(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各画像ユニットにおいて、全ての前記左視野の画素電極が第一櫛歯状の構造に構成され、全ての前記右視野の画素電極が第二櫛歯状の構造に構成され、前記第一櫛歯状の構造と前記第二櫛歯状の構造とが互いに交差するように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
前記制御回路が薄膜トランジスタ回路であり、前記第一サブ制御回路のゲート電極及び前記第二サブ制御回路のゲート電極が同一のゲート配線と接続し、前記第一サブ制御回路のソース電極及び第二サブ制御回路のソース電極がそれぞれ一つの画素ユニットの両端のデータ配線と接続し、前記第一サブ制御回路のドレイン電極が前記左視野の画素電極と接続し、前記第二サブ制御回路のドレイン電極が前記右視野の画素電極と接続することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
前記各画像ユニットにおいて、全ての前記左視野が画素電極は第一櫛歯状の構造に構成され、全ての前記右視野の画素電極が第二櫛歯状の構造に構成され、前記第一櫛歯状の構造と前記第二櫛歯状の構造とが互いに交差するように設置されることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
前記制御回路がTFT回路であり、前記第一サブ制御回路のゲート電極及び前記第二サブ制御回路のゲート電極が同一のゲート配線と接続し、前記第一サブ制御回路のソース電極及び第二サブ制御回路のソース電極がそれぞれ一つの画素ユニットの両端のデータ配線と接続し、前記第一サブ制御回路のドレイン電極が前記左視野の画素電極と接続し、前記第二サブ制御回路のドレイン電極が前記右視野の画素電極と接続することを特徴とする、請求項7から9のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る実施例の目的、技術手段及び効果をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例を表す図面を参照しながら、本発明の実施例を明瞭且つ完全に説明する。なお、ここで記載された実施例は、ただ本発明の一部の実施例だけであり、本発明の全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の実施例は全て本発明の技術範囲に含まれる。
【0021】
特別に定義がない場合、ここで使う技術用語または科学用語は、本発明の属する技術分野における一般的な知識を有する者が理解する通常の意味である。本願出願の明細書及び請求の範囲に使われる「第一」や「第二」や、それらに類似した言葉のいずれかは、順序、数量及び重要性を意味するのではなく、異なる部分を区分するためだけである。同じく、「一つ」や、「一」や、それらに類似した言葉も数量を制限するのではなく、少なくとも一つが存在することのみを意味する。また、「備える」または「含む」や、それらに類似した言葉は、その前に現れた素子や部品が「備える」または「含む」の後に挙げられた素子や部品及びそれらと同等な物をカバーするが、他の素子や部品を排除するものではない。また、「接続」や「繋がる」や、それらに類似した言葉は、物理的な接続や機械的な接続に限ることではなく、直接や間接の接続にかかわらず、電気的接続も含む。さらに、「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を表すだけに用いられ、対象物の絶対的な位置が変更されると、それに応じて相対的な位置関係が変わる可能性もある。
【0022】
図3に示すように、本発明の実施例が提供した3D液晶表示装置は、回折格子層31、TFTアレイ基板32及びカラーフィルタ基板33を備える。TFTアレイ基板32とカラーフィルタ基板33は互いに対向するように設置され、液晶セル(cell)を形成する。この液晶セルには液晶材料が注入されている。TFTアレイ基板32は本発明に係るアレイ基板の例である。そして、カラーフィルタ基板33は本発明においてアレイ基板と対向する対向基板の例である。例えば、アレイ基板の上にカラーフィルタが備えられている場合、対向基板にはカラーフィルタがなくてもよい。即ち、対向基板がカラーフィルタ基板でなくてもよい。
【0023】
回折格子層31は視差バリアまたはレンチキュラーレンズを含む。カラーフィルタ基板33は透明基板331とカラーフィルタ332とを備える。カラーフィルタ332は例えば、赤、緑、青のサブ画素ユニットを備える。これらのサブ画素同士はブラックマトリックスによって互いに離間される。TFTアレイ基板32とカラーフィルタ基板33との間に液晶が充填される。
