【実施例】
【0030】
実施例1:水性ゲル潤滑剤を収容する複数の穴を有する疎水性エラストマーチューブで構築される単一セグメント環状IVR
[0037] 壁厚1mmを有する、外径6.5mmの1本の疎水性TYGONチューブ(Saint−Gobain Corp.、Paris,France)を、同じチューブ材料からなる中空プラグを用いてチューブの端部を接続することにより直径約55〜60mmのリングに形成した。中空プラグの寸法は、完全な環構造を形成するようにチューブ端部を接続するために選択された。リングの外輪に沿って、約1cm間隔の小さな穴をドリルでチューブに開けた。注射針を介してルーメンに水性潤滑剤を充填した。このリングに(膣筋肉組織の収縮および弛緩によって生じ得るような)外力を印加することにより、ゲルがルーメンから穴を通って環状IVRの外表面まで移動するため、リングの外輪に沿って小さな球状に潤滑ゲル(JUICY LUBE)の放出がもたらされる。同じ設計がシリコンまたはEVA医療グレードチューブで構築されてもよい。
【0031】
実施例2:水性潤滑剤を収容する複数の切り込みを有する疎水性エラストマーチューブで構築される単一セグメント環状IVR
[0038] 実施例1に記載したのと同様の寸法および構造のリングを形成したが、穴ではなく切り込みを、中央リング軸に対して平行に、リングの内輪に沿って離間した。注射針を介してルーメンに潤滑ゲル(JUICY LUBE,ID LUBRICANTS、Westridge Laboratories,Inc.、Santa Ana,CA)を充填した。リングに外力を印加することにより、ルーメンから切り込みを通って環状IVRの内輪の外表面まで潤滑ゲルの放出がもたらされる。この設計では、切り込みは圧縮状態にあり、そのため、IVRに(膣筋肉組織の収縮および弛緩によって生じ得るような)力が印加されない限りは閉鎖している。またリング軸に対して垂直な切り込みがリングの内輪上に配置されてもよいこと、または、切り込みは、任意の配向でリングの外輪上に配置されてもよいことを理解されたい。
【0032】
実施例3:水を収容する親水性の半透過性エラストマーチューブで構築される単一セグメント環状IVR
[0039] TECOPHILIC HP−93A−100チューブを用いて環状IVRを作製した。TECOPHILIC HP−93A−100は、水中に入れるとその重量の100%まで膨張する親水性の半透過性エラストマーポリウレタンでできている。この1本のチューブを水中に沈め、TECOPHILICチューブの内径よりも若干大きい外径を有するポリエチレンチューブからできたコネクタを使用して、水中に沈めた状態のままで、チューブの2つの端部を互いに接続してリングを形成した。水から取り出すと、水で膨張したリングは、ルーメン内に約5mLの水を含んでいた。水で膨張したリングは、約60mmの外径を有し、チューブの外径は約8mmであった。水で膨張したチューブの壁厚は、約2mmであると推定された。リングの表面から余分な水を除去した。リングの線画を
図3に示す。ルーメンからポリウレタンを通ってリングの外表面に水が透過することの結果として、リング表面は継続して湿潤した状態であった。水で充填されたポリウレタンリングを皮膚に接触させたところ、保湿および水和効果が認められた。数日にわたり、ルーメンからポリウレタンチューブの微孔を通って連続的に水が移動し、続いてリングの外表面から蒸発することに起因する均圧の結果として、ルーメンに気泡が見えるようになった。
【0033】
実施例4:水を収容する親水性の半透過性エラストマーセグメントおよびゲル潤滑剤を収容する複数の穴を有する疎水性エラストマーセグメントで構築される2セグメント環状IVR
[0040] 第1のセグメントを形成するために、長さ約50mm、外径7mmのTYGONでできた第1の長さの疎水性チューブを、溶融ポリウレタンの小さなプラグを使用して各端部で塞いだ。そのようなプラグは、第1のセグメントを第2のセグメントに接続する際に内容物の混合を防止するために用いられる。第2のセグメントは、親水性の半透過性ポリウレタンエラストマーであるTECOPHILIC HP−93A−100でできた第2の長さのチューブを用いて作製した。リングを形成するように適切にサイズ決定された中空のポリプロピレン製チューブコネクタを使用して、第1のセグメントの端部を第2のセグメントの端部に接続した。第1のセグメントのリング軸に対して平行に、直径約1mmの2つの穴を配置した。注射器を使用して第1のセグメントにゲル潤滑剤を充填した。第2のセグメントも、同様に注射器を使用して水で充填した。このように構築された2セグメント環状IVRは、一定期間にわたって少量の膣潤滑剤および水性潤滑剤の両方を放出した。
【0034】
実施例5:水を収容する親水性の半透過性エラストマーセグメントおよび膣潤滑剤を収容する複数の穴を有する疎水性エラストマーセグメントで構築される2セグメント環状IVR
[0041] 実施例4の変形例として、リング軸に対して平行ではなく垂直に、直径約1mmの2つの穴をドリルで開けた。実施例4と同様の効果が得られた。
【0035】
実施例6:折畳み可能な疎水性チューブ
[0042] 実施例5のIVRは、小さな穴を有し、膣の圧力下で折畳み可能である疎水性チューブを用いることによって変更されてもよい。そのような圧力は、ルーメンから穴を通って環状IVRの外表面まで膣潤滑剤を放出するために必要な力を提供する。
【0036】
実施例7:支持バンドを有する折畳み可能な疎水性チューブ
[0043] 実施例1のIVRは、可撓性ばね材料(例えば、ナイロンまたはばね鋼)のバンドをリング内に組み込むことによって変更されてもよく、リングに対する支持および膣管内にリングを保持するために有用な収縮力を提供する。
【0037】
実施例8:構造的に支持された膜を含むIVR
[0044] 一例において、水溶液潤滑剤の送達を可能にするために、限定されないが、0.1mm〜3mmの壁厚の、薄い水膨潤性チューブが作製される。この薄い構造は、リングを膣管内に維持するための均衡する力を提供するほど十分に強くない可能性がある。したがって、当該技術分野で周知の多数の支持構造を使用して水膨潤性チューブを補強することができる。一態様において、水膨潤性チューブは、限定されないが、2mm〜10mmの断面直径で押出成形され、ファイバーメッシュ支持構造で包まれ、次いで、別の層の溶融水膨潤性チューブで被覆される。別の実施形態において、限定されないが、2mm〜10mmの断面寸法の水膨潤性チューブは、限定されないが、チタン、KEVLAR、ナイロン、炭素繊維、ステンレススチール、もしくは他のばね状材料、または被覆金型ツール内で被覆することができるポリマーを含む材料でできた、ばねまたは金属メッシュ支持構造上に被覆される。得られた水膨潤性チューブは、リングに形成されると、限定されないが、約0.25〜10Nの、IVRをその初期外径の10%圧縮する力を有していた。得られたチューブは、限定されないが、約10〜30cmの正しい長さに切断され、水膨潤性チューブの端部を一緒に直接溶接することにより、リングに形成される。別の態様において、その長さの水膨潤性チューブからリングを形成するためにコネクタが使用される。コネクタは、水膨潤性チューブを被覆するか、または水膨潤性チューブに挿入されるかのいずれかである部品である。コネクタは、水膨潤性チューブ内に溶接され、水膨潤性チューブの2つの端部の接続部を通って水溶液潤滑剤が漏れない、完全かつ水溶液潤滑剤密封性のデバイスを形成する。溶接は、溶剤溶接、熱溶接、誘導溶接、突合せ溶接、または当業者に周知の他の熱可塑性溶接技術によって行われる。デバイスは、この時点では乾燥しており、水溶液潤滑剤で充填されている。
【0038】
[0045] 充填の一例において、水溶液潤滑剤は、注射器、または注射器が除去された後に再密封するコネクタ内に設けられたポートを通ってデバイスに進入する同様の充填装置を介して、限定されないが、1〜12mLの体積でデバイス内に充填される。別の実施形態において、水溶液潤滑剤充填ポートは、水膨潤性チューブに取り付けられる。
【0039】
実施例9:逆止弁を有するIVD
[0046] 別の例において、薄い壁を有するデバイスは、膣内に配置された後、デバイスのコア内の水溶液潤滑剤の量が減少することに起因してつぶれる。この問題は、デバイスの水膨潤性エラストマーに支持構造を加えることによって軽減される。別の例において、デバイス内に気体が入ることは許容するが、感知できるほど水が逆止弁を通ってリングから出ることは許容しない逆止弁が、デバイス内に形成される。一例において、逆止弁は、水膨潤性チューブの2つの端部を一緒にトーラス形(すなわち、IVR)に接続するコネクタ内で組み立てられる。一例において、逆止弁は、水膨潤性チューブ内に取り付けられる。さらに別の例において、1枚の気体透過膜、例えばGORE−TEXが、コネクタ内に取り付けられ、水溶液潤滑剤が放出された後、デバイス内に空気が入ることを可能にする。さらなる例において、気体透過膜は、水膨潤性チューブに形成される穴の上に取り付けられる。
【0040】
実施例10:親水性チューブの硬直化
[0047] 一例において、水溶液潤滑剤の送達を可能にするために、水膨潤性チューブは薄く、限定されないが、0.1mm〜3mmの壁厚である。この薄い構造は、デバイスを膣管内に維持するための均衡する力を提供するほど十分に強くない可能性がある。したがって、当該技術分野で周知の多数の支持構造を使用して水膨潤性チューブを補強することができる。一態様において、水膨潤性チューブは、限定されないが、2mm〜10mmの直径で押出成形され、ファイバーメッシュ支持構造で包まれ、次いで、別の層の溶融水膨潤性チューブで被覆される。別の実施形態において、水膨潤性チューブは、限定されないが、チタン、KEVLAR、ナイロン、炭素繊維、ステンレススチール、もしくは他のばね状材料、または被覆金型内で被覆することができるポリマーを含む材料でできた、ばねまたは金属メッシュの支持構造上に被覆される。得られた水膨潤性チューブは、リングに形成されると、限定されないが、0.25〜10Nの、IVRをその初期外径の10%圧縮する力を有する。得られたチューブは、限定されないが、約10〜30cmの正しい長さに切断され、水膨潤性チューブの端部を一緒に直接溶接することにより、リングに形成される。
【0041】
