特許第6139510号(P6139510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000002
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000003
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000004
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000005
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000006
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000007
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000008
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000009
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000010
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000011
  • 6139510-画像診断装置及びプローブ 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139510
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】画像診断装置及びプローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20170522BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61B1/00 300D
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-507402(P2014-507402)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(86)【国際出願番号】JP2013001866
(87)【国際公開番号】WO2013145638
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年1月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-76730(P2012-76730)
(32)【優先日】2012年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】井上 耕一
(72)【発明者】
【氏名】古市 淳也
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−261905(JP,A)
【文献】 特開平06−154154(JP,A)
【文献】 特開平07−222748(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0093710(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0135712(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
A61B 1/00 − 1/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像診断装置であって、
シースと、該シースに内挿され信号の送受信を行う送受信部とを有し、該送受信部が該シース内において周方向への回転を行いながら、または、周方向への回転と軸方向への移動とを行いながら信号の送受信を行うよう制御され、かつ、該軸方向における該シースの異なる位置には、外界の圧力に応じて断面形状が変形する変形部がそれぞれ設けられたプローブ部と、
前記変形部が含まれる断層画像を用いて、前記軸方向の異なる位置に設けられた変形部それぞれの変形度合いを示す複数のパラメータを算出する第1の算出手段と、
前記複数のパラメータに基づいて、心筋血流予備量比に対応する値を算出する第2の算出手段と
を備えることを特徴とする画像診断装置。
【請求項2】
前記変形部は、前記軸方向に所定の長さを有する直方体形状を有しており、該変形部のうち前記プローブ部の円周面を形成する面が、該変形部の他の面よりも剛性の低い部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像診断装置。
【請求項3】
前記第1の算出手段は、前記変形部の変形度合いを示すパラメータとして、前記変形部の体積、または、前記変形部の前記軸方向の所定の位置における面積、または、前記変形部の前記軸方向の所定の位置における前記円周面を形成する面の高さ、または、前記変形部の前記軸方向の所定の位置における前記円周面を形成する面の歪み量を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像診断装置。
【請求項4】
前記第2の算出手段は、
前記軸方向の異なる位置に設けられた変形部のうち、第1の位置に設けられた変形部について算出された、
大気圧P下における前記パラメータをXf0
生体管腔内における前記パラメータをXf1
前記軸方向の異なる位置に設けられた変形部のうち、第2の位置に設けられた変形部について算出された、
大気圧P下における前記パラメータをXb0
生体管腔内における前記パラメータをXb1
とした場合、前記心筋血流予備量比に対応する値を、