図4に示すように、TFTアレイ基板32は縦横方向に交差するゲート配線41とデータ配線42とによって区画された複数の画素ユニット43を備える。各画像ユニット43は画素電極431とTFT回路432とを有する。そして、TFT回路は本発明における画素制御回路の例である。
【0024】
各画像ユニット43の画素電極431は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極4311と、少なくとも二つの右視野の画素電極4312とを備える。
【0025】
各画素ユニット43のTFT回路432は、左視野の画素電極4311と接続する第一サブTFT回路4321と、右視野の画素電極4312と接続する第二サブTFT回路4322とを備える。即ち、全ての左視野の画素電極4311は第一サブTFT回路4321と接続し、全ての右視野の画素電極4312は第二サブTFT回路4322と接続する。そして、各左視野の画素電極4311は、回路の導通を実現できるいずれかの構成(例えばビアホール)を介して第一サブTFT回路に接続し、各右視野の画素電極4312は回路の導通を実現できるいずれかの構成(例えばビアホール)を介して第二サブTFT回路に接続する。
【0026】
本発明の実施例が提供した3D液晶表示装置は、従来技術における1つの画像ユニット内のある特定の視野を表示するためのサブ画素電極を、互いに離間された複数の左視野の画素電極及び右視野の画素電極になるようにすることで、視野ごとにおける画素電極の幅を大幅に減少する。視野ごとにおける画素電極の幅を減少することで、回折格子層の厚さを低下することができる。従って、回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアの厚さを減少することで、視差バリアを表示装置のセル内に直接製作することができ、セル化された表示装置に余計に一層の視差バリアを製作する必要がなくなる。また、回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズの厚さを減少することで、柱状レンズのアーチの高さを低減することができる。その場合、従来の製作工程を採用するだけで製品の生産要求を満たすことができるので、新しい工程を追加することや、新しい生産設備を採用することが回避され、生産コストが低減される。
【0027】
なお、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極4311及び少なくとも二つの右視野の画素電極4312は全て細長いストリップ状の電極であってもよい。これらの互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極4311と少なくとも二つの右視野の画素電極4312とはゲート配線41と平行してもよいし、データ配線42と平行してもよい。
【0028】
例として、本発明の実施例が提供する3D液晶表示装置は、互いに離間された左視野の画素電極4311と少なくとも二つの右視野の画素電極4312とがデータ配線42と平行することを説明する。
【0029】
本発明の実施例において、透明基板は、液晶表示装置をパッケージするための透明材料からなる基板であってもよい。例えば、透明基板はガラス基板や透明樹脂基板であってもよい。
【0030】
さらに、
図4に示すように、本発明の実施例が提供する3D液晶表示装置は、各画像ユニット43において、全ての左視野の画素電極4311が第一櫛歯状の構造に構成され、全ての右視野の画素電極4312が第二櫛歯状の構造に構成され、第一櫛歯状の構造と第二櫛歯状の構造とが互いに交差するように設置される。即ち、全ての左視野の画素電極4311及び全ての右視野の画素電極4312は全体として互いに離間された櫛歯状に構成されてもよい。
【0031】
また、左視野の画素電極4311と右視野の画素電極4312とは幅が同じであることが好ましい。本実施例には、両方の幅は全てaであり、aは1−20μmであってもよい。なお、左視野の画素電極4311と右視野の画素電極4312とは幅が同じでなくてもよい。
【0032】
また、各画像ユニット43において、左視野の画素電極4311と右視野の画素電極4312とは数が同じであることが好ましい。この場合、よりよい表示効果が得られる。
図4aに示す実施例において、各画像ユニット43には、右視野の画素ユニット4311と右視野の画素ユニット4312とは数がそれぞれ8個である。
【0033】
本発明の実施例において、従来における隣り合う画素ユニットにおけるブロック状の視野ごとのサブ画素電極を、同一の画素ユニット中の互いに挿入された櫛歯状の左視野の画素電極と右視野の画素電極とに変更する。そして、この二つの視野における画素が異なる色を表示する時、二つの視野における画素電極の間に存在する微小な電場が液晶に及ぼす影響を無視すると、本発明の実施例が提供する二重視野液晶表示装置と従来の液晶表示装置との画素表示効果の比較が
