特許第6138950号(P6138950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6138950-新規化合物及び医薬における使用法 図000117
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138950
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】新規化合物及び医薬における使用法
(51)【国際特許分類】
   C07D 295/185 20060101AFI20170522BHJP
   C07D 295/205 20060101ALI20170522BHJP
   C07D 295/26 20060101ALI20170522BHJP
   C07D 233/64 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   C07D295/185CSP
   C07D295/205
   C07D295/26
   C07D233/64 104
   A61K31/495
   A61K31/496
   A61P11/00
   A61P25/00
   A61P25/28
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61P37/02
   A61P7/02
   A61P35/00
   A61P31/18
   A61P17/06
   A61P29/00
   A61P43/00 111
【請求項の数】18
【全頁数】84
(21)【出願番号】特願2015-536220(P2015-536220)
(86)(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公表番号】特表2015-533154(P2015-533154A)
(43)【公表日】2015年11月19日
(86)【国際出願番号】GB2013052631
(87)【国際公開番号】WO2014057266
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】1218084.0
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500074349
【氏名又は名称】アストン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,マーチン
(72)【発明者】
【氏名】ラスボーン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バダロ,レオナ エデュアルド
【審査官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−532886(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/088075(WO,A1)
【文献】 特表2011−507910(JP,A)
【文献】 特開平03−118371(JP,A)
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry,2004年,Vol.12, No.1,p.71-85
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,2006年,Vol.49, No.25,p.7493-7501
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスグルタミナーゼ阻害剤を用いた治療に反応性である疾患もしくは症状の、治療又は予防において使用するための式Iの化合物、又はその薬学的及び/又は獣医学的に許容される塩又は溶媒和物
【化1】
[式中、
は、RC(O)−、ROC(O)−、及びRS(O)−から選択され、
ここで、
は、低級アルキル基であり、
は、複素環基、アラルキル基、及び低級アルキル基からなる群より選択され、
前記低級アルキル基は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、飽和されているC−C20アルキルであり、
前記アラルキル基は、1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基で置換され、前記1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基により、ROC(O)−のエステル部分へ結合されたアリール基であり、
前記アリール基は、前記1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基以外に、フルオロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)NRR’、及びNRR’(ここで、R及びR’は、低級アルキル基を表す)から選択される1つ以上の置換基で置換された、又は置換されていない、6から10員の炭素環式芳香族基であり、
は、フェニル基又はナフチル基であり、
は、水素であり;かつ
は、−C(O)R及び−S(O)CHCHからなる群より選択され、
ここで、Rは、ハロゲン化アルキル、アルキレンジアルキルスルホニウム、及び低級アルケニル基からなる群より選択され
前記低級アルケニル基は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、C−C20アルケニルである
【請求項2】
がRC(O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が:
【化2】
である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がROC(O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、直鎖C1−6アルキレン基により、ROC(O)−のエステル部分へ結合されたフェニル又はナフチル基を含んでなる、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が:
【化3】
である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、RS(O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、ナフチル基である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、ハロゲン化アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、アルキレンジアルキルスルホニウム基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
が、低級アルケニル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】

