特許第6139660号(P6139660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6139660-悪臭低減組成物 図000026
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139660
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】悪臭低減組成物
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20170522BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20170522BHJP
   C08L 23/04 20060101ALI20170522BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61L9/01 H
   A61L9/01 J
   A61L9/01 V
   C11B9/00 C
   C11B9/00 D
   C11B9/00 G
   C11B9/00 J
   C11B9/00 K
   C11B9/00 M
   C11B9/00 N
   C11B9/00 Q
   C11B9/00 S
   C11B9/00 T
   C11B9/00 W
   C11B9/00 Z
   C08L23/04
   C08K5/00
【請求項の数】13
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-505802(P2015-505802)
(86)(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公表番号】特表2015-520619(P2015-520619A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】US2013035219
(87)【国際公開番号】WO2013154899
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】61/622,030
(32)【優先日】2012年4月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュディス アン ホリングシェード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン アンソニー ホレンシアク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル−ヴィンセント ナリオ マランヤオン
(72)【発明者】
【氏名】フレーミンク ジャン−マリー
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−519421(JP,A)
【文献】 特表2007−524775(JP,A)
【文献】 特表2007−526353(JP,A)
【文献】 特表2004−535223(JP,A)
【文献】 特表2002−518525(JP,A)
【文献】 特表2001−521059(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/084463(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/075378(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/002640(WO,A1)
【文献】 特表2002−544151(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/084574(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/084569(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/084322(WO,A1)
【文献】 特開2008−163098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00
C11B 9/00
B01D 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
悪臭低減組成物であって、前記悪臭低減組成物の5質量%〜100質量%である香料混合物を含み、前記香料混合物が下記表で示される低香料混合物組成Bであり、
前記悪臭低減組成物の前記香料混合物以外の残部が、酸触媒、臭気マスキング剤、臭気ブロッキング剤、希釈剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される
、悪臭低減組成物。
【表1】
【請求項2】
悪臭低減組成物の0.1質量%〜1.5質量%の量の酸触媒を含有する、請求項1に記載の悪臭低減組成物。
【請求項3】
前記酸触媒が5−メチルチオフェンカルボン酸である、請求項に記載の悪臭低減組成物。
【請求項4】
前記酸触媒が、1〜7、3〜6、あるいは4〜6.5のpKaを有する、請求項に記載の悪臭低減組成物。
【請求項5】
臭気マスキング剤、臭気ブロッキング剤、希釈剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される成分を含む、請求項1に記載の悪臭低減組成物。
【請求項6】
前記悪臭低減組成物又は前記香料混合物がカプセル化される、請求項1〜のいずれか一項に記載の悪臭低減組成物。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物を含む、プラスチックフィルム。
【請求項8】
LLDPE、LDPE、HDPE、及び/又はコンポスタブルフィルムを含む、請求項に記載のプラスチックフィルム。
【請求項9】
前記プラスチックフィルム20グラム当たり0.5mg〜100mgの前記悪臭低減組成物を含む請求項に記載のプラスチックフィルム。
【請求項10】
前記悪臭低減組成物を5mg〜30mg含む、請求項に記載のプラスチックフィルム。
【請求項11】
前記悪臭低減組成物を5mg〜15mg含む、請求項に記載のプラスチックフィルム。
【請求項12】
悪臭を含む物質を、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程を含む、悪臭を抑制する方法。
【請求項13】
前記組成物と接触させる工程が、悪臭を含む前記物質を、悪臭を含む前記物質20グラム当たり1mg〜50mg、3mg〜30mg、又は5mg〜20mgの前記組成物と接触させる工程を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無香料及び低香料の悪臭低減組成物及びこれらの組成物の製造方法並びに使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無香料又は低香料製品は、香料入り商品より自然で、より控え目と考えられる場合があり、消費者に好まれる。悪臭を抑制するための無香料又は低香料製品のメーカーは、悪臭を低減するうえで悪臭低減材料又はその他の技術(例えばフィルター)に頼っている。しかしながら、アミン系悪臭(例えば、魚や尿)及び硫黄系悪臭(例えば、ニンニクや玉ねぎ)を両方とも効果的に抑制することは困難であり、また、ある製品が悪臭を著しく減じるには時間がかかることが、悪臭に対するその製品の効能に関して消費者の疑いを生じさせることもある。メーカーは、抑えることが困難なこれらの悪臭を隠し易くするために、芳香剤を添加することがしばしばある。
【0003】
