特許第6139609号(P6139609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6139609ショートメッセージサービス(SMS)送信中のインターネットプロトコル(IP)アドレスおよび使用の割り振り
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139609
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】ショートメッセージサービス(SMS)送信中のインターネットプロトコル(IP)アドレスおよび使用の割り振り
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/26 20090101AFI20170522BHJP
   H04W 4/12 20090101ALI20170522BHJP
   H04W 76/04 20090101ALI20170522BHJP
【FI】
   H04W8/26 110
   H04W4/12
   H04W76/04
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-156284(P2015-156284)
(22)【出願日】2015年8月6日
(62)【分割の表示】特願2013-509138(P2013-509138)の分割
【原出願日】2011年5月2日
(65)【公開番号】特開2015-222991(P2015-222991A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2015年9月7日
(31)【優先権主張番号】61/330,759
(32)【優先日】2010年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナ ルシア ピニェイロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ ゴヴロー
(72)【発明者】
【氏名】ベロウズ アギリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エム.マレー
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 Ericsson et al.,Device triggering and E.164 MSISDN replacement,3GPP TSG SA WG2 Meeting #78 TD S2-101169,3GPP,2010年 2月16日
【文献】 Ericsson et al.,APN based Policing solution for MTC Groups,3GPP TSG SA WG2 Meeting #78 TD S2-101168,3GPP,2010年 2月16日
【文献】 InterDigital Communications, LLC,Options to handle Alternatives to E.164 Numbers in Machine Type Communications,3GPP TSG-SA WG1 Meeting #50 S1-101007,3GPP,2010年 4月30日
【文献】 LG Electronics et al.,Mobile Terminated communication with MTC devices inside private IP address space,3GPP TSG SA WG2 Meeting #78 TD S2-101667,3GPP,2010年 2月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークの第1のデバイスがショートメッセージサービス(SMS)メッセージを転送するための方法であって、
前記通信ネットワークの前記第1のデバイスが、前記SMSメッセージに含まれる事前設定された移動局統合サービスデジタルネットワーク番号(MSISDN)を認識するステップであって、前記事前設定されたMSISDNは、前記事前設定されたMSISDNが前記SMSメッセージの受信側を識別しないトリガであって、前記SMSメッセージの受信側のMSISDN以外の識別子を利用することのトリガとして、前記第1のデバイスに知られている、ステップと、
前記第1のデバイス、前記事前設定されたMSISDNを認識すると、前記SMSメッセージをカプセル化しているヘッダに含まれるインターネットプロトコル(IP)アドレスを識別するステップと、
前記第1のデバイス前記事前設定されたMSISDNの前記認識に基づいて、前記IPアドレスに対応する国際移動加入者識別番号(IMSI)取得するステップであって、前記IMSIは、前記通信ネットワークの第2のデバイスに関連付けられ、前記第2のデバイスは、前記SMSメッセージの前記受信側である、ステップ
