(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の領域と、前記第2の領域と、前記第1の領域からデータを収集するタイミングと、前記第2の領域からデータを収集するタイミングとを少なくとも含んだ撮像条件を操作者から受け付ける受付部と、
前記撮像条件にしたがって前記第1の収集部及び前記第2の収集部を制御する収集制御部とをさらに備える、
請求項2〜10のいずれか一つに記載のPET−MRI装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、医用画像診断装置の実施形態を説明する。なお、以下では、第1の実施形態として、PET−MRI装置の実施形態を説明する。また、第2の実施形態として、PET−CT装置の実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るPET−MRI装置の構成を示す図である。
図1に示すように、このPET−MRI装置100は、静磁場磁石1、寝台2、傾斜磁場コイル3、傾斜磁場コイル駆動回路4、送信用高周波コイル5、送信部6、受信用高周波コイル7、受信部8、MRデータ収集部9、PET検出器10a及び10b、信号線11、PETデータ収集部12、シーケンスコントローラ13、PET検出器用電源14、電源ケーブル15、計算機16、コンソール17、及びディスプレイ18を有する。
【0009】
静磁場磁石1は、略円筒状のボア内に静磁場を発生させる。ここで、ボアとは、静磁場磁石1や傾斜磁場コイル3などを収容する略円筒状の架台の内壁として形成される空間である。なお、以下では、ボアを形成する内壁をボア内壁と呼ぶ。寝台2は、被検体Pが載せられる天板2aを有する。この寝台2は、撮像時には、天板2aをボア内へ移動することで、被検体Pを静磁場内に移動する。
【0010】
傾斜磁場コイル3は、被検体Pに対して、静磁場と同一方向(Z方向)の磁場強度が磁場中心からのX,Y,Z方向の距離に対してほぼ線形に変化する傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。この傾斜磁場コイル3は、略円筒状に形成され、静磁場磁石1の内周側に配置される。傾斜磁場コイル駆動回路4は、シーケンスコントローラ13による制御のもと、傾斜磁場コイル3を駆動する。
【0011】
送信用高周波コイル5は、送信部6から送信される高周波パルスに基づいて、静磁場内に置かれた被検体Pに高周波磁場を印加する。この送信用高周波コイル5は、略円筒状に形成され、傾斜磁場コイル3の内周側に配置される。送信部6は、シーケンスコントローラ13による制御のもと、送信用高周波コイル5に高周波パルスを送信する。
【0012】
受信用高周波コイル7は、高周波磁場及び傾斜磁場の印加により被検体Pから発せられる磁気共鳴信号を検出する。例えば、受信用高周波コイル7は、撮像対象の部位に応じて被検体Pの表面に配置される表面コイルである。例えば、被検体Pの体部が撮像される場合には、2つの受信用高周波コイル7が被検体の上部及び下部に配置される。受信部8は、シーケンスコントローラ13による制御のもと、受信用高周波コイル7によって検出された磁気共鳴信号を受信する。そして、受信部8は、受信した磁気共鳴信号をMRデータ収集部9に送る。
【0013】
MRデータ収集部9は、受信用高周波コイル7を介してMRデータを収集する。具体的には、MRデータ収集部9は、受信部8から送られた磁気共鳴信号を増幅及び検波した後にA/D変換することで、MRデータを収集する。そして、MRデータ収集部9は、収集したMRデータを計算機16に送る。
【0014】
PET検出器10a及び10bは、被検体Pに投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を計数情報として検出する。これらPET検出器10a及び10bは、リング状に形成され、送信用高周波コイル5の内周側に配置される。そして、PET検出器10a及び10bは、検出した計数情報を、信号線11を介してPETデータ収集部12に送る。
【0015】
例えば、PET検出器10a及び10bは、シンチレータと光検出器とを有する検出器モジュールをリング状に配置することで形成される。シンチレータは、例えば、LYSO(Lutetium Yttrium Oxyorthosilicate)、LSO(Lutetium Oxyorthosilicate)、LGSO(Lutetium Gadolinium Oxyorthosilicate)などである。また、光検出器は、例えば、APD(Avalanche Photodiode)素子やSiPM(Silicon Photomultiplier)などの半導体検出器や、光電子増倍管(Photomultiplier Tube:PMT)である。
【0016】
ここで、第1の実施形態に係るPET検出器10a及び10bの配置について説明する。
図2は、第1の実施形態に係るPET検出器10a及び10bの周辺における各部の配置を示す図である。なお、
図2において、点20は静磁場の磁場中心を示しており、点線で囲まれた球状の領域21は、MR画像の有効撮像領域を示している。
図2に示すように、例えば、PET検出器10a及び10bは、ボア内壁22の内周側に配置される。
【0017】
そして、PET検出器10a及び10bは、ボアの軸方向へ移動可能に設けられ、それぞれ移動機構によって移動される。
図3は、第1の実施形態に係るPET検出器10a及び10bの移動機構を説明するための図である。この
