である。音量レベルの段階数は、任意である。音量レベルL1は、スピーカ33の最小音量レベルである。音量レベルL5は、スピーカ33の最大音量レベルである。音量レベルが上がるにつれて、スピーカ33の音量が大きくなる。
【0035】
音響側制御部31は、以下の2つの動作を主とする。第1に、音響側制御部31は、照明側制御部23からコードBを受信した場合、音響装置3自体をコードBに従って制御する。その詳細は、以下の通りである。IRコードB(コードB)は、音量コードを含んでいる。音量コードは、音量レベルL1−L5のうちのいずれかを指定するコードである。音響側制御部31がコードBを受信した際、先ず、音響側制御部31は、コードBをデコードする。このデコードにより、音量コードを得ることができる。音響側制御部31は、デコード結果に基づいて、スピーカ33の音量レベルが、音量コードが指定する音量レベルとなるように、複数個のスピーカ33の各々の出力を制御する。照明側制御部23がコードBのデコード結果を音響側制御部31に出力する場合には、音響側制御部31は、デコード結果を用いて制御を行ってもよい。
【0036】
第2に、音響側制御部31は、メモリ32の制御テーブル321を参照し、制御テーブル321に従って照明装置2を制御する。その詳細は、以下の通りである。先ず、制御テーブル321について説明する。
【0037】
図4は、制御テーブル321を例示する図である。制御テーブル321には、音量レベルと明るさレベルとが関連づけられ記憶されている。制御テーブル321では、5段階の音量レベルL1−L5が5段階の明るさレベルL1−L5にそれぞれ対応している。
【0038】
音響側制御部31は、制御テーブル321に従ってコードCを生成する。コードCは、IRコードAと同様に、照明装置2を制御するための照明装置用IRコードである。音響側制御部31は、明るさレベルがスピーカ33の音量レベルに対応するように、制御テーブル321を参照してコードCを生成する。例えば、スピーカ33の現在の音量レベルがL3であると仮定する。制御テーブル321において音量レベルL3に対応する明るさレベルは、“L3”である。音響側制御部31は、明るさレベルL3の明るさコードを含むコードCを生成する。そして、音響側制御部31は、生成したコードCを照明側制御部23に送信する。
【0039】
次に、図3のリモートコントローラ4について説明する。リモートコントローラ4は、明るさボタン41と、音量ボタン42とを備える。明るさボタン41は、照明装置2の明るさレベルを操作するためのボタンである。音量ボタン42は、音響装置3の音量レベルを操作するために新たに設けられたボタンである。
【0040】
明るさボタン41が押下された場合、リモートコントローラ4は、以下のように動作する。先ず、リモートコントローラ4は、その押下に対応したIRコードAを生成する。IRコードAは、明るさレベルL1−L5のうちのいずれかを示す明るさコードに加え、リーダコードやカスタムコード等も含んでいる。IRコードAは、複数のパルスで構成されている。リモートコントローラ4は、IRコードAを、赤外線の搬送波として送信する。
【0041】
音量ボタン42が押下された場合、リモートコントローラ4は、以下のように動作する。先ず、リモートコントローラ4は、その押下に対応したIRコードBを生成する。IRコードBは、音量レベルL1−L5のうちのいずれかを示す音量コードに加え、リーダコードやカスタムコード等も含んでいる。IRコードBは、複数のパルスで構成されている。リモートコントローラ4は、IRコードBを、赤外線の搬送波として送信する。
【0042】
外部機器5について説明する。外部機器5は、例えば、ブルートゥースによる通信が可能な多機能携帯電話機である。外部機器5は、音響装置3を制御するための制御データを音響装置3に送信する。制御データとは、例えば、ペアリングに必要なデータ、音響装置3の音量レベルを制御するためのデータ等である。
【0043】
3.照明システム1の動作例
照明システム1の動作について、2つの場合を例示する。
【0044】
(1)リモートコントローラ4による音響装置3の遠隔操作
図5は、リモートコントローラ4による音響装置3の遠隔操作についてのシーケンス図である。
【0045】
先ず、リモートコントローラ4は、音響装置3の遠隔操作にあたって、IRコードBを、赤外線の搬送波として照明装置2に送信する(ステップS1)。そして、照明装置2のIR受信部22は、IRコードBを受信する(ステップS2)。続いて、IR受信部22は、照明側制御部23を介してコードBを音響装置3の音響側制御部31に送信する(ステップS3)。一方、音響側制御部31は、照明側制御部23を介してIR受信部22からコードBを受信する(ステップS4)。続いて、音響側制御部31は、コードBをデコードする。音響側制御部31は、デコード結果である音量コードに基づいて、スピーカ33の音量レベルが音量コードで指定される音量レベルとなるように、複数個のスピーカ33の各々の出力を制御する(ステップS5)。
