【文献】
FLANAGAN,M.E.,JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY,2010年,Vol.53,pp.8468-8484
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、Btkを阻害し、かつ異常B細胞活性化によって引き起こされる自己免疫及び炎症性疾患の処置に有用である、新規な化合物の使用に関する。
【0002】
発明の背景
プロテインキナーゼは、ヒト酵素の最も大きなファミリーのうちの1つを構成し、そしてリン酸基をタンパク質に付加することによって多くの異なるシグナル伝達プロセスを調節する(T. Hunter, Cell 1987 50:823-829)。具体的には、チロシンキナーゼは、タンパク質をチロシン残基のフェノール部分でリン酸化する。チロシンキナーゼファミリーは、細胞成長、移動及び分化を制御するメンバーを含む。異常キナーゼ活性は、癌、自己免疫及び炎症性疾患を含む、様々なヒト疾患に関与している。プロテインキナーゼは、細胞シグナル伝達の重要な調節因子の1つであるので、それらは、小分子キナーゼ阻害剤で細胞機能をモジュレートするための標的を提供し、そのために良好な薬物設計標的となる。キナーゼ介在疾患過程の処置に加えて、キナーゼ活性の選択的かつ効果的な阻害剤もまた、細胞シグナル伝達プロセスの調査及び治療上の関心対象の他の細胞標的の同定に有用である。
【0003】
B細胞が、自己免疫及び/又は炎症性疾患の病因において重要な役割を果たしているという十分な証拠がある。リツキサン(Rituxan)などのB細胞を枯渇させるタンパク質ベースの治療法は、関節リウマチなどの自己抗体によって生じる炎症性疾患に対して有効である(Rastetter et al. Annu Rev Med 2004 55:477)。したがって、B細胞活性化において役割を果たすプロテインキナーゼの阻害剤は、自己抗体産生などのB細胞介在疾患病理に対する有用な治療法であるはずである。
【0004】
B細胞受容体(BCR)を介するシグナル伝達は、成熟抗体産生細胞への増殖及び分化を含む、広範なB細胞応答を制御する。BCRは、B細胞活性に対する重要な調節点であり、そして異常なシグナル伝達は、無秩序なB細胞増殖及び病原性自己抗体の形成を引き起こし、多数の自己免疫及び/又は炎症性疾患を招く恐れがある。ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)は、膜近位のBCRのすぐ下流にある、非BCR関連キナーゼである。Btkの欠如は、BCRシグナル伝達を遮断することが示されており、したがってBtkの阻害は、B細胞介在疾患過程を遮断するための有用な治療アプローチであり得る。
【0005】
Btkは、チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、そして初期B細胞発生ならびに成熟B細胞活性化及び生存の重要な調節因子であることが示されている(Khan et al. Immunity 1995 3:283; Ellmeier et al. J. Exp. Med. 2000 192:1611)。ヒトでのBtkの突然変異は、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)状態をもたらす(Rosen et al. New Eng. J. Med. 1995 333:431 and Lindvall et al. Immunol. Rev. 2005 203:200に概説されている)。これらの患者は、免疫不全状態であり、そしてB細胞の成熟障害、免疫グロブリン及び末梢B細胞レベルの減少、T細胞非依存性免疫応答の低下ならびにBCR刺激後のカルシウム動員の減衰を示す。
【0006】
Btkの自己免疫及び炎症性疾患における役割に関する証拠も、Btk欠損マウスモデルによって提供されている。全身性エリテマトーデス(SLE)の前臨床マウスモデルにおいて、Btk欠損マウスは、疾患進行の著しい改善を示す。加えて、Btk欠損マウスは、コラーゲン誘導関節炎に耐性を示す(Jansson and Holmdahl Clin. Exp. Immunol. 1993 94:459)。選択的Btk阻害剤は、マウス関節炎モデルにおいて、用量依存的効果を実証されている(Z. Pan et al., Chem. Med Chem. 2007 2:58-61)。
【0007】
Btkはまた、疾患過程に関与し得るB細胞以外の細胞によって発現される。例えば、Btkは、肥満細胞によって発現され、そしてBtk欠損骨髄由来の肥満細胞は、抗原誘導脱顆粒障害を示す(Iwaki et al. J. Biol. Chem. 2005 280:40261)。これは、Btkが、アレルギー及び喘息などの病的肥満細胞応答を処置するために有用であり得ることを示す。また、Btk活性が欠如したXLA患者からの単球は、刺激後にTNFα産生の減少を示す(Horwood et al. J Exp Med 197:1603, 2003)。したがって、TNFα介在炎症は、小分子Btk阻害剤によってモジュレートされ得る。また、Btkは、アポトーシスにおいて役割を果たすことが報告されており(Islam and Smith Immunol. Rev. 2000 178:49)、したがってBtk阻害剤は、ある種のB細胞リンパ腫及び白血病の処置に有用であろう(Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201:1837)。
【0008】
発明の概要
本願は、本明細書において以下で記載するとおりの、式IのBtk阻害剤化合物、その使用の方法を提供する:
【0009】
本願は、式I:
【化1】
[式中、
Aは、フェニル又はピペリジニルであり;
各R
1は、独立に、ハロ、低級アルキル、CH
2NHC(=O)R
1’、CH
2N(CH
3)C(=O)R
1’、CH
2NHC(=O)CH
2NHR
1’、CH
2R
1’、又はCH
2NHR
1’であり;
nは、0、1又は2であり;
R
1’は、1個以上のR
1”で場合により置換されている、フェニル、不飽和もしくは部分的に不飽和の二環式もしくは単環式ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルであり;
各R
1”は、独立に、低級アルキル、ハロ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、オキソ、シアノ低級アルキル、ヒドロキシル低級アルキル又は低級アルコキシであり;
R
2は、H、R
3又はR
4であり;
R
3は、C(=O)OR
3’、C(=O)R
3’又はC(=O)NH(CH
2)
2R
3’であり;
R
3’は、H、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノ又はOHであり;
R
4は、1個以上のR
4’で場合により置換されている、低級アルキル又はヘテロアリールであり;そして
R
4’は、ヒドロキシル、アミノ、OC(=O)CH
2CH
3又はC(=O)OHである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0010】
本願は、式I:
【化2】
[式中、
Aは、フェニル又はピペリジニルであり;
各R
1は、独立に、ハロ、低級アルキル、CH
2NHC(=O)R
1’、CH
2N(CH
3)C(=O)R
1’、CH
2NHC(=O)CH
2NHR
1’、CH
2R
1’又はCH
2NHR
1’であり;
nは、0、1又は2であり;
R
1’は、1個以上のR
1”で場合により置換されている、フェニル、不飽和もしくは部分的に不飽和の二環式もしくは単環式ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルであり;
各R
1”は、独立に、低級アルキル、ハロ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、オキソ、シアノ低級アルキル、ヒドロキシル低級アルキル又は低級アルコキシであり;
R
2は、H、R
3又はR
4であり;
R
3は、C(=O)OR
3’、C(=O)R
3’又はC(=O)NH(CH
2)
2R
3’であり;
R
3’は、H、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノ又はOHであり;
R
4は、1個以上のR
4’で場合により置換されている、低級アルキル又はヘテロアリールであり;そして
R
4’は、メチル、ヒドロキシル、アミノ、CH
2−CH
2N(CH
3)
2、OC(=O)CH
2CH
3、CH
2C(=O)OH、CH
2CH
2OH又はC(=O)OHである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0011】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合された式Iの化合物を含む、医薬組成物を提供する。
【0013】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用するとおりの語句「1個(「a」又は「an」)」の実体は、1個以上のその実体を指す;例えば、化合物(a compound)は、1個以上の化合物又は少なくとも1個の化合物を指す。そのため、用語「a」(又は「an」)、「1個以上の」及び「少なくとも1個」は、本明細書において互換可能に使用され得る。
【0014】
語句「本明細書において先に定義したように」は、発明の概要又は最も広い請求項に与えられるような各基についての最も広い定義を指す。下記で提供される全ての他の実施態様において、各実施態様に存在することができ、かつ明確に定義されていない置換基は、発明の概要で提供された最も広い定義を保持する。
【0015】
本明細書において使用するように、請求項の移行句であるか本体部であるかを問わず、用語「含む(comprise(s))」及び「含む(comprising)」は、オープンエンド(制限のない)の意味を有すると解釈されるべきである。すなわち、これらの用語は、語句「少なくとも〜を有する」又は「少なくとも〜を含む」と同意的に解釈されるべきである。方法に関連して使用される場合、用語「含む」は、方法が、少なくとも記載された工程を含むが、追加の工程を含んでもよいことを意味する。化合物又は組成物に関連して使用される場合、用語「含む」は、化合物又は組成物が、少なくとも記載された特徴又は成分を含むが、追加の特徴又は成分を含んでもよいことを意味する。
【0016】
本明細書において使用するように、特に断りない限り、語「又は」は、「及び/又は」の「包括的」意味で使用され、「いずれか/又は」の「排他的」意味では使用されない。
【0017】
用語「独立に」は、本明細書において、同一の化合物内で、同じ又は異なる定義を有する変形(変数)の存在又は非存在に関わらず、変形(変数)が、いずれか一つの場合に適用されることを示すために使用される。したがって、R”が2回出現し、かつ「独立に炭素又は窒素」と定義される化合物においては、両方のR”が炭素であることができるか、両方のR”が窒素であることができるか、あるいは一方のR”が炭素であり、他方が窒素であることができる。
【0018】
任意の変形(変数)が、本発明において使用されるか又は特許請求される化合物を表し、そして記載している任意の部分又は式において1回より多く出現する場合、各出現のその定義は、他の全ての出現でのその定義とは無関係である。また、置換基及び/又は変形(変数)の組合せは、そのような化合物が安定した化合物をもたらす場合に限り許容される。
【0019】
結合の端部での記号「*」又は結合を貫いて引かれる「−−−−−−」は各々、官能基又は他の化学部分が、その一部である分子の残りに結合する点を指す。したがって、例えば:
【化3】
【0020】
環系中に引かれる結合(明確な頂点で連結されたものと対照的な)は、結合が適切な環原子のいずれかに結合され得ることを示す。
【0021】
本明細書において使用するとおりの用語「場合による」又は「場合により」は、続いて記載される事象又は状況が起こってもよいが起こる必要もなく、その記載は、その事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「場合により置換されている」は、場合により置換される部分が、水素原子又は置換基を組み込み得ることを意味する。
【0022】
語句「場合による結合」は、結合が存在してもよいし又は存在しなくてもよく、そしてその記載は単結合、二重結合又は三重結合を含むことを意味する。置換基が「結合」又は「非存在」であることが指定される場合、置換基に結び付けられる原子は、直接結合される。
【0023】
用語「約」は、本明細書において、ほぼ、およそ、おおまかに又は辺りを意味するために使用される。用語「約」が、数値範囲との組み合わせで使用される場合、それは記載される数値の上及び下に境界を拡張することによってその範囲を改変する。概して、用語「約」は、本明細書において、数値を、記載された数値の上及び下に20%の変動で改変するために使用される。
【0024】
式Iの特定の化合物は、互変異性を示すこともできる。互変異性化合物は、2種以上の相互転換可能な種として存在できる。プロトトロピー互変異性体は、2つの原子間における共有結合した水素原子の移動によって生じる。互変異性体は、一般に、平衡状態で存在し、そして個々の互変異性体を単離しようとすると、通常、化学的及び物理的特性が化合物の混合物と矛盾しない、混合物を生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、アセトアルデヒドなどの多くの脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優位を占める一方、フェノールでは、エノール型が優位を占める。一般的なプロトトロピー互変異性体は、ケト/エノール(−C(=O)−CH−⇔−C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH−⇔−C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH−⇔−C(−NHR)=N−)互変異性体を含む。後者2つは、ヘテロアリール及び複素環において特に一般的であり、そして本発明は、化合物の全ての互変異性型を包含する。
【0025】
本明細書において使用する技術及び科学用語は、特に定義されない限り、本発明が関連する技術における通常の知識を有する者によって、一般に理解される意味を有する。本明細書において、当業者に公知の様々な方法論及び材料が引用される。薬理学の一般的原理を説明する標準的参考文献は、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10
th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)を含む。当業者に公知の任意の適切な材料及び/又は方法は、本発明を実施する際に利用されることができる。しかしながら、好ましい材料及び方法は記載されている。以下の説明及び実施例において引用される材料、試薬等は、特に断りない限り、商業的供給源から得ることができる。
【0026】
本明細書において記載する定義は、例えば、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」等の化学的に関連する組み合わせを形成するために追加されることができる。用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語の後に接尾辞として使用される場合、これは、その他の具体的に名前を挙げた基から選択された1又は2個の置換基で置換されている、先に定義したとおりのアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1又は2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがってベンジル、フェニルエチル及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1又は2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピル等を含む。したがって、本明細書において使用するように、用語「ヒドロキシアルキル」は、以下で定義するヘテロアルキル基のサブセットを定義するために使用される。用語−(アラ)アルキルは、非置換アルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又は(het)アリールは、アリール又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
【0027】
用語「スピロシクロアルキル」は、本明細書において使用するとおり、例えば、スピロ[3.3]ヘプタンなどのスピロ環式シクロアルキル基を意味する。用語スピロヘテロシクロアルキルは、本明細書において使用するとおり、例えば、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタンなどのスピロ環式のヘテロシクロアルキルを意味する。
【0028】
本明細書において使用するとおりの用語「アシル」は、式−C(=O)R(式中、Rは、水素又は本明細書において定義したとおりの低級アルキルである)の基を示す。本明細書において使用するとおりの用語「アルキルカルボニル」は、式C(=O)R(式中、Rは、本明細書において定義したとおりのアルキルである)の基を示す。用語C
1−6アシルは、6個の炭素原子を含有する基−C(=O)Rを指す。本明細書において使用するとおりの用語「アリールカルボニル」は、式C(=O)R(式中、Rは、アリール基である)の基を意味し;本明細書において使用するとおりの用語「ベンゾイル」は、「アリールカルボニル」基(ここで、Rは、フェニルである)を意味する。
【0029】
本明細書において使用するとおりの用語「エステル」は、式−C(=O)OR(式中、Rは、本明細書において定義したとおりの低級アルキルである)の基を示す。
【0030】
本明細書において使用するとおりの用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む、非分岐又は分岐鎖の飽和一価の炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素残基を示す。本明細書において使用するとおりの「C
1−
10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを指す。アルキル基の例は、低級アルキル基を非限定的に含み、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルを含む。
【0031】
用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語の後に接尾辞として使用される場合、これは、他の具体的に名前を挙げた基から選択される1又は2個の置換基で置換されている、先に定義したとおりのアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、基R’R”−(式中、R’は、フェニル基であり、そしてR”は、本明細書において定義したとおりのアルキレン基である)を示し、フェニルアルキル部分の結合点はアルキレン基上にあるであろうと理解される。アリールアルキル基の例は、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルを非限定的に含む。用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、R’がアリール基であることを除き、同様に解釈される。用語「(het)アリールアルキル」又は「(het)アラルキル」は、R’が、場合によりアリール又はヘテロアリール基であることを除き、同様に解釈される。
【0032】
用語「ハロアルキル」又は「ハロ低級アルキル」又は「低級ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素残基(ここで、1個以上の炭素原子は、1個以上のハロゲン原子で置換されている)を指す。
【0033】
本明細書において使用するとおりの用語「アルキレン」又は「アルキレニル」は、特に断りない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖炭化水素基(例えば、(CH
2)
n)、又は2〜10個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CH
2CH(i−Pr)CH
2−)を示す。メチレンの場合を除いて、アルキレン基の空原子価は、同じ原子には結合しない。アルキレン基の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンを非限定的に含む。
【0034】
本明細書において使用するとおりの用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基(ここで、アルキルは、先に定義したとおりである)、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(これらの異性体を含む)を意味する。本明細書において使用するとおりの「低級アルコキシ」は、先に定義したとおりの「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書において使用するとおりの「C
1−
10アルコキシ」は、アルキルがC
1−10である、−O−アルキルを指す。
【0035】
用語「PCy
3」は、3つの環状部で三置換されているホスフィンを指す。
【0036】
用語「ハロアルコキシ」又は「ハロ低級アルコキシ」又は「低級ハロアルコキシ」は、1個以上の炭素原子が1個以上のハロゲン原子で置換されている、低級アルコキシ基を指す。
【0037】
本明細書において使用するとおりの用語「ヒドロキシアルキル」は、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基によって置き換えられている、本明細書において定義したとおりのアルキル基を示す。
