特許第6139303号(P6139303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139303
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】モバイルバッテリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170522BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170522BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H02J7/00 301A
   H01M2/10 A
   H01M10/44 P
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-139158(P2013-139158)
(22)【出願日】2013年7月2日
(65)【公開番号】特開2015-11971(P2015-11971A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】塚本 博之
(72)【発明者】
【氏名】松岡 秀明
(72)【発明者】
【氏名】高木 陽光
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3081161(JP,U)
【文献】 実開昭56−028178(JP,U)
【文献】 特開2000−067825(JP,A)
【文献】 実開平04−080479(JP,U)
【文献】 特開2000−184752(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0307464(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3052087(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/44
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースを備えるとともに、このケース内にそれぞれ配置される内蔵2次電池と、商用電源のコンセントに挿し込み可能なプラグと、前記プラグが接続されて商用電源からの交流電流が入力される商用交流電圧入力回路と、前記商用交流電圧入力回路から入力される交流電流を直流電流に変換するとともに電圧を降圧する交流−直流電圧変換回路と、前記交流−直流電圧変換回路から入力される直流電流により前記内蔵2次電池を充電するための充電制御回路と、前記内蔵2次電池を放電させて外部の機器の2次電池を充電するための放電制御回路とを備えるモバイルバッテリであって、
少なくとも前記商用交流電圧入力回路の主要部品と、前記交流−直流電圧変換回路の主要部品とを一方の面に備える難燃性の回路基板を有し、
前記ケース内の空間の少なくとも一部が、前記回路基板により仕切られるとともに、前記回路基板で仕切られた前記ケース内の空間のうちの前記回路基板の他方の面側の空間に当該回路基板から離れて前記内蔵2次電池が配置されていることを特徴とするモバイルバッテリ。
【請求項2】
前記ケース内には、前記回路基板と前記内蔵2次電池との間に隔壁が設けられ、前記隔壁により前記ケース内の空間は前記回路基板が有る空間と、前記内蔵2次電池が有る空間とに分けられていることを特徴とする請求項1に記載のモバイルバッテリ。
【請求項3】
前記内蔵2次電池は、前記ケース内で複数の壁からなる箱状の容器に収納され、前記壁の少なくとも一部が前記隔壁となっていることを特徴とする請求項2に記載のモバイルバッテリ。
【請求項4】
前記内蔵2次電池に接触または近接して漏れた電解液を吸収する電解液吸収材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のモバイルバッテリ。
【請求項5】
前記内蔵2次電池が略直方体形状に形成されるとともに、前記内蔵2次電池の1つの面に沿って、この面を覆うようにシート状の前記電解液吸収材が配置され、
前記電解液吸収材の前記内蔵2次電池の前記面の中央部に対応する位置に開口部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のモバイルバッテリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部の2次電池の充電をAC電源から直接行うことが可能なモバイルバッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット等の2次電池を内蔵する携帯機器においては、省電力化が進められているが、高機能化による電力使用量の増加と、省電力化による電力使用量の低下および2次電池容量の増加とが拮抗し、なかなか1回の2次電池の充電による使用可能時間が増えないのが現状である。
【0003】
