【実施例】
【0107】
(比較実施例)
(比較実施例1.FTC、RPV、およびTDFの共湿式造粒製剤の調製および安定性評価)
単一の共湿式造粒プロセスを使用して、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)および上記RPV第3相臨床製剤の製剤組成物に基づいて、FTC、RPV、およびTDFを製剤化した。共湿式造粒プロセスは、製造が容易であるという利点を有するので、これはしばしば、FDC生成物を開発するための第1選択のアプローチである。RPVの低用量およびVIREAD(登録商標)(テノホビルDF)、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)、およびEMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)において一般的な賦形剤を使用することにより、FTC/RPV/TDFが単層湿式造粒プロセスにとって扱いやすくなった。1つの難題は、界面活性剤の存在下でTDFの安定性を維持することであった。
【0108】
評価される上記共湿式造粒製剤の組成および加工処理パラメーターは、それぞれ、表CE1.1および表CE1.2にまとめられる。湿式造粒を、非イオン性界面活性剤(ポロキサマー 188およびポリソルベート20)の存在下および非存在下で行った。
【0109】
【表23】
【0110】
【表24】
上記コーティングされていない錠剤を、3gのシリカゲル乾燥剤とともにパッケージし、50℃および40℃/75% RH 安定性チャンバに貯蔵して、上記錠剤サンプルにストレスを与え、周囲条件(25℃/60% RH)下で上記錠剤の長期間安定性の指標を与えるために分解速度を加速させた。予備製剤化研究から、TDFは、水性溶液中で加水分解を受け、湿度および加熱への曝露後には、固体状態においてはその程度がより小さいことが示された。上記分解生成物は、モノ−POC PMPA、イソプロパノール、二酸化炭素、およびホルムアルデヒドである。上記共湿式造粒製剤におけるTDFの分解の速度および程度は、市販のTRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)錠剤におけるよりも有意に高かった。上記合計TDF関連不純物および分解生成物は、50℃において2週間後に4%超へと増大した。上記共湿式造粒製剤におけるTDFの化学的安定性を、界面活性剤を除去することによって、もしくは微晶質セルロースおよびアルファ化デンプンの濃度を増大させることによって改善しようとする種々の試みは、製剤の安定性を改善できなかった。これら結果は、共湿式造粒プロセスが、ヒトの臨床使用に理想的ではないことを実証する。50℃における安定性データを、
図7にまとめる。全ての製剤は、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)錠剤におけるよりもTDFの遙かに大きな分解速度を示す。
【0111】
以下の実施例6に例示されるように、代表的な本発明の錠剤は、上記共湿式製剤に存在するTDF安定性の低下の問題を克服する。
【0112】
(比較実施例2.製剤1の調製)
製剤1を、FTC、RPV、およびTDFを賦形剤と一緒にブレンドし、次いで、乾燥造粒プロセス(これは、ローラーコンパクターおよびミルを使用する)を使用して、それらを一緒に乾燥造粒することによって製造した。上記顆粒を顆粒外賦形剤とブレンドし、錠剤コアへと圧縮し、次いで、これをフィルムコーティングした。上記共湿式造粒製剤(製剤1)の組成パラメーターを、表CE2.1にまとめる。
【0113】
【表25】
(比較実施例3.製剤2の調製)
製剤2を、リルピビリンHClが流動床造粒プロセスによって湿式造粒され、エムトリシタビンおよびテノホビルDFが高剪断湿式造粒プロセスにおいて共造粒される、2種の別個の造粒プロセスを使用して調製した。この製剤は、顆粒内リルピビリンHCl製剤および、RPV錠剤(これは、現在、第3相臨床試験において評価されている最中である)を調製するために使用した流動床造粒プロセスを使用するように設計された。上記エムトリシタビン/テノホビルDF粉末ブレンドを、上記プロセスおよび、TRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)の製造において使用した上記顆粒内組成物を使用して生成した。次いで、上記2種の顆粒を、滑沢剤と一緒にブレンドし、単層錠剤へと圧縮し、次いで、フィルムコーティングした。上記製剤2の組成パラメーターを、表CE3.1にまとめる。
【0114】
【表26】
(比較実施例4.製剤1および製剤2の安定性)
上記APIおよび分解生成物の本質および強度を、HPLC法(これは、逆相クロマトグラフィーによるクロマトグラフィー分離のために、酢酸アンモニウム緩衝液およびアセトニトリルからなる移動相と約60分間にわたる勾配溶出とを使用して、4.6×250−mm C−12カラム(4−μm 粒子径)を使用した)を使用して決定した。10個の錠剤の複合(composite)サンプルを溶解し、終濃度 約0.08mg/mL RPV、0.64mg/mL FTC、および0.96mg/mL TDFへと、4:3:3 pH3 リン酸緩衝液:アセトニトリル:メタノール溶液で希釈した。FTC、RPV、およびTDFの強度および分解生成物含有量を、波長262nmにおける面積正規化および外部参照標準を使用して、HPLCによって決定した。3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル(induction sealed bottle)中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、
