特許第6138998号(P6138998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6138998
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】自転車の動態気圧測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/13 20060101AFI20170522BHJP
   G01L 17/00 20060101ALI20170522BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20170522BHJP
   B62J 99/00 20090101ALI20170522BHJP
【FI】
   G01L5/13
   G01L17/00 301C
   G01L5/00 Z
   B62J99/00 K
   B62J99/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-96009(P2016-96009)
(22)【出願日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年5月13日
(31)【優先権主張番号】105100498
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516141129
【氏名又は名称】呉建成
(73)【特許権者】
【識別番号】516140993
【氏名又は名称】呉建輝
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】相子元
(72)【発明者】
【氏名】李尹▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】謝振芳
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−117423(JP,A)
【文献】 特開2015−107789(JP,A)
【文献】 特開2013−047077(JP,A)
【文献】 特開平06−199263(JP,A)
【文献】 特開2002−240520(JP,A)
【文献】 国際公開第94/29684(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/13
G01L 5/00
G01L 17/00
B62J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動態気圧測定装置及び受信装置を備える自転車の動態気圧測定システムであって、
前記動態気圧測定装置は、自転車のタイヤ内又はタイヤ上に設置されるとともに、少なくとも1つの気圧測定モジュールと、処理モジュールと、伝送モジュールと、を含み、
前記気圧測定モジュールは、自転車のタイヤ気圧変化データを測定するために用い、前記タイヤ気圧変化データは、一定時間内の気体圧力波形を含み、
前記処理モジュールは、前記気圧測定モジュールと電気的に接続され、前記気圧測定モジュールの動作を制御し、前記気圧測定モジュールは、前記タイヤ気圧変化データを処理モジュールへ送信し、前記処理モジュールは、前記タイヤ気圧変化データから自転車の動作過程でのケイデンス及び踏力を演算し、気体圧力波形中の気圧ピーク値から判断分析してケイデンス及び踏力を得て、
前記伝送モジュールは、前記処理モジュールと電気的に接続され、前記処理モジュールの演算結果を送信し、
前記受信装置は、前記伝送モジュールが送信する演算結果を受信し、リアルタイムで運動情報を表示することを特徴とする、
自転車の動態気圧測定システム。
【請求項2】
前記処理モジュールは、ケイデンス分析ユニットを含み、前記ケイデンス分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の少なくとも2つの気圧ピーク間の時間をキャプチャし、自転車のケイデンスを計算することを特徴とする請求項1に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【請求項3】
前記処理モジュールは、踏力分析ユニットを含み、前記踏力分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の気圧ピーク値の大きさをキャプチャし、自転車のライダーの踏力値を計算することを特徴とする請求項1に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【請求項4】