【化4】
である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
下記表1及び2中に記載の下記化合物群より選択される、請求項1に記載の化合物。
EB 1−32、EB 1−33、EB 1−50、EB 2−13、EB 1−37、EB 1−46、EB 1−87、EB 1−91、EB 1−81、EB 1−137、EB 1−138、EB 1−136、EB2−58、EB 1−128、EB 2−28、EB 1−123、EB 1−111、EB 1−176、EB 1−178、EB 1−180、EB 1−177、EB 2−30、EB 1−181、EB 2−17、EB 2−54、EB 2−18、EB 2−16、EB 2−35及びEB 2−3
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【請求項14】
前記疾患又は症状が、線維症(嚢胞性線維症など)、瘢痕化、神経変性性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病など)、自己免疫疾患(多発性硬化症及びセリアック病など)、血栓症、増殖性障害(癌など)、AIDS、乾癬、及び炎症(慢性炎症性疾患など)からなる群より選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
式Iの化合物、又はその薬学的及び/又は獣医学的に許容される塩又は溶媒和物
【化5】
[式中、
は、RC(O)−、ROC(O)−、及びRS(O)−から選択され、
ここで、
は、低級アルキル基であり、
は、複素環基、アラルキル基、及び低級アルキル基からなる群より選択され、
前記低級アルキル基は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、飽和されているC−C20アルキルであり、
前記アラルキル基は、1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基で置換され、前記1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基により、ROC(O)−のエステル部分へ結合されたアリール基であり、
前記アリール基は、前記1つの飽和、非環式C1−6アルキレン基以外に、フルオロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)NRR’、及びNRR’(ここで、R及びR’は、低級アルキル基を表す)から選択される1つ以上の置換基で置換された、又は置換されていない、6から10員の炭素環式芳香族基であり、
は、フェニル基又はナフチル基であり、
は、水素であり;かつ
は、−C(O)R及び−S(O)CHCHからなる群より選択され、
ここで、Rは、ハロゲン化アルキル、アルキレンジアルキルスルホニウム、及び低級アルケニル基からなる群より選択され
前記低級アルケニル基は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、C−C20アルケニルである
【請求項16】
下記表1及び2中に記載の下記化合物群より選択される、請求項15に記載の化合物。
EB 1−32、EB 1−33、EB 1−50、EB 2−13、EB 1−37、EB 1−46、EB 1−87、EB 1−91、EB 1−81、EB 1−137、EB 1−138、EB 1−136、EB2−58、EB 1−128、EB 2−28、EB 1−123、EB 1−111、EB 1−176、EB 1−178、EB 1−180、EB 1−177、EB 2−30、EB 1−181、EB 2−17、EB 2−54、EB 2−18、EB 2−16、EB 2−35及びEB 2−3
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【請求項17】
下記表3中に記載の下記化合物群より選択される化合物、又はその薬学的及び/又は獣医学的に許容される塩又は溶媒和物。
EB 1−155、EB 1−159及びEB 2−57
【表9】
【請求項18】
トランスグルタミナーゼ阻害剤を用いた治療に反応性である疾患もしくは症状の、治療又は予防において使用するための請求項17に記載の化合物、又はその薬学的及び/又は獣医学的に許容される塩又は溶媒和物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスグルタミナーゼ阻害活性をもつ新規化合物及び医薬におけるその使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
トランスグルタミナーゼ(TGs又はTGases)は、ペプチド結合したグルタミンのγ−カルボキサミド基と第一級アミンとの間のアシル転移反応を媒介することによりタンパク質を修飾することができる酵素の一群である。この反応の結果は翻訳後修飾であり、アミンが、ペプチド結合したリジンのε−アミノ基である場合にはタンパク質の架橋か、又はポリアミンなどの第一級アミンへの架橋によるペプチドグルタミンの修飾、のいずれかによる。ある条件下では、また適当な第一級アミンの不在下では、ペプチド結合したグルタミンの脱アミドもまた起こり得る。タンパク質を高分子量タンパク質凝集体へ架橋させる能力の故に、TGsは「天然の生物学的接着剤」と称されてきた(非特許文献1)。TGsは、自然界で広く見出されるが、哺乳類ではその酵素活性はCa2+依存性であり、GTP/GDPを含む他の因子もまた哺乳類TGsのいくつかの活性に影響を及ぼし得る(非特許文献2)。哺乳類TGファミリーの活性のある8つのメンバー(TG1−7、及び因子XIII)は、全てが完全にキャラクタライズされているわけではない(非特許文献3)。このファミリーのもう一つのメンバー、バンド4.2は、触媒的に不活性であり、また主として赤血球の細胞骨格の調節に関連づけられている。TG2(組織トランスグルタミナーゼ、TG2M、tTG)は、恐らく最も遍在する哺乳類TGファミリーのメンバーであり、細胞内及び細胞外の双方の環境において検出される。そのアミド基転移、GTPase活性、及びATPase活性に加えて(非特許文献4)、最近、さらなる新たな活性が、TG2、即ちプロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(非特許文献5)及びプロテインキナーゼ活性(非特許文献6)について報告されており、それ故、この多様な酵素群の潜在的な生理学的及び病理学的重要性がさらに広がっている。トランスグルタミナーゼ、特にTG2の異常なレベル及び/又は活性は、セリアックスプルー、神経変性性疾患(アルツハイマー、パーキンソン、ハンチントン病)、線維症、白内障、癌転移などの多くの疾病状態において観察されており、またこのリストはもちろん網羅されることを意図したものではない。さらに、TG2−/−動物モデル(非特許文献7、8)、又は阻害剤研究(非特許文献9、10)のいずれかを用いた概念実証研究は、この酵素が治療的介入のための新たな候補である可能性を示してきた。
【0003】
広く多様な生物学的プロセス及び病理学におけるその関与の故に、TG2の多機能的役割をさらに研究するための化学ツールの開発は、活発な研究領域である。これまで開発された阻害剤の殆どは、酵素の触媒部位を標的としているが、TG2補因子結合部位を競合する低分子の報告もある。触媒システイン残基(hTG2の場合はCYS277)に到達してそれと反応するそれらの能力に基づき、それらはさらに可逆的及び不可逆的阻害剤に分類され得る。種々の求電子基をもつペプチド性阻害剤(例えば、クロロアセトアミド(非特許文献11)、α,β−不飽和アミド(非特許文献11)、マレイミド(非特許文献12)、スルホニウムメチルケトン(非特許文献13)、ジヒドロイソオキサゾール(非特許文献14)、シンナモイル誘導体(非特許文献15、16)、オキシインドール(非特許文献17)、スルホンアミドピペラジン(非特許文献18))は、かかる誘導体の最近の例である。不可逆的阻害剤(非特許文献19、20)又はヌクレオチド(非特許文献21、22)のいずれかと共結晶化された、解明されたTG2構造は、不活性から活性化状態へ移るとき、酵素の非常に大きな立体構造変化を示しており、未来のより強力な阻害剤の設計を強化するに違いない。
【0004】
本発明は、医薬において使用するための、トランスグルタミナーゼ活性を阻害する新規化合物を提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Griffin,M.R.Casadio,and C.M.Bergamini.“Transglutaminase:nature’s biological glues(天然の生物学的接着剤)”.Biochem J.2002年、第368巻、p.377−396.
【非特許文献2】Verderio,E.A.,T.Johnson,and M.Griffin.“Tissue transglutaminase in normal and abnormal wound healing:review artile(正常及び異常な創傷治癒における組織トランスグルタミナーゼ:総説”.Amino Acids.2004年、第26巻、p.387−404.
【非特許文献3】Collighan,R.J.,and M.Griffin.“Transglutaminase 2 cross−linking of matrix proteins:biological significance and medical applications(マトリックスタンパク質のトランスグルタミナーゼ2架橋:生物学的意義及び医学的応用)”.Amino Acids,2009年、第36巻、p.659−670.
【非特許文献4】Nakaoka,H.D.M.Perez,K.J.Beak,T.Das,A.Husain,K.Misono,M.J.Im,and R.M.Graham.“Gh:a GTP−binding protein with transglutaminase activity and receptor signaling function(Gh:トランスグルタミナーゼ活性及び受容体シグナリング機能をもつGTP結合タンパク質)”.Science.1994年、第264巻、p.1593−1596.
【非特許文献5】Hasegawa,G.,M.Suwa,Y.Ichiawa,T.Ohtsuka,S.Kumagai,M.Kikuchi,Y.Sato,and Y.Saito.“A novel function of tissue−type transglutaminase:protein disulphide isomerase(組織型トランスグルタミナーゼの新規機能:プロテインジスルフィドイソメラーゼ)”.Biochem.J.2003年、第373巻、p.793−803.
【非特許文献6】Mishra,S.,and L.J.Murphy.“Tissue transglutaminase has intrinsic kinase activity:identification of transglutaminase 2 as an insulin−like growth factor−binding protein−3 kinase(組織トランスグルタミナーゼは内在性キナーゼ活性を有する:インスリン様増殖因子結合タンパク質3キナーゼとしてのトランスグルタミナーゼ2の同定)”.J.Biol Chem.2004年、第279巻、p.23863−23868.
【非特許文献7】Bailey,C.D.,and G.V.Johnson.“Tissue transglutaminase contributes to disease progression in the R6/2 Huntington’s disease mouse model via aggregate−independent mechanisms(組織トランスグルタミナーゼは凝集に無関係のメカニズムによりR6/2ハンチントン病マウスモデルにおける疾患の進行に寄与する”.J Neurochem.2005年、第92巻、p.83−92.
【非特許文献8】Mastroberardino,P.G.,C.Iannicola,R.Nardacci,F.Bernassola,V.De Laurenzi,G.Melino,S.Moreno,F.Pavone,S.Oliverio,L.Fesus,and M.Piacentini.“‘Tissue’transglutaminase ablation reduces neuronal death and prolongs survival in a mouse model of Huntington’s disease(組織トランスグルタミナーゼ除去はハンチントン病マウスモデルにおいて神経細胞死を減少させかつ生存期間を延長する)”.Cell Death Differ.2002年、第9巻、p.873−880.
【非特許文献9】Huang,L.、J.L.Haylor,Z.Hau,R.A.Jones,M.E.Vickers,B.Wanger,M.Griffin,R.E.Saint,I.G.Coutts,A.M.El Nahas,and T.S.Johnson.“Transglutaminase inhibition ameliorates experimental diabetic nephropathy(トランスグルタミナーゼ阻害は実験的糖尿病性ニューロパシーを改善する)”.Kidney Int.2009年、第76巻、p.383−394.
【非特許文献10】Johnson,T.,m.Fisher,J.Haylor,Z.Hau,N.Skill,R.Jones,R.Saint,I.Coutts,A.El Nahas,and M.Griffin.“Transglutaminase inhibition ameliorates tissue scarring and fibrosis:experience in kidney model(トランスグルタミナーゼ阻害は組織瘢痕化及び線維症を改善する:腎モデルにおける経験)”.J Am Soc.,2008年、第14巻、p.2052.
【非特許文献11】Pardin,C.,S.M.Gillet and J.W.Keiller.“Synthesis and evaluation of peptidic irreversible inhibitors of tissue transglutaminase(組織トランスグルタミナーゼのペプチド性不可逆的阻害剤の合成及び評価”.Bioorg Med Chem.2006年、第14巻、p.8379−8385.
【非特許文献12】Halim,D.,K.Caron,and J.W.Keillor.“Synthesis and evaluation of peptidic maleimides as transglutaminase inhibitors(トランスグルタミナーゼ阻害剤としてのペプチド性マレイミドの合成及び評価)”.Bioorg Med Lett.2007年、第17巻p.305−308.
【非特許文献13】Griffin,M.,A.Mongeot,R.Collighan,R.E.Saint,R.A.Jones,I.G.Coutts,and D.L.Rathbone.“Synthesis of potent water−soluble tissue transglutaminase inhibitors(強力な水溶性組織トランスグルタミナーゼ阻害剤の合成)”.Bioorg Med Chem Lett.2008年、第18巻、p.5559−5562.
【非特許文献14】Dafik,L.,and C.Khosla.“Dihydroisoxazole analogs for labeling and visualization of catalytially active transglutaminase 2(触媒活性トランスグルタミナーゼ2の標識化及び可視化のためのジヒドロイソオキサゾール類似体)”.Chem Biol.2011年、第18巻、p.58−66.
【非特許文献15】Pardin,C.,J.N.Pelletier,W.D.Lubell,and J.W.Keillor.“Cinnamoyl inhibitors of tissue transglutaminase(組織トランスグルタミナーゼのシンナモイル阻害剤)”.J Org Chem.2008年a、第73巻、p.5766−5775.
【非特許文献16】Pardin,C.,I.Roy,W.D.Lubell,and J.W.Keillor.“Reversible and cometitive cinnamoyl triazole inhibitors of tissue transglutaminase(組織トランスグルタミナーゼの可逆的及び競合的シンナモイルトリアゾール阻害剤)”.Chem Biol Drug Des.2008年b、第72巻、p.189−196.
【非特許文献17】Klock,C.,X.Jin,K.Choi,C.Khosla,P.B.Madrid,A.Spencer,B.C.Raimundo,P.Boardman,G.Lanza,and J.H.Griffin.“Acylideneoxoindoles:A new class of reversible inhibitors of human transglutaminase 2(アシリデンオキソインドール:ヒトトランスグルタミナーゼ2の新規クラスの可逆的阻害剤)”.Bioorg Med Chem Lett.2011年、第21巻、p.2692−2696.
【非特許文献18】Prime,M.E.,O.A.Anderson,J.J.Barker,M.A.Brooks,R.K.Cheng,I.Toogood−Johnson,S.M.Countney,F.A.Brookfield,C.J.Yarnold,R.W.Marston,P.D.Johnson,S.F.Johnsen,J.J.Palfrey,D.Vaidya,S.Erfan,O.Ichihara,B.Felicetti,S.Palan,A.Pedret−Dunn,S.Schaertl,I.Sternberger,A.Ebneth,A.Scheel,D.Winkler,L.Toledo−Sherman,M.Beconi,D.Macdonald,I.Munoz−Sanjuan,C.Dominguez,and J.Wityak.“Discovery and structure−activity relationship of potent and selective covalent inhibitors of transglutaminase 2 for Huntington’s disease(ハンチントン病のためのトランスグルタミナーゼ2の強力かつ選択的な共有結合型阻害剤の発見及び構造−活性相関)”J.Med Chem.2012年、第55巻、p.1021−1046.
【非特許文献19】Lindemann,I.A.Heine,and G.Klebe.“Transglutaminase 2 in complex with a novel inhibitor(新規阻害剤との複合体におけるトランスグルタミナーゼ2)”.2012年、PDBコード:3S3P,3S3S,3S3J.
【非特許文献20】Pinkas,D.M.,P.Strop.,A.T.Brunger,and C.Khosla.“Transglutaminase 2 undergoes a large conformational change upon activation(トランスグルタミナーゼ2は活性化に際し大きな立体構造変化を受ける)”.PLoS Biol.2007年、5:e327.
【非特許文献21】Han,B.−G.,J.−W.Cho,Y.D.Cho,K.−C.Jeong,S.−Y.Kim,and B.I.Lee.“Crystal structure of human transglutaminase 2 in complex with adenosine triphostate(アデノシン三リン酸との複合体におけるヒトトランスグルタミナーゼ2の結晶構造)”.International Journal of Biological Macromolecules.2010年、第47巻、p.190−195.
【非特許文献22】Liu,S.,R.A.Cerione,and J.Clardy.“Structural basis for the guanine nucleotide−binding activity of tissue transglutaminase and its regulation of transamidation activity(組織トランスグルタミナーゼのグアニンヌクレオチド結合活性の構造基盤及びそのアミド基転移活性の調節)”.Proc Natl Acad Sci USA.2002年、第99巻、p.2743−2747.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ピペラジンスキャフォールドを含んでなる新規なクラスのペプチドミメティック誘導体が、組織トランスグルタミナーゼなどのトランスグルタミナーゼ酵素と相互作用すること、及びそれらの活性を阻害することができるという発見に由来する。
【0007】
本発明の第1の態様によれは、式Iの化合物、及びその薬学的及び/又は獣医学的に許容される誘導体が提供される。
【0008】
【化1】
【0009】
[式中、
は、RC(O)−、ROC(O)−、及びRS(O)−(ここで、「−」は、R置換基とピペラジン環の窒素との間の結合を示す)から選択され、
ここで、
は、低級アルキル基であり、
及びRは、複素環基、アラルキル基、及び低級アルキル基からなる群より選択され、
は、アミノ酸の側鎖であり;かつ
は、−C(O)R及び−S(O)CHCH(ここで、「−」は、R置換基と、本発明の化合物内のアミノ酸部分の窒素との間の結合を示す)からなる群より選択され、
ここで、Rは、ハロゲン化アルキル、アルキレンジアルキルスルホニウム、アルキレンチオイミダゾリウム、低級アルキル、低級アルケニル、エポキシド、及びアルキレンジヒドロイソオキサゾール基からなる群より選択される]
【0010】
本発明の化合物は、現在そのうちの8種が知られている(TG1−7、及び因子XIII)トランスグルタミナーゼ酵素の阻害剤である。それ故、「トランスグルタミナーゼ」により、本発明者らは酵素委員会分類システム(Enzyme Commission System of Classification)2.3.2.13によって定義された通りの酵素を包含する。
【0011】
好ましい実施形態では、トランスグルタミナーゼ酵素は、組織トランスグルタミナーゼである。
【0012】
別の実施形態では、トランスグルタミナーゼ酵素は、因子XIIIであり得る。
【0013】
トランスグルタミナーゼ、例えば組織トランスグルタミナーゼは、好ましくはヒトのものである。
【0014】
「トランスグルタミナーゼ阻害剤」により、本発明者らは、トランスグルタミナーゼ酵素のアミド基転移活性を(好ましくはインビボ(in vivo)で)部分的又は全体的に阻害する任意の化合物を包含する。
【0015】
1つの実施形態では、本発明の化合物は、組織トランスグルタミナーゼの不可逆的阻害剤である。
【0016】
1つの実施形態では、本発明の阻害剤は、組織トランスグルタミナーゼの選択的阻害剤である。「選択的」により、本発明者らは、それが因子XIII、TG1、及びTG3といった他のトランスグルタミナーゼ酵素を阻害するよりも、組織トランスグルタミナーゼ(好ましくはヒトTG2)をより強く阻害することを意味する。有利には、化合物は、因子XIII、TG1、及びTG3などの他のトランスグルタミナーゼ酵素に対するそのIC50よりも少なくとも1桁低い、組織トランスグルタミナーゼ(好ましくはヒトTG2)に対するIC50を示す(実施例2参照)。
【0017】
用語「低級アルキル」は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、飽和されているC−C20アルキルを包含することが意図されている。R、R、R、R、及び/又はRである低級アルキル基は、C−C10アルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルキル、及びC−Cアルキルを包含してもよい。R、R、R、R、及び/又はRが表し得る好ましい低級アルキル基は、C、C、C、C、及びCアルキルを包含する。
【0018】
用語「低級アルキル」が、シクロアルキル基、例えば、単環及び多(縮合)環、並びに平面及び非平面環構造物を含むC−C20シクロアルキル(炭素環)基を包含することが理解されよう。
【0019】
1つの実施形態では、「低級アルキル」基は、C−C10シクロアルキル基である。
【0020】
用語「アルキレン」は、相応に解釈される。
【0021】
用語「低級ハロゲン化アルキル」もまた、相応に解釈される。
【0022】
用語「低級アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式の、C−C20アルケニルを包含することが意図されている。
【0023】
用語「低級アルケニル」はまた、シス及びトランス幾何異性体の双方も包含する。Rが表し得る低級アルケニル基は、C−C10アルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、C−Cアルケニル、及びC−Cアルケニルを包含する。R3が表し得る好ましい低級アルケニル基は、C、C、C、及びCアルケニルを包含する。
【0024】
本発明の化合物においては、Rは、RC(O)−、ROC(O)−、及びRS(O)−(ここで、「−」は、Rがそれに結合する、ピペラジン環の窒素への結合を示す)から選択され、ここで、Rは、低級アルキル基であり、かつR及びRは、複素環基、アラルキル基、及び低級アルキル基からなる群より選択される。
【0025】
それ故、1つの実施形態では、RはRC(O)−である。
【0026】
1つの実施形態では、Rは、シクロへキシル基(6〜20個の炭素を含んでなる平面環又は縮合環など)である。
【0027】
例えば、Rは、以下の構造のアダマンチル置換基であり得る。
【0028】
【化2】
【0029】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、式Iの化合物のカルボニル基の炭素への結合を表す)
【0030】
別の実施形態では、Rは、ROC(O)−であり、ここでRは、複素環基、アラルキル基、又は低級アルキル基である。
【0031】
「複素環」により、本発明者らは、窒素又は酸素などの少なくとも1つの非炭素原子を含んでなる炭素環構造物を包含する。1つの実施形態では、複素環基は4から9個の炭素原子を少なくとも1つの窒素原子と一緒に含んでなる(キノリル環などの)、単環又は多環構造(平面又は非平面)である。
【0032】
「アラルキル」により、本発明者らは、飽和、非環式低級アルキレン基を介して本発明の化合物のピペラジン環へ結合された、アリール基を包含する。用語「アリール」は、フェニル及びナフチルなどの、6から10員の炭素環式芳香族基を包含し、これらの基は、フルオロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル(即ち、アルカリール)、OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)NRR’、及びNRR’(ここで、R及びR’は、低級アルキル基を表す)から選択された1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0033】
したがって、Rは、直鎖C1−6アルキレン基(メチレン又はエチレン基など)により、ROC(O)−のエステル部分へ結合されたフェニル又はナフチル基を、含んでなるか又はそれから構成されていてもよい。
【0034】
1つの実施形態では、フェニル又はナフチル基は、式ROOC−の1つ以上のエステル置換基で置換され、ここで、Rは、低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル、又はブチル基など)である。
【0035】
例えば、Rは下記からなる群より選択され得る。
【0036】
【化3】
【0037】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、式Iの化合物のカルボニル基の炭素への結合を表す)
【0038】
さらなる実施形態では、Rは、直鎖又は分枝鎖の、環式又は非環式であり得る低級アルキル基である。
【0039】
したがって、Rは、−CR(R10)(R11)であってもよく、ここで、R、R10、及びR11は、各々独立してメチル又はエチル基である。
【0040】
例えば、R
【0041】
【化4】
【0042】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、式Iの化合物のカルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0043】
さらなる実施形態では、Rは、アダマンチル環などのシクロアルキル基を含んでなる。
【0044】
例えば、Rは:
【0045】
【化5】
【0046】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、式Iの化合物のカルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0047】
さらなる実施形態では、Rは、RS(O)−であり、ここで、Rは、複素環基、アラルキル基、又は低級アルキル基である。
【0048】
例えば、Rは、複素環基、アラルキル基、又は低級アルキル基(Rについて上記に開示された通りの)であり得る。
【0049】
1つの実施形態では、Rは、フェニル又はナフチル基などのシクロアルキル基を、含んでなるか又はそれから構成され得る。
【0050】
したがって、1つの実施形態において、Rは:
【0051】
【化6】
【0052】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、式Iの化合物のピペラジンの窒素原子への結合を表す)などの、ダンシル基であり得る。
【0053】
本発明の化合物は、そのRがアミノ酸側鎖を構成する、中央のアミノ酸部分を含んでなる。
【0054】
したがって、Rは、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群より選択される、天然産の、タンパク質構成アミノ酸の側鎖であり得る。
【0055】
しかしながら、1つの実施形態では、Rは、芳香族性ではない。例えば、1つの実施形態では、Rは、フェニルアラニン及び/又はチロシンの側鎖ではない。
【0056】
がそれに結合する炭素原子が、立体異性を示し得ることが理解されよう。例えば、化合物のこの部分は、L−アミノ酸(L−アラニンなど)に相当し得る。或いはまた、化合物のこの部分は、D−アミノ酸(D−アラニンなど)に相当し得る。
【0057】
1つの実施形態では、Rは、水素(即ち、グリシンの「側鎖」)、及びアルキル基(即ち、アラニン、イソロイシン、ロイシン、及びバリンの側鎖)からなる群より選択される。例えば、Rは、メチル基(即ち、アラニンのアミノ酸コア)であり得る。
【0058】
は、本発明の化合物のアミノ酸コアへ、そのアミノ酸部分の窒素を介して結合された置換基である。
【0059】
は、−C(O)R、及び−S(O)CHCHからなる群より選択され、ここで、
は、ハロゲン化アルキル、アルキレンジアルキルスルホニウム、アルキレンチオイミダゾリウム、低級アルキル、低級アルケニル、エポキシド、及びアルキレンジヒドロイソオキサゾール基からなる群より選択される。
【0060】
それ故、1つの実施形態では、Rは、−C(O)Rである。
【0061】
1つの実施形態では、Rは、ハロゲン化低級アルキル基である。
【0062】
「ハロゲン化物」により、本発明者らはフッ化物(F)、塩化物(Cl)、臭化物(Br)、及びヨウ化物(I)を包含する。
【0063】
したがって、低級アルキルは、直鎖又は分枝鎖のC−Cアルキルであり、またハロゲン化物は、臭化物又は塩化物であり得る。
【0064】
例えば、Rは:
【0065】
【化7】
【0066】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、カルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0067】
代わりの実施形態では、Rは、アルキレンジアルキルスルホニウム基であり、ここで、アルキレン及びアルキル基は、それぞれ低級アルキレン及びアルキル(直鎖又は分枝鎖のC−Cアルキレン又はアルキルなど)である。
【0068】
例えば、Rは:
【0069】
【化8】
【0070】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、カルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0071】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、アルキレンチオイミダゾリウム基であり、これは、1つ以上の低級アルキル基(直鎖又は分枝鎖のC−Cアルキルなど)で置換され得る。
【0072】
例えば、Rは:
【0073】
【化9】
【0074】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、カルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0075】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、低級アルキル基である。
【0076】
例えば、Rは、−CH(ここで、「−」は、Rがそれに結合する、カルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0077】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、低級アルケニル基である。
【0078】
例えば、Rは:
【0079】
【化10】
【0080】
(ここで、破線は、Rがそれに結合する、カルボニル基の炭素への結合を表す)であり得る。
【0081】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、エポキシド基である。
【0082】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、アルキレン3−ハロ−4,5−ジヒドロイソオキサゾール基(例えば、メチレン3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソオキサゾール基)である。
【0083】
さらなる代わりの実施形態では、Rは、−S(O)CHCH(ここで、「−」は、Rがそれに結合する、本発明の化合物の窒素への結合を表す)である。
【0084】
したがって、Rは、ビニルスルホンアミド基を(Rがそれに結合する、本発明の化合物の−NH−部分と一緒に)を形成する。
【0085】
本発明の種々の化合物が、トランスグルタミナーゼ酵素を異なる強さで阻害し得ることが理解されよう。
【0086】
好ましい実施形態では、化合物は、ヒト組織トランスグルタミナーゼに関し、100μM未満、例えば、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、4μM、3μM、2μM未満、又は1μM未満のIC50を示す(方法については実施例2参照)。
【0087】
本発明の代表的な化合物は、表1から3に示される(以下の実施例2参照)。
【0088】
しかしながら、1つの実施形態では、化合物は、EB1−34、EB1−45、
EB1−104、EB1−105、EB1−127、EB1−131、EB1−126、
又はEB1−130ではない。
【0089】
当業者には、塩及び溶媒和物といった、式Iの化合物の薬学的に及び/又は獣医学的に許容される誘導体もまた、本発明の範囲内に包含されることが理解されよう。列挙され得る塩は:酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸を用いて、カルボン酸を用いて、又は有機スルホン酸を用いて生成された塩;塩基付加塩;塩基を用いて生成された金属塩、例えば、ナトリウム及びカリウム塩を包含し得る。
【0090】
したがって、式Iの化合物は、対アニオンにより相殺され得る。代表的な対アニオンは、限定するものではないが、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、及び臭化物)、硫酸塩(例えば、デシル硫酸塩)、硝酸塩、過塩素酸塩、スルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩)、及びトリフルオロ酢酸塩を包含する。他の適当な対アニオンは、当業者に周知であろう。
【0091】
1つの実施形態では、対イオンは臭化物塩である。
【0092】
当業者には、式Iの化合物が互変異性を示し得ることが理解されよう。全ての互変異性型及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。
【0093】
式Iの化合物はまた、1つ以上の不斉炭素原子を含有でき、またそれ故、光学及び/又はジアステレオ異性を示し得る。ジアステレオ異性体は、通常の技術、例えば、クロマトグラフィー又は分別結晶を用いて分離され得る。種々の立体異性体が、通常の、例えば分別結晶又はHPLC技術を用いた、化合物のラセミ混合物又は別の混合物の分離により単離され得る。
【0094】
別法として、所望の光学異性体は、適当な光学活性出発原料の、ラセミ化若しくはエピメリ化を引き起こさない条件下での反応によるか、又は、例えばホモキラルな酸を用いた誘導体化と、それに続く常法(例えば、HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー)によるジアステレオマーエステルの分離により製造され得る。全ての立体異性体が、本発明の範囲内に包含される。
【0095】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による化合物と、薬学的に許容される賦形剤、担体、又は希釈剤とを含んでなる医薬製剤を提供する。
【0096】
化合物は、使用される特定の化合物の効力に応じて、様々な濃度で製剤され得る。好ましくは、組成物は化合物を1nMと1Mとの間、例えば0.1μMと1mMとの間、1μMと100μM、5μMと50μMとの間、10μMと50μMとの間、20μMと40μMとの間、及び任意選択により約30μMの濃度で含んでなる。エクスビボ(ex vivo)及びインビトロ(in vitro)の適用には、組成物はより低濃度の、例えば0.0025μMと1μMとの間の、修飾オステオポンチンポリペプチドを含んでなり得る。
