【文献】
Design and Fabrication of a Scanning Near-Field Microscopy Probe with Integrated Zinc Oxide Photoconductive Antennas for Local Terahertz Spectroscopy,Sensors and Materials,2010年 5月10日,Vol. 22, No. 3,pp.135-142
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるプローブ1の構成を示す図であり、プローブ本体10(
図1(a))、チップモジュール20(
図1(b))、プローブ本体10にチップモジュール20を取り付けた構成(
図1(c))を示す。
【0016】
本発明の第一の実施形態にかかるプローブ1は、プローブ本体10、チップモジュール20を備える。
【0017】
図1(a)を参照して、プローブ本体10は、伝送線路支持基板12、中間基板14、本体GND16を有する。
【0018】
伝送線路支持基板12は、伝送線路L1を支持する。伝送線路L1によって、テラヘルツ波が伝送される。伝送線路L1は、伝送線路支持基板12の上面に配置されている。
【0019】
なお、伝送線路支持基板12は、図示省略した2個の光伝導アンテナを有する。光伝導アンテナのうちの1個はポンプ光を受け、テラヘルツ波を発生する。このテラヘルツ波が、伝送線路L1によって伝送される。このテラヘルツ波は被測定物2によって反射され、伝送線路L1によって伝送される。光伝導アンテナのうちの他の1個はプローブ光を受け、反射されたテラヘルツ波を検出する。
【0020】
本体GND16は、伝送線路支持基板12を接地するものであり、本体GND16の上に伝送線路支持基板12が配置されている。
【0021】
中間基板14は、伝送線路支持基板12および本体GND16の右端に接触している。中間基板14は、伝送線路L1を支持する。伝送線路L1は、中間基板14の上面および右端面に配置されている。なお、中間基板14の材質は、例えば、Al
2O
3または樹脂である。
【0022】
図1(b)および
図1(c)を参照して、チップモジュール20は、プローブチップ22、プローブチップ支持基板24、チップモジュールGND26を有する。
【0023】
プローブチップ支持基板24は、伝送線路L2およびプローブチップ22を支持する。伝送線路L2は、伝送線路L1によって伝送されたテラヘルツ波をプローブチップ22に伝送する。さらに、伝送線路L2は、プローブチップ22から被測定物2に入射されてから被測定物2によって反射されたテラヘルツ波を伝送線路L1に伝送する。伝送線路L2は、プローブチップ支持基板24の上面に配置されており、プローブチップ22に接続している。なお、プローブチップ支持基板24の材質は、例えば、Al
2O
3または樹脂である。
【0024】
プローブチップ22は、伝送線路L1によって伝送されたテラヘルツ波および被測定物2によって反射されたテラヘルツ波を伝送し、被測定物2に接触する。なお、プローブチップ22は、プローブチップ支持基板24に対して、その全体が傾斜している。プローブチップ支持基板24の右端面は約45度に傾斜しており、その上にプローブチップ22が取り付けられている。
【0025】
プローブチップ22は被測定物2の形状等に応じて色々な形状がある。プローブチップ22の形状ごとに、チップモジュール20が用意されている。なお、被測定物2は、例えば、基板4上の配線である。
【0026】
チップモジュールGND26は、プローブチップ支持基板24を接地するものであり、チップモジュールGND26の上にプローブチップ支持基板24が配置されている。
【0027】
被測定物2を測定する際には、プローブ本体10(
図1(a)参照)に、チップモジュール20(
図1(b)参照)を取り付ける(
図1(c)参照)。より詳細には、中間基板14の下面に、プローブチップ支持基板24の上面を取り外し可能に取り付ける(例えば、ボルトとナットを使用して取り付ける)。しかも、伝送線路L1と伝送線路L2とが接するようにする。このようにして、チップモジュール20のプローブチップ支持基板24が、プローブ本体10の伝送線路支持基板12に対して、脱着可能であるようにする。また、プローブチップ支持基板24が、中間基板14を介して、伝送線路支持基板12に取り付けられることとなる。
【0028】
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
【0029】
被測定物2の形状等に適した形状のプローブチップ22を有するチップモジュール20をプローブ本体10に取り付ける(