前記受信装置は手持ち式スマート装置であり、前記手持ち式スマート装置には、アプリケーションがインストールされ、前記アプリケーションは、前記伝送モジュールが送信する演算結果を受信し、前記アプリケーション上に表示し、前記アプリケーションによりリアルタイムで運動情報をユーザに提供することを特徴とする請求項1に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【請求項5】
動態気圧測定装置及び受信装置を備える自転車の動態気圧測定システムであって、
前記動態気圧測定装置は、自転車のタイヤ上に設置されるとともに、少なくとも1つの気圧測定モジュールと、処理モジュールと、伝送モジュールと、を含み、
前記気圧測定モジュールは、自転車のタイヤ気圧変化データを測定するために用い、前記タイヤ気圧変化データは、一定時間内の気体圧力波形を含み、
前記処理モジュールは、前記気圧測定モジュールと電気的に接続され、前記気圧測定モジュールの動作を制御し、前記気圧測定モジュールは、前記処理モジュールへ前記タイヤ気圧変化データを送信し、
前記伝送モジュールは、前記処理モジュールと電気的に接続され、前記処理モジュールが受信した前記タイヤ気圧変化データを送信し、
前記受信装置は、リアルタイムで運動情報を表示するとともに、前記伝送モジュールが送信する前記タイヤ気圧変化データを受信し、前記タイヤ気圧変化データにより自転車の動作過程中のケイデンス及び踏力を演算し、気体圧力波形中の気圧ピーク値によりケイデンス及び踏力を判断分析して得ることを特徴とする、
自転車の動態気圧測定システム。
【請求項6】
前記受信装置は手持ち式スマート装置であり、前記手持ち式スマート装置には、アプリケーションがインストールされ、前記アプリケーションは、伝送モジュールが送信する前記タイヤ気圧変化データを受信し、前記タイヤ気圧変化データから演算し、ケイデンス及び踏力を含む運動情報をリアルタイムでユーザに提供することを特徴とする請求項5に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【請求項7】
前記アプリケーションは、ケイデンス分析ユニットを含み、前記ケイデンス分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の少なくとも2つの気圧ピーク間の時間をキャプチャし、自転車のケイデンスを計算することを特徴とする請求項6に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【請求項8】
前記アプリケーションは、踏力分析ユニットを含み、前記踏力分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の気圧ピーク値の大きさをキャプチャし、自転車のライダーの踏力値を計算することを特徴とする請求項6に記載の自転車の動態気圧測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の動態気圧測定システムに関し、特に、全てのタイプの自転車の車輪内又は車輪上に応用することができる上、自転車の走行過程で運動情報をリアルタイムで分析して受信装置に表示する自転車の動態気圧測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
踏力、ペダリング効率を測定する市販のセンサは、その大部分が自転車のフレーム中の主な構造(例えば、ペダル、ボトムブラケット、チェンリング、ハブ又はクランク)に設置され、歪みゲージ又は圧電材料のセンサにより踏力を直接測定するか、トルクセンサにより踏力を間接的に推算する。
従来、センサの製造工程は困難であるため、取付け工程も複雑である上、異なる車種には使用することができず、センサの電圧出力値の範囲を制御することは容易でなかった。
【0003】
機械動作の観点から見ると、クランクに360度全方向で力を均一に加えることができるのが最も理想的で効率的である。しかし人は機械でないため、足部の筋肉によりペダルを前方又は下方へこぐときに力を加えることは容易で効率も高いが、ペダルを後方又は上方へこぐときに足部に力を加えることは容易でない上、疲れやすかった。有効な訓練を行ってフェーズに応じて異なる力で踏力を加えることができるようになると、最も効率的なペダリングを行うことができる。
【0004】
例えば、一般にクランクが90度(即ち、3時の方向)のとき、クランクが回転する接線力方向が地面に対して垂直となり、好ましい踏力を得ることができる。反対に、270度(9時の方向)のとき、力を加えることが容易でない上、足部の重量によりマイナス面の影響も最大となる。
そのため、ペダリング効率を最大限にするためには、ペダルをふむ力が最大となる位置が3時の方向付近であるか否かに注意しなければならず、ペダルの位置が9時の方向にあるときに、足部を円滑かつ迅速に通過させることができるか否かに注意する必要がある。これら2つの要素はペダリング効率に大きく影響する。
【0005】
