(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
身体の内側に外科用締結具を供給し、かつ前記身体の外側に、前記外科用締結具が前記身体の内側に供給された場所を示すマークを生成するためのデバイスであって、前記デバイスが、
外科用締結具を供給するよう適合された、遠位端における外科用締結具ディスペンサー開口部を有する第1の部材と、
前記第1の部材に連結され、かつ、前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端を有する、第2の部材と、
前記第2の部材の前記遠位端に固定されたマーキングアセンブリと、
を含み、前記マーキングアセンブリは、前記外科用締結具ディスペンサー開口部から離れ、かつ前記外科用締結具ディスペンサー開口部に近づくように動くことができ、かつ前記マーキングアセンブリは、前記第1の部材の前記遠位端にある前記外科用締結具ディスペンサー開口部から供給される各外科用締結具の位置を反映するマークを、前記身体に形成された外科的開口部の外側の外面に生成するよう適合されている、デバイス。
前記第1の部材が、前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む遠位端を有する下アームを含み、かつ前記第2の部材が、旋回可能接続を介して前記下アームに連結されている近位端を有する上アームを含む、請求項1に記載のデバイス。
前記下アームの前記遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーを更に含み、前記外科用締結具ディスペンサーが、前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む、請求項3に記載のデバイス。
前記マーキングアセンブリが前記外科的開口部の外側に残ったまま、前記外科用締結具ディスペンサーが前記外科的開口部内に挿入されるよう適合されている、請求項4に記載のデバイス。
前記マーカーが、前記外科的開口部内の前記組織内に供給された前記外科用締結具の数及び位置を示す、前記外面上の前記マークの可視パターンを生成するよう適合されている、請求項7に記載のデバイス。
前記第1の部材が、その遠位端に前記外科用締結具ディスペンサー開口部を有する細長いチューブであり、かつ前記第2の部材が、前記第1の部材に連結された近位端と、前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端とを有する、請求項1に記載のデバイス。
前記第2の部材が、前記細長いチューブの前記遠位端にある前記外科用締結具ディスペンサー開口部に近づき、かつ前記外科用締結具ディスペンサー開口部から離れるように前記第2の部材の前記遠位端を動かすために柔軟である、請求項14に記載のデバイス。
前記下アームの前記遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーを更に含み、前記外科用締結具ディスペンサーが前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む、請求項16に記載のデバイス。
【背景技術】
【0003】
ヘルニアは、患者の腹部筋肉壁又は股間内の弱い場所又は欠陥を貫通して腸管又は腸の小さいループが突出する状態である。ヘルニアは先天性欠損により起こることがあり、あるいは過剰な負荷により、又は重いものを持ち上げることにより起こることがある。ヘルニアにより患者は、その欠陥を貫通して突出する見た目の悪い腸組織の出っ張り、痛み、持ち上げる力の低下を伴う場合があり、大腸の圧迫、又は、突出組織への血流が遮断された場合は他の合併症を起こす可能性がある。
【0004】
ヘルニアの修復には外科手術が必要になり得る。ヘルニア修復術では、開放切開を通して、あるいはトロカールを通して内視鏡的に、欠陥にアクセスし、注意深く検査する。いずれの場合でも、欠陥領域を取り囲む脈管及び神経のデリケートなネットワークがあるため、注意深い検査が必要である。このように、外科医は、高度なスキルと注意を払って、ヘルニア修復術を実施しなければならない。
【0005】
ヘルニアの修復には、欠陥を縫合糸又は締結具で閉じる工程が含まれ得る。ヘルニア修復術はまた、開放欠陥の上にメッシュパッチなどの外科的補綴デバイスを配置する工程と、そのメッシュパッチを、従来型の縫合糸又は外科用締結具で腹壁又は鼠経床に取り付ける工程とを含み得る。メッシュパッチは障壁として機能し、腸管が欠損部から圧出するのを防ぐ。
【0006】
一般的なヘルニアの1つのタイプが腹壁ヘルニアである。このタイプのヘルニアは典型的に腹壁内に起こり、従前の切開又は穿刺により、又は、弱い組織領域に応力がかかることにより、発生し得る。患者の個々の特質及びヘルニアの性質により、外科医が採用し得る修復術にはいくつかある。腹腔内オンレイメッシュ(IPOM)修復技法においては、外周の回りの固定層に融合された平らな修復層と共に使用される。この固定層は、層の間への固定デバイス挿入を促進するための開口部を有する。IPOM修復中は、腹壁ヘルニア部位の上に直接、切開が行われる。メッシュは巻かれて、この切開及びヘルニアを通して腹膜前空間に挿入される。次にこのメッシュは、ヘルニアの下に中央を合わせて配置され、修復層を下向きにして内臓側に面するようにする。ステイスーチャーを用いて、メッシュを配置してもよい。次に、固定デバイスを使用して、固定層を腹壁に固定する。上固定層の固定は、下修復層も固定することになる。メッシュを固定し、腹壁に対して平らにした後、ヘルニア欠陥及び皮膚切開を、縫合糸を用いて閉じることができる。
【0007】
現在、メッシュパッチを組織に取り付けるのに使用される外科用器具及び締結具には様々なものがある。使用される外科用器具の初期のタイプの1つは、外科用ステープラーであり、これは、ステープルの積層体がステープラーカートリッジ内に収容され、ばね機構によって器具内で順に前進する。第2の機構を採用して、この積層体から最遠位のステープルを分離し、残りのステープルは積層体に保持し、かつ、最遠位のステープルをステープル形成機構に供給する。この種の供給機構は、米国特許第5,470,010号及び同第5,582,616号(Rothfussら)に記載されている。
【0008】
別のヘルニアメッシュ取り付け器具は、ばねの小部分に似た螺旋状ワイヤ締結具を使用する。複数の螺旋状ワイヤ締結具は、5mmシャフト内に連続的に貯蔵され、組織内に螺旋状に入り込む。複数の螺旋状締結具をシャフト内で遠位方向に供給するために荷重ばねが使用される。荷重ばねにより、突出部がシャフト内に延出し、締結具の積層体の脱出を防ぎ、回転する締結具の通過が可能になる。これらの種類の器具及び締結具は、米国特許第5,582,616号、及び同第5,810,882号(Bolducら)、及び同第5,830,221号(Steinら)に記載されている。
【0009】
ヘルニアメッシュ取り付けのために使用される他の外科用締結具は、再装填可能な単発器具、又は、少数の締結具を保持する回転式マガジンのいずれかを利用する。これらのタイプの外科用締結器具は、米国特許第5,203,864号及び同第5,290,297号(Edward Phillips)に開示されている。これらの器具は外科のコミュニティでは受け入れられておらず、これは恐らくは、これらの単発の能力及び回転式マガジンの大きな寸法により、これらがこのような器具の使用を開放式手術に限定するためである。
【0010】
米国特許第5,601,573号、同第5,833,700号、及び同第5,921,997号(Fogelbergら)は、クリップの積層体を供給するための回帰性フィードバーを利用した供給機構を備えたクリップ適用体を教示している。フィーダーシューは、遠位方向に動くフィードバーと操作可能に噛み合って移動し、摺動的に近位側に動くフィードバーと係合する。フィーダーシューは、遠位方向に動く送達バーで、クリップの積層体を遠位方向に押し、近位方向に動くフィードバーに対しては静的に留まる。バルブ機構は、最遠位のクリップが脈管に供給され得る際に、最遠位のクリップを分離し、積層体を静止状態に維持する。
【0011】
米国特許第4,325,376号(Kliemanら)は、クリップ積層体をクリップマガジン内に連続的に貯蔵するクリップアプライヤーを教示している。最近位のクリップがつめにより遠位側に押され、このつめは、各器具の動作と共に回帰性部材により遠位方向に移動される。つめが遠位方向に動くに従い、クリップ積層体を遠位方向に押し出す。
【0012】
本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2002/0068947号(その開示は本明細書により参照として組み込まれる)は、複数の個別の外科用締結具を送達するための装置を教示する。一実施形態において、送達装置は、遠位端及び近位端を有する駆動機構を含む。駆動機構は、移動部材及び固定した対向する部材を有し、それによって移動部材は、送達装置に対して近位方向及び遠位方向に可動である。移動部材は、組織に貫入するための鋭い遠位端を有する。装置は、第1の部材と第2の部材との間に位置する少なくとも1つの外科用締結具を含む。外科用締結具のそれぞれは、近位端及び遠位端を有する。装置はまた、少なくとも2つの連続的な位置を有する作動装置を有する。移動部材を遠位方向に前進させ、組織に貫入するために第1位置、及び移動部材を近位方向に移動させ、それによって締結具の遠位端を展開するための第2位置である。
【0013】
上述の器具は、器具の長手方向軸に平行な軸に沿って外科用締結具を供給する。いくつかの例において、この供給角度は、医療関係者にとって、締結具を受容する組織の表面に対して垂直な軸に沿って外科用締結具を挿入するのが、困難になる。加えて、従来の器具は、締結具を受容する組織上に対向する力をかけるためのバックアップとして、手術者が手を使用する必要がある。これはしばしば、医療関係者が外科用締結具の鋭い先端で刺傷を負う原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の欠陥の見地から、より経済的かつ効率的に、外科用締結具を使って補綴デバイスを固定するための、改善されたシステム、デバイス及び方法に対するニーズが依然として存在する。特に、締結具を受容する組織表面に対して垂直な角度で、外科用締結具を容易に供給する器具のニーズが依然として存在する。また、外科用締結具を受容する組織のアンビルとして医療関係者が2本目の手を使用する必要がない器具のニーズも依然として存在する。また、十分な圧縮が印加されたときに外科用締結具を供給し、かつ、所定の圧縮レベルが達成されたことの指標を提供するような、器具のニーズも依然として存在する。また、外科用締結具が挿入された場所を示す、患者の外皮膚表面上の明瞭なマップと、組織内に供給されている外科用締結具の合計数とを、提供するデバイスのニーズも依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
ヘルニア修復術において、例えばメッシュインプラントなどのインプラントを組織に固定するために、外科用締結具が使用される。ヘルニア欠陥の上にインプラントを固定するため、インプラントを通って組織内に入る外科用締結具を供給するには、通常、アプリケーターガンなどの医療用装置が使用される。外科用締結具を手術部位に配置する際は、隣接する外科用締結具との間に適切な間隔を置くことが必須である。隣接する締結具の間隔が2cmを超えると、腹壁とインプラントとの間に組織が挟まるリスクが劇的に増大する。これは、組織の内殖に悪影響を与え、又は重篤な合併症を引き起こすことがある。
【0016】
腹腔鏡手順において、外科医は外科用締結具の配置部位を明瞭に見ることができる。その結果、外科医にとっては、手術部位に外科用締結具を適切に間隔を空けて配置することは容易である。しかし、開放IPOM術の場合はそうではない。典型的に、開放IPOM術では、外科用締結具の配置及び設置は、触覚的フィードバックを用いて盲目的になされる。隣接する外科用締結具の間に隙間なしに、適切な固定のために十分な外科用締結具が設置されているかどうかをチェックするには、触覚的フィードバックが必要になる。外科用締結具がすでに配置されている場所をチェックするのは、ほぼ不可能である。その結果、手術部位での外科用締結具の正確な制御及び配置は、達成がより難しくなる。上述の困難にもかかわらず、開放IPOM術では、外科用締結具を正確に配置することが依然として絶対的に重要である。
