(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クロック周波数ジェネレータは、前記第1の時間期間中および前記第2の時間期間中にサンプルクロック周波数を有するサンプルクロック信号を生成するようにさらに構成され、前記スイッチドキャパシタ回路は、前記サンプルクロック信号を受け取るように結合され、前記スイッチドキャパシタ回路は、ノッチ特性をさらに含み、前記ノッチ特性は、前記再分配クロック周波数に関係するノッチ周波数を有する、請求項1に記載の磁界センサ。
前記クロック周波数ジェネレータは、3つ以上の異なる時のそれぞれにおいて、前記スイッチドキャパシタ回路の3つ以上のユニティゲイン周波数のそれぞれをもたらし、前記回路パラメータの較正について3つ以上のレートのそれぞれをもたらすために、3つ以上の再分配クロック周波数を有する前記再分配クロック信号を生成するように構成される、請求項2に記載の磁界センサ。
前記第1の時間期間は、前記磁界センサのスタートアップに近接する時に始まり、前記第2の時間期間は、前記第1の時間期間の終りに近接する時に始まる、請求項2に記載の磁界センサ。
前記磁界センサは、ターゲット物体の最も近くに配置され、前記磁界センサは、前記ターゲット物体の移動を感知するように構成され、前記第1の時間期間は、前記ターゲット物体の第1の移動に近接する時間に始まり、前記第2の時間期間は、前記第1の時間期間の終りに近接する時間に始まる、請求項2に記載の磁界センサ。
電圧信号または電流信号を生成するように構成された駆動回路をさらに含み、前記磁界感知素子は、前記電圧信号または前記電流信号を受け取るように結合され、前記フィードバック回路経路は、前記磁界に対する前記主回路経路の前記感度を較正するために前記電圧信号または前記電流信号を制御するように構成される、請求項7に記載の磁界センサ。
電子回路は、制御電圧を生成するように構成されたオフセット回路をさらに含み、前記主回路経路は、前記制御電圧を受け取るように結合された増幅器をさらに含み、前記フィードバック回路経路は、前記主回路経路の前記オフセット電圧を較正するために前記制御電圧を制御するように構成される、請求項9に記載の磁界センサ。
前記磁界信号は、測定時間期間中に、前記被測定磁界応答信号部分を表し、前記第1のスイッチングレートと同期するレートで前記測定時間期間にインターリーブされた基準時間中に、前記基準磁界応答信号部分を表し、
前記主回路経路は、前記測定時間期間中に前記被測定磁界応答信号部分を表す前記磁界信号を選択し、処理するために時間多重化され、
前記フィードバック回路経路は、前記基準時間期間中に前記基準磁界応答信号部分を表す前記磁界信号を選択し、処理するために時間多重化される
請求項16に記載の磁界センサ。
前記主回路経路は、前記被測定磁界応答信号部分を表す第1のセンサ出力信号を生成するように構成され、前記フィードバック回路経路は、前記基準磁界応答信号部分を表す第2の異なるセンサ出力信号を生成するように構成される、請求項18に記載の磁界センサ。
前記第1の時間期間中および前記第2の時間期間中にサンプルクロック周波数を有するサンプルクロック信号を生成するステップであって、前記スイッチドキャパシタ回路は、前記サンプルクロック信号を受け取るように結合され、前記スイッチドキャパシタ回路は、ノッチ特性をさらに含み、前記ノッチ特性は、前記再分配クロック周波数に関係するノッチ周波数を有する、ステップ
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
前記第1の時間期間は、前記磁界センサのスタートアップに近接する時に始まり、前記第2の時間期間は、前記第1の時間期間の終りに近接する時に始まる、請求項26に記載の方法。
前記磁界センサは、ターゲット物体の最も近くに配置され、前記第1の時間期間は、前記ターゲット物体の第1の移動に近接する時間に始まり、前記第2の時間期間は、前記第1の時間期間の終りに近接する時間に始まる、請求項26に記載の方法。
前記基準磁界は、前記少なくとも2つの磁界感知素子のうちの選択された1つの位置で反対方向を指す第1の基準磁界および第2の基準磁界を含む、請求項36に記載の方法。
第2のスイッチング回路を用いて、前記第1のスイッチングレートに同期して第1の基準電流方向と第2の反対の基準電流方向との間で前記基準電流を交番してスイッチングするステップ
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
前記磁界信号は、測定時間期間中に、前記被測定磁界応答信号部分を表し、前記第1のスイッチングレートと同期するレートで前記測定時間期間にインターリーブされた基準時間中に、前記基準磁界応答信号部分を表し、
前記主回路経路は、前記測定時間期間中に前記被測定磁界応答信号部分を表す前記磁界信号を選択し、処理するために時間多重化され、
前記フィードバック回路経路は、前記基準時間期間中に前記基準磁界応答信号部分を表す前記磁界信号を選択し、処理するために時間多重化される
請求項38に記載の方法。
前記主回路経路は、前記被測定磁界応答信号部分を表す第1のセンサ出力信号を生成するように構成され、前記フィードバック回路経路は、前記基準磁界応答信号部分を表す第2の異なるセンサ出力信号を生成するように構成される、請求項40に記載の方法。
前記第1の時間期間は前記磁界センサのスタートアップに近接する時に始まり、前記第2の時間期間は前記第1の時間期間の終りに近接する時に始まる、請求項1に記載の磁界センサ。
前記磁界センサは、ターゲット物体の最も近くに配置され、前記磁界センサは、前記ターゲット物体の移動を感知するように構成され、前記第1の時間期間は前記ターゲット物体の第1の移動に近接する時間に始まり、前記第2の時間期間は前記第1の時間期間の終りに近接する時間に始まる、請求項1に記載の磁界センサ。
前記第1の時間期間は前記磁界センサのスタートアップに近接する時に始まり、前記第2の時間期間は前記第1の時間期間の終りに近接する時に始まる、請求項25に記載の方法。
前記磁界センサは、ターゲット物体の最も近くに配置され、前記第1の時間期間は前記ターゲット物体の第1の移動に近接する時間に始まり、前記第2の時間期間は前記第1の時間期間の終りに近接する時間に始まる、請求項25に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明を説明する前に、いくつかの入門的な概念および用語法を説明する。本明細書で使用される時に、用語「磁界感知素子」は、磁界を感知できるさまざまなタイプの電子素子を記述するのに使用される。磁界感知素子は、ホール効果素子、磁気抵抗素子、または磁気トランジスタとすることができるが、これに限定されない。既知のように、さまざまなタイプのホール効果素子、たとえば、プレーナホール素子、縦型ホール素子、およびサーキュラホール素子がある。やはり既知のように、さまざまなタイプの磁気抵抗素子、たとえば、異方性磁気抵抗(AMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネリング磁気抵抗(TMR)素子、アンチモン化インジウム(InSb)素子、および磁気トンネル接合(MTJ)素子がある。
【0071】
既知のように、上で説明された磁界感知素子の中には、磁界感知素子を支持する基板に平行な最大感度の軸を有する傾向があるものと、磁界感知素子を支持する基板に垂直な最大感度の軸を有する傾向があるものとがある。具体的には、すべてではないがほとんどのタイプの磁気抵抗素子は、基板に平行な最大感度の軸を有する傾向があり、すべてではないがほとんどのタイプのホール素子は、基板に垂直な最大感度の軸を有する傾向がある。
【0072】
本明細書で使用される時に、用語「磁界センサ」は、磁界感知素子を含む回路を記述するのに使用される。磁界センサは、電流を搬送する導体によって搬送される電流によって生成される磁界を感知する電流センサ、強磁性または磁性の物体の近接を感知する磁気スイッチ(本明細書では近接検出器とも称する)通過する強磁性の物品、たとえば歯車の歯を感知する回転検出器、磁界の磁界密度を感知する磁界センサ(たとえば、リニア磁界センサ(linear magnetic field sensor))を含むがこれに限定されないさまざまな応用例で使用される。リニア磁界センサが、本明細書で例として使用される。しかし、本明細書で説明される回路および技法は、磁界を検出できるすべての磁界センサにも適用される。
【0073】
本明細書で使用される時に、用語「磁界信号」は、磁界感知素子によって経験された磁界から生じるすべての回路信号を記述するのに使用される。
【0074】
下で説明される基準界感知構成モードを使用して、磁界センサの感度および/またはオフセット電圧を調整(すなわち、自己較正)することができる。しかし、基準界感知構成を使用して、磁界センサのセルフテストを提供することもできる。すなわち、出力信号が、動作の基準界モード中に生成されない(または、リニア磁界センサの場合に、出力信号が低すぎるか高すぎる)場合に、磁界センサは、故障したと考えられる。したがって、本明細書で使用される時に、用語「基準」は、感度および/またはオフセット電圧の測定(セルフテスト)および自己較正を包含するのに使用される。
【0075】
図1を参照すると、従来技術の磁界センサ10は、スイッチング回路12内に結合されたホール効果素子13を含む。スイッチング回路12は、外部磁界に応答して差動出力信号12a、12bを生成するように構成される。下で説明される多くの信号は、差動信号とすることができるが、用語差動は、すべての例で使用されるわけではない。他の実施形態では、信号の一部またはすべてが、シングルエンド形信号である。
【0076】
スイッチング回路12を、下で
図2〜2Cに関連してより十分に説明する。ここでは、スイッチング回路12が、f
Cの周波数のクロックを用いてホール効果素子12への駆動信号(図示せず)を切り替えると述べることで十分である。
【0077】
磁界センサ10は、信号12a、12bを受け取るように結合され、チョップド信号14a、14bを生成するように構成されたスイッチング回路14をも含む。スイッチング回路14も、f
Cの周波数のクロックを用いてスイッチングされる。スイッチング回路14と組み合わされたスイッチング回路12の動作を、下で
図3〜3Cに関連してより十分に説明する。
【0078】
増幅器16が、チョップド信号14a、14bを受け取るように結合され、増幅された信号16a、16bを生成するように構成される。スイッチング回路18が、増幅された信号16a、16bを受け取るように結合され、多重分離された信号18a、18bを生成するように構成される。スイッチング回路18は、周波数f
Cのクロックを用いてクロッキングされる。低域フィルタ20が、多重分離された信号18a、18bを受け取るように結合され、フィルタリングされた信号20a、20bを生成するように構成される。sinx/x(sinc)フィルタ22が、フィルタリングされた信号20a、20bを受け取るように結合され、フィルタリングされた信号22a、22bすなわち、磁界センサ10からの出力信号を生成するように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態では、sincフィルタ22は、周波数f
Cの第1のノッチを有するスイッチドキャパシタフィルタである。しかし、他の実施形態では、sincフィルタ22は、ディジタルに生成される。さらに他の実施形態では、sincフィルタ22は、アナログのクロッキングされないフィルタである。
