(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細長いシャフトの前記遠位端にて前記撮像装置の視界を照明するための、前記アプリケータ器具と連結されている光源を更に備える、請求項1に記載のアプリケータ器具。
前記画像コンジットが、前記検出された画像を前記モニターに伝送するための導電ワイヤ、光ファイバケーブル、及びワイヤレストランスミッタからなる群から選択される、請求項5に記載のアプリケータ器具。
前記キャップが、前記細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有し、かつ前記細長いシャフトの前記外径よりも大きい長さを有し、前記キャップが、前記下側遠位縁から上方へ近位方向に傾斜する遠位端面を有し、かつ前記キャップは外科用締結具を分与するため前記遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓を含み、前記撮像装置及び前記光源が、前記遠位端面に配設されている、請求項4に記載のアプリケータ器具。
前記下側遠位縁が、前記細長いシャフトの前記遠位端にて前記外径に及ぶ中央区域と、前記中央区域から横方向にかつ前記細長いシャフトの前記外径を超えて延在する第1の延長部及び第2の延長部と、を備える、請求項11に記載のアプリケータ器具。
前記第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部が、前記キャップの前記底面から横方向に延在する凸状に湾曲した底面を有し、前記キャップの前記近位端が、前記細長いシャフトの前記遠位端の前記外径に合致して適合する外径を有する、請求項12に記載のアプリケータ器具。
前記非線形の細長いシャフトが、前記第1の軸に沿って延在する近位区域と、前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ延在するように前記近位区域に対して或る角度に向けられる前記遠位区域と、を含む、請求項1に記載のアプリケータ器具。
前記非線形の細長いシャフトが湾曲して、前記細長いシャフトの前記遠位区域が前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ傾斜するようになっている、請求項1に記載のアプリケータ器具。
前記撮像装置及び前記光源が、前記アプリケータ器具の前記細長いシャフトに対して着脱自在に取り付けられている内視鏡器具に組み込まれる、請求項2に記載のアプリケータ器具。
前記撮像系が、前記シャフトの前記遠位端にて前記光源で照明される画像を検出するための撮像装置を更に具備し、前記撮像装置及び前記光源が前記キャップ上に配設されている、請求項21に記載のアプリケータ器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記の進歩にもかかわらず、更なる改善の必要性が存続している。特に、組織の修復手技に際して外科医が正確にかつ容易に外科用締結具を分与して組織内に挿入することを可能にするアプリケータ器具に対するニーズが絶えないばかりでなく、外科用締結具を正確にかつ容易に分与して小エリアに入れることを可能にするアプリケータ器具、及び吸収性の外科用締結具に対するニーズも絶えない。また、観血的なIPOM修復手技などの修復手技中の視認性を改善する目的で、ヘルニアメッシュ固定器具を支持する補足的な撮像系又は検出系に対するニーズも存続している。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一実施形態において、アプリケータ器具は、好ましくは、メッシュ材料を軟質組織に固定するための外科用締結具を供給する(例えば、湾曲しているか又は或る角度をなす)非線形シャフトを有する多発射型装置(例えば、本願と同一の譲受人に譲渡された、本出願の親出願である米国特許出願第13/470,022号に開示されているアプリケータ器具のようなもの)である。該出願の開示内容は本明細書において参照により援用されている。アプリケータ器具を使用することで、腹壁ヘルニアを扱う観血的な外科修復手技に対応できる。一実施形態においては、一連の外科用締結具がアプリケータ器具のシャフトの内部に収容されており、ハンドルに取り付けられているシャフトの近位端に対してシャフトの遠位端が非線形になる。
【0019】
一実施形態において、多発射型アプリケータ器具には、一連のストラップインプラント又は外科用締結具が、シャフトの全長に沿って格納される。本アプリケータに備わる発射系は、タブ付き機構を有する一対の扁平なスタンピングを具備する。一方のスタンピングが停留し、他方のスタンピングは遠位及び近位方向に循環してシャフトの全長に沿って外科用締結具の増分的な給送を促進する。スタンピングはその扁平性から、組立及び可撓性が促進され、スタンピングが湾曲状の経路を通して案内されるようになる。一実施形態においては、一対の長尺の成形ガイドコンポーネントによって、摩擦及び歪曲が最小限に抑えられた非線形の移動経路が生ずる。成形コンポーネントはシャフトの内部に収容されていることが望ましく、このシャフトはステンレススチール製カニューレであってもよい。
【0020】
一実施形態においては、シャフトの遠位端にて、ワイヤステージングばねが、停留のタブ付きスタンピングの遠位端に対して下向きの力を印加する。ワイヤばね位置を介して力が印加されると、装置の分与用の端に対して外科用締結具が整列配置される。外科用締結具がシャフトの遠位端にて先頭の位置に到達すると、循環されたスタンピングが後退し、ワイヤばねによって先頭の締結具が前進中のチャネルから下向きに動いて発射チャネル内に入り込む。この発射チャネルからは、発射ロッドとハンドル内の貯蔵エネルギー系とを具備する発射系を介して、締結具が分与される。ワイヤばねは、系内部での組立を経済的かつ容易にしたばね力機構を提供する。
【0021】
一実施形態においては、不規則輪郭をもつ先端部又はキャップがシャフトの遠位端に取り付けられている。キャップ上に不規則輪郭を有するため、アプリケータ器具の遠位端はスカートテッドメッシュに対して非侵襲的である。
【0022】
一実施形態においてキャップは下側遠位縁を有し、この下側遠位縁は顕著であってもよく、かつ湾曲状の底面を備え得る。下側遠位縁は、スカートテッドメッシュのシームに前進し、様々なブランド及びサイズのスカートテッドメッシュのポケットエリア又は隅に適合することが好ましい。これにより、外科用締結具送達窓が、スカートテッドメッシュのシーム又は裾より上部かつそのシーム又は裾から離れた設定距離となることが保証される。
【0023】
一実施形態においてキャップは延長部又は翼状機構を有し、これら延長部又は翼状機構は、下側遠位縁と同一線上にあり、かつ下側遠位縁に対して横方向にある。下側遠位縁及び横方向の延長部は、医師がアプリケータ器具のハンドル上に順方向の力を印加し反対側の組織上に抵抗圧を印加したときに、アプリケータ器具がメッシュのシームの内部をより自由に滑動し、かつメッシュの境界エリア上に力が分散されるのを可能にするものであることが好ましい。また、延長部によって、装置の先端部が安定すると共に、ストラップが上方へ送達されて対象のスカートテッドメッシュインプラントの上側層又は頂部メッシュ片に確実に入るように装置の先端部が向けられる。
【0024】
一実施形態において、キャップは、下側遠位縁から上方へかつ近位に傾斜する勾配付きの遠位面を有し、開いたスカートメッシュの頂部メッシュ片がメッシュのシームエリアから離れる向きに進んでいくようになっている。一実施形態において、キャップは、開いたスカートメッシュの底部メッシュ片に対して当接する底面を有する。
【0025】
キャップは、シャフトに対して回転も並進もしないように、シャフトの遠位端に固着されていることが望ましい。一実施形態において、キャップの近位端は、シャフトの外径(例えば、外径8mm)と一致する円筒形状に遷移する。
【0026】
不規則輪郭をもつ無傷のキャップは、シャフトの遠位端にて鋭角の縁を有さない。それ故、医師は、外科用締結具を最初に及び続いて配するために装置を位置決め又は再位置決めする際、開いたスカートメッシュのシームの内側に沿ってキャップを摺動させることができると共に、様々な孔径のメッシュにキャップを引っ掛けずに済む。
【0027】
一実施形態において、アプリケータ器具のハンドル及びトリガ又は作動部分は、装置のハウジング又は本体上に再位置決めされる。この構成では、ユーザーに複数のメリットがもたらされるような位置に、アプリケータ器具のトリガが配される。第1に、エルゴノミクス的に許容可能でしかも発射準備が整ったときにユーザーの肘を中立位置に置くことが可能になるような位置に、ハンドルが位置付けられる。一実施形態において、ハンドルはアプリケータ器具の遠位端に向かって前方に或る角度をなし、ユーザーの手首に対してもまた中立位置になるように促される。ハンドルをアプリケータ器具の本体部分よりも上に位置付ければ、開腹手技において好ましいとされるように、本装置から患者の身体を遠ざけておくことができる。
【0028】
一実施形態においては、(例えば、上方へ湾曲した)非線形のシャフト及びハンドルの順方向の角形成を組み合わせて相互に補うことによって、外科用締結具が上方へ意図された固定方向に送達されるように促される。一実施形態において、アプリケータ器具は、発射した外科用締結具の数、又はアプリケータ器具内に残っている外科用締結具の数を示すカウンタ/インジケータを有する。カウンタ/インジケータは、ハンドルが直立及び発射準備完了位置にあるときに見え易いようにハンドルの頂部に位置付けることが好ましい。また、カウンタ/インジケータをロックアウト機構と組み合わせて用いることによって、ストラップが使い果たされたとき、及び器具が空になったときに指示が為される。
【0029】
一実施形態において、トリガは線形の動きを有し、それにより、外科医が手の中で装置が安全かつ安定して作動しているのを感じることができる。トリガの方向、及びカウンタ/インジケータの位置選定に基づいて、装置の適正方向、又は意図された用途が示唆される。一実施形態において、トリガはその表面上に、装置の適正方向を更に示唆する示指溝を有する。
【0030】
指の力の集中箇所がトリガの長さを上回るか下回るかを問わず、トリガが線形に動くと、トリガを圧入するのに必要とされる力及び距離に関して整合性が与えられる。
【0031】
一実施形態において、腹壁に対するヘルニアメッシュの位置に合わせて正しく外科用締結具を向かせるには、直立にハンドルを向けさせる必要がある。傾斜面の先端の幾何学的形状はまた、装置が正しく向けられているときに、外科用締結具をメッシュ及び腹壁組織に対して正しい方向に送達することが可能にし、スカートテッドメッシュのシームから好適な距離だけ離して位置付け得ることを保証するものであることが好ましい。
【0032】
一実施形態において、トリガは、線形の経路に沿って移動し、一意のラックアンドピニオン型連結を促進して、アプリケータ器具のハウジング内に位置する発射系に平行移動する。一実施形態において、発射系は、外科用締結具を分与するためにエネルギーを印加する目的に使用される貯蔵エネルギー系を具備する。発射系は、ボックス状コンポーネントの内部に配設された圧縮ばね(本明細書において発射ばねとも呼ばれる)と、発射ばねを圧縮して発射ばね内にエネルギーを格納するためのトリガと連結された連結部と、トリガ位置に対して相対的な所定の装填及び時限間隔にて圧縮済みばねを解放する発射ばね解放部と、を有して構成される。
【0033】
一実施形態において、トリガは一対の回転部材を介して内部的に支持される。トリガは、結合リスクの可能性が排除されるように、回転点での接触が2回だけに限定されることが好ましい。回転部材は相互に歯車系と連結されており、それにより、2つの部材が同じ速度で回転することが保証される。加えて、捩り戻しばねを回転部材間に連結することによって、トリガの作動後にトリガ及び発射系が、発射サイクルの初期ステージ、及びエネルギーが極めて低い状態に戻ることが保証され得る。大きなトリガ力を必要とした従前のアプリケータ器具に改良を施し、トリガ戻しばねの構成、及びトリガに対する相対的な位置を用いるようにしたことによってトリガ戻り力(操作者の手に対するトリガ単独の予圧力及び移動の力)を省力化しかつ略均一化することを可能にし得る。代替実施形態は、トリガに対して直接に作用する捩りばねを具備し得る。捩りばねによって、装置の作動中にユーザーが印加した如何なるモーメントに対しても効果的に反作用するモーメントが与えられる。
【0034】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、ハウジング内に配設された発射系であって第1の軸に沿って遠位及び近位方向に移動可能な該発射系と、第1の軸に対して鋭角を画定する第2の軸に沿ってハウジングから上方へ延在するハンドルであってアプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する該ハンドルと、を具備する。一実施形態において、ハンドルは、アプリケータ器具の近位端に位置しており、アプリケータ器具の遠位端の方へ傾くように或る角度をなしている。アプリケータ器具は、発射系を作動させる目的で、ハンドル上にトリガを装着して構成されていることが好ましい。
【0035】
アプリケータ器具は、ハウジングから延在する細長いシャフトを備えていることが好ましい。一実施形態においては、トリガが牽引されたときに、複数の外科用締結具が細長いシャフトの中に装填され、この細長いシャフトの遠位端から分与されるようになっている。細長いシャフトは、第1の軸に沿って延在する近位区域と、近位区域に対して相対的な角度に向けられる遠位区域と、を有し、この遠位区域はアプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在するようになっていることが望ましい。一実施形態において、シャフトは、近位シャフト区域と遠位シャフト区域との間に湾曲部を有する。
【0036】
一実施形態においては、細長いシャフトの遠位端にて画像を検出する目的で、撮像装置がアプリケータ器具と連結されているか又はこのアプリケータ器具上に装着されていることが好ましい。撮像装置はフィルムカメラ、ディジタルカメラ若しくはビデオカメラなどのカメラ、光センサー、及び/又は超音波センサーを具備し得る。
【0037】
一実施形態においては、発光ダイオードなどの少なくとも1つの光源が、細長いシャフトの遠位端にて撮像装置の視界を照明するためのアプリケータ器具と連結されていてもよい。少なくとも1つの光源は、1つ以上の発光ダイオード、光ファイバケーブル、及び/又は無影灯を含み得る。
【0038】
一実施形態において、キャップは細長いシャフトの遠位端に固着されていて、撮像装置及び/又は光源はキャップ上に位置している。一実施形態において、キャップは、下側遠位縁から上方へかつ近位に傾斜する遠位端面を有し、かつ遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓を具備することにより、外科用締結具を分与するようになっていることが好ましい。一実施形態において、撮像装置及び/又は光源は遠位端面上に位置している。撮像装置及び/又は光源は、外科用締結具送達窓とキャップの遠位端面の上端との間に位置していてもよい。一実施形態において、キャップは、中央に位置する撮像装置と、撮像装置の第1の横方向側部上に位置する第1の光源と、撮像装置の第2の横方向側部上に位置する第2の光源と、を備える。
【0039】
一実施形態において、撮像装置及び光源は、アプリケータ器具と連結されている撮像系の一部である。一実施形態において、撮像系は、撮像装置と、光源と、光源に対して電力を供給するための電源と、電源から光源に電力を伝送するための電力コンジットと、撮像装置で検出された画像を伝送するための画像コンジットと、検出された画像を表示するためのモニターと、を具備する。
【0040】
一実施形態において、電力コンジットは導電ワイヤを具備し、この導電ワイヤは、電源に接続された近位端と、光源に接続された遠位端と、を備える。一実施形態において、電源はハンドル上に位置しており、電力コンジットの導電ワイヤは細長いシャフトを通って延在する。一実施形態において、画像コンジットは、検出された画像をモニターに伝送するための導電ワイヤ、光ファイバケーブル、又はワイヤレストランスミッタであり得る。
【0041】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、ハウジング内に配設された発射系であって第1の軸に沿って遠位及び近位方向に移動可能な該発射系と、第1の軸に対して鋭角を画定する第2の軸に沿ってハウジングから上方へ延在するハンドルであってアプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する該ハンドルと、を具備する。アプリケータ器具は、発射系を作動させるためハンドル上に装着されたトリガと、ハウジングから延在する細長いシャフトと、を具備するものであることが好ましい。細長いシャフトは、望ましくは非線形であり、遠位区域を有し、アプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在する。
