(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたような圧電シートを用いた圧力センサにおいては、圧力センサの使用条件(特に、温度)の変化や、周囲からの電気ノイズ(特に、静電気)に起因して、圧電信号に直流成分が重畳されることがある。この場合、圧力センサに押圧力が働いていない時にも、圧力センサから圧電信号が出力される。その結果、圧力センサが押圧されていないにも関わらず、圧力センサが押圧されたと、圧力センサが誤検出することがある。
【0005】
本発明の課題は、圧力センサへの押圧を適切に検出し、押圧力を精度良く測定可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る圧力検出装置は、圧電シートと、圧電信号検出部と、タッチ検出部と、制御部と、を備える。圧電シートは、第1主面及び第2主面を有する。圧電シートは、与えられた荷重に応じた圧力信号を発生する。圧電信号検出部は、圧電シートにて発生した圧電信号を検出する。タッチ検出部は、圧電シートへの接触を検出する。なお、「圧電シートへの接触」とは、例えば指、ペンのような接触対象物が直接又は間接に圧電シートに接触することを意味する。制御部は、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出しないときは、圧電信号検出部において圧電信号を検出不可能とする。また、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出するときは、制御部は、圧電信号検出部において圧電信号を検出可能とする。
【0007】
この圧力検出装置において、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出すると、制御部は、圧電信号検出部において圧電信号を検出可能とする。その後、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出している間、制御部は、圧電信号検出部において、圧電信号を検出可能とし続ける。
さらにその後、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出しなくなると、制御部は、圧電信号検出部において、圧電信号の検出を不可能にする。そして、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出しない限り、制御部は、圧電信号検出部において、圧電信号の検出を不可能にし続ける。
【0008】
このような圧力検出装置では、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出するときのみ、制御部が、圧電信号検出部において圧電信号を検出可能にする。そのため、圧電信号検出部は、接触対象物が圧電シートへ接触している間のみ、圧電信号に応じた信号を出力できる。その結果、圧電シートが押圧されていない時に、圧電シートが押圧されたと誤検出されることが無くなる。また、圧電シートが押圧されていない時(押圧力が0の時)に、圧電シートに何らかの押圧力が作用しているとして信号を出力することが無くなる。以上の結果、精度良く圧電シートへの押圧力を測定できる。
【0009】
圧電信号検出部は、積分回路と、信号制御器とを備えていてもよい。この場合、積分回路は、圧電シートに接続されている。また、信号制御器は積分回路と制御部とに接続されている。
さらに、信号制御器は、制御部からの指令に基づき、信号の通過及び遮断を切替可能である。そして、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出しないとき、信号制御器は信号通過状態となり、タッチ検出部が圧電シートの接触を検出するとき、信号制御器は信号遮断状態となる。
圧電信号検出部が積分回路を備えることにより、圧電シートの押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号から、精度良く圧電シートへの押圧力を測定できる。
また、上記の信号制御器により、タッチ検出部が圧電シートへの接触を検出しないとき、圧電信号検出部に入力された信号(ノイズなど)は、信号制御器を通過してしまうので、積分回路に入力されない。一方、タッチ検出部が圧電シートの接触を検出するときは、圧電信号検出部に入力された信号(圧電信号)は、信号制御器を通過せず、積分回路に入力される。
その結果、圧電シートが押圧されていない時に、圧電シートが押圧されたと誤検出されることが無くなる。
【0010】
積分回路は、アンプと、キャパシタンスと、を備えていてもよい。この場合、アンプは、圧電シートに接続された入力部を有している。キャパシタンスは、一端が入力部に接続されている。
これにより、圧電シートの押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号から、精度良く圧電シートへの押圧力を測定できる。
【0011】
圧力検出装置は、圧電検出電極と、基準電極とを備えていてもよい。この場合、圧電検出電極は、圧電シートの第1主面に形成されている。また、基準電極は、圧電シートの第1主面又は第2主面に形成されている。さらに、この場合、圧電信号検出部は、圧電検出電極と基準電極との間に発生する圧電信号を検出可能なように、圧電検出電極と基準電極とに接続される。
