(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明は、多重層シュリンクフィルムと、それから製造されるラベルとを提供する。これらフィルムとラベルは、30%を超える率で収縮でき、限定はしないが電池等の様々な物品の包装に適している。
【0013】
本発明の実施態様によれば、多重層シュリンクフィルムは、コア層と、コア層の両面に配置されたスキン層とを含んでいる。このシュリンクフィルムは、望めば結合層、接着層、等々の追加の層を含むことができる。
図1で示すように、本発明の1実施例によるシュリンクフィルム100は、上面112と下面114とを有したコア層110と、コア層の上面に配置された第1スキン層120と、下面に配置された第2スキン層130を含むことができる。
【0014】
図2は、本発明の別実施例によるシュリンクフィルムを図示する。シュリンクフィルム200は、上面212と下面214とを有したコア層210を含む。このフィルムはコア層の上面212に積層されたスキン層220と、コア層の下面214に積層されたスキン層230とを含む。シュリンクフィルム200はスキン層220とコア層210との間に配置された結合層240と、スキン層230とコア層210との間に配置された結合層250とをさらに含む。シュリンクフィルムはコア層と、それぞれのスキン層との間に結合層を含む必要がないことは理解されるであろう。例えば、このシュリンクフィルムは、結合層を全く有していない場合(
図1参照)、スキン層の一方とコア層との間に結合層(例:結合層240または250)を有している場合、あるいはそれぞれのスキン層間に結合層を有している場合(
図2参照)がある。
【0015】
コア層(Core Layer)
コア層は、(A)エチレンまたはプリピレンとアルファ−オレフィンのコポリマーを含んだアルファ−オレフィンコポリマーと、(B)ポリオレフィンコポリマーと、(C)オレフィンホモポリマーとのブレンドを含む。1実施例では、そのブレンドは35重量%未満のアルファ−オレフィンコポリマーと、少なくとも約60重量%のポリオレフィンコポリマーと、差部分のオレフィンホモポリマーとを含む。本発明人は、アルファ−オレフィンコポリマーがコア層の40重量%未満であっても優れた収縮物性が獲得できることを発見している。
【0016】
アルファ−オレフィンコポリマーは、エチレンまたはプロピレンとアルファ−オレフィンとのコポリマーの少なくとも1種を含む。そのコポリマーは一般的に約2から約8g/10分、または約3から約5g/10分の溶解流量(melt flow)を有する。このアルファ−オレフィンは直鎖状または分岐鎖状である。1実施例では、このアルファ−オレフィンはC
3からC
12のアルファ−オレフィンから選択される。別実施例では、このアルファ−オレフィンはC
4からC
8のアルファ−オレフィンから選択される。適したアルファ−オレフィンには、限定はしないが、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、等々、および、それらの2以上の組み合わせが存在する。1実施例では、このアルファ−オレフィンは1−ブテン、1−ヘキセン、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0017】
このアルファ−オレフィンコポリマーは、単一サイト(部位)メタロセン触媒を使用し、エチレンまたはプロピレンと、1−ブテンなどのアルファ−オレフィンとの共重合化を含む任意の適した方法によって得られる。適したアルファ−オレフィンコポリマーの非限定的な例には、三井化学から入手できるTAFMER(登録商標)が含まれる。
【0018】
このコア層は更に、ポリオレフィンコポリマーを含んでいる。このポリオレフィンコポリマーは、2個から約16個、または3個から約12個、または約4個から約8個の炭素原子を有した少なくとも2種のオレフィンを含むことができる。これらオレフィンには、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、等々が存在する。これらポリオレフィンは一般的に約2から約10g/10分、または約3から約8g/10分、または約4から約6g/10分の溶解流量を有する。
【0019】
1実施例では、このポリオレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレンまたはブチレン−エチレンコポリマーである。1実施例では、このポリオレフィンコポリマーは約10%以下のエチレン、多くの場合には約6%未満のエチレン成分を含むプロピレン−エチレンコポリマーである。約0.2%から約10%のエチレン成分が有用である。1実施例では、エチレン成分は約3重量%から約10重量%である。別実施例では、エチレン成分は約3重量%から約6重量%である。適したプロピレンコポリマーの例には、限定はしないが、ブラスケムから入手できるものが存在する。このポリオレフィンコポリマーがブチレンコポリマーである場合には、一般的に約0.5%から約12%、または約1%から約10%、または約1.5%から約8%の量のエチレンが含まれる。有用なブチレン−エチレンコポリマーの例には、2%のエチレン成分を有し、2.0g/10分の溶解流量であるDP8220と、6%のエチレン成分を有し、3.2g/10分の溶解流量であるDP8310が存在し、リオンデルバセルから入手できる。
【0020】
コア層は、プロピレンまたはブチレンホモポリマーのごとき、ポリオレフィンホモポリマーを含むことができる。適したプロピレンホモポリマーの非限定例にはバスケムから入手できるものが存在する。ブチレンホモポリマーの非限定例には、例えば「0300」(溶解流量4.0g/10分)のごときシェルケミカルカンパニーから入手できるものが存在する。