米国特許出願第13/249,616号には、悪臭を抑える無香料及び低香料の悪臭低減組成物が開示されている。残念ながら、そのような組成物を製造するために使用される原料の範囲は大きく限られている。驚いたことに、本出願人は、高い蒸気圧(例えば、25℃で13.3Pa(0.1torr)より高い蒸気圧)を有する香料原材料は、単位空気量当たりの香料分子数がより大きいので、際だった匂いを発すると思われるが、高い蒸気圧を有する一部の香料原材料は、本願に記載するレベルで使用すると、匂いをほとんど又はまったく発せず、悪臭を低減するという知見を得た。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第13/249,616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無香料及び低香料の悪臭低減組成物及びこれら組成物の製造方法並びに使用方法に関する。本発明の悪臭低減組成物は、消費者製品、例えば、空気清浄組成物、洗濯洗剤、ファブリックエンハンサー、表面クリーナー、ビューティケア製品、ディッシュケア製品、おむつ、女性保護用品、及びごみ袋用プラスチックフィルムでの使用を含む様々な用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な酸触媒と組み合わせたチオフェンカルボキシアルデヒドによるブタンチオール低減の様子を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願で使用する「消費者製品」という用語は、販売された形で使用され、消費されることを意図し、販売後商業的製造又は改変を行うことを意図しないベビーケア、ビューティケア、ファブリックケア及びホームケア、家族ケア、女性ケア、ヘルスケア、スナック及び/又は飲料製品、又は用品を意味する。このような製品としては、非限定例として、下記の製品が含まれる:おむつ、胸当て、ハンカチ;脱色、カラーリング、染色、コンディショニング、洗髪、整髪を含む毛(人間、犬、及び/又は猫の)の手入れに関連する製品及び/又は方法;脱臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;消費者向けのクリーム剤、ローション剤、及びその他の局所塗布用製品の使用を含むスキンケア製品;及びシェービング用品;下記を含むファブリックケア及びホームケアの分野におけるファブリック、硬表面、及びその他の表面の手入れに関連する製品及び/又は方法:エアケア、カーケア、食器洗い、洗浄力剤、ファブリックコンディショニング(柔軟剤を含む)、洗濯用洗浄力剤、洗濯添加剤及びすすぎ添加剤及び/又はケア剤、硬表面洗浄及び/又は処理、及び消費者又は業務用のその他の洗浄;トイレットペーパー、化粧紙、ペーパーハンカチ、及び/又はペーパータオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;練り歯磨き、歯ジェル、歯用リンス剤、入れ歯安定剤、歯のホワイトニング剤を含む口腔ケアに関連する製品及び/又は方法;咳止め及びかぜ薬、鎮痛剤、RX調剤、ペットの健康及び栄養用品、及び浄水を含む店頭販売のヘルスケア製品;主として通常の食事間の消費用又は食事の付け合わせとしての加工食品(非限定例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップ、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップ、シリアルバー、野菜チップ又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップ、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレットスナック、押出スナック、及びベーグルチップが含まれる);及びコーヒー。
【0008】
本願で使用する「有エネルギー源型システム」とは、バッテリー又は壁の電気コンセントのような電気的エネルギー源及び/又は力学的エネルギー源を用いて悪臭低減組成物を放出するように動作するシステムを意味する。このような装置の例としては、液体電気プラグ接続型空気清浄装置があるが、これに限定されない。
【0009】
本願で使用する「悪臭」とは、排便にともなう複合臭のようなほとんどの人々にとって一般に不快であるか不愉快である化合物を意味する。
【0010】
本願で使用する「中和する」又は「中和」とは、化合物又は製品が悪臭化合物を低減するか又は除去する能力を意味する。悪臭中和は部分的なものである場合があり、与えられた状況において特定の悪臭化合物のみに作用するか又は悪臭化合物の一部のみにしか作用しないものでありうる。悪臭化合物は、新しい化学物質を生じる化学反応、金属イオン封鎖、キレート化、会合、又は悪臭化合物をそれほど悪臭が強くないか又は無悪臭にする他の相互作用によって中和されうる。臭気マスキング又は臭気ブロッキングは、悪臭化合物の状態に中和に相当する変化がない、悪臭を知覚する能力の変化であるのに対して、中和は、悪臭化合物の変化があるという点で、臭気マスキングや臭気ブロッキングと区別することができる。悪臭中和は、感覚的で分析測定(例えばガスクロマトグラフによる)が可能な悪臭低減法を与えるものである。したがって、ある悪臭低減組成物が真の悪臭中和をもたらすならば、その組成物は気相及び/又は液相における悪臭を低減すると考えられる。
【0011】
本願で使用する用語「無エネルギー源型システム」とは、目的とする有効成分を受動的に、又は電気エネルギー源の必要なしに放出するシステムを意味する。携帯型のエアゾール噴霧器及び従来のトリガー/ポンプ噴霧器は無エネルギー源型システムとみなされる。
【0012】
本願で使用する用語「臭気ブロッキング」は、人間の嗅覚を鈍くすることができる化合物の能力を意味する。
【0013】
本願で使用する用語「臭気マスキング」は、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される、不快でない、又は心地よい匂いを有する化合物の能力を意味する。臭気マスキングは、予期される悪臭と協調することで臭気化合物の組み合わせによって与えられる全体的な匂いの知覚を変化させる化合物の選択をともなう場合がある。
【0014】
本願で使用する用語「a」、「an」、及び「the」は、「1つ又はそれ以上」を意味する。
【0015】
本願で使用する、用語「include」、「includes」、及び「including」は、非限定であることを意味する。
【0016】
別途明記する場合を除き、すべての成分又は組成物の濃度は、それらの成分又は組成物の有効成分についての濃度であり、そのような成分又は組成物の市販の原料物質中に含まれうる不純物、例えば、残留溶媒、副生成物は除外する。
【0017】
別途明示する場合を除き、パーセント及び比はすべて、重量パーセント、重量比とする。別途明示する場合を除き、パーセント及び比はすべて、組成物全量に基づいて計算する。
【0018】
本明細書全体を通して記載されるすべての最大の数値限定は、それよりも小さいすべての数値限定を、そのようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているものと同様にして包含するものと理解するべきである。本明細書全体を通して記載されるすべての最小数値限定は、それより大きいすべての数値限定を、そのようなより大きい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているものと同様にして包含する。本明細書全体を通して記載されるすべての数値範囲は、それより狭いすべての数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべてあたかも本明細書に明示的に記載されているものと同様にして包含する。
