(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部品の前記境界上の前記位置ごとに、前記固定具要素それぞれと、前記基板に取り付けられる場合、前記製造器具の前記部品への前記接近それぞれにおける前記制限容積の掃引との間の交差を評価することと、
1つ以上の前記固定具要素が少なくとも1つの前記製造器具の接近と交差するのを見つけると、前記製造器具と交差する固定具要素の間に妨げをもたらす前記位置の固定具要素を特定することと、
さらなる検討から、前記製造器具の妨げの起因となる前記位置を除外することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
レンチ座標系内であり、かつ前記部品の前記境界上の前記特定される位置に対応する候補固定可能位置を規定することであって、各候補固定可能位置は、前記レンチ座標系の起点と相対的な位置およびユニット内部表面の垂線の両方を備える、規定することと、
前記ユニット内部表面の垂線に沿って各候補固定可能位置の前記位置からの点接触力を与えることと、
前記点接触力のそれぞれに沿って加わる力をレンチにマップすることであって、各レンチは、前記加わる力および前記点接触力の前記位置に前記加わる力の外積を備える、マップすることと、
前記レンチのそれぞれを二元にマップすることであって、各二元は点空間を備える、マップすることと、
前記レンチのそれぞれを前記レンチがマップされる前記二元によってソートし、かつ各二元の前記点空間の最も遠い点を極限点として保持することと、
複数の前記レンチの前記二元に保持される前記極限点に対応するベクトル列を備えるレンチ行列を構築することと、
前記レンチ行列を除く前記二元からの複数の前記極限点を、前記極限点の組み合わせに備えられる前記レンチとマップされる前記点接触力の前記位置に備えられる前記候補固定可能位置を備える潜在的な構成として結合することと、
前記レンチ行列内に備えられる前記ベクトル列の線形独立性を解決することによって、前記極限点の前記組み合わせから暗黙で定義される凸包内の起点の包含をテストし、かつ前記凸包内の前記起点が暗黙に包含されると前記潜在的な構成の前記形態クロージャを確立することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
固定具の計画および構成の幾何学的なコンピュータ実装方法は、製造部品の形状に関して論理的に考え、障害および衝突の制限をチェックするために活用される。本方法は、部品の非可動性を保証する一連のアクセス可能位置を提供する。
図2は、一実施形態に従って、製造部品上の点を固定する固定具要素の空間位置を決定するコンピュータ実装システム20を示す機能ブロック図である。幾何学的な方法は、変形、許容誤差などを考慮した分析に関連して遂行するよりも、むしろ固定具の地点の位置を決定することに主に重点を置く。
【0007】
一実施形態において、ウェブベースのサービス23は、特定部品の境界上の接触点の空間位置の構成および締め具などの再構成可能な固定具要素の固定具レイアウトの詳細なフィードバックを提供する。プログラム21は、有線または無線接続を使用して、インターネットなどの広域公衆データ通信ネットワーク上のウェブを経由して遠隔的にアクセスされ得る中央サーバ22を介して提供される。ユーザは、パーソナルコンピュータ27または同様のデバイス上で実行するウェブブラウザ28を介してサーバ22と接続する。サーバ22は記憶デバイス24と動作可能に結合され、その中に設計部品25の幾何学的な型、および固定具26のライブラリが保存され、それらは製造設備に特有であってもよい。
【0008】
プログラム21は、自動化された空間位置の決定および固定具の照合のための一連の空間計画および分析アルゴリズムを実行する幾何学エンジンを実装する。部品25の型は、製造部品の型および部品の制限容積を含み得る。通常は、すべての部品の境界上の位置が固定するために利用可能というわけではない。例えば、機械加工動作において、材料は、未加工の資源または製造プロセス計画における中間段階の型など、より大きな形状から取り出される。結果として、固定の問題における1つの制限は、器具の性能を妨げることなく部品を位置付け、計画どおりに材料を取り出すことである。