【0080】
sincフィルタ22に供給されるクロック周波数を、周波数f
Cのノッチを提供するために、図示されているようにf
Cの周波数とすることができることを理解されたい。しかし、sincフィルタ22を、周波数f
Cのノッチを有するが、異なる周波数のクロック信号を使用するように設計することができる。下の図面に関連して、sincフィルタ22に供給されるクロックを、周波数f
Cであるものとして説明する。しかし、望まれるのは、周波数f
Cのノッチ周波数である。
【0081】
磁界センサ出力信号22a、22bが、磁気感知素子12によって経験される磁界に比例する線形信号であることと、磁界センサ10がリニア磁界センサであることとを理解されたい。しかし、他の実施形態では、比較器が、信号22a、22bを受け取ることができ、比較器によって生成される磁界センサ出力信号が、したがって、2状態信号であり、磁界センサが、磁気スイッチである。いくつかの実施形態で、フィルタ20、22のうちの1つだけが使用されることをも理解されたい。
【0082】
図1の磁界センサの動作を、下で
図1Aに関連して説明する。
【0083】
ここで
図1Aを参照すると、グラフ26は、それぞれ、任意の単位の周波数の単位を有する水平軸と、任意の単位の電力の単位を有する垂直軸とを含む。
【0084】
グラフ28は、信号12a、12b(すなわち、信号12a、12bの周波数スペクトル)を表し、外部磁界信号Bexternalと、DC外部磁界を示す0周波数とすることができる、ある周波数で現れる残留オフセット信号ResOffとを示す。ホール効果オフセット信号HallOffは、クロックの周波数f
Cに従う異なる周波数である。この効果を、
図2〜2Cに関連してさらに説明する。
【0085】
ホール効果オフセット信号HallOffは、スイッチング回路12がスイッチングしていない時すなわち、ホール効果素子104、106を通る電流が1つの特定のそれぞれの方向に向けられる時の、ホール効果素子13の出力信号12a、12bに存在するはずのDC電圧誤差に対応する。グラフ28に示されているように、ホール効果オフセット信号HallOffは、スイッチング回路12のスイッチング動作によって、差動信号12a、12bのより高い周波数にシフトされる(かつ、グラフ30に関連して下で説明するように、スイッチ回路14の動作によってDCに戻ってシフトされる)。残留オフセット信号ResOffは、スイッチング回路12がスイッチングしつつある時であっても差動信号12a、12b内でDCに留まる(かつ、グラフ30に関連して下で説明するように、スイッチング回路14の動作によってより高い周波数にシフトされる)残りのオフセット信号に対応する。
【0086】
グラフ30は、チョッピングの後の信号14a、14bを表す。ホールオフセット信号HallOffは、スイッチング回路14の動作によってDCにシフトされ、信号Bexternal+ResOffは、周波数f
Cである。
【0087】
グラフ32は、信号16a、16bを表す。グラフ32では、増幅器16のDCオフセットが、DCのホールオフセット信号に加算され、DCの信号HallOff+AmpOffをもたらす。
【0088】
グラフ34は、スイッチング回路18の後の信号18a、18bを表す。この図からわかるように、信号Bexternal+ResOffは、今やDCであり、信号HallOff+AmpOffは、今や周波数f
Cである。
【0089】
グラフ36は、フィルタ20の後の信号20a、20bを表す。フィルタ20の折点周波数は、周波数f
C未満になるように選択される。信号HallOff+AmpOffは、望み通りに減らされる。
【0090】
グラフ38は、sincフィルタ22の後の信号22a、22bを表す。sincフィルタ22のノッチは、周波数f
Cすなわち、sincフィルタ22のナイキスト周波数であるように選択される。外部磁界信号(と、いくらかの残留オフセット)だけが、グラフ38および信号22a、22bに残る。ホール効果素子オフセット(HallOff)は、除去されている。
【0091】
ここで
図2〜2Cを参照すると、ホールオフセット成分(たとえば、58)を変調するタイプのスイッチングされたホール素子50は、ホール素子(またはホールプレート)52および変調回路54を含む。ホール素子52は、それぞれが図示のようにそれぞれのスイッチ56a、56b、56c、および56dの第1の端子に結合された、4つの接点52a、52b、52c、および52dを含む。スイッチ56bおよび56c第2の端子は、ここではVo+というラベルを付けられたスイッチングされたホール出力信号の正ノードを提供するように結合され、スイッチ56aおよび56dの第2の端子は、ここではVo−というラベルを付けられたスイッチングされたホール出力信号の負ノードを提供するように結合される。
【0092】
追加のスイッチ60a、60b、60c、および60dが、ホール接点52a、52b、52c、および52dを供給電圧Vsおよびグラウンドに選択的に結合するように配置される。より具体的には、図示のように、スイッチ56b、56d、60a、および60cは、クロック信号CLKによって制御され、スイッチ56a、56c、60b、および60dは、相補クロック信号CLK/によって制御される。クロック信号CLKおよびCLK/は、
図2Aに示されているように、2つの状態またはフェーズすなわち、Φ
0°状態およびΦ
90°状態を有する。
【0093】
動作時に、フェーズΦ
0°中に、電流は、端子52aから端子52cに流れ、スイッチングされたホール出力信号Voは、V
H+V
opと等しく、ここで、V
opは、ホール素子オフセット電圧またはホールオフセット成分であり、V
Hは、磁界信号成分である。フェーズΦ
90°中には、電流は、端子52bから端子52dに流れ、スイッチングされたホール出力信号Voは、V
H−V
opと等しい。したがって、変調回路54は、
図2Bに示されたホールオフセット成分V
opを変調する。磁界信号成分V
Hは、
図2Cに示されているように、実質的に不変のままになる。
【0094】
図3のチョッピング回路70を、
図1の組み合わされたスイッチング回路12、14として使用することができる。
【0095】
ここで
図3〜3Cを参照すると、磁界信号成分を変調するタイプの代替のスイッチングされたホール素子70(
図1のスイッチング回路12、14に使用することができる)は、ホール素子72および変調回路74を含む。ホール素子72は、
図2のホール素子52と同一であり、それぞれがそれぞれのスイッチ76a、76b、76c、および76dの第1の端死に結合される4つの接点72a、72b、72c、および72dを含む。スイッチ76aおよび76bの第2の端子は、ここではVo+というラベルを付けられたスイッチングされたホール出力信号の正ノードを提供するように結合され、スイッチ56cおよび56dの第2の端子は、ここではVo−というラベルを付けられたスイッチングされたホール出力信号の負ノードを提供するように結合される。したがって、
図2および3の比較は、ホール素子の出力接点をΦ
90°フェーズ中に交換できることを明らかにする。
【0096】
追加のスイッチ80a、80b、80c、および80dが、ホール接点72a、72b、72c、および72dを供給電圧Vsおよびグラウンドに選択的に結合するように配置される。図示のように、スイッチ76b、76d、80a、および80cは、クロック信号CLKによって制御され、スイッチ76a、76c、80b、および80dは、相補クロック信号CLK/によって制御される。クロック信号CLKおよびCLK/は、図示のように、
図2の同様の信号と同一であり、したがって、2つの状態またはフェーズ、Φ
0°およびΦ
90°を有する。
【0097】
動作時に、フェーズΦ
0°中に、電流は、端子72aから端子72cに流れ、スイッチングされたホール出力信号Voは、V
H+V
opと等しい。フェーズΦ
90°中には、電流は、端子72bから端子72dに流れ、スイッチングされたホール出力信号Voは、−V
H+V
opと等しい。したがって、変調回路74は、
図3Cに示された変調された磁気信号成分V
Hを提供するために、磁気信号成分を変調する。オフセット成分V
opは、
図3Bに示されているように、実質的に不変のままになる。
【0098】
スイッチ80a〜80dが、
図1のスイッチング回路12と同一またはこれに類似するスイッチング回路を形成できることを理解されたい。また、スイッチ76a〜76dが、
図1のスイッチング回路14と同一またはこれに類似するスイッチング回路を形成できることを理解されたい。
【0099】
いくつかの実施形態では、
図1のスイッチング回路12とスイッチング回路14との組合せは、
図2〜2Cに関連して上で説明したタイプではなく、
図3〜3Cに関連して上で説明したタイプである。
【0100】
ここで
図4を参照すると、2つのホール効果素子を、一緒に並列に結合することができる。並列に結合された2つのホール効果素子を、
図1〜3Cに関連して上で説明した単一のホール効果素子のいずれかの代わりに使用することができる。したがって、2つの並列のホール効果素子の出力(プラスおよびマイナス)を、1つのホール効果素子からのプラス出力およびマイナス出力の代わりに使用することができる。駆動信号(
図4には図示せず)は、上の図のいずれかの1つのホール効果素子を駆動するように、2つの並列のホール効果素子を駆動することができる。
【0101】
ホール効果素子の並列配置を、本明細書では、下でより十分に説明する基準界感知構成に対して、被測定界感知構成と称する。
【0102】
ここで
図5を参照すると、
図4の2つのホール効果素子を、基準界感知構成で一緒に結合する(すなわち、再接続する)ことができる。この配置では、2つのホール効果素子の組合せが、2つのホール効果素子の各1つによって経験されるのと同一の方向の外部磁界Bexternalに実質的に反応しないことを理解されたい。外部磁界に対する残留応答は、2つのホール効果素子の不一致に起因する可能性があり、これは、残留外部磁界信号をもたらすはずである。
【0103】
しかし、基準界感知構成で配置された2つのホール効果素子の各1つによって経験されるものとは異なる方向の2つの基準磁界Bcoilに応答して、2つの磁界感知素子の組合せが、非ゼロの出力信号V
Bcoilを生成することを理解されたい。
【0104】
図5Aを参照すると、2つのホール効果素子は、やはり、基準界感知構成で図示されている。ここで、2つの基準磁界Bcoilのそれぞれの2つのフェーズ(方向)が図示されている。本質的に、AC基準磁界に応答して、出力信号V
Bcoilは、AC信号である。しかし、2つのホール効果素子が、基準界感知構成で配置される時に、出力信号は、両方で同一方向である外部磁界からの実質的に0の寄与を有する。ホール効果素子は、外部磁界がDC磁界またはAC磁界のどちらであるのかに関わりない。
【0105】
ここで
図6を参照すると、同一の2つの磁界感知素子である2つの磁界感知素子が、2つの異なるフェーズ配置で示されている。この2つの異なるフェーズ配置は、
図12に関連して下でより十分に説明するスイッチング回路によって交番して達成される。
【0106】
本明細書で使用される時に、単語「フェーズ」は、多くの場合に、被測定界感知構成への複数の磁界感知素子の結合配置または基準界感知構成への複数の磁界感知素子の結合配置と、単純な導体であるものとして本明細書で示されるが、下、たとえば
図12で示される他の配置で2つの基準界コイル部分からなるものとすることができる基準界導体を介して渡される電流の方向との両方を記述するために多くの場合に使用される。本明細書で使用される単語フェーズは、下でより十分に説明するチョッピング配置を指さない。
