特許第6139375号(P6139375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6139375パレット管理システム、パレット管理装置およびフォークリフト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139375
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】パレット管理システム、パレット管理装置およびフォークリフト
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20170522BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20170522BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06K7/14 013
   B65G61/00 524
   B66F9/24 L
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-221961(P2013-221961)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2015-84139(P2015-84139A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2016年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】502369573
【氏名又は名称】ユーピーアール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】酒田 健治
(72)【発明者】
【氏名】中村 康久
(72)【発明者】
【氏名】岩西 慶太
(72)【発明者】
【氏名】中野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】川島 正
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−12122(JP,A)
【文献】 特開2009−15684(JP,A)
【文献】 特開2004−210431(JP,A)
【文献】 特開平06−056399(JP,A)
【文献】 特開平11−029299(JP,A)
【文献】 特開平03−003803(JP,A)
【文献】 特開2011−037536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/14
B65G 61/00
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて保存する手段と、前記保存したパレット画像情報を送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトの前記第二の無線通信手段から送信されたパレット画像情報を受信する手段と、
受信したパレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段と
を備えたパレット管理装置。
【請求項2】
前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、
選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する
請求項1記載のパレット管理装置。
【請求項3】
パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、
前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、
前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて、前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段と、
前記画像データを送信する第二の無線通信手段と
を備えたフォークリフト。
【請求項4】
前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、
選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する
請求項3記載のフォークリフト。
【請求項5】
パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、
前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、
前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて保存する手段と、
前記保存したパレット画像情報を送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトと、
前記第二の無線通信手段から送信されたパレット画像情報を受信する手段と、
受信したパレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段を備えたパレット管理装置と
を有するパレット管理システム。
【請求項6】
前記パレット管理装置は、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、
選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する
請求項5記載のパレット管理システム。
【請求項7】
前記パレット管理装置は、前記パレットの設置場所を特定する画像データをサーバにアップロードする手段を備え、
前記サーバは、アップロードされた前記パレットの設置場所を特定する画像データをユーザ端末からの要求に応じて提供する手段を備えた
