(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記経路探索手段は、前記利用規則に適合していない経路が前記利用規則に適合するように再探索を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
前記利用規則は、一定期間、特定の区間を繰り返し移動することを対象とする規則、および、都度移動することを対象とした規則、のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの概略ブロック図である。情報処理システムは、管理者用端末装置1、申請者用端末装置2およびサーバ3を備えており、これらはネットワーク4を介して通信可能である。このネットワーク4は有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0014】
管理者用端末装置1は、交通費の管理者が利用するものであり、例えば会社内に設けられるパーソナルコンピュータである。管理者用端末装置1は、通信部11と、制御部12とを有する。
【0015】
通信部11は、ネットワーク4を介して、制御部12とサーバ3との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0016】
制御部12は、操作入力部121と、表示部122と、規則設定部123とを有する。
【0017】
操作入力部121は管理者が管理者用端末装置1に操作を入力するためのインターフェースであり、キーボードやマウス等である。
【0018】
表示部122は管理者用端末装置1から管理者へ各種情報を表示する、例えば液晶ディスプレイである。表示部122は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)、より具体的には、後述する交通費規則を設定するためのGUI等を表示する。なお、表示部122は、管理者用端末装置1の外部に設けられる外付けディスプレイであってもよい。
【0019】
規則設定部123は、管理者による操作入力部121への操作により、交通費規則の設定を受け付ける。設定された交通費規則は、通信部11からネットワーク4を介して、サーバ3へ送信される。本実施形態における交通費規則は、本情報処理システムを利用する会社によって定められた、自宅と会社との間の通勤に関する規則であり、詳細については後述する。
【0020】
次に、申請者用端末装置2について説明する。
【0021】
申請者用端末装置2は、会社の従業員すなわち交通費の申請者が利用するものであり、例えば会社内に設けられるパーソナルコンピュータである。1人の従業員につき1台の申請者用端末装置2を用いてもよいし、複数の従業員が1台の申請者用端末装置2を共有してもよい。後者の場合、例えば従業員が各自に固有のIDとパスワードを用いて申請者用端末装置2にログインして、申請を行えばよい。また、申請者用端末装置2は、各自が利用する携帯電話、スマートフォンもしくはタブレット端末装置等のモバイル電子機器でもよい。
【0022】
通信部21は、ネットワーク4を介して、制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0023】
制御部22は、操作入力部221と、出力部222と、探索条件設定部223と、交通費申請部224とを有する。
【0024】
操作入力部221は、申請者が申請者用端末装置2に操作を入力するためのインターフェースである。例えば申請者用端末装置2がパーソナルコンピュータである場合、操作入力部221はキーボードやマウス等である。また、申請者用端末装置2がモバイル電子機器である場合、操作入力部221はタッチパネルやタッチパッド、マイク等である。
【0025】
出力部222は申請者用端末装置1から申請者へ各種情報を表示するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイである。出力部222は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI、より具体的には、自宅および会社の位置に応じた探索条件を設定したり、交通費を申請したりするためのGUI等を表示する。あるいは、出力部222は、各種情報を音声で出力するスピーカであってもよいし、印字するプリンタであってもよい。また、出力部222は、外部に接続される表示手段に映像信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される音声再生手段に音声信号を出力するものであってもよい。
【0026】
探索条件設定部223は、申請者による操作入力部221への操作を介して、探索条件の設定を受け付ける。具体例として、自宅を出発地に、会社を目的地にそれぞれ設定する。なお、探索条件を設定する段階において、申請者が会社の交通費規則を意識する必要はなく、簡易に設定できる。設定された探索条件を含む探索要求が、通信部21からネットワーク4を介して、サーバ3へ送信される。
【0027】
交通費申請部224は、申請者による操作入力部221への操作を介して、サーバ3により探索された経路のうちのいずれかの経路を、通勤費の申請として受け付ける。この申請は、通信部21からネットワーク4を介して、サーバ3へ送信される。
【0029】
サーバ3は、例えば本情報処理システムの提供者が有するコンピュータである。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。
【0030】