これにより、圧電検出電極と基準電極との間に発生する微小な圧電信号から、圧電シートへの押圧力を精度良く測定できる。
【0012】
圧力検出装置は、圧電シートの第1主面又は第2主面上に設けられたタッチパネルをさらに備えていてもよい。この時、タッチ検出部は、タッチパネルに接続される。
これにより、圧電シートへの接触対象物の接触をタッチ検出部により確実に検出できる。
【0013】
圧力検出装置は、タッチ検出電極をさらに備えていてもよい。この時、タッチ検出電極は、圧電シートの第1主面又は第2主面に形成されている。また、タッチ検出部は、圧電シートと接触対象物との接触に起因して発生するタッチ検出信号を検出する可能なように、タッチ検出電極に接続される。
これにより、圧電シートと接触対象物との接触があったときに、弱い押圧力の接触であっても、接触対象物が圧電シートに接触したことを確実に検出できる。
【0014】
タッチ検出電極と基準電極とは、一体に形成されていてもよい。これにより、圧電検出電極、タッチ検出電極、及び基準電極の形成プロセスを減少でき、当該形成プロセスを簡単にできる。
【0015】
圧力検出装置は、絶縁層と、第2タッチ検出電極とをさらに備えてもよい。この時、絶縁層は、圧電シートの第1主面又は第2主面のうち、タッチ検出電極が形成された側の主面上に形成されている。また、第2タッチ検出電極は、圧電シートとは反対側の絶縁層の主面上に形成されている。さらに、第2タッチ検出電極は、少なくとも一部がタッチ検出電極の少なくとも一部と対向するように形成されている。
これにより、圧電シートに接触対象物が接触することにより、タッチ検出電極及び第2タッチ検出電極に発生する信号に基づき、圧電シートへの接触対象物の接触と、接触対象物の接触位置を検出できる。
【発明の効果】
【0016】
圧電シートへの押圧を適切に検出することで、圧電シートへの押圧力を精度良く測定できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1実施形態
(1)圧力検出装置の全体構造
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置1の全体構造について
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置1の概略図である。
圧力検出装置1は、押圧荷重を測定する機能と、圧電シートへの接触を検出する機能とを有している。
圧力検出装置1は、圧電シート3と、圧電信号検出部5と、タッチ検出部7と、制御部9と、を有する。圧電シート3は、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する部材である。圧電信号検出部5は、圧電シート3にて発生した圧電信号を検出する装置である。タッチ検出部7は、圧電シート3への接触を検出する装置である。制御部9は、タッチ検出部の検出結果に応じて、圧電信号検出部5の動作を制御する装置である。以下、圧力検出装置1の構成を詳細に説明する。
【0019】
(2)圧電シート
圧電シート3は、第1主面11と第2主面13とを有する。第1主面11上には、圧電検出電極15が形成されている。さらに、第1主面11上には、圧電検出電極15とは電気的に絶縁されるように、タッチ検出電極19が形成されている。また、第2主面13上には、基準電極17が形成されている。このようにして、圧電シート3と圧電検出電極15と基準電極17とによって、圧力センサが構成されている。その結果、圧電検出電極15と基準電極17との間には、圧電シート3に与えられた荷重に応じた圧電信号が発生する。
【0020】
図2は、第1実施形態の圧力検出装置1の圧電シート3を圧電シート3の第1主面側から見た上面図である。
図2に示すように、圧電検出電極15は、枠状に形成されている。タッチ検出電極19は、圧電検出電極15の中に設けられ、電気的に絶縁されるように圧電検出電極15との間に隙間21を確保している。
【0021】
(3)電極配置の変形例
なお、圧電検出電極15、基準電極17、タッチ検出電極19の配置は上記の配置に限られない。
(3−1)全ての電極を1つの主面に形成する例
図3に示すように、圧電検出電極15、基準電極17、及びタッチ検出電極19の全てを、圧電シート3の第1主面11上に形成してもよい。この例では、基準電極17は、第1主面11上に形成されている。基準電極17は、枠状に形成されている。圧電検出電極15は、基準電極17の中に枠状に設けられ、電気的に絶縁されるように基準電極17との間に第1隙間23を確保している。さらに、タッチ検出電極19は、圧電検出電極15の中に設けられ、電気的に絶縁されるように圧電検出電極15との間に第2隙間25を確保している。
以上の構成により、これらの電極を圧電シート3の第1主面11と第2主面13の両方に形成する必要がなくなる。このため、これらの電極を形成するプロセス数を減少できる。
【0022】
(3−2)タッチ検出電極と基準電極を一体化する例
タッチ検出電極19と基準電極17とは一体に形成されていてもよい。その場合、圧力検出装置1は、選択スイッチ27(
図4及び
図5)を有している。選択スイッチ27は、一体に形成されたタッチ検出電極19及び基準電極17が、圧電信号検出部5の入力に接続されるか、タッチ検出部7に接続されるかを選択するための装置である。
