【実施例1】
【0015】
実施例に係るロック装置につき、
図1から
図14を参照して説明する。
図1の符号1は、オフィス等に設置される什器1(扉装置)である。この什器1は、両開き式の扉2が設けられている。そして、この扉2には、扉2を開放するための取手部3と、扉2の施解錠を行うための摘み部4(操作部)と、が設けられている。なお、取手部3は、ラッチ機構(図示略)と連係されており、ラッチ機構により扉2が不用意に開放されないようにするとともに、取手部3を把持することでラッチ機構が解除されて扉2が開放可能となる。
【0016】
図2に示すように、扉2の内部には、本発明が適用された発電装置6が設けられている。この発電装置6は、前述した摘み部4を有しており、扉2の施解錠を行うとともに、図示しない認証手段とも連動されており、認証手段により認証が許可された操作者が施解錠を行うことができる。
【0017】
発電装置6は、扉2を開放不能にするための矩形状の棒状部材をとなっている動作体7を有しており、この動作体7が係合方向(左方向)に移動されることで、その先端部が他方の扉2に形成された受け座8(被係合部)に挿入されて係合し、扉2が開放不能になる。また、動作体7が解除方向(右方向)に移動されることで、その先端部が他方の扉2に形成された受け座8から脱し、扉2が開放可能になる。
【0018】
次に、発電装置6について詳述する。
図3及び
図5に示すように、発電装置6は、扉2の前面を構成する前面板12の後面側に設けられており、発電装置6は、前面板12に後面側に取り付けられる略板状をなす取付金具13を有している。この取付金具13には、動作体7を直線状に案内するために、上下2条の凸条で形成される案内部14(経路)が設けられている。この案内部14に沿って動作体7が左右方向に移動可能となっている。
【0019】
前述した摘み部4は、正面視で略円形状をなし、前面板12に設けられた摘み配置部材15内に配置されている。そして、この摘み部4の後面側には、摘み部4の回転と同時に回転される操作ギア16が設けられている。この操作ギア16の歯部17は、円形状をなす操作ギア16の円周上の一部に形成されている。なお、摘み部4と操作ギア16とは、連動軸18により相対的に固定されている(
図3参照)。また、操作ギア16の後面側には、操作ギア16の円周近傍に設けられた操作ピン19が設けられている。
【0020】
図5に示すように、動作体7には、操作ピン19が係合するための上下に延びる長孔20が形成されている。操作者が摘み部4を回転操作させることで操作ギア16が周方向に回転するようになり、それに伴って操作ピン19の位置が操作ギア16の回転に伴って移動され、操作者の手動操作力が操作ピン19を介して長孔20から動作体7に伝達される。本実施例では、操作者が摘み部4を反時計回りに回転させることで、動作体7が係合方向(左方向)に移動するとともに、操作者が摘み部4を時計回りに回転させることで、動作体7が脱離方向(右方向)に移動するようになっている。
【0021】
このように摘み部4を操作することで、操作ギア16の回転方向及び動作体7の移動方向は、それぞれ係合方向(正方向)または解除方向(逆方向)に操作されるようになっている。
【0022】
また、発電装置6の取付金具13の後部には、発電機21(発電部)が取り付けられている(
図3参照)。この発電機21は直流電流を発電(第1機能)するようになっている。そして、操作ギア16の上方位置には、発電機21を駆動する発電ギア22が設けられている。なお、この発電ギア22は、発電機21の駆動軸24に対して相対的に固定されており、発電ギア22は、駆動軸24を中心として回転されるようになっている。この発電ギア22には、その全周に歯部23が形成されており、操作ギア16の歯部17が係合されるようになっている。
【0023】
さらに、発電ギア22は、その左右端部に弾性を有する弾性部材として構成される左右一対のコイルバネ25が取り付けられている。なお、コイルバネ25の一端は、発電ギア22に取り付けられるとともに、コイルバネ25の他端は、取付金具13に取り付けられている。また、この発電ギア22は、その周方向に回転自在になっているが、左右両コイルバネ25の付勢力によって、発電ギア22は、その周方向の定位置に安定的に保持されるようになっている。なお、発電ギア22及びコイルバネ25によって本実施例におけるエネルギー蓄積手段を構成している。
