(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようにハイト機構にはピニオンギアやセクタギアなどのギア部が設けられている。これらギア部が露出したままであると、シート装置を覆う表皮などが干渉するおそれがあり好ましくない。このため、近年においてはギア部を覆うカバー部材を設けることも考えられているが、カバー部材の大型化を抑制することも望まれている。
そこで、本発明の課題は、ギア部の露出を防止しつつ、カバー部材のコンパクト化も実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明に係るシート装置は、
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームの下部の左右にそれぞれ配置された左右のクッションサイドフレームと、
前記左右のクッションサイドフレームをそれぞれ支持する左右の支持フレームと、
前記左右のクッションサイドフレームを前記左右の支持フレームに対して昇降させて座面位置を調整するため、前記左右のクッションサイドフレームのうち一方のクッションサイドフレームに取り付けられた作動伝達部材と、
前記左右のクッションサイドフレームの内側に配置されて、前記作動伝達部材に係合するギア部を有するリンク部材と、
前記ギア部を覆うカバー部材とを備え、
前記一方のクッションサイドフレームには、前記カバー部材と対向する部分に、内側に向けて突出する突出部が設けられていて、
前記カバー部材は、前記突出部に沿うように形成され、なおかつ前記突出部に当接し
ており、
前記カバー部材を構成する外壁部によって、前記リンク部材における前記ギア部の上方が覆われていることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシート装置において、
前記突出部の後方に取り付けられ、前記左右のクッションサイドフレームを連結する連結部材と、
前記連結部材と前記突出部との間に配置されて、前記左右のクッションサイドフレームの間に架け渡されたパイプ部材をさらに備え、
前記カバー部材の後方下部は、前記パイプ部材に係合していることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明に係るシート装置は、
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームの下部の左右にそれぞれ配置された左右のクッションサイドフレームと、
前記左右のクッションサイドフレームをそれぞれ支持する左右の支持フレームと、
前記左右のクッションサイドフレームを前記左右の支持フレームに対して昇降させて座面位置を調整するため、前記左右のクッションサイドフレームのうち一方のクッションサイドフレームに取り付けられた作動伝達部材と、
前記左右のクッションサイドフレームの内側に配置されて、前記作動伝達部材に係合するギア部を有するリンク部材と、
前記ギア部を覆うカバー部材と、
前記一方のクッションサイドフレームの前記カバー部材と対向する部分に設けられ、内側に向けて突出する突出部と、
前記突出部の後方に取り付けられ、前記左右のクッションサイドフレームを連結する連結部材と、
前記連結部材と前記突出部との間に配置されて、前記左右のクッションサイドフレームの間に架け渡されたパイプ部材とを備え、
前記カバー部材は、前記突出部に沿うように形成され、なおかつ前記突出部に当接しており、
前記カバー部材の後方下部は、前記パイプ部材に係合していることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項
2又は3に記載のシート装置において、
前記カバー部材の前端部は前記作動伝達部材よりも前方に位置していて、前記カバー部材の後端部は前記連結部材の前方に配置されていることを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート装置において、
前記一方のクッションサイドフレームにおける
前記カバー部材の前端部に対向する位置には、当該カバー部材を固定するためのカバー用固定部が形成されていて、
前記作動伝達部材は、前記一方のクッションサイドフレームに対して固定されるためのブレーキ用固定部を少なくとも前後の二箇所に有していて、
前記カバー用固定部は、前記作動伝達部材の前側のブレーキ用固定部を避けた位置に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項
5に記載のシート装置において、
前記カバー用固定部は、前記作動伝達部材の前側二箇所のブレーキ用固定部の間で、前記作動伝達部材の前側二箇所のブレーキ用固定部のうち、下側の前記ブレーキ用固定部の高さ方向上方に形成されていることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載のシート装置において、