前記第1のデバイス前記SMSメッセージを、前記通信ネットワークの第デバイス向けて送信するステップと
を備え方法。
【請求項2】
前記IMSIを取得するステップは、前記第1のデバイスが、前記IPアドレスに対応する前記IMSIを、前記通信ネットワークの第4のデバイスから取得するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のデバイスのアドレスを前記通信ネットワークの第4のデバイスから取得するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第4のデバイスは、ホームロケーションレジスタ(HLR)またはホーム加入者サーバ(HSS)のうちの少なくとも1つを含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記IMSIを前記HLRから受信するステップをさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデバイスは、SMS関門移動交換局(GMSC)を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のデバイスは、移動交換局/サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(MSC/SGSN)を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
無線送信/受信ユニット(WTRU)であって、前記WTRUは、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージを転送するように構成されており、前記WTRUは、通信ネットワークの第1のデバイスであり、前記WTRUは、
メモリと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、少なくとも、
前記SMSメッセージに含まれる事前設定された移動局統合サービスデジタルネットワーク番号(MSISDN)を認識し、前記事前設定されたMSISDNは、前記事前設定されたMSISDNが前記SMSメッセージの受信側を識別しないトリガであって、前記SMSメッセージの受信側のMSISDN以外の識別子を利用することのトリガとして、前記第1のデバイスに知られており、
前記事前設定されたMSISDNを認識すると、前記SMSメッセージをカプセル化しているヘッダに含まれるインターネットプロトコル(IP)アドレスを識別し、
前記事前設定されたMSISDNの前記認識に基づいて、前記IPアドレスに対応する国際移動加入者識別番号(IMSI)取得し、前記IMSIは、前記通信ネットワークの第2のデバイスに関連付けられ、前記第2のデバイスは、前記SMSメッセージの前記受信側である
ように構成されたプロセッサと、
トランシーバであって、前記トランシーバは、少なくとも、
前記SMSメッセージを、前記通信ネットワークの第デバイス向けて送信する
ように構成されたトランシーバ
を備えWTRU。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記IPアドレスに対応する前記IMSIを、前記通信ネットワークの第4のデバイスから取得するようにさらに構成された、請求項8に記載のWTRU。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第3のデバイスのアドレスを、前記通信ネットワークの第4のデバイスから取得するようにさらに構成された、請求項8に記載のWTRU。
【請求項11】
前記第4のデバイスは、ホームロケーションレジスタ(HLR)またはホーム加入者サーバ(HSS)のうちの少なくとも1つを含む請求項10に記載のWTRU。
【請求項12】
前記トランシーバは、前記IMSIを前記HLRから受信するようにさらに構成された、請求項11に記載のWTRU。
【請求項13】
前記第1のデバイスは、SMS関門移動交換局(GMSC)を含む、請求項に記載のWTRU。
【請求項14】
前記第3のデバイスは、移動交換局/サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(MSC/SGSN)を含む、請求項に記載のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関する
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年3月3日に出願した米国仮特許出願第61/330、759号の利益を主張し、その内容は全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0003】