【0107】
まずフェーズ1配置を参照すると、2つの磁界感知素子が、被測定界感知構成で結合され、この被測定界感知構成は、上で
図4に関連して説明した結合配置と同一またはこれに類似する。上で説明したように、この結合配置では、2つの磁界感知素子は、環境から受け取られ得る外部磁界に反応し、集合的にいわゆる「被測定磁界応答信号」を生成する。
【0108】
基準界導体は、破線として示され、破線は、基準界導体によって搬送される電流がないことを示す。しかし、代替実施形態では、基準界導体は、電流IREFを搬送することができる。
【0109】
基準界導体によって搬送される電流が、基準界導体の周囲に磁界を生成することを認められたい。また、基準界導体の経路に起因して、磁界が、右側の磁界感知素子でページに入る方向、左側の磁界感知素子でページから出る方向を有することを認められたい。したがって、基準界導体によって生成される2つの磁界は、2つの磁界感知素子で反対方向である。2つの磁界感知素子が、被測定界感知構成では並列に結合され、両方が応答の同一の方向を有するので、基準界導体によって搬送される電流に応答して2つの磁界感知素子によって生成される出力信号は、0またはほぼ0である。
【0110】
したがって、基準界導体を通過するすべての電流は、被測定界感知構成で結合された時の2つの磁界感知素子によって集合的に生成される出力信号に対して、ほとんどまたは全く影響を有しない。
【0111】
対照的に、環境から受け取られ得る、ホール素子の両方を同一方向で通過する、被測定磁界に応答して、被測定磁界応答信号は、0ではない。したがって、フェーズ1配置で結合される時に、2つの磁界感知素子は、基準界導体によって生成された磁界に応答するのではなく、被測定(通常の外部)磁界に応答する。
【0112】
フェーズ2配置では、2つの磁界感知素子は、基準界感知構成で結合され、この基準界感知構成は、上で
図5および5Aに関連して説明した結合配置と同一またはこれに類似する。上での議論から、基準界感知構成である時に、2つの磁界感知素子が、ページに垂直な磁界に反対方向で応答することを理解されたい。
【0113】
2つの磁界感知素子のフェーズ2配置では、このフェーズ1配置で示された同一の基準界導体である基準界導体は、電流IREFを搬送する。上でフェーズ1配置で説明したように、電流IREFは、2つの磁界感知素子で反対方向の磁界を生成する。基準界感知構成の2つの磁界感知素子は、磁界に対して反対の感度を有するので、電流IREFの存在下では、本明細書で「基準磁界応答信号」と称する非0出力信号が、2つの磁界感知素子によって生成される。したがって、フェーズ2配置で結合される時に、2つの磁界感知素子は、基準界導体によって生成される磁界に反応するが、被測定(外部または通常の)磁界には反応しない。
【0114】
下の議論から、磁界センサが、フェーズ1配置とフェーズ2配置との間で往復して交番することによって動作できることが明白になる。この交番配置を用いると、被測定界感知構成は、常に同一であり、したがって、2つのホール素子のチョッピングがないことが明白である。被測定界感知構成でのチョッピングを、下で
図7および10に関連してより十分に説明する。
【0115】
まとめると、これらは、同一の2つの磁界感知素子からではあるが、異なる時にとられたものなので、被測定磁界応答信号および基準磁界応答信号を、本明細書では単に、磁界に応答する「磁界信号」と称する。
【0116】
下の図から、2つの磁界感知素子、たとえば
図6の2つの磁界感知素子の結合が、往復して交番されるので、磁界信号が、被測定界感知構成で結合された時の被測定磁界に応答する被測定磁界応答信号部分と、基準界感知構成で結合された時の基準磁界に応答する基準磁界応答信号部分との両方を有することが明白になる。下でさらに説明するように、被測定界感知構成および基準界測定構成が、交互に往復して発生するので、時分割多重化を使用することによって、被測定磁界応答信号部分を、下でより十分に説明する形で基準磁界応答信号から分離することができる。
【0117】
ここで
図7を参照すると、同一の2つの磁界感知素子である2つの磁界感知素子が、2つは被測定界感知構成であり2つは基準界感知構成である4つの異なるフェーズ配置(各構成に関連する2Xチョッピング配置)で示されている。4つの異なるフェーズ配置は、下で
図12に関連してより十分に説明するスイッチング回路によって、順次繰り返して達成される。
【0118】
まずフェーズ1配置を参照すると、2つの磁界感知素子は、被測定界感知構成で結合され、この被測定界感知構成は、上で
図4に関連して説明した被測定界感知構成と同一またはこれに類似する。上で説明したように、この結合配置を用いると、2つの磁界感知素子は、環境から受け取られ得る外部磁界に反応し、集合的に、被測定(外部)磁界に応答する被測定磁界応答信号を生成する。
【0119】
基準界導体は、破線として示され、破線は、基準界導体によって搬送される電流がないことを示す。しかし、代替実施形態では、基準界導体は、電流を搬送することができる。
【0120】
フェーズ2配置では、2つの磁界感知素子は、基準界感知構成で結合され、この基準界感知構成は、上で
図5および5Aに関連して説明した基準界結合配置と同一またはこれに類似する。上での議論から、2つの磁界感知素子は、2つの磁界感知素子がページに垂直な磁界に反対方向で応答する形で結合されることを理解されたい。
【0121】
2つの磁界感知素子のフェーズ2配置では、このフェーズ1配置で示された同一の基準界導体である基準界導体は、電流IREFを搬送する。電流IREFは、2つの磁界感知素子で反対方向の磁界を生成する。基準界感知構成の2つの磁界感知素子は、磁界に対して反対の感度を有するので、電流IREFの存在下では、非0出力信号すなわち基準磁界応答信号が、2つの磁界感知素子によって生成される。フェーズ2配置では、2つの磁界感知素子は、基準界導体によって生成される磁界に反応し、かつまたは、被測定(外部)磁界には反応しない。
【0122】
フェーズ3配置では、2つの磁界感知素子は、もう一度被測定界感知構成で結合される。しかし、2つの磁界感知素子は、フェーズ1配置で示されたものとは逆の極性を有するように結合される。逆の極性は、たとえば
図3〜3Cに関連して説明した2つの磁界感知素子の上で説明したチョッピングの一部を表す。
【0123】
ホール素子内の矢印の異なる方向は、個々のホール素子の端子のうちの選択された2つへの駆動信号(図示せず)の異なる結合を表す。従来のホール素子は、4端子デバイスであり、ここで、端子のうちの2つは、駆動電流を渡すために結合され、残りの2つの端子は、差動出力信号を提供する。4つの端子を、少なくとも4つの異なる構成で結合できることを認められたい。個々のホール素子が、この異なる構成のうちの複数で結合され、複数の構成からの出力信号が、算術的に処理される(たとえば、合計されまたは他の形で平均をとられる)場合に、算術処理された信号は、異なる構成の任意の1つでとられた出力信号より少ないオフセット電圧を有する。異なる構成に関連する出力信号のこの合計または平均化は、上で言及した「チョッピング」に対応する。
【0124】
図7の配置、具体的にはフェーズ1およびフェーズ3の2つの被測定界感知構成は、2つのホール素子の2xチョッピングを表す。本質的に、異なる時に発生する測定磁界応答信号部分を、算術的に処理して、オフセット電圧を減らすことができる。
【0125】
2つの磁界感知素子のフェーズ3配置では、フェーズ1配置およびフェーズ2配置で示されたものと同一の基準界導体である基準界導体は、電流を搬送しない。しかし、代替実施形態では、基準界導体は、電流を搬送することができる。フェーズ1配置の場合と同じく、フェーズ3配置では、集合としての2つの磁界感知素子は、やはり、基準界導体によって搬送される電流によって生成される磁界に反応するのではなく、外部磁界に反応する。
【0126】
フェーズ4配置では、2つの磁界感知素子は、もう一度基準界感知構成で結合される。
【0127】
2つの磁界感知素子のフェーズ4配置では、フェーズ1配置、フェーズ2配置、およびフェーズ3配置で示されたものと同一の基準界導体である基準界導体は、フェーズ2配置に示されたものとは反対の方向であるが、電流I REFを搬送する。フェーズ2配置の場合と同じく、フェーズ4配置では、一緒にされた2つの磁界感知素子は、電流IREFによって生成された磁界に応答するが、外部磁界には応答しない。
【0128】
まとめると、これらは、同一の2つの磁界感知素子からのものなので、被測定磁界応答信号および基準磁界応答信号を、本明細書では単に、磁界に応答する「磁界信号」と称する。
【0129】
下の図から、2つの磁界感知素子、たとえば
図7の2つの磁界感知素子の結合が、往復して交番されるので、磁界信号が、被測定界感知構成で結合された時の被測定磁界に応答する被測定磁界応答信号部分と、基準界感知構成で結合された時の基準磁界に応答する基準磁界応答信号部分との両方を有することが明白になる。被測定界感知構成および基準界測定構成が、交互に往復して発生するので、時分割多重化を使用することによって、被測定磁界応答信号部分を、下でより十分に説明する形で基準磁界応答信号から分離することができる。
【0130】
ここで
図8を参照すると、グラフ100は、時間の任意の単位のスケールを有する水平軸と、電圧の任意の単位のスケールを有する垂直軸とを含む。磁界信号102は、たとえば上で
図7に関連して説明した、4つのフェーズ中に2つの磁界感知素子によって生成され得る磁界信号を表す。
【0131】
グラフ100は、4つの時間期間t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4を示す。時間期間t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4のそれぞれは、
図7のフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3、およびフェーズ4のそれぞれに対応する。磁界信号102は、2つの磁界感知素子が4つのフェーズ、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3、およびフェーズ4を通ってシーケンシングされる時に
図7の2つの磁界感知素子によって生成され得る、被測定磁界応答信号部分102a、基準磁界応答信号部分102b、被測定磁界応答信号部分102c、および基準磁界応答信号部分102dを含む。
【0132】
2つの被測定磁界応答信号部分102a、102cは、まずフェーズ1での一方の方向の大きさ、その後に駆動信号の異なる結合に起因するフェーズ3での他方の方向での大きさを有する、2つの磁界感知素子によって感知され得る外部磁界の大きさを表す大きさを有する。
【0133】
2つの基準磁界応答信号部分102b、102dは、まずフェーズ2での一方の方向、その後にフェーズ4での他方の方向で、
図6の基準界導体を通過する電流IREFによって生成され得る基準磁界(反対方向の2つの基準磁界を有する)の大きさを表す大きさを有する。
【0134】
磁界信号102は、オフセット電圧104を有する。したがって、2つの被測定磁界応答信号部分102a、102cは、オフセット電圧104を中心とする大きさを有する。同様に、2つの基準磁界応答信号部分102b、102dは、オフセット電圧104を中心とする大きさを有する。
【0135】