【0021】
1実施例では、コア層は約5重量%から約35重量%のアルファ−オレフィンコポリマー、約60重量%から約90重量%のポリオレフィンコポリマー、及び、約0.1重量%から約30重量%のオレフィンホモポリマーを含む。1実施例では、コア層はエチレンホモポリマーを含まない。
【0022】
優れた収縮物性を備えたシュリンクフィルムは、コア層組成物の40重量%未満のアルファ−オレフィンコポリマー成分によっても得られることが発見された。1実施例では、コア層は約35重量%以下のアルファ−オレフィンコポリマー、約60%以上のポリオレフィンコポリマーおよび差部分のオレフィンホモポリマーを含む。
【0023】
この多重層シュリンクフィルムは、コア層の上面を被覆する第1スキン層と、コア層の下面を被覆する第2スキン層とを有している。このスキン層組成物は特には限定されず、多様な物質から選択することが可能である。望ましくは、スキン層はコア層と同様な収縮率を有する。本発明の実施例では、スキン層は、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー、少なくとも1種のポリオレフィン、少なくとも2種のポリオレフィン、アルファ−オレフィンホモポリマーを含んだ少なくとも2種のアルファ−オレフィンポリマー(重合体)、アルファ−オレフィンコポリマー、またはアルファ−オレフィンホモポリマーとアルファ−オレフィンコポリマーの混合物、グリコール改質ポリエステル、またはそれらの2以上の組み合わせを含む。
【0024】
1実施例においては、少なくとも1つのスキン層は、少なくとも1種のアルファ−オレフィンコポリマーを含む。別実施例では、フィルムは、それぞれのスキン層が独立的に、少なくとも1種のアルファ−オレフィンコポリマー、少なくとも1種のアルファ−オレフィンコポリマーと少なくとも1種のアルファ−オレフィンホモポリマー、少なくとも2種のアルファ−オレフィンコポリマー、または少なくとも2種のアルファ−オレフィンコポリマーと少なくとも1種のアルファ−オレフィンホモポリマーを含んでいる2種のスキン層を含んでいる。アルファ−オレフィンホモポリマー及びコポリマーは、ASTM D1238の溶解指数(溶解流量)1〜10g/10分を有した核形成されたポリエチレンホモポリマーであり得るアイソタクティックポリプロピレンホモポリマーと、例えば、プロピレン−エチレンコポリマーのごとき核形成が可能なポリプロピレンコポリマーと、ポリエチレンコポリマーとを含むことができる。スキンの有用なアルファ−オレフィンポリマーは、フリントヒルズリソーシズの核形成されたアイソタクティックポリプロプレンホモポリマーP4GK−173Xと、フリントヒルズリソーシズの核形成されたプロピレン−エチレンコポリマーP5M4K−070Xのごときポリプロピレンコポリマーと、メタロセン触媒によって調製されたエチレン−1−オクテンコポリマーであるダウのAFFINITY KC8852のごとき非常に低密度のポリエチレンコポリマーを含む。これらアルファ−オレフィンコポリマーは、約10重量%から約50重量%、または約15重量%から約45重量%、または約20重量%から約40重量%、または約30重量%から約35重量%でスキン層に存在できる。アルファ−オレフィンホモポリマーは、90重量%まで、または80重量%まで、または70重量%までスキン層に存在できる。明細書と請求の範囲の数値は組み合わせて新規または非開示である数値範囲を形成できる。
【0025】
1実施例では、スキン層はポリオレフィンブレンドを含むことができる。1実施例では、このポリオレフィンブレンドは、(A)エチレンまたはプロピレンとアルファ−オレフィンのコポリマーを含んだアルファ−オレフィンコポリマーと、(B)ポリオレフィンコポリマーと、(C)オレフィンホモポリマーとのブレンドを含む。このようなブレンドはコア層に関して上述されている。
【0026】
別実施例では、スキン層は、大部分を占める1以上のオレフィンホモポリマーと、エチレンまたはプロピレンとアルファ−オレフィンの1以上のコポリマーの少量とを含んだポリオレフィンブレンドを含む。1実施例では、このオレフィンホモポリマーは、スキン層のポリマーの約55重量%から約95重量%、または約60重量%から約85重量%、または約80重量%の量で存在する。これらオレフィンコポリマーはスキン層の残部分を構成する。1実施例では、スキン層はエチレンホモポリマーを含まない。別実施例では、スキン層はエチレンプロピレンコポリマーを含まない。
【0027】
1実施例では、スキン層は、エチレンまたはプロピレン、及び、例えば、アクリル酸アルキル、アクリル酸、アルキルアクリル酸、酢酸ビニル、およびそれらの2以上の組み合わせから選択される官能性モノマー(単量体)から誘導される熱可塑性コポリマーまたはターポリマー(三重合体)を含むことができる。1実施例では、この官能性モノマーはアクリル酸アルキル、アクリル酸、アルキルアクリル酸、およびそれらの2以上の組み合わせから選択される。アクリル酸アルキルとアルキルアクリル酸のアルキル基は、例えば、1個から約8個の炭素原子を含み、1実施例では、1個から約2個の炭素原子を含む。コポリマーまたはターポリマーの官能性モノマー成分は、コポリマー分子またはターポリマー分子の約1から約15モル%であり、1実施例では約1から約10モル%である。