図3は、ボアの軸方向に見た場合のPET検出器10a及び10bの周辺における各部の配置を示しており、PET検出器10aが配置された側の開口部からボア内を見た場合の各部の配置を示している。
【0018】
図3に示すように、PET−MRI装置100は、ボアの軸方向に沿ってPET検出器10aを移動する移動機構23を有する。この移動機構23は、計算機16による制御のもと、ボアの軸方向に沿ってPET検出器10aを移動する。
【0019】
例えば、移動機構23は、ボア内壁22の下側の部分に設置された2本のレールである。この移動機構23は、例えば、PET検出器10aの外周面に形成された溝状に形成されたレール受け部に嵌合し、PET検出器10aをボアの軸方向に沿って移動可能に支持する。なお、PET検出器10bの側にも同様に、PET検出器10bを移動するための移動機構23が設けられる。
【0020】
本実施形態に係るPET−MRI装置100では、上述したPET検出器10a及び10bによって、PET画像を撮像するための有効撮像領域が設定される。
図4は、第1の実施形態に係るPET−MRI装置100における有効撮像領域を示す図である。なお、
図4において、破線26は、ボアの軸方向における中央の位置を示している。
【0021】
図4に示すように、PET−MRI装置100では、ボアの軸方向における中央付近に、MR画像の有効撮像領域であるMR撮像領域21が設定される。ここで、MR撮像領域21は、磁場の均一性に応じて定められる球状の領域であり、一定以上の画質や画像歪が保証される領域である。
【0022】
また、PET−MRI装置100では、PET画像を撮像するための有効領域である第1のPET撮像領域25aと、第2のPET撮像領域25bと、第3のPET撮像領域27とが設定される。ここで、第1のPET撮像領域25aは、PET検出器10aの内周面で囲まれた領域である。また、第2のPET撮像領域25bは、PET検出器10bの内周面で囲まれた領域である。
【0023】
また、第3のPET撮像領域27は、PET検出器10a及び10bの中心軸を通る平面上でPET検出器10aの内周面とPET検出器10bの内周面との間に形成されるX字状の領域の交差部分を、当該中心軸を回転中心として1回転させて得られる領域である。この第3のPET撮像領域27は、円錐の底面を張り合わせた形状の領域となる。この第3のPET撮像領域27の中から放出されるガンマ線は、2つのPET検出器を用いて検出されるため、検出される確率が高くなる。
【0024】
ここで説明した第1のPET撮像領域25a、第2のPET撮像領域25b、及び第3のPET撮像領域27は、PET検出器10a及び10bを移動させることによって、ボアの軸方向に垂直な方向の長さが変化し、大きさが変化する。なお、PET検出器10a及び10bは、移動機構23によって移動され、振動緩衝機構24によって傾斜磁場コイル3からの振動が低減される。
【0025】
このように、第1の実施形態に係るPET−MRI装置100では、MR撮像領域21、第1のPET撮像領域25a、第2のPET撮像領域25b、第3のPET撮像領域27の4つの有効撮像領域が設定される。そして、このPET−MRI装置100では、これら複数の有効撮像領域に対して診断対象となる被検体の複数の領域をそれぞれ配置することで、被検体Pに生じた1つ以上の病変部位ごとにデータを収集することができる。
【0026】
なお、例えば、PET検出器10aとPET検出器10bとは、PET−MRI装置100で規定される中心に対して非対称に配置される。具体的には、
図4に示すように、PET検出器10aとPET検出器10bとは、PET−MRI装置100で規定される磁場中心に対して非対称に配置される。また、
図4に示すように、PET検出器10aとPET検出器10bとは、被検体の体軸方向に非対称に配置される。なお、被検体の体軸方向は、通常はボアの軸方向(Z軸方向)である。
【0027】
この場合には、第1のPET撮像領域25aと第2のPET撮像領域25bとは、PET−MRI装置100で規定される中心に対して非対称に配置されることになる。具体的には、
図4に示したように、第1のPET撮像領域25aと第2のPET撮像領域25bとは、PET−MRI装置100で規定される磁場中心に対して非対称に配置されることになる。また、
図4に示したように、第1のPET撮像領域25aと第2のPET撮像領域25bとは、被検体の体軸方向に非対称に配置される。
【0028】
また、受信用高周波コイル7が、水平方向(X軸方向)に並ぶ複数のコイルエレメントを有する場合には、複数のコイルエレメントを水平方向に複数のセクションに区切って、一部のセクションのみをデータ収集に用いることもできる。この場合には、データ収集に用いるコイルエレメントのセクションと各PET検出器とは、水平方向に非対称に配置されることになる。つまり、PET−MRI装置100では、磁気共鳴信号を受信するコイルエレメントと、ガンマ線を検出するPET検出器とを、水平方向に非対称に配置することができる。
【0029】
この場合には、MR撮像領域と各PET撮像領域とは、ボアの軸に対して水平方向に非対称に配置されることになる。なお、受信用高周波コイル7に含まれる一部のコイルエレメントのセクションのみを用いるのではなく、天板2aを移動させることでも、MR撮像領域を水平方向にずらすことができる。これによっても、MR撮像領域と各PET撮像領域とを、ボアの軸に対して水平方向に非対称に配置させることができる。
【0030】