オフセット電圧104が望ましくないことを理解されたい。下でより十分に説明する技法によって、オフセット電圧104を除去することができる。
【0136】
ここで
図9を参照すると、
図8の同様の要素は、同様の符号を有して図示されているが、グラフ120は、
図8に関連して示されたものと同一の水平軸および同一の垂直軸を有する。しかし、ここでは、時分割多重化によって
図8の磁界信号102から分離され得る2つの被測定磁界応答信号部分102a、102cだけが図示されている。
【0137】
ここで
図10を参照すると、
図8の同様の要素は、同様の符号を有して図示されているが、グラフ140は、
図8に関連して示されたものと同一の水平軸および同一の垂直軸を有する。しかし、ここでは、時分割多重化によって
図8の磁界信号102から分離され得る2つの基準磁界応答信号部分102b、102dだけが図示されている。
【0138】
ここで
図11を参照すると、2つの磁界感知素子がもう一度図示されているが、ここでは、8つの異なるフェーズすなわち、磁界感知素子の結合および導体を通る電流の方向を伴う。
図6および7の配置と同様に、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ4、フェーズ5、フェーズ6、フェーズ7、フェーズ8のフェーズは、被測定界感知構成で結合された磁界感知素子を有すること(すなわち、測定時間期間中)と基準界感知構成で結合された磁界感知素子を有すること(すなわち、基準時間期間中)との間で往復して交番する(各構成に関連する4Xチョッピング配置)。ここでは、電流が、2つの磁界感知素子の1つおきのフェーズで方向を交番することが示される。
【0139】
やはり、フェーズ1、フェーズ3、フェーズ5、およびフェーズ7の被測定界感知構成である時には、導体を通る電流をオフに切り替えることができ、これは、破線によって表される。
【0140】
フェーズ1、フェーズ3、フェーズ5、フェーズ7の被測定界感知構成は、それぞれ、2つの磁界感知素子内の異なる方向の矢印によって表されるように、駆動信号(図示せず)の異なる結合(すなわち、4つの異なる結合)を有する。4つの異なる結合に従って、
図11に示された配置が、4xチョッピング配置であり、この4つの異なるフェーズからの出力信号を、被測定界感知構成である時に減らされたオフセット電圧を達成するために、合計しまたは他の形で平均をとることができることを認められたい。
【0141】
ここで
図12を参照すると、磁界センサ200は、ここでは導電基準界コイルの形で図示された2つの基準界導体206a、206bを含み、各基準界コイルは、2つの基準界コイルを通って流れる電流に応答して反対方向の磁界を生成するためにお互いに反対の向きで巻かれる。2つの基準界導体206a、206bは、直列に結合され、スイッチング回路204によって電流202を受け取るように結合される。制御信号204aに応答して、スイッチング回路204は、2つの基準界導体206a、206bを通過する電流202の方向を周期的に逆転するように動作可能である。
【0142】
磁界センサ200は、ここでは2つのホール素子の形で図示された2つの磁界感知素子208、210をも含む。2つの磁界感知素子206、208は、スイッチング回路212内で結合される。2つのホール素子208、210が図示されているが、他の実施形態では、類似する回路および機能性を、複数の磁気抵抗素子を用いて達成することができる。
【0143】
制御信号212aに応答して、スイッチング回路212は、上で
図6、7、および11に関連して示した被測定界感知構成および基準界感知構成へ往復して2つの磁界感知素子208、210を結合するように動作可能である。往復するスイッチングは、
図6で表される被測定界感知構成である時にはチョッピングなし、
図7で表される被測定界感知構成である時には2xチョッピング、
図11で表される被測定界感知構成である時には4xチョッピング、または他のチョッピング配置を有することができる。
【0144】
差動電子磁界信号とすることができる磁界信号は、参照記号Aによって識別される。上で説明したように、磁界信号Aは、被測定界感知構成で結合された時の被測定磁界に応答する(基準磁界に応答しない)被測定磁界応答信号部分と、基準界感知構成で結合された時の基準磁界に応答する(被測定磁界に応答しない)基準磁界応答信号部分との両方を含むことができる。2つの信号部分は、たとえば上で
図6、7、または11に関連して説明したように、周期的に交番して発生することができる。
【0145】
スイッチング回路214は、差動信号すなわち磁界信号Aを受け取るように結合され、参照記号Bによって識別される差動信号であるものとして図示されたスイッチングされた信号を生成するように構成される。スイッチング回路212と組み合わされたスイッチング回路214が、2つのホール素子208、210の完全なチョッピングを提供し、スイッチング回路214、212が、それぞれ
図3のスイッチ80a〜80dおよび76a〜76dに匹敵することを理解されたい。しかし、2Xチョッピングを示す
図3〜3Cの配置とは異なって、
図12のスイッチング回路212、214は、たとえば
図11に示された4Xチョッピングを表す。
【0146】
スイッチング回路214は、制御信号214aを受け取るように結合される。増幅器216が、スイッチングされた信号Bを受け取るように結合され、参照記号Cによって識別される、差動信号であるものとして図示された増幅された信号を生成するように構成される。
【0147】
第1の回路チャネルすなわち被測定界感知チャネル(本明細書ではいわゆる「主回路経路」とも称する)の一部で、スイッチング回路218が、差動信号Cを受け取るように結合され、参照記号Dによって識別される、差動信号であるものとして図示されたスイッチングされた信号を生成するように構成される。
【0148】
第1の回路チャネルのさらなる部分で、フィルタ回路220が、差動信号Dを受け取るように結合され、
別のフィルタ回路222によって受け取られるフィルタリングされた信号を生成するように構成される。
フィルタ回路222は、参照記号Fによって識別される差動信号となるように示される信号を生成するように構成することができる。信号Fを、上で説明した被測定磁界応答信号
部分とすることができる。
【0149】
いわゆる「フィードバック回路経路」を提供することもできる第2の回路チャネルすなわち基準界感知チャネルの一部で、スイッチング回路224が、差動信号Cを受け取るように結合され、参照記号Eによって識別される、差動信号であるものとして図示されたスイッチングされた信号を生成するように構成される。
【0150】
第2の回路チャネルのさらなる部分で、フィルタ回路226が、差動信号Eを受け取るように結合され、もう1つのフィルタ回路228によって受け取られるフィルタリングされた信号を生成するように構成される。フィルタ回路228は、参照記号Gによって識別される、差動信号であるものとして図示された出力信号を生成するように構成され得る。出力信号Gを、上で説明した基準磁界応答信号とすることができる。
【0151】
出力信号FおよびGすなわち被測定磁界応答信号部分および基準磁界応答信号部分は、反復して周期的に往復して発生することができる。
【0152】
磁界センサ200は、出力信号Gすなわち基準磁界応答信号を受け取るように結合され、基準信号VREFを受け取るように結合され、誤差信号219aを生成するように構成された、増幅器219をも含むことができる。バイアス回路を、誤差信号219aを受け取るように結合し、バイアス信号230a、230bを生成するように構成することができ、このバイアス信号230a、230bは、いくつかの実施形態で、スイッチング回路212によって2つのホール素子208、210の各それぞれの1つの2つの端子を駆動し、通過するように構成された電流信号とすることができる。
【0153】
動作中に、誤差信号219aは、バイアス信号230a、230bの大きさを制御する。基準信号VREFに対して大きすぎる出力信号Gは、バイアス信号230a、230bの減少をもたらす。したがって、磁界センサ200の実行利得または感度は、基準信号VREFに対して相対的に制御される。
【0154】
いくつかの代替実施形態では、誤差信号219aは、その代わりに、増幅器216の利得を制御する。
【0155】
いくつかの他の代替実施形態では、増幅器219は使用されず、その代わりに、出力信号Gが、出力信号Fに関係する信号の大きさを調整するために別のプロセッサ(図示せず)によって受け取られ、使用される。
【0156】
磁界センサ200のさらなる動作を、下で
図13〜24に関連して説明する。具体的には、
図13は、2つの磁界感知素子208、210が繰り返して周期的に被測定界感知構成で結合される時の
図12の磁界センサ200を示す。同様に、
図19は、2つの磁界感知素子208、210が、たとえば
図7の基準界感知構成で、繰り返して周期的に結合される時の
図12の磁界センサ200を示す。
【0157】
ここで、
図12の同様の要素が同様の符号を有して図示されている
図13を参照すると、被測定磁界応答信号Fを生成する第1のチャネルだけを有する、
図12の磁界センサ200の一部300が、図示されている。
【0158】
2つの磁界感知素子208、210が、被測定磁界感知構成で繰り返して周期的に結合される時に、スイッチング回路204を、任意の構成に結合することができる。ここで、スイッチング回路204がスイッチングしないことが示され、これは、2つの磁界感知素子208、210がスイッチング回路212によって被測定界感知構成に結合されるたびに、スイッチング回路204がパススルーになることを意味する。
【0159】
また、被測定界感知構成である時に、2つの基準界コイル206a、206bを通る電流202を、0にセットすることができる。上の議論から、2つの磁界感知素子208、210が、被測定界感知構成で結合される時に、これらが、一緒に、2つの基準界コイル206a、206bによって反対の方向で生成されるはずの磁界ではなく、同一の方向の磁界に応答することを理解されたい。したがって、電流202を、電力を節約するために0にセットすることができる。
【0160】
スイッチング回路214は、スイッチング回路214の内側のスイッチング記号がスイッチングになることによって示され、これは、スイッチング回路212による2つの磁界感知素子208、210の被測定界感知構成結合の各発生時に、スイッチング回路214が、2つの磁界感知素子208、210と増幅器216との間の結合を逆転することを意味する。これは、下でさらに説明するように、磁界信号Aの成分の周波数シフトをもたらす。
【0161】
スイッチング回路218は、スイッチング回路218の内部のスイッチング記号がスイッチングになることによっても図示され、これは、やはり、スイッチング回路212による2つの磁界感知素子208、210の被測定磁界構成結合の各発生時に、スイッチング回路218が、増幅器216とフィルタ回路220との間の結合を逆転することを意味する。これも、下でさらに説明するように、増幅された信号Cの成分のもう1つの周波数シフトをもたらす。
【0162】
示されるように、制御信号214a、218aは、fckのスイッチングレートでそれぞれのスイッチング回路214、218をスイッチングする。対照的に、スイッチング回路212は、2fckのスイッチングレートでスイッチングし、これは、スイッチング回路212が、制御信号212aの1つおきのクロックサイクルに2つの磁界感知素子208、210の被測定界感知構成を達成することを意味する。
【0163】