【0023】
図4に示す変形例では、圧電シート3の第2主面13上に一体形成されたタッチ検出電極19及び基準電極17を形成し、第1主面11上に圧電検出電極15を形成している。この場合、圧電検出電極15及び基準電極17を枠状に形成する必要がなくなる。その結果、より簡単なプロセスによりこれらの電極を形成できる。
【0024】
図5に示す変形例では、圧電検出電極15と、基準電極17及びタッチ検出電極19を一体形成した電極を、第1主面11上に形成している。この変形例では、圧電検出電極15は、第1主面11上に枠状に形成されている。また、基準電極17及びタッチ検出電極19を一体形成した電極は、電気的に絶縁されるように圧電検出電極15との間に隙間29を確保している。
以上の構成により、これらの電極を圧電シート3の第1主面11と第2主面13の両方に形成する必要がなくなる。このため、これらの電極を形成するプロセス数を減少できる。
【0025】
(4)圧電シート
圧電シート3を構成する材料としては、セラミック圧電材料、フッ化物重合体又はその共重合体、キラリティーを有する高分子材料などが挙げられる。
セラミック圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。フッ化物重合体又はその共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。キラリティーを有する高分子材料としては、L型ポリ乳酸や、R型ポリ乳酸などが挙げられる。
また、圧力検出装置1を、表示装置や、タッチパネルを備えた表示装置に適用する場合には、圧電シート3を透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成すればよい。これにより、圧力検出装置1は、十分に光を透過できる。その結果、ユーザは、表示装置からの光を捉えることができる。
【0026】
(5)電極
圧電検出電極15、基準電極17、タッチ検出電極19は、導電性を有する材料により構成できる。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この場合、上記の電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて形成できる。
また、導電性を有する材料として、銅、銀などの導電性の金属を用いてもよい。この場合、上記の電極は、蒸着により形成してもよく、銅ペースト、銀ペーストなどの金属ペーストを用いて形成してもよい。
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
【0027】
なお、圧力検出装置1を、表示装置や、タッチパネルを備えた表示装置に適用する場合には、圧電シート3と同様、圧電検出電極15、基準電極17、タッチ検出電極19も透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成すればよい。これにより、圧力検出装置1は、十分に光を透過できる。その結果、ユーザは、表示装置からの光を捉えることができる。
【0028】
(6)圧電信号検出部(簡略説明)
図1に示すように、圧電信号検出部5は、2つの入力を有している。1つの入力は、圧電検出電極15を介して、圧電シート3の第1主面11に接続されている。もう1つの入力は、基準電極17を介して圧電シート3の第2主面に接続されている。
以上の構成により、圧電信号検出部5は、圧電シート3が押圧されたときに、圧電検出電極15と基準電極17との間(すなわち、圧電シート3の第1主面11と第2主面13との間)に発生する圧電信号を検出できる。
また、圧電信号検出部5は、制御部9に接続されている。これにより、圧電信号検出部5は、制御部9からの信号に基づいて、圧電信号検出部5における圧電信号の検出の実行および停止が切り替えられる。
なお、圧電信号検出部5の構造は、後で詳しく説明する。
【0029】
なお、
図3及び
図5に示すように、圧電検出電極15及び基準電極17が、圧電シート3の同一主面上(
図3及び
図5に示す例では、第1主面11)に形成される場合は、圧電信号検出部5は、接触対象物が圧電シート3を押圧したときに、圧電シート3の第1主面11内の圧電検出電極15と基準電極17との間に発生する圧電信号を検出する。
【0030】
(7)タッチ検出部
タッチ検出部7は、タッチ検出電極19に接続されている。これにより、タッチ検出部7は、ユーザの指などの接触対象物が圧電シート3の第1主面11に接触した際に発生するタッチ検出信号を、タッチ検出電極19を介して、検出できる。
【0031】
第1実施形態に係る圧力検出装置1においては、接触対象物と圧電シート3の第1主面11とが接触したときに当該接触対象物とタッチ検出電極19との間に静電容量が発生し、その静電容量の変化が、タッチ検出部7にて検出されている(静電容量方式)。静電容量方式を用いることで、タッチ検出部7は、ユーザの指が圧電シート3を押圧する力が弱い場合でも、確実に指と圧電シート3との接触を検出できる。
なお、タッチ検出部7としては、静電容量方式のタッチパネルなどに用いられている、公知の静電容量測定装置を用いることができる。
【0032】
(8)制御部
