(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御器は、前記帯域選択信号に基づいて前記複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの一以上が、前記複数のカスコード増幅器セクションの一つ以上それぞれの第1トランジスタのベースに第1バイアス信号を与え得るように構成される請求項1の電力増幅システム。
前記制御器は、前記帯域選択信号に関係なく前記ベース共通バイアスコンポーネントが、前記複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタのベースに第2バイアス信号を与え得るように構成される請求項2の電力増幅システム。
前記複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースに結合されて複数の周波数帯域のそれぞれ一つにおいて入力RF信号を整合するべく構成された複数の入力整合コンポーネントをさらに含む請求項1の電力増幅システム。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実装によれば、本開示は、電力増幅システムに関する。電力増幅システムは、複数のカスコード増幅器セクションを含む。複数のカスコード増幅器セクションの各一つは、第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。電力増幅システムは複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントを含む。複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの各一つは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能である。電力増幅は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能であるベース共通バイアスコンポーネントを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、電力増幅システムはさらに、複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントを帯域選択信号に基づいて制御するべく構成された制御器を含み得る。いくつかの実施形態において、制御器は、帯域選択信号に基づいて複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの一以上が、複数のカスコード増幅器セクションの一つ以上それぞれの第1トランジスタのベースに対応第1バイアス信号を与え得るように構成することができる。いくつかの実施形態において、制御器は、帯域選択信号に関係なくベース共通バイアスコンポーネントが、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタのベースに第2バイアス信号を与え得るように構成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、第1バイアス信号は、目標出力電力に基づき得る。いくつかの実施形態において、第2バイアス信号は、目標出力電力に基づき得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、第2バイアス信号は、ベース共通バイアスコンポーネントに結合されて電池からの電圧によって電力供給される電流源から引き出され得る。いくつかの実施形態において、第1バイアス信号は、複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの一以上に結合されて電池からの電圧によって電力供給される対応電流源から引き出され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、電力増幅システムはさらに、複数のRC減結合コンポーネントを含み得る。各RC減結合コンポーネントは、ベース共通バイアスコンポーネントと、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第2トランジスタのベースとの間に結合された抵抗器を含み、さらには、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第2トランジスタのベースと接地電圧との間に結合されたキャパシタを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、複数の第1トランジスタそれぞれの第2トランジスタのコレクタは、対応インダクタを介して供給電圧に結合することができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、複数の第1トランジスタそれぞれの第2トランジスタのコレクタは、対応出力整合及びフィルタリングコンポーネントを介してアンテナスイッチコンポーネントに結合することができる。いくつかの実施形態において、複数の出力整合及びフィルタリングコンポーネントはそれぞれ、複数の周波数帯域のそれぞれ一つに対応し得る。いくつかの実施形態において、複数の整合及びフィルタリングコンポーネントのそれぞれは、複数の周波数帯域のそれぞれ一つを中心とするフィルタによって出力RF信号をフィルタリングするべく構成することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、アンテナスイッチコンポーネントは、複数の出力整合及びフィルタリングコンポーネントの選択された一つにおいて受信された信号を出力するべく構成することができる。