【0024】
さらに、案内部14の右端側近傍には、回転軸26により回転自在となっている略円形状をなす回転体27(規制部材)が設けられている。この回転体27は、その一部が直線状に切り欠かれて切欠部28が形成されている。
図5に示すように、回転体27が回転され、その切欠部28が下方位置にあるときには、動作体7が最右方側の脱離位置まで移動できる。
図13に示すように、回転体27が回転され、その切欠部28が上方位置にあるときには、回転体27の一部が案内部14の内部に配置されるようになり、動作体7が回転体27に接触してその移動動作が規制(ロック)されるようになっている。
【0025】
図5に示すように、回転体27の内部には、磁性を有する永久磁石29(磁性部材)が設けられている。この永久磁石29に外部から磁力が加わることで、回転体27が回転されるようになっている。なお、回転体27の切欠部28が下方位置にあるときに、永久磁石29の磁極の向きは、左方側がN極で右方側がS極となっている。そして、回転体27の上方位置には、回転体27に磁力を加える電磁石30(磁力切換手段)が配置されている。この電磁石30は、鉄心の周りに銅線により形成されたコイルを配置したものとなっている。なお、回転体27及び電磁石30によって本実施例における作動部を構成している。
【0026】
図4に示すように、発電機21の2つの電極31から電線32が延びており、この電線32が電磁石30のコイルに接続されている。なお、この電線32には、認証手段(図示略)によって制御されるON/OFFスイッチ33が設けられている。認証が許可された場合には、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がON状態(通電可能状態)となる。また、認証が不可だった場合には、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がOFF状態(通電不能状態)となる。
【0027】
図5に示すように、操作者が施錠操作を行う際には、先ず認証手段(図示略)により認証が行われる。認証が許可された場合には、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がON状態(通電可能状態)となる。その後、操作者は摘み部4を反時計回りに回転させる。そして、摘み部4の回転に伴い操作ギア16が回転されることで、動作体7が係合方向(左方向)に移動される。
【0028】
図6に示すように、動作体7が所定量移動されたとき、即ち操作ギア16が所定量回転されたときに、操作ギア16の歯部17が発電ギア22の歯部23と係合し、互いにギア16,22が連係されるようになっている。そして、操作ギア16の反時計回りの回転とともに、発電ギア22が時計回りに回転される。この発電ギア22の回転とともに、発電ギア22の左右のコイルバネ25が延び始める。
【0029】
図7に示すように、操作者の手動操作により摘み部4を回転させて操作ギア16が回転され続けることで、摘み部4に加わる手動操作によるエネルギーがコイルバネ25を延ばすようになる。このコイルバネ25には、動作体7の移動に伴うストローク、即ち摘み部4の回転に伴うストロークの一部の動作が、コイルバネ25の延長という機械的エネルギーとして蓄えられる。
【0030】
図8に示すように、さらに操作ギア16が所定量回転されると、操作ギア16の歯部17が発電ギア22の歯部23から外れ、互いにギア16,22の連係状態が断たれる。そして、コイルバネ25が有する復元力により一気にコイルバネ25が短縮し、コイルバネ25に蓄えられた機械的エネルギーが瞬時に放出されて発電ギア22を反時計回りに回転させる。
【0031】
この発電ギア22の回転によって発電機21にて発電が行われる。なお、このとき、発電機21が発電した電力は、直流電流となっている。さらに、コイルバネ25に蓄えられた機械的エネルギーが瞬時に放出されるため、高い電圧を発生させることができる。なお、操作ギア16の歯部17が発電ギア22の歯部23から外れ、互いにギア16,22の連係状態が断たれることで、本実施例における瞬時放出手段が構成されている。
【0032】
また、発電機21が発電した電力は、回転体27の上方位置に配置された電磁石30に供給される。そして、通電された電磁石30は一時的に磁化されて、電磁石30の左端部がN極、右端部がS極となる磁場が発生する(
