特許第6139137号(P6139137)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139137
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】グロープラグ及びグロープラグ構造体
(51)【国際特許分類】
   F23Q 7/00 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   F23Q7/00 605A
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-1069(P2013-1069)
(22)【出願日】2013年1月8日
(65)【公開番号】特開2014-134303(P2014-134303A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 俊輔
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−108624(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第00661842(GB,A)
【文献】 特開2012−233661(JP,A)
【文献】 実開昭53−047432(JP,U)
【文献】 実開平01−144512(JP,U)
【文献】 特開2003−059624(JP,A)
【文献】 特開2002−098332(JP,A)
【文献】 特開2006−153293(JP,A)
【文献】 特開2012−198011(JP,A)
【文献】 特開2008−281471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱するヒータと、
自身の軸線に沿う軸線方向先端側に上記ヒータを直接または間接に保持してなるハウジングと、
上記ハウジング内に挿通され、上記ヒータに電気的に導通して、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、
上記導通部材の後端部に接続され、上記ハウジングの後端部よりも上記軸線方向後端側に突出して配置された端子部材と、
絶縁体からなり、上記端子部材及び上記導通部材の少なくともいずれかと上記ハウジングとの間に介在して、これらの間を電気的に絶縁しつつ、上記ハウジングの上記後端部を封止する絶縁部材と、を備えるグロープラグであって、
上記ハウジングは、その上記後端部の外周部に、
上記端子部材に対し上記軸線方向に着脱可能に結合する外部コネクタ端子と、絶縁材からなり、上記外部コネクタ端子を内包し、上記端子部材及び上記ハウジングの上記後端部を覆うキャップ部材と、を備えるコネクタキャップのうち、上記キャップ部材の内周部に形成された係合部を上記軸線方向に着脱可能に係合させて、上記コネクタキャップを上記軸線方向に係止する被係合部を有する
グロープラグ。
【請求項2】
請求項1に記載のグロープラグであって、
前記被係合部は、
前記ハウジングの前記後端部の前記外周部において凹状にくぼみ、前記キャップ部材の前記内周部において内側に突出し前記係合部をなす凸部が係合する溝部である
グロープラグ。
【請求項3】
請求項2に記載のグロープラグであって、
前記ハウジングは、前記後端部に、前記外周部が六角柱状をなす工具係合部を有し、
前記溝部は、六角柱状の上記工具係合部のうち、前記軸線方向に延びる6つの角部について上記軸線方向同位置にそれぞれ形成されてなる
グロープラグ。
【請求項4】
請求項3に記載のグロープラグであって、
前記工具係合部のうち、前記溝部よりも前記軸線方向後端側は、上記後端側に向かって縮径するテーパ部とされてなる
グロープラグ。
【請求項5】
請求項4に記載のグロープラグであって、
前記溝部は、前記軸線方向の断面がV字状をなすV溝部であり、
上記V溝部のうち、上記軸線方向後端側の溝面が前記軸線となす角度θaを、
前記テーパ部が上記軸線となす角度θbより大きく(θa>θb)してなる
グロープラグ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のグロープラグであって、
前記ハウジングは、その外周面に取り付け用の雄ネジ部を有し、
上記雄ネジ部はねじ径がM8以下である
グロープラグ。
【請求項7】
通電により発熱するヒータと、
自身の軸線に沿う軸線方向先端側に上記ヒータを直接または間接に保持してなるハウジングと、
上記ハウジング内に挿通され、上記ヒータに電気的に導通して、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、
上記導通部材の後端部に接続され、上記ハウジングの後端部よりも上記軸線方向後端側に突出して配置された端子部材と、
絶縁体からなり、上記端子部材及び上記導通部材の少なくともいずれかと上記ハウジングとの間に介在して、これらの間を電気的に絶縁しつつ、上記ハウジングの上記後端部を封止する絶縁部材と、を備えるグロープラグに、