請求項5または6記載のパレット管理システム。
【請求項8】
パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、
前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、
前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて、前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段と、
前記画像データを送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトと、
前記第二の無線通信手段から送信された前記画像データを受信する手段と、
前記画像データをユーザ端末からの要求に応じて提供する手段とを備えたサーバと
を有するパレット管理システム。
【請求項9】
前記フォークリフトは、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、
選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する
請求項8記載のパレット管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を運搬するパレットのパレット管理システム、パレット管理装置及びフォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
商品等の貨物の格納または運搬は、パレットと呼ばれる荷台を利用して行われることが多い。このようなパレットは、メーカ等が自ら保有している場合もあるが、通常は、パレットレンタル会社がパレットを保有し、メーカからの注文に応じてレンタルされることが多い。例えば、メーカが商品を出荷するため、パレットレンタル会社にパレットのレンタルを注文した場合、パレットレンタル会社は、注文に応じた数のパレットをメーカにレンタルする。メーカはパレットに商品を積載し、その商品が積載されたパレットを複数の卸売店に納品し、さらに、卸売店は、その商品が積み込まれたパレットを複数の小売店に納品する。そして、小売店では、商品を降ろした空きパレットが発生し、この空きパレットは回収されて、パレットレンタル会社に戻される。
【0003】
しかしながら、パレットが市場において商品とともに流通すると流通範囲が拡大するため、パレットの回収が非常に困難となる場合が多い。貨物を運搬する運送業者は、流通したパレットの存在場所、空きパレットかどうかが把握できないので、パレットの管理、回収ができない。もし、流通先ごとにパレットの管理を行うことができれば、パレットの管理は可能であるが、パレットの存在や数を確認するための稼働コストが膨大になる。
【0004】
このパレットを管理する方法として、物品を運搬するパレットに無線タグを備えて、パレットを管理する方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、荷物の搬送先や在庫を表すデータが予め記憶された無線タグを有するパレットと、無線タグからのデータを読み取るためのタグリーダを搭載したフォークリフトとを備え、フォークリフトのフォークをパレットに挿入して荷物を運搬するときに、タグリーダが、無線タグからデータを取得するようにされたものがある( 例えば、特許文献2 参照)。
【0005】
また、無線タグリーダを備えたフォークリフトに無線端末を備えて、無線タグリーダにより読み取った情報を無線端末を使って、パレットレンタル会社に設置した無線基地局に送信し、パレットレンタル会社に設置したホストコンピュータで管理する方法もある。(例えば、特許文献3参照)。この方法では、パレットレンタル会社は、パレットを管理するホスト端末とパレットの情報を送受信する無線基地局を備える。パレットには、パレットのIDを記憶した無線タグを設け、パレットを輸送するフォークリフトに無線タグの読み取り装置及び無線基地局にパレットの情報を送信するための無線機を設置している。そして、パレットの貸出時には、フォークリフトでパレットを運ぶ毎に無線タグのパレットIDを読み取り、そのID情報を無線基地局に送り、パレットレンタル会社のホストコンピュータに記録する。一方、パレットを回収する際にも同様にフォークリフトでパレットを運ぶ毎に無線タグのパレットIDを読み取り、そのID情報を無線基地局に送り、パレットレンタル会社のホストコンピュータに記録する。
【0006】
このように、パレットを貸出、回収する際に、パレットを運搬するフォークリフトにより、パレットのIDを読み取ることにより、パレットの貸出回収を管理し、パレットの管理を行うことができる。未回収のパレットや紛失したパレットの状況も把握することが可能である。また、無線タグの読み取り装置には、フォークリフトの他にも、倉庫等の出入り口に設けるゲート型や床面型、人間が読み取りを行うハンディ型等も実用化されており、さまざまな方法で、無線タグの情報を読み取りパレットの管理を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−278270号公報
【特許文献2】特開2002−265060号公報
【特許文献3】特開2005−119670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、パレットに無線タグを設けた場合でも、パレットの管理・回収が困難な場合が多い。例えば、非常に広い倉庫等の中にパレットを搬入した場合には、倉庫の中にパレットを搬入したことは管理できたとしても、その倉庫の中のどこに設置したかまで把握することは困難である。
【0009】
このような場合の無線タグの読み取りを行う場合には、ハンディタイプの無線タグリーダ等を使って人間の作業により無線タグを読み取ってデータベースに登録する必要があるので、読み取りのための稼働費や人件費がかかり、人間が行う作業なので間違いや読み取りミス等により管理が正確に行われない場合もある。また、手作業により設置場所を把握できたとしても、再度倉庫内でパレットが移動されてしまうとそのパレットは再び回収困難になってしまう。
