(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の起き上がり補助具について、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで、本発明に係る起き上がり補助具の構造と使用方法についての説明を簡単化するために、以降の実施形態ではいずれも、利用者が、寝具又は座具等を使用せずに、直接、起き上がり補助具を使用した場合の一例をとりあげて説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る起き上がり補助具の第1の実施形態の構成について、
図1乃至
図10を用いて説明する。ここで、
図1は、本発明に係る起き上がり補助具の第1の実施形態の構成を示す図である。
図2は、起き上がり補助具1Aの斜視図である。
図3は、
図2に示す起き上がり補助具1Aの右側面図である。
図4は、
図1に示す起き上がり補助具1Aの左側面図である。
図5は、
図1に示す起き上がり補助具1Aの上面図である。
図6は、
図1に示す起き上がり補助具1Aの背面図である。その他の図については、以降において、適宜説明する。
【0015】
起き上がり補助具1Aは、利用者Msの寝具又は座具等に起き上がり補助として用いられる。起き上がり補助具1Aは、
図1乃至
図6等に示すように、主に、固定シート2と、可動シート3と、ヒンジ部4と、可動シート支持材5と、側方支柱6と、連結アーム8と、操作ハンドル9とを備えている。
【0016】
固定シート2は、利用者Msの臀部側に位置する座シートである。固定シート2は、長手方向として脚部へ沿う方向に延び、短手方向として少なくとも臀部の横幅程度の長さである。なお、
図7等に示すように、固定シート2が十分に長く設けられる場合に、固定シート2の足元側に位置する端部に足掛け21を設けてもよい。
【0017】
可動シート3は、利用者Msの背部側に位置する背シートである。可動シート3は、長手方向として頭部へ沿う方向に延び、短手方向として少なくとも肩幅の横幅程度の長さである。なお、
図4等に示すように固定シート2と可動シート3との短手方向の長さを揃えてもよく、異なる長さであってもよい。
【0018】
ヒンジ部4は、固定シート2及び可動シート3の一方の端部同士を回動可能に接続する。固定シート2が利用者Msの臀部側に位置する座シートに対応し、可動シート3が利用者Msの背部側に位置する背シートに対応するため、ヒンジ部4を回動軸として、可動シート3を回動可能な構造とされる。
【0019】
ヒンジ部4を回動軸として可動シート3を回動可能な構造とするために、可動シート支持材5が可動シート3に取り付けられる。可動シート支持材5は、例えば可動シート3の側面側から下面側を覆うようなL字型の板金構造とされる。また、可動シート支持材5には、連結アーム8と連結可能なように、側面からシート面の垂直方向に凸状に延びる連結板が形成される。この凸状に延びる連結板には、連結アーム8と可動シート支持材5とが回動可能に連結する連結部51が設けられる。
【0020】
連結アーム8は、一端を可動シート支持材5に回動可能に連結され(図中の連結部51)、かつ、他端を操作ハンドル9の下方端部に回動可能に連結される(図中の連結部91)。連結アーム8のアーム長は、操作ハンドル9の長手方向の半径rの長さよりも短くされる。連結部51、連結部91には、例えば回転軸ボルト、ダブルナットなどにより、回動可能に連結される。
【0021】
操作ハンドル9は、固定シート2と可動シート3とが同一据付面上で据え置かれた水平状態と当該水平状態から可動シート3のみを据付面上から起き上がり状態との間の回動動作について操作可能である。操作ハンドル9の把持部分は、
図2等に示すように、略T字状で立直方向に延びる形状であるが、この他にも、U字・L字形状等として、可動シート3側に延長するように形成させて把持部分の位置を背臥位姿勢状態における上半身側に近づけてもよい。
【0022】
なお、本実施形態の起き上がり補助具1Aの例では、
図1乃至
