特許第6139069号(P6139069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139069
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 516F
【請求項の数】1
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2012-146902(P2012-146902)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-8224(P2014-8224A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2014年6月23日
【審判番号】不服2016-8031(P2016-8031/J1)
【審判請求日】2016年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴史
(72)【発明者】
【氏名】森西 洋靖
【合議体】
【審判長】 長崎 洋一
【審判官】 川崎 優
【審判官】 齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−136088(JP,A)
【文献】 特開2010−099318(JP,A)
【文献】 特開2011−087693(JP,A)
【文献】 特開2008−212236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、
遊技者にとって有利な有利遊技状態を実行可能な有利遊技状態実行手段と、
第1条件の成立に基づいて有利遊技状態の実行を決定する第1決定手段と、
前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて有利遊技状態の実行を決定する第2決定手段と、
有利遊技状態を実行するか否かを示唆する示唆演出を実行し得る示唆演出実行手段と、を備え、
前記第1条件は、前記有利遊技状態の継続判定において継続と判定されることにより成立し、
前記第2条件は、前記継続判定において継続と判定されず、且つ、前記有利遊技状態に制御することを許容する許容回数があることにより成立し、
前記示唆演出実行手段は、
前記第1決定手段に基づいて有利遊技状態の実行が決定された場合に、有利遊技状態の実行を示唆する第1演出を実行する第1示唆演出実行手段と、
前記第1決定手段に基づいて有利遊技状態の実行が決定された場合であって、且つ、前記許容回数があるとき、前記第1示唆演出実行手段による第1演出の開始後に有利遊技状態の実行を示唆する第2演出を実行する第2示唆演出実行手段と、を有し、
前記第1演出にて有利遊技状態の実行を示唆した場合であっても、所定条件が成立したときには、前記第2演出にて有利遊技状態の実行を示唆することが可能であり、
前記第1演出を経て遊技者に有利遊技状態の実行を確定的に報知した後に、前記第2演出を実行し得ることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下「パチスロ」と示す)では、遊技媒体としてメダルが用いられ、パチスロへのメダルの投入により遊技を開始するようにしている。このようなパチスロとしては、例えば、特許文献1に記載のようなものが挙げられる。このパチスロでは、所定の絵柄の当りが容易に得られる遊技者にとって有利な有利遊技状態を単位期間に区切って生起させている。
【0003】
そして、特許文献1に記載のパチスロでは、一の単位期間の経過後に継続して有利遊技状態を生起させるか否かの継続抽選を行うとともに、該継続抽選の抽選結果を示唆する継続示唆演出を実行することで、有利遊技状態の継続に期待する遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−240017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のパチスロでは、継続示唆演出を行うことによって単に上記継続抽選の結果を示唆することに止まるものであり、このような示唆演出の態様に工夫を加えることで、さらに有利遊技状態における遊技者の興趣を向上させる余地を残すものとなっている。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、有利遊技状態における遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、遊技者にとって有利な有利遊技状態を実行可能な有利遊技状態実行手段と、第1条件の成立に基づいて有利遊技状態の実行を決定する第1決定手段と、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて有利遊技状態の実行を決定する第2決定手段と、有利遊技状態を実行するか否かを示唆する示唆演出を実行し得る示唆演出実行手段と、を備え、前記第1条件は、前記有利遊技状態の継続判定において継続と判定されることにより成立し、前記第2条件は、前記継続判定において継続と判定されず、且つ、前記有利遊技状態に制御することを許容する許容回数があることにより成立し、前記示唆演出実行手段は、前記第1決定手段に基づいて有利遊技状態の実行が決定された場合に、有利遊技状態の実行を示唆する第1演出を実行する第1示唆演出実行手段と、前記第1決定手段に基づいて有利遊技状態の実行が決定された場合であって、且つ、前記許容回数があるとき、前記第1示唆演出実行手段による第1演出の開始後に有利遊技状態の実行を示唆する第2演出を実行する第2示唆演出実行手段と、を有し、前記第1演出にて有利遊技状態の実行を示唆した場合であっても、所定条件が成立したときには、前記第2演出にて有利遊技状態の実行を示唆することが可能であり、前記第1演出を経て遊技者に有利遊技状態の実行を確定的に報知した後に、前記第2演出を実行し得ることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、有利遊技状態における遊技者の興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】パチスロの機表側を示す正面図。
図2】図柄停止ラインを示す模式図。
図3】賞態様を示す模式図。
図4】パチスロの電気的構成を示すブロック図。
図5】当選役決定テーブルを示す模式図。
図6】(a)〜(e)は図柄の停止態様を示す模式図。
図7】遊技状態の移行の態様を示す模式図。
図8】演出状態の移行の態様を示す模式図。
図9】上乗せストック数決定テーブルを示す模式図。
図10】(a)〜(g)は継続示唆演出、及び許容示唆演出の実行態様の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)に具体化した一実施形態を図1図10に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のパチスロ10の機表側が略示されており、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出表示装置14が配設されている。また、前面扉12には、該前面扉12を囲うように各種の演出効果光を発するランプRが設けられている。また、前面扉12の左右上部には、効果音や楽曲など各種の音声出力を行う音声演出を行うスピーカSPが配設されている。
【0012】
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。そして、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置し、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置している。ドラムユニット13の各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。ドラムユニット13の左リール13Lには、図柄L00〜図柄L20の21個の図柄が配列されている。また、中リール13Cには、図柄C00〜図柄C20までの21個の図柄が配列されている。また、右リール13Rには、図柄R00〜図柄R20までの21個の図柄が配列されている。そして、変動ゲームにおいて左リール13Lでは、図柄L00、図柄L01・・・図柄L20、図柄L00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて中リール13Cでは、図柄C00、図柄C01・・・図柄C20、図柄C00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて右リール13Rでは、図柄R00、図柄R01・・・図柄R20、図柄R00の順に透視窓16に表示されるように変動する。
【0013】
なお、本実施形態において各リールでは、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(リプレイ図柄)、「スイカ(すいか)」を模した図柄(スイカ図柄)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄)がそれぞれ配列されている。また、各リールでは、赤に色付けされた「7」を模した図柄(赤セブン図柄)、白に色付けされた「7」を模した図柄(白セブン図柄)、「BAR」の文字が装飾された図柄(バー図柄)がそれぞれ配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「赤セブン」、「白セブン」、「バー」という場合もある。
【0014】
そして、各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示される。このため、透視窓16は、各リールにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図4に示す)が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。
【0015】
また、図1及び図2に示すように、パチスロ10には、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(導出される表示結果)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定しうる4本の入賞ラインL1〜L4(実線で示す)と、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない非入賞ラインL5(破線で示す)が形成されている。
【0016】
入賞ラインL1〜L4は、これら図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様である場合、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与することとして有効と判定する有効ラインとなる。以下の説明で、単に「入賞ライン」という場合には、入賞ラインL1〜L4を意味する。
【0017】
また、非入賞ラインL5は、図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様と同一態様であったとしても、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与しないこととして無効と判定する無効ラインとなる。以下の説明で、単に「非入賞ライン」という場合には、非入賞ラインL5を意味する。
【0018】
具体的に説明すると、本実施形態の透視窓16では、図2に示すように9つの図柄停止位置D1〜D9に各列の図柄が停止表示される。これら9つの図柄停止位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段に対応するとともに、横方向に左リール13L、中リール13C、右リール13Rに対応するよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て左側の上に位置する左リール用上停止位置D1と、遊技者側から見て左側の中央に位置する左リール用中停止位置D2と、遊技者側から見て左側の下に位置する左リール用下停止位置D3は、左リール13Lに対応する図柄停止位置とされ、左リール13Lの図柄配列において連続する3個の図柄が表示される。また、遊技者側から見て中側の上に位置する中リール用上停止位置D4と、遊技者側から見て中側の中央に位置する中リール用中停止位置D5と、遊技者側から見て中側の下に位置する中リール用下停止位置D6は、中リール13Cに対応する図柄停止位置とされ、中リール13Cの図柄配列において連続する3個の図柄が表示される。また、遊技者側から見て右側の上に位置する右リール用上停止位置D7と、遊技者側から見て右側の中央に位置する右リール用中停止位置D8と、遊技者側から見て右側の下に位置する右リール用下停止位置D9は、右リール13Rに対応する図柄停止位置とされ、右リール13Rの図柄配列において連続する3個の図柄が表示される。
【0019】
そして、透視窓16では、左リール用中停止位置D2、中リール用中停止位置D5、及び右リール用中停止位置D8によって入賞ラインL1(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用上停止位置D4、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL2(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用上停止位置D1、中リール用中停止位置D5、及び右リール用下停止位置D9によって入賞ラインL3(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用中停止位置D5、及び右リール用上停止位置D7によって入賞ラインL4(有効)が形成される。また、透視窓16では、左リール用下停止位置D3、中リール用下停止位置D6、及び右リール用下停止位置D9によって非入賞ラインL5(無効)が形成される。
【0020】
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が構成されている。各種情報表示部17には、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、ゲーム情報表示部が形成されている。
【0021】
投入可能表示用ランプは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態、又は機本体に遊技媒体としてのメダルを投入可能な状態である時に点灯し、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つ貯留データ(クレジット)がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。再遊技表示用ランプは、変動ゲームにおいて再遊技役としてのリプレイ役が入賞した場合に点灯する。ウェイト表示用ランプは、ウェイトタイム中に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中に開始操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転動作が開始するように設定されている。状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
【0022】
また、賭数表示部は、3つのランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベット(1BET)で1つのランプが点灯し、2ベット(2BET)で2つのランプが点灯し、3ベット(3BET)で全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞メダルの枚数が表示される。ゲーム情報表示部では、ボーナス遊技中の払出枚数の総数を表示する。
【0023】
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図4に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン19とMAXBETボタン20とが設けられている。BETボタン19は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
【0024】
また、MAXBETボタン20は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。本実施形態では、MAXBETボタン20が、遊技者が操作可能な操作手段として機能する。また、このMAXBETボタン20は、変動ゲームの賭数を設定する際に操作される賭数設定操作部として機能する。
