(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される車両用送風装置のようなロータリダンパが回転して内気導入口、外気導入口を開閉する構造では、ロータリダンパが回転する角度が大きいほど、内気導入口、外気導入口の開閉時間がかかり、またロータリダンパ位置の変更操作時の負荷も大きくなるので、回転できる角度(可動角度範囲)を180度未満に設定すること(例えば150度程度)が一般的に行われている。そして、可動角度範囲を180度未満に設定した車両用送風装置に、特許文献1に示されるような閉塞部の内側面に空気流れ案内部を備えたロータリダンパを用いても、送風機の吸入口に向かう空気の流れを均一化する効果を得られる。
【0006】
しかしながら、ロータリダンパの可動角度範囲は180度よりも小さいので、ロータリダンパの空気流れ案内部による空気の流れの均一化の効果は限定的なものとなる。可動角度範囲を小さくするほどインテークボックスを覆うためのケース部が増える。この増えたケース部には、余分な空間、すなわち外気導入口又は内気導入口より送風機へ流れる空気の方向から外れる空間が形成される。そして、余分な空間には、外気導入口又は内気導入口より送風機へ流れる空気の方向から外れた空気の渦流が発生し、車両用送風装置の騒音や、送風効率の低下といった不具合の原因となる。
【0007】
そこで、この発明は、ダンパが収容されるケース内において、余分な空間をなくし、外気導入口、内気導入口より送風機の吸気口までの空気通路で渦流が発生するのを防止して、騒音が少なく送風効率を向上した車両用送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る車両用送風装置は、内部に空気通路(2)を有し、前記空気通路(2)と連通した内気導入口(3)、外気導入口(4)が形成されたケース(5)と、 前記空気通路(2)内に配置され、前記内気導入口(3)、前記外気導入口(4)を開閉するダンパ(6)と、前記内気導入口(3)および/または前記外気導入口(4)から前記空気通路(2)内に空気を導入する送風機(7)と、を備え、前記送風機(7)は、モータ回転軸(71a)を備えたモータ(71)と、このモータ(71)により回転駆動されるファン(72)とを有し、前記空気通路(2)は、 前記ダンパ(6)の風下側に設けられ、前記送風機(7)のファン(72)を収容するファン収容部(23)を有する車両用送風装置(1)において、前記ダンパ(6)の可動範囲の端と近接する部分(511a)から前記ファン収容部(23)のうち風上側の端と近接する部分(53a)までの
前記ケース(5)
の壁部分(511)の内側面を、
前記空気通路(2)に向かって凸な
曲面に形成
し、前記ダンパ(6)は、ダンパ回転軸(61)と、前記内気導入口(3)または前記外気導入口(4)を閉塞することができる閉塞部(62)とを備えたロータリダンパ(6)であり、前記閉塞部(62)は、外面部(621)と内面部(622)とで少なくともなり、前記内面部(622)は、前記ダンパ回転軸(61)に向かって凸な曲面を有し、更に、前記内面部(622)が有する前記ダンパ回転軸(61)に向かって凸な曲面は、前記閉塞部(62)が前記内気導入口(3)を閉じた際に、前記ケース(5)の壁部分(511)が有する前記凸な曲面と対称になっていることを特徴としてい
る。
【0009】
このように、ダンパの可動範囲の端と近接する部分からファン収容部のうち風上側の端と近接する部分までのケースの内側面を、
空気通路に向かって凸な曲面に形成したので、外気導入口又は内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、インテークボックスのダンパの風下側からファン収容部までの間に形成されず、空気通路内での渦流の発生が防止される。
【0010】
そして、ダンパの閉塞部の内面部が、ダンパ回転軸に向かって凸な曲面を有することにより、外気導入口や内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、さらに減るので、空気通路内での渦流の発生がより確実に防止される。更にまた、この閉塞部の内面部が有するダンパ回転軸に向かって凸な曲面は、閉塞部が内気導入口を閉じた際に、壁部分が有する空気通路に凸な曲面と対称となるようになっているので、空気通路において、外気導入口より送風機へ流れる空気の流れをより均一化することができ、騒音を防止することができる。
【0011】
また、この発明に係る車両用送風装置は、内部に空気通路(2)を有し、前記空気通路(2)と連通した内気導入口(3)、外気導入口(4)が形成されたケース(5)と、前記空気通路(2)内に配置され、前記内気導入口(3)、前記外気導入口(4)を開閉するダンパ(6)と、前記内気導入口(3)および/または前記外気導入口(4)から前記空気通路(2)内に空気を導入する送風機(7)と、を備え、前記送風機(7)は、モータ回転軸(71a)を備えたモータ(71)と、このモータ(71)により回転駆動されるファン(72)とを有し、前記空気通路(2)は、前記ダンパ(6)の風下側に設けられ、フィルタ(8)を収容するフィルタ収容部(22)と、前記フィルタ収容部(22)の風下側に設けられ、前記送風機(7)のファン(72)を収容するファン収容部(23)と、を有する車両用送風装置(1)において、前記ダンパ(6)の可動範囲の端と近接する部分(511a)から前記フィルタ収容部(22)のうち風上側の端と近接する部分(52a)までの