【0038】
本明細書において使用するとおりの用語「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」は、式−S(=O)
2R(式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてアルキル及びアリールは、本明細書において定義したとおりである)の基を指す。本明細書において使用するとおりの用語「ヘテロアルキルスルホニル」は、本明細書において、式−S(=O)
2R(式中、Rは、本明細書において定義したとおりの「ヘテロアルキル」である)の基を示す。
【0039】
本明細書において使用するとおりの用語「アルキルスルホニルアミノ」及び「アリールスルホニルアミノ」は、式−NR’S(=O)
2R(式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、R’は、水素又はC
1−3アルキルであり、そしてアルキル及びアリールは、本明細書において定義したとおりである)の基を指す。
【0040】
本明細書において使用するとおりの用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環式環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを指す。本明細書において使用するとおりの「C
3−7シクロアルキル」は、炭素環式環において3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを指す。
【0041】
本明細書において使用するとおりの用語「カルボキシ−アルキル」は、1個の水素原子がカルボキシルと置き換えられている、アルキル部分を指し、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介していると理解される。用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」は、−CO
2H部分を指す。
【0042】
本明細書において使用するとおりの用語「ヘテロアリール」又は「複素環式芳香族」は、1個の環につき4〜8個の原子を含む少なくとも1個の芳香族環又は部分的不飽和環を有し、N、O又はSヘテロ原子を1個以上組み込んでおり、残りの環原子が炭素である、5〜12個の環原子の単環又は二環基を意味し、ヘテロアリール基の結合点が芳香環上又は部分的不飽和環上にあるであろうと理解される。当業者に周知のとおり、ヘテロアリール環は、全てが炭素の相対物よりも低い芳香性を有する。つまり、本発明の目的では、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香性さえあればよい。ヘテロアリール部分の例は、5〜6個の環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式芳香族複素環を含み、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ及びアリールカルボニルアミノより選択される1個以上の、好ましくは1又は2個の置換基で場合により置換されていることができる、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−[1,3]オキサゾリル、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール及びオキサジアゾリン(oxadiaxoline)を非限定的に含む。二環式部分の例は、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフチリジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジニル及びベンゾイソチアゾールを非限定的に含む。二環部分は、いずれかの環上で場合により置換されていることができるが、結合点は、ヘテロ原子を含む環上にある。
【0043】
本明細書において使用するとおりの用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」又は「複素環」は、1個以上の環ヘテロ原子(N,O又はS(O)
0−2より選択される)を組み込み、1個の環につき3〜8個の原子をもち、スピロ環系を含む、そして独立に特に断りのない限りヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ及びそれらのイオン型より選択される1個以上の、好ましくは1又は2個の置換基で場合により置換されていることができる1個以上の環、好ましくは1又は2個の環からなる、一価飽和環状基を示す。複素環式基の例は、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル及びイミダゾリニル、ならびにそれらのイオン型を非限定的に含む。例はまた、例えば、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン又はオクタヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジンなどの二環式であり得る。
【0044】
Btkの阻害剤
本願は、式I:
【化4】
[式中、
Aは、フェニル又はピペリジニルであり;
各R
1は、独立に、ハロ、低級アルキル、CH
2NHC(=O)R
1’、CH
2N(CH
3)C(=O)R
1’、CH
2NHC(=O)CH
2NHR
1’、CH
2R
1’又はCH
2NHR
1’であり;
nは、0、1又は2であり;
R
1’は、1個以上のR
1”で場合により置換されている、フェニル、不飽和もしくは部分的に不飽和の二環式もしくは単環式ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルであり;
各R
1”は、独立に、低級アルキル、ハロ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルキルヘテロシクロアルキル、オキソ、シアノ低級アルキル、ヒドロキシル低級アルキル又は低級アルコキシであり;
R
2は、H、R
3又はR
4であり;
R
3は、C(=O)OR
3’、C(=O)R
3’又はC(=O)NH(CH
2)
2R
3’であり;
R
3’は、H、低級アルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノ又はOHであり;
R
4は、1個以上のR
4’で場合により置換されている、低級アルキル又はヘテロアリールであり;そして
R
4’は、メチル、ヒドロキシル、アミノ、CH
2−CH
2N(CH
3)
2、OC(=O)CH
2CH
3、CH
2C(=O)OH、CH
2CH
2OH又はC(=O)OHである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0045】
さらに、本明細書において開示するとおりの特定の残基A、R
1、R
1`、R
1``、R
2、R
3、R
3`、R
4及びR
4`に関する全ての実施態様は、本明細書において開示するとおりの別の残基A、R
1、R
1`、R
1``、R
2、R
3、R
3`、R
4及びR
4`に関する任意の他の実施態様と組み合わせてもよいことが理解されるべきである。
【0046】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0047】
本願は、R
1がハロであり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0048】
本願は、R
1がハロである、式Iの化合物を提供する。
【0049】
本願は、R
2がHであり、そしてnが2である、式Iの化合物を提供する。
【0050】
本願は、R
2がHであり、nが2であり、そして1個のR
1がハロである、式Iの化合物を提供する。
【0051】
本願は、R
2がHであり、nが2であり、1個のR
1が低級アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0052】
本願は、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0053】
本願は、R
1がCH
2NHC(=O)CH
2NHR
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0054】
本願は、R
1がCH
2NHR
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0055】
本願は、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0056】
本願は、R
1がCH
2NHC(=O)CH
2NHR
1’であり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0057】
本願は、R
1がCH
2NHR
1’であり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0058】
本願は、nが2であり、1個のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
2がC(=O)OR
3’、C(=O)R
3’又はC(=O)NH(CH
2)
2R
3’である、式Iの化合物を提供する。
【0059】
本願は、nが2であり、1個のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
2が低級アルキル又はヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0060】
本願は、R
1’がtertブチル又はハロである、式Iの化合物を提供する。
【0061】
本願は、R
1’がtertブチル又はハロであり、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
2がHであり、そしてnが1である、式Iの化合物を提供する。
【0062】
本願は、1個のR
1がフッ素であり、そしてR
1’がtertブチルである、式Iの化合物を提供する。
【0063】
本願は、1個のR
1がフッ素であり、そしてR
1’がtertブチルであり、nが2であり、1個のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
2がC(=O)OR
3’、C(=O)R
3’又はC(=O)NH(CH
2)
2R
3’である、式Iの化合物を提供する。
【0064】
本願は、1個のR
1がフッ素であり、そしてR
1’がtertブチルであり、nが2であり、1個のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
2が低級アルキル又はヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0065】
本願は、Aがピペリジニルである、式Iの化合物を提供する。
【0066】
本願は、Aがピペリジニルであり、そしてn=1である、式Iの化合物を提供する。
【0067】
本願は、Aがピペリジニルであり、n=1、そしてR
1がCH
2NHC(=O)R
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0068】
本願は、Aがピペリジニルであり、n=、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
1`が1個以上のR
1``で場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0069】
本願は、Aがピペリジニルであり、n=、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
1`が1個以上の低級アルキルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0070】
本願は、Aがピペリジニルであり、n=、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
1`がtertブチルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0071】
本願は、Aがフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0072】
本願は、Aがフェニルであり、そしてn=1又は2である、式Iの化合物を提供する。
【0073】
本願は、Aがフェニルであり、n=1又は2、そして1個のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0074】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がハロであり、そしてR
1`が、1個以上のR
1``で場合により置換されている、フェニル、不飽和もしくは部分的に不飽和の二環式もしくは単環式ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0075】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が、1個以上のR
1``で場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0076】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がハロであり、そしてR
1`が1個以上の低級アルキル、ハロ、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0077】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がハロであり、そしてR
1`が1個以上の低級アルキル又はハロで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0078】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が1個以上の低級アルキルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0079】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がハロであり、そしてR
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0080】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0081】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4が1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0082】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4が1個以上のメチルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0083】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4がメチルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0084】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4がメチルで場合により置換されているピラゾリルである、式Iの化合物を提供する。
【0085】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そしてR
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0086】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4が1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0087】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4が1個以上のR
4`で場合により置換されているピラゾリルである、式Iの化合物を提供する。
【0088】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4が1個以上のメチルで場合により置換されているピラゾリルである、式Iの化合物を提供する。
【0089】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、R
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、R
1`が1個以上のtertブチルで場合により置換されているフェニルであり、そしてR
4がメチルで場合により置換されているピラゾリルである、式Iの化合物を提供する。
【0090】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が1個以上のハロ、低級アルキル又はシクロアルキルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0091】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が1個以上のCl、tertブチル又はシクロプロピルで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0092】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、そしてR
4=1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0093】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、そしてR
4=1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0094】
本願は、Aがフェニルであり、n=1、そしてR
4=1個以上のメチルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0095】
本願は、Aがフェニルであり、n=2、そしてR
4=1個以上のメチル
`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0096】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、そしてR
1がCH
2NHC(=O)R
1’である、式Iの化合物を提供する。
【0097】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がハロである、式Iの化合物を提供する。
【0098】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFである、式Iの化合物を提供する。
【0099】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`がフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0100】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`がフェニルであり、そしてR
1``が低級アルキル又はシクロアルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0101】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`がフェニルであり、そしてR
1``がtertブチル又はシクロプロピルである、式Iの化合物を提供する。
【0102】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`がフェニルであり、そしてR
1``がtertブチルである、式Iの化合物を提供する。
【0103】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が不飽和又は部分的に不飽和の単環式ヘテロアリール(heteraryl)である、式Iの化合物を提供する。
【0104】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、そしてR
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0105】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の単環式ヘテロアリールであり、そしてR
1``が低級アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0106】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールであり、そしてR
1``が低級アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0107】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の単環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4が1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0108】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4が1個以上のR
