(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記血漿濃度の決定に、全血の一つ以上のトレーサーの濃度の決定、赤血球の一つ以上のトレーサーの濃度の決定、および全血の一つ以上のトレーサーの濃度から赤血球の一つ以上のトレーサーの濃度を引くことを含む、請求項8に記載の方法。
画像化が、ポジトロン放出断層撮影(PET)撮像装置、コンピュータ断層撮影(CT)撮像装置、磁気共鳴画像化(MR)撮像装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)撮像装置、およびその組み合わせからなるグループから選択される撮像装置から画像を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
前記一つ以上の撮像装置が、ポジトロン放出断層撮影(PET)撮像装置、コンピュータ断層撮影(CT)撮像装置、磁気共鳴画像化(MR)撮像装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)撮像装置、およびその組み合わせからなるグループから選択される、請求項15に記載のシステム。
前記制御システムが、少なくとも一つのコンピュータと電子的に通信するように構成されたシステムバス、少なくとも一つの記憶装置、少なくとも一つの取り外し不可能なメモリ装置、一つ以上の処理装置、およびその組み合わせを含む、請求項15に記載のシステム。
前記システムバスが、前記一つ以上の撮像装置、前記一つ以上のユーザーインターフェース、前記注入器、またはその組み合わせと電子的に通信するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
前記注入器の制御が、血中の前記一つ以上のトレーサーの平均循環時間より長い注入時間で前記一つ以上のトレーサーを送達することを含む、請求項20に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の上述の概要は、本発明の例示実施形態やすべての可能な実施を説明することを意図するものではない。続く詳細な記述は、これらの実施形態を具体的に実証する。
【0008】
本組成物および方法を説明する前に、それらは変化しうるので、記述された特定の組成物、方法またはプロトコルに限定されないことが理解されるべきである。また、本説明で使用した用語は、特定のバージョンまたは実施形態のみを説明する目的で用いるものであり、本発明の範囲は添付した請求の範囲によってのみ限定されるため、限定することは意図していないことを理解すべきである。
【0009】
本明細書および添付した請求で使用するとき、文脈により明らかにそうでないことが示されていない限り、単数形(「a」、「an」、および「the」)には、複数の対象物が含まれることに注意する必要がある。他に定義されていない限り、本明細書で使用されたすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書で説明したものと類似する、または同等な任意の方法および材料は、開示された実施形態の実施または試験に使用できるものの、好ましい方法、装置および材料をこれから説明する。
【0010】
「随意の」または「場合により」は、その後に記載した事象または状況が、必ずしも発生しないことがあり、またその記述には、事象が発生する場合とそれが発生しない場合が含まれる。
【0011】
「実質的に〜ない」とは、その後に記述された事象が、最大でも約10%未満の確率で起こりうるか、またはその後に記述された成分が、最大でも総組成物の10%未満でありうること、一部の実施形態およびその他では最大でも5%未満、さらにその他では最大でも約1%未満でありうることを意味する。
【0012】
以下の記述において、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横方向」、「縦方向」、およびその派生語は、図面に開示される実施形態の方向に関連するものとする。ただし、当然ながら、別に明示的に指定されている場合を除いて、実施形態は代替的バリエーションおよびステップ順序を取り得る。またこれも当然ながら、添付の図面に図示、および以下の明細書に記述されている特定の装置およびプロセスは、単なる模範的実施形態である。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法およびその他の物理的特徴は、限定的と見なされるべきではない。
【0013】
当然ながら、別に明示的に指定されている場合を除いて、開示された実施形態はさまざまな代替的バリエーションおよびステップ順序を取り得る。またこれも当然ながら、添付の図面に図示、および以下の明細書に記述されている特定の装置およびプロセスは、単なる模範的実施形態である。例えば、パラメータまたはデータがそのイメージから派生していると言う場合、測定されたデータは、望ましい出力または測定値を達成するための多くの方法で操作でき、その一部は中間イメージを使用し、その他は使用しないことが認識されるべきである。
【0014】
本発明のさまざまな実施形態は、画像化データを取得し、改善された薬物動態(PK)および薬力学(PD)データを提供するシステムおよび方法を対象としている。一般的に、このような方法には、高い血液量を持つ患者の臓器またはその他の部分からの入力関数を決定するステップを含み、一部の実施形態では、入力関数は、手順全体を通して2回以上決定されうる。特定の実施形態では、収集された画像化データはサンプル組織からであることがあり、手順全体を通して決定された複数の入力関数に基づいて正規化でき、トレーサーの取り込みおよび標的臓器を通したトレーサーの拡散または循環をより正確に評価できる。さらなる実施形態には、手順全体を通してトレーサーの制御された連続的または反復した注入を提供できる注入器を含む、このような方法を実行するためのシステムを含む。
【0015】
図1に例示されたようなさまざまな実施形態の画像化システムは、ボクセル(体積要素)内の組織に対して複数コンパートメント生理学的モデリングの在来技法を随意に使用する。血漿および細胞(最も際立っているのは赤血球細胞)からなる血液は、体の各ボクセルまたは体積要素へと、異なる流速および異なる循環回数で体全体を流れる。画像化手順で使用される放射性トレーサーを含む薬物は、ある注入プロファイルを持つ末梢静脈循環に一般的に注入される。組織の各ボクセルは、血管内スペース内に含まれるある量の血液を通常含む。血管外スペースは、血管外液、あるタイプの結合組織基質、および細胞を一般的に含み、これは細胞内スペースを持ちさまざまな代謝活動が起こっている。また各ボクセルは、複数の材質または組織タイプも持つことがあり、例えば、肺および胸郭の境界では、空気、肺組織、骨および筋肉を持ちうるなど、それぞれが異なる特性を持つ。画像化システムは、ボクセルによって影響を受けたエネルギーを測定する。例えば、画像化システムは、核医学ではボクセルからのガンマ線を、CTまたは血管造影ではX線吸収を、MRでは磁気共鳴特性を、超音波では超音波反射または吸収を、光または蛍光画像化では光を、光音響画像化では音を、その他の画像化モダリティではエネルギーのその他の形態を測定する。測定されたエネルギーは、次に処理されて一般的には画像として示される。
【0016】
生理学的コンパートメントモデリングは、PKまたはPK/PDモデリングとも呼ばれる。薬物動態(PK)は、体が薬物に及ぼす作用と簡単に定義しうるのに対して、薬力学(PD)は薬物が体に及ぼす作用と定義されうる。これは、ボクセルまたは複数のボクセルからなる領域/体積に対してモデルを作成し、そのモデルのパラメータを、例えば画像化システム10で測定されたデータの時系列に適合させることとして理解できる。
【0017】
