特許第6138851号(P6138851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6138851リルピビリンHClおよびフマル酸テノホビルジソプロキシルを含有する治療用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138851
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】リルピビリンHClおよびフマル酸テノホビルジソプロキシルを含有する治療用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/505 20060101AFI20170522BHJP
   A61K 31/662 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20170522BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 9/24 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61K31/505
   A61K31/662
   A61K31/513
   A61K47/38
   A61K47/10
   A61K47/26
   A61K47/04
   A61K47/22
   A61K47/12
   A61K47/34
   A61K47/32
   A61K47/36
   A61K9/24
   A61K9/30
   A61P31/18
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2015-85594(P2015-85594)
(22)【出願日】2015年4月20日
(62)【分割の表示】特願2013-540085(P2013-540085)の分割
【原出願日】2011年11月18日
(65)【公開番号】特開2015-131853(P2015-131853A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年4月20日
(31)【優先権主張番号】61/415,600
(32)【優先日】2010年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(73)【特許権者】
【識別番号】510020022
【氏名又は名称】ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・ユーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レザ オリヤイ
(72)【発明者】
【氏名】ローレン ワイザー
(72)【発明者】
【氏名】マーク メニング
【審査官】 安藤 公祐
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−546705(JP,A)
【文献】 特表2008−543861(JP,A)
【文献】 特表2007−520443(JP,A)
【文献】 特表2008−511592(JP,A)
【文献】 特表2006−516570(JP,A)
【文献】 HIV TREATMENT BULLETIN [ONLINE],2010年 8月,URL,http://i-base.info/htb/13816
【文献】 XVIII INTERNATIONAL AIDS CONFERENCE,2010年 7月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/505
A61K 9/24
A61K 9/30
A61K 31/513
A61K 31/662
A61K 47/04
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/22
A61K 47/26
A61K 47/32
A61K 47/34
A61K 47/36
A61K 47/38
A61P 31/18
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層および第2の層を含む錠剤であって、ここで;
a)該第1の層は、27.5±1.4mgのリルピビリンHCl、60.0±3mgの微晶質セルロース、16.1±0.8mgのクロスカルメロースナトリウム、63.3重量%のラクトース一水和物を含みかつフマル酸テノホビルジソプロキシルを含まずかつ該第1の層の総重量は、225mgより大きく;
b)該第2の層は、フマル酸テノホビルジソプロキシルを含みかつリルピビリンHClを含まず;そして
c)該錠剤は、エムトリシタビンをさらに含む、錠剤。
【請求項2】
前記第1の層は、エムトリシタビンを含まない、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記第2の層は、エムトリシタビンを含む、請求項1に記載の錠剤。
【請求項4】
200±10.0mgのエムトリシタビンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項5】
300±15.0mgのフマル酸テノホビルジソプロキシルを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項6】
前記第1の層は、1種以上の希釈剤、崩壊剤、結合剤、もしくは滑沢剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項7】
前記第1の層は、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、ジヒドロアルミニウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ピペラジン、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物から選択される塩基性化剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項8】
前記第1の層は、ポリソルベート20をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項9】
前記第1の層は、ポビドン、ポリソルベート20、およびステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項10】
前記第2の層は、微晶質セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項11】
前記第2の層は、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項12】
前記第1の層は、前記第2の層と接触した状態にある、請求項1〜11のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項13】
第3の層をさらに含み、該第3の層は、前記第1の層と前記第2の層との間にありかつ該第1の層と該第2の層を分離する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項14】
前記第3の層は、ラクトース一水和物および/もしくは微晶質セルロースを含む、請求項13に記載の錠剤。
【請求項15】
前記第1の層は、前記第2の層と接触した状態にあるポリマーフィルムコーティングである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項16】
前記第1の層は、前記第2の層を完全に覆うポリマーフィルムコーティングである、請求項15に記載の錠剤。
【請求項17】
前記第1の層は、以下:
【表35】
および63.3重量%のラクトース一水和物を含み、
前記第2の層は、以下:
【表36】
を含む、請求項3に記載の錠剤。
【請求項18】
前記第1の層は、以下:
【表37】
からなり、
前記第2の層は、以下:
【表38】
からなる、請求項3に記載の錠剤。
【請求項19】
前記第1の層は、以下:
【表39】
からなり、
前記第2の層は、以下:
【表40】
からなり、
前記第3の層は、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む、
請求項13に記載の錠剤。
【請求項20】
フィルムコーティングをさらに含む、請求項1〜14および請求項17〜19のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項21】
ヒトにおけるHIV感染症を処置することにおいて使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の錠剤であって、ここで、摂食させた場合に該ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンAUCは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンAUCよりも25%まで大きい、錠剤。
【請求項22】
ヒトにおけるHIV感染症を処置することにおいて使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の錠剤であって、ここで、摂食させた場合に該ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンCmaxは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンCmaxよりも25%まで大きい、錠剤。
【請求項23】
HIV感染症の処置における使用のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項24】
ヒトにおけるHIV感染症を処置するための医薬の調製のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の錠剤の使用。
【請求項25】
ヒトにおけるHIV感染症の処置における使用のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の優先権
本願は、2010年11月19日に出願された米国仮特許出願第61/415,600号への優先権を主張する。この仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
リルピビリンHCl(RPV)は、HIV感染の処置のための研究用新薬であり、以下の式I:
【0003】
【化1】
を有する。
【0004】
それは、他の市販のNNRTI(エファビレンツが挙げられる)と比較して、より長い半減期を有しかつ、より良好な副作用プロフィールを有する、第2世代の非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(NNRTI)である。
【0005】
エムトリシタビン(FTC)は、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターであり、以下の式II:
【0006】
【化2】
を有する。
【0007】
エムトリシタビンは、EMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)カプセル剤、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビンおよびテノホビルDF)錠剤、およびATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、エムトリシタビン、およびテノホビルDF)錠剤中の活性成分として存在し、これら錠剤は、HIV感染の処置のために市場に出ている。
【0008】
フマル酸テノホビルジソプロキシル(テノホビルDFもしくはTDF)は、逆転写酵素インヒビターであり、以下の式III:
【0009】
【化3】
を有する。
【0010】
テノホビルDFはまた、VIREAD(登録商標)(テノホビルDF)錠剤、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビンおよびテノホビルDF)錠剤、およびATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、エムトリシタビン、およびテノホビルDF)錠剤中の活性成分として存在する。
【0011】
リルピビリンHCl、エムトリシタビン、およびテノホビルDFの組み合わせは、HIVの処置について臨床研究において現在調査中である(例えば、www.