通信部31は、ネットワーク4を介して、制御部33と管理者用端末装置1、および、制御部33と申請者用端末装置2との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0031】
記憶部32は、交通費規則データベース321と、経路ネットワークデータベース322とを記憶する。
【0032】
交通費規則データベース321は管理者用端末装置1の規則設定部123に設定された交通費規則の情報である。
【0033】
経路ネットワークデータベース322は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報として、各リンクの長さ等を含む。
【0034】
なお、記憶部32は必ずしもサーバ3内に設けなくてもよく、ネットワーク4を介して接続される別個の装置内に設けてもよい。
【0035】
制御部33は、情報取得部331と、探索要求受信部332と、経路探索部333と、判定部334と、承認部335とを有する。
【0036】
情報取得部331は、記憶部32の交通費規則データベース321から交通費規則の情報を取得するとともに、経路ネットワークデータベース322から経路ネットワーク情報を取得する。
【0037】
探索要求受信部332は、申請者用端末装置2から送信される探索要求を、ネットワーク4を介して通信部31から受信する。この探索要求には、探索条件設定部223で設定された探索条件が含まれている。
【0038】
経路探索部333は、情報取得部331が取得した経路ネットワーク情報を用い、探索条件に基づいて経路探索を行って、1以上の経路情報を生成する。経路情報は、例えば出発地から目的地までの移動手段や移動距離、移動に要する時間および料金等の情報を含む。
【0039】
判定部334は、情報取得部331が取得した交通費規則の情報を参照し、経路情報のそれぞれについて、交通費規則に適合しているか否かを判定する。
【0040】
経路探索部333により探索された経路情報および判定部334による判定結果は、通信部31からネットワーク4を介して、申請者用端末装置2に送信される。
【0041】
承認部335は申請者用端末装置2から申請された交通費の承認を行う。
【0042】
以上に説明した情報処理システムは、運用に先立って、交通費規則が設定されている必要がある。まずはこの点について説明する。
【0043】
図2は、交通費規則設定画面の一例を示す図であり、管理者用端末装置1の表示部122に表示されるものである。また、
図3は、交通費規則が設定された画面の一例を示す図である。
【0044】
図2の画面に従って、管理者は交通費規則を設定する。例えば、各交通機関の利用可否、および、利用可能な(利用が認められる)距離の下限を設定する。より具体的には、交通費規則上バスの利用が認められている場合、「バスの利用」欄のチェックボックスをチェックする。さらに、徒歩での移動距離(例えば自宅からバス停あるいはバス停から会社までの距離)が何km以上であれば利用を認められているかを入力する。
図3では、徒歩での移動距離が3km以上である場合に、バスの利用が認められる例を示している。
【0045】
以下、新幹線や特急、自転車、マイカーおよびタクシーの利用について、同様の設定を行う。また、鉄道等を用いる場合に、定期券の上限値を設定できてもよい。以上により、
図3に示すような交通費規則が規則設定部123に設定される。設定が完了すると、管理者は同画面の「設定完了」ボタンを選択することにより、交通費規則がサーバ3へ送信され、交通費規則データベース321として記憶部32に記憶される。
【0046】
もちろん
図2および
図3は交通費規則の一例にすぎず、より詳細に交通費規則を定めてもよい。例えば、役職に応じた交通費規則を定められるようにしてもよい。
【0047】
なお、交通費規則設定画面の初期状態として、
図2に示すように各欄を空欄にしておいてもよし、所定の初期値を入れておいてもよい。そして、管理者により設定されない欄については、この初期値を交通費規則として用いてもよい。初期値は、例えば国税庁のような公的機関が定める基準値や、会社からの支給にあたって非課税な値であることが望ましい。
【0048】
具体例として、従業員がマイカーで通勤する場合、通常の給与に加算して支給される通勤手当は、一定の限度額までは非課税となる。この限度額は、国税庁が「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」として法令に定めている。これによると、移動距離が2km未満の場合にマイカーを利用すると全額課税対象となる。よって、マイカーが利用可能となる移動距離下限の初期値を2km以上に設定しておいてもよい。その他、同庁が定める「電車・バス通勤者の通勤手当」が定める値を初期値として用いてもよい。
【0049】
続いて、サーバ3の記憶部32に交通費規則が設定された後の、本情報処理システムの処理動作について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、申請者は申請者用端末装置2の探索条件設定部223に探索条件を設定する(ステップS11)。探索条件は少なくとも出発地および目的地を含む。出発地に自宅の最寄駅(バス停等も含む、以下自宅側最寄駅と呼ぶ)を、目的地に会社の最寄駅(バス停等も含む、以下、会社側最寄駅と呼ぶ)をそれぞれ設定し、自宅側最寄駅から会社側最寄駅への経路を探索してもよい。あるいは、出発地に自宅の住所を設定し、目的地に会社の住所を設定し、自宅から自宅側最寄駅までの経路、および、会社側最寄駅から会社までの経路も含めて、経路を探索してもよい。設定された探索条件を含む探索要求は、通信部21からネットワーク4を介して、サーバ3へ送信される。