前記カバー部材は、前記作動伝達部材の前記前側のブレーキ用固定部と前記一方のクッションサイドフレームとの接続箇所を覆っていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、一方のクッションサイドフレームのカバー部材と対向する部分に内側に向けて突出する突出部が設けられていて、カバー部材が突出部に沿うように形成され、なおかつ突出部に当接しているので、カバー部材の厚みを突出部分だけ小さくすることができる。したがって、カバー部材によってギア部の露出を防止しつつ、カバー部材のコンパクト化も実現することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、
連結部材と突出部との間に配置されたパイプ部材に対して、カバー部材の後方下部が係合しているので、簡素な構成でカバー部材の後方下部を取り付けることができる。また、カバー部材の後方下部をパイプ部材よりも下方で固定する場合と比べてカバー部材を上下方向にコンパクトにすることが可能である。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、
一方のクッションサイドフレームのカバー部材と対向する部分に内側に向けて突出する突出部が設けられていて、カバー部材が突出部に沿うように形成され、なおかつ突出部に当接しているので、カバー部材の厚みを突出部分だけ小さくすることができる。したがって、カバー部材によってギア部の露出を防止しつつ、カバー部材のコンパクト化も実現することができる。
さらに、連結部材と突出部との間に配置されたパイプ部材に対して、カバー部材の後方下部が係合しているので、簡素な構成でカバー部材の後方下部を取り付けることができる。また、カバー部材の後方下部をパイプ部材よりも下方で固定する場合と比べてカバー部材を上下方向にコンパクトにすることが可能である。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、
カバー部材の前端部が作動伝達部材よりも前方に位置するとともに、カバー部材の後端部が連結部材の前方に配置されているので、連結部材を避けた位置にカバー部材が取り付けられることとなり、カバー部材と連結部材との干渉を防ぎつつ、カバー部材の前端部から後端部までの長さをある程度確保することができる。カバー部材の前端部から後端部までの長さを確保できれば、カバー部材の取付後の安定性を維持することができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、
カバー部材を固定するためのカバー用固定部が、作動伝達部材の前側のブレーキ用固定部を避けた位置に形成されているので、カバー部材や、作動伝達部材をクッションサイドフレームに固定するときに他方の固定部が邪魔とならず、取付作業の効率化を図ることが可能である。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、
カバー用固定部が作動伝達部材の二箇所のブレーキ用固定部の間に形成されているので、前方への突出量を抑制することができ、カバー部材のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
図1は本実施形態に係るシート装置の要部構成を示す斜視図である。
図1に示すようにシート装置1には、シートバックフレーム2と、シートバックフレーム2の下部の左右にそれぞれ配置された左右一対のクッションサイドフレーム3と、クッションサイドフレーム3に対してシートバックフレーム2を傾動させるリクライニング機構4と、一対のクッションサイドフレーム3をそれぞれ支持する左右一対の支持フレーム5と、支持フレーム5を前後方向に案内する左右一対のガイドレール6と、一対のクッションサイドフレーム3を一対の支持フレーム5に対して昇降させて座面位置を調整する昇降機構7(
図2参照)と、昇降機構7を駆動するための作動伝達部材8(ハイトブレーキ)と、が備えられている。
以下の説明において、特に断りのない限り、「内側」とは一対のクッションサイドフレーム3の間に挟まれた空間側を示し、「外側」とは一対のクッションサイドフレーム3よりも外の空間側を示す。
【0020】
シートバックフレーム2は、正面視略凸型形状となるようにパイプ材を形成したシートバック本体部21と、シートバック本体部21の右側部に取り付けられ上下方向に延在するサイドフレーム22と、シートバック本体部21の左下端部に取り付けられたヒンジ部23と、シートバック本体部21の左側部及びヒンジ部23に架け渡されたサイドワイヤ24とを備えている。
サイドフレーム22は、金属板から形成されていて、その前縁部及び後縁部には上下方向に沿うフランジ221が形成されている。サイドフレーム22の下端部は、リクライニング機構4を介して右のクッションサイドフレーム3に連結されている。
ヒンジ部23は、左のクッションサイドフレーム3の後端部に回転自在に支持されている。