そのため、携帯機器の使用状況によっては、出先で2次電池が切れて携帯機器が使用できなくなってしまう虞がある。また、使用可能時間が長くなっても、充電をし忘れた場合に、出先で携帯機器が使用不能になる。
【0004】
そこで、モバイルバッテリを携帯し、携帯機器の2次電池の残量が少なくなった際に出先であっても、携帯機器を充電できるようにする人が増える傾向にある。
一般的なモバイルバッテリは、例えば、リチウムイオンバッテリ(2次電池)を内蔵するとともに、2次電池の充電制御回路および放電制御回路を有する基板が内蔵されている。
【0005】
このようなモバイルバッテリは、例えば、電力出力用のUSB出力端子と、電力入力用のUSB入力端子(たとえば、マイクロUSB入力端子)とを備えている。たとえば、パソコンのUSB出力端子や、100Vの商用電源(AC電源)をAC/DC変換して5Vに降圧する充電器のUSB出力端子を用いてモバイルバッテリを充電することになる。
【0006】
この場合に、モバイルバッテリを充電するのにパソコンの電源をオンにしたり、充電器を商用電源のコンセントに挿したりしてから、これらにUSBケーブルを接続してモバイルバッテリを充電することから、モバイルバッテリの充電が煩わしいものとなっていた。また、スマートフォンやタブレットも一般的に同様の充電方法となることから、モバイルバッテリ、スマートフォン、タブレット等を同時に充電するような場合に、パソコンのUSB出力端子が足りなくなったり、電源側の負荷が大きくなったり、複数の充電器を必要としたりすることになる。
【0007】
そこで、モバイルバッテリにAC/DC変換回路や降圧用のDC/DC変換回路を内属するとともに、商用電源のコンセント用のプラグを設け、商用電源のコンセントから直接電気を入力して内部の2次電池を充電可能なモバイルバッテリが知られている。
【0008】
また、携帯端末を充電するための電池内蔵電源装置として、外出先で非常用電源として使用可能なものが提案されており、この電池内蔵電源装置には、商用電源が入力されるとともに、この商用電源からの電流をAC/DC変換して直流にするとともにDC/DC変換して所定範囲の電圧値および電流値として内部の2次電池の充電と携帯端末の充電が可能になっているものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
このようなモバイルバッテリ等によれば、ACアダプタや充電器等を必要とせず、モバイルバッテリに設けられたプラグをAC電源に挿すだけで、モバイルバッテリの充電が可能である。
この場合には、モバイルバッテリに加えて充電器(ACアダプタ)等を持ち歩かなくても、モバイルバッテリの充電が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−205721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、モバイルバッテリは、常時持ち歩いて使用される可能性があり、小型・軽量であることが求められる。
それに対して上述のように、モバイルバッテリにAC電源からの比較的高電圧の交流電流を低電圧の直流電流とするためのAC/DC変換回路やDC/DC変換回路を設けるようにした場合に、モバイルバッテリのサイズが大きくなる可能性があり、スペース効率を考慮して基板や2次電池を配置する必要がある。
【0012】
この場合に、AC/DC変換回路やDC/DC変換回路の基板上に2次電池を実装したり、基板に近接させたりすることによりスペース効率が高い構造にすることが可能である。
しかし、100Vの交流電流を例えば5V程度の直流電流にAC/DC変換回路や、DC/DC変換回路を介して降圧させる際に熱が生じる。
また、リチウムイオン電池では、たとえば、高温に晒されるなどの特殊な状況下で、内圧が高くなるような場合に、内圧が高くなり過ぎるのを防止するために、内部の圧力を外部に逃がす必要があることから、液漏れを完全に排除することが難しい。
また、リチウムイオン電池では、電解液として有機化合物系の可燃性がある液体が使用されている。
また、2次電池では、充放電に基づく化学反応による発熱があり、過充電等によっては、温度が高くなる場合があり、また、外部から高温に晒された場合に、自らも発熱する可能性がある。
これらのことを考慮すると、電源回路が設けられた基板に2次電池を実装することには問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、AC電源用の電源回路を備えるプリント基板と、2次電池とを小型のケース内で物理的に分離することにより安全性を高めたモバイルバッテリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のモバイルバッテリは、ケースを備えるとともに、このケース内にそれぞれ配置される内蔵2次電池と、商用電源のコンセントに挿し込み可能なプラグと、前記プラグが接続されて商用電源からの交流電流が入力される商用交流電圧入力回路と、前記商用交流電圧入力回路から入力される交流電流を直流電流に変換するとともに電圧を降圧する交流−直流電圧変換回路と、前記交流−直流電圧変換回路から入力される直流電流により前記内蔵2次電池を充電するための充電制御回路と、前記内蔵2次電池を放電させて外部の機器の2次電池を充電するための放電制御回路とを備えるモバイルバッテリであって、
