(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、参考例のセグメント表示型の液晶表示装置における表示パターンの一例を示す図である。
【
図2】
図2(A)および
図2(B)は、それぞれ、各電極に設けられた複数の開口部の構造を示す平面図である。
【
図3】
図3は、各開口部の配置状態を特定するためのパラメータを示した平面図である。
【
図4】
図4(A)は、B部の配向組織を示す顕微鏡観察像であり、
図4(B)は、C部の配向組織を示す顕微鏡観察像である。
【
図5】
図5(A)は、シミュレーション解析に用いたコモン電極の構造を示す図であり、
図5(B)は、シミュレーション解析に用いたセグメント電極の構造を示す図である。
【
図6】
図6(A)は、シミュレーションによる配向組織の計算結果を示す図である。
図6(B)は、シミュレーションによる配向組織の計算結果に液晶分子の配向状態を重ねて示した図である。
【
図7】
図7(A)は、シミュレーション解析に用いたコモン電極の構造を示す図であり、
図7(B)は、シミュレーション解析に用いたセグメント電極の構造を示す図である。
【
図8】
図8(A)は、シミュレーションによる配向組織の計算結果を示す図である。
図8(B)は、シミュレーションによる配向組織の計算結果に液晶分子の配向状態を重ねて示した図である。
【
図9】
図9は、一実施形態の液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【
図10】
図10(A)は、7セグメントの表示部におけるA部を含むセグメント部における表示部を示す図であり、
図10(B)は、この表示部を構成するコモン電極とセグメント電極のパターン例(形状例)を示す図である。
図10(C)は、表示部内に複数配置される各開口部の延在方向と表示部のエッジとのなす角度θを示す図である。
【
図11】
図11(A)は、
図10(B)に示したD部のセグメント電極を示す拡大平面図であり、
図11(B)は、
図10(B)に示したD部のコモン電極を示す拡大平面図であり、
図11(C)は、
図10(B)に示したD部のセグメント電極とコモン電極を重ねて示した拡大平面図である。
【
図12】
図12(A)は、
図10(B)に示したE部のセグメント電極を示す拡大平面図であり、
図12(B)は、
図10(B)に示したE部のコモン電極を示す拡大平面図であり、
図12(C)は、
図10(B)に示したE部のセグメント電極とコモン電極を重ねて示した拡大平面図である。
【
図13】
図13は、表示部のエッジより内側に所定幅の領域に各開口部を配置しない構成とした場合の電極構成例を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願発明者は、上記した複数の開口部を利用した斜め電界配向制御法をセグメント表示型の液晶表示装置に適用した場合において、表示図柄の輪郭がギザギザ状に視認されるという不都合が生じる場合を詳細に検討することによってその原因についての知見を得て、この知見に基づいて本願発明を着想するに至った。以下では、まず、従来技術における不具合の原因の検討により得られた知見について説明し、次いでこの知見に基づく本発明の一実施形態について説明する。
【0014】
なお、本明細書において「セグメント表示型」とは、電極同士の重なり合う領域が表示したい文字や図案などの表示図柄を直接的に形作るように構成され、基本的に予め定めた文字等の表示図柄のみを表示可能なものをいい、概ね、液晶表示装置の有効表示領域内における面積比で50%以下程度の領域が文字等の表示に寄与するものである。この点、規則的に配列された略同一形状の複数の画素のうちからいくつかの画素を適宜に組み合わせて様々な文字等を自在に形作ることが可能なドットマトリクス表示型とは異なる。
【0015】
図1は、参考例のセグメント表示型の液晶表示装置における表示パターンの一例を示す図である。一例としてここでは、数字を表現する7セグメントの表示パターンが示されている。なお、この表示パターンを有する液晶表示装置の構造は後述する
