特許第6138816号(P6138816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138816
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20170522BHJP
   F21V 29/505 20150101ALI20170522BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20170522BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20170522BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170522BHJP
【FI】
   F21S8/08 110
   F21V29/505
   F21V29/76
   F21V19/00 450
   F21Y115:10
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-545809(P2014-545809)
(86)(22)【出願日】2012年12月4日
(65)【公表番号】特表2015-500556(P2015-500556A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】KR2012010416
(87)【国際公開番号】WO2013085244
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0129729
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リ,チュン ホン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,デ スン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,シュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジ ヘ
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−300138(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0280000(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−0949452(KR,B1)
【文献】 特開2011−044428(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/058387(WO,A1)
【文献】 特開2011−100714(JP,A)
【文献】 特開2010−108918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−15/04
F21V19/00−19/06
F21V23/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDモジュール、
放熱部材及び
前記LEDモジュールと前記放熱部材とを熱伝導的に連結する連結部材を含むLED照明装置であって
前記放熱部材は、前記LEDモジュールからの光を反射させる反射面を含み、
前記連結部材は、前記LEDモジュールが接続されるモジュール装着部を含み、前記モジュール装着部の一側端には、前記放熱部材に熱伝導的かつ機構的に連結される主連結部が形成され、
前記モジュール装着部の他側端には、前記LED照明装置の一部に固定された支持部に連結される補強連結部が形成される
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
上部カバーと、前記上部カバーに結合される透光性カバーと、をさらに含み、前記上部カバーと前記透光性カバーとの間に前記LEDモジュール、前記放熱部材及び前記連結部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記モジュール装着部は、前記反射面に対向する第1のモジュール装着面と、前記反射面に対向しない第2のモジュール装着面と、を含み、第1のLEDモジュールは、第1のモジュール装着面に装着され、前記反射面に向かって光を発し、第2のLEDモジュールは、前記第2モジュール装着面に装着され、前記反射面のない方向に向かって光を発することを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記第1のモジュール装着面と前記第2のモジュール装着面は、互いに反対の方向に配向されることを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記第1のモジュール装着面と前記第2のモジュール装着面とは、所定の角度で交差することを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記第1のモジュール装着面と前記第2のモジュール装着面とは鋭角をなすことを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記主連結部は弾性変形可能に構成されることを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記主連結部はフック形状を有することを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項9】
