特許第6138890号(P6138890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138890
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】分布型ブリルアンセンサー
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/353 20060101AFI20170522BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20170522BHJP
   G01K 11/32 20060101ALI20170522BHJP
   G01L 1/24 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G01D5/353 B
   G02B6/02 A
   G01K11/32 C
   G01L1/24 A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-215666(P2015-215666)
(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公開番号】特開2016-121988(P2016-121988A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年3月24日
(31)【優先権主張番号】62/074,201
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/133,627
(32)【優先日】2015年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/927,734
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509094034
【氏名又は名称】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ラース グルナー−ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】ポール クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】トミー ガイスラー
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0127459(US,A1)
【文献】 Yongkang Dong et al,Extending the Sensing Range of Brillouin Optical Time-Domain Analysis Combining Frequency-Division Multiplexing and In-Line EDFAs,Journal of Lightwave Technology,米国,IEEE,2012年 4月15日,Vol.30 No.5,8,p.1161-1167
【文献】 Xiaoyi Bao et al,Recent Progress in Brillouin Scatterin Based Fiber Sensors,sensors,2011年12月 7日,vol.11 no.12,p.4152-4187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/353
G01K 11/32
G01L 1/24
G02B 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分布型ブリルアンセンサーシステムであって、
ポンプレーザーと、
少なくとも第1の光ファイバーセクションと第2の光ファイバーセクションとを備える複合ファイバーアセンブリと、
を備え、
前記ポンプレーザーは前記複合ファイバーアセンブリの第1の端部へポンプ信号を送るように配置され、
検出システムが前記複合ファイバーアセンブリからのブリルアン後方散乱を検出するように配置され、
前記第1のセクションは低ブリルアンゲインを有し、前記第2のファイバーセクションは高ブリルアンゲインを有し、
前記第2のファイバーセクションの前記ブリルアンゲインは前記第1のファイバーセクションの前記ブリルアンゲインより少なくとも2.0倍大きく、
前記第1のファイバーセクションは第1の実効面積を有し、前記第2のファイバーセクションは第2の実効面積を有し、前記第1の実効面積は前記第2の実効面積より少なくとも2.0倍大きい、ことを特徴とする分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項2】
ブリルアンセンサーファイバーの反対の端部へプローブ信号を提供するように配置されるプローブレーザーを更に備える、請求項1に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項3】