4`で場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0109】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の単環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4が1個以上のメチル、ヒドロキシル、アミノ、CH
2−CH
2N(CH
3)
2、OC(=O)CH
2CH
3、CH
2C(=O)OH、CH
2CH
2OH又はC(=O)OHで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0110】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4が1個以上のメチルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0111】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4がメチルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物を提供する。
【0112】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、一方のR
1がCH
2NHC(=O)R
1’であり、そして他方がFであり、R
1`が不飽和又は部分的に不飽和の二環式ヘテロアリールであり、R
1``が低級アルキルであり、そしてR
4がメチルで場合により置換されているピラゾリルである、式Iの化合物を提供する。
【0113】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、そしてn=1である、式Iの化合物を提供する。
【0114】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=1、そしてR
1がハロ又は低級アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0115】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=1、そしてR
1がCl、F又はメチルである、式Iの化合物を提供する。
【0116】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、そしてn=2である、式Iの化合物を提供する。
【0117】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、そして一方のR
1がハロであり、そして他方が低級アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0118】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、そして一方のR
1がCl又はFであり、そして他方がメチルである、式Iの化合物を提供する。
【0119】
本願は、Aがフェニルであり、R
2がHであり、n=2、そして両方のR
1がメチルである、式Iの化合物を提供する。
【0120】
本願は、以下:
4−(4−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(2−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(2,4−ジメチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(3,4−ジメチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−p−トリル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−(3−クロロ−4−メチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;
4−tert−ブチル−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド;
3−クロロ−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド;
2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−アセトアミド;
4−tert−ブチル−N−[2−フルオロ−4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド;
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−(4−((4−tert−ブチルベンズアミド)メチル)−3−フルオロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸;
4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−(6−(モルホリン−4−カルボニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)ベンズアミド;
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸ジメチルアミド;
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸メチルアミド;
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド;
4−tert−ブチル−N−{1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イルメチル}−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
4−シクロプロピル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
4−イソプロピル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−オキセタン−3−イル−ベンズアミド;
4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
6−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ニコチンアミド;
5−メチル−チオフェン−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−{6−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−ベンジル)−ベンズアミド;
4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−N−メチル−ベンズアミド;
5−メチル−チオフェン−2−カルボン酸{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−アミド;
2−tert−ブチル−5−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン;
5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−ベンズアミド;
4−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド;
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド;
3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
3−tert−ブトキシ−アゼチジン−1−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
4−tert−ブチル−N−(4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジル)−ベンズアミド;
3−tert−ブトキシ−アゼチジン−1−カルボン酸4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジルアミド;
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジルアミド;
[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル;
[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸;
N−(2−フルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
3−tert−ブチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド;
{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;及び
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
からなる群より選択される式Iの化合物を提供する。
【0121】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0122】
本願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0123】
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0124】
本願は、式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0125】
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合された式Iの化合物を含む、医薬組成物を提供する。
【0126】
本願は、炎症性障害の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0127】
本願は、自己免疫障害の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0128】
本願は、関節リウマチの処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0129】
本願は、喘息の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0130】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態の処置のための、先に記載したとおりの化合物の使用を提供する。
【0131】
本願は、関節リウマチの処置のための、先に記載したとおりの化合物の使用を提供する。
【0132】
本願は、喘息の処置のための、先に記載したとおりの化合物の使用を提供する。
【0133】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態の処置における使用のための、先に記載したとおりの化合物を提供する。
【0134】
本願は、関節リウマチの処置における使用のための、先に記載したとおりの化合物を提供する。
【0135】
本願は、喘息の処置における使用のための、先に記載したとおりの化合物を提供する。
【0136】
本願は、本明細書において記載するとおりの化合物、方法又は組成物を提供する。
【0137】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式I’のBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0138】
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式I’のBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0139】
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式I’のBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0140】
本願は、B細胞増殖を阻害する方法であって、それを必要する患者に治療有効量の式I’のBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0141】
本願は、式I’のいずれか1つのBtk阻害剤化合物を投与することを含む、Btk活性を阻害するための方法を提供し、ここで、Btk阻害剤化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて50マイクロモル以下のIC
50を示す。
【0142】
上記方法の一変形において、Btk阻害剤化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて100ナノモル以下のIC
50を示す。
【0143】
上記方法の別の変形において、化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて、10ナノモル以下のIC
50を示す。
【0144】
本願は、炎症状態を処置するための方法であって、それを必要する患者に式I’のBtk阻害剤化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症性化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
【0145】
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要する患者に式I’のBtk阻害剤化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症性化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
【0146】
本願は、必要する患者に治療有効量の式I’のBtk阻害剤化合物を投与することによって、リンパ腫又はBCR−ABL1
+白血病細胞を処置するための方法を提供する。
【0147】
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合された式I’のBtk阻害剤化合物を含む、医薬組成物を提供する。
【0148】
本願は、炎症性障害の処置のための医薬の製造における、式I’の化合物の使用を提供する。
【0149】
本願は、自己免疫障害の処置のための医薬の製造における、式I’の化合物の使用を提供する。
【0150】
本願は、本明細書において記載するとおりの化合物、方法又は組成物を提供する。
【0151】
化合物及び調製
本発明に包含され、そして本発明の範囲に入る代表的な化合物の実施例が、以下の表に提供される。下記のこれらの実施例及び調製例は、当業者が本発明をより明確に理解し、そして実施することを可能にするために提供される。これらは、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の例示及び代表例であると見なされるべきである。
【0152】
一般に、本出願に使用される命名法は、IUPAC系統的命名法の作成のためのBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOMTM v.4.0に基づく。図示された構造とその構造に与えられた名称との間に相違がある場合、図示された構造がより重視される。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太字又は点線によって示されていない場合、その構造又は構造の一部は、その立体異性体の全てを包含すると解釈されるべきである。
【0153】
表Iは、一般式Iによる化合物の例を示す:
【表1】
【0154】
一般合成スキーム
本発明の化合物は、当技術分野において公知の方法によって調製されてもよい。これらの化合物を合成するための適切な方法は、実施例で提供される。一般に、本発明の化合物は、以下に記載する合成経路(スキーム1〜5)のうちの1つに従って調製されてもよい。出発物質は、市販されているか、あるいは当業者に公知の方法によって合成され得るかのいずれかである。
【0155】
【化5】
【0156】
Xがフッ素、水素又はメチルのいずれかであり、そしてRが式Iの種類に関して先に記載したとおりである、式5及び6の目的の化合物を、スキーム1に従って調製することができる。市販されている4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン1から出発して、ボロン酸エステル2との鈴木アリール−アリールカップリング反応が、誘導体3を提供する。鈴木アリール−アリールカップリングのための条件は、Modern Arene Chemistry 2002, 53-106に概説されている。この反応を実施する際に、鈴木反応で慣行の条件のいずれも、利用することができる。一般に、鈴木カップリング反応は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))などの遷移金属触媒、ジメトキシエタンなどの従来の有機溶媒、及び炭酸カリウムなどの弱無機塩基の存在下で実施される。反応を、従来型加熱を使用する場合、室温〜約100℃の間の温度で、1時間〜数時間の間の反応時間で実施する。反応を、マイクロ波照射によって達成することもでき、これは通常、より高い温度(例えば、160℃)であるが、より短い時間(5〜60分間)で実施される。反応の間に、トシル基の損失も観察される。誘導体3中のtert−ブトキシカルボニル(BOC)保護基を、トリフルオロ酢酸(TFA)とジクロロメタン(DCM)の混合物などの酸性条件下で容易に除去して、遊離アミン誘導体4を生成することもできる。反応は、室温で15分間〜3時間の間の反応時間で起こることができる。4とカルボン酸誘導体との間のカップリング反応を、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート(HATU)などの標準ペプチドカップリング試薬、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの従来の有機溶媒、及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの塩基を使用して達成して、5などの化合物を得ることができる。また、この変換のために使用され得るカップリング試薬のリストを、この概説に見出すことができる(Chemical Review 2011, 111, 6557)。反応は、室温で1時間〜数時間の間の反応時間で起こることができる。代替的に、遊離アミン4を、1,1’−カルボニルジイミダゾールをカップリング試薬として使用して、他のアミンとカップリングさせて、6などのウレア誘導体を調製することができる。反応は、DMFを使用し、室温〜90℃の間の温度で数時間、起こることができる。当業者に公知のように、トシル基又はBOC基以外の他の保護基を、このスキームに使用することもできる。(主要な参考文献については、P.G. M. Wuts and T. W. Greene in Green's Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley and Sons, 2007を参照のこと)。
【0157】
【化6】
【0158】
Xがフッ素、水素又はメチルのいずれかであり、そしてRが式Iの種類に関して先に記載したとおりである、式13及び14の目的の化合物を、スキーム2に従って調製することができる。スキーム1で記載したように、鈴木アリール−アリールカップリングを達成した。しかしながら、より短い反応時間(30分間)を使用し、かつマイクロ波照射下、160℃で加熱して、トシル保護基を、これらの条件下で維持することもできる。ピロロピリミジン骨格のC−2での臭素化を、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)などの強塩基の存在下、1,2−ジブロモ−テトラクロロエタンを使用して達成して、誘導体9を得ることができる。反応は、テトラヒドロフラン(THF)などの不活性溶媒中、−78℃で、2時間〜数時間の間の反応時間で、起こることができる(WO2004/093812)。9と10との間の鈴木カップリングは、標準的な鈴木条件を使用して起こることができる。反応は、マイクロ波照射下、160℃でより長い反応時間(60分間)を使用し、そしてこの場合には、トシル保護基も除去される。誘導体13及び14を調製するための続く工程は、先に記載されている。
【0159】
【化7】
【0160】
スキーム3は、23などの化合物の合成を説明する。カルバマート15の窒素上でのメチル化は、ヨウ化メチル、及びDMFなどの極性溶媒の存在下、水素化ナトリウム(NaH)などの強塩基を使用して起こることができる。反応は、4℃〜室温で、かつ2時間〜数時間の間の反応時間で進行する。カルバマート16のパラジウム触媒ホウ素化(borylation)反応は、ビス(ピナコラト(pinacoloto))ジボロン17、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドなどの適切なパラジウム触媒源、及び酢酸カリウムを使用して起こることができる(Journal of Organic Chemistry 1995, 60, 7508-7510)。反応は、ジオキサン、DMF又はNMPなどの適切な溶媒中、従来型加熱又はマイクロ波加熱のいずれかを使用して、90℃〜150℃の間の温度で1時間〜数時間の間の反応時間で、進行することができる。4−クロロ−6−ヨード−7−(フェニルスルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン19を、先に記載した鈴木カップリング条件を使用してボロン酸エステル10とカップリングさせて、誘導体20を提供することができる。同様に、18と20のカップリングは、同じ標準条件を使用して起こり、21を得る。誘導体23を調製するための続く工程は、先に記載されている。
