(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
縁部層間剥離は、多層フィルムにおける懸念である。僅かな層間剥離が、多層の分離を生じ得る。層間剥離は、3つの入力を評価、制御、及び修正することによって制御され得る。評価される第1入力は、境界面における光に対する暴露である。光暴露は、UVに加えて、可視光線を含む。水暴露は、第2入力である。第3入力は、境界面における応力である。これらの3つの入力値の修正及び制御は、ASTM D3330方法A「Standard Test Method for Peel Adhesion of Pressure−Sensitive Tape」に従って測定された、20グラム/in(7.74N/m)超の剥離を維持する。
【0007】
これらの実施形態は、多層物品の縁部の周囲、又は縁部から5mm以内において特に重要である。これは、応力が縁部に集中すると、ここから一般的に層剥離が始まりやすいためである。一度層剥離が始まると、縁部が多層物品の反対側に向かって前進することがあり、最終的に層間の境界面全体における層剥離を生じる。縁部における層剥離の阻止は、多層物品の層が接着されたままであることを可能にする。
【0008】
図1は、本出願による実施形態を例示する。アセンブリ10は、電気装置12を含む。バリア積層物18は、電気装置12に隣接するものとして示される。バリア積層物は、本明細書において記載されるように、多数の層(図示されない)を含む。耐候性シート20は、電気装置の反対側のバリア積層物に隣接している。耐候性シート20及びバリア積層物18は一緒に、多層フィルム22を形成する。耐候性シートは、位置24、及び26において、電気装置12に結合される。この結合は、当該技術分野において既知のいずれかの方法を使用して形成され得、これは縁部封止剤、下塗りした表面、又は感圧接着剤に接着させるように耐候性シートに表面処理を行うことを含む。いくつかの実施形態において、耐候性シートは、アセンブリの周辺部全体の周囲で電気装置に結合され、アセンブリの周囲にフレームを形成する。
【0009】
図2は、本出願による第2実施形態を例示する。アセンブリ210は、電気装置212を含む。バリア積層物218は、電気装置212に隣接するものとして示される。基材217は、バリア積層物218と電気装置212との間に図示される。バリア積層物は、本明細書において記載されるように、多数の層(図示されない)を含む。耐候性シート220は、電気装置の反対側のバリア積層物に隣接している。耐候性シート220、バリア積層物218、及び基材217は一緒に、多層フィルム222を形成する。耐候性シートは、位置224及び226において、電気装置に結合される。
【0010】
図3は、本出願による第3実施形態を例示する。アセンブリ310は、電気装置312を含む。バリア積層物318は、電気装置312に隣接するものとして示される。基材317は、バリア積層物318と電気装置312との間に示される。バリア積層物は、本明細書において記載されるように、多数の層(図示されない)を含む。耐候性シート320は、電気装置の反対側のバリア積層物に隣接している。耐候性シート320、バリア積層物318、及び基材317は一緒に、多層フィルム322を形成する。感圧接着剤層319は、多層フィルム322内でバリア積層物318と耐候性シート320との間に示される。耐候性シート320は、位置324、及び326において、電気装置に結合される。
【0011】
図4は、本出願による第4実施形態を例示する。アセンブリ410は、電気装置412を含む。バリア積層物418は、電気装置412に隣接するものとして示される。基材417は、バリア積層物418と電気装置412との間に図示される。バリア積層物は、本明細書において記載されるように、多数の層(図示されない)を含む。耐候性シート420は、電気装置の反対側のバリア積層物に隣接している。耐候性シート420、バリア積層物418、及び基材417は一緒に、多層フィルム422を形成する。感圧接着剤層419は、多層フィルム422内でバリア積層物418と耐候性シート420との間に示される。感圧接着剤419は、位置424及び426において、電気装置に結合される。
【0012】
図5は、本出願による第5実施形態を例示する。アセンブリ510は、電気装置512、バリア積層物518、及び耐候性シート520を含む。
図5において、電気装置512は、縁部封止材料514及び516を含む。耐候性シート520は、縁部封止材料514及び516において、電気装置512に結合される。
【0013】
図6は、本出願による第6実施形態を例示する。アセンブリ610は、電気装置612、バリア積層物618、及び耐候性シート620を含む。
図6において、電気装置612は、カプセル材613を含む。耐候性シート620は、カプセル化材料613において電気装置612に結合される。
【0014】
図7は、本出願による第7実施形態を例示する。アセンブリ710は、電気装置712、バリア積層物718、及び耐候性シート720を含む。
図7において、電気装置712は、バックシート715を含む。耐候性シート720は、バックシート715において電気装置712に結合される。
【0015】
請求項における要素は、以下でより詳細に記載される。
【0016】
電気装置
本開示によるアセンブリは、例えば、光電池などの太陽光装置などの電気装置を含む。したがって、本開示は、光電池を含むアセンブリを提示する。好適な光電池としては、多様な材料で開発され、太陽エネルギーを電気に変換する、それぞれ固有の吸収スペクトルを有するものが挙げられる。光電池の製造に使用される材料及びこれらの太陽光吸収帯端波長の例としては、結晶性シリコン単接合(約400nm〜約1150nm)、非晶質シリコン単接合(約300nm〜約720nm)、リボンシリコン(約350nm〜約1150nm)、CIS(銅インジウムセレン化物)(約400nm〜約1300nm)、CIGS(銅インジウムガリウム二セレン化物)(約350nm〜約1100nm)、CdTe(約400nm〜約895nm)、GaAsマルチ接合(約350nm〜約1750nm)が挙げられる。これらの半導体材料の短い波長の左吸収帯端は、通常、300nm〜400nmの間である。特定の実施形態において、電気装置はCIGS電池である。いくつかの実施形態では、アセンブリが適用される太陽光装置(例えば、光電池)は、可撓性フィルム基材を備え、可撓性光起電装置を生じる。
【0017】
可撓性光起電装置内の可撓性バリアフィルムの分離/層間剥離を防ぐ方法の開発は、光起電分野において特に有用である。光起電モジュールの出力が長いほど、光起電モジュールは有用となる。特定の実施形態において、本出願は、可撓性積層物のバリア特性と干渉せずに、可撓性光起電モジュール耐用寿命を増加させることを目的とする。
【0018】
いくつかの実施形態において、電気装置はカプセル材を含む。カプセル材は、光電池及び関連する回路にわたり、かつこの周囲に適用される。現在使用されているカプセル材は、エチレンビニルアセテート(EVA)ブチルアルデヒド(PVB)、ポリオレフィン、熱可塑性ウレタン、透明な塩化ポリビニル、及びイオノマーである。カプセル材が太陽光装置に適用され、いくつかの実施形態においてこれは、カプセル材を架橋することができる架橋剤(例えば、EVAのための過酸化物)を含み得る。カプセル材は、その後は、太陽光装置上で適所に硬化される。CIGS光起電モジュールのために有用なカプセル材の一例は、Jura−Plast,Reichenschwand,Germanyから、商品名「JURASOL TL」で販売される。
【0019】
いくつかの実施形態において、電気装置は、縁部においてこれを封止するために縁部封止を含む。例えば、縁部封止材は、光起電電気及び関連する回路の側部にわたり、この周囲に適用される。いくつかの実施例において、カプセル材は縁部で封止される。特定の実施例において、光電池などの電気装置は、上記のようにカプセル材で既に被覆されており、バックシート材料、及び封入された装置全体の縁部が封止される。縁部封止剤の例としては、Adco(Lincolnshire,IL)から商品名HELIOSEAL PVS101で、TruSeal,Solon,Ohioから販売されるものなどの、乾燥ポリマー、及びブチルゴム、並びにTruSeal(Solon,Ohio)から市販されるSOLARGAIN LP02縁部テープが挙げられる。
【0020】
上記のように、いくつかの実施形態において、電気装置は、光電池を後部から完全に封入し、カプセル材を前部から封入するバックシートを含む。バックシートは典型的にはポリマーフィルムであり、多くの実施形態においてこれは多層フィルムである。バックシートフィルムの例としては、3M Company,Saint Paul,Minnesotaから市販される3M(商標)Scotchshield(商標)が挙げられる。バックシートは、(例えば、建物統合光起電システム(BIPV)の)屋根膜などの建築材料に接続され得る。本出願の目的のため、このような実施形態において、電気装置は、このような屋根膜、又は屋根の他の部分を含む。