前記第1のセクションの実効面積は100μm以上である、請求項1に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項4】
前記第1のファイバーセクションの減衰は0.175dB/km以下である、請求項1に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項5】
前記分布型ブリルアンセンサーシステムのカバー範囲は前記複合ファイバーアセンブリを用いることによって少なくとも10km増加する、請求項1に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項6】
前記第1のファイバーセクションは負の分散を有する、請求項1に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項7】
前記第1のファイバーセクションは正の分散を有する、請求項6に記載の分布型ブリルアンセンサーシステム。
【請求項8】
ブリルアンセンサーファイバーシステムのための複合ファイバーアセンブリの使用であって、該複合ファイバーアセンブリは少なくとも第1の光ファイバーセクションと、第2の光ファイバーセクションとを備え、前記第1のセクションは低ブリルアンゲインを有し、前記第2のファイバーセクションは高ブリルアンゲインを有し、
前記第2のファイバーセクションの前記ブリルアンゲインは前記第1のファイバーセクションの前記ブリルアンゲインより少なくとも2.0倍大きく、
前記第1のファイバーセクションは第1の実効面積を有し、前記第2のファイバーセクションは第2の実効面積を有し、前記第1の実効面積は前記第2の実効面積より少なくとも2.0倍大きい、ことを特徴とするブリルアンセンサーファイバーシステムの複合ファイバーアセンブリの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2014年11月3日に出願された米国仮特許出願第62/074,021号、及び2015年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/133,627号に関連し、それらの仮特許出願の優先権を主張し、それらの仮特許出願の内容のすべてが引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は分布型ブリルアンセンサーシステムに関する。さらに、本発明は、分布型ブリルアンセンサーシステムにおいて用いるためのブリルアンセンサーファイバー又はファイバーアセンブリの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバーは通信目的で頻繁に用いられ、その場合、光波は低損失又は損失なしで長い距離にわたってファイバー内を伝搬することが可能である。一方、周囲環境の影響への光特性の感受性を高めることによって、光ファイバーは温度又は圧力等の外的摂動を検出又は監視するのに用いることが可能である。
【0004】
こうした光ファイバーセンサーはポイントセンサーとして実施することができ、その場合、光ファイバーに沿った一箇所のロケーションだけが外的摂動に対する感度を持つ。したがって、地点ごとに1つの光ファイバーが必要であり、その地点が監視される。代替的には、ファイバー光センサーは分布型センサーとして実施することができ、その場合、光ファイバーは長い中断のない線形のセンサーである。
【0005】
伝搬する光のパワーが所与の閾値を超えるとき、ブリルアン散乱等の非線形現象が生じ始める。この現象の発生が上述の周囲環境変動に強く依存することに起因して、ブリルアン散乱は分布型光ファイバーセンサーシステムにおいて頻繁に利用されている。
【0006】
ブリルアン散乱は電磁波と物体との間の相互作用に起因して発生し、これにより、材料の分子構造体内に変動を生じさせることができる。入射する光波は音波を発生させ、屈折率の周期的な変調を誘導し、これによりブラッグ格子に類似した光後方散乱を形成する。
【0007】
散乱光は、音速での格子の運動に関連付けられたドップラーシフトに起因して、周波数においてダウンシフトする。音速は材料の密度に依存する。材料の密度は熱膨張の結果として温度依存であるので、相互作用のピーク周波数は温度に伴って変化するものとして観測される。さらに、ファイバーが受ける任意の変形も材料の密度に影響を与えることになり、それにより、ファイバーが引き伸ばされたときのシフトを観測することによってそのファイバーを分布型歪ゲージとして用いることが可能である。
【0008】
様々な時間領域相関技法又は周波数相関技法を用いることによって、ブリルアンシフトプロセスは光ファイバーに沿って正確に位置特定することができる。
【0009】
C.A. Galindez-Jemioy及びJ. M. Lopez-Higueraによる「Brillouin Distributed Fiber Sensors: An Overview and Applications」Journal of Sensors, Volume 2012は種々のブリルアンセンサー構成体の概覧及び用途を提供する概説記事であり、この内容は引用することにより本発明の一部をなす。
