【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、超音波外科手術システムおよび超音波運動発生器を特徴づけ、これらは、超音波変換器を含み、超音波変換器の共振周波数を自動的にトラッキングする。
【0005】
実施形態において、超音波運動発生器は、非共振インバーターと、超音波変換器と、コンパレーターとを含む。非共振インバーターは、直流(DC)を第1の周波数を有する交流(AC)に逆変換する。超音波変換器は、非共振インバーターと電気的に結合され、逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させる。コンパレーターは、超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、超音波変換器の共振周波数からの第1の周波数の偏差を自動的に検出し、非共振インバーターを駆動するために、偏差に基づいて出力信号を発生させる。
【0006】
局面において、超音波運動の長手方向変位は、超音波運動発生器に動作可能に接続されている負荷に基づいている。
【0007】
局面において、超音波変換器は、直列で接続されている抵抗器と、キャパシタと、インダクターとを含むバンドパスフィルターとして作られている。超音波変換器の共振周波数は、
【数1】
によって規定され、式中、Lは、インダクターのインダクタンスであり、Cは、キャパシタのキャパシタンスである。周波数領域において、コンパレーターの利得とバンドパスフィルターの利得との積の大きさは、実質的に1と等しい。さらに、周波数領域において、コンパレーターの利得とバンドパスフィルターの利得との積の位相は、2Piラジアンの整数倍と実質的に等しい。
【0008】
局面において、コンパレーターは、高い開ループ利得を有する。
【0009】
別の局面において、超音波運動発生器は、非共振インバーターおよび超音波変換器と電気的に結合されている変圧器をさらに含み、変圧器は、非共振インバーターによって逆変換されるACの振幅を制御するように構成されている。
【0010】
別の局面において、非共振インバーターは、コンパレーターの出力信号に基づいて、ディジタル共振信号によって制御されている。
【0011】
別の実施形態において、組織を処置するための超音波装置は、直流を出力するように構成されている電源と、超音波運動発生器と、センサーと、コントローラーとを含む。超音波運動発生器は、非共振インバーターと、超音波変換器と、コンパレーターとを含む。非共振インバーターは、DCを第1の周波数を有するACに逆変換する。超音波変換器は、非共振インバーターと電気的に結合され、逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させる。コンパレーターは、超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、超音波変換器の共振周波数からの第1の周波数の偏差を自動的に検出し、非共振インバーターを駆動するために、偏差に基づいて出力信号を発生させる。センサーは、電源から超音波運動発生器へ通過するDCを感知する。コントローラーは、センサーおよびコンパレーターと結合され、DCの振幅を制御する。
【0012】
局面において、超音波運動の長手方向変位は、超音波運動発生器に動作可能に接続されている負荷に基づいている。
【0013】
局面において、超音波変換器は、直列で接続されている抵抗器と、キャパシタと、インダクターとを含むバンドパスフィルターとして作られている。超音波変換器の共振周波数は、
【数2】
によって規定され、式中、Lは、インダクターのインダクタンスであり、Cは、キャパシタのキャパシタンスである。周波数領域において、コンパレーターの利得とバンドパスフィルターの利得との積の大きさは、実質的に1と等しい。さらに、周波数領域において、コンパレーターの利得とバンドパスフィルターの利得との積の位相は、2Piラジアンの整数倍と実質的に等しい。
【0014】
局面において、コンパレーターは、高い開ループ利得を有する。
【0015】
別の局面において、電源は、DC電力を発生させるように構成されている電力供給源と、DC電力を変調するように構成されているコンバーターとを含む。
【0016】
別の局面において、コントローラーは、コンバーターを駆動させるために、感知されたDCに基づいてディジタルパルス幅変調信号を発生させる。
【0017】
さらに別の局面において、コントローラーは、非共振インバーターを駆動させるために、出力信号に基づいてディジタル共振信号をさらに発生させる。
【0018】
別の局面において、超音波運動発生器は、非共振インバーターおよび超音波変換器と電気的に結合されている変圧器をさらに含み、変圧器は、非共振インバーターによって逆変換されるACの振幅を制御する。
【0019】
さらに別の局面において、超音波運動の長手方向変位は、コンバーターによって変換されるDCの振幅に基づいている。
【0020】