上記端子部材に対し上記軸線方向に着脱可能に結合する外部コネクタ端子と、絶縁材からなり、上記外部コネクタ端子を内包し、上記グロープラグの上記端子部材及び上記ハウジングの上記後端部を覆うキャップ部材と、を備えるコネクタキャップを装着したグロープラグ構造体であって、
上記コネクタキャップの上記キャップ部材は、その内周部に係合部を有し、
上記ハウジングは、その上記後端部の外周部に、上記キャップ部材の上記係合部を上記軸線方向に着脱可能に係合させて、上記コネクタキャップを上記軸線方向に係止する被係合部を有する
グロープラグ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンの始動の補助に用いるグロープラグ及び、これにコネクタキャップを装着したグロープラグ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの始動を補助するために使用されるグロープラグは、導通により発熱するヒータを、ハウジング(例えば、主体金具)の先端側に保持しており、このヒータの先端部をエンジンの燃焼室内に突出させて用いる。また、ハウジング内には、ヒータの端子に電気的に導通して、軸線方向の後端側に向けて延びる棒状の中軸等の導通部材が挿通されている。さらに、ハウジングの後端側には、導通部材の後端部に接続して、この導通部材を介してヒータに電気的に導通する端子部材が、ハウジングの後端部から突出して配置されている。また、端子部材及び導通部材とハウジングとの間には絶縁スペーサやOリングなどの絶縁部材が介在して、これらの間を電気的に絶縁しつつ、ハウジングの後端部を封止している。そして、端子部材には、外部との電気的な接続に用いるケーブルが接続した外部コネクタ端子と、この外部コネクタ端子を内包しケーブルが延出するキャップ部材とを備えるコネクタキャップが装着される。
【0003】
例えば、特許文献1には、このようなグロープラグが開示されている。この特許文献1の図5に示すように、端子部材(ピン端子93)にコネクタキャップ(キャップ80)を装着(被冠)することで、ケーブル(リード線84)による外部(バッテリー)との電気的な接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−250459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のコネクタキャップは、外部コネクタ端子を用いて、グロープラグの端子部材のみに保持されていた。このため、長期間にわたり、このグロープラグを搭載した車両等の振動が伝わってコネクタキャップが振動した場合に、端子部材及び導通部材とハウジングとの間に介在する絶縁部材に応力が掛かり、端子部材,導通部材あるいはハウジングと絶縁部材との間のシール性が低下して、グロープラグの内部に異物や水分が侵入するおそれがあった。
特に、近年では、グロープラグが、エンジンヘッドの奥深くに取り付けられる場合が多く、周囲に油分等の異物が多く存在しており、端子部材,導通部材あるいはハウジングと絶縁部材との間の隙間を通って、グロープラグの内部に異物が侵入し、ショート等の問題が発生しやすい状況にある。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、端子部材,導通部材あるいはハウジングと絶縁部材との間のシール性が低下して、内部に異物や水分が侵入するのを防止したグロープラグ及び、これにコネクタキャップを装着したグロープラグ構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その一態様は、通電により発熱するヒータと、自身の軸線に沿う軸線方向先端側に上記ヒータを直接または間接に保持してなるハウジングと、上記ハウジング内に挿通され、上記ヒータに電気的に導通して、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、上記導通部材の後端部に接続され、上記ハウジングの後端部よりも上記軸線方向後端側に突出して配置された端子部材と、絶縁体からなり、上記端子部材及び上記導通部材の少なくともいずれかと上記ハウジングとの間に介在して、これらの間を電気的に絶縁しつつ、上記ハウジングの上記後端部を封止する絶縁部材と、を備えるグロープラグであって、上記ハウジングは、その上記後端部の外周部に、上記端子部材に対し上記軸線方向に着脱可能に接合する外部コネクタ端子と、絶縁材からなり、上記外部コネクタ端子を内包し、上記端子部材及び上記ハウジングの上記後端部を覆うキャップ部材と、を備えるコネクタキャップのうち、上記キャップ部材の内周部に形成された係合部を上記軸線方向に着脱可能に係合させて、上記コネクタキャップを上記軸線方向に係止する被係合部を有するグロープラグである。
【0008】
このグロープラグは、ハウジングの後端部の外周部に、キャップ部材の係合部を軸線方向に着脱可能に係合させて、コネクタキャップを軸線方向に係止する被係合部を有している。
