(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記円形フランジが、前記細長いスリーブと前記数個の片持ち脚との間において径方向位置に、内部に形成された数個の視認窓を有する、請求項1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の概念は様々な修正及び代替の形態の影響を受けやすいが、本開示の特定の例示の実施形態が例示として図面に示され、本明細書において詳細に記載される。ただし、本開示の概念を、開示される特定の形態に限定することは意図するところではなく、その逆に、本発明の趣旨並びに範囲に包含されるすべての改変物、均等物、及び代替物を網羅することが意図するところである点は理解されるべきである。
【0020】
前側、後側、内側、外側、上位、下位等、解剖学的構造の参照を表す用語は、本開示全体を通して、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び患者の天然の解剖学的構造の両方を参照するのに使用されてもよい。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲における、かかる解剖学的参照用語の使用は、特段の指定がない限り、それらの十分に理解される意味と一致することが意図される。
【0021】
ここで
図1〜5を参照すると、ステムレス上腕骨コンポーネント10が示されている。下記により詳細に記載するように、ステムレス上腕骨コンポーネント10は、従来の上腕骨髄内ステムコンポーネントの代用品として使用される。そのようにして、ステムレス上腕骨コンポーネント10は、上腕骨頭部コンポーネント12のための装着構造として機能する(
図35及び36参照)が、従来の上腕骨ステムコンポーネントの場合のように患者の上腕骨の髄内管から骨組織を除去することなく、それを行う。
【0022】
ステムレス上腕骨コンポーネント10は支持フランジ14を含み、支持フランジ14は、その底面18から離れて遠位方向に延びる数個の脚16を有する。本明細書に記載した例示的な実施形態では、支持フランジ14は円形の形状を有する。支持フランジ14の上面20は、環形状の傾斜表面22を含む。環状輪24は、支持フランジの傾斜表面22の周辺部の周囲を延びる。環状輪24は、内部に形成された数個の縫合孔26を有する。縫合孔26は、骨ウェハ又は軟組織をステムレス上腕骨コンポーネント10に縫合するのに使用することができる。例えば、患者の回旋腱板の自然の付着は、その周囲の骨ウェハを回収し、次いでそのような骨ウェハを、縫合孔26を使用することにより、ステムレス上腕骨コンポーネント10に縫合して保存することができる。
【0023】
支持フランジの環状輪24はまた、内部に形成された数個の補正スロット28も有する。
図1及び4から明かなように、補正スロット28の1つは、脚16のそれぞれの上方で、該脚16のそれぞれから径方向外側にて、環状輪24上に配置されている。このようにして、骨刀又は他の切断器具は、補正スロットを通過させて、脚16への骨の成長(bony ongrowth)を切断又は別様に破壊することにより、補正手技中、ステムレス上腕骨コンポーネント10の除去を容易にし得る。
【0024】
支持フランジ14はまた、内部に形成された数個の視認窓30を有する。視認窓30は、外科医が外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)を視認して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の外科的埋め込み中、該コンポーネントが完全に納められたことを確実にすることを可能にする。視認窓30は、外科医が骨刀又は他の切断器具スロットを内部に通過させて、脚16への骨の成長を切断又は別様に破壊することにより、補正手技中、ステムレス上腕骨コンポーネント10の除去を容易にし得る追加の補正スロットとしても機能し得ることを認識するべきである。
【0025】
図2及び5から明かなように、細長いスリーブ36は、脚16と同一の略方向にて支持フランジ14の底面18から離れて遠位方向に延びる。スリーブ36はテーパー状の遠位端38を含み、遠位端38は導入部として機能して、患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)内にドリル又は別様に形成された孔内への挿入を容易にする。細長いスリーブ36は、内部に形成されたテーパー状の穴40を有する。テーパー状の柱42は、上腕骨頭部コンポーネント12の後側面(即ち、上腕骨頭部コンポーネントの略半球形の外側支持面の反対側の面)から外側に延び、ステムレス上腕骨コンポーネントの細長いスリーブ36のテーパー状の穴40内に受容される(
図36参照)。下記により詳細に述べるように、上腕骨頭部コンポーネント12のテーパー状の柱42を追い立てて、細長いスリーブ36のテーパー状の穴40を画定する側壁と接触させることにより、上腕骨頭部コンポーネント12をステムレス上腕骨コンポーネント10にテーパーロックする。
図5から明かなように、テーパー状の穴40の上端部44は、支持フランジ14の上面20へと通じ、テーパー状の穴40の下部遠位端46は、ねじ付き穴48へと通じている。ねじ付き穴48は、テーパー状の穴40の遠位端46から離れて遠位方向に延び、細長いスリーブ36の遠位端38へと通じている。
図5から明かなように、数個のねじ50は、ねじ付き穴48を画定する側壁内に形成されている。ねじ50は、インプラント後退工具(図示せず)、又は、下記により詳細に述べるように、インプラント挿入工具のねじに一致し、したがってねじにより(threadingly)受容するサイズを有する。
【0026】
図2、4及び5から明かなように、脚16のそれぞれは片持ちされ、その結果、支持フランジ14の底面18に固定された一方の末端部を含み、脚16の他方の末端部は自由である(即ち、支持フランジ14、任意の他の脚16、又はステムレス上腕骨コンポーネント10の任意の他の構造に固定されていない)。また
図2、4及び5から明かなように、脚16のそれぞれは、底面図(即ち、脚16の長手方向軸線に直交する図)で見た際、略T形状であり、その結果、T形状の側方断面(即ち、脚の長手方向軸線に直交する面内でとった断面)を有する。そのような配置では、脚16のそれぞれは骨係合プレート52を有し、骨係合プレート52は、細長いスリーブ36(したがって支持フランジ14の中心)から外方向に向いた、その側部に形成された数個の鋸歯54を有する。
図5から最も明かなように、鋸歯54のそれぞれは、支持フランジ14に向かう方向(即ち、脚16の遠位端56から離れる方向)にて上方に傾斜されている。骨組織内に埋め込まれた際、そのような上方に傾斜した鋸歯54は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の引き抜きに抵抗する方法で骨組織に係合する。細長いリブ58は、係合プレート52の長さに沿って延び、したがってT形状脚16の「幹」を形成し、骨係合プレート52はその「交差バー」を形成する。詳細には、リブ58は、脚の係合プレート52の後側(即ち、鋸歯54の反対側の面)に固定され、支持フランジ14の中心に向かう方向にて内方向に延びる。リブ58の長手方向軸線は、係合プレート52の長手方向軸線と平行である。
図2及び5から明かなように、脚16のそれぞれは傾斜遠位端62を含み、傾斜遠位端62は、患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)内に穿孔又は別様に形成された孔内に脚16を挿入することを容易にする導入部として機能する。
【0027】
図2及び4から最も明かなように、ステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の底面18は、内部に形成された数個のアンダーカット70を有する。本明細書に記載した例示的な実施形態では、アンダーカット70は、細長いスリーブ36の周囲にて径方向に互いに約90°で配置されている。
図2及び4から明かなように、アンダーカット70の位置は、視認窓30のそれぞれの径方向位置と一致する。詳細には、アンダーカット70は、視認窓30のそれぞれの径方向内側面(即ち、ステムレス上腕骨コンポーネント10の中心に最も近い視認窓30を画定している表面)を画定する同一の側壁72内に形成されている。アンダーカット70のそれぞれは、その対応する視認窓30内に径方向内側に延びるリップ74の形態をとる。そのような配置では、下記により詳細に記載するように、アンダーカット70のリップ74は、インプラント挿入工具のロック歯止めにより係合されるように配置されている。
【0028】
ステムレス上腕骨コンポーネント10は、インプラント等級の生体適合性の金属で構築され得るが、他の材料もまた使用され得る。こうした金属の例としては、コバルトクロム合金等のコバルト合金を含むコバルト、Ti6Al4V合金等のチタン合金を含むチタン、及びステンレス鋼等が挙げられる。そのような金属性ステムレス上腕骨コンポーネント10はまた、生体適合性を高めるためにヒドロキシアパタイト等の表面処理で被覆されてもよい。更に、支持フランジ14の底面18、細長いスリーブ36の外側面、及び脚16等の、天然骨と係合する、ステムレス上腕骨コンポーネント10の表面は、テクスチャー加工されて、骨に対するコンポーネントの固定を促進してもよい。かかる表面はまた、恒久的な定着のために骨の内成長を促進するように、多孔質コーティングされてもよい。
【0029】
ステムレス上腕骨コンポーネント10及び頭部コンポーネント12は、患者ごとに異なる解剖学的構造に適合するために必要な柔軟性を提供するように、様々な異なる構成で提供されてもよい。例えば、ステムレス上腕骨コンポーネント10及び頭部コンポーネント12は、様々な直径で提供されて、所定の患者の必要性に一致されてもよい。頭部の厚さは、頭部の直径と共に変化することを認識するべきである。
【0030】
ここで
図6〜24を参照すると、患者の上腕骨及び続くステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みの外科的準備に使用され得る1組の外科用器具が示されている。そのような器具の最初のものは、
図6及び7に示す打ち込みハンドル80である。より詳細に下記に記載するように、打ち込みハンドル80は、外科用穿孔装置又はステムレス上腕骨コンポーネント10に固定されて、患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部の外科的に切除により形成された表面)内へのステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みを容易にしてもよい。打ち込みハンドル80は細長い本体82を含み、本体82は、一方の末端部に衝撃頭部84を有し、他方の末端部に取り付け機構86を有する。スリーブ88は、例えば、被覆成型(overmolding)等によって、打ち込みハンドルの本体82の外側面の周囲に配置され、かつ該外側面に移動不可能に連結されている。スリーブ88は、ステムレス上腕骨コンポーネント10を埋め込む外科手技中、外科医が打ち込みハンドル80を保持することを可能にする把持部として機能する。
【0031】
打ち込みハンドル80の衝撃頭部84は円形金属プレート90を含み、円形金属プレート90は、円形金属プレート90から延びる引き出しフランジ92を有する。使用時、外科医は把持部88を介して打ち込みハンドル80を保持し、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて金属プレート90を殴打し、外科用穿孔装置240(
図14参照)又はステムレス上腕骨コンポーネント10を患者の外科的に準備された上腕骨表面内に推進する。
【0032】
打ち込みハンドル80の取り付け機構86は、打ち込みハンドルの本体82に旋回可能に連結されたレバー94を含む。レバー94は、ラッチアーム96と、ラッチアーム96の一方の末端部から所定の角度で延びる作動アーム98とを含む。ロック歯止め102は、ラッチアーム96の反対側の末端部に配置され、該末端部から下方に延びる。ロック歯止め102は、本明細書に記載した外科用器具(例えば外科用穿孔装置又はインプラント挿入工具)の1つ内に形成されたリップ又は類似した構造と係合して、そのような器具を打ち込みハンドル80に選択的に固定するように構成されている。接続ピン104は、打ち込みハンドルの本体82の遠位端に形成されている。接続ピン104は、環状面106から外方向に延び、本明細書に記載した数個の外科用器具(例えば外科用穿孔装置又はインプラント挿入工具)内に画定された、対応する開口部の形状と実質的に一致する断面を有する。
図6に示すように、接続ピン104は、実質的にD形状の断面を有し、その結果、平坦面108を含む。
【0033】
レバー94のラッチアーム96は、環状面106を超えて延び、それによってロック歯止め102は、接続ピン104上に配置され、接続ピン104の平坦面108に向かって延びる。この配置は、ロック歯止め102が本明細書に記載した数個の外科用器具(例えば外科用穿孔装置又はインプラント挿入工具)内に形成されたリップ又は類似した構造と係合して、そのような器具を打ち込みハンドル80に選択的に固定することを可能にする。
【0034】
図7に示すように、ばね110等の付勢要素がレバー94に連結されている。ばね110は、レバーのロック歯止め102を接続ピン104の平坦面108に向かって付勢する。そうすることにより、ばね110の付勢がロック歯止め102、ひいては打ち込みハンドル80を、本明細書に記載した数個の外科用器具(例えば、外科用穿孔装置又はインプラント挿入工具)にロックする。外科医又は他のユーザーがレバーの作動アーム98を押し下げた際、ばね110により付与される付勢が克服されることによってレバー94を旋回させる。レバー94が旋回されたとき、ロック歯止め102が接続ピン104の平坦面108から離れる方向に移動する。そのようにして、打ち込みハンドル80は、打ち込みハンドル80が連結された外科用器具から解放され得る。
【0035】
打ち込みハンドルの金属性コンポーネント80(例えば、打ち込みハンドルの本体82)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属で構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。把持部88を、シリコーン等のポリマーで構築してもよい。
【0036】
ここで
図8、9を参照すると、アライメントハンドル120が示されている。より詳細に下記に記載するように、アライメントハンドル120は、ステムレス上腕骨コンポーネント10を患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)内に埋め込む手技中、サイジング器具又は切断ガイドに固定されてもよい。アライメントハンドル120は細長い本体122を含み、本体122は、その遠位端に取り付け機構126を有する。スリーブ128は、例えば、被覆成型等によって、打ち込みハンドルの本体122の外側面の周囲に配置され、かつ該外側面に移動不可能に連結されている。スリーブ128は、ステムレス上腕骨コンポーネント10を埋め込む外科手技中、外科医がアライメントハンドル120を保持することを可能にする把持部として機能する。
【0037】
アライメントハンドル120の取り付け機構126は、打ち込みハンドル80の取り付け機構86と類似し、したがって、打ち込みハンドルの本体122に旋回可能に連結されたレバー134を含む。レバー134は、ラッチアーム136と、ラッチアーム136の一方の末端部から所定の角度で延びる作動アーム138とを含む。ロック歯止め142は、ラッチアーム136の反対側の末端部に配置され、該末端部から下方に延びる。ロック歯止め142は、サイジング器具160内に形成されたリップ又は類似した構造(
図10参照)と係合して、サイジング器具160をアライメントハンドル120に固定するように構成されている。キーイングピン144は、アライメントハンドルの本体122の遠位端に形成されている。キーイングピン144は、環状面146から外方向に延び、サイジング器具160内に画定された、対応するキー孔形状の開口部184に実質的に一致する断面を有する(
図10参照)。
図8に示すように、キーイングピン144は、キー形状の断面を有し、その結果、丸い部分を含み、丸い部分は、そこに固定された矩形部分を有する。
【0038】
レバー134のラッチアーム136は、環状面146を超えて延び、それによってロック歯止め142は、キーイングピン144上に配置され、キーイングピン144の上面に向かって延びる。この配置は、ロック歯止め142がサイジング器具160内に形成されたリップ又は類似した構造(
図10参照)と係合して、サイジング器具160をアライメントハンドル120に固定することを可能にする。
【0039】
図7に示すように、ばね150等の付勢要素がレバー134に結合されている。ばね150は、レバーのロック歯止め142をキーイングピン144の上面に向かって付勢する。そうすることにより、ばね150の付勢がロック歯止め142、ひいてはアライメントハンドル120をサイジング器具160にロックする。外科医又は他のユーザーがレバーの作動アーム138を押し下げた際、ばね150により付与される付勢が克服されることによってレバー134を旋回させる。レバー134が旋回されたとき、ロック歯止め142がキーイングピン144の上面から離れる方向に移動する。そのようなにして、アライメントハンドル120はサイジング器具160から解放され得る。
【0040】
アライメントハンドル120の金属性コンポーネント(例えば、アライメントハンドルの本体122)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属で構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。把持部128を、シリコーン等のポリマーで構築してもよい。
【0041】
ここで
図10及び11を参照すると、サイジング器具160が示されている。より詳細に下記に記載するように、サイジング器具160は、ステムレス上腕骨コンポーネント10を埋め込む手技中、患者の外科的に準備された上腕骨表面に固定されて、サイジング試用と穿孔及びドリルガイドとの両方として機能してもよい。
【0042】
サイジング器具160は略ドーム形状の本体162を含み、本体162は、平坦な上面164及び実質的に平面状の下面166を有する。細長い穴168は、サイジング器具160の中心を通して、その上面164から下面166に延びる。より詳細に下記に記載するように、細長い穴168は、患者の外科的に準備された上腕骨表面内に孔をドリルするためのドリルガイドとして機能して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36を受容する(
図2、5参照)。
【0043】
サイジング器具160は、略三角形の数個の穿孔ガイド孔170も含む。
図10から明かなように、穿孔ガイド孔170のそれぞれは、サイジング器具の丸いフランジ172の4つの4分円の1つ内に位置する。したがって、穿孔ガイド孔170のそれぞれは、互いに約90°で配置されている。