図9に示すものと同様である。具体的には、液晶表示装置は、セグメント電極を有する基板とコモン電極を有する基板とを対向配置させ、それらの間に液晶層を配置した構造を備えており、セグメント電極とコモン電極のそれぞれには複数の開口部が設けられている。この液晶表示装置の液晶層は、電圧無印加時において液晶分子の配向方向が各基板面に対して垂直である垂直配向型である。また、各基板の外側にはそれぞれ偏光板が配置されており、各偏光板の吸収軸はクロスニコル配置され、かつ各開口部の長手方向に対して略45°の方向に一方の吸収軸が配置されている。
【0016】
図2(A)は、各電極に設けられた複数の開口部の構造を示す平面図である。ここでは
図1に示した表示パターンのA部を拡大して示している。図示のように、表示パターン内には、それぞれの長手方向を図中の上下方向に向けて配列された各開口部が示されている。詳細には、実線で示された各開口部119はコモン電極に設けられたものであり、点線で示された各開口部118はセグメント電極に設けられたものである。
【0017】
図示のように、コモン電極の各開口部119は、それぞれの長手方向に沿って列をなすようにして配置されており、かつ短手方向に沿って等間隔で配置されており、全体としては上下左右の各方向に沿ったマトリクス状に配列されている。セグメント電極の各開口部118も同様に配列されている。そして、コモン電極の各開口部119とセグメント電極の各開口部118とは、お互いが平面視において重なることなく、それぞれの短手方向(図中の左右方向)に沿って1つずつ交互に配置されている。また、表示パターンのA部における表示部のエッジ131は、図中の上下方向(第1方向)と左右方向(第2方向)のいずれに対しても平行ではなく、直交もしておらず、ある角度をもって配置されている。
【0018】
なお、
図2(B)に例示するように、表示部のエッジ131から内側に所定幅の領域(例えば、30μm幅の領域)には各開口部118、119を配置しない態様も好ましい。それにより、例えばエッチング不良等により、各開口部118、119の一部において、長手方向に隣接する開口部同士が結合したとしても電極の断線を防止することができる。
【0019】
図3は、各開口部の配置状態を特定するためのパラメータを示す平面図である。図示のように、セグメント電極の各開口部118の長辺長さをSL、短辺長さをSw、長手方向に隣接する開口部同士の間隔をSPと定義し、コモン電極の各開口部の長辺長さをCL、短辺長さをCw、長手方向に隣接する開口部同士の間隔をCPと定義し、各々の短手方向に隣接して開口部118と開口部119のエッジ間隔をPと定義する。上記した
図2(A)、
図2(B)に示した参考例の液晶表示装置では、SL=CL=100μm、Sw=Cw=10μm、CP=7.5μm、P=35μmとしている。
【0020】
上記した参考例の液晶表示装置に対して、セグメント電極とコモン電極間に閾値電圧以上の電圧を印加することにより表示部をすべて明表示状態にし、その外観状態を観察した。その結果、全方位の法線から傾斜した方位においても輝度変化が少なく良好な視角特性を得られることがわかったが、正面観察時において、表示パターンの一部のエッジでギザギザ状に視認される表示ムラが生じていることが確認された。この原因を解析するために、
図1に示したB部およびC部に対応する領域の配向組織を顕微鏡にて観察した。
図4(A)はB部の配向組織を示す顕微鏡観察像であり、
図4(B)はC部の配向組織を示す顕微鏡観察像である。なお、ここでは、表示部のエッジ131から内側に30μmの範囲には各開口部118、119は配置されていない(
図2(B)参照)。
図4(A)において上下方位に対して鋭角をなす2つの表示部のエッジにおいて配向不良による暗領域が表示部のエッジより内側に生じていることがわかる。
図4(B)においても同様な傾向が観察されることがわかる。
【0021】
図4(A)、
図4(B)の配向組織像から、外観上で表示部のエッジがギザギザに見える現象は表示部のエッジ付近に発生した配向不良によるものと考えられる。
図4(B)において、表示パターンの下方向において鋭角に交わる2辺の各近傍における暗領域の発生状況を観察すると、短手方向において隣接する開口部同士の間に1間隔おきに暗領域が発生していることがわかる。また、発生している暗領域を詳しく観察すると、ほとんどの場合において表示部のエッジから表示部の内側に向かって「明、暗、明、暗、明」の順で明領域と暗領域が交互に繰り返している。
【0022】