前記ケース(5)
の壁部分(511)の内側面を、
前記空気通路(2)に向かって凸な
曲面に形成
し、前記ダンパ(6)は、ダンパ回転軸(61)と、前記内気導入口(3)または前記外気導入口(4)を閉塞することができる閉塞部(62)とを備えたロータリダンパ(6)であり、前記閉塞部(62)は、外面部(621)と内面部(622)とで少なくともなり、前記内面部(622)は、前記ダンパ回転軸(61)に向かって凸な曲面を有し、更に、前記内面部(622)が有する前記ダンパ回転軸(61)に向かって凸な曲面は、前記閉塞部(62)が前記内気導入口(3)を閉じた際に、前記ケース(5)の壁部分(511)が有する前記凸な曲面と対称になっていることを特徴としてい
る。
【0012】
このように、ダンパの可動範囲の端と近接する部分からフィルタ収容部のうち風上側の端までのケースの内側面を、
空気通路に向かって凸な曲面に形成したので、外気導入口又は内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、インテークボックスのダンパの風下側からフィルタ収容部までの間に形成されず、空気通路内での渦流の発生が防止される。
【0013】
そして、ダンパの閉塞部の内面部が、ダンパ回転軸に向かって凸な曲面を有することにより、外気導入口や内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、さらに減るので、空気通路内での渦流の発生がより確実に防止される。更にまた、この閉塞部の内面部が有するダンパ回転軸に向かって凸な曲面は、閉塞部が内気導入口を閉じた際に、壁部分が有する空気通路に凸な曲面と対称となるようになっているので、空気通路において、外気導入口より送風機へ流れる空気の流れをより均一化することができ、騒音を防止することができる。
【0014】
更に、この発明に係る車両用送風装置において、前記外気導入口は、前記モータ回転軸の軸方向に配置されたことを特徴としても良い(請求項3)。
【0015】
このように、外気導入口をモータ回転軸の軸方向に配置することにより、外気をファンに直線的に取り入れることができ、外気導入経路の通気抵抗が低減される。
【0016】
そして、この発明のうちのフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置にあっては、
前記ロータリダンパの可動範囲の端と近接するケースの部分(511a)は、前記空気通路(2)の内側に向かって延び、前記ロータリダンパ(6)が当接するシート面(11)を備え、前記シート面(11)のうち前記空気通路(2)の内側の端から前記ファン収容部のうち風上側の端部分(53a)までの
前記ケース(5)の
壁部分(511)の内側面を、
前記空気通路(2)に向かって凸な
曲面に形成したことを特徴としても良い。
【0017】
このように、シート面の空気通路の内側の端からファン収容部の風上側の端と近接する部分までのケースの内側面が、
空気通路に向かって凸な曲面に形成されているので、余分な空間をさらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生がより確実に防止される。
【0018】
また、この発明のうちのフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置にあっては、
前記ロータリダンパの可動範囲の端と近接するケースの部分(511a)は、前記空気通路(2)の内側に向かって延び、前記ロータリダンパ(6)が当接するシート面(11)を備え、前記シート面(11)のうち前記空気通路(2)の内側の端から前記フィルタ収容部のうち風上側の端部分(52a)までの前記ケース(5)の壁部分(511)の内側面を、
前記空気通路(2)に向かって凸な曲面に形成したことを特徴としても良い。
【0019】
このように、シート面の空気通路の内側の端からフィルタ収容部のうち風上側の端までのケースの内側面が、
空気通路に向かって凸な曲面に形成されているので、余分な空間をさらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生がより確実に防止される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、ダンパの可動範囲の端と近接する部分からファン収容部のうち風上側の端と近接する部分までのケースの内側面が、
空気通路に向かって凸な曲面に形成されているので、外気導入口又は内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、インテークボックスのダンパの風下側からファン収容部までの間に形成されず、空気通路内での渦流の発生を防止することができる。