【0010】
Luc Thevenazによる「Brillouin distributed time-domain sensing in optical fibers: state of the art and perspectives」Front. Optoelectron. China, Higher Education Press and Springer Verlag Berlin Heidelberg, 2010は種々のブリルアンセンサー構成体の概覧及び用途を提供する別の概説記事であり、この内容は引用することにより本発明の一部をなす。
【0011】
現在、ブリルアンに基づくセンサーシステムは標準シングルモードファイバーを利用している。しかしながら、こうしたファイバーはブリルアンゲイン係数に優れず、変調不安定性を引き起こす場合がある望ましくない非線形の影響を及ぼすと考えられている。したがって、改良された分布型ブリルアンセンサーシステムの必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は改良された分布型ブリルアンセンサーシステムを提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は適合させたブリルアンセンサーファイバーを有する分布型ブリルアンセンサーシステムを提供することである。
【0014】
本発明の追加の目的はブリルアンセンサーシステムのための適合させたブリルアンセンサーファイバーの使用を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、従来のブリルアンセンサーシステムより更に遠い距離での温度感知又は歪感知を可能にするブリルアンセンサーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の態様によれば、本発明はポンプレーザーと、ブリルアンセンサーファイバーと、検出システムとを備える分布型ブリルアンセンサーシステムを提供し、
ポンプレーザーはブリルアンセンサーファイバーの第1の端部へポンプ信号を送るように配置され、
検出システムはブリルアンセンサーファイバーからのブリルアン後方散乱を検出するように配置され、ブリルアンセンサーファイバーは、
−ブリルアンセンサーファイバーは負の分散を有すること、
によって特徴付けられ、
−ブリルアンセンサーファイバーの実効面積は50μm以下である。
【0017】
負の分散を有するブリルアンセンサーファイバーを利用することによって、変調不安定性等の非線形の深刻な影響を及ぼすことなく、ファイバーの実効面積を低減することが可能であり、これにより、事実上所与のポンプパワーに対する光ファイバーのブリルアンゲインを増加させる。
【0018】
第1の実施形態において、センサーシステムは、ブリルアンセンサーファイバーの反対側の端部にプローブ信号を提供するように配置されるプローブレーザーを更に備える。こうした構成はより効率的な散乱効率をもたらす。一方、本発明はブリルアンセンサーシステムが自然ブリルアンセンサーシステム又は後方散乱ブリルアンセンサーシステムに基づくことができることも意図している。
【0019】
1つの実施形態において、センサーファイバーの実効面積は60μm以下である。センサーファイバーの実効面積は50μm以下とすることもできる。センサーファイバーの実効面積は更に40μm以下とすることができる。比較的小さい実効面積はブリルアンゲインを増加させるが、通常は変調不安定性等の望ましくない非線形の影響をもたらす。しかしながら、ファイバーの負の分散がこれを補償する。
【0020】
センサーファイバーの実効面積は、例えば、10μm〜50μmの間とすることができる。センサーファイバーの実効面積は15μm〜35μmの間とすることができることが有利であり、このことはブリルアンセンサーファイバーのための優れた特性を提供することを示した。
【0021】
別の実施形態において、ブリルアンセンサーファイバーは低減衰と高ブリルアンゲインとを有することによって更に特徴付けられる。
【0022】
減衰は、例えば、0.25dB/km以下とすることができる。減衰は、例えば、0.24dB/km以下とすることができる。減衰は、例えば、0.23dB/km以下とすることができる。減衰は、例えば、0.22dB/km以下とすることができる。減衰は、例えば、0.21dB/km以下とすることができる。減衰は、例えば、0.20dB/km以下とすることができる。
【0023】
1つの有利な実施形態において、分散は−2ps/nm/kmより負であり、有利には−5ps/nm/kmより負である。
【0024】
ブリルアンゲインは、有利にはG.652標準シングルモードファイバーのブリルアンゲインの少なくとも2倍である。
【0025】
1つの実施形態において、ブリルアンセンサーファイバーは最大屈折率nを有する中央コア領域と、上記グラスファイバーの外表面上に名目屈折率nを有する透明クラッド材料層とを備え、ここで、
【数1】
