特許第6139495号(P6139495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139495
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】車両およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20170522BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   B60L3/00 N
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-237905(P2014-237905)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2016-101032(P2016-101032A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平沢 崇彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 史好
(72)【発明者】
【氏名】古島 耕一
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 大介
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−016368(JP,A)
【文献】 特開2014−204490(JP,A)
【文献】 特開2013−188068(JP,A)
【文献】 特開2013−005557(JP,A)
【文献】 特開2013−108793(JP,A)
【文献】 特開2015−209103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
H02J 7/00−13/00
B60K 6/20−6/547
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、車体に設けられた充電口に配置されると共に外部充電装置の給電コネクタと結合可能な受電コネクタと、前記バッテリと前記受電コネクタとを結ぶ外部充電電力ラインと、前記外部充電電力ラインに設けられた充電リレーと、前記外部充電装置からの電力により前記バッテリを充電する外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断を実行する故障診断手段とを備える車両において、
前記外部充電装置は、前記車両側からの電流指令値に応じた直流電流を前記給電コネクタと結合した前記受電コネクタに供給し、
前記故障診断手段は、前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しなかった場合、前記車両のシステム起動指令が発せられた際に、前記受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に前記故障診断を実行し、該故障診断の結果に応じて前記車両を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させることを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記故障診断手段は、前記システム起動指令が発せられた際に、前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しておらず、かつ前記受電コネクタへの接触が可能な状態にある場合、前記受電コネクタへの接触が不能な状態を形成するようにユーザに報知することを特徴とする車両。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両において、
前記受電コネクタに前記給電コネクタが結合されると、前記受電コネクタへの接触が不能になることを特徴とする車両。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の車両において、
前記受電コネクタを覆うように前記充電口に設けられた開閉可能な蓋体を更に備え、
前記蓋体が閉鎖されると、前記受電コネクタへの接触が不能になることを特徴とする車両。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の車両において、
走行用の動力と回生制動力とを出力可能な電動機と、
前記電動機を駆動する駆動装置と、
前記バッテリと前記駆動装置とを結ぶ電力ラインとを更に備え、
前記外部充電電力ラインは、前記バッテリに対して前記電力ラインと並列に接続されることを特徴とする車両。
【請求項6】
バッテリと、車体に設けられた充電口に配置されると共に外部充電装置の給電コネクタと結合可能な受電コネクタと、前記バッテリと前記受電コネクタとを結ぶ外部充電電力ラインと、前記外部充電電力ラインに設けられた充電リレーとを備える車両の制御方法であって、
(a)前記車両側からの電流指令値に応じた直流電流を前記給電コネクタと結合した前記受電コネクタに供給する前記外部充電装置からの電力により前記バッテリを充電する外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断を実行するステップと、
(b)前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しなかった場合、前記車両のシステム起動指令が発せられた際に、前記受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に前記故障診断を実行し、該故障診断の結果に応じて前記車両を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させるステップと、