したがって、グロープラグにコネクタキャップを装着した状態において、ハウジングの後端部にコネクタキャップが係止される。すなわち、コネクタキャップは、端子部材で保持されるのみならず、エンジンヘッドに固定された剛性の高いハウジングの後端部でも保持される。これにより、車両等の振動が繰り返しコネクタキャップに伝わった場合でも、コネクタキャップの振動が抑えられ、コネクタキャップの振動に伴って端子部材を通じて絶縁部材に掛かる応力が低減されて、端子部材,導通部材あるいはハウジングと絶縁部材との間に隙間が生じて、シール性が低下するのが防止される。また、端子部材のみならず、絶縁部材及びハウジングの後端部をコネクタキャップで覆うので、ハウジングの後端側を経由して、グロープラグの内部に油分等の異物が侵入するのを防止することもできる。
なお、係合部及び被係合部の形態としては、具体的には、キャップ部材の係合部を凸状とし、ハウジングの被係合部を凹状として互いを係合させるものや、これとは逆に、キャップ部材の係合部を凹状とし、ハウジングの被係合部を凸状にして互いを係合させるものが挙げられる。
【0009】
また、ハウジング内で、ヒータと端子部材とが棒状で金属からなる中軸を介して接続されている場合、すなわち、導通部材として中軸を用いるグロープラグにおいては、振動時にコネクタキャップから端子部材を通じて中軸へ伝わる応力も低減されるので、中軸が振動による疲労破壊で破断するのを防止することもできる。
近年では、ハウジング(主体金具)及び中軸の細径化が進んでいることから、上述のような問題が発生しやすい。このため、特に、ハウジング及び中軸が細径とされた場合、例えば、ハウジングの雄ネジ部のねじ径がM8以下の場合に、その効果が大きい。
【0010】
さらに、上述のグロープラグであって、前記被係合部は、前記ハウジングの前記後端部の前記外周部において凹状にくぼみ、前記キャップ部材の前記内周部において内側に突出し前記係合部をなす凸部が係合する溝部であるとすると良い。
【0011】
このグロープラグでは、被係合部として、溝部を有している。被係合部を溝部とすることで、切削等により簡易に被係合部を設けたグロープラグとすることができる。
【0012】
さらに、上述のグロープラグであって、前記ハウジングは、前記後端部に、前記外周部が六角柱状をなす工具係合部を有し、前記溝部は、六角柱状の上記工具係合部のうち、前記軸線方向に延びる6つの角部について上記軸線方向同位置にそれぞれ形成されてなるグロープラグとすると良い。
【0013】
このグロープラグでは、ハウジングの後端部に、工具係合部を有し、溝部は、工具係合部の6つの角部について軸線方向同位置にそれぞれ形成されている。工具係合部の角部は肉厚であるので、溝部を設けても強度の低下を生じにくく、信頼性の高いグロープラグとなる。
【0014】
さらに、上述のグロープラグであって、前記工具係合部のうち、前記溝部よりも前記軸線方向後端側は、上記後端側に向かって縮径するテーパとされてなるグロープラグとすると良い。
【0015】
このグロープラグでは、工具係合部のうち溝部よりも軸線方向後端側をテーパ部としている。これにより、コネクタキャップを装着し、凸部(係合部)を溝部(被係合部)に係合させる際に、コネクタキャップの装着が容易になる。
【0016】
さらに、上述のグロープラグであって、前記溝部は、前記軸線方向の断面がV字状をなすV溝部であり、上記V溝部のうち、上記軸線方向後端側の溝面が前記軸線となす角度θaを、前記テーパ部が上記軸線となす角度θbより大きく(θa>θb)してなるグロープラグとすると良い。
【0017】
特に、このグロープラグでは、溝部をV溝部とし、かつ、θa>θbとしている。これにより、コネクタキャップを装着する際には、装着し易くする一方、コネクタキャップが外れにくくすることができる。
【0018】
さらに、上述のいずれかのグロープラグであって、前記ハウジングは、その外周面に取り付け用の雄ネジ部を有し、上記雄ネジ部はねじ径がM8以下であるグロープラグとすると良い。
【0019】
このグロープラグは、ハウジングにねじ径がM8,M6など、M8以下の取り付け用の雄ネジ部を有する細径のグロープラグである。グロープラグが細径になるほど、ハウジングと端子部材(あるいはこれに導通する導通部材)との間の距離が短くなったり、絶縁部材が肉薄になったりするため、コネクタキャップから端子部材へ振動が伝わった場合に、絶縁部材を介した端子部材とハウジングとの間の絶縁性やシール性を確保するのが難しい。また、ハウジングが細径となることで、ハウジングの剛性が低くなり、振動の影響を受けやすい。しかるに、このグロープラグでは、ハウジングの後端部でコネクタキャップを係止して、コネクタキャップの振動に伴って端子部材を通じて絶縁部材に掛かる応力を低減しているので、細径のグロープラグにおいても、振動の影響を抑えて、絶縁部材を介した端子部材及び導通部材とハウジングとの間の絶縁性の低下やシール性の低下を防止することができる。
また、特に、ヒータと端子部材とが棒状の中軸(導通部材)により接続されている場合には、コネクタキャップから端子部材を通じて、さらに中軸へと伝わる応力も低減する。このため、雄ネジ部のねじ径がM8,M6など、M8以下とされて、これに伴い、中軸が細径化された場合でも、中軸が振動による疲労破壊で破断するのを抑えることができる。
【0020】