【0025】
また、前面扉12の前面において各BETボタン19,20の左下方位置には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。
【0026】
また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作するスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リールの回転動作が開始される。本実施形態において、スタートレバー22は、MAXBETボタン20とは別に設けられており、開始操作をするための開始操作部として機能する。
【0027】
スタートレバー22の右方位置には、遊技者により操作されるストップボタン23L,23C,23Rが設けられている。ストップボタン23L,23C,23Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。
【0028】
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
【0029】
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26が配置されている。このホッパー26の下方側にはメダル排出口24が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー26に貯留されたメダルがメダル排出口24へと払出される。前面扉12の裏面側においてメダル投入口18の下方位置には、該メダル投入口18とホッパー26とを繋ぐようにメダルセレクター27が配設されている。
【0030】
次に、遊技者が遊技として変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又は各BETボタン19,20の操作が可能な状態において、各BETボタン19,20を操作することでベット数を設定することができる。BETボタン19の操作によっては、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン20の操作によっては、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、本実施形態では、3ベットによる変動ゲームを許容する。
【0031】
また、本実施形態では、メダル投入口18からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することも可能であって、メダル1枚の投入で1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル3枚の投入で3ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする遊技で設定可能な最大ベット数(本実施形態では3ベット)を超える分のメダルがメダル投入口18から投入される場合、クレジット機能の使用時にはクレジットとして記憶される一方で、クレジット機能の非使用時には図示しない経路を辿ってメダル排出口24から遊技者に返却される。
【0032】
本実施形態では、遊技者の各BETボタン19,20の操作により、それぞれに応じたベット数が設定され、合わせて4本の入賞ラインが有効となるように設定される。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせに応じた制御(賞メダルの払い出しなど)が行われる。本実施形態における変動ゲームでは常に4本の入賞ラインが有効となる。
【0033】
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー22を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能になる。
【0034】
続いて、遊技者により各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、対応する各リールが停止され、対応する列の上段、中段及び下段に図柄が透視窓16に表示される。なお、本実施形態においてMAXBETボタン20、及びスタートレバー22は、変動ゲームがスタートレバー22の開始操作に伴って開始されてから終了する迄の間、各リールを停止させるストップボタン23L,23C,23Rとは異なり、変動ゲームの進行に影響を与えないようになっている。
【0035】
そして、各リールの全てが停止された時点で、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞として、賞メダルの払い出しやボーナス遊技が遊技者に付与される。なお、ボーナス遊技での変動ゲームは、賞メダルを連続的に獲得可能であって、該ボーナス遊技以外と定義される一般遊技での変動ゲームに比べて遊技者にとって有利となる。
【0036】
本実施形態の変動ゲームは、ベット数の設定後のスタートレバー22の開始操作を契機に開始し、ストップボタン23L,23C,23Rの停止操作による図柄の組み合わせの停止表示を契機に終了することを1回として行われる。なお、賞メダルの払い出しを伴う変動ゲームは、賞メダルの払い出しを完了して終了することになる。
【0037】
次に、本実施形態のパチスロ10において、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
図3に示すように、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示可能となる図柄の組み合わせ(停止結果)と、該図柄の組み合わせに対応する賞とが定められている。
【0038】
具体的に、図3に示す当選役に基づき停止表示可能となる図柄の組み合わせの何れも入賞ライン上に停止表示されない場合、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。以下の説明で、図3に示す何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成する場合の図柄の組み合わせを「はずれ停止目」という。
【0039】
また、[赤セブン・赤セブン・赤セブン]が入賞ライン上に停止表示される場合には、ボーナス遊技(以下、「BN遊技」という)を付与(生起)することを定めている。以下の説明で、[赤セブン・赤セブン・赤セブン]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「BN停止目」という。この[赤セブン]によるBN停止目は、当選役として「BN役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。本実施形態において、BN役は、遊技状態としてBN遊技を開始(作動)させる契機となる特別入賞の発生を許容する当選役(ボーナス役)である。
【0040】
また、[チェリー・ANY・ANY]が入賞ライン上に停止表示される場合には、2枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する中リール13C及び右リール13Rの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下の説明で、[チェリー・ANY・ANY]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「チェリー停止目」という。このチェリー停止目は、当選役として「チェリー役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0041】
また、[スイカ・スイカ・スイカ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、6枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、[スイカ・スイカ・スイカ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「スイカ停止目」という。このスイカ停止目は、当選役として「スイカ役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0042】
また、[ANY・ベル・ANY]が入賞ライン上に停止表示される場合には、4枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する左リール13L及び右リール13Rの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下の説明で、[ANY・ベル・ANY]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「ベル停止目」という。このベル停止目は、当選役として「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」の何れかの決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0043】
本実施形態において、これら「チェリー役」、「スイカ役」、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」は、入賞に基づいて賞メダルの払い出しを定めた当選役(払出役)となる。以下の説明で、単に「ベル役」という場合には、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」を纏めて意味する。
【0044】
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技者がベット数をベットすることなく内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行う再遊技を付与することを定めている。以下、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「リプレイ停止目」という。このリプレイ停止目は、当選役として「リプレイ役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。本実施形態において、「リプレイ役」は、入賞に基づいて上述した再遊技の付与を定めた再遊技役となる。
【0045】
なお、上述した再遊技では、遊技者がベット数をベットすることなく変動ゲームを行うことができるのであって、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。すなわち、リプレイ役の入賞に基づいて遊技者は賞メダルの払い出しを得ることはない。
【0046】
本実施形態において、BN遊技を作動(開始)させる契機となるボーナス入賞の発生を許容する「BN役」以外の「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」、「リプレイ役」といった当選役が小役となる。
【0047】
また、[白セブン・バー・スイカ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、シングルボーナス遊技(以下、「SIN遊技」という)を付与(生起)することを定めている。以下、[白セブン・バー・スイカ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を、「SIN停止目」という。このSIN停止目は、当選役として「SIN役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0048】
また、本実施形態のパチスロ10は、リプレイ役の当選確率を変動させて、一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。
【0049】
そして、RT機能により一般遊技では、RT機能の非作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態(低確率)に設定された低確RT遊技に制御される場合がある。また、RT機能により一般遊技では、RT機能の作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態から高確率抽選状態(高確率)へ変動(向上)される高確RT遊技に制御される場合がある。以下の説明で、低確RT遊技に制御される一般遊技を「低確RT遊技」といい、高確RT遊技に制御される一般遊技を「高確RT遊技」という。
【0050】
次に、パチスロ10の電気的構成を図4にしたがって説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。そして、サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0051】
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。そして、主制御用CPU40aには、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。
【0052】
主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応するようになっている。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。また、主制御用CPU40aには、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン19、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。
【0053】
また、主制御用CPU40aは、各種抽選で用いる当選役決定乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルにしたがい役(当選役)を決定する際に使用する乱数である。
【0054】
また、主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、遊技状態別、並びに当選役別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン23L,23C,23Rを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0055】
次に、主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1,T2,T3について、図5に基づき説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選役の種類と、抽選対象となる各当選役の当選確率(抽選対象となる各当選役に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。一般遊技において、低確RT遊技に当選役決定テーブルT1が、高確RT遊技に当選役決定テーブルT2が、BN遊技に当選役決定テーブルT3がそれぞれ対応付けられている。
【0056】
すなわち、図5に示すように、当選役決定テーブルT1,T2では、BN役、チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役、SIN役の各当選確率が規定されている。そして、一般遊技では、リプレイ役の当選確率が高確RT遊技(1/1.7)で、低確RT遊技(1/7.3)に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。一方、一般遊技では、リプレイ役以外の各当選役の当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。
【0057】
このため、本実施形態では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態に設定される高確RT遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者の保有するメダルの消費(投入)を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。このような高確RT遊技は、遊技者にとって有利な状態である。
【0058】
また、図5に示すように、当選役決定テーブルT3では、チェリー役、スイカ役、ベル役の各当選確率が規定されている。なお、当選役決定テーブルT3では、BN役、リプレイ役、SIN役を抽選対象としないように当選役決定乱数が振分けられている。また、図5に示すように、ボーナス遊技では、ベル役の当選確率が一般遊技に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。
