特許第6139216号(P6139216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック株式会社の特許一覧 ▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧 ▶ 東京瓦斯株式会社の特許一覧 ▶ 東邦瓦斯株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6139216-空気調和システム 図000002
  • 特許6139216-空気調和システム 図000003
  • 特許6139216-空気調和システム 図000004
  • 特許6139216-空気調和システム 図000005
  • 特許6139216-空気調和システム 図000006
  • 特許6139216-空気調和システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139216
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20170522BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20170522BHJP
   H02J 9/04 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   F24F11/02 102Q
   F25B27/00 A
   H02J9/04
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-72817(P2013-72817)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-196870(P2014-196870A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2016年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 弘
(72)【発明者】
【氏名】角田 幸久
(72)【発明者】
【氏名】今井 和哉
(72)【発明者】
【氏名】山下 祥史
(72)【発明者】
【氏名】村上 高
(72)【発明者】
【氏名】古橋 優磨
(72)【発明者】
【氏名】國松 典弘
【審査官】 岡澤 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−249264(JP,A)
【文献】 特開2012−229900(JP,A)
【文献】 特開2009−153295(JP,A)
【文献】 特開2010−115004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
F25B 27/00
H02J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、室外熱交換器を有する室外ユニット、及び、室内熱交換器を有する室内ユニットを有し、前記室外ユニットが、前記圧縮機を駆動するガスエンジン、前記ガスエンジンで駆動される発電機を備えた空気調和システムにおいて、
商用系統の停電時に、前記発電機の発電電力で駆動される非空調装置及び/又は室内ユニットおよび運転台数を設定する設定手段と、
この設定手段で設定された機器の駆動を許可するとともに、設定された機器以外は個別の運転操作を禁止する制御手段とを備え、
前記設定手段は、前記室内ユニットに固有のアドレスを設定し、
前記制御手段は、商用系統の停電時に、前記室内ユニットに対して、前記アドレスが小さい順から設定された運転台数の数に該当するものだけの運転を許可することを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記ガスエンジンに前記圧縮機を接離可能に接続するクラッチを備え、
前記制御手段は、前記室内ユニットの駆動の可否に関する設定結果に基づいて、前記クラッチの接離を制御することを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
駆動許可と設定された前記室内ユニットが1台もない場合、前記制御手段は、前記クラッチを介して前記ガスエンジンと前記圧縮機とを切り離すことを特徴とする請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記商用系統と前記発電電力の系統とを切り替える電源切替盤を備え、この電源切替盤にそれぞれ複数の前記非空調装置及び前記室内ユニットを接続し、前記設定手段は、前記電源切替盤に接続された前記非空調装置及び前記室内ユニットの中から、前記商用系統の停電時に駆動される非空調装置及び/又は室内ユニットを設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時に駆動される発電機を備えた空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和システムには、商用電源からの電力供給が停止されている停電時であっても駆動できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載される発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