図5に示すようになる。従来技術と比べ、本発明の実施例が提供する液晶表示装置は視野ごとにおける画素電極の幅を大幅に減少したことが明らかにわかる。このような画素構造における視野ごとの画素電極は従来技術のサブ画素電極と比べ、幅がはるかに小さいので、このような画素構成を「微画素構造」と命名すればよい。
【0034】
さらに、
図4に示すように、第一サブTFT回路4321のゲート電極441及び第二サブTFT回路4322のゲート電極451が同一のゲート配線41と接続してもよい。また、第一サブTFT回路4321のソース電極442及び第二サブTFT回路4322のソース電極452がそれぞれ1つの画素ユニットの両端のデータ配線421、422と接続してもよい。第一サブTFT回路4321のドレイン電極433が左視野の画素電極4311と接続し、第二サブTFT回路4322のドレイン電極453が右視野の画素電極4312と接続してもよい。
【0035】
その場合、同一の視野における画素電極は、同一のデータ配線、ゲート配線及び同一のTFTを共用することで、画素の開口率を限定的に低下することができ、さらに液晶表示装置の開口率が大幅に低減する問題を避けた。
【0036】
さらに、回折格子層31が視差バリアである場合、視差バリアは透明基板331とTFTアレイ基板32との間であって、カラーフィルタ332の上方または下方に位置し、カラーフィルタ332までの距離が1−100μmであってもよい。例えば、視差バリアは透明基板331とTFTアレイ基板32との間に位置してもよいが、TFTアレイ基板32の透明基板321とTFTアレイ層332との間に位置してもよい。
【0037】
回折格子層31がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズが透明基板331の上方に位置してもよい。
【0038】
回折格子層31が視差バリアであり、且つ視差バリアがカラーフィルタ332の上方に位置する場合、
図3に示すように、視差バリアとカラーフィルタ332との間に厚さが1−100μmである透明層34を設けてもよい。
【0039】
透明層34はいずれか一種の透光材料で形成された透明薄膜であってもよい。例えば、プラスチック薄膜やシリコーンゴム薄膜で形成された透明層を採用することができる。透明層34は主に回折格子層31とカラーフィルタ33との間に一定の高さを保持するために設けられる。透明層34の厚さは視差バリアと表示ユニットの発光点との間の距離Hである。
【0040】
回折格子層31が視差バリアであり、且つ視差バリアがカラーフィルタ332の下方に位置する場合が、
図6に示される。
【0041】
視差バリアはTFTアレイ基板32の上面に直接位置してもよい。
【0042】
TFTアレイ基板の上面の発光点から視差バリアまでの距離は、一般的にカラーフィルタの厚さ、アレイの厚さ及び液晶配向膜の厚さを含む。そして、これらの厚さの合計は一般的に4−7μmである。その場合、スペーサとして透明層がない場合、バリアからカラーフィルタ発光点までの距離Hを1−100μmにすることができ、プロセスを簡略し、コストを低減する。
【0043】
本発明の実施例において、1つの画素の幅Pを2μmとし、人の瞳の距離Tを60mmとし、観察距離を変わらずにL=300mmとする。数式1から、視差バリアから表示ユニット発光点までの距離Hが10μmであることが計算できる。この距離は、表示装置のセル内での製作を介して得ることは明らかである。
【0044】
回折格子層31がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズとして、液晶レンズや、柱状レンズがある。
【0045】
さらに、
図7に示すように、回折格子層31が液晶レンズである場合、液晶レンズ70は上部電極71及び下部電極72を備え、上部電極71と下部電極72との間に液晶が充填されて液晶層73を形成している。即ち、液晶のセルギャップgは柱状レンズのアーチの高さに相当する。このような構成を採用する場合、電極における電圧分布を制御することで、異なる位置の液晶分子の回転を制御することができ、柱状レンズの作用が得られる。そして、上部電極71及び下部電極72が通電されていない時、液晶分子の回転が発生しないので、表示装置は2D状態の表示を行う。また、上部電極71及び下部電極72が通電されている時、液晶分子の回転が発生するので、表示装置は3D状態の表示を行う。
【0046】
回折格子層31が柱状レンズである場合、
図8に示すように、柱状レンズ80は、先に透明基板331に一層の透明であるフォトレジストを堆積し、そして、グレースケール露光マスクで露光と現像を行い、異なる露光量を利用することで得られる。レンズのアーチの高さがgである。
【0047】
本発明の実施例において、一つの画素の幅Pを10μmとし、n2は通常の樹脂の屈折率であり、約1.5とし、n1は空気の屈折率の1であり、Hは通常の透明基板の厚さであり、約0.5mmとし、レンズの半径rはr=f(n2−1)である。数式2からレンズのアーチの高さが約5μmであることが計算される。これから分かるように、上記の構成で表示装置の厚さの低減が可能である。