図8にまとめる。
【0115】
以下の比較実施例5において、比較実施例2および比較実施例3の製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティーを評価した。製剤1および製剤2はともに、リルピビリンについて生物学的等価性(bioequivalence)を実証できず、曲線下面積(AUC)およびCmaxレベルは、現在臨床試験において評価されている最中であるリルピビリン錠剤で得られるものより有意に高かった。よって、製剤1によっておよび製剤2によって生成されるリルピビリンの上記ヒト血漿濃度は、現在の臨床試験において生成されるリルピビリンの血漿濃度と等価ではない。代表的な本発明の錠剤は、現在の臨床試験において生成される血漿レベルと等価のリルピビリンの血漿濃度を提供するという有益な特性を実証した(以下の実施例5を参照のこと)。
【0116】
(比較実施例5.製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティー)
臨床試験を行って、個々の成分の共投与と比較して、製剤1および製剤2のバイオアベイラビリティーおよび生物学的等価性を評価した(全ての処置は、摂食させた状態において投与した)。製剤1および製剤2はともに、リルピビリンについての生物学的等価性を実証できず、第3相臨床試験において評価されている最中であるリルピビリン錠剤で得られるものより有意に高い曲線下面積(AUC)およびCmaxレベルを有した。対照的に、製剤1および製剤2からのエムトリシタビンおよびテノホビルのAUCおよびCmaxレベルはともに、それぞれ、EMTRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)およびVIREAD(登録商標)(テノホビルDF)の市販の製剤に対して生物学的等価性があった。上記生物学的等価性研究における製剤1および製剤2から得られたリルピビリンの有意により高い曝露レベルは、リルピビリンHClと、エムトリシタビンもしくはテノホビルDFいずれかとの間の直接的な物理化学的相互作用に起因し得る。これら結果は、上記製剤および製造プロセスが、所望のリルピビリン曝露を達成するために重要な改変を必要としたことを示唆する。
【0117】
【表27】
本発明は、いまや以下の非限定的実施例によって例示される。
【0118】
(実施例1.代表的な本発明の2層錠剤の作製)
本発明の一実施形態において、上記製造手順は、複数の区分へと分類され得る:リルピビリンHClの流動床造粒および乾燥、エムトリシタビンおよびテノホビルDFの高剪断湿式造粒、各顆粒のミリングおよびブレンディング、2相錠剤形成、上記バルク錠剤のフィルムコーティング、ならびにパッケージング。段階的手順を、以下に詳述する。装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。
図4に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0119】
(リルピビリンHClの流動床造粒)
1)リルピビリンHClおよび賦形剤(ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。薬物含量率(drug content factor)に基づいて、リルピビリンHClの重量は、ラクトース一水和物の重量でもって共存物を低下させて、調整する。
2)精製水、ポリソルベート20、およびポビドンを秤量する。ステンレス鋼の容器の中で、2工程で混合して、造粒結合剤の流体を形成する。まず、ポビドンを添加し、次いで、ポリソルベート20を添加し、完全に溶解するまで混合する。
3)リルピビリンHCl、ラクトース一水和物、およびクロスカルメロースナトリウムを上記流動床造粒機/乾燥機に添加し、上記床を流動化して、上記成分を予備混合する。
4)粉末床流動化を維持しながら、結合剤溶液の全体積をスプレーする。
5)溶液添加の後に、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記流動床造粒機/乾燥機中の顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0120】
(リルピビリンブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記乾燥させ、ミリングした顆粒、ならびに顆粒外ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを添加し、ブレンダー中でブレンドする。8)顆粒外ステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドする。
【0121】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
9)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
10)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
11)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす(wet mass)。
