特許第6139121号(P6139121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6139121無線LAN設定端末、無線LAN端末および無線LAN設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139121
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】無線LAN設定端末、無線LAN端末および無線LAN設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20170522BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20170522BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
   H04W84/12
   H04M1/00 R
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-270919(P2012-270919)
(22)【出願日】2012年12月12日
(65)【公開番号】特開2014-116871(P2014-116871A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】土岐 卓
(72)【発明者】
【氏名】荒井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】井戸上 彰
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−034026(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/052778(WO,A1)
【文献】 特開2005−347981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T1/00−1/40
3/00−5/50
9/00−9/40
11/60−13/80
17/05
19/00−19/20
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANの被設定端末に対して無線LAN設定を行う無線LAN設定端末において、
被設定端末から無線LAN設定情報を含むセンサ情報を取得する手段と、
前記センサ情報からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手段と、
前記文字列の認識結果に基づいて、前記被設定端末にインストールされることで無線LAN設定を実現するプロファイルを生成する手段と、
前記プロファイルを前記被設定端末へ送信する手段とを具備したことを特徴とする無線LAN設定端末。
【請求項2】
前記センサ情報が、前記被設定端末の画像センサにより取得されたカメラ画像であることを特徴とする請求項1に記載の無線LAN設定端末。
【請求項3】
前記センサ情報が、前記被設定端末のマイクロフォンにより取得された音響信号であることを特徴とする請求項1に記載の無線LAN設定端末。
【請求項4】
前記センサ情報が、前記被設定端末の光学センサにより取得された光学信号であることを特徴とする請求項1に記載の無線LAN設定端末。
【請求項5】
前記センサ情報を取得する手段は、複数のSSIDおよび暗号鍵のペアを前記被設定端末の機種情報と共に取得し、
前記プロファイルを生成する手段は、機種情報に応じたSSIDおよび暗号鍵のペアを選択してプロファイルを生成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の無線LAN設定端末。
【請求項6】
無線LANの被設定端末に対して無線LAN設定を行う無線LAN設定端末において、
被設定端末から無線LAN設定用のセンサ情報を取得する手段と、
センサ情報から検出される特徴量とSSIDおよび暗号鍵との対応関係を管理するテーブルと、
前記センサ情報から特徴量を検出する手段と、
前記特徴量の検出結果に対応したSSIDおよび暗号鍵を前記テーブルから検索する手段と、
前記検索結果に基づいて、前記被設定端末にインストールされることで無線LAN設定を実現するプロファイルを生成する手段と、
前記プロファイルを前記被設定端末へ送信する手段とを具備したことを特徴とする無線LAN設定端末。
【請求項7】
前記センサ情報が、前記被設定端末の画像センサにより取得されたカメラ画像であり、前記特徴量が、画像特徴量であることを特徴とする請求項6に記載の無線LAN設定端末。
【請求項8】
前記センサ情報が、前記被設定端末のマイクロフォンにより取得された音響信号であり、前記特徴量が、音響特徴量であることを特徴とする請求項6に記載の無線LAN設定端末。
【請求項9】
無線LANインタフェースを備えた無線LAN端末において、
カメラ画像を生成するカメラ機能部と、
無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手段と、
前記認識結果に基づいて、複数の文字列候補を一覧表示する手段と、
前記文字列候補の一つをユーザが選択する操作を受け付ける手段と、
前記選択された文字列候補を含む無線LAN設定要求を所定の宛先へ送信する手段と、
前記所定の宛先から、前記文字列候補を含む無線LAN設定用のプロファイルを受信する手段と、
前記受信したプロファイルをインストールすることで無線LAN設定を行う手段とを具備したことを特徴とする無線LAN端末。
【請求項10】
前記複数の文字列候補を一覧表示する手段は、前記認識する手段の認識結果に基づいて、尤度が上位Nベストの文字列候補を一覧表示することを特徴とする請求項9に記載の無線LAN端末。