[0048] 一実施形態において、この例のデバイスのルーメンは、水で充填される。別の実施形態において、ゲル形成剤がリングに付着されるかまたはリング内に挿入される。ゲル形成剤は、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロースカラゲナン、デルマタン硫酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース等のポリマーを含む。ゲル形成剤はまた、ラノリン、アロエ・ベラ、保湿剤、防腐剤、ビタミンおよびプロバイオティクス、または当業者に既知の他の物質を含んでもよい。一態様は、水膨潤性チューブの端部に取り付けられ、その長さの水膨潤性チューブからトーラスを形成するために使用される、コネクタを使用する。コネクタは、水膨潤性チューブを被覆するか、または水膨潤性チューブに挿入されるかのいずれかである部品である。別の態様において、そこに取り付けられたコネクタは、ゲル形成剤の圧縮ペレットを保持する能力を有する。コネクタは、水膨潤性チューブ内に溶接され、水膨潤性チューブの2つの端部の接続部を通って水溶液潤滑剤が漏れない、完全かつ水溶液潤滑剤密封性のデバイスを形成する。溶接は、溶剤溶接、熱溶接、誘導溶接、突合せ溶接、または当業者に周知の他の熱可塑性溶接技術によって行われる。デバイスは、この時点では乾燥しており、水溶液潤滑剤で充填されている。
【0042】
実施例11:二重貯留部IVRデバイス
[0049] 2つの別個の貯留部を含むIVRを構築した。一方の貯留部は親水性ポリマーから作製し、他方は、エラストマーに細孔を有する疎水性ポリマーから作製した。これらの別個の貯留部は、異なる液体/潤滑剤を保持および放出するために使用することができる。第1のセグメント(親水性ポリマー)は、水溶液または非水溶液潤滑剤を送達し、第2のセグメント(疎水性ポリマー)は、水性ゲル潤滑剤を送達した。水性ゲル潤滑剤は、チューブ壁の細孔を通って送達される。
【0043】
[0050] この例では、長さ80mmのTECOFLEX EG−85Aチューブセグメント(横断面5.5mm×壁厚1.5mm)および長さ80mmの親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンチューブセグメント(横断面5.5mm×壁厚0.7mm)からデバイスを製造した。PlasticWeld Systems,Inc.(Newfane,NY)の接合ダイ(HPS−EM:予熱10秒、加熱11秒、冷却15秒、出力16%、移動距離3mm)を使用してTECOFLEXセグメントの端部を密封した。端部を密封した後、0.5mmドリルビットを使用して、密封したチューブの片側に沿ってドリルで穴を開けた:約3mmごとに開始して各端部から20mmで終了し、20個の穴を開けた。これらの穴は、チューブの1つの壁にのみドリルで開けられ、内側ルーメンからチューブの表面までチャネルを形成した。他の実施形態において、穴が多くの方向を向くように、ロッドの全周囲に、軸方向にドリルで穴が開けられてもよい。別の実施形態において、この設計は、タンポン状デバイスとして構成されてもよい。親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンセグメントの端部は、接合ダイ(HPS−EM)を使用して密封される。ダイ開口部から9mmにクランプを配置することにより、6秒の予熱サイクルの後、次の10秒の冷却サイクルとともに7秒の加熱サイクルを行った。誘導溶接機の分割ダイ(HPS−20)を使用して各セグメントの端部を一緒に連結した。端部をダイ内に配置し、締め付け、出力50%で25秒サイクル、続いて12秒のソーキングおよび20秒の冷却サイクルに供して端部の連結をもたらし、次いでリングを形成するために繰り返した。溶接中、TECOFLEXセグメントの細孔は、IVRの内輪に沿ってドリルで開けた穴を配置するように構成される。IVRを65℃で5分間アニーリングし、10℃で20分間冷却した。IVRの内輪に沿って、連結部を通してTECOPHILIC側のルーメンに27ゲージ針を挿入した。連結部の他の側のルーメンに別の針を挿入し、3mL注射器を使用して、他の針から液体が出始めるまで0.5グラムの水をIVR内に注入し、そうすることでIVRデバイスのTECOPHILIC側を充填した。100mLの水に1日IVRを浸漬した後、27ゲージ針および3mL注射器を使用してTECOFLEX側のルーメンに0.1グラムの0.2重量%メチレンブルー/K−Y(登録商標)Brand Jelly(Johnson&Johnson Healthcare Products Division of McNeil−PPC,Inc.、Skillman,NJ)混合物を注入した。
【0044】
[0051] 別の態様において、上述のデバイスは、当業者に周知の方法によって水膨潤性チューブがデバイス内に形成される、複数ステップの射出成形プロセスを介して作製されてもよい。
【0045】
実施例12:様々な形状のIVR
[0052] 本発明の技術のIVRのいずれの形状も、快適さの向上を促進するように、および/または膣管との接触の増加を促進するように変更することができる。例えば、IVRは、トロイド形から変形または変更されてもよい。実際に、列挙される例はどれも、タンポンの形状等の円筒形に容易に適応可能である(例えば、下の実施例40〜41を参照)。一態様において、IVRは、膣上皮と接触するチューブの表面積を増加させるために、「アコーディオン」または「ふいご」に類似する形状である。別の態様において、IVRの形状は、患者の快適さを向上させる楕円形である。別の態様において、ポッドまたはコアは、IVRの内側部分ではなく、IVRの外側部分に位置する。IVR上のポッドまたはコアの概念は、IVRに取り付けられるかまたはその中に挿入される1つもしくは2つまたはそれ以上のポッドまたはコアの追加である。ポッドまたはコアは、水溶液潤滑剤と同時にカラゲナン等の物質を送達する。別の態様において、リングは、平面から湾曲するように曲げられ、それによって患者の快適さを向上させることができ、膣上皮と接触する表面積を増加させることができる。さらなる態様において、リングは「ひょうたん」の形状であり、これもまた患者の快適さを向上させる。さらなる態様において、IVRは円形状に調製され、リングの内側部分の4辺に、より多くの量の水溶液潤滑剤を収容する隣接する「ピロー」を有する。リングの寸法は、全径約60mmである。水溶液潤滑剤を収容するリングの外側部分は、直径3〜10mmであり、膨張したポリマーチューブの直径は約7mmである。内側チューブの4辺に取り付けられた隣接するピローは、チューブの外側辺縁から最大10〜25mm内側にある。これにより、「ピロー型」IVRの中心には最大10mmの液体潤滑剤のための中空部が残る。
【0046】
実施例13:挿入方法
[0053] さらに別の態様において、デバイスは、デバイスもしくはリングアプリケーター(WO/1999/038468号および米国特許第D442,688号)、またはタンポンおよび潤滑剤もしくは保湿剤製品とともに供給されるものと同様の女性用製品アプリケーターを使用して膣内に挿入される。
【0047】
実施例14:IVR内の酸性化剤
[0054] IVRの一例は、膣の天然酸性度を促進するために、水性潤滑剤中にpH調整剤(例えば、アジピン酸、フマル酸アルキル、硫酸アルミニウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸、氷酢酸、グルタミン酸、グリシン、塩化水素酸、乳酸、メチオニン、リン酸、酒石酸水素カリウム、クエン酸二水素ナトリウムナトリウム、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、一塩基リン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸)を含む。
【0048】
実施例15:水性潤滑剤の連続的放出
[0055] 本発明の技術のIVD、例えば、IVRは、必要とするまたは所望する女性に投与され、膣の乾燥または膣の不快感の緩和を提供するために、十分な量の水性および/または非水性潤滑剤(例えば、ゲル潤滑剤を含む)が、24〜72時間にわたって、または最大5〜7日を含むか、または最大30日まで連続的に放出される。別の態様において、膣の乾燥または膣の不快感の緩和を提供するために、十分な量の水性潤滑剤(およびゲル潤滑剤)が、数分から数時間にわたって(最大24時間まで)連続的に放出される。別の態様において、膣の乾燥または膣の不快感の緩和を提供するために、十分な量の水性潤滑剤およびゲル潤滑剤が、数日間(3〜7日)にわたって連続的に放出される。別の態様において、水溶液潤滑剤およびゲル潤滑剤は、膣の乾燥または膣の不快感の十分な緩和を提供し、数分から数日間、必要に応じて、必要な場合に使用される様式で放出される。IVDは、数分から数日間所定の位置に留まり、女性が十分な緩和を覚えると判断した場合に除去されるか、または最大7日間まで所望される限り装着される。
【0049】
実施例16:TECOPHILIC SP−80A−150で構築される中実ポリマーマトリクスIVR
1.TECOPHILIC SP−80A−150の押出成形
[0056] ポリマーロッドを形成するために、当業者に既知の方法を使用して親水性ポリマーTECOPHILIC SP−80A−150(Lubrizol Advanced Materials,Inc.、Cleveland,OH)を押出成形した。簡潔に述べると、Brabender(C.W.Brabender Instruments,Inc.、South Hackensack,NJ)単一スクリュー押出機を使用して、4.5mmロッドダイを通して約200gのTECOPHILIC SP−80A−150(水分0.077%まで乾燥した)を押出成形し、横断面5.5mmのロッドを得た。温度は、T1=125℃、T2=120℃、T3=120℃、T4=115℃、スクリュースピードは25rpmであった。
【0050】
2.TECOPHILIC SP−80A−150IVRデバイスを調製するための手順
[0057] 限定されないが、乾燥質量の150%まで水和(膨張)することができる水膨潤性ポリマーを使用して、例えば、TECOPHILIC SP−80A−150を用いて、種々の流体を保持することができるマトリクスIVRを構築した。TECOPHILIC SP−80A−150のロッド(横断面5.5mm)を110mmに切断し、分割ダイ溶接機(HPS−20)を出力45%で25秒の設定で使用して誘導溶接により端部を連結し、続いて18秒のソーキングおよび20秒の冷却サイクルを行った。連結部が完成した後、連結部の冷却を支持するために小さなビーカーの内側で10分間冷却させた。一晩保存した後、1)125mL三角フラスコの円筒状ネックの周囲にリングを固定し、対流式オーブン内で80℃で5分間加熱し、次いで室温で10分間空冷することによって、デバイスを円形にするようにリングをアニーリングした。
【0051】
3.等浸透圧マトリクスIVRデバイスを調製するための手順
[0058] 等浸透圧液を充填したマトリクスIVRを次のように調製した。30mM NaCl(pH5、305mOsm)を含む100mLの100mM酢酸緩衝液中にTECOPHILIC SP−80A−150膣内リング(IVR)を4日間入れ、ポリマーを平衡まで膨張させた。
【0052】
4.低浸透圧マトリクスIVRデバイスを調製するための手順
[0059] 低浸透圧液を充填したマトリクスIVRを次のように調製した。100mLの蒸留脱イオン水(DDI)中にTECOPHILIC SP−80A−150IVRを4日間入れし、ポリマーを平衡まで膨張させた。
