特許第6139247号(P6139247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6139247-家電制御システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139247
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】家電制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20170522BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20170522BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301D
   F24F11/02 104A
   F24F11/02 103D
   H05B37/02 L
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-92478(P2013-92478)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-216835(P2014-216835A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古結 勝美
(72)【発明者】
【氏名】関 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】仙道 要
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−327056(JP,A)
【文献】 特開2003−004278(JP,A)
【文献】 特開2002−289369(JP,A)
【文献】 特開2008−283255(JP,A)
【文献】 特開2008−167151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00−11/08
H03J 9/00−9/06
H04M 3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00−9/16
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の室内に設けられている空気調和機および照明装置を制御する家電制御システムであって、
前記空気調和機の運転に連携して、前記照明装置の照度または色調の少なくともいずれか一方を制御する制御装置と、
前記空気調和機と前記照明装置との間の通信を中継し、操作の内容を音声で出力する音声出力部を有する中継装置と、
を備える家電制御システム。
【請求項2】
前記空気調和機は、前記照明装置が操作されると設定温度が変更される請求項1記載の家電制御システム。
【請求項3】
前記空気調和機の操作を遠隔から入力する遠隔操作装置をさらに備え、
前記遠隔操作装置は、前記空気調和機および前記照明装置へ信号を発信可能な信号発信部を有する請求項1または2記載の家電制御システム。
【請求項4】
前記空気調和機は、屋外の携帯端末からの指示を受け付ける通信部と、前記通信部において前記携帯端末から受け付けた指示に基づいて前記照明装置を操作するための信号を発信可能な信号発信部を有する請求項1から3のいずれか一項記載の家電制御システム。
【請求項5】
前記空気調和機は、室内の照度を検出する照度検出手段を有し、
前記空気調和機および前記照明装置は、入力された操作および前記照度検出手段で検出した照度に基づいて、前記空気調和機の設定温度と、前記照明装置の色調または前記照明装置の照度の少なくともいずれか一方とを連携して変更する請求項1から4のいずれか一項記載の家電制御システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、家電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電機器は、操作の入力を簡略化するために、機器ごとに遠隔操作装置いわゆるリモコンを備えている。この遠隔操作装置は、より入力の簡略化のために音声での入力が可能となっている。このように機器ごとに遠隔操作装置を用いる場合、操作の対象となる機器が増加すると、遠隔操作装置も増加する。そのため、複数の家電機器を操作するとき、各家電機器に対応する複数の遠隔操作装置が必要となり、操作が非常に煩雑となる。そこで、複数の家電機器を一つの遠隔操作装置で操作するために、各家電機器に対応するコードを学習することが提案されている。
【0003】