【0017】
上述の問題に対応して、本発明は、クランプ様の固定デバイス又はアプリケーターガンなどの外科用締結具固定デバイス用のマーキングアセンブリを提供する。クランプ様固定デバイスについては、このマーキングアセンブリは、改変されたクランプの一方に容易に固定することができる。アプリケーターガンデバイスにおいては、このマーキングアセンブリは、デバイスの細長い供給チューブ又はハンドル部分に連結することができる。
【0018】
マーカーアセンブリを外科用締結具固定デバイスに直接取り付けることで、外科医は、外科用締結具が「内部の」どこに配置されたかを、皮膚上で見ることができる。マーキングアセンブリは、皮膚の外面に、外科用締結具がどこで腹壁に固定されているかを示す像のコピーを生成する。加えて、医療関係者は、外科用締結具が組織内にすでに配置されている数をチェックすることができる。
【0019】
一実施形態において、このマーキングアセンブリは、クランプデバイスに直接接続し得る。一実施形態において、このマーキングアセンブリは、細長い部材又はアームを用いて、カニューレ様デバイスに接続し得る。一実施形態において、この細長い部材又はアームは中実であってよいが、更に、皮膚上に外部のマーキングを可能にするために十分な柔軟性を有し得る。一実施形態において、このアームは、クランプを介してカニューレ様デバイスのハンドルに接続される。このマーキングアセンブリは好ましくは、外科医が指又は手でつかむことができる構造を含む。一実施形態において、このマーキングアセンブリは、クランプデバイス又はカニューレ様デバイスに接続されない。この実施形態において、このマーキングアセンブリは、組織内に挿入された外科用締結具の数と、隣接する外科用締結具の間の間隔を示すため、外側皮膚表面にマーキングを行うために体外で使用され得る別個の構成要素である。
【0020】
一実施形態において、このマーキングアセンブリは、ペン、インクマーカー、鉛筆、又はクレヨンを含む。一実施形態において、このマーキングアセンブリは、外側皮膚表面に貫入する棘又は針を使用する。この実施形態において、このマーキングアセンブリは、複数の部分を有する丸い円筒形部材を含む。第1の部分は、外側皮膚表面に圧力を印加することにより、第2の部分に対して動く。圧力下で第1部分と第2部分が互いに対して動くことにより、第2部分の棘又は針が第1部分の中央開口部を通って押し出され、皮膚に貫入してマークを残す。棘又は針を含むこのマーキングアセンブリは、クランプ固定デバイスに直接接続されてよく、又は、カニューレ様固定デバイスと共に使用され得る。
【0021】
一実施形態において、デバイスは、体内で外科用締結具を供給し、同時に、体内で外科用締結具がいくつ及びどこに供給されているかを示す、体外のマークを生成するよう適合される。身体の外面(例えば外側皮膚表面)に生成されるマークによって、いくつの外科用締結具が体内に供給されたか、及び外科用締結具の正確は配置及びそれらの間隔を、医療関係者が継続的にモニターできる。このデバイスは好ましくは、組織内に外科用締結具を供給するよう適合された、その遠位端における外科用締結具ディスペンサー開口部を有する第1の部材と、第1の部材に連結され、外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端を有する第2の部材とを含む。このデバイスは望ましいように、第2の部材の遠位端に固定されたマーキングアセンブリを有する。一実施形態において、このマーキングアセンブリは、上アームの遠位端に旋回可能に固定される。一実施形態において、このマーキングアセンブリは、外科用締結具ディスペンサー開口部から離れかつこれに向かうよう動くことができる。このマーキングアセンブリは、第1の部材の遠位端の外科用締結具開口部から供給される各外科用締結具の位置を反映して、外面にマークを生成するよう適合される。
【0022】
一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサー開口部は、外科的開口部の外側でかつ身体の外面の上に配置されたマーキングアセンブリを備えて、外科的開口部内の組織内に外科用締結具を供給するために、身体に形成された外科的開口部内に挿入するよう適合される。
【0023】
一実施形態において、この第1の部材は外科用締結具ディスペンサー開口部を備えた遠位端を有する下アームを含み、かつ、この第2の部材は、旋回可能接続を介して下アームに連結されている近位端を有する上アームを含む。一実施形態において、外科用締結具ディスペンサーは、下アームの遠位端に固定されている。この外科用締結具ディスペンサーは望ましいように、外科用締結具ディスペンサー開口部を含む。
【0024】
一実施形態において、このデバイスは、マーキングアセンブリが外科用締結具ディスペンサーから間隔を空けて配置されている開位置と、マーキングアセンブリ及び外科用締結具ディスペンサーの間に組織をクランプするためにマーキングアセンブリが外科用締結具ディスペンサーに近づいている閉位置との間で、アームを選択的に動かすための、上アーム及び下アームに連結されたアクチュエーターを有する。
【0025】
一実施形態において、このマーキングアセンブリは、外面にマークを生成するための、外科的開口部の外側の外面に接触するよう適合されたマーカーを含む。この外側のマークは、外科的開口部の中の組織内に供給された外科用締結具の位置を反映する。
【0026】
このマーカーは好ましくは、外科的開口部内の組織内に供給された外科用締結具の数及び位置を示す、外面上のマークの可視パターンを生成するよう適合される。このマーカーは、例えばペン、フェルトマーカー、鉛筆、クレヨン、針、及び/又は棘などの、表面にマークを付けるのに使用される任意の物品であり得る。
【0027】
一実施形態において、このマーキングアセンブリは、上アームの遠位端に連結されたパッドを含む。このパッドは好ましくは、クランプ力を印加するよう適合された底面を有し、このパッドの底面に開口部が形成される。一実施形態において、このマーカーは、このパッドに連結され、外面にマークを付けるために、パッドの底面に形成された開口部を通ってアクセス可能なマーキング表面を有する。
【0028】
一実施形態において、このデバイスが閉じているとき、パッドの底面は望ましいように、外面に対してクランプ力を印加し、これによって、外科用締結具ディスペンサー開口部から外科的開口部内の組織内に外科用締結具の1つを供給するために、組織を介して外科用締結具ディスペンサーの上に圧縮力を印加する。
【0029】
一実施形態において、このデバイスは、カニューレ様デバイス(例えばアプリケーターガン)であってよく、第1の部材は、その遠位端における外科用締結具ディスペンサー開口部を有する細長いチューブである。第2の部材は、第1の部材に連結された近位端と、外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端とを有し得る。
【0030】
一実施形態において、このデバイスは、細長いチューブの近位端に接続されたハンドルを含み得、第2の部材がこのハンドルに固定される。一実施形態において、この第2の部材は好ましくは、この第2の部材の遠位端を、細長いチューブの遠位端の外科用締結具ディスペンサー開口部に向かって近づけ及びこれから離れるよう動かすために、柔軟性である。
【0031】
一実施形態において、デバイスは、外科的開口部の中にある組織内に外科用締結具を供給しながら、同時に、外科的開口部の外側の外面にマークを生成するよう、適合される。このデバイスは望ましいように、近位端と、外科用締結具を供給するよう適合された外科用締結具ディスペンサー開口部を含む遠位端とを有する下アーム、及び、下アームに連結され、かつ下アームの遠位端の外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端を有する上アームを含む。マーキングアセンブリは、望ましいように、上アームの遠位端に固定され、下アームの遠位端の外科用締結具ディスペンサー開口部に対向している。一実施形態において、上アーム及び下アームの遠位端は、開位置と閉位置との間で動くことができる。一実施形態において、上アーム及び下アームが閉位置にあるとき、マーキングデバイスは、外科用締結具が外科的開口部の中の組織内に供給されるたびに、外科的開口部の外側の外面上にマークを生成するよう適合される。マークそれぞれは、望ましいように、外科的開口部の中に供給された外科用締結具の1つの位置を反映する。
【0032】
一実施形態において、このマーカーは、外科用締結具の1つが外科的開口部内の組織内に供給されるたびに外面に接触して、外科的開口部内の組織内に供給されている外科用締結具それぞれの数と位置を示すための、外面上のマークの可視パターンを提供するよう、適合される。
【0033】
一実施形態において、このデバイスは、マーキングアセンブリが外科用締結具ディスペンサーから間隔を空けて配置されている開位置と、マーキングアセンブリ及び外科用締結具ディスペンサーの間に組織がクランプされている閉位置との間で、上アーム及び下アームを選択的に動かすための、上アーム及び下アームに連結されたアクチュエーターを有し得る。一実施形態において、このアクチュエーターは、望ましいように、下アームに固定されたハンドグリップと、下アームに取り付けられかつ上アームに連結されたトリガとを有し、このトリガは、ハンドグリップに向けて引っ張られることによりアームを閉位置に動かすよう適合され、かつこのトリガは、ハンドグリップから離れる様に動かすことによりアームを開位置に動かすよう適合される。このデバイスは望ましいように、トリガに連結されたトリガ戻しばねを有し、通常はトリガをハンドグリップから離れるように動かすよう強いている。
【0034】
一実施形態において、クランプデバイスは、外科的開口部の中にある内部組織内に外科用締結具を供給しながら、同時に、外科的開口部の外側の外面に外側マークを生成する。この外面のマークは、望ましいように、供給された外科用締結具それぞれの位置を反映する。一実施形態において、このクランプデバイスは、望ましいように、外科用締結具ディスペンサーを含む第1アームと、第1アームに対向する第2アームと、外面上に外側マークを生成するために第2アームに固定されるマーキングアセンブリとを含む。一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサーは、第1アームの遠位端に固定され、このマーキングアセンブリは、第2アームの遠位端に固定される。この外科用締結具ディスペンサーは好ましくは、外科用締結具ディスペンサー開口部を有し、外科用締結具がここを通過して外科的開口部内の内部組織内に供給される。
【0035】
一実施形態において、このデバイスは好ましくは、マーキングアセンブリが外科用締結具ディスペンサーから間隔を空けて配置されている開位置と、マーキングアセンブリ及び外科用締結具ディスペンサーの間に組織が圧縮されている閉位置との間で、第1アーム及び第2アームを選択的に動かすための、第1アーム及び第2アームに連結されたアクチュエーターを含む。一実施形態において、デバイスの作業端でアームの遠位端間に組織が圧縮されると、外科用締結具が外科的開口部内の組織内に供給され、マーキングアセンブリが、外側皮膚表面上に外側マークを形成し、供給された外科用締結具の正確な位置を示す。クランプデバイスは、外科用締結具の1つが供給されるたびに外側マークを形成するよう設計され、これにより、医療関係者は、供給された外科用締結具の合計数と、供給された各外科用締結具の正確な位置を追跡することができる。
【0036】
一実施形態において、クランプデバイスは、外科的開口部内の組織内に外科用締結具を供給しながら、同時に、供給された各外科用締結具の位置を反映する、外科的開口部の外側の外面上の外側マークを生成する。このクランプデバイスは、望ましいように、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有する下アームと、下アームの遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーとを含み、この外科用締結具ディスペンサーは、外科用締結具ディスペンサー開口部を含む。一実施形態において、このクランプデバイスは、望ましいように、下アームに連結されかつ下アームの遠位端に対向する遠位端を有する上アームと、上アームの遠位端に接続されかつ外科用締結具ディスペンサーに対向するマーキングアセンブリとを含む。