を含む車両の制御方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部充電装置からの電力により充電可能なバッテリを搭載した車両およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両として、2つのリレーを介して受電コネクタに接続されたバッテリを備えた電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、外部充電装置の給電コネクタを受電コネクタに結合させると共に2つのリレーを接続状態にすることで、外部充電装置からの電力によりバッテリを充電することができる。また、この車両の車両制御ユニットは、外部充電装置によるバッテリの充電完了後にリレー診断制御を実施し、2つのリレーにおける溶着故障や溶断故障の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−070465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、外部充電装置からの電力によりバッテリを充電する外部充電が完了しても、その後に実行されるべき上記リレーの故障診断が何らかの要因により正常に完了しないということも想定される。そして、溶着等によるリレーの閉故障が発生している場合、受電コネクタにバッテリからの高電圧が供給されてしまうことがあり、そのような状態が把握されていないことは、安全性の面で必ずしも好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、外部充電装置からの電力により充電可能なバッテリを搭載した車両の安全性をより向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による車両は、バッテリと、車体に設けられた充電口に配置されると共に外部充電装置の給電コネクタと結合可能な受電コネクタと、前記バッテリと前記受電コネクタとを結ぶ外部充電電力ラインと、前記外部充電電力ラインに設けられた充電リレーと、前記外部充電装置からの電力により前記バッテリを充電する外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断を実行する故障診断手段とを備える車両において、前記故障診断手段は、前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しなかった場合、前記車両のシステム起動指令が発せられた際に、前記受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に前記故障診断を実行し、該故障診断の結果に応じて前記車両を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させることを特徴とする。
【0007】
この車両では、外部充電装置の給電コネクタを受電コネクタに結合させると共に充電リレーを閉成することで、外部充電装置からの電力によりバッテリを充電する外部充電を実行することができる。そして、この車両は、外部充電の完了後に充電リレーの故障診断を実行する故障診断手段を含む。故障診断手段は、外部充電の完了後に充電リレーの故障診断が正常に完了しなかった場合、車両のシステム起動指令が発せられた際に、受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に充電リレーの故障診断を実行する。これにより、充電リレーの故障(閉故障)により故障診断に際して受電コネクタにバッテリからの高電圧が供給されたとしても、ユーザ等が受電コネクタに触れてしまうのを防止することが可能となる。更に、故障診断手段は、システム起動指令に応じて実行した故障診断の結果に従って、車両を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させる。これにより、異常(充電リレーの故障)が発生した状態で車両の走行が開始されてしまうのを回避することができる。この結果、外部充電装置からの電力により充電可能なバッテリを搭載した車両の安全性をより向上させることが可能となる。
【0008】
また、前記故障診断手段は、前記システム起動指令が発せられた際に、前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しておらず、かつ前記受電コネクタへの接触が可能な状態にある場合、前記受電コネクタへの接触が不能な状態を形成するようにユーザに報知するものであってもよい。これにより、受電コネクタに接触不能な状態がより確実に形成されるようにして、充電リレーの故障診断の実行機会をより良好に確保することが可能となる。
【0009】
更に、前記車両において、前記受電コネクタに前記給電コネクタが結合されると、前記受電コネクタへの接触が不能になってもよい。
【0010】
また、前記車両は、前記受電コネクタを覆うように前記充電口に設けられた開閉可能な蓋体を更に備えてもよく、前記蓋体が閉鎖されると、前記受電コネクタへの接触が不能になってもよい。
【0011】
更に、前記車両は、走行用の動力と回生制動力とを出力可能な電動機と、前記電動機を駆動する駆動装置と、前記バッテリと前記駆動装置とを結ぶ電力ラインとを更に備えてもよく、前記外部充電電力ラインは、前記バッテリに対して前記電力ラインと並列に接続されてもよい。
【0012】
また、前記外部充電装置は、前記車両側からの電流指令値に応じた直流電流を前記給電コネクタから前記受電コネクタに供給するものであってもよい。このような外部充電装置によれば、車両側からバッテリの状態に応じた適正な電流値を外部充電装置に要求することができるので、バッテリの保護を図りつつ当該バッテリを速やかに充電することが可能となる。
【0013】
本発明による車両の制御方法は、バッテリと、車体に設けられた充電口に配置されると共に外部充電装置の給電コネクタと結合可能な受電コネクタと、前記バッテリと前記受電コネクタとを結ぶ外部充電電力ラインと、前記外部充電電力ラインに設けられた充電リレーとを備える車両の制御方法であって、
(a)前記外部充電装置からの電力により前記バッテリを充電する外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断を実行するステップと、
(b)前記外部充電の完了後に前記充電リレーの故障診断が正常に完了しなかった場合、前記車両のシステム起動指令が発せられた際に、前記受電コネクタへの接触が不能な状態にあることを条件に前記故障診断を実行し、該故障診断の結果に応じて前記車両を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させるステップとを含むものである。
【0014】
この方法によれば、外部充電装置からの電力により充電可能なバッテリを搭載した車両の安全性をより向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による車両を示す概略構成図である。