そして、請求項1に記載の発明によれば、ダンパの閉塞部が、ダンパ回転軸に向かって凸な曲面を有するので、内気導入口または外気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間を、さらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生をより確実に防止することができる。更にまた、請求項1に記載の発明によれば、この閉塞部の内面部が有するダンパ回転軸に向かって凸な曲面は、閉塞部が内気導入口を閉じた際に、壁部分が有する空気通路に凸な曲面と対称となるようになっているので、空気通路において、外気導入口より送風機へ流れる空気の流れをより均一化することができ、騒音を防止することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、ダンパの可動範囲の端と近接する部分からフィルタ収容部のうち風上側の端までのケースの内側面が、
空気通路に向かって凸な曲面に形成されているので、外気導入口又は内気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、インテークボックスのダンパの風下側からフィルタ収容部までの間に形成されず、空気通路内での渦流の発生を防止することができる。
そして、請求項2に記載の発明によれば、ダンパの閉塞部が、ダンパ回転軸に向かって凸な曲面を有するので、内気導入口または外気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間を、さらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生をより確実に防止することができる。更にまた、請求項2に記載の発明によれば、この閉塞部の内面部が有するダンパ回転軸に向かって凸な曲面は、閉塞部が内気導入口を閉じた際に、壁部分が有する空気通路に凸な曲面と対称となるようになっているので、空気通路において、外気導入口より送風機へ流れる空気の流れをより均一化することができ、騒音を防止することができる。
【0022】
特に請求項3に記載の発明によれば、外気導入口は、モータ回転軸の軸方向に配置されているので、外気をファンに直線的に取り入れることができ、外気導入経路の通気抵抗を低減することができる。
【0023】
特に
請求項4に記載の発明によれば、シート面の空気通路の内側の端からファン収容部の風上側の端と近接する部分までのケースの内側面を、
空気通路に向かって凸な曲面に形成したので、内気導入口または外気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間を、さらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生をより確実に防止することができる。
【0024】
特に
請求項5に記載の発明によれば、シート面の空気通路の内側の端からフィルタ収容部のうち風上側の端までのケースの内側面を、
空気通路に向かって凸な曲面に形成したので、内気導入口または外気導入口から送風機へ流れる空気の方向から外れる余分な空間を、さらに減らすことができ、空気通路内での渦流の発生をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、この発明に係る車両用送風装置であってフィルタ収容部を有するタイプの、外気導入モードの状態を示す断面図である。
【
図2】
図2は、この発明に係る車両用送風装置であってフィルタ収容部を有するタイプの、内気導入モードの状態を示す断面図である。
【
図3】
図3(a)は、この発明に係る車両用送風装置において、ケースにロータリダンパのシート面が設けられた構成を示す斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)の側面図である。
【
図4】
図4(a)は、この発明の
図1及び
図2に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置であって、外気導入モードにおける空気の流れを示し、特に車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍の空気の流れを示す説明図である。
図4(b)は、
図4(a)の破線で囲った部分の拡大図である。
【
図5】
図5(a)は、この発明の
図1及び
図2に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置であって、外気導入モードにおける空気の流れを示し、特に車両左右方向の中央近傍における空気の流れを示す説明図である。
図5(b)は、
図5(a)の破線で囲った部分の拡大図である。
【
図6】
図6(a)は、この発明の
図1及び
図2に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置であって、内気導入モードにおける空気の流れを示し、特に車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍の空気の流れを示す説明図である。
図6(b)は、
図6(a)の破線で囲った部分の拡大図である。
【
図7】
図7(a)は、この発明の
図1及び
図2に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置であって、内気導入モードにおける空気の流れを示し、特に車両左右方向の中央近傍における空気の流れを示す説明図である。
図7(b)は、
図7(a)の破線で囲った部分の拡大図である。
【
図8】
図8は、この発明に係る車両用送風装置であってフィルタ収容部を有しないタイプの、外気導入モードの状態を示す断面図である。