【0037】
本発明の一実施形態において、クランプデバイスは、補綴デバイス(例えば外科用メッシュインプラント)を軟媒体に固定するために、軟媒体に外科用締結具を供給するよう適合された外科用締結具ディスペンサーを含む。具体的には、この実施形態は、IPOM修復中に、層状のメッシュインプラントの固定に使用され得る。このクランプデバイスは好ましくは、標的軟媒体の対向する側に配置されるよう適合された、一対の対向するアームを含む。第1のアームは、軟媒体(例えば内側腹壁の腹膜)の内側表面に対向するために、外科的開口部内に配置され得、第2のアームは、軟媒体(例えば患者の外側皮膚表面)の外面に対向するために、外科的空洞の外に配置され得る。
【0038】
一実施形態において、このクランプデバイスは好ましくは、ピストルグリップハンドルを有する固定された下アームと、上アーム及び下アームの遠位端を閉じ、かつ標的媒体の相対する表面に対するクランプ力を生成するための、作動アセンブリに連結された摺動トリガとを含む。クランプ操作中に、このクランプデバイスは望ましいように、3つの機能を実施する。これは、軟媒体をクランプする機能と、補綴デバイスを軟媒体に固定するために軟媒体の表面に対して垂直の角度で軟媒体に1つずつ外科用締結具を供給する機能と、次の発射サイクル中に別の外科用締結具を供給するためにこのクランプデバイスを準備する機能である。一実施形態において、このクランプデバイスは、軟媒体の表面に対して直角又は垂直ではない角度で、軟媒体に対して外科用締結具を供給することができる。
【0039】
一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサーは好ましくは、所定の数の外科用締結具(例えば20個)を含む無菌のカートリッジ本体を含み、複数発射機能を備えたクランプデバイスを提供するために、カートリッジ本体に予め搭載される。一実施形態において、このカートリッジ本体は、例えば下アームの遠位端など、下アームに搭載される前に、別個の構成要素として滅菌され得る。
【0040】
本明細書に開示されるクランプデバイスは、望ましいように、一貫した、制御された、繰り返し可能な様相で、クランプデバイスの遠位端から外科用締結具を供給する。すべての外科用締結具が、同じ力かつ同じ角度で軟媒体に挿入されることが好ましい。一実施形態において、外科用締結具ディスペンサーの遠位端は好ましくは、メッシュパッチのシーム又は縁(例えば層状のメッシュポケットのシーム)に対して最初に配置されるスペーサー又は位置合わせエレメントを有し、これにより、外科用締結具ディスペンサーから供給された外科用締結具が、シームから固定距離離れた位置に確実に供給される。このスペーサーにより、外科医は、外科用締結具をシームから固定距離離して、高い信頼性で繰り返し供給することができる。
【0041】
一実施形態において、外科的開口部の中で外科用締結具ディスペンサーの最初の挿入及び配置を行っているときに、カートリッジ本体の遠位端にあるスペーサーが、好ましくは、外科用締結具、及び、外科用締結具を挿入するために使用される挿入フォークを覆い隠す。この外科用締結具及び挿入フォークは好ましくは、下アームと外科用締結具ディスペンサーが適切に挿入され配置されてからのみ露出される。一実施形態において、このカートリッジ本体は外科用締結具ディスペンサーの支持トレイに旋回可能に接続され、カートリッジ本体の遠位端は、挿入フォークに搭載された外科用締結具を露出させるために、クランプデバイスの圧縮中に下向きに偏向又は旋回する。
【0042】
一実施形態において、力制限システムは、ユーザーが、過剰な圧縮力をかけて周囲の組織に過度の応力をもたらすのを防ぐ。一実施形態において、このクランプデバイスは好ましくは、一方のクランプアームの2つの端を接続する、予め搭載された伸展ばねを含む。一実施形態において、この伸展ばねは望ましいように、ある角度で取り付けられ、これによって2つの構成要素の間にトルクを発生させる。このばねにより、トルク値に達するまで、クランプデバイスが閉じている。この時点で、圧縮力が伸展ばねの予備搭載レベルを超え、ばねが残りの圧縮力を吸収し始め、これによって、アームの遠位端がそれ以上動くのを防ぎ、同時に、アームの近位端は引き続き動くことが可能になる。
【0043】
一実施形態において、このクランプデバイスのジョーは、十分な大きさの開口部を提供し、患者組織の厚さの範囲と、様々なサイズ、形状、及び寸法を有するメッシュを補償するための、調節可能な機能を含み得る。更に、本明細書で開示されるクランプデバイスは、巻かれた平坦メッシュ、及び層状のスカート状メッシュと共に使用することができる。
【0044】
一実施形態において、クランプデバイスは好ましくは、一方のアームの遠位端に固定されたパッドを含む。このパッドは自己調節して、外科用締結具ディスペンサーに対する対向力を提供する。この自己調節パッドは更に、ユーザーのもう一方の手で対向圧力を提供する必要がないため、片手での使用を促進する。一実施形態において、このパッドは、一方のアームの遠位端に固定された旋回可能パッドである。一実施形態において、このパッドは、線形機構を用いて、一方のアームに固定される。
【0045】
一実施形態において、このクランプデバイスは摺動グリップハンドルを有し、これは好ましくは確実な制御を提供し、片手での使用を可能にする。この摺動グリップハンドルは更に好ましくは、ユーザーの手に対する障害をなくすることができ、デバイスの遠位端を空洞内に挿入する際の明瞭な見通し線を提供する。一実施形態において、このクランプデバイスは好ましくは、回転トルクを生成するために、ラックアンドピニオンシステムを介して、トリガに対する線形力を伝達することによって作動される。
【0046】
一実施形態において、このクランプデバイスは、人間工学的な片手使用のために、アームからずれた旋回型のハンドルを含み得る。このアームは好ましくは、主旋回点を中心に旋回し、これにより、トルクが、アームのクランプ端に送達される。
【0047】
一実施形態において、この旋回するパッドは好ましくは、外科用締結具が体内のどこに配置されたかを外科医が皮膚上で判定し見ることができるようにするマーカーを含む。このマーカーは、外科用締結具が供給されたときに、ディスペンサー開口部に位置が揃っているため、このマーカーは、腹壁内に挿入された外科用締結具の位置の正確なコピー又は像を生成する。加えて、このマーカーシステムは好ましくは、腹壁に供給された外科用締結具の合計数の指標も提供する。
【0048】
一実施形態において、外科用締結具を供給するためのクランプデバイスは、好ましくは、近位端、遠位端、及びその近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有する下アームと、その下アームに旋回可能に接続され、下アームの遠位端に対向する遠位端を有する、上アームとを含む。この上アームは好ましくは屈曲しており、下アームに対向する凹状表面を有する。このクランプデバイスは望ましいように、クランプデバイスを閉じるために、上アームと下アームの遠位端を互いに近づけるように動かすため、上アームと下アームに連結されたアクチュエーターを含む。
【0049】
一実施形態において、外科用締結具ディスペンサーは好ましくは、外科用締結具を供給するために、下アームの遠位端に固定される。この外科用締結具ディスペンサーは望ましいように、その中に形成された外科用締結具ディスペンサー開口部を備えた上面を有するカートリッジ本体を含む。複数の外科用締結具が、望ましいように、このカートリッジ本体に予め搭載され、ディスペンサー開口部から1回に1つずつ供給される。このクランプデバイスは好ましくは、上アームの遠位端に旋回可能に接続されたパッドを含み、このパッドはディスペンサー開口部に対向する底面を有する。一実施形態において、このクランプデバイスが閉じているとき、パッドは自己調節のために旋回し、これによって、パッドの底面は、ディスペンサー開口部から外科用締結具の1つを供給するために、カートリッジ本体の上面に対してクランプ力を印加する。
【0050】
一実施形態において、アクチュエーターは好ましくは、下アームに固定されたハンドグリップと、下アーム上に取り付けられかつ上アームにリンクされたトリガを含む。このトリガは、ハンドグリップ方向に引いてクランプデバイスを閉じるよう適合され、これによって、クランプ力を生成し、外科用締結具を供給する。このトリガは、ハンドグリップから離れる方向に動いて、クランプデバイスを開き、クランプ力を解放するよう適合される。一実施形態において、アクチュエーターは望ましいように、トリガに連結されたトリガ戻しばねを含み、これは通常はトリガが、ハンドグリップから離れる方向に動くよう強いる。
【0051】
このアクチュエーターは更に、トリガを上アームにリンクする、ラックアンドピニオンシステムを含み得る。一実施形態において、このラックアンドピニオンシステムは、望ましいように、歯を有するラックを含む。このラックは、下アームの長手方向軸に沿って摺動する。上アームの近位端は、ラックの歯に噛み合う歯を有するピニオンを含む。
【0052】
一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサーは好ましくは、下アームの遠位端に接続された近位端と、下アームの長手方向軸に対して垂直な軸に沿って延在する挿入フォークを含む遠位端とを有する支持トレイを含み、カートリッジ本体が、この支持トレイの上に配置される。一実施形態において、このカートリッジ本体は好ましくは、支持トレイの近位端に旋回可能に接続された近位端と、支持トレイの遠位端に対して自由に動くことができる遠位端とを有し、このカートリッジ本体の上面は、カートリッジ本体の近位端と遠位端との間に延在し、ディスペンサー開口部は挿入フォークと一直線上にある。この外科用締結具ディスペンサーは更に、好ましくは、通常は支持トレイからカートリッジ本体の遠位端を離すように強いるための、カートリッジ本体及び支持トレイに接触するカートリッジ本体戻しばねを含み、外科用締結具は、ディスペンサー開口部から1回に1つずつ供給されるよう連続的に配列され、かつ外科用締結具のそれぞれは、カートリッジ本体の上面に向いた挿入端を有する。一実施形態において、このカートリッジ本体戻しばねは好ましくは、カートリッジ本体の上面を、通常は下アームの長手方向軸に平行な平面内に強いるために、カートリッジ本体及び支持トレイに係合している。一実施形態において、このカートリッジ本体は、支持トレイに旋回的に接続されてはおらず、カートリッジ本体は、支持トレイに対して上下に動くよう適合される。
【0053】
一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサーは、カートリッジ本体の遠位端に向かって外科用締結具を動かすよう強いるため、外科用締結具に連通した外科用締結具前進装置ばねを含み得る。この外科用締結具前進装置ばねは好ましくは、先頭の外科用締結具に対し、カートリッジ本体のディスペンサー開口部を通って供給されるよう、支持トレイの遠位端にある挿入フォークに係合するよう動かすように適合される。この外科用締結具は好ましくは、互いに平行であり、かつ下アームの長手方向軸に対して垂直な平面に沿って延在する。一実施形態において、この挿入フォークは、望ましいように、下アームの長手方向軸に対して垂直な軸に沿って外科用締結具を保持及び供給するよう適合される。
【0054】
一実施形態において、このカートリッジ本体は好ましくは、カートリッジ本体の上面が下アームの長手方向軸と平行になる伸張位置と、カートリッジ本体の上面が下アームの長手方向軸に対して角度をなす圧縮位置との間で、旋回可能である。一実施形態において、このカートリッジ本体は、圧縮位置にあるときに、パッドにより圧縮されている。このカートリッジ本体戻しばねは好ましくは、カートリッジ本体が圧縮位置にあるときに、圧縮される。
【0055】