【0010】
本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、パレットの位置の管理を確実に行うことができるパレット管理システム、パレット管理装置およびフォークリフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るパレット管理装置は、パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて保存する手段と、前記保存したパレット画像情報を送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトの前記第二の無線通信手段から送信されたパレット画像情報を受信する手段と、受信したパレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段を備える。
【0012】
また、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存してもよい。
【0013】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るフォークリフトは、パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて、前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段と、前記画像データを送信する第二の無線通信手段とを備える。
【0014】
また、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存してもよい。
【0015】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るパレット管理システムは、パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて保存する手段と、前記保存したパレット画像情報を送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトと、前記第二の無線通信手段から送信されたパレット画像情報を受信する手段と、受信したパレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段を備えたパレット管理装置とを有する。
【0016】
また、前記パレット管理装置は、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存してもよい。
【0017】
また、前記パレット管理装置は、前記パレットの設置場所を特定する画像データをサーバにアップロードする手段を備え、
前記サーバは、アップロードされた前記パレットの設置場所を特定する画像データをユーザ端末からの要求に応じて提供する手段を備えてもよい。
【0018】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るパレット管理システムは、パレットを識別するバーコード情報を読み取る読み取り手段と、振動センサを備えたパレットから送信されるパレットの振動情報を受信する第一の無線通信手段と、フォークの高低情報を得るための高さ判別手段のうち少なくともいずれか一つの手段を備え、前記パレットの設置場所の周囲を含むパレットの画像を撮影しパレット画像情報を取得する撮影手段と、前記バーコード情報、前記振動情報、前記高低情報のうち少なくともいずれか一つの情報と前記パレット画像情報を関連付けて、前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存する手段と、前記画像データを送信する第二の無線通信手段とを備えたフォークリフトと、前記第二の無線通信手段から送信された前記画像データを受信する手段と、前記画像データをユーザ端末からの要求に応じて提供する手段とを備えたサーバとを有する。
【0019】
また、前記フォークリフトは、前記パレット画像情報を、少なくとも前記バーコード情報、振動情報、フォークの高低情報のいずれか一つに基づいて選別し、選別した前記パレット画像情報を前記パレットの設置場所を特定する画像データとして保存してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、パレットを移動する際のパレット画像情報をパレットの識別情報とパレットの存在場所の情報と関連付けて保存しておくことにより、パレットの紛失を防止し、パレットの管理、回収を確実に行うことができる。また、パレットの画像情報量をパレットのバーコード情報やフォークの高低情報、パレットの振動情報等を用いて削減することができるので、パレットの位置情報へのアクセス、検索を効率よく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る無線タグとバーコードを備えたパレットを示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るパレットを運搬するフォークリフトを示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係るフォークリフトとパレットの機能ブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係るエリアPC(パレット管理装置)の機能ブロック図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係るパレット管理システムの全体構成図である。
図6図6は、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知と、パレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。