【0053】
5.高浸透圧マトリクスIVRデバイスを調製するための手順
[0060] 高浸透圧液を充填したマトリクスIVRを次のように調製した。100mM酢酸緩衝液と、30mM NaClおよび3.8Mグリセロール(pH5、428mOsm)との70/30%v/v混合液100mL中にTECOPHILIC SP−80A−150IVRを4日間入れ、ポリマーを平衡まで膨張させた。代替として、グリセロールがプロピレングリコールで置き換えられてもよい。
【0054】
6.VFSマトリクスIVRデバイスを調製するための手順
[0061] 膣液模倣物(VFS)を充填したマトリクスIVRを次のように調製した。1LのVFSを調製するために以下を組み合わせた:5gのグルコース、3.51gのNaCl、2.0gの乳酸、0.4gの尿素、0.222gの水酸化カルシウム、0.16gのグリセリン、0.02gのウシ血清アルブミン、1gの氷酢酸、および1.4gの水酸化カリウムをDDI水に加えた。続いて、5mLの1M HClを加えてpHを4.21とし、次いでDDI水を加えて1Lの体積とした。100mLのVFS中にTECOPHILIC SP−80A−150IVRを3日間入れ、3.2mLのVFSでポリマーを平衡まで膨張させた。
【0055】
実施例17:親水性シリコンポリウレタンマトリクスIVR
[0062] 以下のプロトタイプの目的は、シリコン材料からIVRを構築することであった。この実施形態では、親水性シリコンポリウレタン(DSM Biomedical、Berkeley,CA)ロッドのセグメントを155mm(横断面5.2mm)に切断した。セグメントを一緒に突合せ溶接することにより端部を連結し(最大出力、溶融時間8秒)、リングを形成した。一晩硬化させた後、生じた成形バリをポリマーリングから除去した。
【0056】
実施例18:ポッドホルダーを有するTECOPHILIC HP−93A−100マトリクスデバイス
[0063] ポッドを保持するために、膨潤性ポリマーマトリクスIVRと非膨潤性エラストマーセクションとを組み合わせてIVDを構築した。ポッドは、膣腔と接触するとそこを通って製剤が放出される、少なくとも1つの開口部を有するポリマーチャンバである。チャンバは除放製剤を収容し、該製剤は、水膨潤性ポリマーおよび膣内に投与可能な物質を含む。「除放製剤」とは、1時間以上から最大数日間までの期間にわたって放出される、膣内に投与可能な物質の製剤を意味する。ポッドホルダーを含む30mmセグメントは、射出成形したTECOFLEX EG−85Aポッドホルダーから切り出した。TECOPHILIC HP−93A−100ロッド(横断面4.6mm)を105mmに切断した。100mLビーカー内で5分間70℃でTECOPHILICポリマーセグメントをアニーリングして真円度の高いリング形状を形成し、次いで、室温(RT)で15分間冷却してセグメントに初期曲率を提供した。TECOPHILICロッドの端部をTECOFLEXポッドホルダーセグメントの端部に突合せ溶接することによりリングを形成した(最大出力、溶融時間8秒)。
【0057】
実施例19:ポッドホルダーを有するTECOPHILIC HP−93A−100貯留部デバイス
[0064] 本発明のデバイスは、ポッドを保持するために、膨潤性貯留部IVRと非膨潤性セクションとを組み合わせる。各半片がポッドホルダーを含み、80mmの長さになるように、射出成形したTECOFLEX EG−85AポッドホルダーIVRを半分に切断した。TECOPHILIC HP−93A−100チューブ(横断面4.8mmおよび壁厚250μm)を76mmに切断した。ステンレススチールのばね(横断面4.01mm、ワイヤ直径0.51mm、3コイル/cm)を80mmに切断した。5mmのTecophilicチューブをTECOFLEXロッドの上に重ね、次いで、横断面を5.5mmに増加させるために、幅5mm、長さ80mmのアルミホイルに包んだ。誘導溶接機内に出力45%で25秒連結部を配置し、次いで8秒のソーキングおよび10秒の冷却を行ってチューブをロッドに連結した。チューブ内にばねを挿入し、チューブの他方の端部がロッド上で重複できるように圧縮し、上記手順を繰り返してリングを形成した。アルミホイルを除去することにより完全なIVRを得た。
【0058】
実施例20:乳酸菌ポッド
[0065] 実施例では、乳酸菌等の材料でできたペレットを保持および放出する目的で、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)からポッドを構築した。(実施例18および19にて上述した)ポッドホルダーを有するマトリクスIVDおよび貯留部IVD内にポッドを挿入した。ペレットは、Natural Factors(Coquitlam,BC、Canada)のMulti Acidophilusカプセルに含まれる粉末から作製した。手動の卓上プレス(Carver Inc.、Wabash,IN)を使用して、1.5分間5000lb の圧力で、約170mgの粉末を高さ4.6mm×直径6mmのペレットに圧縮した。1/4インチのABSロッド原料を使用して、旋盤上で高さ5.8mmおよび直径6.5mmの内部寸法を有するABSポッドを製造した。これらのポッド内にペレットを挿入し、ABSセメントを使用して1.5mmの開口部を有するABSリッドまたはキャップをポッド上に接着し、ペレットを内部に密封した。放出試験のためにマトリクスポッドホルダーおよび貯留部ポッドホルダー内にポッドを挿入した。
【0059】
実施例21:マトリクスポッドホルダーおよび100%乳酸菌ペレットを有するIVR
[0066] 乳酸菌ペレットを保持および放出する、水膨潤性セクションおよび非膨潤性セクションを組み合わせたIVRを構築した。(上述の)TECOPHILIC HP−93A−100マトリクスポッドホルダーIVRを使用した。手動の卓上プレスを使用して、1.5分間5000lbの圧力で、Natural FactorsのMulti Acidophilusカプセルの中身の約170mgの粉末を高さ4.6mm×直径6mmのペレットに圧縮した。TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して、射出成形によって作製したエラストマーの円形の穴の中に乳酸菌ペレット(直径6mm×高さ4.6mm、0.1717g)を接着した。円筒状ペレットの暴露された円形の側面のうちの1つのみを接着剤で被覆した。使用前にデバイスの内容物の漏れまたは分注を防止するために、ペレットを覆う除去可能な接着ストリップを用いて同等のデバイスを製造した。
【0060】
実施例22:HPC/乳酸菌ペレット/ポッド
[0067] ポッドから乳酸菌を放出することができるIVRを構築した。ポッドはABSから作製され、HPC/乳酸菌混合物からなるペレット形態の材料を保持および放出する。この実施形態において、Klucel GF Pharmヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(Hercules Inc.、Wilmington,DE)をNatural FactorsのMulti Acidophilusカプセル(50/50重量%)から得た粉末と組み合わせることによってペレットを作製した。手動の卓上プレスを使用して、1.5分間5000lbの圧力で、約170mgの粉末を高さ4.6mm×直径6mmのペレットに圧縮した。高さ5.8mmおよび直径6.5mmの内部寸法を有するABSポッド内にペレットを挿入した。ABSセメントを使用して1.5mmの開口部を有するABSリッドをポッド上に接着し、ペレットを内部に密封した。放出試験のためにマトリクスポッドホルダー(実施例18)および貯留部ポッドホルダー(実施例19)内にポッドを挿入した。使用前にポッドの内容物の漏れまたは分注を防止するために、ポッドを覆う除去可能な接着ストリップを用いて同等のデバイスを製造した。
【0061】
実施例23:HECペレット/ポッドデバイス
[0068] 本実施例では、ABSから構築されたヒドロキシエチルセルロース(HEC)潤滑剤等の材料でできたペレットを保持および放出する目的で、ABSからポッドを構築した。ペレットは、1重量%のローダミンBイソチオシアネートデキストランおよび99重量%のNatrasol(商標)250 HXヒドロキシエチルセルロース(HEC)から作製した。手動の卓上プレス(Carver Inc.、Wabash,IN)を使用して、1.5分間5000lbの圧力で、約170mgの粉末を高さ4.6mm×直径6mmのペレットに圧縮した。またペレットは、同等の方法を使用して、100重量%のNatrasol(商標)250 HXヒドロキシエチルセルロースからも作製した。高さ5.8mmおよび直径6.5mmの内部寸法を有するABSポッド内にペレットを挿入した。ABSセメントを使用して1.5mmの開口部を有するABSリッドをポッド上に接着し、ペレットを内部に密封した。放出試験のためにマトリクスポッドホルダー(実施例18)および貯留部ポッドホルダー(実施例19)内にポッドを挿入した。使用前にデバイスの内容物の漏れまたは分注を防止するために、ペレットを覆う除去可能な接着ストリップを用いて同等のデバイスを製造した。
【0062】
実施例24:マトリクスポッドホルダーデバイス内のK−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)
[0069] 本実施例では、K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)オビュール等のグリセリンオビュールをマトリクスポッドホルダーIVR内に取り付けた。Tecophilic HP−93A−100マトリクスポッドホルダーIVR(実施例18)を使用した。10mmアレンレンチ上でポッドホルダーを延伸し、オーブン内で5分間100℃でアニーリングした。次いで、5mLシンチレーションバイアル上でポッドホルダーを延伸し、100℃で5分間オーブンに入れた。室温で20分間冷却した後、ポッドホルダー内にK−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)オビュールを挿入した。
【0063】
実施例25:グリセロールを充填したTECOPHILIC HP−60D−35貯留部デバイス
[0070] グリセロールを充填した貯留部IVRを次のように構築した。横断面4.8mmおよび壁厚1.10mmを有する親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンTECOPHILIC HP−60D−35チューブを使用して膣内リングを構築した。チューブを170mmの長さに切断し、先端形成ダイを使用して両端を密封した。チューブの横断面は接合ダイクランプの内径5.5mmよりも小さかったため、空気が圧縮し、クランプは使用不能であった。圧縮されていないクランプは、チューブを支持してダイ内に誘導するためになおも使用された。ダイ開口部から1cmにクランプを配置することにより、10秒の予熱サイクルの後に11秒の加熱サイクルを行った(10秒の予熱サイクルの後にチューブを手動でダイ開口部内に入れた)。15秒の冷却サイクルを続けて行い、2〜3mmの先端を得た。両方の端部を密封した後、誘導溶接機を使用して端部を一緒に連結してリングを形成した。端部をダイ内に配置し、締め付け、出力45%で27秒サイクル、続いて18秒のソーキングおよび15秒の冷却サイクルに供した。代替として、グリセロールがプロピレングリコールで置き換えられてもよい。