サイドワイヤ24は、金属製の棒部材から形成されていて、サイドフレーム22の前側の外形に沿うようにシートバック本体部21の左側部及びヒンジ部23に架け渡されている。
ここで、サイドフレーム22に対してサイドワイヤ24は剛性が弱いために、シートバックフレーム2自体の剛性も左右で異なることになる。
【0021】
一対のクッションサイドフレーム3の内側には、当該一対のクッションサイドフレーム3間に架け渡されて、これらを連結する3本の連結部材9が設けられている。三本の連結部材9のうち、一本目の連結部材9は一対のクッションサイドフレーム3の前端部に固定されており、二本目の連結部材9は一対のクッションサイドフレーム3の後端部に固定されており、三本目の連結部材9は一対のクッションサイドフレーム3の中央付近に固定されている。
【0022】
一対のクッションサイドフレーム3の内側には、昇降機構7が設けられており、右のクッションサイドフレーム3の外側には作動伝達部材8が設けられている。作動伝達部材8は右のクッションサイドフレーム3を介して昇降機構7に係合している。
【0023】
図2は最下降状態の右のクッションサイドフレーム3側の昇降機構7を内側から示す側面図である。
昇降機構7は、左右一対の後部リンク部材71と、左右一対の前部リンク部材72とを備えている。左の後部リンク部材71及び前部リンク部材72は左のクッションサイドフレーム3の内側に連結されていて、右の後部リンク部材71及び前部リンク部材72は右のクッションサイドフレーム3の内側に連結されている。
【0024】
ここで、一対のクッションサイドフレーム3のそれぞれには、ほぼ同じように後部リンク部材71及び前部リンク部材72が取り付けられているので、以下の説明においては右のクッションサイドフレーム3と、後部リンク部材71及び前部リンク部材72との関係を例示して左のクッションサイドフレーム3の説明は省略する。
【0025】
後部リンク部材71の前端部は、第一後部回転軸711を介して支持フレーム5に回転自在に軸支されている。後部リンク部材71における第一後部回転軸711よりも先端には、後部リンク部材71が起立した際に支持フレーム5に当接してそれ以上の回転を規制する規制部712が形成されている。後部リンク部材71の後端部は、第二後部回転軸713を介してクッションサイドフレーム3に回転自在に軸支されている。この第二後部回転軸713はパイプ部材であり、右のクッションサイドフレーム3の後部リンク部材71に連結されている。後部リンク部材71の回転軸711,713の間には、最下降状態時に支持フレーム5に当接する直線状の当接縁714が形成されている。また、後部リンク部材71の第二後部回転軸713の前方斜め上方には、作動伝達部材8に係合するギア部715が形成されている。
【0026】
また、前部リンク部材72の前端部は、第一前部回転軸721を介して支持フレーム5に回転自在に軸支されている。また、前部リンク部材72の後端部は、第二前部回転軸722を介してクッションサイドフレーム3に回転自在に軸支されている。また、前部リンク部材72の第二前部回転軸722の下方には、最下降状態時に支持フレーム5に当接する直線状の当接縁723が形成されている。また、前部リンク部材72の第一前部回転軸721の後ろ斜め上方には、右のクッションサイドフレーム3の前部リンク部材72に連結されたパイプ部材73が取り付けられている。
つまり、後部リンク部材71、前部リンク部材72、支持フレーム5及びクッションサイドフレーム3によって1つのリンク機構が形成されている。また、右のクッションサイドフレーム3と左のクッションサイドフレーム3とは、三本の連結部材9によって一体化されていて、なおかつ左右の後部リンク部材71は第二後部回転軸713によって連結され、左右の前部リンク部材72はパイプ部材73で連結されているため、左右のリンク機構は同じ動作をすることになる。
【0027】
図2に示すようにクッションサイドフレーム3が最下降状態である場合に、後部リンク部材71が起立するように作動伝達部材8が操作されると、後部リンク部材71が第一後部回転軸711を中心に回転して起立するとともに、前部リンク部材72も第一前部回転軸721を中心に回転して起立する。この回転によって、後部リンク部材71の規制部712が支持フレーム5に当接するとそれ以上の上昇が規制される(
図3参照)。
【0028】
図3は最上昇状態の右のクッションサイドフレーム3側の昇降機構7を内側から示す側面図である。
図3に示すように、クッションサイドフレーム3が最上昇状態である場合に、後部リンク部材71が傾倒するように作動伝達部材8が操作されると、後部リンク部材71が第一後部回転軸711を中心に回転して傾倒するとともに、前部リンク部材72も第一前部回転軸721を中心に回転して傾倒する。この回転によって、後部リンク部材71の当接縁714及び前部リンク部材72の当接縁723が支持フレーム5に当接するとそれ以上の下降が規制される(
図2参照)。