であり、グラスファイバーは中央コア領域に隣接する透明材料の第1の環状領域を備え、上記第1の環状領域は幅約1マイクロメートル〜10マイクロメートル及び屈折率nを有し、ここで、
【数2】
であり、グラスファイバーは、外側クラッドに隣接する透明材料の第2の環状領域を更に備え、上記第2の環状領域はその屈折率がnであり、ここで、
【数3】
である。
【0026】
クラッドの屈折率nは、例えば、1.457@633nmとすることができ、基準として用いることが可能である。上記の値はnの値で除算する、すなわち、有利には1.457で除算することによって相対値に変換することもできる。
【0027】
ブリルアンセンサーファイバーは領域1530nm〜1565nmの全ての波長に対して述べる特徴を示すことができることが有利である。
【0028】
ポンプ信号は光パルスから構成されることが好ましい。プローブ信号は連続波光から構成することができることが有利である。
【0029】
ブリルアンセンサーは少なくとも5kmの長さ、有利には少なくとも10kmの長さを有することができる。
【0030】
追加の第1の態様によれば、本発明はブリルアンセンサーファイバーシステムのためのセンサーファイバーの使用を提供し、このセンサーファイバーは負の分散を有する。
【0031】
本発明は、ブリルアンセンサーファイバーシステムのためのセンサーファイバーの使用を更に提供し、センサーファイバーは最大屈折率nを有する中央コア領域と、上記グラスファイバーの外表面上に名目屈折率nを有する透明クラッド材料層とを備え、ここで、
【数4】
であり、グラスファイバーは中央コア領域に隣接する透明材料の第1の環状領域を備え、上記第1の環状領域は幅約1マイクロメートル〜10マイクロメートル及び屈折率nを有し、ここで、
【数5】
であり、グラスファイバーは、外側クラッドに隣接する透明材料の第2の環状領域を更に備え、上記第2の環状領域はその屈折率がnであり、ここで、
【数6】
である。
【0032】
上述したように、センサーファイバーの実効面積は50μm以下、例えば15μm〜35μmの範囲内である。
【0033】
第2の態様によれば、本発明は、ポンプレーザーと、少なくとも第1の光ファイバーセクション及び第2の光ファイバーセクションを備える複合ファイバーアセンブリと、を備える分布型ブリルアンセンサーシステムを提供する。前記ポンプレーザーは前記複合ファイバーアセンブリの第1の端部へポンプ信号を送るように配置され、検出システムが前記複合ファイバーアセンブリからのブリルアン後方散乱を検出するように配置され、前記複合ファイバーアセンブリは低ブリルアンゲインを有する前記第1のセクションと、高ブリルアンゲインを有する前記第2のファイバーセクションとによって特徴付けられる。
【0034】
したがって、第1のセクションは高ブリルアンゲインファイバーに関連する非線形の不利益なしで光を導くことができる一方、第2のファイバーセクションは、光が第1のセクションによって減衰された後、いずれの非線形の不利益を被ることなく高ブリルアンゲインを有することがわかる。このことによって分布型ブリルアンセンサーシステムのカバー範囲を著しく伸ばすことができる。
【0035】
複合ファイバーアセンブリは第1のファイバーセクション及び第2のファイバーセクションを複数備えることができることは認識されたい。
【0036】
第2のファイバーセクションは第1の態様について説明した上述の実施形態において説明した特徴のうちの任意のものを含むことができることも認識されたい。
【0037】
第1の実施形態において、センサーシステムは、ブリルアンセンサーファイバーの反対側の端部にプローブ信号を提供するように配置されるプローブレーザーを更に備える。こうした構成はより効率的な散乱効率をもたらす。一方、本発明はブリルアンセンサーシステムが自然ブリルアンセンサーシステム又は後方散乱ブリルアンセンサーシステムに基づく場合があることも意図している。
【0038】
1つの有利な実施形態において、第2のファイバーセクションのブリルアンゲインは第1のファイバーセクションのブリルアンゲインの少なくとも2.0倍大きい。
【0039】
別の有利な実施形態において、第1のファイバーセクションは第1の実効面積を有し、第2のファイバーセクションは第2の実効面積を有し、第1の実効面積は第2の実効面積より少なくとも1.5倍大きく、有利には少なくとも2.0倍大きい。第1のセクションの実効面積は、例えば、100μm以上とすることができる。
【0040】
第1のファイバーセクションの減衰は0.175dB/km以下とすることができることが有利である。
【0041】
高度に有利な実施形態において、分布型ブリルアンセンサーシステムのカバー範囲は複合ファイバーアセンブリを用いることによって少なくとも10km増加する。
【0042】
第1のファイバーセクションは正の分散を有することによって特徴付けることができることが有利である。一方、第2のファイバーセクションはその代わりに負の分散を有することができる。
【0043】