【0021】
多層フィルム
多層フィルムは一般的に、バリア積層物、及び耐候性シート、及びいくつかの実施形態においては基材を含む。多層フィルムは一般的に、可視光線及び赤外線に対して透過性である。本明細書で使用するとき、用語「可視光及び赤外線に対して透過性」は、垂直軸に沿って測定した際にスペクトルの可視光及び赤外線部分の範囲の平均透過率が少なくとも75%(一部の実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)であることを意味することができる。一部の実施形態では、可視光及び赤外線透過性アセンブリは、400nm〜1400nmの範囲の平均透過率が少なくとも約75%(一部の実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)である。可視光及び赤外線透過性アセンブリは、例えば、光電池による、可視光及び赤外線の吸収に関して干渉しないものである。一部の実施形態では、可視光及び赤外線透過性アセンブリは、光電池に有用である光の波長の範囲の平均透過率が少なくとも約75%(一部の実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)である。
【0022】
多くの実施形態において、多層フィルムは可撓性である。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、ロールに成形することができることを指す。一部の実施形態では、用語「可撓性」は、最大7.6cm(cm)(3in)、一部の実施形態では最大6.4cm(2.5in)、5cm(2in)、3.8cm(1.5in)、又は2.5cm(1in)の曲率半径を有するロール芯の周りに屈曲可能であることを指す。一部の実施形態では、可撓性アセンブリは、少なくとも0.635cm(1/4in)、1.3cm(1/2in)又は1.9cm(3/4in)の曲率半径の周りに屈曲可能である。
【0023】
基材
本開示によるアセンブリは基材を含む。一般的に基材はポリマーフィルムである。本出願の関連において、用語「ポリマー」は、有機ホモポリマー及びコポリマー、並びに例えば、共押出し又はエステル交換を含む反応により混和性ブレンド中で形成される場合があるポリマー又はコポリマーを含むように理解される。用語「ポリマー」及び「コポリマー」は、ランダム及びブロックコポリマーの両方を含む。
【0024】
例えば、そのCTEがほぼ同一(例えば、約10ppm/K以内)であるか、又は電気装置(例えば、可撓性光起電デバイス)のCTEよりも小さいように、基材を選択してもよい。換言すると、基材は、基材と電気装置との間のCTE不整合を最小化するように選択されてもよい。一部の実施形態では、基材は、カプセル化対象の装置の20、15、10、又は5ppm/K以内のCTEを有する。一部の実施形態では、低CTEを有する基材を選択することが好ましいこともある。例えば、一部の実施形態では、基材は、最大50(一部の実施形態では、最大45、40、35、又は30)ppm/KのCTEを有する。一部の実施形態では、基材のCTEは、0.1〜50、0.1〜45、0.1〜40、0.1〜35、又は0.1〜30ppm/Kの範囲にある。基材を選択する場合、基材と耐候性シート(下記に記述)のCTEの間の差は、一部の実施形態では、少なくとも40、50、60、70、80、90、100、又は110ppm/Kであり得る。第1の基材と耐候性シートのCTEの差は、一部の実施形態では、最大150、140、又は130ppm/Kであり得る。例えば、基材と耐候性シートとの間のCTE不整合の範囲は、例えば、40〜150ppm/K、50〜140ppm/K、又は80〜130ppm/Kであり得る。CTEは熱機械的分析によって判定することができる。及び、多くの基材のCTEは、製品データシート又はハンドブックで見出すことができる。
【0025】
一部の実施形態では、基材は、最大5×10
9Paの弾性率(引っ張り弾性率)を有する。引っ張り弾性率は、例えば、商品名「INSTRON 5900」でInstron(Norwood,MA)から入手可能な試験システムなどの引っ張り試験機により測定可能である。一部の実施形態では、基材の引っ張り弾性率は、最大4.5×10
9Pa、4×10
9Pa、3.5×10
9Pa、又は3×10
9Paである。
【0026】
一部の実施形態では、基材は、支持体を拘束しない場合に少なくとも熱安定化温度まで収縮を最小化するために熱安定化される(例えば、ヒートセット、張力下でのアニール、又は他の方法を用いて)。基材に好適な代表的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、及びポリイミドが挙げられ、これらはいずれも所望により熱安定化されたものでもよい。これらの材料は<1〜約42ppm/Kの範囲のCTEを有すると報告されている。好適な基材は様々な供給源から市販されている。ポリイミドは、例えば、商品名「KAPTON」(例えば、「KAPTON E」又は「KAPTON H」)でE.I.Dupont de Nemours & Co.(Wilmington,DE)から、商品名「APICAL AV」でKanegafugi Chemical Industry Companyから、商品名「UPILEX」でUBE Industries,Ltd.から入手可能である。ポリエーテルスルホンは、例えば、Sumitomoから入手可能である。ポリエーテルイミドは、例えば、商品名「ULTEM」でGeneral Electric Companyから入手可能である。PETなどのポリエステルは、例えば、DuPont Teijin Film(Hopewell、VA)から入手可能である。
【0027】
一部の実施形態では、基材は、約0.05mm〜約1mm、一部の実施形態では約0.1mm〜約0.5mm、約0.1mm〜約0.25mmの厚さを有する。これらの範囲外の厚さもまた、用途に依存して、有用であり得る。一部の実施形態では、基材は、少なくとも0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、又は0.13mmの厚さを有する。
【0028】
バリア積層物
多層フィルムは、バリア積層物を含む。バリア積層物は、様々な構成から選択され得る。用語「バリアフィルム」は、酸素又は水の少なくとも1つに対してバリアをもたらすフィルムを指す。バリア積層物は、用途により要求される特定のレベルで酸素及び水透過率を有するように選択される。一部の実施形態では、バリア積層物は、38℃及び相対湿度100%で約0.005g/m
2/日未満、一部の実施形態では38℃及び相対湿度100%で約0.0005g/m
2/日未満、一部の実施形態では38℃及び相対湿度100%で約0.00005g/m
2/日未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する。一部の実施形態では、可撓性バリア積層物は、50℃及び相対湿度100%で約0.05、0.005、0.0005又は0.00005g/m
2/日未満、又は更に85℃及び相対湿度100%でも約0.005、0.0005、0.00005g/m
2/日未満のWVTRを有する。一部の実施形態では、バリア積層物は、23℃及び90%相対湿度で約0.005g/m
2/日未満、一部の実施形態では23℃及び相対湿度90%で約0.0005g/m
2/日未満、一部の実施形態では23℃及び相対湿度90%で約0.00005g/m
2/日未満の酸素透過率を有する。
【0029】
代表的な有用なバリア積層物には原子層堆積、熱蒸発、スパッタリング、及び化学気相成長法により作製される無機フィルムが挙げられる。有用なバリア積層物は、典型的には、可撓性及び透明である。
【0030】
