特許第6139063号(P6139063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139063
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】パレットの搬送装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20170522BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   E04H6/18 610
   B65G1/04 565
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-99130(P2012-99130)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-227746(P2013-227746A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512079820
【氏名又は名称】エヌエイチパーキングシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067116
【弁理士】
【氏名又は名称】立川 登紀雄
(72)【発明者】
【氏名】白水 真之
(72)【発明者】
【氏名】長尾 伸司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】四方 幸雄
【審査官】 多田 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−317569(JP,A)
【文献】 特開2006−290473(JP,A)
【文献】 実公昭57−024772(JP,Y2)
【文献】 特開2005−336874(JP,A)
【文献】 特開平09−013733(JP,A)
【文献】 特開平03−119271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G1/00−1/133
1/14−1/20
E04H6/00−6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットの下面縦方向の両端縁間に並列する複数条の溝形縦レールを設け、上記パレットの下面横方向の両側縁間に上記縦レールに交差する並列複数条の溝形横レールを設け、上記パレットの荷受け停止位置の下側で、上記縦レール、横レールに対応する位置にガイドにより上下方向に案内される縦列昇降体と横列昇降体を設けて、この縦列昇降体に上昇にともない上記縦レールに上周面が嵌まり込むドライブ機能付きの縦送りローラを、上記横列昇降体に上昇にともない上記横レールに上周面が嵌まり込むドライブ機能付きの横送りローラをそれぞれ支持し、上記縦列昇降体及び横列昇降体に水平に軸承された回転子を設け、上記縦列昇降体及び横列昇降体の下側に同一の駆動手段の運転により伝達手段を介して連動して変動し上周面が上記回転子に当接するカムを設け、上記カムの変動により上記回転子を昇降させることで上記縦列昇降体及び横列昇降体を昇降動させるようにし、上記縦レールと上記縦送りローラとの或いは上記横レールと上記横送りローラとの上記パレットの安定のためのいずれか片方の嵌入下に嵌入状況を維持しつつ上記縦レール及び横レールに対する縦送りローラ及び横送りローラの嵌入と脱出とが入れ替わるように上記縦列昇降体と横列昇降体とを交互に昇降させるようにしたことを特徴とするパレットの搬送装置。
【請求項2】
パレットの下面縦方向の両端縁間に並列する複数条の溝形縦レールを設け、上記パレットの下面横方向の両側縁間に上記縦レールに交差すると共に、前記縦レールの幅よりも大きな幅の並列する複数条の溝形横レールを設け、上記パレットの荷受け位置の下側左右及び前後に上周面が上記縦レールに嵌まり込んで上記パレットを受架するドライブ機能付きの縦送りローラを設け、また上記各縦送りローラのサイドに所定の角度回動する駆動手段付きの水平な支軸を軸承して、この支軸の外周に偏芯回動板を設けると共に、この偏芯回動板の外側にフリー回転のドライブ機能付きで上昇にともない横レールに上周面が嵌まり込む横送りローラを設けたことを特徴とするパレットの搬送装置。