一実施形態において、一連の外科用締結具の中の先頭の外科用締結具と、挿入フォークは、カートリッジが伸展位置にあるときに、カートリッジ本体によって覆われている。このカートリッジ本体が圧縮位置にあるときは、先頭の外科用締結具と挿入フォークは、軟媒体に外科用締結具を挿入するために、ディスペンサー開口部を通って少なくとも部分的に露出している。
【0056】
一実施形態において、このカートリッジ本体は好ましくは、外科用締結具ディスペンサーの最も遠位の端から間隔をあけてディスペンサー開口部を配置するため、支持トレイの遠位端を超えて延在する、それ自体の遠位端から突出するスペーサーを有する。このスペーサーは、外科用メッシュの縁又はシームに対する外科用締結具ディスペンサーの位置揃えを促進し、これによって、外科用締結具が、縁又はシームから適切な距離離れて挿入されるのを確実にする。
【0057】
一実施形態において、上アームのパッドは望ましいように、その底面でアクセス可能なマーカーを含み、このマーカーは、クランプデバイスが閉じているときに、ディスペンサー開口部に位置が揃う。このマーカーは、望ましいように、患者の外側皮膚表面上の視覚的指標を生成するよう適合され、これは、患者の内側表面に挿入された外科用締結具の1つの位置を反映する。
【0058】
一実施形態において、このパッドは、望ましいように面取りワッシャを含み、これは、パッドとカートリッジ本体との間のクランプ力が所定レベルに達したときに可聴クリック音を生成するよう適合される。このクリック音は、外科用締結具の1つを軟媒体に供給するために、軟媒体に十分な圧縮力が印加されていることを示す指標を提供する。
【0059】
一実施形態において、外科用締結具を供給するためのクランプデバイスは、好ましくは、近位端、遠位端、及びその近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有する下アームと、その下アームに旋回可能に接続され、下アームの遠位端に対向する遠位端を有する、上アームとを含む。このクランプデバイスは望ましいように、上アーム及び下アームに連結されたアクチュエーターを有し、これによって、上アームと下アームの遠位端を互いに近づけるよう動かしてクランプデバイスを閉じ、それらの間のクランプ力を生成する。
【0060】
外科用締結具ディスペンサーは、下アームの遠位端に固定され得る。この外科用締結具ディスペンサーは望ましいように、その中に搭載された複数の外科用締結具を有する。この外科用締結具ディスペンサーは好ましくは、外科用締結具を1回に1つずつ供給するよう適合されたディスペンサー開口部を含む。
【0061】
このクランプデバイスは望ましいように、上アームの遠位端に旋回可能に接続されたパッドを含み、このパッドはディスペンサー開口部に対向する底面を有し、クランプデバイスが閉じたときに、パッドの底面が、外科用締結具ディスペンサーの上面に対して対向するクランプ力を印加し、これによって、下アームの長手方向軸に対して垂直な軸に沿って、外科用締結具の1つが供給される。
【0062】
一実施形態において、この外科用締結具ディスペンサーは望ましいように、下アームの遠位端に接続された近位端と、下アームの長手方向軸に対して垂直な軸に沿って延在する挿入フォークを含む遠位端とを有する支持トレイを含む。このディスペンサーは好ましくは、支持トレイの上に配置されるカートリッジ本体を含み、このカートリッジ本体は、支持トレイの近位端に旋回可能に接続された近位端と、支持トレイの遠位端に対して自由に動くことができる遠位端と、カートリッジ本体の近位端と遠位端との間に延在する上面と、上面内に形成されて挿入フォークと揃った位置にある外科用締結具ディスペンサー開口部とを有する。この外科用締結具ディスペンサーは更に望ましいように、カートリッジ本体及び支持トレイに接触したカートリッジ本体戻しばねを含み、これにより、通常はカートリッジ本体の遠位端が支持トレイから離れるように強いる。
【0063】
一実施形態において、複数の外科用締結具をカートリッジ本体内に配置することができ、外科用締結具は、ディスペンサー開口部から1回に1つずつ供給されるよう、連続的に配列される。外科用締結具のそれぞれは好ましくは、カートリッジ本体の上面に向いた挿入端を有する。一実施形態において、クランプデバイスが閉じているとき、パッドの底面が、カートリッジ本体の上面に対してクランプ力を印加する。このカートリッジ本体は、カートリッジ本体の上面が下アームの長手方向軸と平行になる伸張位置と、カートリッジ本体の上面が下アームの長手方向軸に対して角度をなす圧縮位置との間で、旋回可能である。
【0064】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記に詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本発明の一実施形態による、下アームと、下アームの遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーと、クランプ力を生成するための外科用締結具ディスペンサーに対向する上アームとを含む、外科用締結具を供給するためのクランプデバイスの右側面図を示す。
【
図2】
図1に示すクランプデバイスの左側断面図を示す。
【
図3A】
図1及び2に示す外科用締結具ディスペンサーの左側面図を示す。
【
図3B】
図3Aに示す外科用締結具ディスペンサーの断面図を示す。
【
図4A】本発明の一実施形態による、
図3A及び3Bの外科用締結具ディスペンサーに搭載される外科用締結具の斜視図を示す。
【
図5】
図4A〜4Cに示す外科用締結具に位置を揃えた、
図3A〜3Bの外科用締結具ディスペンサーの挿入フォークを示す。
【
図6A】外科用締結具を軟媒体に供給するための、
図3A及び3Bの外科用締結具ディスペンサーを使用する方法を示す。
【
図6B】外科用締結具を軟媒体に供給するための、
図3A及び3Bの外科用締結具ディスペンサーを使用する方法を示す。
【
図6C】外科用締結具を軟媒体に供給するための、
図3A及び3Bの外科用締結具ディスペンサーを使用する方法を示す。
【
図7】
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続するために適合されたパッドの断面図を示す。
【
図8】本発明の一実施形態による、外科用メッシュを軟媒体に固定するために、外科用締結具を供給するための、クランプ位置における
図1のクランプデバイスを示す。
【
図9】本発明の一実施形態による、スカート状メッシュを軟媒体に固定するための、クランプ位置における
図1のクランプデバイスを示す。
【
図10】本発明の一実施形態による、平らな外科用メッシュを軟媒体に固定するための、外科手術中の、発射準備完了の開位置にある、
図1のクランプデバイスを示す。
【
図11A】本発明の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図11B】本発明の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図11C】本発明の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図12A】本発明の別の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図12B】本発明の別の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図12C】本発明の別の一実施形態による、マーカーを有するパッドを示し、このパッドは、
図1に示すクランプデバイスの上アームの遠位端に旋回可能に接続できる。
【
図13】本発明の一実施形態による、下アームと上アームを含む、外科用締結具を供給するためのクランプデバイスを示す。
【
図14A】本発明の一実施形態による、下アームの遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーと、上アームに係合する下ハンドル内に取り付けられた力制限機構とを備えた、
図13のクランプデバイスを示す。
【
図14B】本発明の一実施形態による、外科用締結具を軟媒体に供給するための、閉位置にある
図14Aのクランプデバイスを示す。
【
図15】本発明の一実施形態による、下アームと、シザージャッキ機構により接合された上アームとを含み、かつインラインハンドルを有する、クランプデバイスの模式図を示す。
【
図16】本発明の一実施形態による、下アームと、シザージャッキ機構により接合された上アームとを含み、かつオフセットハンドルを有する、クランプデバイスの模式図を示す。
【
図17】本発明の一実施形態による、下アームと、平行リンク機構により接合された上アームとを含む、クランプデバイスの模式図を示す。
【
図18】本発明の一実施形態による、下アームと、ラックアンドピニオンギア機構により接合された上アームとを含む、クランプデバイスの模式図を示す。
【
図19A】本発明の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図19B】本発明の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図19C】本発明の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図20A】本発明の別の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図20B】本発明の別の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図20C】本発明の別の一実施形態による、連結されたマーキングアセンブリを有する外科用締結具を供給するためのデバイスを示す。
【
図21A】本発明の一実施形態によるマーキングアセンブリを示す。
【
図21B】本発明の一実施形態によるマーキングアセンブリを示す。
【
図21C】本発明の一実施形態によるマーキングアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1を参照し、一実施形態において、軟媒体に外科用締結具を供給するためのクランプデバイス20は、好ましくは、近位端24及び遠位端26を有する下アーム22と、下アーム22の遠位端26に固定された外科用締結具ディスペンサー28とを含む。外科用締結具ディスペンサーは、本明細書で詳しく述べられるように、各発射サイクル中に単一の外科用締結具を供給するよう適合された遠位端30を有する。下アーム22は、長手方向軸A
1−A
1に沿って望ましく延在する。クランプデバイス20は好ましくは、クランプデバイスを操作するために、下アーム22の近位端24に提供されるハンドル32と、下アームに対して好ましくは長手方向軸A1−A1に沿って摺動するよう適合されたトリガ34とを含む。ハンドル32は好ましくは、下アーム22の遠位端26に向かって前傾角を有し、これによりクランプデバイス20の操作中に、ユーザーの手及び手首がより好ましい人間工学的位置になり得る。
【0067】
一実施形態において、クランプデバイス20は好ましくは、近位端38及び遠位端40を有する上アーム36を含む。上アーム36の近位端38は、好ましくはラックアンドピニオンシステムを介して、下アーム22に旋回可能に固定される。一実施形態において、上アーム36は円弧又は曲線を画定する。クランプデバイス20は望ましいように、上アーム36の遠位端40に旋回可能に接続されるパッド42を含む。パッド42は好ましくは、上アーム36の遠位端40が閉じたクランプ位置に動くためにカートリッジアセンブリ28に向かって旋回するとき、パッドが、外科用締結具ディスペンサー28の上面に対向するため自己調節し得るように、旋回する。
【0068】
図2を参照して、一実施形態において、下アーム22は好ましくは、ハンドル32と、これに接続された摺動可能なトリガ34とを含む。摺動可能なトリガ34は望ましいように、締結具54を介してラックアンドピニオンシステムのラック52に固定された下端50を含む。ラック52は好ましくは、ピニオン60の上のピニオン歯58に係合するラック歯56を含み、このピニオンは好ましくは、上アーム36の近位端38に固定される。クランプデバイス20は望ましいように、ラック52の近位端と、下アーム22の近位端24の開口部に挿入可能なばね引張装置64との間に延在する、トリガ戻しばね62を含む。