【0048】
さらに、
図9に示すように、回折格子層31の中心線は表示装置の表示領域40の中心線と直線mにて重なってもよい。
【0049】
回折格子層31が視差バリアである場合、視差バリアの中心部位のスリット中心線は、ディスプレイスクリーンの中心部位における左視野の画素電極と右視野の画素電極との間のスリットと重なる。また、視差バリアのスリット数は、左視野の画素電極数と右視野の画素電極数との和の半分である。
【0050】
図10aに示すように、本発明の実施例が提供する三次元有機発光ダイオード(3D−OLED)表示装置は、回折格子層101、TFTアレイ基板102及びパッケージ層103を備える。
【0051】
回折格子層101は視差バリアまたはレンチキュラーレンズを含んでもよい。TFTアレイ基板102はアレイ基板の例である。
図10bに示すように、TFTアレイ基板102は、縦横方向に交差するゲート配線104とデータ配線105とによって区画された複数の画素ユニット106を備える。各画素ユニット106はEL層107と制御回路108とを備える。
【0052】
図10aに示すように、EL層107は金属カソード電極109、画素電極100、金属カソード電極109と画素電極100との間に位置する有機発光材料110を備える。
【0053】
各画素ユニット106の画素電極100は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極1001と、少なくとも二つの右視野の画素電極1002とを備える。
【0054】
各画素電極106の制御回路108は、左視野の画素電極1001と接続する第一サブ制御回路1081と、右視野の画素電極1002と接続する第二サブ制御回路1082とを備える。
【0055】
本発明の実施例が提供する3D−OLED表示装置は、従来技術における一つの画像ユニット内のある特定の視野を表示するためのサブ画素電極を、互いに離間された複数の左視野の画素電極及び右視野の画素電極になるようにすることで、視野ごとにおける画素電極の幅を大幅に減少した。視野ごとにおける画素電極の幅を減少することで、回折格子層の厚さを低下することができる。例えば、回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアの厚さを減少することで、該視差バリアを表示装置のセル内に直接製作することができるので、セル化された表示装置に一層の視差バリアを余計に製作する必要がなくなる。また、回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズの厚さを減少することで、柱状レンズのアーチの高さを低下することができる。その場合、従来の製作工程を利用することだけで、製品の生産要求を満たすことができるので、新しい工程を追加したり、新しい生産設備を採用したりすることが回避され、生産コストが低減される。
【0056】
なお、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極1001及び少なくとも二つの右視野の画素電極1002は全て細長いストリップ状の電極であってもよい。これらの互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極1001と少なくとも二つの右視野の画素電極1002とはゲート配線104と平行してもよいが、データ配線105と平行してもよい。例として、本実施例が提供する3D−OLED表示装置は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極1001と少なくとも二つの右視野の画素電極1002とがデータ配線105と平行する場合を説明する。
【0057】
OLED表示装置には複数のTFT回路が存在することがある。本発明の実施例における制御回路は、画素電極を制御するための部分的TFT回路である。具体的に、制御回路は画素電極のON/OFFを制御するためのスイッチ用TFT回路と、画素電極の電位変化を制御するための駆動用TFT回路と、を備えてもよい。
【0058】
さらに、
図10bに示すように、各画像ユニット106において、全ての左視野の画素電極1001は第一櫛歯状の構造に構成され、全ての右視野の画素電極1002は第二櫛歯状の構造に構成され、第一櫛歯状の構造と第二櫛歯状の構造とが互いに交差するように設置されている。即ち、全ての左視野の画素電極1001及び全ての右視野の画素電極1002は全体として互いに離間された櫛歯状に構成されている。
【0059】
好ましくは、左視野の画素電極1001と右視野の画素電極1002とは幅が同じである。本実施例には、両方の幅は全てbであり、bは1−20μmであってもよい。なお、左視野の画素電極1001と右視野の画素電極1002とは幅が同じでなくてもよい。
