(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記監視用端末は、操作者による操作入力を受け付ける操作手段を更に備え、前記操作手段にて、前記カメラの撮影状態を変更する入力操作が行われた際に、操作信号を前記カメラサーバに送信し、
前記カメラサーバは、この操作信号に基づいて前記カメラの撮影状態を変更することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の作業画像監視システム。
前記カメラサーバは、画像データの圧縮率を変更する機能を備え、前記カメラから送信される画像データの通信速度を求め、求めた通信速度が予め設定した閾値速度よりも遅い場合には、前記カメラから送信される画像データの圧縮率を上昇させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の作業画像監視システム。
前記カメラサーバは、作業者の周囲データを検出するセンサを備え、該センサで検出される検出データを、リアルタイムで前記監視用端末に送信することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の作業画像監視システム。
前記センサは、赤外線センサ、磁気センサ、温度センサ、音センサ、紫外線センサ、風速センサ、焦電センサ、転倒センサ、及び放射線センサのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項6に記載の作業画像監視システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された従来例では、ヘルメットに装着されたカメラで撮影した画像データを専用の通信回線を用いて親器に送信する方式を採用するので、専用の通信機器を有するもの以外には、画像データを受信することができず、汎用性に劣るという欠点がある。
【0007】
また、カメラで撮影した画像データをネットワークを介して送信し、該ネットワークに接続された端末機で画像データを受信して、作業者と離れた位置でカメラで撮影した画像を確認するという手法を採用する場合には、画像データを管理する管理サーバが必要となる。この場合、ネットワークに接続する管理サーバは、電源のオン状態を維持する必要があり、カメラによる撮影が行われていない場合でも管理サーバの電源を遮断することができない。
【0008】
即ち、ネットワークに接続される管理サーバは電源を遮断するとIPアドレスが変更されるので、次回管理サーバの電源をオンとした際に、新たなIPアドレスを設定して再起動するまでに長時間を要してしまい、再起動時にカメラ側と画像監視側との間の通信ができなくなる。そして、この問題を回避するために管理サーバの電源を常時オンとすると、カメラによる撮影が行われていない場合でも管理サーバの電源のオン状態が継続されるので、消費電力の問題やセキュリティ上の問題が生じるという欠点があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、作業者による作業状況を作業者から離れた場所でリアルタイムで監視することができ、且つ、カメラサーバの電源のオンオフを操作することが可能な作業画像監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、作業者が装着するカメラで撮影した画像を、前記作業者から離れた位置で監視する作業画像監視システムにおいて、前記作業者に装着されるカメラサーバと、前記作業者に装着され前記カメラサーバとの間でデータ通信が可能とされたモバイルルータと、通信手段を介して少なくとも一つの前記モバイルルータと通信する監視用端末と、を有し、前記カメラサーバは、固定IPを有し、且つ、前記カメラで撮影された画像を記憶する画像記憶手段と、前記モバイルルータとの間で通信を行うカメラサーバ用通信部と、を備え、前記モバイルルータは、前記カメラサーバとの間で通信を行うモバイル用第1通信部、及び前記通信手段を介して前記監視用端末との間で通信を行うモバイル用第2通信部を備え、前記監視用端末は、前記通信手段を介して前記モバイルルータとの間で通信を行う監視端末用通信部と、前記カメラサーバより送信される画像を表示する表示手段と、を備え