(Xb0×Xf1)/(Xb1×Xf0)により算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像診断装置。
【請求項5】
前記変形部が含まれる断層画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された断層画像に基づいて、前記軸方向の異なる位置に設けられた変形部それぞれの、前記軸方向における中心位置を算出する第3の算出手段と、を更に備え、
前記第1の算出手段は、前記第3の算出手段により算出された前記軸方向における中心位置それぞれに、前記送受信部を移動させた状態で、該送受信部を周方向に回転させることにより生成される断層画像を用いて、前記パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の画像診断装置。
【請求項6】
前記第1の算出手段は、前記送受信部を、所定時間、周方向に回転させることにより生成される複数の断層画像のうち、前記変形部の変形度合いが最も大きい断層画像を用いて、前記パラメータを算出することを特徴とする請求項5に記載の画像診断装置。
【請求項7】
前記変形部は、前記シースにおける第1の位置と、該第1の位置より前記軸方向における基端側の第2の位置にそれぞれ設けられ、該第1の位置と該第2の位置のそれぞれにおいて、周方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像診断装置。
【請求項8】
前記第1の算出手段は、周方向に複数設けられている前記変形部の内の一部の変形部の変形度合いを示すパラメータを採用し、他の変形部の変形度合いを示すパラメータを採用せずに前記第2の算出手段にて用いられる前記パラメータを算出することを特徴とする請求項7に記載の画像診断装置。
【請求項9】
信号の送受信を行う送受信部がシースに内挿され、該送受信部が該シース内において周方向への回転を行いながら、または、周方向への回転と軸方向への移動とを行いながら取得した信号を用いて血管内の断層画像を生成する画像診断装置に対して、該信号を送信するプローブであって、
前記軸方向の互いに異なる位置に配置され、前記プローブにかかる圧力に応じて断面形状が変形する複数の変形部を備え、
前記変形部は、前記軸方向に所定の長さを有する直方体形状を有しており、該変形部のうち前記プローブの円周面を形成する面が、該変形部の他の面よりも剛性の低い部材により構成され
前記送受信部は、前記画像診断装置が断層画像の一部として前記変形部の画像を得ることができるように配置されていることを特徴とするプローブ。
【請求項10】
前記変形部は、前記軸方向に所定の長さを有する直方体形状を有しており、該変形部のうち前記プローブの円周面を形成する面が、該変形部の他の面よりも剛性の低い部材により構成されていることを特徴とする請求項9に記載のプローブ。
【請求項11】
前記変形部は、前記シースにおける第1の位置と、該第1の位置より前記軸方向における基端側の第2の位置にそれぞれ設けられ、該第1の位置と該第2の位置のそれぞれにおいて、周方向に複数設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置及びプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、動脈硬化の診断や、バルーンカテーテルまたはステント等の高機能カテーテルによる血管内治療時の術前診断、あるいは、術後の結果確認のために、画像診断装置が広く使用されている。
【0003】
画像診断装置には、血管内超音波診断装置(IVUS:Intra Vascular Ultra Sound)や光干渉断層診断装置(OCT:Optical Coherence Tomography)等が含まれ、当該画像診断装置を用いて、血管内の断層画像を生成することにより、血管内の解剖学的な診断を行うことができる。
【0004】
一方で、近年、血管内の診断として、このような解剖学的な手法に加え、生理学的な手法(実際の虚血の有無や虚血の程度を評価する手法)を併用することで、治療成績が向上することがわかってきている。
【0005】
しかしながら、生理学的な手法により血管内の診断を行うためには、負荷心電図や負荷心エコー図、負荷心筋シンチグラフィーなどを用いる必要があり、一般的に、解剖学的な手法と同時に実行させることが困難である。特に、緊急時や経皮的冠動脈インターベンション時にあっては、解剖学的な手法と同時に実行させることは、更に困難となる。
【0006】
一方で、近年、生理学的な手法における評価パラメータとして、心筋血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)が着目されている。心筋血流予備量比とは、冠動脈の最大拡張時(最大冠拡張時)に狭窄病変が存在しない状況下で流れる血流が、狭窄病変のためにどの程度障害となっているかを示す指標であり、最大冠拡張時における狭窄近位部位の圧力と、狭窄遠位部位の圧力を計測することにより算出することができる。このため、プローブ部内に圧力センサを配し、これらの圧力を計測することで、生理学的な手法を実行させることができる(例えば、下記特許文献1〜4及び非特許文献1参照)。
【0007】
更に、当該圧力センサを、画像診断装置のプローブ部内において、断層画像を生成するための送受信部と共存させることで、解剖学的な手法と生理学的な手法との併用も実現できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2003−525067号公報
【特許文献2】特開2007−296354号公報
【特許文献3】特表2012−501807号公報