【0060】
好ましくは、各画像ユニット106において、左視野の画素電極1001と右視野の画素電極1002とは数が同じである。この場合、よりよい表示効果が得られる。
図10bに示す実施例は、各画像ユニット106において、右視野の画素電極1001と右視野の画素電極1002とがそれぞれ8個である。
【0061】
本実施例において、
図10bに示す第一サブ制御回路1081及び第二サブ制御回路1082の構造は例示であり、両方の実際の構造ではない。例えば、符号811、812及び813(または821、822及び823)で示すものが一つのTFT(スイッチ用または駆動用)のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極に限るものではなく、異なる複数のTFTに属してもよい。
【0062】
第一サブ制御回路1081のスイッチ用TFTのゲート電極811及び第二サブ制御回路1082のスイッチ用TFTのゲート電極821が、同一のゲート配線104に接続され、第一サブ制御回路1081のスイッチ用TFTのソース電極812及び第二サブ制御回路1082のスイッチ用TFTのソース電極822が、それぞれ一つの画素ユニットの両端のデータ配線1051、1052に接続され、第一サブ制御回路1081の駆動用TFTのドレイン電極813が左視野の画素電極1001と接続され、第二サブ制御回路1082の駆動用TFTのドレイン電極813が右視野の画素電極1002と接続されてもよい。第一サブ制御回路のスイッチ用TFTと駆動用TFTとの接続関係、及び第二制御回路のスイッチ用TFTと駆動用TFTとの接続関係は、従来技術によりOLED駆動条件を満たす前提で任意に設定してもよいので、ここで説明を略する。
【0063】
その場合、同一の視野における画素電極は、同一のデータ配線、ゲート配線及び同一のサブ制御回路を共用し、画素の開口率の低下が限定的であり、液晶表示装置の開口率が大幅に低減される問題を避けることができる。
【0064】
さらに、回折格子層101が視差バリアである場合、視差バリアはパッケージ層103の上方または下方に位置し、EL層107までの距離が1−100μmであってもよい。
【0065】
回折格子層31がレンチキュラーレンズである場合、該レンチキュラーレンズがパッケージ層103の上方に位置してもよい。
【0066】
回折格子層31が視差バリアであり、且つ視差バリアがパッケージ層103の下方に位置する場合、
図11に示すように、視差バリアと画素電極100との間に厚さが1−100μmの透明層1011を設けてもよい。
【0067】
透明層1011が真空層または気体層であってもよいが、透明のスぺーサ(例えば、プラスチック薄膜)を採用してもよい。例えば、プラスチック薄膜やシリコーンゴム薄膜で形成された透明層を採用してもよい。透明層1011は主に回折格子層101とEL層107との間に一定の高さを保持するために設けられ、透明層1011の厚さが視差バリアから表示ユニットの発光点までの距離Hである。
【0068】
回折格子層31が視差バリアであり、且つ視差バリアがパッケージ層103の上方に位置する場合を、
図10aに示す。
【0069】
視差バリアはパッケージ層103の上面に直接位置してもよい。視差バリアから表示ユニット発光点までの距離はHである。
【0070】
回折格子層31がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズとして、液晶レンズや、柱状レンズがある。
【0071】
図12に示すように、回折格子層101が液晶レンズである場合、液晶レンズ120が上部電極121及び下部電極122を備える。上部電極121と下部電極122との間に液晶が充填されて液晶層123を形成し、液晶のセルギャップgが柱状レンズのアーチの高さである。
図7に示す実施例を参照すると、このような構成を採用する場合、電極の電圧分布を制御することで、異なる位置の液晶分子の回転を制御して、柱状レンズの作用が得られる。そして、上部電極121及び下部電極122が通電されていない時、液晶分子の回転が発生しないので、表示装置は2D状態の表示を行う。また、上部電極121及び下部電極122が通電されている時、液晶分子の回転が発生するので、表示装置は3D状態の表示を行う。
【0072】
図8に示す実施例を参考すると、回折格子層101が柱状レンズである場合、
図13に示すように、柱状レンズ130はパッケージ層103に一層の透明のフォトレジストを堆積した後、グレースケール露光マスクで露光と現像を行い、異なる露光量を利用することで得られる。レンズのアーチの高さがgである。
【0073】
さらに、回折格子層101の中心線は表示装置の表示領域の中心線と重なる。
【0074】