マシンタイプ通信(MTC)デバイスは、例えば、マシンタイプ通信のために装備されるユーザ機器(UE)と称され、公衆移動通信ネットワーク(PLMN:public land mobile network)を通じてMTCサーバおよび/またはその他のMTCデバイスと通信する。MTCデバイスはまた、ローカルに(無線により、場合によってはPANまたは配線接続を通じて)、その他のエンティティと通信する。当該エンティティは、処理ならびにMTCサーバおよび/またはその他のMTCデバイスへの通信のためのローデータ(raw data)をMTCデバイスに提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マシンツーマシン(M2M)通信は、スマート計量、ホームオートメーション、eヘルス、およびフリート管理などにおいて広範囲な応用を有する。したがって、このような新規のM2Mサービスを供給することに関連する運用コストを低減する必要がある。さらに、モバイル着信ショートメッセージサービス(SMS)転送について、SMS関門移動交換局(SMS−GMSC)は、MSISDN(mobile station integrated services digital network number)を使用して、ホームロケーションレジスタ(HLR)に問い合わせをすることができ、HLRは、MTCデバイスに供給することができる、パケットアクセス制御ノード(general packet radio service(GPRS)support node)/移動交換局(MSC)へ供給するためのアドレスを提供する。ネットワークは、MSISDN番号を使用してパケットをルーティングすることができる。しかしながら、MSISDN番号が近い将来に不足するおそれがある。したがって、少なくともこの理由で、MSISDN番号を使用することの代替を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示されるのは、MTCデバイスに対してIPアドレスを割り振り、割り振られたIPアドレスを使用してSMSを送信し受信するための方法の実施態様および装置の実施態様である。ある実施態様では、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストを活性化せずに、IPアドレスをMTCデバイスに割り振ることができる。さらに、IPアドレスが振り振られた後に、当該IPアドレスを使用してSMSメッセージをMTCデバイスから、およびMTCデバイスへ送信することができる。
【0006】
ある実施態様では、IPアドレスをMTCデバイスに静的に割り振ることができる。MTCデバイスがネットワークにアタッチするときに、MTCデバイスはネットワークに静的IPアドレスを通知することができる。静的IPアドレスはHLR/ホーム加入者サーバ(HSS)に格納することができる。対応するMTCサーバを事前設定して、MTCデバイスのIPアドレスを把握することができる。
【0007】
別の実施態様では、IPアドレスをMTCデバイスに動的に割り当てることができる。例えば、中継パケット交換機(GGSN:gateway GPRS support node)は、MTCデバイスがネットワークにアタッチするときに、IPアドレスをMTCデバイスに割り当てることができる。IPアドレスを受信すると、MTCデバイスはそれから、割り当てられたIPアドレスを対応するMTCサーバに通知する。通知メッセージは、MTCデバイスのIPアドレス、およびMTCデバイスについてのデバイスもしくは加入者識別子を含むことができる。当該加入者識別子をMTCサーバおよびMTCデバイスの両方に知らせるので、MTCサーバはデバイスをMTCデバイスのIPアドレスと相互に関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面と関連して、例示の方法によって与えられる以下の詳細な説明からより詳細な理解が得られるであろう。
図1】本開示の実施態様に準じて、ネットワークアドレスの割り振りのための例示的な無線ネットワークを示すブロック図である。
図2】本開示の実施態様に準じて、動的ネットワークアドレスの割り振りの例示的な方法を示すフローチャートである。
図3】本開示の実施態様に準じて、動的IPアドレスの割り振りのための例示的なプロセスを示すメッセージフローダイヤグラムである。
図4】本開示の実施態様に準じて、SMSメッセージを転送する例示的な方法を示すフローチャートである。
図5】本開示の実施態様に準じて、ネットワークにおけるMT−SMS転送を記すメッセージフローダイヤグラムである。