【特許文献4】特表2012−502773号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】赤阪隆史:「サーモグラフィー付き圧ガイドワイヤーの可能性;冠動脈狭窄病変評価への応用」生体医工学43(1):24-31,2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、画像診断装置のプローブ部内の先端位置において、断層画像を生成するための送受信部に加え、更に、圧力センサを配する構成とすると、プローブ部の径を大きくする必要があるうえに、コストもかかるという問題がある。このようなことから、圧力センサを用いることなく、より簡単な構成で、解剖学的な手法と生理学的な手法とを併用させることが望ましい。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、画像診断装置において、より簡単な構成で解剖学的な手法と生理学的な手法とを併用させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係る画像診断装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像診断装置であって、
シースと、該シースに内挿され信号の送受信を行う送受信部とを有し、該送受信部が該シース内において周方向への回転を行いながら、または、周方向への回転と軸方向への移動とを行いながら信号の送受信を行うよう制御され、かつ、該軸方向における該シースの異なる位置には、外界の圧力に応じて断面形状が変形する変形部がそれぞれ設けられたプローブ部と、
前記変形部が含まれる断層画像を用いて、前記軸方向の異なる位置に設けられた変形部それぞれの変形度合いを示す複数のパラメータを算出する第1の算出手段と、
前記複数のパラメータに基づいて、心筋血流予備量比に対応する値を算出する第2の算出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像診断装置において、圧力センサを設けることなく心筋血流予備量比を計測することが可能となる。
【0014】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる画像診断装置100の外観構成を示す図である。
図2図2は、プローブ部の全体構成を示す図である。
図3図3は、プローブ部の先端部の詳細構成を示す図である。
図4図4は、心筋血流予備量比の算出作業の流れを示すフローチャートである。
図5A図5Aは、測定スリット部の変形度合いを示すパラメータの算出処理の流れを示すフローチャートである。
図5B図5Bは、測定スリット部の変形度合いを示すパラメータの算出処理の流れを示すフローチャートである。
図6A図6Aは、生成される断層画像の一例を示す図である。
図6B図6Bは、生成される断層画像の拡大図の一例を示す図である。
図7図7は、拍動との関係を示した測定スリット部の模式図及び生成される断層画像の拡大図の一例を示す図である。
図8図8は、心筋血流予備量比を説明するための図である。
図9図9は、測定スリット部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
[第1の実施形態]
<1.心筋血流予備量比の説明>
はじめに、生理学的な手法において用いられる評価パラメータである、心筋血流予備量比(FFR:Fractional flow reserve)の概要について非特許文献1より引用する図8を用いて説明する。
【0018】
図8は、心筋血流予備量比(FFR)を説明するための模式図である。上述しように、心筋血流予備量比とは、最大冠拡張時に狭窄病変が存在しない状況下で流れる血流が、狭窄病変のためにどの程度障害となっているかを示す指標であり、図8の8aは、最大冠拡張時(薬物を付加することにより冠細少動脈を最大拡張させた場合)に狭窄病変が存在しない状況下で流れる血流を、図8の8bは、最大冠拡張時に狭窄病変が存在する状況下で流れる血流をそれぞれ示している。
【0019】
図8の8aにおいて、Paは最大冠拡張時の上流側の圧力を示しており、Pvは冠静脈圧を示している。そして、当該血管系の抵抗をRとすると、狭窄病変が存在しない状況下で流れる最大血流量Qnは、
Qn=(Pa−Pv)/R
となる。
【0020】
一方、図8の8bにおいて、Paは狭窄病変801近位部位の圧力(図8の8aのPaと等しい)を、Pdは狭窄病変801遠位部位の圧力をそれぞれ示している。また、Pvは冠静脈圧を示している。そして、最大冠拡張時の当該血管系の抵抗をRとすると、狭窄病変が存在する状況下で流れる最大血流量Qsは、
Qs=(Pd−Pv)/R
となる。
【0021】
したがって、心筋血流予備量比(FFR)であるQs/Qnは、下式のように表される。
【0022】
Qs/Qn=(Pd−Pv)/(Pa−Pv)
ここで、最大冠拡張時では、Pd>>Pv、Pa>>Pvとなることから、心筋血流予備量比(FFR)≒Pd/Paと表すことができる。
【0023】
<2.画像診断装置を用いた心筋血流予備量比の算出>
次に、画像診断装置を用いた心筋血流予備量比の算出方法について説明する。図9は、OCTを用いた心筋血流予備量比の算出方法を説明するための図であり、900は血管内の圧力に応じて、所定の面901が変形する測定スリット部(変形部)である。
【0024】
上述したように、心筋血流予備量比を算出するにあたっては、血管内の圧力(Pd、Pa)を測定する必要があるが、血管内の圧力を測定するために専用の圧力センサをプローブ部内に配する構成とすると、プローブ部の径を大きくする必要があるうえ、コストもかかってしまうという問題がある。
【0025】
そこで、本実施形態に係る画像診断装置では、プローブ部に、血管内の圧力に応じて変形する測定スリット部900を配し、当該測定スリット部900における面901の変形度合いを、断層画像に基づいて定量的に算出することで、血管内の圧力を測定する構成としている。心筋血流予備量比の算出においては、血管内の圧力比(Pd/Pa)を算出すれば足り、絶対的な圧力まで計測する必要がないからである。