【0046】
(2)音響装置3による照明装置2の制御
図6は、音響装置3による照明装置2の制御についてのシーケンス図である。音響装置3による照明装置2の制御は、音響装置3により音を発している間、所定時間毎に行うものとしてもよいし、音響装置3の音量を変更した際に行うものとしてもよい。
【0047】
先ず、音響側制御部31は、制御テーブル321に従ってコードCを生成する。そして、音響側制御部31は、コードCを照明側制御部23に送信する(ステップS6)。照明側制御部23は、音響側制御部31からコードCを受信する(ステップS7)。続いて、照明側制御部23は、コードCをデコードし、デコード結果である明るさコードに基づいて、照明部21の明るさレベルが明るさコードで指定される明るさレベルになるように照明部21を制御する(ステップS8)。
【0048】
4.照明装置2及び音響装置3の主要部の詳細
最後に、照明装置2及び音響装置3の主要部を詳細に説明する。図7は、本実施の形態に係る照明装置2及び音響装置3の主要部の回路図である。
【0049】
照明側制御部23の構成について説明する。照明側制御部23は、コネクタCO1と、入力ノードND1と、ノードND2と、照明側マイクロコンピュータ231と、ANDゲート232と、インバータ233と、抵抗234と、プルアップ抵抗235とを備える。照明側マイクロコンピュータ231は、照明装置2の制御部の一例である。
【0050】
照明側制御部23は、コネクタCO1とコネクタCO2とを含む電気配線を介して電気的に音響側制御部31に接続される。コネクタCO1は、第1から第3端子を備える。後述のコネクタCO2も、コネクタCO1と同様に、第1から第3端子を備える。コネクタCO2の第1端子(1)は、電子機器の入力端子の一例である。コネクタCO2の第2端子(2)は、電子機器の出力端子の一例である。コネクタCO1の第1端子から第3端子(3)は、コネクタCO2の第1端子から第3端子(3)とそれぞれ電気的に接続されている。図7は、コネクタCO1及びCO2間の電気的な接続(電気配線)を破線で示している。
【0051】
また、コネクタCO1の第1端子から第3端子は、照明側制御部23の内部で以下のように接続されている。第1端子は、抵抗234の一端に接続されている。第2端子(2)は、ノードND2に接続されている。第3端子は、グラウンド(GND)に接続されている。
【0052】
IR受信部22は、出力端子(3)と、2つの端子とを備える。出力端子は、IRコードA及びBのうち受信した方のコードを出力するための端子である。出力端子は、入力ノードND1に接続されている。2個の端子のうち第1端子(1)は、IR受信部22のアノード側の端子であって、電源電圧(VCC)が供給される。第2端子(2)は、IR受信部22のカソード側の端子であって、グラウンド線(GND)に接続されている。
【0053】
照明側マイクロコンピュータ231は、照明装置2を制御するマイクロコンピュータである。照明側マイクロコンピュータ231は、入力ポートPO1INを備える。後述のように、入力ポートPO1INには、コードA、B及びCのいずれかが入力される。また、照明側マイクロコンピュータ231は、照明部21に接続されている。
【0054】
照明側制御部23は、コードが伝達される3つの経路を備える。1つ目の経路は、第1入力経路である。第1入力経路は、入力ノードND1から照明側マイクロコンピュータ231の入力ポートPO1INまでの経路である。第1入力経路は、アクティブ・ローである。
【0055】
入力ノードND1は、IR受信部22によって受信されたIRコードA又はIRコードBの、変換後のコードA又はコードBを照明側制御部23に入力するためのノードである。第1入力経路には、ANDゲート232が設けられている。つまり、入力ノードND1は、ANDゲート232を介して入力ポートPO1INに接続されている。コードA及びBは、第1入力経路を経由して、照明側マイクロコンピュータ231に入力される。一般的な照明装置も、第1入力経路と同様の入力経路を備える。
【0056】
2つ目の経路は、第2入力経路である。第2入力経路は、コネクタCO1の第2端子から照明側マイクロコンピュータ231の入力ポートPO1INまでの経路である。本実施の形態では、音響装置3が照明装置2を制御するためのコードCを、音響側制御部31から照明側制御部23に送信する。そのため、第1入力経路に加え、第2入力経路が設けられている。第2入力経路には、ノードND2がある。ノードND2は、プルアップ抵抗235の一端に接続されている。プルアップ抵抗235の他端には、電源電圧(VCC)が供給される。第2入力経路は、アクティブ・ローである。
【0057】
コードCは、第2入力経路を経由して、照明側マイクロコンピュータ231に入力される。照明側制御部23は、コードA又はコードBに加え、音響装置3から送信されるコードCが照明側マイクロコンピュータ231に入力される構成を採っている。そのため、ANDゲート232が設けられている。