PK/PDモデリングが実施される画像化手順で、経時的な血漿中のトレーサー濃度を表す「入力関数」は、そのモデルに対して決定されなければならない。一般的に、血漿から標的臓器の組織へまたはそこからのトレーサーの拡散は、画像化中またはその後にモデル化される。現在、トレーサーの血漿濃度を評価するために、動脈または動脈化静脈部位から血液が採取され、トレーサーの濃度(すなわち、入力関数)は血液サンプルに基づいて決定される。しかし、多くの薬物は、およそ数秒から数分の時定数で赤血球内に拡散し、血漿からの拡散はサンプルが処理される時に起こる。また患者の血液のサンプリングは、患者および医療従事者の両者にとって難しく、不便である。したがって、入力関数決定の利便性および正確性は、好ましくは血液サンプリングを伴わない画像から直接入力関数を導き出すことによって改善できる。さらに、時間の関数として全血・血漿曲線のアプローチを使用でき、ヘマトクリットなどの患者固有情報をモデルに組み込みうる。本明細書に記述された方法およびシステムは、現在の実践と比べてこのような改善を提供することを可能にする。
【0018】
本発明のさまざまな実施形態の方法には、画像化手順中に少なくとも2回入力関数を決定するステップを含む。入力関数は、任意の正規化パラメータでありうる。例えば、一部の実施形態では、入力関数は、患者の血液のサンプル中のトレーサーなどの特定の化合物の量、またはサンプルからの放射能放射の量、放射された光の量、またはその任意の組み合わせでありうる。入力関数の決定は、当技術分野で知られている任意の手段で実行できる。例えば、一部の実施形態では、トレーサーは放射性医薬品であることがあり、入力関数は、その放射性医薬品を投与された患者の血液サンプルからの放射能放射でありうる。他の実施形態では、入力関数は、投与後に取得された画像に基づいて患者の特定組織または臓器で検出された放射性医薬品の量に基づいて決定されうる。特定の実施形態では、入力関数は、例えば、心臓、大動脈、または心室などの高い血液量を持つ臓器で検出された放射性医薬品の量に基づいて決定でき、高い血液量を持つ臓器の画像を用いて検出を実施してもよい。
【0019】
トレーサーの量は、サンプルからの実際の放射に基づくことができる。例えば、光メーターまたはカメラを使用して、放射光または蛍光トレーサーの量を決定しうる。放射性医薬品などの放射性トレーサーの量は、例えば、ガイガーカウンター、ヨウ化ナトリウム検出器、多チャンネル分析器、イオン化(イオン)チャンバー、中性子REMメーター、シンチレーションカウンター、多チャンネル分析器、および同類のものを使用して決定できる。特定の実施形態では、光もしくは蛍光放射トレーサーまたは放射性トレーサーのいずれかを含むトレーサーの量は、例えば、心臓、大動脈、左心室、またはその組み合わせなど、入力関数を測定するために使用される組織または臓器に関連する一つ以上のピクセルの輝度を決定することにより、患者から取得された画像に基づいて決定できる。
【0020】
一部の実施形態では、方法は、組織または臓器の画像を取得する前にトレーサーの最大血中濃度を特定するステップを含みうる。トレーサーの最大血中濃度の特定は、患者の血流中にトレーサーを注入し、放出量が一定時間一定となるまで特定組織または臓器の放射をモニターすることで実行できる。例えば、一部の実施形態では、放射性医薬品を患者に投与し、投与後の第一の期間に患者から第一のサンプルを取得しうる。第二のサンプルは、投与後第二の期間として取得でき、第一のサンプルおよび第二のサンプルから取得された放射データを比較することができる。その後追加サンプルを取得でき、第一のサンプルおよび第二のサンプルに加えて取得された追加サンプルすべてと比較しうる。追加サンプル取得のステップは、何度でも繰り返すことができ、追加サンプル取得が繰り返される回数は、手順および患者によって異なる可能性がある。例えば、一部の実施形態では、追加サンプル取得のステップは、特定のサンプルの直前または直後のサンプルがほぼ同等、および/または例えば、約2%の差、約5%の差、約10%の差、約20%の差など、特定の閾値内となるか、またはこれらの値の間の任意のパーセント差となるまで、実施できる。さらなる実施形態では、最大または望ましい血液値に達したかどうかを決定するために、直前または直後以上のサンプルを構成しうる。一部の実施形態では、第一の期間、第二の期間、および追加サンプルの間の期間のそれぞれは同じであってよく、これらの期間は任意の適切な時間の期間でありうる。例えば、第一のサンプルは、30秒、1分、2分、5分、10分、15分、20分など、およびこれらの模範的期間の間の任意の期間で採取しうる。第二のサンプルは、第一のサンプルと同じ期間で採取してもよく、各追加サンプルは同じ時間の経過後に採取できる。他の実施形態では、第一の期間はその後の期間よりも長いことがある。例えば、第一のサンプルは投与後5分に採取され、第二および追加サンプルはその後30秒ごとに採取されうる。上述のように、上記および下記の説明で使用される場合「サンプル」という用語は、例えば、患者から採取された血液などの物理的サンプル、または研究されている組織に関連するかもしくは血量の高い組織または臓器に位置する画像中のピクセルの輝度に基づいたトレーサー濃度の予測値を指すことがある。
【0021】
特定の実施形態では、方法には、手順中に入力関数を決定するステップを繰り返すことを含む場合があり、入力関数の決定は何回でも繰り返すことができる。例えば、一部の実施形態では、方法は、最大血中濃度を特定するステップ、最大血中濃度に達した後に入力関数を決定するステップ、標的臓器または組織を画像化するステップ、入力関数を決定するステップ、および標的臓器または組織を再画像化するステップを含みうる。入力関数を決定するステップおよび標的臓器または組織を再画像化するステップは、何度でも繰り返すことができる。
【0022】
この発明の目的はできるだけ短い定量的画像化手順を作成することであるが、すべての生理現象が速い時間定数を持つわけではないので、一般的に上述の方法は、トレーサーが画像中でまだ観察できることを条件として、任意の時間の間実施でき、画像を正規化することができるので、かなりのトレーサー減衰後に取得された画像でも利用可能なデータを提供しうる。トレーサーの単回投与については、このような期間は約1時間または約2時間でありうる。特定の実施形態では、方法は、トレーサーの追加用量の投与をさらに含みうる。トレーサーの追加用量は、手順中いつでも投与でき、入力関数の決定および標的臓器または組織の再画像化は手順中に繰り返されるので、追加投与後に取得された画像は、追加投与の前またはその最中に取得された画像と一致するように正規化できる。特定の実施形態では、追加投与は、特定量の減衰が起こった後に実行しうる。例えば、トレーサーの再投与は、入力関数が最大血量である場合と比較して、入力関数で放射検出の40%、50%、60%、70%、80%、または90%減少が観察された後に実行できる。再投与は手動で決定することができ、または下記のようなシステムを使用してトレーサーを投与し、標的臓器を画像化し、経時的に決定された入力関数に基づいて画像を正規化する他の実施形態では、再投与は、例えば注入器を使用して自動的に実行できる。再投与は実施形態の方法を使用して手順全体を通して何度でも実行できるため、数時間から数日または数週間までの任意の時間の間、手順を実行することができ、正規化画像を患者から取得できる。
【0023】
一部の実施形態は、上述の方法を実行するようにデザインされたシステムを対象とする。このようなシステムの複雑性は、システムに組み込まれる自動化の量に応じて変化しうる。例えば、上述の方法は、トレーサーを手動で注入して入力関数を決定し、標的組織または臓器を画像化し、コンピュータに動作可能なように接続された撮像装置を使用して画像を正規化することにより実行できる。さらに自動化されたシステムには、
図1に示されるコンポーネントを含みうる。
【0024】