以下で、図面(複数の場合もある)を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明による分布型ブリルアンセンサーシステムの概略図を示す図である。
図2】光ファイバー内を伝搬する、レーザー光源からの後方散乱光のスペクトルを示す図である。
図3】歪の関数としてのブリルアン周波数シフトを示す図である。
図4】温度の関数としてのブリルアン周波数シフトを示す図である。
図5】ポンプパルス、ポンプパルスに関連付けられるブリルアンゲイン及びプローブ信号の波長分布を示す図である。
図6】距離と周波数の関数としての検出されたブリルアンスペクトルのウォーターフォールプロットを示す図である。
図7a】本発明によるブリルアンセンサーファイバーの断面図を示す図である。
図7b】本発明によるブリルアンセンサーファイバーの屈折率プロファイルを示す図である。
図8a】本発明によるファイバーアセンブリのためのブリルアン信号のパワーを示す図である。
図8b】本発明によるファイバーアセンブリのためのブリルアン信号のパワーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は本発明によるブリルアンセンサーシステム1を示している。図示するブリルアンセンサーシステム1はポンプと呼ばれる光パルスを用いて達成される誘導ブリルアン散乱と、ファイバーのブリルアン周波数プロファイルをプロ―ビングするのに用いられる、プローブ信号と呼ばれる連続波とを利用する。
【0046】
ブリルアンセンサーシステム1はポンプレーザー2を備え、ポンプレーザー2は光パルスを光ファイバーアセンブリに送る。光ファイバーアセンブリは、オプションである第1のファイバーセクション10と、本発明によるブリルアンセンサーファイバーの形態の第2のファイバーセクション4とを備える。この2つのファイバーセクションは直列に結合され、それにより、ポンプレーザー2から放射される光パルスが第1のファイバーセクション10の第1の端部へと放射され、ブリルアンセンサーファイバー4に送られる。
【0047】
この2つのファイバーセクション10、4は構造体14に取り付けられて歪及び温度の分布を感知されるように構成されることが有利である。構造体14は、例えば、橋若しくはパイプライン、又は別の長い物体とすることができる。
【0048】
ブリルアンセンサーシステム1はプローブレーザー8を更に備え、プローブレーザー8はプローブ信号を追加の第1のファイバーセクション10の第1の端部へと光パルスと逆向きに放射する。システム1からの後方散乱光は、例えば質問器の形態の検出システム6へ送られる。後方散乱光は、例えば、ビームスプリッター構成体12を介して検出システム6へ送られる。プローブレーザー8は連続波調整可能プローブ信号を生成することができることが有利である。
【0049】
ポンプレーザー2と、検出器構成体6と、プローブレーザー8とは単数又は複数の単一ユニット内に統合することができる。
【0050】
誘導ブリルアン散乱のプロセスは、光パルスとプローブ信号との間の周波数差がブリルアンシフトに対応するときに、それらの2つの信号がファイバー内を互いに反対方向に伝搬していることを条件として生じる。それらの2つの信号間の相互作用が高い散乱効率をもたらし、結果として、エネルギーがパルス信号からプローブ信号へ移行し、プローブ信号が増幅される。
【0051】
分布型のセンシングは、光パルスがブリルアンセンサーファイバー4に送信されるときに放射される後方散乱光の解析に基づく。後方散乱は密度変動を有する光とブリルアンセンサーファイバー4の伝搬媒体の分子振動との相互作用に起因して生じる。自然後方散乱がブリルアンセンサーファイバー4の各地点において生じ、これにより単一の光ファイバーを介した分布型センサーを構成することが可能になる。
【0052】
通常の後方散乱のスペクトルが図2に示されている。後方散乱はストークス成分と反ストークス成分とに分解され、それらがΔf=0を中心に対称なパターンを形成する。
【0053】
レイリー散乱20は最も大きな度合いの後方散乱を生成し、ポンプレーザー2と同じ周波数に位置する。ブリルアン散乱22は、熱的に励起された音波すなわち音響フォノンに起因して、レイリー散乱より低い強度にて後方散乱を生成する。ブリルアン散乱は1550nmの波長において0.1nmに対応する約10GHzの周波数シフトを示す。以下で説明するように、周波数シフトはブリルアンセンサーファイバー4の局所的な温度と歪との双方の状態に直接関連付けられる。したがって、分布型温度及び/又は歪センサーシステムを得ることができる。さらに、上記で説明したように、ブリルアン散乱は誘導することが可能であり、それによって、後方散乱の規模を増加させ、後方散乱を遠距離にわたって感知するのに適したものにする。ラマン散乱24は、熱的に励起された分子振動に起因する最も低い強度の後方散乱を生成し、13THz、すなわち1550nmの波長における100nmまで上昇した周波数シフトを示す。
【0054】