図2、4から明かなように、穿孔ガイド孔170の位置は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16の位置と一致する。したがって、孔170は、患者の外科的に準備された上腕骨表面内に孔をあけるための穿孔ガイドとして機能して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する(
図29参照)。それを目的として、穿孔ガイド孔170の位置は、外科用穿孔装置240の歯252のそれぞれの位置とも一致する(
図14参照)。したがって、歯252のそれぞれは、穿孔ガイド孔170の1つと整列し、そこを通して前進し得る。そのような方法で、サイジングコンポーネント160は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する患者の上腕骨表面を外科的に準備する間、外科医の外科用穿孔装置240の使用を案内する(
図29参照)。
【0044】
図11から明かなように、サイジング器具160は、その下面166から下方に延びる数個のスパイク174を有する。スパイク174のそれぞれは、尖った遠位先端176を有する。スパイク174は、患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)の骨組織内に押し込まれ又は別様に推進されて、サイジング器具160の使用中、器具160を定位置に固定する。数個のピン孔178も、サイジング器具の本体162内にてその外側周辺部の付近に形成されている。外科医がスパイク174の取り付け機能性を補うことを所望する場合、外科用ピン(図示せず)をピン孔178を通して挿入して、サイジング器具160を患者の外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)の骨組織に固定してもよい。
【0045】
ステムレス上腕骨コンポーネント10のように、サイジング器具のフランジ172も、内部に形成された数個の視認窓180を有する。視認窓180は、外科医が外科的に準備された上腕骨表面(即ち、上腕骨頭部を外科的に切除することにより形成された表面)を視認して、外科手技におけるその使用中、サイジング器具160が完全に納められたことを確実にすることを可能にする。
【0046】
図10から明かなように、サイジング器具160はコネクタ182を有し、コネクタ182は、アライメントハンドル120の取り付け機構126により係合されて、サイジング器具160をアライメントハンドル120に固定することができる。コネクタ182は、内部に形成されたキー孔形状の開口部184を有する。キー孔開口部184は、アライメントハンドルの本体122の遠位端に形成されたキーイングピン144を受容するサイズ及び形状を有する。コネクタ182は、内部に形成されたチャネル186も有する。コネクタ182は、チャネル186の長さに沿って形成されたアンダーカット188を有する。アンダーカット188は、チャネル186の頂部に配置され、かつチャネル186内に外方向に延びるリップ190の形態をとる。リップ190は、アライメントハンドルの取り付け機構126のロック歯止め142(
図8、9参照)により係合されて、サイジング器具160をアライメントハンドル120に固定する。
【0047】
図10から明かなように、コネクタ182は、サイジング器具のドーム形状プロファイル内に閉じ込められている。より詳細に下記に記載するように、そのような配置は、試用上腕骨頭部が、コネクタ182からの障害を有することなく、サイジング器具上に取り付けられることを可能にする。
【0048】
本明細書に記載した他の器具及びインプラントと同様に、サイジング器具160は、数個の異なるサイズで提供されてもよい。例えば、本明細書に記載した例示的な実施形態では、サイジング器具160は、異なる直径で具現化されて、ステムレス上腕骨コンポーネント10の様々な可能な直径を模倣し得る。
【0049】
サイジング器具160は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。ポリマーはまた、射出成形されてもよい。
【0050】
ここで
図12及び13を参照すると、試用頭部コンポーネント210が示されている。試用頭部コンポーネント210は、ステムレス上腕骨コンポーネント10及び上腕骨頭部コンポーネント12を埋め込む外科手技中、適合性評価に使用される。本質的に、試用頭部コンポーネント210は、究極的な上腕骨頭部コンポーネント12(即ち、患者の上腕骨内に究極的に埋め込まれる上腕骨頭部コンポーネント12)の適切なサイズ選択を確実にするように使用される。より詳細に下記に記載するように、試用頭部コンポーネントはまた、患者の外科的に準備された上腕骨表面内に、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する孔をドリル(又は予備ドリル)するのに使用されるドリルビットの案内のためのドリルガイドとして機能する(
図31、32参照)。
【0051】
本明細書に記載した例示的な実施形態では、試用頭部コンポーネント210は、ポリマー試用器具として具現化される。したがって、試用頭部コンポーネント210は、任意の好適な医療等級の高分子材料から作製されてもよい。そのような高分子材料の例としては、ポリエチルエチルケトン(PEEK)又はアセタール等のポリエチレンが挙げられる。別の実施形態では、試用頭部コンポーネントは、金属から形成されてもよい。
【0052】
上腕骨頭部コンポーネント12の試用器具として、試用頭部コンポーネント210は、略半球形の本体212を含む。
図12から明かなように、試用頭部コンポーネントの本体212は、滑らかな丸い外側面214を含み、外側面214は、本体の略半球形の大きい円を画定する環状縁216から発している。
図12から明かなように、試用頭部コンポーネントの本体212は、中空である。中心突起218は、本体の凹状の下面表面220の中心から下方に延びる。中心突起218は、その外側面224内に形成された数個の環状バンド222を有する。より詳細に記載するように、試用頭部コンポーネント210は、中心突起218をサイジング器具の細長い穴168又はステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴40内に挿入することにより、サイジング器具160又はステムレス上腕骨コンポーネント10上に取り付けられてもよい。中心突起の環状バンド222は、ステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴40と摩擦係合して、中心突起を、ひいては試用頭部コンポーネント210をステムレス上腕骨コンポーネント10に摩擦固定する。
【0053】
図12から明かなように、試用頭部コンポーネントの本体212は、本体の凹状の下面表面220の中心から下方に延びる数個の円筒形の突出部226も有する。突出部226のそれぞれは、挿入成形され、又は別様に内部に配置された円筒形の金属性スリーブ228を有する。スリーブ228は、内部に形成された細長い穴230を有し、そのような穴230は、スリーブ228の全長にわたって延びる。穴230は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔をドリル(又は予備ドリル)するのに使用されるドリルビットの案内のためのドリルガイドとして機能する(
図31、32参照)。したがって、ガイド穴230のそれぞれの位置は、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160に固定された際、サイジング器具160の穿孔ガイド孔170と一致し、穿孔ガイド孔170内に受容される(
図28参照)。詳細には、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160上に完全に納められた際、試用頭部コンポーネント210内に形成された突出部226のそれぞれの遠位端は、サイジング器具160の対応する穿孔ガイド孔170内に受容され、それによってガイド穴230を適切な位置に整列させる。
【0054】
本明細書に記載した他の器具及びインプラントと同様に、試用頭部コンポーネント210は、数個の異なるサイズで提供されてもよい。例えば、本明細書に記載した例示的な実施形態では、試用頭部コンポーネント210は、異なる直径(例えば15mm、18mm又は21mm)で具現化されて、選択された上腕骨頭部コンポーネント12の直径を模倣してもよい。
【0055】
ここで
図14を参照すると、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔をあけるのに使用される外科用穿孔装置240が示されている(
図29、30参照)。本明細書に記載した他の器具と同様に、外科用穿孔装置240は、ステンレス鋼、コバルトクロム又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0056】
外科用穿孔装置240は、略フォーク形状であり、取り付けシャフト244を含む金属本体242を含む。取り付けシャフト244の近位端は、内部に形成されたD形状のソケット260を有する。D形状のソケット260は、打ち込みハンドル80の取り付け機構86のD形状の接続ピン104を受容する寸法、形状及び配置を有する(
図6参照)。取り付けシャフト244の外側面は、内部に形成されたチャネル246を有する。内部にチャネル246が形成されているシャフト244の側壁は、チャネル246の長さに沿って延びるアンダーカット248を画定する。アンダーカット248は、チャネル246の頂部に配置されたリップ250の形態をとる。打ち込みハンドルの接続ピン104が外科用穿孔装置240のD形状のソケット260内に挿入された後、下方に前進された際、リップ250は打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されて、外科用穿孔装置240を打ち込みハンドル80に固定する。
【0057】
チャネル246の反対側のシャフト244の末端部において、外科用穿孔装置の本体242は数個の歯252を含む。歯252のそれぞれは、ストラット268によりシャフト244に固定されている。歯252は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔をあけるように機能し(
図29、30参照)、したがってステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16の形状、サイズ及び位置に対応する。ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16と同様、外科用穿孔装置の歯252のそれぞれは、底面図(即ち、歯252の長手方向軸線に直交する図)で見た際、略T形状である。そのような配置では、歯252のそれぞれは、骨成形プレート254及び細長いリブ256を有する。細長いリブ256は、係合プレート254の長さに沿って延び、したがってT形状の歯252の「幹」を形成し、係合プレート254はT形状の歯252の「交差バー」を形成する。詳細には、係合プレート254の外側面は、他方の歯(したがって外科用穿孔装置の長手方向軸線)から外方向に向き、リブ256は歯の係合プレート254の後側に固定され、他方の歯252に向かう方向にて内側に延びる。リブ256の長手方向軸線は、係合プレート254の長手方向軸線と平行である。
図14から明かなように、歯252のそれぞれは、先導穿孔表面として機能する傾斜遠位端258を含む。傾斜遠位端258は、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の予備ドリルされた孔内に歯252を挿入することを容易にする導入部の表面としても機能する。
【0058】
歯252の位置は、サイジング器具160の穿孔ガイド孔170の位置と一致する。したがって、穿孔ガイド孔170は、歯252の前進を案内して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔をあけるように機能する(
図29、30参照)。したがって、歯252のそれぞれは、穿孔ガイド孔170と整列し、そこを通して前進し得る。
【0059】
外科用穿孔装置の本体242は、シャフト244から下方に、歯252の間の範囲内に延びる中心スパイク262も含む。中心スパイク262は、外科用穿孔装置240の長手方向軸線上にその中心を置く。中心スパイク262は、尖った遠位先端264を含む。中心スパイク262の先端264は、外科用穿孔装置240がステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する孔の穿孔に使用されている間、患者の外科的に準備された上腕骨表面内に窪み(divot)を作製する。そのような窪みは、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36を受容するように配置される。
【0060】
ここで
図15及び16を参照すると、中心ドリルビット270及び周辺ドリルビット272が示されている。中心ドリルビット270は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36を受容するための、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔を外科的にドリルするのに使用される。一方、周辺ドリルビット272は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容するための、患者の外科的に準備された上腕骨表面内の孔をドリル(又は予備ドリル)するのに使用される(
図31、32参照)。ドリルビット270、272のそれぞれは、細長いシャンク274を有し、シャンク274は、回転式動力工具(図示せず)又は手動ハンドル(図示せず)のチャック内に適合する近位端276を有する。ドリルビット270、272は、シャンク274の遠位端の反対側に位置する切断頭部278も含む。ドリルビット270、272の切断頭部278は鋭い切断先端280を含み、切断先端280から複数の螺旋状切断溝282が延びる。
【0061】
ドリルビット270、272のそれぞれは、切断溝282の上端部において切断頭部278の上方に配置された環状カラー284も含む。カラー284はドリルビット270、272がそれらのそれぞれの孔を所望の深さにドリルすることを確実にする深さ停止部として機能する。中心ドリルビット270の場合、カラーは、サイジング器具160の細長い穴168の直径よりも大きい外径を有する。したがって、中心ドリルビット270は、カラー284の下面286が底に達し又は別様にサイジング器具160の平坦な上面164と係合するまで、骨組織内に前進され得る。同様に、周辺ドリルビット272は、カラー284の下面286が底に達し又は別様に試用頭部コンポーネント210のスリーブ228内の縁又は棚と係合するまで、骨組織内に前進され得る。
【0062】
ドリルビット270、272は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0063】
ここで
図17〜19を参照すると、頭部切除ガイド290が示されている。頭部切除ガイド290は、患者の上腕骨頭部を切除する、骨鋸刃の前進を案内する切断ガイドとして使用される。頭部切除ガイド290は基部292を含み、基部292は、基部292から外方向に延びる一対のレール294を有する。弓形状の静止切断ガイド296は、基部292の反対側の、レール296の末端部に固定されている。詳細には、静止切断ガイド296の一方の末端部は、レール294の一方に固定され、静止切断ガイド296の他方の末端部は、他方のレール294に固定されている。
【0064】
可動切断ガイド298は、レール294上に捕捉され、レール294に沿って往復可動である。詳細には、可動切断ガイド298はガイド本体302を含み、ガイド本体302は、内部に形成された一対の孔304を有する。一方の案内レール294は一方の孔304内に配置され、他方のレール294は他方の孔304内に配置されている。したがって、可動切断ガイド298は、レール294に沿って、静止切断ガイド296に向かう方向、及び静止切断ガイド296から離れる方向に移動し得る。
【0065】
コイルばね306等の付勢要素がレール294のそれぞれ上に捕捉されている。ばね306は、基部292の上面308と、可動切断ガイドの本体302の下面310との間に配置されている。したがって、ばね306は、ばね付勢を可動切断ガイド298上に主張(assert)して、可動切断ガイド298を静止切断ガイド296に向かう方向に追い立てる。
【0066】
可動切断ガイドの本体302は、内部に形成された指把持部312も有する。本明細書に記載した例示的な実施形態では、指把持部312は、レール294に略直交する方向にて外方向に延びるフランジとして具現化される。外科医又は他のユーザーは、指把持部312及び基部292の下面314を把持した後、該外科医又は他のユーザー指を絞ってもよい。そのようにすることにより、ばね306のばね付勢が克服され、可動切断ガイド298を静止切断ガイド296から離れる方向に(即ち、基部292に向かう方向に)追い立て又は別様に移動する。外科医が指把持部312を解放した後、ばね306のばね付勢は、可動切断ガイド298を静止切断ガイド296に向かって戻る方向に(即ち、基部292から離れる方向に)追い立て又は別様に移動する。
【0067】
図18から最も明かなように、静止切断ガイド296及び可動切断ガイド298の両方は、丸い表面を含み、該表面は、協働して、内部に患者の上腕骨頭部を捕捉するための円形表面を画定する。詳細には、静止切断ガイド296は、可動切断ガイド298の丸い略半円形の前側面320に向いた丸い略半円形の後側面318を含む。
図17及び18から明かなように、数個のスパイク322は、半円形表面318、320のそれぞれから、対向する半円形表面318、320に向かって外方向に延びる。スパイク322は、患者の上腕骨の骨組織に係合して、その使用中、頭部切除ガイド290を所望の位置及び配向に維持する。したがって、外科医が指把持部312及び基部292の下面314を絞った際、半円形表面318、320が互いから離れるように移動して、患者の上腕骨頭部をそれらの間に位置付けるクリアランスを形成する。その後、外科医が指把持部312及び基部292の下面314を解放した際、半円形表面318、320は、互いに向かって、患者の上腕骨頭部をスパイク322によってその間に捕捉する。
【0068】
図17及び18から明かなように、可動切断ガイド298は、内部に形成された数個のピン孔324を有する。ピン孔324のそれぞれの軸線は、レール294及びスパイク322に対して斜め又は傾斜した方向に延びる。より詳細に述べるように、外科用ピンはピン孔324を通して挿入されて、患者の天然上腕骨頭部の切除中、頭部切除ガイド290を患者の上腕骨に固定し得る。
【0069】
図19から最も明かなように、静止切断ガイド296及び可動切断ガイド298の両方は、患者の天然上腕骨頭部を切除する、骨鋸刃を案内するための切断ガイド表面を画定するように協働する平面状の表面を含む。詳細には、静止切断ガイド296は、可動切断ガイド298の平面状の前側ガイド表面328と同一平面上の関係で整列する平面状の後側ガイド表面326を含む。2つのガイド表面326、328は、集合的に、患者の天然上腕骨頭部を切除する切断操作中、その上部にて骨鋸刃が支持(即ち、案内)され得る切断表面を画定する。