、前記カメラサーバと前記モバイルルータとが別体として構成されており、前記通信手段は、インターネット、及び該インターネットに接続された基地局を有し、前記モバイル用第2通信部は、所定の通信方式により、前記基地局との間で無線通信が可能とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記カメラで撮影された画像は、リアルタイムにて前記監視用端末に送信されることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記監視用端末は、操作者による操作入力を受け付ける操作手段を更に備え、前記操作手段にて、前記カメラの撮影状態を変更する入力操作が行われた際に、操作信号を前記カメラサーバに送信し、前記カメラサーバは、この操作信号に基づいて前記カメラの撮影状態を変更することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記カメラサーバは、一定の時間間隔で静止画像を前記監視用端末に送信することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記カメラサーバは、画像データの圧縮率を変更する機能を備え、前記カメラから送信される画像データの通信速度を求め、求めた通信速度が予め設定した閾値速度よりも遅い場合には、前記カメラから送信される画像データの圧縮率を上昇させる制御を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記カメラサーバは、作業者の周囲データを検出するセンサを備え、該センサで検出される検出データを、リアルタイムで前記監視用端末に送信することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記センサは、赤外線センサ、磁気センサ、温度センサ、音センサ、紫外線センサ、風速センサ、焦電センサ、転倒センサ、及び放射線センサのうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
【0018】
請求項
8に記載の発明は、前記カメラサーバのカメラサーバ用通信部と、前記モバイル用第1通信部は、LAN通信によりデータの送受信が行われることを特徴とする。
【0019】
請求項
9に記載の発明は、前記カメラサーバのカメラサーバ用通信部と、前記モバイル用第1通信部との間の通信は、電線により接続される有線通信であることを特徴とする。
【0020】
請求項
10に記載の発明は、前記カメラは、作業者が着用するヘルメット、または、作業者が着用する上着のいずれかに設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る作業画像監視システムでは、カメラで撮影した画像データをリアルタイムで監視用端末に送信するので、管理者はリアルタイムで作業者が撮影した画像を認識することができる。また、作業者が装着するカメラサーバが固定IPを有するので、カメラサーバの電源を遮断した場合であってもIPアドレスが変更されることがなく、IPアドレスの変更に長時間を要する等の問題の発生を回避することができる。
【0022】
更に、カメラサーバとモバイルルータが別体として構成され、これらが無線、又は有線で接続される。従って、モバイルルータと監視用端末との間の通信手段が変更された場合でも、モバイルルータの規格を変更することにより対応することができ、カメラサーバ自体の規格を変更する必要が無いので、システムの設置場所に応じて通信手段の規格が変更される場合であっても、簡単な変更操作で規格の変更に対応することができる。
【0023】
また、カメラサーバから監視用端末に画像データを送信する際の、時間間隔が一定時間となるように制御することにより、管理者に対して違和感のない画像を提供することができる。
【0024】
更に、カメラで撮影した画像をカメラサーバへ送信する際の圧縮率を変更するので、画像データのデータ量が多い場合でも、一定時間間隔で画像データを送信することができ、ひいては、一定の時間間隔で監視用端末に画像データを送信することが可能となる。
【0025】
また、カメラサーバにセンサを設け、該センサで検出される検出データをリアルタイムで監視用端末に送信するので、監視用端末を操作する管理者は、作業者周囲の画像データに加えて、周囲環境に関する情報を取得することができ、作業者に対する安全性をより確実に管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1,第2実施形態に係る作業画像監視システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この作業画像監視システムは、作業者が携行するカメラサーバ11と、やはり作業者が携行しカメラサーバ11とLAN通信で接続されるモバイルルータ12と、インターネット(通信手段)15を介してモバイルルータ12と接続される監視用コンピュータ(監視用端末)13と、インターネット15とモバイルルータ12との間に設けられる基地局14と、を備えている。なお、