図1は、本発明の画像化および分析システム10の模範的実施形態を示す。さまざまな実施形態で、本システムは、患者を撮像するように構成された画像化システム110を含みうる。一部の実施形態では、撮像装置システム110は、エネルギーを患者に伝達するように構成されたエネルギー源102を持つ撮像装置101および患者からエネルギーを収集して受け取ったエネルギーを、制御システム120へと転送およびそれによって収集できる一連のデータへと経時的に変換するエネルギーセンサー103、またはデータを解釈および操作でき、ユーザーインターフェース130に関連するディスプレー131上に画像を表示することができる、画像化システム110に特に関連したコンピュータ104を含みうる。エネルギーは、患者を通して伝送するか、または反射、散乱するか、またはその他の方法で患者または患者に投与された薬物と相互作用できる。画像化システムと関連するセンサー103は、伝送または反射/散乱されたエネルギーを受け取るように位置付けられ、受け取ったエネルギーを使用して患者の画像を生成するのに使用できるデータを生成することができる。エネルギー源は、一般的に画像化システムの不可欠な部分でありうるが、一部の実施形態では、例えば黒体放射ではエネルギー源は患者自身でありうる。本発明のいくつかの実施形態では、エネルギー源102は、放射性原子を含む薬物またはトレーサー141である。さまざまな実施形態のシステム10に組み込むことができる模範的画像化システム110には、ポジトロン放射断層撮影(PET)撮像装置、コンピュータ断層撮影(CT)撮像装置、磁気共鳴画像化(MR)撮像装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)撮像装置、および例えば、PET/CT撮像装置、PET/MR撮像装置、SPECT/CT撮像装置などを含むその組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0025】
撮像装置110によって取得されたデータまたは情報は、撮像装置101から取得されたデータを蓄積し、データを分析し、ユーザーがアクセスできるフォーマットで出力装置にデータを伝送するために必要なさまざまなコンポーネントを含みうる制御システム120へ伝送されうる。制御システムには、方法、プロセス、および上述の方法を実行するために必要な変換データ操作を、処理装置122に実行、構成、またはその他の方法で実施させるコンピュータ可読プログラムコードまたは命令を保存できるコンピュータ可読記憶媒体123を持つ、一つ以上のコンピュータ121または類似の計算装置を含みうる。コンピュータ121には、適切なデータフォームおよびフォーマットで受信されたコンピュータベースの命令を実行する役割を果たす一つ以上の処理装置122(一般的には中央処理装置またはCPUと呼ばれる)を含むことができる。一部の実施形態では、処理装置122は、連続して、並行して、またはコンピュータベースの命令の適切な実施のための他の任意の方法でコードを実行する複数プロセッサの形態でありうる。さまざまな実施形態で、コンピュータ121は、上述の方法の処理ステップを実施および実行するために適切なソフトウェアを実行するように動作可能なように構成されうる。コンピュータ121は、システム10に結合されたパソコン、画像化システム110と一体的に形成されたプロセッサ、画像化システム110とは別のコンピュータ、または上述の方法を効果的に実施するために適切にデータを処理するのに必要な処理ハードウェアを持つ他の任意のタイプの計算装置の形態でありうる。
【0026】
制御システム120は、コンピュータ121のさまざまなコンポーネントの間の適切なデータ通信および処理情報を促進するためのシステムバス124をさらに含みうる。システムバス124は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器用バス、またはさまざまなバス・アーキテクチャの任意のものを使用したローカルバスを含む、種々のバス構造のいずれであってもよい。特定の実施形態では、システムバス124は、インターフェースを通してさまざまなコンポーネント(コンピュータ121の内部または外部に関わらない)間のデータおよび情報通信を促進しうる。
【0027】
一部の実施形態では、コンピュータ121は、一つ以上の個別の、コンピュータ可読記憶媒体123上に含むことのできるコンピュータ可読媒体コンポーネントを含みうる。コンピュータ可読記憶媒体123は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの情報の保存のための任意の方法または技術でありうるが、これにはランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、またはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはその他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶、またはその他の磁気記憶装置、または望ましい情報を保存するために使用できコンピュータ121でアクセスできる他の任意の媒体を含むがこれに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体123上に含まれるコンピュータ可読媒体には、揮発性媒体、不揮発性媒体、取り外し可能媒体、取り外し不可能な媒体など、コンピュータ121でアクセスできる任意の媒体を含みうる。一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールなどの通信媒体、または搬送波などの変調データ信号でのその他のデータ、またはその他の伝送機構を含みうる。その他の実施形態では、コンピュータ可読媒体には、任意の情報送達媒体、有線媒体(有線ネットワークおよび直接配線接続など)、および無線媒体(音響信号、高周波信号、光信号、赤外線信号、生体計測信号、バーコード信号など)を含みうる。上記の任意の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0028】
さらにその他の実施形態では、コンピュータ121は、揮発性および不揮発性メモリ、ROM、および/またはRAMなどのシステムメモリ125をさらに含む。適切なコンピュータベースのルーチンを持つ基本入力/出力システム(BIOS)は、コンピュータ121内のコンポーネント間の情報伝達を支援し、ROM内に保存できる。システムメモリ125のRAM部分は、直ちにアクセスできるか、または処理装置122によって現在操作されているデータおよびプログラムモジュールを一般的に含み、例えばオペレーティングシステム、アプリケーション・プログラミング・インターフェース、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ、およびその他の命令ベースのコンピュータ可読コードなどがある。
【0029】
コンピュータ121は、その他の取り外し可能または取り外し不可能な、揮発性または不揮発性のコンピュータ記憶媒体製品も含みうる。例えば、コンピュータ121は、取り外し不可能で不揮発性の磁気媒体を含む取り外し不可能なメモリ121と、取り外し可能で不揮発性の磁気ディスクから読み出しそれに書き込む磁気ディスクドライブユニットと通信しそれを制御する取り外し可能な不揮発性のメモリインターフェースと、取り外し可能な非揮発性光ディスク(CD ROMなど)から読み出しそれに書き込む光ディスクドライブユニットと、例えば取り外し可能なメモリカードと関連して使用するためのユニバーサルシリアルバス(USB)および同類のものと、その組み合わせを含みうる。その他の取り外し可能または取り外し不可能な揮発性または不揮発性のコンピュータ記憶媒体を模範的制御システム120で使用することができ、磁気テープカセット、DVD、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROM、および同類のものを含むがこれに限定されない。これらの取り外し可能または取り外し不可能な揮発性または不揮発性の磁気媒体は、少なくとも一つの処理装置122およびコンピュータ121のその他のコンポーネントとシステムバス124を介して通信するように構成できる。上述のドライブおよび関連するコンピュータ記憶媒体は、オペレーティングシステム、コンピュータ可読命令、アプリケーションプログラム、データ構造、プログラムモジュール、プログラムデータ、およびシステムメモリ125の情報およびデータが重複しているかどうかを問わず、コンピュータ121に対するその他の命令ベースのコンピュータ可読コードの保存を提供する。
【0030】