【請求項11】
無線LANの被設定端末に対して設定端末が無線LAN設定を行う方法において、
被設定端末が設定端末に対して接続を要求する手順と、
設定端末が前記接続要求に対して、無線LAN設定用のWebプログラムが組み込まれたWebページを応答する手順と、
被設定端末がブラウザ上で前記Webプログラムを実行することで、無線LAN設定情報を取得して設定端末へ送信する手順と、
前記無線LAN設定情報を受信した設定端末から応答される、SSIDおよび暗号鍵の文字列を含むプロファイルを受信する手順と、
前記受信されたプロファイルを被設定端末にインストールする手順とを含むことを特徴とする無線LAN設定方法。
【請求項12】
前記無線LAN設定用のWebプログラムが、
被設定端末のカメラ機能を起動させる手順と、
前記カメラ機能により撮影された無線LAN設定情報のカメラ画像を設定端末へ送信する手順とを含むことを特徴とする請求項11に記載の無線LAN設定方法。
【請求項13】
前記設定端末が、被設定端末から取得したカメラ画像からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手順と、
前記設定端末が、前記認識結果に基づいて、前記SSIDおよび暗号鍵を含むプロファイルを生成する手順とを含むことを特徴とする請求項12に記載の無線LAN設定方法。
【請求項14】
前記被設定端末が、カメラ画像からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手順と、
前記被設定端末が、前記文字列の認識結果を設定端末へ送信する手順と、
前記設定端末が、被設定端末から取得したSSIDおよび暗号鍵を含むプロファイルを生成する手順とを含むことを特徴とする請求項12に記載の無線LAN設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN機能を備えた無線LAN端末、無線LAN端末に対して無線LAN設定を行う無線LAN設定端末および無線LAN設定方法に係り、特に、無線LAN設定の手順が、Web経由でサーバから取得した設定情報(プロファイル)をインストールするWeb API (Application Programming Interface)利用に制限された無線LAN端末に対して、簡単化された手順による無線LAN設定を可能にする無線LAN設定端末、無線LAN端末および無線LAN設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、携帯ゲーム機あるいはデジタルフォトフレーム等に代表される無線LAN端末が急速に普及している。これらの無線LAN端末を利用する際には、利用者が予め用意した無線LANアクセスポイント(無線AP)との接続設定を実施する必要がある。この接続設定は無線LAN設定と呼ばれ、次のような設定情報が無線LAN端末に登録される。
(1)無線APが持つSSID(Service Set Identifier:アクセスポイントを一意に識別するID
(2)暗号方式
(3)暗号鍵/パスワード(KEY)
【0003】
しかしながら、これらの設定情報を無線LAN端末に設定するためには、無線LANに関する専門知識が必要となるため、不慣れな利用者にとっては簡単な操作ではなかった。
【0004】
このような技術課題に対して、非特許文献1には、設定操作を自動化して利用者の負担を軽減する技術が開示されている。非特許文献1では、無線APが具備するボタンを操作することで、無線APが仮の設定情報で無線LAN端末と通信路を確立することを許容するモード(設定モード)に移行し、その間に無線LAN端末は、仮の設定情報を用いて無線APに一時的に接続し、この無線LAN通信路を使って、無線APから通常用の設定情報を取得する。その後、取得した通常用の設定情報を用いた無線APへの再接続により、無線LANの利用(通信)が可能になる。
【0005】
図13は、非特許文献1による無線LAN設定の手順を示したシーケンスフローであり、スマートフォンなどの被設定端末(無線LAN端末)には、設定用通信路を確立するための第1設定情報として、全端末に共通のSSID1、KEY1および暗号方式が予め登録されている。無線APなどの設定端末には、SSID1、KEY1および暗号方式と共に、通常通信路を確立するための第2設定情報として、各端末に固有のSSID2、KEY2および暗号方式が予め登録されている。
【0006】
手順S1では、設定端末が具備するボタンを利用者が押下操作等することにより、当該設定端末に対して設定の開始が要求される。なお、ボタン操作の代わりに画面表示等が利活用される場合もある。ボタン操作された設定端末では、動作モードが「通常モード」から「設定モード」に変更される。
【0007】
手順S2では、利用者が被設定端末を操作して設定開始を要求する。この要求操作には、物理ボタンやソフトウェアボタン等を利用できる。
手順S3,S4では、被設定端末において、予め保持されているSSID1およびKEY1が自身に設定登録される。なお、KEY1は全設定端末に共通の文字列で構成される。
手順S5では、被設定端末が前記SSID1およびKEY1を用いて一時的に設定端末に接続することで設定用の仮通信路が確立される。
【0008】
手順S6では、被設定端末から設定端末へ、前記仮通信路を用いて設定開始の指示が送信される。
手順S7では、設定端末において、前記設定開始指示の受信に応答して被設定端末のMACアドレスが読み取られる。
手順S8では、設定端末から被設定端末へ、通常モード時に利用するSSID2およびKEY2の設定情報が送信される。