【0042】
一実施形態においては、細長いシャフトの遠位端にて画像を検出する目的で、撮像装置がアプリケータ器具と連結されていることが好ましい。一実施形態において、光源は、細長いシャフトの遠位端にて撮像装置の視界を照明するためのアプリケータ器具と連結されている。光源は、発光ダイオード、光ファイバケーブル、又は無影灯であり得る。
【0043】
一実施形態において、撮像装置及び光源は撮像系に統合される。撮像系はアプリケータ器具に統合してもよいし、又はアプリケータ器具に取り付け可能なスタンドアロンシステムであってもよい。一実施形態において、撮像系は、光源に対して電力を供給するための電源と、電源から光源に電力を伝送するための電力コンジットと、撮像装置で検出された画像を伝送するための画像コンジットと、検出された画像を表示するためのモニターと、を具備する。
【0044】
一実施形態において、電力コンジットは導電ワイヤを具備し、この導電ワイヤは、電源に接続された近位端と、光源に接続された遠位端と、を備える。電源はハンドル上に配設されていてもよく、それにより、導電ワイヤが細長いシャフトを通って延在するようになっている。
【0045】
一実施形態において、画像コンジットは、検出された画像をモニターに伝送するための導電ワイヤ、光ファイバケーブル、及びワイヤレストランスミッタであり得る。撮像装置は、カメラ、光センサー、又は超音波センサーであり得る。
【0046】
一実施形態において、キャップの下側遠位縁は、細長いシャフトの遠位端にて外径に及ぶ中央区域と、中央区域から横方向にかつ細長いシャフトの外径を超えて延在する第1の延長部及び第2の延長部と、を備える。第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部は、キャップの底面から横方向に延在する凸状に湾曲した底面を有することが望ましい。一実施形態において、キャップの近位端の外径は、細長いシャフトの外径の遠位端に合致して適合するようになっている。
【0047】
一実施形態において、非線形の細長いシャフトは、第1の軸に沿って延在する近位区域と、近位区域に対して相対的な角度に向けられる遠位区域と、を含み、アプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在するようになっている。一実施形態においては、非線形の細長いシャフトが湾曲して、細長いシャフトの遠位区域がアプリケータ器具の頂部に向かって上方へ傾斜するようになっている。
【0048】
一実施形態において、撮像装置及び光源は、アプリケータ器具の細長いシャフトに対して着脱自在に取り付けられている内視鏡器具に組み込まれる。内視鏡器具は、撮像系の一部であり得る。内視鏡器具は、非線形のアプリケータ器具の細長いシャフトの形状に適合するように可撓性であるシャフトを具備し得る。一実施形態において、内視鏡器具は、アプリケータ器具の細長い外側シャフトの非線形の構成に合致する恒久的な非線形の構成を有する。
【0049】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、ハウジング内に配設された発射系であって第1の軸に沿って遠位及び近位方向に移動可能な該発射系と、第1の軸に対して鋭角を画定する第2の軸に沿ってハウジングから上方へ延在するハンドルであってアプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する該ハンドルと、発射系を作動させるためハンドル上に装着されたトリガと、を具備する。アプリケータ器具は、ハウジングから延在する細長いシャフトであってアプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在する遠位区域を有する非線形の細長いシャフトと、この細長いシャフトの遠位端に固着されたキャップであってそれによって細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有するキャップと、細長いシャフトの遠位端にて画像を検出する目的でアプリケータ器具に取り付けられている撮像装置と、アプリケータ器具の遠位端にて撮像装置の視界を照明する目的でアプリケータ器具に取り付けられた光源と、を具備するものであることが好ましい。撮像装置及び光源が、キャップ上に装着されていてもよい。
【0050】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、ハウジングと、ハウジングから遠位に延在する外径を有するシャフトと、シャフトの遠位端に固着されたキャップと、を具備することが望ましい。キャップは、細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有し、かつ細長いシャフトの外径よりも大きい長さを有することが好ましい。一実施形態において、キャップは、下側遠位縁から上方へかつ近位に傾斜する遠位端面を有することが望ましく、それにより、外科用締結具を分与する目的で遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓がキャップに具備されていることが好ましい。一実施形態において、アプリケータ器具は、シャフトの遠位端にて画像を検出するための撮像装置搭載の撮像系と、シャフトの遠位端にて撮像装置の視界を照明するための光源と、を具備することが好ましい。撮像装置及び/又は光源は、キャップに統合されていてもよい。
【0051】
一実施形態において、アプリケータ器具は、トリガをハンドル及び発射系に連結する連結部を備える。一実施形態において、連結部は、第1の軸に対して鋭角を画定する第3の軸に沿って延在する線形経路であってハンドルの第2の軸に垂直な該線形経路に対して、トリガの動きを拘束するものであることが好ましい。
【0052】
一実施形態において、トリガは第3の軸に沿って延在する線形経路に沿って移動可能であり、トリガをアプリケータ器具の近位端に向かって移動させて、連結部がアクティブ化されると、発射系がアプリケータ器具の遠位端に向かって第1の軸に沿って移動する。
【0053】
一実施形態において、アプリケータ器具は、細長いシャフトの内部に配設されていてかつその細長いシャフトの全長に沿って延在する案内部材を具備するものであることが望ましい。案内部材は、或る角度をなすか又は湾曲していてもよい。一実施形態において、案内部材は湾曲していて、案内部材の全長に沿って延在する湾曲したコンジットを有する。湾曲したコンジットは、外科用締結具を細長いシャフトの遠位端に向かって前進させるための前進チャネルと、細長いシャフトの遠位端から外科用締結具を一度に1つずつ分与するための発射チャネルと、を具備し得る。
【0054】
一実施形態において、アプリケータ器具は、好ましくは、アドバンサー要素チャネル内に配設され、かつ外科用締結具を細長いシャフトの遠位端に向かって前進させるため遠位及び近位方向に移動可能なアドバンサー要素と、アドバンサー要素チャネル内に配設されていて、かつ外科用締結具が細長いシャフトの近位端に向かって移動するのを防ぐためアドバンサー要素に対向している抗後退部材と、を具備する。
【0055】
一実施形態において、発射ロッドは発射チャネル内に配設されていて、かつ後退位置と延長位置との間を移動でき、細長いシャフトの遠位端から先頭の外科用締結具が分与されるようになっている。抗後退部材の最も遠位の端にステージングリーフが具備されていて、そのステージングリーフが、アドバンサー要素から外科用締結具のうちの先頭の1つを受容して発射ロッドに対して整列配置されるようにアドバンサー要素チャネルから発射チャネルに移送するものであることが望ましい。アプリケータ器具は、案内部材に取り付けられたワイヤステージングばねであって、ばね力を印加するためステージングリーフに接触する遠位端を有する該ワイヤステージングばねを具備しており、ステージングリーフが圧接されて発射チャネルに対して整列配置されるようになっていることが望ましい。
【0056】
一実施形態において、案内部材はその外側壁内に形成された窓を備え、この窓はステージングリーフに対して整列配置されるものであることが望ましい。ワイヤステージングばねの遠位端は、好ましくは、窓を通過してステージングリーフに係合する。
【0057】
一実施形態において、アドバンサー要素及び抗後退部材は、扁平で細長い金属製スタンピングであり、このスタンピングから延在するタブは細長いシャフトの遠位端に向かって突出している。一実施形態において、抗後退部材上のタブはアドバンサー要素に向かって延在し、アドバンサー要素上のタブは抗後退部材に向かって延在する。
【0058】
一実施形態において、連結部はまた、上側ギヤ歯と下側ギヤ歯とを備える第1の回転リンクであってトリガの上側部分の内部に配設されている該第1の回転リンクと、第1の回転リンクをトリガの上側部分に旋回可能に固定する第1の旋回軸と、を具備し得る。連結部はまた、上側ギヤ歯と下側ギヤ歯とを備える第2の回転リンクであってトリガの下側部分の内部に配設されている該第2の回転リンクと、第2の回転リンクをトリガの下側部分に旋回可能に固定する第1の旋回軸と、を具備し得る。第1の回転リンクの下側ギヤ歯は、第2の回転リンクの上側ギヤ歯と噛み合って、トリガが圧入されたときに第1の回転リンク及び第2の回転リンクを同じ速度にて回転させるものであることが好ましい。
【0059】
一実施形態において、アプリケータ器具は、ハンドルの上端付近に位置していて第1の回転リンクの上側ギヤ歯と噛み合う第1のラックと、アプリケータ器具のハウジングの上端付近に位置していて第2の回転リンクの下側ギヤ歯と噛み合う第2のラックと、を具備することが望ましい。
【0060】
一実施形態において、第1の細長いスロットは、ハンドルの上側区域内に形成されていて第1の旋回軸を受容するようになっている。第1の細長いスロットは、第3の軸に平行な第4の軸に沿って延在し、第1の旋回軸が第1の細長いスロットの内部にて近位方向及び遠位方向に移動可能であることが望ましい。一実施形態において、第2の細長いスロットはハンドルの下側区域内に形成されており、第2の旋回軸を受容するようになっている。第2の細長いスロットは、第3の軸及び第4の軸の両方に平行な第5の軸に沿って延在し、第2の旋回軸が第2の細長いスロットの内部にて近位方向及び遠位方向に移動可能であることが好ましい。一実施形態においては、トリガが圧入されると、第1及び第2の旋回は、それぞれの第1及び第2の細長いスロットを通ってかつアプリケータ器具の近位端に向かって同時に移動することが望ましい。第1及び第2の細長いスロットは、2つの回転リンクが同じ速度にて回転することを保証するものであり、前掲の実施形態に記載されているギヤ歯及びラックの代わりに使用してもよい。
【0061】
一実施形態において、アプリケータ器具は、トリガの下端に接続されたトリガラックであって第3の軸に沿って遠位方向及び近位方向にトリガと同時に移動する該トリガラックと、トリガラックと噛み合う第1の一連のギヤ歯と摺動ヨーク上の歯と噛み合う第2の一連のギヤ歯とを有する駆動歯車であって第1の軸に沿って遠位方向及び近位方向に摺動する該駆動歯車と、を具備するものであることが望ましい。トリガラックをトリガコンポーネントから分離することで、幾らかの量の遊びが確保され、2つのコンポーネント間の回転を可能にしている。更に、別個のコンポーネントとしてのトリガラックは、強度の大きい材料から経済性の高い方式にて製造され得る。
【0062】
一実施形態においては、トリガが圧入されて近位に移動すると、駆動歯車が発射系を遠位に移動させる。一実施形態においては、トリガが遠位に移動すると、駆動歯車は、発射系が近位に移動することが望ましい。
【0063】
一実施形態において、アプリケータ器具は、ハンドルの上端に位置するカウンタを具備しており、アプリケータ器具から分与された外科用締結具の数、及び/又はアプリケータ器具内に残っている外科用締結具の数が指示されるようになっていることが好ましい。一実施形態において、カウンタは、ハンドルの上端に形成されたカウンタ窓と、カウンタ窓を通して見える回転可能なディスクと、回転可能なディスクに接続された回転可能なギヤであって回転可能なディスクの下部に延在する歯を有する該ギヤと、ハンドルに対して旋回可能に固着され、前方位置と後方位置とがトグルするようになっているロックアウトカウンタと、を具備するものであることが望ましい。ロックアウトカウンタは、好ましくは、前方位置にあるときに回転可能なギヤ歯に係合する第1の歯と、後方位置にあるときに回転可能なギヤ歯に係合する第2の歯と、を有する。カウンタは、ロックアウトカウンタに接触するロックアウトカウンタばねを具備し、ロックアウトカウンタが前方位置に垂直に圧接されるようになっていることが好ましい。一実施形態においては、トリガが完全に圧入されると、第1の回転リンクが、ロックアウトカウンタに接触し、ロックアウトカウンタばねの力を克服して、ロックアウトカウンタを後方位置にトグルさせ、それによって、ロックアウトカウンタの第1及び第2の歯が回転可能なギヤの歯に係合して回転可能なディスクが回転するようになっている。カウンタがその計数サイクルを完了した後に、ロックアウトカウンタ上のばね部材によって、回転リンクの付加的なオーバートラベルが可能になる。
【0064】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、ハウジング内に配設された発射系であって遠位方向及び近位方向に移動可能な該発射系と、ハウジングから上方へ延在してアプリケータ器具の遠位端に向かって或る角度をなすハンドルであってアプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する該ハンドルと、を具備するものであることが望ましい。アプリケータ器具はアプリケータ器具の底部付近のハウジングから遠位に延在するシャフトを具備し、このシャフトが、アプリケータ器具の長手方向軸に沿って延在する近位区域と、近位区域に対して相対的な角度に向けられる遠位区域と、を備え、遠位区域がアプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在するようになっていることが望ましい。複数の外科用締結具がシャフトの中に連続的に装填されるようになっていて、キャップがシャフトの遠位端に固着されていて、このキャップが、下側遠位縁と、この下側遠位縁から上方へかつ近位に傾斜する遠位面と、を備えていることが好ましい。キャップは遠位端面内に形成された送達窓を備え、この送達窓が、下側遠位縁から離隔される下端を有するものであることが好ましい。達窓を通して外科用締結具を分与するための発射系を作動させる目的で、トリガがハンドル上に装着されていることが望ましい。
【0065】
一実施形態において、アプリケータ器具は、シャフトの内部に配設されていて、シャフトの全長に沿って延在する案内部材を具備し、この案内部材が、案内部材の全長に沿って延在する湾曲状のコンジットを有するものであることが好ましい。湾曲状のコンジットは、外科用締結具をシャフトの遠位端に向かって前進させるための前進チャネルと、外科用締結具をキャップの分与窓を通して分与するための発射チャネルと、を具備するものであることが望ましい。アドバンサー要素は、アドバンサー要素チャネル内に配設されていて遠位方向及び近位方向に移動可能で、外科用締結具をシャフトの遠位端に向かって前進させるものであることが好ましく、停留の抗後退部材は、アドバンサー要素チャネル内に配設されていて、外科用締結具がシャフトの近位端に向かって移動するのを防ぐアドバンサー要素に対向していることが好ましい。
【0066】
一実施形態において、発射ロッド発射チャネル内に配設されていて、かつ後退位置と延長位置との間を移動でき、シャフトの遠位端から外科用締結具が分与されるようになっている。停留の抗後退部材がその遠位端にステージングリーフを具備していて、そのステージングリーフが、アドバンサー要素から外科用締結具のうちの先頭の1つを受容して発射ロッドに対して整列配置されるようにアドバンサー要素チャネルから発射チャネルに移送するものであることが好ましい。一実施形態において、ワイヤステージングばねは、案内部材に取り付けられていて、ステージングリーフに接触する遠位端を有しており、ステージングリーフが圧接されて発射チャネルに対して整列配置されるようになっている。
【0067】
一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具は、ハウジングと、ハウジング内に配設された発射系と、発射系を作動させるためハウジングに連結されたアクチュエータと、ハウジングから延在する細長いシャフトと、外径を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に固着されたキャップと、を具備し、該キャップが、細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有する。