【0064】
実施例26:親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンルーメンデバイス(壁厚0.7mm)
[0071] TECOPHILIC HP−60D−35(横断面5.5mm×壁厚0.7mm)と同様の親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(DSM Biomedical、Berkeley,CA)から構築された貯留部IVRを169mmに切断し、接合ダイ(HPS−EM:予熱6秒、加熱7秒、冷却10秒、出力20%、移動距離9.0mm)を使用して端部を密封した。密封後、誘導溶接機(出力55%で25秒、ソーキング15秒、冷却15秒)を使用して端部を一緒に溶接した。一晩硬化させた後、連結部を通して2本の27ゲージ針をルーメンに挿入した。別の実施形態では、圧縮されたトーラスの内壁を通して注射針を挿入した。下の実施例28、29、および31に記載される種々の液体で充填された注射器を使用して、1本の注射針によりルーメンを混合液で充填した。一実施形態において、充填後に、TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して注射針の穴を密封した。
【0065】
実施例27:親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンルーメンデバイス(壁厚1.5mm)
[0072] TECOPHILIC HP−60D−35(横断面5.5mm×壁厚1.5mm)と同様の親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンから構築された貯留部IVRを169mmに切断し、接合ダイ(HPS−EM:予熱10秒、加熱11秒、冷却15秒、出力16%、移動距離4.0mm)を使用して端部を密封した。密封後、誘導溶接機(出力55%で25秒、ソーキング15秒、冷却15秒)を使用して端部を一緒に溶接した。一晩硬化させた後、連結部を通して2本の27ゲージ針をルーメンに挿入した。別の実施形態では、圧縮されたトーラスの内壁を通して注射針を挿入した。下の実施例30および32に記載されるような種々の潤滑剤で充填された注射器を使用して、1本の注射針によりルーメンを混合液で充填した。一実施形態において、充填後に、TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して注射針の穴を密封した。
【0066】
実施例28:70重量%グリセロール/30重量%水:親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(壁厚0.7mm)貯留部デバイス
[0073] グリセロールと水の混合物を収容する貯留部IVRを記載されるように構築した。実施例26の注射器法を使用して、実施例26のデバイスを70/30重量%の水/グリセロール混合物で充填した。代替として、グリセロールがプロピレングリコールで置き換えられてもよい。
【0067】
実施例29:100%グリセロールを充填した親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(壁厚0.7mm)貯留部デバイス
[0074] グリセロールを収容する貯留部IVRを記載されるように構築した。実施例26の注射器法を使用して、実施例26のデバイスを100%グリセロールで充填した。
【0068】
実施例30:100%グリセロールを充填した親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(壁厚1.5mm)貯留部デバイス
[0075] グリセロールを収容する貯留部IVRを記載されるように構築した。実施例27の注射器法を使用して、実施例27のデバイスを100%グリセロールで充填した。
【0069】
実施例31:DDI水を充填した親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(壁厚0.7mm)貯留部デバイス
[0076] DDI水を収容する貯留部IVRを記載されるように構築した。実施例26の注射器法を使用して、実施例26のデバイスをDDI水で充填した。
【0070】
実施例32:DDI水を充填した親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(壁厚1.5mm)貯留部デバイス
[0077] DDI水を収容する貯留部IVRを記載されるように構築した。実施例27の注射器法を使用して、実施例27のデバイスをDDI水で充填した。
【0071】
実施例33:遠隔負荷NaCl貯留部デバイス
[0078] 水で充填され、デバイスの壁に穿刺または穿孔することなく製造された貯留部IVRを構築した。長さ120mmに切断された、横断面4.8mmおよび壁厚約250μmを有するTECOPHILIC HP−93A−100でできたチューブを使用してIVRを調製した。横断面4.6mmの中実ロッド形状の同じポリマーを、チューブを密封するためのプラグとして使用するために20mmのセグメントに切断した。1つのプラグをチューブの一方の端部に10mm挿入し、次いで、0.3784および0.6873グラムのNaClをそれぞれ各デバイス内に入れた。NaClの添加後、チューブの2つの端部が連結して閉鎖システムを形成するまで、プラグの他方の端部をチューブの開放端部に挿入した。誘導溶接機を使用してチューブの端部を一緒に連結し、それらをプラグ上に連結した。プラグをダイ内に配置し、締め付け、出力45%で25秒サイクル、続いて8秒のソーキングおよび10秒の冷却サイクルに供した。一晩硬化させた後、37℃のDDI水250mL中にIVRを入れた。5日後、IVRの質量は約2.5グラム増加し、内部は液体で充填されていた。浸漬から7日後に(0.6873gのNaClで充填された)IVR外部の残りの流体のサンプル採取を行ったところ、浸透圧は62mOsmであることが分かり、このIVRは血漿よりも低浸透圧であった。内部に加えられるNaClの量または浸漬するためにIVRを入れる水の量を調節し、最終的な平衡濃度のNaClを使用して、体と比較して高浸透圧、等浸透圧、または低浸透圧であるIVRの内部ルーメンを作製した。
【0072】
実施例34:97/3重量%水/グリセロール貯留部(遠隔負荷法)
[0079] 注射器を用いた穿刺により膜に穴を形成することなくIVR内に負荷されたグリセロールと水の混合物で充填されたIVR。長さ120mmに切断された、横断面4.8mmおよび壁厚約250μmを有するTECOPHILIC HP−93A−100からできたチューブを使用してIVRを構築した。チューブにグリセロールを負荷するために、専用の圧縮ばね(長さ120mm、横断面4.01mm、ワイヤ0.51mm、3コイル/cm)とともに、チューブの各サンプル中に0.8グラムのグリセロールを入れた。断面直径4.6mmのTECOPHILIC HP−93A−100の中実ロッドを、チューブの端部を密封するためのプラグとして使用するために20mmのセグメントに切断した。10mmのポリマープラグをチューブの2つの開放端部に挿入し、端部を一緒に連結することにより、閉鎖リングまたはチューブが形成される。溶接機の中に適合するように、幅1cm×長さ80mmの1枚のアルミホイルを連結部の周囲に巻いて横断面を5.5mmに増加させた。誘導溶接機を使用してチューブの端部を一緒に連結し、それらをプラグ上に連結した。プラグをダイ内に配置し、締め付け、出力45%で25秒サイクル、続いて8秒のソーキングおよび10秒の冷却サイクルに供した。一晩硬化させた後、37℃のDDI水20mL中にIVRを入れた。2日後、IVRの質量は2〜2.3グラム増加し、内側(ルーメン)は、97重量%の水と/3重量%のグリセロールとの混合物である液体で充填されていた。内部に加えられるグリセロールの量を増加させる/減少させるか、またはデバイスを浸漬する水の量を増加させる/減少させることは、最終的なグリセロール対水の比率、そして最終溶液の浸透圧に影響を及ぼす。またデバイスは、浸漬するために水とグリセロール等の混合物中に入れられてもよい。こうすることで水およびグリセロールがデバイス内に負荷される。代替として、デバイスは、初期浸漬のために水中に入れられ、次いで、グリセロールを水中に引き寄せるためにグリセロールまたは他の混合物中に入れられる。
【0073】
[0080] 限定されないが、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カラゲナン(すなわち、硫酸化された多糖類)、他の潤滑性または水和性物質、塩、および高浸透圧水性剤等を含む物質を使用して、IVRに水性の液体潤滑剤を負荷するための浸透圧勾配を形成するために適切な物質が使用されてもよい。
【0074】
実施例35:DDI水貯留部デバイス
[0081] DDI水を充填した貯留部IVRを次のように構築した。低浸透圧溶液(例えば、添加材を僅かに含むかまたは全く含まない水)を充填したデバイスを構築し、水の制御送達を実証した。下に記載する実施形態において、膣腔内の高浸透圧膣液溶液が、一定期間(すなわち、数日(1〜5日)および潜在的に最大30日)にわたって徐々にIVRから水を送達する様式で、IVRから水または水蒸気を浸透圧的に引き寄せる。長さ120mmに切断された、横断面4.8mmおよび壁厚250μmを有するTECOPHILIC HP−93A−100でできたチューブを使用してIVRを構築した。横断面4.6mmの中実ロッドと同じポリマーを、チューブを密封するためのプラグとして使用するために20mmの長さのセグメントに切断した。プラグの一方の端部をチューブ内に10mm挿入し、圧縮ばね(長さ120mm、横断面幅4.01mm、ODワイヤ0.51mm、3コイル/cm)をチューブに挿入し、プラグの他方の端部をチューブの開放端部に挿入して閉鎖チューブを形成した。(別の実施例では、ばね/支持部がデバイスから省略される。)誘導溶接機を使用してチューブの端部を一緒に連結し、それらをプラグ上に融合させた。その上にチューブを有するプラグをダイ内に配置し、締め付け、出力45%で25秒サイクル、続いて8秒のソーキングおよび10秒の冷却サイクルに供した。一晩硬化させた後、連結部を通してIVRの内輪に沿ってルーメンに27ゲージ針を挿入した。連結部の他方の側のルーメンに別の針を挿入した。別の実施形態では、圧縮されたトーラスの内壁を通して注射針を挿入した。3mL注射器を使用して、他の針から水が出始めるまで約1.5グラムの二重蒸留(DDI)水をIVR内に注入し、IVRを液体で充填した。所定の位置に針を残したまま、IVRを100mLのDDI水中に入れ、ポリマーを平衡膨張に到達させた。