【請求項3】
上記並列する縦送りローラ及び並列する横送りローラの片方にドライブ機能を有し、もう片方にドライブ機能がないことを特徴とする請求項1又は2に記載のパレットの搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車を載せて格納又は搬送する形式の駐車設備や、品物を載せて格納又は搬送する形式の倉庫設備に使用するパレットの搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような目的に使用するパレットを縦方向及び横方向の双方に自在に走行させる従来技術としては、例えば特許文献1及び特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7−29681号公報
【特許文献2】特許第4091786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のものは、パレットの裏面に設けてある井桁状のレールの各交差部分に一方向の短レールを回転自在に設け、この各短レールに対応した位置の床面上に設けてある車輪を縦方向または横方向に方向転換させることにより前記短レールを縦或いは横方向に転換させるようになっているので、パレットの下面四隅に短レールの設置が必要になると共に、パレットに対し短レールを旋回自在に軸承しなければならない。
【0005】
特許文献2のものは、トレーの下面側の略四隅にローラを軸支し、トレー移動経路を、トレー各ローラの転動によりトレーを縦方向に移動するための一対の縦方向レール及びトレーを横方向に移動するための一対の横方向レールを設け、トレーの下面の各ローラとは異なる位置に直線状の水平な回動レールを軸支し、回動レール方向転換装置により前記回動レールを縦方向又は横方向に転換させるので、トレーの下面四隅に縦方向及び横方向のローラの設置が必要になると共に、トレーの下面中央1ヶ所に回動レールが必要になる。
【0006】
上記のような構成によると、パレットやトレーの下面に可動する複数の付属品を取り付けているので、構造が複雑になって付属品の保守、点検作業が難しく、さらに部品交換に際してはパレットやトレーを駐車棚や収納棚から取り外し或いは浮かす手間のかかる作業が必要になる。
【0007】
また、スムーズに方向転換するため、ローラとパレット側の溝又はレールの回転中心をある程度を一致させる必要があるので、移動時は高いパレット停止位置精度が要求される問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、パレット下面の可動部をなくすることにより構造を簡略化し、全体のコスト低減やメンテナンス性を向上するパレットの搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、この発明は、パレットの下面縦方向の両端縁間に並列する複数条の溝形縦レールを設け、上記パレットの下面横方向の両側縁間に上記縦レールに交差する並列複数条の溝形横レールを設け、上記パレットの荷受け停止位置の下側で、上記縦レール、横レールに対応する位置にガイドにより上下方向に案内される縦列昇降体と横列昇降体を設けて、この縦列昇降体に上昇にともない上記縦レールに上周面が嵌まり込むドライブ機能付きの縦送りローラを、上記横列昇降体に上昇にともない上記横レールに上周面が嵌まり込むドライブ機能付きの横送りローラをそれぞれ支持し、上記縦列昇降体及び横列昇降体に水平に軸承された回転子を設け、上記縦列昇降体及び横列昇降体の下側に同一の駆動手段の運転により伝達手段を介して連動して変動し上周面が上記回転子に当接するカムを設け、上記カムの変動により上記回転子を昇降させることで上記縦列昇降体及び横列昇降体を昇降動させるようにし、上記縦レールと上記縦送りローラとの或いは上記横レールと上記横送りローラとの上記パレットの安定のためのいずれか片方の嵌入下に嵌入状況を維持しつつ上記縦レール及び横レールに対する縦送りローラ及び横送りローラの嵌入と脱出とが入れ替わるように上記縦列昇降体と横列昇降体とを交互に昇降させるようにした構成を採用する。
【0010】