型および除外容積の判定は、同一出願人により2012年12月10に出願され、係属中であり、参照によりその開示が包含される、米国特許出願第13/710,381号「機械加工部品の製造可能性を分析し、プロセス計画を行うコンピュータ実装方法(Computer−Implemented Method for Analyzing Machined Part Manufacturability and Performing Process Planning)」に記載されるようなプロセス計画において特定されるすべての器具の幾何学的配置ごとに算出され、記憶デバイス24に保存され得る。部品の型および制限容積は、部品の境界および部品の境界の周囲に規定される領域を個々に規定する部品の幾何学表現を含む。制限容積は、切断または研磨する製造器具による機械加工の結果として、部品から取り出される材料の幾何学表現を含む除外容積をさらに表す可能性がある。固定具26のライブラリは、製造設備に随意に固有であり、製造中に部品を固定するよう構成可能である固定具要素のカタログを含み得る。他の部品の型および固定具コンテンツも可能である。
【0009】
自動化された空間位置決定および固定具照合は、さらなる実施形態において、単一プロセスとして協働して実行され得る2つの別個の段階においてプログラム21により行われる。第1の段階において、
図8、
図9、および
図10を参照して、さらに以下に記載されるように、製造部品上の締付点の空間位置が決定され、任意の無限小パータベーション下で固定された部品の非可動性を確実なものにする。高速アルゴリズムは、形態クロージャの理論を使用して固定具の位置を生成する。6次元レンチ空間が分割され、ほぼ最適な質的に異なる固定具の位置を迅速に生成し、その位置は形態クロージャを介して保証された安定性を提供する。分割は、特有の力/モーメント結合に対応する部分空間を特定し、指標系の特性を使用して形態クロージャの構成を提供する指標スキームに依存し、一方で候補解決法の探索空間を劇的に削減する。分析により、大抵は外部の力に耐える固定具であり、したがって実際に見られる直観的な設計に対応する固定具と、力とモーメントの両方に耐える固定具とを区別し、より高い安定性を提供する。
【0010】
第2の段階において、
図14を参照して、さらに以下に記載するように、空間位置は再設定可能な締め具または固定具要素のユーザ特定ライブラリまたはカタログと照合され、アクセス可能および無衝突の締め具を含む有効な固定具レイアウトまたは構成を総合的に行う。第2の段階中に照合する空間位置は、非可動性を確保するために第1の段階において選択されるのと同じ空間位置か、または異なる一連の空間位置であり得る。空間位置はカタログ内の利用可能な締め具と接続され、所与の位置に到達することができる無衝突の締め具のパラメータが生成される。衝突分析は、有効かつ衝突しない一連の締め具または空間位置と適合する固定具要素が見つかるまで、選択された締め具ごとに行われる。
【0011】
プログラム21によって行われる自動化された空間位置決定および固定具照合方法は、より大きな自動化されたプロセス計画システムへの統合に向いている。したがって、プログラム21は、照合または検査を含む他の製造動作中の器具の動きを妨げる部品上の空間位置で固定具が生成されないことを保証するためにチェックを提供する。システム20の出力は工場の生産能力に影響を与え、部品の安定性を保証する自動構成の固定具レイアウトである。
図3〜
図5は、例として、
図2のシステム20を使用して生成される3つの異なる固定具レイアウトを示す図である。このような固定具レイアウトが不可能な場合、部品はシステム20により固定不可として分類される。
【0012】
3次元の固定具統合において、6つのロケータおよび少なくとも1つの締め具が、摩擦のない保持および固定のために必要とされる。候補位置は、固定される部品の表面をサンプリングすることによって選択され、即時に組み合わせの問題が生じる。n個の候補位置ごとに
【数1】
個の固定具位置の組み合わせがあり、したがって網羅的な探索はすぐに実用的ではなくなり、これにより固定具計画および統合を制限された最適化問題として定式化する必要性が提案される。摩擦がある場合、3つのロケータおよび少なくとも1つの締め具が保持または固定のために必要となる。候補位置は、固定される部品の表面をサンプリングすることによって再び選択され、同様の組み合わせの問題が生じる。n個の候補位置ごとに
【数2】
個の固定具位置の組み合わせ、および固定具計画および統合を制限された最適化問題として定式化する同様の必要性がある。プログラム21によって行われる自動化された空間位置決定および固定具照合方法は、探索空間を劇的に削減する質的に固有の解決法を生成し、一方で選択された構成が確実に保持状態を満たすことを目的とした最適化をしないサンプリング戦略を採用する。