図1(c)参照)。
【0030】
伝送線路支持基板12において、図示省略した1個の光伝導アンテナが、ポンプ光を受けテラヘルツ波を発生する。テラヘルツ波は、伝送線路L1、L2およびプローブチップ22により伝送され、被測定物2に与えられる。被測定物2に与えられたテラヘルツ波は、被測定物2により反射され、プローブチップ22および伝送線路L2、L1により伝送され、伝送線路支持基板12における図示省略した他の1個の光伝導アンテナにより検出される。
【0031】
さらに別の被測定物2を測定する際には、これまで使用していたチップモジュール20をプローブ本体10から取り外し、その被測定物2の形状等に適した形状のプローブチップ22を有するチップモジュール20を新たにプローブ本体10に取り付ける(
図1(c)参照)。
【0032】
第一の実施形態にかかるプローブ1によれば、チップモジュール20のプローブチップ支持基板24が、プローブ本体10の伝送線路支持基板12に対して、脱着可能であるため、先端(プローブチップ22)を交換できるプローブ1を提供することができる。
【0033】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかるプローブ1は、チップモジュール20を中間基板14の上に取り付ける点が、チップモジュール20を中間基板14の下に取り付ける第一の実施形態と異なる。
【0034】
図2は、本発明の第二の実施形態にかかるプローブ1の構成を示す図であり、プローブ本体10(
図2(a))、チップモジュール20(
図2(b))、プローブ本体10にチップモジュール20を取り付けた構成(
図2(c))を示す。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0035】
本発明の第二の実施形態にかかるプローブ1は、プローブ本体10、チップモジュール20を備える。
【0036】
図2(a)を参照して、プローブ本体10は、伝送線路支持基板12、中間基板14、本体GND16を有する。伝送線路支持基板12は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0037】
本体GND16は、伝送線路支持基板12および中間基板14を接地するものであり、本体GND16の上に伝送線路支持基板12および中間基板14が配置されている。
【0038】
中間基板14は、伝送線路支持基板12の右端に接触している。中間基板14は、伝送線路L1を支持する。伝送線路L1は、中間基板14の上面に配置されている。
【0039】
図2(b)および
図2(c)を参照して、チップモジュール20は、プローブチップ22、プローブチップ支持基板24を有する。プローブチップ22は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。プローブチップ支持基板24は、第一の実施形態とほぼ同様であるが、伝送線路L2は、プローブチップ支持基板24の上面および左端面に配置されている。
【0040】
被測定物2を測定する際には、プローブ本体10(
図2(a)参照)に、チップモジュール20(
図2(b)参照)を取り付ける(
図2(c)参照)。より詳細には、中間基板14の上面に、プローブチップ支持基板24の下面を取り外し可能に取り付ける(例えば、ボルトとナットを使用して取り付ける)。しかも、伝送線路L1と伝送線路L2とが接するようにする。このようにして、チップモジュール20のプローブチップ支持基板24が、プローブ本体10の伝送線路支持基板12に対して、脱着可能であるようにする。また、プローブチップ支持基板24が、中間基板14を介して、伝送線路支持基板12に取り付けられることとなる。
【0041】
なお、第二の実施形態の動作は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0042】
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0043】
なお、第二の実施形態においては、チップモジュール20に配置された伝送線路L2がプローブチップ支持基板24の左端面および上面に沿って配置されているが、伝送線路L2の配置例は、他にも考えられる。
【0044】
図3は、本発明の第二の実施形態の第一の変形例にかかるプローブ1の構成を示す図であり、プローブ本体10(
図3(a))、チップモジュール20(
図3(b))、プローブ本体10にチップモジュール20を取り付けた構成(
図3(c))を示す。
【0045】