手順S9では、被設定端末から設定端末へ、前記設定情報の正常受信を通知するための受信確認データが送信される。
【0009】
手順S10では、設定端末において、被設定端末からの受信確認データの受信に応答して、被設定端末のMACアドレスが設定端末自身に登録される。
手順S11では、設定端末から被設定端末へ、前記MACアドレスの登録を完了したことを被設定端末に通知するための端末MACアドレス登録完了データが送信される。
手順S12,S13では、被設定端末において、前記端末MACアドレス登録完了データの受信に応答して、前記手順S8で取得したSSID2およびKEY2の設定が実行される。
【0010】
一方、非特許文献2には、被設定端末に対して、当該端末の開発業者により無線LANの設定方法に制限を設ける技術が開示されている。非特許文献2では、無線LAN設定に必要なSSIDやKEYなどの設定情報が、開発業者により独自に規定されたフォーマットで記述されたファイル(以下、プロファイルと呼ぶ)としてネットワーク上のサーバに保持されている。被設定端末の利用者は、Webブラウザから前記サーバにアクセスしてプロファイルを取得する。また、被設定端末には、当該プロファイルを自動でインストールするプログラムが予め実装されており、前記プロファイルが取得されると、当該プログラムが起動されて前記プロファイルをインストールすることで、前記各設定情報が登録される。
【0011】
図14は、非特許文献2による無線LAN設定の手順を示したシーケンスフローであり、サーバ等から構成される設定端末には、無線LANの設定情報(SSID、KEYおよび暗号方式)の記述されたプロファイルが予め保持されている。
【0012】
手順U1では、スマートフォン等の被設定端末において、第三者からのメールによる通知や、利用者がWebサーバへの接続方法が掲載されたホームページなどを閲覧するなどの方法を利用して、設定情報を含んだプロファイルを管理する設定端末へのURL、IPアドレスあるいはリンク(以下、URLで代表する)などが取得される。
【0013】
手順U2では、被設定端末において、利用者の操作に応答して設定端末のURLに接続要求が送信される。
手順U3では、設定端末から被設定端末へ、前記要求されたURLのWebページが応答される。
【0014】
手順U4では、被設定端末において、前記要求したURLから応答されたWebページを受信する。このとき、利用者は受信したWebページの内容を確認することで、信頼できる設定端末からのWebページであることを確認することができる。そのため、利用者の意図しない設定端末の設定情報を受信することを防止でき、セキュリティを担保することも可能である。
【0015】
手順U5では、被設定端末において、そのディスプレイ上に表示された設定情報を取得するためのリンク先にアクセスすることで、無線LANアクセスポイントの設定情報を含んだプロファイルが保持されているURLに接続する。
手順U6では、設定端末において、前記要求されたURLに保持されている、無線LAN設定情報の記述されたプロファイルが応答される。
手順U7では、被設定端末において、前記設定端末から受信したプロファイルをインストールすることで、当該被設定端末に無線LANの設定情報が登録される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】1 AOSS(Air Station One-Touch Secure System);(http://www.buffalotech.com/files/AOSS_WP_Final.pdf)
【非特許文献2】iPhone構成プロファイル;(http://developer.apple.com/jp/devcenter/ios/library/documentation/FA_iPhone_Configuration_Utility.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
非特許文献1に開示された技術を利用すれば、無線LAN設定の操作を簡単化できるが、非特許文献2の技術により無線LANの設定方法に制限が設けられた被設定端末に対しては、非特許文献1に開示された技術を適用して無線LAN設定の操作を簡単化することができなかった。
【0018】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を全て解決し、無線LAN設定の手順が、Web経由で外部のサーバから取得した設定情報をインストールするWeb API利用に制限された被設定端末に対して、既存の簡単化された手順と同様の手順で無線LAN設定を行える無線LAN設定端末、無線LAN端末および無線LAN設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を発明特定事項とした点に特徴がある。
【0020】
(1)無線LANの被設定端末に対して無線LAN設定を行う無線LAN設定端末は、被設定端末から無線LAN設定情報を含むセンサ情報を取得する手段と、センサ情報からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手段と、文字列の認識結果に基づいて、前記被設定端末にインストールされることで無線LAN設定を実現するプロファイルを生成する手段と、プロファイルを前記被設定端末へ送信する手段とを具備した。
【0021】
(2)無線LANの被設定端末に対して無線LAN設定を行う無線LAN設定端末は、被設定端末から無線LAN設定用のセンサ情報を取得する手段と、センサ情報から検出される特徴量とSSIDおよび暗号鍵との対応関係を管理するテーブルと、センサ情報から特徴量を検出する手段と、特徴量の検出結果に対応したSSIDおよび暗号鍵を前記テーブルから検索する手段と、検索結果に基づいて、前記被設定端末にインストールされることで無線LAN設定を実現するプロファイルを生成する手段と、プロファイルを前記被設定端末へ送信する手段とを具備した。