このことから分かるように、センサにより踏力及びペダリング効率を直接測定する場合、人がペダルをこぐ要素により測定結果が左右され、取付けが困難で汎用性がなく、センサの電圧出力値の範囲が制御困難であるなどの欠点があるため、センサにより踏力及びペダリング効率を直接測定する従来技術には、依然として大きな改善の余地があった。
【0006】
そのため、タイヤ内又はタイヤ上に動態気圧測定システムを取付け、動態気圧測定装置が有する気圧測定モジュールにより、ケイデンスメーター、パワーメーターなどの様々な測定機能を代替するとコストを下げ、自転車の重量を大幅に減らすこともできる上、元来のフレームの外観設計に悪影響を及ぼさない技術が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、全てのタイプの自転車の車輪内又は車輪上に応用することができる上、自転車の走行過程のペダリング効率を高頻度で分析し、その演算結果を受信装置に表示し、リアルタイムで運動情報をユーザに知らせる自転車の動態気圧測定システムを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、両足の踏力を測定することができる上、力の測定範囲が大きく、組立てが容易で、様々なメーカーの車種に汎用可能で、センサを軽量化することができる自転車の動態気圧測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、動態気圧測定装置及び受信装置を備える自転車の動態気圧測定システムであって、前記動態気圧測定装置は、自転車のタイヤ内又はタイヤ上に設置されるとともに、少なくとも1つの気圧測定モジュールと、処理モジュールと、伝送モジュールと、を含み、前記気圧測定モジュールは、自転車のタイヤ気圧変化データを測定するために用い、前記タイヤ気圧変化データは、一定時間内の気体圧力波形を含み、前記処理モジュールは、前記気圧測定モジュールと電気的に接続され、前記気圧測定モジュールの動作を制御し、前記気圧測定モジュールは、前記タイヤ気圧変化データを処理モジュールへ送信し、前記処理モジュールは、前記タイヤ気圧変化データから自転車の動作過程でのケイデンス及び踏力を演算し、気体圧力波形中の気圧ピーク値から判断分析してケイデンス及び踏力を得て、前記伝送モジュールは、前記処理モジュールと電気的に接続され、前記処理モジュールの演算結果を送信し、前記受信装置は、前記伝送モジュールが送信する演算結果を受信し、リアルタイムで運動情報を表示することを特徴とする自転車の動態気圧測定システムが提供される。
【0009】
前記処理モジュールは、ケイデンス分析ユニットを含み、前記ケイデンス分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の少なくとも2つの気圧ピーク間の時間をキャプチャし、自転車のケイデンスを計算することが好ましい。
【0010】
前記処理モジュールは、踏力分析ユニットを含み、前記踏力分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の気圧ピーク値の大きさをキャプチャし、自転車のライダーの踏力値を計算することが好ましい。
【0011】
前記受信装置は手持ち式スマート装置であり、前記手持ち式スマート装置には、アプリケーションがインストールされ、前記アプリケーションは、前記伝送モジュールが送信する演算結果を受信し、前記アプリケーション上に表示し、前記アプリケーションによりリアルタイムで運動情報を提供することが好ましい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、動態気圧測定装置及び受信装置を備える自転車の動態気圧測定システムであって、前記動態気圧測定装置は、自転車のタイヤ上に設置されるとともに、少なくとも1つの気圧測定モジュールと、処理モジュールと、伝送モジュールと、を含み、前記気圧測定モジュールは、自転車のタイヤ気圧変化データを測定するために用い、前記タイヤ気圧変化データは、一定時間内の気体圧力波形を含み、前記処理モジュールは、前記気圧測定モジュールと電気的に接続され、前記気圧測定モジュールの動作を制御し、前記気圧測定モジュールは、前記処理モジュールへ前記タイヤ気圧変化データを送信し、前記伝送モジュールは、前記処理モジュールと電気的に接続され、前記処理モジュールが受信した前記タイヤ気圧変化データを送信し、前記受信装置は、リアルタイムで運動情報を表示するとともに、前記伝送モジュールが送信する前記タイヤ気圧変化データを受信し、前記タイヤ気圧変化データにより自転車の動作過程中のケイデンス及び踏力を演算し、気体圧力波形中の気圧ピーク値によりケイデンス及び踏力を判断分析して得ることを特徴とする自転車の動態気圧測定システムが提供される。
【0013】
前記受信装置は手持ち式スマート装置であり、前記手持ち式スマート装置には、アプリケーションがインストールされ、前記アプリケーションは、伝送モジュールが送信する前記タイヤ気圧変化データを受信し、前記タイヤ気圧変化データから演算し、ケイデンス及び踏力を含む運動情報をリアルタイムでユーザに提供することが好ましい。