【
図9】
図9は、この発明に係る車両用送風装置であってフィルタ収容部を有しないタイプの、内気導入モードの状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図1及び
図2に示される第1例の車両用送風装置並びに
図8及び図9に示される第2例の車両用送風装置の変形例たる第3例に係る車両用送風装置を示す説明図であり、
図10(a)では、フィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置の断面図が示され、
図10(b)では、フィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置の断面図が示されている。
【
図11】
図11は、
図10に示される第3例の車両用送風装置の変形例に係る実施形態を示す説明図であり、
図11(a)では、フィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置の断面図が示され、
図11(b)では、フィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置の断面図が示されている。
【
図12】
図12も、
図10に示される第3例の車両用送風装置の
変形例に係る実施形態を示す説明図であり、
図12(a)では、フィルタ
収納部を有するとともに板状の閉塞部を有するダンパを備えるタイプの車両用送風装置の断面図が示され、
図12(b)では、フィルタ
収納部を有しないとともに板状の閉塞部を有するダンパを備えるタイプの車両用送風装置の断面図が示されている。
【
図13】
図13は、外気導入口、内気導入口がそれぞれ2つあり、これに伴い板状の閉塞部を有するダンパが2つあるタイプの第4例の車両用送風装置の構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0028】
(第1例)
図1から
図3において、フィルタ収容部22を有する第1例の車両用送風装置1が示されている。
【0029】
この車両用送風装置1は、車両用のHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニットの一部を構成するもので、内部に空気通路2を有し、この空気通路2と連通した内気導入口3、外気導入口4が形成されたケース5と、空気通路2内に配置され、内気導入口3、外気導入口4を開閉するロータリダンパ6と、内気導入口3および/または外気導入口4から空気通路2内に空気を導入する送風機7と、ロータリダンパ6より風下側で送風機7より風上側に配されたフィルタ8とを有している。
【0030】
空気通路2は、風上側が内気導入口3又は外気導入口4、風下側が隣接する空調ユニット本体と接続された空気吹出口(空調ユニット本体、空気吹出口のいずれも図示せず。)となっているもので、ロータリダンパ6が収容されたダンパ収容部21と、フィルタ8が収容されたフィルタ収容部22と、送風機7の下記するファン72が収容されたファン収容部23とを備えている。この第1例では、空気通路2のダンパ収容部21、フィルタ収容部22及びファン収容部23は、車両の上下方向に沿って順次並んでいる。また、
図3に示されているように、外気導入口4はケース5の車両上下方向の略上方のみに開口している一方、内気導入口3はケース5の車両上下方向の上側で且つ車両前後方向の後方側だけでなく、車両左右方向の両側にも開口している。このように内気導入口3を3方向に面して開口することにより、内気導入時にHVACユニットの通気抵抗を低減し、送風効率を向上することができる。
【0031】
ロータリダンパ6は、ダンパ回転軸61と、閉塞部62と、ダンパ回転軸61と閉塞部62とを連接する連接部63とを有しているもので、閉塞部62は、ダンパ回転軸61を中心に所要の角度の範囲内で可動することができるようになっている。閉塞部62の構造については後述する。
【0032】
送風機7は、モータ回転軸71aを備えたモータ71と、このモータ71により回転駆動されるファン72とを有したものである。そして、ファン72は、ダンパ収容部21側に開口した吸気口72aを有している。
【0033】
フィルタ8は、当該フィルタ8を通過する空気から塵芥等の異物を除去したり、異臭を取り除いたりするためのもので、この第1例では、フィルタ収容部22の全域にわたって配置されている。フィルタ8は、この第1例では、肉厚の薄い平板形状であり、車両の前後方向に横倒しの状態にて配置されている。
【0034】
ケース5は、ダンパ収容部の外郭をなす部分51と、フィルタ収容部の外郭をなす部分52と、ファン収容部の外郭をなす部分53とを有したものである。ダンパ収容部の外郭をなす部分51は、インテークボックスとも称される部分である。ファン収容部の外郭をなす部分53は、車両上下方向から見た場合にスクロール型の形状となっており、スクロールの先端には空気通路2の風下側となる空気吹出口が、図示しないが開口している。
【0035】
そして、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51において、第1の例では、
図1及び
図2に示されるように、外気導入口4は、送風機7のモータ回転軸71aの軸方向に配置されており、内気導入口3は、外気導入口4よりも車両後方に配置されている。