【0022】
(3)無線LANインタフェースを備えた無線LAN端末は、カメラ画像を生成するカメラ機能部と、無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよび暗号鍵の文字列を認識する手段と、認識結果に基づいて、複数の文字列候補を一覧表示する手段と、文字列候補の一つをユーザが選択する操作を受け付ける手段と、選択された文字列候補を含む無線LAN設定要求を所定の宛先へ送信する手段と、所定の宛先から、前記文字列候補を含む無線LAN設定用のプロファイルを受信する手段と、受信したプロファイルをインストールすることで無線LAN設定を行う手段とを具備した。
【0023】
(4)無線LANの被設定端末に対して設定端末が無線LAN設定を行う方法は、被設定端末が設定端末に対して接続を要求する手順と、設定端末が前記接続要求に対して、無線LAN設定用のWebプログラムが組み込まれたWebページを応答する手順と、被設定端末がブラウザ上で前記Webプログラムを実行することで、無線LAN設定情報を取得して設定端末へ送信する手順と、無線LAN設定情報を受信した設定端末から応答される、SSIDおよび暗号鍵の文字列を含むプロファイルを受信する手順と、受信されたプロファイルを被設定端末にインストールする手順とを含むようにした。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)被設定端末としての無線端末MNが、デジタルカメラ機能、無線LAN設定情報のカメラ画像を送信する機能、および無線LAN設定情報のプロファイルを受信して自身にインストールする機能といった、一般的な携帯電話、スマートフォンあるいはノートPCであれば標準装備されている機能さえ備えていれば、端末ユーザに煩雑な操作を要求することなく、無線端末MNに対して無線LAN設定を簡単かつ正確に行えるようになる。
【0025】
(2)各無線APに固有の無線LAN設定情報を撮影できなくても、その周辺の景色画像やランドマーク画像を撮影して送信することによっても無線LAN設定が可能になるので、無線LAN設定情報の表示場所を特定できないWi-Fiスポットへの無線LAN接続も容易になる
【0026】
(3)無線線LAN設定情報を撮影したカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列を認識する処理が各無線端末MNで実行されるので、文字認識に係る負荷が設定端末へ集中せず、各無線端末MNへ分散されるようになる。したがって、多数の無線端末MNに対して集中的に無線LAN設定を行わなければならない状況下でも、設定端末に輻輳が生じず、各無線LAN設定を短時間で行えるようになる。
【0027】
(4)無線LAN設定の手順がWebアプリケーションにより時系列で自動的に進行するので、端末ユーザはWebアプリケーションからの指示に従うだけで無線LAN設定を更に簡単かつ確実に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明が適用される無線LANの構成を示した図である。
図2】無線LANアクセスポイントの構成を示した機能ブロック図である。
図3】無線端末MN(被設定端末)の構成を示した機能ブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る設定端末の機能ブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
図6】本発明の第2実施形態に係る無線端末MNの機能ブロック図である。
図7】第2実施形態における無線端末MNの表示パネルの表示例を示した図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
図9】本発明の第3実施形態に係る無線LAN設定手順のシーケンスフローである。
図10】第3実施形態における無線端末MNの画面表示例を示した図である。
図11】第3実施形態における無線LAN設定情報の取得手順を示したシーケンスフローである。
図12】第3実施形態におけるWebプログラムの一部を示した図である。
図13】非特許文献1の無線LAN設定手順を示したシーケンスフローである。
図14】非特許文献2の無線LAN設定手順を示したシーケンスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の無線LAN設定方法が適用されるネットワークの構成を示した図であり、ここでは、被設定端末(無線LAN端末)としての無線端末MNが無線LANアクセスポイント(無線AP)に対して無線LAN接続するための無線LAN設定を、ネットワーク上に設けられた設定端末(無線LAN設定端末)から無線端末MNに対して行う場合を例にして説明する。
【0030】
無線端末MNは、IEEE 802.11規格に準拠した無線LANインタフェースを含む複数の有線および/または無線の通信インタフェースを備える。無線APには、無線LAN接続用のネットワーク名(SSID)および暗号鍵(KEY)を含む無線LAN設定情報が記憶されると共に、当該無線LAN設定情報の印刷されたシールが無線APの筐体、取扱説明書、保証書あるいは当該無線APが設置される居室内の壁等の適所に貼り付けられている。
【0031】
[第1実施例]
図2は、前記無線APの主要部の構成を示した機能ブロック図であり、ここでは、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0032】