制御部9は、圧電信号検出部5と、タッチ検出部7とに接続されている。制御部9には、タッチ検出部7がタッチ検出信号の検出により出力する信号(タッチ信号)が入力される。これにより、制御部9は、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出したことを知ることができる。そして、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号検出部5において圧電信号の検出を実行するか停止するかを指令する信号(圧電信号検出指令信号)を出力する。
制御部9は、タッチ検出部7がタッチ信号を出力しない(すなわち、圧電シート3への接触を検出しない)ときは、圧電信号検出部5において圧電信号を検出不可能とし、タッチ検出部7がタッチ信号を出力する(すなわち、圧電シート3の接触を検出する)ときは、圧電信号検出部5において圧電信号を検出可能とするよう、圧電信号検出指令信号を出力する。以上の制御動作はさらに後に詳述される。
【0033】
制御部9は、例えば、圧力検出装置1の駆動装置に含めることができる。当該駆動装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶部、及び圧電センサを駆動するためのインターフェースなどを備えたマイコンであってもよい。又は、当該駆動装置は、カスタムICなどにより1つのICに集約されていてもよい。
また、制御部9の上記機能は、上記マイコンやカスタムICなどの記憶部に記憶されたプログラムを、CPUやカスタムICなどに実行させることにより実現してもよい。
【0034】
(9)圧電信号検出部(詳細説明)
圧電信号検出部5の構造について、
図6を用いて説明する。
図6は、圧電信号検出部5の構造を示す概略図である。
圧電信号検出部5は、積分回路31と、信号制御器33と、を主に有する。積分回路31は、2つの入力を有している。1つの入力は圧電シート3の圧電検出電極15と接続され、もう1つの入力は基準電極17に接続されている。以上の構成により、積分回路31には、圧電検出電極15と基準電極17との間に発生する圧電信号が入力可能となっている。
積分回路31は、入力した圧電信号を積分して検出する。これにより、圧電シート3の押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号から、精度良く圧電シート3の押圧力を測定できる。
なお、本実施形態において用いた積分回路の31の構成については、後述する。
【0035】
信号制御器33は、積分回路31と制御部9とに接続されている。なお、信号制御器33は、積分回路31のキャパシタンス39(後述)と並列に接続されている。これにより、信号制御器33が信号通過状態になったときに、積分回路31において積算された圧電信号をリセットし、積分回路31の出力を0にすることができる。
また、信号制御器33は、制御部9からの圧電信号検出指令信号に基づき、信号制御器33の信号の通過及び遮断を制御可能となっている。
そして、入力する圧電信号検出指令信号が圧電信号の検出の停止を指令する信号であるとき、信号制御器33は、信号制御器33に信号が流れる状態(信号通過状態)となる。このため、圧電信号と、その他の圧電検出電極15と基準電極17との間に発生するノイズなどが、積分回路31により検出されなくなる。従って、積分回路31からの出力が0となる。一方、入力する圧電信号検出指令信号が圧電信号の検出を指令する信号であるとき、信号制御器33は、信号制御器33への信号が遮断される状態(信号遮断状態)となる。このため、圧電信号が積分回路31により検出される。そして、積分回路31は、圧電信号に応じた信号(圧電信号の積分値)を出力できる。
このように信号制御器33が積分回路31に接続されることにより、圧電シート3が押圧されていない時に、圧電シート3が押圧されたと誤検出されることが無くなる。
【0036】
信号制御器33としては、外部信号が入力可能で、当該外部信号に基づき回路の開閉が可能となるスイッチング素子を用いることができる。このようなスイッチング素子としては、電磁スイッチ又は電磁リレー、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)などの半導体素子のスイッチング特性を利用した半導体スイッチ素子、などを用いることができる。
【0037】
圧電信号検出部5は、さらに、アナログ−デジタル変換器(Analog−Digital Converter、ADC)35を備えている。アナログ−デジタル変換器35は、入力が積分回路31の出力に接続されている。これにより、アナログ−デジタル変換器35は、積分回路31からのアナログ出力をデジタル信号に変換できる。
【0038】
また、積分回路31の出力とアナログ−デジタル変換器35の入力との間に、ローパスフィルタ(図示せず)を備えていてもよい。これにより、高周波ノイズなどのノイズを取り除いて、圧電シート3の押圧力に応じた信号のみを、積分回路31から出力できる。
【0039】
(10)積分回路
次に、本実施形態における積分回路31の構成について、
図6を用いて説明する。
図6に示すように、積分回路は、オペアンプ37と、キャパシタンス39と、を有する。
オペアンプ37は、2つの入力(