【0019】
悪臭低減組成物
本発明は、無香料及び低香料の悪臭低減組成物及びこれら組成物の製造方法並びに使用方法に関する。本発明の無香料及び低香料悪臭低減組成物は、ほぼ匂いがない香料混合物を含有する。したがって、このような本発明の組成物は、単に悪臭をマスキングするだけでなく、悪臭中和及び臭気ブロッキング技術によって悪臭を低減する。組成物の知覚可能な芳香強度及び悪臭の有効性は、本願で概説する試験を用いて定量することができる。
【0020】
本発明の悪臭低減組成物は、硫黄系悪臭を中和することができる有効量の酸触媒を含有するものがある。一部の緩酸は、液相及び気相におけるチオールとアルデヒドの反応性に影響を及ぼすという知見が得られている。チオールとアルデヒドとの反応は、ヘミチオアセタール及びチオアセタール生成経路のメカニズムに従う触媒反応であることが明らかにされている。本発明の悪臭低減組成物が酸触媒を含有しており、硫黄系悪臭と接触する場合、揮発性のアルデヒドがチオールと反応する。この反応は、チオールアセタール化合物を生成し、これにより硫黄系悪臭を中和する可能性がある。酸触媒がないと、ヘミチオ−ルアセタールのみが生成する。
【0021】
有効量のパルミチン酸メチル、ファルネソール、ベチバーアセテート、ウンデシレンアルデヒド、酢酸テルピニル、メチルイソオイゲノール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、パッチワン、及び場合により、ベンゾフェノン、酸化ジフェニル、メロゾーン、酢酸イソノニル、セドリルメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む香料混合物からなる悪臭低減組成物が提供され、場合によりカプセル化された前記悪臭低減組成物又は場合により香料混合物が開示される。本願において、前記悪臭低減組成物を「悪臭低減組成物1」に指定する。
【0022】
一態様において、前記悪臭低減組成物の香料混合物の含有量は、悪臭低減組成物の重量パーセントで、最大100%、又は約5%〜約100%、又は約10%〜約100%、又は約30%〜約100%、又は約50%〜約100%、又は約70%〜約100%、又は約80%〜約100%、又は、悪臭低減組成物の重量パーセントで、約0.001%〜約5%、又は約0.001%〜約2%、又は約0.001%〜約0.5%、又は約0.001%〜約0.3%、又は約0.001%〜約0.1%、又は約0.001%である。
【0023】
一態様において、前記悪臭低減組成物は、セドリルメチルエーテル、フロルヒドラル(florhydral)、ヘリオナール(helional)、バートフィクスクール(vertofix couer)及びこれらの混合物を含有する。
【0024】
一態様において、前記悪臭低減組成物の香料混合物は、フローラルスーパー(floral super)、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、デシルアルデヒド、リグストラル(Ligustral)、リラール(Lyral)、メロナール(Melonal)、o−アニスアルデヒド、P.T.ブシナール(P.T.Bucinal)、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランス,トランス−2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのアルデヒドを含有する。
【0025】
一態様において、前記悪臭低減組成物の香料混合物は、約5%〜約100%、約8%〜約70%、約10%〜約50%、又は約12%〜約30%のベンゾフェノン、パルミチン酸メチル、ファルネソール、ベチバーアセテート、及びウンデシレンアルデヒドを含有する。
【0026】
一態様において、前記悪臭低減組成物の香料混合物は、アコードA、アコードB、アコードC及びその混合物からなる群から選択されるアルデヒド混合物を含有する。それらのアコードは以下に示すとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
アコードA、B、又はCは、悪臭低減組成物の香料混合物で、例えば、本願明細書の表1〜7に概要を示す香料混合物に、香料混合物の重量パーセントで約5%〜約50%、又は約5%〜約40%、又は約5%〜約30%、又は約5%〜約20%、又は約5%〜約10%を配合することができる。
【0031】
一態様において、前記悪臭低減組成物の香料混合物は、前記香料混合物の重量パーセントで、約1%〜約10%のアコードAを含有する。
【0032】
一態様において、前記悪臭低減組成物は、悪臭低減組成物の全重量に基づいて、約0.05%〜約5%、又は0.1%〜約1.5%、又は約0.1%〜約1.0%、又は約0.1%〜約0.5%、又は約0.1%〜約0.4%、又は約0.4%〜約1.5%、又は約0.4%の酸触媒を含有する。
【0033】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は弱酸であってもよい。弱酸は、弱酸の解離の平衡定数である酸解離定数Kaによって特徴付けられ、Kaの負の常用対数に等しい値をpKaで表す。
【0034】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は、25℃で測定して、約0.133Pa〜約5066Pa(約0.001torr〜約38torr)、又は約0.133Pa〜約1867Pa(約0.001torr〜約14torr)又は、約1.33Pa〜約26.67Pa(約0.01torr〜約2torr)、約0.133Pa〜約133Pa(約0.001torr〜約1torr)、又は約0.133Pa〜約2.67Pa(約0.001torr〜約0.020torr)、又は約0.67Pa〜約2.67Pa(約0.005torr〜約0.020torr)、又は約1.33Pa〜約2.67Pa(約0.010torr〜約0.020torr)の蒸気圧を有する。
【0035】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は、カルボン酸である。
【0036】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は、5−メチルチオフェンカルボン酸である。
【0037】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は、約1〜約7、約3〜約6、約4〜約6.5、約4.0〜約6.0、約4.3〜約5.7、約4.5〜約5、又は約4.7〜約4.9のpKaを有する。
【0038】
一態様において、前記悪臭低減組成物の酸触媒は、ギ酸、酢酸、トリメチル酢酸、フェノール(気相でアルカリ性なるもに液相で酸性)、チグリン酸、カプリル酸、5−メチルチオフェンカルボン酸、コハク酸、安息香酸、及び/又はメシチレン酸から選択することができる。
【0039】
一態様において、酸触媒は、中性の匂いをもたらすものを選択することが望ましい場合がある。このような酸触媒は、約25℃で測定して、約0.133Pa〜約2.67Pa(約0.001torr〜約0.020torr)、又は約0.67Pa〜約2.67Pa(約0.005torr〜約0.020torr)、又は約1.33Pa〜約2.67Pa)(約0.010torr〜約0.020torr)の蒸気圧を持ってもよい。そのような酸触媒の非限定例としては、コハク酸及び安息香酸が挙げられる。
【0040】
酢酸系では、本発明の悪臭低減組成物は、酢酸約0.4%(50:50チオフェンカルボキシアルデヒド(TC):ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)の0.4%酢酸)を含んでもよい。データを次表に記載する。