しかし、このように遠隔操作装置で複数の家電機器を操作できるように構成しても、各家電機器は個別に操作されるだけである。すなわち、複数の家電機器の間における連携は考慮されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−268676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、空気調和機と照明装置との間で操作を連携し、快適性を向上する家電制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本実施形態の家電制御システムは、同一の室内に設けられている空気調和機および照明装置を制御する。制御装置は、前記空気調和機の運転に連携して、前記照明装置の照度または色調の少なくともいずれか一方を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による家電制御システムの概略構成を示す模式図
図2】一実施形態による家電制御システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態による家電制御システムを適用した家屋の例を図1および図2に示す。
家屋の部屋は、空気調和機10および照明装置11を備えている。空気調和機10は、室内機12および室外機13を有している。空気調和機10は、室内機12と室外機13との間でヒートポンプを構成している。これにより、空気調和機10は、冷房時において部屋へ冷気を供給するとともに、暖房時において部屋へ暖気を供給する。室内機12は、例えば部屋の壁または天井などに固定されている。
【0009】
照明装置11は、空気調和機10の室内機12と同一の部屋に設けられている。照明装置11は、一般に部屋の天井に固定されている。照明装置11は、例えばLEDや蛍光管などを有している。照明装置11は、異なる色調の光を部屋へ照射する。本実施形態の場合、照明装置11が照射する光の色調は、次の5種類が設定されている。すなわち、設定されている色調は、「電球色」、「温白色」、「白色」、「昼白色」および「昼光色」である。「電球色」は、色温度が「3000K」程度に相当する色調である。同様に、「温白色」は色温度「3500K」に相当し、「白色」は色温度「4200K」に相当し、「昼白色」は色温度「5000K」に相当し、「昼光色」は色温度「6500K」に相当する。照明装置11は、これら5種類のうちの1種類の光を部屋へ照射する。上記の色調は例示であり、照明装置11は、より多種類または少種類の色調を照射するものであってもよい。また、色調の色温度は、例示であり、妥当な範囲内で任意に変更することができる。
【0010】
次に、家電制御システム20の構成について説明する。
家電制御システム20は、上述の空気調和機10、照明装置11に加え、遠隔操作装置(以下、「リモコン」という。)21および中継装置22を備えている。空気調和機10は、制御部23、空調部24、信号受信部25、信号発信部26および連携操作部27を有している。制御部23は、CPU、ROMおよびRAMからなるマイクロコンピュータを有している。この制御部23は、特許請求の範囲の制御装置に相当する。制御部23は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、空気調和機10および家電制御システム20を制御する。
【0011】
空調部24は、室内機12および室外機13を有しており、空気調和機10から部屋へ供給する冷気または暖気の温度および風量を制御する。信号受信部25は、例えば受光素子などを有しており、リモコン21から発信された信号を受信する。信号発信部26は、例えば発光素子などを有しており、中継装置またはリモコンへ信号を発信する。信号受信部25および信号発信部26は、例えば一体の送受信部として構成してもよい。信号受信部25および信号発信部26は、空気調和機10の前面に設けられている。連携操作部27は、制御部23においてコンピュータプログラムを実行することによりソフトウェア的に実現されている。なお、連携操作部27は、ハードウェア的またはソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現してもよい。連携操作部27は、空気調和機10の運転に連携して照明装置11を操作するための命令を作成する。
【0012】