【0097】
賦形剤、担体、又は希釈剤は、意図された投与経路及び標準的薬学のプラクティスを考慮して選択されよう(例えば、Remington著、“The Science and Practice of Pharmacy(薬学の化学と実践)”、米国、第19版、Alfonso Gennaro編、Mack Publishing Company、Pennsylvania、1995年、参照;これは、参考として本明細書に援用される)。
【0098】
「薬学的許容される」により、賦形剤、担体、又は希釈剤が、非毒性、無菌、及び発熱物質フリーであることが包含される。
【0099】
適当な薬学的に許容される担体は、薬剤学の技術分野において周知である。担体は、本発明の化合物と適応性であること、及びその受容者に対し有害ではないという意味で「許容される」べきである。典型的には、担体は、無菌で病原体フリーの、水又は食塩水である;しかしながら、他の許容される担体も使用され得る。それ故、「薬学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される賦形剤」は、担体としてのみ作用することが意図され、即ち、それ自体が生物活性をもつことが意図されていない、製剤の一部を形成するのに使用される任意の化合物を包含する。薬学的に許容される担体又は賦形剤は、一般に安全で、非毒性であり、かつ生物学的にも別の点でも好ましくないものではない。本明細書において使用される通りの薬学的に許容される担体又は賦形剤は、かかる担体又は賦形剤の、1つ及び2つ以上の双方を包含する。
【0100】
賦形剤は、1つ以上の炭水化物、ポリマー、脂質、及び鉱物であり得る。炭水化物の例は、ラクトース、スクロース、マンニトール、及びシクロデキストリンを包含し、これらは、例えば、凍結乾燥を促進するために組成物へ添加される。ポリマーの例は、デンプン、セルロースエーテル、セルロースカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸、ポリスルホネート、ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、種々の加水分解度のポリビニルアルコール/ポリビニルアセテート、及びポリビニルピロリドン(分子量の異なる全ての)であり、これらは例えば、粘度調節のため、生物接着を達成するため、又は化学的及びタンパク質分解的な分解から脂質を保護するために、組成物へ添加される。脂質の例は、脂肪酸、リン脂質、モノ−、ジ−、及びトリグリセリド、セラミド、スフィンゴ脂質及び糖脂質(アシル鎖長及び飽和の異なる全ての)、卵レシチン、大豆レシチン、水素化された卵及び大豆レシチンであり、これらはポリマーと同様の理由で組成物へ添加される。鉱物の例は、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及び酸化チタンであり、これらは液体貯留の低減、又は有利な色素特性などの利益を得るべく添加される。
【0101】
用語「希釈剤」は、医薬品のペプチドを希釈する目的をもつ、水性又は非水性の溶液を意味することが意図されている。希釈剤は、1つ以上の食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、又は油(ベニバナ油、コーン油、落花生油、綿実油、又はゴマ油などの)であり得る。
【0102】
希釈剤はまた、バッファとしても機能し得る。用語「バッファ」は、pHを安定化する目的で酸−塩基混合物を含有する、水性溶液を意味することが意図されている。バッファの例は、Trizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO、及びTESである。
【0103】
本発明の第2の態様による製剤は、単位剤形の形態で便利に提供され得、また薬剤学の技術分野において周知の任意の方法により調製され得る。かかる方法は、活性成分(即ち、本発明の第1の態様による化合物)を、1つ以上の副成分を構成する担体と混ぜ合せる工程を包含する。一般に、製剤は、活性成分を液体担体若しくは微粉状固体担体又は双方と、均一に及び均質に混合すること、及び次に、必要に応じて生成物を成形することにより調製される。
【0104】
経口投与に適した本発明による製剤は、それぞれが所定の量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤、又は錠剤などの個別の単位として;粉末又は顆粒として;水性液体若しくは非水性液体中の、溶液若しくは懸濁液として;又は、水中油液体型エマルジョン若しくは油中水液体型エマルジョンとして提供され得る。活性成分はまた、ボーラス、舐剤、又はペーストとしても提供され得る。当業者には、経口投与用の化合物が、好ましくは消化管内で保護されかつ生体吸着を可能にするよう製剤されるべきであることが理解されよう。
【0105】
好ましい単位剤形は、一日用量若しくは単位、一日サブ用量、又はその適宜分割用量の、活性成分を含有するものである。
【0106】
非経口投与に適した製剤は、抗酸化剤、バッファ、静菌剤、及び製剤を指定受容者の血液と等張にする溶質を含有し得る、水性及び非水性の無菌注射溶液;及び、沈殿防止剤と増粘剤とを包含し得る、水性及び非水性の無菌懸濁液を包含する。製剤は、単位用量又は多用量用の容器、例えば、密封されたアンプル及びバイアル中で提供され得、また使用直前に無菌の液体、例えば注射用水を添加することのみを要する、フリーズドライ(凍結乾燥)された状態で保存され得る。即時調合注射液及び懸濁液は、既に記載されたような無菌の粉末、顆粒、及び錠剤から調製され得る。
【0107】
眼の疾患及び症状の治療用には、化合物は、常法を用いて、眼への適用に適した医薬組成物として製剤され得る。したがって、医薬組成物は、眼局所使用のための、例えば、水性点眼剤、油性点眼剤、眼軟膏、アイローション、オキュサート、ハイドロゲルコンタクトレンズ、コラーゲンシールド、及び眼科用ロッドであり得る。
【0108】
眼用の局所組成物は、典型的には4.5から8.0の範囲のpHを有する。眼用組成物はまた、眼及び眼組織の房水に適合する浸透価をもつべく製剤されねばならない。かかる浸透価は、一般に、水1キログラム当たり約200から約400ミリオスモル(「mOsm/kg」)の範囲内であるが、好ましくは約300mOsm/kgである。
【0109】
なお別の実施形態では、本明細書に記載された通りのTGase阻害剤化合物は、制御放出システムにおいて送達され得る。例えば、ポンプが使用され得る(Langer、上記;Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.1987年、第14巻、p.201;Buchwald et al.,Surgery、1980年、第88巻、p.507;Saudek et al.,N.Engl.J.Med.1989年、第321巻、p.574参照;これらの開示は参考として本明細書に援用される)。
【0110】
別の実施形態では、ポリマー材料が使用され得る(Medical Applications of Controlled Release、Langer and Wise(編)、CRC Pres.,Boca Raton,Fla、1974年;Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smalen and Ball(共編)、Wiley,New York、1984年;Ranger and Peppas,J.,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.1983年、第23巻、p.61参照;また、Levy et al.,Science、1985年、第228巻、p.190;During et al.,Ann.Neurol.、1989年、第25巻、p.351;Howard et al.,J.Neurosurg.、1989年、第71巻、p.105、も参照;これらの開示は参考として本明細書に援用される)。
【0111】
当業者には、本発明の化合物が、抗炎症剤、局所麻酔剤、及び抗生物質などの、1つ以上の付加的な活性剤を含んでなり得ることが理解されよう。
【0112】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による化合物を作製するための方法であって、以下の工程:
(a)p−ニトロフェニルカルボネートの合成;
(b)p−ニトロフェニルカルボネートのピペラジンをアルキル化して、ピペラジンカルボキシレートを生成すること;
(c)ピペラジンカルボキシレートのペプチドカップリング;及び
(d)工程(c)の生成物のカルバメート脱保護、
を含んでなる、該方法を提供する。
【0113】
1つの実施形態では、方法はさらに、工程(d)の生成物をアクリルアミド誘導体化する工程(e)を含んでなる。
【0114】
別の実施形態では、方法はさらに、工程(d)の生成物をアセチル化する工程(e)を含んでなる。
【0115】
別の実施形態では、方法はさらに、工程(d)の生成物のジアルキルスルホニウム塩を生成する工程(e)を含んでなる。
【0116】
別の実施形態では、方法はさらに、工程(d)の生成物のビニルスルホンアミドを生成する工程(e)を含んでなる。
【0117】
本発明の化合物を生成するための適当な合成経路のさらなる詳細は、実施例1に提供される。
【0118】
本発明の第4の態様は、医薬において使用するための本発明の第1の態様による化合物を提供する。
【0119】
本発明の第5の態様は、トランスグルタミナーゼ阻害剤を用いた治療に反応性である疾患又は症状の、治療又は予防において使用するための、本発明の第1の態様による化合物を提供する。
【0120】
例えば、疾患又は症状は、組織トランスグルタミナーゼ(TG2)の阻害剤を用いた治療に反応性であり得る。
【0121】
1つの実施形態では、疾患又は症状は、血管新生阻害剤を用いた治療に反応性である。それ故、本発明の化合物は、血管新生、特に病的血管新生(即ち、疾患又は障害に関連した新生血管新生;Chung & Ferrera,Ann.Rev.Cell Dev. Biol.、2011年、第27巻、p.563−584参照;この開示は参考として本明細書に援用される)を阻害するべく使用され得る。
【0122】
「血管新生を阻害する」により、本発明者らは、化合物の投与がインビボの新しい血管の形成を、少なくとも部分的に低減できることを意味する。したがって、化合物はインビボの血管新生を、化合物の不在下での血管新生レベルに比較して少なくとも10%まで、例えば少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上まで阻害し得る。阻害が、化合物の反復された(即ち慢性的な)投与を必要とし得ることが理解されよう。
【0123】
さらなる実施形態においては、疾患又は症状は、線維症(嚢胞性線維症など)、瘢痕化、神経変性性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病など)、自己免疫疾患(多発性硬化症及びセリアック病など)、血栓症、増殖性障害(癌など)、AIDS、乾癬、及び炎症(慢性炎症性疾患など)からなる群より選択される。
【0124】
例えば、疾患又は症状は、線維症(嚢胞性線維症など)であり得る。
【0125】
或いはまた、疾患又は症状は、神経変性性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病など)であり得る。
【0126】
さらなる別の実施形態では、疾患又は症状は、自己免疫疾患(多発性硬化症及びセリアック病など)であり得る。
【0127】
1つの実施形態では、疾患又は症状は、病的血管新生に関連する。「病的血管新生に関連した疾患又は症状」により、本発明者らは、血管新生の部分的又は完全な阻害が患者に薬効を提供するようにする(例えば、1つ以上の症状を軽減する、及び/又は、疾患若しくは症状の進行を遅くする若しくは防止する)異常な、或いはその他の望ましくない血管新生が起こる疾患又は症状を意味する。
【0128】
例えば、疾患又は症状は、血管腫、乾癬、カポジ肉腫、眼の血管新生、リウマチ様関節炎、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化症、並びに腫瘍増殖及び転移からなる群より選択され得る。
【0129】
1つの実施形態では、疾患又は症状は癌であり得る。
【0130】
例えば、癌は、固形腫瘍(前立腺癌、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、黒色腫、膀胱癌、脳/CNS癌、子宮頸癌、食道癌、胃癌、頭部/頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、リンパ腫、卵巣癌、すい臓癌、及び肉腫など)に関連し得る。
【0131】
さらなる実施形態では、疾患又は症状は、網膜及び/又は脈絡膜の疾患又は障害などの、眼性のものである。
【0132】
したがって、疾患又は症状は網膜症であり得る。
【0133】
例えば、疾患又は症状は、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、未熟児網膜症、網膜中心静脈閉塞症、鎌状赤血球網膜症、分枝及び中心網膜静脈閉塞症、及び網膜外傷からなる群より選択され得る。
【0134】
或いはまた、疾患又は症状は、慢性炎症又は感染症(例えば、血管形成を生じる結果となる眼表面のHSV感染)、角膜瘢痕、損傷修復、翼状片、及び血管新生緑内障(即ち、光彩上及び前房隅角内への血管増殖;robeosis iridis)からなる群より選択され得る。
【0135】
さらなる実施形態では、疾患又は症状は、因子XIIIの阻害剤による治療に対し反応性であり得る。例えば、疾患又は症状は、フィブリンクロットの形成に関連づけられ得る。
【0136】
関連する本発明の第5の態様は、トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ又は因子XIIIなど)の阻害剤による治療に反応性である疾患又は症状の、治療又は予防のための医薬品の調製における、本発明の第1の態様による化合物の使用を提供する。
【0137】
それに対し化合物が使用され得る適当な疾患及び症状は、本発明の第4の態様に関連して上記に定義されている。
【0138】
例えば、疾患又は症状は、線維症(嚢胞性線維症など)、瘢痕化、神経変性性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病など)、自己免疫疾患(多発性硬化症及びセリアック病など)、血栓症、増殖性障害(癌など)、AIDS、乾癬、及び炎症(慢性炎症性疾患など)からなる群より選択され得る。
【0139】
関連する本発明の第6の態様は、トランスグルタミナーゼ阻害剤による治療を必要とする患者の治療方法であって、本発明の第1の態様による化合物、又は本発明の第2の態様による医薬製剤を前記患者に投与することを含んでなる、該方法を提供する。
【0140】
化合物が、トランスグルタミナーゼ活性を(少なくとも部分的に)阻害するための治療上有効な量で投与されるべきであることが理解されよう。本明細書で使用されるとき、「治療上有効な量」又は「有効な量」又は「治療上有効」とは、所与の症状及び投与レジメンに関し、治療効果(トランスグルタミナーゼ活性の阻害による)を提供する量を指す。これは、必要な添加剤及び希釈剤、即ち担体又は投与ビヒクル、と組合せて、所望の治療効果を提供するべく計算された、本発明の化合物の所定の量である。さらに、患者の活性、機能、及び応答における、臨床上有意な欠陥を、低減及び最も好ましくは防止するために充分な量を意味することが意図される。或いはまた、治療上有効な量は、臨床上有意な症状の改善を患者において引き起こすのに充分な量である。当業者には理解される通り、化合物の量は、その比活性に応じて変化し得る。適当な投薬量は、必要な希釈剤と組合せて所望の治療効果を生じるべく計算された、活性組成物の所定の量を含有し得る。本発明の組成物の製造のための方法及び使用において、治療上有効な量の活性成分が提供される。治療上有効な量は、通常の技術の医学及び獣医学の従事者により、年齢、体重、性別、症状、合併症、他の疾患などといった患者の特徴に基づき、当該技術分野において周知の通り決定され得る。
【0141】
化合物がそれに使用され得る適当な疾患及び症状は、本発明の第4の態様に関連して上記に特定されている。
【0142】
好ましくは、本発明の第1の態様による化合物、又は本発明の第2の態様による医薬製剤は、tTGase媒介タンパク質修飾(即ち、架橋)を、少なくとも部分的に阻害するのに充分な量で投与される。さらに好ましくは、化合物又は製剤は、tTGase媒介タンパク質架橋を、少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%まで阻害するために充分な量で投与される。最も好ましくは、化合物又は製剤は、tTGase媒介タンパク質架橋を完全に阻害するのに充分な量で投与される。
【0143】
TGase媒介タンパク質修飾は、当業者に周知の方法により測定され得る。例えば、体液中のイソジペプチドε(γ−グルタミル)リジンの検出は、このタンパク質の架橋を包含する疾患における、架橋頻度の間接的な測定として使用され得る。それ故、体液中のイソジペプチドの減少は、低減されたタンパク質架橋の間接的な測定を提供する(Nemes et al.,Minerva Biotechnology、2002年、第14巻、p.183参照)。
【0144】
別法として、組織生検を行い、そして例えば、材料をタンパク質分解消化した後イオン交換若しくは逆相HPLCにより(Griffin & Wilson,Mol.Cell Biochem.、1984年、第58巻、p.37−49)、又は生検切片を染色し、かつ免疫組織化学によって分析することにより(Skill et al.,2001年、第81巻、p.705−716)分析され得る。
【0145】
さらなる実施形態では、化合物又は製剤は、血管新生を少なくとも部分的に阻害するのに充分な量で投与される。
【0146】
例えば、患者は、線維症(嚢胞性線維症など)、瘢痕化、神経変性性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病など)、自己免疫疾患(多発性硬化症及びセリアック病など)、血栓症、増殖性障害(癌など)、AIDS、乾癬、及び炎症(慢性炎症性疾患など)からなる群より選択される疾患又は症状をもつか、又はそれらを発症するリスクにあり得る。
【0147】
当業者には、治療が予防的及び/又は治療的であり得ることが理解されよう。例えば、本発明の化合物及び製剤は、治療される患者における疾患/障害の開始を、遅らせるか又は防止するべく使用され得る。別法として、又は加えて、本発明の化合物及び製剤は、治療される患者における疾患/障害の症状を、低減するか又は根絶するべく使用され得る。
【0148】
当業者にはさらに、本発明の第1及び第2の態様の化合物又は製剤が、それぞれ当該技術分野において既知の又は開発された、任意の経路により投与され得ることが理解されよう。例えば、化合物又は製剤は、非経口的注射(例えば、静脈内、皮下、又は筋肉内)、経口的、又は局所的に投与され得る。
【0149】
1つの実施形態では、化合物又は製剤は、全身的に、例えば静脈内へ投与される。或いはまた、化合物又は製剤は、局所的に、例えば、TGase媒介タンパク質修飾がそこで阻害されるべき標的部位に又はその付近に投与される。
【0150】
本発明による化合物又は製剤を用いた治療は、単回投与又は一定期間にわたる複数回投与から構成できる。有利には、化合物又は製剤は反復投与される。
【0151】
本発明の化合物又は製剤はまた、化合物又は製剤を必要な部位、例えば固形腫瘍の近辺へ直接放出する、外科的に移植された装置により投与され得る。
【0152】
当業者には、本発明の化合物が任意の哺乳類の治療に使用され得ることが理解されよう。好ましくは、患者はヒトである。或いはまた、患者はイヌ、ネコ、ウマ、又は他の家畜若しくは農耕用哺乳類であり得る。
【0153】
本発明のさらなる態様は、移植臓器の拒絶反応を防止又は処置するための方法であって、該臓器を本発明の第1の態様の化合物、又は本発明の第2の態様の製剤と接触させることからなる、該方法を提供する。それ故、本発明は、移植臓器の拒絶反応を防止又は処置するための医薬の調製における、本発明の第1の態様による化合物の使用を提供する。
【0154】
1つの実施形態では、臓器は心臓、肺、腎臓、又は肝臓である。
【0155】
したがって、臓器は腎臓であり得る。移植されるべき腎臓は、しばしば、組織トランスグルタミナーゼ及び場合によっては別のトランスグルタミナーゼの、多少のアップレギュレーションを示す。さらに、移植後に拒絶される腎臓は、しばしば過剰の瘢痕化と、トランスグルタミナーゼ活性及び架橋のアップレギュレーションとを示す(Abo−Zenah et al.,J.Am.Soc.Nephrol.、2001年、第12巻、p.4454A)。かかる組織変性及びそれに続く臓器拒絶は、腎臓(又は他の臓器)をトランスグルタミナーゼ阻害剤で処置することにより防止され得る。
【0156】
化合物又は製剤が、臓器移植の前、移植中、及び/又は移植後に送達され得ることが理解されよう。したがって、1つの実施形態では、臓器は移植前に、例えば、本発明の第1の態様による化合物を含有する溶液を用いた潅流及び/又は薬浴により処置される。
【0157】
別の実施形態では、臓器は、患者への移植中、及び/又は移植後に処置される。有利には、化合物又は製剤は、移植部位又はその付近に、例えば局所投与により送達される。
【0158】
本発明のいくつかの態様を具現化する、好ましい非限定的例が、以下の図面を参照して次に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0159】
図1】本発明の代表的なTGase阻害剤化合物の、細胞内組織トランスグルタミナーゼ(TG2)活性に対する効果を示す図である。3つの試験化合物は、アクリルアミドベースのR3「弾頭基」を含んでなり(1−155、1−180、及び2−16)、3つの試験化合物はスルホンアミドベースのR3「弾頭基」を含んでなる(1−159、1−178、及び2−18)。
【実施例】
【0160】
実施例1−本発明の代表的な化合物の合成
分析方法
赤外線(IR)スペクトルは、ID5 Diamond ATRアクセサリを具備したThermo Scientific Nicolet iS5 FT−IR赤外分光光度計で記録した。シグナル強度を以下のように略記した:弱い(w)、中程度(m)、及び強い(s)。
【0161】
H NMR及び13C NMRは、Bruker Avance DPX250(それぞれ250.131MHz及び62.895MHzで)により、CDCl及びDMSO中で、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて記録した。化学シフトは、百万分率(ppm)で記録され、結合定数はヘルツ[Hz]の単位で記録される。多重度は、以下の通り略記した:一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、四重線(q)、五重線(p)、六重線(sx)、七重線(sp)、見かけ上の一重線(as)、見かけ上の二重線(ad)、見かけ上の三重線(at)。
【0162】
低分解能質量スペクトル(MS)は、Waters−LCT Premierを用いて記録した。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、Thermo Fischer Scientific LTQ Orbitrap XLを用いて、EPSRC National Mass Spectrometry Center、Swansea(英国)において記録した。
【0163】
融点は、Pt100/RTD温度センサを具備したReichert−Jung Thermo Galen−Hot Stage Microscopeを用いて記録した。
【0164】
フラッシュクロマトグラフィーは、Merck 40−70nM(230−400メッシュ)シリカゲル上で、窒素圧下で実施した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merckシリカゲル 60 F254プレコートプレート上で行なった。可視化は、紫外線(λ=254/365nm)を用いて、また必要に応じて過マンガン酸カリウムのエタノール溶液を用いて行なった。
【0165】
合成経路の概要
(a)カルバメート中間体合成のための一般的スキーム
【0166】
【化11】
【0167】
(b)アミン前駆体合成のための一般的スキーム
【0168】
【化12】
【0169】
(c)最終誘導体の合成のための一般的スキーム
【0170】
【化13】
【0171】
(d)最終誘導体の合成
【0172】
【化14】
【0173】
p−ニトロフェニル−カルボネート合成のための一般的な方法(A)
窒素雰囲気下で、N−メチルモルホリン(1.6当量)を、DCM(20ml)中の対応するアルコール(1当量、3mmol)の溶液へ添加した。混合物を0℃に冷却し、続いてDCM(5ml)中のp−ニトロフェニルクロロホルメート(1.5当量)の溶液を徐々に添加し、混合物を0℃で、出発材料が完全に消費されるまで(通常1−2時間)激しく撹拌した。反応混合物をDCM(75ml)で希釈し、次に炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液、3x100ml)で洗浄した。回収された有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を真空下で蒸発させた。
【0174】
(a)メチル4−[(4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシメチル]ベンゾエート(1b)
【0175】
【化15】
【0176】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、メタノールで、次いでジエチルエーテルで洗浄し、さらに減圧下に乾燥させて、痕跡量の溶媒を除去した。C16H13NO7; 収率 88%; 白色固体; m.p. 95-96°C; M = 331.28 g/mol; IR (ATR): ν = 1763 (s), 1706 (s), 1527 (s), 1448 (m), 1430 (m), 1281 (m), 1208 (m-s), 980 (m), 853 (m-s), 753 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J =9.2 Hz, 2H), 8.08 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 5.35 (s, 2H), 3.93 (s, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.7 (Cq), 155.5 (Cq), 152.5 (Cq), 145.6 (Cq), 139.2 (Cq), 130.8 (Cq), 130.2 (2CH), 128.2 (2CH), 125.5 (2CH), 121.9 (2CH), 70.2 (CH2), 52.4 (CH3); MS: m/z = 354 [M + Na]+;
【0177】
(b)2−ナフチルメチル(4−ニトロフェニル)カルボネート(1c)
【0178】
【化16】
【0179】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、メタノールで、次いでジエチルエーテルで洗浄し、さらに減圧下に乾燥させて、痕跡量の溶媒を除去した。C18H13NO5; 収率67%;白色固体; m.p. 151-152 °C; M = 323.30 g/mol; ; IR (ATR): ν = 1748 (s), 1524 (m), 1351 (m), 1263 (s), 1214 (s), 953 (m), 859 (m), 750 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.31-8.24 (m, 2H), 7.92-7.84 (m, 4H), 7.56-7.50 (m, 3H), 7.42-7.36 (m, 2H), 5.47 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 155.7 (Cq), 152.6 (Cq), 145.5 (Cq), 133.6 (Cq), 133.2 (Cq), 131.7 (Cq), 128.9 (CH), 128.3 (CH), 128.3 (CH), 127.9 (CH), 126.9 (CH), 126.7 (CH), 126.0 (CH), 125.4 (2CH), 121.9 (2CH), 71.3 (CH2); MS: m/z = 346 [M + Na]+;
【0180】
(c)メチル6−[(4−ニトロフェニル)カルボニルオキシメチル]ナフタレン−2−カルボキシレート(1d)
【0181】
【化17】
【0182】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に使用した。C20H15NO7;白色固体; 収率 88%; M = 381.34 g/mol; IR (ATR): ν = 1754 (s), 1715 (s), 1515 (s), 1384 (m), 1254 (m), 1208 (m-s), 853 (m-s), 750 (w) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.63 (s, 1H), 8.31-8.25 (m, 2H), 8.11 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.95 (as, 1H), 7.91 (d,J = 8.7 Hz, 1H), 7.60 (dd, J =8.4 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 7.43-7.36 (m, 2H), 5.48 (s, 2H), 4.00 (s, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 155.6 (Cq), 152.6 (Cq), 145.6 (Cq), 135.4 (Cq), 134.3 (Cq), 132.6 (Cq), 131.0 (CH), 130.3 (CH), 128.5 (CH), 128.4 (Cq), 127.8 (CH), 126.6 (CH), 126.1 (CH), 125.5 (2CH), 121.9 (2CH), 70.9 (CH2), 52.5 (CH3); MS: m/z = 404 [M + Na]+;
【0183】
(d)1−アダマンチルメチル(4−ニトロフェニル)カルボネート(1f)
【0184】
【化18】
【0185】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、メタノールで、次いでジエチルエーテルで洗浄し、さらに減圧下に乾燥させて、痕跡量の溶媒を除去した。C18H21NO5; 収率82 %;白色固体; m.p. 102-103 °C; M = 331.36 g/mol; IR (ATR): ν = 2913 (m), 2847 (m), 1748 (s), 1518 (s), 1342 (m-s), 1266 (m-s), 1217 (s), 856 (m), 762 (w), 729 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.31-8.25 (m, 2H), 7.42-7.36 (m, 2H), 3.89 (s, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.79-1.70 (m, 6H), 1.61 (d, J = 2.6 Hz, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 155.9 (Cq), 152.9 (Cq), 145.4 (Cq), 125.4 (2CH), 121.9 (2CH), 79.1 (CH2), 39.0 (3CH2), 36.9 (3CH2), 33.5 (Cq), 28.0 (3CH); MS: m/z = 354 [M + Na]+;
【0186】
(e)2−(1−アダマンチル)エチル(4−ニトロフェニル)カルボネート(1g))
【0187】
【化19】
【0188】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、メタノールで、次いでジエチルエーテルで洗浄し、さらに減圧下に乾燥させて、痕跡量の溶媒を除去した。C19H23NO5; 収率81%;白色固体; m.p. 94-95 °C; M = 345.39 g/mol; IR (ATR): ν = 2898 (m), 2841 (w), 1757 (s), 1527 (s), 1342 (s), 1260 (s), 1205 (s), 950 (m), 856 (s), 668 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ8.31-8.35 (m, 2H), 7.41-7.34 (m, 2H), 4.35 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.98 (as, 3H), 1.75-1.62 (m, 6H), 1.59-1.53 (m, 8H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ155.7 (Cq), 152.6 (Cq), 145.4 (Cq), 125.4 (2CH), 121.9 (2CH), 66.4 (CH2), 42.5 (3CH2), 42.3 (CH2), 37.0 (3CH2), 31.8 (Cq), 28.6 (3CH); MS: m/z = 368 [M + Na]+;
【0189】
ピペラジンアルキル化工程のための一般的な方法(B)
不活性雰囲気下及び0℃において、先に得られたカルボネート(1当量、1.5mmol)を、DMF(20ml)中のピペラジン(2当量)及びTEA(5当量)の溶液に添加した。混合物を室温に戻させ、一晩激しく撹拌した。出発材料が完全に消費された後、混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、塩化ナトリウム(飽和水溶液、3x20ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に蒸発させた。
【0190】
(a)(4−メトキシカルボニルフェニル)メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2b)
【0191】
【化20】
【0192】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 9/1)によりさらに精製して、最終誘導体を誘導した。C14H18N2O4; 収率64%;淡黄色固体; m.p. 69-70 °C; M = 278.30 g/mol; IR (ATR): ν = 3338 (w), 2950 (w), 1709 (s), 1687 (s), 1433 (s), 1423 (s), 1405 (s), 1275 (s), 1226 (s), 1129 (s), 1105 (s), 798 (m), 762 (s), 750 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.03 (d,J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.18 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.49 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.84 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 1.86 (s, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.9 (Cq), 155.2 (Cq), 142.0 (Cq), 130.0 (2CH), 129.9 (Cq), 127.5 (2CH), 66.5 (CH2), 52.3 (CH3), 45.9 (2CH2), 45.1 (2CH2); MS: m/z = 279 [M + H]+;
【0193】
(b)2−ナフチルメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2c)
【0194】
【化21】
【0195】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 9/1)によりさらに精製して、最終誘導体を誘導した。C16H18N2O2; 収率92%;白色固体; m.p. 44-45°C; M = 270.33 g/mol; IR (ATR): ν= 3259 (w), 2913 (w), 1681 (s), 1442 (m), 1417 (m), 1229 (s), 1129 (m), 1111 (m), 1084 (m), 744 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ7.85-7.81 (m, 4H), 7.51-7.44 (m, 3H), 5.29 (s, 2H), 3.49 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.82 (as, 4H), 2.25 (s, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ155.4 (Cq), 134.2 (Cq), 133.3 (Cq), 133.2 (Cq), 128.4 (CH), 128.1 (CH), 127.8 (CH), 127.1 (CH), 126.3 (CH), 126.3 (CH), 125.9 (CH), 67.7 (CH2), 45.8 (2CH2), 44.8 (2CH2); MS: m/z = 271 [M + H]+;
【0196】
(c)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2d)
【0197】
【化22】