図19から明かなように、2つのガイド表面326、328は、レール294に略平行し、かつ指把持部312及び基部292の下面314に直交する面内に存在する。
【0070】
頭部切除ガイド290は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0071】
ここで
図20〜23を参照すると、インプラント挿入工具330が示されている。インプラント挿入工具330は、ステムレス上腕骨コンポーネント10に固定されて、患者の外科的に準備された上腕骨表面内へのステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みを容易にし得る。インプラント挿入工具330は細長い本体332を含み、本体332は、その近位端にコネクタ336を有する円筒形のシャフト334を画定する。コネクタ336は、その近位端内に形成されたD形状のソケット338を含む。D形状のソケット338は、打ち込みハンドル80の取り付け機構86のD形状の接続ピン104を受容する寸法、形状及び配置を有する(
図6参照)。本体のコネクタ336の外側面は、内部に形成されたチャネル340を有する。内部にチャネル340が形成されているコネクタ336の側壁は、チャネル340の長さに沿って延びるアンダーカット342を画定する。アンダーカット342は、チャネル340の頂部に配置されたリップ344の形態をとる。打ち込みハンドルの接続ピン10がインプラント挿入工具330のD形状のソケット338内に挿入された後、下方に前進された際、リップ344は打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されて、インプラント挿入工具330を打ち込みハンドル80に固定する。
【0072】
インプラント挿入工具の本体332の、そのコネクタ336の反対側の末端部は、内部に形成されたアライメントフランジ346を有する。アライメントフランジ346は環状面として具現化され、該環状面は、該環状面から下方に延びる数個の突出部又はアライメントキー348を有する。アライメントキー348は、ステムレス上腕骨コンポーネント10内に形成された視認窓30内に受容されるサイズ、形状及び位置を有する。アライメントフランジ346は、その環状面から下方に延びるアライメントピン350も有する。アライメントピン350は、ステムレス上腕骨コンポーネント10内に形成されたテーパー状の穴40内に受容されるサイズ、形状及び位置を有する。
【0073】
図20及び21から明かなように、一対のロックアーム352は、挿入工具の本体332に旋回可能に連結されている。ロックアーム352のそれぞれは、その近位端内に形成されたカムフォロワー354と、その反対側の、遠位端内に形成された略L形状のロック歯止め356とを有する。ロックアーム352のそれぞれは、本体332内に形成された穴360内に配置された旋回ピン358により、その環状面346の付近の位置においてインプラント挿入工具の本体332に旋回可能に連結されている。ロックアーム352は、カムフォロワー354の互いに向かった方向、したがって挿入工具の本体332のシャフト334に向かった方向の移動が、ロック歯止め356を互いから離れる方向、したがって挿入工具の本体332のアライメントピン350から離れる方向に移動させるように、旋回ピン358を中心として旋回する。一方、カムフォロワー354の互いから離れる方向、したがって挿入工具の本体332のシャフト334から離れる方向の移動は、ロック歯止め356を互いに向かった方向、したがって挿入工具の本体332のアライメントピン350に向かった方向に移動させる。
【0074】
ロックアーム352のそのような移動は、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330から選択的にロックし及び解放する「迅速接続」配置の一部として使用されてもよい。詳細には、挿入工具のアライメントフランジ346が、そのアライメントピン350及びアライメントキー348がそれぞれ、ステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴40及び視認窓30内に配置されるように、ステムレス上腕骨コンポーネント10と係合した際、ロックアーム352のロック歯止め356は、ステムレス上腕骨コンポーネントの残りの視認窓30(即ち、アライメントキー348により占められない視認窓30)内に配置される。そのように配置されて、ロック歯止め356はステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の底面18内に形成されたアンダーカット70のリップ74と係合し及び係合から外れるよう移動し得る(
図2及び4参照)。詳細には、ロック歯止め356は、ロック歯止め356がステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の底面18内に形成されたアンダーカット70のリップ74と係合することにより、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330に固定するように、互いに向かう(即ち、挿入工具の本体332のアライメントピン350に向かう)方向に移動し得る。反対に、ロック歯止め356は、ロック歯止め356ステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ144の底面18内に形成されたアンダーカット70のリップ74から係合解除することにより、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330から解放するように、互いから離れる(即ち、挿入工具の本体332のアライメントピン350から離れる)方向に移動し得る。
【0075】
図20及び21から明かなように、回転するロックカラー362は、挿入工具の本体332のシャフト334上に捕捉されている。詳細には、ロックカラー362は、その中心を通して延びる穴364を有し、挿入工具の本体332のシャフト334が穴364内に受容(即ち、配置)されている。したがって、ロックカラー362は、挿入工具の本体332のシャフト334を中心として、時計回り及び反時計回りの両方に回転し得る。
図20から明かなように、ロックカラー362は、その下面内に形成された一対のチャネル366を有する。ロックアーム352のカムフォロワー354は、ロックカラー362がシャフト334を中心として回転されるときに、チャネル366内に載る。チャネル366の内側を画定する側壁は、カム表面368を画定している。
図20から明かなように、カム表面368の一方の末端部370は、カム表面368の他方の末端部372よりもロックカラーの穴364(したがって、挿入工具の本体332のシャフト334)に近い。したがって、カムフォロワー354のそれぞれがその対応するカム表面368に沿ってその内側末端部370からその外側末端部372への方向に進むとき、カムフォロワー354は互いから離れる方向、したがって挿入工具の本体332のシャフト334からに離れる方向に移動し、それによりロック歯止め356が互いに向かう方向、したがって挿入工具の本体332のアライメントピン350に向かう方向に移動するようにロックアーム352を旋回させる。上述したように、ロック歯止め356のそのような移動は、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330にロックするのに使用される。
図20から明かなように、本明細書に記載した例示的な実施形態では、ロックカラー362の時計回りは、カムフォロワー354をカム表面368に沿ってそのような方向(即ち、カム表面の内側末端部370からその外側末端部372への方向)に移動させる。
【0076】
反対に、カムフォロワー354のそれぞれが、対応するカム表面368に沿ってその外側末端部370からその内側末端部372への方向に進むとき、カムフォロワー354は互いに向かう方向、したがって挿入工具の本体332シャフト334に向かう方向に移動し、それによりロック歯止め356が互いから離れる方向、したがって挿入工具の本体332のアライメントピン350から離れる方向に移動するようにロックアーム352を旋回させる。上述したように、ロック歯止め356のそのような移動は、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330から解放するのに使用される。
図20から明かなように、本明細書に記載した例示的な実施形態では、ロックカラー3622の反時計回りは、カムフォロワー354をカム表面368に沿ってそのような方向(即ち、カム表面の外側末端部372からその内側末端部370への方向)に移動させる。
【0077】
図20及び21から明かなように、ロックカラー362は、ロックカラー362を通して延びる一対のガイドピン374を有する。案内ピン374の外側末端部は、ロックカラー362の外側面の付近に配置され、その内側末端部(図示せず)は、挿入工具の本体332のシャフト334の外側面上に形成された環状チャネル(図示せず)内に配置されている。案内ピン374の内側末端部は、ロックカラー362の回転中、そのようなチャネル内に載っている。挿入工具の本体332のシャフト334は、その外側面内に形成された一対の直線チャネル376も有する。直線チャネル376は、互いに及び挿入工具の本体332のシャフト334の長手方向軸線に平行に配置されている。案内ピン374の内側末端部が直線チャネル376と整列され及び直線チャネル376内に受容された際、ロックカラー362は挿入工具の本体332のシャフト334に沿ってコネクタ336に向かう(即ち、アライメントフランジ346から離れる)方向に摺動し得る。そのようにして、ロックアーム350のカムフォロワー352のそれぞれは、ロックカラー362のそれらのそれぞれのチャネル366から逃れる。そのような配置は、カムフォロワー352及びロックカラー362のチャネル366が、使用の間にインプラント挿入工具330を洗浄する間、洗浄液に完全に暴露されることを可能にする。カムフォロワー352は、ロックカラー362が挿入工具の本体332のシャフト334に沿って、コネクタ336から離れる(即ち、アライメントフランジ346に向かう)方向に摺動されるとき、それらをチャネル366の内側末端部370と整列することによって、ロックカラー362のそれらのそれぞれのチャネル366内に摺動し戻り得る。その後、ロックカラー362は回転されて、カムフォロワー352を、ロックカラー362のそれらのそれぞれのチャネル66内に再び捕捉し得る。
【0078】
インプラント挿入工具330のコンポーネント(例えば、その本体332、ロックアーム352、及びロックカラー362)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0079】
ここで
図24を参照すると、頭部打ち込み工具380が示されている。頭部打ち込み工具380は、頭部コンポーネント12をステムレス上腕骨コンポーネント10に打ち込み、それによりテーパーロックするのに使用され得る。頭部打ち込み工具380は、その近位端内に形成されたコネクタ384を有する略円錐形の本体382を含む。コネクタ384は丸い開口部386を含み、該開口部386は、打ち込みハンドル80の取り付け機構86の接続ピン104を受容するサイズ、形状及び配置を有する(
図6参照)。頭部打ち込み工具380のコネクタ384は、内部に形成された3つのチャネル388も有する。その内部にチャネル388が形成されている、頭部打ち込み工具の本体382の側壁は、チャネル388の長さに沿って延びるアンダーカット390を画定する。アンダーカット390のそれぞれは、それぞれのチャネル388の頂部に配置されたリップ392の形態をとる。リップ392は、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102により選択的に係合されて(
図6、7参照)、頭部打ち込み工具380を打ち込みハンドル80に固定することができる。
【0080】
コネクタ384の反対側の、頭部打ち込み工具の本体382の末端部は、内部に形成された丸い凹状衝撃面396を有する。凹状衝撃面396は、頭部コンポーネント12の凸状の、ほぼ略半球形の外側面と密接に一致するサイズ、形状及び位置を有する。
図35に関連して下記により詳細に記載するように、頭部コンポーネント12をステムレス上腕骨コンポーネント10に取り付ける際、最初に頭部打ち込み工具380を打ち込みハンドル80に連結し、その後、頭部打ち込み工具380の衝撃面396を頭部コンポーネント12の外側面と接触させて配置する。次いで外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて衝撃ハンドルの金属殴打プレート90を殴打して頭部コンポーネント12を推進して、ステムレス上腕骨コンポーネント10に対してテーパーロックにより取り付けてもよい。頭部打ち込み工具380は、ポリエチルエチルケトン(PEEK)、アセタール、レーデル、又は他のポリマー等のポリマーから構成されてもよいことを認識するべきである。
【0081】
ここで
図25〜36を参照すると、
図6〜24に関して本明細書に記載した様々な器具を使用して、
図1〜5のステムレス上腕骨プロテーゼ10を埋め込むために患者の上腕骨400を外科的に準備する外科手技が示されている。外科手技は、中でも、CTスキャン(2D又は3D)又は他のタイプの術前画像(例えばX線)を獲得して、ステムレス上腕骨コンポーネント10及び上腕骨頭部コンポーネントの配置位置及び配向を計画し得る術前計画により開始する。計画されている手技が肩関節置換術の場合、CTスキャン又は他のタイプの術前画像は、患者の関節窩内に埋め込まれるプロテーゼ関節窩コンポーネント(図示せず)の配置位置及び配向にも使用されるであろう。術前計画が完成すると、肩関節へのアクセスを可能にするために、患者の軟組織が切開され、かつ後退させられる。一般に、患者の上腕骨頭部402の完全な(即ち、360°)露出が達成される。
【0082】
患者の上腕骨頭部402が外科的に露出された後、外科医は次いでそれを切除するプロセスを開始してもよい。
図25に示すように、外科医は、最初に、患者の上腕骨400上に頭部切除ガイド290を取り付ける。それを行うために、外科医は指把持部312と、頭部切除ガイドの基部292の下面314とを把持し、その後、指を絞る。そのようにすると、ばね306のばね付勢が克服され、可動切断ガイド298を静止切断ガイド296から離れる方向(即ち、基部292に向かう方向)に追い立て又は別様に移動することにより、患者の上腕骨頭部402をそれらのそれぞれの半円形表面318、320の間に配置するクリアランスが形成される。
【0083】
次いで外科医は、静止切断ガイド296が患者の回旋腱板の後側腱板挿入部位上に載るように、頭部切除ガイド290を患者の上腕骨頭部402の周囲に配置する。そのようにすることによって、頭部切除中、後側回旋腱板を保護し、ガイド296を正確な高さ及び傾斜(version)にて配置する段階になる。次いで外科医は、可動切断ガイド298の前側面320を、所望の切除角度及び高さにて患者の上腕骨400の前側面404に接して配置する。外科医は、前側ガイド表面328が上腕骨頭部402の関節縁と整列するように、切断ガイド298を患者の上腕骨頭部402上に配置する。次いで外科医は、指把持部312と基部292の下面314とを穏やかに解放する。そのようにした際、可動切断ガイド298及び静止切断ガイド296のそれぞれの半円形表面31、320が互いに向かって移動し、スパイク322により患者の上腕骨頭部402をそれらの間に捕捉する。
【0084】
外科医が可動切断ガイド298を所望の切除角度及び高さにて配置した後、
図25に示すように、外科医はピン孔324のそれぞれを通して外科用ピン406を挿入して、頭部切除ガイド290を患者の上腕骨400に固定し、可動切断ガイド298の前側ガイド表面328をその所望の位置に維持してもよい。
【0085】
図26に示すように、次いで外科医は、振動動力鋸(oscillating power saw)7408等の骨鋸を操作して、患者の上腕骨頭部402を切除する。それを行うために、外科医は動力鋸408の鋸刃410を可動切断ガイド298の平面状の前側ガイド表面328上に配置する。次いで外科医は、振動動力鋸408を作動させ、鋸408が後方に進み、患者の上腕骨400の前側面404と接触するように鋸408上に圧力を適用する。鋸刃410が後方に進み、上腕骨400の前側面404と接触し、その後、その中央部分を通して、その後側面412に向かう方向に前進するとき、骨鋸408の振動が上腕骨頭部402の骨組織を擦過する。
【0086】
外科医は、鋸刃410が骨を退出するまで、動力鋸408の後方の進行を継続する。詳細には、外科医は、その刃410の遠位歯が上腕骨頭部402の後側面412を越えるまで、骨鋸408の操作を継続する。骨の後側面412を退出した後、鋸刃410は静止切断ガイド296の後側ガイド表面326により支持及び案内される。そのような方法で、静止切断ガイド296後側ガイド表面326は、鋸刃410が患者の後側回旋腱板に接触することを防止する。鋸刃410が骨を退出し、静止切断ガイド296の後側ガイド表面326上に前進した後、外科医は骨鋸408を停止させ、次いで、その後患者の上腕骨頭部402の切除部分を持ち上げてもよい。
図26から明かなように、上腕骨400の外科的に切除された表面414は、実質的に平面状である。
【0087】
図27に示すように、外科医は、今、上腕骨400の外科的に切除された表面414上に埋め込むための、適切なサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10を決定する。それを行うために、外科医はサイジング器具160を使用する。具体的には、ここでより詳細に記載するように、サイジング器具160を、サイジング試用と穿孔及びドリルガイドとの両方として機能するように、患者の上腕骨400の外科的に切除された表面414に固定してもよい。それを行うために、外科医は、外科医が患者に適したサイズであると見積もった、異なるサイズのサイジング器具160の最初の1つを選択する。次いで外科医は、選択されたサイジング器具160をアライメントハンドル120に連結する。詳細には、外科医は、サイジング器具のコネクタ182のリップ190がアライメントハンドルの取り付け機構126のロック歯止め142(
図8、9参照)により係合されるまで、アライメントハンドルの本体122の遠位端内に形成されたキーイングピン144を、サイジング器具160内に形成されたキー孔形状の開口部184内に挿入し及び前進させ、それによりサイジング器具160をアライメントハンドル120に固定する。次いで外科医は、選択されたサイジング器具160を上腕骨400の外科的に切除された表面414上に配置し、適用範囲を評価する。選択されたサイジング器具160が適したサイズではないと外科医が決定した場合、最初のサイジング器具160を除去し、異なる直径を有するサイジング器具16をアライメントハンドル120に取り付け、評価する。
【0088】
適した直径のサイジング器具160を決定した後、外科医はサイジング器具160を上腕骨400の外科的に切除された表面414に固定する。それを行うために、外科医は、最終的なインプラント(即ち、ステムレス上腕骨コンポーネント10)のために、サイジング器具160のスパイク174が上腕骨400の外科的に切除された表面414に向かって下方に向いた状態で、アライメントハンドル120を使用してサイジング器具160を所望の位置及び配向にて配置する。次いで外科医は、