図1では、監視用コンピュータ13に対して一つのモバイルルータ12が接続される例について示しているが、監視用コンピュータ13は、複数のモバイルルータ12に接続することが可能である。
【0029】
図2は、作業者Pにカメラ21、カメラサーバ11、及びモバイルルータ12が装着される様子を示す説明図であり、図示のように作業者Pが着用するヘルメットにカメラ21が取り付けられ、更に、カメラ21は、作業者Pの胸付近に装着されるカメラサーバ11と接続されている。また、作業者Pの腰付近にはモバイルルータ12が装着されている。
【0030】
図1に示すように、カメラサーバ11は、総括的な制御を行うCPU111と、カメラ21で撮影された画像を取得するインターフェース112と、電源のオン、オフ操作等を行う操作部113と、カメラサーバ11の制御プログラムを記憶するROM114と、カメラサーバ11による演算処理に用いる各種のデータを格納するRAM115と、カメラ21で撮影される画像データを記憶するストレージ(画像記憶手段)116と、モバイルルータ12との間でLAN通信を行う通信部(カメラサーバ用通信部)117と、を備えている。更に、該カメラサーバ11は、バッテリ22と接続されており、該バッテリ22より電力が供給されて作動する。
【0031】
カメラサーバ11は、監視用コンピュータ13がインターネット15を介してアクセスする場合のIPアドレスが固定化されている。従って、カメラサーバ11の電源をオフとした場合で、次回電源をオンとした場合にIPアドレスが変更されることはない。即ち、ネットワークに接続される一般的なWEBサーバは、電源がオフとされるとIPアドレスが消去されるので、次回WEBサーバの電源をオンとする場合には、DNS(Domain Name System)サーバにアクセスして新たなIPアドレスを取得する必要があり、この処理に長時間を要することがある。しかし、本実施形態ではIPアドレスが固定化されたカメラサーバ11を用いているので、カメラサーバ11の電源をオフとした場合でもIPアドレスが変更されることはなく、この変更に長時間を要することも無い。
【0032】
また、モバイルルータ12は、総括的な制御を行うCPU121と、モバイルルータ12の制御プログラムを記憶するROM122と、モバイルルータ12による演算処理に用いる各種のデータを格納するRAM123と、カメラサーバ11との間でLAN通信を行う通信部(モバイル用第1通信部)124と、基地局14との間で通信を行う通信部(モバイル用第2通信部)125と、を備えている。更に、該モバイルルータ12は、バッテリ23と接続されており、該バッテリ23より電力が供給されて作動する。
【0033】
ここで、通信部125と基地局14との間は、ワイマックス等の3.5世代以降の通信方式(所定の通信方式)の移動通信システムを採用している。
【0034】
監視用コンピュータ13は、インターネット15に接続されており、総括的な制御を行うCPU131と、カメラサーバ11より送信される画像等の各種のデータを画面表示するディスプレイ(表示手段)132と、操作者による各種の入力操作を受け付ける操作部(操作手段)133を備えている。更に、監視用コンピュータ13の制御プログラムを記憶するROM135と、監視用コンピュータ13による演算処理に用いる各種のデータを格納するRAM136と、カメラサーバ11より送信される画像データ等の各種のデータを記憶するストレージ134と、インターネット15を介して通信を行う通信部(監視端末用通信部)137と、を備えている。
【0035】
なお、
図1に示す例では、カメラサーバ11とモバイルルータ12が無線通信(LAN通信)により接続されてデータの送受信を行う例を示しているが、両者が電線により接続されて(即ち、有線により接続されて)データの送受信を行うようにしても良い。
【0036】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る作業画像監視システムの動作を、
図3〜
図5に示すシーケンス図を参照して説明する。
図3は、作業者Pによる操作入力と、カメラサーバ11、及びカメラ21との間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図であり、カメラ21による周辺画像の撮影を行う場合の動作を示している。
【0037】
初めに、ステップS11において、作業者Pは、操作部113を操作することにより、カメラ21により撮影される画像の取り込みをオンとする指令をカメラサーバ11に入力する。
【0038】
ステップS12において、カメラサーバ11は、カメラ21に対して画像の取り込み開始指令信号を出力する。