【0198】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 9/1)によりさらに精製して、最終誘導体を誘導した。C18H20N2O4; 収率 85%; 白色固体; m.p. 94-95 °C; M = 328.36 g/mol; IR (ATR): ν = 3320 (w), 2950 (w), 1712 (m), 1681 (s), 1433 (m), 1287 (m), 1226 (m), 1193 (m), 1120 (m), 1075 (m), 756 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.60 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.31 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.51 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.85 (at, J = 4.6 Hz, 4H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.3 (Cq), 155.3 (Cq), 137.0 (Cq), 135.5 (Cq), 132.3 (Cq), 130.9 (CH), 129.9 (CH), 128.4 (CH), 127.8 (Cq), 126.6 (CH), 126.5 (CH), 125.8 (CH), 67.1 (CH2), 52.4 (CH3), 46.0 (2CH2), 45.1 (2CH2); MS: m/z = 329 [M + H]+ and 351 [M + Na]+;
【0199】
(d)1−アダマンチルメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2f)
【0200】
【化23】
【0201】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、その後、さらに精製することなく使用した。C16H26N2O2; 収率 62%;淡黄色固体; M = 278.39 g/mol; IR (ATR): ν = 2883 (m-s), 2841 (m), 1678 (s), 1427 (s), 1232 (s), 1120 (m), 765 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 3.66 (s, 2H), 3.44 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.82 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 2.13 (s, 1H), 1.96 (as, 3H), 1.73-1.60 (m, 6H), 1.51 (d, J = 2.5 Hz, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 155.9 (Cq), 75.2 (CH2), 46.0 (2CH2), 44.9 (2CH2), 39.5 (3CH2), 37.1 (3CH2), 33.6 (Cq), 28.2 (3CH); MS: m/z = 279 [M + H]+;
【0202】
(e)2−(1−アダマンチル)エチルピペラジン−1−カルボキシレート(2g)
【0203】
【化24】
【0204】
一般的なプロトコールに従って得られた粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 95/5)によりさらに精製して、最終誘導体を誘導した。C17H28N2O2; 収率77%; 淡黄色の油、静置して淡黄色の固体へ; m.p. 56-57 °C; M = 292.42 g/mol; IR (ATR): ν = 2895 (s), 2837 (m), 1687 (s), 1436 (s), 1232 (s), 1120 (s), 1087 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 4.12 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.42 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.81 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 1.93 (as, 3H), 1.71-1.58 (m, 6H), 1.52-1.51 (m, 6H), 1.41 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 155.8 (Cq), 61.9 (CH2), 46.0 (2CH2), 44.9 (2CH2), 43.0 (CH2), 42.7 (3CH2), 37.2 (3CH2), 31.9 (Cq), 28.7 (3CH); MS: m/z = 293 [M + H]+;
【0205】
(f)tert−ブチルN−[2−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]−カルバメート(2h)
【0206】
【化25】
【0207】
カップリング化合物は、先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 98/2)により精製して、標題の誘導体を得た。C23H32N4O5S; 収率 89%;淡黄色固体; m.p. 176-177 °C; M = 476.59 g/mol; IR (ATR): ν = 3287 (w), 2977 (w), 1703 (m), 1642 (s), 1339 (m), 1232 (m), 1160 (s), 1141 (s), 932 (m), 798 (s), 710 (m), 616 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.58 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.19 (dd, J = 7.4 Hz, J = 1.3 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.6 Hz, J = 7.5 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.36 (as, 1H), 3.86 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 3.67 - 3.63 (m, 2H), 3.44 - 3.40 (m, 2H), 3.19 - 3.15 (m, 4H), 2.88 (s, 6H), 1.40 (s, 9H);13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.0 (Cq), 155.8 (Cq), 152.0 (Cq), 132.2 (Cq), 131.3 (CH), 131.0 (CH), 130.4 (Cq), 130.2 (Cq), 128.5 (CH), 123.3 (CH), 119.4 (CH), 115.5 (CH), 79.9 (Cq), 45.6 (CH2), 45.5 (2CH3), 45.4 (CH2), 44.2 (CH2), 42.2 (CH2), 41.6 (CH2), 28.4 (3CH3); MS: m/z = 499 [M + Na]+;
【0208】
ペプチドカップリング工程のための一般的な方法(C)
不活性雰囲気下及び室温において、先に得られたピペラジンン(1.85mmol、1当量)のジクロロメタン(DCM、15ml)中の溶液に、連続的に:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC、1.85mmol、1当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.37mmol、0.2当量)、対応するBoc−保護アミノ酸(1.8mmol、1当量)、及びN−メチルモルホリン(5.55mmol、3当量)を添加した。12時間の撹拌後、反応混合物をDCM75mlの添加により希釈し、クエン酸で(10%水溶液、3x50ml)、次にブラインで洗浄した。続いて有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下に溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望のカップリング生成物を得た。
【0209】
(a)ベンジル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3a)
【0210】
【化26】
【0211】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PE 5/5)により精製した。C19H27N3O5; 収率95%;白色固体; m.p. 66-67 °C; M = 377.43 g/mol; IR (ATR): ν = 3329 (w), 2971 (w), 1691 (s), 1627 (m), 1527 (m), 1420 (m), 1223 (s), 1153 (m), 756 (m), 695 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.32 (m, 5H), 5.48 (as, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.96 (d, J =4.4 Hz, 2H), 3.69-3.60 (m, 2H), 3.53-3.49 (m, 4H), 3.45-3.47 (m, 2H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 155.9 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 79.9 (Cq), 67.7 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.4 (CH2), 41.8 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 400 [M + Na]+
【0212】
(b)(4−メトキシカルボニルフェニル)メチル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3b)
【0213】
【化27】
【0214】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PE 5/5)により精製した。C21H29N3O7; 収率 80%;白色固体; m.p. 90-91 °C; M = 435.47 g/mol; IR (ATR): ν = 2977 (w), 1703 (s), 1651 (s), 1430 (m), 1278 (m), 1223 (m), 1160 (m), 1105 (m), 1017 (m), 756 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H) , 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.47 (as, 1H), 5.20 (s, 2H), 3.97 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.70-3.62 (m, 2H), 3.56-3.50 (m, 4H), 3.41-3.37 (m, 2H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ167.3 (Cq), 166.8 (Cq), 154.9 (Cq), 141.4 (2Cq), 130.1 (Cq), 130.0 (2CH), 127.7 (2CH), 80.0 (Cq), 67.0 (CH2), 52.3 (CH3), 44.3 (CH2), 43.7 (2CH2), 42.4 (CH2), 41.8 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 458 [M + Na]+;
【0215】
(c)2−ナフチルメチル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3c)
【0216】
【化28】
【0217】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PE 5/5)により精製した。C23H29N3O5; 収率91%;白色固体; m.p. 41-42°C; M = 427.49 g/mol; IR (ATR): ν = 3332 (w), 2971 (w), 1697 (s), 1645 (s), 1460 (m), 1427 (s), 1214 (s), 1160 (m), 1117 (w), 1017 (w), 747 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.87-7.82 (m, 4H), 7.53-7.45 (m, 3H), 5.48 (as, 1H), 5.31 (s, 2H), 3.96 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 3.69-3.61 (m, 2H), 3.56-3.50 (4H), 3.42-3.33 (m, 2H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.3 (Cq), 155.9 (Cq), 155.2 (Cq), 133.8 (Cq), 133.3 (Cq), 133.3 (Cq), 128.6 (CH), 128.1 (CH), 127.9 (CH), 127.5 (CH), 126.5 (CH), 126.5 (CH), 126.0 (CH), 79.9 (Cq), 67.9 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (2CH2), 42.4 (CH2), 41.8 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 450 [M + Na]+;
【0218】
(d)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3d)
【0219】
【化29】
【0220】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 5/5)により精製した。C25H31N3O7; 収率97%;白色固体; m.p. 43-44 °C; M = 485.53 g/mol; IR (ATR): ν = 3350 (w), 2974 (w), 1697 (s), 1651 (s), 1460 (m), 1423 (s), 1366 (m), 1284 (m), 1220 (m-s), 1163 (m), 762 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.60 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 1Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 8.4 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.33 (s, CH2), 3.99-3.98 (m, 5H), 3.70-3.62 (m, 2H), 3.58-3.52 (m, 4H), 3.41-3.36 (m, 2H), 1.44 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.3 (Cq), 155.1 (Cq), 136.4 (Cq), 135. (Cq), 132.3 (Cq), 130.9 (CH), 130.0 (CH), 128.4 (CH), 128.0 (Cq), 127.0 (CH), 126.6 (CH), 125.9 (CH), 80.0 (Cq), 67.6 (CH2), 52.4 (CH3), 44.3 (CH2), 43.8 (CH2), 43.7 (CH2), 42.4 (CH2), 41.8 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 508 [M + Na]+;
【0221】
(e)tert−ブチルN−[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]カルバメート(3e)
【0222】
【化30】
【0223】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAc 5/5)により精製して、所望の誘導体を誘導した。C22H35N3O4;収率78 %;白色固体; m.p. 187-188 °C; M = 405.53 g/mol; IR (ATR): ν = 3423 (w), 2904 (m), 1712 (s), 1642 (s), 1615 (s), 1442 (m-s), 1399 (m), 1153 (m), 1008 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 6.75 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 5.8Hz, 2H), 3.65-3.49 (m, 4H), 3.47-3.36 (m, 4H), 1.97 (as, 3H), 1.90 (as, 6H), 1.73-1.63 (m, 6H), 1.38 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 174.6 (Cq), 167.6 (Cq), 155.8 (Cq), 77.9 (Cq), 44.6 (2CH2), 44.1 (CH2), 41.7 (2CH2), 40.9 (Cq), 28.4 (3CH2), 36.0 (3CH2), 28.2 (3CH), 27.9 (3CH3); MS: m/z = 428 [M + Na]+;
【0224】
(f)1−アダマンチルメチル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3f)
【0225】
【化31】
【0226】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAc 5/5)により精製した。C23H37N3O5; 収率78%;白色固体; m.p. 156-157 °C; M = 435.56 g/mol; IR (ATR): ν = 3405 (w), 2907 (m), 1712 (s), 1678 (s), 1639 (s), 1475 (m-s), 1430 (s), 1229 (m-s), 1163 (m-s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 5.48 (as, 1H), 3.97 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.65-3.59 (m, 2H), 3.53-3.47 (m, 4H), 3.40-3.37 (m, 2H), 1.99 (as, 3H), 1.76-1.62 (m, 6H), 1.53 (d, J = 2.5 Hz, 6H), 1.45 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.3 (Cq), 155.9 (Cq), 155.7 (Cq), 79.9 (Cq), 75.6 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.4 (CH2), 41.9 (CH2), 39.5 (3CH2), 37.1 (3CH2), 33.6 (Cq), 28.5 (3CH3), 28.1 (3CH); MS: m/z = 458 [M + Na]+;
【0227】
(g)2−(1−アダマンチル)エチル4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3g)
【0228】
【化32】
【0229】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAc 5/5)により精製した。C24H39N3O5; 収率 78%;白色固体; m.p. 167-168 °C; M = 449.58 g/mol; IR (ATR): ν = 3362 (w), 2898 (m), 2844 (w), 1706 (m-s), 1687 (m-s), 1645 (s), 1463 (m), 1427 (m-s), 1217 (s), 1156 (m), 1123 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 5.48 (as, 1H), 4.14 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.95 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 3.62-3.58 (m, 2H), 3.47-3.41 (m, 4H), 3.37-3.34 (m, 2H), 1.93 (as, 3H), 1.72-1.58 (m, 6H), 1.51 (d,J = 2.5 Hz, 6H), 1.43-1.39 (m, 11H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 155.9 (Cq), 155.5 (Cq), 79.9 (Cq), 62.5 (CH2), 44.3 (CH2), 43.6 (CH2), 43.5 (CH2), 42.9 (CH2), 42.7 (3CH2), 42.4 (CH2), 41.9 (CH2), 37.1 (3CH2), 31.9 (Cq), 28.7 (3CH), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 472 [M + Na]+;
【0230】
(h)ベンジル4−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3i)
【0231】
【化33】
【0232】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、その後、何らさらに精製することなく使用した。C20H29N3O5;無色の粘性油; 収率90%; M = 391.46 g/mol; IR (ATR): ν = 2980 (w), 1700 (s), 1645 (s), 1423 (m), 1217 (m), 1160 (m), 1014 (m), 765 (w), 695 (w) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.39-7.32 (m, 5H), 5.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.60 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.74-3.39 (m, 8H), 1.43 (s, 9H), 1.29 (d,J = 6.9 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.6 (Cq), 155.2 (2Cq), 136.4 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 79.9 (Cq), 67.7 (CH2), 46.2 (CH), 45.3 (CH2), 44.0 (CH2), 43.7 (CH2), 42.0 (CH2), 28.5 (3CH3), 19.3 (CH3); MS: m/z = 414 [M + Na]+;
【0233】
(i)ベンジル4−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3j)
【0234】
【化34】
【0235】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、その後、さらに精製することなく使用した。C20H29N3O5; 無色の粘性油; 収率 90%; M = 391.46 g/mol; IR (ATR): ν = 2974 (w), 1694 (s), 1639 (s), 1433 (m), 1220 (m), 1163 (m), 1014 (m), 762 (w), 698 (w) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.30 (m, 5H), 5.47 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.60 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.76-3.39 (m, 8H), 1.43 (s, 9H), 1.29 (d,J = 6.9 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 184.8 (Cq), 171.6 (Cq), 155.2 (2Cq), 136.4 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 79.9 (Cq), 67.7 (CH2), 46.2 (CH), 45.3 (CH2), 44.0 (CH2), 43.7 (CH2), 42.0 (CH2), 28.5 (3CH3), 19.5 (CH3); MS: m/z = 414 [M + Na]+;
【0236】
(j)ベンジル4−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3k)
【0237】
【化35】
【0238】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、その後、何らさらに精製することなく使用した。C26H33N3O5;無色の粘性油; 収率97%; M = 467.56 g/mol; IR (ATR): ν = 3314 (w), 2968 (w), 1700 (s), 1636 (s), 1423 (m), 1220 (m-s), 1163 (m-s), 1011 (w-m), 750 (w), 698 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.17 (m, 10H), 5.41 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.85-4.75 (m, 1H), 3.60-3.14 (m, 6H), 3.06-2.87 (m, 3H), 2.66-2.57 (m, 1H), 1.42 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.6 (Cq), 155.2 (Cq), 155.1 (Cq), 136.5 (Cq), 136.4 (Cq), 129.7 (2CH), 128.8 (2CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.3 (CH), 80.1 (Cq), 67.6 (CH2), 51.1 (CH), 45.4 (CH2), 43.4 (CH2), 43.4 (CH2), 41.8 (CH2), 40.6 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 490 [M + Na]+;
【0239】
(k)ベンジル4−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(3l)
【0240】
【化36】
【0241】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、その後、何らさらに精製することなく使用した。C26H33N3O5;無色の粘性油; 収率97%; M = 467.56 g/mol; IR (ATR): ν = 2971 (w), 1700 (s), 1633 (s), 1420 (m), 1220 (s), 1163 (s), 1011 (m), 695 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.17 (m, 10H), 5.41 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.85-4.75 (m, 1H), 3.60-3.38 (m, 3H), 3.33-3.14 (m, 3H), 3.06-2.87 (m, 3H), 2.67-2.57 (m, 1H), 1.42 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.6 (Cq), 155.2 (Cq), 155.1 (Cq), 136.5 (Cq), 136.4 (Cq), 129.7 (2CH), 128.8 (2CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.3 (CH), 80.1 (Cq), 67.6 (CH2), 51.1 (CH), 45.4 (CH2), 43.4 (2CH2), 41.8 (CH2), 40.6 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 490 [M + Na]+;
【0242】
カルバメート脱保護工程のための一般的なプロトコール(D)
既に得られたカルバメート(1.2mmol)を、DCM(15ml)中に溶解し、室温で過剰のトリフルオロ酢酸(9.6mmol、8当量)と、出発材料が完全に消費されるまで(一般に3時間)反応させた。反応の終わりに、混合物をDCM(35ml)で希釈し、塩化水素(0.5M水溶液、3x50ml)で洗浄した。合わせた水性層のpHを炭酸カリウム(飽和溶液)の添加により9−10に調整し、次いでDCM(3x75ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を減圧下に蒸発させた。得られたアミンを何ら別に精製することなくさらに使用した。
【0243】
(a)ベンジル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4a)
【0244】
【化37】
【0245】
C14H19N3O3; 収率 82%;白色固体; m.p. 52-53 °C; M = 277.32 g/mol; IR (ATR): ν = 3526 (w), 2901 (w), 1678 (s), 1642 (s), 1420 (m-s), 1363 (w), 1281 (w), 1229 (s), 1123 (m-s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.32 (m, 5H), 5.14 (s, 2H), 3.70-3.58 (m, 2H), 3.52-3.50 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 3.43-3.30 (m, 2H), 1.80 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.5 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 128.6 (2CH), 128.3 (CH), 128.1 (2CH), 67.6 (CH2), 44.1 (CH2), 43.7 (2CH2), 43.4 (CH2), 41.8 (CH2); MS: m/z = 278 [M + H]+;
【0246】
(b)(4−メトキシカルボニルフェニル)メチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4b)
【0247】
【化38】
【0248】
C16H21N3O5; 収率 88%;淡黄色固体; m.p. 94-95 °C; M = 335.36 g/mol; IR (ATR): ν = 3520 (w), 3350 (w), 2904 (w), 1715 (s), 1691 (s), 1624 (m-s), 1448 (m-s), 1430 (s), 1275 (s), 1226 (s), 1111 (s), 1065 (m), 759 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.03 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.20 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.69-3.59 (m, 2H), 3.54-3.52 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 3.40-3.33 (m, 2H), 1.62 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ171.6 (Cq), 166.8 (Cq), 155.0 (Cq), 141.5 (Cq), 130.1 (Cq), 130.0 (2CH), 127.7 (2CH), 66.9 (CH2), 52.3 (CH3), 44.1 (CH2), 43.8 (2CH2), 43.5 (CH2), 41.8 (CH2); MS: m/z = 336 [M + H]+;
【0249】
(c)2−ナフチルメチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4c)
【0250】
【化39】
【0251】
C18H21N3O3; 収率 61%;白色固体; m.p. 109-110°C; M = 327.38 g/mol; IR (ATR): ν = 3526 (w), 3350 (w), 2907 (w), 1691 (s), 1618 (s), 1445 (m), 1433 (s), 1281 (m-s), 1220 (s), 804 (s), 735 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.86-7.82 (m, 4H), 7.53-7.45 (m, 3H), 5.31 (s, 2H), 3.70-3.58 (m, 2H), 3.57-3.50 (m, 4H), 3.46 (s, 2H), 3.43-3.30 (m, 2H), 1.64 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.6 (Cq), 133.8 (Cq), 133.3 (Cq), 128.6 (CH), 128.1 (CH), 127.9 (CH), 127.4 (CH), 126.5 (CH), 126.5 (CH), 126.0 (CH), 67.9 (CH2), 44.1 (CH2), 43.8 (2CH2), 43.5 (CH2), 41.9 (CH2); MS: m/z = 328 [M + H]+;
【0252】
(d)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4d)
【0253】
【化40】
【0254】
C20H23N3O5; 収率79%;淡黄色固体; m.p. 91-92 °C; M = 385.41 g/mol; IR (ATR): ν = 2953 (w), 1718 (m), 1687 (s), 1639 (m), 1423 (m), 1281 (m), 1226 (m), 1196 (m), 1126 (m), 1075 (w), 759 (w-m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.60 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.69-3.63 (m, 2H), 3.57-3.54 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 3.40-3.34 (m, 2H), 1.60 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.7 (Cq), 167.3 (Cq), 155.1 (Cq), 136.5 (Cq), 135.5 (Cq), 132.3 (Cq), 130.9 (CH), 130.0 (CH), 128.4 (CH), 128.0 (Cq), 126.9 (CH), 126.6 (CH), 125.9 (CH), 67.5 (CH2), 52.4 (CH3), 44.1 (CH2), 43.8 (2CH2), 43.5 (CH2), 41.9 (CH2); MS: m/z = 386 [M + H]+;
【0255】
(e)1−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−アミノエタノン(4e)
【0256】
【化41】
【0257】
C17H27N3O2; 収率47 %;白色固体; m.p. 231-132 °C; M = 305.42 g/mol; IR (ATR): ν = 2904 (m), 2844 (w), 1697 (w), 1606 (s), 1414 (m), 1226 (m), 1005 (m-s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ3.70-3.62 (m, 6H), 3.47 (s, 2H), 3.38-3.34 (m, 2H), 2.04 (as, 3H), 1.98-1.97 (m, 6H), 1.77-1.66 (m, 6H), 1.60 (s, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 176.2 (Cq), 171.7 (Cq), 45.6 (CH2), 44.8 (CH2), 44.4 (CH2), 43.5 (CH2), 42.3 (CH2), 41.9 (Cq), 39.2 (3CH2), 36.7 (3CH2), 28.5 (3CH); MS: m/z = 306 [M + H]+;