伝送線路L1が、伝送線路支持基板12および中間基板14の上面に配置されている。伝送線路L2が、プローブチップ支持基板24を上下に貫通し、かつ上面に配置されている。
【0046】
図4は、本発明の第二の実施形態の第二の変形例にかかるプローブ1の構成を示す図であり、プローブ本体10(
図4(a))、チップモジュール20(
図4(b))、プローブ本体10にチップモジュール20を取り付けた構成(
図4(c))を示す。
【0047】
伝送線路L1が、伝送線路支持基板12および中間基板14の上面に配置されている。伝送線路L2が、プローブチップ支持基板24の下面に配置されている。なお、
図1、
図2および
図3においては、伝送線路L2がプローブチップ22の上端に接続していたが、
図4においては、プローブチップ22のやや下方に接続している。
【0048】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかるプローブ1は、チップモジュール20を中間基板14の右端面に取り付ける点が、チップモジュール20を中間基板14の下に取り付ける第一の実施形態と異なる。
【0049】
図5は、本発明の第三の実施形態にかかるプローブ1の構成を示す図であり、プローブ本体10(
図5(a))、チップモジュール20(
図5(b))、プローブ本体10にチップモジュール20を取り付けた構成(
図5(c))を示す。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0050】
本発明の第三の実施形態にかかるプローブ1は、プローブ本体10、チップモジュール20を備える。
【0051】
図5(a)を参照して、プローブ本体10は、伝送線路支持基板12、中間基板14、本体GND16を有する。伝送線路支持基板12は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0052】
本体GND16は、伝送線路支持基板12および中間基板14を接地するものであり、本体GND16の上に伝送線路支持基板12および中間基板14が配置されている。
【0053】
中間基板14は、伝送線路支持基板12の右端に接触している。中間基板14は、伝送線路L1を支持する。伝送線路L1は、中間基板14の上面に配置されている。
【0054】
ただし、伝送線路L1は、その右端に電極E1を有する。電極E1は、中間基板14の右端面に配置されている。
【0055】
図5(b)を参照して、チップモジュール20は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0056】
ただし、伝送線路L2は、その左端に電極E2を有する。電極E2は、プローブチップ支持基板24の左端面に配置されている。
【0057】
被測定物2を測定する際には、プローブ本体10(
図5(a)参照)に、チップモジュール20(
図5(b)参照)を取り付ける(
図5(c)参照)。より詳細には、中間基板14の右端面に、プローブチップ支持基板24の左端面を取り外し可能に取り付ける(例えば、ボルトとナットを使用して取り付ける)。しかも、電極E1と電極E2とが接するようにする。このようにして、チップモジュール20のプローブチップ支持基板24が、プローブ本体10の伝送線路支持基板12に対して、脱着可能であるようにする。また、プローブチップ支持基板24が、中間基板14を介して、伝送線路支持基板12に取り付けられることとなる。
【0058】
第三の実施形態の動作は、第一の実施形態の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
第三の実施形態によれば、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
なお、第一、第二および第三の実施形態において、プローブチップ22が、プローブチップ支持基板24に対して、全体が傾斜しているが、一部が傾斜していてもよい。
【0061】
図6は、プローブチップ22の一部がプローブチップ支持基板24に対して傾斜している変形例1を示す図であり、プローブチップ支持基板24の右端が傾斜しているもの(
図6(a))、プローブチップ支持基板24の右端が傾斜していないもの(
図6(b))を示す図である。ただし、
図6において、チップモジュールGND26および伝送線路L2は図示省略する。
【0062】
変形例1においては、プローブチップ22が、プローブチップ支持基板24の上面に配置されており、
図1〜3および
図5のチップモジュール20として使用することができる。
【0063】
変形例1におけるプローブチップ22は、傾斜部分22a、水平部分22bを有する。水平部分22bがプローブチップ支持基板24の上面に配置されている。傾斜部分22aは、プローブチップ支持基板24に対して傾斜している。