1371103899457_0
におけるTMC278−TiDP6−C209: A Clinical Trial in Treatment Naive HIV−1 Patients Comparing TMC278 to Efavirenz in Combination With Tenofovir + Emtricitabine)。現在の臨床研究において、この組み合わせは、2種の錠剤として投与される:一方の錠剤は、リルピビリンHClを含み、第2の錠剤は、市販の製品であるTRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)である。
【0012】
固体経口投与形態にある、リルピビリンHCl、エムトリシタビン、およびテノホビルDFを含む固定用量の組み合わせ生成物が、望ましい。このような固定用量の組み合わせは、患者に、毎日1回の投与のための投与状の便宜を提供する。臨床研究は、高レベルのコンプライアンスおよび治療満足度を実証し、単純な毎日1回の高活性抗レトロウイルス治療(HAART)は、HIV−1 RNAの持続性のある抑制を生じた。
【0013】
特許文献1は、リルピビリンHCl、エムトリシタビン、およびテノホビルDFを含む単一の錠剤を調製するための共湿式(co−wet)造粒プロセスを考察している。不運なことに、テノホビルDFの化学的安定性は、リルピビリンHClの存在下で影響を受ける。従って、特許文献1において考察された共湿式造粒プロセスによって提供される製剤は、ヒトの臨床使用には理想的でない。
【0014】
リルピビリンHCl、エムトリシタビン、およびテノホビルDFを含む固定用量の組み合わせ生成物が現在必要である。理想的には、上記固定用量の組み合わせ生成物は、上記活性成分にとっての適切な化学的安定性を提供し、単位用量形態として受容可能なサイズのものである。その上、上記固定用量の形態が、上記個々の薬剤の投与によって生成される血漿濃度に匹敵する、上記3種の薬剤の各々のヒト血漿濃度を生成することは、有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2005/021001号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
出願人は、リルピビリンHCl、エムトリシタビン、およびテノホビルDFの単一の複数層製剤が上記活性成分にとって適切な化学的安定性を提供すること、ならびに上記3種の薬剤の血漿濃度がEmtriva(エムトリシタビン 200mg)カプセル剤、Viread(テノホビルDF 300mg)錠剤、およびリルピビリンHClを含む第3の錠剤(これは、臨床試験において現在評価されている最中である)の投与によって生じる血漿濃度に匹敵することを発見した。さらに、出願人によって同定される上記単一の複数層製剤は、上記個々の成分を食物とともに投与したのと比較して、食物ありおよびなしで投与したとき、血漿濃度曲線下面積(AUC)によって測定される場合、類似の薬物曝露を提供する。食物なしで上記個々の成分を投与すると、食物ありで上記個々の成分を投与したのと比較して、リルピビリン曝露における21%の低下(AUC)が示された。投与を食物で制限するのみでは、投与レジメンが複雑になり得、患者の投与コンプライアンスを損ない得る。
【0017】
よって、一実施形態において、本発明は、第1の層および第2の層を含む錠剤であって、ここで;a)上記第1の層は、リルピビリンHClを含み;b)上記第2の層は、テノホビルDFを含み;そしてc)上記錠剤は、エムトリシタビンをさらに含む、錠剤を提供する。
【0018】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染症を処置するための方法を提供し、上記方法は、上記ヒトに、本発明の錠剤を投与する工程を包含し、ここで摂食させた場合に上記ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンAUCは、絶食させた場合に上記ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンAUCよりも約25%まで大きい(no more than about 25% greater than rilpivirine AUC)。
【0019】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染症を処置するための方法を提供し、上記方法は、上記ヒトに本発明の錠剤を投与する工程を包含し、ここで摂食させた場合に上記ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンCmaxは、絶食させた場合に上記ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンCmaxよりも約25%まで大きい。
【0020】
一実施形態において、本発明は、HIV感染の予防的処置もしくは治療的処置において使用するための本発明の錠剤を提供し、ここで摂食させた場合に上記ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンAUCは、絶食させた場合に上記ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンAUCよりも約25%まで大きい。
【0021】
一実施形態において、本発明は、HIV感染の予防的処置もしくは治療的処置において使用するための本発明の錠剤を提供し、ここで摂食させた場合に上記ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンCmaxは、絶食させた場合に上記ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンCmaxよりも約25%まで大きい。
【0022】
一実施形態において、本発明は、HIV感染の予防的処置もしくは治療的処置において使用するための本発明の錠剤を提供する。
【0023】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染症を処置するための医薬を調製するための、請求項1〜32のいずれか1項に記載のとおりの錠剤の使用を提供する。
【0024】
本発明はまた、本発明の錠剤を調製するための本明細書に記載されるプロセス、ならびに本発明の錠剤を調製するために有用な新規な中間体混合物を提供する。
【0025】
本発明の錠剤は、ウイルス感染症(例えば、HIV)の処置のための多剤療法の開発における進歩を代表する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
第1の層および第2の層を含む錠剤であって、ここで;
a)該第1の層は、リルピビリンHClを含みかつフマル酸テノホビルジソプロキシルを実質的に含まず;
b)該第2の層は、フマル酸テノホビルジソプロキシルを含みかつリルピビリンHClを実質的に含まず;そして
c)該錠剤は、エムトリシタビンをさらに含む、錠剤。
(項目2)
前記第1の層は、エムトリシタビンを含まない、項目1に記載の錠剤。
(項目3)
前記第2の層は、エムトリシタビンを含む、項目1に記載の錠剤。
(項目4)
27.5±1.4mgのリルピビリンHClを含む、項目1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目5)
200±10.0mgのエムトリシタビンを含む、項目1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目6)
300±15.0mgのフマル酸テノホビルジソプロキシルを含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目7)
前記第1の層は、1種以上の希釈剤、崩壊剤、結合剤、もしくは滑沢剤をさらに含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目8)
前記第1の層の総重量は、275±75mgである、項目7に記載の錠剤。
(項目9)
前記第1の層の総重量は、225mgより大きい、項目7に記載の錠剤。
(項目10)
前記第1の層の総重量は、275±50mgである、項目8に記載の錠剤。
(項目11)
前記第1の層は、塩基性化剤を含む、項目1〜10のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目12)
前記塩基性化剤は、クロスカルメロースナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、ジヒドロアルミニウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ピペラジン、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物から選択される、項目11に記載の錠剤。