図2】本発明による車両において実行される外部充電制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図3】本発明による車両において実行されるシステム起動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明による車両としてのハイブリッド車両1を示す概略構成図である。同図に示すハイブリッド車両1は、エンジン2と、シングルピニオン式のプラネタリギヤ3と、それぞれ同期発電電動機として構成されたモータMG1およびMG2と、バッテリ4と、バッテリ4に接続されると共にモータMG1およびMG2を駆動する電力制御装置(以下、「PCU」という)5と、車室内の空気調和を行う空気調和装置6とを含む。
【0018】
エンジン2は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気の爆発燃焼により動力を発生する内燃機関であり、図示しないエンジン電子制御ユニットにより制御される。なお、以下、「電子制御ユニット」を「ECU」という。プラネタリギヤ3は、モータMG1のロータに接続されるサンギヤ(第1要素)と、駆動軸DSに接続されると共に図示しない減速機または変速機を介してモータMG2のロータに接続されるリングギヤ(第2要素)と、複数のピニオンギヤを回転自在に支持すると共に図示しないダンパを介してエンジン2のクランクシャフト(出力軸)に連結されるプラネタリキャリヤ(第3要素)とを有する。駆動軸DSは、図示しないギヤ機構、デファレンシャルギヤを介して左右の車輪(駆動輪)DWに連結される。
【0019】
モータMG1は、主に、負荷運転されるエンジン2により駆動されて電力を生成する発電機として動作し、モータMG2は、主に、バッテリ4からの電力およびモータMG1からの電力の少なくとも何れか一方により駆動されて動力を発生する電動機として動作すると共に、ハイブリッド車両1の制動時に回生制動力を出力する。モータMG1およびMG2は、PCU5を介してバッテリ4と電力をやり取りする。
【0020】
バッテリ4は、例えば200〜300Vの定格出力電圧を有するリチウムイオン二次電池またはニッケル水素二次電池である。バッテリ4の正極端子には、正極側システムメインリレーSMRBを介して正極側電力ラインPL1が接続され、バッテリ4の負極端子には、負極側システムメインリレーSMRGを介して負極側電力ラインNL1が接続される。また、バッテリ4には、当該バッテリ4の端子間電圧VBを検出する電圧センサ41や、当該バッテリ4を流れる電流(充放電電流)IBを検出する電流センサ42が設けられている。
【0021】
PCU5は、モータMG1を駆動するインバータ51、モータMG2を駆動するインバータ52、バッテリ4からの電力を昇圧する電圧変換モジュール(昇降圧コンバータ)53、バッテリ4からの電力を降圧して複数の補機や補機(低圧)バッテリ(何れも図示省略)に供給するDC/DCコンバータ54、インバータ51,52や電圧変換モジュール53を制御するMGECU50等を含む。
【0022】
各インバータ51,52は、6つのトランジスタと、各トランジスタに逆方向に並列接続された6つのダイオードとにより構成される(何れも図示省略)。6つのトランジスタは、高圧電力ラインHPLと負極側電力ラインNL1とに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつ対をなす。また、対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、電動機MG1,MG2の三相コイル(U相、V相、W相)の各々が電気的に接続される。電圧変換モジュール53は、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)である2つのトランジスタと、各トランジスタに対して逆方向に並列接続された2つのダイオードと、リアクトルとを含む(何れも図示省略)。リアクトルの一端は、正極側電力ラインPL1に電気的に接続され、リアクトルの他端には、一方のトランジスタ(上アーム)のエミッタと他方のトランジスタ(下アーム)のコレクタとが電気的に接続される。また、上記一方のトランジスタ(上アーム)のコレクタは、高圧電力ラインHPLに電気的に接続され、上記他方のトランジスタのエミッタは、負極側電力ラインNL1に電気的に接続される。
【0023】
更に、PCU5は、フィルタコンデンサ56、平滑コンデンサ58、電圧センサ57および59を含む。フィルタコンデンサ56の正極端子は、上記リアクトルの一端(正極側電力ラインPL1)に電気的に接続され、フィルタコンデンサ56の負極端子は、負極側電力ラインNL1に電気的に接続される。これにより、電圧変換モジュール53のバッテリ4側の電圧すなわち昇圧前電圧VLは、フィルタコンデンサ56により平滑化される。また、電圧センサ57は、フィルタコンデンサ56の端子間電圧、すなわち昇圧前電圧VLを検出する。平滑コンデンサ58の正極端子は、上記一方のトランジスタ(上アーム)のコレクタ(高圧電力ラインHPL)に電気的に接続され、平滑コンデンサ58の負極端子は、負極側電力ラインNL1や上記他方のトランジスタ(下アーム)のエミッタに電気的に接続される。これにより、電圧変換モジュール53により昇圧された昇圧後電圧VHは、平滑コンデンサ58により平滑化される。また、電圧センサ59は、平滑コンデンサ58の端子間電圧、すなわち昇圧後電圧VHを検出する。
【0024】
MGECU50は、電圧センサ57からの昇圧前電圧VLや、電圧センサ59からの昇圧後電圧VH、モータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する図示しないレゾルバの検出値、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等を入力する。MGECU50は、これらの入力信号に基づいて、インバータ51,52や電圧変換モジュール53の各トランジスタへのスイッチング制御信号を生成し、インバータ51,52や電圧変換モジュール53をスイッチング制御する。また、MGECU50は、レゾルバの検出値に基づいてモータMG1およびMG2のロータの回転数を算出する。
【0025】