【0041】
【表4】
【0042】
酸触媒がアルデヒドと共に存在する場合、酸触媒は、アルデヒド自体の悪臭低減効果と比較して、悪臭に対するアルデヒドの効果を高めることが可能である。例えば、1%のアルデヒドと1.5%の安息香酸は、アルデヒドが単独で5%の組成以上の悪臭除去効果がある。
【0043】
水溶液として配合した場合、本発明の悪臭低減組成物は、約3〜約8、又は約4〜約7、又は約4〜約6のpHを有することができる。
【0044】
一態様において、前記悪臭低減組成物は、臭気マスキング剤、臭気ブロッキング剤、希釈剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される成分を含有する。
【0045】
スティラックスクール(styrax coeur)と、酢酸テルピニル、メチルイソオイゲノール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、パッチワン、及びこれらの混合物からなる群から選択される有効量の少なくとも1つの香料素材と、を含有する香料混合からなる悪臭低減組成物が開示され、場合により、前記悪臭低減組成物又は香料混合物はカプセル化することができる。この悪臭低減組成物を「悪臭低減組成物2」に指定する。
【0046】
香料混合物の重量パーセントで、約5%〜約100%、約8%〜約70%、約10%〜約50%、又は約12%〜約30%の酢酸テルピニル、メチルイソオイゲノール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、及びパッチワンからなる群から選択される少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの香料素材を含有する香料混合物からなる悪臭低減組成物が開示され、場合により、これらの悪臭低減組成物又は香料混合物はカプセル化することができる。この悪臭低減組成物を「悪臭低減組成物3」に指定する。
【0047】
一態様において、悪臭低減組成物の香料混合物は、セドリルメチルエーテル、フロルヒドラル、ヘリオナール、ウンデシレンアルデヒド、ベチバーアセテート、バートフィクスクール、及びこれらの混合物を含有する。
【0048】
その他の香料素材
本発明で使用することが可能なその他の香料素材としては、ベンゾフェノン、パルミチン酸メチル、ファルネソール、ベチバーアセテート、セドリルメチルエーテル、バートフィクスクール(メチルセドリロン)、及びこれらの混合物が含まれる。また、好適な香料素材としては、ヘリオナール(α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド)、フロルヒドラル(Florhydral)、ウンデシレンアルデヒド、アドキサル(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール)、ブルゲオナール(4−t−ブチルベンゼンプロピオンアルデヒド)、サイマール、フロルヒドラル(3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド)、シトロネラール(3,7−ジメチル6−オクテナール)、フローラルオゾン(パラ−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド)、フローラルスーパー、ピーノアセトアルデヒド(Pino Acetaldehyde)、スティラックスクールを挙げることができる。
【0049】
また、好適な香料素材としては、非限定例として、リレストラリス(Lilestralis)33(2−メチル−4−t−ブチルフェニル)プロパナール、ケイ皮アルデヒド、シンナムアルデヒド(フェニルプロペナ−ル、3−フェニル−2−プロペナ−ル)、シトラール、ゲラニアール、ネラール(ジメチルオクタジエナール、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール)、シクラールC(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド)、シクラメンアルデヒド、シクロサル(Cyclosal)、ライムアルデヒド(α−メチル−p−イソプロピルフェニルプロピルアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、アルデヒドC12 MNA(2−メチル−1−ウンデカナール)、ヒドロキシシトロネラ−ル(Hydroxycitronellal)、シトロネラール水和物(7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、ヒドロシンナムアルデヒド(3−フェニルプロパナール、3−フェニルプロピオンアルデヒド)、インタレーベンアルデヒド(ウンデカ−10−エン−1−アール)、リグストラル(Ligustral)、トリベルタール(Trivertal)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、ジャスモランジ(Jasmorange)、サティンアルデヒド(satinaldehyde)(2−メチル−3−トリプロピオンアルデヒド、4−ジメチルベンゼンプロパナール)、リラール(Lyral)(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、メロナール(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、メトキシメロナール(Metoxy Melonal)(6−メトキシ−2,6−ジメチルヘプタナール、メトキシシンナムアルデヒド(methoxycinnamaldehyde)(トランス−4−メトキシシンナムアルデヒド)、ミラックアルデヒド(Mirac aldehyde)イソヘキセニルシクロヘキセニル−カルボキシアルデヒド、トリファーナル(trifernal)((3−メチル−4−フェニルプロパナール、3−フェニルブタナール、リリアル(lilial)、P.T.ブシナール(P.T.Bucinal)、リスメラール(lysmeral)、ベンゼンプロパナール(4−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド)、デュピカル(Dupical)、トリシクロデシリデンブタナール(4−トリクロロ5210−2,6デシリデン−8ブタナール)(4-Tricyclo5210-2,6decylidene-8butanal)、メラフルール(Melafleur)(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフタルデヒド(naphthaldehyde)、メチルオクチルアセトアルデヒド、アルデヒドC−11 MOA(2−メチルデカ−1−アール)、オニシダル(Onicidal)(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、ミューゲアルデヒド50(3,7−ジメチル−6−オクテニル)オキシアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、メフラナール(Mefranal)(3−メチル−5−フェニルペンタナール)、トリプラ−ル(Triplal)、バートシトラール(Vertocitral)ジメチルテトラヒドロベンゼンアルデヒド(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、2−フェニルプロピオンアルデヒド、ヒドロトロパルデヒド(Hydrotropaldehyde)、カントキサル(Canthoxal)、アニシルプロパナール(anisylpropanal)4−メトキシ−α−メチルベンゼンプロパナール(2−アニシリデンプロパナール)、シクレモンA(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8、8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド)、及びプレシクレモン(Precylcemone)B(1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)を含む揮発性アルデヒド又は反応性アルデヒドを挙げることができる。