【0258】
(f)1−アダマンチルメチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4f)
【0259】
【化42】
【0260】
C18H29N3O3; 収率60%;無色の粘性油; M = 335.44 g/mol; IR (ATR): ν = 3384 (w), 2901 (m-s), 2847 (m), 1694 (s), 1627 (s), 1457 (m), 1423 (s), 1223 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 3.70 (s, 2H), 3.66-3.59 (m, 2H), 3.53-3.48 (m, 6H), 3.41-3.35 (m, 2H), 2.04 (as, 3H), 1.76-1.61 (m, 8H), 1.53 (d,J = 2.5 Hz, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.5 (Cq), 155.7 (Cq), 75.6 (CH2), 44.1 (CH2), 43.6 (2CH2), 43.4 (CH2), 41.9 (CH2), 39.5 (3CH2), 37.1 (3CH2), 33.6 (Cq), 28.1 (3CH); MS: m/z = 336 [M + H]+;
【0261】
(g)2−(1−アダマンチル)エチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4g)
【0262】
【化43】
【0263】
C19H31N3O3; 収率72%; 淡黄色の粘性油、静置して淡黄色固体へ; m.p. 58-59 °C; M = 349.47 g/mol; IR (ATR): ν = 3375 (m), 2892 (s), 2844 (m), 1697 (s), 1639 (s), 1448 (m), 1417 (s), 1375 (m), 1220 (s), 1123 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 4.15 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.67-3.59 (m, 2H), 3.54-3.48 (m, 6H), 3.37-3.33 (m, 2H), 1.93 (as, 3H), 1.72-1.58 (m, 6H), 1.51 (d, J = 2.5 Hz, 6H), 1.42 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.1 (Cq), 155.5 (Cq), 62.4 (CH2), 44.2 (CH2), 43.6 (2CH2), 43.2 (CH2), 42.9 (CH2), 42.7 (3CH2), 41.9 (CH2), 37.1 (3CH2), 31.9 (Cq), 28.7 (3CH); MS: m/z = 350 [M + H]+;
【0264】
(h)2−アミノ−1−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]エタノン(4h)
【0265】
【化44】
【0266】
C18H24N4O3S; 収率95%;黄色固体; m.p. 82-83°C; M = 376.47 g/mol; IR (ATR): ν = 3441 (w), 2932 (w), 1654 (m-s), 1636 (m-s), 1451 (m), 1342 (m), 1323 (m), 1156 (s), 1144 (s), 941 (m-s), 896 (m), 789 (s), 707 (s), 619 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.58 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.19 (dd, J = 7.4 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, J = 7.6 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.72-3.57 (m, 2H), 3.50-3.31 (m, 4H), 3.23-3.10 (m, 4H), 2.88 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.2 (Cq), 152.0 (Cq), 132.2 (Cq), 131.2 (CH), 130.9 (CH), 130.4 (Cq), 130.2 (Cq), 128.4 (CH), 123.3 (CH), 119.4 (CH), 115.5 (CH), 45.6 (CH2), 45.5 (2CH3), 45.5 (CH2), 44.0 (CH2), 43.2 (CH2), 41.6 (CH2); MS: m/z = 377 [M + H]+;
【0267】
(i)ベンジル4−[(2R)−2−アミノプロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4i)
【0268】
【化45】
【0269】
C15H21N3O3;無色の粘性油; 収率41%; M = 291.35 g/mol; IR (ATR): ν = 3372 (w), 2922 (w), 1694 (s), 1639 (s), 1466 (w), 1417 (m-s), 1223 (s), 1117 (m), 1072 (m), 1020 (m), 729 (m), 698 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ7.38-7.31 (m, 5H), 5.15 (s, 2H), 3.90-3.36 (m, 9H), 1.83 (s, 2H), 1.25 (d, J = 6.7 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 174.9 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 67.7 (CH2), 47.1 (CH), 45.0 (CH2), 44.0 (CH2), 43.8 (CH2), 42.0 (CH2), 21.7 (CH3); MS: m/z = 292 [M + H]+;
【0270】
(j)ベンジル4−[(2S)−2−アミノプロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4J)
【0271】
【化46】
【0272】
C15H21N3O3; 無色の粘性油、静置して白色固体へ; m.p.: 53-54 °C; 収率 35%; M = 291.35 g/mol; IR (ATR): ν = 2965 (w), 1697 (s), 1633 (s), 1420 (s), 1366 (m), 1223 (s), 1129 (m-s), 984 (m), 886 (m), 732 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.31 (m, 5H), 5.14 (s, 2H), 3.85-3.36 (m, 9H), 1.81 (s, 2H), 1.25 (d, J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 174.9 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 67.7 (CH2), 47.1 (CH), 45.0 (CH2), 44.0 (CH2), 43.8 (CH2), 41.9 (CH2), 21.8 (CH3); MS: m/z = 292 [M + H]+;
【0273】
(k)ベンジル4−[(2R)−2−アミノ−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4k)
【0274】
【化47】
【0275】
C21H25N3O3;淡黄色の粘性油; 収率64%; M = 367.44 g/mol; IR (ATR): ν = 3365 (w), 2913 (w), 1697 (s), 1633 (s), 1427 (m), 1223 (s), 1117 (w), 747 (m), 695 (m-s); 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.16 (m, 10H), 5.10 (s, 2H), 3.94 (as, 1H), 3.66-3.19 (m, 6H), 3.05-2.97 (m, 1H), 2.94-2.81 (m, 2H), 2.76-2.68 (m, 1H), 1.89 (broad s, 2H); MS: m/z = 368 [M + H]+;
【0276】
(l)ベンジル4−[(2S)−2−アミノ−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4l)
【0277】
【化48】
【0278】
C21H25N3O3;淡黄色の粘性油; 収率46%; M = 367.44 g/mol; IR (ATR): ν = 3372 (w), 2919 (w), 1694 (s), 1636 (s), 1423 (s), 1226 (s), 1114 (m), 741 (m), 692 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.16 (m, 10H), 5.11 (CH2), 3.69-2.83 (m, 10H), 2.74-2.67 (m, 1H), 1.76 (broad s, 2H); MS: m/z = 368 [M + H]+;
【0279】
(m)tert−ブチル4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレートの合成(4m)
【0280】
【化49】
【0281】
0℃でメタノール(26ml)中の4−(2−ブロモアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(9.77mmol、1当量)。反応バイアルを密封し、混合物を室温で一晩激しく撹拌した。続いて溶媒を蒸発させ、残渣を塩化水素(0.1N水溶液、100ml)中に溶解し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。回収された水性層のpHを水酸化ナトリウム(1N水溶液)の添加により10に調整し、次いで有機物を酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下に蒸発させて、淡黄色の粗生成物を得た。ジエチルエーテル中でさらに粉砕して、所望のアミンを白色固体として誘導し、さらに精製することなく次の工程に使用した。C11H21N3O3; 収率58%;白色固体; m.p. 159-160 °C; M = 243.30 g/mol; IR (ATR): ν = 2974 (w), 1675 (s), 1627 (s), 1417 (m), 1360 (m), 1235 (m), 1172 (m), 1123 (m), 990 (m), 759 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 3.71-3.41 (m, 10H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 169.5 (Cq), 154.6 (Cq), 80.5 (Cq), 50.4 (CH2), 44.6 (2CH2), 41.7 (2CH2); HRMS: C11H21N3O3計算値244.1661, 実測値 244.1657;
【0282】
アクリルアミド誘導体の合成(E)
トリエチルアミン(1.25mmol、5当量)を、先に得られたアミン(0.25mmol、1当量)の、アセトニトリル(5ml)中の溶液に添加した。混合物を0℃に冷却し、続いて塩化アクリロイル(0.63mmol、2.5当量)を窒素下で添加した。0℃で3時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液、3x50ml)で洗浄した。回収された有機相を硫酸マグネシウム上で脱水し、次いで減圧下に溶媒を蒸発させて、粗生成物を得た。
【0283】
(a)ベンジル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5a)
【0284】
【化50】
【0285】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 96/4)により精製した。C17H21N3O4; 収率56%; 無色の粘性油; M = 331.37 g/mol; IR (ATR): ν = 3004 (w), 1691 (s), 1636 (s), 1420 (s), 1223 (s), 744 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.42-7.32 (m, 5H), 6.73 (as, 1H), 6.32 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.8 Hz, 1H), 5.68 (dd, J = 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.15 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.70-3.62 (m, 2H), 3.57-3.50 (m, 4H), 3.43-3.36 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.8 (Cq), 165.5 (Cq), 155.2 (Cq), 136.3 (Cq), 130.4 (CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.1 (CH2), 67.8 (CH2), 44.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 41.9 (CH2), 41.4 (CH2); MS: m/z = 354 [M + Na]+; HRMS: C17H22O4N3 計算値332.1605, 実測値 332.1610 (1.6 ppm).
【0286】
(b)(4−メトキシカルボニルフェニル)メチル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5b)
【0287】
【化51】
【0288】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 97/3)により精製した。C19H23N3O6; 収率60%;白色固体; m.p. 159-160 °C; M = 389.40 g/mol; IR (ATR): ν = 3284 (w), 2898 (w), 1703 (s), 1648 (s), 1427 (s), 1278 (m), 1214 (m), 1105 (m), 759 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.68 (as, 1H), 6.33 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, 9.9 Hz, 1H), 5.69 (dd, J = 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.15 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.68-3.63 (m, 2H), 3.59-3.52 (m, 4H), 3.49-3.39 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.8 (Cq), 165.5 (Cq), 154.9 (Cq), 141.4 (Cq), 130.4 (CH), 130.2 (Cq), 130.0 (2CH), 127.7 (2CH), 127.0 (CH2), 67.0 (CH2), 52.3 (CH3), 44.3 (CH2), 43.8 (CH2), 43.7 (CH2), 41.9 (CH2), 41.4 (CH2); MS: m/z = 412 [M + Na]+; HRMS: C19H24O6N3計算値390.1660,実測値390.1663 (0.9 ppm).
【0289】
(c)2−ナフチルエチル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5c)
【0290】
【化52】
【0291】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C21H23N3O4; 収率59%; 白色固体; m.p. 125-126 °C; M = 381.43 g/mol; IR (ATR): ν = 3332 (w), 2925 (w), 1703 (s), 1663 (m), 1642 (s), 1621 (s), 1460 (m), 1436 (m), 1417 (m), 1220 (s), 817 (w), 750 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.86-7.82 (m, 4H), 7.53-7.54 (m, 3H), 6.71 (as, 1H), 6.31 (dd,J = 17.0 Hz, J = 2.0 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.7 Hz, 1H), 5.67 (dd, J = 9.7 Hz, J = 2.0 Hz, 1H), 5.32 (s, 2H), 4.14 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.65 -3.42 (m, 8H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.7 (Cq), 165.5 (Cq), 155.2 (Cq), 133.7 (Cq), 133.3 (Cq), 133.3 (Cq), 130.4 (CH), 128.6 (CH), 128.1 (CH), 127.9 (CH), 127.5 (CH), 127.1 (CH2), 126.5 (CH), 126.5 (CH), 126.0 (CH), 68.0 (CH2), 44.4 (CH2), 43.8 (CH2), 43.6 (CH2), 41.9 (CH2), 41.4 (CH2); MS: m/z = 404 [M + Na]+; HRMS: C21H24O4N3計算値382.1761, 実測値382.1765 (1.0 ppm).
【0292】
(d)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5d)
【0293】
【化53】
【0294】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C23H25N3O6; 収率71%;白色固体; m.p. 159-160 °C; M = 439.46 g/mol; IR (ATR): ν = 3338 (w), 2938 (w), 1697 (s), 1666 (s), 1648 (s), 1618 (s), 1430 (s), 1290 (s), 1217 (m), 1123 (m), 804 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.60 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 6.70 (as, 1H), 6.32 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.8 Hz, 1H), 5.68 (dd, J = 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 4.15 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.68-3.64 (m, 2H), 3.60-3.53 (m, 4H), 3.50-3.38 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 166.8 (Cq), 165.5 (Cq), 155.1 (Cq), 136.4 (Cq), 135.5 (Cq), 132.2 (Cq), 130.9 (CH), 130.4 (CH), 130.0 (CH), 128.4 (CH), 128.0 (Cq), 127.1 (CH2), 127.0 (CH), 126.6 (CH), 125.9 (CH), 67.6 (CH2), 52.4 (CH3), 44.3 (CH2), 43.8 (CH2), 43.7 (CH2), 41.9 (CH2), 41.4 (CH2); MS: m/z = 462 [M + Na]+; HRMS: C23H26O6N3 計算値440.1816 , 実測値 440.1814 (0.5 ppm).
【0295】
(e)N−[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]プロプ−2−エンアミド(5e)
【0296】
【化54】
【0297】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C20H29N3O3; 収率41%; 白色固体; m.p. 195-196 °C; M = 359.46 g/mol; IR (ATR): ν = 3311 (w), 2910 (m), 1675 (m-s), 1642 (m), 1599 (s), 1557 (m), 1417 (m), 1223 (s), 1008 (m-s), 947 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 6.68 (as, 1H), 6.32 (dd, J =17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.9 Hz, 1H), 5.69 (dd, J = 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.75-3.71 (m, 4H), 3.66-3.63 (m, 2H), 3.45-3.41 (m, 2H), 2.06 (as, 3H), 1.99-1.98 (m, 6H), 1.79-1.68 (m, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 176.3 (Cq), 166.8 (Cq), 165.5 (Cq), 130.5 (CH), 127.1 (CH2), 45.3 (CH2), 44.9 (CH2), 44.7 (CH2), 42.4 (CH2), 42.0 (Cq), 41.4 (CH2), 39.2 (3CH2), 36.7 (3CH2), 28.5 (3CH); MS: m/z = 382 [M + Na]+; HRMS: C20H30O3N3計算値360.2282 , 実測値 360.2287 (1.5 ppm).
【0298】
(f)1−アダマンチルメチル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5f)
【0299】
【化55】
【0300】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C21H31N3O4; 収率48%;白色固体; m.p. 176-177 °C; M = 389.49 g/mol; IR (ATR): ν = 3335 (w), 2892 (m), 2844 (w), 1687 (s), 1672 (m), 1621 (s), 1469 (m), 1420 (s), 1251 (m), 1223 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 6.70 (as, 1H), 6.32 (dd, J =17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.8 Hz, 1H), 5.68 (dd, J= 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.68-3.62 (m, 2H), 3.56-3.49 (m, 4H), 3.46-3.42 (m, 2H), 1.99 (as, 3H), 1.77-1.62 (m, 6H), 1.53 (d, J = 2.5 Hz, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.8 (Cq), 165.5 (Cq), 155.7 (Cq), 130.5 (CH), 127.1 (CH2), 75.7 (CH2), 44.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.5 (CH2), 42.0 (CH2), 41.5 (CH2), 39.5 (3CH2), 37.1 (3CH2), 33.6 (Cq), 28.1 (3CH); MS: m/z = 412 [M + Na]+; HRMS: C21H32O4N3 計算値390.2387, 実測値 390.2391 (0.9 ppm).
【0301】
(g)2−(1−アダマンチル)エチル4−[2−(プロプ−2−エノイルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5g)
【0302】
【化56】
【0303】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C22H33N3O4; 収率54 %; 白色固体; m.p. 155-156 °C; M = 403.52 g/mol; IR (ATR): ν = 3317 (w), 2901 (m-s), 2847 (w), 1684 (s), 1624 (s), 1469 (m), 1427 (s), 1223 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 6.73 (as, 1H), 6.32 (dd, J =17.0 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.8 Hz, 1H), 5.68 (dd, J = 9.8 Hz, J = 1.9 Hz, 1H), 4.19-4.13 (m, 4H), 3.65-3.61 (m, 2H), 3.50-3.46 (m, 4H), 3.43-3.39 (m, 2H), 1.94 (as, 3H), 1.73-1.59 (m, 6H), 1.52 (d,J = 2.4 Hz, 6H), 1.43 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ166.7 (Cq), 165.5 (Cq), 155.5 (Cq), 130.5 (CH), 127.0 (CH2), 62.5 (CH2), 44.4 (CH2), 43.6 (CH2), 43.5 (CH2), 42.9 (CH2), 42.7 (3CH2), 42.0 (CH2), 41.4 (CH2), 37.1 (3CH2), 31.9 (Cq), 28.7 (3CH); MS: m/z = 426 [M + Na]+; HRMS: C22H34O4N3計算値404.2544, 実測値 404.2547 (0.8 ppm).
【0304】
(h)N−[2−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]プロプ−2−エンアミド(5h)
【0305】
【化57】
【0306】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C18H24N4O3S; 収率 39%; 淡黄色固体; m.p. 185-186°C; M = 430.52 g/mol; IR (ATR): ν = 2935 (w), 1651 (s), 1454 (m), 1436 (m), 1311 (m), 1141 (s), 941 (s), 789 (s), 704 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 7.4 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 8.5 Hz, J = 7.5 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.58 (as, 1H), 6.28 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.8 Hz, 1H), 6.13 (dd, J = 17.0 Hz, J = 9.9 Hz, 1H), 5.65 (dd, J = 9.9 Hz, J = 1.8 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.47 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.21 (dt, J = 9.8 Hz, J = 4.7 Hz, 4H), 2.89 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.5 (Cq), 165.4 (Cq), 152.1 (Cq), 132.2 (Cq), 131.4 (CH), 131.0 (CH), 130.4 (Cq), 130.3 (CH), 130.3 (Cq), 128.5 (CH), 127.1 (CH2), 123.3 (CH), 119.3 (CH), 115.6 (CH), 45.6 (CH2), 45.6 (2CH3), 45.4 (CH2), 44.3 (CH2), 41.8 (CH2), 41.3 (CH2); MS: m/z = 453 [M + Na]+; HRMS:C21H27O4N4S 計算値431.1748, 実測値 431.1751 (0.8 ppm).
【0307】
(i)ベンジル4−[(2R)−2−(プロプ−2−エノイルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5i)
【0308】
【化58】
【0309】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C18H23N3O4; 無色の粘性油; 収率 73%; M = 345.39 g/mol; IR (ATR): ν = 3290 (w), 2929 (w), 1697 (s), 1621 (s), 1423 (s), 1220 (s), 1020 (m), 759 (m), 695 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.32 (m, 5H), 6.71 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 17.0 Hz, J = 10.0 Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.0 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.96 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 3.79-3.40 (m, 8H), 1.36 (d, J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.2 (Cq), 164.7 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 130.7 (CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.0 (CH2), 67.7 (CH2), 45.4 (CH2), 45.3 (CH), 44.0 (CH2), 43.7 (CH2), 42.1 (CH2), 19.2 (CH3); MS: m/z = 368 [M + Na]+; HRMS: C18H24O4N3計算値346.1761, 実測値 346.1767 (1.6 ppm).
【0310】
(j)ベンジル4−[(2S)−2−(プロプ−2−エノイルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5j)
【0311】
【化59】
【0312】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C18H23N3O4; 白色固体; m.p. 121-122 °C; 収率72 %; M = 345.39 g/mol; IR (ATR): ν = 3271 (w), 2929 (w), 1697 (s), 1624 (s), 1423 (s), 1223 (s), 1117 (w-m), 1011 (m), 759 (m), 695 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.40-7.35 (m, 5H), 6.71 (d, J =7.1 Hz, 1H), 6.29 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 17.0 Hz, J = 10.0 Hz, 1H), 5.66 (dd,J = 10.0 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.15 (d, 2H), 4.96 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 3.81-3.40 (m, 8H), 1.35 (d, J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 171.1 (Cq), 164.6 (Cq), 155.1 (Cq), 136.3 (Cq), 130.7 (CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.0 (CH2), 67.7 (CH2), 45.3 (CH2), 45.2 (CH), 43.9 (CH2), 43.6 (CH2), 42.0 (CH2), 19.2 (CH3); MS: m/z = 368 [M + Na]+; HRMS: C18H24O4N3 計算値346.1761, 実測値 346.1767 (1.6 ppm).
【0313】
(k)ベンジル4−[(2R)−3−フェニル−2−(プロプ−2−エノイルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5k)
【0314】
【化60】
【0315】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C24H27N3O4;無色の粘性油; 収率79 %; M = 421.49 g/mol; IR (ATR): ν = 3284 (w), 2929 (w), 1700 (s), 1621 (s), 1423 (s), 1220 (s), 729 (m), 692 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.18 (m, 10H), 6.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 17.0 Hz, J = 10.1 Hz, 1H), 5.67 (dd, J = 10.1 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.20 (td, J = 9.0 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.59-2.92 (m, 9H), 2.68-2.58 (m, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.2 (Cq), 164.9 (Cq), 155.0 (Cq), 136.4 (Cq), 136.0 (Cq), 130.5 (CH), 129.6 (2CH), 128.8 (2CH), 128.7 (2CH), 128.3 (CH), 128.1 (2CH), 127.5 (CH), 127.3 (CH2), 67.6 (CH2), 49.9 (CH), 45.4 (CH2), 43.3 (2CH2), 41.8 (CH2), 40.1 (CH2); MS: m/z = 444 [M + Na]+; HRMS: C24H28O4N3 計算値422.2074, 実測値 422.2077 (0.6 ppm).
【0316】
(l)ベンジル4−[(2S)−3−フェニル−2−(プロプ−2−エノイルアミノ)プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5l)
【0317】
【化61】
【0318】