図7図7は、パレットのバーコード読み取りとパレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。
図8図8は、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。
図9図9は、フォークリフトのフォークの高さの検知と、パレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。
図10図10は、フォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。
図11図11は、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知と、パレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示すフローチャートである。
図12図12は、パレットのバーコード読み取りとパレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示すフローチャートである。
図13図13は、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示すフローチャートである。
図14図14は、フォークリフトのフォークの高さの検知と、パレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示すフローチャートである。
図15図15は、フォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
<無線タグを備えたパレット、及びフォークリフト>
まず、本願発明における無線タグとバーコードを備えたパレット及びフォークリフトについて説明する。
【0024】
図1(a)は、本発明の実施の形態で用いられる無線タグとバーコードを備えたパレットを構成例を示す図である。本発明のパレット10は、通信機能を有する無線タグ11とパレットの振動を検知する振動センサ16を備えており、振動センサ16の振動情報を無線タグ11の通信機能を使って、他の装置、例えばフォークリフトに送信することができる。パレット10の前面には、パレットのIDを示すバーコード12とパレットの幅とを検知するためのスタートバー14およびストップバー15を備えている。尚、このバーコード12は、図示した一次元バーコードに限らずQRコード(登録商標)等の2次元バーコードでもかまわない。
【0025】
また、パレットの上面にはさらに、二次元パターンのドット13を備えている。このパレット上面の二次元パターンのドット13は、パレット前面のバーコード12と対応付けられている。
【0026】
尚、本構成例におけるパレットは、無線タグやバーコード、スタートストップバー、2次元パターンのドットを備えることができるが、全ての実施の形態におけるパレットが無線タグ等を備えているわけではなく、各実施の形態毎に適切な構成のパレットが適宜選択される。
【0027】
図1(b)は、図1(a)のパレット10を複数枚重ねた図である。パレットの上面の二次元パターンのドットの少なくとも一部、例えば中央付近のドットを認識することができれば、パレットは空パレットであることを認識することができる。また、この二次元パターンのドットは、バーコード12と関連付けされているので、一番下に置かれているパレット10−6の前面のバーコードと一番上のパレット10−1の上面の二次元パターンのドットを参照することにより、パレットが重なっているかを判定することができる。また、スタートバー14とストップバー15の横方向の距離を測ることにより、カメラとパレットの距離を把握することができ、スタートバー14とストップバー15の縦方向の距離を測ることにより、パレットの枚数を把握することができるようになっている。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態に係るパレットを運搬するフォークリフトを示す図である。本発明におけるフォークリフト20は、パレット10の設置場所を特定するための情報の一例であるマーカ40をパレット10とともに撮影することができるカメラ1(21)とパレットのバーコード12を読み取るカメラ2(22)と、カメラ1(21)で撮影された画像を表示するモニタ27と、フォークリフト20のフォークの高さを検知することができる高低センサ23、24を備えている。尚、カメラ2(22)は、バーコード読み取り手段の例示であり、バーコードリーダーでもよい。
【0029】
このマーカ40には、例えば数字、アルファベットが付与され、パレットの設置場所を特定することができるようになっている。尚、本図では、パレットの設置場所を特定するためにマーカを使用したが、パレットの設置場所を特定する情報としてはマーカに限らず、設置場所を特定できる情報が撮影されたパレットの画像情報に含まれていれば十分である。例えば、床や壁の形状や色等により設置場所が特定できればよい。
【0030】
高低センサ23、24は、フォークリフト20のフォークの高低を判別する高さ判別手段の一例であり、検知した高低情報を送信する機能も有する。この高さ判別手段としては、光学式センサや近接センサ等のセンサ類等の高低センサに限られず、ICタグの接近等によりフォークの移動を検出し、その情報を無線を使って送信するRFIDタグ等の他、フォークの高さが判別できるものであればよい。
【0031】