【0069】
操作時、トリガ34が下アーム22の近位端24に向かって引っ張られると、トリガ34及びラック52が軸A
1−A
1に沿って動き、下アーム22の近位端24に向かう。ラック52はピニオン60を反時計方向に回転させ、これが上アーム36の遠位端40及びパッド42を、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端30に向かって回る。上アーム36の遠位端40がカートリッジアセンブリ28に向かって移動すると、パッド42は好ましくは、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端30に対向する位置に移動する。トリガ34がハンドル32に向かって動く際、トリガ戻しばね62は好ましくはラック52とばね引張装置64との間で圧縮される。トリガ34が解放されると、トリガ戻しばね62に蓄積されていたエネルギーがトリガ34を動かし、下アーム22の遠位端26に向かって軸A
1−A
1に沿って摺動させる。
【0070】
図3A及び3Bを参照し、一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28は好ましくは、クランプデバイス20の下アーム22の遠位端26に固定可能な取り付けアーム66を含む(
図2)。外科用締結具ディスペンサー28は好ましくは、取り付けアーム66から遠位側に突出する支持トレイ68を有する。支持トレイ68は好ましくは、取り付けアーム66に隣接する近位端70、この近位端70から離れた遠位端72、及び支持トレイ68の遠位端72から上向きに突出した挿入フォーク74を有する。一実施形態において、この取り付けアーム66及び支持トレイ68は好ましくは、下アーム22の長手方向軸A
1−A
1に沿って延在し(
図2)、かつ、フォーク74は好ましくは、軸A
1−A
1に対して垂直である垂直軸Y
1−Y
1に沿って延在する。本明細書において詳しく説明されるように、挿入フォーク74は、組織などの軟媒体内に外科用締結具を動かすため、外科用締結に係合するよう適合されている。
【0071】
一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28は望ましいように、中に搭載される複数の外科用締結具78を有するカートリッジ本体76を含む。カートリッジ本体76は好ましくは、旋回ピン81を介して支持トレイ68の近位端70に旋回可能に固定される近位端80と、支持トレイ68の遠位端72に向かい及びこれから離れて自由に旋回する遠位端82とを有する。カートリッジ本体76は好ましくは、フォーク74及び外科用締結具78が中を通って通過し得る遠位端82に隣接するディスペンサー開口部84を有する。一実施形態において、カートリッジ本体76の遠位端82が支持トレイ68の遠位端72に向かって下向きに動くと、挿入フォーク74と、挿入フォークに搭載された先頭の外科用締結具とが、カートリッジ本体76内のディスペンサー開口部84を通過する。カートリッジ本体78の遠位端82は望ましいように、支持トレイ68の遠位端72を超えて距離D
1だけ突出するスペーサー86を含む。本明細書において詳しく説明されるように、スペーサー86は好ましくは、カートリッジ本体78のディスペンサー開口部84が、補綴デバイスの周縁又はシーム(例えば外科用メッシュの周縁又はシーム)の内側に配置され、これにより、外科用締結具は補綴デバイスの縁又はシームの上に固定されないようにする。
【0072】
開放IPOM術において、固定に用いられる外科用締結具又はタックの配置は非常に重要である。外科用締結具は、メッシュの縁から正しい距離に配置されなければならない。間隔が過剰な場合(>5mm)、腹壁と補綴メッシュとの間に組織が挟まるリスクが増大する。これは、内殖過程に影響を与えることがあり、重大な合併症をもたらす可能性がある。開放IPOM術においては、外科医が医療機器の明瞭な視野と制御を有する腹腔鏡術に比べ、視覚的制御がはるかに困難であるため、外科用締結具の正しい配置を制御するのが難しい。本発明は、従来装置に見られるこの欠陥を克服するクランプデバイスを提供する。
【0073】
一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28は好ましくは、通常はカートリッジ本体76を
図3A及び3Bに示される初期伸展位置に強いて動かすため、支持トレイ68とカートリッジ本体76との間に延在するカートリッジ本体戻しばね88を含む。下向きの力(概ね軸Y
1−Y
1に沿う)がカートリッジ本体76の上面83に印加されると、カートリッジ戻しばね88は、カートリッジ本体76と支持トレイ68との間で圧縮される。この力が除去されると、カートリッジ戻しばね88は、カートリッジ本体76を、
図3A及び3Bに示される初期伸展位置に旋回して戻すよう強いる(カートリッジ本体の上面83は、軸A
1−A
1に平行である)。
【0074】
一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28は好ましくは、挿入フォーク74に噛み合わせるための、カートリッジ本体76の遠位端82に向かって外科用締結具78を動かすよう適合された外科用締結具前進装置90を含む。外科用締結具ディスペンサー30はまた、望ましいように、前進装置90とばね停止部94との間に延在する外科用締結具前進装置ばね92を含む。
【0075】
一実施形態において、外科用締結具78は、外科用締結具ディスペンサー28のカートリッジ本体76に連続して搭載される。外科用締結具再搭載ばね92は望ましいように、カートリッジ本体28の遠位端82に向かって一連の外科用締結具78を強いて動かす。挿入フォーク74が先頭の外科用締結具を軟媒体に供給した後、次の外科用締結具が、挿入フォーク74に揃うようにカートリッジ本体76の遠位端82に向かって遠位方向に押し進められ、これによって次のクランプ及び供給サイクルを開始することができる。この供給プロセスは、カートリッジ本体76内のすべての外科用締結具78が外科用締結具ディスペンサー28から供給されるまで、繰り返すことができる。単一の締結具は、デバイスが軟媒体にクランプされるたびに供給される。
【0076】
図4A〜4Dを参照し、一実施形態において、クランプデバイスは好ましくは、組織などの軟媒体に挿入するために適合された外科用締結具78を供給する。外科用締結具78は好ましくは、外科用メッシュを組織に固定するために設計される。この外科用締結具、及び外科用締結具を挿入するためのクランプデバイスは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願第12/464,143号(2009年5月12日出願)、同第12/464,151号(2009年5月12日出願)、同第12/464,165号(2009年5月12日出願)、及び同第12/464,177号(2009年5月12日出願)に開示される1つ以上の特徴を組み込んでよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
一実施形態において、外科用締結具78は望ましいように、遠位端100及び近位端102、第1脚部の遠位端に提供される第1先端106を有する第1脚部104、及び、第2脚部の遠位端に提供される第2先端110を有する第2脚部108を含む。一実施形態において、脚部の近位端から遠位端にかけて、第1脚部104及び第2脚部108の断面寸法が減少する。外科用締結具78は好ましくは、第1脚部104及び第2脚部108の近位端を接続する外科用締結具の近位端102に隣接するブリッジ112を含む。一実施形態において、このブリッジは、これが第1脚部と第2脚部を相互接続する限りにおいて、外科用締結具の近位端と遠位端との間の任意の位置に配置され得る。外科用締結具78は好ましくは、第1先端部106から後方に突出する少なくとも1つの第1返し部114、及び第2先端部110から後方に突出する少なくとも1つの第2返し部116を含む。各脚部に1つの返し部のみが示されているが、他の外科用締結具は各脚部又は先端部に多数の返し部を有し得る。一実施形態において、第1先端106及び第2先端110は、円錐形状であり得る。この先端部は鋭い先端で形成されてもよく、又はより鈍くてもよい。
【0078】
一実施形態において、第1先端部106及び第2先端部110は、第1脚部104及び第2脚部108それぞれの長手方向軸に対して傾斜している遠位貫入先端部を有する。一実施形態において、遠位貫入先端部は、第1脚部及び第2脚部の長手方向軸に対して外側に傾斜している。補綴デバイスの繊維を脚部の間に捕捉する可能性を増加させるため、好ましくは先端部の間の距離は、脚部の間の距離よりも大きい。一実施形態において、第1先端106及び第2先端110は、鈍い遠位貫入先端を有し、これにより、外科用締結具が組織に貫入することができ、同時に手術者の手への望ましくない貫入を最小限に抑える。
【0079】
図4Bを参照し、一実施形態において、ブリッジ112は好ましくは、外科用締結具78の遠位端100の方を向く凹状内側面118と、外科用締結具の近位端102の方を向く凸状外面120とを含む。第1脚部104は、第1脚部の長手方向軸A
2−A
2に沿って延在する第1隆起122を有する外壁を有し、第2脚部108は、第2脚部108の長手方向軸A
3−A
3に沿って延在する第2隆起124を有する外壁を含む。一実施形態において、第1先端106の遠位貫入点と第2先端110の遠位貫入点との間の距離D
2は、好ましくは、対向する第1脚部104の内側表面と第2脚部108の内側表面との間の距離D
3よりも大きい。第1先端106の遠位貫入点と第2先端110の遠位貫入点との間のより広い相対距離は好ましくは、外科用締結具78が、ヘルニア修復術の実施に使用される外科用メッシュのストランドなどの、多孔質補綴デバイスのストランドと係合することを確実にする。一実施形態において、外側に傾斜した遠位貫入先端部は外科用メッシュ繊維を捕捉するためのより高い能力を提供し、ここでメッシュ繊維は、各脚部の間の間隔を増加させることを必要とせずに互いに分離している。
【0080】
図4Cを参照し、一実施形態において、第1脚部104は第1脚部の長手方向A
2に沿って延びる第1隆起122を有する。
図4Cに示されるように、側方から観察すると、第1隆起122は好ましくは第1貫入先端部106の遠位先端と実質的に揃っている。
図4Dを参照し、一実施形態において、第2脚部108は、第2脚部108の長手方向軸A
3に沿って延びる第2隆起124を有する。
図4Dに示されるように、側方から観察すると、第2隆起124は好ましくは第2貫入先端部110の遠位先端と実質的に揃っている。
【0081】
図5を参照し、一実施形態において、外科用締結具78は好ましくは、支持トレイ68の遠位端72に位置する挿入フォーク76と一直線上に前進される(
図3A及び3B)。一実施形態において、挿入フォーク76は好ましくは、軟媒体への外科用締結具の挿入をガイドするために、外科用締結具78の1つ以上の表面に係合するよう適合された上端130を含む。一実施形態において、挿入フォーク76の上端130は、内部に形成される第1内側溝134を有する第1歯132、及び、内部に形成される第2内側溝138を有する第2歯136を含む。一実施形態において、内側溝134、138は好ましくは互いに対向しており、クランプデバイス20の下アーム22の長手方向軸A
1−A
1(
図1及び2)に対して垂直の軸Y
1−Y
1に沿って延在する。動作中、第1歯132及び第2歯136の対向する内側溝134、138は、好ましくは、外科用締結具78の第1脚部104及び第2脚部108のそれぞれの隆起に係合するよう適合される。内側溝134、138と隆起との係合は好ましくは、外科用締結具86をフォーク76の遠位端130に揃え、組織への埋め込み中に外科用締結具を安定化させる。外科用締結具78は、外科用締結具前進装置ばね92によって、内側溝134、138に接触させられる。外科用締結具78は、溝134、138に接触するまで、軸A
1−A
1に沿って搭載される。挿入フォークと軸A
1−A
1の間の90°の角度により、軟媒体の表面に対して直角の角度で、外科用締結具が軟媒体に確実に挿入される。一実施形態において、第1歯132及び第2歯136の最遠位先端部は、これらが第1脚部104及び第2脚部108の遠位端近くに提供される凸状座部表面に対して当接するまで前進させられる。