いくつかの実施形態において、アンテナスイッチコンポーネントは、複数の出力整合及びフィルタリングコンポーネントの複数において受信された信号を結合して出力するべく構成することができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、電力増幅システムはさらに、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースに結合されて複数の周波数帯域のそれぞれ一つにおいて入力RF信号を整合させるべく構成された複数の入力整合コンポーネントを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、電力増幅システムはさらに、複数のRC減結合コンポーネントを含み得る。RC減結合コンポーネントの各一つは、対応エミッタ共通バイアスコンポーネントと複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースとの間に結合された抵抗器を含み、さらには、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第2トランジスタのベースと複数の入力整合コンポーネントそれぞれ一つとの間に結合されたキャパシタを含み得る。
【0014】
いくつかの実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含む無線周波数(RF)モジュールに関する。RFモジュールは、パッケージング基板に実装された電力増幅システムを含む。電力増幅システムは複数のカスコード増幅器セクションを含む。複数のカスコード増幅器セクションの各一つは第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。電力増幅システムは複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントを含む。複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの各一つは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能である。電力増幅システムは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能なベース共通バイアスコンポーネントを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、RFモジュールはフロントエンドモジュール(FEM)とすることができる。
【0016】
いくつかの実装において、本開示は、無線周波数(RF)信号を発生させるべく構成された送受信器を含む無線デバイスに関する。無線デバイスは、送受信器と通信するフロントエンドモジュール(FEM)を含む。FEMは、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含む。FEMはさらに、パッケージング基板に実装された電力増幅システムを含む。電力増幅システムは複数のカスコード増幅器セクションを含む。複数のカスコード増幅器セクションの各一つは、第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。電力増幅システムは複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントを含む。複数のエミッタ共通バイアスコンポーネントの各一つは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能である。電力増幅システムは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタにバイアスをかけるべく制御可能なベース共通バイアスコンポーネントを含む。無線デバイスは、FEMと通信するアンテナを含む。アンテナは、RF信号の増幅されたバージョンを送信するべく構成される。
【0017】
本開示を要約する目的で本発明の一定の側面、利点及び新規な特徴がここに記載された。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一の利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成する必要なしに、達成又は最適化する態様で具体化又は実施をすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここに与えられる見出しは、たとえあったとしても、便宜のみのためであって、必ずしも請求項に係る発明の範囲又は意味に影響するわけではない。
【0020】
図1を参照すると、本開示の一以上の特徴は一般に、増幅システム52を有する無線システム又はアーキテクチャ50に関する。いくつかの実施形態において、増幅システム52は、一以上のデバイスとして実装することができる。かかるデバイスは、無線システム/アーキテクチャ50において利用可能である。いくつかの実施形態において、無線システム/アーキテクチャ50は例えば、携帯型無線デバイスに実装することができる。かかる無線デバイスの例がここに記載される。
【0021】
図2は、
図1の増幅システム52が典型的に、一以上電力増幅器(PA)を有する無線周波数(RF)増幅器アセンブリ54を含むことを示す。