図27に示すように、サイジング器具160を上腕骨400の外科的に切除された表面414の海綿骨内に下方に押し込み又は別様に追い立てることにより、サイジング器具160を定位置に固定する。外科医はサイジング器具の視認窓180を使用して上腕骨400の外科的に切除された表面414を視認し、サイジング器具160が表面414上に完全に納められたことを確実にしてもよい。
【0089】
サイジング器具160を上腕骨400の外科的に切除された表面414上に取り付けた後、外科医は、次いで最終的な上腕骨頭部コンポーネント12の適合の予備試用を行ってもよい。それを行うために、外科医は、外科医が患者に適したサイズであると見積もった、異なるサイズの試用頭部コンポーネント210の最初の1つを選択し、その後、選択された試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160に取り付ける(
図28参照)。外科医は、試用頭部コンポーネント210の中心突起218(
図12、13参照)をサイジング器具の細長い穴168内に挿入した後、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160上に完全に納まるまで試用頭部コンポーネント210を下方に押し込み又は別様に追い立てることによって、試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160上に取り付ける。
【0090】
試用頭部コンポーネント210は、究極的な上腕骨頭部コンポーネント12(即ち、患者の上腕骨内に究極的に埋め込まれる上腕骨頭部コンポーネント12)の適切なサイズ選択を確実にするように使用される。したがって、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160上に取り付けられた後、外科医はそのサイズ及び適合を視覚的に評価して、最終的なインプラント(即ち、ステムレス上腕骨コンポーネント10及び上腕骨頭部コンポーネント12)のサイズ及び適合の感覚を得ることができる。外科医がサイズ及び適合に満足しない場合、試用頭部コンポーネント210及びサイジング器具160のいずれか一方又は両方が置き換えられてもよい。外科医が評価されたサイズ及び適合に満足する場合、試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160から除去し、続いて、患者の外科的に切除された上腕骨表面414の骨準備を行う。
【0091】
図29に示すように、外科医は、次いで外科用穿孔装置240を使用して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16及び細長いスリーブ36を受容する孔を、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に穿孔してもよい。外科医は、外科用穿孔装置240の使用前に、ピン孔178を通して挿入された数個の定着ピン(図示せず)を使用して、サイジング器具160を患者の外科的に切除された上腕骨表面414の骨組織に固定してもよいことを認識するべきである。穿孔手技を行うために、外科医は最初に、外科用穿孔装置240を打ち込みハンドル80に固定するために、取り付けシャフト244内に形成されたリップ250が打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されるまで、外科用穿孔装置240の取り付けシャフト244内に形成されたD形状のソケット260内にD形状の接続ピン104を挿入することにより、外科用穿孔装置240を打ち込みハンドル80に固定する。
【0092】
その後、外科医は、外科用穿孔装置240の歯252のそれぞれがサイジング器具160の穿孔ガイド孔170の1つと整列するように、打ち込みハンドル80を使用して外科用穿孔装置240を位置付ける。それを行うことはまた、外科用穿孔装置の中心スパイク262を、サイジング器具160の細長い穴168と整列する。そのようにして、穿孔ガイド孔170及び細長い穴168は、それぞれ歯252及び中心スパイク262の前進を案内するように機能する。
【0093】
外科用穿孔装置240がそのような方法でサイジング器具160内に配置された後、外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、打ち込みハンドル80の金属プレート90を殴打して、外科用穿孔装置がサイジング器具160上に達するまで、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に外科用穿孔装置240を推進する。
図30に示すように、そのようにすることにより、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に、ステムレス上腕骨コンポーネント12の脚16の形状、サイズ、及び位置に対応する数個の穿孔416を形成する。
図30に示すように、そのような方法で、外科用穿孔装置240を打ち込むことはまた、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ362の脚16の形状、サイズ、及び位置に対応する、窪み418の形態の凹部を形成する。
【0094】
次いで外科医は、外科用穿孔装置240を患者の外科的に切除された上腕骨表面414から引き戻して、
図30に示すように、外科的に形成された孔416及び窪み418を露出する。必要であれば、外科医は、打ち込みハンドルの引き出しフランジ92の下面を殴打して、外科用穿孔装置240のそのような引き出しを容易にしてもよい。
【0095】
ここで
図31及び32を参照すると、
図29及び30に関して記載された穿孔手技に対する予備調整手技が示されている。換言すれば、ドリル手技は、患者の外科的に準備された上腕骨表面414内に孔が予備ドリルされる予備ドリル手技として行われてもよく、予備ドリルされたそのような孔は、次いで上記に記載した方法で、外科用穿孔装置240を使用することにより穿孔されて、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16を受容する。そのようなドリル手技を行うために、外科医は、取り付けられたサイジング器具160と共に試用頭部コンポーネント210を使用する。骨の準備においては(試用とは対照的に)、ドリルビットを案内するためのドリルガイドとして試用頭部コンポーネント210を使用して、患者の外科的に準備された上腕骨表面414内に、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16及び細長いスリーブ36を受容する孔をドリル(又は予備ドリル)する。そのようなドリル手技を開始するために、外科医は最初に、取り付けられたサイジング器具160のサイズに対応する試用頭部コンポーネント210を選択し、その後、選択された試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160に取り付ける(
図31参照)。外科医は、試用頭部コンポーネント210の中心突起218(
図12、13参照)をサイジング器具の細長い穴168内に挿入した後、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160上に完全に納まるまで試用頭部コンポーネント210を下方に押し込み又は別様に追い立てることによって、試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160上に取り付ける。
【0096】
試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160に取り付けられた際、試用頭部コンポーネントのガイド穴230のそれぞれの位置は、サイジング器具160の穿孔ガイド孔170と一致し、穿孔ガイド孔170内に受容される。詳細には、試用頭部コンポーネント210がサイジング器具160上に完全に納められた際、試用頭部コンポーネント210内に形成された突出部226のそれぞれの遠位端(
図12、13参照)は、サイジング器具160の対応する穿孔ガイド孔170内に受容され、それによってガイド穴230を適切な位置に整列する。
【0097】
次いで周辺ドリルビット272の近位端が、回転式動力工具(図示せず)又は手動ハンドル(図示せず)のチャック内に挿入される。次いで外科医は、周辺ドリルビットの切断頭部278の先端280を、試用頭部コンポーネント210のガイド穴230の1つ内に挿入し、動力ドリルを作動させる(又は手動ハンドルを回転させる)。外科医は、ビットのカラー284の下面286が底に達し又は別様に試用頭部コンポーネント210のスリーブ228内の縁又は棚に係合するまで、周辺ドリルビット272を患者の外科的に切除された上腕骨表面414の骨組織内に前進させる。次いで外科医は、新たにドリルされた周辺孔に対応するガイド穴230からドリルビット272を除去し、このプロセスを残りのガイド穴230にて繰り返す。次いで外科医は、試用頭部コンポーネント210をサイジング器具160から除去して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16(
図32参照)が埋め込まれるであろう位置に対応する、外科的にドリルされた周辺孔420を露出する。
【0098】
試用頭部コンポーネント210が除去されたら、外科医は、次いでステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36を受容する孔を、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内にドリルする。それを行うために、外科医は、中心ドリルビット270の近位端を、回転式動力工具(図示せず)又は手動ハンドル(図示せず)のチャック内に固定する。次いで外科医は、中心ドリルビットの切断頭部278の先端280を、サイジング器具160の細長い穴168内に挿入し、動力ドリルを作動させる(又は手動ハンドルを回転させる)。外科医は、ビットのカラー284の下面286が底に達し又は別様に係合サイジング器具160の平坦な上面164に係合するまで、中心ドリルビット270を患者の外科的に切除された上腕骨表面414の骨組織内に前進させる。次いで外科医は、ドリルビット270をサイジング器具160の細長い穴168から除去する。
【0099】
図32に示すように、次いで外科医は、サイジング器具160を除去して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の脚16が埋め込まれるであろう位置に対応する、外科的にドリルされた周辺孔420を、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36が埋め込まれるであろう位置に対応する、外科的にドリルされた中心孔422と共に露出する。
【0100】
患者の外科的に切除された上腕骨表面414が準備された後、外科医は、次いでステムレス上腕骨コンポーネント10を埋め込んでもよい。それを行うために、
図33に示すように、外科医は最初に、コネクタのリップ344が打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されて、インプラント挿入工具330が打ち込みハンドル80に固定されるまで、打ち込みハンドル80のD形状の接続ピン104をインプラント挿入工具のコネクタ336のD形状のソケット338内に挿入することにより、インプラント挿入工具330を打ち込みハンドル80に固定する。
【0101】
その後、外科医は、適切なサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10(即ち、上記に記載したような試用を介して選択された直径を有するコンポーネント10)をインプラント挿入工具330に固定する。外科医は最初に、インプラント挿入工具330のロックカラー362をロック解除又は解放位置に配置し、ここでインプラント挿入工具のロックアーム352のカムフォロワー354が、ロックカラーのカム表面368の内側末端部370の付近に配置されることによって、ロック歯止め356を互いから最長距離で離れて配置する。次いで外科医は、挿入工具のアライメントフランジ346を、そのアライメントピン350及びアライメントキー348がそれぞれステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴40及び視認窓30内に配置されるように、ステムレス上腕骨コンポーネント10と係合させて配置する。そうすることにより、インプラント挿入工具のロックアーム352のロック歯止め356がステムレス上腕骨コンポーネントの残りの視認窓30(即ち、アライメントキー348により占められていない視認窓30)内に配置される。
【0102】
外科医は、ロックカラー362を時計回りに回転させて、ロックカラー362をそのロック解除位置からそのロック位置へ移動する。ロックカラー362のそのような回転は、インプラント挿入工具のロックアーム352のカムフォロワー354のそれぞれを、その内側末端部370からその外側末端部372への方向において、その対応するカム表面368に沿って進ませる。そうすることにより、カムフォロワー354が互いから離れる方向に移動し、それによりロック歯止め356が互いに向かう方向に移動するようにロックアーム352を旋回させる。そのようなロック歯止め356の互いに向かう方向の移動は、ロック歯止め356を、ステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の底面18に形成されたアンダーカット70のリップ74と係合させ、それによりステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330に固定する。
【0103】
その後、
図33に示すように、外科医は、打ち込みハンドル80を使用してステムレス上腕骨コンポーネント10を、その脚16のそれぞれが、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に形成された穿孔416の1つと整列し、穿孔416の1つ内に挿入されるように配置する。そうすることにより、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36も、患者の外科的に切除された上腕骨表面414内に形成された窪み418/ドリル孔422(又はドリル中心)と整列される。
【0104】
そのような方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10を穿孔416及び窪み418/ドリル孔422内に配置した後、外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、打ち込みハンドル80の金属プレート90を殴打して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が患者の外科的に切除された平面状の上腕骨表面414上に完全に納まるまで、ステムレス上腕骨コンポーネント10を骨組織内に推進する。外科医は、視認窓30を使用して、外科的に切除された上腕骨表面414を視認して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が上腕骨表面414上に完全に納められたことを確実にし得る。
【0105】
次いで外科医は、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330から解放する。それを行うために、外科医は、インプラント挿入工具330のロックカラー362をそのロック位置からそのロック解除位置へ反時計回りに回転させる。ロックカラー362のそのような回転は、インプラント挿入工具のロックアーム352のカムフォロワー354のそれぞれを、その外側末端部372からその内側末端部370への方向において、その対応するカム表面368に沿って進ませる。そうすることにより、カムフォロワー354が互いに向かう方向に移動し、それによりロック歯止め356が互いから離れる方向に移動するようにロックアーム352を旋回させる。そのようなロック歯止め356の互いから離れる方向の移動は、ロック歯止め356を、ステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の底面18内に形成されたアンダーカット70のリップ74から解放させ、それによりステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具330から解放する。
図34に示すように、外科医は、次いで打ち込みハンドル80を、ひいてはインプラント挿入工具330を持ち上げて外し、それにより、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10を露出する。
【0106】
ステムレス上腕骨コンポーネント10が上腕骨400の外科的に切除された表面414上に埋め込まれた後、外科医は、次いで最終的な上腕骨頭部コンポーネント12の適合の試用を行ってもよい。それを行うために、外科医は、適切なサイズの試用頭部コンポーネント210(即ち、以前の試用段階中に選択されたサイズ)を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10に取り付ける。外科医は、試用頭部コンポーネント210の中心突起218(
図12、13参照)を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10のテーパー状の穴40内に挿入し、その後、試用頭部コンポーネント210が、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10上に完全に納まるまで、試用頭部コンポーネント210を下方に押し込み又は別様に追い立てることにより、試用頭部コンポーネント210を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10上に取り付ける中心突起の環状バンド222は、テーパー状の穴40の側壁と摩擦係合して、中心突起を、ひいては試用頭部コンポーネント210を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10に摩擦固定する。次いで外科医は、試用頭部コンポーネント210を使用して、適用範囲、軟組織張力、及び可動域を評価する。
【0107】
外科医が満足したら、次いで試用頭部コンポーネント210を除去し、究極的な上腕骨頭部コンポーネント12と置き換える。詳細には、
図35に示すように、外科医は、次いで適切なサイズの上腕骨頭部コンポーネント12(即ち、以前の試用段階中に選択されたサイズ)を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10に取り付ける。外科医は、上腕骨頭部コンポーネント12のテーパー状の柱42を、ステムレス上腕骨コンポーネントの細長いスリーブ36のテーパー状の穴40内に挿入することにより、上腕骨頭部コンポーネント12を、埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネント10上に取り付ける(