さらに、被検体Pの上下方向における一部を局所的に励起することで、MR撮像領域を上下方向にずらすことも可能である。これにより、MR撮像領域と各PET撮像領域とを、ボアの軸に対して上下方向に非対称に配置させることもできる。すなわち、PET−MRI装置100では、ボアの軸に対して、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の全ての方向に、MR撮像領域と各PET撮像領域とを非対称に配置させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、
図4に示すように、MR撮像領域21と第3のPET撮像領域27とは、MR撮像領域21の一部分と第3のPET撮像領域27の一部分とが重なるように設定される。言い換えると、MR撮像領域21は、少なくとも一部分が第3のPET撮像領域27と重ならないように設定され、かつ、第3のPET撮像領域27は、少なくとも一部分がMR撮像領域21と重ならないように設定される。つまり、MR撮像領域21は、その全体が第3のPET撮像領域27に包含されるものではなく、逆に、第3のPET撮像領域27は、その全体がMR撮像領域21に包含されるものではない。
【0032】
同様に、例えば、
図4に示すように、MR撮像領域21と第1のPET撮像領域25aとは、MR撮像領域21の一部分と第1のPET撮像領域25aの一部分とが重なるように設定される。また、例えば、
図4に示すように、第1のPET撮像領域25aと第3のPET撮像領域27とは、第1のPET撮像領域25aの一部分と第3のPET撮像領域27の一部分とが重なるように設定される。また、第2のPET撮像領域25bと第3のPET撮像領域27とは、第2のPET撮像領域25bの一部分と第3のPET撮像領域27の一部分とが重なるように設定される。
【0033】
図1の説明にもどって、PETデータ収集部12は、PET検出器10a及び10bを介して同時計数データを収集する。具体的には、PETデータ収集部12は、PET検出器10a及び10bによって検出されたガンマ線の計数情報を用いて、陽電子放出核種から放出されたガンマ線(消滅放射線を含む)を略同時に検出した計数情報の組み合わせたデータを生成することで、同時計数データを収集する。そして、PETデータ収集部12は、収集した同時計数データを計算機16に送る。
【0034】
シーケンスコントローラ13は、計算機16によって設定される各種撮像シーケンスに基づいて、上述した各部を制御する。
【0035】
PET検出器用電源14は、電源ケーブル15を介して、光検出器を駆動するための電力をPET検出器10a及び10bに供給する。
【0036】
計算機16は、PET−MRI装置100の全体を制御する。この計算機16は、操作者から各種操作を受け付けるコンソール17と、医用画像やGUI(Graphical User Interface)などの各種情報を表示するディスプレイ18とを有する。また、計算機16は、各種プログラムを実行させることで各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)やメモリなどを有する。また、計算機16は、収集制御部16aと、検出器制御部16bと、寝台制御部16cと、画像生成部16dとを有する。これらの機能部は、例えば、上記CPUやメモリなどによって各種プログラムを実行することで実現される。
【0037】
収集制御部16aは、操作者からの指示に応じて、MRデータ収集部9及びPETデータ収集部12を制御する。例えば、収集制御部16aは、MRデータ収集部9とPETデータ収集部12とが同時にデータ収集を開始するように制御する。または、例えば、収集制御部16aは、MRデータ収集部9がデータ収集を開始した後に、所定の時間が経過してからPETデータ収集部12がデータ収集を開始するように制御する。
【0038】
検出器制御部16bは、PET検出器10a及び10bの移動を制御する。具体的には、検出器制御部16bは、移動機構23を動作させることにより、PET検出器10a及び10bをボアの軸方向へ移動させる。
【0039】
寝台制御部16cは、被検体Pが載置される寝台2の動作を制御する。例えば、寝台制御部16cは、寝台2を制御することで、被検体Pが載せられる天板2aをボアの軸方向へ移動させる。
【0040】
画像生成部16dは、MRデータ収集部9によって収集されたMRデータからMR診断画像を生成し、PETデータ収集部12によって収集された同時計数データからPET診断画像を生成する。そして、画像生成部16dは、生成したMR診断画像及びPET診断画像をディスプレイ18に表示させる。
【0041】
例えば、画像生成部16dは、MR診断画像として、DWI(Diffusion Weighted Imaging)画像やPWI(Perfusion Weighted Imaging)画像、fMRI(functional MRI)画像などの機能画像や、T
1W(T
1 Weighted)画像、T
2W(T
2 Weighted)画像、MRA(MR Angiography)画像などの形態画像を生成する。また、例えば、画像生成部16dは、PET診断画像として、代謝イメージング(metabolic imaging)画像や、特定のバイオマーカを対象とした分子イメージング(molecular imaging)画像などの機能画像を生成する。
【0042】
このように、画像生成部16dが、各種の診断画像を生成することで、被検体Pに生じた1つ以上の病変部位ごとに、当該病変部位の診断に適した診断画像を生成することができる。なお、ここでいう、診断とは、例えば、病変部位における血管性反応や代謝性反応を観察することである。例えば、血管性反応は、形態画像を診断画像として用いることによって観察することができる。また、代謝性反応は、機能画像を診断画像として用いることによって観察することができる。