図2の例において、3つのPA60a〜60cが、RF増幅器アセンブリ54を形成するように描かれる。理解されることだが、他の数のPA(複数可)も実装することができる。またも理解されることだが、本開示の一以上の特徴は、他のタイプのRF増幅器を有するRF増幅器アセンブリに実装することもできる。
【0022】
いくつかの実施形態において、RF増幅器アセンブリ54は一以上の半導体ダイに実装することができる。かかるダイは、電力増幅器モジュール(PAM)又はフロントエンドモジュール(FEM)のようなパッケージモジュールに含めることができる。かかるパッケージモジュールは典型的に、例えば携帯型無線デバイスに関連付けられた回路基板に搭載される。
【0023】
増幅システム52におけるPA(例えば60a〜60c)は典型的に、バイアスシステム56によってバイアスがかけられる。さらに、PAのための供給電圧は典型的に、供給システム58によって与えることができる。いくつかの実施形態において、バイアスシステム56及び供給システム58のいずれか又は双方は、RF増幅器アセンブリ54を有する上記パッケージモジュールに含めることができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、増幅システム52は整合ネットワーク62を含み得る。かかる整合ネットワークは、RF増幅器アセンブリ54のための入力整合及び/又は出力整合機能を与えるべく構成することができる。
【0025】
説明目的のため理解されることだが、
図2の各PA(60a〜60c)は、一定数の態様で実装することができる。
図3A〜3Eは、かかるPAがどのように構成され得るかについての非制限的な例を示す。
図3Aは、増幅トランジスタ64を有する代表的なPAを示す。ここで、入力RF信号(RF_in)がトランジスタ64のベースへと与えられ、増幅されたRF信号(RF_out)がトランジスタ64のコレクタを介して出力される。
【0026】
図3Bは、複数段に配列された複数の増幅トランジスタ(例えば64a、64b)を有する代表的なPAを示す。入力RF信号(RF_in)は、第1トランジスタ64aのベースへと与えられ、第1トランジスタ64aからの増幅されたRF信号は、そのコレクタを介して出力される。第1トランジスタ64aからの増幅されたRF信号は、第2トランジスタ64bのベースへと与えられ、第2トランジスタ64bからの増幅されたRF信号は、そのコレクタを介して出力され、ひいてはPAの出力RF信号(RF_out)がもたらされる。
【0027】
いくつかの実施形態において、
図3Bの上記代表的なPA構成は、
図3Cに示されるように2以上の段として描くことができる。第1段64aは例えばドライバ段として構成し、第2段64bは例えば出力段として構成することができる。
【0028】
図3Dは、いくつかの実施形態において、PAがドハティPAとして構成できることを示す。かかるドハティPAは、増幅された出力RF信号(RF_out)をもたらすように、入力RF信号(RF_in)のキャリア増幅及びピーキング増幅を与えるべく構成された増幅トランジスタ64a、64bを含み得る。入力RF信号は、分割器によりキャリア部分及びピーキング部分に分割することができる。増幅されたキャリア信号及びピーキング信号は、結合器により出力RF信号を与えるべく結合することができる。
【0029】
図3Eは、いくつかの実施形態において、PAがカスコード構成で実装できることを示す。入力RF信号(RF_in)は、エミッタ共通デバイスとして動作する第1増幅トランジスタ64aのベースに与えることができる。第1増幅トランジスタ64aの出力は、そのコレクタを介して与え、かつ、ベース共通デバイスとして動作する第2増幅トランジスタ64bのエミッタへと与えることができる。第2増幅トランジスタ64bの出力は、PAの増幅された出力RF信号(RF_out)をもたらすべく、そのコレクタを介して与えることができる。
【0030】
図3A〜3Eの様々な例において、増幅トランジスタは、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)のようなバイポーラ接合トランジスタ(BJT)として記載される。理解されることだが、本開示の一以上の特徴はまた、電界効果トランジスタ(FET)のような他のタイプのトランジスタにおいて又は当該トランジスタを使用して実装することもできる。
【0031】
図4は、いくつかの実施形態において、
図2の増幅システム52が、高電圧(HV)電力増幅システム70として実装できることを示す。かかるシステムは、複数のPAのいくつか又はすべて(例えば60a〜60c)がHV増幅動作を含むように構成されたHV電力増幅器アセンブリ54を含み得る。ここに記載されるように、かかるPAにはバイアスシステム56によってバイアスをかけることができる。いくつかの実施形態において、上記HV増幅動作は、HV供給システム58によって容易とすることができる。いくつかの実施形態において、HV電力増幅器アセンブリ54とバイアスシステム56及びHV供給システム58のいずれか又は双方との間のインタフェイス機能を与えるべく、インタフェイスシステム72を実装することができる。
【0032】
並列増幅器回路、例えば、複数の周波数帯域に対応する複数の電力増幅サブシステムは、当該回路の各信号経路に対して独立したバイアス制御を用い得る。かかるシステムは、単一モジュール内の多重増幅器をサポートするバイアス回路の重複及び多重インタフェイス線を含み得る。例えば、システムは、複数の電力増幅サブシステムセクションのそれぞれに対し、別個のバイアス電流バッファ及び制御インタフェイスを含み得る。
【0033】