【0058】
ANDゲート232は、2つの入力端子と、1つの出力端子とを備える。2つの入力端子のうち、第1入力端子(1)は、入力ノードND1に接続されている。第2入力端子(2)は、ノードND2に接続されている。出力端子は、入力ポートPO1INに接続されている。IR受信部22は、基本的にローアクティブである。そのため、ANDゲート232は、2つの入力端子のうちのいずれかに、コードに含まれる”L(ローレベル)”の電気信号(パルス)が供給された場合、”L”成分を入力ポートPO1INに出力する。
【0059】
3つ目の経路は、送信経路である。送信経路は、入力ノードND1からコネクタCO1の第1端子までの経路である。送信経路には、インバータ233及び抵抗234が設けられている。送信経路は、アクティブ・ハイである。送信経路は、コードA又はコードBを音響装置3に送信するためにある。一般的な照明装置は、この送信経路を備えていない。
【0060】
インバータ233の入力端子は、入力ノードND1に接続されている。インバータ233の出力端子は、抵抗234の他端に接続されている。
【0061】
音響側制御部31の構成について説明する。音響側制御部31は、音響側マイクロコンピュータ311と、第1フォトカプラ312と、プルアップ抵抗313と、第2フォトカプラ314と、抵抗315と、ノードND3とを備える。
【0062】
音響側マイクロコンピュータ311は、音響装置3を制御するためのマイクロコンピュータである。音響側マイクロコンピュータ311は、入力ポートPO2INと、出力ポートPO2OUTとを備える。また、音響側マイクロコンピュータ311は、メモリ32と、複数個のスピーカ33の各々に接続されている。
【0063】
コネクタCO2の第1端子と音響側マイクロコンピュータ311の入力ポートPO2INとの間の経路には、第1フォトカプラ312が設けられている。この経路は、互いに接続されたコネクタCO1及びCO2によって、照明側制御部23の送信経路と繋がっている。
【0064】
第1フォトカプラ312は、基本的に、照明側制御部23と音響側制御部31との絶縁を目的としている。第1フォトカプラ312は、2つの入力端子と、2つの出力端子を備える。2つの入力端子のうち第1入力端子(1)は、コネクタCO2の第1端子(1)に接続されている。2つの入力端子のうち第2端子(2)は、コネクタCO2の第3端子(3)を経由して照明側制御部23のグラウンド線(GND)に接続されている。2つの出力端子のうち第1出力端子(3)は、グラウンド線(GND)に接続されている。2つの出力端子のうち第2出力端子(4)は、ノードND3を経由して音響側マイクロコンピュータ311の入力ポートPO2INに接続されている。第1フォトカプラ312は、送信経路を伝達してくるコードA又はコードBを入力する。そして、第1フォトカプラ312は、そのコードA又はコードBに含まれる複数のパルスのレベルを反転させて出力する。
【0065】
ノードND3は、プルアップ抵抗313の一端に接続されている。プルアップ抵抗313の他端には、電源電圧(VCC)が供給される。第1フォトカプラ312の第2出力端子(4)と入力ポートPO2INとの間の経路は、アクティブ・ローである。
【0066】
コネクタCO2の第2端子と音響側マイクロコンピュータ311の出力ポートPO2OUTとの間の経路には、第2フォトカプラ314が設けられている。この経路は、互いに接続されたコネクタCO1及びCO2によって、照明側制御部23の第2入力経路と繋がっている。
【0067】
第2フォトカプラ314は、基本的に、照明側制御部23と音響側制御部31との絶縁を目的としている。第2フォトカプラ314は、2つの入力端子と、2つの出力端子を備える。2つの入力端子のうち第1入力端子(1)は、抵抗315を経由して音響側マイクロコンピュータ311の出力ポートPO2OUTに接続されている。第2端子(2)は、グラウンド線(GND)に接続されている。2つの出力端子のうち第1出力端子(3)は、コネクタCO2の第3端子を経由して照明側制御部23のグラウンド線(GND)に接続されている。第2出力端子(4)は、コネクタCO2の第2端子に接続されている。第2フォトカプラ314は、音響側マイクロコンピュータ311から送信されるコードCを入力する。そして、第2フォトカプラ314は、受信したコードCに含まれる複数のパルスのレベルを反転させて出力する。出力ポートPO2OUTと第2フォトカプラ314の第1入力端子(1)との間の経路は、アクティブ・ハイである。
【0068】
5.照明装置2及び音響装置3の主要部の動作
以下、図7に示す回路の動作を3つの場合に分けて説明する。
【0069】
(1)IR受信部22がIRコードAを受信した場合