【0075】
実施例36:複数ルーメン:マトリクス/貯留部
[0082] 各々が、異なる種類の液体/潤滑剤を保持する、それぞれ、中実および中空、またはマトリクスおよび貯留部の、2つの異なる種類の液体/潤滑剤貯留部を使用して、次のようにIVDを構築した。TECOPHILIC HP−93A−100チューブ(断面直径4.8mmおよび壁厚250μm)を40.5mmに切断した。TECOPHILIC HP−93A−100ポリマーロッド(横断面4.6mm)を91.5mmに切断した。50mLビーカー内で、5分間70℃でロッドセクションをアニーリングし、次いで、室温で空冷して円形の最終生成物を得た。ステンレススチールのばね(横断面4.01mm、ワイヤ直径0.51mm、3コイル/cm)を38.45mmに切断した。TECOPHILIC HP−93A−100チューブの5mmのセクションをTECOPHILIC HP−93A−100ロッドの上に重ね、次いで、横断面を5.5mmに増加させるために、幅3mm×長さ80mmの1枚のアルミホイルに包んだ。分割ダイ溶接機(HPS−20、PlasticWeld Systems,Inc.)を出力45%で25秒使用して、得られた連結部を誘導溶接し、次いで8秒のソーキングおよび10秒の冷却を行ってチューブをロッドに連結した。チューブの開放端部にばねを挿入し、チューブの他方の端部をTECOPHILIC HP−93A−100ロッドの他方の端部上に重複させるように圧縮し、次いで、横断面を5.5mmに増加させるために、幅3mm×長さ80mmの1枚のアルミホイルに包んだ。分割ダイ溶接機(HPS−20、PlasticWeld Systems,Inc.)を出力45%で25秒使用して、得られた連結部を誘導溶接し、次いで8秒のソーキングおよび10秒の冷却を行ってチューブをロッドに連結し、完全なリングを形成した。各連結部を通してチューブセクションのルーメンに27ゲージ針を挿入し、3mL注射器を使用して、一方の針を通してルーメンをグリセロールで充填する一方で、他方の針から空気を逃がした。一実施形態において、次いで、TECOFLEX 1−MP Adhesive(Lubrizol Advanced Materials,Inc.、Cleveland,OH)を使用して、充填後に針穴を密封した。
【0076】
実施例37:穴/細孔を有するTECOFLEX EG−85A貯留部デバイス
[0083] 負荷した潤滑剤/液体の放出を可能にする細孔を有する疎水性ポリマーから貯留部IVRを構築した。TECOFLEX EG−85Aチューブ(横断面5.5mm×壁1.5mm)を159mmに切断し、接合ダイ(HPS−EM:予熱10秒、加熱11秒、冷却15秒、出力16%、移動距離3mm)を使用して端部を密封した。端部を密封した後、0.5mmドリルビットを使用して、密封したチューブの片側に沿ってドリルで穴を開けた:約3mmごとに開始して各端部から20mmで終了し、ロッドセグメントに40個の穴を開けた。穴は、チューブの一方の壁にのみドリルで開けられ、内側ルーメンからチューブの表面までチャネルを形成した。ドリルで穴を開けた後、IVRの内輪に沿ってドリルで開けた穴を配置する構成で、誘導溶接機(出力37%で25秒、ソーキング12秒、冷却15秒)を使用して端部を一緒に溶接した。27ゲージ針および3mL注射器を使用して、TECOFLEX EG−85A側のルーメンに0.2重量%メチレンブルー/K−Y(登録商標)Brand Jelly混合物0.1グラムを注入した。使用前にデバイスの内容物の漏れを防止するために、除去可能な接着ストリップを用いて同等のデバイスを製造した。
【0077】
実施例38:貯留部チャンバを分離するポリマープラグを有する二重貯留部IVRデバイス
[0084] 2つの貯留部を分離する疎水性ポリマーをとともに、親水性エラストマーから2つの別個の貯留部を含むIVRを構築した。これらの別個の貯留部は、異なる液体/潤滑剤を保持および放出するために使用することができる。この実施形態では、2本の長さ80mmの親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンチューブセグメント(横断面5.5mm×壁厚0.7mm)からデバイスを製造した。接合ダイ(HPS−EM)を使用して親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンセグメントの端部を密封した。ダイ開口部から9mmにクランプを配置することにより、6秒の予熱サイクルの後、次の10秒の冷却サイクルとともに7秒の加熱サイクルを行った。TECOFLEX EG−85Aの長さ5mmのセグメント(横断面5.5mm)2本をセパレータ/コネクタとして機能するように切断した。これらのコネクタは、水溶液潤滑剤が第1のセグメントから第2のセグメント内に入ることを許容しない特性を有し、2つの独立した体積を形成する。Fenner Drives(Mannheim,PA)のポリウレタン突合せ溶接キットを最大出力で使用して、チューブセグメントの端部上でTECOFLEX EG−85Aセグメントを溶解した。次いで、同じ手順を用いてこれらの端部を一緒に溶解してIVRを生成した。連結部を通してIVRの内輪に沿って一方のルーメンに27ゲージ針を挿入した。連結部の他の側のルーメンに別の針を挿入し、3mL注射器を使用して、他の針から液体が出始めるまで0.8グラムの水をIVR内に注入した。他方のチャンバについても同じ手順を繰り返したが、0.8gの70/30重量%グリセロール/水混合物を使用した。一実施形態において、充填後に、TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して注射針の穴を密封した。
【0078】
実施例39:タンポン状貯留部デバイス
[0085] 本実施例は、潤滑デバイスの代替の設計を実証する。この実施例では、TECOPHILIC HP−93A−100チューブ(横断面10.1mm×壁厚1.56mm)を60mmに切断した。2枚のアルミニウム板間でチューブの各端部約2mmを145℃で20秒軽く締め付け、チューブの各端部を封入した。チューブのいずれかの端部に27ゲージ針を挿入し、注射器を使用して、針のうちの1本を通してチューブ内にグリセロールを注入した。一実施形態において、次いで、チューブの各端部の1〜2cmを約50mgのTECOFLEX 1−MP接着剤に浸漬し、針の穴を密封した。「接着されていない」長さが3cm残った。
【0079】
実施例40:二重貯留部タンポンデバイス
[0086] 本実施例は、異なる潤滑剤を送達する2つの異なる貯留部を有する潤滑デバイスの代替の設計を実証する。TECOPHILIC HP−93A−100チューブ(横断面9.53mm、壁厚1.4mm)の30mmセグメントを2本切断した。TECOFLEX EG−85Aプラグ(横断面7mm、長さ5mm)を各チューブの端部に挿入し、Fenner Drivesのポリウレタン突合せ溶接キットを最大出力で使用して、各チューブの端部内でプラグを溶解し、チューブを密封した。各チューブを密封した後、同じ手順を用いて一方の端部を別の端部と連結し、長さ約60mmの二重貯留部デバイスを生成した。連結部を通してデバイスの一方のルーメンに27ゲージ針を挿入した。デバイスの端部に別の針を挿入し、3mL注射器を使用して、他の針から液体が出るまで0.8グラムの水をIVR内に注入し、そうすることでチャンバのうちの一方を充填した。他方のチャンバについても同じ手順を繰り返したが、0.8gの70/30重量%グリセロール/水混合物を使用した。一実施形態において、充填後に、TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して注射針の穴を密封した。調製された複数ルーメンIVRデバイスと同様の中実または中空セクション/ルーメンの任意の組み合わせを用いてタンポン状デバイスを作製することができる。
【0080】
実施例41:100重量%の水膨潤性ポリウレタンデバイス
[0087] Haake Minilab(Thermo Electron Corporation、Newington,NH)押出機上で、水膨潤性ポリウレタンHP−93A−100を断面寸法5.5mm、長さ約155mmのコードに押出成形した。誘導溶接を使用してデバイスをリング状に溶接し、ガラス製コーン上で70"Cで30分間アニーリングした。得られたデバイスを測定し、300mLの膣液模倣物(90.6mM塩化ナトリウム、25.6mM乳酸ナトリウム、および17.7mM酢酸)中で膨張させた。2日にわたり、デバイスは、その初期質量の約2倍である平衡質量まで膨張した。空気中に配置されると、デバイスは、接触していた表面に水分を提供し、触れると湿潤しており、周囲雰囲気への水分の形態で質量を失った。
【0081】
実施例42:マトリクスおよび貯留部タンポンデバイス
[0088] 本実施例は、潤滑剤を送達する貯留部セクションおよびマトリクスセクションを有する潤滑デバイスの代替の設計を実証する。TECOPHILIC HP−93A−100チューブ(断面直径4.8mmおよび壁厚250μm)のセグメントを30mmに切断した。TECOPHILIC HP−93A−100ポリマーロッド(横断面4.6mm)を30mmに切断した。TECOPHILIC HP−93A−100ロッドセクションをチューブセクションの端部に10mm挿入し、次いで、横断面を5.5mmに増加させるために、幅3mm、長さ80mmの1枚のアルミホイルに包んだ。分割ダイ溶接機(HPS−20Y)を出力45%で25秒使用して、得られた連結部を誘導溶接し、続いて8秒のソーキングおよび10秒の冷却を行ってチューブをロッドに連結した。TECOPHILIC HP−93A−100ロッドの5mm長セクションをチューブセクションの他方の開放端部に挿入し、次いで、横断面を5.5mmに増加させるために、幅3mm、長さ80mmの1枚のアルミホイルに包んだ。分割ダイ溶接機(HPS−20:PlasticWeld Systems,Inc.、Newfane,NY)を出力45%で25秒使用して、得られた連結部を誘導溶接し、次いで8秒のソーキングおよび10秒の冷却を行ってチューブを5mmロッドセクション上に連結し、チューブセクションを密封した。連結部を通してチューブセクションのルーメンに27ゲージ針を挿入した。デバイスの端部に別の針を挿入し、3mL注射器を使用して、他の針から液体が出るまで0.2グラムの水をIVR内に注入し、そうすることでルーメンを充填した。一実施形態において、充填後に、TECOFLEX 1−MP接着剤を使用して注射針の穴を密封した。TECOFLEX 1−MP接着剤を10分間硬化させた後、デバイスを50mLの水中に沈め、デバイスのロッド/マトリクスセクションを浸漬/膨張させた。24時間浸漬した後、ロッド/マトリクスセクションは0.45gの水を含んで膨張していた。