【0043】
図5は、2つの領域における血管性反応及び代謝性反応を説明するための図である。
図5の上側の図に示すように、血管性反応と代謝性反応とは時間応答性が異なっており、被検体Pに薬剤を投入した後、先に血管性反応がピークとなり、その後、代謝性反応がピークとなる。このような血管性反応及び代謝性反応を複数の領域ごとに観察することで、1つ以上の病変部位に関連するような疾病の診断を行うことができるようになる。また、
図5の下側は、上側の図とは異なる領域における血管性反応及び代謝性反応を表している。例えば、同じ血管性反応でも、異なる領域では時間的、質的に異なることを示している。
【0044】
以上、本実施形態に係るPET−MRI装置100の構成について説明した。このような構成により、本実施形態に係るPET−MRI装置100は、被検体Pに生じた1つ以上の病変部位について、当該病変部位ごとに診断画像を生成することができる。以下では、かかるPET−MRI装置100の機能について、具体的な診断例を挙げて詳細に説明する。
【0045】
まず、第1の診断例として、脳血管領域の血管性反応をMR診断画像で観察し、頭頂部領域、頸部領域及び腹部領域の血管性反応をPET診断画像で観察し、さらに、頭頂部領域、頸部領域及び腹部領域の代謝性反応をPET診断画像で観察する場合について説明する。
【0046】
図6は、第1の診断例における被検体Pの配置を示す図であり、
図7は、第1の診断例における診断画像の撮像の流れを示すフローチャートである。なお、
図7に示すフローチャートでは、PET検出器10aを第1のPET検出器と示し、PET検出器10bを第2のPET検出器と示している。
【0047】
図6に示すように、第1の診断例では、被検体Pは、PET−MRI装置100に対して、脳血管領域の全体がMR撮像領域21に含まれ、頭頂部が第1のPET撮像領域25aに含まれ、頸部が第3のPET撮像領域27に含まれ、腹部が第2のPET撮像領域25bに含まれるように配置される。
【0048】
そして、
図7に示すように、まず、MRデータ収集部9が、受信用高周波コイル7を介して脳血管領域からデータを収集する(ステップS101)。そして、画像生成部16dが、MRデータ収集部9によって収集されたデータから、脳血管領域の血管性反応を表すMR診断画像を生成する(ステップS102)。例えば、画像生成部16dは、PWI画像を生成する。これにより、操作者は、脳血管領域の血管性反応を観察することができる。
【0049】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10aを介して頭頂部領域からデータを収集する(ステップS103)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頭頂部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS104)。これにより、操作者は、頭頂部領域の血管性反応を観察することができる。
【0050】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して頸部領域からデータを収集する(ステップS105)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頸部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS106)。これにより、操作者は、頸部領域の血管性反応を観察することができる。
【0051】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10bを介して腹部領域からデータを収集する(ステップS107)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、腹部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS108)。これにより、操作者は、腹部領域の血管性反応を観察することができる。
【0052】
その後、PETデータ収集部12が、PET検出器10aを介して頭頂部領域からさらにデータを収集する(ステップS109)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頭頂部領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS110)。これにより、操作者は、頭頂部領域の代謝性反応を観察することができる。
【0053】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して頸部領域からさらにデータを収集する(ステップS111)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頸部領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS112)。これにより、操作者は、頸部領域の代謝性反応を観察することができる。
【0054】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10bを介して腹部領域からさらにデータを収集する(ステップS113)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、腹部領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS114)。これにより、操作者は、腹部領域の代謝性反応を観察することができる。