画像化システム10は、制御システム120と関連した一つ以上のユーザーインターフェース130を含みうる。ユーザーインターフェースは、画像およびその他のグラフィックをカラーまたは白黒で表示でき、データおよび情報を分かりやすいフォームまたはフォーマットで操作者に提示または提供するように構成された、一つ以上のディスプレー131またはグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含みうる。一部の実施形態では、ディスプレー131は、ユーザーがシステム10をプログラムまたはその他の方法で操作できるように構成でき、さまざまな実施形態では、ディスプレー131はシステムの作動に関するリアルタイムのデータを表示しうる。例えば、特定の実施形態では、ディスプレー131はタッチスクリーン機能を持つかまたは、そうでなければユーザーがディスプレー131を操作または触ることで、制御システム120、具体的には制御システムと関連するコンピュータ121とやり取りできるように構成されうる。その他の実施形態では、システムユーザーインターフェース130は、キーボード、マウス、またはユーザーがシステムをプログラムするかまたはその他の方法で操作できるように構成されたその他の装置132を含みうる。
【0031】
特定の実施形態では、ディスプレー131は、配線または無線ネットワークでシステムと電子的に関連しているノートパソコンまたはタブレットコンピュータの一部として含まれうる。その他の実施形態では、ディスプレー131は、画像化システム110および制御システム120を取り囲むハウジングでシステムに固定されうる。このようなディスプレー131は、操作者がディスプレー131を位置付けられるように、傾くかまたは旋回するように構成されうる。さらなる実施形態では、ディスプレー131は、システムから離れた所に位置付けることができ、配線または無線ネットワークによってシステムに接続されうる。
【0032】
特定の実施形態では、システム10は、この情報およびデータを印刷形態で物理的に表示するように構成されたプリンタ133を含みうる。さまざまな実施形態のプリンタは、任意のタイプであってよく、市販のインクジェットおよびレーザープリンタを含む。特定の実施形態では、プリンタは接着剤付きラベルを印刷するように構成されうる。さらにその他の実施形態では、システム10は、この情報およびデータを音声形態で聞こえるように示すためのスピーカー134を含みうる。例えば、スピーカーは、方法または方法の一部が完了した時に、「ビーッ」という音を生じるように構成されうる。例えば、システムは、最大血量に達した時、または入力関数が上方または下方閾値に達した時に、「ビーッ」という音を提供するように構成されうる。さまざまな実施形態では、このような装置は、コンピュータまたはその他の制御システムと出力インターフェースを通して通信しうる。
【0033】
特定の実施形態では、システム10は、ユーザーが、GUIディスプレー131のタッチスクリーンを使用してユーザーインターフェース130を介してコマンド、情報、およびデータをコンピュータ121に入力できるように構成されうる。しかし、操作者が、キーボード、マウス、遠隔制御装置、マイク、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、スキャナー、タブレットコンピュータ、および同類のものなど、その他の取り付け可能または操作可能な入力装置を使用して、ユーザーインターフェース130を介してコマンド、情報、データをコンピュータ121に入力しうることは想定されている。データおよび情報のコンピュータ121への外部ソースからの入力を促進する任意の配置を使用でき、例えば、配線または、ブルートゥース、無線インターネット接続、または携帯接続などの無線ネットワーク装置を使用したアクセスが含まれる。上述のように、これらおよびその他の入力装置は、システムバス124に結合されたユーザーインターフェース130を通して制御システム120にしばしば接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、またはUSBなどのその他のインターフェースおよびバス構造によって接続してもよい。
【0034】
ディスプレー131は、3Dボクセルデータセットまたは3Dグラフィカル画像の単一面表現である出力画像を提供しうる。一部の実施形態では、出力画像は、ユーザーに提示されたすべてのデータを提供しうる。その他の実施形態では、出力画像は、例えば患者の状態の診断に使用できる情報をユーザーに提供できる、血量、血流、薬物の取り込みまたは拡散、薬物代謝などの生理学的に関連するさまざまなパラメータをさらに提供しうる。
【0035】
特定の実施形態では、制御システム120は、システム10へのまたはそれからのデータの通信のための外部インターフェース129を含む。外部インターフェース129は、適用される通信プロトコルを持つ多数の通信媒体の任意のものによって、一つ以上のその他の外部データまたはコンピュータシステム150に接続できる。入ってくるデータには、例えば、患者および手順またはプロトコル順序やスケジュール情報が含まれうる。出て行くデータには、PACSシステムへ行くDICOMデータ、または病院情報システム(HIS)もしくは放射線情報システム(RIS)への手順についての情報を含むことができる。このような情報は、請求、安全性、有効性またはその他の無数の用途のために使用できる。
【0036】
特定の実施形態では、システム10のコンピュータ104または121は、トレーサーの送達、データの収集、およびデータの分析をシミュレートするように構成された、
図6に示されるようなプロトコルシミュレータを含みうる。シミュレーション中、患者の循環、選択組織によるトレーサーの取り込み、およびトレーサーの排出および分解をシミュレートできる。組織濃度が空間のある位置で与えられるように、コンパートメントモデルは、体の3Dまたは4Dモデル内で動作する。このようなモデルは、CT、PET、およびSPECT画像取得のために開発されている。これらのモデルによって、反復再構成方法でノイズおよび歪みのさまざまな起源を説明することが可能となる。画像化システム110の能力および限度が分かっているモデルを使用して、シミュレータは、トレーサーのシミュレートした分布を前提として、実際の画像化システム110で測定されたであろうデータを作成する。このデータは、次に制御システム120に伝達され、定量的評価および診断を行なうことができる。定量的結果はシミュレーションから来ているので、提案されたプロトコルが、正しいコンパートメント特性の特定をどれだけうまく可能にするかを評価するためにシミュレーションに入れたコンパートメントモデルパラメータと比較することができる。このシミュレータは、すべての患者には使用されないかもしれないが、画像化、および新しい薬物、新しい疾患理論に対する薬物送達プロトコルの評価および最適化のため、または患者体重、サイズ、または別の要因など、ある条件に相当な逸脱がある時に使用できる。
【0037】
一部の実施形態では、医師またはその他の医療従事者が、トレーサーの注入を手動で実行しうる。その他の実施形態では、システム10は、トレーサーまたは薬物141を患者に注入または投与するように構成された注入器140をさらに含むことがあり、一部の実施形態では、注入器140は、生理食塩水またはその他の流体142を、トレーサー141の投与前、投与中、または投与後に患者に注入または投与するようにさらに構成されうる。例えば、一部の実施形態では、注入器140は単に、トレーサー141の一つ以上の処方用量を、皮下注射針およびシリンジを通して患者の血流中に直接注入しうる。その他の実施形態では、注入器140は、末梢IVライン(PIV)を通して患者に生理食塩水142を連続的に投与するように構成でき、トレーサー141の一つ以上の処方用量を、PIVに導入して患者に投与しうる。さらに他の実施形態では、注入器140は、トレーサー141の用量を注入し、その後、生理食塩水142の特定量を投与するように構成されうる。
【0038】
一部の実施形態では、システム10は単一トレーサー141を投与するように構成でき、その他の実施形態では、システムは2つ以上の異なるトレーサーを送達するように構成されうる。システムが複数のトレーサー141を送達するように構成された実施形態では、システムは、操作者が意図された手順に応じて構成を切り替えることを可能にしうる。システムによって送達される各トレーサー141の量は、実施形態により、および使用されているプロトコルに基づいて変化しうる。一般的に、医師またはその他の資格のある医療従事者は、当技術分野で知られている患者に関する測定基準を使用して、特定の患者に送達するべきトレーサー141の適切な量を決定できる。本システムの柔軟性により、一つ以上の任意の量のトレーサーを送達できる。注入器は、2つ以上のトレーサーを個別に、連続的に、または同時に注入するように構成されうる。このため、特定の実施形態では、注入器は、投与前に放射性医薬品を保持できるバイアルまたはシリンジなどの2つ以上の容器を含みうる。注入器は、例えば、生理食塩水、その他の薬物またはその他の流体を保持できる追加的医療流体容器をさらに含みうる。