【0014】
前記アプリケーションは、ケイデンス分析ユニットを含み、前記ケイデンス分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の少なくとも2つの気圧ピーク間の時間をキャプチャし、自転車のケイデンスを計算することが好ましい。
【0015】
前記アプリケーションは、踏力分析ユニットを含み、前記踏力分析ユニットは、一定期間内の気体圧力波形中の気圧ピーク値の大きさをキャプチャし、自転車のライダーの踏力値を計算することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの全体のアーキテクチャを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの内部アーキテクチャを示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの処理モジュールの内部アーキテクチャを示すブロック図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の受信装置の内部アーキテクチャを示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の実施の応用を示す模式図である。
図6A】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の気体圧力を示す波形図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の気体圧力を示す分析図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施形態に基づいて、より具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0018】
図1図3を参照する。図1は、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの全体のアーキテクチャを示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの内部アーキテクチャを示すブロック図である。図3は、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの処理モジュールの内部アーキテクチャを示すブロック図である。
図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムは、動態気圧測定装置1と、受信装置2と、を含む。動態気圧測定装置1は、少なくとも1つの気圧測定モジュール11と、処理モジュール12と、伝送モジュール13と、を含む。気圧測定モジュール11は、自転車のタイヤの気圧変化データを測定するために用いる。タイヤ気圧変化データは、少なくとも一定時間内の気体圧力波形を含む。
【0019】
処理モジュール12は、気圧測定モジュール11と電気的に接続され、気圧測定モジュール11の動作を制御する。気圧測定モジュール11は、タイヤ気圧変化データを処理モジュール12へ送信する。処理モジュール12は、ケイデンス分析ユニット121及び踏力分析ユニット122を含む。処理モジュール12は、タイヤ気圧変化データにより、自転車の動作過程のケイデンス及び踏力を演算することができる。
【0020】
ケイデンス分析ユニット121は、一定期間内の気体圧力波形中の少なくとも2つの気圧ピーク間の時間をキャプチャし、自転車のケイデンスを計算する。踏力分析ユニット122は、一定期間内の気体圧力波形中の気圧ピーク値の大きさをキャプチャし、自転車のライダーの踏力値を計算する。
【0021】
ケイデンス及び踏力を演算してから、処理モジュール12により演算した結果、伝送モジュール13を介して受信装置2へ送信し、受信装置2は、リアルタイムで運動情報を表示する。
【0022】
受信装置2は、手持ち式スマート装置でもよい。手持ち式スマート装置には、アプリケーション21を取り付ける。アプリケーション21は、リアルタイムで運動情報を表示する。しかし、図4に示すように、アプリケーション21によりケイデンス分析ユニット211及び踏力分析ユニット212を設置し、ケイデンス分析ユニット211及び踏力分析ユニット212の動作モードは既に述べているため、ここでは繰り返して述べない。
【0023】
もし処理モジュール12及びアプリケーション21がケイデンス及び踏力を演算する能力のみ有する場合、処理モジュール12は、ケイデンス及び踏力を自ら演算するか、タイヤ気圧変化データをアプリケーション21へ送信し、アプリケーション21により演算する。
【0024】