置では、発電機の発電電力と商用電源からの電力をそれぞれ直流電力に変換し、合流させた状態でインバータにより交流電流に変換し、室外ファン、室内ファン及び照明装置等の電力負荷に供給可能に構成するとともに、発電電力を蓄電する蓄電手段を備え、停電時でも蓄電手段からの電力によって始動し、空調運転を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−236417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、停電時には、発電機の発電電力が供給される室内ユニットや照明装置等の機器のすべてを駆動させる必要はなく、優先度の高い機器に発電機の発電電力を供給して駆動させることが望ましい。しかし、停電の混乱時には、優先度の低い機器も駆動されることが想定され、優先的に運転させたい機器の電力供給に影響が出る可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、停電時に所望の機器を優先的に運転させることができる空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、圧縮機、室外熱交換器を有する室外ユニット、及び、室内熱交換器を有する室内ユニットを有し、前記室外ユニットが、前記圧縮機を駆動するガスエンジン、前記ガスエンジンで駆動される発電機を備えた空気調和システムにおいて、商用系統の停電時に、前記発電機の発電電力で駆動される非空調装置及び/又は室内ユニットおよび運転台数を設定する設定手段と、この設定手段で設定された機器の駆動を許可するとともに、設定された機器以外は個別の運転操作を禁止する制御手段とを備え、前記設定手段は、前記室内ユニットに固有のアドレスを設定し、前記制御手段は、商用系統の停電時に、前記室内ユニットに対して、前記アドレスが小さい順から設定された運転台数の数に該当するものだけの運転を許可することを特徴とする。
【0006】
この構成において、前記ガスエンジンに前記圧縮機を接離可能に接続するクラッチを備え、前記制御手段は、前記室内ユニットの駆動の可否に関する設定結果に基づいて、前記クラッチの接離を制御しても良い。
【0007】
更に、駆動許可と設定された前記室内ユニットが1台もない場合、前記制御手段は、前記クラッチを介して前記ガスエンジンと前記圧縮機とを切り離しても良い。
また、前記商用系統と前記発電電力の系統とを切り替える電源切替盤を備え、この電源切替盤にそれぞれ複数の前記非空調装置及び前記室内ユニットを接続し、前記設定手段は、前記電源切替盤に接続された前記非空調装置及び前記室内ユニットの中から、前記商用系統の停電時に駆動される非空調装置及び/又は室内ユニットを設定する構成としても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商用系統の停電時に、前記発電機の発電電力で駆動される非空調装置及び/又は室内ユニットを設定する設定手段と、この設定手段で設定された機器の駆動を許可するとともに、設定された機器以外は個別の運転操作を禁止する制御手段とを備えたため、予め設定された機器に優先的に発電電力を供給できるため、これら所望の機器を優先的に運転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る空気調和システムを示す回路図である。
図2】通常運転時の空気調和システムの電力系統を模式的に示す図である。
図3】商用系統の電力供給が断たれた直後における電力の供給を示す模式図である。
図4】自立運転時の電力の供給を示す模式図である。
図5】運転処理を示すフローチャートである。
図6】Aは、運転を許容する室内ユニットを2台、照明装置を運転許容に設定した状態を説明する図であり、Bは、運転を許容する室内ユニットを0台、照明装置を運転許容に設定した状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和システムを示す回路図である。
空気調和システム1は、ビルや学校等の施設に設置されるシステムであり、室外ユニット2と室内ユニット3とを有している。室外ユニット2と室内ユニット3とは、液管4a及びガス管4bからなるユニット間配管4で接続され、これによって空調運転を行うための冷凍サイクル回路が構成される。室外ユニット2には、ガスエンジン10(エンジン)と、このガスエンジン10の駆動力により発電を行う発電機11と、ガスエンジン10の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機12とが収容されている。このガスエンジン10は、燃料調整弁7を経て供給されるガスなどの燃料と、スロットル弁8を経て供給される空気との混合気を燃焼させて駆動力を発生する。
【0011】
室内ユニット3は、複数の室内ユニット3a,3b,3c(室内機)を備えて構成される。本実施形態では、3台の室内ユニット3a〜3cが接続された場合を例に説明するが、室内ユニット3の台数は設置場所に応じて適宜に増減される。これら室内ユニット3a〜3cには、室内ユニット3a〜3cを操作するためのリモコン5がそれぞれ設けられており、各室内ユニット3a〜3cに電力が供給されている場合、ユーザーによるリモコン操作に応じて個別に運転/運転停止等の操作が可能である。なお、図1では、電力が供給される線を太線で示している。