図6等に示すように、据付面(又は据置面)として、水平支持材7を用いている。また、この水平支持材7は、例えばフローリング、畳などの床面、ベッド上等に置かれる。
【0023】
側方支柱6は、固定シート2及び操作ハンドル9の支持構造として形成される。具体的には、側方支柱6は、固定シート2のシート面に対して、垂直方向に形成されている。
図1等に示す例では、側方支柱6は、固定シート2のシート面に対して垂直に取り付けられて、固定シート2を据付面上の水平状態を保持可能である。
【0024】
また、側方支柱6は、操作ハンドル9の長手方向に対する略中央部において、操作ハンドル9を回動可能に支持する回動軸受け61を有する。回動軸受け61において、軸棒の一端側は操作ハンドル9に固定するように接続され、他端側は側方支柱6に回動可能に接続されている。
【0025】
好ましくは、側方支柱6には、回動軸受け61と共に、ラチェット62と、ラチェット爪63とが取り付けられる。これらの回動軸受け61、ラチェット62及びラチェット爪63により、可動シート3を起き上がり方向に回動させる際に、逆方向に急激に回転して倒れないように逆回転防止機構を有する構造とされる。
【0026】
ラチェット62の歯は、操作ハンドル9を可動シート3側へ倒す方向の操作による回転方向(可動シート3を起き上がらせる方向)では、ラチェット爪63に係合しない形状である。一方、操作ハンドル9を立直させる方向の操作による回転方向(可動シート3を倒す方向)では、ラチェット62の歯は、ラチェット爪63に係合可能な形状であり、ラチェット62の回転動作が抑止される。また、側方支柱6にラチェット爪63の係合解除の操作ボタンなどの解除機構を設けて、可動シート3を起き上がり状態から倒す場合に、容易に倒せるようにしてもよい。
【0027】
なお、
図1乃至
図6等に示す例の起き上がり補助具1Aでは、側方支柱6の取り付け状態において、回動軸受け61、ラチェット62及びラチェット爪63がむき出しの状態で取り付けられているが、好ましくは、これらの部分を覆いかつ操作ハンドル9を可動可能な形状である保護カバーなどが、取り付けられてもよい。
【0028】
次に、起き上がり補助具1Aの付加機能とする構成について、説明する。例えば、好ましくは、起き上がり補助具1Aは、さらに、水平支持材7と、緩降機(ショックアブソーバ)31とを備える。
【0029】
水平支持材7は、起き上がり補助具1Aにおいての据付面(又は据置面)である。この水平支持材7は、例えばフローリング、畳などの床面、ベッド上等に置かれる。水平支持材7は、少なくとも側方支柱6及び固定シート2の下面側で連結されて、固定シート2を据付面上の水平状態に保持可能である。なお、
図1等に示す起き上がり補助具1Aでは、水平支持材7は、固定シート2及び可動シート3の水平状態の際に、長手方向に沿って可動シート3の端部側までの長さであってもよい。
【0030】
緩降機31は、可動シート3の回動に応じて、長手方向にスライド可能に伸縮する構造である。緩降機(ショックアブソーバ)31は、伸びる方向には抵抗力が弱くなり、縮む方向には抵抗力が強くなる。緩降機31におけるシリンダー機構が、例えば油圧式、空気式などである。
【0031】
また、水平支持材7には、可動シート3が水平状態にある場合に、緩降機31を収納するための収納溝71が、可動シート3との当接面側に設けられる。緩降機31において、一端側は可動シート3の背面側の上端側に接続され(緩降機第1接続部311とされ)、他端側は緩降機31を収納する収納溝71の溝内の一端に接続される(緩降機第2接続部312とされる)。
【0032】
次に、起き上がり補助具1Aの使用方法を説明する。ここで、
図7は、起き上がり補助具1Aの平置き状態の使用状態説明図である。
図8は、起き上がり補助具1Aの起き上がり状態の使用状態説明図である。また、
図9は、補助者Moによる起き上がり補助具1Aの使用状態説明図である。
【0033】
図7に示すように、利用者Msが背臥位姿勢状態から手を伸ばして、手の届く位置に操作ハンドル9が設けられるように操作ハンドル9の略立直状態の角度、位置、ハンドル長が定められる。
【0034】