【0036】
ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、内気導入口3のフィルタ収容部22側の開口端から空気通路2内側に延びる当接部9が形成されており、ロータリダンパ6が内気導入口3を閉じるときにはこの当接部9に当接するようになっている。すなわち、ロータリダンパ6が当接部9に当接する位置が、ロータリダンパ6の可動範囲の一方の端となっている。
【0037】
また、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、外気導入口4の端部分とフィルタ収容部52のうち風上側の端部分52aとの間を連接する壁部分511を備えている。
【0038】
外気導入口4の端部分は、近傍に、ロータリダンパの可動範囲のうち車両前方端と近接する部分511aを有している。またこの第1例では、外気導入口4の端部分に、空気通路2の内側に向かって延びロータリダンパ6が当接するシート面11が備えられている。このシート面11は、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51に段差部を設けることで形成されている。シート面11のうち空気通路の内側の端は、ロータリダンパの可動範囲のうち車両前方端と近接する部分511aを兼ねている。そして壁部分511は、シート面11のうち空気通路2の内側の端(ロータリダンパの可動範囲のうち車両前方端と近接する部分511a)からフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aまでを連接する。
【0039】
壁部分511は、
図1及び
図2では、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、シート面11のうち空気通路2の内側の端からフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aまでの内側面が、空気通路2に凸な曲面に形成されている。
【0040】
ここで、壁部分511は、必ずしも空気通路2に凸な面に形成されている必要はなく、
図1及び
図2の破線に示されるように平面状に形成されていても良い。また、図示しないが、壁部分511の外側面は外側に向けて膨らみつつ、内側面は、上記したような、空気通路2に凸な面、または平面状に形成されていても良い。尚、ケース5がシート面11を有しない場合には、空気通路2に凸な面や平面は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aの任意の位置からケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aまでの内側面にわたって形成されるようにしても良い。
【0041】
このように、壁部分511の空気通路2に面する内側面を、空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、ロータリダンパ6の風下側からフィルタ収容部22までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)の内側に形成されるのが防止される。特に、壁部分511を空気通路2に凸な面に形成することにより、余分な空間の形成がよりいっそう防止される。特に壁部分511を平面状に形成することにより、ケースを形成する材料を減らすことができる。
【0042】
ロータリダンパ6の閉塞部62は、
図1及び
図2に示されるように、外面部621と内面部622と、外面部621と内面部622とで囲まれた空洞部623とで成るもので、閉塞部の内面部622は、ダンパ回転軸61に向かって凸な面を有している。これにより、空気通路2において、外気導入口4や内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間を、さらに減らすことができる。そして、閉塞部の内面部622が有するダンパ回転軸61に向かって凸な面は、
図1に示されるように、閉塞部62が内気導入口3を閉じた際に、壁部分511が有する空気通路2に凸な面と対称となるようになっている。これにより、空気通路2において、外気導入口4より送風機7へ流れる空気の流れをより均一化することができ、騒音を防止することができる。
【0043】
つぎに、
図4から
図7において、上記したフィルタ収容部22を有し、壁部分511の内側面に空気通路2に凸な面が形成され、ロータリダンパ6の内面部622にダンパ回転軸に向かって凸な面が形成された車両用送風装置1における、空気通路2を流れる空気流を示した特性線図が示されている。
図4は、外気導入モードにおける、車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍での空気の流れを示し、
図5は、外気導入モードにおける、車両左右方向の中央近傍における空気の流れを示し、
図6は、内気導入モードにおける、車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍での空気の流れを示し、
図7は、内気導入モードにおける、車両左右方向の中央近傍における空気の流れを示している。
【0044】
図4及び