少なくとも前記商用交流電圧入力回路の主要部品と、前記交流−直流電圧変換回路の主要部品とを一方の面に備える難燃性の回路基板を有し、
前記ケース内の空間の少なくとも一部が、前記回路基板により仕切られるとともに、前記回路基板で仕切られた前記ケース内の空間のうちの前記回路基板の他方の面側の空間に当該回路基板から離れて前記内蔵2次電池が配置されていることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、難燃性(たとえば、不燃性、自己消化性、遅燃性を含む)の回路基板の高電圧が扱われる電源回路の主要部品である商用交流電圧入力回路の主要部品と交流−直流電圧変換回路の主要部品とが、ケース内で内蔵2次電池に対して、難燃性の回路基板の反対側に配置され、かつ、内蔵2次電池が回路基板から離れているので、これら電源回路の主要部品と、2次電池とが互いに熱の影響を与えるのを抑制することができる。
【0016】
また、2次電池において万が一液漏れが発生しても、漏れた液が電源回路の主要部品に至るのを抑制することができる。
なお、回路基板の一方の面側にほとんどの部品、特に背の高い部品の全てを配置する構成としてもよく、この場合に、内蔵2次電池と回路基板とを離す構成であっても、これらの間の間隔を小さくすることができる。2次電池と回路基板との間には、例えば、2次電池から漏れた電解液が2次電池の周囲を伝わるように流れた際に、2次電池の表面を伝わって流れる電解液と回路基板とが接触しない距離であることが好ましい。
【0017】
本発明の前記構成において、前記ケース内には、前記回路基板と前記内蔵2次電池との間に隔壁が設けられ、前記隔壁により前記ケース内の空間は前記回路基板が有る空間と、前記内蔵2次電池が有る空間とに分けられていることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、回路基板上の上述の主要部品と2次電池が難燃性の回路基板と隔壁との両方により分離され、互いの熱の影響を抑制できるとともに、内蔵2次電池から液漏れが生じても、漏れた電解液が電源回路の主要部品に至るのを防止できる。なお、回路基板上の回路と2次電池は配線等で電気的に繋がれている必要がある。したがって、隔壁には、配線等の導通部品が貫通する孔や切り欠き等が必要である。
【0019】
また、本発明の前記構成において、前記内蔵2次電池は、前記ケース内で複数の壁からなる箱状の容器に収納され、前記壁の少なくとも一部が前記隔壁となっていることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、回路基板と内蔵二次電池が容器の内と外で分離されることになり、互いの熱の影響をより確実に遮断することができるとともに、電解液が漏れた場合に、漏れた電解液が容器内に溜まる状態となり、電解液が電源回路の主要部品に至るのを防止できる。
【0021】
また、本発明の前記構成において、前記内蔵2次電池に接触または近接して漏れた電解液を吸収する電解液吸収材が配置されていることが好ましい。
【0022】
このような構成によれば、内蔵2次電池から電解液が漏れた際に、電解液吸収材に電解液が吸収されて保持され、電解液が流れて移動するのを防止できる。したがって、より確実に電解液が電源回路の主要部品に接触するのを防止できる。
【0023】
また、本発明の前記構成において、前記内蔵2次電池が略直方体形状に形成されるとともに、前記内蔵2次電池の1つの面に沿って、この面を覆うようにシート状の前記電解液吸収材が配置され、
前記電解液吸収材の前記内蔵2次電池の前記面の中央部に対応する位置に開口部が設けられていることが好ましい。
【0024】
このような構成によれば、内蔵2次電池が直方体状、特に板状の場合に、充放電を繰り返すと、内蔵2次電池の面、特に最も広い面が外方に凸となるように膨らむ可能性がある。前記電解液吸収材が、内蔵2次電池と回路基板との間や、内蔵2次電池と隔壁との間や、内蔵2次電池とケースの内面との間に挟まれて配置されている場合に、内蔵2次電池が膨らむとともに、電解液が漏出すると、漏出した電解液を吸収した電解液吸収材が、膨らむ内蔵2次電池に押されて、電解液吸収材に保持された電解液が滲み出す虞がある。そこで、内蔵2次電池の膨らむ部分に電解液吸収材の開口部が配置されていれば、電解液吸収材が膨らむ内蔵2次電池に押されることがなく、電解液吸収材から電解液が滲み出すのを防止できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のモバイルバッテリによれば、商用電源からの高い電圧の電流を扱う電源回路と内蔵2次電池とがケース内に共存する状態において、安全性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施の形態のモバイルバッテリを示す分解斜視図である。