ブリルアン散乱はポンプレーザー2からの光パルスとブリルアンセンサーファイバー4の物体との間の相互作用に起因して発生し、これにより、ブリルアンセンサーファイバー4の材料の分子構造体内に変動を生じさせることができる。入射する光波は音波を発生させ、屈折率の周期的な変調を誘発し、これによりブラッグ格子に類似した光後方散乱を形成する。散乱光は、音速での格子の運動に関連付けられたドップラーシフトに起因して、周波数がダウンシフトする。音速は材料の密度に依存する。そして材料の密度は熱膨張の結果として温度依存であるので、相互作用のピーク周波数は温度に伴って変化するものとして観測される。さらに、ファイバーが受ける任意の変形も材料の密度に影響を与えることになり、それにより、ファイバーが引き伸ばされたときのシフトを観測することによりそのファイバーを分布型歪ゲージとして用いることが可能である。図3に示すように、検出される周波数シフトΔfは実質的に線形に歪σに依存する。さらに、図4に示すように、検出される周波数シフトΔfは実質的に線形に温度Tにも依存する。光ファイバーは、圧力若しくは温度のいずれか、又は圧力と温度との双方をプロービングする専用に構成することができる。このことは、例えば、構造体に取り付けられる第1の光ファイバーを有することによって達成することができ、それにより構造体からの圧力が、結果としてファイバーを引き伸ばすことになり、ひいてはブリルアンシフトが生じることになる。同様に、別の光ファイバーは構造体内の圧力に影響されないようにチューブ内に配置し、これによって温度検出のみに専用とすることができる。
【0055】
上述したように、ポンプレーザー2からの光パルスはファイバーアセンブリに1つの端部から入り、プローブレーザー8からの光はファイバーアセンブリに反対側の端部から入る。これら2つの信号は、共振周波数条件が満たされるとき、誘導ブリルアン散乱を通じて相互作用する。ポンプレーザー2とプローブレーザー8との間の周波数差が局所的なブリルアン周波数シフトに一致するとき、2つの信号間の相互作用は最大化される。このことが図5に示されており、図5はポンプパルス32の波長と、ポンプパルス32に関連付けられるブリルアンゲイン30とを示している。さらに、プローブ34の波長は調整可能であり、これにより、プローブ34の波長をスキャンしてブリルアンシフト36に一致させることができる。したがって、プローブはブリルアンシフトを正確に位置特定することが可能であり、これは圧力及び/又は温度に直接関連する。
【0056】
プローブ信号34は処理の位置についての情報だけでなく、局所的な温度及び局所的な歪の形態のイベントについての情報も搬送する。ポンプ信号32は光パルスであるので、プローブ信号34は時間領域の情報を搬送し、その情報はファイバーアセンブリ内の光の既知の速度に基づいて距離に変換することが可能である。したがって、調整可能なプローブ信号34を用いてポンプ周波数とプローブ周波数との周波数差をスキャンすることによって、ファイバーアセンブリに沿った各ロケーションにおけるブリルアン周波数シフトを求めることが可能になる。
【0057】
それによって、測定スキャンはファイバーアセンブリの長尺に沿って検出することができ、3Dグラフ、例えば、図6に示すようなウォーターフォールプロットとして描写することができる。局所的な圧力事象は、例えば、専用の歪センシングファイバーを用いて距離dにおいて検出することができ、局所的な温度事象は、例えば、専用の温度センシングファイバーを用いて距離dにおいて検出することができる。
【0058】
ブリルアンゲインは割当て量P・g/Aeffに比例し、ここでPはポンプのパワー、gはファイバーのブリルアンゲイン係数、Aeffはファイバーの実効面積である。gは、ブリルアン散乱に関与する光フィールドと音響フォノンとの間の重なり積分によって支配される。すなわち、gはともにドーピング分布によって支配される屈折率と音響屈折率プロファイルとにも依存する。実効面積を減少させることによってブリルアンゲインを増加させる。しかしながら、そのことはnn1/Aeffに比例する非線形係数γも増加させることになる。ここで、nn1は非線形屈折率であり、ファイバー屈折率とドーピング分布とに依存する。変調不安定性等の非線形の影響はγ・Pに依存する。
【0059】
分布型ブリルアンゲインは、標準シングルモードファイバー(G.652)に対するファイバー減衰の指数関数減衰式と実験的に比較されてきた。標準シングルモードファイバーのゲインは0.19dB/kmの指数関数的な減衰のファイバー損失に従う。
【0060】
同様に、標準シングルモードファイバーより小さい実効面積を有する光ファイバー(標準シングルモードファイバーの実効面積の約1/3)及び同じポンプパワーに対して実験が行われた。この実験はブリルアンゲインが0.28dB/kmのファイバー損失に対応する指数関数より急激に減衰することを示した。この実験は、ブリルアンゲインが指数関数減衰に従うようにするために、ポンプパワーは4dB減少させなければならず、それによって、ブリルアンゲインが0.28dB/kmの指数関数ファイバー損失に従うことを示した。
【0061】