【0026】
図9の9aに示すように、測定スリット部900は直方体形状により形成され、面901のみが、他の面よりも低い剛性からなる部材により形成されている。このような構成とすることで、血管内において圧力がかかると、面901のみが所定の方向に変形し、測定スリット部900の断面形状が変形することとなる。
【0027】
つまり、狭窄病変に対して、プローブ部の軸方向先端側と軸方向基端側それぞれに、測定スリット部900が位置するように配置しておき、それぞれの測定スリット部900における変形度合いを示すパラメータとして、例えば、測定スリット部900の体積を断層画像に基づいて算出する構成とすることにより、心筋血流予備量比を算出することができる。
【0028】
具体的には、大気圧P下における一方の測定スリット部(血管内に挿入された場合に、狭窄病変に対してプローブ部の軸方向先端側に位置する測定スリット部)の体積をVf0、他方の測定スリット部(血管内に挿入された場合に、狭窄病変に対してプローブ部の軸方向基端側に位置する測定スリット部)の体積をVb0とし、更に、実際に血管内に挿入した状態での軸方向先端側の測定スリット部の体積をVf1、実際に血管内に挿入した状態での軸方向基端側の測定スリット部の体積をVb1とし、血管内において軸方向先端側の測定スリット部にかかる圧力をP、軸方向基端側の測定スリット部にかかる圧力をPとすると、以下の関係式が成り立つ。
【0029】
×Vf1=P×Vf0
×Vb1=P×Vb0
したがって、心筋血流予備量比(FFR)は、
FFR=P/P={(P×Vb0)/Vb1}/{(P×Vf0)/Vf1}=(Vb0×Vf1)/(Vb1×Vf0
つまり、画像診断装置により生成される断層画像を用いて、軸方向先端側の測定スリット部の大気下での体積と血管内での体積、及び、軸方向基端側の測定スリット部の大気下での体積と血管内での体積をそれぞれ算出することにより、心筋血流予備量比を算出することができる。
【0030】
なお、上記説明から明らかなように、本実施形態に係る画像診断装置では、圧力の変化を、測定スリット部における変形度合いとして捉えることで、心筋血流予備量比を算出する。したがって、測定スリット部における変形度合いを示すパラメータであれば、上述したような測定スリット部の体積に限定されるものではなく、例えば、測定スリット部の特定の断面(面901が最も変形した位置における断面)の面積Sをパラメータとしてもよい(図9の9b)。あるいは、測定スリット部の特定の断面(面901が最も変形した位置における断面)における、面901の歪み量(L1/W)、あるいは、面901の底面からの高さ(L2)等であってもよい(図9の9b)。
【0031】
<3.画像診断装置の外観構成>
次に、上記心筋血流予備量比を算出する、本実施形態に係る画像診断装置の外観構成について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像診断装置(ここでは、OCTとして説明する)100の外観構成を示す図である。
【0033】
図1に示すように、画像診断装置100は、プローブ部(プローブ)101と、スキャナ及びプルバック部(モータドライブユニット)102と、操作制御装置103とを備え、スキャナ及びプルバック部102と操作制御装置103とは、信号線104により接続されている。
【0034】
プローブ部101は、直接血管等の生体管腔内に挿入され、伝送された測定光を連続的に生体組織に向けて送信するとともに、生体組織からの反射光を連続的に受信する送受信部をその先端に備えるイメージングコアをカテーテルシース内に内挿しており、該イメージングコアを用いることで生体組織の状態を測定する。
【0035】
スキャナ及びプルバック部102は、プローブ部101が着脱可能に取り付けられるよう構成されており、内蔵されたモータが駆動することでプローブ部101に内挿されたイメージングコアのラジアル動作(生体管腔内の軸方向の動作及び回転方向の動作)を実現している。また、送受信部が受信した反射光を取得するとともに、信号線104を介して該取得した反射光を操作制御装置103に送信する。
【0036】
操作制御装置103は、測定を行うにあたり、各種設定値を入力するための機能や、測定結果を生体組織の断層画像として表示するための機能を備える。
【0037】
操作制御装置103において、111は本体制御部であり、測定により得られた反射光と、測定光を分離することで得られた参照光と、を干渉させることで干渉光データを生成するとともに、該干渉光データに基づいて生成されたラインデータ(断層画像における放射方向のラインのデータ)を処理することで、断層画像を生体管腔内の軸方向に複数構築する。また、構築した断層画像に基づいて、心筋血流予備量比を算出する。本体制御部111は、後述する画像の抽出作業を行う抽出手段と、パラメータ等の算出作業を行う算出手段(第1の算出手段、第2の算出手段、第3の算出手段)の機能を有する。
【0038】
111−1はプリンタ/DVDレコーダであり、本体制御部111における処理結果を印刷したり、データとして記憶したりする。112は操作パネルであり、ユーザは該操作パネル112を介して、各種設定値及び指示の入力を行う。113は表示装置としてのLCDモニタであり、本体制御部111において構築された生体組織の複数の断層画像を表示する。
【0039】
<4.プローブ部の構成>