無線LANインタフェース101は、無線信号を送受信する。通信制御部102は、無線LANインタフェース101から送信される無線信号を暗号化すると共に、無線LANインタフェース101で受信される無線信号を復号する。メモリ領域103において、無線LAN設定情報保持部103aには、無線LAN設定情報として、当該無線APに固有のネットワーク名SSIDならびに暗号鍵KEYおよび暗号方式が予め保持されている。制御部104は、当該無線APの主要動作を制御する。
【0033】
図3は、前記無線端末MNの主要部の構成を示した機能ブロック図であり、ここでも、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0034】
無線LANインタフェース201は、無線信号を送受信する。通信制御部202は、前記無線LANインタフェース201から送信される無線信号を暗号化すると共に、無線LANインタフェース201で受信される無線信号を復号する。UI部203は、利用者の操作を受け付けるタッチスイッチ(SW)203aおよび表示パネル203bを含み、本実施形態では、表示パネル203bに表示されたアイコンやスイッチがタッチされると、これがタッチSW203aにより検知されるように構成されている。
【0035】
通信インタフェース205は、EV-DOやLTEなどの無線信号を送受信する。通信制御部206は、前記通信インタフェース205から送信される無線信号を暗号化すると共に、通信インタフェース205で受信される無線信号を復号する。デジタルカメラ機能部207は、画像センサ(図示省略)で検知されたセンサ情報(ここでは、画像信号)に基づいてカメラ画像を生成する。ROM208には、各種のプログラムや制御データが予め格納されている。RAM209は、制御部204にワークエリアを提供する。
【0036】
図4は、前記設定端末の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、ここでも、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0037】
通信インタフェース301は、ネットワーク経由でデータを送受信する。制御部302において、文字列認識部302aは、無線端末MNからネットワーク経由で受信されるカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列を認識する。プロファイル生成部302bは、前記SSIDおよびKEYを無線端末MNに設定するためのファイルやソフトウェア(以下、「プロファイル」で総称する)を作成する。プロファイル応答部302cは、前記カメラ画像を送信した無線端末MNに対して、前記生成されたプロファイルを応答する。
【0038】
図5は、本発明の第1実施形態の動作を示したシーケンスフローであり、時刻t1では、端末ユーザの操作に応答して無線端末MNのデジタルカメラ機能部207が起動される。時刻t2では、表示パネル203bにカメラ画像が表示される。時刻t3,t4では、無線APの筐体等に貼り付けられている無線LAN設定情報が端末ユーザの操作により撮影されて一時記憶される。
【0039】
時刻t5において、端末ユーザが設定端末のアドレスを指定して前記カメラ画像の送信を指示すると、時刻t6では、前記カメラ画像が設定端末へ送信される。前記無線LAN設定情報は、SSIDおよびKEYの文字列で表示される他、これらの文字列を一次元コードや二次元コードに符号化した表示であっても良い。
【0040】
時刻t7では、設定端末の文字列認識部302aにおいて、前記受信された無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列が認識または復号される。時刻t8では、前記プロファイル生成部302bにおいて、前記認識または復号されたSSIDおよびKEYを無線端末MNに設定するためのプロファイルが作成される。時刻t9では、前記プロファイル応答部302cにより、前記作成されたプロファイルが前記無線端末MNへ応答される。
【0041】
時刻t10では、前記プロファイルが無線端末MNにより受信されてインストールされ、前記SSIDおよびKEYを含む無線LAN設定情報がRAM209の所定領域に登録される。これにより無線LAN設定が完了し、時刻t11では、無線LAN設定が完了した旨のメッセージが表示パネル203bに表示されてユーザへ通知される。
【0042】
なお、上記の実施形態では、無線LAN設定情報がSSIDおよびKEYの文字列、またはこれらを符号化したコード情報等の画像情報であるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、無線APまたはその設置環境を、当該無線APのSSIDおよびKEYを固有の音響信号に変調して出力できるように構成すれば、この音響信号を無線端末MNがマイクロフォンで検知して録音し、このセンサ情報を無線LAN設定情報として送信する一方、設定端末では、取得したセンサ情報(ここでは、音響信号)からSSIDおよびKEYを復調してプロファイルを生成するようにしても良い。
【0043】
このように、無線LAN設定情報を音響信号として取得できるようにすれば、例えば企業の会議室毎または学校の教室毎に固有の無線LAN設定が必要となる場合でも、会議室内または教室内に無線APのSSIDおよびKEYに固有の音響信号を都度出力し、各無線端末が当該音響信号を設定端末へ送信するようにすれば、無線LAN設定を簡単に行えるようになる。この際、可聴域の周波数帯から外れた帯域の音響信号を採用すれば、実質的に静かな環境を維持したまま無線LAN設定を行えるようになる。
【0044】