【0055】
このように、第1の診断例では、PET検出器10a及び10bの位置を固定した状態で、脳血管領域、頭頂部領域、頸部領域及び腹部領域の血管性反応を観察するための診断画像が生成され、その後、頭頂部領域、頸部領域及び腹部領域の代謝性反応を観察するための診断画像が生成される。なお、上述したMRデータ収集部9及びPETデータ収集部12の動作は、収集制御部16aによって制御されるが、MRデータ収集部9とPETデータ収集部12とは、同時にデータ収集を開始してもよいし、異なるタイミングでデータ収集を開始してもよい。
【0056】
次に、第2の診断例として、脳血管領域の血管性反応をMR診断画像で観察し、頸部領域及び腹部領域の血管性反応をPET診断画像で観察し、さらに、頭部領域の代謝性反応をPET診断画像で観察する場合について説明する。
【0057】
図8は、第2の診断例における被検体Pの配置を示す図であり、
図9は、第2の診断例における診断画像の撮像の流れを示すフローチャートである。なお、
図9に示すフローチャートでは、PET検出器10aを第1のPET検出器と示し、PET検出器10bを第2のPET検出器と示している。
【0058】
図8の上側に示すように、第2の診断例では、被検体Pは、PET−MRI装置100に対して、まずは、
図6に示した状態と同様に配置される。
【0059】
そして、
図9に示すように、まず、MRデータ収集部9が、受信用高周波コイル7を介して脳血管領域からデータを収集する(ステップS201)。そして、画像生成部16dが、MRデータ収集部9によって収集されたデータから、脳血管領域の血管性反応を表すMR診断画像を生成する(ステップS202)。例えば、画像生成部16dは、MRA画像を生成する。これにより、操作者は、脳血管領域の血管性反応を観察することができる。
【0060】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して頸部領域からデータを収集する(ステップS203)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頸部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS204)。これにより、操作者は、頸部領域の血管性反応を観察することができる。
【0061】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10bを介して腹部領域からデータを収集する(ステップS205)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、腹部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS206)。これにより、操作者は、腹部領域の血管性反応を観察することができる。
【0062】
その後、検出器制御部16bが、被検体Pの足から頭へ向かう方向へPET検出器10a及びPET検出器10bを移動する(ステップS207)。これにより、
図8の下側に示すように、被検体Pは、頭部領域が第3のPET撮像領域27に含まれるように配置される。
【0063】
続いて、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して頭部領域からデータを収集する(ステップS208)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頭部領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS209)。これにより、操作者は、頭部領域の代謝性反応を観察することができる。
【0064】
このように、第2の診断例では、まず、脳血管領域、頸部領域及び腹部領域の血管性反応を観察するための診断画像が生成され、その後、PET検出器10a及び10bが移動された後に、頭部領域の代謝性反応を観察するための診断画像が生成される。なお、上述したMRデータ収集部9及びPETデータ収集部12の動作は、収集制御部16aによって制御されるが、MRデータ収集部9とPETデータ収集部12とは、同時にデータ収集を開始してもよいし、異なるタイミングでデータ収集を開始してもよい。
【0065】
次に、第3の診断例として、脳血管領域の血管性反応をMR診断画像で観察し、頸部領域及び腹部領域の血管性反応をPET診断画像で観察し、さらに、心臓領域及び頭部領域の代謝性反応をPET診断画像で観察する場合について説明する。
【0066】
図10は、第3の診断例における被検体Pの配置を示す図であり、
図11は、第3の診断例における診断画像の撮像の流れを示すフローチャートである。なお、
図11に示すフローチャートでは、PET検出器10aを第1のPET検出器と示し、PET検出器10bを第2のPET検出器と示している。
【0067】
図10の上側に示すように、第3の診断例では、被検体Pは、PET−MRI装置100に対して、まずは、
図6に示した状態と同様に配置される。
【0068】
そして、
図11に示すように、まず、MRデータ収集部9が、受信用高周波コイル7を介して脳血管領域からデータを収集する(ステップS301)。そして、画像生成部16dが、MRデータ収集部9によって収集されたデータから、脳血管領域の血管性反応を表すMR診断画像を生成する(ステップS302)。例えば、画像生成部16dは、MRA画像を生成する。これにより、操作者は、脳血管領域の血管性反応を観察することができる。