適した官能化熱可塑性ポリマーの非限定例には、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸メチルコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/アクリル酸ブチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、ナトリウムまたは亜鉛を含んだエチレン/メタクリル酸コポリマー(イオノマーとも呼称)、酸−、無水−またはアクリル酸塩改質エチレン/酢酸ビニルコポリマー、酸−または無水−改質エチレン/アクリル酸塩コポリマー、無水−改質低密度ポリエチレン、無水−改質直鎖状低密度ポリエチレン、およびそれらの2以上の組み合わせが存在する。適したエチレン/酢酸ビニルコポリマーの非限定例には、少なくとも約10重量%の酢酸ビニル成分のものが含まれ、1実施例では、約18重量%から約25重量%のものが含まれる。使用可能で商業的に入手できるコポリマーとターポリマーの例には、限定はしないが、セラニースから入手できるEVA1821であるエチレン/酢酸ビニルコポリマーが存在する。これらコポリマーとターポリマーは約50重量%までスキン層120及び130に存在でき、1実施例では約10から約35重量%、1実施例では約50重量%の密度でスキン層120及び130に存在できる。スキン層にイオノマーを採用した実施例では、フィルム構造は一般的に結合層を含むべきである。
【0028】
1実施例では、スキン層はグリコール改質ポリエステルを含むことができる。このような実施例はフィルム構造の一部として結合層も含むべきである。グリコール改質ポリエステル物質は、(1)エチレングリコール以外の二官能性アルコールモノマー、または(2)2以上の二官能性アルコールモノマーであって、その1つがエチレングリコールでもよいものとのジカルボン酸の重合によって調製されるポリマーを含むことができる。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、2以上の二官能性アルコールであって、その1つがエチレングリコールであるものとジカルボン酸の重合によって調製されるポリマーを含むことができる。
【0029】
この二官能性カルボン酸は芳香族ジカルボン酸でよい。この改質ポリエステル樹脂での使用に適した芳香族ジカルボン酸の例には、限定はしないが、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、それらの誘導体、およびそれらの2以上の組み合わせが存在する。1実施例では、その芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸である。
【0030】
ここで使用するグリコール改質ポリエステル樹脂は、1以上の脂肪族または脂環式二官能性ジカルボン酸も共重合化成分として含むことができる。適した脂肪族ジカルボン酸成分の非限定実施例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオイック酸、ドデカンジオイック酸、トリデカンジオイック酸、テトラデカンジオイック酸、ペンタデカンジオイック酸、ヘプタデカンジオイック酸、オクタデカンジオイック酸、ノナデカンジオイック酸、イコサンジオイック酸、ドコサンジオイック酸、1,12−ドデカンジオイック酸、およびそれらの誘導体が存在する。適した脂環式ジカルボン酸成分の非限定例には、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、およびそれらの置換誘導体が存在する。共重合化成分は単独または組み合わせて使用することが可能であることは理解されるであろう。
【0031】
上述したように、グリコール改質ポリエステルは二官能性アルコールから誘導される成分を含む。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、エチレングリコール以外の単一タイプの二官能性アルコールから誘導される成分を含む。別実施例では、グリコール改質ポリエステルは、それら2種以上のモノマーの1つがエチレングリコールでもよい2種以上の二官能性アルコールから誘導される成分を含む。
【0032】
グリコール改質ポリエステルを形成するのに使用される二官能性アルコールには、例えば、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、およびそれらの2以上の組み合わせが存在する。適した脂肪族ジオールの非限定例には、エチレングリコール(少なくとも1種の二官能性アルコールと共に使用される場合)、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールが存在する。適した脂環式ジオールの非限定例には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールが存在する。
【0033】
1実施例では、改質ポリエステルは50モル%の二官能性アルコールと50モル%のジカルボン酸を含む。すなわち、1:1のモル比の二官能性アルコールとジカルボン酸を含む。グリコール改質ポリエステルが複数の二官能性アルコールから誘導される実施例においては、二官能性アルコールの総モル百分率は50モル%であり、それぞれの二官能性アルコールの百分率は、グリコール改質ポリエステルの物性を調節することを含んだ特定目的または使用意図に応じて自由に選択できる。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、0.1から49.9モル%の量の第1二官能性アルコールと、49.9から0.1モル%の量の第2二官能性アルコールとから誘導される。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、1から49モル%の量の第1二官能性アルコールと、49から1モル%の量の第2二官能性アルコールとから誘導される。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、5から45モル%の量の第1二官能性アルコールと、45から5モル%の量の第2二官能性アルコールとから誘導される。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、10から40モル%の量の第1二官能性アルコールと、40から10モル%の量の第2二官能性アルコールとから誘導される。1実施例では、グリコール改質ポリエステルは、25モル%の量の第1二官能性アルコールと、25モル%の量の第2二官能性アルコールとから誘導される。グリコール改質ポリエステルは以上のごとき実施例には限定されず、50モル%の全二官能性アルコール成分量を提供するために3以上の二官能性成分を含むことができることは理解されるであろう。明細書および請求の範囲の数値は組み合わされて新規または非開示の数値範囲を創出することができる。