図36参照)。
【0108】
頭部打ち込み工具380を試用して、頭部コンポーネント12をステムレス上腕骨コンポーネント10に打ち込みむことによりテーパーロックしてもよい。それを行うために、
図35に示すように、外科医は最初に、コネクタのリップ392の1つが、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されて、頭部打ち込み工具380が打ち込みハンドル80に固定されるまで、打ち込みハンドル80のD形状の接続ピン104を頭部打ち込み工具のコネクタ384の丸い開口部386内に挿入することにより、頭部打ち込み工具380を打ち込みハンドル80に固定する。
【0109】
次いで外科医は、頭部打ち込み工具の凹状の衝撃面396が頭部コンポーネント12の略半球形の外側面と接触して配置されるように、打ち込みハンドル80を配置する。次いで外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、衝撃ハンドルの金属殴打プレート90を殴打して、上腕骨頭部コンポーネント12を下方に推進し、上腕骨頭部コンポーネント12のテーパー状の柱42を追い立てて細長いスリーブ36のテーパー状の穴40を画定する側壁と接触させることにより、上腕骨頭部コンポーネント12をステムレス上腕骨コンポーネント10にテーパーロックする。
図36に、ステムレス上腕骨コンポーネント10に対する上腕骨頭部コンポーネント12のそのような最終的なアセンブリーを示す。
【0110】
ここで
図37を参照すると、ステムレス上腕骨コンポーネント10に固定されて、患者の外科的に準備された上腕骨表面414内へのステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みを容易にし得る、インプラント挿入工具540の別の実施形態が示されている。インプラント挿入工具540は、内部に延びる細長いボア544を有する本体542を含む。ロックロッド548は、ボア544内に捕捉される。そのような配置では、ロックロッド548は、穴544内にて自由に回転する。
【0111】
ノブ550は、ロックロッド548の近位端に固定されている。インプラント挿入工具540をステムレス上腕骨コンポーネント10に固定するために使用することに加えて、ノブ550は、衝撃面としても使用される。即ち、外科医は、ノブ550の上面552を殴打して、ステムレス上腕骨コンポーネント10を、患者の外科的に準備された上腕骨表面414の骨組織内に推進する。
【0112】
ロックロッド548は、その遠位端(即ち、ノブ550と反対側の末端部)内に形成された1組のロックねじ556を有する。ねじ556は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36内に形成されたねじ付き穴48の相補的なねじ50内に受容されるサイズを有する。外科医又は他のユーザーがノブ550を回転させた際、ロックねじのねじ556は、同様に回転する。一方向(例えば時計回り)の回転を使用して、インプラント挿入工具540をステムレス上腕骨コンポーネント10に締め付け、ひいては固定してもよく、反対方向(例えば反時計回りの回転は、インプラント挿入工具540をステムレス上腕骨コンポーネント10から緩め、ひいては切り離すのに使用される。
【0113】
図37から明かなように、数個の真っ直ぐな溝又は隆起部558がロックロッド548のノブ550の付近の、インプラント挿入工具の本体542の末端部に形成されている。隆起部558は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込み中、外科医がインプラント挿入工具540を保持することを可能にする把持部として機能する。
【0114】
ロックロッド548のねじ556の付近の、インプラント挿入工具の本体542の末端部には、アライメントカラー560が形成されている。アライメントカラー560は、インプラント挿入工具の本体542の長手方向軸線から外方向に延びる環状フランジとして具現化される。アライメントカラー560は、その下面564から下方に延びる数個の突出部又はアライメントキー562を有する。
図37から明かなように、アライメントキー562は、ステムレス上腕骨コンポーネント10内に形成された視認窓30内に受容されるサイズ、形状及び位置を有する。アライメントキー562が視認窓30内に配置されると、インプラント挿入工具のノブ550の回転中、ステムレス上腕骨コンポーネント10はインプラント挿入工具540に対して回転することが防止され、それによりインプラント挿入工具のねじ556がステムレス上腕骨コンポーネントのねじ50に係合(又は係合解除)することを可能にする。
【0115】
図33にて上記に記載したものと類似した方法で、外科医は、ステムレス上腕骨インプラント10をインプラント挿入工具540に固定し、次いでインプラント挿入工具540を使用して、ステムレス上腕骨コンポーネントの脚16及び細長いスリーブ36をそれぞれ、外科的に切除された上腕骨表面414内に形成された穿孔416及び窪み418/ドリル孔422に整列する。そのような方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10を穿孔416及び窪み418/ドリル孔422内に配置した後、外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、ノブ550の上面552を殴打して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が患者の平面状の外科的に切除された上腕骨表面414上に完全に納まるまで、ステムレス上腕骨コンポーネント10を骨組織内に推進する。外科医は、視認窓30を使用して、外科的に切除された上腕骨表面414を視認して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が上腕骨表面414上に完全に納められたことを確実にし得る。
【0116】
インプラント挿入工具540(即ち、その本体542及びロックロッド548)のコンポーネントは、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0117】
ここで
図38を参照すると、インプラント挿入工具580の別の実施形態が示されている。インプラント挿入工具580は、ステムレス上腕骨コンポーネント10に固定されて、患者の外科的に準備された上腕骨表面内へのステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みを容易にし得る。インプラント挿入工具580は、内部に延びる細長いボア582を有する本体584を含む。ロックねじ588等のロックロッドは、穴584内に捕捉される。そのような配置では、ロックねじ588は穴584内にて自由に回転するが、穴584から除去されることが防止される(即ち、インプラント挿入工具の本体582から除去可能ではない)。
【0118】
D形状の推進頭部590は、その反対側の遠位端に形成されるいくつかのロックネジ山588をともなって、ロックネジ592の近位端内に形成される。ねじ582は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36内に形成されたねじ付き穴48の相補的なねじ50内に受容されるサイズを有する。D形状の推進頭部590は、ラチェット又は他の外科用工具のD形状頭部を受容するサイズ、形状及び位置を有する。したがって、ラケット(racket)の頭部がインプラント挿入工具の推進頭部590内に挿入され、回転された際、ロックねじのねじ592は同様に回転される。一方向(例えば時計回り)の回転を使用して、インプラント挿入工具580をステムレス上腕骨コンポーネント10に締め付け、ひいては固定してもよく、反対方向(例えば反時計回りの回転は、インプラント挿入工具580をステムレス上腕骨コンポーネント10から緩め、ひいては切り離すのに使用される。
【0119】
ロックねじ588の推進頭部590の付近の、インプラント挿入工具の本体582の末端部は、内部に形成されたチャネル596を有する。内部にチャネル596が形成されているインプラント挿入工具の本体582の側壁は、チャネル596の長さに沿って延びるアンダーカット598を画定する。アンダーカット598は、チャネル596の頂部に配置されたリップ602の形態をとる。リップ602は、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)により係合されて、インプラント挿入工具580を打ち込みハンドル80に固定することができる。
【0120】
図33にて上記に記載したものと類似した方法で、外科医は、インプラント挿入工具580を打ち込みハンドル80に固定した後、ステムレス上腕骨インプラント10をインプラント挿入工具580に固定し、又は逆もまた同様である。次いで外科医は、打ち込みハンドル80を使用して、ステムレス上腕骨コンポーネントの脚16及び細長いスリーブ36を、外科的に切除された上腕骨表面414内に形成された穿孔416及び窪み418/ドリル孔422に整列する。そのような方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10を穿孔416及び窪み418/ドリル孔422内に配置した後、外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、打ち込みハンドル80の金属プレート90を殴打して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が患者の外科的に切除された平面状の上腕骨表面414上に完全に納まるまで、ステムレス上腕骨コンポーネント10を骨組織内に推進する。外科医は、視認窓30を使用して、外科的に切除された上腕骨表面414を視認して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が上腕骨表面414上に完全に納められたことを確実にし得る。
【0121】
インプラント挿入工具580のコンポーネント(即ち、その本体582及びロックねじ588)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。別の実施形態では、インプラント挿入工具580は、単一のモノリシックコンポーネントとして形成されてもよい。そのような実施形態では、インプラント挿入工具580は、インプラント上に螺入され、又は、インプラント上に螺入されるために打ち込みハンドル上に留められてもよい。別の実施形態では、インプラント挿入工具580は、D形状の推進ソケットを包囲する接続カラーを含んでもよい。したがって、D形状の推進ソケット630は、接続カラーに対して回転可能であってもよい。
【0122】
ここで
図39及び40を参照すると、インプラント挿入工具620の別の実施形態が示されている。インプラント挿入工具620は、ステムレス上腕骨コンポーネント10に固定されて、患者の外科的に準備された上腕骨表面内414へのステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みを容易にし得る。インプラント挿入工具620は幾分リング形状の本体622を含み、本体622は、その本体622の上部部分を通して延びる上部穴624と、その本体622の下部部分を通して延びる下部穴626とを有する。2つの穴624、626は、互いに同軸である(即ち、それらは、共通の中心軸線を共有する)。ロックロッド628は、穴624、626内に捕捉されている。そのような配置では、ロックロッド628は穴624、626内にて自由に回転するが、穴624、626から除去されることが防止される(即ち、インプラント挿入工具の本体622から除去可能ではない)。
【0123】
D形状の推進ソケット630は、その反対側の遠位端に形成されるいくつかのロックネジ山632をともなって、ロックロッド628の近位端内に形成される。ねじ632は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36内に形成されたねじ付き穴48の相補的なねじ50内に受容されるサイズを有する(
図5参照)。D形状の推進ソケット630は、打ち込みハンドル80の取り付け機構86のD形状の接続ピン104を受容する寸法、形状及び配置を有する(
図6参照)。
【0124】
図39及び40から明かなように、インプラント挿入工具620のリング形状の本体622はロックロッド628のD形状の推進ソケット630を包囲する接続カラー634を含む。したがって、ロックロッド628のD形状の推進ソケット630は、インプラント挿入工具のリング形状の本体622の接続カラー634に対して回転可能である。接続カラー634の外側面は、内部に形成された数個のラチェットスロット636を有する。ラチェットスロット636の一方の末端部638は、その他方の末端部640よりも広く、それによりラチェットスロット636に略L形状の構成を与えるラチェットスロット636の狭い末端部640を画定する側壁642は、斜面形状又は別様に傾斜したカム表面644を画定する一方、ラチェットスロット636の広い末端部638を画定する側壁646は、垂直停止面648を画定する。打ち込みハンドルの接続ピン104がインプラント挿入工具のD形状の推進ソケット630内に挿入された際、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102(
図6、7参照)がラチェットスロット636の1つ内に配置される。ラチェットスロット636の構成は、インプラント挿入工具620のリング形状の本体622に対する打ち込みハンドル80(ひいてはロックロッド628)の一方向(例えば時計回り)の回転を可能にするが、反対方向(例えば反時計回り)の回転を防止する。詳細には、リング形状の本体622に対する打ち込みハンドル80(ひいてはロックロッド628)の時計回り方向の回転は、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102の前縁(
図6、7参照)を、ロック歯止め102が捕捉されるラチェットスロット636の狭い末端部630を画定する斜面形状のカム表面644と接触させる。時計回りを継続すると、ロック歯止め102が斜面形状のカム表面644を上部に進み(ばね打ち込みハンドルの110のばね付勢が克服されるとき)、ラチェットスロット636の外部に出る。ロック歯止め102は、ロック歯止め102が丁度退出したラチェットスロットに隣接するラチェットスロット636の垂直停止面648をロック歯止め102の後縁が通り過ぎるまで(その時点で、ばね打ち込みハンドルの110ばね付勢は、ロック歯止め102をラチェットスロット636内へと下方に追い立てる)、2つの隣接するラチェットスロット636の間の、接続カラー634の外側面上を進んでいる。
【0125】
逆に、リング形状の本体622に対する打ち込みハンドル80(ひいてはロックロッド628)の反時計回り方向の回転は、打ち込みハンドルの取り付け機構86のロック歯止め102の前縁(
図6、7参照)を、ロック歯止め102が捕捉されるラチェットスロット636の広い末端部638を画定する、ラチェットスロット636の垂直停止面648と接触させる。垂直停止面648とのそのような接触は、リング形状の本体622に対する打ち込みハンドル80(ひいてはロックロッド628)の反時計回り方向の更なる回転を防止する。
【0126】
リング形状の本体622に対する打ち込みハンドル80(ひいてはロックロッド628)のそのようなラチェットタイプの時計回りは、ステムレス上腕骨コンポーネント10をインプラント挿入工具620に固定するのに使用される。詳細には、打ち込みハンドル80がインプラント挿入工具620上に取り付けられ、回転された際、ロックロッドのねじ632が同様に回転する。一方向(例えば時計回り)の回転は、インプラント挿入工具580をステムレス上腕骨コンポーネント10に締め付け、ひいては固定し得る。反対方向(例えば反時計回り)の回転は、インプラント挿入工具620をステムレス上腕骨コンポーネント10から緩め、ひいては切り離すのに使用される。そのような反時計回りを実行するために、外科医は打ち込みハンドルのレバー94の作動アーム98を押し込み及び押下することにより、打ち込みハンドルのロック歯止め102をインプラント挿入工具620のラチェットスロット636から外部へ持ち上げ得る。
【0127】
ロックロッド628のねじ632の付近の、インプラント挿入工具のリング形状の本体622の末端部には、アライメントカラー652が形成されている。アライメントカラー652は、インプラント挿入工具の本体622の遠位端654内に形成された環状フランジとして具現化される。アライメントカラー652は、その下面658から下方に延びる数個の突出部又はアライメントキー656を有する。
図40から明かなように、アライメントキー656は、ステムレス上腕骨コンポーネント10内に形成された視認窓30内に受容されるサイズ、形状及び位置を有する。アライメントキー656が視認窓30内に配置されると、インプラント挿入工具のロックロッド628の回転中、ステムレス上腕骨コンポーネント10はインプラント挿入工具620に対して回転することが防止され、それによりインプラント挿入工具のねじ632がステムレス上腕骨コンポーネントのねじ50に係合(又は係合解除)することを可能にする。
【0128】
図33にて上記に記載したものと類似した方法で、外科医は、インプラント挿入工具620を打ち込みハンドル80に固定した後、ステムレス上腕骨インプラント10をインプラント挿入工具620に固定する。次いで外科医は、打ち込みハンドル80を使用して、ステムレス上腕骨コンポーネントの脚16及び細長いスリーブ36を、外科的に切除された上腕骨表面414内に形成された穿孔416及び窪み418/ドリル孔422に整列する。そのような方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10を穿孔416及び窪み418内に配置した後、外科医は、外科用槌、大ハンマー、又は他の打ち込み工具を用いて、打ち込みハンドル80の金属プレート90を殴打して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が患者の外科的に切除された平面状の上腕骨表面414上に完全に納まるまで、ステムレス上腕骨コンポーネント10を骨組織内に推進する。外科医は、視認窓30を使用して、外科的に切除された上腕骨表面414を視認して、ステムレス上腕骨コンポーネント10が上腕骨表面414上に完全に納められたことを確実にし得る。
【0129】
インプラント挿入工具620(即ち、その本体622及びロックロッド628)のコンポーネントは、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0130】
ここで
図41及び42を参照すると、患者の上腕骨頭部を切除する、骨鋸刃の前進を案内する切断ガイドとして使用され得る頭部切除ガイド670の別の実施形態が示されている。