図6】本開示の実施態様に準じて、ネットワークにおいてIPアドレスを伴うMO−SMS転送を記すメッセージフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で開示されるのは、MTCデバイスに対しIPアドレスを割り振り、割り振られたIPアドレスを使用してSMSを送信および受信するための方法の実施態様およびシステムの実施態様である。ある実施態様では、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストを活性化せずに、IPアドレスをMTCデバイスに割り振ることができる。さらに、MTCデバイスのIPアドレスを使用して、SMSメッセージをMTCデバイスから、およびMTCデバイスへ送信することができる。ある実施態様では、IPアドレスを静的に割り振ることができる。別の実施態様では、IPアドレスを動的に割り当てることができる。
【0010】
図1は、本開示の実施態様に準じて、ネットワークアドレスの割り振りのための例示的な無線ネットワーク100を示すブロック図である。図1を参照すると、ネットワーク100はMTCデバイス102およびMTCサーバ104を含むことができる。ネットワーク100を通じてM2Mサービスを提供するのに適切な同意を有する加入者によって、MTCデバイス102を動作させることができる。また、MTCデバイス102は、MTC通信のために装備される任意の適切なタイプのUEであってもよい。MTCサーバ104は、ネットワーク100と直接通信することができ、およびネットワーク100を通じてMTCデバイス102およびその他のMTCデバイス(説明の単純化のために図示せず)と間接的に通信することができるエンティティを含むことができる。MTCサーバ104はまた、MTCユーザにインタフェースを提供することができ、当該MTCユーザはM2Mサービスのサービスを使用することができるユーザを含むことができる。MTCの特徴は、M2Mの応用のために最適化することができるネットワーク機能を含むことができる。
【0011】
M2Mシステムに対して、ネットワーク100によって、またはMTCデバイス102によってPDPコンテキストを活性化することができる。LTEでは、MTCデバイス102が最初にネットワーク100にアタッチするときに、当該MTCデバイス102はPDPコンテキストを取得することができ、MTCデバイス102がネットワーク100からデタッチするまで当該コンテキストを保持することができる。例示的な実施態様では、MTCデバイス102はIPアドレスを有することができ、したがって、MTCサーバ104によって到達可能であることができる。
【0012】
GPRS/UMTS(universal mobile telecommunications system)では、アタッチプロシージャおよびPDPコンテキストプロシージャが別個であってもよい。例示的な実施態様では、PDPコンテキストの活性化の最中に(例えば、ユーザがMTCサーバ104への接続を望むときに)、IPアドレスを割り当てることができ、または割り振ることもできる。モバイル着信接続をサポートするために、MTCデバイス102はPDPコンテキストを維持する必要がある場合がある。常にPDPコンテキストを維持するには、追加のネットワーク接続が要求される場合がある。長期間PDPコンテキストを維持することのシグナリングオーバーヘッドおよびコアネットワーク性能の影響は、頻度の低い通信ニーズによる多くのMTCデバイスをサポートするときに弊害をもたらす場合があることに留意されたい。したがって、IP割り振りプロセスおよびPDPコンテキスト調達プロセスの分離は、ネットワークリソースを節約することができ、IPアドレスによりアタッチされるデバイスを維持する間のシグナリングを減少させることができる。
【0013】
静的IPアドレス割り振り
実施態様に準じて、IPアドレスをMTCデバイスに静的に割り当てることができ、または割り振ることができる。MTCデバイスの静的IPアドレスは、ネットワークの開始されたPDPコンテキスト活性化をサポートすることができる。例えば、図1で示されるGGSN106などのGGSNは、PDPアドレスに関連する静的PDP情報を維持し、および/または格納することができる。ネットワーク要求されたPDPコンテキスト活性化がPDPアドレスに対してサポートされるかどうかを判定するのに、GGSN106はPDPアドレスについての静的PDP情報が存在するかどうかをチェックすることができる。
【0014】
静的IPアドレスの割り振りのための実施態様では、オペレータまたはオペレータ制御されたネットワークノードがIPアドレスをMTCデバイスに割り当てることができ、または割り振ることができる。割り振られたIPアドレスは固定のままであってもよい。その後、MTCデバイスは割り振られたIPアドレスに関してネットワークに通知してもよい。結果として、対応するMTCサーバはMTCデバイスのIPアドレスを検索し、またはMTCデバイスのIPアドレスについて別のネットワークノードに問い合わせることができる。
