(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1を含んで構成されている。なお、
図1に示す例では、1台のカラオケ装置2に対して、リモコン装置1aとリモコン装置1b、2台のリモコン装置1が使用されている例である。これらリモコン装置1a、1bの構成は同一であるため、リモコン装置1として説明を行う。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント110を利用してネットワークを形成するように接続されている。
【0020】
カラオケボックスなどの店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏手段として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザからの各種入力を受け付けるスイッチなどで構成されるカラオケ装置2側の入力手段としての操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈して制御部30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶するカラオケ装置側記憶手段としてのHDD32(ハードディスク)を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入するためのカラオケ装置側通信手段としてのインターフェイス部24を備えている。
【0021】
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞映像、背景映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、映像情報に基づいて映像を再生する映像再生部29、再生する映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された映像に対して歌詞テロップを重畳したり、映像効果を付与する映像制御部31を備えて構成される。
【0022】
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されたモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対しても各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部35と、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル34が重畳されて構成されている。また、カラオケ装置2に対する各種操作は、カラオケ装置2のフロントパネル等に設けられた操作部21を介して行うことも可能となっている。
【0023】
本実施形態のタッチパネルモニタ33は、リモコン装置1の操作手段と同様の操作手段として機能することも可能としている。ユーザはタッチパネルモニタ33から楽曲を選択して、直接カラオケ装置2に予約をさせるなど、リモコン装置1と同等の操作手段機能を利用することが可能である。
【0024】
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するための制御手段として、CPUにて構成される制御部30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を備えて構成される。
【0025】
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲指定処理、楽曲再生処理などを実行可能としている。楽曲指定処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。リモコン装置1から送信された予約情報をメモリ27に記憶する予約テーブルに登録する。楽曲再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、演奏処理と歌詞再生処理とが同期して実行される処理である。
【0026】
演奏処理は、楽曲データに含まれる演奏データを音響制御部25にて演奏させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、歌唱用マイク44a、44bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカ42から放音される。歌詞再生処理は、楽曲データに含まれる歌詞データをモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞再生処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
【0027】
一方、リモコン装置1は、予約情報などカラオケ装置2に対して各種指示を送信するとともに、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたカラオケ用ホスト(図示せず)から各種情報を受信する。リモコン装置1は、リモコン側表示手段としての表示部11と、ユーザからの各種入力を受け付ける操作部17とを備える。また、リモコン装置1は、アクセスポイント110に無線接続し、ネットワークに加入するためのリモコン側通信手段としての無線LAN通信部16を備える。