【0069】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して頸部領域からデータを収集する(ステップS303)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頸部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS304)。これにより、操作者は、頸部領域の血管性反応を観察することができる。
【0070】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10bを介して腹部領域からデータを収集する(ステップS305)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、腹部領域の血管性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS306)。これにより、操作者は、腹部領域の血管性反応を観察することができる。
【0071】
その後、検出器制御部16bが、被検体Pの足から頭へ向かう方向へPET検出器10a及びPET検出器10bを移動する(ステップS307)。また、寝台制御部16cが、寝台2を制御して、被検体Pが置かれた天板2aを被検体Pの足から頭へ向かう方向へ移動する(ステップS308)。これにより、
図10の下側に示すように、被検体Pは、頭部領域が第1のPET撮像領域25aに含まれ、心臓領域が第3のPET撮像領域27に含まれるように配置される。
【0072】
続いて、PETデータ収集部12が、PET検出器10a及び10bを介して心臓領域からデータを収集する(ステップS309)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、心臓領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS310)。これにより、操作者は、心臓領域の代謝性反応を観察することができる。
【0073】
また、PETデータ収集部12が、PET検出器10aを介して頭部領域からデータを収集する(ステップS311)。そして、画像生成部16dが、PETデータ収集部12によって収集されたデータから、頭部領域の代謝性反応を表すPET診断画像を生成する(ステップS312)。これにより、操作者は、頭部領域の代謝性反応を観察することができる。
【0074】
このように、第3の診断例では、まず、脳血管領域、頸部領域及び腹部領域の血管性反応を観察するための診断画像が生成され、その後、PET検出器10a及び10b、天板2aがそれぞれ移動された後に、心臓領域及び頭部領域の代謝性反応を観察するための診断画像が生成される。なお、上述したMRデータ収集部9及びPETデータ収集部12の動作は、収集制御部16aによって制御されるが、MRデータ収集部9とPETデータ収集部12とは、同時にデータ収集を開始してもよいし、異なるタイミングでデータ収集を開始してもよい。
【0075】
なお、上述した第1〜第3の診断例では、血管性反応や代謝性反応に関するデータを収集する場合の例について説明した。血管性反応とは、例えば、病変部位の炎症が進んだ際に、その病変部位の周辺で、毛細血管が増加したり、血流が増えたりすることである。このような血管性反応は、例えば、パフュージョン画像などによって観察することができる。また、代謝性反応は、細胞や組織に異常が生じた際に、その細胞や組織の代謝が活発になることである。この代謝性反応によって、被検体内に注入された同位体元素又はその標識化合物が病変部位に取り込まれるようになる。そして、同位体元素又はその標識化合物から放射されるガンマ線を計測することで、ガンマ線の線量分布を示すPET画像が得られる。
【0076】
そして、上記実施形態に係る医用画像診断装置において、診断の対象となる反応はこれに限られない。例えば、医用画像診断装置は、薬剤反応に関するデータを収集してもよい。ここで、薬剤反応とは、細胞や組織に異常が生じた際に、特定の薬剤によって生じる特異的な反応である。そして、診断の対象となる細胞や組織に応じて薬剤を選択して被検体に注入することで、薬剤が異常な細胞や組織に結合した際に、その薬剤の造影効果によって、細胞や組織をPET画像やMR画像として画像化することができる。
【0077】
また、上述した第1〜第3の診断例で説明した撮像の流れは、あらかじめ、操作者によって、対象となる撮像領域や撮像順序が設定される。その場合には、例えば、コンソール17が、各撮像領域と、各撮像領域からデータを収集するタイミングとを少なくとも含んだ撮像条件を操作者から受け付ける。そして、収集制御部16aが、コンソール17によって受け付けられた撮像条件にしたがって、MRデータ収集部9及びPETデータ収集部12を制御する。
【0078】
例えば、コンソール17は、各撮像領域や、各撮像領域からデータを収集するタイミングに加えて、被検体に注入さされる造影剤又は薬剤の種類や、造影剤又は薬剤が注入されてからデータ収集を行うまでの待ち時間などを操作者からさらに受け付ける。ここでいう待ち時間は、例えば、造影剤が被検体に注入されてから血管性反応がピークになる時間や、薬剤が被検体に注入されてから代謝性反応がピークとなるまでの時間などである。このとき、例えば、収集制御部16aは、造影剤又は薬剤を用いるデータ収集と造影剤又は薬剤を用いないデータ収集とがそれぞれ行われる場合には、造影剤又は薬剤を用いるデータ収集については、造影剤又は薬剤が注入されてからデータ収集を行うまでの待ち時間に基づいて、造影剤又は薬剤を用いないデータ収集データ収集と比べて、優先的に実施タイミングを決定する。