また、パレットの下面縦方向の両端縁間に並列する複数条の溝形縦レールを設け、上記パレットの下面横方向の両側縁間に上記縦レールに交差すると共に、前記縦レールの幅よりも大きな幅の並列する複数条の溝形横レールを設け、上記パレットの荷受け位置の下側左右及び前後に上周面が上記縦レールに嵌まり込んで上記パレットを受架するドライブ機能付きの縦送りローラを設け、また上記各縦送りローラのサイドに所定の角度回動する駆動手段付きの水平な支軸を軸承して、この支軸の外周に偏芯回動板を設けると共に、この偏芯回動板の外側にフリー回転のドライブ機能付きで上昇にともない横レールに上周面が嵌まり込む横送りローラを設けた構成を採用する。
【0011】
さらに、並列する縦送りローラ及び並列する横送りローラの片方にドライブ機能を有し、もう片方にドライブ機能がない構成を採用することもある。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明のパレットの搬送装置によれば、パレットの下面にパレットの搬送可動部がないので、極めて構造が簡素化されて全体のコストの低減や保守点検に対しパレットを撤去或いは持ち上げることがないため作業が容易になってメンテナンス性が向上する。
【0013】
そして、パレットの縦方向、横方向の搬送を行うためのパレットの下面縦レール及び横レールに上昇にともない上周面を嵌入する縦送りローラ及び横送りローラを、搬送方向の変換に際し縦レール、横レールに対する縦送りローラ、横送りローラの一方側の嵌入状態を維持しつつ他方側の上昇により嵌入し、嵌入終了にともない一方側の降下により嵌入が解除されるようにしてあるので、常に安定した位置にパレットを停止させた状態で搬送方向の変換を極めてスムーズに行うことができると共に、昇降作用手段により縦列昇降体及び横列昇降体の上昇に必要な動力は、パレット上の積載重量に関係ないため少ない動力ですみ、省エネなどの効果もあり、そして高いパレットの停止位置精度が要求されない。
【0014】
また、パレットの荷受け停止位置にパレットを縦方向に搬送する縦送りローラと横送りローラとを設けてあるので、パレットの裏面(下側面)にパレットの搬送可動部がない。
このため、極めて構造が簡素化されて全体のコストの低減や保守点検がに対しパレットを撤去或いは持ち上げることがないため作業が容易になってメンテナンス性が向上する。
【0015】
そして、縦送りローラを定位置で、横送りローラを昇降させるようにしてあるので、構造が極めて簡素化されて設備費の大幅な低減になり、また偏芯回動板の回動にともない横送りローラを昇降させるようにしてあるので、横送りローラの昇降量が大きいのに対し、パレットの昇降量が小さくなって、パレットのスムーズな荷受けができると共に、縦レールの幅に対し横レールの幅を大きくしてあるので、僅かな隙間で縦送りローラと接触しなくなるため、横行側の昇降量(ストローク)を小さくする利点もある。
【0016】
勿論、パレットの下面にパレットの搬送可動部がないため、構造が簡素化されてコストの低減や保守点検に対しパレットを撤去或いは持ち上げることがないためメンテナンス性が向上する。
【0017】
さらに並列する縦送りローラ及び横送りローラのドライブを片側のみとして、もう片方にドライブ機能がないため、全体装置の全駆動から半駆動になり、装置の大幅な簡素化をはかれると共に、モーター容量が低減され、省エネなどの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】パレットの下面図である。
図2】パレットの搬送可動を示す一部切欠平面図である。
図3】同上の要部を示す拡大平面図である。
図4】同カムを示す拡大平面図である。
図5】ローラの拡大平面図である。
図6】縦送りローラの作用を示す縦断側面図である。
図7】横送りローラの作用を示す縦断側面図である。
図8】縦送りローラの降下を示す縦断側面図である。
図9】他の昇降作用手段を示す拡大平面図である。
図10】同上の要部を示す縦断拡大側面図である。
図11】同縦断拡大側面図である。
図12】他の昇降作用手段を示す平面図である。
図13】同上の要部を示す縦断側面図である。
図14】同縦断正面図である。
図15】同縦断側面図である。
図16】他の昇降作用手段を示す平面図である。
図17】同上の縦断側面図である。