【0059】
このため、本実施形態では、ベル役の当選確率が一般遊技に比して大きく高まるBN遊技において、ベル役に当選し易く賞メダルを獲得し易い分、遊技者の保有するメダルを増加させることができる。このようなBN遊技では、遊技者にとって有利な状態である。
【0060】
なお、一般遊技では、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおいて、小役の当選確率を所定確率に定めている。このようなボーナス待機状態におけるBN役の当選時には、その当選を他の当選役(小役又ははずれ役)の当選に置き換える(書き換える)。
【0061】
以下、サブ制御基板41について説明する。
サブ制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行するサブ制御用CPU41aと、サブ制御用CPU41aの制御プログラムを格納するサブ制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるサブ制御用RAM41cが設けられている。そして、サブ制御用CPU41aには、演出表示装置14、スピーカSP、ランプRが接続されている。
【0062】
サブ制御用CPU41aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、サブ制御用ROM41bには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される画像表示用データや、スピーカSPの音声(楽曲)出力態様が示される音声(楽曲)出力用データや、ランプRの発光態様が示される発光用データが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的に、サブ制御用RAM41cには、遊技状態に係るサブ用状態情報(フラグなど)がサブ制御用CPU41aにより記憶(設定)されるようになっている。
【0063】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部17の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払い出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー26に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー26に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払い出させるように制御する。
【0064】
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口18よりメダルが投入される、又は各BETボタン19,20の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、各BETボタン19,20が操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用CPU40aは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用CPU40aは、3ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。なお、主制御用CPU40aは、パチスロ10の遊技状態や変動ゲーム中であるか否かに関係なく、MAXBETボタン20の操作信号を入力すると、MAXBETボタン20が操作されたことを示すボタン操作コマンド(操作信号)をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。
【0065】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー22の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選とする当選役を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して遊技状態を把握している。したがって、本実施形態の主制御用CPU40aは、開始操作に基づいて当選役として遊技者にとって有利なBN遊技への移行を伴うBN役の入賞を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する当選役決定手段として機能する。
【0066】
そして、主制御用CPU40aは、当選役を決定すると、決定した当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。すなわち、主制御用CPU40aは、BN役の当選を決定すると、BN役の入賞の発生までの間、主制御用RAM40cのBN役の役情報を持ち越すようになっている。このようにBN役の役情報が持ち越されている状態は、BN役の入賞の発生を許容しているが、該発生を待機しているボーナス待機状態となる。一方、主制御用CPU40aは、小役の当選を決定すると、該小役の入賞の発生の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム(1回)の終了により、主制御用RAM40cの小役の役情報を消去する。
【0067】
このため、BN役は、当選の決定を入賞が発生するまでの変動ゲームに跨って持越可能な当選役となる。一方、小役は、当選の決定を入賞が発生するか否かに関係なく次以後の変動ゲームに跨って持越不可能な当選役となる。
【0068】
また、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出したタイミング(役抽選等の所定の処理を行った後)で、変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この変動ゲーム開始コマンドは、持ち越されているBN役があればその役情報も合わせて指示する。なお、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出して直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)への変動ゲーム開始コマンドは、各リールの回転動作の開始に合わせて出力するようにもできる。
【0069】
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者の操作に基づくストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。また、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサからの位置信号により、各リールの変動又は停止の情報を把握する。すなわち、各リールセンサからの位置信号は、各リールの変動中に各リールの変動状況を主制御用CPU40aに把握させる一方、各リールの停止中に各リールの停止状況を主制御用CPU40aに把握させる。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
【0070】
また、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種操作信号をサブ制御用CPU41aに出力する。このストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号は、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による操作状況、すなわち何れのストップボタンが操作されたかやストップボタンが操作された順番をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
【0071】
次に、主制御用CPU40aが行う停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選役に基づき各ストップボタン23L,23C,23Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用CPU40aは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン23L,23C,23Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。
【0072】
このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有していない場合、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させたい種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有している場合、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させたい種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0073】
そして、主制御用CPU40aは、BN役の当選(当選の持ち越し)時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、BN停止目を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、BN役の当選時、BN役の重複当選等に起因して小役にも合わせて当選している場合、該小役に対応する停止目(図柄の組み合わせ)を優先して停止表示させる。
【0074】
一方、主制御用CPU40aは、BN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない、さらに小役にも当選していない又は小役にも当選しているが該小役に対応する停止目も停止表示させることができない場合、BN役の当選の可能性が有ることを示す「チャンス目」を停止させる。なお、この「チャンス目」は、はずれ役の当選時には停止表示されない一方、チェリー役やスイカ役の取りこぼし時に停止表示可能になっている。この場合には、BN役の取りこぼし(役情報の持ち越し)を発生させる。
【0075】
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目やチャンス目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。
【0076】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、スイカ停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目やチャンス目を停止表示させる。この場合には、スイカ役の取りこぼしを発生させる。
【0077】
また、主制御用CPU40aは、リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく該リプレイ役の入賞とするリプレイ停止目を停止表示させる。
そして、BN役及び小役の何れの当選役も決定しない、すなわちはずれ役の当選時、主制御用CPU40aは、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目を停止表示させる。
【0078】
次に、ベル役(左正解ベル役、中正解ベル役、右正解ベル役)の当選時における停止制御について説明する。
図6(a),(b)に示すように、本実施形態のパチスロ10では、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」の当選時、3つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンに基づいて行う制御が異なる。本実施形態では、何れかのベル役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。
【0079】
そして、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づき押し順正解となる場合、図6(a)に示すように、中リール13Cの中段(中リール用中停止位置D5)であって、入賞ラインL1,L3,L4の3本に跨るように[ANY・ベル・ANY]を停止表示させる。なお、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づき押し順正解となる場合、左リール13L及び右リール13Rを[ANY]と定めているが、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインL1,L3,L4の何れかを形成するように各リールを停止表示させる。このように入賞ラインの複数本に跨る停止表示では、後述するようにベル役の入賞が該複数本分(本実施形態では、3本分)、同時に発生することになる。以下の説明で、「ベル役の入賞」又は「ベル入賞」という場合には、ベル役に基づく入賞ラインの複数本に跨る停止表示を意味する。
【0080】
一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づき押し順不正解となる場合、図6(b)に示すように、中リール13Cの上段(中リール用上停止位置D4)であって、入賞ラインL2の1本のみに跨るように[ANY・ベル・ANY]を停止表示させる。なお、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づき押し順不正解となる場合、左リール13L及び右リール13Rを[ANY]と定めているが、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインL2を形成するように各リールを停止表示させる。以下の説明で、「ベル役の取りこぼし」又は「ベルこぼし」という場合には、ベル役に基づく入賞ラインの1本のみに跨る停止表示を意味する。
【0081】
すなわち、左正解ベル役の当選時には、左リール13Lを停止指示するストップボタン23Lが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、左正解ベル役の当選時には、左リール13L以外を停止指示するストップボタン23C,23Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるベル停止目が停止表示される。
【0082】
また、中正解ベル役の当選時には、中リール13Cを停止指示するストップボタン23Cが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、中正解ベル役の当選時には、中リール13C以外を停止指示するストップボタン23L,23Rの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるベル停止目が停止表示される。
【0083】
また、右正解ベル役の当選時には、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、右正解ベル役の当選時には、右リール13R以外を停止指示するストップボタン23L,23Cの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるベル停止目が停止表示される。
【0084】
そして、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベル入賞となるベル停止目を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、押し順不正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベルこぼしとなるベル停止目を停止表示させる。
【0085】
次に、SIN役の当選時における停止制御について説明する。
図6(c)〜(e)に示すように、本実施形態のパチスロ10では、「SIN役」の当選時、3つのストップボタンの操作態様に基づいて行う制御が異なる。
【0086】
そして、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能とするタイミングで行われる場合、図6(c)に示すように、最初に操作されるストップボタンに関係なく入賞ラインL2の1本のみに跨るように[白セブン・バー・スイカ]を停止表示させる。
【0087】