【0034】
1実施例では、改質ポリエステルは、グリコール改質ポリエチレンテレフタレート(PETG)である。グリコール改質ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸をエチレングリコール以外の二官能性アルコールまたは2以上の種類の二官能性アルコール(それらのうちで1種の二官能性アルコールはエチレングリコールでも可)によって縮合することで得られる。1実施例では、PETGはテレフタル酸をエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールで縮合することで得られる。別実施例では、グリコール改質ポリエステルは、ジメチルテレフタル酸を採用する。
【0035】
改質PETGの適した物質の例には、限定はしないが、イーストマンからEASTER、EASTMAN SPECTAR、及び、EASTMAN EMBRACEとして販売される改質PETG樹脂が存在する。
【0036】
スキン層は、追加の熱可塑性ポリマー物質をさらに含むことができる。このポリマー物質は、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル、環式オレフィンコポリマー、およびそれらの2以上の混合物でよい。使用可能な商業的に入手できる物質の例はDOW 5A97である。別例は高密度ポリエチレンであるEQUISTAR H6012である。このポリマー物質は、層120及び130に約25から約100重量%の密度(濃度)で存在でき、1実施例では、約60から約95重量%の密度(濃度)で存在できる。
【0037】
スキン層は、同一または異なる組成物を有することができる。同一化学成分を含むが、それぞれの成分の密度(濃度)が異なる場合には、組成物は異なると考えることができる。
【0038】
更に、スキン層は表示または他の望むマーキングをフィルムに印刷できるようにデザインできる。スキン層は、スキン層の印刷性を増強することが可能である任意の好適な添加剤を採用することで印刷を可能にできる。ポリオレフィン組成物で製造されたスキン層は、そのようなスキン層の印刷性を増強するようにコロナ処理またはフレーム処理できる。
【0039】
結合層(Tie Layer)
前述したように、熱収縮性である多重層ヒートシュリンクフィルムは少なくとも1つの結合層を含むことができる。多重層フィルムは、コア層と直に接するスキン層(例:
図1)、スキン層とコア層との間の結合層、またはそれぞれのスキン層とコア層との間の結合層(例:
図2)を有することができる。これら結合層はフィルム層の接着を改善するように機能する。
【0040】
これら結合層は、コア層とスキン層との接着性を向上させる任意のポリマーを含むことができる。適した結合層の例には、限定はしないが、エチレン−メタクリル酸コポリマーおよびエチレン−酢酸ビニルコポリマーのごときアルケン−不飽和カルボキシル酸またはカルボキシル酸誘導コポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマーの亜鉛塩のごときイオノマー、マレイン無水グラフトエチレン−酢酸ビニルコポリマーおよびマレイン無水グラフトポリエチレンのごとき不飽和ジカルボン酸無水グラフトポリマーおよびコポリマー、例えば、1−ブテン成分を14重量%まで有したプロピレン−1−ブテンコポリマーのごとき高アルファ−オレフィンコモノマー成分を有したスチレン−ブタジエンコポリマー、C
3またはそれ以上のアルファ−オレフィンコポリマーが存在する。適した結合層の例には、アケルマから入手できるPLATAMID、リオンデルバセルから入手できるPLEXAR、及び、デュポンケミカルから入手できるCXAまたはBYNEL結合層が存在する。
【0041】
結合層は1以上の接着物質を含むことができ、オプションで1以上の追加フィルム形成用熱可塑性ポリマー物質と組み合わすことができる。適した接着物質には、限定はしないが、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸メチルコポリマーおよびエチレンアクリル酸ブチルコポリマーが存在する。使用可能な商業的に入手できる物質の例には、エクソンモービルから入手できるエチレンアクリル酸メチルコポリマーであるOPTIMA TC120が存在する。この物質は、21.5重量%のアクリル酸メチル成分を含有し、密度が0.942g/ccであり、溶解流量が6.0g/10分である。別例はセラニーズから入手できるEVA1821である。使用できる他の適したフィルム形成用熱可塑性ポリマー物質には、限定はしないが、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのコポリマー、中密度のポリエチレン(約0.924から約0.939g/ccの密度)、並びに、エチレン、酢酸ビニルおよび無水リンゴ酸(malic anhydride)のターポリマー、並びに、エチレン、酢酸ビニルおよびアクリル酸のターポリマーが存在する。使用可能である商業的な熱可塑性ポリマー物質の例はDOW 5A97である。接着物質と追加フィルム形成用熱可塑性ポリマー物質の重量比は、約10:90から約100:0であり、1実施例では、約40:60から約70:30であり、1実施例では、約50:50である。