【0082】
本発明は、動作のいかなる特定の理論にも制限されるものではないが、外科用締結具78の脚部の外面上のリブと係合する溝付きの歯を有する挿入フォーク76を提供することは、クランプデバイスの外科用締結具ディスペンサー28(
図3A及び3B)から外科用締結具を供給する際に、外科用締結具の安定性及び制御を向上させるものと考えられる。加えて、挿入力の少なくとも一部が、外科用締結具78の脚部104、108の遠位端近くに提供され、従来の締結具の場合に見られるような外科用締結具の近位端に対してのみ提供されるものではない。締結具の遠位端近くで外科用締結具に挿入力を提供することによって、特に、外科用締結具がより小さな力で挿入され得るため、使用する外科用締結具をより小さく及び/又はより小型にすることが可能になり得る。
【0083】
図6A〜6Cを参照し、一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28は、組織などの軟媒体内に外科用締結具78を送達するよう適合される。
図6Aを参照し、カートリッジ戻しばね88は、カートリッジ本体76を、通常は偏向していない初期位置に動かすよう強いており、カートリッジ本体76の上面83は、下アーム22(
図1)の長手方向軸A
1−A
1に平行である。偏向していない初期位置において、外科用締結具78のいずれも、カートリッジ本体76の外に露出していない。更に、カートリッジ本体76の遠位端82にあるスペーサー86が、挿入フォーク74に取り付けられた先頭の外科用締結具78Aを覆う。カートリッジ本体76が初期位置にあるとき、スペーサー86は先頭表面を有し、これは好ましくは挿入フォーク74から距離D
1を空けて配置され、これにより、外科用締結具78が供給されたときに、補綴デバイス(例えばヘルニア修復に使用される外科用メッシュ)の周縁又はシームから内側に間隔を空けて配置される。
【0084】
図6Bを参照して、一実施形態において、クランプデバイスが閉じているとき、下向きの力F
1がカートリッジ本体76の上面83にかかり、これによりカートリッジ本体76の遠位端82が旋回ピン81を中心に旋回し、カートリッジ本体を偏向位置に動かす。この偏向位置において、カートリッジ本体76の上面83は、長手方向軸A
1−A
1に対してある角度を画定する。カートリッジ本体76の遠位端82が支持トレイ68の遠位端72に向かって旋回すると、先頭の外科用締結具78Aと、挿入フォーク74の上部分とが、カートリッジ本体76内のディスペンサー開口部84を通過し、軟媒体内に入る。フォーク74は好ましくは、露出した外科用締結具78Aを安定化させ、外科用締結具が軟媒体内に送達される際にその角度及び向きを制御する。カートリッジ本体76が旋回する際、カートリッジ戻しばね88が圧縮され、その中にエネルギーを貯蔵する。一実施形態において、発射サイクルの最後に、下向きの力F
1が除去され、カートリッジ戻しばね88がカートリッジ本体を偏向していない初期位置(
図6A)に戻し、カートリッジ本体76の上面83は、軸A
1−A
1に平行になる。
【0085】
図6Cを参照して、先頭の外科用締結具がフォーク74から供給された後、クランプデバイス20(
図1)が開いて、カートリッジ本体76に対する下向きの力F
1を除去する。下向きの力が除去されると、カートリッジ戻しばね88がその中に貯蔵されていたエネルギーを解放し、カートリッジ本体76を、
図6Aに示す偏向していない初期位置に戻す。カートリッジ本体76が、
図6Aに示す偏向していない位置に戻ると、再搭載ばね92が、前進装置90を、カートリッジ本体76の遠位端82に向かって強いて動かし、第2の外科用締結具78Bを前進させて、挿入フォーク74に係合させる。第2の外科用締結具78Bが挿入フォーク74に搭載されると、カートリッジ本体76が、
図6Aに示す偏向していない初期位置に戻る。この段階で、クランプデバイスは、第2の外科用締結具78Bを組織内に挿入するため、次のクランプ及び発射サイクルの準備ができている。
【0086】
図1及び
図7を参照し、一実施形態において、パッド42は、旋回ピン(図示なし)を受容するよう適合された開口部152を有する固定フランジ150を介して、クランプデバイス20の上アーム36の遠位端40に旋回可能に接続される。パッド42は望ましいように、外科用締結具ディスペンサー28に対向するよう適合された底面154と、その底面の反対側を向く上面156とを含む。パッド42は好ましくは、外科用締結具を適切に供給するために、クランプデバイス20により十分な力が印加されたときに、触覚的フィードバック(例えばクリック音)を提供する、面取りワッシャ160を受容するよう適合された内部空洞158を含む。一実施形態において、面取りワッシャ160は望ましいように、圧縮されたときにクリック音を生成し、これにより、外科用締結具を組織内に適切に送達するためクランプデバイスにより十分な圧縮力が印加されたことを外科医に伝える可聴信号を提供する。パッド42は、その上面156内に形成された開口部162を含み得、これにより、ワッシャ160が通過することによりクリック音を生成することが可能になり得る。
【0087】
図8を参照し、一実施形態において、クランプデバイス20は、補綴デバイス(例えば外科用メッシュインプラント160)を腹部組織162に固定するために利用され得る。一実施形態において、患者の体内領域にアクセスするため、外科的開口部164が、軟媒体162内に形成される。外科用メッシュ161は、腹部組織162の内側表面に対して配置される。次に、クランプデバイス20を使用して、下アーム22の遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサー28から、外科用締結具78を供給することができる。外科用締結具78は、軟媒体162に外科用メッシュ160を固定するのに使用される。
【0088】
一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー28を擁する下アーム22は、外科的開口部164を通って患者体内に挿入される。クランプデバイスの上アーム36は、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端30に対向するパッド42と共に、患者の体外に残る。トリガ34は、下アーム22の近位端24に向けてラック52を摺動させるため、ハンドグリップ32に向かって引っ張られることができる。ラック52が近位側に動くと、ラック歯56がピニオン歯58に噛み合って、ピニオン60を反時計方向に回転させ、これによって、上アーム36の遠位端40が、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端30に向かって回転する。トリガ34が引かれると、パッド42の底面154が旋回かつ自己調節して、軟媒体162の外面に係合する。パッド42と上アーム36の遠位端40との旋回接続によって、パッド42の底面154は、挿入フォーク74及び外科用締結具78の垂直方向に対して実質的に垂直を保持する。トリガ34は、カートリッジ本体76に対して十分な力を印加し、支持トレイ68に向かってカートリッジ本体を偏向させるまで引かれ、これによって、先頭の外科用締結具78が、挿入フォーク74によって駆動されて外科用メッシュ161を通過し、軟媒体162内へと入り得る。パッド42内の面取りワッシャ160は好ましくは、下アーム22と上アーム36の遠位端を介して十分な圧縮が印加されると、可聴クリック音を提供する。
【0089】
外科用締結具ディスペンサー内の先頭の外科用締結具78が供給された後、トリガ34は解放され得る。トリガ戻しばね62内に貯蔵されていたエネルギーが、ラック52を下アーム22の遠位端に向かって摺動させ、これによって上アーム36の遠位端40が旋回し、カートリッジアセンブリ28の遠位端30から離れる。カートリッジ本体76は次に、自由に旋回して支持トレイ68から離れ、これにより次の外科用締結具78が前進して、挿入フォーク74に係合することができる。上述のサイクルを繰り返して、クランプデバイス20の外科用締結具ディスペンサー28から、追加の外科用締結具を供給することができる。
【0090】
図9を参照して、一実施形態において、クランプデバイス20は、スカート状外科用メッシュ161’を軟媒体162’に固定するのに使用され得る。
図9において、下アーム22と外科用締結具ディスペンサー28は、外科的開口部164’を通過する。外科用締結具ディスペンサー28の遠位端のスペーサー86は、スペーサー86がメッシュ161’の外周シームに接するまで、スカート状外科用メッシュ161’の層を通って前進する。スペーサー86は、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端82の開口部84が、外科用メッシュ161’の外周166’の内側に確実に配置されるようにする。クランプデバイス20のトリガが引っ張られることにより、上アーム36の遠位端40が、外科用締結具ディスペンサー28の遠位端82に向かって旋回し得る。上アーム36及び下アーム22は、外科用締結具を供給するために外科用締結具ディスペンサーのカートリッジ本体を押すため、それぞれのアームの遠位端に十分なクランプ力が印加されるまで、互いに向かって閉じる。クランプデバイスにより十分な圧縮が印加されていることを示すため、旋回パッド42内に配置された面取りワッシャにより、可聴クリック音が生成され得る。
【0091】
上述の供給サイクルは、外科用締結具が、外科用メッシュ161’の外周166’全体に供給されるまで、繰り返される。一実施形態において、外科用メッシュ161’と軟媒体162’との間に隙間が生じないようにするため、外科用締結具の配置間隔は2センチメートルを超えない。
【0092】
図10を参照し、一実施形態において、クランプデバイス20は、折り返し縁168”を有する外科用メッシュ161”に使用される。カートリッジアセンブリは好ましくは、スペーサー86がメッシュ161’の外周縁166”に接するまで、外科用メッシュ161”と折り返し縁168”との間を前進する。クランプデバイス20が閉じると、上アーム36の遠位端40が、下アーム22の遠位端に取り付けられた外科用締結具ディスペンサー28に向かって旋回し得る。外科用締結具が外科用締結具ディスペンサー28から供給されるまで、圧縮力が、下アーム22及び上アーム36のそれぞれの遠位端を介して印加される。外科医は、旋回可能に接続されたパッド42内に配置された面取りワッシャによって可聴クリック音が生成されるとき、外科用締結具を供給するための十分な圧縮力が印加されたことを、識別することができる。上述のプロセスは好ましくは、メッシュの外周に沿って複数の締結具を供給するため、外科用メッシュ161”の外周166”に沿って繰り返される。
【0093】
図11A〜11Cを参照し、一実施形態において、パッド142は、
図1及び2に示すように、クランプデバイス20の上アーム36の遠位端40に旋回可能に接続されるよう、適合される。パッド142は望ましいように、一対のフランジ150A、150Bを含み、これらはその中を貫通する揃った開口部152A、152Bを有し、これらは、上アーム36の遠位端40(
図1)にパッド142を旋回可能に接続するための旋回ピンを受容するよう適合されている。
【0094】
図11Bを参照し、パッド142は好ましくは、軟媒体の外面(例えば患者の外側皮膚表面)に対して接するよう適合された底面154を含む。
図11Cを参照し、一実施形態において、パッド142は好ましくは、フランジ150A、150Bに固定された内側部分180を含む。内側部分180は、その下端に提供されるマーカー182を含む。マーカー182は、患者の皮膚表面にインクマーキングを形成するよう適合されたインクマーカーであり得る。パッド142は好ましくは、上部分180の周りに延在する下部分184を含む。下部分184は、パッド142の底面154を含む。底面154は好ましくは、その中に形成された開口部185を含み、マーカー182がここを通過することができる。下部材184の底面154に圧縮力が印加されると、下部材184の底面154は好ましくは、上部材180の上面156に向かって摺動し、これによってマーカー182が底面154の開口部185を通って突出し、表面にマーキングを形成する。パッド142は好ましくは、停止部186を含み、上面156に向かって底面154がそれ以上摺動するのを止める。