【0012】
圧縮機12は、容量が異なる大及び小の圧縮機12a,12bで構成され、2台が並列に、ガスエンジン10に対し、それぞれ電磁クラッチ14a,14bを介して接続されている。電磁クラッチ14a,14bによって圧縮機12a,12bとガスエンジン10との接続が切り替えられることで、空調の負荷に応じて圧縮機12a,12bの駆動が制御される。さらに、空調負荷がない、すなわち、すべての室内ユニット3a〜3cの運転が停止されている場合には、電磁クラッチ14a,14bによって、圧縮機12a,12bとガスエンジン10とが切り離され、このガスエンジン10により発電機11のみを駆動することができる。
これら圧縮機12a,12bの吐出管12cは、プレート式熱交換器31、四方弁15、室外熱交換器17の順に接続され、この室外熱交換器17には、液管4aを介して、各室内ユニット3の膨張弁19a,19b,19c、及び、室内熱交換器21a,21b,21cが接続され、室内熱交換器21a,21b,21cには、ガス管4bを介して、四方弁15が接続され、この四方弁15には、圧縮機12a,12bが接続されている。室内熱交換器21a,21b,21cには、直流モーターによって駆動される送風機6a,6b,6c(室内送風機)がそれぞれ設けられている。
また、圧縮機12a,12bの吐出管12c及び吸込管12dが、バイパス管18で接続され、このバイパス管18に、アンロード用のバイパス弁20が接続されている。本構成では、上記した各機器を備えて冷媒回路が形成されている。
【0013】
圧縮機12a,12bが駆動されると、四方弁15の切り替え状態が暖房切り替えであれば、図1に実線の矢印で示すように、圧縮機12a,12b(いずれか一方の圧縮機12a,12bの場合も含む)、四方弁15、室内熱交換器21a,21b,21c、膨張弁19a,19b,19c、室外熱交換器17の順に冷媒が循環し、室内熱交換器21a,21b,21cでの冷媒凝縮熱により室内が暖房される。これとは反対に、四方弁15が冷房切り替えであれば、図1に破線の矢印で示すように、圧縮機12a,12b、四方弁15、室外熱交換器17、膨張弁19a,19b,19c、室内熱交換器21a,21b,21cの順に冷媒が循環し、この室内熱交換器21a,21b,21cでの冷媒蒸発熱により室内が冷房される。
なお、室内ユニット3a〜3cは並列接続されるため、各室内ユニット3a〜3cへ個別に冷媒を供給することができ、各室内ユニット3a〜3cを各々独立して運転することが可能である。
【0014】
次に、ガスエンジン10の冷却装置について説明する。
このガスエンジン10は水冷式であり、このガスエンジン10のウォータージャケットを循環した冷却水は、第1の三方弁22、逆潮流ヒータ23及び第2の三方弁24を経て、ラジエータ25に供給される。このラジエータ25は、室外熱交換器17と併設されており、これらは同一の送風機26により送られる空気によって空冷され、このラジエータ25を経た冷却水は、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れて、ガスエンジン10のウォータージャケットに戻される。
排ガス熱交換器29には、ガスエンジン10の排気ガスが通され、この排気ガスは、排気トップ30を経て、室外ユニット2の外に排出される。
【0015】
上述した第1の三方弁22は冷却水温度で自動的に切り替えられる。すなわち、冷却水温度が所定温度よりも低い場合、ガスエンジン10のウォータージャケットからの冷却水を、ラジエータ25をバイパスさせ、直接、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29に導いて、上記ウォータージャケットに戻す。
第2の三方弁24は、例えば暖房運転時に切り替えられ、冷却水を、ラジエータ25をバイパスさせ、プレート式熱交換器31を経て、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れ、ウォータージャケットに戻される。
【0016】
次に、電力系統について説明する。図2は、空気調和システム1の電力系統を模式的に示している。なお、図2は、電力が流れる線を実線で示し、電力が流れない線を破線で示している。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の空気調和システム1では、発電機11を、電力会社の電力系統である商用系統36(商用電源とも称する)に系統連系することにより、発電機11の発電電力を、商用系統36の電力とともに、室外ユニット2、室内ユニット3及び需要家負荷としての照明装置38に供給することができる。
この場合、室外ユニット2及び室内ユニット3は、空気調和システム1の自己消費(自己電力消費)の電力負荷に相当しており、照明装置38は、空気調和に関係しない電力負荷(非空調装置)に相当する。本実施形態では、照明装置38は、3台の照明装置38a,38b,38cを備えて構成される。
なお、照明装置38に加えて、または、変えて、非空調装置に相当する需要家負荷として更に別の電力負荷を接続するように構成しても良い。
【0017】
商用系統36は、商用電源線(いわゆる電灯線)である上流側給電ライン51aを介して室外ユニット2内の電源切替盤52に接続されており、この商用系統36と電源切替盤52との間には、商用系統36側から順に電力検出器43とブレーカ37が設けられている。