回折格子層101が視差バリアである場合、視差バリアの中心部位のスリット中心線はディスプレイスクリーンの中心部位の左視野の画素電極と右視野の画素電極との間のスリットと重なる。また、視差バリアのスリット数は左視野の画素電極数と右視野の画素電極数との和の半分である。
【0075】
具体的に、上記3D−OLED表示装置における画素電極及び制御回路の構成及び接続関係につき、前述した3D液晶表示装置における画素電極及びTFT回路を(従来技術におけるOLED表示の特徴を結合しながら)参照すればよい。また、それぞれの構成による有益な効果は既に二重視野の液晶表示装置において詳しく説明したので、ここでその説明を省略する。
【0076】
本発明の実施例が提供する3D液晶表示装置の製造方法は以下のステップを備える。
【0077】
ステップS1401:下部基板に、例えば、パターニング工程を介してTFT回路及び画素電極を形成する。ただし、各画素ユニットの画素電極は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極と少なくとも二つの右視野の画素電極とを備え、各画素ユニットのTFT回路は、左視野の画素電極と接続する第一サブTFT回路と右視野の画素電極と接続する第二サブTFT回路とを備える。TFT回路は本発明の画素制御回路の例である。
【0078】
例えば、
図4に示すように、全ての左視野の画素電極4311は第一サブTFT回路4321と接続し、全ての右視野の画素電極4312は第二サブTFT回路4322と接続する。そして、各左視野の画素電極4311は、回路の導通を実現できるいずれかの構成を介して第一サブTFT回路4321に接続されることができ、各右視野の画素電極4312は、回路の導通を実現できるいずれかの構成を介して第二サブ回路4322に接続されることができる。
【0079】
ステップS1402:上部基板に、回折格子層やカラーフィルタを形成し、回折格子層として、視差バリアやレンチキュラーレンズがある。
【0080】
ステップS1403:上部基板と下部基板とをセル化して、セルの中に液晶を充填する。
【0081】
本発明の実施例が提供する3D液晶表示装置は、従来技術における画像ユニット内のある特定の視野を表示するためのサブ画素電極を、互いに離間された複数の左視野の画素電極及び右視野の画素電極になるようにすることで、視野ごとにおける画素電極の幅を大幅に減少する。視野ごとにおける画素電極の幅を減少することで、回折格子層の厚さを減少することができる。回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアの厚さを減少することで、視差バリアを表示装置のセル内に直接製作することができるので、セル化された表示装置に一層の視差バリアを余計に製作する必要がなくなる。また、回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズの厚さを減少することで、柱状レンズのアーチの高さを減少することができる。その場合、従来の製作工程を採用するだけで製品の生産要求を満たすことができるので、新しい工程を追加したり、新しい生産設備を採用したりすることが回避され、生産コストが低減される。
【0082】
なお、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極及び少なくとも二つの右視野の画素電極は全て細長いストリップ状の電極である。これらの互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極及び少なくとも二つの右視野の画素電極はゲート配線と平行してもよいが、データ配線と平行してもよい。例として、本発明の実施例が提供する3D液晶表示装置は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極及び少なくとも二つの右視野の画素電極がデータ配線と平行する場合を説明する。
【0083】
さらに、各画像ユニットにおいて、全ての左視野の画素電極は第一櫛歯状の構造に構成され、全ての右視野の画素電極は第二櫛歯状の構造に構成され、第一櫛歯状の構造と第二櫛歯状の構造とが互いに交差するように設置される。即ち、全ての左視野の画素電極及び全ての右視野の画素電極は全体として互いに離間された櫛歯状に構成されてもよい。
【0084】
左視野の画素電極及び右視野の画素電極は幅が1−20μmであってもよい。
【0085】
第一サブTFT回路のゲート電極及び第二サブ回路のゲート電極が同一のゲート配線と接続され、第一サブTFT回路のソース電極及び第二サブTFT回路のソース電極がそれぞれ一つの画素ユニットの両端のデータ配線と接続され、第一サブTFT回路のドレイン電極が左視野の画素電極と接続され、第二サブ回路TFTのドレイン電極が右視野の画素電極と接続されてもよい。
【0086】