一方、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングの場合、右リール13R以外を停止指示するストップボタンが最初に操作されれば(右第1操作以外)、図6(d)に示すように、何れかの入賞ラインの1本のみに跨るように[ベル・リプレイ・ベル]を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングの場合、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作されれば(右第1操作)、図6(e)に示すように、何れかの入賞ラインの1本のみに跨るように[リプレイ・バー・リプレイ]を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングの場合、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作されれば(右第1操作)、図6(e)に示すように、入賞ラインL3の1本のみに跨るように[バー・バー・バー]の停止表示を許容するようになっている。
【0088】
すなわち、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作され、さらにSIN入賞を可能としないタイミングの場合、各リールに[バー]を停止表示させるタイミングで遊技者により停止操作が行われれば、入賞ラインL3の1本のみに跨るように[バー・バー・バー]を停止表示させる。以下の説明で、[ベル・リプレイ・ベル]により入賞ラインを形成する図柄組み合わせを「通常SINこぼし停止目」という。また、以下の説明で、[リプレイ・バー・リプレイ]により入賞ラインを形成する図柄組み合わせを「特殊SINこぼし停止目」といい、その中でも[バー・バー・バー]により入賞ラインを形成する図柄組み合わせを「バー停止目」という。なお、各SINこぼし停止目は、図3に示す停止目の何れとも異なっている。また、このような各SINこぼし停止目は、入賞ライン上に停止表示されても賞メダルの遊技者への付与を行わないが、はずれ停止目とも異なる。
【0089】
そして、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能とするタイミングの場合、最初に操作されるストップボタンに関係なくSIN役の入賞、すなわちSIN入賞となるSIN停止目を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングの場合、右リール13R以外を停止指示するストップボタンが最初に操作されれば、通常のSIN役のとりこぼし、すなわち通常SINこぼしとなる通常SINこぼし停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングの場合、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作されれば、特殊なSIN役のとりこぼし、すなわち特殊SINこぼしとなる特殊SINこぼし停止目を停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングがSIN入賞を可能としないタイミングであって、さらに各列に[バー]を停止表示可能とする場合、右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rが最初に操作されれば、特殊SINこぼし停止目の中でもバー停止目を停止表示させる。なお、本実施形態では、各列に[バー・バー・バー]を停止表示可能とする場合、SIN入賞を可能としないタイミングとなるように各リールに図柄が配列されている。
【0090】
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると入賞判定を行う。この場合に主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから役情報を読み出し、読み出した役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。また、入賞判定において主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様であるか否かを判定する。なお、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様である場合、該役情報に基づく当選役の入賞(肯定)を判定する。一方、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様でない場合、該役情報に基づく当選役の非入賞(否定)、すなわち該役情報に基づく当選役の取りこぼしを判定する。
【0091】
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した賞態様に応じた制御を行う。すなわち、主制御用CPU40aは、賞態様に応じて遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の入賞をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
【0092】
具体的に、BN役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、次の変動ゲームからBN遊技に移行させるための遊技状態の制御としてBN遊技制御を行う。このBN遊技制御において、主制御用CPU40aは、BN遊技の開始後、1回目の変動ゲームから遊技者に付与した(払い出した)賞メダルのBN払出枚数のカウントを開始する。また、主制御用CPU40aは、BN払出枚数が最大払出数(本実施形態では360)を超える変動ゲームの終了に伴ってBN遊技を終了させる。したがって、本実施形態の主制御用CPU40aは、BN役の入賞があったときにBN遊技を付与する特別遊技制御手段として機能する。
【0093】
また、チェリー役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、2枚の賞メダルを払い出す制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、チェリー役の入賞の判定時、左リール13Lの上段(左リール用上停止位置D1)であって、入賞ラインL2,L3の2本に跨るようにチェリー停止目を停止表示させた場合、チェリー役の入賞が2本分、同時に発生したこととして2枚の2倍にあたる4枚の賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用CPU40aは、チェリー役の入賞の判定時、左リール13Lの中段(左リール用中停止位置D2)であって、入賞ラインL1の1本のみに跨るようにチェリー停止目を停止表示させた場合、2枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、チェリー役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。
【0094】
また、スイカ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、6枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、スイカ役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。
【0095】
また、ベル役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、4枚の賞メダルを払い出す制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞の判定時、ベル入賞となるベル停止目を停止表示させた場合、ベル役の入賞が3本分、同時に発生したこととして4枚の3倍にあたる12枚の賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞の判定時、ベルこぼしとなるベル停止目を停止表示させた場合、4枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、この場合に主制御用CPU40aは、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う場合もある。
【0096】
また、リプレイ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。このような制御として主制御用CPU40aは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定することになる。
【0097】
また、SIN役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、次の1回の変動ゲームを対象としてSIN遊技に移行させるための遊技状態の制御としてSIN遊技制御を行う。このSIN遊技制御において、主制御用CPU40aは、SIN遊技の対象となる1回の変動ゲームの終了に伴ってSIN遊技を終了させる。この場合に主制御用CPU40aは、SIN遊技の対象となる変動ゲームを該SIN遊技の契機となったSIN役の入賞時の遊技状態となるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、SIN役の当選時にSINこぼしを判定する場合、SIN遊技制御を行わない。また、この場合に主制御用CPU40aは、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う場合もある。
【0098】
次に、主制御用CPU40aが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様を図7に基づき説明する。
主制御用CPU40aは、遊技状態を移行させる場合、移行先の遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この状態指示コマンドは、主制御用CPU40aで管理している遊技状態をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
【0099】
そして、主制御用CPU40aは、一般遊技で当選したBN役の入賞(BN入賞)の発生、すなわちBN停止目の停止表示を契機として次の変動ゲームからBN遊技(BN)に移行させる。この場合に主制御用CPU40aは、BN遊技の終了を契機に、当選時の遊技状態に関係なく次の変動ゲームから低確RT遊技(低確RT)に移行させる。
【0100】
また、低確RT遊技の制御中、主制御用CPU40aは、SIN役に当選してSINこぼしの中でも特殊SINこぼしの発生を契機に、高確RT遊技(高確RT)に移行させる。なお、低確RT遊技の制御中、主制御用CPU40aは、SIN役に当選してSIN入賞や通常SINこぼしの発生によっては次の変動ゲームからも低確RT遊技を継続させる。すなわち、低確RT遊技では、SIN役に当選してSINこぼし停止目の中でも特殊SINこぼし停止目が停止表示されSIN遊技が行われない場合、高確RT遊技への移行条件が満たされる。また、低確RT遊技は、SIN役に当選してSIN停止目が停止表示されSIN遊技が行われる場合やSIN役に当選してSINこぼし停止目の中でも通常SINこぼし停止目が停止表示されSIN遊技が行われない場合、高確RT遊技への移行条件が満たされず継続される。
【0101】
また、高確RT遊技の制御中、主制御用CPU40aは、ベル役に当選してベルこぼしの発生を契機に、低確RT遊技に移行させる。なお、高確RT遊技の制御中、主制御用CPU40aは、ベル役に当選してベル入賞の発生によっては次の変動ゲームからも高確RT遊技を継続させる。すなわち、高確RT遊技では、ベル役に当選してベルこぼしとなるベル停止目が停止表示され、12枚の賞メダルが獲得されない(4枚の賞メダルの獲得となる)場合、低確RT遊技への移行条件(高確RT遊技の終了となる「転落条件」)が満たされる。また、高確RT遊技は、ベル役に当選してベル入賞となるベル停止目が停止表示され、12枚の賞メダルが獲得される場合、低確RT遊技への移行条件が満たされず継続される。
【0102】
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンド、入賞指示コマンド、及びボタン操作コマンド等の各種コマンドを入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSPの音声(楽曲)出力内容、ランプRの発光態様を制御する。なお、サブ制御用CPU41aは、入賞指示コマンドを入力しない場合、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の取りこぼし(非入賞)を把握する。また、サブ制御用CPU41aは、各リールの停止状況も把握可能なことから、この停止状況から当選役の取りこぼしを把握することもできる。
【0103】
また、サブ制御用CPU41aは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)する。また、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出を行わせるための制御を行う。
【0104】
そして、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を、主制御用CPU40aが制御している遊技状態に応じて制御する。これにより、遊技者は演出表示装置14の演出状態に応じて変動ゲームを行うことになる。このような演出状態では、その種類から遊技状態が遊技者に把握され、さらに遊技者が遊技を有利に行うことができるような演出が行われる。本実施形態における演出状態は、図8に示すように、複数種類に分類されている。
【0105】
具体的に、演出状態には、遊技状態が高確RT遊技である場合に行われるARTモードがある。この場合に演出表示装置14では、ARTモード用の表示画面が画像表示される。なお、スピーカSPでは、ARTモード用の音声(楽曲)が出力されるとともに、ランプRでは、ARTモード用の発光態様での発光が行われる。すなわち、これら表示演出、音声演出、及び発光演出に基づくART中演出が行われる。このARTモードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベル入賞を補助(アシスト)する演出を行う状態である。
【0106】
また、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技である場合に行われる準備モードがある。準備モードの場合に演出表示装置14では、準備モード用の表示画面が画像表示される。なお、スピーカSPでは、準備モード用の音声(楽曲)が出力されるとともに、ランプRでは、準備モード用の発光態様での発光が行われる。この準備モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態である一方、特殊SINこぼし及びベル入賞を補助する演出を行う状態である。
【0107】
また、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技である場合に行われる通常モードがある。通常モードの場合に演出表示装置14では、通常モード用の表示画面が画像表示される。なお、スピーカSPでは、通常モード用の音声(楽曲)が出力されるとともに、ランプRでは、通常モード用の発光態様での発光が行われる。この通常モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態であるとともに、特殊SINこぼし及びベル入賞を補助する演出を行わない状態である。
【0108】
また、演出状態には、遊技状態がBN遊技である場合に行われるBNモードがある。BNモードの場合に演出表示装置14では、BNモード用の表示画面が画像表示される。なお、スピーカSPでは、BNモード用の音声(楽曲)が出力されるとともに、ランプRでは、BNモード用の発光態様での発光が行われる。このBNモードは、ベル役に高確率で当選可能であるとともに、ベル入賞を補助する演出を行う状態である。
【0109】
本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに演出状態の種類を示す演出フラグ(情報)を設定することで、制御している演出状態を把握する。そして、サブ制御用CPU41aは、演出フラグに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画面)を制御する。なお、サブ制御用CPU41aは、演出フラグに対応する音声出力用の音声出力用データを選択するとともに、この選択した音声出力用データをもとにスピーカSPの音声出力態様を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、演出フラグに対応する発光用の発光用データを選択するとともに、この選択した発光用データをもとにランプRの発光態様を制御する。