図2】前記モバイルバッテリを示す断面図である。
図3】前記モバイルバッテリの各回路の機能を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の第2の実施の形態のモバイルバッテリの前から見たケース内部を示す概略図である。
図5】第2の実施の形態のモバイルバッテリの下から見たケース内部を示す概略図である。
図6】第2の実施の形態のモバイルバッテリの側方から見たケース内部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。
この実施の形態のモバイルバッテリ10は、図1および図2に示すように、ケース本体1と蓋2とを有するケース3を備える。また、モバイルバッテリ10は、後述の各回路が一方の面に実装されている回路基板4と、回転により出没可能なプラグ(挿し込みプラグ)5と、ケース3に内蔵される内蔵2次電池6と、2次電池をケース3内でさらに収納する箱状の容器7と、回転式のプラグ5に接触して回路基板4の後述の商用交流電圧入力回路41に商用電源を接続するための一対のAC接点ばね8と、プラグ5をケース本体1との間で回転自在に保持するプラグ押さえ9とを備える。
【0028】
なお、図1において、プラグ5が2個図示されているが、収納位置のプラグ5と、収納位置から90度回転した突出位置のプラグ5とを図示したもので、プラグ5は、モバイルバッテリ10に一つだけ備えられている。
また、ここでのプラグ5とは、コンセントに挿しこまれる一対のプラグ本体5aを備えるものである。
【0029】
さらに、モバイルバッテリ10には、前記容器7の後述の隔壁7aとなる底板と内蔵2次電池との間に配置される電解液吸収材11と、内蔵2次電池6の一方の端面に設けられてマイナス端子6aを露出させる開口を有するとともにマイナス端子6a以外の金属面を覆い、短絡を防止する絶縁板12と、内蔵2次電池6のマイナス端子6aと、プラス端子6bとが接続されるとともに、回路基板4の後述の充電制御回路43および放電制御回路45に接続される電池保護回路基板13とを備える。なお、電池保護回路基板13と内蔵2次電池6のマイナス端子6aとは、断面コ字状の導通部材18により電気的に、接続されている。
【0030】
さらに、モバイルバッテリ10は、回路基板4に実装されたLED表示器(図示略)に当接するとともにケース3の蓋2を貫通して配置され、前述のLED表示器の光を回路基板4からケース3の外面に導出させる導光柱14と、回路基板4に設けられ、充電すべき外部機器を充電するためのUSBケーブルを接続するUSB出力端子15と、回路基板4に設けられ、USB出力端子15を用いた外部の機器の充電のオン・オフを切り替えるスイッチ16と、前記スイッチ16をケース3の外部から操作可能とするスイッチ操作器17とを備える。
【0031】
ケース3は、直方体状であり、正面から見て、短辺と長辺を備える長方形で奥行き方向の長さが短辺より短くなった形状を有する。また、一方の端面(短辺方向と奥行き方向との両方に平行な面)には、一対のプラグ本体5aをそれぞれ収納する収納溝部(図示略)が備えられている。なお、1つの面が開口された箱状のケース本体1と、ケース本体1の開口を塞ぐ蓋2とを有するケース3において、蓋2がある面を正面とした。
【0032】
また、ケース3の一方の端面に平行な他方の端面には、上述のUSB出力端子15に連通して、USB出力端子15にUSBケーブルのUSB端子を接続可能とする開口部1aが設けられている。また、ケース3の正面と端面に直交する一方の側面の他方の端面に近い部分に、上述のスイッチ16とスイッチ操作器17とを連動させるためのスイッチ開口部1bが設けられている。
【0033】
また、ケース本体1内部の他方の端面側には、プラグ押さえ9を固定するとともにプラグ押さえ9との間でプラグ5を収納位置から使用時の突出位置まで90度回転自裁に支持するプラグ支持部1cが設けられている。プラグ支持部1cとプラグ押さえ9との間には、プラグ5が回転自在に支持されるとともに、プラグ5の一対のプラグ本体5aに、それぞれAC接点ばね8が板ばねとしての付勢力により押し付けられた状態に支持されている。AC接点ばね8は、回路基板4に接続され、プラグ5とともに回路基板4に設けられた配線パターンにより後述の商用交流電圧入力回路41に接続されるとともに、この商用交流電圧入力回路41の一部として機能する。
【0034】
また、ケース本体1の内部の他方の端面側には、この端面と平行に基板用支持板1dが設けられている。基板用支持板1dは、回路基板4に設けられるスリット4aに嵌合し、回路基板4に設けられたメス型のUSB出力端子15に、オス型のUSB端子を入出する際に、回路基板4がケース3内で動かないように支持している。
【0035】
回路基板4は、ケース3の正面および背面に対して平行で、蓋2に対しても平行になるようにケース3内に固定されている。