【0082】
生物学的実施例
実施例43:インビボヒツジ試験の手順
[0089] 動物モデルにおける流体または潤滑剤の送達を実証するために設計された選択されたIVRを使用して、ヒツジ動物モデルを使用したインビボ有効性試験を行った。これらの試験の目的は、種々の選択されたIVR設計から放出されるまたはIVR設計に応じてヒツジの膣ルーメン内に見られる流体の量を測定することである。ヒツジモデルにおいて使用した上述の設計は、1)等浸透圧酢酸緩衝液マトリクスIVR(実施例16.3)、2)97/3重量%水/グリセロール貯留部IVR(実施例34)、3)70/30重量%酢酸緩衝液/グリセロールマトリクスIVR(実施例16.5)、4)100%グリセロール貯留部IVR(実施例25)、5)70/30重量%グリセロール/水貯留部IVR(実施例28)、6)DDI水貯留部IVR(実施例35)、7)DDI水マトリクスIVR(実施例16.4)、8)未投与/ベースラインデータ(IVRなしの未投与対照)、および9)熱可塑性脂肪族ポリウレタン(PU)IVR(プラセボ対照IVR)等のIVRを含む等浸透圧、低浸透圧、および高浸透圧溶液を含む。未投与/ベースラインデータおよびプラセボIVRデータは、最大5日連続でN=6匹の動物を使用して得た。各IVR設計(N=3)の重量を予め測定し、ヒツジの膣管内約6〜9cmに配置した(頸部近くの膣管に一貫して配置した)。各IVR設計を最大5日間ヒツジの膣内に留置した。
【0083】
実施例44:Weck−Cel(登録商標)を用いて膣液の量を判定するための手順
[0090] IVR設計から放出されたまたはIVR設計の結果として産生された流体の量を判定するために、各サンプルについて、特製ゲルアプリケーター装置に取り付けた三角形の先端を有するWeck−Cel(登録商標)(Medtronic Inc.、Fridley,MN)スワブを膣内約6cmの膣粘膜上皮上に2分間置き、膣粘膜上皮と確実に接触するように床に対して平行に保持した。三角形の先端を有するWeck−Cel(登録商標)スワブは、最大約400μlまでの水または水性の液体を容易に吸収する。Weck−Cel(登録商標)スワブの測定は、6時間目と、1、2、3、4、および5日目に行った。膣管において放出または産生された流体の結果として回収された流体の量を判定するために、各サンプル抽出時点の前および直後にWeck−Cels(登録商標)スワブの重量を測定した。各群のヒツジについて、回収されたWeck−Cel(登録商標)スワブの重量を複数日の未投与/ベースラインおよびプラセボIVRデータと比較した。統計的評価のために、不等分散および不等サンプルサイズのスチューデントの両側t検定を用いて、スワブ重量測定値におけるプラセボWeck−Cel(登録商標)スワブの変化と比較してWeck−Cel(登録商標)スワブ重量(α=0.05)の変化の統計的有意性を調べた。その結果を表1に示す。低浸透圧IVR設計は、Weck−Cel(登録商標)による流体回収において、1日当たり、プラセボ測定値の約70%〜220%の増加を示した。重要なのは、100%グリセロール貯留部IVR(実施例25)および70/30重量%グリセロール/水貯留部IVR(実施例28)の2つの高浸透圧IVR設計で、Weck−Cel(登録商標)スワブの結果が、最大5日間の試験期間の間に、1日の膣液レベルにおいて、プラセボ対照の測定値に優る統計的に有意な(α=0.05、スチューデントの両側t検定)増加を示すことである。IVR(100%グリセロール貯留部IVRおよび70/30重量%グリセロール/水貯留部IVRの両方)を含む高浸透圧溶液は、1日当たり、Weck−Cel(登録商標)法を使用して回収されたプラセボ流体レベルの約360〜470%の増加を示した。
【表1】
【0084】
実施例45:ヒツジにおけるIVRからの流体放出を判定するためのIVR重量(質量)における試験後の相違
[0091] IVRデバイスの効果を監視する2番目の方法は、ヒツジの膣ルーメン内にIVRを5日間留置する前および後にIVRの重量を測定することを伴う。表2に示すように、重量の減少(負の変化)は、IVRからの流体放出を意味した。最終的な測定時点の後、IVRを取り出し、70/30v%イソプロピルアルコール/水溶液で洗浄してあらゆる表面基質(すなわち、残留粘膜)を除去し、重量を測定して最大5日間ヒツジの膣粘膜上皮に暴露した後のIVRの流体重量の変化を判定した。低浸透圧デバイス(97/3重量%水/グリセロール貯留部、DDI水貯留部、DDI水マトリクス)および等浸透圧IVR(酢酸緩衝液マトリクス)は、最大5日間の試験期間にわたって100〜900ミリグラム(約100〜900μl)の流体を送達したことから、効果的な流体の送達が示唆された。不等分散および不等サンプルサイズを用いたスチューデントの両側t検定(α=0.05)を使用して、IVRの質量の変化をプラセボIVRの質量の変化と比較した。予想したように、これらの低浸透圧IVRは、IVR質量において統計的に有意な減少をもたらし、ヒツジの膣への液体の送達を示した。
【表2】
【0085】
実施例46:IVRの機械的試験:力対圧縮データ
[0092] Bluehill Lite(Norwood,Massachusetts)ソフトウェアを用いて、Instron 3342(Norwood,Massachusetts)上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期外径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、ヒツジにおいて検討したIVRのIVR機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。1mm/秒の速度でIVRをそれらの外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。ヒツジへの挿入前および挿入後の力試験の結果は表3に見ることができる。全てのIVRが、10%に圧縮したときに0.4N〜2.6Nの範囲の力を示した。
【表3】
【0086】
実施例47:Weck−Cel(登録商標)スワブ上のグリセロールの測定
[0093] グリセロールを収容する2つのIVR(上述の親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタンの70/30重量%グリセロール/DDI水貯留部IVRおよびTECOPHILIC HP−60D−35 100重量%貯留部IVR)に関するヒツジ試験から選択されたWeck−Cel(登録商標)スワブ(6時間、3日、5日)を、実施例53.1のHPLC法を用いてグリセロール含有量について分析した。スワブを20mLのリン酸緩衝食塩水(PBS、25mM、およびpH7.4)中に1週間沈めた。各スワブ上に存在するグリセロールの量は表4に観察することができる。結果は、5日間の試験中にヒツジの膣管内のデバイスから放出されたグリセロールの存在を示している。各スワブ上に存在するグリセロールの量は、約40〜10,000μgの範囲であった。
【表4】
【0087】
実施例48:IVR中のグリセロール含有量の測定
[0094] ヒツジ試験の後にIVRの内容物を抽出し、実施例53.1のHPLC法を用いて内部の流体をグリセロールについて分析することにより、70/30重量%グリセロール/水貯留部IVRおよび100重量%グリセロール貯留部IVRのグリセロール含有量を測定した。グリセロールの量は、それぞれ0.175重量%および0.144重量%であることが分かり、99%を超えるグリセロールがIVRから放出されたことが示唆された。
【0088】
実施例49:D2O放出媒体へのH2OまたはMeOHのインビトロ放出
[0095] これらの試験の目的は、既知の体積のD
2Oへの種々の実施形態の放出特性を調べ、デバイスの膜を横切る液体の運動を示すことであった。IVR(親水性シリコンポリウレタンマトリクス(実施例17)、TECOPHILIC SP−80A−150マトリクス(実施例16.2)、TECOPHILIC HP−93A−100貯留部、および親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン貯留部(実施例32)、壁厚1.5mm)をDDI水中に3日間浸漬して充填し(浸漬前に27ゲージ針を使用して貯留部デバイスのルーメンを充填した)、次いで、30mLのD
2O中に入れた。IVRを溶液中に沈め、7グラムのステンレススチールワッシャーで保持した。全てのサンプルを撹拌せずに室温で維持した。1、3、6、および24時間目にサンプルを得た。サンプルが放出平衡レベルに達したため、24時間後に放出試験を中止した。各時点で回収された体積は600μLであった。サンプル回収後、放出媒体に600μLのD
2Oを戻し入れて体積を30mLに戻し、この希釈のために放出量の計算を調節した。体積10mLのアセトンを内部標準として各サンプルに加えた。DMX 400MHz NMR分光計(Bruker Corporation、Billerica,MA)とともにプロトンNMR法を使用してIVRから周囲の放出媒体に放出された水を測定することによってサンプルを分析した。
1H NMR(D
2O、δ/ppm):2.06(アセトン)および4.65(水)。アセトンのピークを内部標準として一定の値に設定した。この水性試験法を用いたところ、その結果は、6〜24時間に平衡放出に達したことを示した。これは、プロトンが、水性環境にあるこれらの膜を横切って拡散できることを示している。結果を下の表5に示す。
【表5】
【0089】
[0096] 水中のある酸素から次の酸素へとプロトン交換が行われるため、D
2Oを用いて水の放出を測定することは困難である。そこで我々は、最も分子量の低い水の代替品(メタノール)を使用して、低分子量分子の膜を横切る拡散を実証した。IVR(親水性シリコンポリエーテルウレタンマトリクス(実施例17)、TECOPHILIC SP−80A−150マトリクス(実施例16.2)、壁厚0.7mmの親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン貯留部(実施例31)、および壁厚1.5mmの親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン貯留部(実施例32))を70/30v%のDDI水/メタノール混合物中に24時間浸漬して充填し(浸漬前に27ゲージ針を使用して貯留部デバイスのルーメンを充填した)、次いで30mLのD
2O中に入れた。IVRを溶液中に沈め、デバイスが完全に浸漬することを確実にするために7グラムのステンレススチールワッシャーで保持した。全てのサンプルを撹拌せずに室温で維持した。1、3、および6時間目、ならびに1、2、3、4、および5日目にサンプルを得た。各時点で回収された体積は600μLであった。サンプル回収後、放出媒体に600μLのD