上記のような暗領域が発生する原因を明確に解析するため、(株)シンテック製液晶表示機3次元シミュレータLCD MASTER 8を用いて、上記した表示部のエッジと同様な電極構造で電圧印加がされたときの配向組織および配向状態を計算した。参考例と同様の構造の液晶表示装置を平面から観察したときの表示面として60μm角の領域を定義してこれを30分割し、液晶層を層厚方向に20分割したモデルにおいて、
図5(A)に示すコモン電極、
図5(B)に示すセグメント電極が液晶層を挟んで配置されている(グレー部分が電極)。セグメント電極には上下方位に延在する開口部が設けられており、表示部のエッジが開口部の延在方向(図中の上下方向)に対して30°の角度をなすように設定されている。液晶層は、誘電率異方性Δε<0、屈折率異方性Δn=0.0914の液晶材料で満たされており、液晶分子が基板面に対して垂直に配向しており、層厚が4μmに設定されている。このようなモデルの液晶表示装置において、コモン電極に0V、セグメント電極に5Vの電圧を印加したときに液晶層内の配向状態が定常状態になるまでの動特性を計算し、定常状態における配向組織を計算した。
【0023】
図6(A)は上記シミュレーションによる配向組織の計算結果を示す図である。セグメント電極のエッジから表示部の内側に向かって「明、暗、明、暗、明」の順で明領域と暗領域が繰り返し現れており、上記した
図4(B)に示された現象が再現されていることがわかる。このシミュレーション解析において得られた液晶層の層厚方向の中央における液晶分子の配向状態を
図6(A)に重ねて示すと
図6(B)のようになる。
図6(B)に示すように、開口部とエッジの間で液晶分子の配向方向が90°以上回転し、それにより液晶分子の配向方向と偏光板の吸収軸の方向とが略平行になる領域が2か所発生するため、表示部のエッジから表示部内側に向かって明暗変化が上記で示す通り発生すると考えられる。
【0024】
上記のような電圧印加時における液晶分子の配向方向の回転ができるだけ少なくなるようにするため、次のような電極構造を検討した。
図7(A)にコモン電極、
図7(B)にセグメント電極の構造をそれぞれ示す。セグメント電極は
図6(B)のものと同じ構造であるが、コモン電極にはセグメント電極によって定義される表示部のエッジを跨ぐようにしてエッジ形状に沿った開口部が設けられている。このような電極構造を有するモデルの液晶表示装置において、コモン電極に0V、セグメント電極に5Vの電圧を印加したときに液晶層内の配向状態が定常状態になるまでの動特性を計算し、定常状態における配向組織を計算した。計算の諸条件については上記と同様である。
【0025】
図8(A)は上記シミュレーションによる配向組織の計算結果を示す図である。図示のように、表示部のエッジ付近では上下方向に延在する開口部のエッジ近辺に比べると透過率が低くなるが、参考例の液晶表示装置の配向組織(
図7(A)参照)と比べると表示部のエッジから表示部内側に向かう明暗変化が少なく、暗領域が発生しないことが分かる。このシミュレーション解析において得られた液晶層の層厚方向の中央における液晶分子の配向状態を
図8(A)に重ねて示すと
図8(B)のようになる。図示のように、液晶分子の配向方向の回転が45°未満となっていることから、表示部のエッジから表示部内側に向かって偏光板の吸収軸と液晶分子の配向方向が平行になる領域が存在しないため、表示部のエッジから表示部内側に離れた領域に暗領域が形成されないことが分かる。
【0026】
以上のような検証から得られた知見を踏まえた一実施形態による液晶表示装置について以下に説明する。
【0027】
図9は、一実施形態の液晶表示装置の構造を示す断面図である。この液晶表示装置は、対向配置された第1基板11および第2基板12と、両基板の間に配置された液晶層17を基本構成として備える。
【0028】
第1基板11および第2基板12は、それぞれ例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、第1基板11と第2基板12は、所定の間隙(例えば4μm程度)を設けて貼り合わされている。
【0029】
セグメント電極(第1電極)13は、第1基板11の一面側に設けられている。同様に、コモン電極(第2電極)14は、第2基板12の一面側に設けられている。セグメント電極13およびコモン電極14は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。セグメント電極13とコモン電極14は、互いの重なり合う領域がセグメント表示部の所定の文字や図案を形作るように形成されており、具体的には上記した