図14〜18に、動作の通常の構成モードで繰り返して周期的に結合される2つの磁界感知素子208、210を有する磁界センサ200の一部300内で発生する信号A、B、C、D、およびFの周波数領域グラフを示す。具体的には、
図14〜18は、動作の被測定界感知構成モードに関する
図11の4xチョッピングを表す。
【0164】
ここで
図14を参照すると、グラフ320は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ320は、静止すなわち変化しない磁界が存在する時の3つのスペクトル線を含む。磁界は、感知される磁界または外部磁界である。
【0165】
グラフ320は、
図13の磁界センサ部分300に関連する磁界信号Aすなわち、磁界感知素子208、210が被測定界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の磁界信号Aを表す。
【0166】
第1のスペクトル線(左)は、DCで発生し、
図13の2つの磁界感知素子208、210によって生成される、外部磁界または感知される磁界の大きさBextと望ましくない残留オフセット電圧(チョッピングの後の)とに対応する大きさを有する。
【0167】
第2のスペクトル線は、fck/2の周波数で発生し、上で説明した4Xチョッピングから生じる。
【0168】
第3のスペクトル線は、fckの周波数で発生し、やはり上で説明した4Xチョッピングから生じる。本質的に、4Xチョッピングを、一方が他方の直後の2つの2Xチョッピングと考えることができ、したがって、fckの周波数でのスペクトル線は、2Xチョッピングが使用される場合に発生するはずの線である。
【0169】
ここで
図15を参照すると、グラフ330は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ330は、静止すなわち変化しない磁界が存在する時の3つのスペクトル線を含む。磁界は、感知される磁界または外部磁界である。
【0170】
グラフ330は、磁界感知素子208、210が被測定界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図13の磁界センサ部分300に関連する磁界信号Bを表す。
【0171】
図からわかるように、
図12および13のスイッチング回路214の動作によって、周波数がシフトされている。
【0172】
第1のスペクトル線(左)は、DCで発生し、
図14の第3のスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0173】
第2のスペクトル線は、fck/2の周波数で発生し、
図14の第2のスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0174】
第3のスペクトル線は、fckの周波数で発生し、
図13の2つの磁界感知素子208、210によって生成される、外部磁界または感知される磁界の大きさBextと望ましくない残留オフセット電圧(チョッピングの後の)とに対応する、
図14の第1のスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0175】
ここで
図16を参照すると、グラフ340は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ340は、静止すなわち変化しない磁界が存在する時の3つのスペクトル線を含む。磁界は、感知される磁界または外部磁界である。
【0176】
グラフ340は、磁界感知素子208、210が被測定界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図13の磁界センサ部分300に関連する磁界信号Cを表す。
【0177】
図からわかるように、増幅器216は、DCに現れる
図15の第1のスペクトル線に、オフセット成分AmpOffを加算する。それ以外の点では、
図16の3つのスペクトル線は、
図15のスペクトル線と同一であるが、増幅器216の利得に従ってスケーリングされている。
【0178】
ここで
図17を参照すると、グラフ350は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ350は、静止すなわち変化しない磁界が存在する時の3つのスペクトル線を含む。磁界は、感知される磁界または外部磁界である。
【0179】
グラフ350は、磁界感知素子208、210が被測定界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図13の磁界センサ部分300に関連する磁界信号Dを表す。
【0180】
図からわかるように、
図12および13のスイッチング回路218の動作によって、周波数がシフトされている。
【0181】
第1のスペクトル線(左)は、DCで発生し、
図13の2つの磁界感知素子208、210によって生成される、外部磁界または感知される磁界の大きさBextと望ましくない残留オフセット電圧(チョッピングの後の)とに対応する、
図16の第3のスペクトル先の大きさに関する大きさを有する。
【0182】
第2のスペクトル線は、fck/2の周波数で発生し、
図16の第2のスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0183】
第3のスペクトル線は、fckの周波数で発生し、
図16の第1のスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0184】
ここで
図18を参照すると、グラフ360は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ360は、静止すなわち変化しない磁界が存在する時の3つのスペクトル線を含む。磁界は、感知される磁界または外部磁界である。
【0185】
グラフ360は、2つの磁界感知素子208、210が被測定界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図13の磁界センサ部分300に関連する磁界信号Fを表す。
【0186】
図からわかるように、
図12および13のフィルタ回路220、222の動作によって
図17のいくつかのスペクトル成分が除去され、
図13の2つの磁界感知素子208、210によって生成された外部磁界または感知される磁界の大きさBextと望ましくない残留オフセット電圧ResOff(チョッピングの後の)に対応する大きさを有するDCでのスペクトル線だけが残されている。
図18のスペクトル線は、上で説明した被測定磁界応答信号を表す。
【0187】
ここで、
図12の同様の要素が同様の符号を有して図示されている
図19を参照すると、基準磁界応答信号Gを生成する第2のチャネルだけを有する
図12の磁界センサ200の部分400は、図示の要素を含む。
【0188】
2つの磁界感知素子208、210が、基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時に、スイッチング回路204は、2つの磁界感知素子208、210がスイッチング回路212によって基準界感知構成に結合されるたびに、電流202の方向を逆転するようにスイッチングする。
【0189】
基準界感知構成である時に、2つの基準界コイル206a、206bを通る電流202を、IREFの値にセットすることができる。上の議論から、基準界感知構成で結合された2つの磁界感知素子208、210の時に、一緒に、これらは、2つの基準界コイル206a、206bによって反対方向で生成されるはずの反対方向の磁界に応答し、外部磁界または感知される磁界になるはずの同一方向の磁界に反応しない。
【0190】
スイッチング回路214は、スイッチングしないものとして図示され、これは、スイッチング回路212による2つの磁界感知素子208、210の基準界感知構成の各発生時に、スイッチング回路214が、単に、スイッチングなしで信号Bとして磁界信号Aを増幅器216に渡すことを意味する。これは、下でさらに説明する、磁界信号Aの成分の周波数シフトなしをもたらす。
【0191】
対照的に、スイッチング回路224は、スイッチング回路224の内部のスイッチング記号がスイッチングになることによって示され、これは、スイッチング回路212による2つの磁界感知素子208、210の基準界感知構成の各発生時に、スイッチング回路218が、増幅器216とフィルタ回路226との間の結合を逆転することを意味する。これは、下でさらに説明するように、増幅された信号Cの成分の周波数シフトをもたらす。
【0192】
示されるように、制御信号204a、224aは、fckのスイッチングレートを伴ってそれぞれのスイッチング回路204、224をスイッチングする。対照的に、スイッチング回路212は、2fckのスイッチングレートを伴ってスイッチングし、これは、スイッチング回路212が、制御信号212aの1つおきのクロックサイクルに2つの磁界感知素子208、210の基準界感知構成を、クロックサイクルの他の1つに被測定界感知構成を達成することを意味する。
【0193】
図20〜24は、動作の基準界感知構成モードで繰り返して周期的に結合される2つの磁界感知素子208、210を有する磁界センサ200の部分400内で発生する信号A、B、C、E、およびGの周波数領域グラフを示す。具体的には、
図20〜24は、動作の基準界感知構成モードの
図11の4xチョッピングを表す。
【0194】
ここで
図20を参照すると、グラフ420は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ420は、スイッチング回路204の動作による電流202の周期的逆転によって生成される周期的に逆転する基準磁界の存在の下の時の2つのスペクトル線を含む。
【0195】
グラフ420は、
図19の磁界センサ部分400に関連する磁界信号Aすなわち、磁界感知素子208、210が基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の磁界信号Aを表す。
【0196】
第1のスペクトル線(左)は、DCで発生し、
図19の2つの磁界感知素子208、210によって生成される、外部磁界または感知される磁界に対する残留感度の大きさResBextと望ましくないオフセット電圧(チョッピングなし)とに対応する大きさを有する。
【0197】
第2のスペクトル線は、fckの周波数で発生し、2つの基準界コイル206a、206bによって生成される基準磁界の大きさに対応する大きさBcalを有する。このスペクトル線は、スイッチング回路204のスイッチングの動作によって、既に周波数fckにシフトされている。
【0198】
ここで
図21を参照すると、グラフ430は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ430は、スイッチング回路204の動作による電流202の周期的逆転によって生成される周期的に逆転する基準磁界の存在の下の時の2つのスペクトル線を含む。
【0199】
グラフ430は、2つの磁界感知素子208、210が基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図19の磁界センサ部分400に関連する磁界信号Bを表す。
【0200】
図12および19のスイッチング回路214は、2つの磁界感知素子208、210が基準界感知構成で結合された時に、単にパススルーとして働くので、グラフ430は、