図18】同縦断正面図である。
図19】横送りローラの昇降を示す縦断正面図である。
図20】第2の実施形態を示す平面図である。
図21】同上の要部を示す縦断拡大正面図である。
図22】同縦断拡大側面図である。
図23】横送りローラを上昇させた縦断側面図である。
図24】第3の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の第1の実施形態を示す図1から図8に示すAはパレットで、このパレットAの下面縦方向の両端縁間には、並列する複数条の溝形縦レール1が、またパレットAの下面横方向の両側縁間には、縦レール1に交差する並列複数条の溝形横レール2が設けてある。
【0020】
上記の縦レール1及び横レール2は、それぞれ二条を一組としたが、限定されない。
また、パレットAの荷受け停止位置の下側で、縦レール1及び横レール2に対応する両端部分の下方には、ガイド3により上下方向にスライドする縦列昇降体4と横列昇降体5が設けてある。
【0021】
上記のガイド3は、図示の場合レールを示し、このレールのガイド3に縦列昇降体4及び横列昇降体5の周囲面上下に設けてある車輪6をレールに係合させて案内する以外に隣接する縦列昇降体4及び横列昇降体5の周面対向する面に設けてある車輪6をそれぞれの対向面に接触させて(図6に示す)ガイドするようにしたが、その他の手段でガイドしてもよい。
【0022】
上記パレットAの荷受け位置としては、例えば図示のように駐車設備の多段の駐車床Bを示したが、限定されず自動車の駐車設備のワイヤの巻き取り、巻き戻しなどの昇降機構によりパレットと共に自動車を駐車床に移送する昇降床(図示省略)であってもよい。
【0023】
さらに、縦列昇降体4には、縦列昇降体4の上昇にともない並列ローラの上周面が縦レール1に嵌まり込む(上周が縦レール1の底面に当接する)ドライブ機能付きの縦送りローラ8が設けてあり、横列昇降体5には、横列昇降体5の上昇にともない並列ローラの上周面が横レール2に嵌まり込む(上周面が横レール2の底面に当接する)ドライブ機能付きの横送りローラ9が設けてある。
【0024】
なお、横送りローラ9及び縦送りローラ8のドライブ機能としては、周知のように(図示省略)ローラの各支軸の端のスプロケットに無端のチェーンをかけ渡し、1つのスプロケットを駆動手段により駆動するとよい。
【0025】
また、縦列昇降体4及び横列昇降体5の下側に駆動手段10の運転により伝達手段11を介し回動軸12を設けると共に、この回動軸12には、縦レール1と縦送りローラ8との或いは横レール2と横送りローラ9とのパレットAを上昇或いは降下することなく常に一定の高さを維持するためのいずれか片方の嵌入下に嵌入状況を維持しつつ縦レール1、横レール2に対する縦送りローラ8,横送りローラ9の嵌入と脱出とが入れ替わるように縦列昇降体4と横列昇降体5とを交互に昇降させるような昇降作用手段Cが設けてある。
【0026】
上記の駆動手段10としては、図示の場合モータにより伝達手段11としてのスプロケットをドライブし、伝達手段11としては、図示の場合駆動手段10のスプロケットと回動軸12のスプロケットにチェーンをかけ渡して伝達するようにしたが、その他の方法で伝達することもある。
【0027】
上記の昇降作用手段Cとしては、図4に示すように回動軸12に共に回動するカム13を設けて、このカム13の上周面を図6図7に示すように縦列昇降体4、横列昇降体5の下端に軸支してある回転子14に当接し、カム13の突縁により縦列昇降体4、横列昇降体5を上昇させ、カム13の凹入縁15に回転子14が当接すると縦列昇降体4、横列昇降体5が降下するようになっている。
【0028】
すなわち、上記パレットAを定位置で降下させることなく、横列昇降体5と共に横送りローラ9を上昇させたのち、縦列昇降体4と共に縦送りローラ8が降下するように、横列昇降体5側のカム13の凹入縁15と、縦列昇降体4側のカム13の凹入縁15とは、外周180度の異なる位置に設けてある。
【0029】
なお、図示のように溝形の縦レール1及び横レール2の溝形状を、並行する両側が下方に広がる富士山形や台形としておくと、上昇する縦送りローラ8及び横送りローラ9のローラの端縁と溝の側面下縁との引っかかりの不都合をなくすることができる。
【0030】