【0068】
一実施形態において、ハウジングはアプリケータ器具の底部を画定している。アプリケータ器具は、ハウジングから上方へ延在して或る角度をなす又は細長いシャフトの遠位端の方へ傾くハンドルを有することが好ましい。一実施形態において、ハンドルは、アプリケータ器具の頂部を画定する上端を備える。アクチュエータは、ハンドルに装着されたトリガであり得る。
【0069】
発射系は、ハウジング内に配設されていて、かつ第1の軸に沿って遠位方向及び近位方向に移動可能なものであることが望ましい。ハンドルは、第1の軸に対して約70〜80°、より好ましくは約75°の鋭角を画定する第2の軸に沿って延在することが好ましい。
【0070】
一実施形態において、キャップの下側遠位縁の長さは、細長いシャフトの外径よりも大きいことが望ましい。一実施形態において、キャップは、下側遠位縁から上方へかつ近位に傾斜する遠位端面を有する。
【0071】
一実施形態において、キャップは、遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓を有していて、外科用締結具を分与するようになっていることが望ましい。送達窓は、下側遠位縁から離隔される下端を有することが望ましい。一実施形態において、キャップは底面を有し、キャップの下側遠位縁はキャップの底面と送達窓の下端との間に延在する厚さを有する。
【0072】
一実施形態において、キャップの近位端は外径が約6〜12mm、より好ましくは約8mmであり、この場合、細長いシャフトの外径に合致して適合する。
【0073】
一実施形態においては、細長いシャフトがハウジングに装着されていて、ハウジングから遠位に延在する。一実施形態において、細長いシャフトは、第1の軸に沿って延在する近位区域と、近位区域に対して相対的な角度に向けられる遠位区域と、を有し、この遠位区域はアプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在するようになっている。一実施形態において、細長いシャフトは、近位シャフト区域と遠位シャフト区域との間に位置する湾曲部を有する。
【0074】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記に詳しく記述される。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1を参照すると、一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具30は、近位端32と、遠位端34と、近位端及び遠位端の間に延在する長手方向軸A
1−A
1と、を有して構成される。アプリケータ器具30は、ハウジング35と、このハウジングから上方へ延在するハンドル36と、このハンドル上に装着されたトリガ38と、ハウジング35から遠位に延在する細長いシャフト40と、を具備することが望ましい。細長いシャフト40は、アプリケータ器具長手方向軸A
1−A
1に沿って延在する第1の区域42と、第1の区域42に対して或る角度をなす又は湾曲した第2の区域44と、を具備する。
【0077】
一実施形態において、キャップ46は、細長いシャフト40の遠位端に固着されている。キャップ46は、好ましくは、キャップの下側遠位縁から離れる向きにかつアプリケータ器具30の近位端32に向かって傾斜する遠位面48を有する。
【0078】
一実施形態において、ハンドル36に備わる上端50には、分与された外科用締結具の数、及び/又はアプリケータ器具内に装填されたままになっている外科用締結具の数を指示するカウンタ52が含まれる。一実施形態において、最後の外科用締結具が分与されると、カウンタ52は、アプリケータ器具を今後使用されないようにロックする。一実施形態においては、ハンドル36の上端50にてカウンタ52を視認でき、分与された外科用締結具の数が視覚的に示されるようになっている。アプリケータ器具の頂部30はハンドルの上端で画定されている。ハウジング35は、アプリケータ器具の底部30を画定する下端54を有する。
【0079】
一実施形態において、ハンドル36は、アプリケータ器具30の遠位端34の方へ傾斜して、外科医が肘及び手首を中立位置に維持できるように外科医のためにエルゴノミクスを良好にするものであることが好ましい。一実施形態において、ハンドル36は、好ましくは、長手方向軸A
2−A
2に沿って延在し、アプリケータ器具の長手方向軸A
1−A
1に対して鋭角α1を画定する。一実施形態において、角度α1は約70〜80°、より好ましくは約75°である。外科的手技の間、ハウジング35の下端54は患者の方に向くことが好ましく、ハンドル36の上端50は、患者とは逆の方に向くことが好ましい。
【0080】
図2を参照すると、一実施形態において、
図1に示すアプリケータ器具30は、観血的なヘルニア修復手技などの外科的手技の間、外科用締結具を分与する目的に使用され得る。一実施形態において、アプリケータ器具30は、シャフト40内に予め装填された複数の外科用締結具を具備し、これらの外科用締結具は、トリガ38が圧入されたときに分与されるようになっている。一実施形態において、トリガ38が圧入されるたびに外科用締結具が1つずつ分与されるようになっている。一実施形態においては、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具30を用い、外科用メッシュなどのメッシュを患者の軟質組織に固定させる。
【0081】
図2において、シャフト40の角度付き第2の区域44は、外科的開口部に挿入されている。ハウジング35の下端54は患者の方に向いており、ハンドル36の上端50は患者とは反対側の方に向いている。外科医はハンドル36を把持してトリガ38を圧入することによって、シャフト40の遠位端から外科用締結具を分与することができる。一実施形態において、外科医はトリガ38を近位に(即ち、アプリケータ器具の近位端32に向かって)牽引して、外科用締結具が分与されるようにする。外科医は、アプリケータ器具の遠位端と対向する患者の組織に抵抗圧を印加することが好ましい。一実施形態においては、外科医がトリガ38を近位に牽引するたびに外科用締結具が1つずつ分与され、トリガが解放されて遠位に戻されると系が発射サイクルを終了する。
【0082】
シャフト40の第2の区域44は、シャフトの第1の区域42に対して湾曲し、かつ/又は或る角度をなしており、外科用締結具が軟質組織内に正確に配されるのを促すようになっていることが好ましい。一実施形態においては、観血的な外科修復手技中に腹壁ヘルニアを扱えるようにアプリケータ器具30が使用される。周辺シームにて一体に接合される頂部メッシュ片と底部メッシュ片とを有する開いたスカートメッシュのポケットに、湾曲状シャフト40の最も遠位の端を挿入すると、その結果として、外科用締結具が、アプリケータ器具の遠位端から分与され、頂部メッシュ片が軟質組織に固着されるようになる。
【0083】
一実施形態において、ハンドル36及びトリガ38は、アプリケータ器具のハウジング35よりも上に位置付けられる。この構成では、外科医に複数のメリットがもたらされるような位置に、トリガ38が配される。第1に、外科医の肘を中立位置に置くことが可能になるような位置に、ハンドル36が位置付けられる。ハンドル36はまた、アプリケータ器具30の遠位端34に向かって前方に或る角度をなし、外科医の手首に対して中立位置になるように促される。加えて、ハンドルの位置36をアプリケータ器具30のハウジング35よりも上に位置付ければ、開腹手技において特に好ましいとされるように、ハウジング35の底部端52から患者の身体を遠ざけておくことができる。
【0084】
一実施形態において、シャフト40を上方へ湾曲させ、かつアプリケータ器具の遠位端34に向かってハンドル36を順方向の角形成又は傾斜させて相互に補うことによって、外科用締結具が上昇軌道に沿って意図された固定方向に送達されるように促される。
【0085】
一実施形態において、アプリケータ器具30は、複数の外科用締結具を内部に格納して構成される多発射型装置であり、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第2011/079627号に開示されており、その開示内容は本明細書において参照により援用されている。一実施形態において、アプリケータ器具は、シャフト40の全長に沿って逐次的に格納される複数の外科用締結具を具備する。シャフト40は、好ましくは、タブ付き機構を有する一対の扁平なスタンピングを内部に組み込んで構成される。扁平なスタンピングのうちの1つは、シャフト40の内部において外科用締結具が近位に移動するのを防ぐため停留している。他の扁平なスタンピングは、トリガ38が圧入され、次いで釈放されるたびに遠位方向及び近位方向に循環するため、シャフト40の全長に沿って外科用締結具が増分的に前進するように促される。スタンピングの扁平性を備えるため、スタンピングに可撓性がもたらされ、スタンピングが屈曲してシャフトの湾曲に適合すると同時に、シャフト40で画定された湾曲状の経路に沿って外科用締結具が案内される。
【0086】
一実施形態において、アプリケータ器具は、外科用締結具に合わせて湾曲状の移動経路を画定する成形ガイドコンポーネントを具備する。扁平なスタンピングは、成形ガイドコンポーネントの内部に配される。成形ガイドコンポーネントは、外科用締結具がシャフト40を通って遠位に移動する際に外科用締結具、アドバンサー要素及び抗後退部材に対する摩擦及び歪曲を最小限に抑えるものであることが好ましい。一実施形態において、ガイドコンポーネントは成形プラスチック製であり、細長いシャフト40を通って延在するコンジットの内部に収容されるように一体に組み立てられる両半分を含む。
【0087】
図3を参照すると、一実施形態において、複数の外科用締結具は、
図1及び2に示すアプリケータ器具30のシャフト内に予め装填される。単一の外科用締結具60は、リング先細端部間にメッシュ繊維を捕捉するため相互に離隔された一対の先細端部66、68を有する近位端62と遠位端64とを備える。一実施形態において、外科用締結具60は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されている特徴のうちの1つ以上を有する。
【0088】
図4A及び4Bを参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具30は、発射系を収容するハウジング35と、ハウジングから上方へ突出するハンドル36と、を具備しており、それによって、ハンドルの上端50にカウンタ52が収容されるようになっている。ハンドルに具備されるトリガ38は、線形経路に沿ってアプリケータ器具30の近位端32に向かって牽引されるように適応されている。一実施形態において、トリガ38は、アプリケータ器具30の長手方向軸A
1−A
1に対して約10〜20°、より好ましくは約15°の角度α
2を画定する線形経路A
3−A
3に沿って移動するように適応されている。
【0089】
一実施形態において、アプリケータ器具30は、ばねブロック72を有する発射系70と、発射ロッド74と、トリガ38が圧入されたときにエネルギーを貯蔵する発射ばねと、を具備する。発射系70は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されているものと同様な1つ以上の特徴を有することが好ましい。発射系70は、軸A
3−A
3に沿ってトリガと共に近位及び遠位に摺動するトリガラック76を介してトリガと連結されているものであることが望ましい。トリガラックは駆動歯車78と連結されており、この駆動歯車は、トリガ38がアプリケータ器具の近位端に向かって圧入されたときに反時計回り方向に回転し、トリガ38が解放されてアプリケータ器具の遠位端に向かって遠位に移動したときに時計回り方向に回転する。駆動歯車78は、摺動ヨーク82の上端に設けられた歯と噛み合う外部ギヤ歯80を有する。駆動歯車78が反時計回り方向に回転すると、ヨーク82は軸A
1−A
1に沿って遠位方向に摺動する。駆動歯車78が時計回り方向に回転すると、ヨーク82は軸A
1−A
1に沿って近位方向に、好ましくは0.9対1.5の歯車比で摺動する。
【0090】
一実施形態において、アプリケータ器具30は、その出願の開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されているサブアセンブリと同様なラチェットばねを有するラチェット歯止め84を具備する。ラチェット歯止め84を用いることにより、摺動ヨーク82がその最も遠位の位置に移動した後で方向を変えて近位に移動し、
図4Aに示す元の位置に戻ることが可能になる。
【0091】
一実施形態において、アプリケータ器具30は、トリガ38を垂直に圧接して遠位に移動させるトリガ戻しばね86を具備する。トリガ戻しばね86は、ハンドル36の成形部分の内部に固着されている第1のアーム88と、好ましくはトリガ38に係合する第2のアーム90と、を具備する。一実施形態において、トリガ38の近位端は、タブ92と、そのタブに係合する第2のアーム90と、を有し、トリガが遠位に垂直に圧接されるようになっている。トリガ38が圧入されるとトリガ戻しばね86にエネルギーが貯蔵され、トリガが解放されたときに貯蔵済みエネルギーがトリガに戻されてトリガが遠位に移動するようになっていることが好ましい。別の実施形態において、トリガ戻しばね86は、回転リンク110及び112に対して直接に作用する。
【0092】
一実施形態において、カウンタ52は、ギヤ歯96を有する回転可能なディスク94を具備する。カウンタ52は、ハンドル36の上端50内に形成されている窓98を備え、回転可能なディスク94の頂部表面への視覚的アクセスを提供している。カウンタは、ロックアウトピン100と、ロックアウトピンに接触するロックアウトピンばね(不図示)とを具備するものであることが望ましい。アプリケータ器具は、ロックアウトピン100の一部分を部分的に被覆するロックアウトピンカバー102を具備するものであることが望ましい。
【0093】
一実施形態において、カウンタ52はロックアウトカウンタ104を有し、このロックアウトカウンタは、ロックアウトカウンタの旋回軸106を介してハンドル36に対して旋回可能に固着されている。カウンタ52はまた、ロックアウトカウンタ104を垂直に圧接し、アプリケータ器具30の遠位端に向かって旋回するロックアウトカウンタばね108を具備する。ロックアウトカウンタ104は、各発射サイクルにおいて旋回軸106の周りを前後にトグルするように適応されている。
【0094】
図4Bは、
図4Aのアプリケータ器具30を示す。第1の回転リンク110、及びトリガ38と連結されている第2の回転リンク112がはっきり見えるように。トリガを透明に示してある。一実施形態において、第1の回転リンク110は、トリガ38の内部に配設されていて、第1の旋回軸114を介してトリガ38に対して旋回可能に固着されている。第1の回転リンク110の上端116は上側ギヤ歯118を有し、この上側ギヤ歯はハンドルの上端36の内部に位置するラック120と噛み合う。第1の回転リンク110の下端122は、下側ギヤ歯124を有する。トリガ38には第1の内部スロット125を形成して構成してあり、この第1の内部スロットは、組立中に第1の旋回軸114を受容するように適応されている。旋回軸114は、組立中に第1の内部スロット125の「スナップ嵌め」機構を通過する。これにより、2つの回転リンク110、112が旋回可能に固着されることが保証される。
【0095】
第2の回転リンク112は、第2の旋回軸126を介してトリガ38に対して旋回可能に固着されている。第2の回転リンク112に備わる上端128は、第1の回転リンク110の下側ギヤ歯124と噛み合う上側ギヤ歯130を有する。第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112は、反対側のギヤ歯124、130を介して相互に連結されており、これにより、第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112が同じ速度にて回転することが保証される。第2の回転リンク112は、底部歯134を有する下端132を有し、この底部歯は、ハウジング35(不図示)より上に配設されている第2のラックに成形された反対側の歯と噛み合う。トリガ38は、組立中に第2の旋回軸126を受容する第2の成形スロット136を具備する。旋回軸114は、組立中に内部スロット136の「スナップ嵌め」機構を通過する。これにより、2つの回転リンク110、112が旋回可能に固着されることが保証される。更に、回転ギヤのリンク110、112は対合のオフセット歯124、130を有し、同じ鋳型で作製された2つのギヤ間の同期化タイミングを可能にしている。
【0096】