【0015】
図1の例を参照すると、MTCデバイスは初期登録中にPDPコンテキストを確立することができる。例えば、PDPコンテキストはMTCデバイス102のスイッチを入れるときに確立することができる。ある実施態様では、MTCデバイス102は、アタッチプロシージャの最中にそのIPアドレスをネットワーク100に通知するか、またはアドバタイズすることができる。例えば、ネットワーク100にアタッチするときに、MTCデバイス102はそのIPアドレスとともに、そのIMSIまたはその他の加入者識別子を通知することができる。MTCデバイス102のIPアドレスを、例えば、HLRまたはHSSに伝達することができる。MTCサーバ104などの対応するMTCサーバを事前設定して、MTCデバイス102のIPアドレスを把握することができる。
【0016】
ある実施態様では、MOおよびMT接続を、PSドメインにおいて実施することができる。アタッチメッセージにIPアドレスを配置することによって、MTCサーバ104はMTCデバイス102のIPアドレスを検索することができ、PDPコンテキスト活性化のトリガを要求することができる。
【0017】
動的IPアドレス割り振り
ある実施態様では、IPアドレスをMTCデバイスに動的に割り当てることができ、または割り振ることができる。例えば、図2は本開示の実施態様に準じて動的ネットワークアドレスの割り振りの例示的な方法を示すフローチャートである。この例示的な方法は、図1に関して説明されるが、任意のその他の適切なネットワークまたはシステムに適用することもできる方法として限定されるものとみなすべきではない。
【0018】
ここで図2を参照すると、当該方法はネットワークノードにアタッチ要求を伝達するステップを含む(ステップ200)。SGSN108は、割り振られたIPアドレスをMTCデバイスに転送することができる。例えば、SGSN108は割り振られたIPアドレスを含むアタッチ応答をMTCデバイス102に送信することができる。
【0019】
図2の方法は、ネットワークノードにアタッチ要求を伝達するステップを含むことができる(ステップ202)。例えば、図1を参照すると、ネットワーク100にアタッチするときにIPアドレスをMTCデバイスに割り当てることができる。この例では、GGSN106はIPアドレスをMTCデバイス102に割り当てることができる。SGSN108は、IPアドレスを生成する要求をGGSN106に送信することができ、それに応じて、MTCデバイス102に割り振られたIPアドレスをGGSN106から受信することができる。
【0020】
図2の方法は、受信したIPアドレスをネットワークサーバにアドバタイズするステップを含む(ステップ204)。IPアドレスを受信したことに応答して、MTCデバイス102はメッセージを介して、割り振られたIPアドレスをMTCサーバ104に通知することができる。このようなメッセージは、割り振られたIPアドレス、およびMTCデバイス102のデバイスもしくは加入者識別子を含むことができる。加入者もしくはデバイス識別子を、MTCサーバ104およびMTCデバイス102の両方に知らせるので、MTCサーバ104は、MTCデバイス102を当該MTCデバイス102のIPアドレスと相互に関連付けることができる。メッセージはまた、性能およびサポートされる特徴などのMTCデバイスに関する情報を含むことができる。さらに、MTCデバイス102はまた、MTCデバイス102を登録することができるPLMN識別子(例えば、MCCとMNC)をMTCサーバ104に示すことができる。
【0021】
IPアドレスをアドバタイズした後に、MTCサーバ104およびMTCデバイス102は、IPアドレスを介して通信することができる。例えば、MTCデバイス102は、MTCサーバ104と通信する必要がある場合に、PDPコンテキスト活性化を要求することができる。逆に例えば、MTCサーバ104は、MTCデバイス102と通信する必要がある場合に、PDPコンテキスト活性化を要求することができる。PDPコンテキスト活性化を確立している最中に、MTCデバイス102は、当該MTCデバイス102がすでにIPアドレスを有していることをネットワークに通知することができる。例えば、MTCデバイス102はIPアドレスとともに「PDPコンテキスト要求」メッセージに「PDPアドレス」フィールドを生成することができる。ある例では、IPアドレスおよびMTCデバイスのIMSIに関連する情報をHLRまたはHSSに格納することができる。
【0022】