図5に示される特性線図によれば、車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍並びに車両左右方向の中央近傍では、外気導入口4から導入された空気は、フィルタ8を通過して送風機7の吸気口72aに向かう流れにある。そして、ダンパ収容部21(インテークボックス)内において、
図4(b)及び
図5(b)に示されるように、壁部分511の内側面を空気通路2に凸な面としたことでダンパ収容部21に余分な空間が無いので、渦流の発生は認められず、騒音の発生が防止されている。
【0045】
図6に示される特性線図によれば、車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍では、内気導入口3から導入された空気は、フィルタ8を通過して送風機の吸気口72aに向かう流れにある。そして、ダンパ収容部21(インテークボックス)内において、
図6(b)に示されるように、壁部分511の内側面を空気通路2に凸な面としたことで
ダンパ収容部21に余分な空間が無いので、渦流の発生は認められず、騒音の発生が防止されている。
【0046】
図7に示される特性線図によれば、車両左右方向の中央近傍では、内気導入口3から導入された空気は、フィルタ8を通過して送風機の吸気口72aに向かう流れにある。そして、
図7(b)に示されるように、壁部分511の内側面を空気通路2に凸な面としても、渦流の発生が認められる。ここで、内気導入口3は、車両前後方向だけでなく車両左右方向の両側にも開口するうえ、ファン72の吸気口72aに近い部分まで開口しているので、内気導入口3より送風機へ流れる空気の多くは、通気抵抗の少ない車両左右方向の右側面近傍および左側面近傍を通過する。よって、車両左右方向の中央近傍において渦流が発生するとしても、風量の多い車両左右方向の右側面近傍または左側面近傍において渦流が発生しないことで、実質的に騒音の発生の防止することができる。
【0047】
(第2例)
これまで、
図1及び
図2に示される車両用送風装置1を用いて説明してきたが必ずしも
図1及び
図2に示される車両用送風装置1でなくても良い。すなわち、
図8及び
図9に示されるように、第2例として示す、フィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1であっても良い。
【0048】
図8及び
図9に示される車両用送風装置1はフィルタ収容部22を備えておらず、空気通路2に凸な面が形成されるケース5の壁部分511が、シート面11のうち空気通路の内側の端からケース5のファン収容部23のうち風上側の端部分53aまでを連接している点で、
図1及び
図2に示される車両用送風装置1と異なっている。なお、第2例の車両用送風装置1の他の構成は、
図1及び
図2に示される第1例の車両用送風装置1の構成と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略した。
【0049】
よって、
図8及び
図9に示される車両用送風装置1でも、シート面11や空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、ロータリダンパ6の風下側からファン収容部23までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)の内側に形成されるのが防止される。そして、
図4から
図7に示される特性線図での空気の流れと同様に、空気通路2内での渦流の発生を防止することができる。
【0050】
(第3例)
図10から
図12において、この発明に係る車両用送風装置1のうち、壁部分511と壁部分512とを有する、第3例の車両用送風装置1が示されている。以下、各図に示される車両用送風装置1について説明する。但し、
図1、
図2や
図8、
図9に示される車両用送風装置1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図10に示される車両用送風装置1は、ダンパ回転軸61よりも車両前方側に外気導入口4が配置され、ダンパ回転軸61よりも車両後方側に内気導入口3が配置されている。
【0052】
そして、
図10(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1では、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとを連接する壁部分511と、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとを連接する壁部分512とを有している。ここで、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52a、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとは、車両上下方向において略鉛直方向に沿って位置している。そして、壁部分511、512は、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、その空気通路2に面する内側面は、それぞれ空気通路2に凸な曲面に形成されている。この
図10(a)では、壁部分511が有する空気通路2に凸な面と壁部分512が有する空気通路2に凸な面とは対称になっている。
【0053】