図15参照)。このとき、電磁石30が発生せる磁力により、回転体27の内部の永久磁石29が磁力の影響を受けて、回転体27が回転軸26と中心として回転され、その向きが切り換わるようになっている。なお、回転体27は180°回転されることで、その向きが切り換わる。なお、動作体7は、回転体27の向きに係らず最左方側の係合位置まで移動できる。
【0033】
図7及び
図8に示すように、回転体27の向きが切り換わる前は、回転体27の切欠部28が下方位置に配置されている。電磁石30が通電されることで、回転体27の向きが切り換わった後は、回転体27の一部が案内部14内に配置されるようになる。なお、この案内部14内に配置された回転体27の一部が、後述するように動作体7の移動を規制(ロック)する規制部材となる。
【0034】
図15に示すように、回転体27は、電磁石30の両磁極(両端部)の中間位置Tに配置されるとともに、回転体27の中心である回転軸26は、電磁石30の両磁極の中間位置Tから両磁極のうちいずれか一方側に寄せて配置される。本実施例では、回転軸26が左方側に若干寄せて配置される。
【0035】
このようにすることで、電磁石30の両磁極の磁力線の向きに沿って回転体27の向きが定まるようになり、かつ各磁極から生じる磁力が若干不均衡な状態で回転体27に加わるため、電磁石30の磁力の発生時に回転体27の向きが切り換え易くなり、電磁石30に通電する電力が微量であっても回転体27の向きを切り換えることができる。
【0036】
図16(a)に示すように、回転体27は、真円形状の仮想円Eの一部が直線状に切り欠かれて切欠部28が形成されており、この切欠部28が形成された分だけ回転体27の重量が軽減され、仮想円Eの中心位置Cから外れた位置に回転体27の重心Gが配置される。そのため、回転軸26の中心は、回転体27の重心Gと一致するように修正して配置される。このように回転体27の仮想円Eの中心位置Cから外れた重心位置Gを回転軸26に修正することで、重心修正手段が構成されている。
【0037】
このようにすることで、回転体27が回転軸26を軸心として回転される際の慣性モーメントが最小となり、回転体27が回転し易くなって少ない仕事量、即ち電磁石30に通電される電力量が少なくでも、回転体27の向きの切り換えを行うことができる。
【0038】
図9に示すように、操作者が解錠を行う際には、先ず認証手段(図示略)により認証が行われる。認証が許可された場合には、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がON状態(通電可能状態)となる。その後、操作者は摘み部4を時計回りに回転させる。そして、摘み部4の回転に伴い操作ギア16が回転されることで、動作体7が脱離方向(右方向)に移動される。
【0039】
動作体7が所定量移動されたとき、即ち操作ギア16が所定量回転されたときに、操作ギア16の歯部17が発電ギア22の歯部23と係合し、互いにギア16,22が連係されるようになっている。そして、操作ギア16の時計回り回転とともに、発電ギア22が反時計回りに回転される。この発電ギア22の回転とともに、発電ギア22の左右のコイルバネ25が延び始める。
【0040】
図10に示すように、操作者の手動操作により摘み部4を回転させて操作ギア16が回転され続けることで、摘み部4に加わる手動操作によるエネルギーがコイルバネ25を延ばすようになる。このコイルバネ25には、動作体7の移動に伴うストローク、即ち摘み部4の回転に伴うストロークの一部の動作が、コイルバネ25の延長という機械的エネルギーとして蓄えられる。
【0041】
図11に示すように、さらに操作ギア16が所定量回転されると、操作ギア16の歯部17が発電ギア22の歯部23から外れ、互いにギア16,22の連係状態が断たれる。そして、コイルバネ25が有する復元力により一気にコイルバネ25が短縮し、コイルバネ25に蓄えられた機械的エネルギーが瞬時に放出されて発電ギア22を時計回りに回転させる。この発電ギア22の回転によって発電機21にて発電が行われる。なお、このとき、発電機21が発電した電力は、前述の施錠操作時に発電した電力と同様に直流電流となっているが、その電極の極性は、逆になっている。