図3は、本開示の実施態様に準じて、動的IPアドレス割り振りのための例示的なプロセスを示すメッセージフローダイヤグラムである。例えば、ネットワークにアタッチするときに、GGSN302によりIPアドレスをMTCデバイス300に割り当てることができる。図3を参照すると、MTCデバイス300は、送信者がMTCであることを示す情報とともに、アタッチ要求をSGSN304に送信することができる(ステップ306)。SGSN304は、IPアドレスを生成する要求をGGSN306へ送信することができ(ステップ308)、MTCデバイス300に割り当てられたIPアドレスをGGSN306から受信することができる(ステップ310)。SGSN304は次に、例えばアタッチ応答において、割り当てられたIPアドレスをMTCデバイス300に転送することができる。
【0023】
図3に示すように、IPアドレスを受信すると、MTCデバイス300はIPアドレスをネットワークにアドバタイズすることができる。例えば、MTCデバイス300は割り当てられたIPアドレスを、メッセージを介してMTCサーバ314に通知することができる(ステップ316)。当該メッセージは、MTCデバイスのIPアドレス、およびデバイス識別子もしくは加入者識別子を含むことができる。デバイス識別子をMTCサーバ314およびMTCデバイス300の両方に知らせることができるので、MTCサーバ314はMTCデバイス300を当該MTCデバイス300のIPアドレスと相互に関連付けることができる。メッセージはまた、性能およびサポートされる特徴などのMTCデバイス300に関する情報を含むことができる。さらに、例えば、MTCデバイス300はまた、MTCデバイス300を登録することができるPLMN−ID(例えば、MCCとMNC)をMTCサーバ314に示すことができる。
【0024】
MTCサーバ314およびMTCデバイス300はそれから、IPアドレスを介して通信することができる。例えば、MTCデバイス300がMTCサーバ314と通信を望むときに、当該MTCデバイス300はPDPコンテキスト活性化を要求することができる。MTCサーバ314がMTCデバイス300と通信を望むときに、当該MTCサーバ314はPDPコンテキスト活性化を要求することができる。PDPコンテキスト活性化を確立している最中に、MTCデバイス300は、当該MTCデバイス300がすでにIPアドレスを有していることをネットワークに通知することができる。例えば、MTCデバイス300は、与えられたIPアドレスとともに「PDPコンテキスト要求」メッセージに「PDPアドレス」フィールドを生成することができる。IPアドレスとIMSIとの間のリレーションシップは、NHLR/HSSに格納することができる。
【0025】
動的アドレス割り振りの例示的な利点は、IP割り振りプロセスおよびPDPコンテキスト調達プロセスがネットワークリソースを節約できることと、それらを分断することができることとである。例えば、PDPコンテキストの前に(例えば、MTCデバイスがアタッチプロシージャを実行するとき)、IPアドレスをMTCデバイスに割り当てることができる。MTCデバイスは、常にPDPコンテキストを維持することなく動的に割り当てられたIPアドレスによりアタッチされたままでいることができる。
【0026】
IPアドレスを伴うモバイル着信SMS
本開示の実施態様に準じて、例えば、モバイル着信SMS転送などの、SMS送信および/または受信のために、本明細書で開示されるIPアドレス割り振りを使用することができる。モバイル着信SMSは、MTCサーバによりトリガされ、例えば、情報のダウンロード、およびMTCデバイスへ要求の送信などを行うことができる。本明細書で提供される例において開示されるように、MTCデバイスはアタッチプロシージャの最中に、当該MTCデバイスへ割り振られたIPアドレスをネットワークに通知するので、MTCサーバはMTCデバイスのIPアドレスを把握することができる。
【0027】
ある実施態様では、IPアドレスはモバイル着信SMSメッセージをカプセル化するヘッダに含まれてもよい。例えば、MTCサーバはサービスセンタへのSMSメッセージをIPアドレスとともにカプセル化することができる。別の実施態様では、MTCサーバはSMSメッセージのボディにあるIPアドレスとともにSMSメッセージを送信することができる。通常、MSISDNを生成することができるヘッダにおいて、MTCサーバは事前設定されたMSISDNを入れることができる。事前設定されたMSISDNは、SMSの受信者がMTCデバイスであることを示すことができる。事前設定されたMSISDNを、例えば、変換テーブルを使用してMTCデバイスが事前にMTCサーバへ提供したことに基づいて、MTCサーバで生成することができる。別の実施態様では、デバイスのIPアドレスを含むことができるヘッダを生成してもよい、例えば、SMSヘッダフォーマットを調整して、IPアドレスをSMSヘッダに含むことができる。
【0028】