【0110】
以下、各演出状態における制御内容について、演出表示装置14における表示演出を中心とする各種演出と合わせて説明する。サブ制御用CPU41aは、以下に説明する各演出状態での制御を行う結果、図8に示す態様で演出状態を移行させるように制御する。
【0111】
最初に、通常モードに関する制御について説明する。
図8に示すように、サブ制御用CPU41aは、遊技状態が低確RT遊技である場合、演出状態を通常モードに制御する。
【0112】
そして、サブ制御用CPU41aは、通常モード中(通常モードの制御中)、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、通常モード中は、BN役、チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役、SIN役の当選及び入賞(取りこぼし)が指示される。
【0113】
具体的に、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞が指示される場合、BNモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、BN遊技に移行している。
【0114】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、押し順正解(ベル入賞)を補助するような演出を行わせないように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、通常モード中には、ベル入賞を困難とするように演出が行われる。なお、通常モード中、ベル役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面でベル入賞が発生する。
【0115】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するSIN役の当選が指示される場合、特殊SINこぼしを補助するような演出を行わせないように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、通常モード中には、特殊SINこぼしを困難とするように演出が行われる。なお、通常モード中、SIN役の当選時にたまたま遊技者が右リール13Rを停止指示するストップボタン23Rを最初に操作する場面で特殊SINこぼしが発生する。
【0116】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指示される場合、ART突入抽選を行う。このART突入抽選は、当選が指示される当選役に基づいて所定の当選確率(例えば、合算が1/260)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出する場合、ARTモードへの移行権利を発生させる一方、ART突入抽選で「非当選」の結果を導出する場合、ARTモードの移行権利を発生させない。なお、本実施形態のART突入抽選では、各当選役の当選確率等を考慮して算出される「当選」とされるART初当り確率が約1/260となるように乱数を振分けている。
【0117】
なお、ART突入抽選や後述する各種抽選に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、サブ制御用RAM41cに記憶されている。そして、サブ制御用CPU41aは、各種抽選を行う際にその抽選で用いる乱数をサブ制御用RAM41cから取得し、該取得した乱数に基づき乱数抽選を行う。
【0118】
また、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出する場合、ARTモードのストック数を示すST数として[1]を、サブ制御用RAM41cの所定の記憶領域に記憶する。後述のように、サブ制御用CPU41aは、セット単位で「ストック数」セットのARTモードを発生させる制御を行う。すなわち、本実施形態では、ST数に示されるストック数セット分のARTモードの発生が保障される。このため、ST数に示されるストック数から「1」減算したストック数は、1セットのARTモードの経過後も継続してARTモードに制御することを許容する許容回数となる。なお、サブ制御用CPU41aは、BNモード等、他のモードへ移行を伴ってもST数を継続して保持する。
【0119】
以下の説明で、ST数が「0(零)」の場合をST数の非設定中、又はST数が設定されていないという。また、ST数が「0(零)」以外の場合(「1」以上である場合)をST数の設定中、又はST数が設定されているという。本実施形態のST数は、「1」以上の値が設定されているか否かにより、ARTモードへの移行権利が発生しているか否かを特定可能な情報(ARTフラグ)としても機能する。すなわち、ST数が設定中である場合には、ARTモードへの移行権利の発生(ARTフラグあり)を特定できる一方で、ST数が非設定中である場合には、ARTモードへの移行権利の非発生(ARTフラグなし)を特定できる。
【0120】
サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出し、ST数を設定すると、その変動ゲームから、ARTモードへの移行権利の発生を報知する準備モードに移行させるように演出状態を制御する。この場合に遊技状態は、非RT遊技が継続されている。なお、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選を行う結果、「非当選」の結果を導出する場合、通常モードを継続させるように演出状態を制御する。
【0121】
また、サブ制御用CPU41aは、各変動ゲームにてストップボタン23Lが最初に操作されなければ、遊技者にとって不利な状態となるペナルティを付与する。例えば、ペナルティとしては、特殊SINこぼしの指示時にARTモードの制御を開始させないようにしたり、ART突入抽選を行わなかったり、ART突入抽選を行うが必ず「非当選」の結果が導出されるようにしたりする。また、本実施形態では、ストップボタン23Lの最初の操作時に特殊SINこぼしが発生しえないように構成している。これにより、通常モード中には、ART突入抽選によりARTモードの移行権利を獲得していなければARTモードに移行されない。
【0122】
次に、準備モードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態が低確RT遊技であって、ST数を設定中である間、演出状態を準備モードに制御する。
【0123】
そして、サブ制御用CPU41aは、準備モード中(準備モードの制御中)、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、準備モード中は、BN役、チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役、SIN役の当選及び入賞(取りこぼし)が指示される。
【0124】
具体的に、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞が指示される場合、BNモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、BN遊技に移行している。
【0125】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、押し順正解(ベル入賞)を補助する「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、準備モード中、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、準備モード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0126】
ベルナビ演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、3つのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様で行われる。例えば、3つのうち真ん中に「1」が付されている場合には、ストップボタン23Cを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0127】
すなわち、サブ制御用CPU41aは、ベル役の当選が指示される場合、変動ゲームの開始に伴ってベルナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、当選が指示されるベル役の種類に応じて、押し順正解を報知する内容でベルナビ演出を行わせる。例えば、サブ制御用CPU41aは、中正解ベル役の当選が指示される場合、ストップボタン23Cを最初に操作を報知する内容でベルナビ演出を行わせる。
【0128】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するSIN役の当選が指示される場合、該SINこぼしを補助する「SINナビ演出」を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、準備モード中には、特殊SINこぼしが補助されるように演出が行われる。なお、準備モード中、SIN役の当選時に遊技者がSINナビ演出にしたがうことで特殊SINこぼしが発生する。
【0129】
SINナビ演出は、演出表示装置14で行われる。演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させて3つのうち右に「1」、真ん中に「2」、左に「3」の数字を付すとともに、[バーを狙え]の文字列を表示させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このSINナビ演出では、ストップボタン23Rを最初に操作し、続いてストップボタン23C→ストップボタン23Lの順に操作すべきことと、各リールに[バー]を停止表示させる停止操作のタイミングで各ストップボタンを操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0130】
すなわち、サブ制御用CPU41aは、SIN役の当選が指示される場合、変動ゲームの開始に伴ってSINナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、準備モード中、SINナビ演出によりSIN役の当選も積極的に報知されることになる。
【0131】
このように本実施形態では、ST数を設定中であることから、ARTモードへの移行権利が発生している場合、高確RT遊技への移行の契機となるSIN役の当選情報と特殊SINこぼしに導く情報とを報知し、遊技者を高確RT遊技へと導くことになる。
【0132】
また、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出することに伴ってST数を設定してから、特殊SINこぼしが指示される迄(ARTモードが開始される迄)の間、小役の当選が指示される毎に、ST数に上乗せして加算するストック数(以下、「上乗せストック数」と示す)を決定するストック数の上乗せ抽選を行う。
【0133】
サブ制御用ROM41bには、抽選対象となる上乗せストック数[1]〜[5]と、抽選対象となる上乗せストック数の当選確率(抽選対象となる各上乗せストック数に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を当選が指示される小役のうち特定の小役(本実施形態では、チェリー役、スイカ役、及びベル役)毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各上乗せストック数決定テーブルは、小役の種類に応じてサブ制御用CPU41aにより用いられる。具体的に、チェリー役には、上乗せストック数決定テーブルT4が、スイカ役には、上乗せストック数決定テーブルT5が、ベル役には、上乗せストック数決定テーブルT6がそれぞれ対応付けられている。
【0134】
すなわち、図9に示すように、上乗せストック数決定テーブルT4,T5では、上乗せストック数[1]〜[5]の各当選確率が規定されている。当選役としてチェリー役、又はスイカ役が指示される場合には、上乗せストック数として、[5]<[4]<[3]<[2]<[1]の順に、決定し易くなるように乱数を振分けている。
【0135】
また、上乗せストック数決定テーブルT6では、上乗せストック数[3]〜[5]の各当選確率が規定されている。なお、上乗せストック数決定テーブルT6では、上乗せストック数[1],[2]を抽選対象としないように乱数が振分けられている。また、当選役としてチェリー役、又はスイカ役が指示される場合には、上乗せストック数[1]〜[5]の当選確率が、ベル役が指示される場合に比較して大きく高まるように乱数が振分けられている。
【0136】
そして、サブ制御用CPU41aは、ストック数の上乗せ抽選を行なう結果、上乗せストック数[1]〜[5]の結果を導出する場合、サブ制御用RAM41cに記憶されているST数に、導出された上乗せストック数を加算して記憶させる。したがって、サブ制御用CPU41aは、ストック数の上乗せ抽選を行うことにより、1セットのARTモードの経過後も継続してARTモードに制御することを許容する許容回数を決定している。
【0137】
なお、本実施形態では、ART突入抽選で「当選」の結果が導出されてから、特殊SINこぼしが指示される迄(ARTモードが開始される迄)の期間のみをストック数の上乗せ抽選の対象とする一方で、特殊SINこぼしの指示がされてから(ARTモードが開始されてから)は、ストック数の上乗せ抽選を行なわないようになっている。
【0138】
そして、サブ制御用CPU41aは、特殊SINこぼしが指示される場合、ARTモードに移行するように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、高確RT遊技に移行している。したがって、本実施形態では、特殊SINこぼしの発生により、ARTモードの開始条件が成立する。
【0139】
次に、ARTモードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態が高確RT遊技である場合、演出状態をARTモードに制御する。なお、ARTモードの制御の開始は、特殊SINこぼしを契機とすることから、遊技状態の高確RT遊技の開始と同期する。
【0140】
そして、サブ制御用CPU41aは、ARTモード中(ARTモードの制御中)、当選役の当選及び入賞(取りこぼし)の指示に基づいた処理を行う。なお、ARTモード中は、BN役、チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役、SIN役の当選及び入賞(取りこぼし)が指示される。
【0141】
具体的に、サブ制御用CPU41aは、BN役の入賞が指示される場合、BNモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、BN遊技に移行している。
【0142】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、準備モード同様に「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、ARTモード中、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、ARTモード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0143】
なお、ARTモード中には、ベルこぼしにより遊技状態が低確RT遊技に移行してしまう場合がある。この場合にもサブ制御用CPU41aは、ARTモードの制御を継続して行うとともに、該ARTモードの制御中のSIN役の当選の指示時にSINナビ演出を行わせて遊技状態の高確RT遊技への復帰を補助する。
【0144】
また、サブ制御用CPU41aは、ARTモードで行うことができる変動ゲームの回数を示す残G数を、サブ制御用RAM41cの所定の記憶領域に記憶する。この残G数は、ARTモードとしてベルナビ演出等により遊技者の遊技の補助を行うことができる変動ゲームの回数でもある。なお、サブ制御用CPU41aは、BNモード等、他のモードへ移行を伴っても残G数やST数を継続して保持する。以下の説明で、残G数が「0(零)」の場合を残G数の非設定中、残G数が設定されていないという。また、残G数が「0(零)」以外(≧1)の場合を残G数の設定中、残G数が設定されているという。