【0042】
添加剤(Additives)
熱収縮性であるフィルムは、フィルムの製造性および処理性、並びに/又は、フィルムの利用性を高めるために1以上の添加剤を含むことができる。単層フィルムまたは多重層フィルムの層のそれぞれは少なくとも1種の添加剤を含むことができる。適した添加剤には、限定はしないが、粘着防止剤、処理補助剤、核形成剤、充填剤、顔料および染色剤を含む着色剤、静電防止剤、酸化防止剤、滑動剤、紫外線安定剤、並びに、それらの2以上の混合物が存在する。添加剤は、フィルムまたはフィルム層にフィルムのポリマーの成分として導入でき、そこで添加剤は、例えば、ポリマーと核形成剤のブレンドである核形成ポリプロピレンポリマー、又は、粘着防止剤(antiblocking agents)および処理促進剤(processing aids)のごとき添加剤ならびにキャリア樹脂を含んだ添加剤濃縮物としてフィルムポリマーとブレンドされる。スキン層とコア層は、フィルムの剛性と透明性を高めるために核形成剤を含むことができる。スキン層は、製造性および処理性を高めるように、粘着防止剤、処理促進剤および静電気防止剤を含む表面活性添加剤を含むことができる。核形成剤は一般的に、上述した核形成ポリプロピレンフィルムポリマーのごときフィルムポリマーの成分である。有用な粘着防止剤には、A.シャルマンから入手できる粘着防止濃縮物であるAMPACET409160(SEABLOCK−4)およびABPP05−SCが存在する。有用な処理促進剤は、処理補助剤濃縮物AMPACRT401198を含む。それぞれの添加剤はフィルムまたはフィルムの層に約0.005重量%から約20重量%、または約0.01重量%から約15重量%、または約0.02重量%から約10重量%存在することができる。
【0043】
接着剤(Adhesives)
オプションで、シュリンクフィルムは、フィルムの外面(例:スキン層の1つの外面)に提供される接着剤を含むことができる。有用な感圧接着剤(PSA)の説明は、ウィリ−インターサイエンスパブリッシャ出版(ニューヨーク、1988年)のポリマー科学/工学百科事典、第13巻で見つけることができる。有用なPSAの追加説明はインターサイエンスパブリッシャ出版(ニューヨーク、1964年)のポリマー科学技術、第1巻で見つけることができる。アクリル系PSA、ゴム系PSAおよびシリコン系PSAを含んだ従来のPSAが有用である。このPSAは溶剤系または水系の接着剤である。ホットメルト接着剤でも使用できる。1実施例では、このPSAはアクリルエマルジョン接着剤を含んでいる。
【0044】
接着剤と、接着剤が提供されるフィルムの表面は、良好な接着固定部を提供するに十分な適合性を有する。接着剤は接着成分がフィルム内に侵入しないようにも選択できる。
【0045】
1実施例では、接着剤はアクリル系ポリマーから製造できる。基材に接着できる程度に十分な粘性を備えた接着層を形成できる任意のアクリル系ポリマーを本発明は想定する。特定の実施例では、感圧接着層のためのアクリルポリマーは、アルキル基に約4個から約12個の炭素原子を含んだ少なくとも1種のアクリル酸アルキルモノマーの重合化から形成され、米国特許第5264532号で開示されているように、ポリマーまたはコポリマーの約35から95重量%の量で存在するものが存在する。オプションでは、アクリル系感圧接着剤は単一ポリマー種から形成できる。
【0046】
アクリルポリマーを含んだPSA層のガラス転移温度は、米国特許第5264532号が教示するようにコポリマーの極性の量の調整または“ハードモノマー”によって変えることが可能である。アクリルコポリマーのハードモノマーの重量百分率が大きいほど、ガラス転移温度は高くなる。本発明に有用であると考えられるハードモノマーには、ポリマーの約0から約35重量%の重量密度のビニルエステル、カルボン酸、及び、メタクリル酸塩が存在する。
【0047】
PSAは、米国特許第5164444号(アクリルエマルジョン)、米国特許第5623011号(粘着性アクリルエマルジョン)および米国特許第6306982号で教示するもののごときアクリル系でよい。この接着剤は、米国特許第5705551号(ゴムホットメルト)で教示されているようなゴム系でもよい。それはまた、米国特許第5232958号(UV硬化アクリル)および米国特許第5232958号(EB硬化)で教示するようなイニシエータ(開始剤)および他の成分との放射線硬化タイプのモノマー混合物でもよい。
【0048】
商業的に入手できるPSAは本発明で有用である。それら接着剤の例には、ミネソタ州セントポールのHBフラーカンパニーから入手できるホットメルトPSAであるHM−1597、HL−2207−X、HL−2115−X、HL−2193−Xが存在する。他の有用な商業的に入手できるPSAには、オハイオ州コロンブスのセンチュリーアドヒーシブコーポレーションから入手できるものが存在する。別な有用なアクリルPSAには、米国特許第6306982号の実施例2で解説されているエマルジョンポリマー粒子と分散粘着粒子のブレンドが存在する。このポリマーは、米国特許第5164444号で説明されているように、2−アクリル酸エチルヘキシル、酢酸ビニル、マレイン酸ジオクチル、並びに、アクリル及びメタクリルのコモノマーのエマルジョン重合化によって製造され、ラテックス粒子サイズが約0.2ミクロンの重量平均径であり、約60%のゲル成分を含むものである。
