特許第6139363号(P6139363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139363
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】顔料とベシクルを含む化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20170522BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 8/14 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20170522BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20170522BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61K8/891
   A61K8/19
   A61K8/14
   A61K8/73
   A61K8/06
   A61Q19/00
   A61Q1/02
   A61Q1/10
【請求項の数】5
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-206040(P2013-206040)
(22)【出願日】2013年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-88374(P2014-88374A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2016年3月22日
(31)【優先権主張番号】特願2012-220798(P2012-220798)
(32)【優先日】2012年10月2日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年7月6日大阪国際交流センターにおいて開催された日本化粧品技術者会第70回研究討論会で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】増渕 祐二
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−105379(JP,A)
【文献】 特開平05−017324(JP,A)
【文献】 特開平04−359914(JP,A)
【文献】 特開平05−000924(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/013864(WO,A1)
【文献】 特開2008−255109(JP,A)
【文献】 特開2014−074088(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/132444(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C08F 290/06
C08F 220/02−220/40
C08F 220/60
C08F 226/04
C08F 230/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする化粧料
A)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られるカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合
a)下記一般式(I)
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH2−又は−O−CH2CH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Z-は対アニオンを表す。)で表される化合物、及び一般式(III)
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Z-は対アニオンを表す。)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
(B)顔料
(C)ベシクル組成物
【請求項2】
成分(C)がリポソームであることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
さらに成分(D)として水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
成分(A)のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の含有量が、0.1〜5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。
【請求項5】
前記記載の化粧料が、水中油型乳化化粧料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体と、化粧料顔料、及びベシクル組成物を含有する化粧料に関し、詳しくは、リポソームの安定配合により保湿性が高く、顔料の分散安定性に優れ、さらに化粧持続効果にも優れる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
リン脂質の閉鎖小胞であるリポソームは、医薬分野、化粧品分野において、薬剤のデリバリーや角層貯留効果を目的とした、スキンケア基材として広く応用されている。近年、化粧品分野においては、スキンケア化粧料に留まらず、顔料を含有するファンデーションや下地等のメイクアップ化粧料においても、より高いスキンケア効果が求められるようになり、顔料(粉体)とリポソームとを含有する化粧料に関する研究がなされている(特許文献1、2参照)。
【0003】
水中油型、あるいは水性のリポソーム含有化粧料に粉体を配合すると、粉体の表面活性によってリポソームの二分子膜構造が破壊されてしまい、リポソームによる保湿機能が減少してしまう。従って、多量の粉体や、微粒子金属酸化物等の表面活性の高い粉体を配合する場合には、リポソームの安定化を図ることが非常に困難であるため、粉体の表面活性を抑えるためには、顔料の表面改質技術が求められる。また、顔料を含有する水中油型化粧料において、例えば内油相のみに顔料を配合すると、化粧料の外観と塗布膜の色とのギャップ差が大きく、また乳化不良等の問題が生じるため、水性相への顔料分散は必須である。
【0004】
一方、顔料の分散性向上を目的とした研究としては、DLVO理論に基づき、顔料への樹脂吸着による立体障害効果と静電的反発力を鑑みた検討がなされている。例えば、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合して得たアクリル−シリコーン系グラフト共重合体(例えば、特許文献3参照)を顔料の表面に吸着させることが試みられている。該アクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、ジメチルポリシロキサン基を有する親油性の樹脂であるため、肌に塗布した化粧膜は疎水性となり、化粧持続効果には優れるものの化粧膜は硬く、また水性溶媒への分散剤としては適さないものであった。
【0005】