【0145】
本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、残G数の非設定中(残G数が[0(零)]である状態)からARTモードに移行(又は継続)させる場合、残G数として[50(回)]を加算する。また、サブ制御用CPU41aは、ARTモードで変動ゲームの開始が指示される毎に、サブ制御用RAM41cに記憶されている残G数を「1」減算する。このようにサブ制御用CPU41aは、変動ゲームに基づいて、ARTモードで行うことができる変動ゲームの回数、すなわちARTモードの開始後、経過した変動ゲームの回数を計数する。なお、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶している残G数を演出表示装置14で遊技者に報知する。これにより、ARTモードで行なわれる変動ゲームの回数を遊技者に把握させうる。
【0146】
また、サブ制御用CPU41aは、残G数の非設定中(残G数が[0(零)]である状態)において[50(回)]の残G数を加算して設定した場合、該残G数の設定後において最初の変動ゲームの開始が指示されたことを契機として、残G数が「0(零)」となる変動ゲームの終了後にも継続してARTモードに制御することを許容するか否かのART継続抽選を行う。このART継続抽選は、ARTモードの継続率が所定の継続率となるように、[継続]、及び[非継続]の何れかに乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出する場合、併せて移行後のARTモードのART継続抽選で用いる継続率を決定するようになっている。
【0147】
サブ制御用CPU41aは、ART継続抽選で[継続]の結果を導出する場合、該ART継続抽選で[継続]の結果を導出したことを特定可能な情報として[1]を、サブ制御用RAM41cに記憶されている継続抽選フラグに設定する。一方、サブ制御用CPU41aは、ART継続抽選で[非継続]の結果を導出する場合、該ART継続抽選で[非継続]の結果を導出したことを特定可能な情報として[0(零)]を、サブ制御用RAM41cに記憶されている継続抽選フラグに設定する。
【0148】
また、サブ制御用CPU41aは、残G数の設定中からARTモードに移行させる場合、設定中の残G数によりARTモードを開始させる。このような残G数の設定中からのARTモードへの移行は、ARTモード中に入賞するBNモードを経由したARTモードへの移行(復帰)により発生する。
【0149】
また、サブ制御用CPU41aは、ARTモード中、はずれ役以外の当選、すなわちBN役、チェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役の当選の指示に基づき、残G数に基づくARTモードの期間を上乗せして延長させるための処理を行う。
【0150】
具体的に、サブ制御用CPU41aは、ARTモード中、はずれ役以外の当選が指示される場合、サブ制御用RAM41cに記憶している残G数を加算して上乗せするための残G数の上乗せ抽選を行う。この残G数の上乗せ抽選は、当選が指示される当選役に基づいて所定の当選確率となるように、[20]、[40]、[50]、[60]、[100]の何れかの上乗せ回数に乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、上乗せ抽選の結果に基づき、サブ制御用RAM41cに記憶している残G数の上乗せを発生させることを決定する。すなわち、例えば、上乗せ抽選で[50]の結果が導出される場合には、上乗せ回数[50(回)]の残G数の上乗せが発生し、上乗せ抽選で[100]の結果が導出される場合には、上乗せ回数[100(回)]の残G数の上乗せが発生する。
【0151】
このような残G数の上乗せ抽選では、リプレイ役<ベル役<チェリー役<スイカ役<BN役の順、すなわち各当選役の当選確率が高い当選役から低い当選役の順に、上乗せ回数として大きい回数を決定し易くなるように乱数を振分けている。また、上乗せ抽選では、小役<BN役の順に、上乗せ回数として大きい回数を決定し易くなるように乱数を振分けている。
【0152】
そして、サブ制御用CPU41aは、残G数の上乗せ抽選を行う結果、上乗せ回数として[20]〜[100]の結果を導出する場合、該結果に基づく上乗せ回数を残G数に加算する。したがって、本実施形態では、上乗せ抽選による残G数の上乗せの発生により、ARTモードの継続(上乗せ)、すなわち延長が実現される。また、サブ制御用CPU41aは、上乗せ抽選により制御中のセットに対する残G数を上乗せすることになる。
【0153】
また、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶している残G数に、[20]〜[100]の上乗せ回数を上乗せする場合、該上乗せの対象となった変動ゲーム中に上乗せ回数を遊技者に報知するように演出表示装置14の表示内容を制御する。以上のように、本実施形態では、ARTモード中、ストック数の上乗せ抽選が行なわれない一方で、今回のセットに対する残G数の上乗せ抽選が行なわれるようになっている。
【0154】
そして、サブ制御用CPU41aは、変動ゲームの開始に伴って「1」減算した結果、残G数が「0(零)」となる場合、サブ制御用RAM41cに記憶されている継続抽選フラグに[1]が設定されているか否かを判定する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、ART継続抽選で[継続]の結果を導出しているか否かを判定する。
【0155】
サブ制御用CPU41aは、継続抽選フラグに[1]が設定されている場合、残G数として[50(回)]を再び加算(再加算)し、ARTモードを継続させるように演出状態を制御する。このとき、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されているST数を「1」減算しない。すなわち、本実施形態では、ART継続抽選の結果として[継続]の結果が導出される場合、ST数に基づくストックを消費(消化)することなくARTモードを継続(ループ)、すなわち延長させる制御が行われる。
【0156】
また、サブ制御用CPU41aは、継続抽選フラグに[0]が設定されている場合、1ストックに対応するARTモードの1セットが終了(経過)したとして、サブ制御用RAM41cに記憶されているST数を「1」減算する。次に、サブ制御用CPU41aは、ST数の設定中であるか否か、すなわち「1」減算した後にもサブ制御用RAM41cに記憶されているST数があるか否かを判定する。
【0157】
サブ制御用CPU41aは、ST数の設定中である場合、残G数として[50(回)]を再び加算(再加算)する。したがって、本実施形態では、ART継続抽選で[非継続]の結果が導出される場合、ST数があることを条件として、該ST数に基づく1ストックを消費し、ARTモードの継続(ループ)、すなわち延長が実現されることになる。
【0158】
一方、サブ制御用CPU41aは、ST数の非設定中である場合、高確RT演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、高確RT演出を開始させた後、ベルこぼしの発生まで高確RT演出を行わせる。
【0159】
このような高確RT演出の間、サブ制御用CPU41aは、残G数の非設定中であることから、ベル役に当選してもベルナビ演出を行わせないように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、高確RT演出中、ベルこぼしの回避を困難とするとともに、ベル入賞を困難とするように演出が行われる。なお、高確RT演出中、ベル役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面でベルこぼしが回避され、ベル入賞が発生する。その後、サブ制御用CPU41aは、高確RT演出中のベルこぼしを契機に通常モードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、低確RT遊技に移行している。
【0160】
本実施形態では、残G数として[50(回)]が設定されてから、該残G数が「0(零)」となる変動ゲームが終了する迄を1セット(1回)とする単位期間に区切ってARTモードに制御される。また、ART継続抽選で[継続]の結果が導出される場合には、1セット分のARTモードの経過(消化)後、1セット分のARTモードに継続して制御される。また、ART継続抽選で[非継続]の結果が導出される場合には、ST数を設定中であること、すなわち許容回数があることを条件として、1セット分のARTモードの経過(消化)後、1セット分のARTモードに継続して制御される。
【0161】
なお、ART継続抽選で[非継続]の結果を導出している場合であって、ST数を非設定中であるとき、すなわち許容回数がないときには、1セット分のARTモードの経過(消化)を終了条件としてARTモードの制御が終了される。したがって、本実施形態では、ART継続抽選で[継続]の結果を導出している場合、又はART継続抽選で[非継続]の結果を導出しており且つ許容回数がある場合に、ARTモードの継続条件が成立するとともに、該継続条件の成立により、ARTモードの継続(ループ)、すなわち延長が実現される。
【0162】
このように、本実施形態では、上乗せストック数(許容回数)を決定するための上乗せ抽選を行うサブ制御用CPU41aが回数決定手段として機能し、ST数を記憶するサブ制御用RAM41cは許容回数記憶手段として機能する。また、サブ制御用CPU41aは、ART継続抽選で[非継続]の結果が導出されている場合に、サブ制御用RAM41cに記憶されているST数(許容回数)の記憶値に基づきARTモードへ継続して制御可能か否かを判定する許容判定手段として把握できる。そして、本実施形態では、サブ制御用CPU41aが継続制御手段として機能する。
【0163】
次に、BNモードにおける制御内容について説明する。
サブ制御用CPU41aは、遊技状態がBN遊技である場合、演出状態をBNモードに制御する。なお、BNモードの制御の開始は、BN役の入賞(BN入賞)を契機とすることから、遊技状態のBN遊技の開始と同期する。
【0164】
なお、サブ制御用CPU41aは、BNモード中、主制御用CPU40aが管理するBN払出枚数に対応する枚数を報知するように演出表示装置14の表示内容を制御する。サブ制御用CPU41aは、各種コマンドで指示された入賞結果に基づき、BN払出枚数に対応する枚数を把握しうる。
【0165】
そして、サブ制御用CPU41aは、BNモード中(BNモードの制御中)、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、BNモード中は、主にベル役の当選及び入賞が指示される。また、サブ制御用CPU41aは、このようなベル役の当選が指示される場合、ARTモード等と同様に「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、BNモード中、主に当選するベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、BNモード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0166】
なお、ST数の設定中におけるBN役の入賞の発生によるBNモードの実行に伴っては、サブ制御用RAM41cに記憶しているST数が設定されている状況が維持されることから、ARTモードへの移行権利が既に発生している。すなわち、サブ制御用CPU41aは、準備モードやARTモード中に発生が許容されたBN役の入賞に基づきBNモード(BN遊技)が付与される場合、準備・ARTモードの付与を許容するように構成されている。
【0167】
また、サブ制御用CPU41aは、BNモード中、ST数の非設定中である場合、変動ゲーム毎にART突入抽選を行う。このART突入抽選は、変動ゲーム毎に所定の当選確率(例えば、1/260)となるように、「当選」、及び「非当選」の何れかに乱数を振分けて行われる。そして、サブ制御用CPU41aは、このART突入抽選で「当選」の結果を導出する場合、ST数として[1]を設定し、ARTモードへの移行権利を発生させる。一方、サブ制御用CPU41aは、このART突入抽選で「非当選」の結果を導出する場合、ST数として[0]を維持し、ARTモードの移行権利を発生させない。
【0168】
そして、サブ制御用CPU41aは、BN遊技の終了が指示される場合、ST数の設定状況に基づき、次の変動ゲームから通常モード又は準備モードに移行するように演出状態を制御する。この場合には、遊技状態が低確RT遊技に移行されている。
【0169】
すなわち、サブ制御用CPU41aは、BNモードの終了(BN終了)を契機に、ST数を非設定中であれば、通常モードに移行するように演出状態を制御する。一方、サブ制御用CPU41aは、BNモードの終了(BN終了)を契機に、ST数を設定中であれば、準備モードに移行するように演出状態を制御する。このようにして移行する準備モード中、サブ制御用CPU41aは、ST数を設定中であることから、ARTモードへの移行権利を獲得していることとなり、高確RT遊技、すなわちARTモードへと遊技者を導くことになる。
【0170】
このように構成された本実施形態において、ARTモード中は、遊技状態が高確RT遊技であるだけでなく、変動ゲームを遊技者が遊技を有利に行うための演出(ベルナビ演出)が行われる状態である。これにより、ARTモードでは、遊技者の保有するメダルの消費(投入)する場面を減少させるとともに、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞に基づく賞メダルの獲得が補助される。このため、ARTモード中は、遊技者にとって有利な状態(有利遊技状態)となる。
【0171】
また、通常モード中は、ART突入抽選により高確RT遊技へと繋がるチャンスを手に入れることができる状態であるが、変動ゲームを遊技者が遊技を有利に行うための演出(ベルナビ演出やSINナビ演出)が行われない状態である。これにより、通常モードでは、特殊SINこぼし及びベル入賞が補助されない。このため、通常モード中は、遊技者にとって有利な状態へと遊技者を導きえない状態となる。
【0172】
また、準備モード中は、遊技状態が低確RT遊技である一方、遊技者が遊技を有利に行うための演出(ベルナビ演出やSINナビ演出)が行われる状態である。これにより、準備モードでは、特殊SINこぼし、すなわち高確RT遊技への移行が補助されるとともに、ベル入賞に基づく賞メダルの獲得が補助される。さらに、準備モード中は、ストック数の上乗せ抽選が行われ、該上乗せ抽選で決定された上乗せストック数がST数に加算される可能性がある。このため、準備モード中は、遊技者にとって有利な状態となる。また、準備モード中は、遊技者にとって有利な状態へと遊技者を導きうる状態となる。
【0173】
なお、高確RT演出中は、遊技者が遊技を有利に行うための演出(ベルナビ演出)が行われないが遊技状態が高確RT遊技であることから、遊技者にとって有利な状態となる。
また、BNモード中は、遊技状態がBN遊技であって、遊技者が遊技を有利に行うための演出(ベルナビ演出)が行われる状態である。これにより、BNモードでは、ベル入賞に基づく賞メダルの入賞が補助される。このため、BNモード中は、遊技者がベル役の当選に基づく賞メダルを連続的に獲得可能にする遊技者にとって有利な状態となる。さらにBNモード中は、ART突入抽選により高確RT遊技へと繋がるチャンスを手に入れることができる状態でもある。
【0174】
本実施形態では、有利遊技状態となるARTモードに係る制御を行うサブ制御用CPU41aが、有利遊技制御手段として機能する。また、本実施形態では、高確RT遊技の移行に係る制御を行う主制御用CPU40aも有利遊技制御手段として機能しうる。
【0175】
次に、BN遊技(BNモード)中に表示演出、音声演出(楽曲演出)、及び発光演出の各種演出に係るサブ制御用CPU41aが行う処理についてさらに詳しく説明する。
本実施形態のパチスロ10は、BNモード(BN遊技)中、ART継続抽選の抽選結果、又はサブ制御用RAM41cに記憶されている許容回数の有無を示唆する複数種類の示唆演出を実行可能に構成されている。
【0176】
本実施形態では、BNモード中、1回の変動ゲームを対象として、ART継続抽選の抽選結果が肯定(当選)である可能性を示唆する示唆演出として、継続示唆演出を実行させるようになっている。また、本実施形態では、継続示唆演出が行われる1回の変動ゲームを対象として、該継続示唆演出の実行期間中に、ARTモードの許容回数がある可能性を示唆する示唆演出として、許容示唆演出を実行させるようになっている。