図6の「+」と「−」にて示した入力)を有している。オペアンプ37の「−」を付した入力は、圧電シート3に形成された圧電検出電極15へ接続されている。一方、オペアンプ37の「+」を付した入力は、圧電シート3に形成された基準電極17及びグランド電位に接続されている。この場合、圧電検出電極15と基準電極17との間に正の電位差を有した圧電信号が入力されると、オペアンプ37から負の電位差を有する信号が出力される(反転増幅)。
【0040】
オペアンプ37は、オペアンプ37の2つの入力への信号がわずかな電荷によるものである場合でも、信号の有無を判別可能な程度の信号を出力できる。そのため、オペアンプ37に圧電信号を入力することにより、微小な圧電信号から、精度良く圧電シート3に作用する押圧力を測定できるようになる。
【0041】
キャパシタンス39は、その一端が、「−」を付したオペアンプ37の入力に接続されている。また、キャパシタンス39の他端が、オペアンプ37の出力に接続されている。キャパシタンス39が、オペアンプ37に対して、上記のように接続されることにより、オペアンプ37とキャパシタンス39とが積分回路を構成できる。
【0042】
このように積分回路を構成することにより、圧電シート3の押圧力の変化量に起因して発生する圧電信号を積分して、オペアンプ37から信号を出力できる。さらに、積分された圧電信号が、圧電シート3の押圧力に応じた信号となるので、圧電信号検出部5から、圧電シート3の押圧力に応じた信号を出力できる。
【0043】
なお、オペアンプ37としては、公知のオペアンプを用いることができる。また、キャパシタンス39としては、セラミックコンデンサなどのコンデンサを用いることができる。キャパシタンス39として用いるコンデンサの容量は、圧電信号の強度などに応じて、適宜決定できる。
【0044】
なお、オペアンプ37及びキャパシタンス39により構成される積分回路31は、
図6に示された構成に限られない。例えば、
図7に示すようなオペアンプ37及びキャパシタンス39の構成を有する積分回路31を用いてもよい。
図7に示す積分回路31においては、オペアンプ37の「+」を付した入力が、圧電シート3の圧電検出電極15に接続されており、「−」を付した入力が、抵抗を介して、基準電極17及びグランド電位に接続されている。また、基準電極17は、グランド電位に接続されている。この場合、圧電検出電極15と基準電極17との間に正の電位差を有した圧電信号が入力されると、オペアンプ37から正の電位差を有する信号が出力される(非反転増幅)。
【0045】
また、キャパシタンス39は、一端がオペアンプ37の「+」を付した入力に接続され、他端がグランド電位に接続されている。このようなオペアンプ37及びキャパシタンス39との接続によっても、積分回路31を構成できる。
【0046】
(11)圧力検出装置の動作
次に、本実施形態の圧力検出装置1の動作について
図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態の圧力検出装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、圧力検出装置1が動作を開始すると、ステップS1において、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出の停止を指令する圧電信号検出指令信号を出力する。これにより、信号制御器33は、信号通過状態となる。
なお、
図4及び
図5のようにタッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成されている場合には、選択スイッチ27により、タッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成された電極が、タッチ検出部7に接続される。
そして、タッチ検出部7がタッチ信号を出力しない、すなわち、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出しない場合(ステップS2にて「NO」の場合)、信号制御器33は、信号通過状態のまま保持される。これにより、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出しない間、圧電信号検出部5の積分回路31は信号を検出しなくなる。その結果、タッチ検出部5がタッチ検出信号を検出しない間、積分回路31からの出力は0となる。
【0047】
一方、タッチ検出部7がタッチ信号を出力、すなわち、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出した場合(ステップS2にて「YES」の場合)、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出を指令する圧電信号検出指令信号を出力する。これにより、信号制御器33は、信号遮断状態となる(ステップS3)。これにより、圧電信号検出部5の積分回路31が圧電信号を検出するようになる(ステップS4)。その結果、積分回路31から、圧電信号に応じた信号が出力されるようになる。
なお、
図4及び
図5のようにタッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成されている場合には、選択スイッチ27は、タッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成された電極が圧電信号検出部5に接続されるよう、切り替わっている。
【0048】