次に、プローブ部101の構成について図2を用いて説明する。図2に示すように、プローブ部101は、血管等の生体管腔内に挿入される長尺のカテーテルシース201と、ユーザが操作するために血管等の生体管腔内に挿入されることなく、ユーザの手元側に配置されるコネクタ部202とにより構成される。カテーテルシース201の先端には、ガイドワイヤルーメンを構成するガイドワイヤルーメン用チューブ203が設けられている。カテーテルシース201は、ガイドワイヤルーメン用チューブ203との接続部分からコネクタ部202との接続部分にかけて連続する管腔を形成している。
【0040】
カテーテルシース201の管腔内部には、光を送受信する光送受信部221と、光ファイバケーブルを内部に備え、それを回転させるための回転駆動力を伝達するコイル状の駆動シャフト222とを備えるイメージングコア220が、カテーテルシース201のほぼ全長にわたって挿通されている。
【0041】
コネクタ部202は、カテーテルシース201の基端に一体化して構成されたシースコネクタ202aと、駆動シャフト222の基端に駆動シャフト222を回動可能に固定して構成された駆動シャフトコネクタ202bとを備える。
【0042】
シースコネクタ202aとカテーテルシース201との境界部には、耐キンクプロテクタ211が設けられている。これにより所定の剛性が保たれ、急激な物性の変化による折れ曲がり(キンク)を防止することができる。
【0043】
駆動シャフトコネクタ202bの基端は、スキャナ及びプルバック部102に着脱可能に取り付けられる。
【0044】
<5.プローブ部の先端部の詳細構成>
次に、プローブ部101の先端部(図2の230)の詳細構成について、図3を用いて説明する。図3は、プローブ部101の先端部の詳細構成を示す図であり、図3の3aは、プローブ部101の先端部を側面から見た場合の断面図を、図3の3bは、プローブ部101の先端部を先端側から見た場合の、図3の3aの第1の位置及び第2の位置における断面図をそれぞれ示している(なお、図3の3bでは、説明の便宜上、イメージングコア220を省略している)。
【0045】
図3の3aに示すように、ハウジング223内には、側方照射型のボールレンズ(光送受信部)221が配され、駆動シャフト222内には、クラッド部とコア部とから構成される光ファイバケーブル301が配されている。なお、光送受信部221から送信された光は、カテーテルシース201を通って、生体管腔内の生体組織に照射される。
【0046】
また、カテーテルシース201には複数の測定スリット部(311〜314、321〜324)が設けられている。測定スリット部(311〜314、321〜324)は、シース201の外表面に設けられた複数の溝からなり、プローブ部101の周方向に平行な均一の幅と、軸方向に平行な所定の長さを有しており、軸方向の第1の位置と、該第1の位置から所定の距離Dだけ離れた第2の位置とに設けられている。各測定スリット部の幅、長さ、配置された角度は全て等しい。更に、カテーテルシース201の外側円周面は、外界の圧力の変化に応じて変形する柔軟なシート(カバー)330で覆われている。
【0047】
このように、測定スリット部を、軸方向の第1の位置と第2の位置とに設けたのは、狭窄病変に対して、プローブ部101の軸方向先端側に位置する測定スリット部におけるシート330の変形と軸方向基端側に位置する測定スリット部におけるシート330の変形とを捉えるためである。すなわち、第1の位置と第2の位置の間に狭窄部が位置するようプローブ部101を血管内に配置することによって、狭窄部より先端側の血圧によるシート330の変形と、狭窄部より基端側の血圧によるシート330の変形を捉えることができる。
【0048】
なお、図3の3bに示すように、本実施形態では、第1の位置及び第2の位置において、それぞれ、カテーテルシース201の円周方向にそれぞれ4つの測定スリット部(311〜314、321〜324)が設けられている。
【0049】
このように、第1の位置及び第2の位置において、それぞれ、複数の測定スリット部を円周方向に設ける構成としたのは、複数の測定スリット部においてシート330の変形度合いをそれぞれ解析することで、心筋血流予備量比(FFR)をより精度よく算出するためである。
【0050】
<6.心筋血流予備量比算出作業の流れ>
次に、画像診断装置100を用いた、心筋血流予備量比算出作業の流れについて、図4を用いて説明する。図4は、心筋血流予備量比算出作業の流れを示すフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、ステップS401では、大気圧下(つまり、プローブ部101を被検者の血管内に挿入する前の状態)で、第1及び第2の位置それぞれの測定スリット部におけるシート330の変形度合いを示すパラメータ(Vb0、Vf0)の算出を行う。具体的には、第1及び第2の位置を含む範囲において、イメージングコア220をラジアル動作させながら測定を行うことで、それぞれの測定スリット部におけるシート330の変形度合いを示すパラメータを算出する。なお、測定スリット部の変形度合いを示すパラメータの算出処理の詳細は、図5A図5B及び6A、図6Bを用いて後述する。
【0052】
ステップS402では、被検者の血管内にプローブ部101を挿入する。更に、ステップS403では、被検者の血管内において、第1の位置の測定スリット部が、診断対象となる狭窄病変に対して、プローブ部101の軸方向先端側に、第2の位置の測定スリット部が、診断対象となる狭窄病変に対して、プローブ部101の軸方向基端側にくるように配置する。この作業が容易となるように、X線造影下で第1の位置と第2の位置を視認するためのX線造影マーカー(X線不透過部)をシース201に設けても良い。その後、第1及び第2の位置それぞれの測定スリット部におけるシート330の変形度合いを示すパラメータを算出する。
【0053】
具体的には、第1及び第2の位置を含む範囲において、イメージングコア220をラジアル動作させながら測定を行うことで、それぞれの測定スリット部におけるシート330の変形度合いを示すパラメータ(Vf1、Vb1)を算出する。なお、測定スリット部の変形度合いを示すパラメータの算出方法は、図5A図5B及び図6A図6Bを用いて後述する。