一部の実施形態では、有用なバリアフィルムは、無機/有機多層を含む。無機/有機多層を含む可撓性超バリアフィルムは、例えば米国特許第7,018,713号(Padiyathら)に記載されている。このような可撓性超バリアフィルムは、追加的な第2ポリマー層により隔てられた2つ以上の無機バリア層によりオーバーコートされ得るポリマーフィルム上に配置された第1ポリマー層を有してもよい。いくつかの実施形態において、バリアフィルムは、第1ポリマー層上に挿置された1つの無機酸化物を含む。有用なバリア積層物はまた、例えば米国特許第4,696,719号(Bischoff)、同第4,722,515号(Ham)、同第4,842,893号(Yializisら)、同第4,954,371号(Yializis)、同第5,018,048号(Shawら)、同第5,032,461号(Shawら)、同第5,097,800号(Shawら)、同第5,125,138号(Shawら)、同第5,440,446号(Shawら)、同第5,547,908号(Furuzawaら)、同第6,045,864号(Lyonsら)、同第6,231,939号(Shawら)及び同第6,214,422号(Yializis)に;国際公開第00/26973号(Delta V Technologies,Inc.)に;D.G.Shaw及びM.G.Langlois,「A New Vapor Deposition Process for Coating Paper and Polymer Webs」、6th International Vacuum Coating Conference(1992)に;D.G.Shaw及びM.G.Langlois、「A New High Speed Process for Vapor Depositing Acrylate Thin Films:An Update」、Society of Vacuum Coaters 36th Annual Technical Conference Proceedings(1993)に;D.G.Shaw及びM.G.Langlois、「Use of Vapor Deposited Acrylate Coatings to Improve the Barrier Properties of Metallized Film」、Society of Vacuum Coaters 37th Annual Technical Conference Proceedings(1994)に;D.G.Shaw、M.Roehrig、M.G.Langlois及びC.Sheehan、「Use of Evaporated Acrylate Coatings to Smooth the Surface of Polyester and Polypropylene Film Substrates」、RadTech(1996)に;J.Affinito、P.Martin、M.Gross、C.Coronado及びE.Greenwell、「Vacuum deposited polymer/metal multilayer films for optical application」、Thin Solid Films 270,43〜48(1995)に;並びにJ.D.Affinito、M.E.Gross、C.A.Coronado、G.L.Graff、E.N.Greenwell及びP.M.Martin、「Polymer−Oxide Transparent Barrier Layers」に記載されている。
【0031】
バリア積層物及び基材は、環境から分離されている。本出願の目的のため、バリア積層物及び基材は、これらが、アセンブリを囲む空気と境界面を有さないときに、分離される。
【0032】
基材の主要表面は、バリア積層物に対する接着を改善させるために処理され得る。有用な表面処理としては、好適な反応性又は非反応性雰囲気の存在下での放電(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電又は大気圧放電)、化学的前処理又はフレーム前処理が挙げられる。別個の接着促進層はまた、基材の主要表面とバリア積層物との間に形成され得る。接着促進層は、例えば別個のポリマー層、又は金属、金属酸化物、金属窒化物又は金属オキシナイトライドの層などの金属含有層であってもよい。接着促進層は、数ナノメートル(nm)(例えば、1又は2nm)〜約50nm以上の厚さを有してもよい。一部の実施形態では、基材の片面(すなわち、一方の主表面)を処理して、バリア積層物に対する接着性を向上することができ、並びに他の面(すなわち、主表面)を処理して、被覆対象の素子又はこのような素子を被覆する封入材(例えば、EVA)に対する接着性を向上することができる。表面処理された(例えば、溶剤又は他の前処理により)一部の有用な基材は、例えば、Du Pont Teijinから市販されている。これらのフィルムの一部に対しては、両面が表面処理され(例えば、同一又は異なる前処理により)、他のフィルムに対しては、片面のみが表面処理される。
【0033】
耐候性シート
本開示によるアセンブリは、単層又は多層であり得る、耐候性シートを含む。耐候性シートは、概して、可撓性であり、並びに、可視光及び赤外線に対して透過性であり、並びに、有機膜形成ポリマーを含む。耐候性シートを形成できる有用な材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリオレフィン、フルオロポリマー及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
例えば、電気装置が太陽光装置である実施形態において、耐候性シートは典型的には、紫外線(UV)光による劣化反応に抵抗し、耐候性を有することが望ましい。(例えば、280〜400nmの範囲の)UVにより引き起こされる光酸化劣化は、ポリマーフィルムの変色、並びに光学的及び機械的特性の劣化を生じ得る。本明細書に記載の耐候性フィルム基材は、例えば、光起電デバイスのための耐性、耐候性トップコートを提供することができる。基材は、通常、摩耗及び衝撃耐性であり、例えば、屋外要素に暴露した際の光起電デバイスの劣化を防止することができる。
【0035】
様々な安定剤が耐候性シートに添加されて、UVに対する抵抗性を高め得る。このような安定剤の例としては、UV吸収剤(UVA)(例えば、赤色シフトUV吸収剤)、ヒンダードアミン光吸収剤(HALS)又は酸化防止剤が挙げられる。これらの添加剤は、下記に更に詳細に説明される。一部の実施形態では、語句「UVによる劣化に対して抵抗性である」は、耐候性シートが少なくとも1つのUV吸収剤又はヒンダードアミン光安定剤を含むことを意味する。一部の実施形態では、語句「紫外光による劣化に対して抵抗性である」は、耐候性シートが、少なくとも300nm〜400nmの波長範囲において少なくとも30nm範囲にわたって入射紫外光の少なくとも50%を反射又は吸収することを意味する。これらの実施形態のいずれかにおいて、耐候性シートは、UVA又はHALSを含む。
【0036】
第2の耐候性シートのUV耐久性は、例えば、加速耐候性試験を用いて、評価可能である。加速耐候試験は、概して、ASTM G−155「Standard practice for exposing non−metallic materias in accelerated test devices that use laboratory light sources」に記載されるものと同様の技法を使用して、フィルム上で行なわれる。上記のASTMの方法は、材料性能を正しくランク付けする、屋外耐久性の妥当な予測因子と考えられる。物理的特性の変化を検出するための機構は、ASTM G155において説明される耐候サイクル及び反射モードで操作されるD65光源の使用である。上記試験下で、UV保護層が物品に適用される場合、物品は、著しい亀裂、剥離、層間剥離又はかすみの発生前、CIE L
*a
*b
*空間を使用して得られるb
*値が、5以下、4以下、3以下、又は2以下で増加する前に、340nmにおいて少なくとも18,700kJ/m
2の暴露に耐えなければならない。
【0037】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される耐候性シートは、フルオロポリマーを含む。フルオロポリマーは、典型的には、UVA、HALS及び酸化防止剤などの安定剤がない場合でも、UV分解に対して耐性である。有用なフルオロポリマーとしては、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンペルフルオロビニルエーテルコポリマー(PFA、MFA)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデンコポリマー(THV)、ポリビニリデンフルオライドホモ及びコポリマー(PVDF)、これらのブレンド、並びに、これら及び他のフルオロポリマーのブレンドが挙げられる。フルオロポリマーは典型的には、TFE、CTFE、VDF、HFPのホモ又はコポリマー、又は他の完全にフッ素化した、部分的にフッ素化した、又は水素添加したモノマー(例えば、ビニルエーテル、及びアルパオレフィンなど)、又は他のハロゲン含有モノマーを含む。
【0038】
フルオロポリマーフィルムのCTEは、典型的には、炭化水素ポリマーから作製されるフィルムと比較して大きい。例えば、フルオロポリマーフィルムのCTEは、少なくとも75、80、90、100、110、120又は130ppm/Kであり得る。例えば、ETFEのCTEは、90〜140ppm/Kの範囲であり得る。