ここに記載されるのは、一の共通バイアス線を共有する多重利得段と、各利得段のベース共通カスコード段にバイアスを与えるバイアス電流バッファ回路とを含む電力増幅システムである。非アクティブ増幅器(又は電力増幅サブシステムセクション)が、当該非アクティブ増幅器の対応エミッタ共通カスコード段のための基準電流を排除することによって、ベース共通カスコード段にバイアスがかけられている間であってもディセーブル(又は非イネーブル)にされる。以下にさらに詳述されるように、電力増幅システムはさらに、各増幅器において共有された増幅器セクションを隔離するRC減結合を含み得る。
【0034】
図5は、いくつかの実施形態において、電力増幅システム500が複数のカスコード増幅器セクションを含み得ることを示す。わかることだが、
図5が3つのカスコード増幅器セクションを例示するにもかかわらず、電力増幅システム500は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のカスコード増幅器セクションのような任意数のカスコード増幅器セクションを含み得る。各カスコード増幅器セクションは、第1トランジスタ552a〜552cを含むエミッタ共通段と、第2トランジスタ551a〜551cを含むベース共通段とを含む。
【0035】
各第1トランジスタ552a〜552cのベースは、RC減結合コンポーネントを介して、対応エミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520c及び対応入力整合コンポーネント530a〜530cに結合される。いくつかの実装において、各入力整合コンポーネント530a〜530cは、複数の周波数帯域のそれぞれ一つにおいて入力RF信号(又は入力信号周波数コンポーネント)を整合させるべく構成される。特に、各RC減結合コンポーネントは、第1トランジスタ552a〜552cのベースとエミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cとの間に結合された抵抗器544a〜544cを含み、さらには、第1トランジスタ552a〜552cのベースと入力整合コンポーネント530a〜530cとの間に結合されたキャパシタ545a〜545cを含む。各第1トランジスタ552a〜552cのドレインは接地電位に結合される。
【0036】
各第2トランジスタ551a〜551cのベースは、RC減結合コンポーネントを介して、共有化ベース共通バイアスコンポーネント510及び接地電位に結合される。特に、各RC減結合コンポーネントは、第2トランジスタ551a〜551cのベースとベース共通バイアスコンポーネント510との間に結合された抵抗器542a〜542cを含み、さらには、第2トランジスタ551a〜551cのベースと接地電位との間に結合されたキャパシタ543a〜543cを含む。
【0037】
各第2トランジスタ551a〜551cのコレクタは、対応するインダクタ541a〜541cを介して供給電圧(Vcc)に結合される。いくつかの実装において、供給電圧は、電池電圧(Vbatt)から引き出され、当該電池電圧よりも大きく又は小さくなり得る。供給電圧は、電力管理システム(
図9及び10に関して以下に詳述される)によって供給することができる。各第2トランジスタ551a〜551cのコレクタはさらに、対応する出力整合及びフィルタリングコンポーネント560a〜560cを介してアンテナスイッチコンポーネント570に結合される。いくつかの実装において、出力整合及びフィルタリングコンポーネント560a〜560cのそれぞれは、複数の周波数帯域のそれぞれ一つに対応する。いくつかの実装において、出力整合及びフィルタリングコンポーネント560a〜560cのそれぞれは、複数の周波数帯域のそれぞれ一つを中心とするフィルタによって出力RF信号をフィルタリングするべく構成される。
【0038】
いくつかの実装において、単一帯域送信のため、アンテナスイッチコンポーネント570は、複数の出力整合及びフィルタリングコンポーネント560a〜560cの選択された一つにおいて受信された、例えば帯域選択信号によって示される信号を、(例えばアンテナ580へと)出力するべく構成される。いくつかの実装において、多重帯域送信(例えばキャリアアグリゲーション)のため、アンテナスイッチコンポーネント570は、出力整合及びフィルタリングコンポーネント560a〜560cの複数において受信された、例えば帯域選択信号によって示される信号を、結合して(例えばアンテナ580へと)出力するべく構成される。
【0039】
エミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cのそれぞれは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタ552a〜552cにバイアスをかけるべく制御可能である。ベース共通バイアスコンポーネント510は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタ551a〜551cにバイアスをかけるべく制御可能である。それを目的として、電力増幅システム500は、エミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520c及びベース共通バイアスコンポーネント510を制御するべく構成された制御器590を含む。
【0040】
制御器590は、電力増幅システム500による増幅対象の入力信号の、一以上の周波数帯域を示す帯域選択信号(BSS)を受信する。それに応答して制御器590は、制御信号(CB1、CE1、CE2、CE3)を発生させて、一つ以上それぞれのカスコード増幅器セクションをイネーブル(かつ他のカスコード増幅器セクションを非イネーブル)にする。