【0013】
自動化された固定具の選択およびレイアウトは、生成およびテスト戦略を使用する2つの段階において解決される。
図6は、一実施形態に従って、機械加工部品の製造の分析およびプロセス計画を行うコンピュータ実装方法30を示すフロー図である。最初の手順において、製造部品の型25および部品の制限容積が記憶デバイス24(
図2に図示)から検索される(ステップ31)。部品の型は、機械加工または他の製造動作に続く部品の容積の表現を提供する中間の型を含み得るか、または単に設計後の部品を表してもよい。制限容積は、部品の境界の周囲に規定される領域を含む可能性もあり、または、例えば切断または研磨する製造器具による機械加工の結果として、部品から取り出される材料の幾何学表現を含む除外容積を表してもよい。
【0014】
生成段階中、
図8および
図9を参照してさらに以下に記載されるように、最初に固定可能領域を特定することによって(ステップ32)、部品の非可動性が生成されることを保証する締付点を位置付け、その後、
図10を参照にしてさらに以下に記載されるように、特定された固定可能領域全体の形態クロージャを算出する。テスト段階中、生成段階中に特定されたのと同じ地点であってもよい締付点の位置付けは、
図14を参照してさらに以下に記載されるように、固定具26のライブラリまたはカタログと照合され、その地点が利用可能な締め具の任意の構成により衝突なしにアクセス可能および位置付け可能であるか決定する。
図7は、例として、潜在的な器具の衝突が起こり得る候補固定具レイアウトを示す図である。再び
図6を参照すると、このような固定具構成が見られる場合(ステップ35)、随意に固定具に関する時間およびコストを伴って、構成が有効な固定具として特定および返却される(ステップ38)。そうでない場合、候補固定具構成の探索空間がなくならない限り、形態クロージャの算出(ステップ33)およびカタログの検証(ステップ34)が繰り返される。さらなる候補固定具構成が見つからない場合は(ステップ36)、部品は固定不可と結論づけられる(ステップ37)。
【0015】
ここで、締付点を位置付ける第1段階が詳細に述べられる。製造部品上の締付点の空間位置は、任意の外部の力が加わると、締め付けられる部品の非可動性が確保されることを目的とする。力および形態クロージャの理論はこのような締め付け位置を特定する数学的原理を提供し、部品の形状に特有で、かつ部品の空間点および配向から独立している。特に、このような理論の下では、7点が多面体の部品を摩擦なしで保持するのに必要かつ十分であり、一方で摩擦を伴う接触では4点が必要である。位置付けの点を決定するためのここでの手法は、候補固定具位置の座標でサンプリングされる6次元レンチ空間の分割に依存する。レンチ空間内の各領域は、部品にかかってもよい力とモーメントとの特有の組み合わせを表す(6次元)ベクトルから成る。この分割スキームは、その組み合わせが部品の非可動性を保証するとともに形態クロージャを提供する一連の位置を迅速に特定しやすくする。特に、形態クロージャは、選択されたプリュッカーベクトルの凸包がレンチ空間の起点を包含することを要求することによって保証される。
【0016】
n個の接触位置で保持される多面立体を考える。すべての接触が点接触であり、その線または面接触は2つ以上の点接触により近似され得ると仮定する。締め具と表面との接触は、摩擦があるか、またはない状態で具現化されてもよい。摩擦がない場合、締め具は接触位置で内部ファセット表面垂線に沿って力を与えるのみである。摩擦がある場合、締め具は垂線および接線力の両方を与え得る。多面立体上の任意の接触位置で力fを与えることにより、接触の点と一般的に多面立体の重心である基準点とを結合するベクトルrの周囲にモーメントr×fがさらに生成される。それぞれの力とモーメントの組み合わせはレンチと称され、6次元のレンチ座標(f,r×f)によって表される。重心はさらに、6次元のレンチ空間の起点である
【数3】
と同形として作用する。
【0017】
剛体の非可動性は、物体の境界上の位置から派生する有限の一連のレンチによって部分的または完全に制限されてもよい。一連の位置が任意の外部レンチの適用下で非可動性を維持するために物体を制限する場合、物体は形態クロージャにあるという。一連の位置が境界のある一連の外部レンチを維持し得るのみの事象において、物体は力クロージャにあるという。形態クロージャにある物体の5つの重要な特性が本明細書で使用される。