【0051】
サーバ3の探索要求受信部332が探索要求を受信すると、経路探索部333は、経路ネットワーク情報および探索条件を用いて、出発地から目的地までの経路を探索する(ステップS21)。本実施形態において、経路探索部333は交通費規則を参照せずに経路探索を行う。そのため、探索により得られた経路は、必ずしも交通費規則に適合しているとは限らない。
【0052】
そこで、判定部334は、交通費規則の情報を参照し、得られた経路情報のそれぞれについて、交通費規則に適合しているか否かの交通費規則適合判定を行う(ステップS22)。例えば
図3の交通費規則が設定されている場合、探索された経路のうち、バスを利用する経路であってその移動距離が3km未満である経路や、新幹線を利用する経路であってその移動距離が50km未満である経路、月額定期券代が30,000円を超える経路等について、判定部334は交通費規則に適合していないと判定する。
【0053】
上記の経路探索結果および判定結果は、サーバ3の通信部31からネットワーク4を介して、申請者用端末装置2へ送信される(ステップS23)。そして、これらは申請者用端末装置2の出力部222から出力される(ステップS12)。
【0054】
図5は、経路探索結果および判定結果を示す出力画面の一例を示す図である。同図は、交通費規則に適合する経路が探索された例である。交通費規則に適合する経路については、「申請」ボタン51が合わせて表示される。これにより、申請者は当該経路が交通費規則に適合していることを識別できる。もちろん、複数の経路が探索されることもある。この場合は複数の経路が出力され、交通費規則に適合する経路については、「申請」ボタン51が合わせて表示される。交通費規則に適合する経路については、「交通費規則に適合した経路です」といったテキスト情報や丸印などを表示して交通費規則に適合しているか否かを識別できるようにしてもよい。
【0055】
出力された経路のうち、申請者が望む経路が交通費規則に適合している場合、経路を再探索する必要はない(ステップS13のNO)。この場合、申請者は望む経路に対応する「申請ボタン」51を選択することで、交通費申請部224に当該経路が設定され、この経路がサーバ3に送信される(ステップS14)。そして、サーバ3の承認部335は、この申請を承認してその旨を申請者用端末装置2へ送信する(ステップS25)。そして、申請が承認されたことが申請者用端末装置2の出力部222に出力される(ステップS15)。なお、承認はサーバ3の承認部335に限らず、承認者用端末装置に承認部を設けて承認処理を行ってもよい(図示せず)。必要に応じて、サーバ3は申請者と通勤経路および交通費の情報をサーバ3内に記憶してもよいし、管理者用端末装置1に通知してもよい。
【0056】
図6は、経路探索結果および判定結果を示す出力画面の別の例を示す図である。同図は、交通費規則に適合しない経路が探索される例である。すなわち、
図3に示すように、バスを利用する条件は移動距離が3km以上であるのに対し、本経路では、1.5kmの移動にバスを利用している。
図6では、当該バスを利用する区間を四角で囲んで表示しており、これにより申請者はこの区間が交通費規則に適合していないことが分かる。
【0057】
交通費規則に適合しない経路については、「申請」ボタンを表示せず、「この経路は交通費規則に適合していません」という注意書き52やバツ印53を表示する。これにより、申請者は当該経路が交通費規則に適合していないことを識別できる。
【0058】
なお、探索された経路の一部の区間が交通費規則に適合しない場合に、当該経路が利用規則に適合していない旨を表示してもよいし、適合している区間としていない区間とを識別できるように表示してもよい。
【0059】
出力された経路のうち、申請者が望む経路が交通費規則に適合していない場合、経路を再探索する必要がある(ステップS13のYES)。この場合、経路全体を再探索するのではなく、適合していない区間のみを再探索してもよい。例えば、
図6の場合、上述のバス区間を再探索すればよい。そこで、本画面には、交通費規則に適合するよう、バス区間を「徒歩ルートに変更」もしくは「自転車ルートに変更」という選択肢が表示されている。
【0060】
これに応じて、申請者はいずれかの変更を指定し、「再探索」ボタン53を選択する。これにより、当該区間を徒歩または自転車で移動するという条件が探索条件に追加設定され、サーバ3に送信される。そして、経路探索部333は、追加の条件を考慮して、再度経路探索を行う(ステップS24)。これにより、
図6のバス区間が徒歩または自転車に変更された経路が探索され、探索結果は申請者用端末装置2へ送信され(ステップS23)、出力部222から出力される(ステップS12)。以下、上述のステップS14,S25およびS15の処理が行われる。
【0061】
なお、
図5および
図6は簡略化した出力画面の例を示しているが、その他、通勤定期代や、適切な出発時刻および到着時刻等の情報をさらに表示して、申請者の利便性向上を図ってもよい。
【0062】
このように、第1の実施形態では、予め交通費規則を設定しておき、探索された経路が交通費規則に適合しているか否かを判定する。そして、探索された経路情報と判定結果とを表示する。よって、適切な経路候補を申請者に提示でき、申請者は簡易に交通費規則に適合している交通費を申請することができる。また、交通費規則に適合している交通費が申請されるため、承認のミスを防ぐことができる。
【0063】