【0049】
ホットメルト接着剤の商業例はH2187−01であり、ウィスコンシン州ワウワツサのアトフィンドレイインクにより販売されている。加えて、米国特許第3239478号で説明されているゴム系ブロックコポリマーPSAもまた本発明の接着構造体に利用できる。この特許は、以下にて更に十分に説明されているホットメルト接着剤の開示のために、参照により組み込まれている。
【0050】
別実施例では感圧接着剤は、有用なゴム系エラストマー物質を含むゴム系エラストマー物質を含み、有用なゴム系エラストマー物質は、ジブロック構造A−B、トリブロック構造A−B−A、放射構造(ラジアル構造)または連結構造(A−B)n、および、それらの組み合わせによって現される直鎖、分岐鎖、グラフト、またはラジアルブロックのコポリマーを含む。ここで、Aは、硬質熱可塑性フェーズまたはブロックであり、これは室温では非ゴム性またはガラス性あるいは結晶性であるが、さらに高い温度では流体であり、Bは、利用時または室温ではゴム性またはエラストマー性である柔軟ブロックである。これら熱可塑性エラストマーは、約75重量%から約95重量%のゴム系部分と、約5重量%から約25重量%の非ゴム系部分を含むことができる。
【0051】
非ゴム系部位またはハードブロックは、単環式および多環式芳香族炭化水素のポリマーを含み、特には物性が単環式または二環式でよいビニル置換芳香族炭化水素を含む。ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびスチレンブタジエンゴム等のごときゴム物質が、ゴム系ブロックまたはセグメントを形成するのに使用できる。特に有用なゴム系セグメントには、ポリジエンと、エチレン/ブタジエンまたはエチレン/プロピレンコポリマーの飽和オレフィンゴムが含まれる。後者のゴムは、その水素化によって、ポリブタジエンおよびポリイソプレンのごとき対応する不飽和ポリアルキレンモイエティ(moiety,構成部分)から得ることができる。
【0052】
利用可能なビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックコポリマーには、エラストマー物性を示す任意のものが存在する。ブロックコポリマーは、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、スターブロック、ポリブロックまたはグラフトブロックコポリマーでよい。本明細書を通して、ブロックコポリマーの構造的特徴に関するジブロック、トリブロック、マルチブロック、ポリブロック、およびグラフトまたはグラフトブロックとは、ニューヨーク州のジョンウィリー&サンズインクのポリマー科学・工学百科辞典、第2巻(325〜326ページ)(1985年)およびハーウッドアカデミックパブリッシャー、デールJマイヤー編集によるJ.E.マクグレイスのブロックコポリマー、科学技術(1〜5ページ)(1979年)で定義されている通常の意味を有するものである。
【0053】
そのようなブロックコポリマーは、約40重量%までのビニル芳香族炭化水素を含んでいるものを含んだビニル芳香族炭化水素に対する様々な割合の共役ジエンを含むことができる。従って、直線状または放射線状の対称または非対称であり、A−B、A−B−A、A−B−A−B、B−A−B、(AB)
0,1,2・・・BA、等々で現される構造を有するマルチブロックコポリマーが使用できる。ここでのAは、ビニル芳香族炭化水素のポリマーブロックであるか、共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素テーパコポリマーブロックであり、Bは、共役ジエンのゴム系ポリマーブロックである。
【0054】
これらブロックコポリマーは、モノマーの連続追加、モノマーの少しずつ漸増追加、あるいは例えば、米国特許第3251905号、第3390207号、第3598887号および第4219627号で説明されているような連結技術を含んだ任意の知られたブロック重合化または共重合化手法によって調製できる。良く知られているように、テーパコポリマーブロックを、それらの共重合化反応率の差異を利用した共役ジエンとビニル芳香族炭化水素モノマーの混合物の共重合化によってマルチブロックコポリマーに取り込むことができる。米国特許第3251905号、第3639521号および第4208356号を含んだ様々な特許は、テーパコポリマーブロックを含むマルチブロックコポリマーの調製を解説する。
【0055】
これらポリマーおよびコポリマーを調製するのに使用できる共役ジエンは、4個から約10個の炭素原子、一般的には4個から6個の炭素原子を有したものである。その例には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、等々が存在する。これら共役ジエンの混合物でも使用できる。
【0056】
それらコポリマーの調製に使用できるビニル芳香族炭化水素の例には、スチレンおよびo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、ベータ−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレン等が存在する様々な置換スチレンが存在する。
【0057】
多くの上記の共役ジエンのコポリマーとビニル芳香族化合物が商業的に入手できる。水素化に先立つブロックコポリマーの数平均分子量は、約20000から約500000、または約40000から約300000である。
【0058】
それらコポリマー内の個別ブロックの平均分子量は一定の制限内で変動できる。大抵の場合には、ビニル芳香族ブロックは、約2000から約125000、または約4000から約60000の数平均分子量を有するであろう。共役ジエンブロックは、水素化の前または後で約10000から約450000、または約35000から150000の数平均分子量を有するであろう。