ハンドル36の内部の第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112の構成、並びに第1の回転リンク及び第2の回転リンクとトリガ38との旋回接続は、トリガ38が単一の線形経路、即ち、軸A
3−A
3に沿って移動することを可能にしている。トリガの線形の動き38によって、圧入力がトリガの全長に沿って集中し、それにより、トリガがバインドされる可能性が最小限に抑えられる場合でも、トリガを圧入するのに必要とされる力及び距離が一貫性のある状態に維持される。
【0097】
図4Cを参照すると、一実施形態において、トリガ戻しばね86はトリガ38を垂直に圧接して遠位に移動させる。トリガ戻しばね86は、ハンドル36の成形部分の内部に固着された第1のアーム88と、トリガ38の近位面にてタブ92に係合する第2のアーム90と、を有する。トリガがアプリケータ器具30の近位端32に向かって牽引されると、タブ92はトリガ戻しばね86の第2のアーム90を圧接し、ばね86内にエネルギーが格納されるように近位に移動する。外科用締結具を分与するため、トリガ38はその最も近位の位置に牽引された後、トリガ38を解放することができ、その結果としてばね86の第2のアーム90がトリガ38を圧接して遠位に移動させ、トリガが
図4Cに示す元の位置に戻るようになっている。
【0098】
一実施形態において、ハウジング35及びハンドル36は、一体に組み立てられる左及び右の半分を具備する。一実施形態において、ハンドルの半分は、プレス嵌めピンで一体に組み立てられる。一実施形態において、トリガ38は、ハウジング及びハンドルの左及び右の半分の間に捕捉される。一実施形態において、トリガ38は、全長が約2.3cm(0.9インチ)線形経路に沿って遠位方向及び近位方向に移動する。アプリケータ器具は、線形経路A
3−A
3に沿ってトリガの近位及び遠位の動きを休止させるトリガラック76の線形移動経路の近位端及び遠位端にて物理的ストップ部を有するものであることが好ましい。一実施形態において、左及び右半分は、ガラス強化ポリカーボネートなどのポリマー製であることが望ましい。一実施形態において、トリガはガラス強化ポリカーボネートなどのポリマー材料製である。
【0099】
一実施形態において、ハウジング35は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されている発射ばね、ばねブロック及び発射ロッドを有する発射系を含む。ばねブロック72及び発射ロッド74は、長手方向軸A
1−A
1に沿って遠位方向及び近位方向に移動するように適応されている。
【0100】
図4Cを参照すると、一実施形態において、トリガ38は、トリガラック76上の2つのボス間に突出するトリガ38から延在するタブを介してトリガラック76に接続されている。一実施形態において、トリガタブとトリガラックボスとの間の嵌合公差は、トリガとトリガラックとの間に許容される遊動が最小限にとどまるように精密で近似している。2つの別個のトリガパーツが存在する場合、強度の大きい材料(例えば、ステンレススチールなどの金属)をトリガラック76に対して使用できる。加えて、トリガラックからトリガタブを分離しておくことで、ユーザーがトリガ38に対してかけた如何なる回転力も、対象のトリガに対してのみ及び、トリガラック76に対しては及ばずに済むようになる。一実施形態においては、トリガラック76がハンドルの左半分とハンドルの右半分との間に捕捉され、駆動歯車78に接触している。トリガラック76は、トリガ38の運動A
3−A
3の軸に平行な軸に沿って摺動するように適応されている。一実施形態において、トリガラック移動量は約2.3cm(0.9インチ)だけに制限され、遠位及び近位の両方のストップ機構はハンドルの左半分以内に位置している。一実施形態において、トリガラックはその下側にトリガラックギヤ歯を設けて構成されている。駆動歯車78は、半径の異なる2つの一連のギヤ歯を有し、2ステップ式ギヤ、及び駆動歯車78のギヤのうち小さい方に係合するトリガラックギヤ歯を提供する。
【0101】
回転リンク110、112はそれぞれ、トリガ38内の穴を通って反対側に突出する第1及び第2の旋回軸114、126の周りを旋回する。回転リンク110、112はトリガの機構を介して捕捉され、それらの回転リンクの回転運動がトリガの機構によって制限を受けることが好ましい。回転リンクは対合の反対側のギヤ歯124、130を介して相互に連結されており、トリガ38の手の圧入エリアの略中央に位置付けられる。一実施形態において、これらの整合ギヤ歯124、130は、歯幅がおよそ0.25cm(0.1インチ)、及び有効径が約2.22cm(0.875インチ)である。これらの寸法及び機構によって、第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112が移動中に相互にミラーリングされ得る。また、第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112はそれぞれ外側ギヤ歯118、134を有し、それらの外側ギヤ歯の歯幅は約0.25cm(0.1インチ)、有効径は約2.647cm(1.042インチ)である。これらの外側ギヤ歯118、134は、ハンドルの半分(1つはハンドルの右半分、もう1つのハンドルの左半分)に形成された対応する反対側のラックギヤ機構と嵌合するものであることが望ましい。
【0102】
第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112に対してギヤ機構を係合させタイミングを取ることによって、トリガ38が軸A
3−A
3に沿って直線的に移動することが可能になり、また、トリガの手圧入エリアに沿って圧入力が不均一に印加されたときに、中央点の周りをトリガが回転することが阻止され得る。トリガ機構が駆動歯車78を介してトリガの線形の動きを回転運動に変換できれば、摩擦及び如何なるバインドのリスクも最小限に抑えられる。一実施形態において、第1の回転リンク及び第2の回転リンク110、112は、好ましくは、ガラス強化ポリカーボネートなどのポリマーから作製される。
【0103】
一実施形態において、駆動歯車78は、発射系70のヨーク82にトリガラック76を連結するものであることが望ましい。ヨーク82及び発射系70は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号の発射系に開示されているものと同様なものであることが好ましい。駆動歯車は、軸A
3−A
3に沿ったトリガの運動を軸A
1−A
1に沿ったヨークの運動に伝送することが好ましい。一実施形態において、これら2つの軸が約15°異なる場合、トリガ38が軸A
3−A
3に沿って近位に動くと、ヨーク82が軸A
1−A
1に沿って遠位に動く。一実施形態において、駆動歯車78は、トリガ移動量が2.3cm(0.9インチ)の場合にヨーク移動量が3.8cm(1.5インチ)となる歯車比を有する。一実施形態において、2ステップ式駆動歯車78は、好ましくはステンレススチールなどの金属製である。ギヤは、金属性ピンの周りを回転するように、金属性ピンの上に装着されていてもよい。一実施形態において、駆動歯車78が周りを回転するピンは、ハンドルの左半分とハンドルの右半分との間に位置付けられて拘束される。
【0104】
一実施形態において、トリガ戻しばね86はハンドルの内部に位置付けられ、その結果、ハンドルの左半分とハンドルの右半分との間に延在するポスト上にばね86のコイルが捕捉される。トリガ戻しばねの第1のアームは、ハンドルの半分に対して固定され、ポケットの内部に捕捉される。このポケットはハンドルの左半分の内部に形成されたものであることが好ましい。トリガ戻しばねの第2の、即ち移動用アームは、その遠位端にてL湾曲部を有し、前方遠位の位置に向かってトリガが圧接されるようにトリガに対してバイアスされるものであることが望ましい。トリガ戻しばね86は、約907.26グラム(2ポンド)の予圧、及び約4,082.33グラム(9ポンド)の最終負荷がかかるような力をトリガに対して及ぼすものであることが望ましい。1つの好ましい実施形態において、トリガ戻しばね86は、約2,267.96グラム(約5ポンド)の予圧、及び約3,175.14グラム(約7ポンド)の最終負荷がかかるような力を及ぼす。一実施形態において、トリガ戻しばね86は、ステンレススチールなどの金属製であることが望ましい。
【0105】
図5A〜5Cを参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具30はカウンタ52を具備し、このカウンタは、回転可能なディスク94の下部に突出する回転可能なディスク94及びギヤ歯96を有する。窓98がハンドル36の上端50内に形成されており、回転可能なディスク94の頂部表面への視覚的アクセスを提供している。カウンタ52はロックアウトピン100を具備し、このロックアウトピンは、回転可能なディスク94内に形成されたスロットが回転してロックアウトピン100の延長アーム101に対して整列配置されたときに、軸V
1−V
1(
図5A)に沿って下降するように適応されている。カウンタ52はまた、ロックアウトピン100の一部分上に延在するロックアウトピンカバー102を具備する。
【0106】
一実施形態において、カウンタ52は、旋回軸点106を介してハンドルの左半分に対して旋回可能に固着されたロックアウトカウンタ104を有する。ロックアウトカウンタばね108は、ロックアウトカウンタ104の上端を垂直に圧接し、アプリケータ器具30の遠位端に向かって旋回する。発射サイクル中には、ロックアウトカウンタ104が前後にトグルし、回転可能なディスク94が1つの位置だけ回転して、1つの外科用締結具が発射したことが示される。回転可能なディスク94は、別の外科用締結具が分与されるたびに更に1つの位置が回転されるように適応されている。一実施形態において、ロックアウトカウンタ104は可撓性の片持梁115を有し、この片持梁が第1の回転リンク110に係合することによって、ロックアウトカウンタ104が前方位置から後方位置にトグルするようになっている。
【0107】
図5Bを参照すると、ロックアウトカウンタ104は近位の歯120と遠位の歯122とを有し、それらの歯は、回転可能なディスク94の下部に突出するギヤ歯96に係合するように適応されている。一実施形態において、ロックアウトカウンタ104が遠位に旋回すると、近位の歯122がギヤ歯96に係合し、ディスク94がR
1で示される方向に半分の位置だけ回転するようになっている。一実施形態においては、トリガ38が完全に圧入されると、トリガがロックアウトカウンタ104に接触し、ロックアウトカウンタの上端が近位方向に旋回し、その結果、遠位の歯122がギヤ96に係合する。トリガ38が解放されて遠位に移動すると、ロックアウトカウンタばね108がロックアウトカウンタ104の上端が遠位方向に旋回し、その結果、近位の歯120がギヤ歯96に係合して、ディスク94が方向R
1に半分の位置だけ回転するようになっている。一実施形態においては、ロックアウトカウンタ104の上端が、
図5Bに示す初期位置に対して近位に次いで遠位に旋回するたびに、回転可能なディスク94が1つの位置だけ回転する(1つの外科用締結具が発射したことが示される)。一実施形態においては、最後の外科用締結具が分与されると、ロックアウトピン100が落下して、トリガ38が近位の位置にロックされるようになっている。
【0108】
図5Cは、ハンドル36の上端50に形成された窓98を示す。窓98を介して、回転可能なディスク94の頂部表面に視覚的にアクセスすることによって、発射された外科用締結具の数、及び/又はアプリケータ器具30内に残っている外科用締結具の数が示される。
【0109】
一実施形態において、本明細書に開示されているカウンタ及びロックアウトアセンブリは、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されている構造と概ね同様のものである。
【0110】
一実施形態において、ロックアウトピンばね及びロックアウトカウンタばねは、ステンレススチールなどの金属製であることが望ましい。カウンタ52のコンポーネントは、ポリマー材料、例えばアセタール、ABS、ガラス強化アセタール、又はそれらの組み合わせから製造されることが好ましい。
【0111】
図6A及び6A−1に示すアプリケータ器具30に具備されているトリガ38の位置とカウンタ52は、発射サイクルが開始された時点のものであり、この時点はまた本明細書において発射サイクルの第1のステージとも呼ばれる。
図6Aにおいて、トリガ戻しばね86の第2のアーム90は、トリガ38のタブ92に寄せかけてあり、それにより、トリガを遠位にバイアスさせる予圧力が供給されている。トリガ38は旋回軸114、126及びトリガラック76によって拘束され、軸A
3−A
3の線形経路に沿って移動する。一方、トリガラック76は、ハンドルの左半分に形成された遠位のストップ部77を介した遠位の動きによって拘束される。
図6A−1を参照すると、発射サイクルの開始時には、カウンタ52のロックアウトカウンタ104がロックアウトカウンタばね108を介して遠位に旋回される。ロックアウトピン100は、回転可能なディスク94を介して支持される。
【0112】
図6B及び6B−1は、発射サイクルの第2のステージにおけるアプリケータ器具30を示す。トリガ38が部分的に圧入されたため、トリガ38及びトリガラック76は、
図6A及び6A−1に示す開始位置から約1.23cm(0.486インチ)近位に移動した。第1の回転リンク110が最初にロックアウトカウンタ104のドエルビーム115に接触した。トリガ戻しばね86の第2のアーム90は、トリガ38に対するばね力が増強するように近位に屈曲した。軸A
3−A
3に沿って近位にトリガラック76動かすと、駆動歯車78が反時計回り方向に回転し、それにより、軸A
1−A
1に沿って遠位にヨーク82が前進し、結果として、発射ロッドを前進させると共に、エネルギーを発射系の発射ばねに貯蔵することが可能になる。これは、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されている。
【0113】
図6C及び6C−1は、発射サイクルの第3のステージにおけるアプリケータ器具30を示す。トリガ38が連続して圧入されたため、トリガ38及びトリガラック76は、発射サイクルの開始時(
図6Aを参照)から近位に約1.36cm(0.537インチ)移動した。トリガラック76が軸A
3−A
3に沿って更に近位に動くと、駆動歯車78が更に回転し、結果として、軸A
1−A
1に沿ったヨーク82の対応する遠位の動きが発生する。ヨーク82が遠位に移動すると、ばねブロック72の内部に位置する発射ばね内にエネルギーが貯蔵され得る。トリガ戻しばね86の第2のアーム90は、トリガ38に対する戻り力が増強するように更に近位に屈曲した。第3のステージを通して、第1の回転リンク110は、ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115を近位に約0.0737cm(0.029インチ)偏向させる。第1の回転リンク110がドエルビーム115に印加した力は、ロックアウトカウンタばね108によって供給されるカウンタ力と均衡し、その結果、ロックアウトカウンタ104は、
図6C−1に示す前方位置から後方位置へとトグルするように「プライミング(primed)」される。
【0114】
図6D及び6D−1は、発射サイクルの第4のステージにおけるアプリケータ器具30を示す。トリガ38が連続的に圧入されたため、トリガ38及びトリガラック76は近位に約1.82cm(0.716インチ)移動した。トリガ戻しばね86の第2のアーム90は、トリガ38に対する戻り力が増強するように更に近位に屈曲した。トリガラック76が軸A
3−A
3に沿って近位方向に線形に移動すると、駆動歯車78が連続的に反時計回りに回転し、それに対応してヨーク82が軸A
1−A
1に沿ってアプリケータ器具30の遠位端に向かって遠位に摺動運動し、ばねブロック72の内側にある発射ばね75内に更なるエネルギーが貯蔵される。第1の回転リンク110によって、ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115が約0.11cm(0.044インチ)偏向した。この時点で、ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115に印加された後向きの力が、ロックアウトカウンタばね108がかけたカウンタ力を克服し、その結果、ロックカウンタ104の上端が後方位置へと近位にバイアスされる。ロックアウトカウンタ104が後方位置にトグルすると、遠位の歯122がギヤ96に係合して、回転可能なディスク94をギヤ96の歯の半分だけ回転するようになる。
【0115】
図6E及び6E−1は、発射サイクルの第5のステージにおけるアプリケータ器具30を示す。トリガが連続して圧入されたため、トリガ38及びトリガラック76は、発射サイクルの開始時(