図4は、本開示の実施態様に準じてSMSメッセージを転送する例示的な方法を示すフローチャートである。この例示的な方法は、図5の例を参照して説明されるが、任意のその他の適切なネットワークまたはシステムに適用することもできる方法として限定されるものとみなすべきではない。図5は、本開示の実施態様に準じてネットワークにおけるMT−SMS転送を記すメッセージフローダイヤグラムを示す。図4を参照すると、当該方法はIPアドレスを含むSMSメッセージを受信するステップを含む(ステップ400)。例えば、MT−SMSをIPアドレスとともに転送する場合に、SMSサービスセンタ500は標準転送プロトコルデータユニット(TPDU)などのデータユニットを通じてSMS−GMSC502へSMSメッセージを配信することができ(SMS配信)、IPアドレスをデータユニットに関連するパラメータとして含むことができる(ステップ504)。IPアドレスは、例えば、MSISDNパラメータを置き換えることができるパラメータであってもよい。特に、例えば、IPアドレスをSMS配信タイプヘッダにおけるTP発信アドレス(TP−OA)フィールドに含むことができる。さらに、例えば、データユニットは、MSISDNの代わりになるような情報のルーティングとして使用される、または使用されるべきIPアドレスを示すフラグ、パラメータ、またはその他のインジケータを含むことができる。ある例では、SMS−MAPインタフェースを修正して、MT−SMS転送をIPアドレスとともに受け入れてもよい。SMS−GMSC502は、TPDUを受信し、次にTPDUのパラメータを調査することができる。SMS−GMSC502は、TPDUに含まれるIPアドレスがTPDUにおけるフラグ、パラメータ、またはその他のインジケータに基づいてルーティングするために使用されることを判定することができる。
【0029】
ここで図4を参照すると、当該方法はIPアドレスに関連する加入者識別子を検索するステップを含むことができる(ステップ402)。例えば、SMS−GMSC502は、ルーティング用にIPアドレスが使用されることを判定したことに応答して、当該IPアドレスを使用してHLR506に問い合わせすることができる(ステップ508)。SMS−GMSC502はIPアドレスを使用して、HLR506に問い合わせをすることができる。例えば、図5で記すルーティング情報の送信ステップ508は、IPアドレスを使用することができる。ある実施態様では、GSM(登録商標)−MAPインタフェースを修正して、MT−SMS転送をIPアドレスとともに受け付けることができる。
【0030】
ステップ508の例を続けると、HLR506は、IPアドレス、ならびに対応するサービングSGSNおよび/またはMSC/VLRのシグナリングアドレスにマッピングすることができるIMSIを返すことができ、それらの例がMSC/VLR510により図5で記される。SMS配信プロシージャは、例えば、IMSIアドレスなどのルーティング情報とともにSMS−GMSC502から継続することができる。
【0031】
図4を参照すると、当該方法は、加入者識別子に基づいてSMSメッセージをルーティングするステップを含む(ステップ404)。例えば、ステップ512では、SMS−GMSC502はSMSメッセージを、MSC/SGSN510へ転送することができる。MSCはモバイル着信ショートメッセージ転送のために、VLRから加入者情報を取り出すことができる。取り出しの失敗を(例えば、加入者不在)、原因インジケーションによりSMS−GMSCに示すことができる。それから、SMSメッセージをMSCから例えば、MTCデバイスとなりうる移動局(MS)514へ転送することができる(ステップ516)。次に、例えば、MSC/SGSN510はSMS−GMSC502に配信レポートを伝達することができる(ステップ518)。次に、SMS−GMSC502はHLR506に配信レポートを伝達することができ(ステップ520)、SMS−SC500に伝達することができる(ステップ522)。
【0032】
別の実施態様では、MTCサーバはIPアドレスをSMSメッセージのボディに配置したSMSを送信してもよい。通常、MSISDNを生成することができるヘッダにおいて、MTCサーバは、SMSの受信者がMTCデバイスであることを示すことができ、メッセージのボディがIPアドレスを含むことを示すことができる、事前設定されるMSISDNを入れてもよい。当該事前設定されるMSISDNをMTCサーバで生成することができる。例えば、当該事前設定されるMSISDNを、例えば変換テーブルを使用して、MTCデバイスが事前にMTCサーバへ提供したPLMN−IDに基づいて生成することができる。
【0033】
MSISDNを使用して、SMSメッセージを各々のホームネットワークにおけるデフォルトのSMS−GMSCへルーティングすることができる。異なるMSISDN番号を、異なる加入者のために保有することができる。上記説明したように、IPアドレスとIMSIとの間のリレーションシップをHLR/HSSに格納することができる。SMS−GMSCはIPアドレスを使用してHLRに問い合わせることができ、HLRはMTCデバイスに供給することができるSGSN/MSCのアドレスを提供することができる。一旦、SGSN/MSCがメッセージを受信すると、SGSN/MSCは当該メッセージを送信先MTCデバイスへ送信することができる。