【0059】
また、水素化前に、共役ジエン部分のビニル成分量は、改質ブロックコポリマーがゴム質弾性を備えることが望まれるとき、一般的には約10%から約80%、または約25%から約65%、特に35%から55%である。ブロックコポリマーのビニル成分量は核磁気共鳴(NMR)によって計測できる。
【0060】
ジブロックコポリマーの特定例には、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)およびそれらの水素化誘導体が存在する。トリブロックポリマーの例には、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、アルファ−メチルスチレン−ブタジエン−アルファ−メチルスチレン、およびアルファ−メチルスチレン−イソプレン−アルファ−メチルスチレンが存在する。本発明で接着剤として使用でき、商業的に入手できるブロックコポリマーの例には、KURATONとしてクラトンポリマーズLLCから入手できるものが存在する。
【0061】
1,4および1,2アイソマーの混合物のゴムセグメントを含んだSBSコポリマーの水素化で、スチレン−エチレン−ブチレン スチレン(SEBS)ブロックコポリマーが得られる。同様に、SISポリマーの水素化でスチレン−エチレン プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマーが得られる。
【0062】
ブロックコポリマーの選択的水素化は、ラネーニッケルのごとき触媒、プラチナ、パラジウム、等々の貴金属、および溶解性遷移金属触媒の存在下での水素化を含む多様な公知の方法によって実行できる。適した水素化方法は、ジエン含有ポリマーまたはコポリマーが、シクロヘキサンのごとき不活性炭化水素希釈剤中で溶解され、溶解性水素化触媒の存在下における水素との反応によって水素化されるものである。そのような方法は米国特許第3113986号および第4226952号で説明されている。ブロックコポリマーのそのような水素化は、水素化に先立つその元来の不飽和成分量の約0.5%から約20%のポリジエンブロックの残留不飽和成分量を有する水素化コポリマーを選択的に調製するように実行される。
【0063】
1実施例では、ブロックコポリマーの共役ジエン部分は、少なくとも90%、およびしばしば少なくとも95%の飽和状態であり、ビニル芳香族部分はさほど水素化されていない。特に有用な水素化されたブロックコポリマーは、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロックポリマーのような、スチレン−イソプレン−スチレンのブロックコポリマーの水素化生成物である。ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーが水素化されるとき、ポリマー内の1,2−ポリブタジエンと1,4−ポリブタジエンの比が約30:70から約70:30であることが望ましい。そのようなブロックコポリマーが水素化されると、得られる生成物は、エチレンと1−ブタジエン(EB)の普通のコポリマーブロックに類似する。前述したように、共役ジエンがイソプレンとして使用されるとき、得られる水素化生成物はエチレンとプロピレン(EP)の通常のコポリマーブロックに類似する。
【0064】
いくつかの選択的に水素化されたブロックコポリマーがコラトンポリマーズからKRATON Gとして商業的に入手できる。1例は、KRATON G1652であり、これは水素化SBSトリブロックであり、約30重量%のスチレン端ブロックと、エチレンと1−ブタン(EB)のコポリマーである中央ブロックとを含む。低分子量バージョンのG1652は、KRATON G1650として入手できる。KRATON G1651は別なSEBSブロックコポリマーであり、約33重量%のスチレンを含む。KRATON G1657はSEBジブロックコポリマーであり、約13重量%のスチレンを含む。このスチレン成分量はKRATON G1650やKRATON G1652のスチレン成分量よりも少ない。
【0065】
フィルムと構造物(Films and Constructions)
多重層シュリンクフィルムは、コア層と、コア層の両面を被覆する外側スキン層とを含む。このシュリンクフィルムは、スキン層間に配置される1以上の結合層を含むことができる。このシュリンクフィルムは特定の目的または意図する使用形態のために、スキン層とコア層との間に配置された所望の他の層を含むことができる。さらに、シュリンクフィルムは、物品とシュリンクフィルムとの間の接着力を向上させるためにシュリンクフィルムの外面(例:スキン層の外側面)に接着層を含むことができる。
【0066】
フィルム、並びに、それぞれのコア層およびスキン層の厚みは、特定の目的または意図する使用形態に合わせて自由に選択できる。1実施例ではフィルムは、約0.5から約10ミル(mil)の厚みを有することができる。別実施例では、フィルムは約1.5から約8ミルの厚みを有することができる。別実施例では、フィルムは約3から約5ミルの厚みを有することができる。1実施例では、フィルムは約1.5ミルの厚みを有する。別実施例では、シュリンクフィルムは約2.0ミルの厚みを有する。本明細書および請求の範囲の個別の数値は組み合わされて追加及び/又は非開示範囲を有することができる。
【0067】