図6A)から近位に約2.3cm(0.900インチ)移動した。トリガラック76の近位の摺動運動は、ハンドル36に成形された近位のストップ部85を介して休止される。このステージでは、トリガラック76が近位のストップ部85に接触し、トリガ38及びトリガラック76の近位の動きが完了する。トリガ戻しばね86の第2のアーム90は、トリガ38に対する戻り力がピーク値まで増強されるように更に屈曲する。トリガラック76が軸A
3−A
3に沿って近位に動くと駆動歯車78が連続的に回転し、次いで、ヨーク82が軸A
1−A
1に沿って遠位に動く。このことは、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に記載されている。ステージ5の終了前に、発射ロッドが解放され、発射ばね内のエネルギーが発射ロッドに伝送されて、発射ロッドが遠位に移動し、外科用締結具が分与されるようになっている。第1の回転リンク110は、ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115を約0.292cm(0.115インチ)偏向させた。ロックアウトカウンタ104の上端が後方位置にトグルした状態のままになり、それによって、遠位の歯122がギヤ96に接触する。
【0116】
図6Eに示す発射サイクルの第5のステージを通して、トリガ38が完全に圧入され、駆動歯車78をラチェット歯止め84を超えてヨーク82の近位端を遠位に前進させた。ヨーク82の近位端にてラチェット歯止め84が除去された状態でラチェット歯止めをリセットでき、その結果、ヨーク82が自由にもう一度アプリケータ器具30の近位端32に向かって摺動し、別の発射サイクルが開始されるようになる。
【0117】
一実施形態において、トリガ38が解放されてトリガ戻しばね86内に貯蔵されたエネルギーがトリガ38に伝送されると、トリガが圧接され、軸A
3−A
3に沿って遠位方向に移動して、トリガが
図6Aに示す初期トリガ位置に戻されるようになっている。ヨーク82及び発射系70の対応するリセットアクションは、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号に開示されている動きと同様である。
【0118】
トリガ38が解放され、第1の回転リンク110が遠位に移動すると、ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115に対する圧縮力が解除されるようになっている。ロックアウト戻しばね108は、好ましくはロックアウトカウンタ104の上端を遠位方向にトグルし、
図6A−1に示す前方位置に戻る。ロックアウトカウンタ104を前後にトグルすると、カウンタ52の回転可能なディスク94が増分的に回転する。
【0119】
一実施形態においては、最後の外科用締結具が発射すると、カウンタ52がトリガを近位の位置(
図6E)にロックする。
図7Aを参照すると、一実施形態において、トリガ38の近位端からはフック140が突出している。フック140は、トリガ38が軸A
3−A
3に沿って近位方向及び遠位方向に移動するに伴い、そのトリガと同時に移動する。
図7Aにおいて、トリガフック140はロックアウトピンフック142に対して近位である。
【0120】
ロックアウトピン100はロックアウトピンフック142を有し、このロックアウトピンフックは、最後の外科用締結具が発射したときにトリガフック140に係合するように適応されている。
図7Aにおいて、回転可能なディスク94内に設けられた半径方向のスロットは、ロックアウトピン100のアーム101に対して整列配置される。結果として、ロックアウトピン100は、軸V
1−V
1に沿ってアプリケータ器具の底部に向かって自由に落下する。ロックアウトピンばね150によって、ロックアウトピン100が下向きに圧接される。ロックアウトカウンタ104のドエルビーム115によって、ロックアウトピン100の落下後にトリガフック140がロックアウトピンフック142を超えて通り過ぎることが保証される。トリガ38が近位に牽引されると、トリガフック140の先頭の縁上にあるランプ機構は、ロックアウトピン100を軸V
1−V
1に沿って上方へ偏向させる。
【0121】
図7Bを参照すると、トリガが引き続き近位に移動すると、ロックアウトピン100のフック142がトリガ38に接続されたフック140に対して遠位になるように、最終的にロックアウトピン100が再び落下する。
図7Cを参照すると、トリガ38が解放されると、トリガ戻しばね86がトリガを遠位に圧接し、ついには、ロックアウトピンフック142がトリガフック140に係合して、軸A
3−A
3に沿ってトリガ38が更に遠位に移動するのを休止させる。結果として、トリガ38が
図7Cに示す位置にロックされ、アプリケータ器具30が外科用締結具を分与する目的に使用されなくなった。
【0122】
図8を参照すると、一実施形態において、発射系は、アドバンサー要素タブ162付きのアドバンサー要素160と、抗後退タブ166付きの抗後退部材164と、を具備することが好ましい。本明細書において開示されているアプリケータ器具の完全な発射サイクルにおいて、アドバンサー要素160は遠位に循環して、外科用締結具60をアプリケータ器具の遠位端に向かって近位に1セグメント前進させる。一実施形態において、トリガ38(
図1)を圧入すると、アドバンサー要素160が遠位に移動し(
図8中の左側)、その結果として、アドバンサー要素タブ162が外科用締結具60の背面に対して当接し、外科用締結具を遠位方向に前進させる。トリガが解放されて遠位に移動して初期位置に戻ると、アドバンサー要素160はアプリケータ器具の近位端に向かって近位方向に移動する。アドバンサー要素が近位に移動すると、抗後退タブ166は、外科用締結具が近位に移動するのを防ぐ。アドバンサー要素160は、トリガが圧入されるたびに遠位に移動し、トリガが解放されると近位に移動して発射サイクルが開始された時点の開始位置に戻る。発射サイクルを通して、抗後退部材164は停留した状態に維持される。抗後退タブ166は、外科用締結具に接触して、アプリケータ器具の細長いシャフト40(
図1)の内部にて外科用締結具が近位に移動するのを防ぐものであることが好ましい。この系はまた、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、及び同第US 2011/079627号にも記載されており、それらの出願の開示内容は本明細書において参照により援用されている。
【0123】
図9を参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具30は細長いシャフト30を具備しており、この細長いシャフトは或る角度をなすか又は湾曲していて、かつ案内部材168はシャフトを通って延在することが好ましい。案内部材168は、アドバンサー要素チャネルACと発射チャネルFCとを具備する成形パーツであり得る。一実施形態において、案内部材168は、一体に組み立てられる前半部170A及び後半部170Bを有することが好ましい。一実施形態において、抗後退部材164、アドバンサー要素160及び外科用締結具60は、案内部材の前半部170Aのアドバンサー要素チャネルACの内部に位置付けられ、発射ロッド74及び挿入フォークは案内部材の前半部170Aの発射チャネルFCの内部に位置付けられる。案内部材の後半部170Bは、前半部170Aと共に組み立てられ、組み立てられた案内チャネル168を形成するようになっている。
【0124】
一実施形態において、外科用締結具60は、アプリケータ器具の頂部及び底部を通って延在する垂直平面VPに垂直な、横方向に延在する水平平面HPの内部に位置しながら、アドバンサー要素チャネルACを通って前進する。アプリケータ器具のシャフトから外科用締結具が分与されると、外科医は、案内部材168の内部の外科用締結具の方向に基づいて外科用締結具の方向を制御し、かつ/又はその方向を認識できる。
【0125】
一実施形態において、アドバンサー要素160は、外科用締結具60を、アドバンサー要素チャネルACを通ってシャフト40の遠位端に向かって遠位に前進させる。外科用締結具60がシャフト40の遠位端にて先頭の外科用締結具になると、抗後退部材164の遠位端に取り付けられたステージングリーフが、先頭の外科用締結具60がアドバンサー要素チャネルACから発射チャネルFCに移送され、発射ロッド74の遠位端にて挿入フォークに対して整列配置される。
【0126】
図10Aは、案内部材168の前半部170Aの遠位端を示す。案内部材168のアドバンサー要素チャネルAC及び発射チャネルFCは、案内部材の後半部170B(
図9)から除去されて、はっきり見えるようになる。一実施形態においては、20個の外科用締結具60A、60B、60C、...60Tが、アドバンサー要素160と抗後退部材164との間に位置付けられる。アドバンサー要素160は前後に循環して、アドバンサー要素チャネルACの遠位端に向かって、外科用締結具60A、60B、60C、...60Tを前進させる。抗後退部材164の遠位端はステージングリーフ174を具備し、このステージングリーフは、先頭の外科用締結具60Aを発射チャネルFC内に移動し、発射ロッド74の遠位端にて挿入フォーク176に対して整列配置させる。
【0127】
図9及び10Bを参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具30は、ワイヤステージングばねなどのステージングばね178を具備し、このステージングばねを介して、ステージングリーフ174が圧接されて動き、挿入フォーク176に対して整列配置されるように適応されている。一実施形態において、ワイヤステージングばね174はU字形であり、案内部材168の遠位端内に形成された窓182を通過する閉じた遠位端180を有する。ワイヤステージングばね178の閉じた遠位端180は、ステージングリーフ174に係合し、ステージングリーフを圧接して移動させ、挿入フォーク176に対して整列配置されることが好ましい。結果として、先頭の外科用締結具60Aがアドバンサー要素160を介してステージングリーフ174内に前進した後、及びアドバンサー要素が後退し、ワイヤステージングばね178によって先頭の外科用締結具60Aがアドバンサー要素チャネルACから発射チャネルFCに移送され、発射ロッド74の遠位端にて挿入フォーク176に対して整列配置されるようになる。続いて、発射ロッド及び挿入フォークは、挿入フォークの尖叉を先頭の外科用締結具60A上に案内するように延在し得る。
【0128】
図11A及び11Bを参照すると、一実施形態において、ワイヤステージングばね178は、案内部材168に固着されている近位端184と、案内部材の遠位端に隣接する案内部材を通して形成された窓182を通過する閉じた遠位端180と、を備える。
【0129】
図11Bを参照すると、ワイヤステージングばね178は、案内部材168の前半部170Aに固着されている第1のアーム186と、案内部材168の後半部170Bに固着されている第2のアーム188と、を具備する。ワイヤステージングばね178の閉じた遠位端180は、案内部材の遠位端168に隣接して形成された窓182(
図11A)を通過する。
【0130】
図12A〜12Eは、ステージングリーフを圧接し、発射ロッドの遠位端にて挿入フォークに対して整列配置されるワイヤステージングばね178の作動部を示す。
図12Aを参照すると、後退位置発射サイクルが開始された時点の挿入フォーク176及び発射ロッド74である。先頭の外科用締結具60Aは、アプリケータ器具の遠位端34に向かって前進した。ワイヤステージングばね178の遠位端180は、ステージングリーフ174を、案内部材168の発射チャネルFC内に入り込むように下方へ偏向させる。
【0131】
図12Bを参照すると、トリガが装置の近位端に向かって牽引されると、アドバンサー要素160がアプリケータ器具の遠位端34に向かって移動し、それによって、アドバンサー要素タブ162が先頭の外科用締結具60Aを遠位に押圧し、抗後退部材164の遠位端にあるステージングリーフ上に先頭の外科用締結具が装填されるようになる。延在したアドバンサー要素160の遠位端は、ステージングリーフ及びワイヤステージングばね178を上方へ、かつ発射チャネルFCとは反対側の方に屈曲させる。
【0132】
図12Cを参照すると、発射サイクルの後のステージにおいて、アドバンサー要素160が後退し、その結果として、ワイヤステージングばね178の遠位端180がステージングリーフ174を下向きに発射チャネルFC内に入り込むように圧接して、先頭の外科用締結具60Aが挿入フォーク176に対して整合されるようになっている。ステージングリーフ174は、発射チャネルに入り込むように下向きに偏向し、挿入フォーク176を介して係合される位置にて先頭の外科用締結具60Aを保持する。
【0133】
図12Dに示す発射サイクルの後のステージにおいて、挿入フォーク176及び発射ロッド74は遠位に移動し、その結果として、挿入フォーク176の尖叉が先頭の外科用締結具60Aに係合する。挿入フォークが遠位に移動すると、挿入フォーク176が、ステージングリーフ174及びワイヤステージングばね178を発射チャネルFCの外部へ及びアドバンサー要素チャネルACの内部へ偏向させる。
【0134】
図12Eは、アプリケータ器具の遠位端から先頭の外科用締結具60Aが分与されるように、最も遠位の位置に完全に延在した発射ロッド74及び挿入フォーク176を示す。完全に延在した挿入フォーク176及び発射ロッド74は引き続きステージングリーフ174及びワイヤステージングばね178をアドバンサー要素チャネルACの内部へ偏向させる。
【0135】
図13A〜13Cを参照すると、一実施形態において、キャップ190は、外側シャフト40の遠位端に固着されている。一実施形態においては、キャップ190が外側シャフトの遠位端に固着され、その結果、キャップ190がシャフト40に対して回転も並進もしないようになっている。一実施形態において、シャフト40の外径OD
1は約6〜12mm、より好ましくは約8mmである。キャップ190は、キャップがメッシュインプラントのメッシュ布地を引っ掛けることも損傷させることもないように、鋭角の縁のない滑らかで湾曲した不規則輪郭をもつ外側表面を有することが好ましい。
【0136】
一実施形態において、キャップ190は、キャップの底部に沿って延在する下側遠位縁192と、外科用締結具を分与するための送達窓194と、を備える。一実施形態において、キャップ190は、開いたスカートメッシュのポケットに挿入されるように適応されており、頂部メッシュ片と、周辺シームにて接合された底部メッシュ片と、を備え、それによって、下側遠位縁192が前進してシームの内側に接触し、キャップは、メッシュ材料を引っ掛けることも損傷させることもないように、頂部層と底部層との間のシームの内側に沿って容易に摺動し得る。下側遠位縁192は、開いたスカートメッシュの底部メッシュ片の頂部に定着するように適応されていて、キャップ190の送達窓194はスカートテッドメッシュのシームよりも上の設定距離となる。
【0137】
一実施形態において、送達窓194は上端196と下端198とを備える。送達窓194の下端198は、下側遠位縁192から間隔を空けて配されていて、開いたスカートメッシュのシームよりも上にかつインプラントの頂部メッシュ片の内部に外科用締結具が分与されるようになっていることが好ましい。
図13Bを参照すると、一実施形態において、下側遠位縁192は、シャフト40の外径OD
1にほぼ一致する長さL
1(約6〜10mm)の中央区域200と、シャフト40の外径OD
1(約2〜3mm)を超えて延在する第1の延長部及び第2の延長部202、204と、を備える。下側遠位縁192は、第1の延長部及び第2の延長部202、204が追加されたため、全長L
2が約10〜20mmで、シャフト40の外径OD
1よりも長くなっている。一実施形態において、第1の延長部及び第2の延長部202、204は、凸状で下側遠位縁の底面から横方向に延在する底面と、凹状でキャップ190の上端210に向かって延在する第1及び第2の頂部表面206、208と、を備える。医師がアプリケータ器具のハンドルに前方力を印加して反対側の組織に反対圧力を印加したときなどに、第1の延長部及び第2の延長部202、204が、開いたスカートメッシュの底部メッシュ片などのメッシュの境界エリアに対して力が分散することが好ましい。
【0138】
一実施形態において、キャップは、シャフト40の遠位端に固着されている近位端212を有しており、この近位端が円筒形状に遷移することによって、シャフト40の外径OD
1に一致するようになる。一実施形態において、キャップ190の近位端212の外径OD
2は、約6〜12mm、より好ましくは、シャフト40の外径OD
1に概ね合致して適合するように約8mmである。
【0139】