【0095】
本明細書に開示されるクランプデバイスを使用して外科用締結具が適用されるとき、パッド142の底面154は望ましいように、外科用締結具を供給するカートリッジ本体の遠位端に対向する。マーカー182は好ましくは、カートリッジ本体76の遠位端82に提供される開口部84に揃えられる。患者の皮膚表面にマーカー182により提供された印は、外科用締結具が軟媒体に挿入された場所の正確な鏡像を提供する。よって外科医には、外科用締結具がいくつ供給されたか、及び外科用締結具それぞれの正確な位置を追跡するための、正確な方法が提供される。
【0096】
図12A〜12Cは、外科用締結具が患者の組織内に挿入された場所を示すための、患者の皮膚表面にマーキングを行うのに利用され得るマーカー282を有する別のパッド242を示す。
図12A及び12Bを参照し、パッド242は好ましくは、一対のフランジ250A、250Bを含み、これらはそれぞれ、揃った開口部252A、252Bを有し、これらは、
図1及び2に示されるクランプデバイスの上アームの遠位端にパッド242を固定するための旋回ピンを受容するよう適合されている。パッド242は好ましくは、マーカー282を受容するよう適合されたチューブ255を含む。
【0097】
図12Cは、パッド242のチューブ255内に挿入されたマーカー282を示す。パッド242は、底面254、上面256、及び、底面254と上面256との間に延在する開口部285を有する。マーカー282の下端は好ましくは、パッド242が患者の皮膚表面に対して圧縮されたときに、患者の皮膚表面にマーキングを形成するための開口部285内に延在する。上述のように、マーカー282は、外科用締結具が患者の組織内に挿入された場所を識別し、かつ、患者の組織内に挿入された外科用締結具の合計数を示すための、効率的かつ極めて正確な方法を提供する。
【0098】
図13を参照し、一実施形態において、外科用締結具を供給するためのクランプデバイス320は好ましくは、長手方向軸A
4−A
4に沿って延在する下アーム322と、下アーム322の遠位端に固定される外科用締結具ディスペンサー328とを含む。外科用締結具ディスペンサー328は、外科用締結具を軟媒体内に動かすよう適合されたフォーク374を含む遠位端372を有する支持トレイ368を含む。挿入フォーク374は好ましくは、支持トレイ368の下アーム322の長手方向軸A
4−A
4に実質的に垂直な軸Y
1−Y
1に沿って延在する。下アーム322は好ましくは、ハンドグリップ332に連結される。
【0099】
クランプデバイス320は好ましくは、下アーム322に旋回可能に接続された上アーム336を含む。上アーム336は、下アーム322に旋回可能に連結された近位端338と、そこから離れた遠位端340とを含む。パッド342は、上アーム336の遠位端340に旋回可能に接続される。上アーム336は望ましいように、トリガ334に接続される。
【0100】
操作中、トリガ334をハンドル332に向けて引っ張られることで、上アーム336の遠位端340を、支持トレイ368の遠位端372方向に動かすことができる。トリガ334は好ましくは、アームの十分な圧縮が達成されるまで、アームを通るケーブルシステムを介して送達される負荷の下で取り付けられている内部伸展ばね362を含む。この点において、トリガ334をハンドル332に向けて更に引いても、上アーム及び下アームの遠位端を介して付与される追加の圧縮力は生じない。代わりに、内部伸展ばね362が伸展し続ける。
【0101】
図14Aを参照して、一実施形態において、外科用締結具ディスペンサー328は好ましくは、支持トレイ368に旋回可能に連結されたカートリッジ本体376を含む。カートリッジ本体376は好ましくは、その遠位端にスペーサー386を有し、これは支持トレイ368の遠位端372を超えて突出している。カートリッジ本体376は好ましくは、その中に搭載された複数の外科用締結具(図示なし)を有する。発射サイクル中、トリガ334がハンドグリップ332に向かって引かれると、外科用締結具の1つがカートリッジ本体376の遠位端382にあるディスペンサー開口部から供給されるまで、圧縮力がパッド342と外科用締結具ディスペンサー328との間に印加される。
【0102】
図14Bは、カートリッジ本体376の遠位端382にあるディスペンサー開口部384に対向する、旋回可能に接続されたパッド342を備えた、閉位置にあるクランプデバイス320を示す。軟媒体がパッド342とカートリッジ本体376との間で圧縮されると、支持トレイ368の遠位端の挿入フォークが、ディスペンサー開口部384を通して先頭の外科用締結具を、軟媒体に挿入するために押し出すまで、カートリッジ本体376の遠位端382が支持トレイ368に向かって下方向に旋回する。
【0103】
本発明の他の実施形態は、本出願の
図1及び2に示される直線状機構とは異なる連結を含み得る。このような別の実施形態において、ハンドル要素は互いに対して旋回し、同時に、上アーム及び下アームは、線形又は平行に、互いに対して近づき又は互いから離れるよう動く。
図15〜18は、上アーム及び下アームと旋回ハンドルとをつなぐ連結のみを示した概略図である。図示はされていないが、
図15〜18に示す実施形態は、
図1〜10で示され上述された1つ以上の特徴を含み得ることが想到される。
【0104】
図15を参照して、一実施形態において、軟媒体に外科用締結具を供給するためのクランプデバイス420は、好ましくは、シザージャッキ連結455によって接合されている下アーム422及び上アーム436を含む。クランプデバイス420は、下アーム422及び上アーム436とそれぞれ直線上にある第1ハンドル432及び第2ハンドル434を有する。第1ハンドル432及び第2ハンドル434が互いに対して旋回し、クランプデバイス420を閉じると、シザージャッキ連結が、下アーム422及び上アーム436を線形又は平行な様相で互いに向かって動かし、先頭の外科用締結具を供給する(例えば
図6Bを参照)。
【0105】
図16を参照して、一実施形態において、軟媒体に外科用締結具を供給するためのクランプデバイス520は、好ましくは、シザージャッキ連結555によって接合されている下アーム522及び上アーム536を含む。クランプデバイス520は、下アーム522及び上アーム536からずれている第1ハンドル532及び第2ハンドル534を有する。第1ハンドル532及び第2ハンドル534が互いに対して旋回し、クランプデバイス520を閉じると、シザージャッキ連結が、下アーム522及び上アーム536を線形(すなわち平行)の様相で互いに向かって動かし、先頭の外科用締結具を供給する(例えば
図6Bを参照)。
【0106】
図17を参照して、一実施形態において、軟媒体に外科用締結具を供給するためのクランプデバイス620は、好ましくは平行リンク配置655によって接合されている下アーム622及び上アーム636を含む。クランプデバイス620は第1ハンドル632及び第2ハンドル634を有し、これらは互いに対して旋回するよう適合されている。第1ハンドル632及び第2ハンドル634が互いに対して旋回し、クランプデバイス620を閉じると、平行リンク配置655tが、下アーム622及び上アーム636を平行な様相で互いに向かって動かし、先頭の外科用締結具を供給する(例えば
図6Bを参照)。
【0107】
図18を参照して、一実施形態において、軟媒体に外科用締結具を供給するためのクランプデバイス720は、好ましくはラックアンドピニオンギア機構755によって接合されている下アーム722及び上アーム736を含む。クランプデバイス720は第1ハンドル732及び第2ハンドル734を有し、これらは互いに対して旋回するよう適合されている。第1ハンドル732及び第2ハンドル734が互いに対して旋回し、クランプデバイス720を閉じると、ラックアンドピニオンギア機構755が、下アーム722及び上アーム736を平行な様相で互いに向かって動かし、先頭の外科用締結具を供給する(例えば
図6Bを参照)。
【0108】
本明細書に図示及び記載される連結は、クランプデバイスの上アームと下アームとの間に線形運動を提供するのに使用され得る機構タイプを限定するものではない。他の実施形態は、アコーディオン様システムに似た複数の連結を備えたシザージャッキ機構を有し得る。一実施形態において、ウォームギア機構を採用することができる。これらの実施形態において、ハンドル構成要素は望ましいように、互いに近づき、かつ前記外科用締結具ディスペンサー開口部から離れるよう旋回し、このとき上アーム及び下アームは線形/平行な様相で動く。
【0109】
一実施形態において、摺動ガイドを使用して、上アーム及びこれに接続された上ハンドルを、下アーム及びこれに接続された下ハンドルに向けて、動かすことができ、このとき、上アームと下アームの間の線形/平行な動きを維持することができる。この実施形態において、上アーム/上ハンドル構成要素は、下アーム/下ハンドルに対して線形/平行の様相で動く。
【0110】
一実施形態において、
図11A〜11C及び12A〜12Cにおいて上述されたマーキングアセンブリは、外科用締結具を供給するため、ハンドル及び細長いチューブを有するアプリケーター器具で連結され、アーム遠位端に固定され得る。
図19A〜19Cを参照し、一実施形態において、組織内に外科用締結具を供給するデバイス820は、好ましくは、近位端824と、遠位端826と、組織内に外科用締結具を供給するよう適合された、遠位端の外科用締結具ディスペンサー開口部828とを有する管状部材822を含む。供給デバイス820は好ましくは、管状部材822の近位端824に固定されたハンドル830と、管状部材822の遠位端で外科用締結具ディスペンサー開口部828から外科用締結具を供給するために係合され得るアクチュエーター(図示なし)とを含む。一実施形態において、外科用締結具は、アクチュエーターが係合するたびに供給される。供給デバイス820は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許公開第12/464,143号、同第12/464,151号、同第12/464,165号、及び同第12/464,177号に開示されているアプリケーター器具の1つ以上の特徴を組み込んでよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0111】
一実施形態において、供給デバイス820は好ましくは、近位端838及び遠位端840を有する上アーム836を含む。上アーム836の遠位端840は好ましくは、管状部材822の遠位端826にある外科用締結具ディスペンサー開口部828に近づき及びこれから離れるよう回るように適合される。一実施形態において、上アーム836の近位端838は、ハンドル830に旋回可能に固定される。一実施形態において、上アーム836は円弧又は曲線を画定する。供給デバイス820は望ましいように、上アーム836の遠位端838に接続されるマーキングアセンブリ842を含む。マーキングアセンブリ842は、管状部材822の遠位端に隣接する外科用締結具ディスペンサー開口部828から離れ、かつ外科用締結具ディスペンサー開口部828に近づくよう動くことができる。
【0112】
操作中、インプラントを組織に固定するため、外科用締結具が外科用締結具ディスペンサー開口部828を介し、組織内に入って供給するために、供給デバイス820の遠位端826が、外科的開口部に挿入される。一実施形態において、ハウジング830のトリガが引かれるたびに、上アーム836の遠位端838のマーキングアセンブリ842が、管状部材822の遠位端に向かって移動し、外科用締結具ディスペンサー開口部828に整列して、外面の位置にマーキングを行う。これは、外科用締結具が外科的開口部内のどこに配置されているかを反映する。
【0113】