回路基板4の一方の面は、ケース3の背面側を向き、他方の面は、ケース3の正面(蓋2側)を向いており、この回路基板4がケース3内を正面側の空間と背面側の空間とに仕切った形状となっている。
【0036】
回路基板4に実装される主要部品(後述の各回路を含む)は、基本的に背面(ケース本体の底部)側を向く一方の面に配置されている。したがって、回路基板4に実装される主要部品は、ケース3内の回路基板4に仕切られる空間のうちの背面側の空間に配置される。
【0037】
回路基板4の一方の面には、図3に示すように商用交流電圧入力回路41、交流−直流電圧変換回路42、充電制御回路43、放電制御回路45の主要部品が配置される。なお、図3のブロック図において、各ブロック41〜45に記載されている部品が、基本的に回路基板4の一方の面に配置される主要部品であるが、例えば、回路基板4の他方の面に配置される主要部品以外の部品として、充電制御回路43のLED表示器が挙げられる。LED表示器は、回路基板4の他方の面に設けられ、導光柱14によりケース3の蓋2側に内蔵2次電池6の充電量(内蔵2次電池6の例えば電圧)を色や点滅等により表示するものである。
【0038】
商用交流電圧入力回路41は、商用電源として例えば、家庭や事務所等のコンセントからの交流電流をモバイルバッテリ10に入力させで交流−直流電圧変換回路42に出力させるものである。
この商用交流電圧回路41は、上述のプラグ5、AC接点ばね8、過電流の場合に電流を切断するヒューズ、落雷等によるサージの侵入を抑制するサージアブソーバ等を備える。なお、プラグ5は、回路基板4に直接搭載されておらず、上述のようにAC接点ばね8と配線を介して回路基板4に接続されている。
【0039】
交流−直流電圧変換回路は、100ボルトの商用交流電圧を、5ボルト程度以下の直流電圧に変換する回路であり、整流回路を構成する整流ダイオード、平滑回路を構成する高耐圧コンデンサ、電圧を降圧する変圧器等を備える。
【0040】
充電制御回路43は、上述のように高電圧の商用電源を低電圧の直流電流に変換したのちにこの直流の電圧を内蔵2次電池6に印加して、内蔵2次電池6を充電するための回路であり、充電制御を行う市販の充電制御ICと,回路を構成するコンデンサおよび抵抗器と、充電制御ICに制御される上述のLED表示器を備える。
【0041】
なお、充電制御ICは、例えば、定電流(CC)定電圧(CV)充電制御を行うようになっており、内蔵2次電池の残量が少なく低い電圧でも大きな電流が流れ易い状態では定電流制御で所定電流値以下に制御して充電し、満充電に近くなって電圧を高くしても小さな電流しか流れない状態では定電流制御から所定電圧以下に制御して充電する定電圧制御に切り替えて充電する。また、定電流定電圧制御では、定電流制御から定電圧制御に切り替わった後に、定電圧制御中に下がる電流値が所定電流値以下になった際に、満充電として充電を終了する。
【0042】
放電制御回路45は、内蔵2次電池6から出力される直流の電圧値や電流値を所定値に変換するためのDC−DCコンバータICと、回路を構成するインダクタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗器等を備え、さらに、上述のUSB出力端子15を備える。
【0043】
また、回路基板4には、内蔵2次電池6が接続されることになるが、複数のセルからなる内蔵2次電池6は、リチウムイオン組電池44の一部となっている。
リチウムイオン組電池44は、内蔵2次電池6であるリチウムイオン電池と、上述の電池保護回路基板13に設けられる電池保護ICと、PTC(ポリスイッチ)とを備える。
電池保護ICは、過放電、過充電、過電流の防止と、複数セルのセルバランスを取る制御と、内蔵2次電池6のセル温度の管理を行う。
【0044】
また、PTCは、温度が上昇すると抵抗値が増大する素子であり、高温になると電流の流れを抑止し、温度が低下するまで内蔵2次電池6の充電や放電ができない状態にする。なお、PTCは、内蔵2次電池6に接触または近接している必要がある。
【0045】
また、前記回路基板4には、上述の基板用支持板1dが挿入されるスリット4aと、AC接点ばね8と回路基板4の配線パターンとを接続する図示しない一対の導通部材を通すための二つに切欠部4bと、プラグ押さえ9の略三角形状の先端部が貫通する略三角形状の貫通孔4cとを備える。
【0046】
貫通孔4cは、ケース本体1の底部に基端部側が固定されるプラグ押さえ9の先端側が貫通し、回路基板4より少しだけプラグ押さえ9の先端側が容器7側に突出している。これにより、ケース3を蓋2とケース本体1の底部とから押圧しても、回路基板4と内蔵2次電池6を収納した容器7とが接触しないようになっている。したがって、後述のように隔壁として機能する容器7の底部と、回路基板4とが接触するのを防止しており、容器7と回路基板4との間に間隔が保持される。さらに、基板用支持板1dは、回路基板4より少しだけ容器7側に突出しており、基板用支持板1dも容器7と回路基板4とが当接するのを防止している。なお、容器7の底部は、プラグ押さえ9および基板用支持板1dの先端に当接した状態となっている。