図13A及び13Cを参照すると、一実施形態において、カニューレキャップ190は、下側遠位縁192から上方へかつ近位にカニューレキャップ190の上端210へと傾斜する遠位面214を有する。キャップ190が、周辺シームを有する開いたスカートメッシュのポケットに挿入されると、下側遠位縁192は、好ましくは、開いたスカートメッシュの底部メッシュ片に対して当接し、シームの内側に向かって前進し、ついには、傾斜した遠位面214が、開いたスカートメッシュの頂部メッシュ片に係合して、スカートの頂部メッシュ片が、シームの内側に隣接する底部メッシュから離れる向きに捩じ曲げられる。送達窓194は、下側遠位縁192から間隔を空けて配されていて、外科用締結具60が送達窓を通して分与され、周辺シーム又は開いたスカートメッシュの底部メッシュ片の中を通ることなしに、確実に頂部メッシュ片の中を通して渡されるものであることが望ましい。第1の延長部及び第2の延長部202、204によって、キャップを介して、装置がメッシュのシームに対して向けられ、外科用締結具が頂部メッシュ片の中に送達されることが更に保証される。
【0140】
一実施形態において、キャップ190は不規則輪郭をもつことから、アプリケータ器具の遠位端にて鋭角の縁が生じず、インプラントのメッシュ布地に係着することも損傷させることもあり得ないことが保証される。キャップが不規則輪郭を有するため、初期及びその後に外科用締結具を配する目的でアプリケータ器具の遠位端を位置決め又は再位置決めする際、医師は、開いたスカートメッシュのシームの内側に沿ってアプリケータ器具の遠位端を確実に摺動させることができる。
【0141】
図14A〜14Cを参照すると、一実施形態においては、細長いシャフト40及びキャップ190を有するアプリケータ器具30を使用して、開いたスカートメッシュ216を軟質組織に固着される。一実施形態において、開いたスカートメッシュ216は、底部メッシュ片218と、中央開口部222付き頂部メッシュ片220と、底部メッシュ片218及び頂部メッシュ片220の外側縁を接合して頂部メッシュ片と底部メッシュ片との間に延在するポケット226を画定する周辺シーム224と、を備える。
【0142】
一実施形態においては、アプリケータ器具30のキャップ190及びシャフト40の遠位端を頂部メッシュ片220の中央開口部222を通して挿入し、ポケット226の中に、及び開いたスカートメッシュ216の周辺シーム224に向かって前進させる。キャップ190の下側遠位縁192(
図14B)が、底部メッシュ片218に対して当接し、周辺シーム224に向かって前進すると、その結果として、キャップ190の下側遠位縁192及び傾斜付き遠位面214(
図14B)が、周辺シーム216にて頂部メッシュ片220を底部メッシュ片218から離れる向きに捩じ曲げる。キャップ190の下側遠位縁192は、シーム224より上にかつ頂部メッシュ片220に対して整列配置されるようにキャップ190の分与窓194から離隔され、その結果、外科用締結具60(
図3及び12E)は、シーム224又は底部メッシュ片218の中を通ることなしに、確実に頂部メッシュ片220の中を通して渡されるようになる。
【0143】
一実施形態において、腹壁ヘルニア患者は観血的なヘルニア修復手技に備える。ヘルニアの周りの皮膚エリアは、ベータダインなどの従来の抗菌溶液でスクラブされる。患者は誘導及び吸入を介して従来の方法にて従来の全身麻酔を投与される。一実施形態において、外科医は、ヘルニアの上に配された皮膚及び皮下組織を切開して、外科的手技を開始する。腹腔内メッシュの配置が予定されている場合は、ヘルニア嚢を開く。欠損部周辺の健常筋膜の縁を調べ、腹壁に対する内臓の付着物を分割して、メッシュを固定するための空き領域を生じさせる。
【0144】
外科的手技のこのステージでは、外科医が外科用メッシュの準備をする。外科用メッシュは、底部修復層及び頂部固定層、又は任意の好適なメッシュ(例えば、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/443,347号「SINGLE PLANE TISSUE REPAIR PATCH」(2012年4月10日出願)に開示されているメッシュ)を有してなるシャツヘルニアメッシュ(shirted hernia mesh)であり得る。一実施形態において、スカートテッドヘルニアメッシュの底部修復層は底部メッシュ片と称されるものであってよく、頂部固定層は頂部メッシュ片はと称されるものであってよい。それぞれの底部修復層及び頂部固定層の外側周辺は、スカートテッドヘルニアメッシュの外側周辺の周りに延在する周辺シームと一体に接合されることが好ましい。一実施形態において、頂部固定層は、中心に開口部を有することが望ましい。一実施形態においては、4本の縫合糸をメッシュの4つの基本方位(即ち、北、南、東及び西)に配し得る。
【0145】
一実施形態においては、皮膚切開によって、メッシュを筋膜欠損部を通して腹膜前腔に挿入する。外科医は、メッシュを手で腹腔内に配することが望ましい。メッシュは、底部修復層が患者の腹腔内容物に対向し、かつ頂部固定層が腹壁に対向するように向けられる。所望される場合、縫合糸通し具を使用して、経腹的に縫合糸を固定してもよい。
【0146】
一実施形態においては、アプリケータ器具を使用して、メッシュ固定用の外科用締結具を分与する。一実施形態において、アプリケータ器具は、患者の腹部が邪魔にならないようハンドル及びトリガはアプリケータ器具の本体より上部に位置するような、所望の方向を取る。アプリケータ器具の細長い外側シャフトは、頂部固定層内に形成された中央開口部を通って挿入され、それにより、シャフトの遠位端は頂部固定層と底部修復層との間に配設されることが好ましい。一実施形態においては、アプリケータ器具の外側シャフトが、外側シャフトの湾曲状の及び湾曲を患者の後側端から上方へ離れるように(即ち、頂部固定層に向かって)向ける。アプリケータ器具のキャップを頂部固定層と底部修復層との間に挟持させることで、キャップがメッシュインプラントの外側周辺に向かって前進し、ついには、キャップがメッシュの周辺シームに到達するようになる。一実施形態においては、外科医の第1の手でアプリケータ器具を保持する一方、第2の手を使用してアプリケータ器具の遠位端にてキャップに対向する皮膚に外部抵抗圧を印加し得る。キャップは、底部修復層及び周辺シームの内側に接触する下側遠位縁を有する。キャップは、好ましくは、下側遠位縁から上方へ離れる向きに傾斜する遠位面を有する。キャップの下側遠位縁がシームの方へ前進すると、キャップの傾斜付き遠位面が頂部固定層を底部修復層をから離れる向きに捩じ曲げる。下側遠位縁は、キャップ内の外科用締結具分与用の窓が周辺メッシュのシームインプラントより上にかつ頂部固定層に対して整列配置されることを保証する、スペーサとして機能するものであることが望ましい。
【0147】
一実施形態においは、キャップの分与窓が頂部固定層に対して整列配置され、1回の打撃動作でトリガを圧入し、キャップ分与用の窓を通して外科用締結具又はストラップを配することにより、頂部固定層が腹壁に固着されるようになっている。トリガはそれ自体で発射サイクルの初期開始位置に戻る。アプリケータ器具は、メッシュのシームに沿って別の地点に再位置付けされ、別の外科用締結具が送達されることが好ましい。プロセスが繰り返され、ついには、メッシュの周辺全体が固着され、メッシュインプラントの周囲から約1〜2mmだけ外科用締結具が離隔されるようにすることが望ましい。一実施形態において、任意選択的に、いわゆる二重金冠(double crown)技術にてメッシュの中心に接近させて第2の一連のストラップを適用してもよい。
【0148】
一実施形態において、20個の外科用締結具が分与された後、アプリケータ器具はトリガを閉じた状態にロックアウトする。必要に応じて、新しいアプリケータ器具を使用して、残りの修復手技を完了できる。所望される数の外科用締結具が配された後は、患者からアプリケータ器具を取り除く。所望される場合は、ヘルニア欠損部の大部分を閉鎖し得る。適切な縫合又は閉鎖技術を使用して皮膚切開部を閉鎖し、切開を適切に包帯することができる。修復手技の完了後は、患者を回復室に移動させてもよい。
【0149】
図15A〜15Cを参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具330は、トリガ338を有するハンドル336と、ハンドル336の遠位端から延在するシャフト340と、を具備する。キャップ390は、シャフトの遠位端に固着されていることが望ましい。キャップ390は、アプリケータ器具330の遠位端から外科用締結具を分与するための送達窓394を具備することが好ましい。一実施形態において、キャップ390は、下側遠位縁392と、下側遠位縁392から横方向に延在する第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部402、404と、を備える。第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部402、404は、外側シャフト340の外径を超えて延在し、シャフトの外径よりも大きい長さを画定することが好ましい。
【0150】
図16を参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具330の遠位端は、開いたスカートメッシュ416のポケットに挿入されるように適応されている。一実施形態において、開いたスカートメッシュ416は、底部メッシュ片418と、底部メッシュ片418に対向する頂部メッシュ片420と、を具備することが好ましい。底部メッシュ片及び頂部メッシュ片418、420の外側縁は周辺シーム422にて一体に接合される。キャップ390がスカートテッドメッシュ416のポケットに挿入されると、下側遠位縁392、並びに第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部402、404が、底部メッシュ片418の内側表面に係合してキャップ390の付近にて底部メッシュ片を平坦化するようになっていることが好ましい。下側遠位縁392は、シーム422より上の送達窓394から間隔を置いて配される厚さを有し、外科用締結具がシーム424又は底部メッシュ片418の中を通ることなしに、確実に頂部メッシュ片420の中を通して分与されることが好ましい。
【0151】
図17を参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具430は、ハンドル436と、ハンドル436から遠位に延在する細長いシャフト440と、を具備する。アプリケータ器具430は、外側シャフト440に固着されている回転要素445を具備する。キャップ490は、外側シャフトの遠位端440に固着されている。キャップ490は、
図13A〜13C又は
図15B〜15Cに示す実施形態に開示されている特徴のうちの1つ以上を具備し得る。一実施形態においては、回転要素445によって、細長いシャフト440がその長手方向軸の周りに回転することが保証され得る。キャップ490は、シャフト440と同時に回転することが好ましい。
【0152】
図18A〜18Cを参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具は、外側シャフトの最も遠位の端に固着されたキャップ490を具備することが望ましい。キャップ490は、凹状底面495を有する遠位下側縁492を備える。キャップ490は、下側遠位縁492から横方向に延在する第1の延長部及び第2の延長部502、504を備える。キャップ490は、好ましくは、送達窓を通して外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具の発射チャンバに対して整列配置される送達窓494を備える。
【0153】
一実施形態において、キャップ490の遠位下端492は、遠位下側縁の凹状底面495から送達窓494を離隔させる厚さを有する。下側遠位縁492がメッシュインプラントの周辺シームの内側に対して当接した後は、下側遠位縁に厚みがあることから、キャップ490の送達窓494が周辺シームより上にかつ周辺シームから離れる向きに間隔を置いて配され、結果的に、外科用締結具がスカートテッドメッシュの頂部メッシュ片内に確実に分与され、シーム又は底部メッシュ片内には入り込まずに済むようになる。
【0154】
一実施形態においては、キャップ490がスカートテッドメッシュのポケットに挿入されると、下側遠位縁492がスカートテッドメッシュの周辺シームに向かって前進し、凹状底面495が底部メッシュ片に面して、送達窓が頂部メッシュ片に対して整列配置される。一実施形態において、下側遠位縁492の凹状底面495は可撓性の一体丁番が設けてあり、キャップ490が位置決めされている間、下側遠位縁が押し延ばされ、インプラントのメッシュ片(例えば、底部メッシュ片)を伸張させて、外科用締結具が分与されるようになっているものであることが望ましい。
【0155】
図19を参照すると、一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具630は、上記の
図1に記載されている構造と同様な湾曲状の外側シャフト640と、近位区域642と、湾曲状の区域645を介して近位区域に連結されている遠位区域644と、を具備する。一実施形態において、アプリケータ器具630は、装置のハウジング635の遠位端に対して回転自在に装着される外側シャフト回転要素655を具備することが好ましい。外側シャフト回転要素655は、外側シャフト640の近位区域642に接続されていて、外側シャフト640を選択的に回転するようになっている。結果として、操作者は外側シャフト回転要素655を用いることによって、長手方向軸A
1に沿って湾曲状の外側シャフト640の近位区域642を選択的に回転させ、遠位端区域644の方向を変えられる。
【0156】
図20は、
図19のアプリケータ器具630の断面区域を示す。
図20を参照すると、一実施形態において、湾曲状外側シャフト640は、軸A
1に沿って延在する近位区域642と、軸A
2に沿って延在する遠位区域644と、を備える。近位区域642と遠位区域644との間の角度α
3は、湾曲状の区域645によって画定される。湾曲状の外側シャフト640は細長い内部コンジットを具備し、この内部コンジットを通って外科用締結具660が遠位に前進し得る。アプリケータ器具630は、好ましくは、トリガが牽引されるたびに、湾曲状の外側シャフト640の遠位端に向かって外科用締結具660を1つの位置だけ前進させるためのアドバンサータブ762を備えたアドバンサー760を具備する。アプリケータ器具はまた、外科用締結具が近位に移動するのを防ぐ抗後退タブ666を有する抗後退要素664を具備することが望ましい。アプリケータ器具630はまた、可撓性の発射要素674、例えば、本明細書に記載されているような発射系から外側シャフト640内の最も遠位の外科用締結具660に力を伝送できる可撓性ケーブルを具備する。可撓性の発射要素674は、その長手方向軸に沿って圧縮に抵抗する。また、可撓性の発射要素674は撚り合わさり得る。一実施形態において、外側シャフト回転要素655は、ハウジング635に対して回転し、遠位区域644の方向が湾曲状の外側シャフト640に対して変わるようになり、可撓性の発射要素674が屈曲し、撚れ、湾曲して、発射系とその遠位端にて尖叉を有する剛性挿入フォーク676との間の連結部を維持し、外科用締結具660の側部に係合するように適応されている。可撓性の発射要素674は、上記に更に詳述されているように、エネルギーを発射系から外科用締結具の側部に係合する剛性挿入フォーク676に伝送し、外科用締結具を軟質組織に駆動するようになっていることが好ましい。
【0157】
一実施形態において、発射系は上記のものと同じであるが、シャフトの近位区域642の中央軸に沿って作動する。発射系674の可撓性要素は、回転式前進系665を通って延在する。回転式前進系665は、湾曲状の外側シャフト640の近位区域642に対して整列配置されることが好ましい。回転式前進系665は、中央軸の周りを湾曲状の外側シャフト640と共に回転するように適応されている。前進系は、回転式発射系665とインタフェースするアプリケータ器具640の上記割送り系(indexing system)から作動する。
【0158】
図21を参照すると、一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具730は、可撓性の咬合可能な外側シャフト740と、軸A
1に沿って延在する近位区域742と、軸A
2に沿って延在する遠位区域744と、遠位区域744が近位区域742に対して咬合してその間の角度変化を可能にする可撓性の咬合可能な中間区域745と、を具備することが好ましい。一実施形態において、咬合外側シャフト740の近位区域742及び遠位区域744は可撓性が小さい区域で、中間区域745は可撓性が大きい区域であり、それにより咬合運動を可能にしている。
【0159】