【0177】
継続示唆演出は、演出表示装置14において予め定めた内容による動画(ムービー)を画像表示する態様により実行される。具体的に、図10(c)〜(f)に示すように、本実施形態の継続示唆演出は、「キツツキが樹にとまっている様子」、及び「キツツキが樹をつつく様子」をこの順で2回繰り返した後、図10(g)に示すように「キツツキが正面(遊技者側)を見る様子」を模した動画を演出表示装置14に映し出す態様により実行される。また、継続示唆演出は、演出表示装置14に「キツツキが樹をつつく様子」が映し出されるタイミングで、スピーカSPにおいて、例えば「コン」など、キツツキが樹をつつく様子を模した音声を出力する態様で実行される。
【0178】
また、許容示唆演出は、継続示唆演出の実行期間中、MAXBETボタン20が所定態様により操作されたことを条件として、「キツツキが正面を見る様子」を模した動画が表示されている期間に、スピーカSPにおいて予め定めた内容による音声を出力する態様により実行される。具体的に、図10(g)に示すように、本実施形態の許容示唆演出は、スピーカSPにおいて、許容回数があることを確定的に報知する専用の確定音声(例えば「キュインキュイン」など)を出力する態様により実行される。
【0179】
以下、サブ制御用CPU41aが継続示唆演出、及び許容示唆演出を実行させるために実行する具体的な制御内容について説明する。
図10(a),(b)に示すように、サブ制御用CPU41aは、BNモード中、変動ゲームの開始が指示されると、継続示唆演出を実行させるための演出開始処理を実行する。具体的に、演出開始処理において、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている継続抽選フラグに[1]が設定されているか否かを判定する。サブ制御用CPU41aは、継続抽選フラグに[0]が設定されている場合、継続示唆演出及び許容示唆演出の非実行を決定し、開始が指示された今回の変動ゲームにおいて継続示唆演出、及び許容示唆演出を実行させない。
【0180】
一方、サブ制御用CPU41aは、継続抽選フラグに[1]が設定されている場合、継続示唆演出を実行させるか否かの継続示唆演出抽選を実行する。この継続示唆演出抽選は、継続示唆演出の「実行」及び「非実行」の何れかに乱数を振分けて行われる。サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出抽選で「非実行」の結果を導出する場合、継続示唆演出及び許容示唆演出の非実行を決定し、開始が指示された今回の変動ゲームにおいて継続示唆演出及び許容示唆演出を実行させない。
【0181】
一方、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出抽選で「実行」の結果を導出する場合、継続示唆演出の実行を決定する。この場合、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出用の画像表示用データを選択するとともに、該選択したデータをもとに演出表示装置14の表示内容を制御して継続示唆演出を実行させる。また、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出用の音声出力用データを選択するとともに、該選択したデータをもとにスピーカSPの音声出力を制御して継続示唆演出を実行させる。
【0182】
また、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行を決定すると、ST数に示されるストック数から「1」減算して算出される許容回数が「1」以上であるか否かを判定する。サブ制御用CPU41aは、許容回数が「0(零)」である場合、許容示唆演出の非実行を決定し、継続示唆演出の実行期間中に許容示唆演出を実行させない。
【0183】
一方、サブ制御用CPU41aは、許容回数が「1」以上である場合、許容示唆演出の実行を許容することを決定し、継続示唆演出の実行期間中にMAXBETボタン20が所定態様により操作されたか否かを判定するための操作判定処理を実行する。本実施形態では、この操作判定処理を実行するサブ制御用CPU41aが操作判定手段として機能する。
【0184】
具体的に、操作判定処理において、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の開始を契機として、第1操作判定期間(期間t1、例えば3秒)の計測を開始する。また、サブ制御用CPU41aは、第1操作判定期間の計測中、主制御用CPU40aからMAXBETボタン20が押下操作されたことを示すボタン操作コマンドを入力した回数を計数する。
【0185】
次に、サブ制御用CPU41aは、第1操作判定期間が経過すると、該第1操作判定期間において計数されたボタン操作コマンドの入力回数が[0(零)]であるか否かを判定する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、第1操作判定期間において、MAXBETボタン20が押下操作されていないか否かを判定している。
【0186】
サブ制御用CPU41aは、第1操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]以上である場合、許容示唆演出の非実行を決定し、操作判定処理を終了する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中に許容示唆演出を実行させない。
【0187】
一方、サブ制御用CPU41aは、第1操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[0(零)]である場合、第2操作判定期間(期間t2、例えば0.5秒)の計測を開始する。また、サブ制御用CPU41aは、第2操作判定期間の計測中、主制御用CPU40aからボタン操作コマンドを入力した回数を計数する。
【0188】
次に、サブ制御用CPU41aは、第2操作判定期間が経過すると、該第2操作判定期間において計数されたボタン操作コマンドの入力回数が[1]であるか否かを判定する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、第2操作判定期間において、MAXBETボタン20が1回だけ押下操作されたか否かを判定している。
【0189】
サブ制御用CPU41aは、第2操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]ではない場合([0]である場合、又は[2]以上である場合)、許容示唆演出の非実行を決定し、操作判定処理を終了する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中に許容示唆演出を実行させない。
【0190】
一方、サブ制御用CPU41aは、第2操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]である場合、第3操作判定期間(期間t3、例えば3秒)の計測を開始する。また、サブ制御用CPU41aは、第3操作判定期間の計測中、主制御用CPU40aからボタン操作コマンドを入力した回数を計数する。
【0191】
次に、サブ制御用CPU41aは、第3操作判定期間が経過すると、該第3操作判定期間において計数されたボタン操作コマンドの入力回数が[0(零)]であるか否かを判定する。サブ制御用CPU41aは、第3操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]以上である場合、許容示唆演出の非実行を決定し、操作判定処理を終了する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中に許容示唆演出を実行させない。
【0192】
一方、サブ制御用CPU41aは、第3操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[0(零)]である場合、第4操作判定期間(期間t4、例えば0.5秒)の計測を開始する。また、サブ制御用CPU41aは、第4操作判定期間の計測中、主制御用CPU40aからボタン操作コマンドを入力した回数を計数する。
【0193】
次に、サブ制御用CPU41aは、第4操作判定期間が経過すると、該第4操作判定期間において計数されたボタン操作コマンドの入力回数が[1]であるか否かを判定する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、第4操作判定期間において、MAXBETボタン20が1回だけ押下操作されたか否かを判定している。
【0194】
サブ制御用CPU41aは、第4操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]ではない場合([0]である場合、又は[2]以上である場合)、許容示唆演出の非実行を決定し、操作判定処理を終了する。すなわち、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中に許容示唆演出を実行させない。
【0195】
一方、サブ制御用CPU41aは、第4操作判定期間におけるボタン操作コマンドの入力回数が[1]である場合、継続示唆演出の実行期間中にMAXBETボタン20が予め定めた態様(所定態様)により操作されたと判定し、許容示唆演出の実行を決定する。そして、サブ制御用CPU41aは、許容示唆演出の実行を決定する場合、許容示唆演出用の音声出力用データを選択するとともに、該選択した音声出力用データをもとにスピーカSPを制御し、第4操作判定期間が経過してから継続示唆演出が終了する迄の期間t5にかけて許容示唆演出を実行させる。すなわち、本実施形態では、継続示唆演出のうち「キツツキが正面(遊技者側)を見る様子」を模した動画が表示されている期間と、許容示唆演出の実行期間とが対応し、両期間t5は一致又は略一致する。
【0196】
なお、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中(第1〜第4操作判定期間中)、MAXBETボタン20の操作を明示的に促す演出や、第2,第4操作判定期間であることを明示的に報知する演出を演出表示装置14やスピーカSPに実行させないようになっている。したがって、本実施形態の許容示唆演出は、MAXBETボタン20の操作判定期間中であることが明示的に報知されないことから、所謂隠しボタン演出となる。
【0197】
そして、本実施形態では、ART継続抽選に当選していることを条件として継続示唆演出が実行され、さらにARTモードの許容回数があることを条件として許容示唆演出が実行され得る。したがって、許容示唆演出は、該許容示唆演出が実行された状況から、今回のセットのARTモードに継続して、少なくとも2セット分、ARTモードに制御されることを確定的に認識できるARTモード継続確定演出として位置付けられる。
【0198】
また、本実施形態では、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)にMAXBETボタン20が操作されず、且つ第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)にMAXBETボタン20がそれぞれ1回ずつ操作されたことが、許容示唆演出を実行させるために必要な所定の操作態様となる。そして、本実施形態では、この操作態様でMAXBETボタン20が操作されることにより、許容示唆演出の実行条件が成立する。したがって、本実施形態では、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)が継続示唆演出の実行期間に複数設定される有効操作期間となり、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)が継続示唆演出の実行期間に設定される無効操作期間となる。なお、本実施形態において、MAXBETボタン20は、その操作が常に有効に設定されている。このようなことから、第2,第4操作判定期間(操作有効期間)は、MAXBETボタン20の操作が必要な操作必要期間として設定される期間として把握できる一方、第1,第3操作判定期間(操作無効期間)は、MAXBETボタン20の操作をしてはならない操作不要期間として把握できる。
【0199】
また、本実施形態では、継続示唆演出のうち1回目の「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画が表示されている期間と、第1操作判定期間とが対応し、両期間t1は一致又は略一致する。本実施形態では、継続示唆演出のうち1回目の「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画が表示されている期間と、第2操作判定期間とが対応し、両期間t2は一致又は略一致する。また、本実施形態では、継続示唆演出のうち2回目の「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画が表示されている期間と、第3操作判定期間とが対応し、両期間t3は一致又は略一致する。さらに、本実施形態では、継続示唆演出のうち2回目の「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画が表示されている期間と、第4操作判定期間とが対応し、両期間t4は一致又は略一致する。
【0200】
このため、継続示唆演出を構成する動画のうち、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)に対応する「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画は、許容示唆演出の実行条件を成立させるためにMAXBETボタン20を操作するタイミング(期間)を遊技者に示唆する操作示唆演出として把握できる。また、継続示唆演出を構成する動画のうち、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)に対応する「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画は、許容示唆演出の実行条件を成立させるためにMAXBETボタン20を操作してはいけないタイミング(期間)を遊技者に示唆する操作示唆演出として把握できる。
【0201】
以上のように、本実施形態では、演出表示装置14が継続示唆演出実行手段として機能するとともに、スピーカSPが許容示唆演出実行手段として機能する。また、サブ制御用CPU41aは、ARTモードのセットが開始されてから終了する迄の間に、変動ゲームに伴わせて、継続示唆演出を演出表示装置14に実行させる制御を可能に構成される。また、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中、許容示唆演出をスピーカSPに実行させる制御を可能に構成される。したがって、本実施形態では、サブ制御用CPU41aが継続示唆演出制御手段、及び許容示唆演出制御手段として機能する。
【0202】
次に、本実施形態のパチスロ10において、継続示唆演出、及び許容示唆演出が実行される態様について、その一例を図10にしたがって説明する。なお、図10に示す例では、BNモード中において、継続抽選フラグに[1]が設定されているとともに、継続示唆演出の実行が決定され、さらにARTモードの許容回数が「1」以上であるものとする。
【0203】
この場合、演出表示装置14では、変動ゲームの開始に伴って、継続示唆演出用の動画(ムービー)が画像表示され、継続示唆演出が実行される。具体的に、図10(c)に示すように、演出表示装置14では、変動ゲームが開始されると、期間t1にかけて「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画が画像表示される。図10(d)に示すように、演出表示装置14では、期間t1が経過すると、期間t2にかけて「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画が画像表示される。このとき、スピーカSPでは、例えば「コン」など、キツツキが樹をつつく様子を模した音声が出力される。
【0204】
図10(e)に示すように、演出表示装置14では、期間t1,t2が経過すると、期間t3にかけて「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画が画像表示される。そして、図10(f)に示すように、演出表示装置14では、期間t1〜t3が経過すると、期間t4にかけて「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画が画像表示される。このとき、スピーカSPでは、例えば「コン」など、キツツキが樹をつつく様子を模した音声が出力される。