空気調和装置6は、冷媒を吸入・圧縮する圧縮機や複数の熱交換器等を有するヒートポンプユニットや、当該ヒートポンプユニットを制御する空調ECU等を含む(何れも図示省略)。ヒートポンプユニットの圧縮機は、正極側電力ラインPL1および負極側電力ラインNL1を介してバッテリ4に接続されるインバータと、当該インバータにより駆動される交流モータとを有する電動インバータコンプレッサとして構成されている。従って、バッテリ4の電力は、空気調和装置6の圧縮機にも供給される。
【0026】
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、ネットワーク(CAN)を介してエンジンECUやバッテリECU、MGECU50等と接続されたパワーマネージメントECU(以下、「PMECU」という)70を含む。PMECU70は、複数のECUからの信号や各種センサからの信号を入力する。例えば、PMECU70は、エンジンECUからのエンジン回転数や、MGECU50からのモータMG1,MG2の回転数等を入力する。また、PMECU70は、例えばスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)71からのシステム起動信号(システム起動指令)や、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ、車速Vを検出する車速センサ等からの信号を入力する。更に、PMECU70は、バッテリ4の電圧センサ41や電流センサ42、図示しない温度センサ等からの信号等を入力し、端子間電圧VBや充放電電流IB等に基づいてバッテリ4のSOC(充電割合)、許容充電電力Win、許容放電電力Wout等を算出する。
【0027】
PMECU70は、上述のような入力信号等に基づいてハイブリッド車両1の走行制御を始めとする車両全体の制御を実行する。加えて、PMECU70は、上述の正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGを開閉制御する。PMECU70により正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが閉成(オン)されると、バッテリ4とPCU5とが接続され、PMECU70により両リレーSMRB,SMRGが開成(オフ)されると、バッテリ4とPCU5との接続が解除(遮断)される。
【0028】
また、ハイブリッド車両1の図示しないダッシュボードには、スピードメータ、フュエルゲージ、バッテリ残量インジケータ、複数のインジケータや警告ランプ等を有すると共にメータECU80により制御されるメータユニット8が配置されている。メータECU80は、上記ネットワークを介してエンジンECUやバッテリECU、MGECU50等と情報をやり取りすると共に各種センサからの信号を入力し、これらの情報等に基づいてメータユニット8の表示制御を実行する。なお、上述のECU50、70,80等は、いずれも図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータとして構成される。
【0029】
そして、本実施形態のハイブリッド車両1は、いわゆる充電スタンドや駐車場等に設置された外部充電装置100からの電力によりバッテリ4を充電可能なプラグイン式のハイブリッド車両として構成されている。図1に示すように、ハイブリッド車両1の車体側部には、充電口9が設けられており、充電口9には、受電コネクタ90が配置されると共に開閉可能な充電リッド(蓋体)9Lが設けられている。充電リッド9Lが閉鎖されると、受電コネクタ90は充電リッド9Lにより覆われ、それにより受電コネクタ90への外部からの接触が不能となる。
【0030】
受電コネクタ90は、図1に示すように、正極側充電電力ライン(外部充電電力ライン)PLcに接続される正極端子91と、負極側充電電力ライン(外部充電電力ライン)NLcに接続される負極端子92と、通信ラインに接続される信号端子93とを有する。正極端子91に接続された正極側充電電力ラインPLcは、中途に正極側充電リレーCHRBを有しており、正極側システムメインリレーSMRBとPCU5との間で正極側電力ラインPL1に接続される。また、負極端子92に接続された負極側充電電力ラインNLcは、中途に負極側充電リレーCHRGを有しており、負極側システムメインリレーSMRGとPCU5との間で負極側電力ラインNL1に接続される。これにより、正極側および負極側充電電力ラインPLc,NLcは、バッテリ4に対し、正極側および負極側システムメインリレーSMRB、SMRGを介して正極側および負極側電力ラインPL1,NL1と並列に接続される。更に、受電コネクタ90の信号端子93に接続された通信ラインは、上述のPMECU70に接続される。
【0031】
また、受電コネクタ90と正極側充電リレーCHRBおよび負極側充電リレーCHRGとの間には、受電コネクタ90側から正極側充電リレーCHRBに供給される電圧、すなわち正極側充電電力ラインPLcと負極側充電電力ラインNLcとの間の電圧を検出するリレー端電圧センサ95が設置されている。本実施形態において、リレー端電圧センサ95は、印加される電圧が予め定められたオン閾値(例えば、50〜60V)未満であるとオン信号を出力せず、印加される電圧がオン閾値以上になるとオン信号を出力するように構成されている。ただし、リレー端電圧センサ95は、正極側充電電力ラインPLcと負極側充電電力ラインNLcとの間の電圧値を出力するアナログセンサであってもよい。
【0032】
外部充電装置100は、図1に示すように、電力変換装置101と、当該電力変換装置101を制御する制御装置105と、給電ケーブルを介して電力変換装置101および制御装置105に接続されると共にハイブリッド車両1の受電コネクタ90と着脱自在に結合可能な給電コネクタ110とを含む。電力変換装置101は、整流回路、変圧器、スイッチング回路等を有し、商用電源等の交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。制御装置105は、図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
【0033】