12)上記湿った顆粒化材料をミリングする。
【0122】
(流動床乾燥)
13)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0123】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
14)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
【0124】
15)上記混合物をブレンドする。
【0125】
16)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0126】
(錠剤形成)
17)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンド、続いて、上記リルピビリンの最終粉末ブレンドを圧縮して、2層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0127】
(フィルムコーティング)
18)上記コーティングされていない錠剤コアを、Opadry II Purple 33G100000の水性懸濁物でフィルムコーティングして、目標重量増加を達成する。
【0128】
(実施例2.本発明の代表的な3層錠剤の作製)
本発明の一実施形態において、上記製造は、複数の区分へと分類され得る:リルピビリンHClの流動床造粒および乾燥、エムトリシタビンおよびテノホビルDFの高剪断湿式造粒、各顆粒のミリングおよびブレンドディング、3層錠剤形成、上記バルク錠剤のフィルムコーティング、およびパッケージング。上記段階的手順を、以下に詳述する。装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。
図5に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0129】
(リルピビリンHClの流動床造粒)
1)リルピビリンHClおよび賦形剤(ラクトース一水和物およびクロスカルメロースナトリウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、リルピビリンHClの重量は、ラクトース一水和物の重量でもって共存物を低下させて調整する。
2)精製水、ポリソルベート20、およびポビドンを秤量する。ステンレス鋼の容器の中で、2工程で混合して、造粒結合剤の流体を形成する。まず、ポビドンを添加し、次いで、ポリソルベート20を添加し、完全に溶解するまで混合する。
3)リルピビリンHCl、ラクトース一水和物、およびクロスカルメロースナトリウムを上記流動床造粒機/乾燥機に添加し、上記床を流動化して、上記成分を予備混合する。
4)粉末床流動化を維持しながら、結合剤溶液の全量をスプレーして、均一な顆粒生長を確実にする。
5)溶液添加の後に、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記流動床造粒機/乾燥機中の顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0130】
(リルピビリンブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記乾燥させ、ミリングした顆粒、ならびに顆粒外ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを添加し、ブレンダー中でブレンドする。8)顆粒外ステアリン酸マグネシウムを添加し、ブレンドする。
【0131】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
9)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
10)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
11)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす。
12)上記湿った顆粒質をミリングする。
【0132】
(流動床乾燥)
13)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0133】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
14)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
15)上記混合物をブレンドする。
16)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0134】
(錠剤形成)
17)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンド、続いて、上記リルピビリンの最終粉末ブレンドを圧縮して、中間層としてのラクトース一水和物もしくは微晶質セルロースとともに、3層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0135】
(フィルムコーティング)
18)上記コーティングされていない錠剤コアを、Opadry II Purple 33G100000の水性懸濁物でフィルムコーティングして、目標重量増加を達成する。
【0136】
(実施例3.本発明の代表的な2層錠剤の作製)