【0039】
フルオロポリマーを含む基材はまた、非フッ素化材料を含むことができる。例えば、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレートの配合物を使用することができる。有用な可撓性の可視光及び赤外光透過性基材は、多層フィルム基材も含む。多層フィルム基材は、異なる層に異なるフルオロポリマーを有することができ、又は少なくとも1層のフルオロポリマー及び少なくとも1層の非フッ素化ポリマーを含むことができる。多層フィルムは、数層(例えば、少なくとも2又は3層)を含むか、又は少なくとも100層(例えば、全層で100〜2000又はそれ以上の範囲の)を含むことができる。異なる多層フィルム基材内の異なるポリマーを選択して、例えば、米国特許第5,540,978号(Schrenk)に記載のように、例えば、300〜400nm波長範囲のUVの有意な部分(例えば、少なくとも30、40又は50%)を反射させることができる。このようなブレンド及び多層フィルム基材は、上述のフルオロポリマーよりも低いCTEを有する耐UV性基材を提供するのに有用であり得る。
【0040】
フルオロポリマーを含む有用な耐候性シートは、例えば、商品名「TEFZEL ETFE」及び「TEDLAR」でE.I.duPont De Nemours and Co.(Wilmington,DE)から、商品名「DYNEON ETFE」、「DYNEON THV」、「DYNEON FEP」及び「DYNEON PVDF」でDyneon LLC(Oakdale,MN)から、商品名「NORTON ETFE」でSt.Gobain Performance Plastics(Wayne,NJ)から、商品名「CYTOPS」でAsahi Glassから、並びに商品名「DENKA DX FILM」でDenka Kagaku Kogyo KK(Tokyo,Japan)から入手可能な樹脂から作製されるフィルムが、商業的に入手可能である。
【0041】
フルオロポリマー以外の一部の有用な第2の耐候性シートは、UVA、HALS、及び酸化防止剤が存在しなくともUVによる劣化に対して抵抗性であると報告されている。例えば、しかるべきレゾルシノールイソフタレート/テレフタレートコポリアリレート、例えば、米国特許第3,444,129号、同第3,460,961号、同第3,492,261号、及び同第3,503,779号で記述されているものは、耐候性であると報告されている。1,3−ジヒドロキシベンゼンオルガノジカルボキシレートから誘導される、構成単位を含む層を含む、一定の耐候性多層物品が、国際特許出願公開番号第2000/061664号に報告され、レゾルシノールアリレートポリエステル鎖を含む一定のポリマーが米国特許番号第6,306,507号に報告されている。層に形成され、かつカーボネート構造単位を含む他のポリマーと層化された、少なくとも1つの1,3−ジヒドロキシベンゼン及び少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸から誘導される構造単位を含むブロックコポリエステルカーボネートが米国特許出願公開第2004/0253428号で報告されている。ポリカーボネートを含有する耐候性シートは、例えば、ポリエステルと比較して比較的大きいCTEを有することがある。ポリカーボネートを含有する耐候性シートのCTEは、例えば、約70ppm/Kであることがある。
【0042】
上記の耐候性シートの実施形態のいずれかのため、耐候性シート(例えば、フルオロポリマー)の主要表面は、感圧接着剤に対する接着を改善するために処理され得る。有用な表面処理としては、好適な反応性又は非反応性雰囲気(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電又は大気圧放電)の存在における電気的な放電;化学的前処理(例えば、アルカリ溶液及び/又は液体アンモニアを用いる);火焔前処理;又は電子線ビーム処理が挙げられる。別個の接着促進層はまた、耐候性シートの主要表面とPSAとの間で形成され得る。一部の実施形態では、耐候性シートは、PSAにより被覆し、引き続いて電子線照射して、基材と感圧接着剤との間の化学結合を形成したフルオロポリマーであってもよい(例えば、米国特許第6,878,400号(Yamanakaら)を参照のこと)。表面処理される一部の有用な耐候性シートは、例えば、St.Gobain Performance Plasticsから商品名「NORTON ETFE」で市販されている。
【0043】
一部の実施形態では、耐候性シートは、約0.01mm〜約1mm、一部の実施形態では約0.05mm〜約0.25mm、約0.05mm〜約0.15mmの厚さを有する。
【0044】
本開示の実施に有用な耐候性シートは優れた屋外安定性を有する一方で、本明細で開示されるアセンブリでは建材一体型光発電(BIPV)などの長期屋外用途での使用を可能にする水蒸気透過低減のためのバリアフィルムが必要とされる。
【0045】
感圧性接着剤
感圧接着剤(「PSA」)は、耐候性シートとバリア積層物との間にあってよい。PSAは、(1)侵襲性及び永続性のある粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体を保持する充分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すのに充分な結合力を含む特性を有することが、当業者には周知である。PSAとして良好に機能することが分かっている材料は、必要な粘弾性特性を示し、粘着、剥離接着、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計並びに処方されたポリマーである。
【0046】
感圧接着剤を識別するための有用な1つの方法は、Dahlquist基準である。この基準は、感圧接着剤を、本明細書において組み込まれる、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」,Donatas Satas(Ed.),2
nd Edition,p.172,Van Nostrand Reinhold,New York,NY,1989に記載されるように、1×10
−6cm
2/ダイン(1×10
−7Pa)より大きい1秒クリープコンプライアンスを有する接着剤として、定義する。あるいは、弾性率は1次近似まではクリープコンプライアンスの逆数であるので、感圧性接着剤は、約1×10
6ダイン/cm
2(1×10
7Pa)未満の貯蔵弾性率を有する接着剤として定義されてもよい。
【0047】
本開示を実践するのに有用なPSAは、典型的には流れず、接着剤固着ラインに沿った酸素及び水分のゆっくりとした又は最小限の浸潤をもたらすのに十分なバリア特性を有する。また、本明細書に開示されているPSAは、通常、光電池による可視光の吸収に干渉しないように、可視光及び赤外線に対して透過性である。PSAは、垂直軸に沿って測定すると、スペクトルの可視部分にわたって少なくとも約75%(一部の実施形態では、少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)の平均透過率を有する。一部の実施形態では、PSAは、400nm〜1400nmの範囲にわたって少なくとも約75%(一部の実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)の平均透過率を有する。代表的なPSAとしては、アクリレート、シリコーン、ポリイソブチレン、尿素及びこれらの組み合わせが挙げられる。一部の有用な市販のPSAとしては、Adhesive Research,Inc.(Glen Rock,PA)から商品名「ARclear 90453」及び「ARclear 90537」で入手可能なものなどのUV硬化性PSA、並びに3M Company(St.Paul,MN)から商品名「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8171」、「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8172CL」及び「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8172PCL」で入手可能な、光学的に透明なPSAが挙げられる。
【0048】
一部の実施形態では、本開示の実施に有用なPSAは、最大50,000psi(3.4×10
8Pa)の弾性率(引っ張り弾性率)を有する。引っ張り弾性率は、例えば、商品名「INSTRON 5900」でInstron(Norwood,MA)から入手可能な試験システムなどの引っ張り試験機により測定可能である。一部の実施形態では、PSAの引っ張り弾性率は、最大40,000、30,000、20,000、又は10,000psi(2.8×10