【0039】
ステップS13において、カメラ21で撮影された画像データがカメラサーバ11に送信され、ステップS131において、カメラサーバ11は、送信された画像を圧縮してストレージ116に保存する。この処理は、所定時間が経過する毎に実行される。
【0040】
即ち、作業者Pにより操作部113にて画像取り込み用の操作信号が入力されると、カメラサーバ11は、この操作信号に基づいてカメラ21で撮影された画像を予め設定された時間間隔で取り込み、取り込んだ画像をストレージ116に記憶する。従って、ストレージ116には、カメラ21により所定時間間隔で撮影された画像が保存されることとなる。
【0041】
ステップS14において、作業者Pが操作部113を操作することにより、カメラ21により撮影される画像の取り込みをオフとする指令をカメラサーバ11に出力すると、ステップS15において、画像取り込み停止信号がカメラ21に送信され、画像の取り込みが終了する。
【0042】
即ち、作業者Pが操作部113にて画像取り込み、及び取り込み停止の操作信号を入力することにより、カメラ21による画像の撮影、停止を切り替えることができる。
【0043】
次に、
図4に示すシーケンス図を参照して、カメラ21で撮影された画像を監視用コンピュータ13にて閲覧する際の処理手順について説明する。
図4は、監視用コンピュータ13を操作する管理者の操作入力と、監視用コンピュータ13、及びカメラサーバ11との間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。
【0044】
初めに、ステップS21において、管理者は、監視用コンピュータ13にて、画像閲覧用のアプリケーションを開く。次いで、ステップS22において、操作部133にてカメラサーバ11のアドレスを入力する。
【0045】
ステップS221において、監視用コンピュータ13は、インターネット15、基地局14、及びモバイルルータ12を経由して、カメラサーバ11にアクセスし、該カメラサーバ11との間での通信を開始する。
【0046】
ステップS222において、カメラサーバ11は、監視画面を送信し、ステップS223において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11より送信された監視画面をディスプレイ132に表示する。
【0047】
その後、ステップS23において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11に対して新規画像ファイルのファイル名を要求し、ステップS231において、カメラサーバ11は、新規画像ファイルのファイル名を送信する。その結果、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11に保存された新規画像のファイル名を認識することができる。
【0048】
ステップS24において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11に対して新規画像ファイルを要求する。この要求を受けて、ステップS241において、カメラサーバ11は、ストレージ116に記憶されている新規画像ファイルを監視用コンピュータ13に送信する。その後、ステップS242において、監視用コンピュータ13は、送信された新規画像ファイルに含まれる画像をディスプレイ132に表示する。そして、ステップS23〜S242の処理を繰り返す。
【0049】
こうして、カメラサーバ11に記憶されている画像を監視用コンピュータ13のディスプレイ132に表示することができ、管理者はこの画像を視認することができることとなる。即ち、カメラ21で撮影された画像をリアルタイムで、離れた場所に存在する管理者が視認することができる。
【0050】
その後、ステップS25において、管理者がアプリケーションを閉じる操作を行うと、ディスプレイ132への画像表示処理が終了する。
【0051】
次に、
図5に示すシーケンス図を参照して、カメラ21で画像を撮影する際の、画像の撮影間隔や撮影画像の解像度の変更等(撮影状態の変更)の、設定変更処理を監視用コンピュータ13で実行する際の処理手順について説明する。
図5は、監視用コンピュータ13を操作する管理者の操作入力と、監視用コンピュータ13、カメラサーバ11、及びカメラ21との間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。
【0052】
初めに、ステップS31において、管理者は、監視用コンピュータ13にて、設定変更用のアプリケーションを開く。次いで、ステップS32において、操作部133にてカメラサーバ11のアドレスを入力する。