先に記載された一般的なプロトコールに従って得られた粗誘導体を、続いてフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)により精製した。C24H27N3O4;無色の粘性油;収率 65 %; M = 421.49 g/mol; IR (ATR): ν = 3287 (w), 2925 (w), 1697 (s), 1621 (s), 1423 (s), 1220 (s), 1123 (w), 729 (m), 695 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.18 (m, 10H), 6.77 (d, J =8.0 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 17.0 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 17.0 Hz, J = 10.1 Hz, 1H), 5.67 (dd,J = 10.1 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.23 (td, J = 9.0 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.64-2.92 (m, 9H), 2.68-2.58 (m, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.2 (Cq), 164.9 (Cq), 155.0 (Cq), 136.4 (Cq), 136.0 (Cq), 130.5 (CH), 129.6 (2CH), 128.8 (2CH), 128.7 (2CH), 128.3 (CH), 128.1 (2CH), 127.5 (CH), 127.3 (CH2), 67.6 (CH2), 49.9 (CH), 45.4 (CH2), 43.3 (2CH2), 41.8 (CH2), 40.1 (CH2); MS: m/z = 444 [M + Na]+; HRMS: C24H28O4N3 計算値422.2074, 実測値 422.2077 (0.6 ppm).
【0319】
アセチル化工程のための一般的な方法(F)
不活性雰囲気下及び−78℃において、対応するアセチル化試薬、ブロモアセチルブロミド又はクロロアセチルクロリド(1.65mmol、1.1当量)を、DCM(15ml)中の対応するアミン(1.5mmol、1当量)及びTEA(7.5mmol、5当量)の溶液へ徐々に添加した。反応混合物を−78℃で3時間撹拌し、DCM(75ml)で希釈し、塩化水素(0.2M水溶液、3x50ml)で洗浄した。回収された有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を真空下に蒸発させて粗生成物を得た。
【0320】
(a)ベンジル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6a)
【0321】
【化62】
【0322】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C16H20BrN3O4; 収率 84%;白色固体; m.p. 132-133 °C; M = 398.25 g/mol; IR (ATR): ν = 3344 (w), 2904 (w), 1681 (s), 1621 (s), 1478 (m), 1423 (s), 1263 (m-s), 1223 (s), 750 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.51 (as, 1H), 7.38-7.32 (m, 5H), 5.15 (s, 2H), 4.08 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.89 (s, 2H), 3.70-3.62 (m, 2H), 3.57-3.48 (m, 4H), 3.46-3.32 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.1 (Cq), 165.8 (Cq), 155.1 (Cq), 136.3 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 67.8 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.0 (CH2), 41.9 (CH2), 28.6 (CH2); MS: m/z = 420 [M + Na]+ for 79Br and 422 [M + Na] for 81Br; HRMS: C16H21O4N3Br 計算値398.0710, 実測値 398.0713 (0.8 ppm).
【0323】
(b)(4−メトキシカルボニルフェニル)メチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6b)
【0324】
【化63】
【0325】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C18H22BrN3O6; 収率95%; ライトベージュの固体, m.p. 134-135 °C; M = 456.29 g/mol; IR (ATR): ν = 3284 (m), 2898 (w), 1715 (m), 1697 (s), 1675 (m), 1642 (s), 1433 (m), 1278 (m), 1223 (s), 1102 (m), 1026 (m), 759 (s) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (as, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.09 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.68-3.62 (m, 2H), 3.59-3.52 (m, 4H), 3.46-3.36 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.2 (Cq), 165.9 (Cq), 154.9 (Cq), 141.3 (Cq), 130.2 (Cq), 130.1 (2CH), 127.8 (2CH), 67.0 (CH2), 52.3 (CH3), 44.3 (CH2), 43.8 (CH2), 43.7 (CH2), 41.9 (2CH2), 28.6 (CH2); MS: m/z = 480 [M + Na]+; HRMS: C18H23O6N3Br 計算値456.0765, 実測値456.0768 (0.7 ppm).
【0326】
(c)2−ナフチルメチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6c)
【0327】
【化64】
【0328】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C20H22BrN3O4; 収率77%;ライトベージュの固体; m.p. 133-134°C; M = 448.31 g/mol; IR (ATR): ν = 3338 (w), 2922 (w), 1687 (s), 1621 (s), 1478 (w), 1423 (s), 1217 (s), 826 (w), 765 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.87-7.83 (m, 4H), 7.52-7.45 (m, 4H), 5.31 (s, 2H), 4.08 (d,J = 4.0 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.66-3.40 (m, 8H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.1 (Cq), 165.8 (Cq), 155.2 (Cq), 133.7 (Cq), 133.3 (2Cq), 128.6 (CH), 128.1 (CH), 127.9 (CH), 127.5 (CH), 126.5 (CH), 126.5 (CH), 126.0 (CH), 68.0 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.0 (CH2), 41.9 (CH2), 28.6 (CH2); MS: m/z = 472 [M + Na]+; HRMS: C20H23O4N3Br 計算値448.0866, 実測値 448.0867 (0.1 ppm).
【0329】
(d)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6d)
【0330】
【化65】
【0331】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C22H24BrN3O6; 収率80%;白色固体; m.p. 136-137 °C; M = 506.35 g/mol; IR (ATR): ν = 3326 (w), 2916 (w), 1706 (s), 1621 (s), 1423 (s), 1214 (m), 1202 (m), 814 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.61 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, 1H), 7.53-7.47 (m, 1H), 5.33 (s, 2H), 4.09 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.69-3.65 (m, 2H), 3.60-3.54 (m, 4H), 3.43-3.36 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 166.1 (Cq), 165.9 (Cq), 155.1 (Cq), 136.4 (Cq), 135.5 (Cq), 132.3 (Cq), 130.9 (CH), 130.0 (CH), 128.4 (CH), 128.0 (Cq), 127.0 (CH), 126.6 (CH), 125.9 (CH), 67.6 (CH2), 52.4 (CH3), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.7 (CH2), 42.0 (CH2), 41.9 (CH2), 28.6 (CH2); MS: m/z = 528 [M + Na]+79Br )、 530 [M + Na]+81Br); HRMS: C22H25O6N3Br 計算値506.0921, 実測値 506.0918 (0.6 ppm).
【0332】
(e)2−N−[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]−2−ブロモ−アセトアミド(6e)
【0333】
【化66】
【0334】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C19H28BrN3O3; 収率86%;白色固体; m.p. 203-204 °C; M = 426.35 g/mol; IR (ATR): ν = 3305 (m-s), 2932 (m-s), 1681 (s), 1645 (s), 1590 (s), 1563 (m), 1420 (s), 1223 (s), 1205 (m-s), 1014 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.50 (as, 1H), 4.09 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.74-3.70 (m, 4H), 3.66-3.63 (m, 2H), 3.43-3.39 (m, 2H), 2.06 (as, 3H), 1.99-1.97 (m, 6H), 1.79-1.67 (m, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 176.3 (Cq), 166.2 (Cq), 165.8 (Cq), 45.4 (CH2), 44.8 (CH2), 44.7 (CH2), 42.4 (CH2), 41.9 (CH2), 41.9 (Cq), 39.2 (3CH2), 36.7 (3CH2), 28.6 (CH2), 28.5 (3CH); MS: m/z = 448 [M + Na]+79Br)、450 [M + Na] ( 81Br); HRMS: C19H29O3N3Br 計算値426.1387, 実測値 426.1389 (0.5 ppm).
【0335】
(f)1−アダマンチルメチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6f)
【0336】
【化67】
【0337】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C20H30BrN3O4; 収率76%;ライトベージュの固体; m.p. 210-211 °C; M = 456.37 g/mol; IR (ATR): ν = 3335 (w), 2898 (m-s), 2847 (w), 1678 (s), 1621 (s), 1466 (m), 1430 (m), 1247 (m), 1220 (s), 1205 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.52 (s, 1H), 4.09 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.68-3.64 (m, 2H), 3.56-3.50 (m, 4H), 3.45-3.41 (m, 2H), 1.99 (as, 3H), 1.76-1.61 (m, 6H), 1.53 (d, J = 2.9 Hz, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.2 (Cq), 165.8 (Cq), 155.6 (Cq), 75.7 (CH2), 44.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.5 (CH2), 42.0 (CH2), 42.0 (CH2), 39.5 (3CH2), 37.1 (3CH2), 33.6 (Cq), 28.6 (CH2), 28.1 (3CH); MS: m/z = 480 [M + Na]+; HRMS: C20H31O4N3Br 計算値456.1492, 実測値 456.1491 (0.3 ppm).
【0338】
(g)2−(1−アダマンチル)エチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6g)
【0339】
【化68】
【0340】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C21H32BrN3O4; 収率39 %; ライトベージュの固体; m.p. 111-112 °C; M = 470.40 g/mol; IR (ATR): ν = 3335 (w), 2895 (m-s), 2844 (m), 1700 (s), 1612 (s), 1427 (s), 1284 (w), 1226 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.51 (as, 1H), 4.16 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.66-3.59 (m, 2H), 3.57-3.45 (m, 4H), 3.41-3.34 (m, 2H), 1.95 (as, 3H), 1.73-1.59 (m, 6H), 1.52 (as, 6H), 1.43 (t,J = 7.3 Hz, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.1 (Cq), 165.8 (Cq), 155.5 (Cq), 62.6 (CH2), 44.4 (CH2), 43.6 (CH2), 43.5 (CH2), 42.9 (CH2), 42.7 (3CH2), 42.1 (CH2), 42.0 (CH2), 37.1 (3CH2), 31.9 (Cq), 28.7 (3CH), 28.6 (CH2); MS: m/z = 494 [M + Na]+; HRMS: C21H33O4N3Br 計算値470.1649, 実測値 470.1646 (0.6 ppm).
【0341】
(h)22−ブロモ−N−[2−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]−アセトアミド(6h)
【0342】
【化69】
【0343】
水性ワークアップ(炭酸水素ナトリウム飽和溶液/DCM抽出)後に得られた粗化合物を、ジエチルエーテル中で粉砕して所望の誘導体を誘導した。C20H25BrN4O4S; 収率79 %;黄色の固体; m.p. 173-174 °C; M = 497.41 g/mol; IR (ATR): ν = 3381 (w), 2925 (w), 1651 (s), 1451 (m), 1339 (m), 1144 (s), 941 (s), 792 (s), 707 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.64 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 7.4 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 7.60-7.53 (m, 2H), 7.39 (as, 1H), 7.22 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 3.99 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.70-3.66 (m, 2H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.21 (dd, J = 10.1 Hz, J = 5.2 Hz, 4H), 2.92 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 165.9 (Cq), 165.9 (Cq), 132.1 (Cq), 131.2 (CH), 131.0 (CH), 130.3 (Cq), 129.9 (Cq), 128.4 (CH), 123.5 (CH), 119.7 (CH), 115.7 (CH), 45.6 (2CH3), 45.5 (CH2), 45.3 (CH2), 44.2 (CH2), 41.7 (2CH2), 28.5 (CH2);
【0344】
(i)ベンジル4−[(2R)−2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6i)
【0345】
【化70】
【0346】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C17H22BrN3O4;ライトベージュの固体; m.p. 104-105 °C; 収率78 %; M = 412.28 g/mol; IR (ATR): ν = 3302 (m), 2929 (w), 1700 (s), 1678 (s), 1615 (s), 1475 (m), 1427 (s), 1257 (m), 1226 (s), 1120 (m), 741 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.53 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.40-7.30 (m, 5H), 5.15 (s, 2H), 4.83 (p,J = 6.9 Hz, 1H), 3.85 (ad, J =1.3 Hz, 2H), 3.70-3.35 (m, 8H), 1.35 (d,J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.5 (Cq), 165.0 (Cq), 155.1 (Cq), 136.3 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 67.7 (CH2), 46.1 (CH), 45.3 (CH2), 43.9 (CH2), 43.6 (CH2), 42.1 (CH2), 28.8 (CH2), 18.9 (CH3); MS: m/z = 434 [M + Na]+79Br)、436 [M + Na]+81Br); HRMS: C17H23O4N3Br 計算値412.0866, 実測値412.0870 (0.9 ppm).
【0347】
(j)(ベンジル4−[(2S)−2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6j)
【0348】
【化71】
【0349】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C17H22BrN3O4; ライトベージュの固体; m.p. 104-105 °C; 収率83 %; M = 412.28 g/mol; IR (ATR): ν = 3305 (m), 2929 (w), 1697 (s), 1675 (s), 1612 (s), 1484 (m), 1427 (s), 1254 (m), 1226 (s), 1120 (m), 741 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.55 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.47-7.28 (m, 5H), 5.14 (s, 2H), 4.92-4.74 (m, 1H), 3.85 (s, 2H), 3.79-3.33 (m, 8H), 1.34 (m, J = 6.1 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.5 (Cq), 165.0 (Cq), 155.1 (Cq), 136.3 (Cq), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 67.7 (CH2), 46.0 (CH), 45.3 (CH2), 43.9 (CH2), 43.6 (CH2), 42.1 (CH2), 28.8 (CH2), 18.9 (CH3); MS: m/z = 434 [M + Na]+79Br)、 436 [M + Na]+81Br); HRMS: C17H23O4N3Br 計算値412.0866, 実測値 412.0871 (1.1 ppm).
【0350】
(k)ベンジル4−[(2R)−2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6k)
【0351】
【化72】
【0352】
先に記載されたプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、その後、何らさらに精製することなく使用した。C23H26BrN3O4;無色の粘性油; 収率85%; M = 488.37 g/mol; IR (ATR): ν = 3293 (w), 3026 (w), 1694 (s), 1621 (s), 1420 (s), 1226 (s), 1120 (w), 750 (w), 732 (w), 695 (m-s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41-7.17 (m, 10H), 5.14-5.05 (m, 3H), 3.85 (s, 2H), 3.66-3.39 (m, 3H), 3.34-3.15 (m, 3H), 3.11-2.88 (m, 3H), 2.70-2.60 (m, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 169.8 (Cq), 165.5 (Cq), 155.0 (Cq), 136.3 (Cq), 135.6 (Cq), 129.7 (2CH), 128.9 (2CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.7 (CH), 67.7 (CH2), 50.6 (CH), 45.5 (CH2), 43.3 (2CH2), 42.0 (CH2), 39.9 (CH2), 28.7 (CH2); MS: m/z = 510 [M + Na]+79Br)、512 [M + Na]+81Br); HRMS: C23H27O4N3Br 計算値488.1179, 実測値 488.1178 (0.3 ppm).
【0353】
(l)ベンジル4−[(2S)−2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]−3−フェニル−プロパノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6l)
【0354】
【化73】
【0355】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、その後、何らさらに精製することなく使用した。C23H26BrN3O4; 無色の粘性油; 収率 98 %; M = 488.37 g/mol; IR (ATR): ν = 3274 (w), 3032 (w), 1697 (s), 1624 (s), 1427 (s), 1223 (s), 1117 (m), 750 (m), 695 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.17 (m, 11H), 5.14-5.05 (m, 3H), 3.85 (s, 2H), 3.62-3.40 (m, 3H), 3.34-3.18 (m, 3H), 3.11-2.88 (m, 3H), 2.72-2.62 (m, 1H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 169.6 (Cq), 165.3 (Cq), 155.0 (Cq), 136.3 (Cq), 135.6 (Cq), 129.7 (2CH), 128.9 (2CH), 128.7 (2CH), 128.4 (CH), 128.2 (2CH), 127.6 (CH), 67.6 (CH2), 50.6 (CH), 45.5 (CH2), 43.3 (2CH2), 42.0 (CH2), 39.9 (CH2), 28.7 (CH2); MS: m/z = 510 [M + Na]+79Br)、512 [M + Na]+81Br); HRMS: C23H27O4N3Br 計算値488.1179, 実測値 488.1178 (0.3 ppm).
【0356】
(m)tert−ブチル4−[2−[(2−ブロモアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6m)
【0357】
【化74】
【0358】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化化合物を固体として得た。C13H22BrN3O4; 収率 42%; 白色固体; m.p. 148-149 °C; M = 364.24 g/mol; IR (ATR): ν = 3323 (w), 2968 (w), 1687 (m), 1615 (s), 1405 (m), 1247 (m), 1223 (m), 1156 (s), 1123 (m), 1023 (m), 859 (w) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.52 (as, 1H), 4.09 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.65-3.61 (m, 2H), 3.49-3.42 (m, 4H), 3.40-3.36 (m, 2H), 1.47 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.1 (Cq), 165.8 (Cq), 154.5 (Cq), 80.7 (Cq), 44.4 (2CH2), 42.1 (2CH2), 41.9 (CH2), 28.6 (CH2), 28.5 (3CH3); MS: m/z = 386 [M + Na]+79Br)、 MS: m/z = 388 [M + Na]+81Br); HRMS: C13H23O4N3Br 計算値364.0866, 実測値 364.0872 (1.5 ppm).
【0359】
(n)(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メチル4−[2−[(2−クロロアセチル)アミノ]アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6n)
【0360】
【化75】
【0361】
先に記載された一般的なプロトコールを用いて得られた粗誘導体を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)によりさらに精製した。C22H24ClN3O6; 収率 96 %; 白色固体; m.p. 56-57 °C; M = 461.90 g/mol; IR (ATR): ν = 2950 (w), 1697 (s), 1642 (s), 1430 (m-s), 1284 (m), 1223 (m-s), 753 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ8.61 (s, 1H), 8.09 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.60 (as, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 4.10 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.69-3.65 (m, 2H), 3.60-3.54 (m, 4H), 3.44-3.41 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 167.2 (Cq), 166.3 (Cq), 166.1 (Cq), 155.1 (Cq), 136.4 (Cq), 135.4 (Cq), 132.3 (Cq), 130.9 (CH), 130.0 (CH), 128.4 (CH), 128.0 (Cq), 127.0 (CH), 126.6 (CH), 125.9 (CH), 67.6 (CH2), 52.4 (CH3), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.5 (CH2), 42.0 (CH2), 41.6 (CH2); MS: m/z = 484 [M + Na]+; HRMS: C22H24O6N3ClNa 計算値484.1246, 実測値 484.1246 (0.0 ppm).
【0362】
(o)N−[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(6o)
【0363】
【化76】
【0364】
一般的な手順に従って得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィーにより酢酸エチルを溶離液として用いて精製した。C19H28ClN3O3; 収率 36 %; 白色固体; m.p. 201-202 °C; M = 381.90 g/mol; IR (ATR): ν = 3305 (m), 2904 (m), 1687 (s), 1648 (s), 1599 (s), 1560 (m), 1451 (m), 1414 (m-s), 1223 (s), 1011 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.60 (as, 1H), 4.11 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.74-3.70 (m, 4H), 3.67-3.63 (m, 2H), 3.43-3.39 (m, 2H), 2.06 (as, 3H), 1.99 (d, J = 2.6 Hz, 6H), 1.79-1.68 (m, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 176.3 (Cq), 166.3 (Cq), 166.2 (Cq), 45.4 (CH2), 44.8 (CH2), 44.7 (CH2), 42.5 (CH2), 42.4 (CH2), 41.9 (Cq), 41.6 (CH2), 39.2 (3CH2), 36.7 (3CH2), 28.5 (3CH); MS: m/z = 404 [M + Na]+; HRMS: C19H29O3N3Cl 計算値382.1892, 実測値 382.1896 (1.1 ppm).
【0365】
(p)2−クロロ−N−[2−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]−アセトアミド(6p)
【0366】
【化77】
【0367】
上述の一般的なプロトコールに従って得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:AcOEt)によりさらに精製して、標題化合物を誘導した。C20H25ClN4O4S; 収率 80 %; 黄緑色の固体; m.p. 68-69 °C; M = 452.95 g/mol; IR (ATR): ν= 3314 (w), 2938 (w), 1648 (s), 1454 (m), 1436 (m), 1141 (s), 938 (m-s), 786 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 8.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.7 Hz, J = 1H), 8.20 (dd, J =7.4 Hz, J = 1.3 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.49 (as, 1H), 7.19 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.02 (s, 2H), 4.00 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 3.70-3.66 (m, 2H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.24-3.18 (m, 4H), 2.89 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.2 (Cq), 165.9 (Cq), 152.1 (Cq), 132.1 (Cq), 131.4 (CH), 131.0 (CH), 130.4 (Cq), 130.2 (Cq), 128.5 (CH), 123.3 (CH), 119.3 (CH), 115.6 (CH), 45.5 (2CH3), 45.5 (CH2), 45.4 (CH2), 44.3 (CH2), 42.4 (CH2), 41.8 (CH2),41.4 (CH2); MS: m/z = 475 [M + Na]+; HRMS: C20H26O4N4SCl 計算値453.1358 , 実測値 453.1358 (0.0 ppm).
【0368】
(q)tert−ブチル4−(2−ブロモアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(6q)
【0369】
【化78】
【0370】
不活性雰囲気下及び−78℃において、ブロモアセチルブロミド(53.7mmol、1当量)を、DCM(150ml)中のBoc−ピペラジン(53.7mmol、1当量)及びTEA(59.1mmol、1.1当量)の溶液へ徐々に添加した。反応混合物を−78℃で3時間撹拌し、DCM(75ml)で希釈し、水で洗浄した。回収された有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を真空下に蒸発させた。得られた粗生成物をさらにジエチルエーテル中で粉砕し、濾過し、真空下に乾燥させて所望のアセチル化化合物を誘導した。C11H19BrN2O3; 収率 78%; 白色固体; m.p. 243-244 °C; M = 307.18 g/mol; IR (KBr): ν = 2965 (m), 1689 (s), 1632 (s), 1417 (s), 1246 (s), 1167 (s), 1023 (m); cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ3.87 (s, 2H), 3.61-3.57 (m, 2H), 3.55-3.47 (m, 4H), 3.46-3.41 (m, 2H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ165.5 (Cq), 154.5 (Cq), 80.5 (Cq), 46.6 (2CH2), 40.9 (2CH2), 28.4 (3CH3), 25.7 (CH2);
【0371】
(r)ベンジル4−(2−アセトアミドアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(6r)
【0372】
【化79】
【0373】
不活性雰囲気下及び−78℃において、アセチルブロミド(1.1当量)を、DCM(5ml)中の対応するアミン(0.36mmol、1当量)及びTEA(1.5当量)の溶液へ徐々に添加した。反応混合物を−78℃で2時間撹拌し、DCM(50ml)で希釈し、続いて塩化水素(0.1M水溶液、3x50ml)で洗浄した。回収された有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を真空下に蒸発させて粗生成物を得、さらにジエチルエーテル中で粉砕して、所望のアセチル化誘導体を誘導した。C16H21N3O4; 収率 90%; 白色固体; m.p. 134-135 °C; M = 319.36 g/mol; IR (ATR): ν = 3356 (m), 2919 (s), 1681 (m), 1657 (s), 1636 (s), 1563 (m), 1420 (m), 1229 (s), 1120 (m), 1068 (m), 1023 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ 7.39-7.33 (m, 5H), 6.56 (as, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.06 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 3.64-3.59 (m, 2H), 3.56-3.50 (m, 4H), 3.45-3.40 (m, 2H), 2.05 (s, 3H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 170.3 (Cq), 166.9 (Cq), 155.2 (Cq), 136.4 (Cq), 128.8 (2CH), 128.5 (CH), 128.3 (2CH), 67.8 (CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 41.9 (CH2), 41.5 (CH2), 23.2 (CH3); MS: m/z = 342 [M + Na]+; HRMS: C16H22O4N3計算値320.1605, 実測値 320.1608 (1.0 ppm).