その場合、同一の視野における画素電極は、同一のデータ配線、ゲート配線及び同一のTFTを共用することで、画素の開口率を限定的に低下することができ、さらに液晶表示装置の開口率を大幅に低減される問題を避けることができる。
【0087】
さらに、回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアは上部基板のカラーフィルタの上方または下方に位置し、カラーフィルタ332までの距離が1−100μmであってもよい。
【0088】
回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズは透明基板の上方に位置してもよい。
【0089】
回折格子層が視差バリアであり、且つ、視差バリアがカラーフィルタの上方に位置する場合、ステップS1402の一例として、上部基板にカラーフィルタを形成した後、該カラーフィルタに厚さが1−100μmである透明層を形成し、そして、この透明層に視差バリアを形成することができる。
【0090】
透明層には、いずれか一種の透光材料で形成された透明薄膜を採用してもよい。例えば、プラスチック薄膜や、シリコーンゴム薄膜で形成された透明層を採用してもよい。透明層は、主に回折格子層とカラーフィルタとの間に一定の高さを保持するために設けられる。この透明層の厚さは視差バリアから表示装置の発光点までの距離Hである。
【0091】
回折格子層が視差バリアであり、且つ視差バリアがカラーフィルタの下方に位置する場合、視差バリアはTFTアレイ基板の上面に直接位置してもよい。
【0092】
回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズとして、液晶レンズや、柱状レンズがある。
【0093】
さらに、回折格子層が液晶レンズである場合、液晶レンズは上部電極及び下部電極を備え、上部電極と下部電極との間に液晶が充填されて液晶層を形成する。このような構成を採用すると、電極の電圧分布を制御することで、異なる位置の液晶分子の回転を制御することができ、柱状レンズの作用が得られる。その場合、上部電極及び下部電極が通電されていない時、液晶分子の回転が発生しないので、表示装置は2D状態の表示を行う。また、上部電極及び下部電極が通電されている時、液晶分子の回転が発生するので、表示装置は3D状態の表示を行う。
【0094】
回折格子層が柱状レンズである場合、柱状レンズは透明基板に一層の透明フォトレジストを堆積した後、グレースケール露光マスクで露光と現像を行い、異なる露光量を利用することで得られる。
【0095】
本発明の実施例において、回折格子層の中心線は表示装置の表示領域の中心線と重なってもよい。
【0096】
本発明の実施例が提供する3D−OLED表示装置の製造方法は下記のステップを備える。
【0097】
ステップS1501:下部基板に、例えば、パターニング工程を介して制御回路を形成する。
【0098】
ステップS1502:制御回路が形成された下部基板にEL層を形成する。ここで、EL層は金属カソード、画素電極及び金属カソードと画素電極との間に位置する有機発光材料を備える。さらに、各画像ユニットの画素電極はお互いに離間された少なくとも二つの左視野画素電極と少なくとも二つの右視野における画素電極とを備える。各画像ユニットの制御回路は左視野画像電極と接続する第一サブ制御回路と、右視野における画像電極と接続する第二サブ制御回路とを備える。
【0099】
ステップS1503:パッケージ層に回折格子層を形成する。回折格子層として、視差バリアや、レンチキュラーレンズがある。
【0100】
ステップS1504:回折格子層が形成されたパッケージ層が下部基板上を覆う。
【0101】
本発明の実施例が提供する3D−OLED表示装置は、従来技術における画像ユニット内のある特定の視野を表示するためのサブ画素電極を、互いに離間された複数の左視野の画素電極及び右視野の画素電極になるようにすることで、視野ごとにおける画素電極の幅を大幅に減少する。視野ごとにおける画素電極の幅を減少することで、回折格子層の厚さを低下することができる。回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアの厚さが減少することで、視差バリアを表示装置のセル内に直接製作することができるので、セル化された表示装置に一層の視差バリアを余計に製作する必要がなくなる。また、回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズの厚さを減少することで、柱状レンズのアーチの高さを低下することができる。その場合、従来の製作工程を利用するだけで製品の生産要求を満たすことができるので、新しい工程を追加したり、新しい生産設備を採用したりすることが回避され、生産コストが低減される。
【0102】