同様に、無線APまたはその設置環境を、当該無線APのSSIDおよびKEYを固有の光学信号(例えば、赤外線)に変調して出力できるように構成すれば、この光学信号を無線端末MNが光学センサで検知して記録し、このセンサ情報を無線LAN設定情報として送信する一方、設定端末では、取得したセンサ情報(ここでは、光学信号)からSSIDおよびKEYを復調してプロファイルを生成するようにしても良い。
【0045】
さらに、無線LAN設定情報を画像情報として取得する場合も、上記の実施形態では、SSIDおよびKEYを含む画像情報が撮影されるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、無線APがWi-Fiスポットのような公衆無線基地局の場合には、当該無線APの設置場所周辺の景色画像やランドマークの画像など、SSIDやKEYを含まない画像を撮影して送信するようにしても良い。
【0046】
この場合、予め無線APの設置場所周辺の景色画像やランドマーク画像(建物、彫刻、絵画など)などとSSIDおよびKEYとの対応関係を設定端末へ登録しておき、無線端末MNが周辺環境を撮影して設定端末へ送信すると、当該画像またはその画像特徴量と紐付けられているSSIDおよびKEYが検索されてプロファイルが生成、応答されるようにすれば良い。
【0047】
このようにすれば、例えば東京タワー近傍のWi-Fiスポットへの接続を望む場合は、東京タワーを撮影し、そのカメラ画像を設定端末へ送信すれば、東京タワーと予め紐付けられているSSIDおよびKEYが検索されてプロファイルが生成、応答される。
【0048】
さらに、上記の実施形態では、無線LAN設定情報が一組のSSIDおよびKEYであるものとして説明したが、通信方式(例えば、通信帯域が2.4GHz/5.0GHz)ごとに異なるSSIDおよびKEYのペアが取得されている場合には、これらを全て無線LAN設定情報として送信し、設定端末では、当該複数のSSIDおよびKEYのペアと共に受信される無線端末MNの機種情報等に基づいて当該無線端末MNの能力を識別する。
【0049】
そして、無線端末MNが例えば2.4GHzの無線LANチャネルのみに対応していれば、当該2.4GHzに対応したSSIDおよびKEYのペアに基づいてプロファイルを生成する一方、2.4GHzおよび5.0GHzの両方に対応していれば5.0GHzに対応したSSIDおよびKEYのペアに基づいてプロファイルを生成するようにしても良い。あるいは、設定端末では2.4GHz用および5.0GHz用のプロファイルを生成していずれも応答し、無線端末MNにおいて一方を選択するようにしても良い。
【0050】
このように、複数のSSIDおよびKEYのペアのいずれかを無線端末MNの機種情報に基づいて選択し、そのプロファイルを生成するようにすれば、「2.4GHzに対応するアクセスポイントのほうが主流であるために無線干渉が起こりやすい。一方で5GHzのほうが傍流であるために無線干渉が少ない」という背景から、5GHzに対応した無線端末MNには5GHz用のプロファイルを優先して応答することで、無線干渉を避ける事ができるという特有の効果が期待できる。
【0051】
本実施形態によれば、被設定端末としての無線端末MNが、デジタルカメラ機能、カメラ画像を送信する機能、および無線LAN設定情報のプロファイルを受信して自身にインストールする機能といった、一般的な携帯電話、スマートフォンあるいはノートPCであれば標準装備されている機能さえ備えていれば、端末ユーザに煩雑な操作を要求することなく、無線端末MNに対して無線LAN設定を簡単かつ正確に行えるようになる。
【0052】
また、本実施形態によれば、各無線APに固有の無線LAN設定情報を撮影できなくても、その周辺の景色画像やランドマーク画像を撮影して送信することによっても無線LAN設定が可能になるので、無線LAN設定情報の表示場所を特定できないWi-Fiスポットへの無線LAN接続も容易になる。
【0053】
[第2実施例]
上記の第1実施形態では、無線端末MNから設定端末へ無線LAN設定情報のカメラ画像が送信され、設定端末においてSSIDおよびKEYの文字列が認識されるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、無線端末MN側でこれらの処理が行われるようにしても良い。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係る無線端末MNの主要部の構成を示した機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表しているので、その説明は省略する。
【0055】
制御部204において、文字列認識部204aは、デジタルカメラ機能部207により撮影された無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列を認識する。文字列候補出力部204bは、図7に一例を示したように、SSIDおよびKEYの認識結果のうち、尤度の高い上位Nベストを文字列候補として表示パネル203bへ一覧表示する。文字列決定部204cは、ユーザの入力操作により指定された一つのSSIDおよびKEYを無線LAN設定情報の文字列に決定する。ここでは、SSIDとして「abcde」が選択され、KEYとして「1234」が選択されている。文字列送信部204dは、前記選択された文字列を前記設定装置へ送信する。
【0056】
図8は、本発明の第2実施形態の動作を示したシーケンスフローであり、時刻t1では、端末ユーザの操作に応答して無線端末MNのデジタルカメラ機能部207が起動される。時刻t2では、表示パネル203bにカメラ画像が表示される。時刻t3,t4では、無線APの筐体等に貼り付けられている無線LAN設定情報が端末ユーザにより撮影される。