LEDモジュール、
放熱部材及び
前記LEDモジュールと前記放熱部材とを熱伝導的に連結する連結部材を含むLED照明装置であって、
前記放熱部材は、前記LEDモジュールからの光を反射させる反射面を含み、
前記連結部材は、弾性変形可能な構造を有する状態でそれと対向する支持部との間にギャップを形成し、前記LEDモジュールは、前記連結部材の弾性変形を伴いながら前記ギャップに挿入され装着され
前記連結部材は前記放熱部材の一側端に一体的に形成される
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項10】
前記連結部材は、前記放熱部材との接触面積を増加させる凹凸パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記連結部材は、空気との接触面積を増加させる凹凸パターンを含むことを特徴とする請求項に記載のLED照明装置。
【請求項12】
前記上部カバーには複数の空気流動孔が形成されることを特徴とする請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記LEDモジュールは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板上に直接実装された複数のLEDチップと、前記複数のLEDチップを封止する透光性の封止材と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項9に記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記LEDモジュールは、前記LEDチップ上に直接形成された波長変換層をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のLED照明装置。
【請求項15】
前記放熱部材は、前記反射面上に複数の放熱フィンを含むことを特徴とする請求項1又は請求項9に記載のLED照明装置。
【請求項16】
前記LEDモジュールは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板のチップ実装面に実装される複数のLEDと、を含み、前記印刷回路基板は、前記チップ実装面と反対の面で空気に接することを特徴とする請求項1又は請求項9に記載のLED照明装置。
【請求項17】
複数のLEDモジュール、
前記各LEDモジュールに対応するように設けられた複数の放熱部材及び
前記各LEDモジュールを前記各放熱部材に熱伝導的かつ機構的にそれぞれ連結する複数の連結部材を含むLED照明装置であって
前記複数の放熱部材は、対応するLEDモジュールの光を反射させる反射面を含み、
前記複数の連結部材は、前記各LEDモジュールが接続される複数のモジュール装着部を含み、前記各モジュール装着部の一側端には、前記放熱部材に熱伝導的かつ機構的に連結される主連結部が形成され、
前記各モジュール装着部の他側端には、前記LED照明装置の一部に固定された複数の支持部にそれぞれ連結される複数の補強連結部が形成される
ことを特徴とするLED照明装置。
【請求項18】
複数のLEDモジュール、
前記各LEDモジュールに対応するように設けられた複数の放熱部材及び
前記各LEDモジュールを前記各放熱部材に熱伝導的かつ機構的にそれぞれ連結する複数の連結部材を含むLED照明装置であって、
前記複数の放熱部材は、対応するLEDモジュールの光を反射させる反射面を含み、
前記複数の連結部材は、弾性変形可能な構造を有する状態でそれと対向する各支持部との間にギャップを形成し、前記各LEDモジュールは、前記各連結部材の弾性変形を伴いながら前記ギャップに挿入され装着され、
前記各連結部材は前記各放熱部材の一側端に一体的に形成される
ことを特徴とするLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED照明装置に関し、より詳細には、街灯、保安灯または工場灯のように優れた放熱特性が要求されるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
街灯、保安灯または工場灯のような高出力照明装置の光源としては、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ナトリウムランプなどが用いられてきた。これらのランプは、低効率で消費電力が大きいので経済性が低い。また、これらのランプは、ランプ自体及び電子安定器の寿命が短いという問題を有する。さらに、ほとんどのランプは、水銀などの環境有害物質を含んでいるので、その利用が規制される傾向にある。
【0003】
近年は、既存の照明装置用ランプの問題を解決できる光源としてLED(Light Emitting Diode)が脚光を浴びている。LEDは、寿命が長く、低電力駆動という長所を有し、水銀などの環境有害物質を用いないので環境にやさしい。
【0004】