【0047】
回路基板4は、難燃性のものであり、炎に晒されるようなことがあっても、炎がなくなれば、直ぐに燃焼が終了するものである。例えば、回路基板4は、装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験で、材料の燃え難さの度合いを表す規格であるUL94規格において、V−0以上であることが好ましい。なお、UL94で規定する耐燃焼性は,強い方から5VA,5VB,V−0,V−1,V−2,HBであり、回路基板4は、例えば、5VA,5VB,V−0のいずれかであることが好ましい。
また、プリント配線基板の部材である銅張り積層板の難燃性を示す指標であるFRグレードにおいて、FR−4以上であることが好ましい。なお、難燃性は、弱い方からFR−1、FR−2、FR−3、FR−4、FR−5、FR−6であり、回路基板4は、FR−4、FR−5、FR−6のいずれかであることが好ましい。
【0048】
内蔵2次電池6は、矩形板状のケースに収納されたリチウムイオン電池であり、一方の端面の中央に、マイナス端子6aが設けられ、一方の側面から一方の端面側に延在する導通部材6cにより導かれてプラス端子6bが一方の端面側に配置されている。これらのマイナス端子6aと、プラス端子6bに上述のように保護回路基板13の配線パターンが接続されている。
【0049】
ここで、内蔵2次電池6は容器7の中に配置され、保護回路基板13は容器7の外に配置されており、マイナス側の導通部材18と、プラス側の導通部材6cが容器7内から容器7外に延在し、内蔵2次電池6と保護回路基板13の配線パターンとを電気的に接続するようになっている。
【0050】
容器7は、矩形状の底部の壁と、底部の周囲に配置される4つの周囲の壁とから一面が開口した箱状に形成さている。また、容器7は薄い形状で略板状となっている。容器7の内部の大きさは、内蔵2次電池6が丁度収まる程度の大きさとなっている。また、容器7の互いに平行な底面と開口側の面とが最も広い面となっており、容器7の底部がケース3内の空間を底部側と蓋2側とに二分する隔壁7aとなっている。ケース3内に容器7を配置した状態で、ケース3の底部を構成する底板(底壁)と、容器7の底板(底壁)とが平行となっている。
【0051】
なお、容器7全体が隔壁となっていると見ることも可能であり、ケース3内の空間が、容器7内と容器7外とに分離されている。したがって、容器7の底壁である隔壁7aは、必ずしもケース3内を完全に二分する状態となっていなくてもよい。
また、内蔵2次電池6が有る空間と回路基板4がある空間が隔壁7a(容器7)により分離されるが、内蔵2次電池6と回路基板4とは電気的に接続されている必要があり、上述のように導通部材6c、導通部材18が容器7の内外に渡って配置されている。
また、容器7の一方の端面には、電池保護回路基板13を容器7本体との間に挟んで保持する保護回路基板保持部7bが設けられている。
【0052】
また、容器7の開口は、ケース本体1の開口を塞ぐ蓋2により塞がれている。すなわち、蓋2は、容器7とケース本体1との両方に兼用される蓋2となっている。
蓋2を閉じる際には、まず、容器7内に内蔵2次電池6を収容するとともに、電池保護回路基板13を保護回路基板保持部7bに保持させ、容器7の開口がある面側で、容器7の周囲の壁の先端面と蓋2とを嵌合させるとともに、容器7の周囲の壁の先端面と蓋2の内面とを溶着により接合する。
次に、この蓋2を回路基板4等の部品を収納した状態のケース本体1の開口がある面で、ケース本体1の周囲の壁の先端面に溶着する。なお、容器7は、その底部がケース3の底部より一回り小さくなっている。
【0053】
容器7の底面と内蔵2次電池6との間には、内蔵2次電池6から電解液が漏出した場合に、電解液を吸収して保持するシート状の電解液吸収材11が配置されている。リチウムイオン電池の電解液は、有機系の電解液であり、電解液吸収材11は、例えば、この電解液を吸収するように有機系の電解液に親和性があり、かつ、この電解液に解けない材質であることが好ましい。
【0054】
また、電解液吸収材11は、不織布や織布等の繊維からなるものや、連通多孔質であるスポンジ状のものなど、液を吸収する空隙があるものを用いることができる。
また、難燃性であることが好ましく、例えば、UL94の規定でV−0以上であることが好ましい。なお、ケース3や容器7やプラグ押さえ9等も同様の難燃性であることが好ましい。
【0055】
ケース3(ケース本体1および蓋2)、容器7、プラグ押さえ9等は、合成樹脂製であり、合成樹脂としては、たとえば、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、アクリロニトリル/ブタジェン/スチレン共重合樹脂、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、オレフィン系樹脂等の各種合成樹脂を用いることが可能である。但し、ケース3、容器7、プラグ押さえ9等は、上述のように難燃性であることが好ましく、上述の樹脂のうち難燃性の樹脂が好ましい。しかし、必ずしも難燃性でない合成樹脂であっても、添加物の添加等により難燃性を有するものとなったり、難燃性が高められたりした合成樹脂が知られており、これらを用いるものとしてもよい。また、合成樹脂が電解液に解け難い材質であることが好ましい。これらケース3、容器7、プラグ押さえ9等のそれぞれの一部または全部を金属製としてもよい。