給電コネクタ110は、図1に示すように、給電ケーブルの正極側給電ラインに接続される正極端子111と、給電ケーブルの負極側給電ラインに接続される負極端子112と、給電ケーブルの通信ラインに接続される信号端子113とを有する。給電コネクタ110の信号端子113に接続された通信ラインは、図示するように、外部充電装置100の制御装置105に接続される。また、外部充電装置100は、電力変換装置101から給電コネクタ110に供給される電圧(正極側給電ラインと負極側給電ラインとの間の電圧)、すなわち外部充電装置100(電力変換装置101)の供給電圧Vsを検出する電圧センサ107と、正極側給電ラインを流れる電流すなわち外部充電装置100(電力変換装置101)の供給電流Isを検出する電流センサ108とを含む。電圧センサ107および電流センサ108は、それぞれ検出値を制御装置105に与える。
【0034】
上述のような外部充電装置100の給電コネクタ110が停止されたハイブリッド車両1の受電コネクタ90に結合され、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが閉成された状態で、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGが閉成されると、外部充電装置100からの電力によりバッテリ4を充電することが可能となる。本実施形態において、上述の外部充電装置100からの電力によるバッテリ4の充電すなわち外部充電は、上述のPMECU70により制御・管理される。
【0035】
すなわち、PMECU70は、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGに加えて、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGを開閉制御する。正極側および負極側システムメインリレーSMRB、SMRGが閉成(オン)された状態で、PMECU70により正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGが閉成されると、バッテリ4と受電コネクタ90とが接続される。また、両リレーCHRB,CHRGが開成(オフ)されると、バッテリ4側と受電コネクタ90との接続が解除される。
【0036】
更に、PMECU70は、外部充電の実行中、リレー端電圧センサ95からのオン信号を入力すると共に、受電コネクタ90および給電コネクタ110に接続された通信ラインを介して外部充電装置100の制御装置105と指令信号や各種情報をやり取りする。また、本実施形態において、ハイブリッド車両1の充電口9には、充電リッド9Lの開閉状態を検出するセンサや、受電コネクタ90と給電コネクタ110との結合状態を検出するセンサが設置されている(何れも図示省略)。PMECU70は、これらのセンサの検出信号も入力し、入力した信号に基づいて、充電リッド9Lの開閉状態を示す充電リッドフラグや、受電コネクタ90と給電コネクタ110との結合状態を示すコネクタ結合フラグを設定する。充電リッドフラグは、充電リッド9Lが開放されている際に値1に設定され、当該充電リッド9Lが閉鎖されている際に値0に設定される。コネクタ結合フラグは、受電コネクタ90に給電コネクタ110が結合されている際に値1に設定され、受電コネクタ90に給電コネクタ110が結合されていない際に値0に設定される。
【0037】
図2は、ハイブリッド車両1のPMECU70により実行される外部充電制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。PMECU70は、外部充電装置100の給電コネクタ110が停止されたハイブリッド車両1の受電コネクタ90に結合され、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが閉成された際に、図2の外部充電制御ルーチンの実行を開始する。外部充電制御ルーチンの開始に際し、PMECU70は、まず、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGに閉成指令(オン指令)を与え(ステップS100)、更に、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの開閉状態を示す充電リレー接続フラグFdcを値1に設定する(ステップS110)。
【0038】
次いで、PMECU70は、予め作成されたマップ等を用いてバッテリ4の状態(SOC、充電許容電力Win等)に応じた電流指令値を設定し、当該電流指令値をハイブリッド車両1の状態を示す車両状態信号と共に外部充電装置100の制御装置105に送信する(ステップS120)。PMECU70から電流指令値等を受信した外部充電装置100の制御装置105は、当該電流指令値に応じた直流電流を出力するように電力変換装置101を制御する。これにより、外部充電装置100の電力変換装置101から、PMECU70からの電流指令値に応じた直流電流が給電コネクタ110と結合した受電コネクタ90に供給され、バッテリ4の充電が実行されることになる。このようにハイブリッド車両1側からバッテリ4の状態に応じた適正な電流値を外部充電装置100に要求可能とすることで、バッテリ4の保護を図りつつ当該バッテリ4を速やかに充電することが可能となる。
【0039】
PMECU70は、ステップS120にて電流指令値等を送信した後、バッテリ4のSOCが予め定められた目標値(例えば、70〜80%)に達して当該バッテリ4の充電が完了したか否かを判定する(ステップS130)。PMECU70は、ステップS130にてバッテリ4の充電が完了したと判断するまで、ステップS120およびS130の処理を繰り返す。そして、ステップS130にてバッテリ4の充電が完了したと判断すると、PMECU70は、外部充電装置100の制御装置105に給電停止指令を送信すると共に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方に開成指令を与え(ステップS140)、バッテリ4の外部充電を終了させる
【0040】
こうしてバッテリ4の外部充電が完了すると、PMECU70は、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断(ステップS150)を実行する。ステップS150において、PMECU70は、まず、正極側充電リレーCHRBにのみ閉成指令を与え、リレー端電圧センサ95からの信号が入力されるか否かを判定する。正極側充電リレーCHRBにのみ閉成指令を与えたPMECU70がリレー端電圧センサ95からの信号を入力した場合、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGを介してリレー端電圧センサ95にバッテリ4からの高電圧が印加されていることになる。従って、この場合、PMECU70は、負極側充電リレーCHRGが溶着等により閉故障していると判断する。