【0161】
【化8】
【0162】
Rが式Iの種類に関して先に記載したとおりである、一般式33の目的の化合物を、スキーム4に従って調製することができる。カップリングパートナー27を、市販されている出発物質から二工程で調製することができる。先に記載したように、誘導体26中のアミド結合の形成を、標準カップリング試薬を使用して達成することができる。同様に、化合物27におけるボロン酸エステル官能基の導入も、標準条件を使用して導入することができる。誘導体30の合成は、すでに文献に記載されている(WO2011/149827)。27と30との間の鈴木カップリングは、DME、ジオキサン又はDMFなどの極性溶媒中、60℃〜100℃の間の温度で、従来型加熱方法を使用して、1時間〜数時間の間の反応時間で起きることができる。マイクロ波加熱は、鈴木カップリングの反応時間を大幅に減少させることができる(Current Organic Chemistry, 2010, 14, 1050-1074)。通常、たった10〜60分間が、反応を完了するために必要とされるだけである。化合物31中のBOC基の脱保護、及び33中のようなアミド結合を形成するための続くカップリング反応は、先に記載されている。
【0163】
【化9】
【0164】
38などの目的の化合物を、スキーム5に従って調製することができる。19と36との間の反応を、エタノールなどの極性プロトン性溶媒中、DIPEA又はトリエチルアミン(TEA)などの塩基の存在下、達成することができる。反応は、80℃で1時間〜数時間の間の反応時間で起きることができる。化合物38の調製をもたらす、続く工程は、先に記載されている。
【0165】
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、多種多様な経口投与の剤形及び担体で処方されてもよい。経口投与は、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態であり得る。本発明の化合物は、他の投与経路の中でも、連続的(点滴)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を含みうる)、頬側、鼻腔内、吸入及び坐剤投与を含む他の投与経路によって投与されたときに効果的である。好ましい投与方法は、一般には、苦痛の程度及び活性成分に対する患者の反応に従って調整され得る慣用の一日投薬レジメンを使用する経口である。
【0166】
本発明の化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩は、1つ以上の慣用の賦形剤、担体又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位投薬量の形態にしてもよい。医薬組成物及び単位剤形は、慣用の割合の慣用の成分から、追加の活性化合物もしくは成分と共に又は無しで構成されてもよく、そして単位剤形は、使用される1日投薬量の意図される範囲に釣り合う、任意の適切な有効量の活性成分を含有してもよい。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固形剤、粉末剤、持効性配合物などの固形剤として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤もしくは経口使用のための充填カプセル剤などの液剤として;又は直腸内もしくは膣内投与用の坐剤の形態で;又は非経口使用のための滅菌注射液剤の形態で使用されてもよい。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有するであろう。用語「製剤」又は「剤形」は、活性化合物の固体及び液体配合物の両方を含むことを意図され、そして当業者は、標的臓器又は組織及び所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて、活性成分が異なる製剤で存在し得ることを理解するであろう。
【0167】
本明細書において使用するとおりの用語「賦形剤」は、一般的に安全で非毒性であり、そして生物学的にもその他の面でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用である化合物を指し、そしてヒトへの薬学的使用だけでなく獣医学的にも許容しうる賦形剤を含む。本発明の化合物は、単独で投与されることができるが、一般に、意図される投与経路及び標準的な薬務に関して選択される1つ以上の適切な薬学的賦形剤、希釈剤又は担体との混合物で投与されるであろう。
【0168】
「薬学的に許容しうる」は、一般的に安全で非毒性であり、そして生物学的にもその他の面でも望ましくないものでない医薬組成物の調製に有用であることを意味し、そしてヒトへの薬学的使用だけでなく獣医学的にも許容しうることを含む。
【0169】
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」形態はまた、最初に、非塩形態では存在しなかった望ましい薬物動態特性を活性成分に付与することができ、そして活性成分の薬力学に対して、体内でのその治療活性に関して正の影響さえ与えることができる。化合物の語句「薬学的に許容しうる塩」は、薬学的に許容しえ、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩は、(1)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等)と形成されるか;又は有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等)と形成された、酸付加塩;又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンで置き換えられているか:又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等などの有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成される塩を含む。
【0170】
固体形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってもよい。粉末剤では、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化固体である。錠剤では、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、そして所望の形状及び大きさに成形される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバター等を非限定的に含む。固体形態の製剤は、活性成分に加えて、着色剤、香味料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有してもよい。
【0171】
液体配合物はまた、経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体配合剤を含む。これらは、使用直前に液体形態の製剤に変換されることを意図された固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液中、例えば、プロピレングリコール水溶液中で調製されてもよく、又はレシチン、ソルビタンモノオレアートもしくはアラビアゴムなどの乳化剤を含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、そして適切な着色剤、香味料、安定化剤及び増粘剤を加えることによって調製され得る。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に水に分散することによって調製され得る。
【0172】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注射(bolus injection)又は持続注入による)のために製剤化されてもよく、そしてアンプル剤、充填済注射器(pre-filled syringes)、防腐剤を添加した小型注入容器又は多用量容器に単位用量形態で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとってもよい。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を含み、そして防腐剤、湿潤剤、乳化剤又は懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散助剤などの配合剤を含有してよい。代替的に、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
【0173】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤として又は経皮パッチとして表皮に局所投与するために製剤化されてもよい。例えば、軟膏剤及びクリーム剤は、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤の添加と共に、水性又は油性基剤を用いて製剤化されてもよい。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化されてもよく、また一般に、1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含有するであろう。口腔内の局所投与に適切な配合物は、風味付けした基剤、通常、ショ糖及びアラビアゴム又はトラガカンタ中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤を含む。
【0174】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化されてもよい。脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ロウを、最初に溶融し、そして活性成分を例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷えるにまかせ、凝固させる。
【0175】
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化されてもよい。活性成分に加えて、当技術分野において適切であることが公知である担体を含有するペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー剤。
【0176】
本発明の化合物は、鼻腔内投与用に製剤化されてもよい。液剤又は懸濁剤は、従来の方法によって、例えば、滴瓶、ピペット又はスプレーを用いて直接鼻腔に適用される。配合物は、単回又は多回用量形態で提供されてもよい。滴瓶又はピペットの後者の場合、それは、適切で所定の容量の液剤又は懸濁剤を患者が投与することで、達成されてもよい。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプの手段によって、達成されてもよい。
【0177】
本発明の化合物は、経鼻投与を含む、特に気道へのエアゾール投与のために製剤化されてもよい。化合物は、概して、例えばほぼ5ミクロン以下程度の小さい粒径を有するであろう。そのような粒径は、当技術分野において公知の手段によって、例えば微粉砕によって得られてもよい。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアロゾルはまた、レシチンなどの界面活性剤を好都合に含有してもよい。薬剤の用量は、計量弁により制御されてもよい。代替的に、活性成分は、乾燥粉末、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)などの適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で、提供されてもよい。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、又はブリスターパック中の単位用量形態で提供されてもよく、これから粉末剤が吸入器の手段によって投与されてもよい。
【0178】
所望であれば、配合物は、活性成分の持効性又は徐放性投与に適合した腸溶性コーティングを用いて調製され得る。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置に製剤化され得る。これらの送達系は、化合物の持効性放出が必要である場合、及び患者の処置レジメンに対するコンプライアンスが重要である場合に、好都合である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に付着される。目的の化合物はまた、浸透向上剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わされ得る。持効性送達系は、手術又は注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム又は生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸(polyactic acid)内に化合物を包み込む。
【0179】
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤を伴う適切な配合物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の配合物科学者は、本発明の組成物を不安定にすることなく又はそれらの治療活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多くの配合物を提供するために、本明細書の教示の範囲内で配合物を改変することができる。
【0180】
本化合物を水又は他のビヒクルに対してより可溶性にするための本化合物の改変は、例えば、小さな改変(塩形成、エステル化等)によって容易に達成されることができ、これらは十分に当技術分野における通常の技能の範囲内である。また、患者への最大の有益な効果のために本化合物の薬物動態を管理するため、特定の化合物の投与経路及び投薬レジメンを改変することも十分に当技術分野における通常の技能の範囲内である。
【0181】
本明細書において使用するとおりの用語「治療有効量」は、個人の疾患の症状を軽減するために必要とされる量を意味する。用量は、各特定の症例で、個々の要件に対して調整されるであろう。その投薬量は、多くの要因、例えば、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び総体的な健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与経路及び形態、ならびに担当医の選好及び経験に応じて、広い範囲内で変わることができる。経口投与について、一日当たり約0.01〜約1000mg/kg体重の間の一日投薬量が、単剤療法及び/又は併用療法では適切なはずである。好ましい一日投薬量は、一日当たり約0.1〜約500mg/kg体重の間、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、そして最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。従って、70kgの人への投与では、投薬量範囲は、一日当たり約7mg〜0.7gであろう。一日投薬量は、単回投薬量又は分割投薬量として、典型的には一日当たり1〜5回の間の投薬で投与され得る。一般に、処置は、化合物の最適用量より少ない、より少量の投薬量から開始される。その後、個々の患者に最適な効果が達成されるまで、投薬量は少量ずつ増加される。本明細書に記載した疾患を処置することにおける当業者は、必要以上の実験を実施することなく、個人の知識、経験及び本出願の開示を頼りに、所与の疾患及び患者について本発明の化合物の治療有効量を確定することができるであろう。
【0182】
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。そのような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分化されている。単位剤形は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パック入り錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤などの別個の分量の製剤を含有する。また、単位剤形は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤であることができるか、又はそれは、パッケージ形態における、適切な数のこれらのうちのいずれかであることができる。
【0183】
適応症及び処置の方法
一般式Iの化合物は、ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)を阻害する。上流のキナーゼによるBtkの活性化は、ホスホリパーゼ−Cγの活性化をもたらし、順に、炎症性メディエーターの放出を刺激する。式Iの化合物は、関節炎及び他の抗炎症性及び自己免疫疾患の処置において有用である。式Iによる化合物は、したがって、関節炎の処置のために有用である。式Iの化合物は、細胞中のBtkを阻害するため、及びB細胞発生をモジュレートするために、有用である。本発明はさらに、薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合された式Iの化合物を含有する、医薬組成物を含む。
【0184】
本明細書において記載される化合物は、キナーゼ阻害剤、特に、Btk阻害剤である。これらの阻害剤は、哺乳動物において、Btk阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する疾患を含む、キナーゼ阻害に応答する1個以上の疾患を処置するために有用であり得る。いかなる特定の理論に束縛されることを望まずに、本発明の化合物とBtkの相互作用がBtk活性の阻害をもたらし、したがってこれらの化合物の薬学的有用性をもたらすと考えられる。したがって、本発明は、Btk活性の阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する疾患を有する哺乳動物、例えばヒトを処置する方法であって、そのような疾患を有する哺乳動物に、有効量の本明細書において提供された少なくとも1つの化学物質を投与することを含む方法を含む。有効濃度は、実験的に、例えば化合物の血中濃度をアッセイすることによって、又は理論的にバイオアベイラビリティを計算することによって、確認されてもよい。Btkに加えて、影響を受け得る他のキナーゼは、他のチロシンキナーゼ及びセリン/トレオニンキナーゼを非限定的に含む。
【0185】
キナーゼは、増殖、分化及び死(アポトーシス)などの基本的な細胞プロセスを制御するシグナル伝達経路において特筆すべき役割を果たす。異常なキナーゼ活性は、多発性癌、自己免疫及び/又は炎症性疾患ならびに急性炎症反応を含む、広範な疾患に関与している。重要な細胞シグナル伝達経路におけるキナーゼのこの多面的な役割は、キナーゼ及びシグナル伝達経路を標的とする新規な薬物を同定する重要な機会を提供する。
【0186】
一実施態様は、Btk活性及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する、自己免疫及び/又は炎症性疾患あるいは急性炎症反応を有する患者を処置する方法を含む。
【0187】
本発明による化合物及び組成物を使用して影響を及ぼされ得る自己免疫及び/又は炎症性疾患は、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、組織移植片拒絶反応及び移植臓器の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及び他の血管炎)、自己免疫性の溶血及び血小板減少状態、グッドパスチャー症候群(ならびに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血性ショックならびに重症筋無力症を非限定的に含む。
【0188】
本明細書において提供される少なくとも1つの化学物質が抗炎症剤と組み合わせて投与される処置方法が、本明細書に含まれる。抗炎症剤は、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的シクロオキシゲナーゼ(cyclooxgenase)酵素阻害剤、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)レセプターアンタゴニスト、免疫抑制剤及びメトトレキサートを非限定的に含む。
【0189】
NSAIDの例は、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールの組み合わせ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウムならびにヒドロキシクロロキンを非限定的に含む。NSAIDの例はまた、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ及び/又はエトリコキシブなどのCOX−2特異的阻害剤を含む。
【0190】
いくつかの実施態様において、抗炎症剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩は、アセチルサリチル酸(すなわち、アスピリン)、サリチル酸ナトリウムならびにサリチル酸コリン及びマグネシウムを非限定的に含む。
【0191】
抗炎症剤はまた、コルチコステロイドであってもよい。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム又はプレドニゾンであってもよい。
【0192】