【0041】
例えば、入力信号が、トランジスタ551b及び552bを含む第2カスコード増幅器セクションに対応する第2周波数帯域のみを含む(ひいてはRFin2に対応する一つの周波数コンポーネントのみを含む)ことを帯域選択信号が示す場合、制御器590は、第2トランジスタ551a〜551cのそれぞれにバイアスをかけるためのベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB1を発生させ、かつ、第1カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ552aにバイアスをかけないための、第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ552bにバイアスをかけるための、及び第3カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ552cにバイアスをかけないための、対応エミッタ共通バイアスコンポーネント制御信号CE1〜CE3を発生させる。
【0042】
第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ552bにバイアスをかけるためのエミッタ共通バイアスコンポーネント制御信号CE2の受信に応答して第2エミッタ共通バイアスコンポーネント520bは、第1バイアス信号を発生させて当該第1バイアス信号を、第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ552bのベースに与える。第1バイアス信号は、バイアス電圧又はバイアス電流とすることができる。
【0043】
第2トランジスタ551a〜551cのそれぞれにバイアスをかけるためのベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB1の受信に応答してベース共通バイアスコンポーネント510は、第2バイアス信号を発生させて当該第2バイアス信号を、第2トランジスタ551a〜551cのそれぞれのベースに与える。バイアス信号は、バイアス電圧又はバイアス電流とすることができる。
【0044】
第1バイアス信号及び第2バイアス信号は、電流源512、522a〜522cそれぞれから引き出すことができる。電流源512、522a〜522cは、電池からの電圧(Vbatt)によって電力供給され、かつ、ベース共通バイアスコンポーネント510及びエミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cそれぞれに結合される。
【0045】
いくつかの実装において、第1バイアス信号(複数可)及び第2バイアス信号は目標出力電力に基づく。目標出力電力(Pout)を示す信号は、制御器590によって受信することができ、制御信号は当該目標出力電力に基づいてバイアス信号を発生させるべく、バイアスコンポーネントを制御することができる。
【0046】
すなわち、電力増幅システム500は複数のカスコード増幅器セクションを含み、当該複数のカスコード増幅器セクションの各一つが第1トランジスタ552a〜552c(又はエミッタ共通トランジスタ)及び第2トランジスタ551a〜551c(又はベース共通トランジスタ)を含む。電力増幅システム500はさらに複数のエミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cを含み、当該エミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cの各一つが、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタ552a〜552cのベースに結合され、かつ、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタ552a〜552cにバイアスをかけるべく(例えば制御器590によって)制御可能である。電力増幅システムさらに、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタ551a〜551cのベースに結合されて当該複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタ551a〜551cにバイアスをかけるべく制御可能なベース共通バイアスコンポーネント510を含む。
【0047】
図5に示されるように、いくつかの実装において、電力増幅器システム500は、単一のベース共通バイアスコンポーネント510のみを含む。すなわち、バッファ回路の面積及び信号引き回しを、有利なことに低減することができる。さらに、ベース共通バイアス電圧がアクティブとなり得るとき、非アクティブカスコード増幅器セクションを考慮に入れても、隔離を改善することができる。
【0048】
上述のように、電力増幅システム500はさらに、複数のエミッタ共通バイアス520a〜520cコンポーネントを、帯域選択信号に基づいて制御するべく構成された制御器590を含む。例えば、制御器590は、帯域選択信号に基づいて、複数のエミッタ共通バイアスコンポーネント520a〜520cの一以上をイネーブルにして複数のカスコード増幅器セクションの一つ以上それぞれの第1トランジスタ552a〜552cのベースに対応第1バイアス信号を与えるように構成することができる。制御器はさらに、帯域選択信号に関係なく、ベース共通バイアスコンポーネント510をイネーブルにして複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタ551a〜511cのベースに第2バイアス信号を与えるように構成することができる。