【0041】
次いで、PMECU70は、正極側充電リレーCHRBに開成指令を与えた後、負極側充電リレーCHRBにのみ閉成指令を与え、リレー端電圧センサ95からの信号が入力されるか否かを判定する。負極側充電リレーCHRGにのみ閉成指令を与えたPMECU70がリレー端電圧センサ95からの信号を入力した場合、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGを介してリレー端電圧センサ95にバッテリ4からの高電圧が印加されていることになる。従って、この場合、PMECU70は、正極側充電リレーCHRBが溶着等により閉故障していると判断する。
【0042】
PMECU70は、ステップS150にて上述のような処理を実行した上で、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れかが閉故障しているかを判定する(ステップS160)。正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れか一方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、フェールセーフ処理を実行すると共に、予め定められた警告ランプを点灯させるべく警告表示指令をメータECU80に送信する(ステップS170)。ステップS170において、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、フェールセーフのために、ハイブリッド車両1の走行を禁止する。また、ステップS170において、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの何れか一方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、フェールセーフのために、ユーザの安全が確保されないおそれがある予め定められた条件下でのハイブリッド車両1の走行を禁止する。ステップS170の処理の後、PMECU70は、充電リレー接続フラグFdcを値1に設定し(ステップS180)、本ルーチンを終了させる。
【0043】
ステップS160にて正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方が正常であると判断した場合、PMECU70は、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGに開成指令を与えると共に、充電リレー接続フラグFdcを値0に設定し(ステップS190)、本ルーチンを終了させる。これにより、バッテリ4の外部充電が完了し、かつ正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が正常に実行されて両リレーCHRB,CHRGが正常であると判断された場合には、充電リレー接続フラグFdcが値0に設定されることになる。
【0044】
上述のように、バッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を行えば、外部充電装置100から大電流が供給されることで正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れかに溶着等による閉故障が発生したとしても、当該閉故障を速やかに検知してフェールセーフ処理を施し、ハイブリッド車両1の安全性をより向上させることができる。ただし、外部充電装置100からの電力によるバッテリ4の外部充電が完了しても、その後に、例えば補機バッテリの電圧低下や、通信異常、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGの少なくとも何れかの異常等が発生するおそれがある。このような異常が発生した場合、外部充電の完了後に実行されるべき正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断、すなわち上記ステップS150〜S190の処理が正常に完了しないということも想定される。そして、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れか一方に溶着等による閉故障が発生している場合、受電コネクタ90にバッテリ4からの高電圧が供給されてしまうことがあり、そのような状態が把握されないまま、ハイブリッド車両1の走行が開始されてしまうのは安全性の面で必ずしも好ましくない。
【0045】
これを踏まえて、ハイブリッド車両1では、運転者により図示しないブレーキペダルが踏み込まれると共にスタートスイッチ71が操作され、システム起動信号が出力された際に、PMECU70により図3に示すシステム起動時制御ルーチンが実行される。PMECU70は、スタートスイッチ71が操作されてシステム起動信号が出力された際に、図3のシステム起動時制御ルーチンの実行を開始する。システム起動時制御ルーチンの開始に際し、PMECU70は、上述の充電リレー接続フラグFdcの値を取得し(ステップS200)、当該充電リレー接続フラグFdcが値1であるか否かを判定する(ステップS210)。
【0046】
充電リレー接続フラグFdcが値1である場合、図2の充電制御ルーチンにおけるステップS180の処理が実行されておらず、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が正常に完了していないおそれがある。このため、ステップS210にて充電リレー接続フラグFdcが値1であると判定した場合、PMECU70は、ハイブリッド車両1が正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を実行し得る状態にあるか否かを判定する(ステップS220)。ステップS220において、PMECU70は、上述の充電リッド9Lの開閉状態を示す充電リッドフラグや、受電コネクタ90と給電コネクタ110との結合状態を示すコネクタ結合フラグの値に基づいて、当該故障診断を実行し得るか否かを判定する。
【0047】