図17〜19に関して上記に記載した頭部切除ガイド290とは異なり、頭部切除ガイド670は、調整不可能であるが、所定の患者の必要性に適合する数個の様々なサイズ(即ち、様々な直径)で提供される。頭部切除ガイド670は略矩形形状の基部672を含み、基部672は、基部672に固定された円形リング674を有する。リング674は、基部672から外方向に延び、円形開口部676を画定している。下記により詳細に記載するように、患者の上腕骨頭部は、上腕骨頭部の切除中、開口部676内に捕捉される。
【0131】
頭部切除ガイド670はコネクタ678を有し、コネクタ678は、アライメントハンドル120の取り付け機構126により係合されて、頭部切除ガイド670をアライメントハンドル120に固定することができる。コネクタ678は、内部に形成されたキー孔形状の開口部680を有する。キー孔開口部680は、アライメントハンドルの本体122の遠位端内に形成されたキーイングピン144を受容するサイズ及び形状を有する。コネクタ678は、内部に形成されたチャネル682も有する。チャネル682の長さに沿ってアンダーカット684が形成されている。アンダーカット684は、チャネル682の頂部に配置され、かつチャネル682内に外方向に延びるリップ686の形態をとる。リップ686は、アライメントハンドルの取り付け機構126のロック歯止め142(
図8、9参照)により係合されて、頭部切除ガイド670をアライメントハンドル120に固定する。
【0132】
頭部切除ガイドの基部672は、内部に形成された数個のピン孔692を有する。より詳細に述べるように、外科用ピンはピン孔692を通して挿入されて、患者の天然上腕骨頭部の切除中、頭部切除ガイド670を患者の上腕骨に固定し得る。
【0133】
図42から明かなように、基部672及びリング674の両方は、患者の天然上腕骨頭部を切除する、骨鋸刃を案内するための切断ガイド表面を画定するように協働する平面状の表面を含む。詳細には、基部672は、リング674の平面状の後側ガイド表面696と同一平面上の関係で整列する平面状の前側ガイド表面694を含む。上述したように、本明細書に記載した例示的な実施形態では、頭部切除ガイド670は、モノリシック構造として具現化される。したがって、2つのガイド表面694、696は、患者の天然上腕骨頭部を切除する切断操作中、その上部に骨鋸刃が支持(即ち、案内)され得る切断表面を集合的に画定する共通の表面として具現化される。
【0134】
使用時、外科医は、アライメントハンドルの本体122の遠位端内に形成されたキーイングピン144を、頭部切除ガイドのコネクタ678のキー孔開口部680内に挿入することにより、頭部切除ガイド670をアライメントハンドル120に取り付ける。そのようにして、コネクタのリップ686は、アライメントハンドルの取り付け機構126のロック歯止め142(
図8、9参照)により係合されて、頭部切除ガイド670をアライメントハンドル120に固定する。
【0135】
図26に関連して上述したものと同様の方法で、外科医は、次いで頭部切除ガイド670を切断ガイドとして使用して、患者の上腕骨頭部402の外科的切除を容易にする。それを行うために、外科医はアライメントハンドル120を使用して、リング674の後側部分702が患者の回旋腱板の後側腱板挿入部位上に載るように、頭部切除ガイド670を患者の上腕骨頭部402の周囲に配置する。そのようにすることは、頭部切除中、後側回旋腱板を保護し、案内を正確な高さ及び傾斜(version)にて配置する段階として機能する。次いで外科医は、基部672の前側ガイド表面694を、所望の切除角度及び高さにて患者の上腕骨400の前側面404に接して配置する。次いで外科医は、基部の前側面を前側面404に対して、及び前側ガイド表面694を関節縁に対して任意の必要な微調整を行って、所望の切除角度及び高さを最終決定してもよい。その後、外科医は、外科用ピン406をピン孔692のそれぞれに通して挿入して(
図26参照)、頭部切除ガイド670を患者の上腕骨400に固定して、前側ガイド表面694をその所望の位置に維持してもよい。定位置に固定した後、外科医はアライメントハンドル120を頭部切除ガイド670から外す。
【0136】
図26に関連して上述したものと同様に、外科医は、次いで振動動力鋸408等の骨鋸を操作して患者の上腕骨頭部402を切除する。それを行うために、外科医は動力鋸408の鋸刃410を頭部切除ガイドの基部672の平面状の前側ガイド表面694上に配置する。次いで外科医は、振動動力鋸408を作動させ、鋸408が後方に進み、患者の上腕骨400の前側面404と接触するように鋸408上に圧力を適用する。鋸刃410が後方に進み、上腕骨400の前側面404と接触し、その後、その中央部分を通して、その後側面412に向かう方向に前進するとき、骨鋸408の振動が上腕骨頭部402の骨組織を擦過する。
【0137】
外科医は、鋸刃410が骨を退出するまで、動力鋸408の後方の進行を継続する。詳細には、外科医は、その刃410の遠位端が上腕骨頭部402の後側面412を越えるまで、骨鋸408の操作を継続する。骨の後側面412を退出した後、鋸刃410はリング674の後側ガイド表面696により支持及び案内される。そのような方法で、リング674の後側ガイド表面696は、鋸刃410が患者の後側回旋腱板に接触することを防止する。鋸刃410が骨を退出し、リング674の後側ガイド表面696上に前進した後、外科医は骨鋸408を停止させ、次いで、その後患者の上腕骨頭部402の切除部分を持ち上げてもよい。
【0138】
頭部切除ガイド670は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0139】
ここで
図43及び44を参照すると、ステムレス上腕骨コンポーネント10の別の実施形態が示されている。
図43及び44に示される実施形態のいくつかの特徴は、
図1〜
図5の実施形態を参照して上記に述べたものと実質的に同様である。そのような特徴は、
図43、44で使用したものと同じ参照符合を用いて
図1〜5で示されている。本質的に、
図43、44の実施形態は、いくつかの例外を有して
図1〜5の実施形態と実質的に同一である。例えば、縫合孔26は、
図43及び44のステムレス上腕骨コンポーネントから除去されている。そのような場合、外科医は、除去された縫合孔26の代わりに視認窓30を使用して、骨ウェハ又は軟組織をステムレス上腕骨コンポーネント10に縫合してもよい。そのような視認窓30の使用に適応させるために、ステムレス上腕骨コンポーネントの支持フランジ14の、視認窓30を画定する縁は、丸くてもよい。
【0140】
ここで
図45、46を参照すると、サイジング器具160の別の実施形態が示されている。
図45、46に示される実施形態のいくつかの特徴は、
図10、11の実施形態を参照して上記に述べたものと実質的に同様である。そのような特徴は、
図45、46で使用したものと同じ参照符合を用いて
図10、11で示されている。本質的に、
図45、46の実施形態は、いくつかの例外を有して
図10、11の実施形態と実質的に同一である。例えば、視認窓180は
図45、46のサイジング器具160から除去されている。
【0141】
更に、穿孔ガイド孔170の形状が変更されている。詳細には、穿孔ガイド孔170は、
図45、46に示すサイジング器具160の実施形態では、実質的にT形状である。そのような方法で、穿孔ガイド孔170の形状は、外科用穿孔装置240のT形状歯252の形状により密接に対応する。
【0142】
加えて、
図45、46に示すサイジング器具160の実施形態では、コネクタ182の形状が変更されている。そのような変化に適応するように、アライメントハンドル120の取り付け機構126も変更されて、サイジング器具160をそこに固定してもよい。
【0143】
ここで
図47を参照すると、外科用穿孔装置240の別の実施形態が示されている。
図47に例示される実施形態のいくつかの特徴は、
図14の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような機能は、
図47では、
図14で使用したものと同じ参照符合を用いて示している。本質的に、
図47の実施形態は、いくつかの例外を有して
図15の実施形態と実質的に同一である。例えば、中心スパイク262は
図47の外科用穿孔装置240から除去されている。そのような場合、外科医は、上述した方法で、中心ドリル270を使用して、ステムレス上腕骨コンポーネント10の細長いスリーブ36を収容する孔を、患者の外科的に準備された上腕骨内にドリルしてもよい。
【0144】
更に、ストラット268が除去されているため、歯252が外科用穿孔装置の本体242内により一体的に形成されている。加えて、外科用穿孔装置の接続ソケット260及び接続チャネル246の形状は、
図47に示す外科用穿孔装置240の実施形態では変更されている。そのような変化に適応するように、衝撃ハンドル80の取り付け機構86も変更されて外科用穿孔装置240をそこに固定してもよい。
【0145】
更に、
図47から明かなように、歯252のリブ256のそれぞれの近位端266(即ち、穿孔装置のシャフト244に固定された末端部)は、各リブ256の反対側の遠位端288よりも広い。したがって、患者の外科的に準備された上腕骨内に形成された穿孔の対応する形状は、その盲端よりもその解放端にて広い。そのような拡大した開口部は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の片持ち脚16の挿入を容易にする。
【0146】
ここで
図48を参照すると、インプラント挿入工具540の別の実施形態が示されている。
図48に例示される実施形態のいくつかの特徴は、
図37の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような機能は、
図48では、
図37で使用したものと同じ参照符合を用いて示している。本質的に、
図48の実施形態は、いくつかの例外を有して、
図37の実施形態と実質的に同一である。例えば、ノブ552のサイズは、外科医による使用を容易にするために、
図48の実施形態よりも大きい。更に、インプラント挿入工具の把持部は、工具の本体542に被覆成型されている。
【0147】
ここで
図49〜52を参照すると、ステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みに先だって、患者の外科的に準備された上腕骨表面を予備ドリルするのに使用され得るドリルガイド710が示されている。そのような場合、外科医は続いて、ステムレス上腕骨コンポーネント10の埋め込みに先だって、上記に記載した方法で(即ち、そのような予備ドリルの後、外科用穿孔装置240を使用して)、患者の外科的に準備された上腕骨表面を穿孔することを選び得る。代替的に、外科医は、穿孔手技の代わりに、患者の外科的に準備された上腕骨表面をドリルしてもよい。
【0148】
上述したように、ステムレス上腕骨コンポーネント10は、所定の患者の必要性に適合するために、様々なサイズ(即ち、直径)で提供されてもよい。例えば、ステムレス上腕骨コンポーネント10は、9個の異なるサイズで提供されてもよい。そのような異なるサイズのコンポーネント10のそれぞれは、異なる厚さ及び長さの脚を有する。したがって、異なるサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10のそれぞれに個別のドリルガイドが使用された場合、多数の異なるサイズのドリルガイドが必要となる(例えば、9個の異なるサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10用に9個の異なるサイズのドリルガイドが必要となる)。更に、より小さいサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10のための過剰に厚いドリルガイドを回避するために、多数の異なるドリルサイズが必要であり得る。下記により詳細に記載するように、ドリルガイド710は、そのような異なるサイズのドリルガイド及びドリルの必要性を回避する。
【0149】
ドリルガイド710は本体712を含み、本体712は、略平面状の下面714と、反対側の段状の上面716とを有する。
図49から明かなように、段状の上面716は螺旋形状であり、段があり、複数の個別の略平面状のドリル停止面718を含む。ドリル停止面718のそれぞれは、ドリルガイドの本体712の下面714から異なる長さで離間されている。その結果、ドリルガイドの本体712は、異なるドリル停止面718のそれぞれに対応する位置で、異なる厚さを有する。
【0150】
図49及び50から明かなように、ドリル停止面718のそれぞれは、内部に形成された数個のガイド穴730を有する。ガイド穴730は、患者の外科的に準備された上腕骨表面の穿孔中、周辺ドリルビット272を案内するように構成されている。したがって、ガイド穴730のそれぞれは、ガイド本体712の全厚を通して延びる。換言すれば、ガイド穴730のそれぞれの一方の末端部はドリル停止面718へと通じ、他方の末端部は下面714へと通じている。上述したように、周辺ドリルビット272のカラー284は、ドリルビット272が外科的に準備された孔を所望の深さにドリルすることを確実にする深さ停止部として機能する。したがって、周辺ドリルビット272は、カラー284の下面286が底に達し、又は別様に、選択されたドリル停止面718に係合するまで、ガイド穴730の1つを通して骨組織内に前進され得る。
【0151】
ドリル停止面718のそれぞれは、異なるサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10に対応する。例えば、螺旋形状の段状の上面716の「底部」端722におけるドリル停止面720は、最大のサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10に対応し、螺旋形状の段状の上面716の「頂部」端726におけるドリル停止面724は、最小のサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10に対応する。残りのドリル停止面718は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の残りのサイズに対応し、対応するコンポーネント10のサイズは、段状の上面716に沿って、その頂部端726からその底部端722の方向へ増大する。
【0152】
ドリル停止面718のそれぞれは、ドリルガイドの本体712の下面714から異なる長さで離間しているため、外科医がどのドリル停止面718を使用するかに応じて、周辺ドリルビット272は、患者の外科的に準備された上腕骨表面を異なる深さで穿孔するであろう。例えば、ドリルビット272のカラー284は、より低い位置のドリル停止面720上に達する場合よりも早く、ドリル停止面724上に達するため、外科医が螺旋形状の段状の上面716の「頂部」端726におけるドリル停止面724のガイド孔730を使用する場合、外科医が螺旋形状の段状の上面716の「底部」端722におけるドリル停止面720のガイド孔730を使用する場合よりも浅いドリル孔が生成されるであろう。したがって、ドリルビット272は、ドリル停止面718において、段状の上面716に沿ってその頂部端726からその底部端722の方向で、より深く漸進的にドリルするであろう。
【0153】
図50及び51から明かなように、ドリル停止面718のそれぞれのガイド穴730は、残りのドリル停止面718に対して独特の孔パターンで配置されている。例えば、最大のサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10に対応する、螺旋形状の段状の上面716の「底部」端722におけるドリル停止面720は、比較的大きい孔パターンを有し(即ち、ガイド穴730は、他の孔パターンよりも大きく広がり)、一方、最小のサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10に対応する螺旋形状の段状の上面716の「頂部」端726におけるドリル停止面724は、比較的小さい孔パターンを有する(即ち、ガイド穴730は、他の孔パターンよりも小さく纏まっている)。そのような方法で、孔パターンは、異なるサイズのステムレス上腕骨コンポーネント10の片持ち脚16のサイズに対応し、より大きい孔パターンは、より大きいコンポーネント脚16に対応し、より小さい孔パターンは、より小さいコンポーネント脚16に対応する。即ち、ドリル停止面718は、ステムレス上腕骨コンポーネント10のサイズに対応し、対応するコンポーネント10のサイズは、段状の上面716に沿って、その頂部端726からその底部端722の方向へ増大する。
【0154】
図49及び51から明かなように、ガイド本体712は、その下面714に固定され、下面714から下方に延びる細長いボス732を有する。細長いボス732は、サイジング器具160の細長い穴168内に受容されて、そこに固定ドリルガイド710を固定するように構成されている。細長い把持部734は、段状の上面716に固定され、上面716から上方に延びる。把持部734は、内部に形成された数個の溝736を有し、外科医がドリルガイド710を把握するのに使用される。
【0155】
図51に示すように、ガイド本体712は、その下面714内に形成された数個のアライメントキー738を有する。アライメントキー738は、サイジング器具の細長い穴168(
図52参照)の側壁内に形成された数個のアライメントスロット740内に受容されて、適したドリル停止面718をサイジング器具160の正確なサイズと関連付ける。詳細には、異なるサイズのサイジング器具160のそれぞれのアライメントスロット740は、特定のサイジング器具160に独特な環状位置に配置されている(即ち、異なるサイズのサイジング器具のそれぞれは、独特のスロット構成を有する)。ドリルガイド710のアライメントキー738を独特な配置のアライメントスロット740内に前進させた際、サイジング器具160の特定のサイズに対応する、適切なドリル停止面718をサイジング器具のガイド穿孔170の1つの上に配置することにより、ドリルガイド710の段状の上面716が、特定のサイズサイジング器具160に「キーイング」されるであろう。
【0156】
本明細書に記載した他の器具と同様、ドリルガイド710はステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタン等の生体適合性金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。ドリルガイド710は、ポリマー器具としても具現化され得る。したがって、ドリルガイド710は、ポリエチルエチルケトン(PEEK)等の任意の好適な医療等級の高分子材料で作製されてもよい。そのような実施形態において、ポリマードリルガイド710は、ドリルガイド穴730内に配置された金属性インサート(例えば、スリーブ)を含み得る。
【0157】
操作中、外科医は、ドリルガイド710を使用して、患者の外科的に準備された上腕骨表面内に数個の孔をドリルしてもよい。それを行うために、外科医は、最初に、上記に記載した方法で、患者の上腕骨内に埋め込むステムレス上腕骨コンポーネント10のサイズを選択する。そのような選択は、術前に行われ、又は、サイジング器具160の使用に基づく術中の変化の結果として行われてもよい。次いで外科医は、
図27に関して上記に記載した方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10の選択されたサイズに対応するサイジング器具160を、患者の上腕骨の外科的に準備された表面に固定する。