【0079】
上述したように、第1の実施形態によれば、被検体に生じた1つ以上の病変部位について、病変部位ごとにMR診断画像又はPET診断画像を生成することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、PET検出器が送信用高周波コイル5の内周側に設けられる場合の例について説明したが、PET検出器の配置はこれに限られない。
図12は、第1の実施形態に係るPET検出器の配置に関する他の例を示す図である。
図12に示すように、例えば、PET検出器30a及び30bは、送信用高周波コイル5の外周側に設けられてもよい。
【0081】
そして、PET検出器30a及び30bは、例えば、送信用高周波コイル5と傾斜磁場コイル3との間の空間で、ボアの軸方向へ移動可能に設けられる。この構成は、例えば、体部を撮像する場合に全身用送信用高周波コイルを送信用高周波コイル5とし、体部専用の表面コイルを受信用高周波コイル7とする場合などに用いられる。
【0082】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図13は、第2の実施形態に係るPET−CT装置の構成を示す図である。
図13に示すように、第2の実施形態に係るPET−CT装置200は、PET用架台装置41と、CT用架台装置42と、寝台43と、計算機44とを有する。
【0083】
PET用架台装置41は、被検体Pに投与された陽電子放出核種を取り込んだ組織から放出される一対のガンマ線を検出することで、PET画像を再構成するためのガンマ線投影データを生成する。
【0084】
図14は、第2の実施形態に係るPET用架台装置41の構成を示す図である。
図14に示すように、PET用架台装置41は、PET検出器を構成する複数のPET検出器モジュール41a及びPETデータ収集部41bを有する。
【0085】
PET検出器モジュール41aは、例えば、被検体Pから放出されるガンマ線を検出するフォトンカウンティング(photon counting)方式の検出器である。PET検出器は、複数のPET検出器モジュール41aが、被検体Pの周囲をリング状に取り囲むように配置されることで構成される。例えば、PET検出器モジュール41aは、シンチレータと、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)と、ライトガイドとを有するアンガー型の検出器である。
【0086】
シンチレータは、被検体Pから放出されて入射したガンマ線を可視光に変換するNaI(Sodium Iodide)やBGO(Bismuth Germanate)、LYSO(Lutetium Yttrium Oxyorthosilicate)、LSO(Lutetium Oxyorthosilicate)、LGSO(Lutetium Gadolinium Oxyorthosilicate)などが、2次元に複数個配列されて構成される。また、光電子増倍管は、シンチレータから出力された可視光を増倍して電気信号に変換する装置であり、ライトガイドを介して稠密に複数個配置される。ライトガイドは、シンチレータから出力された可視光を光電子増倍管に伝達するために用いられ、光透過性に優れたプラスチック素材などからなる。
【0087】
PETデータ収集部41bは、PET検出器を介して同時計数データを収集する。具体的には、PETデータ収集部41bは、PET検出器によって検出されたガンマ線の計数情報を用いて、陽電子放出核種から放出されたガンマ線(消滅放射線を含む)を略同時に検出した計数情報の組み合わせたデータを生成することで、同時計数データを収集する。
【0088】
CT用架台装置42は、被検体Pを透過したX線を検出することで、X線CT画像を再構成するためのX線投影データや、撮影計画の立案に用いられるスキャノグラムを生成するためのX線投影データを生成する装置である。
【0089】
図15は、第2の実施形態に係るCT用架台装置42の構成を示す図である。
図15に示すように、CT用架台装置42は、X線管42a、X線検出器42b、回転フレーム42c、及びCTデータ収集部42eを有する。
【0090】
X線管42aは、X線を発生して被検体Pに照射する。X線検出器42bは、X線管42aに対向する位置に配置され、被検体Pを透過したX線を検出する。具体的には、X線検出器42bは、被検体Pを透過したX線の2次元強度分布のデータ(2次元X線強度分布データ)を検出する。回転フレーム42cは、X線管42aとX線検出器42bとを対向する位置にて支持する。
【0091】
回転駆動部42dは、X線管42aとX線検出器42bとを被検体Pを略中心に回転させる。具体的には、回転駆動部42dは、X線管42aとX線検出器42bとを支持する回転フレーム42cを、被検体Pを略中心に回転させる。
【0092】
CTデータ収集部42eは、X線検出器42bにより検出された2次元X線強度分布データを取得する。そして、CTデータ収集部42eは、取得した2次元X線強度分布データに対して増幅処理やA/D変換処理などを行なうことで、X線投影データを収集する。
【0093】
図13の説明に戻って、寝台43は、被検体Pが載せられる天板43aを有する。この寝台43は、撮像時には、PET用架台装置41及びCT用架台装置42それぞれの撮影口の内側へ天板43aを移動する。
【0094】