さらに、フォークリフト20は、パレットから送信された振動情報を受信する無線タグリーダ25と、カメラ1(21)で撮影された画像を保存するとともに、無線回線を経由して、他の装置、例えば、パレットを管理する装置であるエリアPCに保存した情報を送信する機能を有する装置26(例えば、無線通信機能を備えたPC)を備える。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係るフォークリフト20とパレット10の機能ブロック図である。フォークリフト20は、カメラ1(21)でパレット10及びマーカ40を、カメラ2(22)でバーコード12を読み取り、画像情報とバーコード情報を取得しながら、フォークの高さを検知する高低センサ23、24の検知情報と無線タグ11から送信された振動情報を受信し、カメラの画像情報と振動情報及び高低センサの情報を関連付けながらメモリ29に保存する。尚、上述したように、使用するパレットやフォークリフトの機能は各実施の形態毎に適宜選択される。
【0033】
また、得られたパレットの画像情報、バーコード情報と振動情報及び高低センサの情報を、無線部28の無線通信機能を使って、パレットを管理する装置であるエリアPC(パレット管理装置)30に送信する。
【0034】
<エリアPC(パレット管理装置)>
図4は、本発明の実施の形態に係るエリアPC(パレット管理装置)の機能ブロック図である。エリアPC(パレット管理装置)30は、フォークリフト20からの情報を受信する機能を有する無線部33、無線部33あるいは外部のネットワーク90と信号を送受信するためのインタフェース部34、パレットの画像情報等を保存するための記憶部35、インタフェース部34における信号の送受信を制御し、パレットの画像情報等の選別処理を行うCPU32を備えた制御部31、各部間での信号の送受信を行うためのバス36から構成されている。パレットの画像情報の選別処理については、後述する発明の実施の形態の説明の中で詳しく説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0036】
図5を用いて、パレット管理システムの全体構成とシステムの動作の概要を説明する。図5は、本発明の実施の形態に係るパレット管理システムの全体構成図である。まず、フォークリフト20が移動を開始するとカメラにより画像撮影、画像の保存を開始する。図5(a)の位置まで、フォークリフトを移動させて所望のパレットをピックする。図5(a)の位置はマーカ40等の位置を特定できる情報をパレットとともに撮影することにより認識することができる。その後、パレット10を所望の位置まで移動させるが、移動中はカメラによる画像の撮影を継続する(図5(b))。図5(c)の位置にフォークリフトが到着するとパレット10をセットする。パレット10をピックした際(図5(a))と同様に、パレットをセットする位置は、マーカ50等の撮影により認識することができる。
【0037】
パレット10の移動が完了するとフォークリフト20は、無線基地局60と通信が可能な位置に移動し、マーカの画像を含むパレット10の画像情報、バーコード情報と振動情報及び高低センサの情報を、無線通信機能を使って、パレットを管理する装置であるエリアPC(パレット管理装置)30に送信する。
【0038】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信した画像情報の選別を行い、選別されたパレット画像情報をパレットの識別情報とパレットの存在場所の情報と関連付けて保存する。エリアPC(パレット管理装置)30は、保存している情報をサーバ70にアップロードし、サーバ70はユーザ端末(80−1〜80−n)からの要求に応じて、パレットの位置情報をネットワーク90を通じてユーザに提供することができる。
【0039】
尚、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。これは以下の実施の形態においても同様である。
【0040】
次に、第1の実施の形態におけるパレット画像情報の取得・選別方法について説明する。図6は、パレットのバーコード読み取り、フォークリフトのフォークの高さの検知とパレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。パレットをピックしてからセットするまでの動作のフローチャートを、図11に示す。第一の実施の形態では、無線タグ、振動センサ及びバーコードを備えたパレットを用いる。
【0041】
まず、フォークリフトが移動を開始すると(図6(1))、カメラ1により画像の撮影と保存を開始し(S1−1)、その後パレットの移動が完了するまで、撮影と保存を継続する。フォークリフトが移動し、パレットをピックする場所(図6(2))に移動したことをマーカ40等により確認する(S1−2)。フォークリフトがパレットに近づくとパレット前面のバーコードを認識できるのでバーコードの読み取りを開始する(S1−3)。
【0042】
次に、パレットをピックする際にフォークリフトのフォークが下がったことをセンサが認識し、フォークの高低情報の検出を開始する(S1−4)。そして、パレットをピックするとパレットから振動センサの振動情報が送信されるので、その振動情報も併せて保存を開始する(S1−5)。
【0043】
パレットを運搬している状態(図6(3))では、バーコードの読み取りと振動情報の保存を継続し、フォークの高さはパレットを運搬するために高い状態が維持されている。
【0044】
パレットをセットする場所(図6(4))に到着すると、まず、マーカ50等により所定の場所に到着したことを認識し、パレットをセットするためにフォークの高さは低くなり(S1−6)、パレットの移動が停止されるのに伴って、パレットの振動情報も得られなくなる(S1−7)。パレットを設置してフォークリフトがパレットから離れるとパレットのバーコードの読み取りができなくなる(S1−8)。パレットをセットした後にマーカ50等を検出した段階(S1−9)で、一連の動作が終了し、フォークリフトは、保存しておいた情報をエリアPC(パレット管理装置)に送信(S1−10)して、作業終了となる。
【0045】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信したパレット画像情報の選別を行い、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存する。受領した情報の選別には、パレット画像情報と対応付けて保存されている、バーコード情報、フォークの高低情報及びパレットの振動情報の少なくとも一つを用いる。