他の態様は、通電により発熱するヒータと、自身の軸線に沿う軸線方向先端側に上記ヒータを直接または間接に保持してなるハウジングと、上記ハウジング内に挿通され、上記ヒータに電気的に導通して、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、上記導通部材の後端部に接続され、上記ハウジングの後端部よりも上記軸線方向後端側に突出して配置された端子部材と、絶縁体からなり、上記端子部材及び上記導通部材の少なくともいずれかと上記ハウジングとの間に介在して、これらの間を電気的に絶縁しつつ、上記ハウジングの上記後端部を封止する絶縁部材と、を備えるグロープラグに、上記端子部材に対し上記軸線方向に着脱可能に結合する外部コネクタ端子と、絶縁材からなり、上記外部コネクタ端子を内包し、上記グロープラグの上記端子部材及び上記ハウジングの上記後端部を覆うキャップ部材と、を備えるコネクタキャップを装着したグロープラグ構造体であって、上記コネクタキャップの上記キャップ部材は、その内周部に係合部を有し、上記ハウジングは、その上記後端部の外周部に、上記キャップ部材の上記係合部を上記軸線方向に着脱可能に係合させて、上記コネクタキャップを上記軸線方向に係止する被係合部を有するグロープラグ構造体である。
【0021】
このグロープラグ構造体では、グロープラグに、外部コネクタ端子と、この外部コネクタを内包し、グロープラグの端子部材及びハウジングの後端部を覆うキャップ部材とを備えるコネクタキャップが装着されている。そして、コネクタキャップのキャップ部材は、その内周部に係合部を有し、ハウジングは、その後端部の外周部に、キャップ部材の係合部を軸線方向に着脱可能に係合させて、コネクタキャップを軸線方向に係止する被係合部を有している。
これにより、主体金具の後端部にコネクタキャップが係止されるので、コネクタキャップは、端子部材のみならず、エンジンヘッドに固定された剛性の高いハウジングの後端部でも保持される。したがって、コネクタキャップの振動に伴って端子部材を通じて絶縁部材に掛かる応力が低減され、端子部材,導通部材あるいはハウジングと絶縁部材との間に隙間が生じて、シール性が低下するのが防止される。また、端子部材のみならず、絶縁部材及びハウジングの後端部をコネクタキャップで覆うので、ハウジングの後端側を経由して、グロープラグの内部に油分等の異物が侵入するのを防止したグロープラグ構造体を得ることができる。
さらに、端子部材とヒータとが棒状で金属からなる中軸(導通部材)を介して接続されている場合には、振動時にコネクタキャップから端子部材を通じて中軸へ伝わる応力を低減して、中軸が振動による疲労破壊で破断するのを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係るグロープラグの縦断面図である。
図2】実施形態に係るグロープラグのうち、セラミックヒータを含む先端部分を拡大した縦断面図である。
図3】実施形態に係るグロープラグにコネクタキャップを装着したグロープラグ構造体のうち、後端側の部位についての部分破断断面図である。
図4】実施形態に係るグロープラグの後端側の部位のうち、工具係合部付近を拡大した外観図である。
図5】変形形態に係るグロープラグ構造体のうち、後端側の部位についての部分破断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るグロープラグ100について、全体の構造を説明する。図1は、グロープラグ100全体の縦断面図である。また、図2は、グロープラグ100のうち、セラミックヒータ130を含む先端部分を拡大した縦断面図である。なお、図1及び図2において、グロープラグ100の軸線AXに沿う軸線方向HJのうち、セラミックヒータ130が配置された側(図中下側)を先端側GSとし、これと反対側(図中上側)を後端側GKとして説明する。
【0024】
グロープラグ100は、例えば、ディーゼルエンジンの燃料室に取り付けられ、エンジン始動時の点火を補助する熱源として利用される。このグロープラグ100は、ハウジングとしての主体金具110、中軸120、セラミックヒータ130(ヒータ)、リング部材140、外筒150、端子部材をなすピン端子160等から構成されている。
【0025】
このうち主体金具110は、S45C相当の鉄系素材からなり、軸線方向HJに自身の金具基端部110kから金具先端部110sまで延びる筒状をなす。この主体金具110内には、軸孔110hが形成されている。また、主体金具110の外周面110mには、取り付け用の雄ネジ部111が形成されている。この雄ネジ部111のねじ径はM8であり、本実施形態に係るグロープラグ100の主体金具110は、従来の一般的なグロープラグ(ねじ径がM10,M12などのもの)に比して、細径とされている。
また、主体金具110の後端部である金具基端部110kの外周部には、六角柱状をなし、取り付け工具を係合させる工具係合部113が形成されている。一方、この金具基端部110kの内側には、後端側GKに向かって軸孔110hを拡径する孔内テーパ部115が形成され、軸孔110hのうち基端部分は、大径孔110hkとされている。
【0026】
中軸120は、ステンレス等の鉄系素材からなり、軸線方向HJに自身の中軸基端部120kから中軸先端部120sまで延びる棒状をなす。そして、中軸120は、中軸基端部120kを金具基端部110kから後端側GKに向けて突出させた状態で、主体金具110内に挿通されている。また、中軸先端部120sは、後述するリング部材140のリング基端部140k内に嵌合している。