【0057】
時刻t5では、前記文字列認識部204aにおいて、前記無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列が認識される。時刻t6では、前記文字列候補出力部204bにより、図7に一例を示したように、SSIDおよびKEYの認識結果のうち、尤度の高い上位Nベストが文字列候補として表示パネル203bへ出力される。
【0058】
時刻t7では、前記SSIDの文字列候補およびKEYの文字列候補の中から、正しいSSIDおよびKEYがユーサの操作により選択される。時刻t8では、前記選択されたSSIDおよびKEYの文字列が、無線LAN設定情報として文字列送信部204dにより設定端末へ送信される。
【0059】
時刻t9では、前記無線LAN設定情報の文字列を受信した設定端末において、当該SSIDおよびKEYを無線端末MNに設定するためのプロファイルが作成される。時刻t10では、前記プロファイルが無線端末MNへ応答される。
【0060】
時刻t11では、前記プロファイルが無線端末MNにより受信されてインストールされ、前記SSIDおよびKEYを含む無線LAN設定情報がRAM209の所定領域に登録される。無線LAN設定が完了すると、時刻t12では、無線LAN設定が完了した旨のメッセージが表示パネル203bに表示されてユーザへ通知される。
【0061】
なお、上記の第2実施形態では、SSIDおよびKEYごとに一覧表示される文字列候補が、文字認識時の尤度に基づいて、その上位の文字列から選択されるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、経験上、誤認識されやすい文字ペア(例えば、数字の「9」とアルファベットの「q」)を予め学習させておき、尤度とは無関係または尤度も考慮して、文字認識における最尤の文字列候補と誤認識され易い複数の文字列候補を前記文字ペアに基づいて作成し、これらが一覧表示されるようにしても良い。
【0062】
さらに、上記の第2実施形態では、SSIDおよびKEYの認識が無線端末MNにおいて行われるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、第1実施形態と同様に、設定端末側で行われるようにしても良い。この場合は、設定端末がSSIDおよびKEYごとに複数の文字列候補を含むプロファイルを生成して無線端末MNへ応答し、無線端末MNでは、受信したプロファイルに含まれるSSIDおよびKEYの文字列候補を一覧表示してユーザに選択させるようにすれば良い。
【0063】
本実施形態によれば、無線線LAN設定情報を撮影したカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列を認識する処理が各無線端末MNで実行されるので、文字認識に係る負荷が設定端末へ集中せず、各無線端末MNへ分散されるようになる。したがって、多数の無線端末MNに対して集中的に無線LAN設定を行わなければならない状況下でも、設定端末に輻輳が生じず、各無線LAN設定を短時間で行えるようになる。
【0064】
[第3実施形態]
上記の各実施形態では、無線端末MNにおける無線LAN設定情報のカメラ撮影およびカメラ画像の送信に際して、無線端末MNのユーザにデジタルカメラ機能の起動操作やカメラ画像の送信操作が強いられていた。したがって、ユーザがデジタルカメラ機能を起動させられないような場合には無線LAN設定を行えなかった。これに対して、本発明の第3実施形態では、これらの一連の設定動作がWebプログラム化され、端末ユーザの操作が更に簡単化されるようにした点に特徴がある。
【0065】
図9は、本発明の第3実施形態の動作を示したシーケンスフローであり、図10は、無線端末MNの表示パネルに出力される操作画面やメッセージの例を示した図である。
【0066】
無線端末MNの表示パネル203bには、初期画面として、図10(a)に示したように、Web APIを利用するソフトウェアやブックマークアイコンが表示されている。図9の時刻t1において、前記アイコンがユーザによりタップされ、これが無線端末MNにより検知されると、Web APIを利用するソフトウェアが起動される。
【0067】
時刻t2では、無線端末MNの表示パネル203bに、図10(b)に示したように、無線LAN設定のための接続先のアドレス(URL)を入力するフィールドやアドレスを入力するためのキーボードが出現する。あるいは、図10(c)に示したように、アドレス選択を促す画面が表示されるようにしても良い。
【0068】
時刻t3では、ユーザがUI部203を操作することでアドレス入力またはアドレス選択が行われる。本実施形態では、接続先の情報として、無線APの取扱説明書を保存している取扱説明掲載端末(サーバ)のアドレスが登録されているものとする。
【0069】
時刻t4,t5では、無線端末MNが宛先の取扱説明掲載端末へアクセスして接続要求を送信することにより、取扱説明掲載端末のWebページが取得される。時刻t6では、図10(d)に示したように、無線端末MNの表示パネル203bに取扱説明掲載端末のWebページが表示される。このWebページには、無線LAN設定を開始するための選択部が設けられている。
【0070】
時刻t7では、ユーザが前記無線LAN設定を開始するための選択部をクリック等することで、無線LAN設定の開始が指示される。この選択部には、設定端末の接続先アドレスが紐付けられており、時刻t8では、無線端末MNから設定端末へ接続要求が送信される。時刻t9では、設定端末が前記接続要求に対してWebページを応答する。このWebページには、無線LAN設定用のプログラム(Webプログラム)が組み込まれている。
【0071】