装置能力に適応させるために、工程内生成物を造粒し得、複数の部分に分けて乾燥し得、これらを次いで、最終のミリングおよびブレンディング工程の前に合わせる。
図6に図示されるように、代表的な本発明の錠剤は、以下のとおりに調製され得る。
【0137】
(エムトリシタビン/テノホビルDFの湿式造粒)
1)エムトリシタビン、テノホビルDF、および賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)を秤量する。薬物含量率に基づいて、テノホビルDFおよびエムトリシタビンの重量を調整し、対応してラクトース一水和物の重量を調節する。
2)エムトリシタビン、テノホビルDF、および顆粒内賦形剤(アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、およびラクトース一水和物)を、上記高剪断造粒機/ミキサーに添加し、低速に設定した回転翼でブレンドする。
3)上記回転翼(ミキサー)および造粒機(チョッパー)で混合しながら、上記乾燥ブレンドに水を添加して、上記湿った顆粒を形成する。水を添加した後、上記顆粒形成を完了するまで塊を湿らす。
4)上記湿った顆粒化材料をミリングする。
【0138】
(流動床乾燥)
5)上記湿った顆粒を上記流動床乾燥機に移し、乾燥減量(LOD)によって決定される場合、上記顆粒を適切な水分含量へと乾燥させる。
【0139】
(エムトリシタビン/テノホビルDFブレンドのミリングおよびブレンディング)
6)上記乾燥させた顆粒および上記顆粒外賦形剤(クロスカルメロースナトリウム)を移して、ミルにより粒子径を低下させる。
7)上記混合物をブレンドする。
8)ステアリン酸マグネシウムを上記混合物に添加し、ブレンドする。
【0140】
(錠剤形成)
9)上記エムトリシタビン/テノホビルDFの最終粉末ブレンドを圧縮して、単層錠剤プレスで目標の重量および硬度にする。
【0141】
(RPVフィルムコーティング)
10)有機溶媒もしくは水性媒体中にRPVの溶液もしくは懸濁物を調製する。上記溶液もしくは懸濁物は、上記錠剤表面に上記フィルムコートの接着を補助するために、さらなる賦形剤(例えば、ポビドン、ポリエチレングリコール、ヒプロメロース、ラクトース一水和物、および/もしくは湿潤剤)を含み得る。
11)上記コーティングされていない錠剤コアを、ポリマーおよびリルピビリンHClの上記溶液/懸濁物でフィルムコーティングして、効力のための目標重量増加を達成する。
【0142】
(実施例4.代表的な本発明の錠剤の調製)
2層製剤を調査した。ここで一方の層は、リルピビリンHCl(本明細書以降、リルピビリン層と称される)を含み、他方の層は、エムトリシタビンおよびテノホビルDFを含んだ。このアプローチは、リルピビリンHClと、エムトリシタビンおよびテノホビルDFとの間の任意の潜在的な物理化学的相互作用を最小にするために使用した。上記2層製剤のアプローチは、リルピビリンHClが流動床造粒プロセスを使用して湿式造粒され、エムトリシタビンおよびテノホビルDFが高剪断湿式造粒プロセスを使用して共造粒される、2種の別個の造粒プロセスを伴った。上記2種の造粒は、上記2種のブレンドを、2層錠剤(製剤3および4)へと圧縮することによって、物理的に分離した。製剤3および製剤4の定量的組成を、それぞれ、表4.1および表4.2に列挙する。製剤3および製剤4は、同じ製造プロセスを利用したが、上記製剤の各々におけるリルピビリンHCl顆粒の製剤組成は、使用した上記賦形剤の相対的割合において異なった。
【0143】
【表4-1】
【0144】
【表4-2】
製剤3および製剤4を、既存の顆粒内RPV製剤および流動床造粒プロセスを使用することによって、上記固定用量の組み合わせ錠剤と、現在臨床試験中の製剤との間の組成(formulation)および製造プロセスの差異を最小化するように設計した。さらに、上記リルピビリンHClを、エムトリシタビンおよびテノホビルDFから分離した。これは、2層圧縮プロセスにより実施して、上記錠剤を生成した。そのエムトリシタビン/テノホビルDF粉末ブレンドを、同じ製造プロセスによって、およびTRUVADA(登録商標)(エムトリシタビン 200mg/テノホビルDF 300mg)のための同じ顆粒内組成物を使用して生成した。リルピビリン層とエムトリシタビン/テノホビルDF層との間の重量不一致は、確固とした錠剤製造プロセスを確実にするために、上記リルピビリンHCl顆粒の希釈を必要とした。製剤3および製剤4における層重量は、上記リルピビリン層中の賦形剤の濃度を、微晶質セルロース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムで調節することによって適応させた。
【0145】
(実施例5.製剤3および製剤4のバイオアベイラビリティー)
この研究は、上記3種の個々の投与形態(FTC+RPV+TDF,参照)の共投与に対して、実施例4からの製剤3の生物学的等価性を評価した。
【0146】
摂食条件での健常成人における無作為化した、単一用量のオープンラベル第1相研究。各処置剤を経口投与してPKパラメーターを計算した後に、192時間にわたって一連の血液サンプルを得た。製剤の生物学的等価性は、試験処置 対 参照処置の各々の薬物についてC
max、AUC
lastおよびAUC
infの幾何的最小二乗平均の比(GMR)についての90%信頼区間(CI)によって評価した。
【0147】
結果: 36名の被験体を登録し、34名が上記研究を完了した。全ての処置は、一般に、十分に耐容性があった;認められた大部分の有害事象は、重篤度が軽度であった。上記PKパラメーターの算術的平均および幾何的平均の比(GMR)を、その90%信頼区間とともに、以下に示す。