計算機44は、PET−CT装置200の全体を制御する。この計算機44は、操作者から各種操作を受け付けるコンソール45と、医用画像やGUIなどの各種情報を表示するディスプレイ46とを有する。また、計算機44は、各種プログラムを実行させることで各種処理を実行するCPUやメモリなどを有する。また、計算機44は、収集制御部44aと、検出器制御部44bと、寝台制御部44cと、画像生成部44dとを有する。これらの機能部は、例えば、上記CPUやメモリなどによって各種プログラムを実行することで実現される。
【0095】
収集制御部44aは、操作者からの指示に応じて、PETデータ収集部41b及びCTデータ収集部42eを制御する。例えば、収集制御部44aは、PETデータ収集部41bとCTデータ収集部42eとが同時にデータ収集を開始するように制御する。または、例えば、収集制御部44aは、PETデータ収集部41bがデータ収集を開始した後に、所定の時間が経過してからCTデータ収集部42eがデータ収集を開始するように制御する。
【0096】
検出器制御部44bは、PET検出器及びX線検出器42bの移動を制御する。具体的には、検出器制御部44bは、PET用架台装置41が有する開口部の軸方向へPET検出器を移動する。また、検出器制御部44bは、CT用架台装置42が有する開口部の軸方向へX線検出器42bを移動させる。
【0097】
寝台制御部44cは、被検体Pが載置される寝台43の動作を制御する。例えば、寝台制御部44cは、寝台43を制御することで、被検体Pが載せられる天板43aをPET用架台装置41及びCT用架台装置42それぞれが有する開口部の軸方向へ移動させる。
【0098】
画像生成部44dは、PETデータ収集部41bによって収集された同時計数データからPET診断画像を生成し、CTデータ収集部42eによって収集されたX線投影データからCT診断画像を生成する。そして、画像生成部44dは、生成したPET診断画像及びCT診断画像をディスプレイ46に表示させる。
【0099】
例えば、画像生成部44dは、PET診断画像として、代謝イメージング(metabolic imaging)画像や分子イメージング(molecular imaging)画像などの機能画像を生成する。また、例えば、画像生成部44dは、CT診断画像として、CTA(CT Angiography)画像やDSA(Digital Subtraction Angiography)画像などの形態画像や、パフュージョン画像などの機能画像を生成する。
【0100】
このように、画像生成部16dが、各種の診断画像を生成することで、被検体Pに生じた1つ以上の病変部位ごとに、当該病変部位の診断に適した診断画像を生成することができる。なお、ここでいう、診断とは、例えば、病変部位における血管性反応や代謝性反応を観察することである。例えば、血管性反応は、形態画像を診断画像として用いることによって観察することができる。また、代謝性反応は、機能画像を診断画像として用いることによって観察することができる。
【0101】
なお、第2の実施形態に係るPET−CT装置200による診断画像の撮像の流れは、検出器の種類や診断画像の種類が異なるだけで、基本的には、
図6〜11を用いて説明したPET−MRI装置100による診断画像の撮像の流れと同じである。すなわち、第2の実施形態では、被検体Pの異なる領域ごとにPET診断画像又はCT診断画像が生成される。そして、操作者は、生成された各診断画像を観察することで、病変部位ごとに血管性反応や代謝性反応を観察することができる。
【0102】
上述したように、第2の実施形態によれば、被検体に生じた1つ以上の病変部位について、病変部位ごとにPET診断画像又はCT診断画像を生成することができる。
【0103】
なお、上記実施形態では、PET−MRI装置及びPET−CT装置について説明したが、医用画像診断装置の実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示する技術は、少なくとも2つのPET検出器を備えたPET装置でも実施が可能である。
【0104】
その場合には、PET装置が、第1のPET検出器と、第2のPET検出器と、第1の収集部と、第2の収集部と、画像生成部とを備える。第1のPET検出器及び第2のPET検出器は、それぞれ、被検体に投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を検出する。また、第1の収集部は、第1のPET検出器を介して被検体の第1の領域からデータを収集する。また、第2の収集部は、第2のPET検出器を介して被検体の第1の領域とは異なる第2の領域からデータを収集する。そして、画像生成部は、第1の収集部によって収集されたデータから第1のPET診断画像を生成し、第2のPET収集部によって収集されたデータから第2のPET診断画像を生成する。
【0105】
なお、上記PET装置による診断画像の撮像の流れは、検出器の種類や診断画像の種類が異なるだけで、基本的には、
図6〜11を用いて説明したPET−MRI装置100による診断画像の撮像の流れと同じである。すなわち、上記PET装置によれば、被検体の異なる領域ごとにPET診断画像が生成される。そして、操作者は、生成されたPET診断画像を観察することで、病変部位ごとに血管性反応や代謝性反応を観察することができる。
【0106】
以上説明した各実施形態によれば、被検体に生じた1つ以上の病変部位について、病変部位ごとに診断画像を生成することができる。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。