図20A〜20Cを参照し、一実施形態において、組織内に外科用締結具を供給するデバイス920は、好ましくは、近位端924と、組織内に外科用締結具を供給するよう適合された、遠位端の外科用締結具ディスペンサー開口部928を有する遠位端926とを有する、管状部材922を含む。供給デバイス920は好ましくは、管状部材922の近位端924に固定されたハンドル930と、管状部材922の遠位端で外科用締結具ディスペンサー開口部928から外科用締結具を供給するために係合され得るアクチュエーター(図示なし)(例えばトリガ)とを含む。一実施形態において、外科用締結具は、ハンドル930のアクチュエーターが係合するたびに供給される。
【0114】
一実施形態において、供給デバイス920は好ましくは、近位端938及び遠位端940を有する上アーム936を含む。上アーム936は柔軟であってよく、これにより上アームの遠位端940は、管状部材922の遠位端にある外科用締結具ディスペンサー開口部928から離れ又はこれに近づき得る。一実施形態において、上アーム936の近位端938は、旋回接続を介してハンドル930に固定される。一実施形態において、上アーム936は円弧又は曲線を画定する。供給デバイス920は望ましいように、上アーム936の遠位端938に接続されるマーキングアセンブリ942を含む。一実施形態において、マーキングアセンブリ942は、上アーム936の遠位端940に旋回可能に固定される。マーキングアセンブリは、
図19A〜19Cに示す供給及びマーキングデバイスに関して上述されたように、外面にマーキングするために、管状部材922の遠位端に隣接する外科用締結具ディスペンサー開口部928から離れ、かつ外科用締結具ディスペンサー開口部928に近づくように動くことができる。
【0115】
図21A〜21Cを参照し、一実施形態において、マーキングアセンブリ942は、ベース部944と、揃った開口部を有する一対の固定フランジ950A、950Bとを含み、これらは、
図20A〜20Cに示す供給デバイス920の上アーム936の遠位端にベース部944を固定するための旋回ピンを受容するよう適合される。マーキングデバイス942は好ましくは、マーカー982を受容するよう適合された、ベース部944から上向きに延在するチューブ955を含む。
【0116】
一実施形態において、ベース部944は、底面954、上面956、及び、底面954と上面956との間に延在する開口部985を有する。マーカー982の下端は好ましくは、ベース部944が患者の皮膚表面に対して押し付けられたときに、患者の皮膚表面上にマーキングを生成するため、開口部985の下端にアクセス可能である。上述のように、マーカー982は、外科用締結具が患者の組織内に挿入された場所を識別し、かつ、患者の組織内に挿入された外科用締結具の合計数を示すための、効率的かつ極めて正確な方法を提供する。
【0117】
上述のものは本発明の実施形態に関するが、後続の請求項の範囲によってのみ限定される本発明の基礎的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の及び更なる実施形態を考案することができる。例えば、本発明は、本明細書に記載した任意の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴に、本明細書に記載した任意の別の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴を組み込むことができ、それらは尚、本明細書の範囲内に含まれることが予想される。
【0118】
〔実施の態様〕
(1) 身体の内側に外科用締結具を供給し、かつ前記身体の外側に、前記外科用締結具が前記身体の内側に供給された場所を示すマークを生成するためのデバイスであって、前記デバイスが、
外科用締結具を供給するよう適合された、遠位端における外科用締結具ディスペンサー開口部を有する第1の部材と、
前記第1の部材に連結され、かつ、前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端を有する、第2の部材と、
前記第2の部材の前記遠位端に固定されたマーキングアセンブリと、
を含み、前記マーキングアセンブリは、前記外科用締結具ディスペンサー開口部から離れ、かつ前記外科用締結具ディスペンサー開口部に近づくように動くことができ、かつ前記マーキングアセンブリは、前記第1の部材の前記遠位端にある前記外科用締結具開口部から供給される各外科用締結具の位置を反映するマークを、外面に生成するよう適合されている、デバイス。
(2) 前記外科用締結具ディスペンサー開口部が、前記身体に形成された外科的開口部の外側かつ前記外面の上に配置された前記マーキングアセンブリを用いて、前記外科的開口部内の組織内に前記外科用締結具を供給するために、前記外科的開口部内に挿入されるように適合されている、実施態様1に記載のデバイス。
(3) 前記第1の部材が、前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む遠位端を有する下アームを含み、かつ前記第2の部材が、旋回可能接続を介して前記下アームに連結されている近位端を有する上アームを含む、実施態様1に記載のデバイス。
(4) 前記下アームの前記遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーを更に含み、前記外科用締結具ディスペンサーが、前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む、実施態様3に記載のデバイス。
(5) 前記マーキングアセンブリが前記外科用締結具ディスペンサーから離れている開位置と、前記マーキングアセンブリと前記外科用締結具ディスペンサーとの間に組織をクランプするために前記マーキングアセンブリが前記外科用締結具ディスペンサーにより近い閉位置との間で、前記アームを選択的に動かすために、前記上アーム及び下アームに連結されたアクチュエーターを更に含む、実施態様4に記載のデバイス。
【0119】
(6) 前記マーキングアセンブリが前記外科的開口部の外側に残ったまま、前記外科用締結具ディスペンサーが前記外科的開口部内に挿入されるよう適合されている、実施態様4に記載のデバイス。
(7) 前記マーキングアセンブリが、前記外科的開口部の内側の前記組織内に供給された前記外科用締結具を反映するよう、前記外面に前記マークを生成するために、前記外科的開口部の外側の前記外面に接触するよう適合されたマーカーを含む、実施態様4に記載のデバイス。
(8) 前記マーカーが、前記外科的開口部内の前記組織内に供給された前記外科用締結具の数及び位置を示す、前記外面上の前記マークの可視パターンを生成するよう適合されている、実施態様7に記載のデバイス。
(9) 前記マーキングアセンブリが、前記上アームの前記遠位端に旋回可能に固定されている、実施態様4に記載のデバイス。
(10) 前記マーカーが、ペン、フェルトマーカー、鉛筆、クレヨン、針、及び棘からなるマーカー群から選択される、実施態様7に記載のデバイス。
【0120】
(11) 前記マーキングアセンブリが、
前記上アームの前記遠位端に接続されたパッドであって、クランプ力を印加するよう適合された底面を有する、パッドと、
前記パッドの前記底面に形成された開口部と、
を含み、前記マーカーは、前記パッドに連結しており、かつ、前記外面にマーキングを形成するために、前記パッドの前記底面に形成される前記開口部を通ってアクセス可能なマーキング表面を有する、実施態様9に記載のデバイス。
(12) 前記デバイスが閉じているとき、前記パッドの前記底面が前記外面に対して前記クランプ力を印加し、これによって前記組織を介して前記外科用締結具ディスペンサー上にクランプ力を印加して、前記外科用締結具ディスペンサー開口部から前記外科的開口部内の前記組織内に前記外科用締結具の1つを供給する、実施態様11に記載のデバイス。
(13) 前記第1の部材が、その遠位端に前記外科用締結具ディスペンサー開口部を有する細長いチューブであり、かつ前記第2の部材が、前記第1の部材に連結された近位端と、前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端とを有する、実施態様1に記載のデバイス。
(14) 前記デバイスが更に、前記細長いチューブの近位端に接続されたハンドルを含み、前記第2の部材が前記ハンドルに固定される、実施態様13に記載のデバイス。
(15) 前記第2の部材が、前記細長いチューブの前記遠位端にある前記外科用締結具ディスペンサー開口部に近づき、かつ前記外科用締結具ディスペンサー開口部から離れるように前記第2の部材の前記遠位端を動かすために柔軟である、実施態様14に記載のデバイス。
【0121】
(16) 外科的開口部の中にある組織内に外科用締結具を供給しながら、同時に、前記外科的開口部の外側の外面にマークを生成するデバイスであって、前記デバイスが、
近位端及び外科用締結具を供給するよう適合された外科用締結具ディスペンサー開口部を含む遠位端を有する、下アームと、
前記下アームに連結され、かつ、前記下アームの前記遠位端にある前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する遠位端を有する、上アームと、
前記上アームの前記遠位端に固定され、かつ、前記下アームの前記遠位端にある前記外科用締結具ディスペンサー開口部に対向する、マーキングアセンブリと、
を含み、前記上アーム及び前記下アームの前記遠位端は、開位置と閉位置との間で移動可能であり、前記上アーム及び前記下アームが前記閉位置にあるとき、前記マーキングデバイスは、前記外科用締結具の1つが前記外科的開口部内に供給されるたびに、前記外科的開口部の外の前記外面にマークを生成するよう適合され、かつ前記マークのそれぞれが、前記外科的開口部の中に供給された前記外科用締結具それぞれの位置を反映する、デバイス。
(17) 前記下アームの前記遠位端に固定された外科用締結具ディスペンサーを更に含み、前記外科用締結具ディスペンサーが前記外科用締結具ディスペンサー開口部を含む、実施態様16に記載のデバイス。
(18) 前記外科的開口部内の前記組織内に供給されている前記外科用締結具それぞれの数と位置を示す前記外面上のマークの可視パターンを提供するために、前記外科用締結具の1つが前記外科的開口部内の前記組織内に供給されるたびに、前記マーカーが、前記外面に接触するように適合されている、実施態様17に記載のデバイス。
(19) 前記マーキングアセンブリが前記外科用締結具ディスペンサーから離れている開位置と、前記マーキングアセンブリと前記外科用締結具ディスペンサーとの間に前記組織をクランプする閉位置との間で、前記上アーム及び下アームを選択的に動かすために、前記上アーム及び下アームに連結されたアクチュエーターを更に含み、前記アクチュエーターが、
前記下アームに固定されたハンドグリップと、
前記下アームに取り付けられ、かつ前記上アームに連結されたトリガであって、前記トリガが、前記ハンドグリップに向けて引っ張られることで前記アームを前記閉位置に動かし、かつ、前記ハンドグリップから離れるよう動くことで前記アームを前記開位置に動かすよう適合されている、トリガと、
前記トリガに連結されて、通常は前記トリガを前記ハンドグリップから離すよう強いる、トリガ戻しばねと、
を含む、実施態様18に記載のデバイス。
(20) 前記外科用締結具ディスペンサーが、
前記下アームの前記遠位端に接続された近位端と前記下アームの長手方向軸に対する所定の軸に沿って延在する挿入フォークを含む遠位端とを有する、支持トレイと、
前記支持トレイの上に配置されたカートリッジ本体であって、前記カートリッジ本体が、前記支持トレイの前記近位端に旋回可能に接続された近位端と、前記支持トレイの前記遠位端に対して自由に動くことができる遠位端とを有し、前記カートリッジ本体の上面が、前記カートリッジ本体の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記ディスペンサー開口部が前記挿入フォークと一直線上にある、カートリッジ本体と、
通常は前記カートリッジ本体の前記遠位端を前記支持トレイから離れるよう強いるために、前記カートリッジ本体と前記支持トレイに接触している、カートリッジ本体戻しばねと、
前記ディスペンサー開口部から1回に1つずつ供給されるよう、連続して配列された複数の外科用締結具であって、前記外科用締結具のそれぞれが、前記カートリッジ本体の前記上面に向く挿入端を有する、複数の外科用締結具と、
を含む、実施態様17に記載のデバイス。