【0028】
さらにリモコン装置1は、楽曲検索に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶するリモコン側記憶手段としてメモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御手段を備えて構成される。リモコン側制御手段には、CPUにて構成される制御部15、表示部11に対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、操作部17からの入力を解釈して制御部15に伝達する操作処理部18が含まれている。また、リモコン装置1の表示部11と操作部17は一体となってタッチパネル表示画面を形成することとしてもよい。
【0029】
また、リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント110と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。
【0030】
このようなリモコン装置1の構成により、ユーザからの各種入力を操作部17にて受付けるとともに、映像情報を表示部11に表示してユーザに対して各種情報を提供するとともに、カラオケ装置2に対して楽曲予約などの各種指示を送信することが可能とされている。
【0031】
図2は、本発明の実施形態に係るトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種機械的なスイッチの他、表示部11に表示されたボタン、アイコンなどを直接タッチして操作を行うタッチパネルを採用することができる。
【0032】
本実施形態のカラオケシステムは、複数のユーザが各リモコン装置1のタッチパネル表示画面から必要な情報(後述するユーザ識別情報やパスワード)を入力し、ログインすることが可能となっている。ユーザのログインに関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザ欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
【0033】
また、アカウントを有していないユーザのためのゲストアイコン102、ユーザを切り替えるためのユーザ切替スイッチ101が表示されている。ログインしたユーザは、ログインユーザ欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザ切替スイッチ101を操作することで、自分のユーザ情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザの切替の際には、パスワードなど認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
【0034】
図3は、各ユーザ毎に、ホスト5に記憶されているユーザ情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザ情報として、個人情報、マイうたテーブル、履歴テーブル、ライティング設定テーブルといった、ユーザに関する各種情報を含んで構成される。ユーザ情報は、カラオケ用ホストの記憶部に予め記憶されている。また、ユーザ情報には、ユーザがリモコン装置1からカラオケ用ホスト5へログインしてこれら情報を利用するためのユーザ識別情報、パスワードが対応付けられている。
【0035】
個人情報には、ユーザ名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢、うた年齢などを含んで構成される。これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などにてログインして設定することも可能である。リモコン装置1とカラオケ装置2との対応付け(通称、くくりつけ)が、予め完了されていれば、リモコン装置1の操作部17から入力された各種情報をカラオケ装置2へ送付し、カラオケ装置2からホスト5へログインしてもよい。
【0036】
マイうたテーブルは、ユーザによって登録された楽曲を記憶するテーブルであって、楽曲識別情報、音程調整値、過去の歌唱採点情報(最高点、もしくは、過去複数回のもの)などを含んで構成されている。ユーザは、このマイうたテーブルに基づいて、過去に登録したお気に入りの楽曲を呼び出して予約、演奏することが可能となる。その際、登録した音程調整値を利用することで、自分の歌唱にあった音程で演奏(再生)を行うこともできる。
【0037】
マイアーティストテーブルは、ユーザによって登録されたアーティスト(歌手)を記憶するテーブルであって、歌手識別情報を含んで構成されている。ユーザは、このマイアーティストテーブルに基づいて、登録したお気に入りのアーティストの楽曲(持ち歌、あるいは、関連楽曲)を呼び出して予約、演奏することが可能となる。このマイうたテーブル