【0049】
図6は、いくつかの実施形態において、電力増幅システム600が、複数の共有化ベース共通バイアスコンポーネントを有し得ることを示す。わかることだが、
図6が2つのカスコード増幅器セクションを例示するにもかかわらず、電力増幅システム600は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のカスコード増幅器セクションのような任意数のカスコード増幅器セクションを含み得る。さらに、わかることだが、
図6が各カスコード増幅器セクションを3つのトランジスタを含むように例示するにもかかわらず、各カスコード増幅器セクションが、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のトランジスタのような任意数のトランジスタを含み得る。各カスコード増幅器セクションは、第1トランジスタ652a〜652bを含むエミッタ共通段と、第2トランジスタ651a〜651b及び第3トランジスタ653a〜653bを含むベース共通段とを含む。
【0050】
第1トランジスタ652a〜652bそれぞれのベースは、RC減結合コンポーネントを介して対応エミッタ共通バイアスコンポーネント620a〜620b及び対応入力整合コンポーネント630a〜630bに結合される。特に、各RC減結合コンポーネントは、第1トランジスタ652a〜652bのベースとエミッタ共通バイアスコンポーネント620b〜620bとの間に結合された抵抗器644a〜644bを含み、さらには、第1トランジスタ652a〜652bのベースと入力整合コンポーネント630a〜630bとの間に結合されたキャパシタ645a〜645bも含む。各第1トランジスタ652a〜652bのドレインは接地電位に結合される。
【0051】
第2トランジスタ651a〜651bそれぞれのベースは、RC減結合コンポーネントを介して、第1共有化ベース共通バイアスコンポーネント610及び接地電位に結合される。特に、各RC減結合コンポーネントは、第2トランジスタ651a〜651bのベースと第1ベース共通バイアスコンポーネント610との間に結合された抵抗器642a〜642bを含み、さらには、第2トランジスタ651a〜651bのベースと接地電位との間に結合されたキャパシタ643a〜643bを含む。
【0052】
第2トランジスタ651a〜651bそれぞれのコレクタが、対応インダクタ641a〜641bを介して供給電圧(Vcc)に結合される。第2トランジスタ651a〜651bそれぞれのコレクタはさらに、対応する出力整合及びフィルタリングコンポーネント660a〜660bを介してアンテナスイッチコンポーネント670に結合される。
【0053】
各第3トランジスタ653a〜653bのベースは、RC減結合コンポーネントを介して、第2共有化ベース共通バイアスコンポーネント616及び接地電位に結合される。特に、各RC減結合コンポーネントは、第3トランジスタ653a〜653bのベースと第2ベース共通バイアスコンポーネント616との間に結合された抵抗器646a〜646bを含み、さらには、第3トランジスタ653a〜653bのベースと接地電位との間に結合されたキャパシタ647a〜647bを含む。
【0054】
エミッタ共通バイアスコンポーネント620a〜620bは、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれ一つの第1トランジスタ652a〜652bにバイアスをかけるべく制御可能である。第1ベース共通バイアスコンポーネント610は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第2トランジスタ651a〜651bにバイアスをかけるべく制御可能である。第2ベース共通バイアスコンポーネント616は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれの第3トランジスタ653a〜653bにバイアスをかけるべく制御可能である。それを目的として、電力増幅システム600は、エミッタ共通バイアスコンポーネント620a〜620b及びベース共通バイアスコンポーネント610、616を制御するべく構成された制御器690を含む。
【0055】
制御器690は、電力増幅システム600による増幅対象の入力信号の、一以上の周波数帯域を示す帯域選択信号(BSS)を受信する。それに応答して制御器690は、制御信号(CB1、CB2、CE1、CE2)を発生させて、一つ以上それぞれのカスコード増幅器セクションをイネーブル(かつ他のカスコード増幅器セクションを非イネーブル)にする。
【0056】
例えば、入力信号が、トランジスタ651b、652b及び653bを含む第2カスコード増幅器セクションに対応する第2周波数帯域のみを含む(ひいてはRFin2に対応する一つの周波数コンポーネントのみを含む)ことを帯域選択信号が示す場合、制御器690は、第2トランジスタ651a〜651bのそれぞれにバイアスをかけるための第1ベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB1と、第3トランジスタ653a〜653bのそれぞれにバイアスをかけるための第2ベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB2と、第1カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ652aにバイアスをかけないが第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ652bにはバイアスをかけるための対応エミッタ共通バイアスコンポーネント制御信号CE1〜CE2とを発生させる。