図1に示した表示部を形作るように形成されている。
【0030】
配向膜15は、第1基板11の一面側にセグメント電極13を覆うようにして設けられている。配向膜16は、第2基板12の一面側にコモン電極14を覆うようにして設けられている。これらの配向膜15、16としては、液晶層17の配向状態を垂直配向に規制する垂直配向膜が用いられている。各配向膜15、16にはラビング処理等の一軸配向処理は施されていない。
【0031】
液晶層17は、第1基板11と第2基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層17が構成される。液晶材料の屈折率異方性Δnは、例えば0.1程度である。液晶層17に図示された太線は、液晶層17における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層17は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が第1基板11および第2基板12の各基板面に対して略垂直となる垂直配向に設定されている。
【0032】
複数の開口部(第1開口部)18は、セグメント電極13に設けられている。同様に、複数の開口部(第2開口部)19は、コモン電極14に設けられている。詳細には、各開口部18および各開口部19は、それぞれの長手方向に沿って列をなすようにして配置されており、かつ短手方向に沿って等間隔で配置されており、全体としては上下左右の各方向に沿ったマトリクス状に配列されている。そして、各開口部18と各開口部19とは、お互いが平面視において重なることなく、それぞれの短手方向に沿って1つずつ交互に配置されている(上記
図3参照)。また、ここでは図示しないがセグメント電極13およびコモン電極14には他に複数の開口部も設けられており、その詳細については後述する。
【0033】
偏光板21は、第1基板11の外側に配置されている。同様に、偏光板22は、第2基板12の外側に配置されている。偏光板21と偏光板22は、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。また、各偏光板21、22と各基板11、12との間には適宜Cプレート等の光学補償板が配置されてもよい。例えば本実施形態では、第1基板11と偏光板21の間、第2基板12と偏光板22の間のそれぞれに光学補償板23、24が配置されている。
【0034】
図10(A)は、7セグメントの表示部におけるA部(
図1参照)を含むセグメント部における一表示部を示す図であり、
図10(B)はこの表示部を構成するコモン電極とセグメント電極のパターン例(形状例)を示す図である。また、
図10(C)は、表示部内の各開口部またはその延長線が表示部のエッジと交差する角度θを説明する図である。
図10(B)において点線で示されているのがセグメント電極13の外形であり、実線で示されているのがコモン電極14の外形である。
図10(A)および
図10(B)に示すように、セグメント電極13とコモン電極14の重なる領域が表示部30となり、この表示部30の外縁が表示部30のエッジ31に相当する。なお、
図10(B)では図示を省略しているが、各電極には複数の開口部18、19がそれぞれ設けられている。
図10(B)に示したD部、E部のそれぞれの拡大図を次に示す。
【0035】
図11(A)は、
図10(B)に示したD部のセグメント電極を示す拡大平面図であり、
図11(B)は、
図10(B)に示したD部のコモン電極を示す拡大平面図であり、
図11(C)は、
図10(B)に示したD部のセグメント電極とコモン電極を重ねて示した拡大平面図である。同様に、
図12(A)は、
図10(B)に示したE部のセグメント電極を示す拡大平面図であり、
図12(B)は、
図10(B)に示したE部のコモン電極を示す拡大平面図であり、
図12(C)は、
図10(B)に示したE部のセグメント電極とコモン電極を重ねて示した拡大平面図である。なお、各開口部18、19の設計パラメータは参考例で示した条件と同様である。各開口部18、19は、それぞれ、長手方向において連なって配置されており、かつ短手方向においては平面視で交互に配置されている。
【0036】
例えば、