なお、本実施形態では、交通費規則に適合している経路についてのみ交通費を申請できるようにした。しかしながら、申請者用端末装置2からは、いずれの経路についての申請をできるようにしておいてもよい。そして、サーバ3の承認部335で、適合している場合には承認し、適合してない場合には否認するとともに適合していない区間を確認できるような情報を申請者用端末装置2に送信してもよい。なお、承認部335で承認処理せず、承認者用端末装置に承認部を設けて承認者が承認処理を行ってもよい。さらに、交通費規則に適合していない内容で申請された場合のみ、サーバ3の承認部335において承認処理は行わず、予め設定してある承認者用端末装置で承認処理をしてもよい(図示せず)。また、申請の際、交通費規則に適合していないが、病気やけが等の特段の事情によって交通費規則で定められている距離では不都合が生じる等の理由や診断書などの書面を付することができ、承認者はその理由から承認・否認することができるようにしてもよい。
【0064】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は、経路探索を行ったあと、各経路が交通費規則に適合しているか否かを判断するものであった。これに対し、以下に説明する第2の実施形態は、交通費規則に適合するよう経路探索を行うものである。
【0065】
本実施形態に係る情報処理システムの概略構成は、
図1とほぼ同様なので、図示を省略する。相違点として、サーバ3の経路探索部333は、申請者用端末装置2に設定される探索条件に加え、記憶部32に記憶されている交通費規則の情報を考慮して、経路探索を行う。なお、本実施形態においてはサーバ3の判定部334を省略してもよい。
【0066】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図4と同様の処理動作には同じ符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0067】
探索要求がサーバ3に到達すると、経路探索部333は、経路ネットワーク情報および探索条件を考慮し、交通費規則に適合する出発地から目的地までの経路を探索する(ステップS21)。例えば
図3の交通費規則を考慮すると、移動距離が3km未満の区間は、バス、自転車、マイカーおよびタクシーのいずれも利用せず、徒歩で移動することとする。移動距離が3km以上5km未満の区間は、自転車、マイカーおよびタクシーのいずれも利用せず、徒歩およびバスのいずれかで移動することとする。
【0068】
このように探索を行うことで、交通費規則に適合した経路が探索され、このような経路のみが申請者用端末装置2の出力部222から出力される(ステップS12)。以下、第1の実施形態と同様のステップS14,S25およびS15の処理が行われる。
【0069】
このように、第2の実施形態では、予め定められた交通費規則に適合した経路を探索する。そのため、交通費規則に適合した適切な経路候補を申請者に提示でき、申請者は簡易に交通費規則に適合している交通費を申請することができる。また、交通費規則に適合している交通費が申請されるため、承認のミスを防ぐことができる。
【0070】
なお、上述した各実施形態では、交通費規則として、自宅から会社までの通勤に関する規則について説明した。より一般的には、1か月や6か月など一定期間、特定の区間を繰り返し移動することを対象とする交通費規則(いわゆる定期券についての交通費規則)を規則設定部123に設定することができる。また、社用で会社から営業先へ移動する場合のように、都度移動することを対象とする交通費規則(いわゆる交通費精算あるいは仮払いについての交通費規則)を規則設定部123に設定してもよい(
図8)。
【0071】
また、役職に応じた交通費規則を定めておいてもよい。この場合、申請者用端末装置2にログインする際のID等から申請者の役職を自動で判断して探索条件に設定してもよいし、申請者自ら探索条件に設定してもよい。これにより、役職に応じた経路を選択できる。申請者用端末装置2から、申請者自身の交通費を申請するだけでなく、他人の交通費を代理で申請してもよい。この場合、本来の申請者の役職を探索条件に設定することで、手違いを防止できる。
【0072】
上記の交通費規則は、必ずしも会社により定められるものでなくてもよく、本人格を有する団体や個人事業者等の幅広い組織における交通費規則について適用できる。
【0073】
さらに、必ずしも交通費規則に関するものでなく、所定区間を移動する際の交通機関の利用規則を規則設定部123に設定してもよい。例えば通学に関する規則として、自転車を利用可能な距離、バイクを利用可能な距離等を定めてもよい。この場合、
図1の交通費申請部224を省略してもよい。
【0074】
また、
図1の構成は一例であり、サーバ3内の構成要件の一部が管理者用端末装置1あるいは申請者用端末装置2内にあってもよい。あるいは、管理者用端末装置1および申請者用端末装置2を共通化して、ログインする際のIDに基づいて管理者用と申請者用とを区別してもよい。さらに、スタンドアローン構成として、管理者用端末装置1内の各部、申請者用端末装置2内の各部およびサーバ3内の各部を、1つの情報処理装置内に設けてもよい。また、管理者用端末装置1の承認部335を省略し、代わりに承認部を有する承認者用端末装置をさらに用いて情報処理システムを構成してもよい。
【0075】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0076】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0077】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。