図20のグラフ420と同一のスペクトル線を有する。
【0201】
ここで
図22を参照すると、グラフ440は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ440は、スイッチング回路204の動作による電流202の周期的逆転によって生成される周期的に逆転する基準磁界の存在の下の時の2つのスペクトル線を含む。
【0202】
グラフ440は、2つの磁界感知素子208、210が、基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図19の磁界センサ部分400に関連する磁界信号Cを表す。
【0203】
図からわかるように、増幅器216は、DCで発生する
図21のスペクトル線にオフセット成分AmpOffを加算する。それ以外の点では、
図22の2つのスペクトル線は、
図21のスペクトル線と同一であるが、増幅器216の利得に従ってスケーリングされている。
【0204】
ここで
図23を参照すると、グラフ450は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ450は、スイッチング回路204の動作による電流202の周期的逆転によって生成される周期的に逆転する基準磁界の存在の下の時の2つのスペクトル線を含む。
【0205】
グラフ450は、2つの磁界感知素子208、210が、基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図19の磁界センサ部分400に関連する磁界信号Eを表す。
【0206】
図からわかるように、
図12および19のスイッチング回路224の動作によって、周波数がシフトされている。
【0207】
第1のスペクトル線(左)は、DCで発生し、
図22の第2のスペクトル線の大きさに関係し、2つの基準界コイル206a、206bによって生成される基準磁界の大きさに対応する、大きさBcalを有する。このスペクトル線は、スイッチング回路224の動作によってDCにシフトされる。
【0208】
第2のスペクトル線は、fckの周波数で発生し、
図22の第1のDCスペクトル線の大きさに関する大きさを有する。
【0209】
ここで
図24を参照すると、グラフ460は、周波数の任意の単位のスケールを有する水平軸と、大きさの任意の単位のスケールを有する垂直軸とを有する。グラフ460は、1つのスペクトル線を含む。
【0210】
グラフ460は、2つの磁界感知素子208、210が、基準界感知構成で繰り返して周期的に結合される時の
図19の磁界センサ部分400に関連する磁界信号Gを表す。
【0211】
図からわかるように、
図12および19のフィルタ回路226、228の動作によって、
図23の他のスペクトル成分が除去され、基準磁界の大きさBcalに対応する大きさを有するDCのスペクトル線だけが残されている。
図23のスペクトル線は、上で説明した基準磁界応答信号を表す。
【0212】
回路および技法を、本明細書で磁界センサの較正に関して説明する場合があるが、同一の技法を、磁界センサのセルフテストを提供するのに使用することができることを理解されたい。すなわち、
図12および19の基準磁界応答信号部分Gを、たとえば、別のプロセッサによって調べて、信号が許容できる限度内であるかどうかを識別することができる。
【0213】
ここで、
図12の同様の要素が同様の符号を有して図示されている
図25を参照すると、磁界センサ470は、
図12のフィルタ回路228および増幅器219が、スイッチドキャパシタ回路476によって置換されることを除いて、
図12の回路200に類似する。スイッチドキャパシタ回路476を、下で
図26に関連してより十分に説明する。しかし、スイッチドキャパシタ回路476が、フィルタ回路228に似たsinx/x(sinc)伝達関数特性ならびに他のフィルタ特性を有する伝達関数を提供することができると言えば十分である。スイッチドキャパシタ回路476は、ユニティゲイン帯域幅の特徴がある帯域幅を提供することもできる。
【0214】
スイッチドキャパシタ回路476は、本発明の譲受人に譲渡された、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、2011年8月2日に発行された米国特許第7990209号で図示され、説明されるスイッチドキャパシタフィルタのうちの1つと同一またはこれに類似するものとすることができる。
【0215】
磁界センサ470は、第1の時間期間中には第1の再分配クロック周波数を有し、第2の時間期間中には第2の再分配クロック周波数を有する再分配クロック信号480aを生成するように構成されたクロック周波数ジェネレータ480を有する制御回路478を含む。いくつかの実施形態では、クロック周波数ジェネレータ480は、第1の時間期間中および第2の時間期間中に同一の周波数とすることができるサンプルクロック周波数を有するサンプルクロック信号480bを生成するようにさらに構成される。
【0216】
スイッチドキャパシタ回路476は、再分配クロック信号480aおよびサンプルクロック信号480bを受け取るように結合される。スイッチドキャパシタ回路476は、選択可能なユニティゲイン周波数を有する積分器を形成し、ここで、第1のユニティゲイン周波数は、第1の時間期間中の第1の再分配クロック周波数に関し、第2のユニティゲイン周波数は、第2の時間期間中の第2の再分配クロック周波数に関する。ユニティゲイン周波数は、下で
図27〜31に関連してより十分に説明する。積分器が、DCで非常に高い利得を有することを理解されたい。
【0217】
いくつかの実施形態では、バイアス回路482を、スイッチドキャパシタ回路476から出力信号476aを受け取るように結合し、2つのホール素子208、210への駆動電流を駆動するか他の形でこれに影響することができるバイアス信号482a、482bを生成するように構成することができる。したがって、バイアス信号482a、482bが、2つのホール素子208、210の感度に影響することができることを理解されたい。
【0218】
箱472内の回路要素は、主回路経路に対応する。主回路経路472は、上で説明した被測定界感知構成で結合された時に磁界感知素子208、210によって感知される被測定磁界に関する出力信号Voを生成するように構成される。主回路経路は、いわゆる「回路パラメータ」、たとえば、感度および/または利得を有する。
【0219】
箱474内の回路要素は、フィードバック回路経路に対応する。フィードバック回路経路474は、コイル206a、206bによって生成され、上で説明した基準界感知構成で結合された時に2つの磁界感知素子208、210によって感知される基準磁界に関する出力信号VCALを生成するように構成される。フィードバック回路474は、主回路経路472の上で言及した回路パラメータ(すなわち、感度)を制御するように結合された出力信号476aを(この実施形態では、482a、482bをも)生成するようにも構成される。
【0220】
フィードバック回路経路474は、フィードバックループ484に対応する箱484内に含まれる。フィードバックループ484は、主回路経路472のいくつかの要素をも含む。
【0221】
上で説明したように、スイッチドキャパシタ回路476は、再分配クロック信号480
aを受け取るように結合される。再分配クロック信号480aは、スイッチドキャパシタ回路476が、再分配クロック信号480aの周波数によって制御される上で説明したユニティゲイン周波数に加えて、再分配クロック信号480
aの周波数に関するノッチ周波数を有するノッチ特性を有することをもたらす。サンプルクロック信号480
aの周波数を、再分配クロック信号
480aの周波数に、たとえば、再分配クロック信号480aの周波数の2
n倍の倍率に関係付けることができる。一般に、ノッチ特性の最低周波数ノッチは、再分配クロック信号480aの周波数で発生し、最高周波数ノッチは、サンプルクロック信号480bの周波数で発生する。
【0222】
いくつかの実施形態では、第1の時間期間に続く第2の時間期間中に発生する第2の再分配クロック周波数を、第1の時間期間中に発生する第1の再分配クロック周波数より低くすることができる。
【0223】
いくつかの実施形態では、クロック周波数ジェネレータ480を、それぞれの複数の異なる時に複数の再分配クロック周波数を有する再分配クロック信号480aを生成するように構成することができる。
【0224】
いくつかの実施形態では、第1の時間期間は、磁界センサ470のスタートアップに近接する時に始まることができ、第2の時間期間は、第1の時間期間の終りに近接する時に始まることができる。
【0225】
いくつかの実施形態では、磁界センサ470を、ターゲット物体(図示せず)の最も近くに配置することができ、磁界センサ470を、ターゲット物体の移動を感知するように構成することができる。これらの実施形態について、第1の時間期間は、ターゲット物体の最初の移動に近接する時に始まることができ、第2の時間期間は、第1の時間期間の終りに近接する時に始まることができる。
【0226】
いくつかの実施形態では、フィードバック回路経路474によって制御される主回路経路472の回路パラメータを、磁界に対する主回路経路476の感度とすることができる。このために、出力信号476aは、上で説明したように道またはバイアス回路482によって磁界感知素子208、210の感度を制御することができる。しかし、他の実施形態(図示せず)では、出力信号476aは、同様の結果を達成するために主回路経路472の感度を制御するために、増幅器利得、たとえば増幅器216の利得を制御することができる。
【0227】
磁界感知素子の感度を制御するいくつかの実施形態では、バイアス回路482は、電圧信号としてバイアス信号482a、482bを生成する。他の実施形態では、バイアス回路482は、電流信号としてバイアス信号482a、482bを生成する。磁界感知素子208、210を、電圧信号または電流信号を受け取るように結合することができる。
【0228】
下で
図32に関連してより十分に説明するいくつかの実施形態では、フィードバック回路474によって制御される主回路経路472の回路パラメータは、主回路経路のオフセット電圧を含むことができる。
【0229】
下で
図30および31に関連してより十分に説明するいくつかの実施形態では、スイッチドキャパシタ回路476の第1のユニティゲイン周波数およびスイッチドキャパシタ回路476の第2のユニティゲイン周波数を、ループ安定性をもたらすように選択することができる。
【0230】
いくつかの実施形態では、磁界感知素子208、210は、少なくとも2つのホール効果素子を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、磁界感知素子208、210は、少なくとも2つの磁気抵抗素子を含む。
【0232】
上で
図12に関連して説明したように、主回路経路472は、その機能を上で
図12に関連して説明した第1のスイッチング回路212および第2のスイッチング回路204を含むことができる。
【0233】
上で
図12〜18に関連して図示し、説明した主回路経路信号A、B、C、D、およびFが、
図25にも示されている。主回路経路472ならびにその中の信号A、B、C、D、およびFの動作は、上で
図12〜18に関連して説明したものと同一である。
【0234】
フィードバック回路経路信号Eは、上で
図13および23に関連して図示し、説明した信号Eに類似する。フィードバック回路経路信号G’およびG’’は、上で