【0050】
また、好適なアルデヒドとしては、アセトアルデヒド(エタナール)、ペンタナール、バレルアルデヒド、アミルアルデヒド(amylaldehyde)、センテナール(オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、シクロシトラール(Cyclocitral)、β−シクロシトラール(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド)、イソシクロシトラール(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド(3−メチルブチルアルデヒド)、メチルブチルアルデヒド(2−メチルブチルアルデヒド、2−メチルブタナール)、ジヒドロシトロネラール(Dihydrocitronellal)(3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、2−エチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、2−メチルペンタナール、2−メチルバレルアルデヒド、ヘキセナール(2−ヘキセナール、トランス−2−ヘキセナール)、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、トリデカナール、2−ドデカナール、メチルチオブタナール、グルタルアルデヒド、ペンタンジアール(Pentanedial)、グルタルアルデヒド、ヘプテナール、シス又はトランス−ヘプテナール、ウンデセナール(2−、10−)、2,4−オクタジエナール、ノネナール(2−、6−)、デセナール(2−、4−)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,6−ノナジエナール、オクテナール、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、トリファーナル(Trifernal)、β−メチルベンゼンプロパナール、2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド、フェニルブテナール(2−フェニル2−ブテナール)、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド(4−メチルフェニルアセトアルデヒド)、アニスアルデヒド(p−メトキシベンゼンアルデヒド)、ベンズアルデヒド、ベルンアルデヒド(Vernaldehyde)(1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルバルデヒド)、)ヘリオトロピン(ピペロナール)3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、2−ペンチル−3−フェニルプロペンアルデヒド、バニリン(4−メトキシ3−ヒドロキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3−エトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ジャスモナル(Jasmonal)H(α−n−ヘキシル−シンナムアルデヒド)、アカレア(Acalea)(p−メチル−α−ペンチルシンナムアルデヒド)、メチルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド(2−メチル3−フェニルプロペナ−ル)、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(2−ヘキシル3−フェニルプロペナ−ル)、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)、4−エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド(4−イソプロピルベンズアルデヒド)、エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、ベラトルムアルデヒド(Veratraldehyde)(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、シリンガアルデヒド(syringaldehyde(3,5−ジメトキシ4−ヒドロキシベンズアルヒド)、カテックアルデヒド(Catechaldehyde)(3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド)、サフラナール(2,6,6−トリメチル−1,3ージエンメタナール)、ミルテナール(Myrtenal)(ピン−2−エン−1−カルバルデヒド)、ペリラアルデヒド(Perillaldehyde)L−4(1−メチルエテニル)−1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2−メチル−2−ペンテナール、2−メチルペンテナール、ピルブアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、マンダリンアルデヒド、サイクルマックス(Cyclemax)、コーアイリス(Corps Iris)、マシール(Maceal)、及びコー(Corps)4322を挙げることができる。
【0051】
一部の実施形態においては、悪臭低減組成物は速反応性アルデヒドを含有する。「速反応性アルデヒド」とは、(1)アミン臭を40秒より短時間で20%以上低減するか、又は、(2)チオール臭を30分より短時間で20%以上低減するアルデヒドを意味する。速反応性アルデヒドは、「分析試験−アミン系及び硫黄系悪臭に対するアルデヒドの効果」という見出しで本願中に概説した例に記載する方法によって確認することができる。
【0052】
表1は、本発明の悪臭低減組成物に好適な香料混合物の一実施形態を示す。
【0053】
【表5】
【0054】
表2 & 3は、本発明の悪臭低減組成物に好適な香料混合物の他の実施形態を示す。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
表4はやはり、本発明の悪臭低減組成物に好適な香料混合物の他の実施形態を示す。
【0058】
【表8】
【0059】
表5はやはり、エアゾール系悪臭低減組成物に好適な香料混合物の他の実施形態を示す。
【0060】
【表9】
【0061】
表6は、無エネルギー源型膜式エアフレッシュナー、例えばFebreze(登録商標)Set & Refresh(商標)エアフレッシュナー)用として好適な香料混合物のもう一つの実施形態を示す。
【0062】
【表10】
【0063】
表7は、液体電気プラグ接続型エアフレッシュナー(例えばFebreze(登録商標)Noticeables(商標)エアフレッシュナー)用として好適な香料混合物のもう一つの実施形態を示す。
【0064】
【表11】
【0065】