街灯、保安灯または工場灯のような高い光出力が要求される照明装置の光源としてLEDを適用するために、複数のLEDを高密度で集積したLEDモジュールが要求される。LEDを高密度で集積化したLEDモジュールは、各LEDの動作時に高温の熱を発生させる。高温の熱は、各LEDの発光効率を低下させ、寿命を短縮させる。特に、街灯、保安灯または工場灯のような高出力LED照明装置は、各LEDを動作させるために高電圧の電力が要求され、これによって高温の熱が発生するので、各LEDが受ける熱的ストレスによる特性劣化及び頻繁な故障が深刻な短所として指摘されている。
【0005】
前述した問題を解決するために、従来のLED照明装置は、LEDモジュールが装着される部分に熱伝導性のよいヒートシンクまたは放熱板などの放熱構造物を有する。しかし、放熱構造物を構成する金属材料に備わる特性の限界により、要求される放熱性能を満足させるためには放熱構造物の厚さが過度に大きくなり得る。
【0006】
また、街灯、保安灯または工場灯のように下方に光を照射するLED照明装置の場合、各LEDから反射面を経ずに直接出射する直接光の比率が高い。LEDは、直進性が高い、すなわち、指向角が狭いという特性を有するので、一定の領域を照明するために用いられるLED照明装置の場合、反射面を経て出射する間接光の量を増加させることが有利であり得る。しかし、別途の反射部材をさらに設けることは、LED照明装置のコンパクトな設計またはスリムな設計を阻害するとともに経済的に不利である。
【0007】
また、従来のLED照明装置は、雪、雨、埃などの厳しい外部環境にさらされるので、LEDモジュールの故障、動作異常または深刻な汚染により、LEDモジュールの交替、掃除、修理のためにLEDモジュールを分離する必要がある。しかし、従来のLED照明装置は、LEDモジュールが体積の大きな放熱構造物に直接結合される構造を有するので、LEDモジュールを分離することが容易でなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする一つの課題は、放熱性能のよいLED照明装置を提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、放熱性能がよく、LEDモジュールの着脱が容易なLED照明装置を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする更に他の課題は、放熱性能がよく、街灯、保安灯または工場灯のように高い位置から下方に光を照射するのに適した構造を有するLED照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面に係るLED照明装置は、LEDモジュール、放熱部材、及びLEDモジュールと放熱部材とを機構的かつ熱伝導的に連結する連結部材を含み、放熱部材は、LEDモジュールからの光を反射させる反射面を有する。
【0012】
一実施例において、上部カバーと、上部カバーに接続される透光性カバーとをさらに含んでもよく、上部カバーと透光性カバーとの間には、LEDモジュール、放熱部材及び連結部材が配置されてもよい。
【0013】
一実施例において、連結部材は、LEDモジュールが接着されるモジュール装着部を含み、モジュール装着部の一側端には、放熱部材に熱伝導的かつ機構的に連結する主連結部が形成される。
【0014】
一実施例において、モジュール装着部の他側端には、LED照明装置の一部に固定された支持部に連結する補強連結部が形成される。
【0015】
一実施例において、モジュール装着部は、反射面に対向する第1のモジュール装着面と、反射面に対向しない第2のモジュール装着面524とを含み、第1のLEDモジュールは、第1のモジュール装着面に装着されて反射面に向かって光を発し、第2のLEDモジュールは、第2のモジュール装着面に装着されて反射面のない方向に向かって光を発する。
【0016】
一実施例において、第1のモジュール装着面と第2のモジュール装着面とは、互いに反対の方向に配向される。
【0017】
一実施例において、第1のモジュール装着面と第2のモジュール装着面とは、所定の角度で交差する。
【0018】
一実施例において、第1のモジュール装着面と第2のモジュール装着面とは鋭角をなす。
【0019】
一実施例において、主連結部は、弾性変形可能に構成される。
【0020】
一実施例において、主連結部はフック形状を有する。
【0021】
一実施例において、連結部材は、弾性変形可能な構造を有し、それと対向する支持部との間にギャップを形成し、LEDモジュールは、連結部材の弾性変形を伴いながらギャップに挿入され装着される。
【0022】
一実施例において、連結部材は、放熱部材との接触面積を増加させる凹凸パターンを有する。
【0023】
一実施例において、連結部材は、空気との接触面積を増加させる凹凸パターンを有する。
【0024】
一実施例において、上部カバーには、複数の空気流動孔(air through−hole)が形成される。
【0025】
一実施例において、LEDモジュールは、印刷回路基板と、印刷回路基板上に直接実装された複数のLEDチップと、複数のLEDチップを封止する透光性の封止材とを含む。
【0026】
一実施例において、LEDモジュールは、LEDチップ上に直接形成された波長変換層をさらに含む。
【0027】
一実施例において、放熱部材は、反射面上に複数の放熱フィンを含む。