時刻t10では、無線端末MNのブラウザが起動され、図10(e)に示したように、無線端末MNの表示パネル203bにWebページが表示される。時刻t11では、ユーザがWebページ上の無線LAN設定実行の選択部をクリック等することで無線LAN設定の開始が指示される。
【0072】
時刻t12では、無線端末MNのブラウザ上で実行されるWebプログラムにより、無線APに登録されている無線LAN設定情報が読み取られる。時刻t13では、前記読み取られた無線LAN設定情報が前記Webページにより設定端末へ送信される。
【0073】
前記無線LAN設定情報の読み取りは、例えば無線端末MNに実装されているデジタルカメラ機能により、無線APの筐体に貼り付けられているシールに印刷、刻印されているSSIDおよびKEYを撮影することにより行われる。あるいは、無線APのIPアドレスへアクセスし、当該無線APのメモリ領域に登録されているSSIDおよびKEYを取得することにより行われる。
【0074】
図11は、前記デジタルカメラを利用した無線LAN設定情報の取得手順を示したシーケンスフローである。
【0075】
時刻t51では、前記Webページに組み込まれたWebプログラムによりカメラ機能の起動が指示される。時刻t52では、Webプログラムの指示に応答して無線端末MNのカメラ機能が起動される。時刻t53では、ユーザが無線端末MNのカメラを操作することで無線LAN設定情報が撮影される。
【0076】
時刻t54では、前記撮影されたカメラ画像がブラウザのメモリ領域に一時的に保存される。時刻t55では、前記Webプログラムによりカメラ画像の送信が指示される。時刻t56では、前記Webプログラムにより、ブラウザのメモリに一次的に保存されているカメラ画像が取得される。時刻t57では、前記カメラ画像が通信インタフェース205へ提供され、当該通信インタフェース205から前記設定端末へ送信される。
【0077】
図12は、前記カメラ機能の自動起動およびカメラ画像の自動送信を実現するWebプログラムの一部を示した図であり、2行目プログラムインタフェースを利用することで、カメラ機能の起動が可能となり、3行目のプログラムインタフェースを利用することで、撮影したカメラ画像の送信が可能になる。
【0078】
なお、無線端末MNから設定端末へ送信される情報はカメラ画像に限定されるものではなく、上記の第2実施形態のように、無線端末MNが無線LAN設定情報のカメラ画像からSSIDおよびKEYの文字列を認識する機能を備えるならば、文字列の認識結果が送信されるようにしても良い。
【0079】
図9へ戻り、時刻t14では、前記Webページに組み込まれているカメラ画像または文字列に基づいて無線LAN設定用のプロファイルが生成される。時刻t15では、前記生成されたプロファイルが無線端末MNへ応答される。時刻t16では、無線端末MNにおいて前記プロファイルが受信され、表示パネル203bには、図10(f)に示したように、無線端末MNで読取り可能なファイルやソフトウェアを無線端末MNに登録するための許諾選択部が表示される。
【0080】
ここで、ユーザが許諾選択部をクリックすると、前記プロファイルのインストールが開始されて無線LAN設定情報が登録される。時刻t17では、無線LAN設定の登録完了メッセージが表示パネル203bに表示され、一連の無線LAN設定処理が完了する。
【0081】
本実施形態によれば、無線LAN設定の手順がWebアプリケーションにより時系列で自動的に進行するので、端末ユーザはWebアプリケーションからの指示に従うだけで無線LAN設定を更に簡単かつ確実に行えるようになる。
【0082】
なお、上記の各実施形態では、無線端末MNで撮影されたカメラ画像または当該カメラ画像から認識されたSSIDおよびKEYの文字列が、無線LANインタフェース201以外の無線または有線の通信インタフェース205から設定端末へ送信されるものとして説明した。
【0083】
しかしながら、本発明はこれのみに限定されるものではなく、例えば、無線LANインタフェース201が前記無線AP以外の他の無線APと既に無線LAN接続されており、今回、前記無線APとの間に無線LAN接続を追加するような場合であれば、無線LANインタフェース201から前記他の無線AP経由で前記設定端末へカメラ画像や文字列を送信するようにしても良い。
【0084】
また、上記の実施形態は、無線LAN端末への無線LAN設定を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、図書館などのサービスを利用するための認証用IDやBluetooth(登録商標)のパスキーなどを無線端末MNへ設定する場合にも同様に適用できる。すなわち、無線端末が認証用IDや認証コードなどのセンサ情報を上記と同様に取得して配布サーバへ送信すると、配布サーバでは、当該認証用IDや認証コードを無線端末MNへ設定するためのプロファイルが作成され、これを無線端末MNへ応答してインストールさせることで認証用IDや認証コードが自動設定されるようにしても良い。
【符号の説明】
【0085】
101…無線LANインタフェース,102,202…通信制御部,103…メモリ領域,104,204…制御部,201…無線LANインタフェース,203…UI部,203a…タッチスイッチ(SW),203b…表示パネル,205…通信インタフェース,206…通信制御部,207…デジタルカメラ機能部,208…ROM,209…RAM,302a…文字列認識部,302b…プロファイル生成部,302c…プロファイル応答部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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