追加の実施態様において、抗炎症剤は、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンなどの金化合物である。
【0193】
本発明はまた、抗炎症剤が、代謝阻害剤、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤(メトトレキサートなど)、又はジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(レフルノミドなど)である、実施態様を含む。
【0194】
本発明の他の実施態様は、少なくとも1つの抗炎症性化合物が、抗C5モノクローナル抗体(エクリズマブ又はパキセリズマブなど)、TNFアンタゴニスト(エンタネルセプト(entanercept)など)又は抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブである、組み合わせに関する。
【0195】
本発明のさらに他の実施態様は、少なくとも1つの活性剤が、メトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン及びミコフェノール酸モフェチルから選択される免疫抑制化合物などの免疫抑制化合物である、組み合わせに関する。
【0196】
BTKを発現するB細胞及びB細胞前駆体は、B細胞リンパ腫、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む)、ヘアリー細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性及び急性骨髄性白血病ならびに慢性及び急性リンパ性白血病を 非限定的に含む、B細胞悪性腫瘍の病理に関与している。
【0197】
BTKは、Bリンパ球系細胞のFas/APO−1(CD−95)死誘導シグナル伝達複合体(DISC)の阻害剤であることが示されている。白血病/リンパ腫細胞の運命は、DISCにより活性化されるカスパーゼの反対のアポトーシス促進効果とBTK及び/又はその基質が関わる上流の抗アポトーシス調節メカニズムとの間のバランスに存在し得る(Vassilev et al., J. Biol. Chem. 1998, 274, 1646-1656)。
【0198】
また、BTK阻害剤が、化学療法増感剤として有用であり、従って、他の化学療法薬、特に、アポトーシスを誘導する薬物との組み合わせで有用であることが発見された。化学療法増感性のBTK阻害剤と組み合わせて使用され得る他の化学療法薬の例は、トポイソメラーゼI阻害剤(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びBCNU)、チューブリン作用剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)ならびに生物学的作用物質(例えば、抗CD20抗体などの抗体、IDEC 8、免疫毒素及びサイトカイン)を含む。
【0199】
Btk活性は、また、第9及び第22染色体の一部の転座から得られたbcr−abl融合遺伝子を発現する一部の白血病と関連している。この異常は、通常、慢性骨髄性白血病に認められる。Btkは、bcr−ablキナーゼによって構成的にリン酸化され、これが下流の生存シグナルを開始して、bcr−abl細胞におけるアポトーシスを回避する(N. Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005201(11):1837-1852)。
【0200】
処置の方法
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0201】
本願は、炎症状態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0202】
本願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0203】
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式Iを投与することを含む方法を提供する。
【0204】
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式IのBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0205】
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式IのBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0206】
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式IのBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0207】
本願は、B細胞増殖を阻害する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の式IのBtk阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0208】
本願は、式Iのいずれか1つのBtk阻害剤化合物を投与することを含む、Btk活性を阻害するための方法を提供し、ここで、Btk阻害剤化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて、50マイクロモル以下のIC
50を示す。
【0209】
上記方法の一変形において、Btk阻害剤化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて100ナノモル以下のIC
50を示す。
【0210】
上記方法の別の変法において、化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて10ナノモル以下のIC
50を示す。
【0211】
本願は、炎症状態を処置するための方法であって、それを必要する患者に式IのBtk阻害剤化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症性化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
【0212】
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要する患者に式IのBtk阻害剤化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症性化合物を同時投与することを含む、方法を提供する。
【0213】
本願は、それを必要する患者に治療有効量の式IのBtk阻害剤化合物を投与することによってリンパ腫又はBCR−ABL1
+白血病細胞を処置するための方法を提供する。
【0214】
実施例
一般条件
本発明の化合物は、当業者に公知の一般的な合成技術及び手順を利用することによって市販されている出発物質から始めて調製され得る。以下の概略は、かかる化合物を調製するために適する反応スキームである。さらなる例証は、具体的な実施例において見出され得る。
【0215】
調製例
具体的な略語
boc tert−ブトキシカルボニル
CDI 1,1−カルボニルジイミダゾール
CH
2Cl
2 ジクロロメタン
Cs
2CO
3 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
DME ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート
HCl 塩化水素
H
2O 水
KOH 水酸化カリウム
LC−MS 液体クロマトグラフィー質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LiOH 水酸化リチウム
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
MeOH メチルアルコール
min 分
MgSO
4 硫酸マグネシウム
MW マイクロ波
nBuLi n−ブチルリチウム
NaCl 塩化ナトリウム
Na
2CO
3 炭酸ナトリウム
NaH 水素化ナトリウム
NaHMDS ナトリウムヘキサメチルジシラザン
NaOH 水酸化ナトリウム
NaOMe ナトリウムメトキシド
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
NH
4Cl 塩化アンモニウム
NH
4OH 水酸化アンモニウム
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
NMR 核磁気共鳴
Pd/C パラジウム担持炭
PdCl
2(dppf) [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(OAc)
2 酢酸パラジウム(II)
Pd(PPh
3)
4 パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン
PG 保護基
RT(又はrt) 室温
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0216】
全体的な実験の詳細
試薬を、Aldrich, Oakwood, Matrix又は他の供給業者から購入し、そしてさらに精製することなく使用した。加熱のためにマイクロ波照射を使用する反応を、Personal Chemistry Emrys Optimizer System又はCEM Discovery Systemのいずれかを使用して行った。マルチミリグラム(multi-milligram)〜マルチグラム(multi-gram)スケールの精製を、当業者に公知の方法、例えば、シリカゲルフラッシュカラムの溶離によって行った;分取フラッシュカラム精製もまた、いくつかの場合により、CombiFlashシステムを用いて溶離される、使い捨ての(disposal)予め充填されたマルチグラムシリカゲルカラム(RediSep)の使用によって達成した。Biotage(商標)及びISCO(商標)も、本発明において、中間体の精製のために使用され得たフラッシュカラム器具である。
【0217】
化合物の同一性及び純度を判断する目的のために、LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分光測定法)スペクトルを、以下のシステムを使用して記録した。質量スペクトルの測定について、このシステムは、Micromass Platform II分光計からなる:ポジティブモードでのESイオン化(質量範囲:150〜1200)。同時クロマトグラフィー分離を、以下のHPLCシステムを用いて達成した:ES Industries Chromegabond WR C-18 3u 120Å(3.2×30mm)カラムカートリッジ;移動相A:水(0.02% TFA)及び相B:アセトニトリル(0.02% TFA);3分間で勾配10%B〜90%B;1分間の平衡時間;2mL/分の流速。
【0218】
式1の多くの化合物をまた、当業者に周知の方法を使用して、逆相HPLCによって精製した。幾つかの場合において、分取HPLC精製を、Shimadzu分取HPLCシステムに取り付けられたGilson 215コレクター及びLeap autoinjectorを制御するPE Sciex 150 EX Mass Specを使用して行った。化合物を、陽イオン検出においてLC/MS検出を使用して、溶離流から回収した:C−18カラム(20mL/分で溶離する2.0×10cm)からの化合物の溶離を、10分間にわたる、溶媒(A)0.05% TFA/H
2O及び溶媒(B)0.035% TFA/アセトニトリルの適切な線形漸次的移行モードを使用して達成した。HPLCシステムへの注入のために、粗サンプルを、メタノール、アセトニトリル及びDMSOの混合物に溶解した。
【0219】
化合物を、Bruker 400 MHz NMR Spectrometerを使用して
1H−NMRによって特徴付けた。
【0220】
本発明の化合物は、公知の技術に従って合成されてもよい。以下の実施例及び参考は、本発明の理解を助けるために提供される。しかしながら、実施例は、本発明を限定することを意図されるのではなく、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。実施例における最終生成物の名前は、Isis AutoNom 2000を使用して作成された。
【0221】
調製例
実施例I−1
4−(4−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化10】
10mL容量のマイクロ波管内で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(200mg、1.3mmol、当量:1.00)、4−クロロフェニルボロン酸(204mg、1.3mmol、当量:1.00)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(720mg、5.21mmol、当量:4.00)を、DME(4.00mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4を加えた(78mg、0.068mmol)。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間照射した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、水で洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に蒸発させた。粗物質を、DCMで溶解し、そして濾過した。標記化合物を、緑色の固体として得た(90mg、30%収率)。LC/MS: m/z C
12H
8ClN
3([M+H]
+)の計算値: 230.6 実測値: 230.1
【0222】
実施例I−2
4−(3−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化11】
実施例1に記載されたものと同様の手順に従い、3−クロロフェニルボロン酸を使用して、標記化合物を得ることができる。
【0223】
実施例I−3
4−(2−クロロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化12】
実施例1に記載されたものと同様の手順に従い、2−クロロフェニルボロン酸を使用して、標記化合物を得ることができる。
【0224】
実施例I−4
4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化13】
実施例1に記載されたものと同様の手順に従い、3−フルオロ−4−メチルフェニルボロン酸を使用して、標記化合物を得ることができる。
【0225】
実施例I−5
4−(2,4−ジメチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化14】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(210mg、0.681mmol、当量:1.00)、2,4−ジメチルフェニルボロン酸(112mg、0.749mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(376mg、2.72mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(79mg、0.068mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。
【0226】
標記化合物を固体として得た(51mg、34%収率)。LC/MS:m/zC
14H
13N
3 ([M+H]
+)の計算値: 224.2 実測値: 224.2
【0227】
実施例I−6
4−(3,4−ジメチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化15】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(210mg、0.681mmol、当量:1.00)、3,4−ジメチルフェニルボロン酸(112mg、0.749mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(376mg、2.72mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(79mg、0.0681mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、固体として得た(17mg、11%収率)。LC/MS: m/z C
14H
13N
3([M+H]
+)の計算値: 224.2 実測値: 224.2
【0228】
実施例I−7
4−p−トリル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化16】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(210mg、0.681mmol、当量:1.00)、p−トリルボロン酸(102mg、0.749mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(376mg、2.72mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(79mg、0.0681mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、固体として得た(60mg、42%収率)。LC/MS: m/z C
13H
11N
3([M+H]
+)の計算値: 210.2 実測値: 210.2
【0229】
実施例I−8
4−(3−クロロ−4−メチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化17】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(210mg、0.681mmol、当量:1.00)、3−クロロ−4−メチルフェニルボロン酸(128mg,0.749mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(376mg、2.72mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(79mg、0.068mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートした。固体を濾過した。標記化合物を、固体として得た(14mg、8%収率)。LC/MS: m/z C
13H
10ClN
3([M+H]
+)の計算値: 244.7 実測値: 244.2
【0230】
実施例I−9
4−tert−ブチル−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化18】
【0231】
工程1:[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化19】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(500mg、3.26mmol、当量:1.00)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルカルバマート(1.6g、4.8mmol、当量:1.47)及び炭酸カリウム(1.8g、13.0mmol、当量:4.00)を、DME(10mL)及び水(5mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(376mg、0.326mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を、150℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、固体として得た(545mg、52%収率)。LC/MS: m/z C
18H
20N
4O
2([M+H]
+)の計算値: 325.3 実測値: 325.2
【0232】
工程2:4−tert−ブチル−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化20】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、tert−ブチル4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジルカルバマート(200mg、0.617mmol、当量:1.00)を、DCM 2mL及びTFA 2mLで溶解した。反応混合物を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)で溶解した。4−tert−ブチル安息香酸(121mg、0.678mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.43mL、2.47mmol、当量:4.00)及びHATU(258mg、0.678mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAc及び水で希釈し、次に室温で30分間撹拌した。得られた溶液を、ブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過して、標記化合物を固体として得た(65mg、27%収率)。LC/MS: m/z C
24H
24N
4O ([M+H]
+)の計算値: 385.4 実測値: 385.1
【0233】
実施例I−10
3−クロロ−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化21】
実施例9、工程2に記載されたものと同様の手順に従い、3−クロロ安息香酸(96.5mg、0.617mmol、当量:1.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(45mg、20%収率)。LC/MS: m/z C