(項目13)
前記第1の層は、クロスカルメロースナトリウム、およびポリソルベート20を含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目14)
前記第1の層は、ラクトース一水和物、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート20、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目15)
前記第2の層は、微晶質セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む、項目1〜14のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目16)
前記第2の層は、ラクトース一水和物、アルファ化デンプン、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む、項目1〜14のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目17)
前記第1の層は、前記第2の層と接触した状態にある、項目1〜16のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目18)
第3の層をさらに含み、該第3の層は、前記第1の層と前記第2の層との間にありかつ該第1の層と該第2の層を分離する、項目1〜16のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目19)
前記第3の層は、ラクトース一水和物および/もしくは微晶質セルロースを含む、項目18に記載の錠剤。
(項目20)
前記第1の層は、前記第2の層と接触した状態にあるポリマーフィルムコーティングである、項目1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目21)
前記第1の層は、前記第2の層を完全に覆うポリマーフィルムコーティングである、項目20に記載の錠剤。
(項目22)
前記第1の層は、以下:
【表35】

を含み、
前記第2の層は、以下:
【表36】

を含む、項目3に記載の錠剤。
(項目23)
前記第1の層は、以下:
【表37】

からなり、
前記第2の層は、以下:
【表38】

からなる、項目3に記載の錠剤。
(項目24)
前記第1の層は、以下:
【表39】

からなり、
前記第2の層は、以下:
【表40】

からなり、
前記第3の層は、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む、
項目18に記載の錠剤。
(項目25)
フィルムコーティングをさらに含む、項目1〜19および項目22〜24のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目26)
前記フィルムコーティングは、34±12mgのOpadry II Purple 33G100000を含む、項目25に記載の錠剤。
(項目27)
以下からなる第1の層:
【表41】

以下からなる第2の層:
【表42】

および以下からなるコーティング:
【表43】

を有する、錠剤。
(項目28)
前記第1の層のうちの少なくとも約5.4重量%は、クロスカルメロースナトリウムであり、該第1の層のうちの少なくとも約63.3重量%は、ラクトース一水和物である、項目1〜19のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目29)
前記第1の層のうちの約12.2重量%未満は、リルピビリン塩酸塩である、項目1〜21のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目30)
前記第1の層のうちの約12重量%未満は、リルピビリン塩酸塩である、項目1〜21のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目31)
前記第1の層は、27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、該第1の層の合計重量は、少なくとも約230mgである、項目1に記載の錠剤。
(項目32)
本明細書に記載されるとおりに調製される錠剤。
(項目33)
ヒトにおけるHIV感染症を処置するための方法であって、該方法は、該ヒトに、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤を投与する工程を包含し、ここで、摂食させた場合に該ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンAUCは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンAUCよりも約25%まで大きい、方法。
(項目34)
ヒトにおけるHIV感染症を処置するための方法であって、該方法は、該ヒトに、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤を投与する工程を包含し、ここで、摂食させた場合に該ヒトへの投与後に達成されるリルピビリンCmaxは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンCmaxよりも約25%まで大きい、方法。
(項目35)
HIV感染症の予防的処置もしくは治療的処置における使用のための、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤であって、ここで、摂食させた場合にヒトへの投与後に達成されるリルピビリンAUCは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンAUCよりも約25%まで大きい、錠剤。
(項目36)
HIV感染症の予防的処置もしくは治療的処置における使用のための、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤であって、ここで、摂食させた場合にヒトへの投与後に達成されるリルピビリンCmaxは、絶食させた場合に該ヒトへ投与したときに達成されるリルピビリンCmaxよりも約25%まで大きい、錠剤。
(項目37)
HIV感染症の予防的処置もしくは治療的処置における使用のための、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤。
(項目38)
ヒトにおけるHIV感染症を処置するための医薬の調製のための、項目1〜32のいずれか1項に記載の錠剤の使用。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の錠剤を図示する。
図2図2は、本発明の錠剤を図示する。
図3図3は、本発明の錠剤を図示する。
図4図4は、実施例1に記載される代表的な本発明の錠剤の調製を図示するフロー図である。
図5図5は、実施例2に記載される代表的な本発明の錠剤の調製を図示するフロー図である。
図6図6は、実施例3に記載される代表的な本発明の錠剤の調製を図示するフロー図である。
図7図7は、比較実施例1において経時的に測定された総TDF分解物のパーセントを図示する。
図8図8は、比較実施例4において経時的に測定された総TDF分解物のパーセントを図示する。
図9図9は、実施例5において測定されたときに溶解したRPVのパーセントを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な説明)
本発明の方法に関して本明細書で使用される場合、「摂食させた」場合のヒトへの投与は、ヒトが約300〜600カロリーおよび約10〜約15gの脂肪の標準化された食事をとって5分以内に、本発明の錠剤を上記ヒトへ投与することを意味する。
【0028】
本発明の方法に関して本明細書で使用される場合、「絶食させた」場合のヒトへの投与は、本発明の錠剤を投与する約8時間前から上記錠剤の投与の約4時間後までの期間に食物をとらなかったヒトへ、本発明の錠剤を投与することを包含する。
【0029】
本明細書で使用される場合、本発明の錠剤が所定の成分を「実質的に含まない」層を含むとき、上記錠剤に存在する上記所定の成分の総重量のうちの5%未満が、その層に見いだされることを意味する。本発明の一実施形態において、本発明の錠剤が所定の成分を「実質的に含まない」層を含むとき、上記錠剤に存在する上記所定の成分の総重量のうちの1%未満が、その層に見いだされることを意味する。
【0030】
範囲および用語について以下に列挙される特定の値は、例示のために過ぎない;それらは、他の値を排除しない。