上記のように構成すると、図6に示すように昇降作用手段Cにより縦列昇降体4を上昇させて縦レール1に上昇する縦送りローラ8を嵌入状態する。
【0031】
このとき、横列昇降体5が降下して横レール2に対し図6に示すように横送りローラ9が脱出し、パレットAは、縦送りローラ8のみにより受架されている。
【0032】
この状況下で縦送りローラ8を運転することによりパレットAを縦方向に搬送することができる。
【0033】
次いで、昇降作用手段Cにより横列昇降体5を上昇させて図7に示すように横レール2に共に上昇する横送りローラ9に嵌入させて、横送りローラ9によりパレットAを受架する。
【0034】
この受架終了迄は、縦レール1に縦送りローラ8が嵌入してパレットAの受架状態を維持しているので、水平な定位置に安定した状態にパレットAを保つ。
【0035】
その後に、縦列昇降体4の降下が開始して、縦レール1から縦送りローラ8が脱出し、脱出後に横送りローラ9を運転することによりパレットAを横方向に搬送することができる。
【0036】
前述の昇降作用手段Cの他の例として、図9から図11に示すように、各縦列昇降体4及び横列昇降体5の下側に垂直なセンター支軸20を介しフリーに回転するように設けたカム21と、この各カム21を同調させて可逆回転させる連動手段22と、1つのカム21を可逆ドライブするようにカム21の外周歯部にモーターの歯車を噛み合わせた駆動手段23と、各カム21の上面二箇所に設けた凹入部24とで構成され、カム21の板面に縦列昇降体4及び横列昇降体5の回転子14が当接している状況下にあっては、縦列昇降体4、横列昇降体5を上昇させ、凹入部24に回転子14が嵌まり込むと縦列昇降体4、横列昇降体5が降下するようにしてある。
【0037】
またその他の昇降作用手段Cとして、図12から図15に示すように各縦列昇降体4と横列昇降体5の下側にレール31をガイドとしてパレットAの両側縁間で走行するよう設けたスライダ32と、この両スライダ32を連結する同調走行用の連結部材33と、この連結部材33を進退走行させるように設けたラック、このラックに噛み合うピニオン及びこのピニオンを連動機構37を介し回動伝達する可逆駆動モーターから成る駆動手段34と、各スライダ32の各上面に一端から他端方向中途迄が突面で、中途の傾斜面から他端に凹面になるように設けたカム段部35とから成り、このカム段部35に乗り込む縦列昇降体4及び横列昇降体5の下端に設けてある回転子36が、上記突面上にあると、縦列昇降体4及び横列昇降体5が上昇し、回転子36が凹面上に設けてあると、縦列昇降体4及び横列昇降体5が下降し、その結果縦レール1、横レール2に対し縦送りローラ8、横送りローラ9が嵌まり込み、また脱出するようにしてある。
【0038】
さらに他の昇降作用手段Cとして、図16から図19に示すようにモーター41からスプロケットとスプロケットにかけ渡すチェーンとからなる伝達手段42を介しドライブする並列縦送りローラ43の下側及びモーター44からスプロケット及びスプロケットにかけ渡すチェーンとからなる伝達機構45を介しドライブする並列横送りローラ46の下側には、モーター47からスプロケットとスプロケットにかけ渡すチェーンとからなる伝達機構48を介しドライブする並列回動軸49が設けてある。
【0039】
上記の縦送りローラ43は、ガイド50により上下方向に案内されてスライドする昇降体51に支持させてあり、横送りローラ46は、支点用の軸52(この軸52は、伝達機構45の前後の横送りローラ46への伝達軸を使用したが、別途設けることもある)に内端側を嵌挿した二本一組のアーム53の外端に支持させて、アーム53の揺動にともない横送りローラ46が昇降するようにしてある。
【0040】
そして、回動軸49に共に回動するように取り付けてあるカム54、55の上周面に昇降体51及びアーム53の外端に軸支してある回転子56が当接させてある。
【0041】
上記カム54、55の外周面一部に設けてある凹入部57は、横送りローラ46側にあって上側に位置する場合、縦送りローラ43側にあって下側に位置するようにしてある。
【0042】
その要因は、図17に示すように横レール2に横送りローラ46が嵌入状況下に縦レール1から縦送りローラ43が脱出するようにしてある。
【0043】