【0056】
また、電解液吸収材11は、容器7の最も広い内面である底面と、内蔵2次電池6の最も広い外面との間に挟まれて配置さているとともに、内蔵2次電池6の最も広い面の中央部に対応する部分に開口部11aが形成されている。この開口部11aは、電解液吸収材11の中央部に対応する位置に形成されることになり、ここでは矩形状となっている。
【0057】
リチウムイオン電池である板状の内蔵2次電池6は、充放電を繰り返すと膨らむことが知られているとともに、漏液するような場合もその前に膨らむ可能性が高い。この内蔵2次電池6が膨らむとともに電解液が漏出した場合に、上述のように容器7と内蔵2次電池6に挟まれている電解液吸収材が押されることになる。この場合に吸収した電解液が押し出される可能性がある。そこで、電解液吸収材11の内蔵2次電体6が膨らんだ場合に、押される可能性がある部分に開口部11aが形成されている。なお、開口部11aに代えて、周囲より厚みが薄い部分を開口部11と略同様の大きさ(範囲)で、電解液吸収材11に設けるものとしてもよい。
【0058】
このようなモバイルバッテリ10においては、ケース3内の空間がまず、難燃性の回路基板4により回路基板4の一方面とケース3のケース本体1の底面とに挟まれた第1の空間と、回路基板4の他方の面とケース3の蓋2の内面とに挟まれた第2の空間とに略二分されていることになる。
【0059】
第1の空間側となる回路基板4の一方の面に、プラグ5を含む上述の商用交流電圧入力回路41、交流−直流電圧変換回路42、充電制御回路43、放電制御回路45の主要部品が配置されている。したがって、これら主要部品と、内蔵2次電池とは、回路基板4に分断された状態で配置され、例えば、主要部品の発熱による熱が内蔵2次電池6側に伝わるのを回路基板4が抑制し、内蔵2次電池6の発熱による熱が主要部品に伝わるのを回路基板4が抑制している。
【0060】
また、内蔵2次電池6から漏出した電解液が主要部品側に至るのを回路基板4により抑制している。
また、回路基板4に内蔵2次電池6が直接実装されておらず、回路基板4と内蔵2次電池6が離れているので、内蔵2次電池6から回路基板4に漏出した電解液が伝わり難い構成になっている。
【0061】
また、内蔵2次電池と回路基板4との間には、隔壁7aとして機能する容器7があり、隔壁7aによって、回路基板4がある空間と、内蔵2次電池6がある空間が分離されている。これにより、回路基板4の主要部品と内蔵2次電池6との間の上述のような熱の伝動をさらに抑制することができる。
また、漏れた電解液が主要部品側に向かうのを隔壁7aにより防止できる。すなわち、熱の伝動と、電解液の移動を回路基板4と隔壁7aとにより2重に抑制することができる。また、隔壁7aと回路基板4とは、上述のように離れており、隔壁7aと回路基板4との間に少しだけ空隙があることにより、熱の伝動をさらに抑制することができる。
【0062】
また、隔壁7aは、内蔵2次電池6を収容する容器7からなっており、内蔵2次電池6と上述の主要部品を有する回路基板4とが容器7の内側と外側により分離されることになり、分離をより確実なものにできる。
また、容器7内には、電解液を吸収可能な電解液吸収材11が配置されており、内蔵2次電池6から電解液が漏れた場合に、この電解液が電解液吸収材11に吸収されることにより、電解液が容器7内やケース3内を流動するのを防止できる。これにより、さらに確実に電解液が主要部品側に向かうのを防止できる。
【0063】
また、電解液吸収材11には、内蔵2次電池6の膨らみ易い部分に開口部11aが形成されているので、内蔵2次電池6が膨らんでも、電池内部に外圧が加わるのを抑制し、また、それに押されて吸収した電解液が滲み出すのを防止できる。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図4図6に示すように、第2の実施の形態のモバイルバッテリ10xは、第1の実施の形態のモバイルバッテリ10と略同様の構成を有するものであるが、ケース3xの形状や、隔壁7xの形状や、内蔵2次電池6xの形状等が異なっている。
【0065】
モバイルバッテリ10xは、第1の実施の形態の場合と同様に、ケース3xを備えるとともに、このケース3x内に、ケース3xに対して90度の範囲で回転することによりケース3xに出没自在なプラグ5を有する商用交流電圧入力回路41、交流−直流電圧変換回路42、充電制御回路43、USB出力端子15を備える放電制御回路45とが備えられている。また、ケース3x内には、これら開口の主要部品が一方の面に実装されている回路基板4xと、リチウムイオンバッテリである内蔵2次電池6xと、電解液吸収材11xと、電池保護回路基板13xとを備える。