【0031】
一実施形態において、本発明は、上記第2の層が上記エムトリシタビンを含む錠剤を提供する。
【0032】
一実施形態において、本発明は、27.5±1.4mgのリルピビリンHClを含む錠剤を提供する。
【0033】
一実施形態において、本発明は、200±10.0mgのエムトリシタビンを含む錠剤を提供する。
【0034】
一実施形態において、本発明は、300±15.0mgのテノホビルDFを含む錠剤を提供する。
【0035】
本発明の一実施形態において、上記第1の層は、1種以上の希釈剤、崩壊剤、結合剤、もしくは滑沢剤をさらに含む。
【0036】
本発明の一実施形態において、本発明の錠剤における上記第1の層の総重量は、275±75mgである。
【0037】
本発明の一実施形態において、上記錠剤における上記第1の層の総重量は、225mgより大きい。
【0038】
本発明の一実施形態において、本発明の錠剤における上記第1の層の総重量は、275±50mgである。
【0039】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が、ラクトース一水和物、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート20、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む、本発明の錠剤を提供する。
【0040】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が塩基性化剤(basifying agent)を含む本発明の錠剤を提供する。本発明の一実施形態において、上記塩基性化剤は、クロスカルメロースナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウム)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、および水酸化マグネシウム)、水酸化アルミニウム、ジヒドロアルミニウム、炭酸ナトリウム、アルミニウムマグネシウムヒドロオキシドサルフェート(alminum magnesium hydroxide sulfate)、水酸化アルミニウム 炭酸マグネシウム、水酸化アンモニウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ピペラジン、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0041】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層がクロスカルメロースナトリウム、およびポリソルベート20を含む本発明の錠剤を提供する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層がラクトース一水和物、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート20、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む本発明の錠剤を提供する。
【0043】
一実施形態において、本発明は、上記第2の層が微晶質セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを含む本発明の錠剤を提供する。
【0044】
一実施形態において、本発明は、上記第2の層がラクトース一水和物、アルファ化デンプン、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む本発明の錠剤を提供する。
【0045】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層と接触した状態にある本発明の錠剤を提供する。
【0046】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層と上記第2の層との間にありかつこれらを分離する第3の層をさらに含む本発明の錠剤を提供する。一実施形態において、上記第3の層は、ラクトース一水和物、もしくは微晶質セルロース、またはこれらの混合物を含む。
【0047】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を覆うフィルムコーティングである本発明の錠剤を提供する。
【0048】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を完全に覆うポリマーフィルムコーティングである本発明の錠剤を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、フィルムコーティングをさらに含む錠剤を提供する。一実施形態において、上記フィルムコーティングは、34±12mgのOpadry II Purple 33G100000を含む。
【0050】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層のうちの少なくとも約5.4重量%がクロスカルメロースナトリウムであり、上記第1の層のうちの少なくとも約63.3重量%がラクトース一水和物である錠剤を提供する。
【0051】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層のうちの約12.2重量%未満がリルピビリン塩酸塩である錠剤を提供する。
【0052】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層のうちの約12重量%未満がリルピビリン塩酸塩である錠剤を提供する。
【0053】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約230mgである錠剤を提供する。
【0054】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約240mgである錠剤を提供する。
【0055】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約250mgである錠剤を提供する。
【0056】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が、少なくとも約260mgである錠剤を提供する。
【0057】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約270mgである錠剤を提供する。
【0058】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約280mgである錠剤を提供する。
【0059】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約290mgである錠剤を提供する。
【0060】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約300mgである錠剤を提供する。
【0061】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約230mgでありかつ約325mg未満である錠剤を提供する。
【0062】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約300mgでありかつ約325mg未満である錠剤を提供する。
【0063】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン塩酸塩を含み、上記第1の層の総重量が少なくとも約290mgでありかつ約310mg未満である錠剤を提供する。
【0064】
一実施形態において、本発明は、本明細書で記載されるとおりに調製される錠剤を提供する。
【0065】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が以下:
【0066】
【表1】
を含み、上記第2の層が以下:
【0067】
【表2】
を含む本発明の錠剤を提供する。
【0068】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が以下:
【0069】
【表3】
を含み、上記第2の層が以下:
【0070】
【表4】
を含む本発明の錠剤を提供する。
【0071】
一実施形態において、本発明は、以下を含む第1の層:
【0072】
【表5】
以下を含む第2の層:
【0073】
【表6】
および上記第1の層と上記第2の層との間にありかつこれらを分離し、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む第3の層
を含む錠剤を提供する。