【0028】
一実施例において、LEDモジュールは、印刷回路基板と、印刷回路基板のチップ実装面に実装される複数のLEDとを含み、印刷回路基板は、チップ実装面と反対の面において空気と接する。
【0029】
本発明の他の側面に係るLED照明装置は、複数のLEDモジュール、各LEDモジュールに対応するように設けられた複数の放熱部材、及び各LEDモジュールを各放熱部材に熱伝導的かつ機構的に連結する複数の連結部材を含む。複数の放熱部材は、対応するLEDモジュールの光を反射させる反射面を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、簡単な構造を有しながらも放熱性能のよいLED照明装置を実現することができる。また、本発明によると、放熱性能がよいと同時に、LEDモジュールの着脱が容易なLED照明装置を実現することができる。本発明に係るLED照明装置は、放熱性能がよく、街灯、保安灯または工場灯のように高い位置から下方に光を照射するのに適した構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
図2図1に示したLED照明装置のLEDモジュール及び連結部材を示す斜視図である。
図3】本発明の他の実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
図4図3に示したLED照明装置のLEDモジュールと連結部材を示す斜視図である。
図5】本発明の他の実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
図6】本発明の更に他の実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
図7】本発明の更に他の実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の各図面を参照して本発明の各実施例を詳細に説明する。以下の各実施例は、当業者に本発明の思想を充分に伝達するために例として提供するものである。したがって、本発明は、以下で説明する各実施例に限定されることなく、他の形態で具体化されてもよい。そして、各図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜のために誇張して表現する場合がある。
【0033】
明細書全体にわたって同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。明細書全般にわたって、方位を示す各用語は、図示された各構成要素の位置、構造及び配置を説明するためのものであって、それらの用語が発明の技術思想と直接関連していない限り、これらの用語によって本発明が制限されるものではない。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係るLED照明装置を示す断面図で、図2は、図1に示したLEDモジュールを連結部材と共に示す斜視図である。
【0035】
図1に示すように、本実施例に係るLED照明装置1は、街灯用途に適した構造を有するものであって、支柱2の上端に設置される。
【0036】
LED照明装置1は、LEDモジュール3と、LEDモジュール3で発生した熱を効果的に放出するための放熱部材4と、LEDモジュール3と放熱部材4との間を熱伝導的かつ機構的に連結する連結部材5とを含む。
【0037】
また、LED照明装置1は、支柱2の上端に連結された上部カバー6と、上部カバー6の下部を覆う光透過性の下部カバー7(以下、「光学カバー」と称する)とを含む。上部カバー6と下部の光学カバー7との間の空間には、上述したLEDモジュール3、放熱部材4及び連結部材5が配置される。
【0038】
上部カバー6は、弓状、笠状または円弧状の断面を有してもよく、一定の厚さを有する。上部カバー6を厚さ方向に上下に貫通するように、上部カバー6には多数の空気流動孔61が形成される。各空気流動孔61を介して密閉空間内の熱くなった空気と密閉空間外部の冷たい空気との間に対流循環がなされ、LEDモジュール3の放熱性能を高めることができる。
【0039】
放熱部材4は、連結部材5によってLEDモジュール3と熱伝導的に連結され、LEDモジュール3の各LEDから放出された光を反射させる反射面41を下部に有し、反射部材としての機能も共に行う。
【0040】
放熱部材4は、上部カバー6の下部に配置され、上部カバー6とほぼ類似する弓状、笠状または円弧状の断面を有してもよい。放熱部材4の下部には、凹状の反射面41が設けられ、放熱部材4の上面には多数の放熱フィン42が形成されてもよい。放熱フィン42は、上から見たとき、長さを有する線形構造に形成されてもよく、または針またはロッドの形状を有してもよい。本実施例では、各放熱フィン42が全体的に上部カバー6の下部に配置されているが、各放熱フィン42の尖端を細くし、その尖端を、空気流動孔61を介して外部に露出させることも考慮されてもよい。
【0041】
また、放熱部材4と上部カバー6との間には、これらを離隔した状態で連結する締結装置が設置されてもよい。放熱部材4は、熱伝導性のよい金属材料からなる。放熱部材4は、反射面41の反射性を高めるために放熱部材4の金属材料と異なる材料で形成された反射層を含むものでもよい。しかし、放熱部材4自体の金属表面が十分な反射性を有するならば、反射層は省略可能である。