電源切替盤52は、上流側給電ライン51aが接続される第1端子52a(通常運転用端子)と、発電機11の発電電力が供給される後述する電源線34bが接続される第2端子52b(自立運転用端子)と、室内ユニット3及び照明装置38等が接続される下流側給電ライン51bが接続される第3端子52c(給電用端子)とを備え、第3端子52cの接続先を、第1端子52aと第2端子52bとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
このため、第3端子52cと第1端子52aとを接続することにより、商用系統36から商用電力(本実施形態では200Vの交流電力)を下流側給電ライン51bに供給することができ、第3端子52cと第2端子52bとを接続することにより、発電機11の発電電力を下流側給電ライン51bに供給することができる。
つまり、電源切替盤52は、下流側給電ライン51bへの電力源を、商用系統36と発電電力の系統(発電系統)との間で切り替える切替手段として機能する。この下流側給電ライン51bに供給された電力は、電源線41を介して室外側コントローラ39にも供給され、この電力により圧縮機12や送風機26等を駆動可能に構成されている。
【0018】
このように、この空気調和システム1では、商用系統36と発電電力の系統とを切り替える電源切替盤52を備え、この電源切替盤52に、室外ユニット2、室内ユニット3及び照明装置38を接続することによって、商用系統36及び室外ユニット2の発電機11から供給される電力を利用して、室外ユニット2、室内ユニット3及び照明装置38を駆動する通常運転と、商用系統36から切り離して発電機11の発電電力によって室外ユニット2、室内ユニット3及び照明装置38を駆動する自立運転と、を選択的に行うことができる。
また、照明装置38a〜38cに接続される下流側給電ライン51bには、各照明装置38a〜38cの上流側に当該照明装置38a〜38cへの電力供給を遮断する電力供給スイッチ60が設けられている。これら電力供給スイッチ60は、室外側コントローラ39によって個別に開閉自在に制御され、該電力供給スイッチ60を開放した場合には、室内ユニット3a〜3cの運転の可否に関わらず、照明装置38a〜38cの運転を一括して停止することができる。
【0019】
次いで、発電電力の系統について説明する。
発電機11の発電電力は、電力線32を介して系統連系インバータ33に出力される。系統連系インバータ33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を、AC/DCコンバータを介して、直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する。
この電源線34は、系統連系用の電源線34aと、自立運転用の電源線34bとに分岐し、系統連系用の電源線34aは、室外側コントローラ39を含む室外ユニット2に電力を供給する電源線41を介して下流側給電ライン51bに接続される。また、図1に示すように、系統連系用の電源線34aと下流側給電ライン51bとの間には、漏電時に遮断される漏電ブレーカ34Xが配設されている。
なお、発電電力の一部は、図2に示す電源線47bを介してバッテリー49に供給され、バッテリー49に発電電力が蓄電されるように構成されている。
【0020】
自立運転用の電源線34bは、上述した電源切替盤52の第2端子52bに接続されている。このため、上述したように、電源切替盤52の第2端子52bと第3端子52cとが接続されることによって、電源切替盤52を介して発電電力を下流側給電ライン51bに直接供給させることができる。
ここで、自立運転用の電源線34bには、当該電源線34bに発電電力を流す際にオンにされる自立用リレー34cが設けられており、系統連系用の電源線34aにも、当該電源線34aに発電電力を流す際にオンにされる連系用リレー34dが設けられている。
【0021】
系統連系インバータ33は、室外ユニット2の室外側コントローラ39に、通信線40を介して通信可能に接続されるとともに、電力が逆潮流しないように、上述した逆潮流ヒータ23に適宜に電力を供給する。
室外側コントローラ39は、系統連系用の電源線34aを介して発電電力が供給可能な構成に加え、商用系統36から電源線41を介して動作電源を得ることができ、通信線42を介して各室内ユニット3の室内側コントローラに通信可能に接続されている。
この室外側コントローラ39は、電源線54を介してバッテリー49の電力が直接供給される自立制御部39aと、制御プログラム等の各種データを記憶する記憶部39bとを備えている。
【0022】
また、室外側コントローラ39は、商用系統36及び室外ユニット2の発電機11から供給される電力で室外ユニット2、室内ユニット3及び照明装置38を駆動する通常運転を行う通常運転モードと、停電時等に商用系統36から切り離されて発電機11の発電電力によって室外ユニット2、室内ユニット3及び照明装置38を駆動する自立運転を行う自立運転モードとのいずれかに動作モードを切り替える制御を行う。
自立制御部39aには、ユーザー等が手動で操作する手動スイッチである自立運転切り替えスイッチ56(自立運転スイッチ)が接続され、自立運転切り替えスイッチ56が操作されることで、自立制御部39aが自立運転モードへの切り替え動作を開始する。
【0023】