標準シングルモードファイバーに対して変更されたファイバーのブリルアンゲインはファイバーの始めにおいて4%から9.3%へ、すなわち2.3倍に増加することが観察された。しかしながら、ブリルアンゲインは変調不安定性の原因となると考えられる長さでは急速に減少する。変調不安定性は、標準シングルモードファイバーに対して変更されたファイバーのより小さい実効面積に起因し、それによって、より高い非線形係数となる。変調不安定性を取り除くために、ポンプパワーを4dB減少させることが必要である。
【0062】
5kmまでの長さに対しては、変更されたファイバーは少ない有利性を示すことが更に観察された。しかしながら、5kmを超える距離に対しては、標準シングルモードファイバーはそのより低い減衰に起因して優れている。このことは、ブリルアンセンシング専用の新たなファイバーの設計の必要性があることを示していることは明らかである。
【0063】
本発明を論証するために、本発明による専用ブリルアンセンサーファイバーを標準シングルモードファイバー(G.652)と比較した。専用ブリルアンセンサーファイバーはより小さな実効面積(標準シングルモードファイバーの実効面積の約1/3)を有することによって特徴付けられるが、負の分散を有することによって更に特徴付けられる。
【0064】
標準シングルモードファイバーに対する専用ブリルアンセンサーファイバーのブリルアンゲインはファイバーの端部近傍において4.5%から8%へ、すなわち1.8倍に増加されていることが観察された。双方のファイバーに対して同じポンプパワーが用いられたので、ブリルアンゲイン係数は専用ブリルアンセンサーファイバーにおいて標準シングルモードファイバーに対して1.8倍高いと結論付けることが可能である。
【0065】
上述の変更された光ファイバーとは対照的に、専用ブリルアンセンサーファイバーに対しては、実効面積及びそれによる非線形係数は双方の間で略同じであるにもかかわらず、変調不安定性の証拠は観察されなかった。このことは、正の分散係数(異常分散)を有する変更されたファイバーとは対照的に専用ブリルアンセンサーファイバーが負の分散係数(正常分散)を有するという事実にあると考えられる。変調不安定性は分散が異常である場合のみに生じる可能性がある。48kmを超える範囲であっても専用ブリルアンセンサーファイバーは標準シングルモードファイバーより高いブリルアンゲインを示すが、専用ブリルアンセンサーファイバーのより高い損失に起因して、およそ20kmを超える距離に対しては優位性が小さくなることが観察される。
【0066】
以上のことから、いくつかの包括的な結論を引き出すことができる。
1.増加させたブリルアンゲインは有用であるが、減衰も低い場合、長い距離においてのみ有用である。
2.異常分散を有するファイバーに対して、最大ポンプパワーは変調不安定性によって求められる。異常分散レジームにおける変調不安定性を回避するために、比P・g/Aeffは或る特定の閾値未満でなければならない。
3.正常分散を有するファイバーは、不利益なしで、異常分散を有するファイバーよりはるかに高いP・γ/Aeff比において耐性を有することが可能である。
【0067】
このことから、分布型ブリルアンセンシングに対する最適なファイバーは以下によって特徴付けられると結論付けることが可能である。
1.低損失。好ましくはおよそ0.25dB/km以下。
2.負の分散
3.高いブリルアンゲイン
【0068】
高いブリルアンゲインはポンプパワーが制限される場合、特に重要である。
【0069】
表1は本発明によるブリルアンセンサーファイバーの3つの例を示しており、これらは従来のブリルアンセンサーシステムより改良されたセンシング性能を提供している。
【0070】
【表1】
表1:1550nmにおけるブリルアンセンサーファイバーの例の標準シングルモードファイバーとの比較
【0071】
3つの例は全て比較的低い減衰と、標準シングルモードファイバーと比べて小さい実効面積と、比較的高いブリルアンゲインと、負の分散とを有することがわかる。全体として、例I〜IIIによる光ファイバーはセンシングリーチを標準シングルモード光ファイバーと比べて10kmより長く伸ばすことを可能にすることを示している。
【0072】
図7aは光ファイバー50の断面図を示しており、光ファイバー50の断面図は専用ブリルアンセンサーファイバー4に対して所望の特性を示す。光ファイバー50は、ファイバーの導波路分散特性を変更するための、異なる屈折率をそれぞれが有する複数の層51〜54を有するコーティングされていないグラスファイバーである。図7bは屈折率の変化が層間で急激であることを示しているが、このことは必ずしも事実ではない。屈折率が徐々に変化することはより一般的であり、こうしたファイバーはグレイデッドインデックスファイバーとして知られている。にもかかわらず、本発明の理解を容易にするために急激な変化が示されている。本発明がグレイデッドインデックスファイバーも意図していることは理解されたい。
【0073】
光ファイバー50は、屈折率が名目上nである中央コア領域51を備える。中央コア領域51は名目屈折率nの第1の環状リング52によって取り囲まれ、そして第1の環状リング52は名目屈折率nの第2の環状リング53によって取り囲まれている。名目屈折率nの外側クラッド54は第2の環状リング53を取り囲む。図7aの図は、クラッド層54の直径が約125ミクロンである一方、中央コア51の直径は約8ミクロンであるので、等縮尺には描かれていないことに留意されたい。