【0046】
エリアPC(パレット管理装置)に送信された情報は、フォークリフトがパレットをピックしてから別な場所へのセットを完了するまでのすべての画像やバーコード情報等が保存されているので、その中から必要なパレットをセットした際の情報のみを選別し、保存しておく。このように画像を選別することにより余分な情報を削除して、記憶容量を削減するともに、パレットの位置情報の管理や情報へのアクセスを効率よく行うことができるようになる。
【0047】
尚、上記では,画像情報の選別をエリアPC30で行う実施の形態を説明したが、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。
【0048】
本実施の形態では、パレット画像情報をバーコード情報、フォークの高低情報、振動情報に関連付けて保存してあるので、それらの情報を用いてパレット画像情報を選別することができる。例えば、バーコードの読み取りやパレットの高低情報の変化、パレット振動情報の変化が検出された後のマーカとパレットの画像のみをパレットの設置場所のデータとして保存することができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0050】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、フォークリフトのフォークの高さの検知を行わない場合であり、パレットのバーコード読み取りとパレットの振動の測定を行いながらパレットの移動を行った場合である。
【0051】
第2の実施の形態におけるパレット画像情報の取得・選別方法について説明する。図7は、パレットのバーコード読み取りとパレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。パレットをピックしてからセットするまでの動作のフローチャートを、図12に示す。
【0052】
まず、フォークリフトが移動を開始すると(図7(1))、カメラ1により画像の撮影と保存を開始し(S2−1)、その後パレットの移動が完了するまで、撮影と保存を継続する。フォークリフトが移動し、パレットをピックする場所(図7(2))に移動したことをマーカ40等により確認する(S2−2)。フォークリフトがパレットに近づくとパレット前面のバーコードを認識できるのでバーコードの読み取りを開始する(S2−3)。
【0053】
次に、パレットをピックするとパレットから振動センサの振動情報が送信されるので、その振動情報も併せて保存を開始する(S2−4)。
【0054】
パレットを運搬している状態(図7(3))では、バーコードの読み取りと振動情報の保存を継続する。
【0055】
パレットをセットする場所(図7(4))に到着すると、まず、マーカ50等により所定の場所に到着したことを認識し、パレットの移動が停止されるのに伴って、パレットの振動情報も得られなくなる(S2−5)。パレットをセットしてフォークリフトがパレットから離れるとパレットのバーコードの読み取りができなくなる(S2−6)。パレットをセットした後にマーカ50等を検出した段階(S2−7)で、一連の動作が終了し、フォークリフトは、保存しておいた情報をエリアPC(パレット管理装置)に送信(S2−8)して、作業終了となる。
【0056】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信したパレット画像情報の選別を行い、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存する。受領した情報の選別には、パレット画像情報と対応付けて保存されている、バーコード情報及びパレットの振動情報少なくとも一つを用いる。
【0057】
エリアPC(パレット管理装置)に送信された情報は、フォークリフトがパレットをピックしてから別な場所へのセットを完了するまでのすべての画像やバーコード情報等が保存されているので、その中から必要なパレットをセットした際の情報のみを選別し、保存しておく。このように画像を選別することにより余分な情報を削除して、記憶容量を削減するともに、パレットの位置情報の管理や情報へのアクセスを効率よく行うことができるようになる。
【0058】
尚、上記では,画像情報の選別をエリアPC30で行う実施の形態を説明したが、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。
【0059】
本実施の形態では、パレット画像情報をバーコード情報、パレットの振動情報に関連付けて保存してあるので、それらの情報を用いてパレット画像情報を選別することができる。例えば、バーコードの読み取りやパレットの振動情報の変化が検出された後におけるマーカとパレットの画像のみをパレットの設置場所のデータとして保存することができる。
【0060】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0061】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態において、パレットに振動センサがない場合であり、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレットの移動を行った場合である。
【0062】
第3の実施の形態におけるパレット画像情報の取得・選別方法について説明する。図8は、パレットのバーコード読み取りとフォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。パレットをピックしてからセットするまでの動作のフローチャートを、図13に示す。
【0063】
まず、フォークリフトが移動を開始すると(図8(1))、カメラ1により画像の撮影と保存を開始し(S3−1)、その後パレットの移動が完了するまで、撮影と保存を継続する。フォークリフトが移動し、パレットをピックする場所(図8(2))に移動したことをマーカ40等により確認する(S3−2)。フォークリフトがパレットに近づくとパレット前面のバーコードを認識できるのでバーコードの読み取りを開始する(S3−3)。