図10(b)に示されるフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1では、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのファン収容部のうち風上側の端部分53aとを連接する壁部分511と、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aからケースのファン収容部の上面部分53bとを連接する壁部分512とを有している。ここで、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケース5のファン収容部のうち風上側の端部分53a、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのファン収容部の上面部分53bとは、車両上下方向において略鉛直方向に沿って位置している。そして、
図10(b)に示される壁部分511、512も、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、その空気通路2に面する内側面は、それぞれ空気通路2に凸な曲面に形成されている。
図10(b)でも、壁部分511が有する空気通路2に凸な面と壁部分512が有する空気通路2に凸な面とは対称になっている。
【0054】
よって、
図10(a)及び
図10(b)に示される車両用送風装置1でも、壁部分511、512の空気通路2に面する内側面を、空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、ロータリダンパ6の風下側からファン収容部23までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)内に形成されるのが防止される。そして、
図4から
図7に示される特性線図での空気の流れと同様に、空気通路2内での渦流の発生を防止することができる。
【0055】
図11に示される車両用送風装置1は、内気導入口3がダンパ回転軸61に対し車両上下方向の上方から車両前後方向の後方にわたって配置され、外気導入口4がダンパ回転軸61よりも車両前後方向の前方に配置されている。すなわち、
図11に示される車両用送風装置1の外気導入口4、内気導入口3は、
図10に示される車両用送風装置1の外気導入口4、内気導入口3に対し、全体的に車両前後方向の前方にずれた位置に配置されている。
【0056】
そして、
図11(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1では、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとを連接する壁部分511と、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとを連接する壁部分512とを有している点において、
図10(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1と同様である。その一方で、
図11(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分52a、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケース5のフィルタ収容部のうち風上側の端部分52aとは、車両前後方向に沿って斜めにずれて配置されている。そして、壁部分511、512は、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、その空気通路2に面する内側面は、それぞれ空気通路2に凸な曲面に形成されている。
【0057】
図11(b)に示されるフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1では、ケースのダンパ収容部の外郭をなす部分51は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのファン収容部のうち風上側の端部分53aとを連接する壁部分511と、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのファン収容部の上面部分53bとを連接する壁部分512とを有している点において、
図10(b)に示されるフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1と同様である。その一方で、
図11(b)に示されるフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1は、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのファン収容部のうち風上側の端部分53a、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケース5の
ファン収容部の上面部分53bとは、車両前後方向に沿って斜めにずれて配置されている。そして、
図11(b)に示される壁部分511、512も、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、その空気通路2に面する内側面は、それぞれ空気通路2に凸な曲面に形成されている。