8Pa、2.1×10
8Pa、1.4×10
8Pa、又は6.9×10
8Pa)である。
【0049】
一部の実施形態では、本開示の実施に有用なPSAはアクリル系PSAである。本明細書で使用するとき、用語「アクリル」又は「アクリレート」は、アクリル又はメタクリル基の少なくとも1つを有する化合物を含む。例えば、少なくとも2つの異なるモノマー(第1及び第2のモノマー)を一体化することにより、有用なアクリルPSAを作製することができる。代表的な好適な第1のモノマーとしては、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−デシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられる。代表的な好適な第2のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸)、(メタ)アクリルアミド(例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及びN−エチル−N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド)、(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレート、又はイソボルニルアクリレート)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アルファ−オレフィン、ビニルエーテル、アリルエーテル、スチレン系モノマー、又はマレエートが挙げられる。
【0050】
架橋剤を配合物中に含むことによって、アクリル系PSAを作製してもよい。代表的な架橋剤としては、共重合型多官能性エチレン型不飽和モノマー(例えば、1,6−ヘキサンジオルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、及び1,2−エチレングリコールジアクリレート);励起状態で水素を引き抜く能力のあるエチレン型不飽和化合物(例えば、米国特許第4,737,559号(Kellenら)で記述されているアクリレート化ベンゾフェノン、Sartomer Company(Exton,PA)から入手可能なp−アクリロキシ−ベンゾフェノン、p−N−(メタクリロイル−4−オキサペンタメチレン)−カルバモイルオキシベンゾフェノン、N−(ベンゾイル−p−フェニレン)−N’−(メタクリロキシメチレン)−カルボジイミド、及びp−アクリロキシ−ベンゾフェノンを含む、米国特許第5,073,611号(Rehmerら)で記述されているモノマー);オレフィン型不飽和結合を本質的に含まず、上述の第2のモノマー中でカルボン酸基との反応能力のある、非イオン性架橋剤(例えば、1,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ベンゼン;4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン;1,8−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)オクタン、1,4−トリレンジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、N,N’−ビス−1,2−プロピレンイソフタルアミド、ジエポキシド、ジ酸無水物、ビス(アミド)、及びビス(イミド));及びオレフィン型不飽和結合を本質的に含まず、第1及び第2のモノマーと非共重合性であり、かつ励起状態で水素を引き抜く能力のある、非イオン性架橋剤(例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ジメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)6−(3,4,5−トリメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2,4−ジメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;米国特許第4,330,590号(Vesley)で記述されているような2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−メトキシ)フェニル)−s−トリアジン;米国特許第4,329,384号(Vesley)で記述されているような2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ナフタレニル−s−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ)ナフタレニル−s−トリアジン)が挙げられる。
【0051】
典型的には、第1のモノマーは、100部のコポリマーの全重量基準で80〜100重量部(pbw)の量であり、第2のモノマーは、100部のコポリマーの全重量基準で0〜20pbwの量である。モノマーの一体化した重量基準で0.005〜2重量%、例えば約0.01〜約0.5重量%又は約0.05〜0.15重量%の量で架橋剤を使用することができる。
【0052】
本開示の実施に有用なアクリル系PSAを、例えば、無溶剤、バルク、フリーラジカル重合法(例えば、加熱、電子線照射、又はUV照射を用いる)により作製することができる。このような重合は、典型的には重合開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)により促進される。代表的な好適な光開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルのようなベンゾインエーテル、アニソインメチルエーテルのような置換ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン、及び2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換アルファ−ケトールが挙げられる。市販の光開始剤の例としては、Ciba−Geigy Corp.(Hawthorne,NY)から入手可能なIRGACURE 651及びDAROCUR 1173、並びにBASF(Parsippany,NJ)から入手可能なLUCERIN TPOが挙げられる。好適な熱開始剤の例としては、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、並びに2,2−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、及びt−ブチルペルベンゾエートなどの過酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。市販の熱開始剤の例としては、ACROS Organics(Pittsburgh,PA)から入手可能なVAZO 64、及びElf Atochem North America(Philadelphia,PA)から入手可能なLUCIDOL 70が挙げられる。重合開始剤がモノマーの重合の促進に有効な量(例えば、全モノマー含量100部基準で0.1重量部〜約5.0重量部又は0.2重量部〜約1.0重量部)で使用される。
【0053】
光架橋剤を使用する場合には、被覆された接着剤を約250nm〜約400nmの波長を有するUV照射に暴露することができる。接着剤の架橋に必要とされる波長のこの範囲の放射エネルギーは、約100mJ/cm
2〜約1,500mJ/cm
2、又は特に、約200mJ/cm
2〜約800mJ/cm
2である。
【0054】
有用な無溶剤の重合方法が米国特許第4,379,201号(Heilmannら)で記述されている。初期には、不活性な環境で混合物をUV照射に被覆可能なベースシロップの形成に充分な時間暴露し、引き続き架橋剤及び光開始剤の残りを添加することにより、第1及び第2のモノマーの混合物を、光開始剤の一部と重合させることができる。次いで、架橋剤を含有するこの最終のシロップ(例えば、No.4LTVスピンドルにより1分当たり60回転で測定して、約100cPs〜約6000cPsのブルックフィールド粘度を23℃で有することもある)を、耐候性シート上に被覆することができる。シロップを耐候性シート上に被覆したならば、更なる重合及び架橋を不活性な環境(例えば、酸素を除いた、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、及びアルゴン)で行うことができる。光活性なシロップの層をUV照射又は電子線に透明なシリコーン処理したPETフィルムなどのポリマーフィルムで被覆し、フィルムを空気中で照射することにより、充分に不活性な雰囲気を得ることができる。