図11(C)に示すF部のように、コモン電極14の方がセグメント電極13より表示部30のエッジ31の外側へ張り出している部分では、コモン電極14において表示部30のエッジ31に沿って1つ又は複数の開口部25が設けられる。このコモン電極14に設けられた各開口部25は、平面視においてセグメント電極13の各開口部18と左右に隣接するコモン電極14の各開口部19のどちらか一方との間に配置されている。なお、各開口部25は、必ずしも互いが同じ形状(長さ)となっていなくてもよい。
図12(C)に示す例においても同様に各開口部25が設けられている。
【0037】
一方、例えば
図12(C)に示すG部のように、セグメント電極13の方がコモン電極14より表示部30のエッジ31の外側へ張り出している部分では、セグメント電極13において表示部30のエッジ31に沿って1つ又は複数の開口部26が設けられる。このセグメント電極13に設けられた各開口部26は、平面視においてコモン電極14の各開口部19と左右に隣接するセグメント電極13の各開口部18のどちらか一方との間に配置されている。なお、各開口部26は、必ずしも互いが同じ形状(長さ)となっていなくてもよい。
図11(C)に示す例においても同様に各開口部26が設けられている。
【0038】
なお、表示部30のエッジ31に沿って配置される各開口部25は、それらが設けられたコモン電極14のいずれかの開口部19と接続されていてもよい。同様に、表示部30のエッジ31に沿って配置される各開口部26は、それらが設けられたセグメント電極13のいずれかの開口部18と接続されていてもよい。また、表示部30のエッジ31に沿って配置される各開口部25、26は、その延在方向で分断されていてもよい。また、表示部30のエッジ31に沿って配置される各開口部25、26は、表示部30のエッジ31の内側に内包されていてもよいし、表示部30のエッジ31を跨がるように配置されていてもよい。
【0039】
また、各開口部25、26は、セグメント電極13とコモン電極14の間に電圧を印加した時に、仮に各開口部25、26が配置されなかったとしたら表示部30のエッジ31から表示部30の内側に向かって液晶分子の配向方向が90°以上回転する箇所に対して選択的に配置してもよい。このような箇所は、例えば上記したシミュレーション解析によって特定することが可能である。
【0040】
また、
図10(C)に例示するように、各開口部25、26は、表示部内に複数配置される各開口部18、19の延在方向(図中の上下方向)と表示部のエッジ31とのなす角度θが0°より大きく45°未満である表示部30のエッジ31に対して選択的に配置することが好ましく、さらに角度θが30°以下である表示部30のエッジ31に対して選択的に配置することが好ましい。
【0041】
また、
図13に例示するように、表示部30のエッジ31より内側に所定幅(例えば30μm)の領域33に各開口部18、19を配置しない構成とした液晶表示装置においては、表示部30のエッジ31に沿って配置する各開口部25、26は、所定幅の領域33において表示部30のエッジ31に近い位置に配置されることが好ましい。このような配置を採用した場合にも上記した実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
以上のような実施形態によれば、複数の開口部を用いた斜め電界配向制御法を適用するセグメント表示型の液晶表示装置において、外観観察時における表示図柄の輪郭がギザギザ状に視認させる現象を抑制して表示品位を向上させることが可能となる。
【0043】
なお、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。上記した実施形態では直線状の表示部のエッジに沿ってその表示部のエッジと各開口部の長手方向とがほぼ平行となるようにして各開口部を配置していたが、表示部のエッジが曲線またはポリゴン線で構成されている場合にはその曲線またはポリゴン線の一接線に平行な方向に各開口部を配置すればよい。また、上記した実施形態では、表示部内に配置された各開口部はそれぞれが一方向に伸びた形状(一例として矩形状)に形成されていたが、各開口部は二方向にそれぞれ伸びた形状の開口部が設けられていてもよい。この場合には、表示部内の各開口部またはその延長線が表示部のエッジと交差する角度θ(
図10(C)参照)が45°未満、より好ましくは30°以下である時に、表示部のエッジに沿った開口部を設けることが好ましい。