操作ハンドル9の下方端部と可動シート支持材5との間に連結アーム8が連結されているため、操作ハンドル9の回動動作により連結アーム8を介して可動シート支持材5が牽引されて、可動シート支持材5を取り付けられた可動シート3が、ヒンジ部4を回動軸として起き上がる。
【0035】
例えば、
図8に示すように、利用者Msが操作ハンドル9を可動角φで引きつけながら、起き上がり角度θを最大で60〜80度程度とすることにより、利用者Msが容易な姿勢で起き上がりし易い位置に、利用者Msの背部が当接している可動シート3の回動が補助される。
【0036】
起き上がり補助具1Aは、少なくとも操作ハンドル9の上方端部側を可動シート3側に押し下げる方向の利用者Msの身体動作(例えば操作ハンドル9を把持して上体側に引き寄せる)、又は、
図9に示すような利用者Ms以外の補助者Moの介助動作により、連結アーム8に連結された操作ハンドル9の下方端部側が可動シート支持材5を牽引して、可動シート3を水平状態から起き上がり状態に移行させる回動動作を補助する。
【0037】
以下は、本実施形態の支持構造における回動・軌道等の簡易計算例である。
図1に示すように、操作ハンドル9の下方端部から回動軸受け61の軸心までの長さである半径r、操作ハンドル9の可動角φ(ラジアン)、可動範囲での操作ハンドル9の下方端部の軌道長L
1とした場合に、
L
1=r・φ ・・・(式1)
となる。
【0038】
次に、
図1に示すように、ヒンジ部4の回動軸から連結アーム8と可動シート支持材5との接続点までの長さを回転半径dとし、操作ハンドル9の可動角φにおける可動シート3の水平状態から起き上がり状態に至る可動シート3の起き上がり角度θ(ラジアン)とすれば、連結アーム8と可動シート支持材5との接続点の軌道長L
2とした場合、
L
2=d・θ ・・・(式2)
となる。
【0039】
ここで、操作ハンドル9の下方端部の軌道長L
1と、連結アーム8と可動シート支持材5との接続点の軌道長L
2との関係において、L
1≒L
2と考えられる。そこで、(式1)と(式2)との関係に基づき、可動シート3の起き上がり角度θについて、
θ≒φ・r/d ・・・(式3)
となる関係が導き出される。
【0040】
(式3)により、r/dの比が大きいと、操作ハンドル9の可動角φに比例して起き上がり角度θが大きくなる。例えば、r/dの比が大きいと、操作ハンドル9の可動角φが小さい場合でも、r/dの割合に比例して、起き上がり角度θを大きくできる。すなわち、操作ハンドル9の操作で、可動シート3の起き上がり角度θ≒φ・r/dと作用して、回動動作を補助することができる。
【0041】
ここで、
図10に、起き上がり補助具1Aの操作ハンドル9の可動角φと起き上がり角度θとの対応関係の例を示す。
【0042】
例えば、
図10(a)の例で、可動角φa=30度で、起き上がり角度θa=77度とすると、r/d≒2.6である。
図10(b)の例で、φb=30度でθb=60度とすると、r/d≒2.0である。また、例えばφa=15度でθa=77度とすると、r/d≒5.1であり、φb=15度でθb=60度とすると、r/d≒4.0である。
【0043】
以上のことから、このような実用的な範囲(
図10(a)及び(b)に示すような体勢で起き上がることができる)を含むことを考慮し、好ましくは、r/dの比率が2〜6の範囲にあるように、操作ハンドル9の下方端部から回動軸受け61の軸心までの長さである半径r、ヒンジ部4の回動軸から連結アーム8と可動シート支持材5との接続点までの長さを回転半径dとを決定する。
【0044】
起き上がり補助具1Aによれば、主に利用者Msの寝具又は座具等に、以下のような起き上がり補助として用いることができる。
【0045】
図7に示すような利用者Msが寝た状態で、起き上がり補助具1Aの操作ハンドル9を自力で手前に引くと(胸側までよせる)、背中が当接している可動シート3が回動するため、利用者Msの腰に負担をかけずに、
図8に示すような利用者Msが固定シート2に臀部が座った状態で、利用者Msを起き上がる状態に移行させることができる。
【0046】