2Oを戻し入れて体積を30mLに戻し、当業者に既知の放出の計算においてこの希釈を相殺した。放出されたメタノールの濃度の統合および判定のために、体積10mLのアセトンを内部標準として各NMRサンプルに加えた。DMX 400MHz NMR分光計(Bruker Corporation、Billerica,MA)とともにプロトンNMRを使用してIVRから周囲の放出媒体内に放出されたメタノールを測定することによってサンプルを分析した。
1H NMR(D
2O、δ/ppm):2.06(アセトン)および3.15(メタノール)。アセトンのピークを内部標準として一定の値に設定した。結果は、デバイスの壁厚を変更することにより、低分子量モデルの水の放出を調節することができることを示している。結果を下の表6に示す。
【表6】
【0090】
実施例50:K−Y(登録商標)Brand Jelly潤滑剤放出試験
[0097] この試験の目的は、ルーメンおよび細孔を有するIVRからの潤滑剤K−Y(登録商標)Brand Jellyのインビトロ放出を調べることであった。放出された潤滑剤の量を定量化するためにメチレンブルーを使用した。次のIVRについて調べた:二重貯留部IVR(実施例38)、細孔を有するTECOFLEX IVR貯留部(実施例37)、および外径45.2mmに圧縮された細孔を有するTECOFLEX IVR貯留部(実施例37)。上述のように全てのIVRを0.22重量%のメチレンブルー/K−Y(登録商標)Brand Jelly混合物で充填し、次いで37℃のDDI水50mL中に入れ、80rpmの速度で撹拌した。6時間目、ならびに1、2、3、4、および5日目にサンプルを得た。サンプルサイズは1.5mLであり、放出媒体の体積を一定に維持するために1.5mLのDDI水を直ちに交換した。Synergy 2(BioTek,Inc.、Winooski,VT)プレートリーダーにおいて、波長662nmの吸光度でサンプルを分析した。
【0091】
[0098] K−Y(登録商標)Brand Jellyのインビトロ放出の結果は表7に見ることができる。最初に負荷したK−Y(登録商標)Brand Jellyの混合物は0.22重量%のメチレンブルーであったため、放出されたK−Y(登録商標)Brand Jellyの量は、放出されたメチレンブルーのミリグラムの量に465を乗じることによって見出される。結果は、細孔を含む疎水性ポリマーから構築された貯留部IVRからK−Y(登録商標)Brand Jellyを放出する能力は、1日当たり約7〜315mgの範囲であることを示している。本実施形態における主張を支持するように、圧縮されたIVRは、恐らくは、主張されるように、他の細孔は圧縮によって開放されたが、外径の圧縮から細孔のうちのいくつかが閉鎖したことに起因して、より低い1日当たりの放出量を示した。
【表7】
【0092】
実施例51:IVRの機械的試験:力対圧縮データ
[0099] Bluehill Lite(Norwood,Massachusetts)ソフトウェアを用いて、Instron 3342(Norwood,Massachusetts)上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期直径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、上記放出試験において使用したIVRのIVR機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。1mm/秒の速度でIVRをそれらの外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。放出試験の前および後の力試験の結果は表8に見ることができる。全てのIVRが、10%に圧縮したときに0.6N〜1.1Nの範囲の力を示した。
【表8】
【0093】
実施例52:ポッド放出試験
1.乳酸菌放出試験
[0100] これらの試験の目的は、ポッドの中のペレット(実施例20)、ポッドなしのペレット(実施例21)、およびHPC/乳酸菌を含むペレット(実施例22)を含む種々の実施形態において、インビトロでの乳酸菌の放出について検討することである。乳酸菌は、プロバイオティクス剤であり、本実施形態において、膣内でプロバイオティクス剤を送達するために有用である。以前に記載した(上記実施例18および19)マトリクスポッドホルダーおよび貯留部ポッドホルダーを、実施例20で上述した100%乳酸菌ペレット(0.17g)を収容するポッドに適合させた。37℃のDDI水25mL中にIVRを入れ、80rpmの速度で撹拌した。6時間目、ならびに1、2、3、4、および5日目にサンプルを抽出した。得られたサンプルサイズは5mLであり、放出媒体の体積を一定に維持するために5mLのDDI水を直ちに交換した。キュベット内において、波長220nmの紫外吸光度で、サンプルを乳酸菌放出について分析した。
【0094】
[0101] 別の実施形態において、上記試験を繰り返したが、HPCが放出率に与える影響を調べるために、ペレットは、実施例22に上述するように50/50重量%のHPC/乳酸菌から作製した。体積10mLのDDI水を放出媒体として使用し、得られたサンプルサイズは4mLであった。波長220nmの紫外吸光度を用いて、サンプルを乳酸菌の放出について分析した。
【0095】
[0102] 放出率に与える影響を調べるために、ポッドを覆わずにマトリクスポッドホルダーを100%乳酸菌ペレット(実施例21)に適合させた。ペレットの片側を覆うためにTECOFLEX 1−MP接着剤を使用して、ペレットをポッドホルダー内に取り付けた。一晩接着剤を硬化させた後、37℃のDDI水25mL中にIVRを入れ、80rpmの速度で撹拌した。6時間目、ならびに1、2、3、4、および5日目にサンプルを得た。サンプルサイズは5mLであり、5mLのDDI水を直ちに交換した。キュベット内において、波長220nmの紫外吸光度で、サンプルを乳酸菌の放出について分析した。
【0096】
[0103] 全ての乳酸菌インビトロ放出試験の結果を下の表9に示す。これらの結果は、1日当たり約0〜68mgの範囲の1日放出量で、様々な異なるペレット/ポッドの組み合わせから乳酸菌を放出/送達する能力を示している。
【表9】
【0097】
2.IVRの機械的試験:力対圧縮データ
[0104] Bluehill Liteソフトウェアを用いて、Instron 3342上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期直径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、上記乳酸菌放出試験からのIVRのIVR機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。1mm/秒の速度でIVRをそれらの外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。放出試験の前および後の力試験の結果は表10に見ることができる。全てのIVRが、10%に圧縮したときに0.2N〜1.3Nの範囲の力を示した。
【表10】
【0098】
3.HEC放出試験
[0105] 以下の試験の目的は、ポッド/ペレットの組み合わせにおいてHECの放出を調べることであった。ローダミンBイソチオシアネートデキストランを使用してHEC放出を定量化した。上記実施例18および19に記載したマトリクスポッドホルダーおよび貯留部ポッドホルダーを、99/1重量%のHEC/ローダミンBイソチオシアネートデキストランペレット(実施例23)を収容するポッドに適合させた。37℃のDDI水3mL中にIVRを入れ、80rpmの速度で撹拌した。1、2、3、4、および5日目にサンプルはを採取した。サンプルサイズは1.5mLであり、1.5mLのDDI水を戻し入れた。PerkinElmer LS 55発光分光計(PerkinElmer,Inc.、Waltham,MA)(励起波長および発光波長は、それぞれ570±5nmおよび590±5nmであった)においてサンプルを分析した。一実施形態において、ポッドのうちの1つは、保存中に内容物が漏れるのを防ぐための考えられる解決法をシミュレートするために、開口部の上に透明な接着テープを有していた。このテープは、放出試験の前に除去された。
【0099】
[0106] 各時点のHEC放出は表11に見ることができる。結果は、1日当たり最大1.65mgまでの量のHECをポッドから放出する能力を示す。
【表11】
【0100】
4.IVRの機械的試験:力対圧縮データ
Bluehill Liteソフトウェアを用いて、Instron 3342上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期直径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、上記実施例からのIVRの機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。1mm/秒の速度でIVRをそれらの外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。放出試験の前および後の力試験の結果は表12に見ることができる。全てのIVRが、10%に圧縮したときに0.37N〜1.48Nの範囲の力を示した。
【表12】
【0101】
実施例53:グリセロール放出試験
1.HPLCによるグリセロールの定量化
[0107] D.Stadnik、L.Gurba、S.Blazej、B.Tejchman−MaleckaのRP−HPLCによるQuantitative Analysis of Glycerol in Aqueous Pharmaceutical Preparationsの方法によりグリセロールを定量化した。60
th Annual Pittsburgh Conference on Analytical Chemistry and Applied Spectroscopy(poster presentation),Pittsburgh,PA USA(2009)。この方法は、過ヨウ素酸を用いたグリセロールのホルムアルデヒドへの酸化と、HPLCによって検出される最終生成物である3,5−ジアセチル−1,4−ジヒドロルチジン(DADHL)を形成するための、酢酸アンモニウムの存在下におけるホルムアルデヒドのアセチルアセトンとの後続反応とを用いる。各サンプルから放出されたグリセロールの量を判定するために、サンプルの種類または時点に応じてサンプルを1:10から1:500に希釈した。各希釈サンプルから100μLの体積をHPLCバイアルに移し、1M酢酸アンモニウムおよび0.6M酢酸および500μLのアセチルアセトン(IPA中1%v/v、新しく調製)を含む酢酸緩衝液中の3mMナトリウム過ヨウ素酸溶液200μLをこのバイアルに加えた。バイアルを50℃で卓上振盪機に20分入れ、次いで、上記反応を用いることによって放出媒体サンプル中のグリセロール濃度を判定するために、以下の勾配HPLC法により分析した。反応サンプルをZorbax ODS C18、4.6mm×250mm(5μm孔径)カラム(Agilent Technologies,Inc.、Santa Clara,CA)上に注入し、勾配法を実行した(表13)。λ=410nmで最終生成物DADHLが検出され、平均滞留時間は3.7分であった。既知の濃度(0.261〜66.9μg/mLの範囲)を有するDDI水中のグリセロール溶液を反応させ、各HPLC手順の始めにカラム上に注入し、元のグリセロール溶液の濃度に対するピーク面積(mg/mL)を6.7〜322.3の範囲のピーク面積と関連付ける線形較正曲線を作成した。線形回帰(R