(1)有限の一連の位置で適用されるレンチの線形結合が任意の外部レンチに耐えることができる場合、またはその場合に限り、立体は形態クロージャの保持を許容する。つまり、一連のレンチ{w
i}が存在し、任意の外部レンチw
extごとに正数λ
i,Σλ
iw
i=−w
extが存在する。換言すれば、w
iは
【数4】
の正スパンを構築しなければならない。実際には、外部レンチを平衡に保つために任意のλ
iが増加または減少することは、位置
iで締め具を締めるまたは緩めることに相当する。
(2)
【数5】
の正スパンは、ベクトルの凸包が起点を制限する場合、またはその場合に限り、一連のベクトルによって保証される。この特性は固定可能性のテストを即時に確立し、これによってすべての候補レンチの凸包が起点を包含する場合、またはその場合に限り、立体は固定可能である。
(3)n+1ベクトルは、
【数6】
を確実に測るために必要かつ十分である。したがって、摩擦のない形態クロージャを確保するためには、7つの点が必要かつ十分である。この特性は、λ
iが厳密に正数でなければならない理由を説明するのに役立つことに留意されたい。7つのレンチのうちの1つ以上が消滅する場合、つまり対応するλ
i=0の場合、正スパンは達成されず、外面垂線に沿ってかかる(けん引)力に相当するため、負のλ
iは許容されない。
(4)その列がw
iを保持する6×7レンチ行列Wを規定すること、レンチの凸包内に起点を包含して形態クロージャをテストすることは、Wのゼロ空間が純粋に正の係数を有する状態にすることに相当する。ゼロ空間ベクトルvが純粋に正の係数を有する場合、ゼロ空間ベクトルvはそのL
1垂線に合わせられてベクトル
【数7】
を生じさせ、これはWのゼロ空間の要素でもある。uのコンポーネントはλ
iであり、そこから起点を意味するΣλ
i=1がw
iの凸結合として表され、したがってレンチの凸包に包含されることがチェックされ得る。
(5)摩擦接触の場合、重力または外部適用に起因する接線力が摩擦によって抗われる。抵抗の大きさは、摩擦の係数に直接的に比例し、摩擦力はレンチにマップする。4つの点が7つのレンチを生成するのに十分であるよう示されることが可能であり、その凸包は起点を包含する。しかしながら、摩擦レンチは物理的に任意のλ
iによって合わせられ得ないため、保持された構成は力クロージャに相当する。
【0018】
生成段階の第1部分中に、部品の境界上の固定可能領域が特定される。
図8は、
図6の方法30において使用される固定可能領域を特定する機能40を示すフロー図である。中間の型を含み得る部品の型および除外容積を含み得る制限容積を考慮して、移動する器具または締め具によって接近され得ない部品境界上の位置が特定される。これらの位置は、例えば機械加工プロセス手順が完了した後に露出される表面に相当する。
【0019】
部品の露出された表面を廃棄するために、部品(または、中間)の型および制限(または、除外)容積のバイナリ空間分割(BSP)木がそれぞれ形成される(ステップ41およびステップ42)。部品の境界上の一連の候補固定可能位置は、例えば部品境界を表す網目の三角形の重心を考慮することによって、部品境界をサンプリングすることにより取得される(ステップ43)。BSP木は、部品境界上の位置から三角形(位置)の垂線に沿って放たれる光線が部品の型に交差するかどうかのレイ交差計算および高速な問い合わせに最適化される(ステップ44)。光線が光線と制限容積との間の交差を示す場合、または2つ以上の光線の間の交差を示す場合(ステップ45)、三角形(位置)は廃棄される(ステップ46)。この計算は、部品境界上の位置が製造器具によって制限または取り出される容積を伴って衝突せずに締め具または固定具要素によって到達可能かどうかを示す抽象概念である。光線放射(ステップ44)および交差テスト(ステップ45)はすべての三角形(位置)が検査されるまで継続され(ステップ47)、
図9を参照してさらに以下に記載されるように、その後、到達可能な一連の三角形(位置)は、締め具または固定具要素が器具を妨げるか決定するために評価される(ステップ48)。評価が完了すると(ステップ48)、廃棄されずに残ったすべての三角形(位置)は一連の候補固定可能位置として戻される(ステップ48)。
【0020】
器具との衝突は、レイ交差テストの形態を使用してさらに評価される。
図9は、