の考え方をアーティスト(歌手)に適用したマイアーティストテーブルを設けることとしてもよい。ユーザは、マイアーティストテーブルに基づいて、登録したお気に入りのアーティストの楽曲(持ち歌、あるいは、関連楽曲)を呼び出して予約、演奏することが可能となる。
【0038】
履歴テーブルは、ユーザが過去に演奏した楽曲に関する各種情報を記録した情報であって、本実施形態では、過去に演奏した(当該ユーザが予約、演奏した)楽曲について、楽曲の楽曲識別情報、演奏した日時を示す歌唱日時、採点情報などを含んで構成されている。ユーザは、この履歴テーブルに基づいて、過去に演奏した楽曲を呼び出して歌唱することができる。
【0039】
ライティング設定テーブルは、情報端末で実行されるライティングプログラムにおいて、各楽曲毎にユーザが設定したライティング形態が登録されるテーブルである。本実施形態のライティングプログラムは、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話といった個人が所有する情報端末を、カラオケ利用時における照明効果に利用することとしている。スマートフォン、タブレット端末、携帯電話といった情報端末は、近年、画面の大型化が図られている。これら個人が所有する情報端末の画面を照明効果に利用することで、カラオケの場を盛り上げることが可能となる。
【0040】
本実施形態のライティング設定テーブルは、楽曲識別情報に対応付けてライティング形態とタイミングを対とする情報が複数登録されている。ユーザは、楽曲に関するライティング設定をこのライティング設定テーブルに登録しておくことで、当該楽曲の演奏時、登録してあるライティング設定を使用することが可能である。
【0041】
図4は、カラオケシステムとカラオケ用ホスト間におけるユーザ情報の送受信の様子、並びに、カラオケシステムと情報端末の連携の関係を示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザは、自己のユーザ識別情報とパスワードで構成された識別情報を入力、あるいは、リモコン装置1などに設けられたICカードリーダーでICカードに記憶されている識別情報を読み取らせることで認証処理S101を実行する。ユーザの識別情報を読み取った、カラオケ装置2あるいはリモコン装置1は、識別情報をカラオケ用ホスト5に送信し(S102)、識別情報を受信したカラオケ用ホスト5は記憶部51に記憶されたデータベースから、該当するユーザのユーザ情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったカラオケ装置2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
【0042】
ユーザ情報を受信したカラオケ装置2側では(S103)、リモコン装置1の表示部11にログインしたユーザのアクティブユーザトップ画面を表示させる。
図5には、本発明の実施形態に係るアクティブユーザトップ画面が示されている。この画面に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザ欄103にログインしたユーザの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザ欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザは、アクティブユーザ103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザ103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザ103eのユーザ情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。このアクティブユーザトップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。
【0043】
ユーザによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中における各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザによる設定変更を反映したユーザ情報をカラオケ用ホスト5に送信する(S106)。ここで、ユーザ情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。ユーザ情報を受信したカラオケ用ホスト5では(S123)、受信したユーザ情報に基づいて記憶部1に記憶されたデ
ータベースの更新を実行する(S124)。
【0044】
以上、1ユーザが認証処理(ログイン処理)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のカラオケ装置2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユーザ)が同時にログインした状態で使用することが可能となっており、