【0064】
次に、パレットをピックする際にフォークリフトのフォークが下がったことをセンサが認識し、フォークの高低情報の検出を開始する(S3−4)。
【0065】
パレットを運搬している状態(図8(3))では、バーコードの読み取りを継続し、フォークの高さはパレットを運搬するために高い状態が維持されている。
【0066】
パレットをセットする場所(図8(4))に到着すると、まず、マーカ50等により所定の場所に到着したことを認識し、パレットをセットするためにフォークの高さは低くなる(S3−5)。パレットをセットしてフォークリフトがパレットから離れるとパレットのバーコードの読み取りができなくなる(S3−6)。パレットをセットした後にマーカ50等を検出した段階(S3−7)で、一連の動作が終了し、フォークリフトは、保存しておいた情報をエリアPC(パレット管理装置)に送信(S3−8)して、作業終了となる。
【0067】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信したパレット画像情報の選別を行い、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存する。受領した情報の選別には、パレット画像情報と対応付けて保存されている、バーコード情報及びフォークの高低情報の少なくとも一つを用いる。
【0068】
エリアPC(パレット管理装置)に送信された情報は、フォークリフトがパレットをピックしてから別な場所へのセットを完了するまでのすべての画像やバーコード情報等が保存されているので、その中から必要なパレットをセットした際の情報のみを選別し、保存しておく。このように画像を選別することにより余分な情報を削除して、記憶容量を削減するともに、パレットの位置情報の管理や情報へのアクセスを効率よく行うことができるようになる。
【0069】
尚、上記では,画像情報の選別をエリアPC30で行う実施の形態を説明したが、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。
【0070】
本実施の形態では、パレット画像情報をバーコード情報、フォークの高低情報に関連付けて保存してあるので、それらの情報を用いてパレット画像情報を選別することができる。例えば、バーコードの読み取りやパレットの高低情報の変化が検出された後におけるマーカとパレットの画像のみをパレットの設置場所のデータとして保存することができる。
【0071】
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0072】
第4の実施形態は、第1の実施の形態において、パレットにバーコードがない場合で、パレットの振動の測定とフォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合である。
【0073】
第4の実施の形態におけるパレット画像情報の取得・選別方法について説明する。図9は、フォークリフトのフォークの高さの検知とパレットの振動の測定を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。パレットをピックしてからセットするまでの動作のフローチャートを、図14に示す。
【0074】
まず、フォークリフトが移動を開始すると(図9(1))、カメラ1により画像の撮影と保存を開始し(S4−1)、その後パレットの移動が完了するまで、撮影と保存を継続する。フォークリフトが移動し、パレットをピックする場所(図9(2))に移動したことをマーカ40等により確認する(S4−2)。
【0075】
次に、パレットをピックする際にフォークリフトのフォークが下がったことをセンサが認識し、フォークの高低情報の検出を開始する(S4−3)。そして、パレットをピックするとパレットから振動センサの振動情報が送信されるので、その振動情報も併せて保存を開始する(S4−4)。
【0076】
パレットを運搬している状態(図9(3))では、パレットの振動情報の保存を継続し、フォークの高さはパレットを運搬するために高い状態が維持されている。
【0077】
パレットをセットする場所(図9(4))に到着すると、まず、マーカ50等により所定の場所に到着したことを認識し、パレットをセットするためにフォークの高さは低くなり(S4−5)、パレットの移動が停止されるのに伴って、パレットの振動情報も得られなくなる(S4−6)。パレットをセットした後にマーカ50等を検出した段階(S4−7)で、一連の動作が終了し、フォークリフトは、保存しておいた情報をエリアPC(パレット管理装置)に送信(S4−8)して、作業終了となる。
【0078】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信したパレット画像情報の選別を行い、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存する。受領した情報の選別には、パレット画像情報と対応付けて保存されている、フォークの高低情報及びパレットの振動情報の少なくとも一つを用いる。
【0079】
エリアPC(パレット管理装置)に送信された情報は、フォークリフトがパレットをピックしてから別な場所へのセットを完了するまでのすべての画像や振動情報等が保存されているので、その中から必要なパレットをセットした際の情報のみを選別し、保存しておく。このように画像を選別することにより余分な情報を削除して、記憶容量を削減するともに、パレットの位置情報の管理や情報へのアクセスを効率よく行うことができるようになる。
【0080】
尚、上記では,画像情報の選別をエリアPC30で行う実施の形態を説明したが、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。
【0081】