バッテリー49の電力が供給される電源線54には、電源線48(図1)を介してガスエンジン10のセルモーター(不図示)がつながっており、室外側コントローラ39の制御の下、バッテリー49の電力でセルモーターを駆動し、ガスエンジン10を始動させることができる。
室外側コントローラ39は、上述したように、室外ユニット2の各機器(例えば、ガスエンジン10、電磁クラッチ14a,14b、送風機26、バッテリー49、及び、電源切替盤52、電力供給スイッチ60等)の動作を中枢的に制御する制御部(制御手段)として機能する。
【0024】
系統連系インバータ33には、通信線44を介して系統連系盤45が接続され、この系統連系盤45には、通信線46を介して、商用系統36とブレーカ37との間に設置された電力検出器43(以下、第1電力検出器43と言う)が接続されている。第1電力検出器43は、商用系統36に供給される電力値をリアルタイムに取得し、この取得した電力値データは、系統連系盤45を介して、系統連系インバータ33に入力され、通信線40を通じて室外側コントローラ39に送られる。系統連系盤45は、図示は省略するが、OVGR/RPR(地絡過電圧継電器/逆電力継電器)、UPR(不足電力継電器)、W/TD(ワット・トランスデューサ)等を備え、受信した第1電力検出器43からの信号とともに、OVGR/RPR、UPR、W/TDからの信号を系統連系インバータ33に送信するようになっている。このため、系統連系インバータ33は、商用系統36の情報を得ることができる。
【0025】
系統連系インバータ33は、発電機11の発電量を制御する機能を有し、必要に応じ、発電量を減少または増大させる。例えば、室内ユニット3の空調要求に応じた圧縮機12a,12bの負荷の増大、及び、照明装置38の増大に応じて発電要求が増大した場合に、発電機11の発電量を増大させる。この場合、需要家負荷は、第1電力検出器43、系統連系盤45、系統連系インバータ33及び室外側コントローラ39により常時監視されている。
また、系統連系インバータ33は、自身の出力電力、つまり、電源線54に供給される電力を検出する電力検出器33a(以下、第2電力検出器33aと言う)を有している。
【0026】
続いて、この空気調和システム1の基本動作を説明する。
図2は通常運転時(通常運転モード)の空気調和システム1を示している。
通常運転モードは、商用系統36から電力が供給されている場合の動作モードであり、このモードでは、図2に示すように、電源切替盤52は第1端子52a側に切り替えられるとともに、電力供給スイッチ60は常時閉じられる。このため、商用系統36から供給される電力は、上流側給電ライン51a、下流側給電ライン51b及び電源線41(図1参照)などを介して、室外ユニット2の各部、室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cに供給される。また、発電機11が発電した電力は、系統連系インバータ33の出力線である電源線34、系統連系用の電源線34a及び電源線41からなる電源線61(図2参照)を介して下流側給電ライン51bに流れ、室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cに供給される。
ここで、室内ユニット3a〜3cに供給される電力の大部分は、送風機6a〜6c(図1参照)で消費される。送風機6a〜6cの手前には、系統連系インバータ33からの交流電力を直流に変換するコンバータが設けられている。
また、この通常運転時には、発電機11は、室外ユニット2を駆動するための駆動電力を全てまかなう発電電力を出力し、発電した余剰の電力を室内ユニット3及び照明装置38a〜38cに供給する。
【0027】
図3は、商用系統36の電力供給が停止した直後を示す模式図であり、図4は、自立運転時(自立運転モード)の電力供給を示す模式図である。この図3及び図4においても、電力が流れる線を実線で示し、電力が流れない線を破線で示している。
図3に示すように、停電等によって商用系統36からの電力供給が断たれると、室外ユニット2、室内ユニット3a〜3c、及び、照明装置38a〜38cは電力が供給されなくなって停止する。停電後にユーザーの手動操作によって自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作されると、このスイッチ56をオンしたタイミングでバッテリー49からの電力が自立制御部39a(図1参照)に供給され、自立制御部39aの制御の下、バッテリー49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通してDC200Vとされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
【0028】
続いて、室外側コントローラ39は、通常運転モードから自立運転モードに切り替える動作を開始する。この場合、まず、室外側コントローラ39は、バッテリー49の電力によってセルモーターを駆動し、ガスエンジン10を始動させる。ガスエンジン10が始動すると、発電機11により発電が開始され、系統連系インバータ33を通して自立電源として出力される。自立電源が出力されると、図4に示すように、電源切替盤52は、自動的に、自立運転用端子である第2端子52b側に切り替わる。これにより、商用系統36から系統連系インバータ33を含む室外ユニット2が切り離され、室外ユニット2と室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cとが接続されて閉じた自立運転回路57が形成され、自立運転が開始される。