なお、主体金具110が細径とされていることに伴い、この中軸120も細径化されている。
【0027】
セラミックヒータ130は、軸線方向HJに自身のヒータ基端部130kからヒータ先端部130sまで延びる棒状をなし、通電により発熱するヒータ先端部130sを金具先端部110sから先端側GSに向けて突出させた状態で、主体金具110内に挿通されている。このセラミックヒータ130は、絶縁性セラミック(具体的には、窒化珪素質セラミック)からなる棒状の絶縁基体131の内部に、導電性セラミック(具体的には、導電成分として炭化タングステンを含有する窒化珪素質セラミック)からなる発熱抵抗体132が埋設された構造をなす。
【0028】
発熱抵抗体132は、発熱部133及び一対のリード部135,136を有する。このうち発熱部133は、U字状に曲げ返された形状をなし、ヒータ先端部130s内に配置されている。また、このU字状に曲げ返された発熱部133の両端には、一対のリード部135,136が繋がり、セラミックヒータ130の基端面130kmまで延びて基端面130kmに露出している。また、各々のリード部135,136には、セラミックヒータ130の端子をなす電極取出部137,138が形成されている。即ち、リード部135には、ヒータ基端部130kにおいて電極取出部137が形成され、ヒータ基端部130kの外周に露出して、次述するリング部材140と電気的に接続されている。また、リード部136には、ヒータ基端部130kよりも先端側GSにおいて電極取出部138が形成され、セラミックヒータ130の外周に露出して、後述する外筒150と接続されている。
【0029】
リング部材140は、ステンレスからなり、軸線方向HJに自身のリング基端部140kからリング先端部140sまで延びる筒状をなす。そして、主体金具110内に配置されて、中軸120とセラミックヒータ130との間を接続している。
【0030】
このリング部材140のリング先端部140s内には、セラミックヒータ130のヒータ基端部130kが圧入され、セラミックヒータ130に設けられた電極取出部137がリング部材140に内側から当接して、両者が電気的に接続している。
一方、リング部材140のリング基端部140k内には、中軸120の中軸先端部120sが圧入され、リング部材140と中軸120とが電気的に接続している。さらに、リング部材140と中軸120とは、リング基端部140kと中軸先端部120sとの間に形成された溶接部149により、互いに固着されている。
【0031】
外筒150は、ステンレスからなり、軸線方向HJに自身の外筒基端部150kから外筒先端部150sまで延びる筒状をなす。この外筒150には、ヒータ先端部130sを外筒先端部150sから先端側GSに向かって突出させると共に、ヒータ基端部130kを外筒基端部150kから後端側GKに向かって突出させた状態で、セラミックヒータ130が圧入されている。セラミックヒータ130に設けられた電極取出部138は、外筒150に内側から当接して、外筒150と電極取出部138とが電気的に接続している。
【0032】
また、外筒150の外筒基端部150kは、径小とされて、主体金具110の金具先端部110s内に嵌合している。そして、外筒150と主体金具110とは、外筒基端部150kと金具先端部110sとの間に形成された溶接部159により、互いに固着されている。これにより、主体金具110の先端側GSの金具先端部110sに、外筒150を介してセラミックヒータ130が保持される。
【0033】
ピン端子160は、中軸120の中軸基端部120kに円周加締めにより固定されている。このピン端子160は、後述するコネクタキャップ80が装着された際に、外部の電源(図示外)から電力を供給するためのケーブル83が接続した外部コネクタ端子82と結合する。また、ピン端子160の先端側GSには、絶縁体からなるOリング161及び筒状の絶縁スペーサ163が配置されている。具体的には、これらOリング161及び絶縁スペーサ163は、主体金具110の金具基端部110k(軸孔110hの大径孔110hk)内に、中軸120と間隙に配置されている。これにより、ピン端子160は、中軸120及びリング部材140を介して、セラミックヒータ130の一方の端子である電極取出部137に電気的に導通している。また、ピン端子160及び中軸120と主体金具110とは、Oリング161及び絶縁スペーサ163を介して電気的に絶縁され、さらに、これらOリング161及び絶縁スペーサ163により、主体金具110の金具基端部110k(軸孔110hの大径孔110hk)が封止されている。
【0034】
次いで、図3を参照して、本実施形態に係るグロープラグ100にコネクタキャップ80を装着したグロープラグ構造体200について説明する。図3は、このグロープラグ構造体200のうち、後端側GKの部位についての部分破断断面図である。
【0035】