図7の機能40における使用のための到達可能位置を評価する機能50を示すフロー図である。器具の部品への接近は、例えば製造プロセス計画を評価することによって特定される(ステップ51)。器具の接近は、組み立てにより影響されるような接近の方向を含む可能性がある。各接近における制限(または、除外)容積の掃引が生成され(ステップ52)、光線は部品境界上の位置から三角形(位置)の垂線に沿って放射される(ステップ53)。光線が光線と掃引との間の交差を示す場合(ステップ54)、三角形(位置)は廃棄される(ステップ55)。この計算は、部品境界上の位置と接触する締め具または固定具要素が製造器具と衝突する可能性があるかを示す抽象概念である。光線の放射(ステップ53)および交差のテスト(ステップ54)は、すべての三角形(位置)が検査されるまで継続され(ステップ56)、その後、廃棄されないすべての三角形(位置)は無衝突である一連の候補固定具位置として戻される(ステップ57)。
【0021】
生成段階の第2部分中に、部品の形態クロージャが算出される。
図10は、
図6の方法30において使用する形態クロージャを算出する機能60を示すフロー図である。p
iおよびn
iを、
iを指標とするサンプリングされた位置で点およびユニット内部表面の垂線を示すベクトルとする。重心はレンチ座標系を表すグローバル座標系の起点として作用するが、他の点が起点として作用する可能性もある。点接触と仮定すると、位置
iにおいて締め具は力f
iをn
iに沿って与える。摩擦が存在する場合、クーロンモデルおよび摩擦の係数μと仮定すると、位置
iでの接線方向jに沿う滑り止め接線力f
ijは、次の式を満たす。
【数8】
したがって、最終的な任意の点接触位置で作用する滑り止め力は、以下のようになる。
【数9】
【0022】
一連の滑り止め接線力の極限点は半径‖μf
i‖の円となり、結果として生じる一連のベクトルf
ij+f
iはクーロン摩擦錐体とよばれる錐体を形成する。計算を目的として、接線力は多面体などの摩擦錐体を表す円上の離散配向でサンプリングされる。サンプリングされた配向が
【数10】
を構築する場合(例えば、角度が
【数11】
の増分においてサンプリングされる場合)、角θおよびπ+θでの接線力は等しく反対で、和はゼロとなる。したがって、任意の接触位置での潜在的な最大滑り止め力は
【数12】
である。この最大摩擦力で算出される形態クロージャは、摩擦を考慮せずに取得される外殻より大きい凸状のスパンを有する凸状スパンに相当し、したがって摩擦形態クロージャは外部レンチに抗うためにより低い適合性制御を必要とすることを意味する。
【0023】
与えられる各力
【数13】
は、プリュッカー座標
【数14】
により規定される三角形(位置)によってレンチにマップされる(ステップ61)。すべての潜在的なレンチの空間は
【数15】
と同形であり、これにより象限(座標系におけるセクターに相当する四分円および八分円の一般化)またはその中にサンプリングされるプリュッカー座標がハッシュされる2値数を規定するためのユークリッド空間の標準基の使用を許容する。各二元は6つの相互に直交する半空間の交差点によって形成される空間であり、全部で2
6=64の固有の二元を生じさせる。サンプリングされたレンチを二元指標へマップするために使用されるハッシュ機能(ステップ62)は、3つの単一機能の構図である。
(1)レンチの各コンポーネントw
kにヘビサイドステップ関数を適用することによって取得されるレンチステップ関数v:
【数16】
つまり、
v(w
i)={Heaviside(w
1),Heaviside(w
2),...,Heaviside(w
6)}
(2)v(w
i)のコンポーネントの6ビットバイナリ列内への連結
(3)その中にレンチがハッシュされる二元を特定するために構成される6ビットバイナリ列の2進−10進変換。
【0024】
したがって、例として、(2,3,5)で与えられる力(1,−1,1)は、そのステップ関数(1,0,1,1,1,0)が、その10進表現が(2進指標)である列101110にマップされるレンチ(1,−1,1,8,3,−5)を生じる。サンプリングされたレンチが適切な二元にハッシュされると、各二元のベクトルはL
2垂線に従ってソートされ、各二元における最も遠い点は極限点として保持される(ステップ63)。さらなる実施形態において、以下に記載されるように、起点に最も近い点は静的平衡の極限点として保持される。
【0025】
その凸包が起点を包含する7つの極限点の組み合わせが存在する場合、および存在する場合に限って、形態クロージャが可能である。解決法は、ミネソタ州のミネソタ州立大学によって行われ、その開示が参照により包含される、C.B.Barberら著「Qhull」(1995年)(/www.geom.umn.edu/spftware/qhull)に記載されるように、例えばQhullを使用してすべての極限点の凸包を算出し、起点が凸包内に包含されるか反復方法を使用してテストすることによって確認され得る。以下に記載される2つのヒューリスティックテストを含む他の起点包含テストも可能である。