【0066】
ケース3xは、第1の実施形態と同様に蓋とケース本体に二分されるようになっている。たとえば、ケース3xの最も広い一対の面のどちらかが開口するとともに蓋が取り付けられる。また、ケース3xのケース本体には、隔壁7xが一体に形成され、隔壁7xによりケース3x内の空間が二分された状態となっている。なお、隔壁7xは、直方体状のケース3xの長さの異なる4つずつ3組の辺のうちの一組の最も長い辺に沿って配置されるとともに、他の組の辺に直交して配置される。また、隔壁7xは、直方体状のケース3xの最も長い辺に沿って配置される面のうちの狭い方の一対の面に平行に配意される。
【0067】
隔壁7xにより分離された空間のうちの一方に上述の各回路の主要部品が一方の面に実装された回路基板4xが配置されている。
回路基板4xは、隔壁7xと平行に配置されるとともに、隔壁7xから少しだけ離れて配置され、隔壁7xとの間に空隙を有する。回路基板4xは、隔壁7xより少しだけ面積狭くなっているが、回路基板4xも、隔壁7xと同様にケース3x内の空間を2つに仕切るように配置されている。
【0068】
また、回路基板4xは、隔壁7xの反対側、すなわち、内蔵2次電池6xが収容されるケース3x内の空間の反対側を向く一方の面に、商用交流電圧入力回路41、交流−直流電圧変換回路42、充電制御回路43、放電制御回路45の主要部品が配置されている。
したがって、主要回路が配置されるケース3x内の空間と、内蔵2次電池が配置されるケース3x内の空間とが回路基板4xに仕切られた状態となっている。
【0069】
また、回路基板4xは、第1の実施の形態と同様に難燃性を有するものである。
ケース3x内の隔壁7xに仕切られた空間のうちの回路基板4が収容されていない方の空間内に、内蔵2次電池6xが配置されている。したがって、回路基板4xと、内蔵2次電池6とは、それぞれケース3内の隔壁7xで仕切られた異なる空間内に配置されている。
【0070】
隔壁7xに区切られたケース3x内の空間のうちの内蔵2次電池6xが配置される空間には、電池保護回路基板13xが配置されている。なお、第1の実施の形態では、隔壁7aとなる箱状の容器7の外側に電池保護回路基板13が配置されている。第1の実施の形態の場合には、電解液が漏出した場合に、電池保護回路基板13が電解液に接触しないように隔壁7aとなる容器7の外側、すなわち、隔壁7aに区切られる空間のうちの内蔵2次電池6ではなく、回路基板4xが配置される空間に電池保護回路基板13が配置されている。
【0071】
第2の実施の形態では、電池保護回路基板13xの外面全体に、電解液に耐性がある樹脂をコーティングすることにより、電池保護回路基板13xは、電解液に濡れても問題無い状態となっている。このようなコーティングを施すことにより、第1の実施の形態においても、電池保護回路基板13を容器7内に配置する構成としてもよい。
【0072】
電池保護回路基板13xは、内蔵2次電池6xのプラス電極とマイナス電極に接続されるとともに、隔壁7xを貫通する配線により回路基板4xの配線パターンに接続されている。
【0073】
また、ケース3x内の隔壁7xに区切られて内蔵2次電池6xが配置される空間には、電解液吸収材11xが配置されている。電解液吸収材11xは、隔壁7xと内蔵2次電池6xとの間に配置されている。また、電解液吸収材11xは、シート状の部材であり、第1の実施の形態の電解液吸収材11と同様の材質であるが、開口部は設けられていない。
【0074】
第2の実施の形態の内蔵2次電池6xは、円柱状なので、膨らむようなことがあっても、広い面に渡って電解液吸収材11を押圧するような状態とならないので、開口部を設けない構成となっている。
【0075】
このようなモバイルバッテリ10xにおいても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。たとえば、回路基板4xと隔壁7xとにより、回路基板4xに実装された主要部品と、内蔵2次電池6xとが互いに熱的に影響するのを防止できるとともに、内蔵2次電池6xから漏出した電解液が主要部品側に移動するのを防止できる。
また、隔壁7xがケース3xに一体的に設けられているので、内蔵2次電池6を容器7内に収納してからケース3内に収容するより、組立を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ケース本体
2 蓋
3 ケース
3x ケース
4 回路基板
4x 回路基板
5 プラグ
6 内蔵2次電池
6x 内蔵2次電池
7 容器
7a 隔壁
7x 隔壁
11 電解液吸収材
11a 開口部
11x 電解液吸収材
41 商用交流電圧入力回路
42 交流−直流電圧変換回路
43 充電制御回路
44 リチウムイオン組電池(内蔵2次電池)
45 放電制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6