もし処理モジュール12がケイデンス及び踏力を演算する能力のみ有する場合、処理モジュール12は、ケイデンス及び踏力を演算した後、その演算結果をアプリケーション21へ送信する。
【0025】
もしアプリケーション21がケイデンス及び踏力を演算する能力のみ有する場合、処理モジュール12は、タイヤ気圧変化データをアプリケーション21へ送信し、アプリケーション21により演算を行う。
【0026】
図5に示すように、動態気圧測定装置1は、自転車3のタイヤ31内部又は外表面上に設置され、動態気圧測定装置1が測定したタイヤ気圧変化データを得る。タイヤ気圧変化データは、少なくとも一定期間内の気体圧力波形を含み、気体圧力波形を図6Aに示す(タイヤ31が地面に触れると、タイヤ31が押圧されて圧力が上昇するが、タイヤ31は常に押圧された状態に維持されずに、押圧が処理されて放出された圧力状態であるため、タイヤ31の圧力が僅かに放出されて下がり、気体圧力波形が発生する)。
【0027】
図6A及び図6Bを参照する。図6Aは、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の気体圧力を示す波形図である。図6Bは、本発明の一実施形態に係る自転車の動態気圧測定システムの動態気圧測定装置の気体圧力を示す分析図である。
図6Aは、複数の気圧ピーク値を示す。図6Bは、気体圧力波形を拡大した後の気圧ピーク値の位置を示す。気圧ピーク値は、ペダリングされたことを表し、2つの気圧ピーク値間の時間はPtである。ケイデンスはCADであり、次式(1)で表される。
【0028】
【数1】
【0029】
ケイデンスで算出される数値の単位はRPMである。ここで30は、単位変換の係数であり、これは1秒当たりの回数を1分単位当たりの回転数へ変換する変換係数を表す。
【0030】
さらに、各(最大)気圧ピーク値は、異なる気体圧力(Pa)へ対応するため、一定期間内の気体圧力波形中の全ての気圧ピーク値が対応する気体圧力(Pa)を自転車のライダーの踏力値を演算する基礎として用い、実際の踏力は、次式(2)で表すことができる。
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、Fは踏力であり、kは補正値定数(単位はパスカルである)であり、ΔPは気圧変化値(最大気圧値−平均気圧値)であり、Rは補正値定数である。最大気圧値は、一定期間内の各気圧ピーク値の大きさであり、平均気圧値は一定期間内の全ての気圧ピーク値の平均であるため、上式(2)により実際の踏力を算出することができる。
【0033】
上述したことから分かるように、本発明の自転車の動態気圧測定システムは、従来技術と比べて以下(1)〜(3)の長所を有する。
(1)タイヤ内又はタイヤ上に動態気圧測定装置を取付け、動態気圧測定装置が有する気圧測定モジュールが様々なパラメータを介して自転車の車速を得ることができる上、ケイデンスメーター、パワーメーターなどの様々なセンサの機能を代替し、コストを下げて自転車の重量を大幅に減らすことができるため、元々のフレームの外観設計に悪影響を与えることがない。
(2)全てのタイプの自転車の車輪内又は車輪上に応用することができる上、データを高頻度でキャプチャした後、波変化量及び高さ変化量に基づいて自転車の走行過程におけるペダリング効率を分析して計算し、その演算結果を受信装置に表示し、リアルタイムで運動情報をユーザに知らせることができる。
(3)両足の踏力を測定することができる上、力の測定範囲が大きく、組立てが容易で、様々なメーカーの車種に汎用可能で、センサを軽量化することができ、ターンオン電圧値を補正する必要がないなどの長所を有する。
【0034】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 動態気圧測定装置
2 受信装置
3 自転車
11 気圧測定モジュール
12 処理モジュール
13 伝送モジュール
21 アプリケーション
31 タイヤ
121 ケイデンス分析ユニット
122 踏力分析ユニット
211 ケイデンス分析ユニット
212 踏力分析ユニット
【要約】
【課題】全てのタイプの自転車の車輪内又は車輪上に応用することができる上、自転車の走行過程で運動情報をリアルタイムで分析し、受信装置に表示する自転車の動態気圧測定システムを提供する。
【解決手段】自転車の動態気圧測定システムは、動態気圧測定装置1及び受信装置2を備える。動態気圧測定装置1は、自転車のタイヤ内又はタイヤ上に設置されるとともに、少なくとも1つの気圧測定モジュールと、処理モジュールと、伝送モジュールとを含む。気圧測定モジュールは、自転車のタイヤ気圧変化データを測定するために用い、タイヤ気圧変化データは、一定時間内の気体圧力波形を含む。受信装置2は、伝送モジュールが送信する演算結果を受信し、リアルタイムで運動情報を表示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B