【0039】
システム10は、任意のトレーサー141を送達するように構成されうる。例えば、さまざまな実施形態のシステムは、当技術分野で知られている任意の放射性医薬品単独で、または別の医薬組成物と組み合わせて送達するように構成されうる。例えば、一部の実施形態では、システムは、
47Ca−Ca
2+、
11C−L−メチル−メチオニン、
14C−グリココール酸、
14C−パラ−アミノ安息香酸(PABA)、
14C−尿素、
14C−d−キシロース、
51Cr−赤血球、
51Cr−Cr
3+、
51Cr−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
57Co−シアノコバラミン(ビタミンB
12)、
58Co−シアノコバラミン(ビタミンB
12)、
169Er−コロイド、
18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)、
18F−フッ化物、
18F−フルオロコリン、
68Ga−dotatocまたはdotatate、
3H−水、
111In−ジエチレントリアミンペンタ−酢酸(DTPA)、
111In−白血球、
111In−血小板、
111In−ペンテトレオチド、
111In−オクトレオチド、
123I−ヨウ素、
123I−o−ヨード馬尿酸、
123I−m−ヨードベンジルグアニジン(MIBG)、
123I−FP−CIT、
125I−フィブリノーゲン、
131I−ヨウ化物、
131I−ヨウ化物、
131I−m−ヨードベンジルグアニジン(MIBG)、
59Fe−Fe
2+またはFe
3+、
81mKr−水溶液、
13N−アンモニア、
15O−水、
32P−リン酸塩、
82Rb−塩化物、
153Sm−エチレンジアミノテトラメチレンリン酸(EDTMP)、
75Se−セレノールコレステロール、
75Se−23−セレノ−25−ホモ−タウロ−コール酸塩(SeHCAT)、
22Na−Na
+、
24Na−Na
+、
89Sr−塩化物、
99mTc−過テクネチウム、
99mTc−ヒトアルブミン、
99mTc−ヒトアルブミン粗大凝集またはミクロスフェア、
99mTc−ホスホン酸塩およびリン酸塩、
99mTc−ジエチレントリアミンペンタ−酢酸(DTPA)、
99mTc−ジメルカプトコハク酸(V)(DMSA)、
99mTc−ジメルカプトコハク酸(III)(DMSA)、
99mTc−コロイド、
99mTc−肝イミノ二酢酸(HIDA)、
99mTc−変性赤血球、
99mTc−赤血球、
99mTc−メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)、
99mTc−エキサメタジム、
99mTc−セスタミビ(MIBI−メトキシイソブチルイソニトリル)、
99mTc−スレソマブ(IMMU−MN3 マウスFab'−SH 抗顆粒球モノクローナル抗体フラグメント)、
99mTc−ヒト免疫グロブリン、
99mTc−テトロフォスミン、
99mTc−エチルシステイン酸ダイマー(ECD)、
201Tl−Tl
+、
133等張塩化ナトリウム溶液中Xe、
90Y−ケイ酸塩、および同類のものおよびその組み合わせを送達するようにデザインされ構成されうる。特定の実施形態では、システムは
18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)を送達するように構成されうる。模範的非放射性薬物には、Ultravist(登録商標)またはOmnipaque(商標)などのX線またはCT造影剤、Gadovist(登録商標)などのMR造影剤に加えて、超音波造影剤および光トレーサーを含む。
【0040】
制御システム120と組み合わせた注入器140は、発作またはCTスキャンなどの短いイベント、または脳研究またはその他の長期の一定のPK研究のための神経伝達物質の維持レベルなどの長いイベントに対する、トレーサーまたは薬物141の投与の操作および同期化を可能にする。これは、トレーサー141の望ましい血漿または組織レベルを達成するために、患者固有プロファイルを提供できる。一般的に、注入器140は、初回通過またはかん流差の動的視覚化のために、生理食塩水またはその他の流体142フラッシュありまたはなしで、トレーサー141の短くて急なボーラス注入を提供でき、その他の実施形態では、注入器はトレーサーのゆっくりとした注入を提供しうる。例えば、システム10は、ユーザーが注入器140をプログラムして、体積(ml)、質量(mg)、または経時的放射能(mCi)に基づいて、一定の速度でトレーサー141を注入することを可能にしうる。したがって、例えば、10mCiの放射能を持つ放射性医薬品の30ml用量の注入は、例えば、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、90秒、1分、2分、3分、5分、10分、20分、30分、1時間、またはその他、および操作者またはユーザーによって選択される任意の時間の間実行されうる。システム10は、ユーザーが注入器140をプログラムして、例えば、5分または10分ごとに、30分または40分にわたって10mlを注入するなど、ある時間にわたってトレーサーのいくつかの個別用量を注入することも可能にしうる。システム10は、画像化システム110に関連するエネルギーセンサー103または補助センサー107の測定値に基づく、患者の状態についてのフィードバックに基づいて、さらに注入を変化させうる。例えば、トレーサー141の一定用量は、入力関数が特定の下方閾値に達した時に投与でき、または有害事象が観察または検出された時は注入を停止することができる。
【0041】
一部の実施形態では、システムには、画像化手順中に、追加的な患者の体の機能を追跡しモニターする補助センサー107を含みうる。このような補助センサー107は限定されておらず、心電図(ECG)、呼吸モニター、動きセンサー、および同類のものやその組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、補助センサー107は、例えば、呼吸、ECG、EEG、および/または収集されたデータがどのように調整されるかの影響を与えうる、患者の身体的状態または状況のその他の生理的指標を連続的にモニターするように構成されうる。例えば、呼吸は、胸および腹部の臓器を反復的に動かす。ECGは、心臓壁の位置および壁の厚さの変化と同期化され、これは、画像由来の入力関数の正しい測定に影響しうる。さらに、動きの修正または補償は、任意のボクセル特性のさらに正確な分析に有用である。補助センサーによって取得されたデータは、画像化システム110によるリアルタイムのデータでありえ、制御システム」120によって収集され、出力に組み込まれ、ユーザーインターフェース130を通してユーザーに提供されうる。
【0042】
その他の実施形態では、システムは、スキャン中に一定の既知の位置に患者を維持するための、一つ以上の患者サポートまたは患者ポジショナー160を含みうる。動的スキャンは、ほとんどの臨床業務では日常的には行なわれないため、通常、PET画像化では患者に拘束は加えられない。患者が安心するように、患者が画像化テーブルまたはプラットフォームから落ちないようにすることを確実にするために、時折ストラップが使用される。一部の実施形態では、患者が横たわり、大気圧の時、動いて患者の輪郭に順応するテーブルまたはプラットフォームにポリスチレンビーズの密封バッグが提供されうる。バッグから空気を除去した時、これは比較的硬いブレースとなり、それによって、患者を保持する一方、患者の動きを阻止または減少させる。その他の実施形態では、患者サポート160は、スキャンを実施する際にスキャンまたはベッド位置の間で患者をすばやく正確に動かし、エネルギーセンサー103によって検出されたイベントが、分析中にシステム制御システム120によって正しいボクセルに起因することを確実にする。