図2で説明したユーザインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザ(アクティブユーザ)を切り替えて使用することが可能となっている。
【0045】
アクティブユーザとして楽曲を選択した場合、
図6に示される楽曲確認画面にて、予約を行う楽曲に間違いがないか、楽曲名、歌手名、歌い出しなどを表示してユーザに確認させる。このとき、選択した楽曲に対して自分の歌唱できる音程(キー)が予め分かっている場合には、「音程設定」を変更することで演奏する際の音程調整値を設定することが可能となっている。キー設定右下の「変更」ボタンを操作することで、音程設定用の画面が表示され音程調整値を設定することができる。
【0046】
この楽曲確認画面にて「予約」ボタンが操作されると、リモコン装置1からカラオケ装置2に対してユーザ識別情報、楽曲識別情報、音程調整値などを含む予約情報が送信される。受信したカラオケ装置2では、予約情報を予約テーブルに順次追加して、演奏処理を実行する。
【0047】
次に、本発明の実施形態に係る情報端末5について図を用いて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る情報端末5の構成を示す図である。この情報端末5としては、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などを採用することが可能である。この情報端末5に、本発明に係る情報端末用プログラムがインストールされることでライティング処理を実行させることが可能となる。
【0048】
本実施形態の情報端末5は、CPU51、RAM52、記憶部53、画像処理部54、音処理部56を含んで構成された制御手段を有している。記憶部53は、ハードディスク、SSDといった不揮発性の記憶手段である。この記憶部53には、本実施形態の情報端末用プログラム、そして、情報端末用プログラムで使用する各種データが記憶される。
【0049】
CPU51は、情報端末5全体を統括して制御する手段であり、記憶部53に記憶されたプログラム、データに基づいて各種制御を実行する。RAM52には、CPU51の制御によって生成されたデータを一時的に格納する。
【0050】
音処理部56は、CPU51の制御によりスピーカ57に放音させる手段である。また、音処理部56は、マイクロホン58と接続され、マイクロホン58から周囲の音声を取り込み可能としている。
【0051】
タッチパネル表示手段63は、画像を表示する表示部63bとその表面あるいは裏面に配設されるタッチパネル63aを有して構成されている。タッチパネル63aは、静電容量方式などユーザのタッチ位置を認識可能とする各種タイプを採用することが可能である。CPU51は、表示部63bに表示を行うとともに、タッチパネル63aからのタッチ入力にて、表示させている画像中のどの部分にタッチ入力されたかを判定することが可能である。
【0052】
画像処理部54は、情報端末5の画像関係の入出力を行う手段である。画像処理部54は、CPU51で形成された画像を表示部63bに表示出力する。そして、画像処理部54はカメラ55から画像を取り込む機能を有する。
【0053】
通信部59は、携帯無線網や、無線LANなどよる無線通信を行うことが可能であり、アクセスポイントと無線通信することで、情報端末5をインターネットに加入させることが可能である。情報端末5はインターネット上のサーバから携帯端末用プログラムを含む各種プログラムをダウンロードすることが可能である。なお、携帯端末用プログラムは、通信回線を利用した形態以外に、外部メモリ(図示せず)からインストールすることとしてもよい。通信部59には、赤外線通信部、Bluetooth(商標)などの近距離通信手段をさらに設けることとしてもよい。
【0054】
本実施形態の情報端末5は、入力手段としてタッチパネル63a以外に入力スイッチ20を備えて構成されている。この入力スイッチ20には、電源スイッチ、音量調整スイッチ、プログラムに応じて入力用途が変更されるスイッチなど、各種スイッチを設けることが可能である。
【0055】
本実施形態の情報端末5では、カラオケ用ライティングプログラムをインストールすることで、タッチパネル表示画面63にて、カラオケ装置2の演奏に同期した照明効果を演出することが可能となっている。
図8には、本発明の実施形態に係る情報端末5のアプリ選択画面(ホーム画面)が示されている。タッチパネル表示画面63の左下には、インストールされたカラオケ用ライティングプロラムを起動するためのアイコン(名称:カラオケライティング)が表示されている。ユーザは、このアイコンをタッチ操作することで、カラオケ用ライティングプログラムを起動することが可能である。
【0056】
図9には、カラオケ用ライティングプログラムの起動直後の画面が示されている。本実施形態では、
図2で説明したユーザ情報と同じアカウントにログインすることで、情報端末5と利用しているカラオケシステムとを連携させることが可能となっている。この画面で入力されたユーザ識別情報とパスワードは、カラオケ用ホストに送信され、カラオケ用ホストでの認証に基づいて、ユーザをログインさせる。
【0057】