アプリケータ器具730は、ハウジング735の遠位端にて装着され、外側シャフト740の近位区域742に固着されている外側シャフト回転要素755であることが望ましい。外側シャフト回転要素755が回転すると、それと同時に長手方向軸A
1の周りを外側シャフト740の近位区域742が回転し、近位区域に対して、湾曲状の外側シャフト740の遠位区域744の方向が変化する。
【0160】
一実施形態において、アプリケータ器具730はまた、ハウジング735上に装着されている咬合制御要素775を具備することが望ましい。一実施形態において、咬合制御要素775は、ハウジング735上に摺動自在に装着されていて、遠位及び近位に移動するようになっていることが好ましい。
図21及び22を参照すると、一実施形態において、アプリケータ器具は可撓性連結部785A、785Bを具備し、この可撓性連結部は、咬合制御要素775に連結された近位端と、湾曲状の外側シャフト740の遠位区域744に連結された遠位端と、を備える。
図22に示すように、外側シャフト740は、近位区域742、遠位区域744と、近位区域742と遠位区域744との間に延在する中間の可撓性区域745と、を備える。第1及び第2の連結部785A、785Bは、近位区域742及び可撓性区域745を通って延在しており、連結部の遠位端は遠位区域744に連結されている。咬合制御要素775(
図21)がアプリケータ器具の遠位端にて730に向かって移動すると、第1及び第2の連結部785A、785Bが協働して、外側シャフトの遠位区域744の角度が外側シャフトの近位区域742に対して変わるようになっている。一実施形態においては、咬合制御要素775がアプリケータ器具730の遠位端734に向かって移動すると、遠位区域744が上方へ移動する。咬合制御要素775がアプリケータ器具730の近位端732に向かって移動すると、第1及び第2の連結部785A、785Bが協働して、遠位区域744を下方へ移動させる。故に、咬合制御要素755を所望される角度が得られるまで近位方向及び遠位方向に移動させることによって、可撓性の外側シャフト740の遠位区域744の角度が、近位区域742に対して変更され得る。一実施形態において、操作者は咬合制御要素を用いることによって、外側シャフト740の直線状構成と湾曲状又は角度付き構成とをトグルすることができる。所望される直線状、湾曲状、又は角度付き構成が得られた後、外側シャフト回転要素755を回転することによって、遠位区域744の方向を外側シャフト740の近位区域742に対して変更でき、それにより、遠位区域744の方向が変更される。
【0161】
上記の
図20で記述したように
図21及び22のアプリケータ器具730に、可撓性の発射要素と、可撓性アドバンサーと、可撓性の抗後退要素と、を具備させ、発射系及び外科用締結具の前進系の両方との動作連結部を、外側シャフトが回転しかつ/又は咬合するように維持させることが好ましい。
【0162】
図23及び24を参照すると、一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具100は、撮像系950を有する。撮像系は、完全に又は部分的にアプリケータ器具に統合されていてもよいし、又は選択的にアプリケータ器具に連結される別個のスタンドアロンシステムであってもよい。一実施形態において、撮像系950はアプリケータ器具の作動端にて照明及び視認性を強化し、それにより、外科部位における物体の検出を容易にし、患者上に予め位置決めされた外科用メッシュに対して外科用締結具を正しく位置合わせし載置することを可能にするものであることが望ましい。一実施形態において、アプリケータ器具830は、近位端832と、遠位端834と、その近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸A
1−A
1を備える。アプリケータ器具830は、ハウジング835と、このハウジングから上方へ延在するハンドル836と、このハンドル836上に装着されたトリガ838と、ハウジング835から遠位に延在する細長いシャフト840と、を具備することが望ましい。一実施形態において、細長いシャフト840は、長手方向軸A
1−A
1に沿って延在する近位区域842と、近位区域842に対して或る角度をなすか又は湾曲した遠位区域844と、を具備するものであることが望ましい。一実施形態において、遠位区域844は第2の軸A
2−A
2に沿って延在しており、この第2の軸Aは、近位区域842の軸A
1−A
1と角度α
3をなす。一実施形態において、細長いシャフト840の近位区域及び遠位区域で画定された角度α
3は、鈍角であることが望ましい。一実施形態において、細長いシャフト840は非線形である。一実施形態において、細長いシャフトが湾曲して、遠位区域844がアプリケータ器具のハウジング835から上方へ離れる向きに傾斜する。
【0163】
一実施形態において、キャップ846、例えば、鋭角の縁のない不規則輪郭をもつ端部キャップは、細長いシャフトの遠位端840に固着されている。一実施形態においては、キャップ846は、細長いシャフト840に対して回転も並進もしないように、細長いシャフト840の遠位区域844の遠位端に固着される。キャップ846は、キャップの下側遠位縁892から離れる向きにかつアプリケータ器具830の近位端832に向かって傾斜する遠位端面848を有することが好ましい。
【0164】
一実施形態において、撮像系950は、キャップ846上に装着された撮像装置952と、ハウジング835の内部に配設されている電源954と、細長いシャフト840を通って延在して電力を電源954から細長いシャフトの遠位端840に伝送するための導電ワイヤなどの電力コンジット956と、電力コンジット956に接続されていて電力を電源から受給する光源(不図示)と、を備えることが好ましい。本明細書においてより詳細に記載されているように、光源は、アプリケータ器具830の遠位端834にて撮像装置952の視界を照明するものであることが好ましい。
【0165】
一実施形態において、撮像系950は、トランスミッタコンジット958(例えば、撮像装置952で検出された画像をアプリケータ器具の遠位端834からハウジング835内に位置するトランスミッタ960に伝送するためのトランスミッタ導電ワイヤ)を具備するものであることが望ましい。一実施形態において、トランスミッタコンジット及び電力コンジットは、同じコンジット又は導電ワイヤに結合され得る。撮像系950は、トランスミッタ960に連通するモニター962(
図23)を具備することが好ましい。モニター962は、検出された画像及び/又は信号をトランスミッタ960から受信して、検出された画像をモニター上に表示するように適応されている。一実施形態において、モニター962上に表示された画像は、アプリケータ器具の遠位端にて外科環境の視認性が促進されるように拡大率を高くするか又は拡大表示することが好ましい。
【0166】
図25A〜25Eを参照すると、一実施形態においては、細長いシャフトの遠位端にてキャップ846が、組織又はメッシュ布地を引っ掛けることも損傷させることもないように、鋭角の縁のない滑らかで湾曲した不規則輪郭をもつ外側表面を有することが好ましい。一実施形態において、キャップ846は、キャップの底部に沿って延在する下側遠位縁892と、1つ以上の外科用締結具送達窓を通して分与するための送達窓894と、を備える。一実施形態において、下側遠位縁892は、開いたスカートメッシュの底部メッシュ片の頂部に定着するように適応されている。一実施形態において、送達窓894は上端896と下端898とを備える。送達窓894の下端898は、下側遠位縁892から間隔を空けて配されていて、開いたスカートメッシュのシームよりも上にかつ開いたスカートメッシュの頂部メッシュ片の内部に外科用締結具が分与されるようになっていることが好ましい。
【0167】
一実施形態において、キャップ846は、キャップ846の下側遠位縁892から上方へかつ近位に傾斜する遠位端面848を備える。遠位端面は、撮像装置952を受容する中央開口部970と、第1及び第2の光源974A、974Bをそれぞれ受容する一対の横方向の開口部972A、972Bと、を備えることが好ましい。撮像装置952は、器具の遠位端834(
図23)にて画像を検出するように適応されている。第1及び第2の光源974A、974Bは、器具の遠位端にて撮像装置952の視界を照明する光線を生ずるように適応されている。
【0168】
一実施形態においては、キャップ846が、周辺シームを有する開いたスカートメッシュのポケットに挿入されたときに、光源974A、974Bが器具の遠位端にて撮像装置952の視界を照明することが好ましい。視界を照明することによって、外科スタッフが撮像系を使用して、とりわけ、1)キャップ846の下側遠位縁892が開いたスカートメッシュの底部メッシュ片に対して当接し、2)キャップ846の下側遠位縁892が、開いたスカートメッシュのシームの内側に向かって前進し、ついには、傾斜した遠位面848が、開いたスカートメッシュの頂部メッシュ片に係合し、スカートの頂部メッシュ片がシームの内側に隣接する底部メッシュ片から離れる向きに捩じ曲げられ、かつ3)キャップ846の送達窓894が頂部メッシュ片に対して整列配置され、かつ開いたスカートメッシュの周辺シーム及び底部メッシュ片より上に位置付けられて、外科用締結具が周辺シーム及び/又は底部メッシュ片の中を通ることなしに確実に頂部メッシュ片の中を通して渡されるようになることを検証できる。
【0169】
図26を参照すると、一実施形態において、撮像系950は、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具の遠位端にて物体を検出する目的に使用される。撮像系950は、アプリケータ器具に完全に統合されていてもよいし、アプリケータ器具に部分的に統合されていてもよいし、又は使用前にアプリケータ器具に連結される別個のスタンドアロンシステムであってもよい。一実施形態において、撮像系950は、物体を検出するための撮像装置952と、撮像装置952の視界を照明するための少なくとも1つの光源974と、を具備する。撮像系950は、電力コンジット956Aを通して少なくとも1つの光源974に電力を供給するための電源954を具備することが好ましい。一実施形態において、撮像系950は、撮像装置952の視界を照明するために2つ以上の光源を有し得る。一実施形態において、電源954はまた、第2の電力コンジット956Bを通して撮像装置952に対して電力を供給し得る。
【0170】
一実施形態において、撮像系は、撮像装置952で検出された画像をトランスミッタ960に伝送するトランスミッタコンジット958を具備するものであることが好ましい。一方、トランスミッタ960は、検出された信号をコントローラ980に送信する。このコントローラは、中央処理ユニット982とメモリー984とを備えるものであることが好ましい。コントローラ980は、検出された画像を処理しかつ/又は保存し、その画像をモニター962に転送して、外科スタッフに対して視覚的に表示されるようにするものであることが望ましい。モニター962上の視覚的ディスプレイは、アプリケータ器具の遠位端にて外科スタッフが正確に位置決めするのを支援し、外科用締結具を外科用メッシュ内に正しく配されるようにするものであることが好ましい。一実施形態において、プロセスの任意のステージにおいて画像はワイヤレスにかつ/又はインターネット経由で伝送され得る。
【0171】
図27を参照すると、一実施形態において、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具1030は、取り付け可能な内視鏡器具1150を具備して構成されるように適応されている。一実施形態において、内視鏡器具は、アプリケータ器具1030の細長いシャフト1040に取り付けられている。内視鏡器具1150は、クリップ1175A、1175Bを使用してアプリケータ器具の細長いシャフト1040に対して選択的に取り付け可能であることが望ましい。一実施形態において、内視鏡器具1150は、細長いシャフトのアプリケータ器具の遠位端にて画像を捕捉する1つ以上の光源及び/又は撮像装置を具備し得る。内視鏡器具1150は、視界を照明して、照明された視界の内部にて画像を捕捉するように適応されている遠位の作動端1185を備えたものであることが好ましい。取り付け可能な内視鏡器具1150は細長いシャフト1195を具備し、この細長いシャフトは、アプリケータ器具1030の細長いシャフト1040の形状に適合するように可撓性であり得ることが望ましい。一実施形態において、内視鏡撮像系1150のシャフト1195は、アプリケータ器具1030の細長いシャフト1040の曲線又は非線形形状に適応するように湾曲状又は非線形である。
【0172】
図28A及び28Bを参照すると、一実施形態において、内視鏡器具1150の遠位の作動端1185は、好ましくは、撮像装置1152と、内視鏡器具の遠位端にて視界を照明するために光源1174A、1174Bと、を具備する。内視鏡器具は、本明細書において開示されている撮像系に連結されていることが好ましい。
図28Bは2つの光源1174A、1174Bを備える実施形態を示すが、他の実施形態は、内視鏡取付具1150の遠位端1185にて1つの光源のみを備えていてもよいし、又は3つ以上の光源を備えていてもよい。
【0173】
図29を参照すると、一実施形態においては、内視鏡器具1150をアプリケータ器具1030に固定する目的に、1つ以上のクリップ1175が利用される。一実施形態において、クリップ1175は、中央開口部1199を有するリング1197を具備し、
図27に示すアプリケータ器具1030の細長いシャフト1040の外側表面上に摺動するように適応されている。クリップ1175は一対の可撓性アーム1201A、1201Bを具備し、これらの可撓性アームが、リング1197の外側縁にてU字形開口部1203を画定することが望ましい。一実施形態において、リング1197がアプリケータ器具の細長いシャフト上に固着された後、内視鏡器具1150のシャフト1195をクリップ1175のU字形開口部1203に挿入することによって、内視鏡器具1150がアプリケータ器具に取り付けられ得る。可撓性アーム1201A、1201Bは、クリップ1175のU字形開口部1203の内部にて内視鏡器具1150のシャフト1195を保持することが望ましい。
【0174】
一実施形態においては、1つ以上の取付クリップをアプリケータ器具に恒久的に固定することができる。一実施形態においては、1つ以上の取付クリップをアプリケータ器具に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0175】
本発明は、任意の特定の運用理論に制限されるものではないが、
図29に示すように1つ以上のクリップ1175を使用することにより、内視鏡器具の殺菌、洗浄、メンテナンス、並びに/又は修理に際してアプリケータ器具の細長いシャフトに対する内視鏡器具の選択的な取り付け及び選択的な取り外しを可能にするものであると考えられる。一実施形態において、内視鏡器具は、医学的手技の終了時に捨てられる単回使用装置としてもよく、そうすることによって、新しい内視鏡器具をアプリケータ器具に取り付けて、次回の医学的手技に備えることができる。一実施形態において、内視鏡器具は再使用可能なものである一方、アプリケータ器具を使い捨て式の単回使用装置としてもよい。一実施形態において、内視鏡器具はアプリケータ器具に恒久的に取り付けられている。
【0176】
図30A〜30Cを参照すると、一実施形態においては、クリップ1175A、1175Bを用いてアプリケータ器具1030の細長いシャフト1040に内視鏡器具1150が取り付けてある。
図30A〜30Cには2つのクリップを示してあるが、他の実施形態においては、それよりも多数又は少数のクリップを使用して、アプリケータ器具1030の細長いシャフト1040に内視鏡器具1150を固着し得る。
【0177】
一実施形態において、内視鏡器具1150は細長いシャフト1040に固着されていて、遠位の作動端1185は、細長いシャフトの遠位端1040にて不規則輪郭をもつキャップ1046に隣接している。一実施形態において、内視鏡器具1150の作動端1185の最も遠位の面1205は、不規則輪郭をもつ端部キャップ1046の傾斜した遠位面1048に対して近位にある。結果として、内視鏡器具1150は、キャップ1046の傾斜した遠位面1048内に設けられた送達窓1094を通して外科用締結具が分与されるのを妨げずに済ますことができる。
【0178】
一実施形態において、内視鏡器具1150は、撮像装置と、遠位の作動端1185に設けられた少なくとも1つの光源と、の両方を具備することが好ましい。一実施形態において、内視鏡器具1150は、視界を照明するため1つのみ又はそれより多くの光源を具備し得る。この実施形態においては、内視鏡器具に光源が設けてあり、画像捕捉のための撮像装置を有さない。
【0179】
一実施形態において、撮像装置は、カメラ、光センサー、又は超音波センサーであり得る。一実施形態において、撮像装置は、広角視野を与える魚眼レンズを有するカメラである。