【0043】
制御システム120、注入器140、および画像化システム110はすべて、一つ以上のコンピュータによって実施されうるコンピュータ機能を含む。手順、計画の実行、および取得されたデータの分析が、総合または全体的システムのさまざまなコンポーネントまたは装置の間で分配される方法は、製造業者の選好によって変化しうる。一般的に、制御システム120は、その他のコンポーネントならびに注入器140および画像化システム110に関連するさまざまなコンピュータのそれぞれからデータを収集し、システム10の活動を調整する。例えば、システム制御装置120は、関心組織の入力関数、撮像装置ベッド位置の順序およびタイミング、視準、取得モード(2D、3D、TOF)、スライス時間、データ捕捉(一部の実施形態では、柔軟な再構成のためのリストモード)、使用されるPK/PDモデル、ECG同期化/取得、および例えば特にPK/PDモデル結果で著しい変化を可能とする境界のCTまたはMRからの解剖学的情報のアプリケーションに影響する注入プロファイル(トレーサーおよび生理食塩水)を制御・調整しうる。
【0044】
制御システムは、画像化システムからのデータを使用して、まず入力関数を決定し、次に操作者によって決定された分析を実施する。さらに高性能の分析には、ボクセルごと、または少なくとも関心領域の複数コンパートメントPK/PD分析がある。より性能の低いものには、パトラック(Patlak)分析がある。最も性能の低いものは、好ましくは残存血液濃度に対して修正された単純SUVであろう。
【0045】
システム10は、PK/PDパラメータをより正確に決定し、より正確なデータをユーザー、医師またはその他の医療専門家に提供するために、画像化手順のさまざまな側面を制御し、それに影響を与え、測定、または説明するように構成されうる。例えば、さまざまな実施形態では、システム10は、投与後にトレーサーが心臓に達するために必要な時間、注入が肺を移動する広がり、心臓の通過時間、再循環の時間および分布、さまざまな組織での取り込みおよび代謝速度、血流からの除去速度、肝臓・腎臓などの組織および臓器でのトレーサーの吸収および排出を使用して、手順中に取得された画像の分析に使用されるPK/PDパラメータを決定する。特定の実施形態では、システム10は、データ収集および分析を最適化するための注入流速などのパラメータの設定における手順に関与するさまざまな時間に関連しうる。時間には、例えば、通過時間および注入部位から中心血行循環へのボーラスの広がり、肺を通した通過時間、および再循環および分布時間を含みうる。
図7a〜7eは、この現象を示す。
図7aおよび7bは、3ml/秒で20ml造影剤注入を、3ml/秒で20m生理食塩水フラッシュと共に投与された多くの患者に対する、肺動脈および大動脈それぞれのハウンズフィールド単位(Hounsfield Unit: HU)を示す。患者間の変動が明らかである。
図7c、7d、および7eは、同じ条件下での大動脈増強を示し、薬物、造影剤またはトレーサー141を中心血行循環に押し出すことに関する生理食塩水フラッシュの効果を示している。
【0046】
一部の実施形態では、例えば、血球内外への拡散速度、血管外または細胞外スペース内外への拡散速度、および細胞内外への拡散速度を含む重要な時間は、手順に対するパラメータの設定にも使用されうる。その他の実施形態では、例えば、生理学的イベント、画像化取得、薬物の初回通過の流れ、および関心のPK/PD現象時間は、手順に関連するパラメータを最適化するためにシステムによって使用されうる。
【0047】
例えば、注入手順が非常に短いかまたは急なボーラスの場合、心臓のトレーサー濃度は非常に高くなる可能性があり、特定のボクセルでの入力関数は、互いに経時的に著しく異なり、より大きな血管または心臓で測定されるものとは異なりうる。結果として、PETスキャナーなどの撮像装置は、トレーサーに線形的に応答できない。現在、撮像装置は、経時的に正確な入力関数を提供するために線形応答を概算しなければならないが、急なボーラスからの入力関数から由来する画像を正確に予測することは、スキャナーのフレーム速度、トレーサーの放射能、および放射性崩壊に関連するノイズのために困難である。さらに、トレーサーのボーラス注入後に取得された画像の分析は、しばしば、スキャン期間にわたって収集されたすべてのカウントの積分であるデータを、時間のある時点(しばしばスキャンの中間点)での放射線源の強度として扱う。濃度は急速に変化するので、測定された濃度は、瞬間的濃度とは著しくことなることがあり、これは増加するときに大きくなり減少するときには少なくなる。したがって、データ曲線を合わせようとする時、経時的な曲線の積分ではなく、曲線の瞬間点としてデータを扱うと、著しい誤差を生じうる。したがって、一部の実施形態では、時間積分モードで操作することが好ましい。その他の実施形態では、時間分配をデータ取得の後に決定できるように、リストモードで操作することが好ましい。
【0048】
そのため、特定の実施形態では、トレーサーは一定の期間にわたって注入されうる。理論に束縛されるものではないが、上述の方法およびシステムを使用して取得した画像から派生したPK/PDデータの確実な改善は、約30秒、約60秒、約120秒、約240秒、約360秒など、およびこれらの模範的期間の間の任意の期間にわたってトレーサーを注入することによって達成されうる。その他の実施形態では、トレーサーの注入の減衰指数流れプロファイルを使用しうる。さらにその他の実施形態ではトレーサーの連続注入を使用でき、一部の実施形態では、連続注入には、手順の始めのボーラス注入を含みうる。理論に束縛されるものではないが、ボーラス注入手順での連続注入は、神経伝達物質研究で行なわれるように望ましい血漿レベルを達成・維持するために、トレーサーの急速な代謝が起こりうる場合には有益でありうる。
【0049】
特定の実施形態では、比較的均一な血液プール濃度を提供するために、トレーサーは、血中のトレーサーの平均または中間循環時間より長い時間にわたって送達されうる。トレーサーの全血濃度は心臓または大動脈で測定でき、全血濃度は、腎臓のクリアランス速度の定数を使用して、血液が腎臓を出る時に測定できる。健康な腎臓を持つ患者では、腎臓は、FDGなどのトレーサーの重要な排出経路である。そのため、適切なトレーサーについては、腎臓によるろ過後の濃度は、血球中の濃度に近づいて低いと仮定できるが、これは全血濃度からの血漿濃度を決定するための集団または標準計算を使用するチェックとしてまたはその代わりに、合計血量の約40%を占める。血漿濃度は数量に基づいて決定でき、中心循環全血濃度から腎臓後血管の全血濃度を引き、この数量を薬物141に対する腎臓の摂取率で割る。
【0050】
一部の実施形態では、適切な注入プロファイルを決定するために、画像化システムの時間スケールを使用しうる。特に、CTおよびMRなどのシステムは1秒未満で画像を取得できる。しかし、PET画像は高い時間分解能で取得できるが、与えられる放射能の放射線量で最大平均合計カウント率を決定するので、画像のノイズが多く、そのため短いスキャンには含まれる減衰イベントまたはカウントが少ない。したがって、一部の実施形態では、PETデータは「リストモード」で取得され、各イベントにタイムスタンプが記録されるように、システムによってメモリの表またはリストにアーカイブされうる。その後の分析の間、データおよびイベントは、分析のために時間ステップが最適になるように結びつけ直されるかまとめられうる。このような実施形態では、手動注入器はこの時間スケールに対して速すぎることがよくあるので、トレーサーの注入は制御され遅くなる。
【0051】
一部の実施形態では、患者の循環および再循環時間を使用して、適切な注入プロファイルを決定しうる。循環および再循環は、少なくとも2つの方法で分析に影響しうる。第一に、循環時間は、中心心臓または動脈血中濃度を体の他の部分に対する入力関数として使用する制御システム120の能力に影響するが、これは中心血管の濃度測定とその濃度が末梢組織に達した時との間に時間の遅れがあるためである。第二に、再循環時間は血中のトレーサーの蓄積に影響する。
【0052】
一部の実施形態では、血漿から標的組織へ(K1)、標的組織から血漿へ(K2)、標的組織から標的組織の細胞へ(K3)、細胞から標的組織へ(K4)(