勿論、上記図9から図11及び図12から図15に示す昇降作用手段Cの縦送りローラ8及び横送りローラ9と、図16から図19に示す昇降作用手段Cの縦送りローラ43及び横送りローラ46は、前述の図2から図8に示す昇降作用手段Cと同様の目的を達成するよう、すなわち、パレットAを押し上げることなく(パレットAを水平な停止位置を維持しつつ)、縦レール1に対する縦送りローラ43と、横レール2に対する横送りローラ46の嵌入と脱出とが交互に行うことができるようになっている。
図中58は左右の昇降体51を連結する連結バー材である。
【0044】
この発明の第2の実施形態では、図20から図22に示すように、パレットAの下面には、第1の実施形態と同様の縦レール1と横レール2とが設けてあり、横レール2の幅は、縦レール1の幅よりも大きくしてある。
【0045】
上記パレットAの荷受け位置(昇降床や駐車床など)の下側の左右及び前後に縦レール1に嵌まり込んでパレットAを受架するドライブ機能付きの縦送りローラ61を、また各縦送りローラ61のサイドに所定の角度回動する駆動手段62付きの水平な支軸63を軸承して、この支軸63の外周に共に回動する偏芯回動板64を設けると共に、この回動板64の外周には、ドライブ機能付きの横レール2に上周面を嵌入するフリー回転の横送りローラ65が設けてある。
【0046】
上記縦送りローラ61のドライブは、図20のように並列片側のみをドライブするように、モーター66からスプロケットとチェーンとからなる伝達機構67を介して行い、各支軸63の回動は、モーター68からスプロケットとチェーンとからなる伝達機構69を介し行い、横送りローラ65のドライブは、モーター70からスプロケットとチェーンとからなる伝達機構71を介し行うようになっている。
図中72は支軸63の軸受けである。
【0047】
上記のように構成すると、図22に示すように支軸63を180度回動させて共に回動する偏芯回動板64の最大突出部位を最下位置に位置させる。
すると、横レール2から横送りローラ65の上周面が脱出する。
【0048】
この状況下で縦送りローラ61をドライブすることによりパレットAを縦方向に搬送することができる。
【0049】
パレットAを横方向に搬送する場合、まず支軸63を180度回動させて、共に回動する偏芯回動板64の最大突出部位を最上位置にする。
すると、横送りローラ65を上昇させて、パレットAを図23に示すように押し上げる。
【0050】
この状況下で横送りローラ65をドライブすることにより、パレットAを横方向に搬送することができる。
【0051】
このとき、縦送りローラ61の上周面の一部が図23に示すように縦レール1に嵌入しているも、横レール2の溝幅を大きくしてあるため、僅かな隙間で縦送りローラ61と接触することなくパレットAを横方向に搬送することができる。
【0052】
この発明の第3の実施形態では、図24図20図16に示すように、並列する縦送りローラ8、43、61の片側と、並列する横送りローラ9、46、65の片側とをドライブし、もう片方をドライブしないようにする。すなわち片側を駆動側、もう片方を従動側にする。
すると、駆動伝達機構が簡素化されてコストの低減などの利点がある。
【符号の説明】
【0053】
A パレット
B 駐車床
C 昇降作用手段
1 縦レール
2 横レール
3 ガイド
4 縦列昇降体
5 横列昇降体
車輪
8 縦送りローラ
9 横送りローラ
10 駆動手段
11 伝達手段
12 回動軸
13 カム
14 回転子
15 凹入縁
20 支軸
21 カム
22 連動手段
23 駆動手段
24 凹入部
31 レール
32 スライダ
33 連結部材
34 駆動手段
35 カム段部
36 回転子
41 モーター
42 伝達手段
43 縦送りローラ
44 モーター
45 伝達手段
46 横送りローラ
47 モーター
48 伝達機構
49 回動軸
50 ガイド
51 昇降体
52 軸
53 アーム
54 カム
55 カム
56 回転子
57 凹入部
61 縦送りローラ
62 駆動手段
63 支軸
64 回動板
65 横送りローラ
66 モーター
67 伝達機構
68 モーター
69 伝達機構
70 モーター
71 伝達機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24