ここで、上述のように、充電リッド9Lが閉鎖されると、受電コネクタ90は充電リッド9Lにより覆われ、それにより受電コネクタ90への外部からの接触が不能となる。従って、充電リッド9Lが閉鎖されていれば、ユーザがバッテリ4からの高電圧が印加されているおそれのある受電コネクタ90(正極端子91および負極端子92)に触れてしまうおそれは極めて少ない。また、受電コネクタ90と給電コネクタ110とが結合している場合も、ユーザがバッテリ4からの高電圧が印加されているおそれのある受電コネクタ90(正極端子91および負極端子92)に触れてしまうおそれは極めて少ない。逆に、充電リッド9Lが開放され、かつ受電コネクタ90に給電コネクタ110が結合されていない場合には、外部に露出された受電コネクタ90(正極端子91および負極端子92)にユーザが触れてしまうおそれがある。
【0048】
このため、PMECU70は、充電リッドフラグが値1であり、かつコネクタ結合フラグが値0である場合、すなわち、充電リッド9Lが開放されており、かつ受電コネクタ90に給電コネクタ110が結合されていない場合、ハイブリッド車両1が正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を実行し得る状態にはないと判断する(ステップS230)。そして、PMECU70は、受電コネクタ90への接触が不能な状態を形成するようにユーザに報知すべく、誘導表示指令をメータECU80に送信する(ステップS240)。PMECU70からの誘導表示指令に応じて、メータECU80は、「充電リッドを閉じるか、給電コネクタを接続してください。」といったような警告メッセージ(誘導表示)をメータユニット8の所定箇所に表示させる。ステップS240にて、誘導表示指令をメータECU80に一旦送信した後、PMECU70は、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を実行可能であるか否かを判定し(ステップS250)、故障診断が実行可能となるまで、ステップS220〜S240の処理を繰り返す。なお、ステップS230にて、充電リッド9Lが閉鎖されているか、あるいは受電コネクタ90に給電コネクタ110が結合されていると判断された場合、ステップS240およびS250の処理はスキップされる。
【0049】
PMECU70は、ステップS230またはステップS250にてハイブリッド車両1が正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を実行可能な状態にあると判断すると、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断処理を実行する(ステップS260)。ステップS260において、PMECU70は、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGに閉成指令(オン指令)を与えた上で、上述の図2のステップS150と同様の処理を実行する。更に、PMECU70は、ステップS260の処理を実行した後、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れかが閉故障しているかを判定する(ステップS270)。
【0050】
ステップS270にて正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れか一方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、上述の図2のステップS170と同様にして、フェールセーフ処理を実行すると共に、予め定められた警告ランプを点灯させるべく警告表示指令をメータECU80に送信する(ステップS280)。すなわち、ステップS280においても、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、フェールセーフのために、ハイブリッド車両1の走行を禁止する。また、ステップS280において、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの何れか一方が閉故障していると判断した場合、PMECU70は、フェールセーフのために、ユーザの安全が確保されないおそれがある予め定められた条件下でのハイブリッド車両1の走行を禁止する。更に、ステップS280の処理の後、PMECU70は、ステップS270およびS280における故障診断の結果に応じてハイブリッド車両1を走行可能状態に移行させるか否かを判定する(ステップS290)。なお、ステップS270にて正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方が正常であると判断された場合、ステップS280およびS290の処理はスキップされる。
【0051】
ステップS270にて正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの双方が正常であると判断するか、あるいはステップS290にてハイブリッド車両1を走行可能状態に移行させることができると判断した場合、PMECU70は、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGに開成指令を与えた上で(ステップS300)、上記充電リレー接続フラグFdcを値0に設定する(ステップS310)。そして、PMECU70は、ハイブリッド車両1が走行可能状態になったことを示すべく、READYランプ点灯指令をメータECU80に送信し(ステップS320)、本ルーチンを終了させる。PMECU70からのREADYランプ点灯指令に応じて、メータECU80は、メータユニット8のREADYランプを点灯させ、これにより、ハイブリッド車両1の走行が可能となる。
【0052】
これに対して、ステップS290にてハイブリッド車両1を走行可能状態に移行させることができないと判断した場合、PMECU70は、ステップS300〜S320の処理を実行することなく本ルーチンを終了させる。この場合、ハイブリッド車両1は、走行禁止状態へと移行する。また、ステップS210にて充電リレー接続フラグFdcが値0であってバッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が正常に完了していると判断した場合、PMECU70は、上記ステップS220〜S310の処理を実行することなく、READYランプ点灯指令をメータECU80に送信し(ステップS320)、本ルーチンを終了させる。