一部の実施形態において、悪臭低減組成物には、表1〜7に明示する香料素材の混合物、並びに2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、デシルアルデヒド、リグストラル(Ligustral)、リラール(Lyral)、メロナール、o−アニスアルデヒド、P.T.ブシナール(P.T.Bucinal)、チオフェンカルボキシアルデヒド(TC)、トランス−4−デセナール、トランス、トランス−2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される2つ以上のアルデヒドの混合物が含まれる。
【0066】
揮発性が悪臭の中和にとって重要ではない一部の実施形態においては、本発明は、ポリアルデヒド、例えば、ジアルデヒド、トリアルデヒド、テトラアルデヒドを含むことができる。このような実施形態は、リーブオン、スルー・ザ・ウォッシュ、及びリンスオフ型の利用のための洗濯洗剤、添加剤などを含みうる。
【0067】
カプセル剤の製造プロセス
好適な悪臭低減組成物カプセル剤の製造については、例えば縮合プロセス、並びにそのようなカプセル剤の好適なシェル材に関して、米国特許第6,869,923 B1号、及び米国特許出願公開公報第2005/0276831 A1号及び第2007/020263 A1号に製造方法が記載されている。このようなシェル材には、アクリル酸樹脂、アクリル樹脂、メラミンホルムアルデヒド材のようなアミノプラスト樹脂材、及びこれらの組み合わせが含まれる。本願で開示するプロセスで使用する好適な装置としては、連続攪拌槽反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウシャー(bloughshear)ミキサー、リボンブレンダ、及びいずれもバッチ式の垂直軸造粒機及びドラムミキサー、また、利用可能な場合、連続工程構成における、噴霧乾燥器、及び押出機を挙げることができる。このような装置は、ロディゲ社(Lodige GmbH)(ドイツ、パーデルボルン)、リトルフォード・デイ社(Littleford Day, Inc.)(米国、ケンタッキー州フローレンス)、フォーベルグ社(Forberg AS)(ノルウェー、ラルヴィク)、グラット・エンジニア・テクニック社(Glatt Ingenieurtechnik GmbH)(ドイツ、ワイマール)、ニロ社(Niro)(デンマーク、セーボルグ)、ホソカワ・ビーペックス社(Hosokawa Bepex Corp.)(米国、ミネソタ州ミネアポリス)、アーデ・バリンコ社(Arde Barinco)(米国ニュージャージー州)から入手可能である。
【0068】
任意成分
悪臭低減組成物は、場合により臭気マスキング剤及び/又は希釈剤を含んでもよい。
【0069】
また、水溶液を作るには、組成物に任意量の水及び界面活性剤を含有させることができる。一部の実施形態においては、水は、悪臭低減組成物の重量パーセントで、約85%〜99.5%、又は約90%〜99.5%、又は約92%〜約99.5%、又は約95%の量を含有させることができる。また、少量の低分子量の一価アルコール、例えばエタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールのような多価アルコールを含有する水も有用でありうる。
【0070】
また、悪臭低減組成物は、本発明による無香料又は低香料香料混合物の含有率を100%とすることも可能である。
【0071】
本発明の悪臭低減組成物は、1つ以上の希釈剤と併用することができる。これらの希釈剤と併用する場合、悪臭低減組成物は、混合物をその全量として約1〜約80%、又は約5%〜約50%、又は10%〜約30%含有することができる。本発明で使用するには、芳香強度が低い希釈剤が好ましいが、これは必ずしも必要ではない。希釈剤の例としては、DBE−LVP(脂肪族エステル混合液(INVISTA製のCAS番号1119−40−0及びCAS番号627−93−0)、ジプロピレングリコールメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、酢酸イソノニル、ベンジルアルコール、フロロール、アジピン酸ジオクチル(CAS番号123−79−5)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(CAS番号25498−49−1)、ダウコーニング(Dow Corning)200(R)フルイド(Fluid)、1.5CST(r).(ダウコーニング(the Dow Corning Co.)製)、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ザイアメター(R)PMX−200シリコーンフルイド(Silicone Fluid)1.5CS(登録商標)(ダウコーニング製)、セルロース、エチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
悪臭低減組成物からなる製造品及びそのような組成物の使用方法
本発明の悪臭低減組成物は、気相及び/又は液相の悪臭を中和する種々の用途で使用することか可能である。
【0073】
本願明細書に記載した悪臭低減組成物からなるプラスチックフィルムを開示する。
【0074】
一態様において、このプラスチックフィルムは、悪臭低減組成物1、2及び/又は3からなる。
【0075】
一態様において、このプラスチックフィルムは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状LDPE(LLDPE)、高密度ポリエチレン、及び/又はコンポスタブルフィルムからなる。
【0076】
一態様において、このプラスチックフィルムは、プラスチックフィルム20グラム当たり、約0.5mg〜約100mg、約0.5mg〜約50mg、約5mg〜約30mg、約5mg〜約15mgの上記悪臭低減組成物を含有する。
【0077】
悪臭を含む物質を本願明細書に記載した悪臭低減組成物に接触させるステップを含む悪臭を抑制する方法を開示する。
【0078】
一態様において、この方法は、悪臭を含む物質を悪臭低減組成物1、2、及び/又は3に接触させるステップを含む。
【0079】
一態様において、この方法の接触させるステップは、悪臭を含む物質を、その20グラム当たり、約1mg〜約50mg、約3mg〜約30mg、又は約5mg〜20mgの上記組成物に接触させるステップからなる。
【0080】
一部の実施形態においては、本発明の悪臭低減組成物は、有エネルギー源型システムで使用することができる。
【0081】
他の実施形態においては、悪臭低減組成物は、無エネルギー源型気相システムで使用するための配合組成とすることができる。無エネルギー源型システムで使用する場合、揮発性アルデヒドの蒸気圧は、25℃で測定して、約0.133Pa〜約2666Pa(約0.001torr〜約20torr)、又は約1.33Pa〜約2666Pa(約0.01torr〜約20torr)、又は約6.67Pa〜約1333Pa(約0.05torr〜約10torr)とすることができる。無エネルギー源型気相システムの非限定例としては、商標名レンジット(Renuzit(登録商標)クリスタルエレメント(Crystal elements)で知られているもののような受動型空気清浄散布器、及びファブリックスプレー、空気清浄スプレー及び体臭消臭剤のようなエアゾルスプレーがある。
【0082】
他の実施形態においては、悪臭低減組成物は、液相システムで使用するための配合組成とすることができる。そのようなシステムで使用する場合、蒸気圧は、25℃で測定して、約0Pa〜約2666Pa(約0torr〜約20torr)、又は約0.013Pa〜約1333Pa(約0.0001torr〜約10torr)とすることができる。液相システムの非限定例としては、洗濯用洗剤及び添加剤のような液体の洗濯用製品、食器洗剤、及びボディウォッシュ、シャンプー、コンディショナーのような個人衛生用製品がある。
【0083】