【0054】
ステップS404では、ステップS401及びステップS403において算出された、それぞれの測定スリット部の変形度合いを示すパラメータを用いて、心筋血流予備量比を算出し、LCDモニタ113に表示する。
【0055】
<7.パラメータ算出処理>
次に、図4のステップS401及びS403に示す、測定スリット部におけるシート330の変形度合いを示すパラメータを算出するための処理(以下、パラメータ算出処理と称す)の詳細について、図5A図5B及び図6A図6Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、パラメータ算出処理(3種類の処理)の流れを示すフローチャートであり、図6A及び図6Bは、パラメータ算出処理に際して生成される断層画像及びその拡大図の一例を示す図である。
【0056】
<7.1 パラメータ算出処理(1)の場合>
図5Aの5aに示すように、画像診断装置100では、ステップS501において、光の送受信を開始するとともに、ラジアル動作を開始し、カテーテルシース201の断層画像の生成を開始する。
【0057】
ラジアル動作により、第1の位置及び第2の位置の走査を終えると、ステップS502において、光の送受信を終了するとともに、ラジアル動作を終了する。
【0058】
図6Aは、ステップS501及びS502において、測定を行うことで生成された断層画像の一例を示している。図6Aに示すように、測定が開始された直後のカテーテルシース201の断層画像には、測定スリット部が含まれていないが(601参照)、第1の位置の測定スリット部に到達すると、カテーテルシース201の断層画像にも、測定スリット部が表れてくる(602参照)。更に、測定が進むと、再び測定スリット部が含まれなくなり(603参照)、第2の位置の測定スリット部に到達すると、再び測定スリット部が表れてくる(604参照)。
【0059】
このように、第1の位置の測定スリット部と第2の位置の測定スリット部とが含まれるように、ラジアル動作を行うと、測定スリット部が含まれる断層画像と測定スリット部が含まれない断層画像とが混在することなる。
【0060】
そこで、ステップS503では、測定スリット部が含まれる断層画像のみを抽出手段(本体制御部111)により抽出する。更に、ステップS504では、ステップS503で抽出された断層画像を、第1の位置の測定スリット部を含む断層画像(602)と、第2の位置の測定スリット部を含む断層画像(604)とに分類する。更に、第1の位置の測定スリット部(本実施形態では、測定スリット部311〜314)と、第2の位置の測定スリット部(本実施形態では、測定スリット部321〜324)とについて、それぞれ、第1の算出手段(本体制御部111)により体積を算出する。
【0061】
図6Bは、ステップS503において抽出された断層画像の拡大図の一例を示している。図6Bに示すように、各断層画像611〜617に含まれる測定スリット部の断面積S1〜S7を算出し、それらをプローブ部101の軸方向に積分することにより、測定スリット部の体積を算出することができる。
【0062】
ステップS504では、第1の位置の測定スリット部311〜314のそれぞれについて、体積V11〜V14を算出するとともに、第2の位置の測定スリット部321〜324のそれぞれについて、体積V21〜V24を算出する。
【0063】
ステップS505では、第1の位置の測定スリット部311〜314の体積V11〜V14のうち、最大値と最小値を採用せず排除し、残りの2つを採用してその体積の平均値を算出する(つまり、一部の測定スリット部の体積のみを採用して平均値を算出する)。同様に、第2の位置の測定スリット部321〜324の体積V21〜V24のうち、最大値と最小値を採用せず排除し、残りの2つを採用してその体積の平均値を算出する。
【0064】
これらの処理を、ステップS401及びS403において実行することにより、第2の算出手段(本体制御部111)が心筋血流予備量比(FFR)を算出するのに必要な、測定スリット部における変形度合いを示すパラメータ(Vb0、Vf1、Vb1、Vf0)を算出することができる。
【0065】
<7.2 パラメータ算出処理(2)の場合>
次に、図5Aの5bに示すパラメータ算出処理について説明する。なお、図5Aの5bのステップS511〜S513までの処理は、図5Aの5aのステップS501〜S503までの処理と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
ステップS514では、ステップS513で抽出された断層画像を、第1の位置の測定スリット部を含む断層画像(602)と、第2の位置の測定スリット部を含む断層画像(604)とに分類する。更に、第1の位置の測定スリット部(本実施形態では、測定スリット部311〜314)と、第2の位置の測定スリット部(本実施形態では、測定スリット部321〜324)とについて、それぞれ、シート330の高さ(L2)を算出する。
【0067】
図6Bは、ステップS513において抽出された断層画像の拡大図の一例を示している。図6Bに示すように、各断層画像611〜617に含まれる各測定スリット部について、シート330の高さL21〜L27を算出する。そして、各断層画像611〜617の中から、シート330の高さが最小(L24)の断層画像を選択する。これにより、各測定スリット部について、シート330の高さが最も小さい断層画像(通常は、測定スリット部の軸方向中心位置の断層画像)が選択されることとなる。
【0068】
これらの処理は、第1の位置の測定スリット部311〜314において行われ、これにより、第1の位置からは、4つの断層画像が選択されることとなる。同様に、第2の位置の測定スリット部321〜324からも、4つの断層画像が選択されることとなる。