【0053】
ステップS321において、監視用コンピュータ13は、インターネット15、基地局14、及びモバイルルータ12を経由して、カメラサーバ11にアクセスし、該カメラサーバ11との間での通信を開始する。
【0054】
ステップS322において、カメラサーバ11は、監視画面を送信し、ステップS323において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11より送信された監視画面をディスプレイ132に表示する。
【0055】
その後、ステップS33において、管理者が操作部133を操作して設定変更についての操作を入力すると、ステップS331において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11に対して設定画面に関する画像を要求し、ステップS332において、カメラサーバ11は、設定画面に関する画像を送信する。その結果、ステップS333において、監視用コンピュータ13は、カメラ21の設定に関する画像を取得し、この画像をディスプレイ132に表示する。
【0056】
管理者は、この画像を視認することにより、現在の設定状態(例えば、画像の撮影間隔や画像の解像度)を認識することができ、設定を変更する場合には、ステップS34において、管理者は、監視用コンピュータ13の操作部133にて、カメラ21の設定変更操作を入力する。
【0057】
ステップS341において、監視用コンピュータ13は、変更された設定データを送信し、送信された設定データは、インターネット15、基地局14、モバイルルータ12を介してカメラサーバ11に送信される。
【0058】
ステップS342において、カメラサーバ11は、設定データが反映されるように、カメラ21を操作する。
【0059】
こうして、カメラ21についての各種設定操作を、監視用コンピュータ13側にて行うことができるのである。
【0060】
更に、カメラ21による画像の撮影を行わない場合には、操作部113の操作により電源をオフとすることができるので、撮影の必要が無い場合には電源をオフとして消費電力を削減する。
【0061】
また、上述した
図4、
図5のフローチャートでは、一つのカメラサーバ11と監視用コンピュータ13との間での操作手順について示しているが、実際には、一つの監視用コンピュータ13に対して複数のカメラサーバが接続されるので、監視用コンピュータ13を操作する管理者は、各カメラサーバのIPアドレスを入力することにより、個々のカメラサーバと接続することができ、画像の取り込み処理、及び設定変更処理を行うことができる。
【0062】
このようにして、本実施形態に係る作業画像監視システムでは、作業者Pに装着されるカメラ21で撮影される画像を、この作業者Pとは離れた場所に居る管理者が監視用コンピュータ13によりリアルタイムで視認することができるので、作業者Pの作業内容をリアルタイムで確認することができる。従って、例えば作業者Pが操作ミスを起こしたことをこの画像を見ることにより管理者が認識し、これをリアルタイムで指摘できるという効果を達成することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る作業画像監視システムでは、カメラ撮影を行う各作業者Pがそれぞれ固定IPを有するカメラサーバ11を装着する構成としている。従って、カメラサーバ11の電源をオフとした場合でもIPアドレスが変更されることや、IPアドレスの変更に伴う待ち時間が発生することが無く、カメラ21を使用しないときにカメラサーバ11の電源をオフとすることができ、消費電力を低減することができる。更に、電源を遮断することにより、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
【0064】
また、カメラ21とカメラサーバ11は、一対一の有線で接続されているので、外部サーバを経由しない。従って、カメラ21とカメラサーバ11との間のデータ通信に、ソフトウェアによる暗号化、及びセキュリティチェックを行う必要がない。つまり、従来における作業画像監視システムでは、カメラで撮影した画像をネットワークを介して外部サーバにアップロードする処理が必要となるので、このときに暗号化、セキュリティチェックを行わなければならず、これらの処理に伴う処理時間が必要であった。これに対し、本実施形態では、カメラ21より出力される画像が、ネットワークや外部サーバを経由すること無く、CPU111直轄のストレージ116に直接書き込まれるので、暗号化やセキュリティチェックに要する時間を割愛でき、従来と比較してリアルタイム性を向上させることが可能となる。
【0065】