【0053】
上述のようなシステム起動時制御ルーチンが実行されることにより、ハイブリッド車両1では、バッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が正常に完了しなかった場合、スタートスイッチ71がオンされてシステム起動指令が発せられた際に、受電コネクタ90への接触が不能な状態にあることを条件に、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が実行される。これにより、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの少なくとも何れかの閉故障により故障診断に際して受電コネクタ90にバッテリ4からの高電圧が供給されたとしても、ユーザ等が受電コネクタ90に触れてしまうのを防止することが可能となる。更に、ハイブリッド車両1は、システム起動指令に応じて実行された故障診断の結果に従って、走行可能状態または走行禁止状態へと移行する。これにより、異常すなわち正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障が発生した状態でハイブリッド車両1の走行が開始されてしまうのを回避することができる。
【0054】
以上説明したように、ハイブリッド車両1は、バッテリ4と、車体に設けられた充電口9に配置されると共に外部充電装置100の給電コネクタ110と結合可能な受電コネクタ90と、バッテリ4と受電コネクタ90とを結ぶ外部充電電力ラインとしての正極側および負極側充電電力ラインPLc,NLcと、正極側充電電力ラインPLcに設けられた正極側充電リレーCHRBと、負極側充電電力ラインNLcに設けられた負極側充電リレーCHRGと、バッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断(図2のステップS150〜S170)を実行する故障診断手段としてのPMECU70とを含む。また、PMECU70は、バッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断(ステップS150〜S170)が正常に完了しなかった場合、システム起動指令が発せられた際に、受電コネクタ90への接触が不能な状態にあることを条件に(図3のステップS220〜S250)、故障診断(図3のステップS260〜S290)を実行する。そして、PMECU70は、当該故障診断の結果に応じてハイブリッド車両1を走行可能状態または走行禁止状態へと移行させる(図3のステップS290〜S320)。これにより、外部充電装置100からの電力により充電可能なバッテリ4を搭載したハイブリッド車両1の安全性をより向上させることが可能となる。
【0055】
また、ハイブリッド車両1では、システム起動指令が発せられた際に、バッテリ4の外部充電の完了後に正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断が正常に完了しておらず、かつ受電コネクタ90への接触が可能な状態にある場合、受電コネクタ90への接触が不能な状態を形成するようにユーザに報知すべく、PMECU70およびメータECU80によってメータユニット8上に警告メッセージ(誘導表示)が表示される。これにより、受電コネクタ90に接触不能な状態がより確実に形成されるようにして、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断の実行機会をより良好に確保することが可能となる。
【0056】
なお、充電口9や充電リッド9Lの構成によっては、充電リッド9Lの開閉状態を検出するセンサが省略されることもある。従って、図3のステップS230およびS250では、受電コネクタ90と給電コネクタ110とが結合している場合にのみ、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を実行し得ると判断されてもよい。
【0057】
また、上記ハイブリッド車両1は、いわゆる2モータ式のハイブリッド車両であるが、本発明が、1モータ式のハイブリッド車両や、シリーズ式のハイブリッド車両、電気自動車に適用され得ることは言うまでもない。更に、上記ハイブリッド車両1では、外部充電装置100からの電力によるバッテリ4の外部充電がPMECU70により制御・管理されるが、これに限られるものではない。すなわち、正極側および負極側充電リレーCHRB,CHRGの故障診断を含むバッテリ4の外部充電に関する処理は、PMECU70以外の専用のECUによって実行されてもよく、PMECU70と他のECUとの協働により実行されてもよい。また、上記ハイブリッド車両1において、正極側充電電力ラインPLcの正極側充電リレーCHRBと、負極側充電電力ラインNLcの負極側充電リレーCHRGとの何れか一方が省略されてもよい。
【0058】
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、外部充電装置からの電力により充電可能なバッテリを搭載した車両の製造産業等において利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 ハイブリッド車両、2 エンジン、3 プラネタリギヤ、4 バッテリ、5 電力制御装置(PCU)、6 空気調和装置、8 メータユニット、9 充電口、9L 充電リッド、41,57,59,107 電圧センサ、42,108 電流センサ、50 MGECU、51,52 インバータ、53 電圧変換モジュール、54 DC/DCコンバータ、56 フィルタコンデンサ、58 平滑コンデンサ、70 PMECU、71 スタートスイッチ、80 メータECU、90 受電コネクタ、91,111 正極端子、92,112 負極端子、93,113 信号端子、95 リレー端電圧センサ、100 外部充電装置、101 電力変換装置、105 制御装置、110 給電コネクタ、CHRB 正極側充電リレー、CHRG 負極側充電リレー、DS 駆動軸、DW 車輪、HPL 高圧電力ライン、MG1,MG2 モータ、NL1 負極側電力ライン、NLc 負極側充電電力ライン(外部充電電力ライン)、PL1 正極側電力ライン、PLc 正極側充電電力ライン(外部充電電力ライン)、SMRB 正極側システムメインリレー、SMRG 負極側システムメインリレー。
図1
図2
図3