20H
15ClN
4O ([M+H]
+)の計算値: 363.8 実測値: 363.0
【0234】
実施例I−11
2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−アセトアミド
【化22】
【0235】
工程1:(3−クロロ−フェニルアミノ)−酢酸メチルエステル
【化23】
250mL容量の丸底フラスコ内で、ブロモ酢酸メチル(1.66g、1mL、10.9mmol、当量:1.00)、3−クロロアニリン(1.66g、1.4mL、13.0mmol、当量:1.2)及びDIPEA(1.9mL、10.9mmol、当量:1.00)を、DMF(20mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応混合物を、60℃で一晩加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去して、標記化合物を得た(2.1g、97%収率)。LC/MS: m/z C
9H
10 ClNO
2 ([M+H]
+)の計算値: 200.6 実測値: 200.0
【0236】
工程2:(3−クロロ−フェニルアミノ)−酢酸
【化24】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、(3−クロロ−フェニルアミノ)−酢酸メチルエステル(500mg、2.5mmol、当量:1.00)、及びH
2O 5mL中のNaOH(500mg、12.5mmol、当量:4.99)を、EtOH(8mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応混合物を、60℃で4時間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そして10% HCl水溶液で洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に減圧下で蒸発させて、標記化合物を褐色の固体として得た。LC/MS: m/z C
8H
8 ClNO
2 ([M+H]
+)の計算値: 186.0 実測値: 186.0
【0237】
工程3:2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−アセトアミド
【化25】
実施例9、工程2に記載されたものと同様の手順に従い、tert−ブチル4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジルカルバマート(345mg、1.06mmol、当量:1.00)、2−(3−クロロフェニルアミノ)酢酸(217mg、1.17mmol、当量:1.1)、DIPEA(740mg、1mL、5.73mmol、当量:5.38)及びHATU(445mg、1.17mmol、当量:1.1)を使用して、標記化合物を、固体として得た(71mg、17%収率)。LC/MS: m/z C
21H
18ClN
5O ([M+H]
+)の計算値: 392.8 実測値: 392.1
【0238】
実施例I−12
4−tert−ブチル−N−[2−フルオロ−4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化26】
【0239】
工程1:[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化27】
圧力管内で、tert−ブチル4−ブロモ−2−フルオロベンジルカルバマート(5g、16.4mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.26g、24.7mmol)及び酢酸カリウム(4.84g、49.3mmol)を、NMP(75.0mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応混合物を、窒素下で10分間脱気した。[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)(722mg、0.986mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で20時間加熱した。反応混合物を、水でクエンチし、そしてDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、120g、ヘキサン中0%〜30%酢酸エチル)により精製した。[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.8g、100%)を、黄色の油状物として得た。
【0240】
工程2:[2−フルオロ−4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化28】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(157mg、0.511mmol、当量:1.00)、[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(197mg、0.562mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(282mg、2.04mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(Ph
3P)
4(59.0mg、0.051mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を、160℃で60分間加熱した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、固体として得た(75mg、43%収率)。LC/MS: m/z C
18H
19FN
4O
2([M+H]
+)の計算値: 343.3 実測値: 343.3
【0241】
工程3:4−tert−ブチル−N−[2−フルオロ−4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化29】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、[2−フルオロ−4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(70mg、0.134mmol、当量:1.00)を、DCM 2mL及びTFA 2mLで溶解した。反応混合物を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)で溶解した。4−tert−ブチル安息香酸(26mg、0.148mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.047mL、0.269mmol、当量:4.00)及びHATU(56mg、0.148mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAc及び水で希釈し、次に室温で30分間撹拌した。得られた溶液を、ブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過して、標記化合物を固体として得た(32mg、59%収率)。LC/MS: m/z C
24H
23FN
4O ([M+H]
+)の計算値: 403.4 実測値: 403.2
【0242】
実施例I−13
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化30】
【0243】
工程1:4−クロロ−5−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化31】
EtOH(50mL)中の4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボアルデヒド(2g、11.3mmol、当量:1.00)の懸濁液に、2−アミノ酢酸tert−ブチル(1.48g、11.3mmol、当量:1.00)を、続いてトリエチルアミン(2.86g、3.94mL、28.3mmol、当量:2.5)を加え、そして室温で48時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、ジクロロメタンで希釈し、そして水で洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10〜90%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(634mg、21%収率)を白色の固体として得た。LC/MS: m/z C
11H
14ClN
3O ([M+H]
+)の計算値: 272.7 実測値: 272.1
【0244】
工程2:4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化32】
DMF(10mL)中のtert−ブチル4−クロロ−5−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキシラート(634mg、2.33mmol、当量:1.00)の溶液に、水素化ナトリウム(93.3mg、2.33mmol、当量:1.00)を0℃で加え、そして次に室温で1時間撹拌した。反応物を、水でクエンチし、次にNH
4Cl及びブラインで洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜35%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(417mg、70.4%収率)を白色の固体として得た。LC/MS: m/z C
11H
12ClN
3O ([M+H]
+)の計算値: 254.6 実測値: 254.1
【0245】
工程3:N−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド
【化33】
0℃に冷却したDCM(25mL)中の(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メタンアミン(1.5g、7.35mmol、当量:1.00)の溶液に、DCM(5mL)中の4−tert−ブチルベンゾイルクロリド(1.45g、7.35mmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(1.49g、2.05mL、14.7mmol、当量:2.00)の溶液を加えた。反応混合物を、室温で1時間温めた。反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜40%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(2.59g、7.11mmol、96.7%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.74 (d, J=8.0 Hz, 2 H), 7.48 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.35 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 6.48 (s, 1 H), 4.67 (d, J=5.7 Hz, 2 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0246】
工程4:4−tert−ブチル−N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−ベンズアミド
【化34】
N
2下で攪拌したN−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−4−tert−ブチルベンズアミド(600mg、1.65mmol、当量:1.00)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(627mg、2.47mmol、当量:1.5)、酢酸カリウム(485mg、4.94mmol、当量:3)及びPdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2(121mg、165μmol、当量:0.1)の混合物に、NMP(12mL)を加え、そして100℃に16時間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そして水及びブラインで洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中15〜60%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(545mg、80%収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.74 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.75 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 7.51 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 7.47 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.44 (t, J=7.0 Hz, 1 H), 6.46 (s, 1 H), 4.74 (d, J=5.9 Hz, 2 H), 1.37 (s, 12 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0247】
工程5:4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化35】
tert−ブチル4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキシラート(100mg、0.394mmol、当量:1.00)、4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル)ベンズアミド(162mg、0.394mmol、当量:1.00)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg、0.04mmol、当量:0.1)及び炭酸カリウム(163mg、1.18mmol、当量:3.00)の混合物に、DME(1mL)及び水(500μL)を加え、そしてマイクロ波中で、150℃で30分間加熱した。反応混合物を、celiteパッドを通して濾過し、そしてジクロロメタンで希釈した。溶液を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中15〜60%酢酸エチル、続いてジクロロメタン中0〜30%[10%メタノール/ジクロロメタン])により精製して、標記化合物(80mg、40%収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.93 (s, 1H), 9.18 (s, 1 H), 7.94 (t, J=9.3 Hz, 2 H), 7.80 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.68 (t, J=7.8 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.39 (s, 1 H), 6.67 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 4.83 (d, J=5.8 Hz, 2 H), 1.69 (s, 9 H), 1.37 (s, 9 H); LC/MS: m/z C
29H
3lFN
4O
3 ([M+H]
+)の計算値: 503.5 実測値: 503.3
【0248】
実施例I−14
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸
【化36】
ジクロロメタン(1mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(55mg、0.109mmol、当量:1.00)の溶液に、トリフルオロ酢酸(843μL、10.9mmol、当量:100)を加え、そして室温で2時間撹拌した。溶媒を、メタノールから真空下で濃縮して(3×)、標記化合物(43mg、88%収率)を明褐色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.05 (s, 1 H), 9.10 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 8.98 (s, 1H), 8.06 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.97 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.59 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 7.54 (m, 3 H), 4.64 (d, J=5.6 Hz, 2 H), 1.33 (s, 9 H); LC/MS: m/z C
25H
23FN
4O
3([M+H]
+)の計算値: 447.4 実測値: 447.2
【0249】
実施例I−15
4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−(6−(モルホリン−4−カルボニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)ベンズアミド
【化37】
DMF(1.5mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(50mg、0.112mmol、当量:1.00)、HBTU(42.5mg、0.112mmol、当量:1.00)及びDIPEA(59μL、0.336mmol、当量:3)の溶液に、モルホリン(19.5mg、0.224mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン中0〜5%メタノール、続いてヘキサン中50〜100%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(26mg、45%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.96 (s, 1 H), 7.74 (m, 2 H), 7.71 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.58 (t, J=8.2 Hz, 1 H), 7.41 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 6.91 (s, 1 H), 4.71 (s, 1 H), 3.81 (br. s, 4 H), 3.72 (br. s, 4 H), 1.27 (s, 9 H)。
【0250】
実施例I−16
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸ジメチルアミド
【化38】
DMF(1mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(50mg、0.112mmol、当量:1.00)、HBTU(42.5mg、0.112mmol、当量:1.00)及びDIPEA(59μL、0.336mmol、当量:3.00)の溶液に、THF中のジメチルアミン(112μL、0.224mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中50〜100%酢酸エチル 勾配)により精製して、標記化合物(18mg、34%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.78 (s, 1 H), 9.10 (t, J=5.8 Hz, 1 H), 8.92 (s, 1 H), 8.04 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.96 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.56 (t, J=7.9 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.23 (s, 1 H), 4.62 (s, 2 H), 3.26 (br. s, 3 H), 3.06 (br. s, 3 H), 1.32 (s, 9 H); LC/MS: m/z C
27H
28FN
5O
2 ([M+H]
+)の計算値: 474.5 実測値: 474.3
【0251】
実施例I−17
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸メチルアミド
【化39】
DMF(1.00mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(50mg、0.112mmol、当量:1.00)、HBTU(42.5mg、0.112mmol、当量:1.00)及びDIPEA(43mg、59μL、0.336mmol、当量:3.00)の溶液に、THF中のメタンアミン(112μL、0.224mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中50〜100%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(25mg、48.6%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.82 (s, 1 H), 9.11 (t, J=5.7 Hz, 1 H), 8.92 (s, 1 H), 8.70 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.93 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.61 (s, 1 H), 7.59 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 4.64 (d, J=5.4 Hz, 2 H), 2.84 (d, J=4.5 Hz, 3 H), 1.32 (s, 9 H) ; LC/MS: m/z C