【0074】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が以下:
【0075】
【表7】
からなり、上記第2の層が以下:
【0076】
【表8】
からなる本発明の錠剤を提供する。
【0077】
一実施形態において、本発明は、以下からなる第1の層:
【0078】
【表9】
以下からなる第2の層:
【0079】
【表10】
および上記第1の層と上記第2の層との間にありかつこれらを分離し、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む第3の層
を含む錠剤を提供する。
【0080】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を覆うフィルムコーティングであり、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン HClを含み;そし
て上記第2の層が以下:
【0081】
【表11】
を含む本発明の錠剤を提供する。
【0082】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を覆うフィルムコーティングであり、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリンHClを含み;そして上記第2の層が以下:
【0083】
【表12】
からなる本発明の錠剤を提供する。
【0084】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が以下:
【0085】
【表13】
を含み、上記第2の層が以下:
【0086】
【表14】
を含む本発明の錠剤を提供する。
【0087】
一実施形態において、本発明は、以下を含む第1の層:
【0088】
【表15】
以下を含む第2の層:
【0089】
【表16】
および上記第1の層と上記第2の層との間にありかつこれらを分離し、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む第3の層
を含む錠剤を提供する。
【0090】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が以下:
【0091】
【表17】
からなり、上記第2の層が以下:
【0092】
【表18】
からなる本発明の錠剤を提供する。
【0093】
一実施形態において、本発明は、以下からなる第1の層:
【0094】
【表19】
以下からなる第2の層:
【0095】
【表20】
および上記第1の層と上記第2の層との間にありかつこれらを分離し、150±8.0mgの微晶質セルロースもしくはラクトース一水和物、またはこれらの混合物を含む第3の層
を含む錠剤を提供する。
【0096】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を覆うフィルムコーティングであり、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリン HClを含み;そし
て上記第2の層が以下:
【0097】
【表21】
を含む本発明の錠剤を提供する。
【0098】
一実施形態において、本発明は、上記第1の層が上記第2の層を覆うフィルムコーティングであり、上記第1の層が27.5±1.4mgのリルピビリンHClを含み;そして上記第2の層が以下:
【0099】
【表22】
からなる本発明の錠剤を提供する。
【0100】
本発明の錠剤は、1種以上の受容可能なキャリアを含み得る。上記キャリア(複数可)は、上記製剤の他の成分と適合性であり、上記製剤のレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味において「受容可能」であるべきである。本明細書で使用される場合、用語キャリアとしては、賦形剤、流動促進剤、充填剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、保存剤、界面活性剤、分散剤などが挙げられる。例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipients (APhA Publications, Washington, DC)(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと。用語キャリアはまた、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および保存剤のような剤を含む。さらに、これらの用語は、本明細書で言及される価値、ならびに通常の実務に合致する価値を含む。
【0101】
本発明の錠剤はまた、上記錠剤のうちの一部もしくは全てを覆うフィルムコーティングを含み得る。フィルムコーティングは、当該分野で公知であり、親水性ポリマー材料から構成され得るが、ポリサッカリド材料(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(ビニルアルコール−コ(co)−エチレングリコール)ならびに他の水溶性ポリマーに限定されない。本発明のフィルムコーティングに含まれる水溶性材料は、単一のポリマー材料を含み得るが、それはまた、1種より多くのポリマーの混合物を使用して形成され得る。本発明の一実施形態において、上記フィルムコーティングは、Opadry II Purple 33G100000(これは、Colorcon.から入手可能である)を含む。
【0102】
本発明の錠剤は、便宜上、単位投与形態において提示され得、薬学分野において周知の方法のうちのいずれかによって調製され得る。技術および製剤は、一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA)(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)において見いだされる。このような方法は、上記活性成分(複数可)と、1種以上の補助的成分を構成するキャリアとを会合させる工程を包含する。
【0103】
錠剤は、必要に応じて、1種以上の補助的成分とともに圧縮もしくは成形することによって作製され得る。圧縮錠剤は、自由流動形態(例えば、粉末もしくは顆粒(必要に応じて、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合される))にある上記活性成分を、適切な機械の中で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らされた粉末化活性成分の混合物を適切な機械の中で成形することによって作製され得る。上記錠剤は、必要に応じて、例えば、式Iの化合物を必要に応じて含むポリマーフィルムコーティングでコーティングされ得る。
【0104】
図1は、本発明の錠剤(101)の断面を示す。上記錠剤は、リルピビリンHClを含む第1の層(103)を含む。上記錠剤はまた、テノホビルDFを含む第2の層(105)を含む。上記第1のおよび第2の層は、各々同様に、エムトリシタビンをさらに含み得る。
【0105】
図2は、本発明の錠剤(101)の断面を示す。上記錠剤は、リルピビリンHClを含む第1の層(103)を含む。上記錠剤はまた、テノホビルDFを含む第2の層(105)および不活性である第3の層(107)を含む。上記第1のおよび第2の層は、各々同様に、エムトリシタビンをさらに含み得る。
【0106】
図3は、本発明の錠剤(101)の断面図を示す。上記錠剤は、リルピビリンHClを含む第1の層(109)、ならびにテノホビルDFおよびエムトリシタビンを含む第2の層(105)を含み、ここで上記第1の層(109)は、上記第2の層(105)を覆うコーティングである。
【実施例】
【0107】
(比較実施例)
(比較実施例1.FTC、RPV、およびTDFの共湿式造粒製剤の調製および安定性評価)
単一の共湿式造粒プロセスを使用して、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)および上記RPV第3相臨床製剤の製剤組成物に基づいて、FTC、RPV、およびTDFを製剤化した。共湿式造粒プロセスは、製造が容易であるという利点を有するので、これはしばしば、FDC生成物を開発するための第1選択のアプローチである。RPVの低用量およびVIREAD(登録商標)(テノホビルDF)、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)、およびEMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)において一般的な賦形剤を使用することにより、FTC/RPV/TDFが単層湿式造粒プロセスにとって扱いやすくなった。1つの難題は、界面活性剤の存在下でTDFの安定性を維持することであった。