【0042】
LEDモジュール3は、放熱部材4の下部反射面41に向かって光を発する複数のLED32と、複数のLED32が実装される印刷回路基板34とを含む。
【0043】
LED32は、リフレクタまたはハウジングのキャビティ内に一つ以上のLEDチップが収容され、キャビティに充填された透光性封止材によってLEDチップが封止された構造であってもよく、または、例えば、セラミック材料で形成された平らな基板上に一つ以上のLEDチップが実装され、平らな基板上にモールディングされた透光性封止材によってLEDチップが封止された構造であってもよく、さらに、印刷回路基板34上にLEDチップが直接実装され、印刷回路基板34上に形成された透光性封止材によってLEDチップが封止されたチップオンボードタイプのLEDであってもよい。LED32には、蛍光体などの波長変換材料が用いられてもよく、波長変換材料は、例えば、コンフォーマルコーティング(conformal coating)によってLEDチップ上に直接形成されてもよく、または封止材内に含まれてもよい。
【0044】
印刷回路基板34としては、放熱性能を高めるために熱伝導性のよい金属基板を含むMCPCB(Metal Core PCB)が好ましい。MCPCBは、基本的に、金属基板、導電性パターン、及び金属基板と導電性パターンとの間を絶縁する絶縁材料を含むものでもよい。本実施例において、LEDモジュール3は、各LED32が反射面41に対向するように傾斜して配置される。
【0045】
上述したように、LEDモジュール3は、連結部材5によって放熱部材4に熱伝導的かつ機構的に連結される。連結部材5は、熱伝導性のよい金属材料で形成されてもよい。連結部材5と放熱部材4は、同一の材料または異なる材料からなってもよい。
【0046】
図1図2を共に参照すると、連結部材5は、平らな面を有する平板形態のモジュール装着部52を含む。モジュール装着部52の上面には、LEDモジュール3が装着される。LEDモジュール3の印刷回路基板34の底面は、モジュール装着部52の上面に接着されてもよい。モジュール装着部52の一側端には、フック形状を有する主連結部54が設けられ、この主連結部54のフック形状に噛み合うように、放熱部材4には噛み合い溝が形成される。主連結部54が噛み合い溝に噛み合うことによって、LEDモジュール3は、連結部材5によって放熱部材4に機構的かつ熱伝導的に連結される。
【0047】
一方、主連結部54は、弾性変形可能に構成されることが好ましい。主連結部54と噛み合い溝との間の噛み合いは、作業者または使用者によって容易に解除することができ、この噛み合いの解除により、LEDモジュール3を放熱部材4から容易に分離することができる。
【0048】
さらに、モジュール装着部52の他側端には、フック形状を有する補助連結部56が設けられ、この補助連結部56のフック形状に噛み合う噛み合い形状部を有する補強支持部8が照明装置の一部に形成される。補強支持部8は、支柱2、放熱部材4または上部カバー6に設けられてもよい。補助連結部56と補強支持部8との間の噛み合いにより、LEDモジュール3をさらに確実にかつ堅固に固定することができる。補助連結部56と補強支持部8をさらに用いる場合、主連結部54と噛み合い溝との間の噛み合いの解除と、補助連結部56と補強支持部8の噛み合い形状部との間の噛み合いの解除により、連結部材5と結合されているLEDモジュール3を放熱部材4から分離することができる。また、補助連結部56は、弾性変形可能なフック構造を有することが好ましい。
【0049】
主連結部54と補助連結部56のフック形状は、多様に変更または変形可能なものであって、弾性変形及び復元によって噛み合い及び噛み合いの解除が容易な形状であれば足りる。
【0050】
モジュール装着部52は、略矩形の平板形態を有し、LEDモジュール3の印刷回路基板34は、モジュール装着部52にほぼ対応するような矩形を有する。複数のLED32は、印刷回路基板34上に複数の行と複数の列を含む行列配列で配置される。
【0051】
図3は、本発明の他の実施例に係るLED照明装置を示す断面図であり、図4は、図3に示したLEDモジュールを連結部材と共に示す斜視図である。
【0052】
図3及び図4を共に参照すると、連結部材5は、略三角形の断面を有するモジュール装着部52を含む。モジュール装着部52は、放熱部材4の反射面に対向して配向された第1のモジュール装着面522と、第1のモジュール装着面522と鋭角をなしながら交差する第2のモジュール装着面524とを含む。また、連結部材5は、第1のモジュール装着面522及び第2のモジュール装着面524に全てが交差するように形成されたベース面526を有する。
【0053】
第1のモジュール装着面522には第1のLEDモジュール3aが装着され、その第1のLEDモジュール3aの各LED32aが放熱部材4の反射面41に対向するように、第1のモジュール装着面522及びそれに付着された印刷回路基板34aが傾斜して配置される。また、第2のモジュール装着面524には第2のLEDモジュール3bが装着される。
【0054】