【0158】
次いで外科医は、ステムレス上腕骨コンポーネント10の選択されたサイズに対応するドリルガイド710のドリル停止面718を、ドリルガイドの段状の上面716内に形成された複数のドリル停止面718から選択する。次いで外科医は、ドリルガイドの細長いボス732をサイジング器具160の細長い穴168内に前進させることにより、ドリルガイド710をサイジング器具160に取り付け得る。そのような前進中、ドリルガイド710のアライメントキー738を、サイジング器具160の独特な配置のアライメントスロット740内に前進させることにより、選択されたサイジング器具160の特定のサイズに対応するドリル停止面718を、サイジング器具のガイド穿孔170の1つの上に配置させる。
【0159】
次いで外科医は、ドリルのカラー284が底に達し又は別様に、選択されたドリル停止面718に係合するまで、周辺ドリル272を、選択されたドリル停止面718のガイド穴730のそれぞれを通して、骨組織内に前進させ得る。次いで外科医は、選択されたドリル停止面718が、残りのサイジング器具160の穿孔ガイド孔170の異なる1つの上に配置されるように、ドリルガイド710を回転させ得る。その後、外科医は、周辺ドリル272をガイド穴730のそれぞれを通して前進させ、残りの穿孔ガイド孔170のそれぞれにてプロセスを繰り返す。
【0160】
次いで外科医は、
図29に関して上記に記載したものと類似した方法で、外科用穿孔装置240を使用して、患者の上腕骨の、目下予備穿孔された外科的に準備された表面を穿孔し、その後、
図33に関して上記に記載したものと類似した方法で、ステムレス上腕骨コンポーネント10を埋め込み得る。代替的に、外科医は、最初に外科用穿孔装置240を使用することなく、ステムレス上腕骨コンポーネント10を、ドリルされた、患者の上腕骨の外科的に準備された表面内に埋め込んでもよい。
【0161】
図面及び上述の記載において本開示を詳細に例証し記載してきたが、かかる例証及び記載は、特性を制限するものではなく例示として見なされるものとし、単なる例示の実施形態が図示され記載されており、本開示の趣旨の範囲内にある全ての変更及び修正が保護されることを望むものであることを理解されたい。
【0162】
本明細書に記載される装置、システム、及び方法の様々な特徴から派生する、本開示の複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替実施形態は、記載された特徴の全てを含まないことがあり、それでも依然として、かかる特徴の利点の少なくともいくつかから利益を得ることに留意されたい。当業者であれば、本発明の特徴の1つ以上を組み込んだ、かつ本開示の趣旨及び範囲内にある装置、システム、及び方法について、独自の実現例を容易に考案してもよい。
【0163】
〔実施の態様〕
(1) 患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換するための整形外科用肩関節プロテーゼであって、
(i)略半球形の支持面と、(ii)前記支持面の反対側の後側面と、(iii)前記後側面から離れて外側に延びるテーパー状の柱と、を含む上腕骨頭部コンポーネントと、
(i)円形フランジと、(ii)前記円形フランジの底面に固定され、かつ前記底面から離れて外側に延びる細長いスリーブであって、前記細長いスリーブが、前記上腕骨頭部コンポーネントの前記テーパー状の柱を受容するように構成された、内部に形成されたテーパー状の穴を有する、細長いスリーブと、(iii)前記円形フランジの前記底面から離れて、前記細長いスリーブと同一の方向に、外側に延びる数個の片持ち脚であって、前記片持ち脚のそれぞれが、前記円形フランジの前記底面に固定された、前記片持ち脚の一方の末端部を有する、片持ち脚と、を含むステムレス上腕骨コンポーネントと、
を含む、肩関節プロテーゼ。
(2) 前記片持ち脚のそれぞれの第2の末端部が、他の片持ち脚及び前記細長いスリーブの両方から離間されている、実施態様1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(3) 前記片持ち脚のそれぞれが、内部に形成された複数の鋸歯を有する骨係合プレートを含む、実施態様1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(4) 前記複数の鋸歯のそれぞれが、前記円形フランジに向かう方向にて上方に傾斜されている、実施態様3に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(5) 前記片持ち脚のそれぞれが、更に、前記骨係合プレートに固定され、かつ前記骨係合プレートから、前記細長いスリーブに向かう方向にて内方向に延びる細長いリブを含む、実施態様3に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
【0164】
(6) 前記円形フランジが、内部に形成された数個の補正スロットを有し、
前記補正スロットのそれぞれが、前記円形フランジ上において、前記片持ち脚の1つの上方で、前記片持ち脚の1つから径方向外側の位置に配置されている、実施態様1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(7) 前記細長いスリーブが、内部に形成されたねじ付き穴を有し、
前記ねじ付き穴が、前記細長いスリーブの遠位端から離れて内側に延び、前記テーパー状の穴へと通じている、実施態様1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(8) 前記円形フランジが、前記細長いスリーブと前記数個の片持ち脚との間において径方向位置に、内部に形成された数個の視認窓を有する、実施態様1に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(9) 患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換するための整形外科用肩関節プロテーゼであって、
(i)略半球形の支持面と、(ii)前記支持面の反対側の後側面と、(iii)前記後側面から離れて外側に延びるテーパー状の柱と、を含む上腕骨頭部コンポーネントと、
(i)円形フランジと、(ii)前記円形フランジの底面に固定されて、前記底面から離れて外側に延びる細長いスリーブであって、前記細長いスリーブが、前記上腕骨頭部コンポーネントの前記テーパー状の柱を受容するように構成された、内部に形成されたテーパー状の穴を有する、細長いスリーブと、(iii)前記円形フランジの前記底面から離れて、前記細長いスリーブと同一の方向に、外側に延びる数個の片持ち脚と、を含むステムレス上腕骨コンポーネントと、
を含み、
前記片持ち脚のそれぞれが、(i)前記細長いスリーブから外方向に向いた第1の側を有する骨係合プレートと、(ii)前記骨係合プレートの、反対側の第2の側に固定され、前記骨係合プレートから内方向に、前記細長いスリーブに向かう方向に延びる、細長いリブと、を含む、肩関節プロテーゼ。
(10) 前記片持ち脚のそれぞれの一方の末端部が、前記円形フランジの前記底面に固定され、
前記片持ち脚のそれぞれの第2の末端部が、他の片持ち脚及び前記細長いスリーブの両方から離間されている、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
【0165】
(11) 前記片持ち脚のそれぞれの前記骨係合プレートの前記第1の側が、内部に形成された複数の鋸歯を有する、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(12) 前記複数の鋸歯のそれぞれが、前記円形フランジに向かう方向にて上方に傾斜されている、実施態様11に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(13) 前記円形フランジが、内部に形成された数個の補正スロットを有し、
前記補正スロットのそれぞれが、前記円形フランジ上において、前記片持ち脚の1つの上方で、前記片持ち脚の1つから径方向外側の位置に配置されている、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(14) 前記細長いスリーブが、内部に形成されたねじ付き穴を有し、
前記ねじ付き穴が、前記細長いスリーブの遠位端から離れて内側に延び、前記テーパー状の穴へと通じている、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(15) 前記円形フランジが、前記細長いスリーブと前記数個の片持ち脚との間において径方向位置に、内部に形成された数個の視認窓を有する、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
【0166】
(16) 前記細長いリブが、前記複数の片持ち脚のそれぞれの前記骨係合プレートの前記第2の側から離れて直角に延びる、実施態様9に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(17) 患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換するための整形外科用肩関節プロテーゼであって、
(i)円形フランジと、(ii)前記円形フランジの底面に固定され、かつ前記底面から離れて外側に延びる細長いスリーブであって、前記細長いスリーブが、上腕骨頭部コンポーネントのテーパー状の柱を受容するように構成された、内部に形成されたテーパー状の穴を有する、細長いスリーブと、(iii)前記円形フランジの前記底面から離れて、前記細長いスリーブと同一の方向に、外側に延びる数個の片持ち脚と、を含むステムレス上腕骨コンポーネントを含み、
前記片持ち脚のそれぞれが、(i)前記細長いスリーブから外方向に向いた第1の側を有する骨係合プレートと、(ii)前記骨係合プレートの、反対側の第2の側に固定され、前記骨係合プレートから内方向に、前記細長いスリーブに向かう方向に延びる、細長いリブと、を含む、肩関節プロテーゼ。
(18) 前記片持ち脚のそれぞれの一方の末端部が、前記円形フランジの前記底面に固定され、
前記片持ち脚のそれぞれの第2の末端部が、他の片持ち脚及び前記細長いスリーブの両方から離間されている、実施態様17に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(19) 前記片持ち脚のそれぞれの前記骨係合プレートの前記第1の側が、内部に形成された複数の鋸歯を有する、実施態様17に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(20) 前記複数の鋸歯のそれぞれが、前記円形フランジに向かう方向にて上方に傾斜されている、実施態様19に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
【0167】
(21) 前記円形フランジが、内部に形成された数個の補正スロットを有し、
前記補正スロットのそれぞれが、前記円形フランジ上において、前記片持ち脚の1つの上方で、前記片持ち脚の1つから径方向外側の位置に配置されている、実施態様17に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(22) 前記細長いスリーブが、内部に形成されたねじ付き穴を有し、
前記ねじ付き穴が、前記細長いスリーブの遠位端から離れて内側に延び、前記テーパー状の穴へと通じている、実施態様17に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(23) 前記円形フランジが、前記細長いスリーブと前記数個の片持ち脚との間において径方向位置に、内部に形成された数個の視認窓を有する、実施態様17に記載の整形外科用肩関節プロテーゼ。
(24) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具アセンブリーであって、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の脚を受容する孔を、前記患者の上腕骨内にあけるように構成された外科用穿孔装置であって、数個の歯を含む、外科用穿孔装置と、
内部に形成された数個の穿孔ガイド孔を有する略丸い本体を有するサイジング器具であって、前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、前記外科用穿孔装置の前記歯の1つと整列する位置に配置されている、サイジング器具と、
を含む、外科用器具アセンブリー。
(25) 前記サイジング器具が、上面及び下面を有し、
前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、前記上面から前記下面に延び、
前記サイジング器具が、更に、前記サイジング器具の下面から下方に延びる数個の骨係合スパイクを含む、実施態様24に記載の外科用器具アセンブリー。
【0168】
(26) 前記外科用穿孔装置の前記歯のそれぞれが、前記歯の長手方向軸線と直交する方向で見た際、略T形状である、実施態様24に記載の外科用器具アセンブリー。
(27) 前記サイジング器具の前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、略T形状である、実施態様26に記載の外科用器具アセンブリー。
(28) 前記サイジング器具の前記丸い本体が、平坦な上面と、平面状の反対側の下面とを有する略ドーム形状であり、
細長いドリルガイド穴が、前記サイジング器具の中心を通して、前記上面から前記下面に延びる、実施態様24に記載の外科用器具アセンブリー。
(29) 更に、試用頭部コンポーネントを含み、
前記試用頭部コンポーネントが、(i)略半球形の試用支持面と、(ii)前記試用支持面の反対側の下側面と、(iii)前記下側面から離れて外側に延びる中心突起と、を含み、
前記中心突起が前記ドリルガイド穴内に挿入された際、前記中心突起が前記サイジング器具に摩擦固定されるように構成されている、実施態様28に記載の外科用器具アセンブリー。
(30) 更に、前記患者の上腕骨内に、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの細長いスリーブを受容する孔を外科的にドリルするように構成されている中心ドリルビットを含み、前記中心ドリルビットが、
切断先端を有する切断ヘッドであって、複数の螺旋状切断溝が前記切断先端から延びる、切断ヘッドと、
前記切断先端の反対側の、前記切断ヘッドの末端部に配置された環状カラーであって、前記カラーが、前記サイジング器具の前記ドリルガイド穴の直径よりも大きい外径を有して、前記環状カラーが前記サイジング器具の前記平坦な上面に係合した際、深さ停止部として機能する、環状カラーと、
を含む、実施態様28に記載の外科用器具アセンブリー。
【0169】
(31) 前記外科用穿孔装置が、更に、前記外科用穿孔装置を打ち込みハンドルに固定するように構成されているコネクタを含み、
前記サイジング器具が、更に、前記サイジング器具をアライメントハンドルに固定するように構成されているコネクタを含む、実施態様24に記載の外科用器具アセンブリー。
(32) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具であって、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の脚を受容する孔を、前記患者の上腕骨内にあけるように構成されている外科用穿孔装置であって、前記外科用穿孔装置が、数個の片持ち歯を含み、前記外科用穿孔装置の前記数個の片持ち歯のそれぞれが、前記歯の長手方向軸線に直交する方向で見た場合、略T形状である、外科用穿孔装置、
を含む、外科用器具。
(33) 前記数個の片持ち歯のそれぞれの遠位端が、他の数個の片持ち歯のそれぞれから離間されている、実施態様32に記載の外科用器具。
(34) 前記数個の片持ち歯のそれぞれが、
前記外科用穿孔装置の前記長手方向軸線から外方向に向いた第1の側を有する骨成形プレートと、
前記骨成形プレートの、反対側の第2の側に固定され、前記骨成形プレートから内方向に、前記外科用穿孔装置の前記長手方向軸線に向かう方向に延びる、細長いリブと、
を含む、実施態様32に記載の外科用器具。
(35) 前記細長いリブの近位端が、前記細長いリブの遠位端よりも広い、実施態様34に記載の外科用器具。
【0170】
(36) 前記外科用穿孔装置が、更に、前記外科用穿孔装置を打ち込みハンドルに固定するように構成されたコネクタを含む、実施態様32に記載の外科用器具。
(37) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具であって、
内部に形成された数個の穿孔ガイド孔を有する略丸い本体を有するサイジング器具であって、前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の脚と整列する位置に配置されている、サイジング器具、
を含む、外科用器具。
(38) 前記サイジング器具が、上面及び下面を有し、
前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、前記上面から前記下面に延び、
前記サイジング器具が、更に、前記サイジング器具の下面から下方に延びる数個の骨係合スパイクを含む、実施態様37に記載の外科用器具。
(39) 前記サイジング器具の前記穿孔ガイド孔のそれぞれが、略T形状である、実施態様37に記載の外科用器具。
(40) 前記サイジング器具の前記丸い本体が、平坦な上面と、平面状の反対側の下面とを有する略ドーム形状であり、
細長いドリルガイド穴が、前記サイジング器具の中心を通して、前記上面から前記下面に延びる、実施態様37に記載の外科用器具。
【0171】
(41) 前記サイジング器具が、更に、前記サイジング器具をアライメントハンドルに固定するように構成されたコネクタを含む、実施態様37に記載の外科用器具。
(42) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具であって、
(i)内部に延びる細長い穴を有する本体と、(ii)前記穴内に捕捉されて、前記本体に対して自由に回転するロックロッドであって、前記ロックロッドの遠位端内に形成された1組のロックねじを有する、ロックロッドと、(iii)アライメントカラーであって、前記アライメントカラーの下面から下方に延びる数個のアライメントキーを有する、アライメントカラーと、を含むインプラント挿入工具を含み、
(i)前記細長い穴の遠位端が、前記アライメントカラーの前記下面へと通じ、(ii)前記ロックねじが、前記細長い穴の前記遠位端を通して延び、前記アライメントカラーの前記アライメントキーの間に配置されている、外科用器具。
(43) 前記インプラント挿入工具が、更に、前記ロックロッドの近位端に固定されたノブを含み、
前記ノブの回転により、前記ロックねじを回転させる、実施態様42に記載の外科用器具。
(44) 前記ノブの上面が金属性衝撃面を含む、実施態様43に記載の外科用器具。
(45) 前記アライメントキーのそれぞれが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の視認窓と整列する位置に配置されている、実施態様42に記載の外科用器具。