また、空気調和機10は、通信部28および照度検出手段としての照度センサ29を有していてもよい。通信部28は、屋外の携帯端末30との間で通信可能である。携帯端末30は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレットパソコンあるいはモバイルパソコンなどであり、ユーザとともに屋外へ携行される。この携帯端末30と空気調和機10との間は、通信回線31によって通信可能に接続されている。通信回線31は、例えば無線LAN、公衆電話回線、携帯電話回線あるいはインターネットなどである。ユーザは、リモコン21に代えて携帯端末30から空気調和機10または照明装置11の操作を入力することができる。通信部28は、この携帯端末30に入力された操作に基づく指示を、携帯端末30から受け付ける。空気調和機10の信号発信部26は、この通信部28で受け付けた指示に基づく信号も発信する。照度センサ29は、空気調和機10が設けられている部屋の照度を検出する。照度センサ29は、検出した部屋の照度を電気信号として制御部23へ出力する。
【0013】
照明装置11は、制御部35、照明部36、信号受信部37および信号発信部38を有している。制御部35は、CPU、ROMおよびRAMからなるマイクロコンピュータを有している。制御部35は、照明装置11を制御する。特許請求の範囲の制御装置は、空気調和機10の制御部23に代えて照明装置11の制御部35であってもよい。すなわち、制御装置は、空気調和機10の制御部23または照明装置11の制御部35のいずれかであってもよく、空気調和機10の制御部23と照明装置11の制御部35との双方で構成してもよい。照明部36は、LEDや蛍光管などの発光体で構成されている。照明部36は、制御部35からの制御に応じて、色調または照度を変更する。照明部36をLEDで構成する場合、制御部35は各色のLEDを制御することにより、色調または照度を変更する。また、照明部36を蛍光管で構成する場合、照明部36は異なる色調の蛍光管を単数または複数本有している。そのため、制御部35は、点灯する蛍光管の本数や蛍光管の種類を制御することにより、色調または照度を変更する。信号受信部37は、例えば受光素子などを有しており、中継装置22から発信された信号を受信する。信号発信部38は、例えば発光素子などを有しており、中継装置22へ信号を発信する。信号受信部37および信号発信部38は、例えば一体の送受信部として構成してもよい。
【0014】
リモコン21は、制御部41、信号発信部42および操作入力部43を有している。制御部41は、CPU、ROMおよびRAMからなるマイクロコンピュータを有している。制御部41は、リモコン21を制御する。信号発信部42は、例えば発光素子などを有しており、空気調和機10へ信号を発信する。操作入力部43は、空気調和機10へ設定温度や設定風量などを入力するためのボタン44を有している。ユーザは、リモコン21の操作入力部43を経由して空気調和機10へ所望の設定を入力する。すなわち、ユーザがリモコン21の操作入力部43を操作すると、操作に対応する信号が信号発信部42から空気調和機10へ発信される。空気調和機10は、信号受信部25でリモコン21から発信された信号を受信する。空気調和機10の制御部23は、この受信した信号に対応するように空調部24を制御する。
【0015】
中継装置22は、制御部51、信号受信部52および信号発信部53を有している。制御部51は、CPU、ROMおよびRAMからなるマイクロコンピュータを有している。制御部51は、中継装置22を制御する。信号受信部52は、例えば受光素子などを有しており、空気調和機10から発信された信号を受信する。信号発信部53は、例えば発光素子などを有しており、照明装置11へ信号を発信する。信号受信部52および信号発信部53は、例えば一体の送受信部として構成してもよい。また、中継装置22は、音声合成部54および音声出力部55を有していてもよい。音声合成部54は、CPUでコンピュータプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に音声を合成する。なお、音声合成部54は、ハードウェア的、またはハードウェアとソフトウェアとの協働によって実現してもよい。音声出力部55は、例えばスピーカなどを有しており、音声合成部54で合成された音声を可聴的に出力する。
本実施形態の場合、リモコン21と空気調和機10との間では、赤外線の信号を用いて通信する。同様に空気調和機10と中継装置22との間、および中継装置22と照明装置11との間も、それぞれ赤外線の信号を用いて通信する。
【0016】
次に、上記の構成による家電制御システム20の作動例を説明する。
(冷房時)
まず、空気調和機10を冷房で運転する冷房時について説明する。
ユーザは、リモコン21に予め所望の設定温度を入力する。そして、ユーザは、リモコン21から空気調和機10へ冷房の開始を入力する。ユーザは、リモコン21の操作入力部43から設定温度および冷房の開始を入力する。リモコン21の制御部41は、このユーザの操作に応じた信号を信号発信部42から発信する。