【0205】
その後、図10(g)に示すように、演出表示装置14では、期間t1〜t4が経過すると、期間t5にかけて「キツツキが正面(遊技者側)を見る様子」を模した動画が画像表示される。
【0206】
そして、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)にMAXBETボタン20が1回ずつ操作され、且つ第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)にMAXBETボタン20が操作されなかった場合には、許容示唆演出の実行条件が成立する。この場合、スピーカSPでは、期間t1〜t4の経過後、期間t5にかけて「キュインキュイン」など、ARTモードの許容回数があることを報知する確定音声が出力される。
【0207】
このため、継続示唆演出の実行期間(期間t5)において、許容示唆演出として出力された確定音声を耳にした遊技者(又は、他の遊技者)は、今回のセットのARTモードに継続して、少なくとも2セット分、ARTモードに制御されることを確定的に認識し得る。
【0208】
その一方で、スピーカSPでは、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)にMAXBETボタン20が操作されなかった場合など、許容示唆演出の実行条件が成立しなかった場合、許容示唆演出が実行されない。前述のように、本実施形態では、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)においてMAXBETボタン20が操作された場合や、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)にMAXBETボタン20が2回以上、操作された場合にも、許容示唆演出の実行条件が成立しない。そして、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)は、例えば0.5秒など、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)よりもごく短時間に設定されている。
【0209】
このため、本実施形態のパチスロ10において、許容示唆演出を実行させるためには、MAXBETボタン20を連打操作するのではなく、演出表示装置14に映し出される「キツツキが樹をつつく様子」にあわせて、タイミングよくMAXBETボタン20を操作する必要あり、適度な難易度が設定される。したがって、遊技者は、許容示唆演出が実行された場合、2セット分のARTモードが継続して実行されることに加えて、許容示唆演出の実行条件を成立させることに成功したことを認識し得る。
【0210】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ARTモード中、ART継続抽選で[継続]の結果が導出されている可能性を示唆する継続示唆演出が実行され得るとともに、さらに当該継続示唆演出の実行期間中にMAXBETボタン20が所定の操作態様により操作されたことを条件として、許容回数がある(「1」以上である)可能性を示唆する許容示唆演出が実行され得る。このため、継続示唆演出のみを実行してART継続抽選の結果を示唆するに止まらず、さらに許容示唆演出を実行することで、少なくとも2セットにわたってARTモードが継続される可能性があることを遊技者に認識させ、ARTモードにおける遊技者の興趣を向上させることができる。
【0211】
(2)特に、本実施形態では、ART継続抽選で[継続]の結果が導出されていることを条件として継続示唆演出を実行するとともに、許容回数があることを条件として許容示唆演出の実行を許容している。したがって、遊技者は、許容示唆演出が実行された状況から、今回のセットのARTモードが終了してから少なくとも2セット分、ARTモードに継続して制御されることを確定的に認識できる。したがって、ARTモードの継続に期待を寄せる遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
【0212】
(3)BN役の入賞に基づくBNモード(BN遊技)中に継続示唆演出、及び許容示唆演出が実行されることから、BNモード(BN遊技)を獲得した遊技者の興趣をより一層高めることができる。
【0213】
(4)ARTモードのセットの開始迄にART継続抽選が行われることから、ARTモードのセットの開始から継続示唆演出、及び許容示唆演出を実行させ得る。したがって、継続示唆演出、及び許容示唆演出の実行時期に自由度を与え、演出としての幅を持たせることができる。
【0214】
(5)本実施形態では、スタートレバー22による開始操作を契機とした変動ゲームの開始後、該変動ゲームの進行に影響を与えないMAXBETボタン20の操作に基づき許容示唆演出を実行可能とすることで、許容示唆演出に用いる操作手段と変動ゲームの実行に用いる操作手段とを好適に兼用できる。例えば、停止操作に用いるストップボタン23L,23C,23Rを上記操作手段として兼用した場合には、遊技者が許容示唆演出を実行させる意図で操作した場合であっても図柄が停止され、変動ゲームの進行に影響を与えてしまう。また、スタートレバー22を操作手段として兼用することも考え得るが、この場合には変動ゲーム開始操作と、許容示唆演出を実行させるための操作とを一の操作手段に対して続けて行う必要があり、遊技者を混乱させてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、スタートレバー22とは別のMAXBETボタン20の操作に基づき許容示唆演出を実行させることから、許容示唆演出を実行させるための操作を遊技者に理解させ易くできる。
【0215】
(6)許容示唆演出を実行させるためには、継続示唆演出の実行期間に複数設定される有効操作期間(第2,第4操作判定期間)中に操作手段をそれぞれ1回ずつ操作する必要があり、許容示唆演出を実行させることに成功した遊技者に優越感を感じさせることができる。
【0216】
(7)さらに、本実施形態において、第2,第4操作判定期間(期間t2,t4)は、第1,第3操作判定期間(期間t1,t3)よりもごく短時間に設定されている。このため、本実施形態では、許容示唆演出の実行条件を成立させるために必要なMAXBETボタン20の操作に適度な難易度を設定できる。したがって、本実施形態では、許容示唆演出を実行させることに成功した遊技者に対し、少なくとも2セット分のARTモードが継続されることに加えて、許容示唆演出の実行条件を成立させたことによる優越感を感じさせることができる。
【0217】
(8)継続示唆演出を構成する動画のうち「キツツキが樹をつつく様子」を模した動画は、第2,第4操作判定期間に対応することから、遊技者は、許容示唆演出の実行条件を成立させるためにMAXBETボタン20を操作する必要があるタイミングを把握し得る。また、継続示唆演出を構成する動画のうち「キツツキが樹にとまっている様子」を模した動画は、第1,第3操作判定期間に対応することから、遊技者は、許容示唆演出の実行条件を成立させるためにMAXBETボタン20を操作してはいけないタイミングを把握し得る。したがって、許容示唆演出の実行条件を成立させるための補助を行い、該実行条件を成立させるための難易度が過度に高くなることを抑制している。
【0218】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・ ストック数の決定態様を変更してもよい。例えば、サブ制御用CPU41aは、通常モード中やBNモード中のART突入抽選で[当選]の結果を導出する際、ARTモードのストック数を併せて決定してもよい。この場合、サブ制御用CPU41aは、ST数の設定中におけるストック数の上乗せ抽選を実行しない構成としてもよい。また、サブ制御用CPU41aは、ストック数の上乗せ抽選をARTモード中やBNモード(BN遊技)中にも実行してもよい。
【0219】
・ ART継続抽選の実行タイミングを変更してもよい。例えば、サブ制御用CPU41aは、ARTモードのセットが開始される直前の変動ゲームにおける、ストップボタン23L,23C,23Rのうち最後のボタン操作時にART継続抽選を実行してもよい。すなわち、サブ制御用CPU41aは、一のセットの直前に実行された変動ゲームの終了から該一のセットにおける最初の変動ゲームの開始迄の間にART継続抽選を実行してもよい。
【0220】
・ ART突入抽選の抽選結果(ARTモードへの権利発生の有無)と、ストック数の上乗せ抽選の結果(許容回数)とを異なる情報(フラグなど)としてサブ制御用RAM41cに記憶させてもよい。この場合、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で「当選」の結果を導出する場合に、ARTモードへの移行権利が発生していることを示す情報として[1]を、サブ制御用RAM41cに記憶されているARTフラグに設定してもよい。また、サブ制御用CPU41aは、ストック数の上乗せ抽選で決定した上乗せストック数を、サブ制御用RAM41cに記憶されている許容回数に加算して設定するようにしてもよい。
【0221】
・ ストック数の上乗せ抽選で決定する上乗せストック数を変更してもよい。例えば、サブ制御用CPU41aは[6]以上の上乗せストック数を決定可能に構成してもよい。
・ ARTモード中、残G数に上乗せする変動ゲームの回数を変更してもよい。
【0222】
・ BN役として、ST数の設定中における入賞であるか否かにかかわらずARTモードへの移行権利を発生させるBN役(所謂プレミアムボーナス)を設けてもよい。
・ 許容示唆演出で操作させる操作手段としては、例えばスタートレバー22や、専用に設けたボタン等など、変動ゲームの開始後に、該変動ゲームの進行に影響を与えない操作手段に変更してもよい。
【0223】
・ 許容示唆演出の実行条件を成立させるMAXBETボタン20(操作手段)の操作態様としては、異なる操作態様を設定することもできる。例えば、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間中、MAXBETボタン20の操作が1回だけ操作されたか否かを判定する操作判定期間を1回、又は3回以上設定してもよい。また、例えば、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間に設定される操作判定期間(操作有効期間)中に、MAXBETボタン20が所定回数(例えば30回)以上、操作(連打操作)されたことを条件に許容示唆演出を実行させてもよい。また、サブ制御用CPU41aは、継続示唆演出の実行期間に設定される操作判定期間中に、MAXBETボタン20が継続して操作(長押し操作)された時間が所定時間を超えていること条件に許容示唆演出を実行させてもよい。
【0224】
・ 操作判定処理では、異なる処理によってMAXBETボタン20が所定態様により操作されたか否かを判定してもよい。例えば、サブ制御用CPU41aは、第1〜第4操作判定期間の計測を実行するとともに、操作判定期間毎に区分してボタン操作コマンドの入力回数を計数する。そして、サブ制御用CPU41aは、全ての操作判定期間の経過後、第1,第3操作判定期間にボタン操作コマンドを入力しておらず、且つ第2,第4操作判定期間にボタン操作コマンドを1回ずつ入力しているか否かを判定してもよい。
【0225】
・ 継続示唆演出は、ART継続抽選で[非継続]の結果が導出されている場合にも実行可能としてもよい。また、許容示唆演出は、ARTモードの許容回数がない場合にも実行可能としてもよい。すなわち、継続示唆演出、及び許容示唆演出は、今回のセットに継続してARTモードに制御されることを確定的に報知する確定演出として位置付けなくてもよい。
【0226】
・ 継続示唆演出の実行態様を変更してもよい。例えば、継続示唆演出用の動画として「所定のキャラクタがキセルの灰を落とす様子」を模した動画や、「木こりが樹を切り倒す様子」を模した動画を設定してもよく、動画に代えて静止画を設定してもよい。これに併せて、スピーカSPから出力する音声演出の内容も変更できる。
【0227】
・ 許容示唆演出の実行態様を変更してもよい。例えば、許容示唆演出用の音声として「わはははは〜!」などの笑い声を設定してもよい。また、許容示唆演出は、他の確定演出(例えばボーナス確定演出など)と共用される音声により実行してもよい。
【0228】
・ 継続示唆演出は、演出表示装置14による表示演出に加えて、又は代えてスピーカSPによる音声演出やランプRによる発光演出として実行してもよい。また、許容示唆演出は、スピーカSPによる音声演出に加えて、又は代えて演出表示装置14による表示演出や、ランプRによる発光演出として実行してもよい。
【0229】
・ 継続示唆演出、及び許容示唆演出の実行時期を変更してもよい。例えば、継続示唆演出、及び許容示唆演出は、ARTモードにおける変動ゲーム中に実行させてもよい。また、継続示唆演出、及び許容示唆演出は、変動ゲームが終了してから次の変動ゲームが開始する迄の間に実行させてもよい。
【0230】
・ 継続示唆演出、及び許容示唆演出は、ARTモード、又はBNモードにおける複数回の変動ゲームに跨って実行させてもよい。
・ ARTモードの突入までの演出状態の移行の仕様を変更してもよく、例えば、通常モードにおける規定回数の変動ゲームの経過を条件に、準備モードに移行することで、ARTモードへの移行を許容する状態を生起し、その後の特殊SINこぼしを契機にARTモードに移行される仕様にすることもできる。
【0231】
・ ARTモードに制御する期間は、ベルナビ演出の回数により設定することもできる。この場合には、遊技期間を延長させるために各種ナビ演出の回数を上乗せさせてもよい。また、ARTモードに制御する期間は、時間により設定することもできる。
【0232】
・ 高確RT遊技に係るARTモード中は、遊技者にとって有利であればよく、例えば、リプレイ役の合算の当選確率を他の遊技状態とほとんど変わりなく設定することもできる。この場合、有利遊技状態では、ベルナビ演出が行われる仕様であれば遊技者にとって有利となりうる。
【0233】
・ 遊技状態の構成を任意に変更してもよく、RT性能の異なる一般遊技の種類を増やすこともできる。
・ 低確RT遊技及び高確RT遊技間の移行の契機として賞メダルの払い出しを定める図柄の組み合わせを設定することもできる。
【0234】
・ 演出表示装置14を設けないパチスロに適用することもできる。この場合には、ランプRの発光演出により演出状態を遊技者に報知したり、各演出状態用の専用ランプを設けてこれらを点灯させて演出状態を遊技者に報知したり、スピーカSPの音声演出により演出状態を遊技者に報知したりしてもよい。また、この場合には、ランプRやスピーカSPなどにより各種ナビ等の各種演出を行わせてもよい。
【0235】
・ BN遊技の終了を、入賞回数のみで規定することもできるし、実行回数のみで規定することもできる。また、BN役の種類を増やすこともできるし、BN役としてチャレンジタイム(所謂、「CT」)としてもよい。
【0236】
・本実施形態は、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0237】
(イ)前記継続判定手段は、前記一の単位期間の直前に実行された変動ゲームの終了から該一の単位期間における最初の変動ゲームの開始迄の間に、該一の単位期間の経過後も継続して前記有利遊技状態に制御することを許容するか否かを判定する。
【0238】
(ロ)前記継続示唆演出制御手段は、前記変動ゲームに伴わせて前記継続示唆演出を実行させる制御を可能に構成され、前記操作手段は、前記開始操作をするための開始操作部とは別に設けられ、前記変動ゲームの賭数を設定する際に操作される賭数設定操作部である。
【0239】
(ハ)前記操作判定手段は、前記継続示唆演出の実行期間に複数設定される有効操作期間中に前記操作手段がそれぞれ1回ずつ操作されたか否かを判定する。
【符号の説明】
【0240】
SP…スピーカ(許容示唆演出実行手段)、10…パチンコ式スロットマシン(遊技機)、13…ドラムユニット(図柄表示手段)、14…演出表示装置(継続示唆演出実行手段)、20…MAXBETボタン(操作手段、賭数設定操作部)、22…スタートレバー(開始操作部)、40…主制御基板、40a…主制御用CPU(当選役決定手段、特別遊技制御手段)、41…サブ制御基板、41a…サブ制御用CPU(回数決定手段、継続判定手段、継続制御手段、継続示唆演出制御手段、操作判定手段、許容示唆演出制御手段)。
図1
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