しかしながら従来、水性溶媒への顔料分散性を向上させると、肌に塗布した化粧膜が親水性となるため、汗に弱く、経時での化粧持続効果において、満足のいく化粧料を得ることができなかった。そのため、水性溶媒への顔料分散性に優れながらも、且つ化粧持続効果に優れる樹脂が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−269720号公報
【特許文献2】特開2009−242305号公報
【特許文献3】特許第2704730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、共存するベシクル(リポソーム)を破壊することなく、水性溶媒への顔料分散性と、化粧持続効果に優れる樹脂を開発することにより、充分なスキンケア効果を有することに加え、肌に塗布した化粧膜が皮脂や汗に強く、高い化粧持続効果を有する、顔料とリポソームを含む化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題の解決に向けて鋭意研究の結果、樹脂の親媒性に着目し、親水基となる4級アンモニウム塩を有するモノマーを使用してカチオン化したアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を開発し、顔料の分散に用いることにより、水性溶媒への分散性に優れながら、高い化粧持続効果が得られ、化粧膜も柔軟であり、且つ共存するリポソームが破壊されることがないことを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする化粧料に関する。
(A)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られるカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
(a)下記一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【0018】
【化5】
【0019】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物(B)顔料
(C)ベシクル組成物
【発明の効果】
【0020】
本発明の化粧料は、リポソームと顔料とを安定に含有することが可能であり、高いスキンケア効果、保湿感を有すると共に、毛穴やくすみ等を目立たなくするメイク効果を有し、さらにその化粧膜が皮脂や汗に強く、高い化粧持続効果を実感することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の構成について詳細を説明する。
【0022】
本発明に用いられる成分(A)のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、カチオン性の親水基を導入することにより両親媒性を有する樹脂である。カチオン性基により肌への付着性に優れるとともに、撥水性のある柔軟な皮膜を形成するため、化粧持続効果を向上させる成分である。該共重合体は、少なくとも、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であり、その他、(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを加えて反応させて得られる重合体を包含し、本発明における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを包含することを意味する。
各モノマーの仕込割合は、本発明の効果を奏する限り制限はないが、(a)〜(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20〜50質量%、(b)=0.5〜4質量%、(c)及び(d)=46〜79.5質量%であり、(c)/(d)=0.5〜1.5であることが好ましい。
【0023】
本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解するものであることが好ましい。
さらに、共重合体を20質量%となるように99.5%エタノールに溶解させたときのエタノール溶液の、25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した粘度(単位mPa・s=CS)は、50〜250、好ましくは、70〜150である。
また、本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体のTgは、好ましくは、−10〜40℃、さらに好ましくは0〜30℃である。
ここで、Tgは下記のFoxの式で算出したTgの値を示す。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg
上記式において、WからWは、毛髪化粧料用基剤の合成に使用されるn種のモノマーの各重量分率を示し、TgからTgは、各モノマーのみが重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度を示す。
さらに、本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の種々の形態を包含する。
【0024】
以下に、共重合体の原料であるモノマーについて説明する。
(a)一般式(I)で表されるラジカル重合性モノマー
【0025】
【化6】
【0026】
式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を表し、1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい。具体的には、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH10−、−CH−CH(CH)−CH−,−CHCHOCHCHCH−,−CHCHOCH(CH)CH−,−CHCHOCHCHCHOCHCHCH−などが例示される。
R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、3−シクロペンチルプロピル基、シクロへキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
mは5〜100の整数を表す。
【0027】
この式(I)で表わされるモノマーは、たとえば、式(1−a)
【0028】
【化7】
【0029】
で表わされる(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と式(1−b)
【0030】
【化8】
【0031】
で表わされる片末端水酸基置換ポリシロキサンとを常法に従い、脱塩酸反応させることにより得ることができるが、合成方法は、これに限定されるものではない。
【0032】
式(I)で表されるモノマーとしては、具体例には以下のものが挙げられる。なお以下の式中、Meはメチル基を、n−Buはn−ブチル基を示す。
【0033】
【化9】
【0034】
(b)式(II)又は式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
(b)成分は、下記式(II)又は式(III)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
式(II)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。
R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−を表す。
Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基を表し、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH−,−CH−CH(CH)−CH−等が例示される。
は対アニオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン等が例示される。
【0038】
式(III)中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、n−ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が例示される。
【0039】
(c)式(IV)で表されるラジカル重合性モノマー
【0040】
【化12】
【0041】
式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。
R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。
【0042】
(d)式(V)で表されるラジカル重合性モノマー
【0043】
【化13】
【0044】
式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。
R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等が例示される。
【0045】
(e)その他の共重合可能なモノマー
その他の共重合可能なモノマーとしては、以下の物が例示される。
((メタ)アクリル系モノマー)
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、環式化合物とメタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル;(メタ)アクリル酸グリセリル、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレート等が例示される。
【0046】
((メタ)アクリル系以外のモノマー)
クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;スチレン等の芳香族ビニル化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸;α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;(メタ)アリルアミン等の1〜3級アミノ基含有不飽和化合物;N,N−ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するウレタンオリゴマー;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するシリコーン化合物;酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が例示される。
【0047】
本発明において、上記モノマーの共重合は、特に制限はなく、公知の方法により共重合可能であるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下に行うことができ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。これらの中でも溶液重合法は、得られるグラフト共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であることより好ましい方法である。用いられる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
重合反応は50〜180℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲内において行なうことができ、この条件下に5〜10時間程度で完結させることができる。
【0048】
本発明における成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、特に限定されないが、0.1〜5質量%が好ましい。
【0049】
本発明に用いられる成分(B)の顔料は、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等、化粧料に一般に使用される粉体を挙げることができる。
【0050】
具体的に例示すれば、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等、有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機白色顔料、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら粉体は、その1種又は2種以上を用いることができ、さらに複合化や表面処理を行った粉体でも良い。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、化粧料全体に対して0.5〜30質量%が好ましい。
【0051】
本発明において、成分(A)の共重合体と、成分(B)の顔料とを、予め混合物としておくことで、より顔料分散効果が向上するため好ましい。混合方法は、特に限定されず、ロールミル、ビーズミル等を用いて、多価アルコール等の分散媒と共に混合物を調製する方法や、湿式法あるいは乾式法を用いて、予め顔料にカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を被覆、混練する方法等が挙げられる。なお、これらの成分(A)の構成成分を水、エタノール等の水性成分に分散させ、他の成分と配合することは更に好ましい。
【0052】
本発明に用いられる成分(C)のベシクル組成物は、脂質を水性成分に分散させることにより形成する脂質二分子膜により形成される閉鎖小胞の分散物である。特に、リン脂質の二分子膜により形成されるリポソームは、その膜内に、有効成分や薬剤を内包することができ、また皮膚貯留性が高いため、効果的に有効成分や薬剤の効能を発揮させることができるとともに、膜成分であるリン脂質による保湿効果の持続性が高い。成分(C)の含有量は、特に限定されないが、化粧料全体に対して0.1〜90質量%が好ましい。
【0053】
本発明の成分(C)に用いられるリン脂質としては、卵黄レシチン、大豆レシチンまたはこれらの水素添加リン脂質、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、及びスフィンゴミエリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのリン脂質の一種又は二種以上を用いることができる。また、リポソームを調製するために使用可能なリン脂質の含有量としては、化粧料全体に対して0.005〜5質量%であることが好ましい。
【0054】
本発明に用いるリポソームは、該リン脂質の二分子膜により形成される閉鎖小胞であり、粒子径は50〜300nm程度が好ましい。また膜内に有効成分等を内包することができる他、リポソームの膜構造安定化のため、コレステロールやフィトステロール等の油性成分や、コラーゲン、ポリグルタミン酸等の水溶性高分子を共存させることができる。