図4に戻り、情報端末5とカラオケシステムとの連携について説明する。
図9の画面でログイン処理が実行される(S131)と情報端末5はカラオケ用ホストに対してユーザ識別情報を含むアカウント情報を送信し、カラオケ用ホスト121は、受信したアカウント情報に基づいて認証を行う。このとき、カラオケシステム側でも同じユーザ識別情報でログインされている場合、ユーザは、当該カラオケシステムでカラオケを楽しんでいることが予想される。したがって、この当該カラオケシステムで管理する予約テーブルなどの各種情報を、ログインした情報端末5に送信することで、情報端末5にてカラオケシステムにおける予約状況などを確認することが可能である。また、情報端末5から入力された指示は、カラオケ用ホストを介してカラオケシステム側に伝達することも可能である。
【0058】
情報端末5をアクセスポイント110を介して、カラオケ店舗におけるネットワークに参加させることで、情報端末5とカラオケシステム間で直接連携させることも可能であるが、このような連携はセキュリティ上好ましいものとはいえない。また、複数のカラオケ装置2がネットワークに参加するカラオケボックスなどでは、どのカラオケ装置2を利用しているかを情報端末5に特定させる必要もある。本実施形態では、カラオケ用ホストを介在させた形態により、セキュリティ面並びに情報端末5におけるカラオケ装置2の特定の容易化が図られた形態となっている。
【0059】
このような情報端末5とカラオケシステム間での連携にて、ライティング処理などの各種サービスが情報端末5に対して実行される(S132)。この連携はカラオケ用ライティングプログラムにてログアウトする、もしくは、カラオケ用ライティングプログラムが終了するまで(S133:Yes)実行される。
【0060】
図10には、カラオケ用ライティングプログラムにてログインした後、表示される予約状況画面が示されている。本実施形態では、このように同じユーザ識別情報でログインしているカラオケシステムの予約状況が表示される。本実施形態の予約状況画面には、演奏中の楽曲を含め、予約リストに登録された楽曲の楽曲名と予約したユーザ名が、演奏待ちの順に表示されている。
【0061】
本実施形態では、この予約状況画面に表示される各楽曲毎の「設定」ボタン、もしくは、画面情報に表示される「一括設定」を操作することで楽曲に対する照明効果を設定することが可能となっている。照明効果は、他人が歌唱しているときに場を盛り上げるために利用されることが多い。また、自身が歌唱している場合には、歌唱用マイク44を把持する、あるいは、歌唱に集中するなどの事情から、情報端末5をかざすなどすることは困難な状況にある。
【0062】
したがって、本実施形態では、ユーザ自身が予約した楽曲に対しては、照明効果の設定を行うことができない形態となっている。
図10に示す予約状況画面は、Aさんが所持する情報端末5であってAさん自身でログインした状態が示されている。画面に示されるようにAさんが予約した楽曲に対しては「設定」ボタンが表示されておらず、照明効果の設定ができない状態となっている。さらに、Aさんによって予約された楽曲が演奏される場合、Aさんの所持する情報端末5では、照明効果に関する処理を実行させないこととしている。
【0063】
この予約状況画面にて、ユーザは各楽曲、あるいは、全ての楽曲に対して一括で、当該情報端末5で使用する照明効果を設定することが可能である。
図11には、本発明の実施形態に係るライティング一括設定画面が示されている。本実施形態の照明効果に関する設定は、予めカラオケ業者側で用意したいくつかのパターンの中から選択することが可能となっている。
【0064】
図の例では4つのパターンA〜Dの中からユーザが好むパターンを選択することが可能である。現在、同じカラオケシステムを利用中のユーザが選択したパターンには、ユーザ名が表示されている。また、まだ選択されていない場合には「空」の文字が表示された状態となっている。照明効果では、複数の情報端末5が連動することで、一層演出効果が図られることが考えられる。本実施形態では、このように既に設定されているパターンにユーザ名を表記することで、各人が異なるパターンを選択できるようにしている。ユーザインターフェイスでは、既に設定されているパターンは選択できないようにしてもよいし、重複して選択可能としてもよい。このようなパターンの設定は、自動で行うこととしてもよい。例えば、設定を行った順で、パターンAから順に割り付けていくなど、自動でパターンを割り付けることで各人が異なるパターンの照明効果となるようにてもよい。
【0065】
ライティング一括設定について説明したが、各楽曲に対する設定についても同様にパターンから選択すること、あるいは、各ユーザにて詳細な照明効果を設定することとしてもよい。なお、各楽曲に対して設定したライティング設定は、
図3で説明したライティング設定テーブルに登録しておき、以後、読み出して再度利用可能とすることとしてもよい。
【0066】
図12には、本発明の実施形態に係るライティング情報のデータ構成が示されている。本実施形態のライティング情報は、各楽曲別に設けられ、カラオケ装置2あるいはカラオケ用ホストにて記憶管理されている。そのためライティング情報には楽曲識別情報が付与されている。