【0042】
即ち、発電機21が発電した電力は、回転体27の上方位置に配置された電磁石30に供給されるが、電磁石30では、電磁石30の左端部がS極、右端部がN極となる磁場が発生する。このように、摘み部4が係合方向(正方向)に操作されたときの発電機21の電極の極性と、摘み部4が脱離方向(逆方向)に操作されたときの発電機21の電極の極性と、が互いに反転するようになっている。
【0043】
そして、電磁石30が発生せる磁力により、回転体27の内部の永久磁石29が磁力の影響を受け、回転体27が回転軸26と中心として回転され、その向きが切り換わるようになっている。このように、電磁石30で動作する回転体27を電磁石30の磁極により制御できるようになり、操作者が摘み部4を手動操作することにより回転体27を制御することができる。
【0044】
図12に示すように、回転体27の向きが切り換わった後は、回転体27の切欠部28が下方位置に配置され、動作体7が脱離位置まで移動可能となる。操作者は、摘み部4を時計回りに回転させて動作体7を脱離位置まで移動させることで、什器1と扉2が開放可能となる。
【0045】
操作者が施錠操作または解錠操作を行う際には、先ず認証手段(図示略)により認証を行うようになっているが、認証が不可だった場合には、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がOFF状態(通電不能状態)となる(
図4参照)。この状態で操作者が摘み部4を回転させると、操作ギア16及び発電ギア22は回転されるようになっているが、発電機21と電磁石30との間のスイッチ33がOFF状態(通電不能状態)であるため、電磁石30が通電されることはなく、回転体27が回転されないようになっている。
【0046】
例えば、
図13に示すように、認証が不可だった場合には、操作者が解錠を行う際に摘み部4を操作しても、動作体7の端部が回転体27に接触してその移動が規制されるようになっている。この状態では、動作体7の先端部は、他方の扉2に形成された受け座8(被係合部)に挿入されて係合された状態となっており、扉2を開放することができない。
【0047】
また、
図14に示すように、回転体27の回転軸26の中心と回転体27の円周部(縁部)との距離をL1とした場合に、回転体27の回転軸26の中心から動作体7の移動経路である案内部14までの距離をL2とすると、L1とL2との関係がL1>L2となっている。
【0048】
このようにすることで、回転体27の回転軸26から動作体7の移動経路である案内部14までの距離L2よりも、回転体27の回転軸26から回転体27の円周部までの距離L1が長いため、動作体7が案内部14に沿って移動する際に、動作体7が回転体27に接触し、その接触された箇所から回転体27に加わる力により回転体27の回転軸26に向かって加わり、それ以上の動作体7の移動を規制できる。
【0049】
即ち、動作体7の端部が回転体27に接触した際に、回転体27の円周上に動作体7の端部の角部が接触し、この接触された箇所から回転体27に加わるベクトルα(力)が回転体27の回転軸26に向かって加わるベクトルβとなり、動作体7の接触で回転体27に加わるベクトルα(力)によって回転体27が回転されることを防止することができ、動作体7の移動の規制を維持することができる。
【0050】
つまり、回転体27においてその切欠部28以外の部位(回転体27の円周部位)は、動作体7の角部が接触された際に、動作体7を規制する規制部位となっており、この規制部位にて動作体7の移動が規制されるようになっている。そして、回転体27によって動作体7の移動を規制することができるとともに、回転軸26により回転自在の回転体27は、少ない電力量(仕事量)でその向きの切り換えを行うことができ、回転体27の向きの切り換えにより動作体7の規制の解除を行うことができる。なお、回転体27の切欠部28は、動作体7の移動経路中において移動規制しない非規制部位となっている。
【0051】
このように、回転体27によって動作体7の移動を規制することができるとともに、回転軸26中心の回転体27は、少ない仕事量でその向きを変化させることができるため、動作体7の規制やその解除を小さな力で行うことができる。また、回転体27の少なくとも一部が切り欠かれており、切欠部28が動作体7の経路を塞がない非規制部位となっていることで、回転体27に切欠部28を形成するといった簡単な構成によって、動作体7の移動を許容できることになる。