【0074】
上記の屈折率は以下のように定義される。
【数7】
【0075】
クラッド54の屈折率は約1.457@633nmとすることができる。屈折率の差に関する上記の値は1.457で除算することによって百分率に変換することもできる。上記のインターバルから、光ファイバー50は中央コア51を取り囲む単一の環状リング又は2つの環状リングのみを有する場合もあることは認識されたい。
【0076】
3つの層51〜53の半径c、c、cは以下のような値であることが有利である。
【数8】
【0077】
しかしながら、本発明によれば、本発明によるファイバーアセンブリを利用することによって、特に、比較的低いブリルアンゲインと、比較的高いゲインを有するブリルアンセンサーファイバー4とを有する第1のファイバーセクション10を用いることによって、ブリルアンセンサーシステム1がカバーする範囲をより一層遠くへと伸ばすことが可能である。ブリルアンセンサーファイバー4は、有利には、例えば、例I〜IIIにおいて詳細に記されているような、本発明による専用ブリルアンセンサーファイバーとすることができることに留意されたい。一方、既存のブリルアンセンサーシステムがカバーする範囲も、比較的低いブリルアンゲインを有する第1のファイバーセクションを使用することによって、例えば、こうした光ファイバーを正の分散を有するブリルアンセンシングに用いられる標準シングルモードファイバーと組み合わせることによって伸ばすことができる。しかしながら、本発明のこの態様は、以下において、例IIによる専用ブリルアンセンサーファイバーとの組み合わせにおいて説明する。
【0078】
第1のファイバーセクション10は純粋シリカコアファイバーを備えることができることが有利であり、これらのファイバーは表2に示す特徴を示す。
【0079】
【表2】

表2:1550nmにおける本発明によるファイバーアセンブリの第1のファイバーセクションに対する光ファイバーの例
【0080】
本発明によるファイバーアセンブリに関して得られる性能の例が図8に示されており、図8aは距離の関数としてのブリルアン信号を任意の単位の線形スケールで示し、図8bは距離の関数としてのブリルアン信号を任意の単位の対数スケールで示している。このグラフは本発明によるファイバーアセンブリの特性60を標準シングルモードファイバー(G.652)の特性62と比較して示している。
【0081】
このファイバーアセンブリは例Bによる40kmの長さを有する第1のファイバーセクション10と、例IIによる60kmの長さを有するブリルアンセンサーファイバー4とを備える。
【0082】
この2つの場合において、入力パワーは実効面積あたりのパワーが同じに保持されるように調節された。この組み合わせの利点は低ブリルアンゲインを有するファイバー、すなわち、第1のファイバーセクション10が、通常高い実効面積を有することであり、このことは性能がラマン散乱等の他の非線形性によって損なわれる前により多くのパワーを受け取ることが可能であることを意味している。パワーが高ブリルアンゲインファイバー、すなわち通常は低実効面積を有し、したがってより低いパワーしか受け取れない第2のファイバーセクション4に到達するとき、パワーは第1のファイバーセクション10によって既に減衰されている。
【0083】
こうしたファイバーの組み合わせによって、シングルファイバーよりも非常に大きくカバー範囲を改良することが可能であることがわかる。図8の例において、カバー範囲をおよそ50kmからおよそ85kmへと改良することが可能である。
【0084】
図8に示す例において、第1のファイバーセクション10は正の分散を有するが、第1のセクション10の負の分散も可能である場合があることは理解されたい。また、3つ以上の異なるファイバー、例えば、3つ又は4つのファイバーがより一層よい性能を発揮する場合があることも理解されたい。
【0085】
本構成を誘導ブリルアンセンサー構成との関連において説明したが、本発明は自然ブリルアンセンサー構成の使用も意図していることは認識されたい。
【符号の説明】
【0086】
1 分散型ブリルアンセンサーシステム
2 ポンプレーザー
4 ブリルアンセンサーファイバー/第2のファイバーセクション
6 検出システム/検出器/質問器
8 プローブレーザー
10 第1のファイバーセクション
12 スプリッター
14 構成体
20 レイリー散乱
22 ブリルアン散乱
24 ラマン散乱
30 ブリルアンゲインスペクトル
32 ポンプパルス
34 プローブ
36 ブリルアンシフト
50 光ファイバー
51〜54 光ファイバーの層
60 本発明によるファイバーアセンブリ用のブリルアン信号
62 標準シングルモードファイバー用のブリルアン信号
d 距離
f 周波数
Δf ブリルアンシフト
T 温度
λ 波長
σ 歪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b