【0067】
ライティング情報は、各パターンA〜D毎にタイミングとライティング形態が規定されている。タイミングは演奏情報の進行に対応した時間情報であり、演奏処理中、このタイ
ミングの到来に応じて対応する情報端末5にてライティング形態が実行される。ライティング形態としては、明るさ、色、演出が規定されている。明るさは照明効果時、情報端末5の表示部63bの明るさを規定した情報である、色は照明効果時、情報端末5の表示部63bの基準色を規定した情報である。演出は、単一色での表示形態、画面をフラッシュさせる形態、画面をディゾルブさせる形態など、各種演出形態を指定した情報である。情報端末5は、タイミングの到来を判別した際、対応するライティング形態を実行することで、演奏に同期した照明効果を行うことが可能となっている。
【0068】
ライティング情報中で規定するタイミングには、MIDクロックや演奏時間などを使用することとしてもよいが、
図13に示す演奏区間に応じたタイミングを採用することで、複数の楽曲に共通したタイミングにて演出を行うことが可能となる。情報端末5は、演奏処理の経過に伴ってT1〜T10で示す演奏区間の経過を判別する毎に、ライティング形態を変化させることで、前奏、Aメロ1〜3、間奏、Bメロ1〜3、後奏といった演奏区間種別に応じた照明効果を行うことが可能である。また、各楽曲に設定されるタイミングは、
図13に示すような複数の楽曲について共用可能な演奏区間に設定することが可能となる。
【0069】
図10において、本人(歌唱者)による予約の場合、歌唱本人が所持する情報端末5では照明効果を実行させないことが好ましいことを述べたが、
図13に示す演奏区間中、前奏、間奏、後奏といった非歌唱区間においては、歌唱本人が所持する情報端末5に対して照明効果処理を実行させることとしてもよい。あるいは、所定時間、歌唱用マイク44から音声入力が無い場合、歌唱本人が所持する携帯情報端末5に対して照明効果を実行させることとしてもよい。このような形態では、何らかの事情により楽曲の歌唱を行うことができない場合でも、予約を行った歌唱本人による照明演出が可能であり、場の雰囲気をしらけないようにすることが可能となる。
【0070】
図14には、本発明の実施形態に係る各パターンでのライティング形態を示す図である。
図11で説明したようにパターンA〜Dが存在する場合について、その一例を示したものである。1つのパターンAについてみると、楽曲の演奏の進行に同期してタッチパネル画面63表示手段63の画面の様子が変化する様子が分かる。このように本実施形態では、個人が所持する情報端末5をカラオケ利用時における照明効果として利用可能とすることで、歌唱の場を一層盛り上げることが可能となっている。
【0071】
また、本実施形態では
図11で説明したように複数のパターンの中から選択することが可能となっている。このような複数のパターンを選択した場合、図に示すように複数の情報端末5を同じ表示形態で照明すること(同形態区間)の他、複数の情報端末5が連携して照明を行うことが考えられる(連携形態区間)。この連携形態区間では、破線で囲まれる部分から分かるように、まず、パターンAで表示されたライティング形態が、パターンB→パターンC→パターンDと、順に遷移している。複数の情報端末5を使用して連携形態区間を実行させることで、複数の情報端末5の間でライティング形態が移動する照明効果を演出することが可能となっている。
【0072】
以上、複数のパターンを有するライティング情報を利用した形態について説明したが、ライティング情報は、
図3で説明したユーザ情報を修正する、あるいは、ユーザ情報に基づいて生成することとしてもよい。例えば、ユーザ情報の内、個人情報に含まれる性別、年齢などを使用して、
図12で説明したライティング情報に修正を加える、あるいは、ライティング情報を生成することが考えられる。例えば、性別を利用した場合、男性の場合は寒色系の色を使用する、女性の場合は暖色系の色を使用することが考えられる。また、年齢を使用した場合、年齢が若ければ緑系の色を使用する、老齢であれば茶系の色を使用することが考えられる。このようなユーザ情報の修正、生成は、ライティング情報中の色
のみならず、タイミング、明るさ、演出などに適用することとしてもよい。また、ユーザ情報中で使用する情報も、性別、年齢のみならず、個人情報のうちの他の情報、あるいは、マイうたテーブル、履歴テーブルなど、音楽の嗜好に関する情報を利用することも可能である。
【0073】
あるいは、ライティング設定テーブルに記録されたライティング情報の設定履歴を利用することとしてもよい。このような形態では、カラオケ用ホストにおいて、複数のユーザ情報中の設定履歴に基づいて、所定期間毎に性別や年齢に応じてライティング情報の人気ランキングを集計し、端末を保有するユーザの性別や年齢で人気の高いライティング情報を推奨することも可能となる。なお、この集計は曲のジャンル毎(演歌、ポップス、ロック、メタル、童謡 等)に行うこととしてもよい。ジャンル毎に集計することで、歌唱している曲の雰囲気に合致した人気の高いライティング情報を推奨することが可能となる。
【0074】