本発明に用いるリポソーム組成物は、公知のリポソーム含有水分散液の製造方法に従って製造することができるが、例えばリン脂質をジプロピレングリコール等の多価アルコールに分散させ、水を添加して高圧乳化機やホモミキサーを用いて均一に分散させることにより調製することができる。また、それに限定されるものではないが、リポソーム組成物は、成分(C)全体を100質量%とした場合、リン脂質を0.01〜10質量%、コレステロール又はフィトステロールを0.001〜2質量%、グリセリン及び/又は1,3−ブチレングリコールを0.01〜30質量%の配合比で含有する組成物が好ましい。
【0055】
さらに、本発明の化粧料には、成分(D)として水溶性高分子を含有することができる。水溶性高分子は、化粧料に粘度を付与し、安定性を更に向上させると共に、みずみずしさや伸びの良さ等の使用感を良好にするために用いられる。その配合量は、特に限定されないが、化粧料全体に対して0.001〜1質量%が好ましい。
本発明に用いられる水溶性高分子は、通常化粧料で使用されるものであれば特に限定されない。具体例としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)共重合体、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられ、これら一種又は二種以上を用いることができる。
【0056】
これらの中でも、前記成分(A)の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体がカチオン性であることから、高分子同士のイオン的な凝集を防ぐために、特に、ノニオン性及び/又はカチオン性高分子が好ましい。
【0057】
本発明の化粧料は、さらに目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち水(精製水、温泉水、深層水等)、界面活性剤、油剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、皮膜形成剤、樹脂、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類、ペプタイド類等を配合できる。水性成分、粉体等は、上記必須成分に用いたものと同じものを使用しても良い。
【0058】
本発明の化粧料は、水中油型乳化化粧料であることが好ましく、界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、油剤を安定に乳化する目的で配合され、カチオン性、ノニオン性、アニオン性のいずれでもよい。
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等を例示することができるが、本発明においては特に塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩が好ましい。本発明に用いるカチオン界面活性剤は、例えば、市販品として「GENAMINE STAC」(クラリアント・ジャパン社製)、「GENAMINE KDM−P」(クラリアント・ジャパン社製)等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシエーテルカルボン酸塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。
【0059】
更に、本発明の化粧料における油剤としては、特に限定されるものではないが、エモリエント効果、ツヤ感、伸びの良さ等の一般的化粧料としての目的のために配合される。油剤の種類は、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液状油、揮発性油の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類等が挙げられる。具体的には、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、揮発性ジメチルポリシロキサン等の揮発性油剤;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類;オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類;牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類;低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等が挙げられる。
【0060】
金属セッケンとしては、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0061】
ゲル化剤としては、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0062】
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン等の多価アルコール等がある。
【0063】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0064】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0065】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0066】
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
【0067】
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
その他、セラミド及びその誘導体等、肌に有用な美容成分等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて配合することができる。
【0068】
本発明の化粧料は、剤型としては、特に水中油乳化型が好ましく、その性状は、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、固形状等いずれでも構わない。また、その用途は特に限定されないが、具体的な製品としては、ファンデーション、下地化粧料、コントロール、コンシーラー、アイカラー等のメイクアップ化粧料、日焼け止め化粧料、日中用美容液、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料を挙げることができる。中でも、ファンデーション、下地化粧料は、保湿効果と化粧持続効果の両立が顕著に現れ、これまでにない良好なものである。
【実施例】
【0069】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは、本発明を何ら限定するものではない。
1 カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造
製造実施例1
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V−601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X−24−8201 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0070】
製造実施例2