第1のLEDモジュール3aの各LED32aから出射して反射面41に反射された光は、支柱2に近い下方領域に到逹しにくい。第2のLEDモジュール3bは、印刷回路基板34b及びそれに実装された各LED32bが支柱2に近い下方領域に配向されるので、上述した第1のLEDモジュール3a及び反射面41による光で照射されない領域を照射するのに適している。第1のモジュール装着面522に対する第2のモジュール装着面524の角度を適宜異ならせて設計すると、第2のLEDモジュール3bによる照明領域を調節することができる。
【0055】
ベース面526は、支柱2に最も近く配置される部分であって、ベース面526の上端にフック形状を有する主連結部54を有する。この主連結部54のフック形状に噛み合うように、放熱部材4には噛み合い溝が形成される。主連結部54が噛み合い溝に噛み合うことによって、第1及び第2のLEDモジュール3a、3bは、連結部材5によって放熱部材4に機構的かつ熱伝導的に連結される。
【0056】
一方、主連結部54は、弾性変形可能に構成されることが好ましい。主連結部54と噛み合い溝との間の噛み合いは、作業者または使用者によって容易に解除することができ、この噛み合いの解除により、連結部材5に付着されている第1及び第2のLEDモジュール3a、3bを放熱部材4から容易に分離することができる。
【0057】
さらに、ベース面526の下端には、フック形状を有する補助連結部56が設けられ、この補助連結部56のフック形状に噛み合う噛み合い形状部を含む補強支持部8が照明装置の一部に形成される。補強支持部8は、支柱2、放熱部材4または上部カバー6に設けられてもよい。補助連結部56と補強支持部8との間の噛み合いにより、第1及び第2のLEDモジュール3a、3bをさらに確実にかつ堅固に固定することができる。補助連結部56と補強支持部8をさらに用いる場合、主連結部54と噛み合い溝との間の噛み合いの解除と、補助連結部56と補強支持部8の噛み合い形状部との間の噛み合いの解除により、第1及び第2のLEDモジュール3a、3bを放熱部材4から分離することができる。また、補助連結部56は、弾性変形可能なフック構造を有することが好ましい。
【0058】
図5は、本発明の更に他の実施例に係るLED照明装置を説明するための図である。
【0059】
図5に示すように、本実施例に係るLED照明装置1は、一対の放熱部材4、4と、一対の連結部材5、5とを含む。図面には、一対の放熱部材4、4が互いに一体的に連結されている場合を示しているが、これらは互いに分離されていてもよい。また、一対の連結部材5、5には、第1のLEDモジュール3aと第2のLEDモジュール3bとがそれぞれ装着されている。一対の放熱部材4、4は、第1のLEDモジュール3aの光を反射させる反射面41を下部に含む。また、一対の放熱部材4、4は、各放熱フィン42を上面に一体に備えている。
【0060】
本実施例に係る照明装置1は、一対の連結部材5、5及び連結部材5、5に接続されている各LEDモジュールを内部に収容するために、一対の上部カバー6、6及び一対の光学カバー7、7を含む。一対の上部カバー6、6は、互いに分離されていてもよく、互いに一体をなしていてもよい。同様に、一対の光学カバー7、7は、互いに分離されていてもよく、互いに一体をなしていてもよい。
【0061】
一対の連結部材5、5は、それ自体に接着された各LEDモジュール3a、3bで発生した熱を効果的に放出するために、各LEDモジュール3a、3bを各放熱部材4、4に熱伝導的かつ機構的に連結する。また、一対の放熱部材4、4は、各連結部材5、5に接着された第1及び第2のLEDモジュール3a、3bのうちそれ自身に対向して配向された第1のLEDモジュール3aから放射された光を反射させる反射面41、41を下部に含む。
【0062】
一対の放熱部材4、4は、支柱2を基準にして互いに対称的に配置され、弓状、笠状、または円弧状の断面を有してもよい。一対の放熱部材4、4の下部に具備された反射面41、41は、凹状に形成されることが好ましい。一対の放熱部材4、4の上面には、多数の放熱フィン42がそれぞれ形成されてもよい。
【0063】
各連結部材5、5は、各放熱部材4、4のそれぞれの先端に傾斜するように連結される。各連結部材5、5は、板状のモジュール装着部52を含む。前述の傾斜した配置により、モジュール装着部52は、傾斜した状態で放熱部材4の反射面41に対向する平らな第1のモジュール装着面522と、傾斜した状態で下側に対向する平らな第2のモジュール装着面524とを含む。第1のモジュール装着面522上には第1のLEDモジュール3aが装着され、第2のモジュール装着面524上には第2のLEDモジュール3bが装着される。
【0064】
モジュール装着部52の一側端には、フック形状を有する主連結部54が設けられ、この主連結部54のフック形状に噛み合うように、放熱部材4には噛み合い溝が形成される。主連結部54が噛み合い溝に噛み合うことによって、第1のLEDモジュール3a及び第2のLEDモジュール3bは、一対の連結部材5、5にそれぞれ装着された状態で一対の放熱部材4、4に熱伝導的かつ機構的に連結される。主連結部54は、放熱部材4に連結される部分に表面積増加パターンとして凹凸パターン542を含む。表面積増加パターン、または凹凸パターン542によって連結部材5と放熱部材4との間の接触表面積が増加し、放熱性能を高めることができる。
【0065】