【0017】
空気調和機10の制御部23は、信号受信部25においてリモコン21からの信号を受信すると、空気調和機10を起動する。すなわち、制御部23は、空調部24の運転を開始する。このとき、連携操作部27は、ユーザから入力された設定温度を高温側へ変更する。例えばユーザがリモコン21に設定温度として「25℃」を入力したとき、連携操作部27は内部での設定温度を「26℃」と、「+1℃」高く設定する。したがって、制御部23は、部屋の温度が「26℃」となるように空調部24を運転する。なお、このとき、内部で設定する設定温度は、「+1℃」に限らない。例えば「+0.5℃」または「+1.5℃」など妥当な範囲で任意に設定することができる。
【0018】
空気調和機10の連携操作部27は、設定温度を変更するとともに、照明装置11の色調および照度を設定する。連携操作部27は、上述のように冷房の指示があったとき、照明装置11の色調を「昼光色」に設定する。すなわち、連携操作部27は、冷房時、照明装置11の色調をユーザが冷涼感を受ける「昼光色」に設定する。空気調和機10は、連携操作部27で照明装置11の色調が設定されると、信号発信部26から中継装置22へ信号を発信する。この信号は、照明装置11の点灯および色調を指定するための指示を含んでいる。すなわち、連携操作部27は、設定温度の変更に加え、照明装置11の点灯および色調を制御する。
【0019】
中継装置22は、空気調和機10の信号発信部26からの信号を信号受信部52で受信する。そして、中継装置22の制御部51は、受信した信号を中継して信号発信部53から照明装置11へ発信する。このとき、中継装置22の音声出力部55は、空気調和機10から受信した信号に対応する音声を出力する。具体的には、音声合成部54は、空気調和機10から受信した信号に基づく音声を合成する。そして、音声出力部55は、この音声合成部54で合成された音声を可聴的に出力する。例えば、上記のように照明装置11の色調を「昼光色」に設定したとき、音声出力部55は「照明を昼光色にします。」という音声を発する。
【0020】
これとともに、照明装置11は、信号受信部37において中継装置22の信号発信部53から発信された信号を受信する。照明装置11の制御部35は、信号受信部37で受信した信号に応じて照明部36を制御する。すなわち、制御部35は、受信した信号に基づいて照明部36を点灯させるとともに、色調を「昼光色」に変更する。なお、信号受信部37で信号を受信する前に照明部36が既に点灯していたとき、制御部35は照明部36の点灯の制御を実行しない。また、信号受信部37で信号を受信する前に照明部36の色調が既に「昼光色」であったとき、制御部35は照明部36の色調を変更しない。
【0021】
このように、空気調和機10が冷房で運転が開始されると、連携操作部27は、空気調和機10の設定温度をユーザが希望する温度よりも高めに変更するとともに、照明装置11を冷涼感のある色調に設定する。これにより、ユーザは、希望する設定温度よりも高い温度で空気調和機10が運転されているときでも、「昼光色」の照明から受ける冷涼感によって体感温度が低下する。したがって、冷房運転時における空気調和機10の消費電力を低減することができる。
【0022】
(暖房時)
次に、空気調和機10を暖房で運転する暖房時について説明する。
ユーザは、リモコン21に予め所望の設定温度を入力する。そして、ユーザは、リモコン21から空気調和機10へ暖房の開始を入力する。ユーザは、リモコン21の操作入力部43から設定温度および暖房の開始を入力する。リモコン21の制御部41は、このユーザの操作に応じた信号を信号発信部42から発信する。
【0023】
空気調和機10の制御部23は、信号受信部25においてリモコン21からの信号を受信すると、空気調和機10を起動する。すなわち、制御部23は、空調部24の運転を開始する。このとき、連携操作部27は、ユーザから入力された設定温度を低温側へ変更する。例えばユーザがリモコン21に設定温度として「24℃」を入力したとき、連携操作部27は内部での設定温度を「23℃」と、「−1℃」低く設定する。したがって、制御部23は、部屋の温度が「23℃」となるように空調部24を運転する。なお、このとき、内部で設定する設定温度は、「−1℃」に限らない。例えば「−0.5℃」または「−1.5℃」など妥当な範囲で任意に設定することができる。
【0024】