【0055】
一部の実施形態では、本開示の実施に有用なPSAは、ポリイソブチレンを含む。ポリイソブチレンは、主鎖又は側鎖にポリイソブチレン骨格を有し得る。有用なポリイソブチレンは、例えば、ルイス酸触媒(例えば、塩化アルニミウム又は三フッ化ホウ素)の存在下にて、イソブチレン単独を、又はn−ブテン、イソプレン又はブタジエンと組み合わせて重合することにより、調製することができる。
【0056】
有用なポリイソブチレン材料は、複数の製造業者より市販されている。ホモポリマーは、例えば、商品名「OPPANOL」及び「GLISSOPAL」(例えば、OPPANOL B15、B30、B50、B100、B150、及びB200並びにGLISSOPAL 1000、1300、及び2300)でBASF Corp.(Florham Park,NJ)から;商品名「SDG」、「JHY」、及び「EFROLEN」でUnited Chemical Products(UCP)(St.Petersburg,Russia)から市販されている。ポリイソブチレンコポリマーは、イソブチレンを少量(例えば、最大30、25、20、15、10、又は5重量%)の例えば、スチレン、イソプレン、ブテン、又はブタジエンなどの他のモノマーの存在において重合することにより調製可能である。代表的な好適なイソブチレン/イソプレンコポリマーは、商品名「EXXON BUTYL」(例えば、EXXON BUTYL 065、068、及び268)でExxon Mobil Corp.(Irving,TX)から;商品名「BK−1675N」でUCPから;及び商品名「LANXESS」(例えば、LANXESS BUTYL 301、LANXESS BUTYL 101−3、及びLANXESS BUTYL 402)でSarnia(Ontario,Canada)から市販されている。代表的な好適なイソブチレン/スチレンブロックコポリマーは、商品名「SIBSTAR」でKaneka(Osaka、Japan)から市販されている。他の代表的な好適なポリイソブチレン樹脂は、例えば、商品名「VISTANEX」でExxon Chemical Co.から、商品名「HYCAR」でGoodrich Corp.(Charlotte,NC)から、商品名「JSR BUTYL」でJapan Butyl Co.,Ltd.(Kanto,Japan)から市販されている。
【0057】
本開示を実践するのに有用なポリイソブチレンは、広範囲の分子量及び広範囲の粘度を有し得る。多くの異なる分子量及び粘度のポリイソブチレンが市販されている。
【0058】
ポリイソブチレンを含むPSAの一部の実施形態では、PSAは、水素添加炭化水素粘着付与剤(一部の実施形態では、ポリ(環状オレフィン))を更に含む。これらの実施形態の一部では、PSA組成物の全重量に基づいて、約5〜90重量%の水素添加炭化水素粘着付与剤(一部の実施形態では、ポリ(環式オレフィン))を約10〜95重量%のポリイソブチレンと配合する。有用なポリイソブチレンPSAは、国際特許出願第2007/087281(Fujitaら)に開示されるものなどの、水素添加ポリ(環式オレフィン)、及びポリイソブチレン樹脂を含む、接着剤組成物を含む。
【0059】
「水素添加」炭化水素の粘着付与剤成分は、部分水素添加樹脂(例えば、任意の水素添加比率を有する)、完全水素添加樹脂、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一部の実施形態では、水素添加炭化水素粘着付与剤は完全に水素添加されており、これは、PSAの水分透過性を低下させ、ポリイソブチレン樹脂との適合性を高め得る。水素添加炭化水素粘着付与剤は、多くの場合、水素添加脂環式樹脂、水素添加芳香族樹脂、又はこれらの組み合わせである。例えば、いくつかの粘着付与樹脂は、石油ナフサの熱分解で生成されるC9留分のコポリマー化により得られる水素添加C9系石油樹脂、石油ナフサの熱分解で生成されるC5留分のコポリマー化により得られる水素添加C5系石油樹脂、又は、石油ナフサの熱分解で生成されるC5留分及びC9留分の組み合わせの重合により得られる水素添加C5/C9系石油樹脂である。C9留分として、例えば、インデン、ビニル−トルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。C5留分として、例えば、ペンタン、イソプレン、ピペリン、1,3−ペンタジエン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態では、水素添加炭化水素粘着付与剤は、水素添加ポリ(環状オレフィン)ポリマーである。一部の実施形態では、水素添加ポリ(環状オレフィン)は、水素添加ポリ(ジシクロペンタジエン)であり、これは、PSAに利点(例えば、低水分透過性及び透明性)をもたらし得る。粘着付与樹脂は、典型的には非晶質であり、5000g/mol以下の重量平均分子量を有する。
【0060】
一部の好適な水素化炭化水素粘着付与剤は、商品名「ARKON」(例えば、ARKON P又はARKON M)でArakawa Chemical Industries Co.,Ltd.(Osaka,Japan)から;商品名「ESCOREZ」でExxon Chemicalから;商品名「REGALREZ」(例えば、REGALREZ 1085、1094、1126、1139、3102、及び6108)でEastman(Kingsport,TN)から;商品名「WINGTACK」(例えば、WINGTACK 95及びRWT−7850)樹脂でCray Valley(Exton,PA)から;商品名「PICCOTAC」(例えば、PICCOTAC 6095−E、8090−E、8095、8595、9095、及び9105)でEastmanから;商品名「CLEARON」、グレードP、M及びKでYasuhara Chemical(Hiroshima,Japan)から;商品名「FORAL AX」及び「FORAL 105」でHercules Inc.(Wilmington,DE)から;商品名「PENCEL A」、「ESTERGUM H」、「SUPER ESTER A」、及び「PINECRYSTAL」でArakawa Chemical Industries Co.,Ltd.(Osaka,Japan)から;Arakawa Chemical Industries Co.,Ltd.);商品名「EASTOTAC H」でEastmanから;及び商品名「IMARV」でIdemitsu Petrochemical Co.,(Tokyo,Japan)から市販されている。
【0061】
所望によって、本開示の実施に有用なPSAは(上述のPSAの実施形態のいずれかを含み)、UV吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤、又は酸化防止剤の少なくとも1つを含む。有用なUVAの例としては、多層フィルム基材と共に上記に記載したものが挙げられる(例えば、Ciba Specialty Chemicals Corporationから商品名「TINUVIN 328」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 783」、「TINUVIN 770」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 928」及び「TINUVIN 1577」で入手可能なもの)。UVAは、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜3重量%の量で存在することができる。有用な酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール系化合物及びリン酸エステル系化合物並びに多層フィルム基材と一緒に上述されているもの(例えば、Ciba Specialty Chemicals Corporationから商品名「IRGANOX 1010」、「IRGANOX 1076」、及び「IRGAFOS 126」で入手可能なもの、並びにブチル化ヒドロキシトルエン(BHT))が挙げられる。酸化防止剤は、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜2重量%の量で存在することができる。有用な安定剤の例としては、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤(例えば、多層フィルム基材と共に上述したもの、並びに、BASFから「CHIMASSORB 2020」などの商品名「CHIMASSORB」で入手可能なものを含む)、イミダゾール系安定剤、ジチオカルバメート系安定剤、リン系安定剤及びイオウエステル系安定剤が挙げられる。このような化合物は、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜3重量%の量で存在することができる。