図2を参照)の予定または予測される拡散または輸送係数は、適切な注入プロファイルを決定するために使用できる。一般的に、K1もしくはK3が遅いかまたはK2もしくはK4が速い時、使用可能なデータを取得するためにはより長いスキャンが必要となりうる。そのため、より長い注入時間が使用されることがあり、特定の実施形態では、十分な時間の間維持される連続的に変化するかまたは段階関数の変化が含まれうる。
【0053】
一部の実施形態では、血液プールからのトレーサーの除去速度を使用して、適切な注入プロファイルを決定しうる。トレーサーは、腎臓または肝臓による排出、透析、副生成物への代謝、または関心組織以外の組織による取り込みを通して除去されうる。血液プールからすばやく除去されるトレーサーについては、使用可能なデータを取得するためにより長い注入プロファイルが必要となりうる。
【0054】
特定の実施形態では、分析プロセス中に制御システム120によって反復再構成またはその他の数値的技術が使用されることがあり、および/または以前の外部モデリングおよび分析からの結果を使用して、使用されるトレーサー、画像化装置、および患者および全システムのその他の部分についての既知または予測された情報を前提として最適または十分な注入が送達されることを可能とするデータ再構成/分析プロセスを含む全システムの一部またはすべてを作成または予測可能に適合することができる。さまざまな実施形態では、分析中の反復再構成技術には、システム全体の多くの非理想性または非線形を補償すること、または克服することが部分的または完全に含まれる。例えば、摂取率、受容体または輸送体の飽和、経時的な組織中のトレーサー濃度、限定カウント統計などのPK/PDモデルの限度は、カウントノイズに対する画像取得時間および時間解像度が解消されるように、以前のデータを使用して最適化できる。
【0055】
手順計画および/または分析の入力として含めることができる要因の例は、患者に対して研究されている疾患または状態、使用が予測されるモデルまたは分析、または決定されるパラメータ、患者要因、血糖またはその他の関連分子のレベルである。研究要因の例には、使用されるトレーサーおよびその他の薬物または刺激が含まれる。考慮されうる撮像装置要因の例には、感度、解像度、コリメータ特性、散乱、ポジトロン移動、および文献および実践での反復再構成アルゴリズムで考慮されるさまざまな要因、スライス積分または時間、ベッド位置タイミング、再構成アルゴリズム、動きの補償が含まれる。さらなる要因の例には、再構成およびモデル要因、入力関数決定(血液結合を含む)、入力関数からの組織への循環遅延、血量分画、および一つのボクセルまたは分析体積中の複数組織タイプの重ね合わせを含む。
【0056】
一般的に、システム10のプロトコルの一部として一つ以上の薬物を送達するために制御された注入器を使用することには、数多くの利点がある。注入器は、より高い圧力で注入する、より高い流量で注入する、より多い合計量を注入する、粘度のより高い物質を注入する(高圧能力を使用する)、その他の装置と注入を同期化する、経時的に一定に注入する、ゆっくりと安定して注入する(早期肝転移、遺伝子治療)、非常に速く注入する、および経時的に物質特性が変化する場合に一貫して注入する、およびプログラム制御下で注入を変化させるなど、手動で行なうには困難または不可能であることを行なうことができる。注入器は、流体経路の制限、粘度、操作者による変動、患者による変動、血管体積、トポグラフィー、および流速、中心血量および心拍出量の変化の面を克服または一定の性能を維持できる。制御可能なパラメータには、例えば、体積、流速、圧力、温度、流体の選択、濃度、一定の合計流量を維持するための同時注入、流体の状態(温度、かくはん、粘度)、上記のいずれかの時間順序、停止、保持および遅延が含まれる。
【0057】
実施例
本発明は、その特定の好適実施形態を参照してかなり詳細に記述されているが、その他のバージョンも可能である。そのため、添付の請求項の精神および範囲は、本明細書に含まれる記述および好適バージョンに限定されない。本発明のさまざまな態様を、以下の非限定的例を参照して説明する。
【0058】
実施例1
図3aは、さまざまな実施形態のシステム10に対する模範的プロトコルを示す。グラフ300は、経時的な左心室または上行大動脈中の薬物濃度を示す曲線である。水平軸は、秒で時間を提供し、垂直スケールは任意の単位であり、これは投与される薬物および使用される画像化モダリティに応じて異なり、例えば核医学に対するmCi/ml、CTに対するハウンズフィールド単位、MRに対するT1またはT2、超音波に対する振幅などである。破線はトレーサーの注入速度を示す。グラフ300の下のバー320は、注入(黒)に対する注入なし(白)を示す。スキャン330の間のベッド位置は、注入グラフの下に提供されている。スキャナーは、体の有限体積のみをカバーできるので、患者は一般的に患者ベッドの重複ステップまたは位置でスキャンされ、そのため「ベッド位置」という用語がある。4つのベッド位置が
図3に示されている。ベッド位置1は頭と肩をカバーし、ベッド位置2は心臓と胴体をカバーし、ベッド位置3は胴体下部と脚上部をカバーし、ベッド位置4は脚の残りをカバーする。スキャナーの大きさが4つのベッド位置で全身をカバーするのに不十分である場合、操作者は追加的ベッド位置を加える、および/または各ベッド位置での時間を短縮することを選択できる。
【0059】
図3aに示されるとおり、バーグラフ320に示されるように注入は300秒、または5分にわたって一定である。線グラフ300に示されるように、時間0で開始する注入に対しては、トレーサーが上行大動脈で観察される前に一定の期間310がある。血漿中のトレーサー濃度は0である。その後、ボーラスが大動脈に達して全開流量に到達すると、トレーサーの急速な増加が観察される311。トレーサーが再循環されるにつれて血中にトレーサーが増大すると、トレーサー濃度の直線的増加が観察される312。この時点で、トレーサーは血液からさまざまな組織および臓器へと移動すると見込まれるので、濃度の増加は完全には直線的でない。しかし、この実施例では、これは真っ直ぐな線として説明する。最後に、注入の終了後、血液からのトレーサーの正常拡散および排出は、血漿濃度314の減少によって示される。上述のように、血漿中のトレーサー濃度は、赤血球による取り込みのために(または取り込みがないために)、全血中の濃度とは異なる。制御システムは、腎臓を出る血液のトレーサー濃度をモニターすることによって、または当業者に知られているさまざまなその他の方法によって血漿濃度を決定するように構成できる。
【0060】
図3aに示されるベッド位置330は、入力関数の決定の正確性を達成し、なおもボクセルベースで定量的分析を行なうために十分な点を可能にする意図的で非均一な方法を提供するために選択される。領域1では、スキャンは、左心室、大動脈、または操作者によって選択された別の領域の上のみで行なわれ、入力関数を提供する。これは、画像化システム110が、スキャン中にトレーサーの血漿濃度を評価することを可能にする。
【0061】
入力関数濃度レベルがプロトコルで設定されると、プロトコルは領域2へと移る。患者サポートは、患者をベッド位置1に移し、頭のスキャンが行なわれる。その後、患者サポートは、ベッド位置2、3、および4に連続的に移動される。ベッド位置2は、入力関数の別の評価を可能にすることに注意すべきである。
【0062】
注入が終了する時、プロトコルの領域3が開始され、血液血漿レベルの上昇から減衰への移行の間に入力関数領域を測定できるように、患者サポートはベッド位置2に戻る。このプロトコル例には、増加の終わりおよび減少の始めをモニターすることが含まれる。
【0063】
十分な時間の後、領域4が開始され、ここですべてのベッド位置がスキャンされる。
図3aのプロトコル例では、各ベッド位置に対して3回のデータスキャンが行なわれ、入力関数領域を持つベッド位置では余分に行なわれる。このプロトコル例は、最初の4つのベッド位置はその後のスキャンの半分の速度でスキャンされることを示している。これは、操作者の予想、画像化システム110の能力に基づいて、または測定または画像再構成に適応的に基づいて、最も単純には合計カウントに基づいて調整できる。この場合、前のスキャンは後のスキャンよりも遅いことがあり、これは