【0148】
【表28】
【0149】
【表29】
製剤3は、上記3種の薬剤の個々の薬剤の投与によって生じた血漿濃度と等価な、該3種の薬剤の各々のヒト血漿濃度を生じることが見いだされた。実施例4からの製剤4は、上記3種の薬剤の個々の薬剤の投与によって生じた血漿濃度と等価な、該3種の薬剤の各々のヒト血漿濃度を生じなかった。
【0150】
製剤3および製剤4は、顆粒外賦形剤の重量および存在するクロスカルメロースナトリウムの量が異なる。上記生物学的等価な製剤(製剤3)は、製剤4より有意に高い(38%)リルピビリン層中の顆粒外賦形剤(微晶質セルロースおよびラクトース一水和物)およびクロスカルメロースナトリウムの量を有する。実験室データから、リルピビリンの本質的な溶解速度は、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFの存在下で増大することが示された。このことは、増大した溶解度が、エムトリシタビンおよびテノホビルDFと共製剤化した場合により高いリルピビリンバイオアベイラビリティーに寄与し得ることを示唆する。上記リルピビリン単一薬剤の参照錠剤に対し生物学的等価である製剤3のリルピビリン層におけるより多量の希釈剤が、リルピビリンと、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFとの間の接触および相互作用の程度を低下させて、生物学的等価性を達成するように働くことができたと仮定され得る。
【0151】
さらに、超崩壊剤(superdisintegrant)であるクロスカルメロースナトリウムの量がより多くなると、より早い層崩壊および上記エムトリシタビン/テノホビルDF層からの上記リルピビリン層の分離がもたらされ、このことは、リルピビリンと、エムトリシタビンおよび/もしくはテノホビルDFとの間の任意の潜在的な相互作用を最小限にする。上記リルピビリン層中のクロスカルメロースナトリウム(塩基性化賦形剤)の濃度はまた、上記リルピビリンの溶解速度に対して予測外の影響を有した。この超崩壊剤の濃度が高くなると、
図9に示されるように、上記溶解速度が予測外に低下した。このことは、この賦形剤の塩基性化の性質におそらく起因する。
【0152】
(実施例6.製剤3の成分の安定性)
上記APIおよび分解生成物の本質および強度を、HPLC法(これは、酢酸アンモニウム緩衝液とアセトニトリルとからなる移動相を使用した、およそ60分間にわたる勾配溶出を用いる、逆相クロマトグラフィーによるクロマトグラフィー分離のための、4.6×250−mm C−12カラム(4−μm粒子径)を使用した)を使用して決定した。10個の錠剤の複合サンプルを、終濃度 約0.08mg/mL RPV、0.64mg/mL FTC、および0.96mg/mL TDFへと、4:3:3 pH3 リン酸緩衝液:アセトニトリル:メタノール溶液で溶解しそして希釈した。FTC、RPV、およびTDFの強度および分解生成物含有量を、波長262nmにおける面積正規化および外部参照標準を使用して、HPLCによって決定した。3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、以下の表にまとめ、加速貯蔵条件下での受容可能な化学的安定性を実証する。
【0153】
【表30】
(実施例7.製剤4の成分の安定性)
3g シリカゲル乾燥剤を含む誘導シールボトル中で40℃/75% RHにおいて貯蔵した合計30個の錠剤についての安定性データを、以下の表にまとめ、製剤3に匹敵する加速貯蔵条件下での受容可能な化学的安定性を実証する。
【0154】
【表31】
(実施例8.食物の影響)
エムトリシタビン、リルピビリンHCl、およびテノホビルDFを含む3種の個々の錠剤として参照群において投与した場合のリルピビリンHClの曝露に対する食物の影響を評価する、バイオアベイラビリティー比較研究において、製剤3を評価した。
【0155】
上記「摂食させた」状態もしくは「摂食状態」とは、標準化した食事(朝食)を完了した5分以内に上記研究薬物を投与することを指す。被験体を、投与後約4時間にわたって食物の消費から制限した。食事(標準化した昼食)を、投与後4時間の血液採取の後に被験体に提供した。全ての食事および/もしくは軽食は、全ての被験体に関して標準化し、カロリーおよび脂肪含有量において同様であり、各日のほぼ同じ時間に与えた。投与日の標準化した朝食は、約400カロリー(kcal)および約13gの脂質を含んだ。
【0156】
上記「絶食させた」状態とは、食物の非存在下で上記研究薬物を投与することを指す。被験体を一晩絶食させ、上記研究薬物を投与し、次いで、投与後約4時間にわたって食物摂取から制限した。食事(標準化した昼食)を、投与後4時間の血液採取の後に被験体に提供した。
【0157】
上記薬物動態パラメーターの平均値の比較を、摂食条件下での参照群の平均値とともに以下に示す。絶食状態下での製剤3についてのAUC値は、摂食条件下での参照群と同一である。絶食状態下での参照群は、上記摂食条件と比較して、AUC値において26%の低下を示す。
【0158】
【表32】
全ての刊行物、特許、および特許書類は、参考として個々に援用されるとしても本明細書に参考として援用される。本発明は、種々の具体的および好ましい実施形態および技術を参照しながら記載されてきた。しかし、多くのバリエーションおよび改変が、本発明の趣旨および範囲内にありながら行われ得ることは、理解されるはずである。