さらに別の実施形態において、組織を処置するための超音波システムは、超音波外科手術装置とエンドエフェクターとを含む。超音波外科手術装置は、直流を出力するように構成されている電源と、超音波運動発生器と、センサーと、コントローラーとを含む。超音波運動発生器は、非共振インバーターと、超音波変換器と、コンパレーターとを含む。非共振インバーターは、DCを第1の周波数を有するACに逆変換する。超音波変換器は、非共振インバーターと電気的に結合され、逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させる。コンパレーターは、超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、超音波変換器の共振周波数からの第1の周波数の偏差を自動的に検出し、非共振インバーターを駆動するために、偏差に基づいて出力信号を発生させる。センサーは、電源から超音波運動発生器へ通過するDCを感知する。コントローラーは、センサーおよびコンパレーターと結合され、DCの振幅を制御する。エンドエフェクターは、組織を密封または解剖するために、発生させられた超音波運動を組織に適用する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
超音波運動発生器であって、該超音波運動発生器は、
直流(DC)を第1の周波数を有する交流(AC)に逆変換するように構成されている非共振インバーターと、
該非共振インバーターと電気的に結合されている超音波変換器であって、該超音波変換器は、該逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させるように構成されている、超音波変換器と、
コンパレーターであって、該コンパレーターは、該超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、該超音波変換器の共振周波数からの該第1の周波数の偏差を自動的に検出するように構成され、該非共振インバーターを駆動するために、該偏差に基づいて出力信号を発生させるように構成されている、コンパレーターと
を含む、超音波運動発生器。
(項目2)
上記超音波運動の長手方向変位は、上記超音波運動発生器に動作可能に接続されている負荷に基づいている、上記項目に記載の超音波運動発生器。
(項目3)
上記超音波変換器は、直列で接続されている抵抗器と、キャパシタと、インダクターとを含むバンドパスフィルターとして作られている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目4)
上記超音波変換器の上記共振周波数は、
【化1】
によって規定され、式中、Lは、上記インダクターのインダクタンスであり、Cは、上記キャパシタのキャパシタンスである、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目5)
周波数領域において、上記コンパレーターの利得と上記バンドパスフィルターの利得との積の大きさは、実質的に1と等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目6)
上記周波数領域において、上記コンパレーターの上記利得と上記バンドパスフィルターの上記利得との上記積の位相は、2Piラジアンの整数倍と実質的に等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目7)
上記コンパレーターは、高い開ループ利得を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目8)
上記非共振インバーターおよび上記超音波変換器と電気的に結合されている変圧器をさらに含み、該変圧器は、該非共振インバーターによって逆変換される上記ACの振幅を制御するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目9)
上記超音波運動の長手方向変位は、上記非共振インバーターによって逆変換される上記ACの振幅に基づいている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目10)
上記非共振インバーターは、上記コンパレーターの上記出力信号に基づいて、ディジタル共振信号によって制御されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波運動発生器。
(項目11)
組織を処置するための超音波装置であって、該超音波装置は、
直流(DC)を出力するように構成されている電源と、
該電源と電気的に結合されている超音波運動発生器であって、該超音波運動発生器は、
該DCを第1の周波数を有する交流(AC)に逆変換するように構成されている非共振インバーターと、
該非共振インバーターと電気的に結合されている超音波変換器であって、該超音波変換器は、該逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させるように構成されている、超音波変換器と、
コンパレーターであって、該コンパレーターは、該超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、該超音波変換器の共振周波数から該第1の周波数の偏差を自動的に検出するように構成され、該非共振インバーターを駆動するために、該偏差に基づいて出力信号を発生させるように構成されている、コンパレーターと
を含む、超音波運動発生器と、
該電源から該超音波運動発生器へ通過する該DCを感知するように構成されているセンサーと、
該センサーおよび該コンパレーターと結合されているコントローラーと