ここで、上昇時或いは下降時においてクッションサイドフレーム3は、第二後部回転軸713及び第二前部回転軸722を中心に回転していて常に水平状態を維持している。
【0029】
次に、クッションサイドフレーム3について詳細に説明する。なお、一対のクッションサイドフレーム3は、両者共にほぼ同じ形状であるが、右のクッションサイドフレーム3は作動伝達部材8が取り付けられるのでその部分のみが左のクッションサイドフレーム3とは異なる。このため、以下の説明においては右のクッションサイドフレーム3を例示して左のクッションサイドフレーム3の説明は省略する。
【0030】
図4は右のクッションサイドフレーム3を外側から示す側面図である。クッションサイドフレーム3の後端部には、リクライニング機構4のブラケット41が取り付けられている。ブラケット41には、シートバックフレーム2のサイドフレーム22が回転自在に支持されている。
【0031】
図5はクッションサイドフレーム3の後端部付近を外側から拡大して示す側面図であり、
図6は
図5に対してブラケットを想像線で追加した側面図であり、
図7はクッションサイドフレーム3の後端部付近を後方から拡大して示す背面図である。
図5〜
図7に示すように、クッションサイドフレーム3の後端部には、ブラケット41を前後の二箇所で固定する一対のブラケット用固定部31,32が取り付けられている。ブラケット用固定部31,32は例えばボルトなどの固定具である。クッションサイドフレーム3のブラケット用固定部31,32の取付位置は、それぞれ外側に凸となる突出部33,34となっている。前方の突出部33は、後方の突出部34よりも上方に配置されている。突出部33,34にはネジ孔が形成されている。また、突出部33,34との間も外側に向けて凸となる突出部35となっており、これにより、ブラケット用固定部31,32の取付位置が連続した突出部33,34,35となっている。
【0032】
一方、ブラケット41の下部には、前後それぞれに貫通孔42(
図4参照)が形成されている。この貫通孔42がそれぞれ突出部33,34に対向配置された状態で、当該貫通孔42内にブラケット用固定部31,32を挿入し突出部33,34のネジ孔に螺合させることで、ブラケット41がクッションサイドフレーム3に固定される。また、
図7に示すようにブラケット41の中段付近から上部には、内側に向けて凸となる段差部44が形成されている。また、ブラケット41の下端部43は、上方に向けて凸となる湾曲した形状に形成されている。
【0033】
ここで、
図5及び
図6に示すように、クッションサイドフレーム3の後側上端部36は、一対のブラケット用固定部31,32のうち、前方のブラケット用固定部31の下端部(
図5に示す水平線S1)よりも上方に突出している。また、クッションサイドフレーム3の後側上端部36は、
図7に示すようにブラケット41の段差部44に沿うように内側に向けて傾倒している。
【0034】
図4に示すように、クッションサイドフレーム3の下部中央には上方に向かって凸となるくびれ部37が形成されている。
クッションサイドフレーム3には、前方の連結部材9の後方から、後方の連結部材9の前方に掛けて内側に凹んだ補強凹部38が形成されている。この補強凹部38によってクッションサイドフレーム3の剛性が確保されている。補強凹部38内には、中央の連結部材9が配置されている。また、補強凹部38内であって連結部材9の後方斜め下には、第二前部回転軸722が取り付けられている。
クッションサイドフレーム3の後部である補強凹部38の後部内であって、リクライニング機構4よりも前方には作動伝達部材8が配置されている。具体的に説明すると、補強凹部38の後部には、作動伝達部材8を収容する凹部10が設けられている。この凹部10をなす段差部11は、作動伝達部材8の全周を囲っている。
図5及び
図6に示すように凹部10の外側に、ブラケット用固定部31,32が配置されているが、これらブラケット用固定部31,32のうち、前方のブラケット用固定部31は、上下方向で凹部10に重なる位置に配置されている。また、凹部10をなす段差部11のうち、前側部分11aは、第二前部回転軸722よりも後方に配置され、なおかつくびれ部37に対向配置されている。
【0035】
作動伝達部材8は、後部リンク部材71のギア部715に係合するピニオンギア(図示省略)と、ピニオンギアに一体的に連結された回転軸81と、回転軸81を回転させるための操作レバー(図示省略)と、操作レバーから手が離されたときに回転軸81の回転位置を保持するブレーキ機構(図示省略)とを備えている。操作レバーは常時は付勢によってその操作前の初期位置となる中立位置に保持されており、これを上下に動かす操作によって、回転軸81をその操作した方向に回転操作して、操作から手を離すことによって、ブレーキ機構によって回転軸81の回転位置を保持したまま、操作レバーのみが付勢によって中立位置に戻される構成となっている。