【0057】
第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ652bにバイアスをかけるためのエミッタ共通バイアスコンポーネント制御信号CE2の受信に応答して第2エミッタ共通バイアスコンポーネント620bは、第1バイアス信号を発生させて当該第1バイアス信号を、第2カスコード増幅器セクションの第1トランジスタ652bのベースに与える。第1バイアス信号は、バイアス電圧又はバイアス電流とすることができる。
【0058】
第2トランジスタ651a〜651bのそれぞれにバイアスをかけるための第1ベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB1の受信に応答して第1ベース共通バイアスコンポーネント610は、第2バイアス信号を発生させて当該第2バイアス信号を、第2トランジスタ651a〜651bのそれぞれのベースに与える。バイアス信号は、バイアス電圧又はバイアス電流とすることができる。
【0059】
第3トランジスタ653a〜653bのそれぞれにバイアスをかけるための第2ベース共通バイアスコンポーネント制御信号CB2の受信に応答して第2ベース共通バイアスコンポーネント616は、第3バイアス信号を発生させて当該第3バイアス信号を、第3トランジスタ653a〜653bのそれぞれのベースに与える。バイアス信号は、バイアス電圧又はバイアス電流とすることができる。第3バイアス信号は、第2バイアス信号とは異ならせることができる。特に、第3バイアス信号は、第2バイアス信号よりも小さくすることができる。
【0060】
第1バイアス信号、第2バイアス信号及び第3バイアス信号は、電流源612、618、622a〜622bそれぞれから引き出すことができる。電流源612、618、622a〜622bは、電池からの電圧(Vbatt)によって電力供給され、かつ、第1ベース共通バイアスコンポーネント610、第2ベース共通バイアスコンポーネント616及びエミッタ共通バイアスコンポーネント620a〜620bそれぞれに結合される。
【0061】
図7は、RF信号を処理する方法のフローチャート表現を示す。いくつかの実装において(一例として以下に記載されるように)、方法700は、少なくとも部分的には
図5の制御器590のような制御器によって行われる。いくつかの実装において、方法700は、少なくとも部分的には処理ロジックによって行うことができる。処理ロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実装において、方法700は、少なくとも部分的にはプロセッサによって行うことができる。プロセッサは、非一時的コンピュータ可読媒体(例えばメモリ)に格納されたコードを実行する。
【0062】
方法700は、ブロック710において制御器が、増幅及び送信対象の無線周波数(RF)入力信号の一以上の周波数帯域を示す帯域選択信号を受信することから始まる。
【0063】
ブロック720において、制御器は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれのベース共通段にバイアスをかける。制御器は、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれのベース共通段に結合されたベース共通バイアスコンポーネントに制御信号を送信することによって、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれのベース共通段にバイアスをかけることができる。いくつかの実装において、制御器は、目標出力電力を示す信号を受信して当該目標出力電力に基づき、複数のカスコード増幅器セクションそれぞれのベース共通段にバイアスをかける。
【0064】
ブロック730において、制御器は、カスコード増幅器セクションの部分集合のエミッタ共通段にバイアスをかける。カスコード増幅器セクションの当該部分集合は、帯域選択信号が示す一以上の周波数帯域の一つに対応する。いくつかの実装において、当該部分集合は、カスコード増幅器セクションの一つのみを含み得る。いくつかの実装において、当該部分集合は、カスコード増幅器セクションのすべてを含み得る。制御器は、カスコード増幅器セクションの部分集合のエミッタ共通段に結合された対応エミッタ共通バイアスコンポーネントに対応制御信号を送信することによって、カスコード増幅器セクションの部分集合のエミッタ共通段にバイアスをかけることができる。上述のように、いくつかの実装において、制御器は、目標出力電力を示す信号を受信して当該目標出力電力に基づき、複数のカスコード増幅器セクションの各部分集合のエミッタ共通段にバイアスをかける。
【0065】
制御器によりバイアスがかけられた複数のカスコード増幅器セクションそれぞれのベース共通段と複数のカスコード増幅器セクションの部分集合のエミッタ共通段とを使用してカスコード増幅器セクションは、入力RF信号(又はその周波数成分)を増幅して出力RF信号(又はアンテナを介して結合及び送信が可能なその周波数成分)を生成する。
【0066】
図8は、いくつかの実施形態において、電力増幅システム(例えば
図5に示されるもの)のいくつか又はすべてが一モジュールに実装できることを示す。かかるモジュールは、例えばフロントエンドモジュール(FEM)とすることができる。