【0034】
別の実施態様では、MTCデバイスのIPアドレスを含む新規のヘッダをメッセージに備えることができる。この例では、IPアドレスがMSISDNを置き換えることができる。
【0035】
IPアドレスを伴うモバイル発信SMS転送
本開示の実施態様に準じて、モバイル発信(MO:mobile originated)SMS転送のためにIPアドレス割り振りを使用することができる。ある実施態様では、MTCサーバはMSISDNを有することができ、SCは、HLRに格納することができる、シグナリングアドレス、ならびにIMSIとMTCデバイスもしくはその他のUEのIPアドレスとの間の関連情報を有することができる。
【0036】
図6は、本開示の実施態様に準じて、ネットワークにおけるIPアドレスを伴うMO−SMS転送を記すメッセージフローダイヤグラムを示す。図6を参照すると、MTCデバイスまたはその他のUEなどの移動加入者600は、送信先アドレスとしてMTCサーバ604のMSISDNを使用して、MSC/SGSN602へSMSメッセージを送信することができる(ステップ606)。移動加入者600は当該MSISDNを知ることができる。
【0037】
MSC/SGSN602は、SMSメッセージを受信することができる。当該メッセージを受信したことに応答して、MSC/SGSN602は当該メッセージをSMS−IWMSC608へ転送することができる。移動加入者600に割り振られたIPアドレスを転送メッセージに含むことができる。移動加入者600のIPアドレスが加入データの一部であるので、本明細書で開示される例のように、当該IPアドレスを登録プロシージャの最中にMSC/SGSN602にダウンロードすることができる。
【0038】
MSC/SGSN602は、この割り振られたIPアドレスをSMSサービスセンタ(SMS−SC)612への発信SMSメッセージに追加することができる。例えば、当該IPアドレスをSMS−SUBMITタイプヘッダにおけるTP送信先アドレス(TP−DA)フィールドに含むことができる。SMS−IWMSC608はSMSメッセージをSMS−SC612へ転送することができる(ステップ614)。SMS−SC612での受信の後に、SMS−SC612は、例えば、SS7シグナリングを使用してSMSメッセージをMTCサーバ604へ転送することができる(ステップ616)。例えば、MTCサーバ604のMSISDNを送信先アドレスとして使用することができる。ある例では、IPアドレスをSMSメッセージのボディに含むことができる。次に、例えば、SMS−SC612はSMS−IWMSC614に配信レポートを伝達することができる(ステップ620)。次に、SMS−IWMSC614はMSC/SGSN602に配信レポートを伝達することができる(ステップ622)。次に、MSC/SGSN602は、移動加入者600に配信レポートを伝達することができる(ステップ624)。
【0039】
特徴および要素を特定の組み合わせで上記説明したが、当業者であれば各特徴または要素を単独でまたはその他の特徴および要素を野任意の組み合わせで使用してもよいことが理解できるであろう。さらに、本明細書で説明される方法はコンピュータまたはプロセッサにより実行するためのコンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実装することができる。コンピュータ可読媒体の例は、電子信号(無線または有線接続を通じて送信される)およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、ならびに、CD−ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体を含む。ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバを実装してもよい。
【0040】
本明細書で説明される例示的な実施態様は、IPアドレスのコンテキストにおいて実現されるが、当該技術がその他のネットワークアドレスに適用することが理解されよう。種々の図面と関連して種々の実施形態を説明したが、その他の類似する実施態様を使用することができ、またはそこから逸脱することなく種々の実施態様の同一の機能を実行するために、説明した実施態様に修正および追加をすることができることが理解されよう。したがって、当該実施態様は任意の単一の実施態様に限定されるべきでなく、むしろ、添付の特許請求の範囲に準じた幅および範囲で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6