次に、ステップS5において、制御部9は、タッチ検出部7からタッチ信号が出力されているかどうかを確認し、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出しているかどうかを確認する。タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出している場合(ステップS5にて「YES」の場合)、信号制御器33は、信号遮断状態のまま保持され、圧電信号検出部5は、圧電信号を検出し続ける(ステップS3及びステップS4に戻る)。
【0049】
一方、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出しなくなると(ステップS5にて「NO」の場合)、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出の停止を指令する圧電信号検出指令信号を出力する。これにより、信号制御器33は、信号通過状態となる。その結果、圧電信号検出部5の積分回路31が圧電信号を検出しなくなる。
また、信号制御器33が、信号遮断状態から信号通過状態へと切り替わる際、積分回路31は、圧電信号の積算値が0にリセットされ、積分回路31の出力が0にリセットされる。この圧電信号の積算値のリセットは、圧電信号の検出中に積分回路31のキャパシタンス39に蓄積された電荷(圧電信号の積算値に相当)を、信号制御器33を信号通過状態にすることにより、キャパシタンス39から放電することにより実現される。
なお、
図4及び
図5のようにタッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成されている場合には、タッチ検出部7がタッチ検出信号を検出しているかどうかを確認するときに、選択スイッチ27が、一時的に、タッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成された電極をタッチ検出部7に接続する。その後、タッチ検出部7がタッチ検出信号の検出を確認した後、選択スイッチ27が、タッチ検出電極19及び基準電極17が一体形成された電極を、再び、圧電信号検出部5に接続する。
【0050】
以後、上記に説明したステップS1からS6までのステップが、圧力検出装置1が動作を停止するまで繰り返し実行される。
【0051】
上記動作をまとめると、以下のように表現できる。
1)タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出すると、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号を検出するように指令する。
2)その後、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出する間、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号を検出するように指令し続ける。
3)その後、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しなくなると、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出を停止するように指令する。それと同時に、圧電信号検出部5の出力がリセットされる。
4)そして、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しない限り、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出をしないように指令し続ける。
【0052】
(12)第1実施形態の効果
(A)第1実施形態に係る圧力検出装置1は、以下のように表現できる。
圧力検出装置1(圧力検出装置の一例)は、圧電シート3(圧電シートの一例)と、圧電信号検出部5(圧電信号検出部の一例)と、タッチ検出部7(タッチ検出部の一例)と、制御部9(制御部の一例)と、を備える。圧電シート3は、第1主面11(第1主面の一例)及び第2主面13(第2主面の一例)を有する。圧電シート3は、与えられた荷重に応じた圧力信号を発生する。圧電信号検出部5は、圧電シート3にて発生した圧電信号を検出する。タッチ検出部7は、圧電シート3への接触を検出可能である。制御部9は、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しないときは、圧電信号検出部5において圧電信号を検出不可能とする。また、タッチ検出部7が圧電シート3の接触を検出するときは、制御部9は、圧電信号検出部5において圧電信号を検出可能とする。
【0053】
圧力検出装置1において、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出すると、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号を検出するように指令する。その後、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出する間、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号を検出するように指令し続ける。