更に、本実施形態に係る作業画像監視システムは、作業者Pがカメラサーバ11を装着し、カメラ21で撮影された画像を該カメラサーバ11のストレージ116に記憶しており、ストレージ116に記憶した画像データは、無線LAN通信によりモバイルルータ12に送信され、更に該モバイルルータ12からワイマックス等の3.5世代以降の通信方式(所定の通信方式)とされた移動通信システムにより基地局14に送信され、その後、インターネット15を経由して監視用コンピュータ13に送信される。
【0066】
従って、モバイルルータ12の通信部125と基地局14との間の通信方式が変更される場合、例えば、ワイマックス以外の通信方式に変更される場合であっても、この変更に合わせてモバイルルータ12の規格のみを変更すれば対処することができ、カメラサーバ11、及びカメラ21の規格を変更する必要がない。即ち、カメラサーバ11とモバイルルータ12は、無線LAN通信によりデータの送受信が行われるので、この部分は変更する必要が無く、カメラサーバ11の規格を変更する必要が無い。
【0067】
また、基地局14は公衆回線であるインターネット15を介して監視用コンピュータ13に接続されるので、上記の通信方式の変更に関係無く使用することができることとなる。
【0068】
その結果、通信部125と基地局14との間の通信方式が余儀なく変更されるような場合(例えば、外国で使用する場合等)であっても、モバイルルータ12の通信規格を変更するという簡単な変更で本実施形態のシステムを利用することが可能となる。
【0069】
また、管理者が監視用コンピュータ13を操作することにより、作業者Pが装着しているカメラ21の設定状態(画像の撮影間隔や画像の解像度等)を変更することができるので、作業者Pは各種の設定を自身で行う必要がなく、複雑な操作を行うことのないハンズフリーとすることが可能となる。
【0070】
更に、各作業者Pに装着されるカメラ21にそれぞれカメラサーバ11が設けられるので、カメラ台数が増加した場合であっても、動作速度が遅くなることがなく、常にリアルタイム性をもって画像を監視することが可能となる。
【0071】
また、モバイルルータ12は、基地局14を介してインターネット15に接続されるので一般のブラウザを用いてどこからでも閲覧することができ、監視場所の融通性を高めることができる。
【0072】
[第1実施形態の変形例の説明]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。前述した第1実施形態では、
図4のステップS24に示したように、監視用コンピュータ13より新規画像ファイルを要求すると、カメラサーバ11より新規画像ファイルが送信されることについて示した。この場合は、
図1に示したカメラサーバ11とモバイルルータ12との間の通信状況、及びモバイルルータ12と基地局14との間の通信状況により、画像の転送間隔が変化する場合がある。つまり、通信状況が良好である場合には、短い時間間隔で画像を送信でき、通信状況が悪化している場合には、画像送信の時間間隔が短くなり、画像送信の時間間隔が変化する。
【0073】
該変形例では、監視用コンピュータ13が新規画像ファイルを要求する際に、固定した時間間隔を設定し、この時間間隔を示すデータをカメラサーバ11に送信する。そして、カメラサーバ11は、CPU111の制御により、予め設定された時間間隔で新規画像ファイルに含まれる画像データ(静止画像)を監視用コンピュータ13に送信する。この際、通信状況が悪い場合には、画質を劣化させた状態で画像を送信する。従って、監視用コンピュータ13を操作する管理者は、予め設定した時間間隔で、作業者Pの周囲画像を監視することが可能となる。
【0074】
このように、変形例に係る作業画像監視システムでは、カメラサーバ11から監視用コンピュータ13に送信される画像の時間間隔が一定となるように制御されるので、通信状況が悪い場合には画質が劣化するという問題が生じる反面、管理者は一定時間間隔でカメラ21で撮影された画像を監視することができるので、画像の変化と時間経過との対応を感覚的に認識でき、作業者Pの周囲状況を違和感無く監視することが可能となる。
【0075】
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態に係る作業画像監視システムについて説明する。システム構成は、
図1に示した構成と同一であるので、構成説明を省略する。第2実施形態では、カメラサーバ11のCPU111が、カメラ21より送信される画像データの通信速度を計算し、該通信速度に基づいて、カメラ21からカメラサーバ11に画像データを送信する際の、画像データの圧縮率を変更する。
【0076】