【0062】
一部の実施形態では、本明細書に開示されているPSA層は、少なくとも0.005(一部の実施形態では、少なくとも0.01、0.02、0.03、0.04、又は0.05mm)の厚さである。一部の実施形態では、PSA層は、最大で約0.2mm(一部の実施形態では、最大0.15、0.1、又は0.075mm)の厚さを有する。例えば、PSA層の厚さは、0.005mm〜0.2mm、0.005mm〜0.1mm、又は0.01〜0.1mmの範囲であり得る。
【0063】
PSA層を耐候性シートに塗布したならば、本明細書に開示されているバリアフィルムに塗布する前に、剥離ライナーにより暴露された主表面を一時的に保護してもよい。有用な剥離ライナーの例としては、例えば、シリコーンでコーティングされたクラフト紙;ポリプロピレンフィルム;E.I.du Pont de Nemours and Co.から商品名「TEFLON」で入手可能なものなどのフルオロポリマーフィルム;並びに、例えば、シリコーン又はフルオロカーボンでコーティングされたポリエステル及び他のポリマーフィルムが挙げられる。
【0064】
様々な安定剤がPSA層に添加されて、UVに対する抵抗性を高め得る。このような安定剤の例としては、UV吸収剤(UVA)(例えば、赤色シフトUV吸収剤)、ヒンダードアミン光吸収剤(HALS)又は酸化防止剤が挙げられる。
【0065】
理論により束縛されるのを望むのでないが、本開示によるバリアアセンブリ中のPSA層は、バリアアセンブリを高いCTE耐候性シート(例えば、フルオロポリマー)により引き起こされ得る熱応力から保護する働きをしていると考えられる。更に、第1の耐候性シートと、第2耐候性シートとの間のCTE不整合が比較的小さい(例えば、40ppm/K未満)実施形態においても、PSA層は、耐候性シートを第1ポリマーフィルム基材(例えば、最大50ppm/KのCTEを有する)上に堆積されたバリアフィルムに取り付けるための好都合な手段としての働きをしている。PSA層がUVA、HALS、又は酸化防止剤の少なくとも1つを含む場合には、PSA層は、バリアフィルムのUVによる劣化からの保護を更に提供することができる。
【0066】
他の任意の特徴
場合により、本開示によるアセンブリは、乾燥剤を含有することができる。一部の実施形態では、本開示によるアセンブリは、乾燥剤を本質的に含まない。「乾燥剤を本質的に含まない」は、乾燥剤が存在し得るものの、光起電モジュールを効果的に乾燥させるには不十分な量であり得ることを意味する。乾燥剤を本質的に含まないアセンブリとしては、乾燥剤がアセンブリに全く組み込まれていないものが挙げられる。
【0067】
物理的又は化学的特性を変える又は改善するために、様々な機能層又はコーティングを場合によりアセンブリに加えることができる。代表的な有用層又はコーティングとしては、可視光及び赤外線透過性導電性層又は電極(例えば、酸化インジウムスズの);静電気防止コーティング又はフィルム;難燃剤;磨耗耐性又はハードコート材料;光学コーティング;防曇材料;反射防止コーティング;汚れ防止コーティング;偏光コーティング;防汚材料;プリズムフィルム;追加の粘着剤(例えば、感圧性接着剤又はホットメルト接着剤);隣接した層に対する接着を促進する下塗剤;追加のUV保護層;並びにバリアアセンブリが接着剤ロール形態で使用される際の使用のための低接着後面サイズ材料が挙げられる。これらの要素を、例えば、バリアフィルムの中に組み込むことができ、あるいは、高分子フィルム基材の表面に適用することができる。
【0068】
本明細書に開示されるアセンブリに組み込むことができる他の任意の特徴としては、画像及びスペーサ構造が挙げられる。例えば、本明細書に開示されるアセンブリは、製品識別、配向又は配置情報、宣伝若しくはブランド情報、装飾、又は他の情報の表示に使用されるもののような、インク、又は他の印刷された指標で処理されてもよい。インク又は印刷された指標は、当該技術分野で既知の技術(例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スティップル印刷及びレーザー印刷)を使用して、提供することができる。例えば接着剤中にスペーサ構造を含んで、特定の結合ラインの厚さを維持してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、不透明層は、多層フィルム内に含まれてもよい。特定の実施形態において、不透明層が、電気装置と反対側のバリア積層物に隣接する多層フィルム内に配置され得る。不透明層は、可視光線(380〜750nm)の透過率を低減させる、特に380〜450nmの透過率を低減させよって、これがバリア積層物に届かないようにする、いずれかの層であり得る。一般的に、層は、層の追加が、多層フィルムにおいて、380〜450nmのいずれかの波長において、最大20%の透過率を形成する際に不透明である。いくつかの実施形態において、不透明層は、380〜450nmのいずれかの波長において、2%の最大透過率を形成する。特定の実施形態において、不透明層は、380〜450nmのいずれかの波長における、0.2%透過率の最大透過率を生じる。例としては、インク層、例えば、油性マーカーのインクを含む。
【0070】
本開示によるアセンブリは、様々な既知の技術を使用して便利に組み立てられ得る。例えば、感圧接着剤層は、剥離ライナー上又は2つの剥離ライナーの間の転写PSAであってもよい。転写接着剤は、剥離ライナーを除去した後に耐候性シート上に堆積されたバリアフィルムに耐候性シートを積層するために使用され得る。別の例では、PSAは、第1及び第2耐候性シートを一緒に積層する前に、耐候性シート及び/又は第1ポリマーフィルム基材上に堆積されたバリアフィルム上にコーティングされ得る。更なる例では、無溶剤の接着剤配合物は、例えば、耐候性シートと、第1ポリマーフィルム基材上に堆積されるバリアフィルムとの間にコーティング可能である。引き続いて、配合物を熱又は照射により上述のように硬化させて、本開示によるアセンブリを得ることができる。
【0071】
以下の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これら実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【0072】
本出願は、電気装置、及び多層フィルムを含むアセンブリを対象とする。多層フィルムは、電気装置に隣接するバリア積層物と、電気装置と反対側のバリア積層物に隣接する耐候性シートとを含む。耐候性シートは、電気装置に結合される。
【0073】
本出願は、開示される要素のいずれかの組み合わせを可能にする。
【実施例】
【0074】
想定される電気装置、縁部封止、多層フィルム、及び縁部封止材と接触する耐候性シートを備える、本発明のアセンブリの例は、以下の方法で構成される。低い水蒸気透過率(WVTR)バックシートを想定するため、3M Company,St.Paul,MNから入手可能な「UBF 9L」超バリアフィルム積層体のシート(17cm(6.5in)幅×24cm(9.5in)長)が、耐候性表面を下にして配置された。Adco,Lincolnshire,ILから、商標名「HELIOSEAL PVS 101」で市販される、縁部封止材料(1.0mm厚さ)の12mm(0.5in)幅ストリップが、「UBF9L」バリアフィルム積層体の耐候性表面反対側の「UBF 9L」上に配置されて、周辺部全体を被覆した。Jura−Plast,Reichenschwand,Germanyから商品名「JURASOL TL」(0.4mm厚さ)で市販されるカプセル化材料は、14cm(5.5in)×22cm(8.5in)シートに切り取られ、耐候性表面と反対の「UBF 9L」バリアフィルム積層体の上部の縁部封止材料の内側に配置される。McMaster−Carr Princeton,NJから市販される、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングされた140μm(5.6mil)アルミニウムホイルは、13cm(5.0in)×20cm(8.0in)シートに切り取られ、PETFEコーティングされた面を上にして、「JURASOL TL」カプセル化材の上に配置された。この材料は、可撓性電気装置を想定するためにアセンブリ内に配置された。いくつかの同じカプセル化材料の別のシートは、14cm(5.5in)×22(8.5in)シートに切り取られ、PTFEコーティングされたアルミニウムホイルの上に配置された。「JURASOL TL」シート、及びPTFEコーティングされたアルミニウムホイル材料は全て、縁部封止材料の内側にあった。