空気調和機10の連携操作部27は、設定温度を変更するとともに、照明装置11の色調および照度を設定する。連携操作部27は、上述のように暖房の指示があったとき、照明装置11の色調を「電球色」に設定する。すなわち、連携操作部27は、暖房時、照明装置11の色調をユーザが温暖感を受ける「電球色」に設定する。空気調和機10は、連携操作部27で照明装置11の色調が設定されると、信号発信部26から中継装置22へ信号を発信する。この信号は、照明装置11の点灯および色調を指定するための指示を含んでいる。すなわち、連携操作部27は、設定温度の変更に加え、照明装置11の点灯および色調を制御する。
【0025】
中継装置22は、空気調和機10の信号発信部26からの信号を信号受信部52で受信する。そして、中継装置22の制御部51は、受信した信号を中継して信号発信部53から照明装置11へ発信する。このとき、中継装置22の音声出力部55は、空気調和機10から受信した信号に対応する音声を出力する。具体的には、音声合成部54は、空気調和機10から受信した信号に基づく音声を合成する。そして、音声出力部55は、この音声合成部54で合成された音声を可聴的に出力する。例えば、上記のように照明装置11の色調を「電球色」に設定したとき、音声出力部55は「照明を電球色にします。」という音声を発する。
【0026】
これとともに、照明装置11は、信号受信部37において中継装置22の信号発信部53から発信された信号を受信する。照明装置11の制御部35は、信号受信部37で受信した信号に応じて照明部36を制御する。すなわち、制御部35は、受信した信号に基づいて照明部36を点灯させるとともに、色調を「電球色」に変更する。なお、信号受信部37で信号を受信する前に照明部36が既に点灯していたとき、制御部35は照明部36の点灯の制御を実行しない。また、信号受信部37で信号を受信する前に照明部36の色調が既に「電球色」であったとき、制御部35は照明部36の色調を変更しない。
【0027】
このように、空気調和機10が暖房で運転が開始されると、連携操作部27は、空気調和機10の設定温度をユーザが希望する温度よりも低めに変更するとともに、照明装置11を温暖感のある色調に設定する。これにより、ユーザは、希望する設定温度よりも低い温度で空気調和機10が運転されているときでも、「電球色」の照明から受ける温暖感によって体感温度が上昇する。したがって、暖房運転時における空気調和機10の消費電力を低減することができる。
【0028】
(起床運転時)
次に、空気調和機10で起床運転を実行する例について説明する。
ユーザは、リモコン21に予め運転開始時刻を入力する。すなわち、ユーザは、起床時にあわせて空気調和機10および照明装置11を運転するために、起床時刻を運転開始時刻として入力する。ユーザは、リモコン21の操作入力部43から運転開始時刻を入力する。リモコン21の制御部41は、このユーザの操作に応じた信号を信号発信部42から発信する。なお、空気調和機10の設定温度は、冷房または暖房に応じて予めユーザから入力されている。
【0029】
空気調和機10の制御部23は、信号受信部25においてリモコン21からの信号を受信すると、信号に含まれる運転開始時刻をRAMなどに記憶する。連携操作部27は、指定された運転開始時刻になると、空気調和機10を起動する。すなわち、制御部23は、空調部24の運転を開始する。連携操作部27は、空調部24の運転を開始するとともに、照度センサ29から部屋の照度を取得する。このとき、連携操作部27は、照度センサ29で検出した部屋の照度が十分に明るいとき、照明装置11の制御を終了する。すなわち、部屋の照度が十分に明るいとき、ユーザは既に起床して照明装置11を運転している、または日光などの外光が部屋内に入射していると考えられる。したがって、連携操作部27は、照明装置11の制御を終了する。
【0030】
一方、連携操作部27は、照度センサ29で検出した部屋の照度が暗いとき、照明装置11の運転開始を指示、ならびに照度および色調を変化させる設定を行なう。このとき、連携操作部27は、照明装置11の運転を開始、すなわち点灯させた後、時間の経過とともに照度を増していくとともに、時間の経過とともに「昼白色」から「昼光色」へ色調が変化するように設定する。これにより、ユーザは、日の出と近似した照度および色調の変化を受け、快適な目覚めを得ることができる。空気調和機10は、これら照明装置11の運転開始、ならびに照度および色調を変化させる設定が連携操作部27で設定されると、信号発信部26から中継装置22へ信号を発信する。
【0031】
中継装置22は、空気調和機10の信号発信部26からの信号を信号受信部52で受信する。そして、中継装置22の制御部51は、受信した信号を中継して信号発信部53から照明装置11へ発信する。このとき、中継装置22の音声出力部55は、空気調和機10から受信した信号に対応する音声を出力する。具体的には、音声合成部54は、空気調和機10から受信した信号に基づく音声を合成する。そして、音声出力部55は、この音声合成部54で合成された音声を可聴的に出力する。例えば、上記のように照明装置11の運転を開始するとき、音声出力部55は「照明をつけます。」という音声を発する。