さらにその後、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しなくなると、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出を停止するように指令する。それと同時に、圧電信号検出部5の出力がリセットされる。そして、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しない限り、制御部9は、圧電信号検出部5に対して、圧電信号の検出をしないように指令し続ける。
【0054】
圧力検出装置1では、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出するときのみ、制御部9が、圧電信号検出部5に対して圧電信号を検出するよう指令する。そのため、圧電信号検出部5は、接触対象物が圧電シート3へ接触している間のみ、圧電信号に応じた信号を出力できる。その結果、圧電シート3が押圧されていない時に、圧電シート3が押圧されたと誤検出されることが無くなる。また、圧電シート3が押圧されていない時(押圧力が0の時)に、圧電シート3が何らかの押圧力があるとして信号を出力することが無くなる。すなわち、精度良く圧電シート3への押圧力を測定できる。
【0055】
(B)圧電信号検出部5は、積分回路31(積分回路の一例)と、信号制御器33(信号制御器の一例)とを備えている。積分回路31は、圧電シート3に接続されている。また、信号制御器33は積分回路31と制御部9とに接続されている。
さらに、信号制御器33は、制御部9からの指令に基づき、信号の通過及び遮断を制御可能である。そして、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しないとき、信号制御器33は信号通過状態となり、タッチ検出部7が圧電シートの接触を検出するとき、信号制御器33は信号遮断状態となる。
圧電信号検出部5が積分回路31を備えることにより、圧電シート3の押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号から、精度良く圧電シート3への押圧力を測定できる。
また、信号制御器33により、タッチ検出部7が圧電シート3への接触を検出しないとき、圧電信号検出部5に入力された信号(ノイズなど)は、信号制御器33を通過して、積分回路31に入力されない。一方、タッチ検出部7が圧電シート3の接触を検出するときは、圧電信号検出部5に入力された信号(圧電信号)は、信号制御器33を通過せず、積分回路31に入力される。
その結果、圧電シート3が押圧されていない時に、圧電シート3が押圧されたと誤検出されることが無くなる。
【0056】
(C)積分回路31は、オペアンプ37(アンプの一例)と、キャパシタンス39(キャパシタンスの一例)と、を備えている。オペアンプ37は、圧電シート3に接続されている。キャパシタンス39の1端は、オペアンプ37の圧電シート3に接続された側の入力に接続されている。
これにより、圧電シート3の押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号から、精度良く圧電シート3への押圧力を測定できる。
【0057】
(D)圧力検出装置1は、圧電検出電極15(圧電検出電極の一例)と、基準電極17(基準電極の一例)とを備えている。圧電検出電極15は、圧電シート3の第1主面11に形成されている。また、基準電極17は、圧電シート3の第1主面11又は、第2主面13に形成されている。さらに、圧電信号検出部5は、圧電検出電極15と基準電極17との間に発生する圧電信号を検出可能なように、圧電検出電極15と基準電極17とに接続されている。
これにより、圧電検出電極15と基準電極17との間に発生する微小な圧電信号から、圧電シート3への押圧力を精度良く測定できる。
【0058】
(E)圧力検出装置1は、タッチ検出電極19(タッチ検出電極の一例)をさらに備えている。タッチ検出電極19は、圧電シート3の第1主面11、又は、第2主面13に形成されている。また、タッチ検出部7は、圧電シート3と接触対象物との接触に起因して発生するタッチ検出信号を検出する可能なように、タッチ検出電極19に接続されている。
これにより、圧電シート3と接触対象物との接触があったときに、弱い押圧力の接触であっても、確実に、接触対象物が圧電シート3に接触したことを検出できる。
【0059】
(F)タッチ検出電極19と基準電極17とは、一体に形成されている。これにより、圧電検出電極15、タッチ検出電極19、及び基準電極17の形成プロセスを減少でき、当該形成プロセスを簡単にできる。
【0060】
2.第2実施形態
上記の第1実施形態に係る圧力検出装置1における圧電シート2と接触対象物との接触を検出する方法は、1つのタッチ検出電極19と接触対象物との間の静電容量を測定する静電容量方式であった。しかし、本発明は第1実施形態に限定されない。
図9A及び
図9Bを用いて説明する本発明の第2実施形態に係る圧力検出装置41の例では、絶縁層43を挟む2つの電極(タッチ検出電極19と第2タッチ検出電極45)を用いて静電容量を測定する方法により、圧電シート3と接触対象物との接触を検出している。そして、圧力検出装置41は、圧電シート3と接触対象物との接触を検出する電極をマトリックス状に形成し、圧電シート3と接触対象物との接触を検出する電極を、タッチパネル電極としても用いる装置である。すなわち、圧力検出装置41は、圧電シートとタッチパネルが組み合わされた装置である。