また、作動伝達部材8には周方向に所定の間隔を空けて設けられたブレーキ用固定部82,83が前後に一対ずつ備えられている。このブレーキ用固定部82,83がクッションサイドフレーム3に固定されている。
【0036】
凹部10内には、後部リンク部材71に対して側方から当接するように、内側に向けて凸となるビード13が形成されている。
また、凹部10内には、作動伝達部材8の後方に形成され、当該作動伝達部材8の取付位置とは段差が異なる第二段差部12が設けられている。第二段差部12の方が作動伝達部材8の取付位置よりも外側となっている。この第二段差部12に第二後部回転軸713が取り付けられている。そして、凹部10の後方には、クッションサイドフレーム3の後端部に配置される連結部材9が取り付けられている。つまり、内側から順に、作動伝達部材8、第二後部回転軸713、後方の連結部材9、ブラケット用固定部31,32が配置されている。これらが異なる垂直面上に配置されるように段差(段差11,12、突出部33,34,35)が形成されている。
また、ブラケット41の下端部43は後方の連結部材9に対向することになるが、当該下端部43が上方に向けて凸となる湾曲した形状となっているために、後方の連結部材9を避けることとなる。
【0037】
そして作動伝達部材8は、凹部10内であって、後方の一対のブレーキ用固定部83が前方のブラケット用固定部31よりも前方となるように配置されている。さらに
図4に示すように、作動伝達部材8は、後方の一対のブレーキ用固定部83の間に、作動伝達部材8の軸心と、後方の連結部材9の軸心とを結んだ線Lが存在するように配置されている。
【0038】
図8は凹部10を内側から見た斜視図であり、
図9は凹部10を外側から見た斜視図である。
図8に示すように、凹部10には、作動伝達部材8のピニオンギアをより一層内側に配置するためのピニオンギア用凹部14が形成されている。ピニオンギア用凹部14は、凹部10よりもより内側に凹んでいる。そしてピニオンギア用凹部14における後部には、ピニオンギアと、後部リンク部材71のギア部715とを係合させるためのスリット15が上下方向に沿って形成されている。
また、
図8及び
図9に示すように、凹部10には、クッションサイドフレーム3が下降して第一後部回転軸711が近接した際に、当該第一後部回転軸711との接触を避けるように形成された回転軸用凹部16が設けられている。この回転軸用凹部16は、
図8に示すように内側から見ると凹部10をなす段差部11が当該凹部10の中心に向けて窪んでいる。他方、
図9に示すように外側から見ると凹部10をなす段差部11が当該凹部10の中心に向けて突出している。
【0039】
図10は、後部リンク部材71を覆うカバー部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。また
図11は右のクッションサイドフレーム3の外側からカバー部材を透過して示す側面図である。
図10及び
図11に示すようにカバー部材50は、後端部がパイプ部材である第二後部回転軸713に係合し、前端部が作動伝達部材8よりも前方に配置されている。なお、右のクッションサイドフレーム3における凹部10とは逆側、つまり内側部分は、内側に向けて突出する突出部90となっている。この突出部90に対して対向するようにカバー部材50が取り付けられている。
【0040】
以下、カバー部材50について詳細に説明する。
図12はカバー部材50の概略構成を示す説明図であり、(a)は内面図、(b)は外面図、(c)は上面図である。カバー部材50は樹脂により成型されたものであり、板状の外装部51と、外装部51の前縁、上縁及び後縁にかけて内側(右側)に向かって立設する外壁部52とが設けられている。
外装部51の後端下部には、第二後部回転軸713に対して係合する軸受部53が形成されている。この軸受部53には、外側(左側)に突出して、第二後部回転軸713の外周面に重なるように形成された側面視略半円状の当接部54と、当接部54に対して放射状に切り欠かれた切欠55とが設けられている。当接部54内に第二後部回転軸713を取り付ける際には、第二後部回転軸713の上から当接部54を押し込む。切欠55によって当接部54がわずかに変形し、当接部54内に第二後部回転軸713が嵌合することになる。
また、外装部51の前端部にはネジ穴56が設けられている。外装部51の内面にはネジ穴56の周囲から前後上下に延びるリブ57が形成されている。後方に延びるリブ57は後方の外壁部52まで延在している。後方に延びるリブ57の途中には上方の外壁部52まで延びるリブ58が設けられている。また、外装部51の内面における軸受部53の周囲にも十字状のリブ59や、後方の外壁部まで延びるリブ60が形成されている。
【0041】
また、外装部51の上縁の外壁部52には、その中央部分に左側(外側)に凹んだ段差部511が形成されている。この段差部511によって、カバー部材50が突出部90に沿って、なおかつ突出部90に当接することになる(
図10参照)。