図6(a)におけるプローブチップ支持基板24の右端面は約45度に傾斜しており、その上に傾斜部分22aが取り付けられている。
【0064】
図7は、プローブチップ22の一部がプローブチップ支持基板24に対して傾斜している変形例2を示す図であり、プローブチップ支持基板24の右端が傾斜しているもの(
図7(a))、プローブチップ支持基板24の右端が傾斜していないもの(
図7(b))を示す図である。ただし、
図7において、チップモジュールGND26および伝送線路L2は図示省略する。
【0065】
変形例2においては、プローブチップ22が、プローブチップ支持基板24の下面に配置されており、
図4のチップモジュール20として使用することができる。
【0066】
変形例2におけるプローブチップ22は、傾斜部分22a、水平部分22bを有する。水平部分22bがプローブチップ支持基板24の下面に配置されている。傾斜部分22aは、プローブチップ支持基板24に対して傾斜している。
図7(a)におけるプローブチップ支持基板24の右端面は約45度に傾斜しており、その延長に沿って傾斜部分22aが設けられている。
【0067】
なお、第一、第二および第三の実施形態において、プローブチップ22が、プローブチップ支持基板24に対して、全体が傾斜しているが、平行に取り付けられていてもよい。
【0068】
図8は、プローブチップ22がプローブチップ支持基板24に対して平行に取り付けられている変形例3を示す図であり、プローブチップ支持基板24の上面に配置されているもの(
図8(a))、プローブチップ支持基板24の下面に配置されているもの(
図8(b))を示す図である。ただし、
図8において、チップモジュールGND26および伝送線路L2は図示省略する。
【0069】
図8(a)に図示のチップモジュール20は、
図1〜3および
図5のチップモジュール20として使用することができる。
図8(b)に図示のチップモジュール20は、
図4のチップモジュール20として使用することができる。
【0070】
変形例3のようにプローブチップ22がプローブチップ支持基板24に対して平行に取り付けられていても被測定物2の測定を行うことができる場合がある。
【0071】
第四の実施形態
第四の実施形態にかかるプローブ1は、プローブチップ支持基板24が、ケーブル28を介して、プローブチップ22を支持する点が、第三の実施形態と異なる。
【0072】
図9は、本発明の第四の実施形態にかかるプローブ1のチップモジュール20の構成を示す図であり、チップモジュール20の正面図(
図9(a))、平面図(
図9(b))を示す。以下、第三の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。ただし、
図9において、チップモジュールGND26および伝送線路L2は図示省略する。プローブ本体10は、第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0073】
第四の実施形態にかかるチップモジュール20は、プローブチップ22、プローブチップ支持基板24、チップモジュールGND26、ケーブル28、接地用接触部材28a、電極28b、伝送線路L2を有する。
【0074】
ケーブル28はセミリジッドケーブルであり、プローブチップ支持基板24の上面に取り付けられている。ケーブル28は、その先端寄りの部分がベンド(bend)加工されており、斜め下方に垂れ下がっている。ケーブル28の先端の中心導体にプローブチップ22が取り付けられている。このような構造により、プローブチップ支持基板24が、ケーブル28を介して、プローブチップ22を支持している。
【0075】
なお、ケーブル28の先端寄りの部分には、接地用接触部材(GNDコンタクトアタッチメント)28aが取り付けられている。接地用接触部材28aの先端が、基板4の接地面に接触する。
【0076】
また、ケーブル28の後方には電極28bが設けられており、図示省略した伝送線路L2が接続されている。
【0077】
第四の実施形態の動作は、第三の実施形態の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
第四の実施形態によれば、第三の実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
なお、上記のいずれの実施形態においても、プローブチップ支持基板24にライズタイムフィルタが設け、伝送線路L1または伝送線路L2に接続することにより、立ち上がりを抑制した波形を被測定物2に与えることができる。