一方、主連結部54は、弾性変形可能に構成されることが好ましい。主連結部54と噛み合い溝との間の噛み合いは、作業者または使用者によって容易に解除することができ、この噛み合いの解除により、第1及び第2のLEDモジュール3a、3bを放熱部材4から容易に分離することができる。
【0066】
図6は、本発明の更に他の実施例に係るLED照明装置を説明するための断面図である。
【0067】
図6に示したように、本実施例に係るLED照明装置1は、上述した実施例と同様に、LEDモジュール3と、LEDモジュール3で発生した熱を効果的に放出するための放熱部材4と、LEDモジュール3と放熱部材4との間を熱伝導的かつ機構的に連結する連結部材5とを含む。また、LED照明装置1は、支柱2の上端に結合された上部カバー6と、上部カバー6の下部を覆う光学カバー7とを含む。上部カバー6と下部の光学カバー7との間の空間には、上述したLEDモジュール3、放熱部材4及び連結部材5が位置する。
【0068】
上部カバー6は、弓状、笠状または円弧状の断面を有してもよく、一定の厚さを有する。上部カバー6を厚さ方向に上下に貫通するように、多数の空気流動孔61が形成される。各空気流動孔61を介して密閉空間内の熱くなった空気と密閉空間外部の冷たい空気との間に対流循環がなされ、LEDモジュール3の放熱性能を高めることができる。
【0069】
本実施例において、放熱部材4と連結部材5は、互いに一体をなしており、連結部材5は、放熱部材4の後端からフック形状に折り曲げられている。連結部材5は、前述のように折り曲げられ、放熱部材4の底面から離隔された状態に維持される部分と定義される。連結部材5は、上側に向かって押す力によって放熱部材4の底面に近づく方向に弾性変形し、その押す力の解除によって放熱部材4の底面から遠ざかる方向に弾性復元するようになっている。
【0070】
連結部材5の下部には、例えば、支柱2に設置された支持部8’が位置し、連結部材5と支持部8’との間には、LEDモジュール3の装着を許容するギャップが存在する。ギャップは、連結部材5の弾性変形によって変化してもよく、弾性変形が全くない状態においてLEDモジュール3の幅よりも小さな幅を有する。支持部8’は、支柱2のみならず、LED照明装置の他の部分に設置されてもよく、支持部8’が弾性変形可能な構造を含んでもよい。
【0071】
LEDモジュール3は、連結部材5の弾性変形を伴いながら連結部材5と支持部8’との間のギャップに挿入され装着される。LEDモジュール3が装着されたとき、連結部材5は、放熱部材4と一体的に連結されているので、LEDモジュール3で発生した熱は、熱伝導によって放熱部材4に効率的に伝達される。このように、LEDモジュール3は、連結部材5と支持部8’によって放熱部材4と機構的かつ熱伝導的に連結される。
【0072】
LEDモジュール3をギャップに対する挿入方向と反対の方向に取り外すときは連結部材5の弾性復元を伴い、これによって、LEDモジュール3が放熱部材4から容易に分離される。
【0073】
上述した実施例と同様に、LEDモジュール3は、放熱部材4の下部反射面41に向かって光を発する複数のLED32と、複数のLED32が実装される印刷回路基板34とを含む。印刷回路基板34は、各LED32の実装面と反対の面で空気に接触する。LEDモジュール3の後方、さらに、印刷回路基板34の後方は、放熱部材4の上部及び/または支柱2内の中空部につながる空気流動路に接しており、このため、対流による放熱性能もよい。連結部材5は、空気との接触表面積を増加させる表面積増加パターンとして凹凸パターン(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0074】
図7は、本発明の更に他の実施例に係る発光モジュールを説明するための断面図である。
【0075】
図7を参照すると、LEDモジュール3は、印刷回路基板34上に複数のチップレベルLED32、すなわち、各LEDチップ32が直接実装されてなる。各LED32は、コンフォーマルコーティング(conformal coating)によって直接形成された波長変換層321を含む。波長変換層321を有する各チップレベルLED32を封止するように、透光性封止材323が印刷回路基板34上に直接形成されてもよい。透光性封止材323は、一つ以上のレンズ部を含んでもよく、これら各レンズ部は、各チップレベルLED32が発した光を放熱部材4の反射面41に向かって適宜送る役割をしてもよい。印刷回路基板34としては、上述した実施例でも言及したように、MCPCBなどの金属基板を含むものを用いてもよい。
【0076】
チップレベルLED32上に波長変換層321を直接形成する代わりに、封止材323の内部、外表面、放熱部材4の反射面41、光学カバー7に蛍光体などの波長変換物質を用いてもよい。この場合、チップレベルLED32上に直接形成された波長変換層321は省略可能である。
【0077】
図示していないが、LEDモジュール3から出射した光が放熱部材4の反射面41に対向する経路の任意の位置、好ましくはLEDモジュール3と反射面41との間、さらに、反射面41上に、例えば、集光レンズのようなレンズがさらに設置されてもよい。このとき、前記レンズは、光が最も多く到逹する領域に配置した方がよい。
【0078】
また、図示していないが、放熱部材4の反射面41上に光の乱反射を誘導する多数の突起を形成してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7