なお、以下の説明において、第1実施形態の圧力検出装置1と同じ構成要素には、同じ参照符号を付している。そして、同じ参照符号を付した同じ構成要素についての説明は省略する。
【0061】
図9Aは、第2実施形態に係る圧力検出装置41を圧電シート3の第2主面13側から見た上面図である。
図9Bは、
図9AのA−A’線における断面図である。
第2実施形態に係る圧力検出装置41は、絶縁層43と第2タッチ検出電極45をさらに有すること、タッチ検出電極19と第2タッチ検出電極45とがマトリックス状に形成されていること以外、第1実施形態に係る圧力検出装置1と基本的に同じ構造を有する。
圧力検出装置41においては、圧電検出電極15が、圧電シート3の第1主面11上に、平面状に形成されている。また、基準電極17とタッチ検出電極19とが、圧電シート3の第2主面13上に一体に形成されている。一体に形成された電極(基準電極17とタッチ検出電極19)は、帯状に形成され、圧電シート3の第2主面13上全体に亘って、平行に複数形成されている。
【0062】
上記のように、基準電極17とタッチ検出電極19とは一体に形成されているので、圧力検出装置41は、一体に形成された電極(タッチ検出電極19及び基準電極17)が、圧電信号検出部5の入力に接続されるか、タッチ検出部7に接続されるかを選択する、選択スイッチ27を有している。
【0063】
絶縁層43は、圧電シート3の第2主面13全体に亘り形成されている。
第2タッチ検出電極45は、絶縁層43の、圧電シート3の第2主面13と対向した主面とは反対側の主面に形成されている。第2タッチ検出電極45は、タッチ検出電極19及び基準電極17が伸びる方向とは略垂直な方向に伸びる帯形状の電極であり、絶縁層43の第2タッチ検出電極が形成された主面全体に亘り、平行に複数形成されている。
このように、タッチ検出電極19を複数の帯状に形成し、第2タッチ検出電極45を、タッチ検出電極19が伸びる方向とは略垂直に伸びる帯状に複数形成している。したがって、接触対象物が圧電シート3に接触することで、複数のタッチ検出電極19のどのタッチ検出電極19の静電容量が変化したか、及び、複数の第2タッチ検出電極45のどの第2タッチ検出電極45の静電容量が変化したかが検出される。その結果、接触対象物が圧電シート3に接触したこと及び接触位置を検出できる。
【0064】
そして、接触対象物が圧電シート3のどの位置に接触したかという情報と、圧電シート3への押圧力の測定結果とを組み合わせて、圧電シート3上の任意の位置の接触対象物による押圧力を測定できる。
【0065】
なお、
図9A及び
図9Bに示す圧力検出装置41において、圧電シート3、圧電検出電極15、及び基準電極17(タッチ検出電極19)により圧力センサが形成されている。また、タッチ検出電極19(基準電極17)、絶縁層43、及び第2タッチ検出電極45により、タッチパネルが形成されている。
【0066】
上記の圧力検出装置41では、第1実施形態の圧力検出装置1と同様に
図8の制御動作が実施され、同様の効果が得られる。
【0067】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0068】
(a)上記の第1実施形態及び第2実施形態における圧力検出装置では、静電容量方式により、接触対象物の圧電シートへの接触を検出していた。しかし、接触対象物の圧電シートへの接触の検出方法は、静電容量方式に限られない。静電容量方式以外の方法(例えば、抵抗膜方式、光学方式、超音波方式など)により、接触対象物の圧電シートへの接触を検出してもよい。
この場合、例えば、上記の第1実施形態、又は、第2実施形態における圧電シートの第1主面又は第2主面上に、静電容量方式以外のタッチパネルなどを貼り付けるなどして、タッチパネルを圧電シート上に形成してもよい。また、圧電シート上に形成したタッチパネルに、タッチ検出部7を接続してもよい。
なお、タッチパネルに付属したタッチパネル駆動装置をタッチ検出部7として用いてもよいし、タッチパネル駆動装置とは別に、タッチ検出部7をタッチパネルに接続してもよい。
このように、既存のタッチパネルなどを用いて、静電容量方式以外の方法により圧電シートと接触対象物との接触を検出するようにすることにより、接触対象物の種類に応じた圧力検出装置を提供できる。
また、この場合、圧力センサに、接触対象物の接触を検出するための電極を形成する必要がなくなる。その結果、圧力センサの構造がより簡単になる。また、電極を形成するためのプロセス数も減少できる。その結果、圧力センサの製造プロセスのプロセス数を減少できる。
【0069】
(b)上記の第2実施形態の圧力検出装置41においては、絶縁層43を挟む2つの電極(タッチ検出電極19と第2タッチ検出電極45)を用いて静電容量を測定する方法により、圧電シート3と接触対象物との接触を検出していた。しかし、圧電シート3への接触の検出方法は、これに限られない。
絶縁層43を挟む2つの電極(タッチ検出電極19と第2タッチ検出電極45)を用いて、抵抗膜方式により、圧電シート3と接触対象物との接触を検出してもよい。これにより、接触対象物の種類に依存することなく、接触対象物圧電シート3への接触を検出できる。