【0069】
ステップS515では、第1の位置の測定スリット部311〜314について、ステップS514において選択された4つの断層画像におけるシート330の高さ(L24)のうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さ(L24)についての平均値を算出する。同様に、第2の位置の測定スリット部321〜324について、ステップS514において選択された4つの断層画像におけるシート330の高さ(L24)のうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さ(L24)についての平均値を算出する。
【0070】
これらの処理を、ステップS401及びステップS403において実行することにより、心筋血流予備量比(FFR)を算出するのに必要な、測定スリット部における変形度合いを示すパラメータ(L24b0、L24f1、L24b1、L24f0)を算出することができる。なお、ここでは、測定スリット部の底面からシート330までの高さ(L24)を求める構成としたが、本発明はこれに限定されず、断面積(S4)やシート330の歪み量(L14/W)について同様の処理を行うようにしてもよい。
【0071】
<7.3 パラメ−タ算出処理(3)の場合>
次に、図5Bに示すパラメータ算出処理について説明する。なお、図5BのステップS521〜S522までの処理は、図5Aの5aのステップS501〜S502までの処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
ステップS523では、ステップS521〜S522において生成された断層画像に基づいて、第1の位置の測定スリット部の軸方向中心位置を第3の算出手段(本体制御部111)が算出する。同様に、第2の位置の測定スリット部の軸方向中心位置を算出する。
【0073】
ステップS524では、ステップS523において算出された第2の位置の測定スリット部の軸方向中心位置に光送受信部221がくるように、イメージングコア220を移動させる。
【0074】
ステップS525では、第2の位置の測定スリット部の軸方向中心位置において、光の送受信を開始するとともに、回転動作を開始し、当該位置におけるカテーテルシース201の断層画像を生成する。これにより、図6Bの断層画像614に対応する断層画像を生成することができる。断層画像の生成が完了すると、光の送受信を終了するとともに、回転動作を終了する。
【0075】
ステップS526では、ステップS523において算出された、第1の位置の測定スリット部の軸方向中心位置に光送受信部221がくるように、イメージングコア220を移動させる。
【0076】
ステップS527では、第1の位置の測定スリット部の軸方向中心位置において、光の送受信を開始するとともに、回転動作を開始し、当該位置におけるカテーテルシース201の断層画像を生成する。これにより、図6Bの断層画像614に対応する断層画像を生成することができる。断層画像の生成が完了すると、光の送受信を終了するとともに、回転動作を終了する。
【0077】
ステップS528では、ステップS525において生成された断層画像に含まれる測定スリット部321〜324それぞれについて、シート330の高さL2を算出する。更に、算出されたシート330の高さのうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さL2について平均値を算出する。
【0078】
同様に、ステップS527において生成された断層画像に含まれる測定スリット部311〜314それぞれについて、シート330の高さL2を算出する。更に、算出されたシート330の高さL2のうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さL2について平均値を算出する。
【0079】
これらの処理を、ステップS401及びS403において実行することにより、心筋血流予備量比(FFR)を算出するのに必要な、測定スリット部における変形度合いを示すパラメータ(L2b0、L2f1、L2b1、L2f0)を算出することができる。なお、ここでは、測定スリット部の底面からシート330までの高さ(L2)を求める構成としたが、本発明はこれに限定されず、断面積(S)やシート330の歪み量(L1/W)について同様の処理を行うようにしてもよい。
【0080】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像診断装置では、プローブ部101の軸方向の第1の位置と第2の位置とに、測定スリット部を複数設け、更に、当該測定スリット部を覆うように、カテーテルシース201の外周面に、シート330を配する構成とした。これにより、プローブ部101にかかる圧力を、測定スリット部におけるシート330の変形として捉えることが可能となった。また、生成された断層画像より、当該変形を解析することにより、心筋血流予備量比の算出に必要なパラメータを算出することが可能となった。
【0081】
このように、圧力センサを配することなく、プローブ部101にかかる圧力を算出する構成とすることで、圧力センサをプローブ部内に配する場合と比較して、プローブ部の径を小さくすることができ、かつ、コストを低減させることが可能となる。
【0082】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、測定スリット部におけるシートの変形を捉えるにあたり、拍動の影響については特に考慮しなかったが、本発明は、これに限定されず、拍動のタイミングを考慮するように構成してもよい。
【0083】