また、外装部51における段差部511に対向する部分は、左側(外側)に向かって膨らんだ形状となっている。これにより、ピニオンギア用凹部14との干渉が防止されている。
【0042】
そして、
図11に示すように、右のクッションサイドフレーム3における前方のブレーキ用固定部82を避けた位置、具体的には前側二箇所のブレーキ用固定部82の間に、カバー用固定部61が設けられている。カバー用固定部61は貫通孔であり、このカバー用固定部61とカバー部材50のネジ穴56とを対峙させて、ネジ止めすることでカバー部材50が右のクッションサイドフレーム3に固定されることになる。
固定後においては、カバー部材50の前端部は作動伝達部材8よりも前方に位置し、カバー部材50の後端部は後方の連結部材9の前方に配置される。そして、カバー部材50の外装部51と外壁部52とによって、後部リンク部材71のギア部715が覆われることとなる。
【0043】
また、
図4に示すように、クッションサイドフレーム3には、例えばシートベルトなどの被支持部材(図示省略)を支持するための支持ワイヤ17が取り付けられている。支持ワイヤ17には前後方向に沿う長辺部171と、上下方向に沿う短辺部172と、長辺部171及び短辺部172を連結する折り曲げ部173とを備えている。短辺部172は、補強凹部38内に溶接により固定されている。また、長辺部171の後端部はクッションサイドフレーム3の上縁部であってブラケット41の直前部分に溶接により固定されている。他方、長辺部171の前端部はクッションサイドフレーム3の上縁部であって作動伝達部材8よりも前方に溶接により固定されている。この長辺部171の溶接部分を前後二箇所の取付部174,175とする。前後二箇所の取付部174,175間は、凹部10に対向している。
【0044】
また、
図8に示すように、クッションサイドフレーム3の上縁部には、内側に折り曲げ形成されたフランジ39が設けられている。このフランジ39はクッションサイドフレーム3の前端部から、前後二箇所の取付部174,175のうち後方の取付部174まで延在している。そして、フランジ39の後端部は後方の取付部174近傍で切り欠かれている(
図8に示す円S2内参照)。この切欠の近傍ではシートバックフレーム2がリクライニングされる際に、当該シートバックフレーム2を覆うクッションパッドが近接することになるが、この切欠によってクッションパッドとの接触が抑制されている。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、右のクッションサイドフレーム3のカバー部材50と対向する部分に内側に向けて突出する突出部90が設けられていて、カバー部材50が突出部90に沿うように形成され、なおかつ突出部90に当接しているので、カバー部材50の左右方向の厚みを突出部90分だけ小さくすることができる。したがって、カバー部材50によってギア部715の露出を防止しつつ、カバー部材50のコンパクト化も実現することができる。
【0046】
また、カバー部材50の前端部が作動伝達部材8よりも前方に位置するとともに、カバー部材50の後端部が後方の連結部材9の前方に配置されているので、連結部材9を避けた位置にカバー部材50が取り付けられることとなり、カバー部材50と連結部材9との干渉を防ぎつつ、カバー部材50の前端部から後端部までの長さをある程度確保することができる。カバー部材50の前端部から後端部までの長さを確保できれば、カバー部材50の取付後の安定性を維持することができる。
また、カバー部材50を固定するためのカバー用固定部61が、作動伝達部材8の前側のブレーキ用固定部82を避けた位置に形成されているので、カバー部材50や、作動伝達部材8をクッションサイドフレーム3に固定するときに他方の固定部61,82が邪魔とならず、取付作業の効率化を図ることが可能である。
また、カバー用固定部61が作動伝達部材8の二箇所のブレーキ用固定部82の間に形成されているので、前方への突出量を抑制することができ、カバー部材50のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0047】
また、右のクッションサイドフレーム3における突出部90の反対側の部分に、作動伝達部材8を収容する凹部10が形成されているので、突出部90を形成したことにより生ずる凹部10を有効活用することができる。さらに作動伝達部材8が凹部10内に収容されていることで、作動伝達部材8の取付剛性を高めることができる。
また、後方の連結部材9と突出部90との間に配置された第二後部回転軸713(パイプ部材)に対して、カバー部材50の後端下部が係合しているので、簡素な構成でカバー部材50の後端下部を取り付けることができる。また、カバー部材50の後端下部を第二後部回転軸713よりも下方で固定する場合と比べてカバー部材50を上下方向にコンパクトにすることが可能である。
【0048】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。