この場合、照明側制御部23の入力ノードND1には、照明装置2を制御するためのコードAが入力される。コードAは、入力ノードND1から第1入力経路を経由して照明側マイクロコンピュータ231に入力される。これと共に、コードAは、入力ノードND1から送信経路を経由して音響側マイクロコンピュータ311に入力される。
【0070】
その詳細は、以下の通りである。先ず、第1入力経路に着目する。基本的に、ANDゲート232の第2入力端子には、プルアップ抵抗235によって”H”の電圧が入力されている。そのため、ANDゲート232は、その第2入力端子の入力に左右されず、”L”の電圧をその出力端子に出力する。したがって、コードAの”L”成分は、入力ノードND1からANDゲート232を介して照明側マイクロコンピュータ231の入力ポートPO1INに入力される。
【0071】
照明側マイクロコンピュータ231は、コードAをデコードする。コードAは、明るさコードを含んでいる。従って、照明側マイクロコンピュータ231は、その明るさコードに基づいて、照明部21の明るさレベルがデコード結果の明るさレベルになるように照明部21を制御する。
【0072】
続いて、送信経路に着目する。コードAを構成する複数のパルスのレベルがインバータ233によって反転される。そして、その複数のパルスのレベルが音響側制御部31の第1フォトカプラ312によって再び反転される。そのコードAは、音響側マイクロコンピュータ311の入力ポートPO2INに入力される。
【0073】
音響側マイクロコンピュータ311は、入力されたコードAをデコードする。コードAは、音量コードを含んでいないので、デコード結果には音量コードが含まれていない。音響側マイクロコンピュータ311は、デコード結果が音量コードを含んでいないので、デコード結果を無視する。そのため、音響装置3の音量レベルは、現在の音量レベルに維持される。
【0074】
(2)IR受信部22がIRコードBを受信した場合
この場合、照明側制御部23の入力ノードND1には、音響装置3を制御するためのコードBが入力される。コードBも、コードAの場合と同様に、第1入力経路を経由して照明側マイクロコンピュータ231に入力される。照明側マイクロコンピュータ231は、入力したコードBをデコードする。コードBは、明るさコードを含んでいないので、デコード結果には明るさコードが含まれていない。照明側マイクロコンピュータ231は、デコード結果が明るさコードを含んでいないので、デコード結果を無視する。そのため、照明装置2の明るさレベルは、現在の明るさレベルに維持される。
【0075】
また、コードBは、送信経路を経由して音響側マイクロコンピュータ311に入力される。音響側マイクロコンピュータ311は、コードBをデコードする。コードBは、音量コードを含んでいるので、デコード結果には音量コードが含まれている。従って、音響側マイクロコンピュータ311は、その音量コードに基づいて、スピーカ33の音量レベルが、デコード結果が示す音量レベルになるように複数個のスピーカ33の各々を制御する。
【0076】
(3)音響装置3が照明装置2を制御する場合
この場合、音響側マイクロコンピュータ311は、照明装置2を制御するためのコードCを生成する。そして、音響側マイクロコンピュータ311は、コードCを出力ポートPO2OUTに出力する。そして、コードCを構成する複数のパルスのレベルが第2フォトカプラ314によって反転される。そのコードCは、第2入力経路を経由して照明側マイクロコンピュータ231に入力される。照明側マイクロコンピュータ231は、コードCをデコードする。コードCは、明るさコードを含んでいるので、デコード結果には明るさコードが含まれている。従って、照明側マイクロコンピュータ231は、その明るさコードに基づいて、照明部21の明るさレベルが、デコード結果が示す明るさレベルになるように照明部21を制御する。
【0077】
以上、本実施の形態の照明システム1によれば、照明装置2と音響装置3が電気的に接続されていることで、照明装置2と音響装置3は電気信号のコードを用いて相互に通信できる。そのため、リモートコントローラ4からの赤外線信号を照明装置2のみが受信可能であるとしても、照明装置2が音響装置3にコードを送信することで、リモートコントローラ4を用いて音響装置3を遠隔操作(制御)することができる。使用者は、照明装置2を遠隔操作するリモートコントローラ4と、音響装置3を遠隔操作する外部機器5とを使い分ける必要がない。
【0078】
その上、ハードウェアの設計変更が最小限で済む。IR受信部22は、照明装置2が本来備えているものである。たとえ、照明装置2がIR受信部22を備えていない場合であっても、照明装置2側にIR受信部22を備えるよう変更するだけで、音響装置3にはIR受信部22を備えずに、リモートコントローラ4を用いて、照明装置2と音響装置3の双方を遠隔操作することができるようになる。照明側マイクロコンピュータ231及び音響側マイクロコンピュータ311によるコードの処理は、ソフトウェアの変更で実現することができる。そのため、照明装置2の(筐体の)デザインにも、音響装置3の(筐体の)デザインにも左右されることがない。また、音響装置3における音量の大きさに応じて、照明装置2の照明の明るさを変更することができ、ユーザに面白みを与えることができる。