図3aの実施例で説明されたものと反対である。血中のレベルが減少し、よりゆっくりと変化するので、入力関数の余分な測定の必要はない。
【0064】
プロトコルは、頭から足までの一連のスキャンが行なわれる領域5に入る。領域5の間、各ベッド位置でのスキャンの長さは、領域4の期間の時間の長さで変動しうる。例えば、各ベッド位置スキャンの期間は、ライブラリから選択されるか、または操作者によって手動で一定とされる。その他の実施形態では、撮像装置または制御装置によって実行されている分析アルゴリズムは、患者および撮像装置情報に基づいて各スキャンに対して期間を選択できる。
【0065】
領域6は、各ベッド位置での最後のより長いスキャン時間を示している。標的組織のトレーサー濃度は、この時最もゆっくりと変化するので、スキャン時間がより長いと、ノイズの少ない測定を提供する一方、有意な動的情報は逃さない。これは、未知のまたは離れた転移を探すなど、視覚的診断に使用される正常雑音画像であると操作者または医師が見なすような画像を生成するために使用できる。
【0066】
画像化順序の間、制御システムは、画像データを調整するために使用できる一つ以上の補助センサーから、情報を同時に収集しうる。例えば、補助センサーがECGデータを収集している場合、これは心臓の領域からのデータまたは画像を心臓サイクルにリンクするために使用できる。左心室が入力関数決定のために使用されている場合、拡張期の間に収集されたデータのみを使用して心臓壁からの干渉を最小化できる。補助センサーが呼吸を測定している場合、それは、呼気終末段階の間のデータを選択するため、または患者の動きを修正できる範囲で、分析に使用できる。撮像装置がPET/MRシステムの場合、MR画像からの解剖学的データは、PETデータと同時に収集でき、外部から測定または感知できない腸の動きやその他の生理的動きさえも含む動きを相殺するために制御システムによって使用されうる。
【0067】
分析器は、画像化システム110からのデータを使用して、まず入力関数を決定し、次に操作者によって決定された分析を実施する。さらに高性能の分析には、ボクセルごと、または少なくとも関心領域の複数コンパートメントPK/PD分析がある。より性能の低い分析には、パトラック分析がある。最も性能の低いものは、残存血液濃度に対して修正された単純SUVであろう。核医学の文献は、多くの高性能および単純なアプローチを含む。その他に言及されているPMODは市販のパッケージである。この例のプロトコルは、入力についての比較的完全なまたは全情報を含み、最も高性能のモデリングまたは分析の実行を可能にする。
【0068】
実施例2
図3bのプロトコルが使用され、制御システムは、定量的分析を実施するためにパトラック分析を採用している。このプロトコルは、血中濃度を高レベルに増加させ、それを約90秒一定に保持するために選択された減衰指数注入プロトコルを使用する。上述のように、トレーサーの注入は、入力関数に対して測定されている部位でトレーサーが観察可能濃度に達するまで、最初は0である血中濃度を生成する。次にトレーサー濃度は急速に増加し、注入停止後に減衰するまで一定に保持される。領域1では、入力関数体積、ならびにそのベッド位置での他の患者ボクセルが測定される。濃度がプラトー領域に到達し、急に変化しなくなったら、各ボクセルに対する初期測定値を得るために、すべてのベッド位置を通して領域2でスキャンが実行される。領域3では、注入が終了し、血中のトレーサー濃度が減少し始める時に、入力関数が測定される。領域4では、急に血中濃度が変化するので、入力関数ベッド位置をオーバーサンプリングする価値がある。領域5では、濃度の変化は十分に遅いので、入力関数の余分なサンプリングは必要なく、領域6では、すべてのベッド位置の長いスキャンが実行される。
【0069】
スキャンが完了したら、制御システムは、組織のグルコース代謝速度を測定するためにパトラック分析を各ボクセルに適用する。これは、疾患の診断、または治療への疾患の反応の評価に使用できる。パトラック分析については、スキャンの始めから組織ボクセルの濃度を測定する必要がないが、これは血液および組織濃度の間に一般均衡が到達したら、最も重要なデータが測定されるためで、この時、不可逆的代謝プロセスが、血漿濃度に対する組織濃度の割当量の増加に影響する主要要因である。しかしパトラック分析では、全体の時間にわたって入力関数の正確な測定が必要となる。90秒にわたって送達される減衰指数ボーラスは、これらの2つの要因の間の妥協または折衷案として選択されている。薬物が速く送達されるほど、安定化プロセスが早く開始され、合計スキャン時間を短くできる。しかし、濃度曲線の積分を正確に知ることが必要で、急速な増大で始めて濃度を高くしすぎると、入力関数の予測および積分に誤差を生じる可能性がある。
図3aなどの非常に遅いまたは長い注入は、測定および積分が容易である一方、減衰の安定化が5分まで開始されないことを意味し、これは制御システムがパトラック分析のみを適用する場合は不必要な待ち時間となる。
【0070】
実施例3
集積システム10を使用できる第三のプロトコル例が、
図4a〜4cに示されている。これはSPECT心筋血流イメージング(MPI)研究である。使用されている画像化システム110は、ソリッドステートCZT検出器を持つ新しい専用心臓SPECT装置の一つである。このプロトコルでは、3つの異なる薬物または流体が注入されており、レキスキャンはストレス医薬品であり、生理食塩水はチューブを通して流体を押し出すために使用され、タリウムはMPIに使用される放射線医薬品である。
図4aは、手順の一般的なタイムラインを示している。レキスキャンは、25秒にわたってゆっくりと送達される。すべてのレキスキャンがチューブから排出されたことを確実にし、心臓に作用する時間を与えるために、生理食塩水が送達される間には25秒の遅れがあり、次にタリウムが30秒にわたって急速に送達され、最後に、すべてのタリウムが患者に送達されることを確実にするために同じ速度で生理食塩水フラッシュが行なわれる。
【0071】
図4bは、3つの流体を2つのシリンジを持つポンブで送達することを可能にする使い捨て流体経路を示す。Aシリンジは、30mlに希釈された放射線医薬品を保持する。Bシリンジは生理食塩水で満たされている。5mlのレキスキャンはチューブ内に入れて実行される。
図4cの表は、注入器をどのようにプログラムしてこのプロトコルを達成できるかを詳細に示している。Bシリンジが最初に生理食塩水を0.2ml/秒で分注する時、実際にはレキスキャンを患者に送達している。次の段階で、シリンジBは生理食塩水を同じ流速で患者に送達する。次に、タリウムの入ったシリンジAは、タリウムを1ml/秒で患者に送達する。これに続いて、シリンジBは1ml/秒で生理食塩水を送達し、チューブセットを完全に洗い流す。
【0072】
実施例4
例えば、初回通過心臓画像化手順などのその他の研究では、MPI画像化薬物の非常にシャープな急なボーラスを行なうこと、およびそれが心臓を通って移動するのを観察することが望ましい。これは、心筋かん流保留の単純分析および定量化を行う時、筋肉組織の血液からの左心室血液プールの分離を促進する。
図5aおよび5bは、両手注入の測定を示す。MPIのためのトレーサーの手動ボーラスを送達する一般的な方法は、活栓の出口がIVラインまたはIVに行くチューブに直接接続されている活栓に2つのシリンジを接続することである。ストレス剤が注入され、生理食塩水が薬物シリンジに引き込まれるように活栓を素早く変える。活栓を再び動かし、薬物シリンジからの生理食塩水が患者に注入されて、ラインおよび患者の血管を洗い流す。急なボーラスを達成することが不可欠な場合、生理食塩水は、薬物シリンジを洗い流すために使用されるよりもむしろ患者に直接送達される。
図5aに示される注入は、心筋血流予備能を正確に計算するために十分なほどシャープなボーラスである一方、
図5bに示される注入は2つのこぶまたはピークを持ち、これは心筋血流予備能の定量化を阻む。
図5cの注入は、1ml未満の少量の薬物で送達され、チューブ内に入れられ、一定の狭いボーラスが達成できるように高流量で押出された。これはすべての研究を診断に用い、心筋血流予備能の有用な評価をもたらすことを可能にする。