2=0.997)を使用して較正曲線を適合させた。サンプル注入からの滞留時間が同じ手順における標準注入の滞留時間と合致した場合に、ピークは、カラムからのDADHLの溶出を意味すると判定された。ダイオードアレイ検出器(Agilent Technologies,Inc.、Santa Clara,CA)とともにAgilent 1200 HPLCを使用した。
【表13】
【0102】
2.グリセロール放出試験
[0108] 以下の試験の目的は、本発明の技術の種々のIVDからのインビトロでのグリセロール放出を調べることであった。次の種類のIVDからのグリセロールの放出を測定した:親水性熱可塑性脂肪族ポリウレタン(横断面5.5mm×壁厚0.7mmまたは1.5mm(実施例29または30))、複数ルーメンデバイス(実施例36)、タンポン状デバイス(実施例40)、ポッドホルダー中のK−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)(実施例24)。全てのデバイスについては上述してあり、K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)ポッドホルダーデバイスを除いて、グリセロールで充填した。37℃のDDI水400mL中に全てのデバイスを入れ、80rpmの速度で撹拌した。6時間目、ならびに1、2、3、4、および5日目にサンプルを得た(K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)インサートが完全に溶解したため、K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)デバイスのサンプル採取だけは24時間後に中止した)。サンプルサイズは1mLであり、各回収後に水の交換は行わなかった。5日後に、(K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)デバイスを除く)IVRの内部ルーメンも、グリセロール含有量について分析した。
【0103】
[0109] 全てのグリセロールインビトロ放出試験の結果は表14に見ることができる。K−Y(登録商標)Brand LIQUIBEADS(登録商標)デバイスの放出はミリグラムで表記されており、負荷したグリセロールのパーセントではないことに留意されたい。結果は、様々なデバイスからグリセロールを送達/放出する能力を示している。
【表14】
【0104】
3.IVRの機械的試験:力対圧縮データ
[0110] Bluehill Liteソフトウェアを用いて、Instron 3342上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期直径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、上記グリセロール放出試験において選択されたIVDの機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。1mm/秒の速度でIVRをそれらの外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。放出試験の前および後の力試験の結果は表15に見ることができる。全てのIVDが、10%に圧縮したときに0.68N〜1.06Nの範囲の力を示した。
【表15】
【0105】
実施例54:蒸発試験、温度変化
[0111] 本試験は、インビトロでの水の制御損失/送達、または下に列挙するIVDからの水蒸気を実証する。TECOPHILIC SP−80A−150IVR(実施例16.2)を100mLのDDI水に3日間浸漬してポリマーを水和させた。水和したIVRの表面および同一の乾燥した対照IVRの表面に温度プローブを接着した。また、室温を監視するために別個の温度プローブも使用した。IVRを室温で卓上に配置し、5、10、15、および30分、ならびに1、3、および28時間目に温度を記録した。
【0106】
[0112] このインビトロ試験の結果は表16に見ることができる。IVRの表面が空気に接触しているとき、表面は5.5℃冷却した。この表面の冷却は、蒸発として知られる、エンタルピー的に駆動される、濃縮された液体の水がガス状の水になる状態の変化を意味する。これは、IVRの表面からの水蒸気の送達を示している。
【表16】
【0107】
実施例55:蒸発試験、質量変化
[0113] この実施形態では、膣空間のインビトロモデルを提供するために部分的に閉鎖された容器における流体の放出速度を判定し、水または水蒸気の制御放出を実証するために、蒸発試験を行った。TECOPHILIC SP−80A−150IVR(乾燥重量2.88g、水和重量5.84g、水2.97g)(実施例16.2)、TECOPHILIC HP−93A−100貯留部IVR(乾燥重量0.93g、水和重量3.70g、水2.77g)(実施例35)、および親水性シリコンポリウレタンマトリクス(乾燥重量2.65g、水和重量3.27g、水0.62g)(実施例17)を100mLのDDI水に3日間浸漬してポリマーを水和させた(浸漬前に27ゲージ針を使用して貯留部デバイスの内側ルーメンを充填した)。次いで、瓶上部に1/4インチの穴を有する400mLガラス瓶の中にIVRを入れた。瓶を室温で維持し、10日(親水性シリコンポリウレタンマトリクスデバイスの場合は121.5時間)にわたる種々の時点で質量の変化を監視した。
【表17】
インビトロ試験の結果は表17に見ることができる。10日目までに、両方のTECOPHILICデバイスが、12μL/時間の速度でそれらの水の90%超を送達し、121.5時間目までに、親水性シリコンポリウレタンマトリクスデバイスは、5.0μL/時間の速度でその水の100%超を送達した。結果は、数日にわたる水の長期送達を示している。
【0108】
実施例56:IVRの機械的試験:力対圧縮データ
[0114] Bluehill Liteソフトウェアを用いて、Instron 3342上で周期的な圧縮‐弛緩プログラムを使用して、リングをその初期直径の10分の1に圧縮するために必要な力の量を測定することにより、上記蒸発試験からのTECOPHILIC SP−80A−150IVRおよび親水性シリコンポリウレタンIVRのIVR機械特性について調べた。小さな溝のある基部にリングを配置し、上方の圧力変換器に取り付けられたプローブから最小限の圧力によって直立に維持した。IVRは、1mm/秒でその外径の10%に圧縮した。その圧縮時の力(N)を測定した。TECOPHILIC SP−80A−150IVRは、10%に圧縮したとき、試験前の1.37Nから試験終了時の1.12Nまでの範囲の力を示し、親水性シリコンポリウレタンマトリクスIVRは、10%に圧縮したとき、試験前の0.48Nから試験終了時の0.50Nまでの範囲の力を示した。
【0109】
均等物
[0115] 本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者には明白であるように、その主旨および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更が行われてもよい。本明細書に列挙されるものに加えて、本開示の範囲内である機能的に均等な方法および装置は、当業者には上記説明から明白であろう。そのような修正および変更は、付属の特許請求の範囲の範囲内に属することが企図される。本開示は、付属の特許請求の範囲の用語と並んで、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の完全な範囲によってのみ限定される。本開示は、当然異なり得る、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物系に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするのであって、限定的であることを企図するものではないことも理解されたい。
【0110】
[0116] さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループの観点から記載されている場合、当業者は、それによって、本開示もまた、マーカッシュグループの任意の個々の要素または要素のサブグループ、またはそれらの組み合わせの観点から記載されているということを認識するであろう。
【0111】
[0117] 当業者に理解されるように、任意のおよび全ての目的のために、とりわけ、記載された明細書を提供するという点において、本明細書に開示される全ての範囲は、任意のおよび全ての可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組み合わせもまた包含する。任意の列挙される範囲は、同範囲を少なくとも等しく2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に分割することを十分に説明し、かつ可能にするものであると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、および上位3分の1等に容易に分割され得る。また、当業者に理解されるように、「〜まで」、「少なくとも」、「〜より大きい」、「〜より少ない」等の全ての言語は、列挙される数字を含み、上述のサブ範囲に続いて分割することができる範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は、それぞれの個々の要素を含む。したがって、例えば、1〜3個の細胞を有する群は、1、2、または3個の細胞を有する群を指す。同様に、1〜5個の細胞を有する群は、1、2、3、4、または5個の細胞を有する群を指す等である。
【0112】
[0118] 種々の態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、当業者には他の態様および実施形態も明白であろう。本明細書に開示される種々の態様および実施形態は、例示を目的とするのであって、限定的であることを企図するものではなく、真の範囲および主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。