【0374】
ジメチルスルホニウム塩の調製(G)
ジメチルスルフィド(2.5mmol、10当量)を、メタノール(5ml)中の、先に得られたブロモアセチル化合物(0.25mmol、1当量)の溶液に添加した。反応容器を密封し、混合物を室温で48時間激しく撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(15ml)中に溶解し、酢酸エチル(3x20ml)で洗浄した。回収された水性層を凍結乾燥して、最終的なジメチルスルホニウムブロミド塩を固体として得た。
【0375】
(a)[2−[[2−(4−ベンジルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソ−エチル]−ジメチルスルホニウムブロミド(7a)
【0376】
【化80】
【0377】
C18H26BrN3O4S; 収率 83%; 白色固体 / 吸湿性; M = 460.39 g/mol; IR (ATR): ν = 2919 (w), 1681 (s), 1642 (s), 1427 (m), 1223 (s), 1123 (w), 1020 (w), 762 (w), 695 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO3) δ 7.38-7.32 (m, 5H), 5.10 (s, 2H), 4.47 (s, 2H), 4.08 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.53-3.40 (m, 8H), 2.94 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO3) δ 166.2 (Cq), 163.2 (Cq), 154.4 (Cq), 136.7 (Cq), 128.4 (2CH), 127.9 (CH), 127.6 (2CH), 66.4 (CH2), 46.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.4 (CH2), 43.1 (CH2), 41.1 (CH2), 41.0 (CH2), 24.5 (2CH3); MS: m/z = 380 [M-Br]+; HRMS: C18H26O4N3S 計算値380.1639, 実測値 380.1638 (0.1 ppm).
【0378】
(b)[2−[[2−[4−[(4−メトキシカルボニルフェニル)メトキシカルボニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチルスルホニウムブロミド(7b)
【0379】
【化81】
【0380】
C20H28BrN3O6S; 収率 94%; ライトベージュの固体 / 吸湿性; M = 518.42 g/mol; IR (ATR): ν = 3211 (w), 2913 (w), 1694 (s), 1645 (s), 1423 (m-s), 1407 (m), 1278 (m-s), 1220 (m-s), 1102 (m), 1017 (m), 753 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.90 (t,J = 5.4 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 4.48 (s, 2H), 4.09 (d, J =5.4 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.86-3.38 (m, 8H), 2.94 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 166.3 (Cq), 166.0 (Cq), 163.2 (Cq), 154.2 (Cq), 142.3 (Cq), 129.3 (2CH), 129.0 (Cq), 127.4 (2CH), 65.7 (CH2), 52.2. (CH3), 46.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.4 (CH2), 43.2 (CH2), 41.1 (CH2), 41.0 (CH2), 24.5 (2CH3); MS: m/z = 438 [M]+; HRMS: C20H28O6N3S 計算値438.1693, 実測値 438.1693 (0.1 ppm).
【0381】
(c)ジメチル[2−[[2−[4−(2−ナフチルメトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]スルホニウムブロミド(7c)
【0382】
【化82】
【0383】
C22H28BrN3O4S; 収率 47%; ライトベージュの固体 / 吸湿性; M = 510.44 g/mol; IR (ATR): ν = 2910 (w), 1678 (s), 1639 (s), 1463 (m), 1427 (s), 1223 (s), 817 (w), 747 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ8.88 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 7.86-7.80 (m, 4H), 7.51-7.43 (m, 3H), 5.29 (s, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.12 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.61-3.41 (m, 8H), 3.32 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 166.3 (Cq), 163.3 (Cq), 154.5 (Cq), 134.3 (Cq), 132.7 (Cq), 132.6 (Cq), 128.1 (CH), 127.8 (CH), 127.6 (CH), 126.5 (CH), 126.4 (CH), 126.3 (CH), 125.8 (CH), 66.6 (CH2), 46.5 (CH2), 43.8 (CH2), 43.4 (CH2), 43.2 (CH2), 41.2 (CH2), 41.1 (CH2), 24.6 (2CH3); MS: m/z = 430 [M-Br]+; HRMS: C22H28O4N3S 計算値430.1795, 実測値 430.1793 (0.5 ppm).
【0384】
(d)[2−[[2−[4−[(6−メトキシカルボニル−2−ナフチル)メトキシカルボニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7d)
【0385】
【化83】
【0386】
C24H30BrN3O6S; 収率 81%; 白色固体; m.p. 125-126 °C; M = 568.48 g/mol; IR (ATR): ν = 3320 (w), 2980 (w), 1712 (m), 1675 (m), 1639 (s), 1433 (m), 1287 (m), 1232 (s), 1199 (m), 1126 (m), 759 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.88 (t,J = 5.4 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.16 (d,J = 8.6 Hz, 1H), 8.08-7.99 (m, 3H), 7.62 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 5.30 (s, 2H), 4.43 (s, 2H), 4.10 (d,J = 5.4 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.56-3.40 (m, 8H), 2.91 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 166.3 (Cq), 166.3 (Cq), 163.2 (Cq), 154.3 (Cq), 137.3 (Cq), 134.9 (Cq), 131.6 (Cq), 130.4 (CH), 129.7 (CH), 128.5 (CH), 127.1 (Cq), 126.5 (CH), 125.9 (CH), 125.2 (CH), 66.3 (CH2), 52.3 (CH3), 46.5 (CH2), 43.7 (CH2), 43.4 (CH2), 43.3 (CH2), 41.1 (CH2), 41.1 (CH2), 24.6 (2CH3). MS: m/z = 488 [M]+; HRMS: C24H30O6N3S 計算値488.1850, 実測値 488.1841 (1.8 ppm).
【0387】
(e)[2−[[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]ジメチル−スルホニウムブロミド(7e)
【0388】
【化84】
【0389】
C21H34BrN3O3S; 収率 98%; 白色固体; m.p. 157-158 °C; M = 488.48 g/mol; IR (ATR): ν= 3417 (w), 2901 (m-s), 2844 (w), 1645 (s), 1612 (s), 1445 (w), 1408 (m), 1241 (m), 1214 (m), 1008 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.87 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.08 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.65-3.54 (m, 4H), 3.48-3.38 (m, 4H), 2.90 (s, 6H), 1.98 (as, 3H), 1.92-1.86 (m, 6H), 1.74-1.62 (m, 6H);13C NMR (63 MHz, DMSO) δ174.6 (Cq), 166.2 (Cq), 163.2 (Cq), 46.5 (CH2), 44.5 (2CH2), 44.2 (CH2), 41.7 (CH2), 41.0 (CH2), 40.9 (Cq), 38.4 (3CH2), 36.0 (3CH2), 27.9 (3CH), 24.6 (2CH3); MS: m/z = 408 [M-Br]+; HRMS: C21H34O3N3S 計算値408.2315, 実測値 408.2317 (0.4 ppm).
【0390】
(f)[2−[[2−[4−[(1−アダマンチルメトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソ−エチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7f)
【0391】
【化85】
【0392】
C22H36BrN3O4S; 収率 67%; ライトベージュの固体 / 吸湿性; M = 518.51 g/mol; IR (ATR): ν = 3414 (w), 2895 (s), 2844 (m), 1669 (s), 1642 (s), 1466 (m), 1423 (m-s), 1220 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.89 (t,J = 5.3 Hz, 1H), 4.46 (s, 2H), 4.08 (d,J = 5.4 Hz, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.54-3.40 (m, 8H), 2.93 (s, 6H), 1.94 (as, 3H), 1.71-1.58 (m, 6H), 1.50 (as, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ166.3 (Cq), 163.2 (Cq), 154.8 (Cq), 74.3 (CH2), 46.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.3 (CH2), 43.0 (CH2), 41.1 (CH2), 41.0 (CH2), 38.7 (3CH2), 36.4 (3CH2), 33.1 (Cq), 27.4 (3CH), 24.6 (2CH3); MS: m/z = 438 [M-Br]+; HRMS: C22H36O4N3S 計算値438.2421, 実測値 438.2419 (0.5 ppm).
【0393】
(g)[2−[[2−[4−[2−(1−アダマンチル)エトキシカルボニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7g)
【0394】
【化86】
【0395】
C23H38BrN3O4S; 収率 75 %; ライトベージュの固体 / 吸湿性; M = 532.53 g/mol; IR (ATR): ν= 2895 (m-s), 2847 (w), 1684 (s), 1423 (s), 1226 (s), 1020 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.89 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.47 (s, 2H), 4.09-4.03 (m, 4H), 3.50-3.38 (m, 8H), 2.93 (s, 6H), 1.91 (as, 3H), 1.69-1.57 (m, 6H), 1.49 (as, 6H), 1.37 (t,J = 7.3, 2H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 166.2 (Cq), 163.2 (Cq), 154.6 (Cq), 61.2 (CH2), 46.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.3 (CH2), 43.0 (CH2), 42.4 (CH2), 41.9 (3CH2), 41.1 (CH2), 41.0 (CH2), 36.5 (3CH2), 31.3 (Cq), 27.9 (3CH), 24.6 (2CH3); MS: m/z = 452 [M-Br]+; HRMS: C23H38O4N3S 計算値452.2578, 実測値 452.2575 (0.6 ppm).
【0396】
(h)[2−[[2−[4−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニル]ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7h)
【0397】
【化87】
【0398】
C22H31BrN4O4S2; 収率 76%; 淡黄色固体; m.p. 98-99 °C; M = 559.54 g/mol; IR (ATR): ν = 3475 (m), 2992 (w), 1672 (s), 1648 (s), 1345 (s), 1153 (s), 1144 (s), 935 (s), 795 (s), 713 (s) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.79 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.14 (dd, J = 7.4 Hz, J = 1.1 Hz, 1H), 7.68 (dd, J = 8.5 Hz, J = 7.4 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.5 Hz, J = 7.7 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 7.3 Hz, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.01 (d, J =5.3 Hz, 2H), 3.55-3.43 (m, 4H), 3.18-3.05 (m, 4H), 2.87 (s, 6H), 2.83 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 166.2 (Cq), 163.2 (Cq), 151.5 (Cq), 132.4 (Cq), 130.5 (CH), 130.2 (CH), 129.6 (Cq), 129.2 (Cq), 128.3 (CH), 123.8 (CH), 118.9 (CH), 115.4 (CH), 46.5 (CH2), 45.3 (CH2), 45.2 (CH2), 45.1 (2CH3), 43.7 (CH2), 41.0 (CH2), 40.9 (CH2), 24.5 (2CH3); MS: m/z = 479 [M]+; HRMS: C22H31O4N4S2計算値479.1781, 実測値 479.1779 (0.5 ppm).
【0399】
(i)[2−[[(1S)−2−(4−ベンジルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7j)
【0400】
【化88】
【0401】
C19H28BrN3O4S; ライトベージュの固体 / 吸湿性; 収率 78%; M = 474.41 g/mol; IR (ATR): ν = 2986 (w), 1694 (s), 1636 (s), 1420 (s), 1220 (s), 1020 (m), 759 (m), 698 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ9.07 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.39-7.32 (m, 5H), 5.10 (s, 2H), 4.78 (p, J =6.6 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.51-3.46 (m, 8H), 2.90 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 1.21 (d, J = 6.9 Hz, 3H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 169.8 (Cq), 162.4 (Cq), 154.4 (Cq), 136.7 (Cq), 128.4 (2CH), 127.9 (CH), 127.7 (2CH), 66.4 (CH2), 46.6 (CH2), 45.3 (CH), 44.5 (CH2), 43.6 (CH2), 43.2 (CH2), 41.3 (CH2), 24.7 (CH3), 24.6 (CH3), 17.6 (CH3); MS: m/z = 394 [M-Br]+; HRMS: C19H28O4N3S 計算値394.1795, 実測値 394.1800 (1.3 ppm).
【0402】
(j)[2−[[2−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−2−オキソエチル]−ジメチル−スルホニウムブロミド(7m)
【0403】
【化89】
【0404】
C15H28BrN3O4S; 淡黄色固体 / 吸湿性; 収率 48%; M = 426.37 g/mol; IR (ATR): ν = 3429 (w), 2974 (w), 1672 (s), 1645 (s), 1408 (s), 1460 (w), 1363 (m), 1232 (m), 1163 (m-s), 1107 (w) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.87 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.08 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.45-3.32 (m, 8H), 2.91 (s, 6H), 1.41 (s, 9H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 166.2 (Cq), 163.2 (Cq), 153.8 (Cq), 79.2 (Cq), 46.5 (2CH2), 43.8 (CH2), 41.2 (CH2), 41.0 (2CH2), 28.0 (3CH3), 24.6 (2CH3); MS: m/z = 346 [M]+; HRMS: C15H28O4N3S 計算値346.1795, 実測値 346.1797 (0.6 ppm).
【0405】
(k)ベンジル4−[2−[[2−(1,3,4,5−テトラメチルイミダゾール−1−イウム−2−イル)スルファニルアセチル]アミノ]−アセチル]−ピペラジン−1−カルボキシレートブロミド(7s)
【0406】
【化90】
【0407】
C23H32BrN5O4S; ライトベージュの固体 / 吸湿性; 収率 79%; M = 554.50 g/mol; IR (ATR): ν= 3402 (w), 3192 (w), 2922 (w), 1696 (s), 1645 (s), 1423 (s), 1226 (s), 1026 (w) cm -1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 8.35 (t,J = 5.3 Hz, 1H),7.38-7.32 (m, 5H), 5.10 (s, 2H), 3.96 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.77 (s, 6H), 3.68 (s, 2H), 3.50-3.39 (m, 8H), 2.29 (s, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 167.0 (Cq), 166.6 (Cq), 154.4 (Cq), 136.7 (Cq), 135.9 (Cq), 129.2 (Cq), 128.4 (2CH), 127.9 (CH), 127.6 (2CH), 66.4 (CH2), 43.7 (CH2), 43.3 (CH2), 43.1 (CH2), 41.0 (CH2), 40.7 (CH2), 36.8 (CH2), 33.5 (2CH3), 8.8 (2CH3); MS: m/z = 474 [M]+; HRMS: C23H32O4N5S 計算値474.2170, 実測値 474.2161 (1.8 ppm).
【0408】
ビニルスルホンアミド調製のための一般的な方法(H)
不活性雰囲気下に、トリエチルアミン(1.1当量)をDCM(6mL)中の2−クロロエチル−スルホニルクロリド(0.3mmol、1当量)の溶液に−60℃で添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した後、対応するアミン(1.1当量)及びトリエチルアミン(1.1当量)を添加し、次いで反応を0℃でさらに2時間撹拌した。反応を、HCl(0.1N水溶液、20mL)の添加によりクエンチし、DCM(3x20mL)で抽出した。回収された有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、溶媒を減圧下に蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)によりさらに精製して、所望のビニルスルホンアミドを誘導した。
【0409】
(a)ベンジル4−[2−(ビニルスルホニルアミノ)アセチル]ピペラジン−1−カルボキシレート(8a)
【0410】
【化91】
【0411】
C16H21N3O5S; 収率 53%; 無色の粘性油、静置して白っぽい固体へ; m.p. 66-67 °C; M = 367.42 g/mol; IR (ATR): ν = 3220 (w), 2865 (w), 1694 (s), 1648 (s), 1423 (m), 1326 (w), 1223 (s), 1141 (m), 1123 (m), 762 (m), 729 (m), 695 (m) cm -1; 1H NMR (250 MHz, CDCl3) δ7.41-7.30 (m, 5H), 6.51 (dd, J = 16.5 Hz, J = 9.8 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.95 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.44 (t, J = 4.2 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 3.84 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 3.68-3.62 (m, 2H), 3.57-3.50 (m, 4H), 3.41-3.28 (m, 2H); 13C NMR (63 MHz, CDCl3) δ 165.9 (Cq), 155.1 (Cq), 136.3 (Cq), 135.5 (CH), 128.8 (2CH), 128.5 (CH), 128.3 (2CH), 127.2 (CH2), 67.8 (CH2), 44.3 (CH2), 43.9 (CH2), 43.7 (CH2), 43.6 (CH2), 42.2 (CH2); MS: m/z = 390 [M + Na]+; HRMS: C16H22O5N3S 計算値368.1275, 実測値 368.1280 (1.4 ppm).
【0412】
(b)N−[2−[4−(アダマンタン−1−カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル]エテンスルホンアミド(8e)
【0413】
【化92】
【0414】
C19H29N3O4S; 収率 49%; 白色固体; m.p. 159-160 °C; M = 395.52 g/mol; IR (ATR): ν = 3232 (w), 2895 (m), 2850 (w), 1645 (m-s), 1612 (m-s), 1402 (m-s), 1320 (m), 1232 (m-s), 1153 (s), 1011 (m-s), 984 (m), 738 (m) cm-1; 1H NMR (250 MHz, DMSO) δ 7.35 (t,J = 5.5 Hz, 1H), 6.71 (dd, J =16.6 Hz, J = 10.0 Hz, 1H), 6.03 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.82 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.57-3.46 (m, 4H), 3.42-3.38 (m, 4H), 1.97 (as, 3H), 1.89 (s, 6H), 1.73-1.62 (m, 6H); 13C NMR (63 MHz, DMSO) δ 174.6 (Cq), 166.4 (Cq), 137.0 (CH), 125.1 (CH2), 44.5 (2CH2), 44.3 (CH2), 43.7 (CH2), 41.7 (CH2), 40.9 (Cq), 38.4 (3CH2), 36.0 (3CH2), 27.9 (3CH); HRMS: C19H30O4N3S 計算値396.1952, 実測値 396.1954 (0.6 ppm).
【0415】
実施例2−組織トランスグルタミナーゼ(TG2)活性の阻害
方法
TGアミド基転移活性及び活性に対する阻害剤の影響を、ビオチンX−カダベリンのN,N’−ジメチルカゼインへの取込みにより測定した。96ウェルプレートを、50mMTris−Cl、pH8中の10mg/mlのN,N’−ジメチルカゼイン、100μlで、4℃で一晩コーティングした後、プレートをTBS−0.05%Tween−20(v/v)、pH7.6、及びTBS、pH7.6で洗浄し、1mM DTT、10mM CaCl、及び0.1μM ビオチン−カダベリンを含有する、50mM Tris−HCl、pH7.4中の精製された組換えヒトTG2(400ng/ml Zedira、ドイツ)(組織トランスグルタミナーゼ)、100μlを、適当な濃度の阻害剤を含有するコートされたウェル内に添加した。反応を37℃で2時間進行させた。次にプレートをTBS−Tween−20(v/v)、pH7.6で2回、及びTBS、pH7.6で1回洗浄した後、ブロッキングバッファ(TBS−Tween中3%(w/v)BSA、pH7.6)100μlで、37℃で30分間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをブロッキングバッファ中(1:1,000希釈)のHRP−コンジュゲートExtr−Avidinペルオキシダーゼ(Sigma Aldrich、英国)100μlと、37℃で1時間インキュベートした。もう1セットの洗浄後、TG2活性を、Sigma Fast OPD(錠剤を20mlの蒸留したHO中に溶解)を用いて測定した。2.5M HSOの添加により発色させ、490nmの吸収を、マイクロプレートリーダーELx808(商標)を用いて測定した。阻害剤は全て、アッセイへの添加に先立ち、100mM溶液としてDMSO中に溶解した。
【0416】
トランスグルタミナーゼ1、トランスグルタミナーゼ3、及び因子X111aの活性測定には、市販のマイクロアッセイ、TG−CovTest(Covalab、Lyon,フランス;またPerez et al.Anal Biochem.2009年、第389巻、p.150−156も参照)を使用した。
【0417】
結果
組織トランスグルタミナーゼのIC50アッセイの結果は、表1、2、3、及び4に示される。
【0418】
【表1】
【0419】
【表2】
【0420】
【表3】
【0421】
【表4】
【0422】
【表5】
【0423】
【表6】
【0424】
【表7】
【0425】
他のトランスグルタミナーゼ(TG1、TG3、因子X111a)の活性に対する代表的な化合物の効果についてのさらなる試験は、表5に示したように、組織トランスグルタミナーゼ(TG2)の選択的な阻害を示した。
【0426】
【表8】
【0427】
実施例3−細胞透過性
この研究は、様々な阻害剤が、R3基の化学に応じて、異なる細胞透過性を見せることを示す。
【0428】
方法
TG2高発現性のHUVEC細胞(Z.Wang et al,M.Griffin、“A novel extracelullar role for tissue transglutaminase in matrix−bound VEGF−mediated angiogenesis(マトリックス結合型VEGF媒介血管新生における組織トランスグルタミナーゼの細胞外の新規役割)”、Cell Death and Disease、2013年、4:e808)を、完全内皮増殖培地EGM中で増殖させた。アッセイは、細胞内Ca2+レベルを上げるためのイオノマイシンを用いて細胞内でTG2を活性化すること、及びビオチンカダベリンの細胞内取込みを阻害剤の存在下及び非存在下に定量することに基づく。細胞内TG2活性を誘導するために、細胞を、所定の1μM イオノマイシン及び1mM ビオチン−カダベリンを含有する、0.5%FBSを加えた新鮮な増殖培地で、50uMのTG2阻害剤の存在下又は非存在下にインキュベートした。阻害剤EB1−155、1−159、1−178、1−180、2−16、及び2−18を、このプロトコールに使用した(化合物構造については上記の実施例2参照)。細胞非透過性阻害剤281及び細胞透過性阻害剤283を、それぞれネガティブ及びポジティブコントロールとして使用した。細胞内活性をR281に対しノーマライズした。3時間のインキュベーション後、細胞を培地中で回収し、ペレット化し、PBSで1回洗浄し、ホモジナイゼーションバッファ(50mM Tris−HCl、pH7.5、150mM NaCl、1mM EDTA)中に再懸濁し、氷上で超音波処理した。細胞膜を18,000xg、15分間でペレット化し、上清(細胞質基質分画)をアッセイに使用した。ホモジナイゼーションバッファ100μl中の全タンパク質50μgを、タンパク質高結合型96ウェルプレートに負荷し、4℃で一晩インキュベートした。インキュベーションの後、200μlのブロッキングバッファ(ホウ酸食塩水(100mMホウ酸、20mMホウ酸ナトリウム、及び0.7mM NaCl)中の5% BSA、0.01% Tween20)を用いて、37℃で1時間プレートをブロックした。次に各ウェルを洗浄バッファ(ホウ酸食塩水中1% BSA、0.01% Tween20)で3回洗浄した。100μlのextravidin−HRP溶液(3%BSA(100mM Tris−HCl、pH7.4及び5mM EDTA中)中で1:2,500希釈されたextravidin−HRP)を各ウェルに添加し、プレートを4℃で一晩インキュベートした。次にプレートを50mM Tris−HCl、pH7.4で4回洗浄した。シグナルは、OPD基質を用いて検出し、3N HClを用いて反応を停止し、読取りはELISAプレートリーダーを用いて490nmで実施した。log P値を、図に示した通り計算した。
【0429】
結果
結果は、図1に示される。
【0430】
議論
代表的なTGase阻害剤化合物、EB1−155、1−180、及び2−16は全て、それらが細胞へ侵入して細胞内TG2活性をより大いに阻害することを可能にする、アクリルアミドベースの弾頭を有する。
【0431】
代表的なTGase阻害剤化合物、EB1−159、1−178、及び2−18は全て、それらが細胞へ侵入して細胞内TG2活性レベルに影響を及ぼすことを妨げる、スルホンアミドベースの弾頭を有する。
【0432】
したがって、適切なR3基を選択することにより、本発明のTGase阻害剤化合物は、細胞内又は細胞外のいずれかのTG2酵素へ標的化され得る。細胞外活性は、線維症/血管新生性の疾患状態において、より重要な標的であると考えられている。また、阻害剤の細胞侵入を妨げることは、細胞内ベースのオフターゲット/毒性効果を制限する。
【0433】
実施例4−種々のトランスグルタミナーゼに対する阻害剤の選択性
この研究は、異なる阻害剤が種々のトランスグルタミナーゼに対し異なる選択性を示すことを証明する。
【0434】
方法
TGアミド基転移活性及び活性に対する阻害剤の影響を、ビオチンX−カダベリンのN,N’−ジメチルカゼインへの取込みにより測定した。96ウェルプレートを、50mMTris−Cl、pH8中の10mg/mlのN,N’−ジメチルカゼイン100μlで、4℃で一晩コーティングした後、プレートをTBS−0.05%Tween−20(v/v)、pH7.6、及びTBS、pH7.6で洗浄し、1mM DTT、10mM CaCl、及び0.1μM ビオチン−カダベリンを含有する50mM Tris−HCl、pH7.4中の、精製された組換えヒトTG2(2μg/ml Zedira、ドイツ)100μl、又は精製された組換えヒトFXIIIa(2μg/ml Zedira、ドイツ、0.01U ウシトロンビン/μgFXIIIを用いた室温で30分間のインキュベーションにより予め活性化した)100μlのいずれかを、適当な濃度の阻害剤を含有するコートされたプレート内に添加した。反応を37℃で1時間進行させた。次にプレートをTBS−Tween−20(v/v)、pH7.6で2回、及びTBS、pH7.6で1回洗浄した後、100μlのブロッキングバッファ(TBS−Tween中3%(w/v)BSA、pH7.6)で、37℃で30分間ブロックした。ブロッキング後、ウェルを、ブロッキングバッファ中(1:1,000希釈)のHRP−コンジュゲートExtrAvidinペルオキシダーゼ(Sigma−Aldrich、英国)100μlと、37℃で1時間インキュベートした。もう1セットの洗浄後、TG2活性を、Sigma Fast OPD(錠剤を20mlの蒸留したHO中に溶解)を用いて測定した。2.5M HSOの添加により発色させ、490nmの吸収を、マイクロプレートリーダーELx808(商標)を用いて測定した。阻害剤は全て、アッセイへの添加に先立ち、100mM溶液としてDMSO中に溶解した。
【0435】
結果
結果を表6に示す。
【0436】
【表9】
【0437】
議論
結果は、本発明の化合物が種々のトランスグルタミナーゼ(特にTG2及び因子XIII)に対し異なる選択性を示すことを証明した。化合物EB1−127及び1−131(D−フェニルアラニン部分を含んでなる)及びEB1−126(L−フェニルアラニン部分を含んでなる)は、組織トランスグルタミナーゼ(TG2)に対する阻害効果が無視し得るのに対し、因子XIIIに対しては全て非常に活性が高い。いくつかの化合物について観察された異なる活性は、阻害剤の構造コア内のアミノ酸の変化に起因し得ると考えられる。これらのデータは、本発明の化合物が、特異性及び最終的な治療価値を改善する目的で、特定のTGを阻害するべく「調整(tune)」され得ることを示す。
【0438】
実施例5−代表的な医薬製剤
以下の実施例は、活性成分が本発明の化合物である、本発明による医薬製剤を例示する。
【0439】
実施例A:錠剤
活性成分 100mg
ラクトース 200mg
デンプン 50mg
ポリビニルピロリドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg

359mg
錠剤は、上記の成分から湿式造粒及びそれに続く圧縮により調製される。
【0440】
実施例B:眼科用液剤
活性成分 0.5g
塩化ナトリウム、分析等級 0.9g
チオメルサール 0.001g
純粋を加えて 100mlとする
pH 7.5に調整
【0441】
実施例C:錠剤製剤
以下の製剤A及びBは、ポビドン溶液を用いた成分の湿式造粒と、それに続くステアリン酸マグネシウムの添加及び圧縮により調製される。
製剤A
mg/錠剤 mg/錠剤
活性成分 250 250
ラクトースB.P.(英国薬局方) 210 26
ポビドンB.P. 15 9
デンプングリコール酸ナトリウム 20 12
ステアリン酸マグネシウム 5 3

500 300
【0442】
製剤B
mg/錠剤 mg/錠剤
活性成分 250 250
ラクトースB.P. 150 −
Avicel PH101(登録商標) 60 26
ポビドンB.P. 15 9
デンプングリコール酸ナトリウム 20 12
ステアリン酸マグネシウム 5 3

500 300
【0443】
製剤C
mg/錠剤
活性成分 100
ラクトース 200
デンプン 50
ポビドン 5
ステアリン酸マグネシウム 4

359
【0444】
以下の製剤D、及びEは、混合された成分の直接圧縮により調製される。製剤Eに用いたラクトースは、圧縮タイプ向けのものである。
製剤D

mg/カプセル
活性成分 250
アルファ化デンプンNF15 150

400
【0445】
製剤E
mg/カプセル
活性成分 250
ラクトース 150
Avicel(登録商標) 100

500
【0446】
製剤F(徐放性製剤)
製剤は、ポビドンの溶液を用いた成分(下記)の湿式造粒と、それに続くステアリン酸マグネシウムの添加及び圧縮により調製される。
mg/錠剤
活性成分 500
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 112
(Methocel K4M Premium)(登録商標)
ラクトースB.P. 53
ポビドンB.P.C.(英国公定書注解) 28
ステアリン酸マグネシウム 7

700
薬剤放出は約6−8時間にわたって起こり、12時間後に完了した。
【0447】
実施例D:カプセル製剤
製剤A
カプセル製剤は、上記実施例Cの製剤Dの成分を混合すること、及びツーパートゼラチン硬カプセル中に充填することにより調製される。製剤B(下記)は同様の方法で調製される。
【0448】
製剤B
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)ラクトースB.P. 143
(c)デンプングリコール酸ナトリウム 25
(d)ステアリン酸マグネシウム 2

420
【0449】
製剤C
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)マクロゴール 4000BP 350

600
カプセルは、Macrogel 4000BPを融解すること、融解物に活性成分を分散させること、及び融解物をツーパートゼラチン硬カプセル中に充填することにより調製される。
【0450】
製剤D
mg/カプセル
活性成分 250
レシチン 100
落花生油 100

450
カプセルは、活性成分をレシチン及び落花生油中に分散すること、及び分散物をゼラチン軟弾性カプセル中に充填することにより調製される。
【0451】
製剤E(徐放性カプセル)
以下の徐放性カプセル製剤は、成分a、b、及びcを、押出機を用いて押出すこと、続いて押出物を球状化すること、及び乾燥させることにより調製される。乾燥したペレットは次に徐放性膜(d)でコートされ、ツーパートゼラチン硬カプセル中に充填される。
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)マイクロクリスタリンセルロース 125
(c)ラクトース BP 125
(d)エチルセルロース 13

513
【0452】
実施例E:注射用製剤
活性成分 0.200g
無菌、発熱物質フリーのリン酸バッファ(pH7.0)を加えて 10mlとする
活性成分を大部分のリン酸バッファ(35−40℃)中に溶解し、次いで規定の体積に仕上げ、無菌の微細孔フィルタを通して無菌の10ml褐色ガラスバイアル(タイプ1)中へ濾過し、無菌のクロージャー及びオーバーシールで密封する。
【0453】
実施例F:筋肉内注射
活性成分 0.20g
ベンジルアルコール 0.10g
Glucofurol 75(登録商標) 1.45g
注射用水、適量を加えて 3.00mlとする
活性成分をglucofurol中に溶解する。次いでベンジルアルコールを添加し、溶解し、水を加えて3mlとする。混合物を次に無菌の微細孔フィルタを通して濾過し、無菌の3mlガラスバイアル(タイプ1)中に密封する。
【0454】
実施例G:シロップ懸濁液
活性成分 0.2500g
ソルビトール溶液 1.5000g
グリセロール 2.0000g
分散性セルロース 0.0750g
安息香酸ナトリウム 0.0050g
香料、Peach 17.42.3169 0.0125ml
精製水、適量を加えて 5.0000mlとする
安息香酸ナトリウムを精製水の一部に溶解し、ソルビトール溶液を添加する。活性成分を添加し分散させる。グリセロール中に増粘剤(分散性セルロース)を分散させる。2つの分散物を混合し、精製水で必要な体積に仕上げる。さらなる増粘は、必要に応じて懸濁液を余分に剪断することにより達成される。
【0455】
実施例H:坐剤
mg/坐剤
活性成分(63μm) 250
硬脂肪、BP 1770
(Witepsol H15−Dynamit Nobel)

2020
Witepsol H15の1/5を、蒸気ジャケットを取付けたパン内で最高45 Cで溶融する。活性成分を、200μmシーブを通して篩い、カッターヘッドを具備したシルバーソンミキサ(silverson)を用いて混合しながら溶融ベースに添加し、滑らかな分散物を得る。混合物を45℃に維持しながら、残りのWitepsol H15を懸濁液に添加し、撹拌して均質な混合物を確保する。懸濁液全体を、250μmのステンレス鋼スクリーンを通過させ、撹拌を続けながら40℃に放冷する。38℃から40℃の温度において、2.02gの混合物を適当なプラスチック金型に充填する。坐剤を室温まで放冷する。
【0456】
実施例I:ペッサリー
mg/ペッサリー
活性成分 250
デキストロース無水物 380
ジャガイモデンプン 363
ステアリン酸マグネシウム 7

1000
上記成分を直接混合し、得られた混合物を直接圧縮することによりペッサリーを調製する。
図1