この際に、起き上がる途中で操作を止めても、前述したような逆回転防止機構を備えることにより、急激に寝た状態に戻ることはない。
【0047】
また、起き上がり状態から寝た状態に戻す場合にも、緩降機(ショックアブソーバ)31により、急に倒れることはなく、徐々に、可動シート3が水平状態に傾くように回動する。
【0048】
利用者Msが、操作ハンドル9を把持して、やや操作ハンドル9を引き寄せるようにやや上半身の体重をかけるような身体動作により操作ハンドル9を把持する腕を作用点とするモーメントを利用して、操作ハンドル9の下方端部に連結された連結アーム8を介して、可動シート3を水平状態から起き上がり状態に移行させる回動動作を補助させて、可動シート3を起き上らせることができる。
【0049】
通常、このような補助具を用いない場合には、利用者Msは、自らの腰部を起き上がり動作の支点として、上体を起き上らせなければならなかった。
【0050】
一方、本実施形態の起き上がり補助具1Aでは、操作ハンドル9の把持部分に手をかけて、回動軸受け61を支点として操作ハンドル9を上体方向に倒しながら回動させることにより、背部側に当接した可動シート3を起き上がらせることができる。
【0051】
また、従来では、介護者・看護者などの補助者Moの補助により被介護者・被看護者などの上体を起こす場合に、補助者Moの体に相当の負担がかかっていた。最悪の場合に、補助者Mo自身が、腰痛を患う恐れがあった。一方、
図9に示すように、補助者Moが起き上がり補助具1Aを利用する場合には、補助者Moの体への負担を軽減することができる。
【0052】
なお、例えば、起き上がり補助具1Aは、寝具又は座具等を使用せずに、直接、起き上がり補助具1Aを使用してもよく、軽量な寝具又は座具等を使用してもよい。
【0053】
また、このような使用方法では、起き上がり補助具1Aは、例えば、シートの材質・材料等として、固定シート2については、表面が滑り難い素材(布、ビニール、カーボン繊維、紙等)で、下地構造材は、強固で加重に耐えられる素材(金属・木・プラスチック樹脂・カーボン繊維・紙・布)などで製作される。
【0054】
また、可動シート3については、例えば表面は滑り難い素材(布、ビニール、カーボン繊維、紙等)で、下地構造材は、強固で加重に耐えられる素材(金属・木・プラスチック樹脂・カーボン繊維・紙・布)などで製作される。
【0055】
可動シート支持材5、操作ハンドル9等の各取り合い・接合部の部材は、強固に加重に耐えられる素材として、金属・木・プラスチック樹脂・カーボン繊維などである。
【0056】
本実施形態の起き上がり補助具1Aは、上述したように、簡易な構造であり、また、低コストの材料で製作可能である。このため、製作コストも低コストに抑えることができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の起き上がり補助具によれば、簡易な構造による自力及び他力の補助機構を有することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の起き上がり補助具の構成について、
図11を用いて説明する。ここで、
図11は、第2の実施形態の起き上がり補助具1Bの構成を示す斜視図である。
【0059】
起き上がり補助具1Bでは、
図11に示すように、支持構造として、固定シート2の短手方向の両側に、側方支柱6bが設けられる。
【0060】
側方支柱6bは、固定シート2のシート面に対して垂直方向に形成され、かつ、操作ハンドル9bの長手方向に対する略中央部において操作ハンドル9bを回動可能に支持する回動軸受け61を有する。
【0061】
固定シート2における短手方向の両側の各々の側方支柱6bの回動軸受け61から支持された操作ハンドル9bは、利用者の背部側に当接する可動シート3の当接面の前方側で連設可能に操作できる。
【0062】
連結ハンドル92は、
図11に示すように、把持可能な棒状に形成され、両側の側方支柱6bの一方の操作ハンドル9bへ回動可能に連結され、他方の操作ハンドル9bへ着脱自在の構造とされている。
【0063】