では、このような情報端末5にて実行される照明効果について、カラオケシステムでの各種処理について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係る楽曲指定処理を示すフロー図である。カラオケシステムが起動すると、この楽曲指定処理が実行される。リモコン装置1の入力で確定された予約情報、もしくは、情報端末5にて指定されたライティング設定は、予約関連情報としてカラオケ装置2に送信される。
【0075】
カラオケ装置2は、このような予約関連情報を受信した場合(S201:Yes)、以降の処理を実行する。受信した予約関連情報が予約情報である場合(S202:予約情報)、当該予約情報を予約テーブルに登録する(S203)。登録された予約情報にて指定される楽曲は、順次、楽曲演奏処理にて演奏される。一方、受信した予約関連情報がライティング設定(S202:ライティング設定)である場合、ライティング設定を行った情報端末5に対してライティング情報を送信する。本実施形態ではカラオケ装置2がライティング情報を情報端末5に対して送信しているが、ライティング情報の送信は、カラオケ用ホストが行うこととしてもよい。
【0076】
図16には、本実施形態のカラオケシステム(装置)と、情報端末5の各種通信経路が示されている。本実施形態では、カラオケ装置2とカラオケ用ホストを接続する通信経路A、カラオケ用ホストと情報端末5を接続する通信経路Bが設けられている。この通信経路A、Bを利用することで、カラオケシステムと情報端末5を連携させることとしてもよいが、さらに、カラオケ店舗内において、カラオケ装置2と情報端末5の間で直接通信可能な通信経路Cを利用することとしてもよい。
【0077】
この通信経路Cとしては、情報端末5をカラオケ店舗に設置されるアクセスポイント110に無線接続させることの他、カラオケ装置2が備える他の通信手段を利用することが考えられる。この通信手段としては、カラオケ装置2に設けられた赤外線通信部23を利用して、情報端末5側の通信部59(この場合、同様に赤外線通信部が設けられる)と赤外線通信することとしてもよい。このようにカラオケ装置2と情報端末5との通信は、近距離通信にて実現することも可能である。近距離通信としては、Blootooth(商標)を採用することも可能である。
【0078】
カラオケ用ライティングプログラムにおけるカラオケ装置2と情報端末5との間の連携(情報通信)は、通信経路AとB、あるいは、通信経路Cの何れか一方のみを使用することが考えられるが、一部を通信経路AとB、を利用し、一部を通信経路Cを使用することとしてもよい。例えば、楽曲指定処理における情報端末5へのライティング情報の送信(S204)は、通信経路AとBを使用し、カラオケ装置2における演奏に同期させるための同期信号の送信は通信経路Cを使用することが考えられる。このような形態では、通信経路AとBで生じる遅延の発生を抑え、リアルタイムでの同期を行うことが可能である。
【0079】
図17には、本発明の実施形態に係る楽曲演奏処理を示すフロー図が示されている。カラオケ装置2は、予約テーブルをチェックし(S301)、予約テーブル中、次に演奏される楽曲がある場合(S302:Yes)、予約情報中に指定されている楽曲識別情報に対応する演奏情報を音声制御部25に演奏させる。楽曲の演奏は、楽曲終了(S304:Yes)まで継続して実行されることとなるが、その際、演奏の進行に応じてライティング情報中で規定するタイミングが到来したことが判定された場合(S305:Yes)、情報端末5に対して同期信号を送信する(S306)。情報端末5では、同期信号に応じたライティング形態にて表示部63bを点灯させることで、演奏に同期した照明効果を演出することが可能となる。
【0080】
なお、同期信号は、
図13に示すT1〜T10の各々のタイミングをカラオケ装置2から情報端末5に知らせる形態以外に、演奏開始時のT1のみをカラオケ装置2から情報端末5に知らせる形態としてもよい。後者の場合、情報端末5側の経時に基づき、T2〜T10のタイミングを判定することが可能である。
【0081】
以上、本実施形態の情報端末5は、ライティング情報に基づき、カラオケ装置2の演奏に同期して、表示部63bを点灯させることで、演奏に同期した照明効果を演出することが可能である。特に、本実施形態では、個人が所有する情報端末5を照明効果のために使用することで、パーソナライズされたカラオケ演出用の照明装置として利用することが可能である。また、情報端末5は、可搬可能な大きさであることが多いため、情報端末5をユーザが振ったりすることが可能であるため、一層の演出効果が期待できる。
【0082】
また、カラオケを行う状況において比較的大きい画面を有する情報端末としては、リモコン装置1がある。リモコン装置1を本発明における情報端末とし、リモコン装置1の表示部11にて照明効果を演出させることとしてもよい。リモコン装置1とカラオケ装置2とは、同じネットワーク上で対応付けられているため、演奏進行上での同期を容易に行うことが可能である。
【0083】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。