以下、
図6に示すシーケンス図を参照して詳細に説明する。
図6は、カメラ21で撮影された画像データを監視用コンピュータ13に送信する際の処理手順を示している。ここで、
図6に示すステップS21〜S24の処理は、前述した
図4に示した処理と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
ステップS24の処理が終了すると、ステップS26においてカメラサーバ11は、カメラ21からカメラサーバ11に送信される画像データの通信速度を計算する。そして、通信速度が遅い場合(例えば、求めた通信速度と予め設定した閾値速度と対比し、閾値速度を下回る場合)には、ステップS261において、カメラサーバ11はカメラ21に対して停止要求信号を送信する。これにより、カメラ21による撮影は、一旦停止する。
【0078】
次いで、ステップS262において、カメラサーバ11は、画像の圧縮率を変更する。具体的には、圧縮率が上昇するように変更する。即ち、通信速度が遅いということは、カメラ21からカメラサーバ11に送信される画像データのデータ量が多いということであるから、カメラ21より画像データを送信する際の画像データの圧縮率が高くなるように変更する。
【0079】
その後、ステップS263において、カメラサーバ11はカメラ21に対して再起動の要求信号を送信する。これにより、カメラ21による画像の撮影が再度開始され、撮影された画像データは、より高い圧縮率で圧縮されてカメラサーバ11に送信される。その後、ステップS25において、アプリケーションを閉じる処理が行われる。
【0080】
このようにして、第2実施形態に係る作業画像監視システムでは、カメラ21からカメラサーバ11に送信される画像データのデータ量が多い場合(通信速度が遅い場合)には、画像データ送信時の圧縮率を高めることにより、データ量を低減するように制御するので、カメラ21で撮影された画像データのデータ量が多い場合であっても、一定の時間間隔でカメラ21からカメラサーバ11へ画像データを送信することができる。従って、監視用コンピュータ13では、一定時間間隔での画像データを監視することができ、作業者Pの周囲状況を違和感無く見ることができる。
【0081】
[第3実施形態の説明]
次に、本発明の第3実施形態に係る作業画像監視システムについて説明する。
図7は、第3実施形態に係る作業画像監視システムの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、第3実施形態に係る作業画像監視システムは、カメラサーバ11にセンサ24が接続され、且つ、センサ24用のインターフェース118を備えている点で相違する。これ以外の構成は、
図1に示したブロック図と同様であるので、同一部分には同一符号を付して構成説明を省略する。
【0082】
センサ24は、作業者Pの周囲データを検出する機能を備え、赤外線センサ、磁気センサ、温度センサ、音センサ、紫外線センサ、風速センサ、焦電センサ、転倒センサ、及び放射線センサのうちの少なくとも一つを用いることができる。そして、センサ24で検出された検出データは、カメラサーバ11に出力され、インターフェース118を介してストレージ116に記憶される。そして、カメラサーバ11からモバイルルータ12に画像データを送信する際に、この画像データに添付して、検出データを送信する。従って、監視用コンピュータ13では、カメラ21で撮影された画像をリアルタイムで監視できると共に、検出データを認識することができる。
【0083】
以下、各センサについて具体的に説明する。赤外線センサは、カメラ21に付帯して装着することができ、作業者Pの周囲温度を検出することができる。例えば、作業者Pが鉄工所で作業している場合には、管理者は赤外線センサの検出データに基づいて、高熱の物体が周囲に存在するか否かを認識することができる。これにより、作業者Pが高熱の物体に近づく場合には、注意を促すことができる。
【0084】
磁気センサは、磁界を検出することができ、電線に電流が流れているか否かを判断することができる。従って、作業者Pが不用意に電流が流れている電線に触れようとする場合には、該作業者Pに対して注意を促すことができる。
【0085】
温度センサは、作業者Pが作業する環境の温度を検出することができ、温度を監視することにより熱中症等を防止することができる。音センサは、周囲の雑音を検出することができ、作業者Pの作業環境を監視することができる。
【0086】
紫外線センサは、紫外線量を検出することができ、作業者Pが多くの紫外線を受けるような場合には、該作業者Pに対して注意を促すことができる。風速センサは、周囲の風の状況を認識することができ、例えば、送電線の配線工事を行う作業者Pに対して、風速に対する注意を促すことができる。