例えば、利用者が把持可能な操作ハンドル9bの連結ハンドル92には、棒状の部分において、体が通過できるように開閉操作可能である。操作ハンドル9bのバー部分が、両手で把持可能なため、両方の操作ハンドル9bを押し下げることにより、可動シート3を起き上がらせることができる。これにより、利用者は、両手で連結ハンドル92をバランスよく把持できるため、より安定した体勢で・無理なく操作ハンドル9bを押し下げることができる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の起き上がり補助具によれば、簡易な構造による自力及び他力の補助機構を有することができる。
【0065】
[第3の実施形態]
図12は、本発明に係る起き上がり補助具の第3の実施形態の構成を示す図である。第3の実施形態の起き上がり補助具1Cは、モータ駆動のアシスト装置64を付加した構造の一例である。
図12(a)に起き上がり補助具1Cの左側面図を示し、
図12(b)に起き上がり補助具1Cの上面図を示す。なお、
図12(a)に示す起き上がり補助具1Cの左側面図は、
図12(b)に示すX−X方向側からみた透視図である。
【0066】
前述した第1の実施形態の起き上がり補助具1Aでは、寝具又は座具等を使用せずに、起き上がり補助具1Aを直接使用する場合や、軽量な寝具又は座具等を使用する場合を想定したものである。一方、第1の実施形態の起き上がり補助具1Aによる補助動作によっても自力での起き上がりが困難な場合や、また、重量のある寝具又は座具等を使用する場合には、より強力な補助動作が必要となる。
【0067】
そこで、本実施形態の実施形態の起き上がり補助具1Cでは、以上のような用途でも、より強力な補助動作を実現できる機能を付加したものである。例えば、起き上がり補助具1Cでは、
図12(a)及び(b)に示すように、側方支柱6cにアシスト装置64の構成要素を設けたものである。
【0068】
アシスト装置64は、モータ641のモータ軸に固定した軸歯車642に伝達歯車643を介して、回動軸受け61に連結された補助歯車611に噛合せ可能な構造とされて、可動シート3を起き上がらせる回動動作を補助することができる。
【0069】
図示しないが、アシスト装置64には、バッテリー又は商用電源用整流器などの駆動装置、モータ制御回路などを有する。この他にも、例えば、モータの起動は、操作ハンドル9からの接点信号、動作を捕らえるセンサ信号などにより、モータ起動指令が送信される等である。また、利用者や補助者が、アシスト装置64のための起動・停止ボタンを押すなどにより、モータ起動・停止指令が送信される等の操作指令装置などである。
【0070】
例えば、起き上がり補助具1Aの構成に、後付でアシスト装置64の構成部品を取り付けることも容易な構造、又は、アシスト装置64の構成部品の取り付け有無の共用構造とすることもできる。また、この他にも、アシスト装置64として、足踏みポンプ等により空気圧式、油圧式などによる補助動力源であってもよい。
【0071】
本実施形態の起き上がり補助具1Cでは、さらに、アシスト装置64を備えているため、自力での体力のない利用者や、介護者・補助者の負担を大幅に軽減する必要がある場合でも、容易に利用者の起き上がり動作を補助することができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の起き上がり補助具によれば、簡易な構造による自力及び他力の補助機構を有することができる。
【0073】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、例えば各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【解決手段】実施形態の起き上がり補助具1Aは、少なくとも側方支柱6に取り付けられた操作ハンドル9の上方端部側を可動シート3側に押し下げる方向の利用者の身体動作又は利用者以外の者の介助動作により、連結アーム8に連結された操作ハンドル9の下方端部側が可動シート支持材5を牽引して、固定シート2にヒンジ部4で接続された可動シート3を水平状態から起き上がり状態に移行させる回動動作を補助する。