また、悪臭低減組成物は、周知の方法によって周知の基材に添加又は混加することができる。好適な基材としては、織布及び不織布(例えば、紙製品用のセルロース繊維、スポンジなど)を挙げることができる。このような基材は、おむつ、乳児用おしり拭き、成人用失禁用品、生理用ナプキン及びタンポンなどの婦人衛生製品、トイレの洗浄棒、ペットフード包装、ペーパータオル、化粧紙などを製造するために使用することができる。
【0084】
また、適切な基材として、(LDPE)、(LLDPE)、(HDPE)、プラスとマー、エラストマー、エチレン酢酸ビニル、エチルメタクリレート、ポリメチルペンテンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリオレフィン異性体、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸系フィルム、ポリヒドロキシアルコール系フィルム、ポリヒドロキシ酪酸/吉草酸、ポリエステル、熱可塑性デンプン、及びこれらの組み合わせを含む市販のフィルムをも挙げることができる。これらのプラスチックフィルムは、非使い捨て式のコンポスティング容器、ごみ袋、保存用バッグなどを製造するために使用することができる。実施例1(無エネルギー源型製造品用の清浄用組成物)。
【実施例】
【0085】
実施例1(無エネルギー源製造品用の清浄用組成物)
【0086】
【表12】
*任意の香料を使用可能。
【0087】
範囲は組成物全量の重量パーセントで示す
【0088】
【表13】
【0089】
ファブリーズ・セット・アンドリフレッシュ(Febreze(登録商標)Set & Refresh(商標))無エネルギー源型エアフレッシュナーに5.5mLの上記組成物を充填する。結果的に得られるエアフレッシュナーは、芳香強度が低く、悪臭の低減に有効である。
【0090】
実施例2(有エネルギー源型製造品用の清浄用組成物)
【0091】
【表14】
*任意の香料を使用可能
【0092】
【表15】
【0093】
ファブリーズ・ノティシアブル(Febreze(登録商標)Noticeables(商標))有エネルギー源型空気清浄装置に上記組成物を充填する。結果的に得られるエアフレッシュナーは、芳香強度が低く、悪臭の低減に有効である。
【0094】
分析試験−アミン系及び硫黄系悪臭に対する揮発性アルデヒドの効果
1mLのn−ブチルアミン(アミン系の悪臭)又は1−ブタンチオール(硫黄系の悪臭)を1.2リットルのガスサンプリングバッグの中にピペットで注入することにより、悪臭標準試料を調製する。次に、このバッグに窒素を容量まで充填し、少なくとも12時間にわたって静置して、平衡状態にする。
【0095】
表7に掲げる各揮発性アルデヒド及び各アコード(A、B及びC)のそれぞれ1μLの試料を、ピペットで10mLのシラン加工ヘッドスペースバイアル中に注入する。バイアルを密封し、少なくとも12時間にわたって平衡させる。この操作を各試料について4回繰り返す(ブチルアミン分析に2回、ブタンチオール分析に2回)。
【0096】
平衡化期間後、1.5mLの標的悪臭標準試料を各10mLバイアルに注入する。チオール分析については、試料と悪臭標準試料とが入ったバイアルを30分間室温に保つ。次に、1mLヘッドスペースシリンジを用いて、250μLの各チオール悪臭試料をGC/MSのスプリット/スプリットレス注入口から注入する。アミン分析については、1mLヘッドスペースシリンジを用いて、各アミン悪臭試料500μLを直ちにGC/MSのスプリット/スプリットレス注入口から注入する。アミン分析では、GCピローを用いてランタイムを短縮する。
【0097】
次に、スタティックヘッドスペース機能を有するMPS−2オートサンプラー装置を備えた20m長、1μm膜厚のDB−5カラムを有するGC/MSを使用して試料を分析する。各全イオン電流(チオールについて56点及びアミンについて30点)上のイオン抽出によってデータを分析し、その面積を用いて各試料の悪臭基準試料からのパーセント低減率を計算する。
【0098】
表8は、一部のアルデヒドの40秒及び30分の時点におけるそれぞれアミン系及び硫黄系悪臭を中和する効果を示す。
【0099】
【表16】
【0100】
表9は、アコードA、B及びCについての40秒及び30分の時点におけるそれぞれブチルアミン及びブタンチオールのパーセント低減率を示す。
【0101】
【表17】
【0102】
分析試験−硫黄系悪臭に対する酸触媒の効果
硫黄系悪臭における酸触媒の効果を試験するために、上記分析試験を、酸触媒を含有する試料を用いて繰り返す。具体的には、以下の対照及び酸触媒試料の各々の1μLアリコートを、二通り用意した個別の10mLシラン加工ヘッドスペースバイアルにピペットで注入する。すなわち、対照としてのTC、TCと、DPM中0.04%、DPM中0.10%、DPM中0.43%、DPM中1.02%、及びDPM中2.04%の次の各酸触媒との50/50混合物、すなわち、フェノール、メシチレン酸、カプリル酸、コハク酸、ピバル酸、チグリン酸、及び安息香酸。
【0103】
図1は、低蒸気圧酸触媒が、対照と比較して最大3倍高い硫黄系悪臭低減効果をもたらすことを示している。
【0104】
分析試験−アミン系及び硫黄系悪臭に対するアルデヒド及び酸触媒の効果
本発明によるアコードA、B、及びCから選択されるアルデヒド及び表10及び11に概要を示す酸触媒を含有する試料組成を用いて、上記の分析試験を繰り返す。
【0105】
表10及び11は、わずか1%のアルデヒドと共に1.5%の酸触媒を含有する香料混合物が、アルデヒド含有率が5%の同じ香料混合物よりブチルアミン及びブタンチオールの低減効果が優れていることを示している。
【0106】
【表18】
【0107】
【表19】
【0108】
感覚試験−廃棄物硫黄系及びアミン系悪臭に対する効果、及び使われている芳香レベル
硫黄系及びアミン系のゴミ臭に対して、組成物A(表1)及び組成物B(表2)をここに記載する方法によって評価する:
【0109】
フィッシュミックス調理食(アミン系悪臭)
スターキスト(StarKist(商標))固形白ビンナガまぐろ、141.7g(5オンス)水煮缶詰を使用
【0110】
試料調製:13ガロンごみ袋
1)まぐろ缶詰を開け、中の水を流しに捨てる(缶と蓋は残す)。
2)まぐろを容器中に空ける(まぐろは5グラムだけあればよく、缶は残しておく)。
3)まぐろ缶詰の缶蓋を試料ごみ袋に入れ、5グラムのまぐろをゴミ袋内容物に加える。
4)開いたままの試料入りごみ袋をドラフト内に置いて、24時間及び/又は48時間熟成させる。
注:48時間の試料は、効果試験の2日前に調製する。
【0111】
チキンミックス調理食(硫黄系悪臭)
タイソン(Tyson)(商標)骨なし胸肉のみを使用する。肉汁を多く含むパッケージを選ぶ、通常胸肉3個入で〜454グラム(1ポンド)。
【0112】
試料調製:13ガロンごみ袋
1)鶏肉の下からおむつを取り出して、計量する:重さの目標は100グラムである。
A.おむつ重量を目標の100グラムに合わせる。
100グラムに満たない場合はパッケージから肉汁をおむつに加える。
100グラムを上回る場合は、おむつから余分の肉汁を絞り出す。
B.重量がぴったり100gmの場合は、おむつを試料ごみ袋に入れる。
2)25グラムの鶏肉を小さな塊にぶつ切りし、おむつを入れたゴミ袋に入れる。
3)開いたままの試料入りごみ袋をドラフト内に置いて、24時間及び/又は48時間熟成させる。
注:48時間の試料は、効果試験の2日前に調製する。
【0113】
試料評価手順:48時間のエイジング後
1)丈のある台所用ごみ入れ缶に、開いたままの試料入りごみ袋をその上部が缶の上部を覆うように引き伸ばして入れる。
A)ごみ混合物が十分に露出されるよう、缶内部で袋をもつれ絡ませないように注意する。
B)ごみ入れ缶の上部をアルミホイルで覆い、縁部の回りをシールする。
C)このように準備したごみ入れ缶を、評価のため、換気のよい場所に置く。