【0079】
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で好適に変更することができる。例えば、照明装置2が複数種類の色の光を発光できる場合、音響装置3が再生する楽曲や音量レベルに合わせて、照明装置2が発する光の色を変化させることができる。その場合は、音量レベルと光の種類を関連づけて制御テーブル321に記憶させる。また、音響側制御部31は、音量レベルに応じて、光の種類を指定するコードCを生成して照明側制御部23に送信する。
【0080】
音響装置3における音量の大きさと、照明装置2の照明の明るさとの対応関係は、上記に限られず、例えば、逆であってもよい。つまり、音響装置3は、音量レベルが小さい場合は明るさレベルを大きく設定したコードCを生成して照明装置2に送信し、音量レベルが大きい場合は明るさレベルを小さく設定したコードCを生成して照明装置2に送信するものとしても良い。
【0081】
また、上記の実施例では、音響側制御部31と照明側制御部23とを電気的に接続し、コードのやり取りをしていたが、音響側制御部31と照明側制御部23とは赤外線などを用いた無線通信によってIRコードをやり取りするようにしてもよい。IR受信部22が受信した、IRコードA(照明装置用)及びIRコードB(音響装置用)は、照明側制御部23を経由せずにそのまま音響側制御部31に供給されてもよい。
【0082】
なお、図7において、コードA(又はB)とコードCとが、同時に照明側マイクロコンピュータ231に供給されることを想定し、ANDゲート232を設けず、コードA(又はB)とコードCとのそれぞれが入力される入力ポートを照明側マイクロコンピュータ231に設けてもよい。このようにすることで、コードA(又はB)とコードCとが同時に供給された場合でも対応できる。この場合、照明側マイクロコンピュータ231がどちらのコードを優先するかは、任意に設定される。
【0083】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0085】
(付記1)
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、
前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラと
を備え、
前記赤外線リモートコントローラは、前記電子機器の制御内容を指定する電子機器用コードを赤外線によって送信し、
前記照明装置は、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて制御をする、
ことを特徴とする照明システム。
【0086】
(付記2)
前記照明装置と前記電子機器とは、電気配線により電気的に接続され、
前記照明装置は、前記赤外線リモートコントローラから赤外線で送信された前記電子機器用コードを受信して、電気信号に変換する赤外線受信部を備え、電気信号に変換した電子機器用コードを、前記電気配線を介して前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記照明装置から、電気信号に変換された電子機器用コードを、前記電気配線を介して受信して、該電子機器用コードに基づいて制御をする、
ことを特徴とする付記1に記載の照明システム。
【0087】
(付記3)
前記電子機器は、前記照明装置の制御内容を指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて制御を実行し、
前記第1の照明装置用コードが示す情報は、前記照明装置を遠隔操作するために前記赤外線リモートコントローラから赤外線によって前記照明装置に送信される第2の照明装置用コードが示す情報と同じ種類の制御情報である、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の照明システム。
【0088】
(付記4)
前記電子機器は、前記照明装置の制御内容を指定する第1の照明装置用コードを生成して前記電気配線を介して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記赤外線受信部が電気信号に変換した電子機器用コードが入力される入力ノードと、入力ポートから入力される前記第1の照明装置用コードに応じて前記照明装置の制御を行う制御部と、を備え、
前記電子機器は、前記電子機器用コードの入力端子と、前記第1の照明装置用コードの出力端子と、を備え、
前記入力ノードは、前記電子機器の前記入力端子に接続され、
前記電子機器の前記出力端子は、前記制御部の前記入力ポートに接続されている、
ことを特徴とする付記2に記載の照明システム。
【0089】
(付記5)