図8の例において、モジュール300はパッケージング基板302を含み得る。かかるパッケージング基板には一定数のコンポーネントが搭載され得る。例えば、FE−PMICコンポーネント304、電力増幅器アセンブリ306、整合コンポーネント308及びデュプレクサアセンブリ310を、パッケージング基板302上に及び/又はパッケージング基板302内に搭載及び/又は実装することができる。電力増幅器アセンブリ306は、
図5に示されるものようなカスコードシステム307を含み得る。一定数の表面搭載技術(SMT)デバイス314及びアンテナスイッチモジュール(ASM)312のような他のコンポーネントもまた、パッケージング基板302に搭載することができる。様々なコンポーネントのすべてがパッケージング基板302上にレイアウトされるように描かれるにもかかわらず、何らかのコンポーネント(複数可)が、他のコンポーネント(複数可)の上に実装できることが理解される。
【0067】
いくつかの実装において、ここに記載される一以上の特徴を有するデバイス及び/又は回路は、無線デバイスのようなRFデバイスに含めることができる。かかるデバイス及び/又は回路は、ここに記載されるモジュラー形態で、又はその何らかの組み合わせで無線デバイスに直接実装することができる。いくつかの実施形態において、かかる無線デバイスは、例えば、セルラー電話、スマートフォン、電話機能あり又はなしのハンドヘルド無線デバイス、無線タブレット等を含み得る。
【0068】
図9は、ここに記載される一以上の有利な特徴を有する代表的な無線デバイス400を描く。ここに記載される一以上の特徴を有するモジュールの文脈において、かかるモジュールは一般に、破線枠300によって描くことができ、例えばフロントエンドモジュール(FEM)として実装することができる。
【0069】
図9を参照すると、電力増幅器(PA)420は、増幅及び送信対象のRF信号を発生させるべくかつ受信した信号を処理するべく周知の態様で構成かつ動作し得る送受信器410から対応RF信号を受信することができる。送受信器410は、ユーザに適したデータ及び/又は音声信号と送受信器410に適したRF信号との間の変換を与えるべく構成されたベース帯域サブシステム408と相互作用をするように示される。送受信器410はまた、無線デバイス400の動作のために電力を管理するべく構成された電力管理コンポーネント406と通信することもできる。かかる電力管理はまた、ベース帯域サブシステム408及びモジュール300の動作を制御することもできる。
【0070】
ベース帯域サブシステム408は、ユーザに与えられ及びユーザから受けた音声及び/又はデータの様々な入出力を容易にするべく、ユーザインタフェイス402に接続されるように示される。ベース帯域サブシステム408はまた、無線デバイスの動作を容易にし及び/又はユーザのための情報記憶を与えるデータ及び/又は命令を記憶するべく構成されたメモリ404に接続することもできる。
【0071】
代表的な無線デバイス400において、PA420の出力は、(対応整合回路422を介して)対応デュプレクサ424に整合され及び引き回されるように示される。電力増幅器420は、
図5に示されるもののようにカスコードシステム307の一部とすることができる。かかる増幅されかつフィルタリングされた信号は、送信を目的としてアンテナスイッチ414を介してアンテナ416へと引き回すことができる。いくつかの実施形態において、デュプレクサ424により、共通アンテナ(例えば416)を使用して送受信動作を同時に行うことができる。
図7において、受信された信号は、例えば低雑音増幅器(LNA)を含み得る「Rx」経路(図示せず)へと引き回されるように示される。
【0072】
一定数の他の無線デバイス構成も、ここに記載される一以上の特徴を利用することができる。例えば、無線デバイスは、多重帯域デバイスである必要はない。他例において、無線デバイスは、ダイバーシティアンテナのような付加アンテナ、並びに、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)及びGPSのような付加的な接続機能を含み得る。
【0073】
ここに記載されるように、本開示の一以上の特徴は、
図9の無線デバイスを含むもののようなシステムに実装された場合に一定数の利点を与えることができる。例えば、特徴は、バッファ回路面積、制御回路面積及び/又は複雑性、並びに信号引き回しを低減するべく実装することができる。付加的な利点は、カスコードバイアス電圧がアクティブのままカスコード増幅器セクション間の隔離を改善できるように存在し得る。
【0074】
主にカスコード増幅器セクションの文脈で上述されたにもかかわらず、本開示の一以上の特徴は、他の電力増幅システムにおいても利点を与え得る。例えば、いくつかの実装において、電力増幅システムは、(例えばドライバ段の)第1トランジスタ及び(例えば出力段の)第2トランジスタを含む複数の多段電力増幅器を含み得る。電力増幅システムは、第1トランジスタのための別個のバイアスコンポーネントと、第2トランジスタのための共有バイアスコンポーネントとを含み得る。
【0075】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び類似の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0076】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0077】
ここに与えられる本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態の要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。