【0172】
(46) 前記インプラント挿入工具が、更に、前記細長い本体に固定された把持部を含む、実施態様42に記載の外科用器具。
(47) 前記アライメントカラーが、環状形状である、実施態様42に記載の外科用器具。
(48) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用されるインプラント挿入工具であって、
内部に延びる細長い穴を有する本体と、
前記穴内に捕捉されて、前記本体に対して自由に回転するロックロッドであって、前記ロックロッドの遠位端内に形成された1組のロックねじを有する、ロックロッドと、
ノブであって、その回転により、前記ロックねじを回転させるように、前記ロックロッドの近位端に固定された、ノブと、
アライメントカラーであって、その下面から下方に延びる数個のアライメントキーを有し、(i)前記細長い穴の遠位端が、前記アライメントカラーの前記下面へと通じ、(ii)前記ロックねじが、前記細長い穴の前記遠位端を通して延び、前記アライメントカラーの前記アライメントキーの間に配置されている、アライメントカラーと、
を含む、インプラント挿入工具。
(49) 前記ノブの上面が金属性衝撃面を含む、実施態様48に記載のインプラント挿入工具。
(50) 前記アライメントキーのそれぞれが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の視認窓と整列する位置に配置されている、実施態様48に記載のインプラント挿入工具。
【0173】
(51) 更に、前記細長い本体に固定された把持部を含む、実施態様48に記載のインプラント挿入工具。
(52) 前記アライメントカラーが環状形状である、実施態様48に記載のインプラント挿入工具。
(53) 患者の上腕骨の上腕骨頭部の置換に使用される整形外科用アセンブリーであって、
(i)円形フランジと、(ii)前記円形フランジの底面に固定され、かつ前記底面から離れて外側に延びる細長いスリーブであって、前記細長いスリーブが、上腕骨頭部コンポーネントのテーパー状の柱を受容するように構成された、内部に形成されたテーパー状の穴を有する、細長いスリーブと、(iii)前記円形フランジの前記底面から離れて外側に、前記細長いスリーブと同一の方向に延びる数個の脚と、(iv)前記円形フランジ内において、前記細長いスリーブと前記数個の脚との間にて径方向位置に形成された数個の視認窓と、を含むステムレス上腕骨コンポーネントと、
(i)内部に延びる細長い穴を有する本体と、(ii)前記細長い穴内に捕捉されて前記本体に対して自由に回転するロックロッドであって、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記テーパー状の穴内に受容されるように構成されている1組のロックねじを有する、ロックロッドと、(iii)アライメントカラーであって、その下面から下方に延びる数個のアライメントキーを有し、前記アライメントキーのそれぞれが前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記視認窓と整列する位置に配置されている、アライメントカラーと、を含む、インプラント挿入工具と、
を含む、整形外科用アセンブリー。
(54) 前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記細長いスリーブが、内部に形成されたねじ付き穴を有し、
前記ねじ付き穴が、前記細長いスリーブの遠位端から離れて内側に延び、前記テーパー状の穴へと通じ、
前記ねじ付き穴が、前記インプラント挿入工具の前記ロックねじをねじ切りにより受容する(threadingly receive)サイズを有する、実施態様53に記載の整形外科用アセンブリー。
(55) 前記インプラント挿入工具の前記本体の前記細長い穴の遠位端が、前記アライメントカラーの前記下面へと通じ、
前記インプラント挿入工具の前記ロックねじが、前記細長い穴の前記遠位端を通して延び、前記アライメントカラーの前記アライメントキーの間に配置されている、実施態様53に記載の整形外科用アセンブリー。
【0174】
(56) 前記インプラント挿入工具が、更に、前記ロックロッドの近位端に固定されたノブを含み、
前記ノブの回転により、前記ロックねじを回転させる、実施態様53に記載の整形外科用アセンブリー。
(57) 前記ノブの上面が金属性衝撃面を含む、実施態様56に記載の整形外科用アセンブリー。
(58) 前記インプラント挿入工具が、更に、前記細長い本体に固定された把持部を含む、実施態様53に記載の整形外科用アセンブリー。
(59) 前記アライメントカラーが、環状形状である、実施態様53に記載の整形外科用アセンブリー。
(60) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具であって、
ガイド本体を有するドリルガイドであって、前記ガイド本体が、(i)平面状の下面と(ii)前記下面に固定され、かつ前記下面から下方に延びる細長いボスと、(iii)複数の個別の平面状のドリル停止面を画定する、段状の上面と、を含む、ドリルガイドを含み、
(i)前記段状の上面の前記ドリル停止面のそれぞれが、他のドリル停止面の少なくともいくつかとは異なる距離で前記下面から離間され、(ii)前記ドリル停止面のそれぞれが、内部に形成された数個のドリルガイド孔を有し、前記ドリルガイド孔が、前記ガイド本体を通して延び、前記下面へと通じている、外科用器具。
【0175】
(61) 前記段状の上面が、螺旋形状である、実施態様60に記載の外科用器具。
(62) 前記ガイド本体が、更に、前記段状の上面に固定され、かつ前記段状の上面から上方に延びる細長い把持部を含む、実施態様60に記載の外科用器具。
(63) 前記段状の上面の前記ドリル停止面のそれぞれが、前記他のドリル停止面のそれぞれとは異なる距離で、前記下面から離間されている、実施態様60に記載の外科用器具。
(64) 前記ドリル停止面のそれぞれの前記ドリルガイド孔が、孔パターンに配置され、
前記ドリル停止面のそれぞれの前記孔パターンが、前記他のドリル停止面の前記孔パターンとは異なる、実施態様60に記載の外科用器具。
(65) 前記ガイド本体が、更に、前記下面に固定され、かつ前記下面から下方に延びる数個のアライメントキーを含む、実施態様60に記載の外科用器具。
【0176】
(66) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技中に使用される外科用器具であって、
ドリルガイドであって、(i)平面状の下面と、(ii)前記下面に固定され、かつ前記下面から下方に延びる細長いボスと、(iii)複数の個別の平面状のドリル停止面を含む螺旋形状の上面であって、前記ドリル停止面のそれぞれが、他のドリル停止面の少なくともいくつかとは異なる距離で前記下面から離間され、前記ドリル停止面のそれぞれが、内部に形成された数個のドリルガイド孔を有し、前記ドリルガイド孔が、前記ガイド本体を通して延び、前記下面へと通じている、螺旋形状の上面と、を含む、ドリルガイド、
を含む、外科用器具。
(67) 前記ドリルガイドが、更に、前記螺旋形状の上面に固定され、かつ前記螺旋形状の上面から上方に延びる細長い把持部を含む、実施態様66に記載の外科用器具。
(68) 前記螺旋形状の上面の前記ドリル停止面のそれぞれが、前記他のドリル停止ガイド表面のそれぞれとは異なる距離で、前記下面から離間されている、実施態様66に記載の外科用器具。
(69) 前記ドリル停止面のそれぞれの前記ドリルガイド孔が、孔パターンに配置され、
前記ドリル停止面のそれぞれの前記孔パターンが、前記他のドリル停止面の前記孔パターンとは異なる、実施態様66に記載の外科用器具。
(70) 前記ガイド本体が、更に、前記下面に固定され、かつ前記下面から下方に延びる数個のアライメントキーを含む、実施態様66に記載の外科用器具。
【0177】
(71) ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込んで、患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技を行う方法であって、
前記患者の上腕骨内に埋め込む前記ステムレス上腕骨コンポーネントのサイズを選択することと、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記選択されたサイズに対応するサイジング器具を、前記患者の上腕骨の外科的に準備された表面に固定することであって、前記サイジング器具が、内部に形成された数個の穿孔ガイド孔を有する、ことと、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記選択されたサイズに対応するドリル停止面を、ドリルガイド内に形成された複数のドリル停止面から選択することと、
前記選択されたドリル停止面が、前記サイジング器具内に形成された前記穿孔ガイド孔の1つの上に配置されるように、前記ドリルガイドを前記サイジング器具に取り付けることと、
前記選択されたドリル停止面内に形成された数個のドリルガイド孔を通して、前記患者の上腕骨の前記外科的に準備された表面内にドリルを前進させて、前記表面内に数個のドリル孔を形成することと、
を含む、方法。
(72) 更に、
前記選択されたドリル停止面が、前記サイジング器具内に形成された前記穿孔ガイド孔の異なる1つの上に配置されるように、前記ドリルガイドを回転させることと、
前記選択されたドリル停止面に形成された前記ドリルガイド孔を通して、前記患者の上腕骨の前記外科的に準備された表面内に前記ドリルを前進させて、前記表面内に数個の追加のドリル孔を形成することと、
を含む、実施態様71に記載の方法。
(73) 前記ドリルガイドを前記サイジング器具に取り付けることが、前記ドリルガイドのアライメントキーを前記サイジング器具のアライメントスロット内に挿入することを含む、実施態様71に記載の方法。
(74) 更に、前記サイジング器具内に形成された前記穿孔ガイド孔を通して、前記患者の上腕骨の前記外科的に準備された表面内に形成された前記ドリル孔内に外科用穿孔装置を前進させることを含む、実施態様71に記載の方法。
(75) 患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技を行う方法であって、
前記患者の上腕骨の前記上腕骨頭部を切除して、略平面状の切除された上腕骨表面を形成することと、
前記切除された上腕骨表面にサイジング器具を固定することであって、前記サイジング器具が、内部に形成された数個の穿孔ガイド孔を有する、ことと、
前記サイジング器具内に形成された前記穿孔ガイド孔を通して外科用穿孔装置を前進させて、前記切除された上腕骨表面内に数個の穿孔を形成することと、
ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の片持ち脚が、前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に配置されるように、前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記切除された上腕骨表面内に埋め込むことと、
を含む、方法。
【0178】
(76) 更に、前記サイジング器具内に形成されたガイド穴を通して中心ドリルを前進させて、前記切除された上腕骨表面内にドリル孔を形成することを含み、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込むことが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの細長いスリーブが前記切除された上腕骨表面内に形成された前記ドリル孔内に配置されるように、前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記切除された上腕骨表面内に埋め込むことを含む、実施態様75に記載の方法。
(77) 更に、前記患者の上腕骨内に埋め込む前記ステムレス上腕骨コンポーネントのサイズを選択することを含み、
前記サイジング器具を前記切除された上腕骨表面に固定することが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記選択されたサイズに対応するサイジング器具を、前記切除された上腕骨表面に固定することを含む、実施態様75に記載の方法。
(78) 更に、
前記外科用穿孔装置を前進させる前に、試用頭部コンポーネントを前記サイジング器具に固定することと、
前記試用頭部コンポーネントを用いて、前記患者の肩関節を試用することと、
を含む、実施態様75に記載の方法。
(79) 更に、
上腕骨頭部コンポーネントのテーパー状の柱を、前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴内に挿入することと、
前記上腕骨頭部コンポーネントを打ち込んで、前記上腕骨頭部コンポーネントを前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントにテーパーロックすることと、
を含む、実施態様75に記載の方法。
(80) 前記ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込むことが、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントをインプラント挿入工具に固定することと、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記片持ち脚の末端部が前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に前進するように、前記インプラント挿入工具を配置することと、
前記インプラント挿入工具を打ち込んで、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記片持ち脚を、前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に推進することと、を含む、実施態様75に記載の方法。
【0179】
(81) 前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記インプラント挿入工具に固定することが、
前記インプラント挿入工具の数個のアライメントキーを、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の視認窓内に挿入することと、
前記インプラント挿入工具のロックロッドを、前記ステムレス上腕骨コンポーネントのねじ付き穴内に螺入することと、
を含む、実施態様80に記載の方法。
(82) 前記サイジング器具を前記切除された上腕骨表面に固定することが、前記サイジング器具の数個のスパイクを、前記切除された上腕骨表面内に推進することを含む、実施態様75に記載の方法。
(83) 患者の上腕骨の上腕骨頭部を置換する外科手技を行う方法であって、
前記患者の上腕骨の前記上腕骨頭部を切除して、略平面状の切除された上腕骨表面を形成することと、
前記切除された上腕骨表面内に埋め込むステムレス上腕骨コンポーネントのサイズを選択することと、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記選択されたサイズに対応するサイジング器具を、前記切除された上腕骨表面に固定することであって、前記サイジング器具が、内部に形成された数個の穿孔ガイド孔を有する、ことと、
前記サイジング器具内に形成された前記穿孔ガイド孔を通して外科用穿孔装置を前進させて、前記切除された上腕骨表面内に数個の穿孔を形成することと、
ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の片持ち脚が、前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に配置されるように、前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記切除された上腕骨表面内に埋め込むことと、
上腕骨頭部コンポーネントを、前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントに固定することと、
を含む、方法。
(84) 更に、前記サイジング器具内に形成されたガイド穴を通して中心ドリルを前進させて、前記切除された上腕骨表面内にドリル孔を形成することを含み、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込むことが、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの細長いスリーブが前記切除された上腕骨表面内に形成された前記ドリル孔内に配置されるように、前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記切除された上腕骨表面内に埋め込むことを含む、実施態様83に記載の方法。
(85) 更に、
前記外科用穿孔装置を前進させる前に、試用頭部コンポーネントを前記サイジング器具に固定することと、
前記試用頭部コンポーネントを用いて、前記患者の肩関節を試用することと、を含む、実施態様83に記載の方法。
【0180】
(86) 前記上腕骨頭部コンポーネントを前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントに固定することが、
前記上腕骨頭部コンポーネントのテーパー状の柱を、前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントのテーパー状の穴内に挿入することと、
前記上腕骨頭部コンポーネントを打ち込んで、前記上腕骨頭部コンポーネントを前記埋め込まれたステムレス上腕骨コンポーネントにテーパーロックすることと、
を含む、実施態様83に記載の方法。
(87) 前記ステムレス上腕骨コンポーネントを埋め込むことが、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントをインプラント挿入工具に固定することと、
前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記片持ち脚の末端部が前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に前進するように、前記インプラント挿入工具を配置することと、
前記インプラント挿入工具を打ち込んで、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの前記片持ち脚を、前記切除された上腕骨表面内に形成された前記穿孔内に推進することと、
を含む、実施態様83に記載の方法。
(88) 前記ステムレス上腕骨コンポーネントを前記インプラント挿入工具に固定することが、
前記インプラント挿入工具の数個のアライメントキーを、前記ステムレス上腕骨コンポーネントの数個の視認窓内に挿入することと、
前記インプラント挿入工具のロックロッドを、前記ステムレス上腕骨コンポーネントのねじ付き穴内に螺入することと、
を含む、実施態様87に記載の方法。
(89) 前記サイジング器具を前記切除された上腕骨表面に固定することが、前記サイジング器具の数個のスパイクを、前記切除された上腕骨表面内に推進することを含む、実施態様83に記載の方法。