一般に、心筋血流予備量比の算出に際しては、拍動により血管内の圧力が最大になった状態で取得されるパラメータを用いることが望ましい。そこで、本実施形態では、拍動により血管内の圧力が最大となったタイミングにおける断層画像よりパラメータを抽出する構成とする。以下、図7を参照しながら、本実施形態の詳細について説明する。
【0084】
図7は、拍動と測定スリット部の変形との関係を模式的に示した図である。図7の7aは、横軸を時間、縦軸を血管内圧力とした場合の、血管内圧力の時系列変化を示している。図7の7aに示すように、血管内の圧力は、拍動により大きく変化する。
【0085】
図7の7bは、拍動に対する各タイミングでの、測定スリット部311〜314、321〜324におけるシート330の変形を模式的に示したものである。図7の7bに示すように、拍動により、血管内の圧力が上がった場合、測定スリット部におけるシート330は、血管内の圧力が上がる前の状態または血管内の圧力が下がった後の状態と比較して、変形度合いが大きくなる。
【0086】
このため、それぞれのタイミングにおける断層画像は、図7の7cに示すものとなる(701〜703)。つまり、拍動の影響により、測定スリット部におけるシート330の変形度合いは大きくことなる異なることから、本実施形態に係る画像診断装置では、図5BのステップS525において、少なくとも1回の拍動が含まれる所定時間の間、測定を行う。同様に、図5BのステップS527において、少なくとも1回の拍動が含まれる所定時間の間(通常1秒以上)測定を行う。
【0087】
更に、ステップS528では、ステップS525において生成された複数の断層画像に含まれる測定スリット部321〜324それぞれについて、シート330の高さ(L2)を算出するとともに、各測定スリット部ごとに、シート330の高さが最小となる断層画像(図7の7cの702に対応する断層画像)を抽出する。これにより、各測定スリット部ごとに、拍動により血管内の圧力が最大になったタイミングにおけるシート330の高さ(L2)を算出することができる。そして、4つの測定スリット部について算出されたシート330の高さ(L2)のうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さ(L2)について平均値を算出する。
【0088】
同様に、ステップS527において生成された複数の断層画像に含まれる測定スリット部311〜314それぞれについて、シート330の高さ(L2)を算出するとともに、各測定スリット部ごとに、シート330の高さ(L2)が最小となる断層画像(図7の7cの702に対応する断層画像)を抽出する。これにより、各測定スリット部ごとに、拍動により血管内の圧力が最大になったタイミングにおけるシート330の高さ(L2)を算出することができる。そして、4つの測定スリット部について算出されたシート330の高さ(L2)のうち、最大値と最小値を排除し、残りの2つのシート330の高さ(L2)について平均値を算出する。
【0089】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像診断装置では、拍動により血管内の圧力が最大となった状態で取得されるパラメータを用いて、心筋血流予備量比を算出することが可能となった。
【0090】
なお、ここでは、測定スリット部の底面からシート330までの高さ(L2)を求める構成としたが、本発明はこれに限定されず、断面積(S)やシート330の歪み量(L1/W)について同様の処理を行うようにしてもよい。
【0091】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、カテーテルシース201を切り欠くことにより、測定スリット部を形成することとしたが、本発明はこれに限定されない。カテーテルシース201の外周に、測定スリット部に相当する隙間が形成されるような形状の部材を貼り付け、その上からシート330を覆う構成としてもよい。なお、このときカテーテルシース201の外周に貼り付けられる部材は、シート330よりも高い剛性を有する部材であることが望ましい。
【0092】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、第1の位置及び第2の位置において、測定スリット部をそれぞれ4つ設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、4つ以上であってもよい。
【0093】
また、上記第1の実施形態では、第1の位置及び第2の位置においてそれぞれ算出された、測定スリット部の変形度合いを示すパラメータの中から、最大値と最小値を除いたうえで平均値を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。算出されるパラメータの信頼度を高めるための手法であれば、他の手法によりパラメータを算出するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1の実施形態では、第1の位置及び第2の位置の2箇所に、測定スリット部を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、軸方向の3つ以上の位置に、測定スリット部を設ける構成としてもよい。
【0095】
また、上記第1の実施形態では、画像診断装置としてOCTを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、IVUSを用いて上記処理を実行してもよい。
【0096】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0097】
本願は、2012年3月29日提出の日本国特許出願特願2012−076730を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9