図13および24に関連して図示し、説明した信号Gに類似する。しかし、信号G’およびG’’は、
図19のフィルタ228によって提供されるフィルタリングとは異なるフィルタリングを受ける。信号G’およびG’’は、
図24に示されたDC周波数ではなく、ゆっくり変化する周波数を有する傾向もある。また、信号G’は、較正信号VCALに関する情報を搬送するが、信号G’’は、較正信号VCALが基準信号VREFとどれほど異なるのかに関する情報を搬送する。
【0235】
上で
図12〜18に関連して説明したように、主回路経路472を、時間多重化して、測定時間期間中の被測定磁界応答信号部分を表す上で説明した信号を選択し、処理することができ、フィードバック回路経路474を、時間多重化して、測定時間期間とインターリーブされた基準時間期間中の基準磁界応答信号部分を表す上で説明した信号を選択し、処理することができる。
【0236】
主回路経路472を、被測定磁界応答信号部分を表す第1のセンサ出力信号として出力信号Voを生成するように構成することができる。上で
図12および19〜24に関連して説明したように、フィードバック回路経路474を、基準磁界応答信号部分を表す第2の差動センサ出力信号として出力信号VCALを生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、出力信号VCALは、磁界センサ470の内部のものであり、自己較正信号として使用される。他の実施形態では、出力信号VCALを、磁界センサ470の外部に供給されるセルフテスト信号として使用することができる。
【0237】
ここで
図26を参照すると、スイッチドキャパシタ回路500を、
図25のスイッチドキャパシタ回路476として使用することができる。スイッチドキャパシタ回路500は、複数のスイッチによって囲まれ、積分器配置を形成する複数のキャパシタを含むことができる。
【0238】
第1のチャネル内で、スイッチ504a、506aが、キャパシタ502aの片側に結合される。スイッチ504aは、正の基準電圧(しきい値)VREF+を受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。正の基準電圧VREF+は、
図25の差動基準電圧VREFの片側と同一またはこれに類似するものとすることができる。サンプルクロック信号CLKSは、
図25のサンプルクロック信号480bと同一またはこれに類似するものとすることができる。スイッチ506aは、コモンモード電圧またはバイアス電圧VCMを受け取るように結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。再分配クロック信号CLKRは、
図25の再分配クロック信号480aと同一またはこれに類似するものとすることができる。
【0239】
また、第1のチャネル内で、スイッチ508a、510aは、キャパシタ502aの他方の側に結合される。スイッチ508aは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。スイッチ510aは、増幅器512の非反転入力に結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0240】
第2のチャネル内で、スイッチ504b、506bが、キャパシタ502bの片側に結合される。スイッチ504bは、負の基準電圧(しきい値)VREF−を受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。負の基準電圧VREF−は、
図25の差動基準電圧VREFの片側と同一またはこれに類似するものとすることができる。スイッチ506bは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0241】
また、第2のチャネル内で、スイッチ508b、510bは、キャパシタ502bの他方の側に結合される。スイッチ508bは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。スイッチ510bは、増幅器512の反転入力に結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0242】
第3のチャネル内で、スイッチ504c、506cは、キャパシタ502cの片側に結合される。スイッチ504cは、負の較正信号VCAL−を受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。負の較正信号VCAL−は、
図25の差動出力信号VCALの片側と同一またはこれに類似するものとすることができる。スイッチ506cは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0243】
また、第3のチャネル内で、スイッチ508c、510cは、キャパシタ502cの他方の側に結合される。スイッチ508cは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。スイッチ510cは、増幅器512の非反転入力に結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0244】
第4のチャネル内で、スイッチ504d、506dは、キャパシタ502dの片側に結合される。スイッチ504dは、較正信号VCAL+を受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。正の較正信号VCAL+は、
図25の差動出力信号VCALの片側と同一またはこれに類似するものとすることができる。スイッチ506dは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0245】
また、第4のチャネル内で、スイッチ508d、510dは、キャパシタ502dの他方の側に結合される。スイッチ508dは、コモンモード電圧VCMを受け取るように結合され、サンプルクロック信号CLKSによって制御される。スイッチ510dは、増幅器512の非反転入力に結合され、再分配クロック信号CLKRによって制御される。
【0246】
第1のチャネルおよび第3のチャネルからの出力は、並列であり、第2のチャネルおよび第3のチャネルからの出力は、並列である。
【0247】
増幅器512は、差動出力信号512a、512bを生成する。
【0248】
キャパシタ514は、増幅器512の非反転入力と増幅器512の正出力側512aとの間に結合される。キャパシタ516は、増幅器512の反転入力と増幅器512の負出力側512bとの間に結合される。
【0249】
スイッチドキャパシタ回路500が、差動積分器の形であることを理解されたい。また、スイッチドキャパシタ回路500が、第1のノッチが再分配クロック信号CLKRの周波数に関係するsinx/x(sinc)タイプの伝達関数を提供することを理解されたい。また、スイッチドキャパシタ回路500が、再分配クロック信号CLKRの周波数に従って制御されるユニティゲイン周波数を有する伝達関数を提供することを理解されたい。一般に、ユニティゲイン周波数は、十分にノッチ周波数内にある。
【0250】
動作中に、再分配クロック信号CLKRの周波数を変更することによって、ユニティゲイン周波数を変更することができる。スイッチドキャパシタ回路500は、フィードバックループ、たとえば
図25のフィードバックループ484内で使用されるので、
図25の磁界センサ470の自己較正(またはセルフテスト)の速度またはレートを、再分配クロック信号CLKRの周波数に関係付けることができる。
【0251】
もう一度短く
図25を参照すると、いくつかの応用例で、時々、たとえば磁界センサ470がパワーアップされた直後の時に、磁界センサ470の自己較正(またはセルフテスト)を実行することが望ましい。すばやい較正を、フィードバック回路経路474の帯域幅を増やすことによって、すなわち、スイッチドキャパシタ回路476のユニティゲイン周波数を高めることによって、達成することができる。この効果を、下で
図27〜31に関連してより十分に説明する。しかし、この増やされた帯域幅が、磁界センサ470の動作全体を通じ提示される場合には、磁界センサの分解能および少なくともフィードバック回路経路474の雑音性能が劣化するはずであることを理解されたい。したがって、他の時、たとえば、磁界センサ470が、既に自己較正(またはセルフテスト)され、動作状態である時に、より小さい帯域幅を用いて、すなわち、より低速で、磁界センサ470の自己較正(またはセルフテスト)を継続することが望ましい。より低速の自己較正(またはセルフテスト)を、フィードバック回路経路474の帯域幅を減らすことによって、すなわち、スイッチドキャパシタ回路476のユニティゲイン周波数を高めることによって、達成することができる。
【0252】
したがって、
図25のクロックジェネレータ480を使用して、異なる時に異なる周波数を有する再分配クロック信号480aを提供することができる。いくつかの実施形態では、再分配クロック信号480aは、磁界センサ470がパワーアップされた直後に第1の周波数を、その後により低い第2の周波数を有する。さらなる他のいくつかの実施形態では、再分配クロック信号480は、磁界センサ470が、磁界感知素子208、210に近接するターゲット物体の移動を識別した直後に第1の周波数を、その後により低い第2の周波数を有する。
【0253】
他の実施形態では、磁界センサ470が使用される応用例に依存して、再分配クロック信号480aの3つ以上の周波数があるものとすることができる。
【0254】
もう一度
図26を参照すると、キャパシタ502a、502b、502c、502dのそれぞれおよび関連するスイッチを、磁界感知素子208、210のチョッピングのフェーズの数に依存して、各特定のチャネル内で複製する(並列に)ことができる。また、キャパシタ502a、502b、502c、502dおよび関連するスイッチが複製される時に同一の回路特性を保つために、キャパシタ514、516の値を、それに応じてスケーリングすることができる。そのような配置では、サンプルクロック信号CLKSを、その代わりに、それぞれが同一の周波数を有するが異なる位相を有する複数のサンプルクロック信号とすることができ、ここで、各位相は、再分配クロックではなくサンプルクロックを受け取る各チャネルの複製されたスイッチのうちの関連する1つのスイッチを制御する。4Xチョッピング配置について、キャパシタ502a、502b、502c、502dのそれぞれは、それぞれが4つのスイッチによって囲まれた16個のキャパシタをもたらす4つのそれぞれのインスタンスで複製される。2Xチョッピング配置について、キャパシタ502a、502b、502c、502dのそれぞれは、それぞれが4つのスイッチによって囲まれた8個のキャパシタをもたらす2つのそれぞれのインスタンスで複製される。
【0255】
上で説明したチョッピング配置は、2011年8月2日に発行された前述の米国特許第7990209号に記載されている。
【0256】
ここで
図27を参照すると、例示的なフィードバックループ520は、対応する2つの伝達関数AOLおよびβを有する2つの回路要素を有する。このフィードバックループは、
図25のフィードバックループ484を表すことができ、ここで、
図27の出力信号Voは、
図25の信号476aに対応する。
図25を短く参照すると、伝達関数AOLは、スイッチドキャパシタ回路476の伝達関数に対応することが意図され、伝達関数βは、