コネクタキャップ80は、グロープラグ100のピン端子160に対し軸線方向HJに着脱可能に結合する概略円筒形状の外部コネクタ端子82と、この外部コネクタ端子82の一端82a(図3中、上側)に端子カシメ部84で加締め接続されたケーブル83と、絶縁樹脂からなり、外部コネクタ端子82を内包しケーブル83が引き出されたキャップ部材81と、を備える。
キャップ部材81は、装着時にグロープラグ100のピン端子160及び主体金具110の後端部である金具基端部110kの工具係合部113を覆い、これらに外嵌する。
なお、このキャップ部材81は、外部コネクタ端子82を保持し、樹脂からなるホルダ81aと、このホルダ81aを包囲して保持すると共に、ピン端子160及び主体金具110の工具係合部113を包囲する断面略U字状のキャップ本体81bとからなる。具体的には、ケーブル83と外部コネクタ端子82の一端82aとを端子カシメ部84で加締め接続した後、外部コネクタ端子82をホルダ81a内に固定し、その後、ホルダ81aの外側から樹脂モールドしてキャップ本体81bを成形し、キャップ部材81を作製している。
【0036】
また、キャップ部材81(キャップ本体81b)の内周面81mのうち軸線方向HJ先端側GSの先端内周部86には、内側に突出する凸部85が形成されている。一方、主体金具110の金具基端部110kの六角柱状をなす工具係合部113には、軸線方向HJに延びる6つの角部について軸線方向HJ同位置にそれぞれ、軸線方向HJの断面がV字状をなす溝部であるV溝部116が形成されている。これにより、主体金具110の工具係合部113のV溝部116(溝部)に、キャップ部材81の凸部85が軸線方向HJに着脱可能に係合し、主体金具110の金具基端部110k(工具係合部113)が、コネクタキャップ80を軸線方向HJに係止している。
【0037】
さらに、図4(a)に示すように、主体金具110の工具係合部113のうち、V溝部116よりも軸線方向HJ後端側GKは、後端側GKに向かって縮径する円錐面をなすテーパ部117とされている。
そして、図4(a)のA部を拡大した図4(b)に示すように、V溝部116のうち、軸線方向HJ後端側GKの溝面が軸線AXとなす角度θaと、テーパ部117が軸線AXとなす角度θbとは、θa>θbの関係にされている。これにより、軸線方向HJ先端側GSに向けてコネクタキャップ80を移動させて、グロープラグ100に装着する際には、装着し易くする一方、コネクタキャップ80を軸線方向HJ後端側GKに移動させて、脱離させる際には、コネクタキャップ80が外れにくくしている。
【0038】
本実施形態のグロープラグ100及びグロープラグ構造体200において、セラミックヒータ130が本発明における「ヒータ」に相当し、主体金具110が本発明における「ハウジング」に相当する。また、ピン端子160が本発明における「端子部材」に相当し、中軸120が本発明における「導通部材」に相当する。また、Oリング161及び絶縁スペーサ163が本発明における「絶縁部材」に相当し、主体金具110の金具基端部110kが本発明における「後端部」に相当する。また、主体金具110の金具基端部110kの工具係合部113が本発明における「外周部」に相当し、コネクタキャップ80のキャップ部材81の先端内周部86が本発明における「内周部」に相当する。
【0039】
以上で説明したように、本実施形態のグロープラグ100では、主体金具110(ハウジング)の金具基端部110k(後端部)の工具係合部113(外周部)に、キャップ部材81の凸部85(係合部)を軸線方向HJに着脱可能に係合させて、コネクタキャップ80を軸線方向HJに係止するV溝部116(被係合部)を有している。
【0040】
したがって、グロープラグ100にコネクタキャップ80を装着した状態において、主体金具110の金具基端部110k(工具係合部113)にコネクタキャップ80が係止される。すなわち、コネクタキャップ80は、ピン端子160(端子部材)で保持されるのみならず、鉄系素材からなり、エンジンヘッド(不図示)に固定された剛性の高い主体金具110の金具基端部110k(工具係合部113)でも保持される。これにより、車両(不図示)等の振動が繰り返しコネクタキャップ80に伝わった場合でも、コネクタキャップ80の振動が抑えられ、コネクタキャップ80の振動に伴ってピン端子160を通じてOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)に繰り返し掛かる応力が低減される。このため、ピン端子160(端子部材),中軸120(導通部材)あるいは主体金具110(ハウジング)とOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)との間に隙間が生じて、シール性が低下するのが防止される。また、ピン端子160のみならず、絶縁スペーサ163及び主体金具110の後端部である金具基端部110kをコネクタキャップ80で覆うので、主端金具110の後端側GKを経由して、グロープラグ100の内部に油分等の異物が侵入するのを防止することもできる。
さらに、本実施形態のグロープラグ100では、振動時にコネクタキャップ80からピン端子160を通じて中軸120へ伝わる応力も低減されるので、中軸120が振動による疲労破壊で破断するのを防止することもできる。