【0087】
焦電センサは、電圧を検出することができ、高電圧の存在を作業者Pに促すことができる。転倒センサは、作業者Pが転倒した場合にこれを検出でき、管理者は作業者Pが転倒したことをいち早く認識することができ、救護に向かうことができる。放射線センサは、作業者Pの周囲の放射線量を測定する。例えば、原子力発電所内で作業する作業者Pに対して用いることができる。
【0088】
次に、第3実施形態に係る作業画像監視システムの処理手順を、
図8,
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
図8は、作業者Pによる操作入力と、カメラサーバ11、カメラ21、及びセンサ24との間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図であり、カメラ21により周辺画像の撮影を行い、センサ24による測定を行う場合の動作を示している。なお、
図8の説明では、センサ24は赤外線センサである場合を例に挙げて説明する。また、ステップS11〜S15の処理は、前述した
図3と同様の処理であるので、詳細な説明を省略する。
【0089】
ステップS15の処理により、カメラ21による撮影が終了すると、ステップS16において、センサ24で検出された赤外線データがカメラサーバ11に送信され、カメラサーバ11では、ステップS161において、取得した赤外線データをインターフェース118を介して、ストレージ116に記憶する。
【0090】
次に、
図9に示すシーケンス図を参照して、カメラ21で撮影された画像、及びセンサ24で検出された赤外線データを監視用コンピュータ13にて閲覧する際の処理手順について説明する。
図9において、ステップS21〜S24の処理は、
図4に示した処理と同様であるので説明を省略する。
【0091】
ステップS242の処理により、画像表示が実行されると、ステップS27において、監視用コンピュータ13は、カメラサーバ11に対して、センサデータファイルを要求する。この要求を受けて、ステップS271において、カメラサーバ11は、ストレージ116に記憶されているセンサデータファイルを監視用コンピュータ13に送信する。その後、ステップS272において、監視用コンピュータ13は、送信されたセンサデータファイルに含まれるセンサデータをディスプレイ132に表示する。
【0092】
こうして、カメラサーバ11に記憶されている画像、及びセンサデータを監視用コンピュータ13のディスプレイ132に表示することができ、管理者はこの画像を視認することができることになる。即ち、カメラ21で撮影された画像、及びセンサ24で検出されたデータ(赤外線データ等)をリアルタイムで、離れた場所に存在する管理者が視認することができる。
【0093】
その後、ステップS25において、管理者がアプリケーションを閉じる操作を行うと、ディスプレイ132への画像表示処理が終了する。
【0094】
このようにして、第3実施形態に係る作業画像監視システムでは、カメラサーバ11にセンサ24を接続し、該センサ24にて検出される検出データ(赤外線データ等)をリアルタイム性をもって監視用コンピュータ13に送信することができる。従って、監視用コンピュータ13を操作する管理者は、画像データと共に、センサ24で検出される検出データを閲覧することができるので、作業者Pの周囲画像と共に、周囲の環境を認識することができる。例えば、センサ24として赤外線センサを用いた場合には、作業者Pの周囲温度を監視することができ、作業者Pが高温となっている場所に近づいている場合等には、いち早くこれを認識して、該作業者Pに注意を促すことができる。
【0095】
以上、本発明の作業画像監視システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0096】
例えば、上述した実施形態では、カメラサーバ11とモバイルルータ12は、無線LANによりデータの送受信を行う例について示したが、電線で接続して(即ち、有線で)カメラサーバ11とモバイルルータ12との間のデータの送受信を行うようにしても良い。このような構成としても、モバイルルータ12の規格が変更された際に、接続用の電線を取り外すことにより容易にカメラサーバ11とモバイルルータ12との間の接続を変更することが可能となり、カメラサーバ11の規格を変更することが無い。
【0097】
また、上述した実施形態では、カメラ21をヘルメットに装着する例について説明したが、カメラの装着場所はヘルメットに限定されるものではなく、作業者Pが着用する上着の胸部に設ける等、他の場所に設けることも可能である。