26H
26FN
5O
2 ([M+H]
+)の計算値: 460.5 実測値: 460.3
【0252】
実施例I−18
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
【化40】
DMF(1.00mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(50mg、0.112mmol、当量:1.00)、HBTU(42.5mg、0.112mmol、当量:1.00)及びDIPEA(59μL、0.336mmol、当量:3.00)の溶液に、2−アミノエタノール(14mg、0.224mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中50〜100%酢酸エチル、続いてNH
4OH含有ジクロロメタン中0〜10%メタノール)により精製して、標記化合物(16mg、29%収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.80 (s, 1 H), 9.10 (t, J=5.6 Hz, 1 H), 8.92 (s, 1 H), 8.73 (t, J=6.4 Hz, 1 H), 8.03 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 7.95 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.69 (s, 1 H), 7.59 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 4.64 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 3.55 (t, J=5.2 Hz, 2 H), 3.38 (m, 2 H), 1.32 (s, 9 H) ; LC/MS: m/z C
27H
28FN
5O
3 ([M+H]
+)の計算値: 490.5 実測値: 490.4
【0253】
実施例I−19
4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド
【化41】
0℃に冷却したDMF(1.00mL)中の4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(50mg、0.112mmol、当量:1.00)、N
1,N
1−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(10mg、0.112mmol、当量:1.00)及びDIPEA(49μL、0.280mmol、当量:2.5)の溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(80μL、0.134mmol、当量:1.2)を加え、そして室温で4時間温まるにまかせた。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(NH
4OH含有ジクロロメタン中0〜15%メタノール)により精製して、標記化合物(25mg、43%収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ ppm 8.93 (s, 1 H), 7.97 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.91 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 7.86 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.66 (t, J=7.8 Hz, 1 H), 7.57 (s, 1 H), 7.56 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 4.76 (s, 2 H), 3.75 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.22 (m, 2 H), 2.84 (s, 6 H), 1.38 (s, 9H); LC/MS: m/z C
29H
33FN
6O
2 ([M+H]
+)の計算値: 517.6 実測値: 517.4
【0254】
実施例I−20
4−tert−ブチル−N−{1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イルメチル}−ベンズアミド
【化42】
【0255】
工程1:4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化43】
0℃に冷却したDCM(16.7mL)中のtert−ブチル4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(1g、4.67mmol、当量:1.00)の溶液に、DCM(5mL)中の4−tert−ブチルベンゾイルクロリド(918mg、4.67mmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(361μL、4.67mmol、当量:1.00)の溶液を加えた。反応混合物を、室温に1時間温めた。反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜70%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(1.75g、4.67mmol、100%収率)を無色の粘性油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.73 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.48 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 6.21 (s, 1 H), 4.15 (d, J=12.9 Hz, 2 H), 3.39 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 2.72 (t, J=14.7 Hz, 2 H), 1.83 (m, 1 H), 1.76 (d, J=14.3 Hz, 2 H), 1.48 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0256】
工程2:4−tert−ブチル−N−ピペリジン−4−イルメチル−ベンズアミド
【化44】
DCM(35mL)中の4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.75g、4.67mmol、当量:1.00)の溶液に、トリフルオロ酢酸(7.2mL、93.5mmol、当量:20)を加え、そして室温で4時間撹拌した。溶媒を、減圧によって除去し、そして真空下で乾燥させて、標記化合物(2.92g、124%収率)を粘性無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.72 (br. s, 3 H), 7.71 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.49 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 6.81 (t, J=6.7 Hz, 1 H), 3.56 (d, J=12.8 Hz, 2 H), 3.46 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.01 (q, J=11.7 Hz, 2 H), 2.02 (d, J=14.3 Hz, 2 H), 1.69 (q, J=14.1 Hz, 2 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0257】
工程3:N−[1−(7−ベンゼンスルホニル−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド
【化45】
EtOH(3.00mL)中の4−クロロ−6−ヨード−7−(フェニルスルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(200mg、0.477mmol、当量:1.00)の懸濁液に、4−tert−ブチル−N−ピペリジン−4−イルメチル−ベンズアミド(185mg、477μmol、当量:1.00)及びトリエチルアミン(332μL、2.38mmol、当量:5.00)を加え、そして80℃に2時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却した。沈殿物が形成され、そしてそれを濾別した。濾液を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20〜80%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(159mg、51%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.37 (s, 1 H), 8.25 (d, J=8.21 Hz, 2 H), 7.72 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.63 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 7.54 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.47 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 6.96 (s, 1 H), 6.28 (s, 1 H), 4.61 (d, J=12.4 Hz, 2 H), 3.40 (t, J=6.3 Hz, 2 H), 3.09 (t, J=13.3 Hz, 2 H), 2.03 (m, 1 H), 1.91 (d, J=13.3 Hz, 2 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0258】
工程4:N−{1−[7−ベンゼンスルホニル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イルメチル}−4−tert−ブチル−ベンズアミド
【化46】
N−[1−(7−ベンゼンスルホニル−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド(159mg、0.242mmol、当量:1.00)、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルボロン酸(36.5mg、0.290mmol、当量:1.2)、Pd(PPh
3)
4(28mg、0.024mmol、当量:0.1)及び炭酸カリウム(100mg、0.725mmol、当量:3.00)の混合物に、DME(1.29mL)/水(322μL)を加え、そしてマイクロ波中で、150℃に1時間加熱した。反応混合物を、DCMで希釈し、そして水で洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中30〜100%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(85mg、58%収率)を白色の固体として得た。LC/MS: m/z C
33H
37N
7O
3S ([M+H]
+)の計算値: 612.7 実測値: 612.4
【0259】
工程5:4−tert−ブチル−N−{1−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イルメチル}−ベンズアミド
【化47】
THF(926μL)/MeOH(463μL)中のN−{1−[7−ベンゼンスルホニル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イルメチル}−4−tert−ブチル−ベンズアミド(85mg、0.139mmol、当量:1.00)の溶液に、炭酸セシウム(136mg、0.417mmol、当量:3.00)を加え、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、NH
4OH含有DCM中1〜6%メタノール)により精製して、標記化合物(45mg、68.7%収率)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.95 (s, 1 H), 8.45 (t, J=5.4 Hz, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.93 (s, 1 H), 7.80 (d, J=7.9 Hz, 2 H), 7.49 (d, J=7.9 Hz, 2 H), 6.75 (s, 1 H), 4.71 (d, J=13.8 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.20 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.06 (t, J=12.8 Hz, 2 H), 1.97 (m, 1 H), 1.82 (d, J=13.3 Hz, 2 H), 1.31 (s, 9 H), 1.23 (d, J=14.3 Hz, 2 H); LC/MS: m/z C
27H
33N
7O ([M+H]
+)の計算値: 472.6 実測値: 472.4
【0260】
実施例I−21
4−tert−ブチル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化48】
【0261】
工程1:4−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化49】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g、3.25mmol、当量:1.00)、4−((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニルボロン酸(1.22g、4.87mmol、当量:1.5)、及び水 5mL中の炭酸カリウム(1.8g、13.0mmol、当量:4.00)を、DME(10mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(375mg、0.325mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、150℃で30分間加熱した。溶液を、EtOAc及びブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、白色の固体として得た(700mg、45%収率)。LC/MS: m/z C
25H
26N
4O
4S ([M+H]
+)の計算値: 479.5 実測値: 479.3
【0262】
工程2:4−[6−ブロモ−7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化50】
100mL容量の丸底フラスコ内で、4−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(500mg、1.04mmol、当量:1.00)を、THF(10mL)に溶解し、そして−78℃に冷却した。ヘプタン/THF/エチルベンゼン中のLDA 2M溶液(1.31mL、2.61mmol、当量:2.5)を、窒素雰囲気下、−78Cで加えて、暗褐色の溶液を得た。反応混合物を、−78℃で1時間30分撹拌した。THF 5mL中の1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(851mg、2.61mmol、当量:2.5)を加え、そして反応混合物を、−78Cで2時間撹拌した。水を加えた。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に蒸発させた。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、白色の固体として得た(450mg、77%収率)。LC/MS: m/z C
25H
25BrN
4O
4S ([M+H]
+)の計算値: 558.4 実測値: 558.8
【0263】
工程3:{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化51】
10mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−[6−ブロモ−7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.359mmol、当量:1.00)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(192mg、0.923mmol、当量:2.57)、及び水(1mL)中の炭酸カリウム(198mg、1.44mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(42mg、0.036mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を密閉し、そしてマイクロ波中で、150℃で60分間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートし、次に濾過して、標記化合物を黄色の固体として得た(32mg、22%収率)。LC/MS: m/z C
22H
24N
6O
2 ([M+H]
+)の計算値: 405.4 実測値: 405.2
【0264】
工程4:4−tert−ブチル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化52】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(30mg、0.074mmol、当量:1.00)を、DCM 1mL及びTFA 1mLと合わせた。溶液を、室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。4−tert−ブチル安息香酸(14.5mg、0.082mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.052mL、0.297mmol、当量:4.00)及びHATU(31.0mg、0.082mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過した。標記化合物を、固体として得た(11mg、32%収率)。LC/MS: m/z C
28H
28N
6O ([M+H]
+)の計算値: 465.5 実測値: 465.2
【0265】
実施例I−22
4−シクロプロピル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化53】
実施例21、工程4に記載されたものと同様の手順に従い、4−シクロプロピル安息香酸(12.0mg、0.074mmol、当量:1.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(16mg、48%収率)。LC/MS: m/z C
27H
24N
6O([M+H]
+)の計算値: 449.5 実測値: 449.2
【0266】
実施例I−23
4−イソプロピル−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化54】
実施例21、工程4に記載されたものと同様の手順に従い、4−イソプロピル安息香酸(13.4mg、0.082mmol、当量:1.1)を使用して、標記化合物を、固体として得た(5mg、15%収率)。LC/MS: m/z C
27H
26N
6O ([M+H]
+)の計算値: 451.5 実測値: 451.3
【0267】
実施例I−24
N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−オキセタン−3−イル−ベンズアミド
【化55】
【0268】
工程1:4−オキセタン−3−イル−安息香酸メチルエステル
【化56】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波バイアル内で、4−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸(978mg、5.44mmol、当量:2.0)、trand−2−アミノシクロヘキサノール塩酸塩(50mg、0.326mmol、当量:0.12)及びヨウ化ニッケル(102mg、0.326mmol、当量:0.12)を、イソプロパノール(8mL)と合わせて、白色の懸濁液を得た。NaHMDS(997mg、5.44mmol、当量:2.0)を加えた。反応混合物を、アルゴンで充填し戻し、そして5分間撹拌した。3−ヨードオキセタン(0.5g、2.72mmol、当量:1.00)を加えた。反応混合物を密閉し、そして次にマイクロ波中で、80℃で20分間加熱した。この時間の後、TLCは、Rfにおいて互いに近い、2つの可能性のある生成物スポットを示した。反応混合物を、イソプロパノールで希釈し、次に濾紙を通して濾過した。溶媒を濃縮して、黄色の油状物を得た。この生成物を、塩化メチレンに溶解し、そして溶液を、シリカゲルで濃縮した。シリカゲルに支持された粗生成物を、40グラムシリカゲルカラム上に装填した。フラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル−ヘキサンは、10%酢酸エチル−ヘキサンへ勾配した)。標記化合物を、油状物として単離した(118mg、23%収率)。単離した他方の副生成物は、4−オキセタン−3−イル−安息香酸イソプロピルエステルに対応した(77mg、13%収率)。