D)少なくとも15分後、評価員にアルミホイルの角を持ち上げて匂いをかぐことにより、ごみの悪臭を評価するよう指示する。
注:
1)参照対照を調製して、他の試料と同時に評価するべきである。その対照は評価員にそれと知らせるべきである試験には、さらなる対照レップを、どれがそうであるかを評価員に知らせることなく含めることができる。
2)強度等級は、表12に示す基準を用いた悪臭分級に基づく。
【0114】
【表20】
【0115】
表13は、本発明による無香料混合物又は低香料の試験用混合物は、無香料の対照と比較して、より大きな悪臭低減をもたらす一方、注目すべき点として、芳香強度は対照と等しいか、それより弱いうことをはっきり示している。
【0116】
【表21】
【0117】
感覚試験−低香料エアフレッシュナーの芳香強度及び悪臭の効力
本発明による悪臭低減組成物を無エネルギー源型膜式エアフレッシュナーで評価して、それら組成物の芳香強度及び悪臭の効力を定量した。
【0118】
芳香強度を定量するために、各試験用組成物5gを表面積約3cm2の微多孔膜(Teslin 1100HD、PPG Industries Monroville、PA)を用いて空のFebreze Set & Refresh(商標)無エネルギー源型エアフレッシュナーに入れる。試料は、確実に微多孔膜が十分に浸されるようにするために調製から24時間後に試験する。
【0119】
評価は、床面積9.29平方メートル(100平方フィート)及び天井高2.43m(8フィート)の部屋で行なう。評価室は、アルミフレーミングのガラス壁を備えた構造とする。後部壁及び天井は、非吸収性の洗浄面が得られるようアルミ複合パネルで組み立てる。室温範囲は、21℃±−16℃(70°F±3°F)に制御する。室内相対湿度は、40%RH±5%に制御する。空気は、扉近くの天井から供給し、後部壁上下部から排出する。試験時は、毎時2回の換気回数を維持する。室の中心にある天井ファンは、中速に設定する。
【0120】
試料は、パネリスト評価の1時間前に、評価室内の視界を遮蔽した試料スタンドに置く。この時間によって、試料は室内に効果的に拡散することができる。
【0121】
1時間のドウェルタイムの終了直後に、パネリストは、参加可能なパネリストの総数に応じて2〜5つのグループで室を評価する。1試験当たり4グループのパネリストがいる。パネリストは、評価室に入って評価を行う。パネリストは、室内を歩き回り、室全体の平均に基づいてスコアを付けるよう指示される。パネリストは、扉出入りによる試料間の秒差を最小限に抑えるために、室への出入りを一緒に行う。
【0122】
パネリストはそれぞれ、指定されたテストコード及び評価順序の投票用紙を受け取る。パネリストは無作為の順序で評価を行う。パネリストは、表12による0〜100のスケールに基づき室内芳香強度を評価することにより、投票用紙に記入する。スコアを表に集計し、各時間間隔毎平均の悪臭強度及び芳香強度のスコアを記録する。
【0123】
表14は、本発明及び従来技術の組成物に対するこれらの強度評価の結果をまとめたものである。本発明の組成物は、従来技術の香料組成物と比較して芳香強度がより低い。
【0124】
【表22】
*任意の香料
【0125】
悪臭低減効果を定量するために、次の手順により悪臭を生成する:
ドラフト中にプレスト(Puresto)(商標)スキレットを置き、スイッチを入れて121C°(250°F)に加熱する。スキレットに80グラムのクリスコ(Crisco)(登録商標)オイルを入れ、スキレットの蓋をする。そのまま10分間置いて平衡させる。スキレットの蓋を取り、温度計で油温を確認する。みじん切りにした市販の調製済み水中ニンニク50グラムをスキレットに入れる。スキレットの蓋をする。2.5分間、又はニンニクが茶色になり始めるが焦げ付かずに半透明になるまで火を通す。スキレットからニンニクを取り出す。3つの各シャーレにそれぞれニンニク5グラムを入れる。各シャーレにカバーを掛ける。
【0126】
試験室で悪臭低減効果を試験する。各試験室は、いずれも幅99.7cm、奥行き63.5cm、高さ×54.7cm(幅39.25インチ、奥行き25インチ、高さ21.5インチ)、容積0.34立方メートル(12.2立方フィート)である。試験室はElectroTech Systems(ペンシルバニア州グレンサイド)から購入することができる。試験室はそれぞれ、イリノイ州シカゴのNewark Electronicsから購入されたファン(Newwarkカタログ#70K9932,115 VAC,90CFM)を具備している。
【0127】
試験する試料組成物5gと共に、前述のFebreze(登録商標)Set & Refresh(商標)無エネルギー源型エアフレッシュナーを用意する。調理済みニンニクを試験室内に導入する5分前に、各無エネルギー源型エアフレッシュナーをそれぞれ個々の試験室内の小型ファンの反対側に置く。
【0128】
5グラムのニンニクが入ったカバーを掛けた各シャーレを個々の試験室内のファンの前に入れる。1つの試験室には、受動型ディスペンサ装置を入れない。シャーレの蓋を取って、70〜80の初期臭気強度等級を得るのに十分なドウェルタイム(約2分)の間内容物を露出させる。試験室内で初期臭気強度等級に達したならば、試験室からシャーレを取り出す。
【0129】
所定の時間間隔で、熟練評価員が各試験室を開き、臭気強度に関して室内の臭いをかぎ、表12の基準に基づいて悪臭強度のスコアを付ける。そのすぐ直後、熟練評価員は、芳香強度に関して同じ試験室の臭いをかぎ、やはり表12中のスケールに基づいて芳香強度のスコアを付ける。試験室の扉は、順次評価を行う評価員の間は閉じられる。スコアを表に集計し、各時間間隔平均の悪臭強度及び芳香強度のスコアを記録する。
【0130】
表12のスケールに基づいて悪臭強度を20より低くするのに必要な時間を悪臭除去時間と見なす。本発明の悪臭低減組成物は、従来技術の香料組成物と同等の悪臭除去時間を有する。
【0131】
【表23】
*任意の望ましい香料
【0132】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に明記しない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の前後の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0133】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含め、本明細書で引用するすべての文献は、明示的に除外するか、別途限定しない限り、そのすべてを参照により本明細書に援用する。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは「特許請求の範囲」に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、又はそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数若しくは複数)とのいかなる組み合わせにおいても、かかる発明を教示し、示唆し、又は開示していると認めるものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参照により援用する文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
【0134】
本発明の特定の実施形態を例示し、説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行ううる点は当業者にとっては自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそれらのような変更及び修正はすべて、特許請求の範囲に包含されるものとする。
図1