【0026】
最悪の場合、指標スキームによってすべての非空の二元における最大で64個の極限点があり、凸包はO(n
3)時間計算量を有することに留意されたい。この点を劇的に削減しても、極限点の凸包が起点を包含する場合、候補形態クロージャ点構成の
【数17】
の組み合わせがいまだ存在する。最適な解決法の中で質的に確実な解決法が好ましい場合、質的に確実な形態クロージャ構成を素早く生じる2つのヒューリスティックアルゴリズムが使用可能である。
(1)
無作為化アルゴリズム 無作為化アルゴリズムは、6つの極限点を無作為に選択し(ステップ64)、その列が極限点に対応するベクトルであるレンチ行列を構築することによって、対応するベクトルの線形独立性をテストする。レンチ行列が非特異性である場合、残る二元、つまりそこから極限点が無作為に選択される二元を除く、最大で57個の二元が反復して探索され(ステップ65)、形態クロージャ構成が存在するかチェックする(ステップ66)。潜在的な構成の形態クロージャは、起点が凸包内に暗黙的に含まれると確立され得る。形態クロージャが存在する場合(ステップ66)、アルゴリズムは位置および垂線を戻すことによって終了する(ステップ69)。そうでない場合(ステップ66)、処理(ステップ63〜65)およびテスト(ステップ66)は、探索空間がなくなるまで継続される(ステップ67)。探索空間がなくなることは(ステップ67)、部品が固定不可能であることを示す(ステップ68)。さらなる実施形態において、質的に確実な解決法は、乱数発生器の異なる種を選択することによって生成され得る。
(2)
半空間アルゴリズムの分離 極限点の凸包Hull
eは、レンチ点の凸包Hull
wが形態クロージャの特性を有する場合、起点を通過する任意の超平面の片側上に要素を有する状態になり得る。この特性を示すために、起点を通過するすべての超平面Hが
【数18】
を超平面によって規定される非同一性半空間H
+およびH
−に分離することに留意されたい。特に、この見解はすべての主要な半空間x
i=0に対して真である。起点が外殻の内部にある場合、
【数19】
の正スパンを表す。しかしながら、
【数20】
の正スパンを表さない。したがって、Hull
w上の点はHの片側に置かれなければならない。一般性が失われない場合、
【数21】
と仮定すると、真の場合、Hull
wが起点を包含するがHull
eは存在しない状況にある。換言すれば、Hull
wに属するH
−において極限点はない。しかしながら、H
−における点pがHull
wの要素である場合、pを包含する二元はpまたは他の点qである極限点を有する。この状況は、Hull
eが、その単純な反対例が2次元において見つかり得る起点を包含することを意味しないことに留意されたい。
【0027】
スキームの指標となる二元によって、H
+およびH
−上の二元に対応する指標が、Hが6個の主要な超平面のうちの1つである場合に生成され得る。二元指標が0,・・・,63に番号付けされると仮定すると、指標0,・・・,31および32,・・・,63は主要な超平面のうちの一方の側に置かれる。初期の分割における二元kごとの2
k%63の5つの連続的な変換は、他の5つの主要な超平面の片側に二元指標を与える。したがって、レンチ行列が超平面を分離したうちの半分(半平面)上の二元を使用して生成される場合(ステップ65)、最終的な形態クロージャ位置は超平面の別の半分上の他の(最大で)32の二元に見られ得る(ステップ66)。
【0028】
上述した2つのアルゴリズムは、多面立体上の位置に形態クロージャ構成を迅速に生成することを許容する。重要な見解は、レンチ点を二元に分割することで問題のサイズが最大64個の候補位置まで劇的に削減され、形態クロージャ位置を生成するために素早く探索され得ることである。摩擦形態クロージャの場合、摩擦力の接線空間からマップされる対応するレンチとともに、その極限が示す3つの二元を選び出すことは、線形独立基を形成するのに十分である。7点形態クロージャアルゴリズムは、形態クロージャ位置を生成するために適用されてもよい。
【0029】