なお、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極及び少なくとも二つの右視野の画素電極は全て細長いストリップ状の電極である。これらの互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極と少なくとも二つの右視野の画素電極とはゲート配線と平行してもよいが、データ配線と平行してもよい。例として、本発明の実施例が提供する3D−OLED表示装置は、互いに離間された少なくとも二つの左視野の画素電極と少なくとも二つの右視野の画素電極がデータ配線と平行することを説明する。
【0103】
OLED表示装置に、複数のTFT回路が存在することがある。本発明の実施例における制御回路とは、画素電極を制御するための部分的TFT回路である。具体的に、制御回路は、画素電極のON/OFFを制御するためのスイッチ用TFT回路と、画素電極の電位変化を制御するための駆動用TFT回路と、を備えてもよい。
【0104】
さらに、各画像ユニットにおいて、全ての左視野の画素電極は第一櫛歯状の構造に構成され、全ての右視野の画素電極は第二櫛歯状の構造に構成され、第一櫛歯状の構造と第二櫛歯状の構造とは互いに交差するように設置される。即ち、全ての左視野の画素電極及び全ての右視野の画素電極は全体として互いに離間された櫛歯状に構成されてもよい。好ましくは、左視野の画素電極と右視野の画素電極とは幅が同じであり、本実施例において、両方の幅は1−20μmであってもよい。なお、左視野の画素電極と右視野の画素電極は幅が同じではなくてもよい。好ましくは、各画像ユニットにおいて、左視野の画素電極数と右視野の画素電極数とが同じである。この場合、よりよい表示効果が得られる。
【0105】
第一サブ制御回路のスイッチ用TFTのゲート配線及び第二サブ制御回路のスイッチ用TFTのゲート配線が同一のゲート配線と接続され、第一サブ制御回路のスイッチ用TFTのソース電極及び第二サブ制御回路のスイッチ用TFTのソース電極がそれぞれ一つの画素ユニットの両端のデータ配線と接続され、第一サブ制御回路の駆動用TFTのドレイン電極が左視野の画素電極と接続され、第二サブ制御回路の駆動用TFTのドレイン電極が右視野の画素電極と接続されてもよい。
【0106】
その場合、同一の視野における画素電極は、同一のデータ配線、ゲート配線及び同一のサブ制御回路を共用し、画素の開口率を限定的に低下することができ、さらに液晶表示装置の開口率を大幅に低減される問題を避けることができる。
【0107】
さらに、回折格子層が視差バリアである場合、視差バリアはパッケージ層の上方または下方に位置し、EL層までの距離が1−100μmであってもよい。
【0108】
回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、該レンチキュラーレンズがパッケージ層の上方に位置してもよい。
【0109】
回折格子層が視差バリアであり、且つ視差バリアがパッケージ層の下方に位置する場合、制御回路が形成された下部基板にEL層を形成した後、3D−OLED表示装置の製造方法は、厚さが1−100μmの透明層をEL層に形成するステップをさらに含む。
【0110】
透明層は真空層または気体層であってもよいが、透明のスペーサ(例えば、プラスチック薄膜)を採用してもよい。例えば、プラスチック薄膜またはシリコーンゴム薄膜で形成された透明層を採用してもよい。透明層は主に回折格子層とEL層との間に一定の高さを保持するために設けられる。この透明層の厚さは視差バリアから表示装置の発光点までの距離Hである。
【0111】
回折格子層がレンチキュラーレンズである場合、レンチキュラーレンズとして、液晶レンズや、柱状レンズがある。
【0112】
さらに、回折格子層が液晶レンズである場合、液晶レンズは上部電極及び下部電極を備える。上部電極と下部電極との間に液晶が充填されて液晶層を形成する。このような構成を採用すると、電極の電圧分布を制御することで、異なる位置の液晶分子の回転を制御でき、柱状レンズの作用が得られる。その場合、上部電極及び下部電極が通電されていない時、液晶分子の回転が発生しないので、表示装置は2D状態の表示を行う。また、上部電極及び下部電極が通電されている時、液晶分子の回転が発生するので、表示装置は3D状態の表示を行う。
【0113】
回折格子層が柱状レンズである場合、柱状レンズはパッケージ層に一層の透明フォトレジストを堆積した後、グレースケール露光マスクで露光と現像を行い、異なる露光量を利用することで得られる。
【0114】
本発明の実施例において、回折格子層の中心線は表示装置の表示領域の中心線と重なる。
【0115】
なお、本発明の実施例が提供する二重視野のOLED表示装置製造方法における上部基板はすべてOLED表示装置をパッケージするためのパッケージ層であってもよい。
【0116】
以上は、本発明の例示的な実施形態のみであり、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の保護範囲は特許の請求によって確定される。