【0052】
本実施例における発電装置6では、回転軸26により回転自在の回転体27は、少ない電力量(仕事量)でその向きの切り換えを行うことができ、回転体27がその位置は変化せずにその向きが切り換わることで、案内部14に沿って物理的に動作する動作体7の規制またはその解除を行うことができ、動作体7の規制またはその解除を少ない電力量で行うことができる。
【0053】
また、回転体27が永久磁石29を有するとともに、回転体27の近傍に電磁石30が配置され、電磁石30に通電されることで、回転体27の向きが切り換わるようになっていることで、永久磁石29を有する回転体27と電磁石30という簡素な構成で、動作体7の規制またはその解除を行うことができる。また、電磁石30が消費する電力量は、回転体27の向きを切り換えることができる電力量が確保できればよく、動作体7の規制またはその解除を少ない消費電力で行うことができ、消費電力を抑えた発電装置6とすることができる。
【0054】
また、磁力により回転体27の向きの切り換えを行うことができ、回転体27の向きの切り換えのために回転体27以外に機械的動作を行うバネ部材等の機械要素を設けずに済むので、少ない仕事量で回転体27の向きの切り換えを行うことができる。
【0055】
このように物理的な機械の動作を行う回転体27を有する発電装置6の作動に、操作者の手動操作を利用して発電された電力を用いるため、什器1全体の電力消費を抑えることができる。
【0056】
なお、前述のように、操作ギア16と発電ギア22の連係は、操作者が手動操作により摘み部4を回転させて動作体7が所定量移動されたときになされるようになっている。即ち動作体7は、手動操作により案内部14に沿って動作され、案内部14における回転体27から離れた領域を動作体7が動作中に、操作ギア16と発電ギア22の連係が行われ、動作体7の移動に伴うストロークの一部の動作を機械的エネルギーとしてコイルバネ25が蓄えるようになる。
【0057】
このようにすることで、回転体27が、動作体7を規制する向き、またはその規制が解除される向きのいずれにあっても、コイルバネ25に、動作体7の移動に伴うストロークの一部の動作を機械的エネルギーとして蓄えさせることができ、かつ操作ギア16と発電ギア22の連係状態が断たれて放出された機械的エネルギーを用いて発電機21により発電が行われ、回転体27の向きが切り換わるときに、動作体7は回転体27から離れた領域にあるため、回転体27の回転が動作体7により邪魔される虞がなくなる。
【0058】
前述したように、本実施例の回転体27では、回転軸26の中心が回転体27の重心Gと一致するように修正することで、重心修正手段が構成されている。次に、変形例としての回転体27について説明する。
【0059】
図16(b)に示すように、変形例1における回転体27aでは、回転体27aが真円形状の仮想円Eの一部が直線状に切り欠かれて第1切欠部28が形成されており、この第1切欠部28と回転軸26を挟んで対向する円周上に第2切欠部28’が形成される。この第2切欠部28’は、回転体27aの円周の一部が半円形状に切り欠かれることで形成される。なお、本変形例1では、第1切欠部28が回転軸26の下方位置に形成された場合に、第2切欠部28’が回転軸26の上方位置に形成される。この第2切欠部28’を形成することにより、仮想円Eの中心位置Cに回転体27の重心Gが配置されるようになる。なお、この第2切欠部28’が本実施例の重心修正手段を構成している。
【0060】
図16(c)に示すように、変形例2における回転体27bでは、回転体27bが真円形状の仮想円Eの一部が直線状に切り欠かれて切欠部28が形成されており、さらに、回転軸26の周囲における切欠部28が形成された部位以外に、所定の大きさの肉抜部34が形成される。この肉抜部34は、回転体27bに形成される穴部がとなっている。なお、本変形例2では、切欠部28が回転軸26の下方位置に形成された場合に、肉抜部34が回転軸26の上方位置及び左右位置の3箇所に形成される。この肉抜部34を形成することにより、仮想円Eの中心位置Cに回転体27の重心Gが配置されるようになる。なお、この肉抜部34が本実施例の重心修正手段を構成している。