この自立運転時には、少なくともガスエンジン10を駆動して発電機11で発電する運転(発電運転)を継続し、室内ユニット3a〜3cのいずれかを運転する場合には、室外ユニット2内の電磁クラッチ14a,14bのいずれかをつないだ状態にして圧縮機12a,12bのいずれかを駆動して空調運転を行う。また、この自立運転時には、発電しているため、電力供給スイッチ60を開閉制御することにより、発電電力によって照明装置38a〜38cを作動させることもできる。
【0029】
また、この自立運転時には、上流側給電ライン51aは電源切替盤52によって室外ユニット2から切り離されているため、電源切替盤52よりも上流側の商用系統36には発電機11の電力は供給されない。このため、自立運転の際に商用系統36側へ逆潮流が生じることを簡単な構成で防止できるとともに、所望の室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cを運転することができる。
したがって、発電能力が限られている発電機11で電力を供給する場合であっても、停電時に運転したい設備を稼働させることができる。
【0030】
停電時に室内ユニット3a〜3cを稼働させる必要が無い場合には、電磁クラッチ14a,14bの接続が解除され、圧縮機12a,12bの運転が停止される。照明装置38a〜38cだけに電力を供給したい場合には、圧縮機12a,12bを運転する必要がない。このため、電磁クラッチ14a,14bの接続を解除することにより、ガスエンジン10の負荷が減少し、照明装置38a〜38cに効率良く電力を供給できる。
また、自立運転時には、電源線61は、発電機11で発電されて電源切替盤52の二次側に供給された電力を室外ユニット2側に戻す電力戻し回路として機能する。すなわち、発電機11から下流側給電ライン51bに流れた電力の一部は、電源線61の一部を構成する電源線41(図1参照)を通って室外ユニット2に戻り、電源線47a(図1)等を介して送風機26等の室外ユニット2の各部に供給される。この場合、バッテリー49にも電力が供給され、自立運転中もバッテリー49は充電される。
【0031】
また、図4の状態から商用系統36が復電すると、系統側の電力を検出する第1電力検出器43(図1)によって復電が検出され、この検出結果が系統連系盤45及び系統連系インバータ33を介して室外側コントローラ39に送られ、室外側コントローラ39は自立運転を自動停止させる。自立運転が停止されると、室外ユニット2、室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cは電力の供給が一度断たれて稼働が停止される。
商用系統36が復電すると、電源切替盤52は、通常運転用端子である第1端子52a側に自動的に切り替わり、これにより、商用系統36の電力が室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cに供給されるようになる。
その後、自立運転切り替えスイッチ56がユーザー等の意思によって手動で「オフ」に切り替えられると、室外側コントローラ39は室外ユニット2の稼働を許可し、次いで室外ユニット2の主電源スイッチ等によってユーザーによる室外ユニット2の再稼働の意思が入力されると、ガスエンジン10及び発電機11を含む室外ユニット2が再稼働され、通常運転が開始される。これにより、通常運転時には、自立運転切り替えスイッチ56は必ず「オフ」に切り替えられていることになるため、停電時にユーザーの意思による自立運転切り替えスイッチ56の手動操作なしに自立運転に切り替えられてしまうことがない。
【0032】
ところで、停電時には、必ずしも発電機11の発電系統に接続された室内ユニット3a〜3c及び照明装置38a〜38cのすべてを駆動させる必要はなく、ユーザーが所望する機器を駆動させて、自立運転を効率良く行うのが望ましい。このため、本実施形態では、停電時に駆動させる機器を予め設定し、この設定した機器以外の運転を禁止する運転処理を行うようにしている。
【0033】
この空気調和システム1では、上記運転処理を行うための制御プログラムが、室外側コントローラ39の記憶部39bに記憶されており、室外側コントローラ39の自立制御部39aが、上記制御プログラムを読み出して実行することにより、運転処理を実施する。
この運転処理を行う前提として、この空気調和システム1は、従来のガスヒートポンプ式の空気調和システムと同様に、室外側コントローラ39に設けられる不図示の操作装置を備え、この操作装置がサービスマン等によって操作されることにより、室内ユニット3の接続台数の設定(本実施形態では3台)と、室内ユニット3へのアドレス設定とが行われているものとする。
【0034】
室内ユニット3への初回のアドレス設定は、自動アドレス設定によって行われる。つまり、室外側コントローラ39が、通信線42を介して各室内ユニット3a〜3cの室内側コントローラと通信することによって、自動的に、各室内ユニット3a〜3cに固有のアドレス(「室内ユニットアドレス」とも称する)が所定順で割り振られる。本実施形態では、室内ユニット3aに数値が最も小さいアドレス「0001」が割り当てられ、室内ユニット3bにアドレス「0002」が割り当てられ、室内ユニット3cに数値が最も大きいアドレス「0003」が割り当てられている。