【0108】
評価される上記共湿式造粒製剤の組成および加工処理パラメーターは、それぞれ、表CE1.1および表CE1.2にまとめられる。湿式造粒を、非イオン性界面活性剤(ポロキサマー 188およびポリソルベート20)の存在下および非存在下で行った。
【0109】
【表23】
【0110】
【表24】
上記コーティングされていない錠剤を、3gのシリカゲル乾燥剤とともにパッケージし、50℃および40℃/75% RH 安定性チャンバに貯蔵して、上記錠剤サンプルにストレスを与え、周囲条件(25℃/60% RH)下で上記錠剤の長期間安定性の指標を与えるために分解速度を加速させた。予備製剤化研究から、TDFは、水性溶液中で加水分解を受け、湿度および加熱への曝露後には、固体状態においてはその程度がより小さいことが示された。上記分解生成物は、モノ−POC PMPA、イソプロパノール、二酸化炭素、およびホルムアルデヒドである。上記共湿式造粒製剤におけるTDFの分解の速度および程度は、市販のTRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)錠剤におけるよりも有意に高かった。上記合計TDF関連不純物および分解生成物は、50℃において2週間後に4%超へと増大した。上記共湿式造粒製剤におけるTDFの化学的安定性を、界面活性剤を除去することによって、もしくは微晶質セルロースおよびアルファ化デンプンの濃度を増大させることによって改善しようとする種々の試みは、製剤の安定性を改善できなかった。これら結果は、共湿式造粒プロセスが、ヒトの臨床使用に理想的ではないことを実証する。50℃における安定性データを、図7にまとめる。全ての製剤は、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)錠剤におけるよりもTDFの遙かに大きな分解速度を示す。
【0111】
以下の実施例6に例示されるように、代表的な本発明の錠剤は、上記共湿式製剤に存在するTDF安定性の低下の問題を克服する。
【0112】
(比較実施例2.製剤1の調製)
製剤1を、FTC、RPV、およびTDFを賦形剤と一緒にブレンドし、次いで、乾燥造粒プロセス(これは、ローラーコンパクターおよびミルを使用する)を使用して、それらを一緒に乾燥造粒することによって製造した。上記顆粒を顆粒外賦形剤とブレンドし、錠剤コアへと圧縮し、次いで、これをフィルムコーティングした。上記共湿式造粒製剤(製剤1)の組成パラメーターを、表CE2.1にまとめる。
【0113】
【表25】
(比較実施例3.製剤2の調製)
製剤2を、リルピビリンHClが流動床造粒プロセスによって湿式造粒され、エムトリシタビンおよびテノホビルDFが高剪断湿式造粒プロセスにおいて共造粒される、2種の別個の造粒プロセスを使用して調製した。この製剤は、顆粒内リルピビリンHCl製剤および、RPV錠剤(これは、現在、第3相臨床試験において評価されている最中である)を調製するために使用した流動床造粒プロセスを使用するように設計された。上記エムトリシタビン/テノホビルDF粉末ブレンドを、上記プロセスおよび、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)の製造において使用した上記顆粒内組成物を使用して生成した。次いで、上記2種の顆粒を、滑沢剤と一緒にブレンドし、単層錠剤へと圧縮し、次いで、フィルムコーティングした。上記製剤2の組成パラメーターを、表CE3.1にまとめる。
【0114】
【表26】
(比較実施例4.製剤1および製剤2の安定性)
上記APIおよび分解生成物の本質および強度を、HPLC法(これは、逆相クロマトグラフィーによるクロマトグラフィー分離のために、酢酸アンモニウム緩衝液およびアセトニトリルからなる移動相と約60分間にわたる勾配溶出とを使用して、4.6×250−mm C−12カラム(4−μm 粒子径)を使用した)を使用して決定した。10個の錠剤の複合(composite)サンプルを溶解し、終濃度 約0.08mg/mL RPV、0.64mg/mL FTC、および0.96mg/mL TDFへと、4:3:3 pH3 リン酸緩衝液:アセトニトリル:メタノール溶液で希釈した。FTC、RPV、およびTDFの強度および分解生成物含有量を、波長262nmにおける面積正規化および外部参照標準を使用して、HPLCによって決定した。3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル(induction sealed bottle)中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、図8にまとめる。
【0115】
以下の比較実施例5において、比較実施例2および比較実施例3の製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティーを評価した。製剤1および製剤2はともに、リルピビリンについて生物学的等価性(bioequivalence)を実証できず、曲線下面積(AUC)およびCmaxレベルは、現在臨床試験において評価されている最中であるリルピビリン錠剤で得られるものより有意に高かった。よって、製剤1によっておよび製剤2によって生成されるリルピビリンの上記ヒト血漿濃度は、現在の臨床試験において生成されるリルピビリンの血漿濃度と等価ではない。代表的な本発明の錠剤は、現在の臨床試験において生成される血漿レベルと等価のリルピビリンの血漿濃度を提供するという有益な特性を実証した(以下の実施例5を参照のこと)。
【0116】
(比較実施例5.製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティー)
臨床試験を行って、個々の成分の共投与と比較して、製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティーおよび生物学的等価性を評価した(全ての処置は、摂食させた状態において投与した)。製剤1および製剤2はともに、リルピビリンについての生物学的等価性を実証できず、第3相臨床試験において評価されている最中であるリルピビリン錠剤で得られるものより有意に高い曲線下面積(AUC)およびCmaxレベルを有した。対照的に、製剤1および製剤2からのエムトリシタビンおよびテノホビルのAUCおよびCmaxレベルはともに、それぞれ、EMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)およびVIREAD(登録商標)(テノホビルDF)の市販の製剤に対して生物学的等価性があった。上記生物学的等価性研究における製剤1および製剤2から得られたリルピビリンの有意により高い曝露レベルは、リルピビリンHClと、エムトリシタビンもしくはテノホビルDFいずれかとの間の直接的な物理化学的相互作用に起因し得る。これら結果は、上記製剤および製造プロセスが、所望のリルピビリン曝露を達成するために重要な改変を必要としたことを示唆する。
【0117】
【表27】
本発明は、いまや以下の非限定的実施例によって例示される。
【0118】
(実施例1.代表的な本発明の2層錠剤の作製)
本発明の一実施形態において、上記製造手順は、複数の区分へと分類され得る:リルピビリンHClの流動床造粒および乾燥、エムトリシタビンおよびテノホビルDFの高剪断湿式造粒、各顆粒のミリングおよびブレンディング、2相錠剤形成、上記バルク錠剤のフィルムコーティング、ならびにパッケージング。段階的手順を、以下に詳述する。装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。図4に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0119】
(リルピビリンHClの流動床造粒)
1)リルピビリンHClおよび賦形剤(ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。薬物含量率(drug content factor)に基づいて、リルピビリンHClの重量は、ラクトース一水和物の重量でもって共存物を低下させて、調整する。
2)精製水、ポリソルベート20、およびポビドンを秤量する。ステンレス鋼の容器の中で、2工程で混合して、造粒結合剤の流体を形成する。まず、ポビドンを添加し、次いで、ポリソルベート20を添加し、完全に溶解するまで混合する。
3)リルピビリンHCl、ラクトース一水和物、およびクロスカルメロースナトリウムを上記流動床造粒機/乾燥機に添加し、上記床を流動化して、上記成分を予備混合する。
4)粉末床流動化を維持しながら、結合剤溶液の全体積をスプレーする。
5)溶液添加の後に、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記流動床造粒機/乾燥機中の顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0120】
(リルピビリンブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記乾燥させ、ミリングした顆粒、ならびに顆粒外ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを添加し、ブレンダー中でブレンドする。8)顆粒外ステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドする。
【0121】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
9)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
10)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
11)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす(wet mass)。
12)上記湿った顆粒化材料をミリングする。
【0122】
(流動床乾燥)
13)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0123】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
14)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
【0124】
15)上記混合物をブレンドする。
【0125】
16)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0126】
(錠剤形成)
17)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンド、続いて、上記リルピビリンの最終粉末ブレンドを圧縮して、2層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0127】
(フィルムコーティング)
18)上記コーティングされていない錠剤コアを、Opadry II Purple 33G100000の水性懸濁物でフィルムコーティングして、目標重量増加を達成する。
【0128】
(実施例2.本発明の代表的な3層錠剤の作製)
本発明の一実施形態において、上記製造は、複数の区分へと分類され得る:リルピビリンHClの流動床造粒および乾燥、エムトリシタビンおよびテノホビルDFの高剪断湿式造粒、各顆粒のミリングおよびブレンドディング、3層錠剤形成、上記バルク錠剤のフィルムコーティング、およびパッケージング。上記段階的手順を、以下に詳述する。装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。図5に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0129】
(リルピビリンHClの流動床造粒)
1)リルピビリンHClおよび賦形剤(ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、リルピビリンHClの重量は、ラクトース一水和物の重量でもって共存物を低下させて調整する。
2)精製水、ポリソルベート20、およびポビドンを秤量する。ステンレス鋼の容器の中で、2工程で混合して、造粒結合剤の流体を形成する。まず、ポビドンを添加し、次いで、ポリソルベート20を添加し、完全に溶解するまで混合する。
3)リルピビリンHCl、ラクトース一水和物、およびクロスカルメロースナトリウムを上記流動床造粒機/乾燥機に添加し、上記床を流動化して、上記成分を予備混合する。
4)粉末床流動化を維持しながら、結合剤溶液の全量をスプレーして、均一な顆粒生長を確実にする。
5)溶液添加の後に、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記流動床造粒機/乾燥機中の顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0130】
(リルピビリンブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記乾燥させ、ミリングした顆粒、ならびに顆粒外ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを添加し、ブレンダー中でブレンドする。8)顆粒外ステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドする。
【0131】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
9)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
10)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
11)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす。
12)上記湿った顆粒質をミリングする。
【0132】
(流動床乾燥)
13)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0133】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
14)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
15)上記混合物をブレンドする。
16)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0134】
(錠剤形成)
17)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンド、続いて、上記リルピビリンの最終粉末ブレンドを圧縮して、中間層としてのラクトース一水和物もしくは微晶質セルロースとともに、3層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0135】
(フィルムコーティング)
18)上記コーティングされていない錠剤コアを、Opadry II Purple 33G100000の水性懸濁物でフィルムコーティングして、目標重量増加を達成する。
【0136】
(実施例3.本発明の代表的な2層錠剤の作製)
装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。図6に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0137】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
1)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
2)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、上記高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
3)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす。
4)上記湿った顆粒化材料をミリングする。
【0138】
(流動床乾燥)
5)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0139】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記混合物をブレンドする。
8)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0140】
(錠剤形成)
9)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンドを圧縮して、単層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0141】
(RPVフィルムコーティング)
10)有機溶媒もしくは水性媒体中にRPVの溶液もしくは懸濁物を調製する。上記溶液もしくは懸濁物は、上記錠剤表面に上記フィルムコートの接着を補助するために、さらなる賦形剤(例えば、ポビドン、ポリエチレングリコール、ヒプロメロース、ラクトース一水和物、および/もしくは湿潤剤)を含み得る。
11)上記コーティングされていない錠剤コアを、ポリマーおよびリルピビリンHClの上記溶液/懸濁物でフィルムコーティングして、効力のための目標重量増加を達成する。