【0041】
また、本実施形態のグロープラグ100では、被係合部として、主体金具110の金具基端部110k(後端部)の工具係合部113(外周部)に凹状にくぼみ、キャップ部材81の先端内周部86(内周部)において内側に突出し係合部をなす凸部85が係合するV溝部116(溝部)を有している。このように、被係合部をV溝部116(溝部)とすることで、切削等により簡易に被係合部を設けたグロープラグ100とすることができる。
【0042】
また、本実施形態のグロープラグ100では、主体金具110の金具基端部110k(後端部)に、工具係合部113を有し、溝部116は、工具係合部113の6つの角部について軸線方向HJ同位置にそれぞれ形成されている。工具係合部の角部は肉厚であるので、溝部116を設けても強度の低下を生じにくく、信頼性の高いグロープラグ100となる。
【0043】
また、本実施形態のグロープラグ100では、工具係合部113のうちV溝部116(溝部)よりも軸線方向HJ後端側GKをテーパ部117としている。これにより、コネクタキャップ80を装着し、凸部85(係合部)をV溝部116(溝部,被係合部)に係合させる際に、コネクタキャップ80の装着が容易になる。
【0044】
また、本実施形態のグロープラグ100では、溝部をV溝部116とし、かつ、V溝部116のうち軸線方向HJ後端側GKの溝面が軸線AXとなす角度θaと、テーパ部117が軸線AXとなす角度θbの関係を、θa>θbとしている。これにより、コネクタキャップ80を装着する際に、装着し易くする一方、コネクタキャップ80が外れにくくすることができる。
【0045】
また、本実施形態のグロープラグ100では、主体金具110にねじ径がM8の取り付け用の雄ネジ部111を有しており、主体金具110が細径とされている。これにより、主体金具110と中軸120との間の距離が短くされ、Oリング161及び絶縁スペーサ163が肉薄となっているので、Oリング161及び絶縁スペーサ163を介したピン端子160及び中軸120と主体金具110との間の絶縁性やシール性を確保するのが難しくなっている。また、主体金具110が細径となることで、主体金具110の剛性が低くなり、振動の影響を受けやすい。
しかるに、このグロープラグ100では、主体金具110の金具基端部110k(後端部)でコネクタキャップ80を係止して、コネクタキャップ80の振動に伴ってピン端子160を通じてOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)に掛かる応力を低減しているので、振動の影響を抑えて、Oリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)を介したピン端子160(端子部材)及び中軸120(導通部材)と主体金具110(ハウジング)との間の絶縁性の低下やシール性の低下を防止することができる。
また、コネクタキャップ80からピン端子160を通じて、さらに中軸120へと伝わる応力も低減しているので、雄ネジ部111のねじ径がM8以下とされて、これに伴って、中軸120が細径化された場合でも、中軸120が振動による疲労破壊で破断するのを抑えることができる。
【0046】
さらに、本実施形態のグロープラグ構造体200では、グロープラグ100に、外部コネクタ端子82と、この外部コネクタ82を内包し、グロープラグ100のピン端子160(端子部材)及び主体金具110(ハウジング)の金具基端部110k(後端部)を覆うキャップ部材81とを備えるコネクタキャップ80が装着されている。そして、コネクタキャップ80のキャップ部材81は、その先端内周部86(内周部)に凸部85(係合部)を有し、主体金具110は、その金具基端部110k(後端部)の工具係合部113(外周部)に、キャップ部材81の凸部85(係合部)を軸線方向HJに着脱可能に係合させて、コネクタキャップ80を軸線方向HJに係止するV溝部116(被係合部)を有している。
これにより、主体金具110の金具基端部110k(後端部)にコネクタキャップ80が係止されるので、コネクタキャップ80は、ピン端子160(端子部材)のみならず、エンジンヘッドに固定された剛性の高い主体金具110(ハウジング)の金具基端部110k(後端部)でも保持される。したがって、コネクタキャップ80の振動に伴ってピン端子160を通じてOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)に掛かる応力が低減され、ピン端子160(端子部材),中軸120(導通部材)あるいは主体金具110(ハウジング)とOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)との間に隙間が生じて、シール性が低下するのが防止される。また、ピン端子160のみならず、絶縁スペーサ163及び主体金具110の金具基端部110kをコネクタキャップ80で覆うので、主体金具110の後端側GKを経由して、グロープラグ100の内部に油分等の異物が侵入するのを防止したグロープラグ構造体200を得ることができる。
さらに、本実施形態のグロープラグ構造体200では、振動時にコネクタキャップ80からピン端子160を通じて中軸120へ伝わる応力を低減して、中軸120が振動による疲労破壊で破断するのを防止することもできる。