多くの場合、極限点を組み合わせることによって取得される形態クロージャ構成により生成される位置は、設計者により適用される直観的な設計に必ずしも相当しない。極限点は、凸包が多くの一連の外部の力およびモーメントを、締め具を締めずに均衡に保つというよい特性を有する。極限点を選び出すのと対照的に、起点に最も近い点を選び出す場合、結果として生じる構成は設計者にとって視覚的により魅力的である。例えば、
図11は、例として、万力構成を模倣する摩擦形態クロージャの締め具の解決法を示す図である。
図12は、例として、機械加工された容積に垂直な表面が固定可能である場合に使用される側面の締め具の解決法を示す図である。最後に、
図13は、例として、表面が器具接近方向に沿って十分なクリアランスを有することが可能な場合に使用される締め具を取り付ける方法を示す図である。各二元における起点に最も近い点が選択される場合、これらの点のプリュッカー座標の考えられるモーメントコンポーネントは、その構造により、各三角形に加えられる力が同じ大きさであるため、二元における他のすべての点と比較して最小である。モーメントは三次元空間における作用線の周囲に規定されるため、作用点と重心とが交わるベクトルが加えられる力の方向に沿う(および、単に平行ではない)場合、最小モーメント(ゼロモーメント)が発生する。この発生は、各二元における最も近いプリュッカー座標が純粋な力(または、純粋な力に近いもの)であることを意味する。
【0030】
形態クロージャ構成がこのような点で見られる場合、設計者が固定を静的平衡(または、力バランス)の問題として解決する傾向にあるため、この構成は設計者が設計する固定具に相当する。重心を基準点として選択することによって、これらの「最小モーメント」の作用点は、垂線が重心とそれらの質量の中心を結合するベクトルに沿う平面ファセット上に規定される傾向にある。このような点は自動的に立体の型の面の中心に位置付けられるため、設計者とって視覚的に魅力がある。
【0031】
テストの段階中、固定具は締付点を位置付けることによってライブラリまたはカタログから選択される。
図14は、
図6の方法30において使用する固定具のカタログに対して締付点を位置付ける機能を示すフロー図である。部品の境界上の一連の締付点位置を考えると(ステップ71)、生成の段階中に特定される形態クロージャ締付位置である可能性があり、以上に記載されるように、固定具照合の問題は候補締め具を部品の所与のライブラリから選択することに関与する。固定具はモジュラーと仮定される。さらなる実施形態において、固定具は、製造部品が通過する後続のプロセス手順の締め付け状態を満たす必要がある異なる固定具要素の数を最少化するよう選択される。さらなる実施形態において、固定具は、既存の器具の崩壊を最少にし、これにより固定具要素に起こる各後続のプロセス手順の間に起こる必要な変化が最少となるようさらに選択される。
【0032】
先に進むと、部品の境界上の一連の位置付け点の入力は、固定具のライブラリに対して入念に検査され、固定具要素および制限(または、除外)容積のクリアランスを考慮するとアクセス可能であり、かつ部品および周囲の工具との衝突テストに合格する締め具のパラメータを生成する(ステップ76)。パラメータが存在し、好ましくは縁に最も近い場合、および安定性を保証するために固定具構成の締め具フィルタ構造を組み立てる(および、戻す)場合(ステップ79)、一連の締め具を検索するためにパラメータがライブラリと照合される(ステップ77)。そのような解決法がない場合、アルゴリズムはカタログ内の締め具のすべての形態クロージャ構成がなくなるまで繰り返される(ステップ78)。
【0033】
固定具の生成に適用されるテストフェーズは、相互のおよび部品に対する衝突がない固定具コンポーネントを特定する。生成フェーズにおいて特定されるような形態クロージャ点は、以上に記載されるように、一連のロケータ、締め具、および他の関連する固定具要素コンポーネントに置き換えられ、基板上で組み立てられる。このプロセスは、固定具カタログを具現化し、かつ形態クロージャ点を固定具カタログに適用され得るフィルタへ変換する表現を作成する必要がある。フィルタの設置は、固定具要素の種類、締め具の規模、特定された点での締め具またはロケータの位置を特定する必要があり、それら自体または支持要素の中での交差を回避する。
【0034】