【0180】
一実施形態において、撮像系はNaneye撮像装置と、1mmの光ファイバと、ADG852と称するバッテリと、を具備し得る。Naneye撮像装置は1mm×1mm×1.5mmのサイズで、キャップ846の遠位面848に設けられた中央開口部970(
図25A)の内部に嵌合することが好ましい。一実施形態において、キャップの横方向の開口部972A、972Bの内部に配設されている光源974A、974Bは、Naneyeカメラ用の光線を生ずるために直径1mmの光ファイバを備えたものであることが望ましい。ADG852と称するサイズ1.3×1.6のバッテリは、アプリケータ器具のハウジング内又はハンドル内に位置しており、Naneye撮像装置及び光ファイバの両方にワイヤ接続される。
【0181】
一実施形態において、撮像装置は、光線、赤外線、又は紫外線エネルギーの存在下で物体を検出する、光センサー又は同様な電子コンポーネントである。一実施形態において、光センサーは、材料に衝突する放射線強度に応じて電気伝導率の異なる光導電特性を有する半導体を具備することが好ましい。一実施形態においては、光感知要素をアプリケータ器具の遠位先端部に位置付けることによって光線量の変化を検出することが可能であり、この方法を用いて、メッシュの縁、メッシュの孔などを検出できる。
【0182】
一実施形態において、撮像系は、ユーザーにフィードバックを与える視覚的要素又は可聴要素を具備しており、これらの要素によって、器具の遠位端が所望される位置に位置付けられるタイミングが示される。一実施形態において、視覚的インジケータは、外部LEDであり得る。一実施形態において、可聴インジケータは、スピーカ又はブザーなどの音声を発する要素であり得る。
【0183】
一実施形態において、電源はハウジング又はハンドル内に位置付けられていないが、器具に連結されたケーブル又はワイヤを介して器具に接続される別個のスタンドアロンコンポーネントである。一実施形態において、バッテリは、器具の遠位先端部にて又はその遠位先端部に隣接して位置付けられており、それにより、細長いシャフトを通って延在する電力伝送コンジット又は導電ワイヤの必要性をなくしている。一実施形態において、電源を使用して光源を作動させるよりも寧ろ、光ファイバ又は光ファイバケーブルを介してアプリケータ器具の遠位端に光線を供給するための別個の給電器具を、光源とすることもできる。
【0184】
一実施形態において、光源は、単一のLED又は一連のLEDであり得る。一実施形態において、光源は、器具の端部を照明する光線を拡散させるためのディフューザ又はレンズを有し得る。一実施形態において、光源は、皮膚の外側を照明し、どこに器具の遠位端を位置決めすべきかを外科スタッフに指示できるよう十分に強力であることが好ましい。
【0185】
一実施形態においては、メッシュの移植に先立って、外科用メッシュの移植に望ましい概略位置を患者の皮膚の外側に記すこともでき、患者の皮膚の上に記された望ましい概略位置を基準として実際にどこに外科用メッシュの縁を位置決めすべきかは、器具の遠位端にある光源にて示すことが好ましい。メッシュインプラント手技において患者の皮膚に外部標識を行う装置及び方法は、「DEVICES FOR DISPENSING SURGICAL FASTENERS INTO TISSUE WHILE SIMULTANEOUSLY GENERATING EXTERNAL MARKS THAT MIRROR THE NUMBER AND LOCATION OF THE DISPENSED SURGICAL FASTENERS」と題する2012年3月16日出願の本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/422,003号(代理人整理番号ETH5640USNP)における1つ以上の実施形態に開示されており、それらの出願の開示内容は本明細書において参照により援用されている。
【0186】
一実施形態において、トランスミッタコンジットは、光線及び/又はディジタル信号を伝送できる光ファイバ又は光ファイバケーブルであり得る。ディジタル信号を伝送する一実施形態において、トランスミッタは、検出された画像をディジタル信号としてワイヤレス受信機に伝送し、続いて、視覚的及び/又は可聴ディスプレイに対応した遠隔モニターに情報を配信するものであることが好ましい。
【0187】
一実施形態においては、トランスミッタコンジットを、撮像装置をトランスミッタ又はモニターに連結するワイヤレストランスミッタで置き換えることができる。一実施形態においては、検出された信号が、赤外線及びマイクロ波を通して伝送され得る。
【0188】
一実施形態において、モニターは、腹腔鏡塔であり得る。一実施形態において、モニターは、装置のハンドル端上に直接に装着されたディジタルスクリーンを具備し得る。一実施形態において、モニターは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイなどを具備し得る。一実施形態において、撮像系は、撮像装置を介して捕捉される検出済み画像及び/又はビデオを格納するためのメモリー装置などのデータ格納装置を具備し得る。一実施形態において、撮像系は使い捨て式であってもよい。
【0189】
一実施形態において、撮像系は、カメラ、光センサー又は超音波センサーなどの感知装置を具備し、それらの感知装置が照明、触覚機構、レーダー及び超音波などの輻射源を検出する目的に適応されたものであることが好ましい。撮像系は、器具の遠位端が外科用メッシュインプラントに対して正しく整列配置されたときにユーザーの注意を喚起するため視覚的、可聴、振動式、及び/若しくは触覚信号、又はそれらの組み合わせの形式にてユーザーにフィードバックを与えるものであることが望ましい。
【0190】
本明細書に使用される項目は整理目的のものであり、本明細書又は請求項の範囲を制限することを意図したものではない。本出願全体に使用される用語「〜得る(may)」は、許可の意味(即ち、その可能性を有するという意味)で使用されるものであり、命令の意味(即ち、しなければならないという意味)ではない。同様に、「含む(include、including、及びincludes)」は、それらを含むが限定されないことを意味する。理解を促進するために、可能な場合には、図に共通の同様要素を指定するために、同様の参照番号が使用される。
【0191】
上述のものは本発明の実施形態に関するが、後続の請求項の範囲によってのみ限定される本発明の基礎的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の及び更なる実施形態を考案することができる。例えば、本発明は、本明細書に記載した任意の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴に、本明細書に記載した任意の別の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴を組み込むことができ、それらは尚、本明細書の範囲内に含まれることが予想される。
【0192】
〔実施の態様〕
(1) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
前記アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、第1の軸に沿って遠位方向及び近位方向に移動可能な発射系と、
前記第1の軸に対して鋭角を画定する第2の軸に沿って、前記ハウジングから上方へ延在するハンドルであって、前記アプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する、ハンドルと、
前記発射系を作動させるため前記ハンドル上に装着されたトリガと、
前記ハウジングから延在する細長いシャフトであって、前記細長いシャフトは非線形であり、前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ延在する遠位区域を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端にて画像を検出するための、前記アプリケータ器具に連結された撮像装置と、
を具備する、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具。
(2) 前記細長いシャフトの前記遠位端にて前記撮像装置の視界を照明するための、前記アプリケータ器具と連結されている光源を更に備える、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(3) 前記細長いシャフトの前記遠位端に固着されたキャップを更に具備し、前記撮像装置が前記キャップ上に配設されている、実施態様2に記載のアプリケータ器具。
(4) 前記光源が前記キャップ上に配設されている、実施態様3に記載のアプリケータ器具。
(5) 前記撮像装置と前記光源とを含む撮像系を更に具備し、前記撮像系が、
前記光源に対して電力を供給するための電源と、
前記電源から前記光源に電力を伝送するための電力コンジットと、
前記撮像装置で検出された画像を伝送するための画像コンジットと、
前記検出された画像を表示するためのモニターと、
を具備する、実施態様2に記載のアプリケータ器具。
【0193】
(6) 前記電力コンジットが、前記電源に接続された近位端と前記光源に接続された遠位端とを備える導電ワイヤを具備する、実施態様5に記載のアプリケータ器具。
(7) 前記電源が前記ハンドル上に配設されていて、前記導電ワイヤが前記細長いシャフトを通って延在する、実施態様6に記載のアプリケータ器具。
(8) 前記画像コンジットが、前記検出された画像を前記モニターに伝送するための導電ワイヤ、光ファイバケーブル、及びワイヤレストランスミッタからなる群から選択される、実施態様5に記載のアプリケータ器具。
(9) 前記撮像装置が、カメラ、光センサー及び超音波センサーからなる群から選択される、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(10) 前記光源が発光ダイオード、光ファイバケーブル、及び外科用照明からなる群から選択される、実施態様2に記載のアプリケータ器具。
【0194】
(11) 前記キャップが、前記細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有し、かつ前記細長いシャフトの前記外径よりも大きい長さを有し、前記キャップが、前記下側遠位縁から上方へ近位方向に傾斜する遠位端面を有し、かつ前記キャップは外科用締結具を分与するため前記遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓を含み、前記撮像装置及び前記光源が、前記遠位端面に配設されている、実施態様4に記載のアプリケータ器具。
(12) 前記下側遠位縁が、前記細長いシャフトの前記遠位端にて前記外径に及ぶ中央区域と、前記中央区域から横方向にかつ前記細長いシャフトの前記外径を超えて延在する第1の延長部及び第2の延長部と、を備える、実施態様11に記載のアプリケータ器具。
(13) 前記第1の横方向の延長部及び第2の横方向の延長部が、前記キャップの前記底面から横方向に延在する凸状に湾曲した底面を有し、前記キャップの前記近位端が、前記細長いシャフトの前記遠位端の前記外径に合致して適合する外径を有する、実施態様12に記載のアプリケータ器具。
(14) 前記非線形の細長いシャフトが、前記第1の軸に沿って延在する近位区域と、前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ延在するように前記近位区域に対して或る角度に向けられる前記遠位区域と、を含む、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
(15) 前記非線形の細長いシャフトが湾曲して、前記細長いシャフトの前記遠位区域が前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ傾斜するようになっている、実施態様1に記載のアプリケータ器具。
【0195】
(16) 前記撮像装置及び前記光源が、前記アプリケータ器具の前記細長いシャフトに対して着脱自在に取り付けられている内視鏡器具に組み込まれる、実施態様2に記載のアプリケータ器具。
(17) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
前記アプリケータ器具の底部を画定するハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、第1の軸に沿って遠位方向及び近位方向に移動可能な発射系と、
前記第1の軸に対して鋭角を画定する第2の軸に沿って、前記ハウジングから上方へ延在するハンドルであって、前記アプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する、ハンドルと、
前記発射系を作動させるため前記ハンドル上に装着されたトリガと、
前記ハウジングから延在する細長いシャフトであって、前記細長いシャフトは非線形であり、前記アプリケータ器具の前記頂部に向かって上方へ延在する遠位区域を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に固着されたキャップであって、前記細長いシャフトの外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有する、キャップと、
前記アプリケータ器具の遠位端にて画像を検出するための、前記アプリケータ器具に取り付けられた撮像装置と、
前記アプリケータ器具の前記遠位端にて前記撮像装置の視界を照明するための、前記アプリケータ器具に取り付けられた光源と、
を具備する、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具。
(18) 前記撮像装置及び前記光源が前記キャップ上に装着されている、実施態様17に記載のアプリケータ器具。
(19) 前記撮像装置及び前記光源が、前記細長いシャフトに取り付けられた内視鏡器具上に配設されている、実施態様17に記載のアプリケータ器具。
(20) 前記撮像装置と前記光源とを含む撮像系を更に備え、前記撮像系が、
前記光源に対して電力を供給するための電源と、
前記電源から前記光源に電力を伝送するための電力コンジットと、
前記撮像装置で検出された画像を伝送するための画像コンジットと、
前記検出された画像を表示するためのモニターと、
を具備する、実施態様17に記載のアプリケータ器具。
【0196】
(21) 外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから遠位に延在する外径を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端に固着されたキャップであって、前記キャップが、前記細長いシャフトの前記外径を超えて横方向に延在する下側遠位縁を有し、前記細長いシャフトの前記外径よりも大きい長さを有し、前記下側遠位縁から上方へ近位に傾斜する遠位端面を備え、かつ外科用締結具を分与するため前記遠位端面内に形成された外科用締結具送達窓を含む、キャップと、
前記シャフトの前記遠位端にて視界を照明するための光源を含む撮像系と、
を具備する、外科用締結具を分与するためのアプリケータ器具。
(22) 前記撮像系が、前記シャフトの前記遠位端にて前記光源で照明される画像を検出するための撮像装置を更に具備し、前記撮像装置及び前記光源が前記キャップ上に配設されている、実施態様21に記載のアプリケータ器具。
(23) 前記シャフトに対して着脱自在に取り付けられている内視鏡器具を更に具備し、前記内視鏡器具が前記光源と撮像装置とを含む、実施態様21に記載のアプリケータ器具。
(24) 前記アプリケータ器具のシャフトが非線形であり、前記アプリケータ器具の頂部に向かって上方へ延在する遠位区域を有する、実施態様21に記載のアプリケータ器具。
(25) 前記アプリケータ器具の底部を画定する前記ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された発射系であって、遠位方向及び近位方向に移動可能な、発射系と、
前記ハウジングから上方へ延在し、前記アプリケータ器具の遠位端に向かって或る角度をなすハンドルであって、前記アプリケータ器具の頂部を画定する上端を有する、ハンドルと、
前記発射系を作動させるため前記ハンドル上に装着されたトリガと、
前記アプリケータ器具の前記底部近くで前記ハウジングから遠位に延在する前記シャフトと、
前記シャフトに連続的に装填される複数の外科用締結具と、
前記キャップの前記外科用締結具送達窓を通して前記外科用締結具を分与するために前記発射系を作動させるように係合可能な、前記ハンドル上に装着された前記トリガと、
を更に備える、実施態様21に記載のアプリケータ器具。