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:31:27:40
(注7)X−22−174DX 信越化学工業社製
【0071】
製造実施例3
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174ASX=2:31:27:40
(注8)X−22−174ASX 信越化学工業社製
【0072】
製造実施例4
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0073】
製造実施例5
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=4:26:30:40
【0074】
製造実施例6
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20g、エチルアクリレート(注4)41.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)36.5g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:41.5:36.5:20
【0075】
製造実施例7
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)50g、エチルアクリレート(注4)23g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)25g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)100gを3〜4時間かけて添加した。次いで、IPAに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を96g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:23:25:50
【0076】
製造実施例8
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)(注9)3.34g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
DADMAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注9)DADMAC 東京化成工業株式会社製,60%水溶液
【0077】
製造実施例9
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を89g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:30:27:40
【0078】
製造実施例10
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)35g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:35:32:30
【0079】
製造実施例11
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:36:32:30
【0080】
製造実施例12
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)37g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:37:32:30
【0081】
製造実施例13
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:36:32:30
【0082】
製造実施例14
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)16g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)42g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を91g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、30℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:16.2:42.4:40.4
【0083】
製造実施例15
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)27g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)31g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、15℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0084】
製造実施例16
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20.2g、エチルアクリレート(EA)(注4)65.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)13.1g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、−10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:65.7:13.1:20.2
【0085】
2 カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体被覆処理粉体の製造
製造実施例21
前記製造実施例1で得られたカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体5.0gを、エタノールとイソプロピルアルコールの1:1混合液100gに溶解した。この溶液と、酸化チタン(CR−50 石原産業社製)95gをプラネタリーミキサー中で1時間混練後、100℃で真空乾燥して溶媒を除去し、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体で5%被覆処理された酸化チタンを得た。
【0086】
製造実施例22〜24
前記製造実施例2で得られたカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体5.0gを、エタノールとイソプロピルアルコールの1:1混合液100gに溶解した。この溶液と、赤酸化鉄(R−516P チタン工業社製)、黄酸化鉄(YP−1200P チタン工業社製)、黒酸化鉄(BL−100P チタン工業社製)それぞれ95gをプラネタリーミキサー中で1時間混練後、100℃で真空乾燥して溶媒を除去し、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体で5%被覆処理された酸化鉄を得た。
【0087】
製造実施例25
前記製造実施例1で得られたカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体0.1gを、エタノールとイソプロピルアルコールの1:1混合液100gに溶解した。この溶液と、酸化チタン(CR−50 石原産業社製)99.9gをプラネタリーミキサー中で1時間混練後、100℃で真空乾燥して溶媒を除去し、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体で0.1%被覆処理された酸化チタンを得た。