【0142】
(実施例4.代表的な本発明の錠剤の調製)
2層製剤を調査した。ここで一方の層は、リルピビリンHCl(本明細書以降、リルピビリン層と称される)を含み、他方の層は、エムトリシタビンおよびテノホビルDFを含んだ。このアプローチは、リルピビリンHClと、エムトリシタビンおよびテノホビルDFとの間の任意の潜在的な物理化学的相互作用を最小にするために使用した。上記2層製剤のアプローチは、リルピビリンHClが流動床造粒プロセスを使用して湿式造粒され、エムトリシタビンおよびテノホビルDFが高剪断湿式造粒プロセスを使用して共造粒される、2種の別個の造粒プロセスを伴った。上記2種の造粒は、上記2種のブレンドを、2層錠剤(製剤3および4)へと圧縮することによって、物理的に分離した。製剤3および製剤4の定量的組成を、それぞれ、表4.1および表4.2に列挙する。製剤3および製剤4は、同じ製造プロセスを利用したが、上記製剤の各々におけるリルピビリンHCl顆粒の製剤組成は、使用した上記賦形剤の相対的割合において異なった。
【0143】
【表4-1】
【0144】
【表4-2】
製剤3および製剤4を、既存の顆粒内RPV製剤および流動床造粒プロセスを使用することによって、上記固定用量の組み合わせ錠剤と、現在臨床試験中の製剤との間の組成(formulation)および製造プロセスの差異を最小化するように設計した。さらに、上記リルピビリンHClを、エムトリシタビンおよびテノホビルDFから分離した。これは、2層圧縮プロセスにより実施して、上記錠剤を生成した。そのエムトリシタビン/テノホビルDF粉末ブレンドを、同じ製造プロセスによって、およびTRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)のための同じ顆粒内組成物を使用して生成した。リルピビリン層とエムトリシタビン/テノホビルDF層との間の重量不一致は、確固とした錠剤製造プロセスを確実にするために、上記リルピビリンHCl顆粒の希釈を必要とした。製剤3および製剤4における層重量は、上記リルピビリン層中の賦形剤の濃度を、微晶質セルロース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムで調節することによって適応させた。
【0145】
(実施例5.製剤3および製剤4のバイオアベイラビリティー)
この研究は、上記3種の個々の投与形態(FTC+RPV+TDF,参照)の共投与に対して、実施例4からの製剤3の生物学的等価性を評価した。
【0146】
摂食条件での健常成人における無作為化した、単一用量のオープンラベル第1相研究。各処置剤を経口投与してPKパラメーターを計算した後に、192時間にわたって一連の血液サンプルを得た。製剤の生物学的等価性は、試験処置 対 参照処置の各々の薬物についてCmax、AUClastおよびAUCinfの幾何的最小二乗平均の比(GMR)についての90%信頼区間(CI)によって評価した。
【0147】
結果: 36名の被験体を登録し、34名が上記研究を完了した。全ての処置は、一般に、十分に耐容性があった;認められた大部分の有害事象は、重篤度が軽度であった。上記PKパラメーターの算術的平均および幾何的平均の比(GMR)を、その90%信頼区間とともに、以下に示す。
【0148】
【表28】
【0149】
【表29】
製剤3は、上記3種の薬剤の個々の薬剤の投与によって生じた血漿濃度と等価な、該3種の薬剤の各々のヒト血漿濃度を生じることが見いだされた。実施例4からの製剤4は、上記3種の薬剤の個々の薬剤の投与によって生じた血漿濃度と等価な、該3種の薬剤の各々のヒト血漿濃度を生じなかった。
【0150】
製剤3および製剤4は、顆粒外賦形剤の重量および存在するクロスカルメロースナトリウムの量が異なる。上記生物学的等価な製剤(製剤3)は、製剤4より有意に高い(38%)リルピビリン層中の顆粒外賦形剤(微晶質セルロースおよびラクトース一水和物)およびクロスカルメロースナトリウムの量を有する。実験室データから、リルピビリンの本質的な溶解速度は、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFの存在下で増大することが示された。このことは、増大した溶解度が、エムトリシタビンおよびテノホビルDFと共製剤化した場合により高いリルピビリンバイオアベイラビリティーに寄与し得ることを示唆する。上記リルピビリン単一薬剤の参照錠剤に対し生物学的等価である製剤3のリルピビリン層におけるより多量の希釈剤が、リルピビリンと、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFとの間の接触および相互作用の程度を低下させて、生物学的等価性を達成するように働くことができたと仮定され得る。
【0151】
さらに、超崩壊剤(superdisintegrant)であるクロスカルメロースナトリウムの量がより多くなると、より早い層崩壊および上記エムトリシタビン/テノホビルDF層からの上記リルピビリン層の分離がもたらされ、このことは、リルピビリンと、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFとの間の任意の潜在的な相互作用を最小限にする。上記リルピビリン層中のクロスカルメロースナトリウム(塩基性化賦形剤)の濃度はまた、上記リルピビリンの溶解速度に対して予測外の影響を有した。この超崩壊剤の濃度が高くなると、図9に示されるように、上記溶解速度が予測外に低下した。このことは、この賦形剤の塩基性化の性質におそらく起因する。
【0152】
(実施例6.製剤3の成分の安定性)
上記APIおよび分解生成物の本質および強度を、HPLC法(これは、酢酸アンモニウム緩衝液とアセトニトリルとからなる移動相を使用した、およそ60分間にわたる勾配溶出を用いる、逆相クロマトグラフィーによるクロマトグラフィー分離のための、4.6×250−mm C−12カラム(4−μm粒子径)を使用した)を使用して決定した。10個の錠剤の複合サンプルを、終濃度 約0.08mg/mL RPV、0.64mg/mL FTC、および0.96mg/mL TDFへと、4:3:3 pH3 リン酸緩衝液:アセトニトリル:メタノール溶液で溶解しそして希釈した。FTC、RPV、およびTDFの強度および分解生成物含有量を、波長262nmにおける面積正規化および外部参照標準を使用して、HPLCによって決定した。3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、以下の表にまとめ、加速貯蔵条件下での受容可能な化学的安定性を実証する。
【0153】
【表30】
(実施例7.製剤4の成分の安定性)
3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、以下の表にまとめ、製剤3に匹敵する加速貯蔵条件下での受容可能な化学的安定性を実証する。
【0154】
【表31】
(実施例8.食物の影響)
エムトリシタビン、リルピビリンHCl、およびテノホビルDFを含む3種の個々の錠剤として参照群において投与した場合のリルピビリンHClの曝露に対する食物の影響を評価する、バイオアベイラビリティー比較研究において、製剤3を評価した。
【0155】
上記「摂食させた」状態もしくは「摂食状態」とは、標準化した食事(朝食)を完了した5分以内に上記研究薬物を投与することを指す。被験体を、投与後約4時間にわたって食物の消費から制限した。食事(標準化した昼食)を、投与後4時間の血液採取の後に被験体に提供した。全ての食事および/もしくは軽食は、全ての被験体に関して標準化し、カロリーおよび脂肪含有量において同様であり、各日のほぼ同じ時間に与えた。投与日の標準化した朝食は、約400カロリー(kcal)および約13gの脂質を含んだ。
【0156】
上記「絶食させた」状態とは、食物の非存在下で上記研究薬物を投与することを指す。被験体を一晩絶食させ、上記研究薬物を投与し、次いで、投与後約4時間にわたって食物摂取から制限した。食事(標準化した昼食)を、投与後4時間の血液採取の後に被験体に提供した。
【0157】
上記薬物動態パラメーターの平均値の比較を、摂食条件下での参照群の平均値とともに以下に示す。絶食状態下での製剤3についてのAUC値は、摂食条件下での参照群と同一である。絶食状態下での参照群は、上記摂食条件と比較して、AUC値において26%の低下を示す。
【0158】
【表32】
全ての刊行物、特許、および特許書類は、参考として個々に援用されるとしても本明細書に参考として援用される。本発明は、種々の具体的および好ましい実施形態および技術を参照しながら記載されてきた。しかし、多くのバリエーションおよび改変が、本発明の趣旨および範囲内にありながら行われ得ることは、理解されるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9