【0075】
3M Company St.Paul,MNから入手可能な、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材及びバリア積層物を含む、「UBF 5S」バリアフィルム積層体の36cm(14in)幅ロール(バリア積層物は、アクリルポリマー層及びバリア積層物を含む)は、アセンブリの上面上に多層フィルムを調製するために使用された。「UBF 5S」バリアフィルム積層体は、3M Company,St.Paul,MNから、商標名「Optically Clear Adhesive 8172PCL」で、市販される、アクリル感圧接着剤の34cm(13.5in)幅ロールへと、室温で積層された。シート部15cm(6.0in)×23cm(9.0in)幅は、その後、生じたロールの中央から切り取られた。接着剤剥離ライナーはその後取り除かれ、St.Gobain,Courbevoie,Franceから市販される、51cm(2mil)厚さのエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムの、34cm(13.5in)スリットロールのC処理(C-treat)側面に積層される。生じた多層フィルムは、ETFEフィルムが17cm(6.5in)×24cm(9.5in)となり、中央に、「UBF 5S」バリアフィルム積層体及び接着剤を残すようにして最終的に切断された。
【0076】
「UBF 5S」バリアフィルム積層体を含む側面が「JURASOL TL」カプセル化材料の上に配置され、ETFEのC処理側面は、縁部封止材料と接触した。アセンブリ全体が、Spire 350 Vacuum Laminator(Spire Corporation Bedford,MAから市販される)に配置され、150℃で12分間硬化された。
【0077】
生じたアセンブリは視覚的に無傷であり、縁部封止材料、及び耐候性シートと接触する耐候性シートを備える縁部封止バリアフィルムを含む電気装置を想定することを意図された。
【0078】
その後、耐候性シートの縁部封止材料に対する接着を測定するために、T−剥離試験が使用された。アセンブリの作製に使用される同じETFEフィルムが、(12mm(0.47in)×15cm(6in))矩形区分へと切り抜かれた。これらの区分はその後、縁部封止材料の両側に配置された。2つのT剥離は、異なる縁部封止材料:Adco,Lincolnshire,ILからの「HELIOSEAL PVS 101」(12mm(0.47in)×13cm(5in)×1mm厚さの縁部封止のストリップ)、及びTruSeal,Solon,Ohioから市販される「SOLARGAIN LP02」縁部テープ(12.7mm(0.5in)×13cm(5in)×1mm厚さの縁部封止のストリップ)で行われた。ETFEストリップは、C処理側面が縁部封止材料に面するように向けられた。剥離ストリップ構成は、150℃で12分間、10
5Pa(1atm)の圧力で積層された。生じる積層体はその後、AST D18776−08に従って、T−剥離試験において試験された。ASTM D1876−08「Standard Test Method for Peel Resistance of Adhesives(T−剥離試験)」に従って、ETFEフィルムの2つの未接合端部を引張試験機に設置した。グリップ距離12.7mm及び剥離速度254mm/分(10in/分)を用いた。T−剥離試験を特記しない限りASTM D1876−08に従って行った。12mm幅の縁部封止結合材料の5つのサンプルについて、平均剥離力が測定され、平均化されて、以下の結果をもたらした。
「HELIOSEAL PVS 101」は1.0N/mm(5.5lb/in)であった。
「SOLARGAIN LP02」は0.31N/mm(1.8lbs/in)であった。
【0079】
本明細書において引用した特許及び刊行物は全て、それらの全容を本明細書に援用するものである。当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な改変及び変更を行うことが可能であり、また、本開示は上記に記載した例示的な実施形態に不要に限定されるべきではない点は理解されるべきである。
本明細書に記載の実施態様の一部を[1]−[30]に記載する。
[1]
アセンブリであって、
電気装置と、
多層フィルムであって、前記多層フィルムは、
前記電気装置に隣接するバリア積層物、及び
前記電気装置の反対側の、前記バリア積層物に隣接する耐候性シートを含む、多層フィルムとを含み、
前記耐候性シートは、前記電気装置に結合される、アセンブリ。
[2]
前記バリア積層物は、ポリマー層、及び無機バリア層を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[3]
前記無機バリア層が、酸化物層である、項目2に記載のアセンブリ。
[4]
前記多層フィルムは、透明及び可撓性である、項目1に記載のアセンブリ。
[5]
前記多層フィルムは、前記電気装置と前記バリア積層物との間に基材を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[6]
前記電気装置は、カプセル化材料層を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[7]
前記電気装置は、縁部封止材料を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[8]
前記電気装置は、バックシートを含む、項目1に記載のアセンブリ。
[9]
前記電気装置は、屋根部を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[10]
前記耐候性シートは、感圧接着剤により前記電気装置に結合される、項目1に記載のアセンブリ。
[11]
前記耐候性シートが、前記縁部封止材料に結合される、項目7に記載のアセンブリ。
[12]
前記耐候性シートが、前記バックシートに結合される、項目8に記載のアセンブリ。
[13]
前記耐候性シートが、前記屋根部に結合される、項目9に記載のアセンブリ。
[14]
前記縁部封止材料が、ブチルゴムを含む、項目7に記載のアセンブリ。
[15]
前記縁部封止材料が、乾燥ポリマーを含む、項目7に記載のアセンブリ。
[16]
前記基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、又はポリイミドのうちの少なくとも1つを含む、項目5に記載のアセンブリ。
[17]
前記耐候性シートが、フルオロポリマーを含む、項目1に記載のアセンブリ。
[18]
前記フルオロポリマーが、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデンコポリマー、又はポリフッ化ビニリデンの少なくとも1つを含む、項目17に記載のアセンブリ。
[19]
前記耐候性シートと前記バリア積層物との間に、感圧接着剤層を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[20]
前記感圧接着剤は、アクリレート、シリコーン、ポリイソブチレン、尿素、又はこれらの混合物である、項目19に記載のアセンブリ。
[21]
前記感圧接着剤は、UV安定剤、ヒンダードアミン光安定剤、抗酸化剤、又は熱安定剤の少なくとも1つを含む、項目19に記載のアセンブリ。
[22]
前記バリア積層物の酸化物層は、前記バリア積層物のポリマー層とシロキサン結合を共有する、項目1に記載のアセンブリ。
[23]
前記電気装置は、光電池である、項目1に記載のアセンブリ。
[24]
前記光電池が、CIGS電池である、項目20に記載のアセンブリ。
[25]
前記基材は、熱安定性である、項目5に記載のアセンブリ。
[26]
前記バリア積層物は、50℃及び100%相対湿度において、0.005cc/m2/日未満の水蒸気透過率を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[27]
前記バリア積層物は、23℃及び90%相対湿度において、0.005cc/m2/日未満の酸素透過率を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[28]
前記バリア積層物は、少なくとも2つの酸化物層を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[29]
前記バリア積層物は、少なくとも2つのポリマー層を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[30]
前記耐候性シートが、前記カプセル化材料に結合される、項目6に記載のアセンブリ。