【0088】
3 リポソームの安定性試験
実施例1〜4及び比較例1〜4:実験用化粧料
表1に示す組成の実験用化粧料を、下記の製造方法にて調製後、リポソームの安定性試験を行った。得られた実験用化粧料について、下記の評価方法に基づいて、「吸光度」と「粒子径」の測定と、「マルテーゼクロス像」を観察した結果を、併せて表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
(製造方法)
A:成分1〜5を70℃で混合し、それを高圧処理して均一な脂質に分子膜を形成させることにより、リポソーム組成物を調製した。
B:Aを透析膜(VISKASE SESALES CORP社製CAT.NO.UC36−32−100;5nm)中に入れて二週間透析を行い、リポソームの外相の色素を除去することで、外相には色素が存在せず、リポソームの内相のみに色素を内包したリポソーム組成物を作成した。
C:成分6〜15を混合し、Bを加えて、実験用化粧料を得た。
【0091】
[吸光度]
実施例1〜4及び比較例1〜4の実験用化粧料を、前述の透析膜に入れて150mlの精製水中で12時間透析した。その後、透析膜外に出てきた色素の505nmにおける吸光度を分光光度計UV−2500PC(島津製作所社製)を用いて測定した。リポソームの粒子径は、少なくとも100nm以上あり、透析膜は5nm程度のものしか通過できないため、顔料によってリポソームが破壊されない限り、内包された色素は透析膜を通過することはない。一方、膜が破壊されたリポソームから出た色素は、透析膜の外に出てくることになる。このため、透析膜外に出てきた色素の吸光度が高い程、リポソームを破壊する傾向が大きいと判断できる。
【0092】
[マルテーゼクロス像]
実施例1〜4及び比較例1〜4の実験用化粧料を、それぞれ規格びんに入れ、30℃の恒温槽にて5時間放置し、その後、光学顕微鏡を用いてマルテーゼクロス像の有無を観察した。その評価基準は以下とする。
(評価基準)
◎ :マルテーゼクロス像が観察される。
× :マルテーゼクロス像が観察されない。
【0093】
[粒子径]
実施例1〜4及び比較例1〜4の実験用化粧料について、粒度分布測定装置DELSA440SX(ベックマン・コールター社製)を用いて、製造直後のサンプルと、1ヶ月後のサンプルのリポソームの粒子径に変化がないことを測定した。
(評価基準)
◎ :リポソームの粒子径に変化なし。
× :リポソームの粒子径に変化あり。
【0094】
リポソームの安定性を総合的に判断した結果、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の被覆顔料は、未処理顔料と比較して、高い安定化効果を有することが分かった。
【0095】
4 化粧料実施例5〜8及び比較例5〜8:リキッドファンデーション(水中油型)
表2に示す組成及び下記製法にて、リポソーム組成物を含有するリキッドファンデーションを調製し、以下の各項目について下記の方法により評価した結果を併せて、表2に示した。
【0096】
【表2】
【0097】
(製造方法)
A:成分1〜13を、三本ローラーを用いて混合後、さらに成分14を加えて顔料混合物を得た。
B:成分15〜19を70℃で混合し、さらに高圧処理機を用いて均一な脂質二重膜を形成させることにより、リポソーム組成物を調製した。
C:成分20〜24、及び成分25〜28を70℃にて乳化後、成分29〜31を添加し乳化物を得た。
D:Cに、A、Bを添加混合し、リポソーム含有リキッドファンデーションを得た。
【0098】
(評価方法1:「保湿感」、「化粧持続効果」、「みずみずしい使用感」)
化粧品評価専門パネル20名に実施例5〜8及び比較例5〜8のリキッドファンデーションを使用してもらい、「保湿感」、「経時の化粧持続効果」、「みずみずしい使用感」について各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、サンプル毎に評点を付した。次いで、全パネルの評点の平均点から、以下の判定基準に従って各製品を判定した。
評価基準
(評価): (内容)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
判定基準
(評点の平均点) : (判定)
5.0以上 : ◎(非常に良好)
3.5以上5.0未満 : ○(良好)
1.5以上3.5未満 : △(やや不良)
1.5未満 : ×(不良)
【0099】
(評価方法2:「リポソームの安定性」、「顔料分散性」)
実施例5〜8及び比較例5〜8のリキッドファンデーションについて、光学顕微鏡による観察を行った。前述の判定水準([マルテーゼクロス像]の段落参照)により、「リポソームの安定性」を評価した。また、「顔料分散性」においては、以下の評価基準で評価した。
判定基準
◎:顔料凝集が観察されない。
△:顔料凝集が若干、観察される。
×:顔料凝集が著しく観察される。
【0100】
表2の結果より、実施例5〜8のリキッドファンデーションは、保湿感、化粧持続効果、みずみずしい使用感、リポソームの安定性、顔料分散性に優れるものであった。一方、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を配合していない比較例5〜7では、保湿感、化粧持続効果、みずみずしい使用感、リポソームの安定性、顔料分散性に劣り、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を配合しているが、リポソーム組成物を配合していない比較例8は、化粧持続効果、顔料分散性には優れるものの、保湿感に劣るものであった。
【0101】
実施例9 乳液
以下に示す組成の乳液を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.ステアリン酸 0.5
2.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.0
3.テトラオレイン酸ポリオキシプロピレンソルビトール(40EO) 1.0
4.ベヘニルアルコール 1.5
5.流動パラフィン 5.0
6.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
7.メチルポリシロキサン 1.0
8.キサンタンガム 0.1
9.水酸化ナトリウム 0.07
10.精製水 残量
11.1,3−ブチレングリコール 8.0
12.製造実施例3の共重合体 0.01
13.エタノール 5.0
14.メチルパラベン 0.1
15.酸化チタン 1.0
16.水素添加大豆リン脂質 0.4
17.コレステロール 0.1
18.1,3−ブチレングリコール 2.5
19.グリセリン 2.0
20.精製水 5.0
【0102】
(製法)
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜10を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)成分11〜15を三本ローラーにて処理する。
(5)成分16〜20を、高圧乳化機を用いて分散させ、リポソームを調製する。
(6)(3)に、(4)、(5)を添加混合し、リポソーム含有の乳液を得た。
【0103】