【0035】
図5は、停電時に運転させる機器を予め設定し、この設定した機器以外の運転を禁止する運転処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、この運転制御処理は、停電時に運転する室内ユニット3の台数を設定する運転台数設定処理(ステップS1A)と、停電時に照明装置38の運転を許容するか否かを設定する運転可否設定処理(ステップS2A)と、室内ユニット3のアドレス変更によって、停電時に運転を許容する室内ユニット3を設定するアドレス変更処理(ステップS3A)とで構成されている。
ステップS1Aに示す運転台数設定処理は、室外側コントローラ39に設けられる操作装置を、サービスマン又はユーザーが操作することによって実行される。この処理を実行した場合、室外側コントローラ39は、操作装置を介して、図5に示すように、停電時に運転する室内ユニット3の運転台数0台に対応する設定項目「nb00」、運転台数1台に対応する設定項目「nb01」、運転台数2台に対応する設定項目「nb02」、運転台数3台に対応する設定項目「nb03」のいずれか1つの選択を促し、その結果、選択された1つの設定項目を記憶部39bに記憶させる。これによって、室外側コントローラ39には、ユーザーが所望する、停電時に運転させたい室内ユニット3の運転台数がそれぞれ入力される。その後、操作装置が所定操作されることによって運転台数設定処理が終了する。
【0036】
続いて、ステップS2に示す運転可否設定処理は、運転台数設定処理と同様に、操作装置を、サービスマン又はユーザーが操作することによって実行される。この処理を実行した場合、室外側コントローラ39は、操作装置を介して、図5に示すように、停電時に、すべての照明装置38a〜38cの運転を許容する設定項目「nc00」、または、すべての照明装置38a〜38cの運転を禁止する設定項目「nc01」のいずれかの選択を促し、その結果、選択された設定項目を記憶部39bに記憶させる。これによって、室外側コントローラ39には、停電時に照明装置38の運転を許容するか否かに関する設定結果が入力される。その後、操作装置が所定操作されることによって運転可否設定処理が終了する。
【0037】
上記運転台数設定処理が行われると、自立運転時、室外側コントローラ39は、室内ユニット3に対して、アドレスが小さい順から設定された運転台数の数に該当するものだけの運転を許容し、それ以外の室内ユニット3の運転を禁止する。つまり、アドレス順で運転を許容するか禁止するかが決定される。
また、運転可否設定処理では、室外側コントローラ39は、運転許容と設定された場合には、電力供給スイッチ60を閉じるように制御し、照明装置38a〜38cのそれぞれに発電電力を供給する。一方、運転禁止と設定された場合には、電力供給スイッチ60を開くように制御し、照明装置38a〜38cへの発電電力が遮断される。この場合、部屋に設けられたスイッチが操作されたとしても、照明装置38a〜38cは消灯(停止)状態に保持される。
【0038】
これらの具体例を挙げると、室内ユニット3の各アドレスが、上記のように設定された状態で、室内ユニット3の運転台数2台に対応する設定項目「nb02」が選択されると、図6(A)に示すように、アドレス「0001」、アドレス「0002」の室内ユニット3a,3bの運転が許容され(図中、「○」を付して示す)、残りの室内ユニット3cの運転が禁止される(図中、「×」を付して示す)。
運転が許容された室内ユニット3a,3bは、自立運転時に、リモコン5の操作があると、通信線42を介して室外側コントローラ39がその操作を受け付け、通常運転時と同様に、リモコン5の操作に応じて運転/運転停止等が行われる。
運転が禁止された室内ユニット3cは、自立運転時に、リモコン5の操作があっても、室外側コントローラ39がその操作を受け付けないことにより、運転停止状態に保持される。
また、照明装置38に対して、運転許容に対応する設定項目「nc01」が選択されると、すべての照明装置38a〜38cの運転が許容される(図中、「○」を付して示す)。これにより、室外側コントローラ39は、電力供給スイッチを閉じるため、各照明装置38a〜38cに発電電力が供給され、各部屋に設けられたスイッチの操作に応じて点灯/消灯等が行われる。
【0039】
本構成では、運転台数設定処理は、室内ユニット3に対して個別に設定することができる。このため、図6(B)に示すように、上記の運転台数設定処理において、室内ユニット3の運転台数が0台(設定項目「nb00」)に設定されていれば、自立運転時、全ての室内ユニット3の運転が禁止される。これによって、照明装置38a〜38cのみを点灯させることが可能になる。
全ての室内ユニット3の運転が禁止される場合、言い換えると、駆動許可と設定された室内ユニット3が1台もない場合、室外側コントローラ39は、電磁クラッチ14a,14bを介して、圧縮機12a,12bとガスエンジン10とを切り離し、このガスエンジン10により発電機11のみを駆動する。このため、本構成によれば、電磁クラッチ14a,14bの接続を解除することにより、ガスエンジン10の負荷を減少させることができ、照明装置38a〜38cに効率良く電力を供給できる。
【0040】