【0032】
これとともに、照明装置11は、信号受信部37において中継装置22の信号発信部53から発信された信号を受信する。照明装置11の制御部35は、信号受信部37で受信した信号に応じて照明部36を制御する。すなわち、制御部35は、受信した信号に基づいて照明部36を点灯させるとともに、時間の経過とともに照明部36の照度を徐々に増加させる。また、制御部35は、時間の経過とともに照明部36の色調を「昼白色」から「昼光色」へ変化させる。
【0033】
このように、空気調和機10が起床運転を開始すると、連携操作部27は、照明装置11の照度および色調を時間の経過とともに変化させる。これにより、希望する起床時刻になると、空気調和機10および照明装置11の運転が開始する。そのため、ユーザは、日の出に似た自然な空調および光を受ける。したがって、快適な目覚めを迎えることができる。また、ユーザの目覚めが速やかであるため、空気調和機10や照明装置11の無駄な運転は低減される。したがって、空気調和機10および照明装置11の消費電力を低減することができる。
【0034】
(就寝運転時)
次に、空気調和機10で就寝運転を実行する例について説明する。
ユーザは、リモコン21に予め運転停止時刻を入力する。すなわち、ユーザは、就寝時にあわせて空気調和機10および照明装置11を運転するために、運転停止時刻を入力する。ユーザは、リモコン21の操作入力部43から運転停止時刻を入力する。リモコン21の制御部41は、このユーザの操作に応じた信号を信号発信部42から発信する。なお、空気調和機10の設定温度は、冷房または暖房に応じて予めユーザから入力されている。
【0035】
空気調和機10の制御部23は、信号受信部25においてリモコン21からの信号を受信すると、信号に含まれる運転開始時刻をRAMなどに記憶する。連携操作部27は、指定された運転停止時刻になると、空気調和機10を就寝時運転に移行させる。すなわち、制御部23は、空調部24の運転を通常よりも弱めた就寝時運転で運転する。連携操作部27は、空調部24を就寝時運転に移行させるとともに、照度センサ29から部屋の照度を取得する。このとき、連携操作部27は、照度センサ29で検出した部屋の照度が十分に暗いとき、照明装置11の制御を終了する。すなわち、部屋の照度が十分に暗いとき、ユーザは既に就寝して照明装置11の運転を停止していると考えられる。したがって、連携操作部27は、照明装置11の制御を終了する。
【0036】
一方、連携操作部27は、照度センサ29で検出した部屋の照度が明るいとき、照明装置11の運転開始を指示、ならびに照度および色調を変化させる設定を行なう。このとき、連携操作部27は、照明装置11の運転を、時間の経過とともに照度を減じていくとともに、時間の経過とともに現在の色調から「電球色」へ色調が変化するように設定する。これにより、ユーザは、快適な就眠を得ることができる。空気調和機10は、これら照明装置11の照度および色調を変化させる設定が連携操作部27で設定されると、信号発信部53から中継装置22へ信号を発信する。
【0037】
中継装置22は、空気調和機10の信号発信部26からの信号を信号受信部52で受信する。そして、中継装置22の制御部51は、受信した信号を中継して信号発信部53から照明装置11へ発信する。このとき、中継装置22の音声出力部55は、空気調和機10から受信した信号に対応する音声を出力する。具体的には、音声合成部54は、空気調和機10から受信した信号に基づく音声を合成する。そして、音声出力部55は、この音声合成部54で合成された音声を可聴的に出力する。例えば、上記のように照明装置11を徐々に暗くする運転を開始するとき、音声出力部55は「照明を暗くします。」という音声を発する。
【0038】
これとともに、照明装置11は、信号受信部37において中継装置22の信号発信部53から発信された信号を受信する。照明装置11の制御部35は、信号受信部37で受信した信号に応じて照明部36を制御する。すなわち、制御部35は、受信した信号に基づいて、時間の経過とともに照明部36の照度を徐々に増加させる。また、制御部35は、時間の経過とともに照明部36の色調を「電球色」へ変化させる。
【0039】
このように、空気調和機10が就寝運転に移行すると、連携操作部27は、照明装置11の照度および色調を時間の経過とともに変化させる。したがって、ユーザは、自然な就眠を迎えることができる。また、ユーザの就眠が促されるため、空気調和機10や照明装置11の無駄な運転は低減される。したがって、空気調和機10および照明装置11の消費電力を低減することができる。