本実施の形態では、パレット画像情報をフォークの高低情報、振動情報に関連付けて保存してあるので、それらの情報を用いてパレット画像情報を選別することができる。例えば、パレットの高低情報の変化、パレット振動情報の変化が検出された後のマーカとパレットの画像のみをパレットの設置場所のデータとして保存することができる。
【0082】
[第5の実施の形態]
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0083】
第2〜第4の実施形態では、パレット画像情報をバーコード情報、フォークの高低情報、振動情報のうち少なくとも2つの情報を検出して、パレットの画像情報を選別する実施の形態について説明した。しかし、バーコード情報、フォークの高低情報、振動情報のいずれか一つの情報を用いて、画像を選別することも可能である。
【0084】
第5の実施形態は、フォークリフトのフォークの高さの検知のみを行いながらパレット移動を行った場合である。バーコード情報、フォークの高低情報のいずれか一つの情報を用いた場合も同様である。
【0085】
第5の実施の形態におけるパレット画像情報の取得・選別方法について説明する。図10は、フォークリフトのフォークの高さの検知を行いながらパレット移動を行った場合の動作の概要を示す図である。パレットをピックしてからセットするまでの動作のフローチャートを、図15に示す。
【0086】
まず、フォークリフトが移動を開始すると(図10(1))、カメラ1により画像の撮影と保存を開始し(S5−1)、その後パレットの移動が完了するまで、撮影と保存を継続する。フォークリフトが移動し、パレットをピックする場所(図10(2))に移動したことをマーカ40等により確認する(S5−2)。
【0087】
次に、パレットをピックする際にフォークリフトのフォークが下がったことをセンサが認識し、フォークの高低情報の検出を開始する(S5−3)。
【0088】
パレットを運搬している状態(図10(3))では、フォークの高さはパレットを運搬するために高い状態が維持されている。
【0089】
パレットをセットする場所(図10(4))に到着すると、まず、マーカ50等により所定の場所に到着したことを認識し、パレットをセットするためにフォークの高さは低くなる(S5−4)。パレットをセットした後にマーカ50等を検出した段階(S5−5)で、一連の動作が終了し、フォークリフトは、保存しておいた情報をエリアPC(パレット管理装置)に送信(S5−6)して、作業終了となる。
【0090】
フォークリフトからの情報を受領したエリアPC(パレット管理装置)は、受信したパレット画像情報の選別を行い、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存する。受領した情報の選別には、パレット画像情報と対応付けて保存されている、フォークの高低情報を用いる。
【0091】
エリアPC(パレット管理装置)に送信された情報は、フォークリフトがパレットをピックしてから別な場所へのセットを完了するまでのすべての画像やフォークの高低情報等が保存されているので、その中から必要なパレットをセットした際の情報のみを選別し、保存しておく。このように画像を選別することにより余分な情報を削除して、記憶容量を削減するともに、パレットの位置情報の管理や情報へのアクセスを効率よく行うことができるようになる。
【0092】
尚、上記では,画像情報の選別をエリアPC30で行う実施の形態を説明したが、この画像情報の選別をフォークリフトに設置した装置26(例えば、PC)で行い、選別した画像情報をサーバ70に送信するように構成してもよい。
【0093】
本実施の形態では、パレット画像情報をフォークの高低情報に関連付けて保存してあるので、それらの情報を用いてパレット画像情報を選別することができる。例えば、パレットの高低情報の変化が検出された後のマーカとパレットの画像のみをパレットの設置場所のデータとして保存することができる。
【0094】
以上のように、パレットを移動する際にパレットの設置場所を特定するための情報、例えば、マーカを含んだパレットの画像情報をパレットの識別情報と関連付けて保存しておくことにより、パレットの紛失を防止し、パレットの管理、回収を確実に行うことができる。また、パレットの画像情報をパレットのバーコード情報やフォークの高低情報、パレットの振動情報等を用いて選別し、選別したパレット画像情報をパレットの設置場所を特定する画像データとして保存することができるので、画像情報の保存に必要な記憶容量を削減するとともに、パレットの設置位置情報へのアクセス、検索を効率よく行うことができるようになる。
【0095】
また、図1で述べたように、本発明のパレットには、空きパレットを判別するための二次元パターンのドットと、パレットの枚数を検知するためのスタートおよびストップバーを備えることができるので、パレットの位置情報と併せて、パレットが空きパレットかどうかの情報と重ねられている枚数の情報も保存、管理することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、パレットレンタルにおけるパレット管理や、パレットを用いて貨物を運搬する物流システムにおけるトレーサビリティシステム等に利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10…パレット、11…無線タグ、12…バーコード、13…ドット、14…スタートバー、15…ストップバー、16…振動センサ、20…フォークリフト、21…カメラ1、22…カメラ2、23、24…高低センサ、25…無線タグリーダ、26…パソコン、27…モニタ、28…無線部、29…メモリ、30…エリアPC(パレット管理装置)、31…制御部、32…CPU、33…無線部、34…インタフェース部、35…記憶手段、36…バス、40、50…マーカ、60…無線基地局、70…サーバ、80−1〜80−n…ユーザ端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15