また、図5のステップS3Aに示すアドレス変更処理は、自動アドレス設定後に、室内ユニット3のアドレスを変更する処理である。室内ユニット3のアドレス変更処理は、室内ユニット3の停止中に、サービスマン又はユーザーが、アドレスを変更したい室内ユニット3のリモコン5を操作することによって実行される。
つまり、リモコン5に所定操作が行われると、通信線42を介して接続される室外側コントローラ39が、アドレス変更処理を実行し、リモコン5を介して、そのリモコン5を有する室内ユニット3のアドレスの入力を促し、入力されたアドレスに変更する。その後、リモコン5が所定操作されることによってアドレス変更処理が終了する。
【0041】
上記したように、ステップS1Aの運転台数設定処理を行った後は、アドレス順で運転を許容するか否かが決定される。このため、ステップS3Aのアドレス変更処理によって、アドレスを小さい値に変更すれば、所望の室内ユニット3の運転を許容させることができる。このアドレス変更をする際は、複数の室内ユニット3にそれぞれ同一のアドレスが重複しないようにする必要があるため、実際には、複数の室内ユニット3間でアドレスを入れ替えるようにアドレス変更が行われる。
【0042】
このようにして、運転台数の設定とアドレス変更とによって、停電時に運転させたい室内ユニット3と、停電時に運転させたくない室内ユニット3を自由に設定できるとともに、運転可否の設定によって、停電時に照明装置38a〜38cの運転を許容するか否かを一括に設定できる。これにより、停電時に予め設定された室内ユニット3及び/又は照明装置38に優先的に発電電力を供給できるため、これら所望の室内ユニット3及び/又は照明装置38を優先的に運転させることができる。
また、停電時の混乱状態にあっても、運転したい室内ユニット3及び照明装置38をその場で選定することなく、予め選定されて電源切替盤52に接続される室内ユニット3及び照明装置38を速やかに運転させることができる。
【0043】
なお、上述の運転台数設定処理、運転可否設定処理、及び、アドレス変更処理は、室外側コントローラ39が行っており、室外側コントローラ39が発電機11の発電電力で駆動される照明装置38及び/又は室内ユニット3を設定する設定手段として機能する。
【0044】
以上説明したように、この空気調和システム1では、圧縮機12、室外熱交換器17を有する室外ユニット2、及び、室内熱交換器21を有する室内ユニット3を有し、室外ユニット2が、圧縮機12を駆動するガスエンジン10、ガスエンジン10で駆動される発電機11を備え、商用系統36に供給される商用電力の停電時には、発電機11の発電電力で駆動される照明装置38及び/又は室内ユニット3を設定し、設定された照明装置38及び/又は室内ユニット3の駆動を許可するとともに、設定された照明装置38及び/又は室内ユニット3以外は個別の運転操作を禁止するため、停電時に予め設定された室内ユニット3及び/又は照明装置38に優先的に発電電力を供給できるため、これら所望の室内ユニット3及び/又は照明装置38を優先的に運転させることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、ガスエンジン10に圧縮機12a,12bを接離可能に接続する電磁クラッチ14a,14bを備え、室外側コントローラ39は、駆動許可と設定された室内ユニット3が1台もない場合、電磁クラッチ14a,14bを介してガスエンジン10と圧縮機12a,12bとを切り離すため、ガスエンジン10の負荷を減少させることができ、照明装置38a〜38cに効率良く電力を供給できる。
【0046】
また、本実施形態によれば、商用系統と発電電力の系統とを切り替える電源切替盤52を備え、この電源切替盤52にそれぞれ複数の照明装置38及び室内ユニット3を接続し、室外側コントローラ39は、電源切替盤52に接続された照明装置38及び室内ユニット3の中から、商用系統の停電時に駆動される照明装置38及び/又は室内ユニット3を設定するため、停電時の混乱状態にあっても、運転したい室内ユニット3及び照明装置38をその場で選定することなく、予め選定されて電源切替盤52に接続される室内ユニット3及び照明装置38を速やかに運転させることができる。
【0047】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、下流側給電ライン51bには、各照明装置38a〜38cへの電力供給を遮断する電力供給スイッチ60を設け、この電力供給スイッチ60を開閉することによって、照明装置38a〜38cの点灯/消灯を一括に行う構成としたが、各照明装置38a〜38cにそれぞれアドレスを設定し、室外側コントローラ39が、各照明装置38a〜38cの点灯/消灯を制御する構成としても良い。この構成によれば、各照明装置38a〜38cの点灯/消灯を個別に制御できるため、必要な場所(部屋)だけを照らすことができ、照明時間の長時間化を図ることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 空気調和システム
2 室外ユニット
3、3a、3b、3c 室内ユニット
10 ガスエンジン
11 発電機
12、12a、12b 圧縮機
14a,14b 電磁クラッチ(クラッチ)
33 系統連系インバータ
36 商用系統
38、38a、38b、38c 照明装置(非空調装置)
39 室外側コントローラ(設定手段、制御手段)
52 電源切替盤
60 電力供給スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6