実施例9の乳液は、リポソームの安定性、顔料分散性に優れ、さらには保湿感、みずみずしい使用感、化粧持続効果に優れた乳液であった。
【0104】
実施例10 クリーム
以下に示す組成のクリームを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.ステアリン酸 1.5
2.ペンタオレイン酸デカグリセリル 2.5
3.ベヘニルアルコール 1.5
4.ワセリン 3.0
5.重質流動イソパラフィン 1.0
6.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
7.メチルポリシロキサン 1.0
8.精製水 残量
9.グリセリン 7.0
10.トリエタノールアミン 0.3
11.エタノール 5.0
12.キサンタンガム 0.2
13.製造実施例5の共重合体 0.05
14.メチルパラベン 0.1
15.1,3−ブチレングリコール 5.0
16.酸化チタン 1.0
17.水素添加大豆リン脂質 0.8
18.コレステロール 0.2
19.1,3−ブチレングリコール 2.5
20.グリセリン 2.0
21.セラミド 0.01
22.精製水 5.0
【0105】
(製法)
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜12を80℃にて均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)成分13〜16を三本ローラーにて処理する。
(5)成分17〜22を、高圧乳化機を用いて分散させ、リポソームを調製する。
(6)(3)に、(4)、(5)を添加混合し、リポソーム含有のクリームを得た。
【0106】
実施例10のクリームは、リポソームの安定性、顔料分散性に優れ、さらには保湿感、みずみずしい使用感、化粧持続効果に優れたクリームであった。
【0107】
実施例11 水中油型ファンデーション
以下に示す組成の水中油型ファンデーションを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 0.5
2.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.シリコーン処理酸化チタン 10.0
5.シリコーン処理ベンガラ 0.4
6.シリコーン処理黄酸化鉄 2.0
7.シリコーン処理黒酸化鉄 0.1
8.シリコーン処理タルク 5.0
9.製造実施例10の共重合体 0.5
10.エタノール 2.0
11.キサンタンガム 0.2
12.トリエタノールアミン 1.0
13.精製水 残量
14.ステアリン酸 1.5
15.ベヘニルアルコール 0.5
16.流動パラフィン 2.0
17.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
18.パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2.0
19.ワセリン 0.5
20.メチルパラベン 0.1
21.水素添加大豆リン脂質 0.8
22.コレステロール 0.2
23.1,3−ブチレングリコール 2.5
24.グリセリン 2.0
25.グリチルレチン酸ステアリル 0.01
26.精製水 5.0
【0108】
(製法)
(1)成分1〜10を三本ローラーにて均一に分散する。
(2)成分11〜13を均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、均一に混合する。
(4)成分14〜20を80℃にて混合溶解する。
(5)(3)に(4)を80℃にて添加し、乳化する。
(6)成分21〜26を、高圧乳化機を用いて分散させ、リポソームを調製する。
(7)(5)に(6)を添加し、リポソーム含有の水中油型ファンデーションを得た。
【0109】
実施例11の水中油型ファンデーションは、リポソームの安定性、顔料分散性に優れ、さらには保湿感、みずみずしい使用感、化粧持続効果に優れた水中油型ファンデーションであった。
【0110】
実施例12 水中油型アイカラー
以下に示す組成の水中油型アイカラーを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.キサンタンガム 0.3
2.1,3−ブチレングリコール 10.0
3.エタノール 5.0
4.水酸化ナトリウム 0.06
5.精製水 残量
6.ステアリン酸 0.5
7.流動パラフィン 2.0
8.ジメチルポリシロキサン 2.0
9.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 0.2
10.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 10.0
12.製造実施例8の共重合体 0.5
13.青404号 0.5
14.黄酸化鉄 0.2
15.雲母チタン 15.0
16.合成金雲母 5.0
17.メチルパラベン 0.2
18.水素添加大豆リン脂質 0.2
19.コレステロール 0.1
20.1,3−ブチレングリコール 2.5
21.グリセリン 2.0
22.精製水 5.0
【0111】
(製法)
(1)成分1〜5を80℃にて均一に混合する。
(2)成分6〜10を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)成分11〜17をローラーにて均一に分散する。
(5)成分18〜22を、高圧乳化機を用いて分散させ、リポソームを調製する。
(6)(3)に(4)、(5)添加し、リポソーム含有の水中油型アイカラーを得た。
【0112】
実施例12の水中油型アイカラーは、リポソームの安定性、顔料分散性に優れ、さらには保湿感、みずみずしい使用感、化粧持続効果に優れた水中油型アイカラーであった。
【0113】
実施例13 化粧下地
以下に示す組成の化粧下地を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 2.0
2.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
3.ジメチルポリシロキサン 5.0
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
5.精製水 残量
6.N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5
7.キサンタンガム 0.2
8.製造実施例12の共重合体 0.01
9.エタノール 10.0
10.1,3−ブチレングリコール 10.0
11.メチルパラベン 0.1
12.雲母チタン 5.0
13.水素添加大豆リン脂質 0.3
14.コレステロール 0.15
15.1,3−ブチレングリコール 2.5
16.グリセリン 2.0
17.精製水 5.0
【0114】
(製法)
(1)成分1〜4を80℃にて均一に溶解する。
(2)成分5〜7を80℃にて均一に溶解する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)成分8〜12をデスパーにて分散する。
(5)成分13〜17を、高圧乳化機を用いて分散させ、リポソームを調製する。
(6)(3)に、(4)、(5)を添加し、リポソーム含有の化粧下地を得た。
【0115】
実施例13の下地は、リポソームの安定性、顔料分散性に優れ、さらには保湿感、みずみずしい使用感、化粧持続効果に優れた化粧下地であった。