【0040】
以上説明した一実施形態では、制御部23は、空気調和機10に連携して照明装置11の照度や色調などを制御する。そのため、ユーザは、空気調和機10によって調整された実際の室温が希望する設定温度と異なるときでも、照明装置11から受ける印象によって体感温度が希望する設定温度に近似する。したがって、空気調和機10の過剰な運転を低減することができ、消費電力を低減することができる。
【0041】
また、一実施形態では、空気調和機10と照明装置11との間に中継装置22を備えている。部屋における空気調和機10および照明装置11の配置によっては、空気調和機10と照明装置11との間で直接の通信が困難な場合がある。すなわち、空気調和機10と照明装置11との位置関係は、相互間での通信に影響を及ぼすおそれがある。空気調和機10と照明装置11との間に中継装置22が存在することにより、空気調和機10と照明装置11とは、位置関係に関わらず、中継装置22を経由して通信が可能となる。したがって、部屋の形状や空気調和機10および照明装置11の配置に関わらず、空気調和機10と照明装置11との間の通信を確実に達成することができる。
【0042】
一実施形態では、中継装置22は、音声出力部55から音声を発する。これにより、空気調和機10と照明装置11とが連携して運転されるとき、ユーザは照明装置11がどのように制御されるかを容易に認識する。したがって、誤操作や誤認識を低減することができる。
【0043】
一実施形態では、空気調和機10は、屋外の携帯端末30から指示を受け付ける通信部28を有している。これにより、ユーザは、外出中に携帯端末30から空気調和機10へ操作を入力することができる。また、空気調和機10は、携帯端末30から入力された指示を照明装置11へ発信する。したがって、外部から携帯端末30によって空気調和機10を操作できるとともに、空気調和機10と照明装置11とを連携して運転することができる。
【0044】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に代えて、以下のような実施形態であってもよい。
連携操作部27は、照明装置11の操作によって空気調和機10の設定温度を変更してもよい。例えば、冷房時において照明装置11の色調が「昼光色」から「電球色」に変更されたとき、連携操作部27は空気調和機10における設定温度を「+0.5℃」程度上昇させる。また、例えば、暖房時において照明装置11の色調が「電球色」から「昼光色」に変更されたとき、連携操作部27は空気調和機10における設定温度を「−0.5℃」程度低下させる。これにより、空気調和機10で消費される電力は増加するものの、ユーザは照明装置11の照射する光の雰囲気に関わらず体感温度が維持される。したがって、快適性を維持することができる。
【0045】
また、リモコン21は、空気調和機10だけでなく照明装置11を操作するための信号を出力する構成であってもよい。これにより、中継装置22が無くても、一つのリモコン21によって空気調和機10と照明装置11とを連携して操作することができる。この場合、リモコン21は、空気調和機10の連携操作部27で変更された設定を含む信号を受信するとともに、照明装置11へ発信する。
【0046】
さらに、連携操作部27は、照度センサ29で検出した部屋の照度に応じて、空気調和機10の設定温度、照明装置11の色調または照度などを組み合わせて変更してもよい。例えば冬季に部屋の照度が低くなると、連携操作部27は空気調和機10の設定温度を上昇するとともに、照明装置11の色調を「電球色」として実際の室温および体感温度の双方を上昇させる。このように部屋の照度に応じて空気調和機10および照明装置11を連携することにより、部屋の快適性をより高めることができる。
【0047】
なお、リモコン21と中継装置22とは、兼用することもできる。すなわち、中継装置22にリモコン21の機能を持たせ、中継装置22から空気調和機10へ操作の入力を行なう構成としてもよい。また、中継装置22は、省略してもよい。すなわち、空気調和機10と照明装置11との間は、中継装置22を経由することなく、直接通信する構成としてもよい。
【0048】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
図面中、10は空気調和機、11は照明装置、20は家電制御システム、21はリモコン(遠隔操作装置)、22は中継装置、23は制御部(制御装置)、26は信号発信部、28は通信部、29は照度センサ(照度検出手段)、42は信号発信部、55は音声出力部を示す。
図1
図2