【0047】
なお、本実施形態では、主体金具110の工具係合部113に、被係合部として凹状のV溝部116を設けて、キャップ部材81の先端内周部86(内周部)に、係合部として凸状の凸部85を設けた。
しかし、これとは逆に、被係合部を凸状とし、係合部を凹状とすることもできる。ただし、本実施形態では、被係合部を工具係合部113に設けているため、取り付け工具の係合の際に影響を及ぼさないように、被係合部を凹状にするのが好ましい。
【0048】
(変形形態)
次に、上述の実施形態の変形形態について、図5を参照して説明する。上述の実施形態では、主体金具110の金具基端部110kの外周部に六角柱状をなす工具係合部113を形成していた。そして、コネクタキャップ80のキャップ部材81は、この主体金具110の工具係合部113を覆っていた。
これに対し、本変形形態では、主体金具110が、工具係合部113よりも後端側GKに延びた形状をなしている。そして、主体金具110のうち工具係合部113よりも後端側GKの金具基端部110k(後端部)の外周部に、その周方向を一周し、断面がV字状をなすV溝部116が形成されている。一方、キャップ部材81の内周面81mの軸線方向HJ先端側GSの先端内周部86(内周部)には、内側に突出する凸部85が形成されている。そして、主体金具110の金具基端部110kのV溝部116(被係合部)に、キャップ部材81の凸部85(係合部)が軸線方向HJに着脱可能に係合させて、主体金具110の金具基端部110k(後端部)にコネクタキャップ80を係止している。
【0049】
本変形形態では、グロープラグ100にコネクタキャップ80を装着した状態において、コネクタキャップ80は、ピン端子160で保持されるのみならず、エンジンヘッドに固定された剛性の高い主体金具110の工具係合部113よりも後端側GKの金具基端部110kでも保持される。これにより、車両等の振動が繰り返しコネクタキャップ80に伝わった場合でも、コネクタキャップ80の振動が抑えられ、コネクタキャップ80の振動に伴ってピン端子160を通じてOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)に繰り返し掛かる応力が低減される。このため、実施形態と同様に、ピン端子160(端子部材),中軸120(導通部材)あるいは主体金具110(ハウジング)とOリング161及び絶縁スペーサ163(絶縁部材)との間に隙間が生じて、シール性が低下するのが防止され、油分等の異物が侵入するのを防止することもできる。
【0050】
なお、本変形形態では、主体金具110の金具基端部110k(後端部)の外周部に、被係合部として凹状のV溝部116を設けて、キャップ部材81の先端内周部86(内周部)に、係合部として凸状の凸部85を設けた。
しかし、これとは逆に、金具基端部110kの外周部に設ける被係合部を凸状とし、キャップ部材81の先端内周部86に設ける係合部を凹状としても良い。
【0051】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態及び変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態及び変形形態では、グロープラグ100として、セラミックヒータ130を備えたいわゆるセラミックグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータとして、金属製のシース内に発熱コイル、あるいは発熱コイル及び制御コイルを収容して絶縁粉末を充填したシースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグであっても良い。
また、実施形態及び変形形態では、主体金具110の先端側GSの金具先端部110sに、外筒150を介してセラミックヒータ130を間接に保持したが、主体金具110の先端側GSにヒータを直接保持する形態のものであっても良い。
また、実施形態では、主体金具110の雄ネジ部111のねじ径がM8であるグロープラグ100を例示したが、例えば、ねじ径がM6などのさらに細径のグロープラグに本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0052】
AX 軸線
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
100 グロープラグ
110 主体金具(ハウジング)
110k 金具基端部(後端部)
110m (主体金具の)外周面
111 雄ネジ部
113 工具係合部(外周部)
116 V溝部(溝部,被係合部)
117 テーパ部
120 中軸(導通部材)
130 セラミックヒータ(ヒータ)
140 リング部材
150 外筒
160 ピン端子(端子部材)
161 Oリング(絶縁部材)
163 絶縁スペーサ(絶縁部材)
80 コネクタキャップ
81 キャップ部材
82 外部コネクタ端子
83 ケーブル
85 凸部(係合部)
86 先端内周部(内周部)
200 グロープラグ構造体
図1
図2
図3
図4
図5