を含み、該コントローラーは、該DCの振幅を制御するように構成されている、超音波装置。
(項目12)
上記超音波運動の長手方向変位は、上記超音波運動発生器に動作可能に接続されている負荷に基づいている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目13)
上記超音波変換器は、直列で接続されている抵抗器と、キャパシタと、インダクターとを含むバンドパスフィルターとして作られている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目14)
上記超音波変換器の上記共振周波数は、
【化2】
によって規定され、式中、Lは、上記インダクターのインダクタンスであり、Cは、上記キャパシタのキャパシタンスである、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目15)
周波数領域において、上記コンパレーターの利得と上記バンドパスフィルターの利得との積の大きさは、実質的に1と等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目16)
上記周波数領域において、上記コンパレーターの上記利得と上記バンドパスフィルターの上記利得との上記積の位相は、2Piラジアンの整数倍と実質的に等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目17)
上記コンパレーターは、高い開ループ利得を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目18)
上記電源は、
上記DC電力を発生させるように構成されている電力供給源と、
該DC電力を変調するように構成されているコンバーターと
を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目19)
上記コントローラーは、上記コンバーターを駆動させるために、上記感知されたDCに基づいてディジタルパルス幅変調信号を発生させるようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目20)
上記コントローラーは、上記非共振インバーターを駆動させるために、上記出力信号に基づいてディジタルパルス幅変調信号を発生させるようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目21)
上記超音波運動発生器は、上記非共振インバーターおよび上記超音波変換器と電気的に結合されている変圧器をさらに含み、該変圧器は、該非共振インバーターによって逆変換される上記ACの振幅を制御するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目22)
上記超音波運動の長手方向変位は、上記コンバーターによって変換される上記DCの振幅に基づいている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の超音波装置。
(項目23)
組織を処置するための超音波システムであって、該超音波システムは、
超音波外科手術装置を含み、該超音波外科手術装置は、
直流(DC)を提供するように構成されている電源と、
該電源と電気的に結合されている超音波運動発生器であって、該超音波運動発生器は、
該DCを第1の周波数を有する交流(AC)に逆変換するように構成されている非共振インバーターと、
該非共振インバーターと電気的に結合されている超音波変換器であって、該超音波変換器は、該逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させるように構成されている、超音波変換器と、
コンパレーターであって、該コンパレーターは、該超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、該超音波変換器の共振周波数からの該第1の周波数の偏差を自動的に検出するように構成され、該非共振インバーターを駆動するために、該偏差に基づいて出力信号を発生させるように構成されている、コンパレーターと
を含む、超音波運動発生器と、
該電源から該超音波運動発生器へ通過する該DCを感知するように構成されているセンサーと、
該センサーおよび該コンパレーターに結合されているコントローラーであって、該コントローラーは、該DCの振幅を制御するように構成されている、コントローラーと
を含む、超音波外科手術装置と、
組織を密封または解剖するために、該発生させられた超音波運動を該組織に適用するように構成されているエンドエフェクターと
を含む、超音波システム。
(摘要)
超音波運動発生器は、非共振インバーターと、超音波変換器と、コンパレーターとを含む。非共振インバーターは、直流(DC)を第1の周波数を有する交流(AC)に逆変換する。超音波変換器は、非共振インバーターと電気的に結合され、逆変換されたACに基づいて超音波運動を発生させる。コンパレーターは、超音波変換器を通過する運動電流に基づいて、超音波変換器の共振周波数からの第1の周波数の偏差を自動的に検出し、非共振インバーターを駆動するために、偏差に基づいて出力信号を発生させる。
【0021】
本開示は、後の詳細な説明とともに考えられる場合、添付の図面への参照によって理解され得る。