前記赤外線リモートコントローラは、前記照明装置の遠隔操作にあたって、前記照明装置の制御内容を指定する第2の照明装置用コードを赤外線によって前記照明装置に送信し、
前記赤外線受信部は、前記第2の照明装置用コードを受信して電気信号に変換し、
前記赤外線受信部が電気信号に変換した第2の照明装置用コードは、前記入力ノードに入力され、
前記入力ノードは、前記制御部の前記入力ポートに接続されており、前記入力ノードに入力された前記第2の照明装置用コードは、前記入力ポートに入力され、
前記制御部は、前記入力ポートから入力される前記第2の照明装置用コードに応じて前記照明装置の制御を行う、
ことを特徴とする付記4に記載の照明システム。
【0090】
(付記6)
前記電子機器は、スピーカを備え、
前記電子機器用コードは、前記スピーカの音量を制御するためのコードであり、
前記電子機器は、前記電子機器用コードに基づいて、前記スピーカの音量を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の照明システム。
【0091】
(付記7)
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、スピーカを備え、前記スピーカの音量を複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能であり、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルを格納したメモリを備え、前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する第1の照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記電子機器から受信した前記第1の照明装置用コードに基づいて、前記照明装置の明るさを制御する、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の照明システム。
【0092】
(付記8)
付記1乃至7のいずれかに記載の照明システムで用いられる、赤外線リモートコントローラ。
【0093】
(付記9)
照明装置と、電子機器と、を有する照明ユニットと、前記照明ユニットを赤外線によって遠隔操作する赤外線リモートコントローラとを備える照明システムの動作方法であって、
前記赤外線リモートコントローラが、前記電子機器の制御内容を指定する電子機器用コードを赤外線によって送信するステップと、
前記照明装置が、前記赤外線リモートコントローラから送信された前記電子機器用コードを受信し、受信した前記電子機器用コードを前記電子機器に送信するステップと、
前記電子機器が、前記照明装置から受信した前記電子機器用コードに基づいて制御をするステップと、
を含むことを特徴とする照明システムの動作方法。
【0094】
(付記10)
電子機器のマイクロコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記電子機器は、照明装置と共に照明ユニットを構成し、
前記照明装置は、複数段階の明るさレベルのうちのいずれかで照明可能であり、
前記電子機器は、複数段階の音量レベルのうちのいずれかに調整可能なスピーカと、メモリを備え、
前記メモリには、前記複数段階の音量レベルと前記複数段階の明るさレベルとを対応付けた制御テーブルが格納され、
前記メモリの前記制御テーブルに従って、前記スピーカの音量レベルに対応した明るさレベルを指定する照明装置用コードを生成して前記照明装置に送信する処理を前記マイクロコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0095】
本発明は、2012年2月29日に出願された日本国特許出願2012−044859号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2012−044859号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0096】
1 :照明システム
2 :照明装置
3 :音響装置
4 :(赤外線)リモートコントローラ
5 :外部機器
10 :照明ユニット
21 :照明部
22 :赤外線(IR)受信部
23 :照明側制御部
231:照明側マイクロコンピュータ
232:ANDゲート
233:インバータ
234:抵抗
235:プルアップ抵抗
31 :音響側制御部
32 :メモリ
33 :スピーカ
34 :ブルートゥース送受信部
311:音響側マイクロコンピュータ
312:第1フォトカプラ
313:プルアップ抵抗
314:第2フォトカプラ
315:抵抗
321:制御テーブル
41 :明るさボタン
42 :音量ボタン
CO1:コネクタ
CO2:コネクタ
ND1:入力ノード
ND2:ノード
ND3:ノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7