コア層はシュリンクフィルムの主要部分を含むことができる。一般的には、コア層は、約0.6から約11ミル、または約0.8から約8ミル、または約1から約5ミル、または約1.2から約2.5ミルの厚みを有する。1実施例では、コア層はそれぞれの外側層の厚みの約2倍から20倍でよい。コア層と、組み合わされたスキン層の厚みの比の例には、90:10、80:20、70:30、等々が含まれる。スキン層のコア層に対する、及び、スキン層の外側スキン層に対する厚みの比(つまり、スキン層:コア層:外側スキン層)は、5〜20:90〜60:20〜5、または10〜15:70〜90:15〜10である。3層フィルムの厚みの比には、5:90:5、10:80:10、15:70:15、20:60:20、等々が含まれる。2つのスキン層が同じ厚みである必要はない。
【0068】
1実施例では、フィルムは約30%以上の収縮率を示す。別実施例では、フィルムは約35%以上の収縮率を示す。さらに別な実施例では、フィルムは約40%以上の収縮率を示す。収縮率は、ASTM D1204によって270°Fにて計測できる。
【0069】
1実施例では、収縮温度範囲は250°Fから270°Fである。これらフィルムは機械方向に、例えば単一軸的に配向できる。フィルムは約0.5から約12ミル、または約1から約8ミル、または約1.5から約5ミルの厚みを有することができる。本明細書および請求の範囲の数値範囲と比の限定は組み合わせが可能である。
【0070】
フィルムは、フレキソ印刷およびグラビア印刷に耐える十分な強度を有する。これらフィルムは、約150000から約500000psi、または約175000から約400000psi、または約200000から約300000psiのヤング係数を有する。ヤング係数はASTM D882によって計測される。1実施例では、コア層は酢酸ビニル樹脂を含まない。
【0071】
多重層シュリンクフィルムは、従来および将来の方法を含めた、フィルムを形成するのに適した任意の方法で製造できる。例えばフィルムは、同時押出し加工、押出し被膜加工、積層加工、等々によって製造できる。フィルムは単軸的または双軸的に配向できる。単軸的に配向されたフィルムは機械方向または横断方向に配向できる。本発明のいくつかの実施例の押出し成形または同時押出し成形されたフィルムは、1ステップまたは2ステップの引張加工工程または引延加工工程によって機械方向に引っ張ることによって配向加工できる。引延比または引張比は1.1〜9:1、2〜9:1、3〜7:1、4〜6:1、1.1〜3:1または1.1〜2:1でよい。引延または引張温度は、90から140℃、または100から135℃、または105から130℃でよい。1実施例では、フィルムは引延比4.6〜5.4:1、引延温度108〜118℃で機械方向に配向される。別実施例では、フィルムは機械方向のみに単軸的に配向できる。本発明の1実施例では、フィルムは、引延比5.5〜6.5:1、引延温度116〜126℃で機械方向に配向され、別実施例では、この配向は単軸的に機械方向のみである。
【0072】
フィルムを押出し加工および配向するプロセスは、アダムス他の米国特許第5709937号とラッコバン他の米国特許第5435936号に記載されている。
【0073】
作製されたフィルムは、印刷性または接着剤への接着性を向上させるために1面または上下の両面をさらに処理できる。この処理には、例えばラッカー等の表面被覆材を塗布し、高エネルギー放電を適用して表面をコロナ放電処理し、表面にフレーム(火炎)処理を施し、あるいはそれら処理の組み合わせを実行することが含まれる。本発明の1実施例では同時押出し加工されたフィルムは両面がコロナ放電処理され、別実施例では、同時押出し加工されたフィルムは、1面がコロナ放電で処理され、他面がフレーム処理される。
【0074】
感圧接着剤は、アクリル系またはゴム系感圧接着剤のごとき任意の溶剤系またはエマルジョン系感圧接着剤でよい。一般的には、接着剤は、約10から約40g/m
2、または約20から約25g/m
2の被膜重量でフィルム上に施される。特に有用な接着剤の例はエーブリーケミカルズから入手できるS2001である。
【0075】
上述したように、これらフィルムは多数のシュリンクフィルム形態で有用である。感圧接着剤をフィルムの印刷可能面、例えば、軟質極性添加剤を有した面に加えることでフィルムはラベルに変換できる。印刷表示は感圧接着剤を加える前にフィルム上に提供できる。接着剤は専門家に知られている任意の従来品でよい。
【0076】
本発明のラベルは、上述のようなスキン層、コア層および印刷層の同時押出し成形によって作製できる。続いてこのフィルムはグラビア印刷され、シリコン処理紙のごとき剥離ライナー(裏地)上の感圧接着剤に積層される。
【0077】
例えば電池等の物体を包装するのにラベルは特に有用である。説明のため、上記フィルムはライナーと共に感圧接着剤に積層される。このフィルムはダイカットされて個別ラベルが形成され、ラベルを包囲するマトリックスは除去される。続いて得られるラベルは電池に適用され、次にヒートトンネル(熱トンネル)内で収縮包装される。ヒートトンネルの温度は約250から260°Fである。本発明のラベルは端部の皺形成なく電池を包装する。電池を包装するのにこれらラベルが使用されるとき、それらラベルが電池の充電状況を決定するのに使用される回路をさらに含むことができることは理解されよう。回路はラベル内部や、例えば、ラベルの接着面またはラベルの外側面に提供でき、その後に回路を上述のごとき別フィルムでさらに覆うか、損傷から防護するようにニス処理することができる。電池の包装体と、電池ラベルのための回路の説明と共に電池を包装する方法とは、リン他の米国特許第5190609号において解説されている。
【0078】
本発明は好適実施例に関して説明されているが、専門家であればそれらの様々な変更が可能であることは理解するであろう。従って、ここで開示されている発明は、特許請求の範囲によってカバーされるそれら変形例も含むものである。