形態クロージャ点(または、より一般的には、部品の境界上の点)の局所的な近傍は、形態クロージャ点の周囲の無衝突領域を示すために分類される必要がある。局所的な近傍は、形態クロージャ点での締め具タイプの独立座標系を示すことによって分類される。この局所的な座標系は、アクセス方向、厚さ、および幅を表す基底ベクトルによって規定される。個々の締め具の厚さおよび幅は、カタログにおいて規定される。レイトレーシングは、基底ベクトルの厚さおよび幅に沿った無衝突の距離を決定するために使用される。アクセス方向のクリアランスは正の方向においてのみ決定され、かつ無衝突である必要がある。各基底ベクトルに沿った無衝突の距離の合計は、固定具要素の厚さおよび幅に上位境界を提供するが、固定具要素の次元は、以上に記載されるように、要素が部品クリアランスを超えるか決定するのに使用される可能性があり、形態クロージャ点で適切な固定具要素を特定する。
【0035】
部品は、通常は、組立方向において固定具から取り付けおよび取り外しされる。部品包絡線は組立方向に沿った部品の掃引として規定されるが、アクセス制限の他の幾何学表現も可能である。締め具(または、固定具要素)は、無衝突アクセスを提供するために部品包絡線に対して無干渉である必要がある。締め具が締付点からの部品包絡線に対する干渉を回避するためにアクセス方向に沿って移動する必要がある距離は、部品クリアランスと称される。この距離の算出は、3つの手順プロセスによって達成される。
(1)形態クロージャ点(または、境界点)および組立ベクトルによって規定されるZクリップ平面を伴う部品の型を調整し、Zクリップ平面の下に立体を維持する(ステップ72)。
(2)基平面上へ突出して維持される部品の外面形状を抽出する(ステップ73)。抽出は画像処理技術を使用して迅速に達成されることができ、組立方向および縁検出に沿って部品をレンダリングする。
(3)アクセス方向に沿ってレイトレーシングを行い、クリアランス距離を特定する(ステップ74)。
【0036】
算出されたクリアランス距離は、使用可能な締め具(または、固定具要素)のカタログをさらにフィルタリングするために使用される。カタログの探索中、実現可能な基板は、部品の境界ボックスに基づいて最初に選択される。締め具フィルタは、カタログにおいて実現可能な締め具を特定するために使用される。締め具フィルタは、形態クロージャ点(または、境界点)ごとに基準情報、すなわち最大幅、最大の厚さ、および部品クリアランスを包含する。さらなる実施形態において、追加の基準が適用される可能性があり、これは有用性、最小サイズ、および最低の力を含む。
【0037】
選択された固定具は、器具の動きに対して無衝突である必要がある。除外(または、制限)容積は、器具衝突回避領域を規定するために組立方向に沿って掃引される。固定具は、その後、組立方向に対する三角形(点)の垂線の配向をチェックすることによって適用されるこの領域に対する干渉がチェックされる(ステップ75)。
【0038】
形態クロージャの算出は、以上に記載されるように、締め具(または、固定具要素)と部品との間の点接触があるという仮定に基づく。カタログにおいて規定される締め具の面は、形態クロージャ点(または、境界点)およびアクセス方向によって規定される平面上に移動する可能性があり、一方で形態クロージャ点を包含する。この移動は、締め具において穴(または、搭載機構)の基板に規定される穴(または、付着点)への配列を許容する。
【0039】
部品上の締め具の面を位置付けるために、均質変形が部品と基礎固定具との間で算出され、組み立てのためにそれらを配列する。平面は、基板上の穴(付着点)の構成によって規定される基底ベクトルXおよびYとの接触点で規定される。一般性の損失なしに、x軸を締め具のアクセスベクトルとし、sを基板における穴の空間とする。部品は、モジュラーの穴を伴って締め具を配列するために、y軸に沿ってオフセット分シフトされる。自動配列される穴に対して、締め具の幅は、カタログによって規定されるように、空間sより大きく、幅ベクトルの片側に沿ったクリアランスは空間sの半分より大きい。(x,y)を、基板上へ突出する形態クロージャ点の位置とする。基板へ突出する締め具の面の中央は、以下の式により表されるoffsetの位置によって配列される。
【数22】
【0040】
このオフセットは締め具の面に適用される移動であり、事前に算出される形態クロージャ点(または、境界点)との接触を維持し、かつ基板の穴(または、付着点)に配列される。
【0041】
形態クロージャ点が特定の距離だけ分割されたとしても、締め具アセンブリは重なり合い得る。締め具の位置の重なりは、締め具の輪郭の基板上への突出によってチェックされ、2次元において干渉のチェックを行う。一連の無衝突の締め具およびロケータ(または、他の固定具要素)が特定されると、可視化のために物体を位置決めするために、締め具のSTLファイル上の局所的な座標系が、形態クロージャ点のために規定される局所的な座標系にマップされる。