【0058】
よって、
図11(a)及び
図11(b)に示される車両用送風装置1でも、壁部分511、512の空気通路2に面する内側面を、空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、ロータリダンパ6の風下側からファン収容部23までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)内に形成されるのが防止される。そして、
図4から
図7に示される特性線図での空気の流れと同様に、空気通路2内での渦流の発生を防止することができる。
【0059】
図12に示される車両用送風装置1は、ダンパ回転軸101と、板状の閉塞部102とを備えるダンパ10を有している。ダンパ回転軸101は外気導入口4と内気導入口3との間に配置されており、ダンパ10がダンパ回転軸101を中心に回転することで、板状の閉塞部102が外気導入口4および内気導入口3を開閉することができる。
【0060】
そして、
図12(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1は、壁部分511、512の配置や内側面に空気通路2に凸な面を有する点で、
図10(a)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1と同様である。また、
図12(b)に示されるフィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1は、壁部分511、512の配置や内側面に空気通路2に凸な面を有する点で、
図10(b)に示されるフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1と同様である。
【0061】
よって、
図12(a)及び
図12(b)に示される車両用送風装置1でも、壁部分511、512の空気通路2に面する内側面を、空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、ロータリダンパ6の風下側からファン収容部23までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)内に形成されるのが防止される。そして、
図4から
図7に示される特性線図での空気の流れと同様に、空気通路2内での渦流の発生を防止することができる。
【0062】
(第4例)
図13において、この発明に係る車両用送風装置1のうち、2つの内気導入口3、3と、2つの外気導入口4、4と、2つのダンパ10、10とを有する、第4例の車両用送風装置1が示されている。ダンパ10は、それぞれ、ダンパ回転軸101と、板状の閉塞部102とを備えている。それぞれのダンパ回転軸101は内気導入口3と外気導入口4の間に配置されており、ダンパ10がダンパ回転軸101を中心に回転することで、板状の閉塞部102が内気導入口3および外気導入口4を開閉することができる。
【0063】
このような2つの内気導入口3、3と、2つの外気導入口4、4と、2つのダンパ10、10とを有する車両用送風装置1においても、ロータリダンパの可動範囲の車両前方端と近接する部分511aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分とを連接する壁部分511と、ロータリダンパの可動範囲の車両後方端と近接する部分512aとケースのフィルタ収容部のうち風上側の端部分とを連接する壁部分512とを有したものとなっている。そして、壁部分511、512は、肉厚が薄いものとなっており、弧状に湾曲することにより、その空気通路2に面する内側面は、それぞれ空気通路2に凸な曲面に形成されている。この
図13では、壁部分511が有する空気通路2に凸な面と壁部分512が有する空気通路2に凸な面とは対称になっている。
【0064】
なお、
図13ではフィルタ収容部を有するタイプの車両用送風装置1が示されているが、フィルタ収容部を有しないタイプの車両用送風装置1でも、壁部分511、512の下方側がケースのファン収容部のうち風上側の端部分やケースのファン収容部の上面部分と連接する点で相違するのみで、空気通路2に凸な面を内側面に有する点では同様である。
【0065】
よって、
図13に示される車両用送風装置1でも、壁部分511、512の空気通路2に面する内側面を、空気通路2に凸な面、あるいは平面状に形成することにより、外気導入口4又は内気導入口3より送風機7へ流れる空気の方向から外れる余分な空間が、空気通路2のうち、
ロータリダンパ10の風下側からファン収容部23までの間、すなわちダンパ収容部21(インテークボックス)内に形成されるのが防止される。そして、
図4から
図7に示される特性線図での空気の流れと同様に、空気通路2内での渦流の発生を防止することができる。
【0066】
(その他の例)
ここまで、車両用のHVACユニットの一部を構成するものとして車両用送風装置1を説明してきたが、本発明の車両用送風装置はHVACユニットの一部であるものに限らず、例えば車両の室内を換気できる車両用換気装置の一部を構成するものであっても、電気自動車のバッテリーに空気を流して冷却する車両用バッテリー冷却装置の一部を構成するものであってもよい。