図25のフィードバックループ484の残りの伝達関数に対応することが意図されている。
【0257】
ここで
図28を参照すると、グラフ522は、周波数の任意の単位の対数スケールを有する水平軸と、利得の任意の単位の対数スケールを有する垂直軸とを有する。グラフ522は、伝達関数AOLすなわち
図25のスイッチドキャパシタ回路476のみの利得を表す。
【0258】
スイッチドキャパシタ回路は、AOLの最大利得、fintegratorのユニティゲイン周波数、およびfintegratorをAOLで割ったコーナー周波数を有する。いくつかの実施形態では、利得AOLは、約100dB(すなわち、100000)であり、ユニティゲイン周波数は、約100Hzであり、コーナー周波数は、約100Hz割る100000である。スイッチドキャパシタ回路476が完全な積分器である場合に、AOLは無限大になるはずである。しかし、無限大の利得は、実現可能ではない。約80dBから約120dBまでのAOLの範囲を使用することができる。
【0259】
ここで
図29を参照すると、グラフ524は、周波数の任意の単位の対数スケールを有する水平軸と、利得の任意の単位の対数スケールを有する垂直軸とを有する。グラフ524は、伝達関数βすなわち
図25のフィードバックループ484内の他の回路の利得を表す。
【0260】
組み合わされた他の回路要素は、βの最大利得およびfβのコーナー周波数を有する。いくつかの実施形態では、利得βは、約0dB(すなわち、1)であり、コーナー周波数は、約100kHzである。
【0261】
ここで
図30を参照すると、グラフ526は、周波数の任意の単位の対数スケールを有する水平軸と、ループ利得の任意の単位の対数スケールを有する垂直軸とを有する。グラフ526は、伝達関数AOLおよびβの積すなわち
図25のフィードバックループ484および
図27のフィードバックループ520のループ利得を表す。
【0262】
グラフ530は、たとえば
図25の磁界センサ470のスタートアップの時に始まる、第1の時間期間中の
図25のフィードバックループ484のループ利得を表す。しかし、グラフ530は、
図25のフィードバックループ484の周波数応答の一部のみを表す。具体的には、グラフ530は、それからのノッチがグラフ530内で表されるものより高い周波数になるはずのsinx/x(再分配/サンプリング)部分なしの伝達関数を示す。
【0263】
フィードバックループは、AOLかけるβの最大開ループ利得、ユニティゲイン周波数またはfintegratorかけるβ、およびfintegrator割るAOLのコーナー周波数を有する。βが約1であるいくつかの実施形態では、開ループ利得は、約100dB(すなわち、100000)であり、ユニティゲイン周波数は、約100Hzであり、コーナー周波数は、約100Hz割る100000である。
【0264】
周波数fβでは、周波数fβで発生する
図29のグラフ524の極が、伝達関数532に傾きを変化させ、追加の周波数シフトを受けさせる。
図27のフィードバックループ520または
図25のフィードバックループ484が、追加の位相シフトをこうむる周波数fβで少なくとも45°の位相マージンを有するために、利得は、図示のように0dB未満でなければならない。
【0265】
グラフ530を
図28のグラフ522と比較して、グラフ530のユニティゲイン周波数が、fintegratorに関係し、このfintegratorが、
図28に示されているように、
図25のスイッチドキャパシタ回路476によって、具体的には再分配クロック信号480aの周波数によって制御されることを了解されたい。したがって、スイッチドキャパシタ回路476のユニティゲイン周波数を変更することによって、フィードバックループ484のループ利得をそれに従って変更することができる。
【0266】
ここで
図31を参照すると、グラフ540は、周波数の任意の単位の対数スケールを有する水平軸と、利得の任意の単位の対数スケールを有する垂直軸とを有する。
【0267】
グラフ540は、たとえば上で
図30に関連して説明した第1の時間期間の後の、第2の時間期間中の
図25のフィードバックループ484の開ループ利得を表す。
図30と同様に、グラフ540は、
図25のフィードバックループ484の開ループ利得の一部のみを表す。具体的には、伝達関数540は、そのノッチがグラフ540内で表されるものより高い周波数になるはずのsinx/x(再分配/サンプリング)部分なしの伝達関数を示す。
【0268】
グラフ540では、ユニティゲイン周波数は、
図25の再分配クロック信号480aの周波数を変更することによって、
図30のグラフ530から変更されている。いくつかの実施形態では、開ループ利得は、約100dB(すなわち、100000)であり、開ループユニティゲイン周波数は、約30Hzであり、開ループコーナー周波数は、約30Hz割る100000である。
【0269】
ここで、
図25の同様の要素が同様の符号を有して図示されている
図32を参照すると、もう1つの例示的な磁界センサ560は、
図25の主回路経路472と同一またはこれに類似するものとすることができる主回路経路562を含むことができる。しかし、ここでは、主回路経路562が、sincフィルタ222なしで図示されている。また、スイッチング回路204は、バイパスであり、コイル電流は、
図13と同様に0がセットされる。
【0270】
図32を
図25と比較して、sincフィルタ222が、
図32に現れないことに注意されたい。sincフィルタ222は、オフセット成分を減らすことを意図されたものであり、このオフセット成分は、
図32では、フィードバックの動作によって既に除去されている。しかし、磁界センサ560の他の実施形態では、sincフィルタ222を含めることができる。有利なことに、sincフィルタ222の除去は、より高速の磁界センサをもたらすことができる。
【0271】
磁界センサ560は、
図25のフィードバック回路経路474とは異なるフィードバック回路経路564を含む。フィードバック回路経路は、フィードバックループ584に含まれ、フィードバックループ584は、増幅器216をも含む。
【0272】
フィードバック回路経路564は、信号Cを直接に渡すように配置されたフィードスルー回路574を含むことができる。信号C’すなわちオフセット電圧信号Voffは、磁界センサ560からの出力信号として生じる。いくつかの実施形態では、出力信号Voffは、磁界センサ560の内部のものであり、自己較正信号として使用される。他の実施形態では、出力信号Voffを、磁界センサ470の外部で供給されるセルフテスト信号として使用することができる。出力信号Voffが、正しい定常状態条件の下で0に近づくことを理解されたい。
【0273】
磁界センサ560は、スイッチドキャパシタ回路566を含むことができる。スイッチドキャパシタ回路566は、
図25のスイッチドキャパシタ回路476と同一またはこれに類似するものとすることができる。しかし、ここでは、スイッチドキャパシタ回路566は、
図25の較正信号VCALの代わりにオフセット電圧信号Voffを受け取るように結合され、基準信号VREFは、0にセットされる。
【0274】
磁界センサ560は、クロック信号570a、570bを生成するように構成されたクロックジェネレータ570を有する制御回路568を含むことができる。制御回路568、クロックジェネレータ570、およびクロック信号570a、570bを、
図25の制御回路478、クロックジェネレータ480、およびクロック信号480a、480bと同一またはこれに類似するものとすることができる。
【0275】
スイッチドキャパシタ回路566は、本明細書で信号C’’とも称する出力信号566aを生成するように構成される。下の議論から、出力信号566a(C’’)ならびにフィルタ226によって生成される出力信号Voff(C’)が、
図16の信号Cに類似することを理解されたい。しかし、信号C’、C’’は、フィルタ226によって提供される追加のフィルタリングを含む。したがって、DCを超える周波数成分が、減らされる。
【0276】
いくつかの実施形態では、磁界センサ560は、2Xチョッピングを用いて動作する。
図1A、グラフ32は、2Xチョッピングが使用される時の
図1の増幅器16の後(および
図32の増幅器216の後)の信号Cを表す。2Xチョッピングは、DCでのみのオフセット成分をもたらす。この成分を、フィードバック回路経路564によって除去することができる。信号C’、C’’は、
図1Aのそのグラフ32に類似するDC部分を有することができる。フィードバック回路が定常状態に達した後に、信号C、C’のDC部分は、0になる。
【0277】
いくつかの代替実施形態では、磁界センサ560は、4Xチョッピングを用いて動作する。
図16は、4Xチョッピングが使用される時の
図12、13、および32の増幅器216の後の信号Cを表す。4Xチョッピングは、追加のオフセット成分をもたらす。4Xチョッピングを使用する実施形態は、追加のオフセット成分を除去するために余分な回路網(図示せず)を必要とする。
【0278】
磁界センサ560は、出力信号566aを受け取るように結合され、オフセット制御信号572aを生成するように構成されたインターフェース回路572を含むことができる。増幅器216を、オフセット制御信号572aを受け取るように結合することができる。この配置を用いると、オフセット制御信号572aは、主回路経路562からオフセット電圧を減らすか除去することができる。
【0279】
磁界センサ560内で、スイッチドキャパシタ回路566は、上で
図25〜31に関連して説明した少なくとも2つのユニティゲイン帯域幅を有して動作することができる。
【0280】
いくつかの実施形態で、回路574を除去することができ、ストレートスルー経路をその代わりに設けることができることを了解されたい。
【0281】
単一の一体化された磁界センサが、
図25の磁界センサ470の利得(すなわち、感度)較正特徴を、また、
図32の磁界センサ560のオフセット較正特徴を、有することができることをも理解されたい。これらの実施形態では、回路は、いくつかの時に回路574として図示されたフィードスルー回路として動作するため、または他の時に
図25のスイッチング回路224として動作するために、磁界センサの動作中に変更され得る。これらの実施形態では、
図2のスイッチドキャパシタ回路476を有することと、インターフェース回路572と一緒に
図32のスイッチドキャパシタ回路566を有することとの両方を有することが有利である可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、磁界センサは、
図25の回路トポロジと一緒に
図32の回路トポロジを提供することができる。この組み合わされた配置は、感度の自己較正(またはセルフテスト)と組み合わされた磁界センサのオフセット電圧の自己較正(またはセルフテスト)との両方を提供することができる。
【0282】
本明細書で引用されるすべての参考文献は、これによって、その全体を本明細書に参照によって組み込まれる。
【0283】
本発明の主題であるさまざまな概念、構造、および技法を例示するように働く好ましい実施形態を説明したので、当業者には、これらの概念、構造、および技法を組み込む他の実施形態を使用できることが、明白になるであろう。したがって、本発明の範囲が、説明された実施形態に限定されてはならず、以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲のみによって限定されなければならないことが提起される。