【0269】
工程2:4−オキセタン−3−イル−安息香酸
【化57】
100mL容量のナシ型フラスコ内で、メチル4−(オキセタン−3−イル)ベンゾアート(118mg、0.614mmol、当量:1.00)及び水酸化リチウム一水和物(40mg、0.953mmol、当量:1.55)を、THF(2.5mL)と合わせて、無色の溶液を得た。水(2.5mL)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。明朝に、TLCは、少量の残留出発物質を示した。さらにLiOH一水和物 40mgを加え、そして反応混合物を再び、室温で一晩撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。次に水性残留物を、水 10mLで希釈し、そしてこの溶液を、1:1 ヘキサン−酢酸エチル 20mLで抽出した。次に、水相を、4N HCl水溶液 数滴で酸性化し、白色の懸濁液を得た。この懸濁液を、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で除去した。標記化合物を、白色の固体として得た(88mg、80%収率)。生成物を、さらに精製することなくそのまま使用した。
【0270】
工程3:N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−オキセタン−3−イル−ベンズアミド
【化58】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.099mmol、当量:1.00)を、DCM 3mL及びTFA 3mLと合わせた。溶液を、室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。4−オキセタン−3−イル−安息香酸(18mg、0.099mmol、当量:1.00)、DIPEA(0.069mL、0.396mmol、当量:4.00)及びHATU(38mg、0.099mmol、当量:1.00)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過した。標記化合物を、固体として得た(3mg、7%収率)。LC/MS: m/z C
27H
24N
6O
2([M+H]
+)の計算値: 465.5 実測値: 465.2
【0271】
実施例I−25
4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化59】
【0272】
工程1:4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−安息香酸
【化60】
250mL容量の三口フラスコ内で、3−(4−ブロモフェニル)−3−メチルオキセタン(1.05g、4.62mmol)を、THF(35mL)と合わせて、無色の溶液を得た。この溶液を、ドライアイス−アセトン浴中、−78℃に冷却した。この冷溶液に、ヘキサン中のnBuLiの1.6M溶液(3.32mL、5.32mmol)を滴下した。滴下は、10分間かけて起こった。反応混合物を、−78℃で1時間撹拌した。この時間の後、別個のフラスコ内でドライアイスから生成された、二酸化炭素ガスを、長い針を介して反応混合物に加えた。反応混合物は、すぐに明黄色に変化した。二酸化炭素を、低温度でさらに20分間バブリングした。この時間の後、反応混合物は、白色の懸濁液であった。反応混合物を、室温に温め、次に水でゆっくりとクエンチした。有機溶媒を蒸発させた。得られた混合物を、酢酸エチル及びヘキサンの1:1溶液で抽出した。次に、水相を、4N HCl水溶液の添加を通して、酸性pHにした。得られた白色の懸濁液を、ブフナー漏斗を使用して真空濾過した。回収した白色の固体を、真空漏斗上でさらに乾燥させ、そして次に真空オーブン内でさらに乾燥させて、4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−安息香酸(456mg、51%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.89 (br. s., 1 H), 7.93 (d, J = 8.48 Hz, 2 H), 7.36 (d, J = 8.67 Hz, 2 H), 4.81 (d, J = 5.84 Hz, 2 H), 4.56 (d, J = 6.03 Hz, 2 H), 1.64 (s, 3 H)。
【0273】
工程2:4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−N−{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化61】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(60mg、0.148mmol、当量:1.00)を、DCM 3mL及びTFA 3mLと合わせた。溶液を、室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。4−オキセタン−3−イル−安息香酸(31mg、0.163mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.104mL、0.593mmol、当量:4.00)及びHATU(62mg、0.163mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過した。標記化合物を、黄色の固体として得た(15mg、21%収率)。LC/MS: m/z C
28H
26N
6O
2([M+H]
+)の計算値: 479.5 実測値: 479.2
【0274】
実施例I−26
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化62】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.099mmol、当量:1.00)を、DCM 3mL及びTFA 3mLと合わせた。溶液を、室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(20mg、0.109mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.069mL、0.396mmol、当量:4.00)及びHATU(41mg、0.109mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(17mg、37%収率)。LC/MS: m/z C
26H
24N
6OS ([M+H]
+)の計算値: 469.5 実測値: 469.2
【0275】
実施例I−27
4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化63】
【0276】
工程1:{2−フルオロ−4−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化64】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g、3.25mmol、当量:1.00)、[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.14g、3.25mmol、当量:1.00)、及び水 5mL中の炭酸カリウム(1.8g、13.0mmol、当量:4.00)を、DME(10mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(375mg、0.325mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、150℃で30分間加熱した。溶液を、EtOAc及びブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、白色の固体として得た(950mg、59%収率)。LC/MS: m/z C
25H
25FN
4O
4S ([M+H]
+)の計算値: 497.5 実測値: 497.2
【0277】
工程2:{4−[6−ブロモ−7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−2−フルオロ−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化65】
100mL容量の丸底フラスコ内で、{2−フルオロ−4−[7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、4.03mmol、当量:1.00)を、THF(40mL)に溶解し、そして−78℃に冷却した。ヘプタン/THF/エチルベンゼン中のLDA 2M溶液(5.03mL、10.1mmol、当量:2.5)を、窒素雰囲気下、−78Cで加えて、暗褐色の溶液を得た。反応混合物を、−78℃で1時間30分撹拌した。THF 10mL中の1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(3.28g、10.1mmol、当量:2.5)を加え、そして反応混合物を、−78Cで2時間撹拌した。ブラインを加えた。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に蒸発させた。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、ベージュ色の固体として得た(1.2g、52%収率)。LC/MS: m/z C
25H
24BrFN
4O
4S ([M+H]
+)の計算値: 576.4 実測値: 577.1
【0278】
工程3:{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化66】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、{4−[6−ブロモ−7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−2−フルオロ−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(400mg、0.695mmol、当量:1.00)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(226mg、1.09mmol、当量:1.6)、及び水(3mL)中の炭酸カリウム(384mg、2.78mmol、当量:4.00)を、DME(6mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(80mg、0.069mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を密閉し、そしてマイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートし、次に濾過して、標記化合物を褐色の固体として得た(75mg、26%収率)。LC/MS: m/z C
22H
23FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 423.4 実測値: 423.3
【0279】
工程4:4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化67】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.094mmol、当量:1.00)を、DCM 1mL及びTFA 1mLと合わせた。溶液を、室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。4−tert−ブチル安息香酸(19mg、0.104mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.066mL、0.379mmol、当量:4.00)及びHATU(40mg、0.104mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして得られた固体を濾過した。標記化合物を、固体として得た(17mg、37%収率)。LC/MS: m/z C
28H
27FN
6O ([M+H]
+)の計算値: 483.5 実測値: 483.2
【0280】
実施例I−28
6−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ニコチンアミド
【化68】
【0281】
工程1:6−tert−ブチル−ニコチン酸
【化69】
水中のニコチン酸(2g、16mmol、当量:1.00)の懸濁液に、濃硫酸(1mL、18.8mmol、当量:1.2)を加え、そして混合物を、窒素下で撹拌して、清澄な溶液を形成した。ピバル酸(1.83g、17.9mmol、当量:1.1)を加え、そしてアルゴン下、周囲温度での撹拌を、10分間続けた。硝酸銀(125mg、0.736mmol)、続いて過硫酸アンモニウム(295mg、1.29mmol、当量:0.08)を加え、光を除外するためにフラスコをアルミニウム箔内に包み、そして混合物を、窒素下、90℃に加熱した。2時間後、反応混合物を、周囲温度に冷却し、そして一晩放置した。反応混合物の酢酸エチルでの抽出では、いかなる有意な量の期待された生成物も得ることはできなかった。LC/MSは、水層中の生成物の存在を示した。水性混合物を、真空下で無色の固体に濃縮した。固体を、THFでトリチュレートし、濾過し、そして濾液を真空下で濃縮した。残留物を、メタノールで再トリチュレートし、濾過し、そして次に濾液を、真空下で濃縮した。濃縮した濾液を、水中10%アセトニトリルから100%アセトニトリルまでの勾配溶離を用い、85g C-18カラムを使用する逆相クロマトグラフィーにより、精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、そして無色の水性懸濁液(約5mL容量)に濃縮した。追加の水(約20mL)を加えて、清澄な溶液を形成し、そして混合物を、凍結乾燥して、標記化合物を無色の無定形の凍結乾燥された固体として得た(139mg、5%収率)。LC/MS: m/z C
10H
14NO
2[(M+H)
+]の計算値: 180.2, 483.5 実測値: 180.1
【0282】
工程2:6−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ニコチンアミド
【化70】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(56mg、0.133mmol、当量:1.00)を、DCM 2mL及びTFA 2mLと合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。6−tert−ブチル−ニコチン酸(40mg、0.233mmol、当量:1.7)、DIPEA(0.093mL、0.53mmol、当量:4.00)及びHATU(55mg、0.146mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして濾過した。標記化合物を、黄色の固体として得た(40mg、62%収率)。LC/MS: m/z C
27H
26FN
7O ([M+H]
+)の計算値: 484.5 実測値: 483.3
【0283】
実施例I−29
5−メチル−チオフェン−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化71】
実施例28、工程2に記載されたものと同様の手順に従い、5−メチルチオフェン−2−カルボン酸(22mg、0.156mmol、当量:1.1)を使用して、標記化合物を、固体として得た(42mg、66%収率)。LC/MS: m/z C
23H
19FN
6OS ([M+H]
+)の計算値: 447.5 実測値: 447.2
【0284】
実施例I−30
4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−{6−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−ベンジル)−ベンズアミド
【化72】
【0285】
工程1:N−[4−(6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−2−フルオロ−ベンジル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド
【化73】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{4−[6−ブロモ−7−(トルエン−4−スルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−2−フルオロ−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.348mmol、当量:1.00)を、DCM 1mL及びTFA 1mLと合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。4−tert−ブチル−安息香酸(68mg、0.382mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.243mL、1.39mmol、当量:4.00)及びHATU(145mg、0.382mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLに希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、室温で一晩保管した。得られた固体を、DCMでトリチュレートし、そして濾過した。標記化合物を、固体として得た(96mg、57%収率)。LC/MS: m/z C
24H
22BrFN
4O ([M+H]
+)の計算値: 482.3 実測値: 483.0
【0286】
工程2:4−tert−ブチル−N−(2−フルオロ−4−{6−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−ベンジル)−ベンズアミド
【化74】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、N−[4−(6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−2−フルオロ−ベンジル]−4−tert−ブチル−ベンズアミド(90mg、0.187mmol、当量:1.00)、2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール(49.0mg、0.206mmol、当量:1.1)、及び水(1mL)中の炭酸カリウム(103mg、0.748mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(22mg、0.019mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を密閉し、そしてマイクロ波中で、150℃で30分間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DCMでトリチュレートし、次に濾過して、標記化合物を褐色の固体として得た(22mg、23%収率)。LC/MS: m/z C
29H
29FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 513.5 実測値: 513.2
【0287】
実施例I−31
4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−N−メチル−ベンズアミド
【化75】
【0288】
工程1:(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化76】
100mL容量の丸底フラスコ内で、tert−ブチル4−ブロモ−2−フルオロベンジルカルバマート(2g、6.58mmol、当量:1.00)、ヨウ化メチル(0.7mL、11.2mmol、当量:1.7)及び60%油中分散液のNaH(395mg、16.5mmol、当量:2.5)を、0℃でDMF(40mL)と合わせた。反応混合物を撹拌し、そして3時間、室温に温まるにまかせた。反応物を、MeOHでクエンチした。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜40%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、油状物として得た(1.8g、86%収率)。
【0289】
工程2:[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化77】
250mL容量の丸底フラスコ内で、(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.8g、5.66mmol、当量:1.00)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.15g、8.49mmol、当量:1.5)及び酢酸カリウム(1.67g、17.0mmol、当量:3.00)を、NMP(40mL)と合わせた。溶液を、窒素下、10分間脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)(414mg、0.566mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を、100℃で24時間加熱した。反応混合物を冷却し、次に水及びEtOAcで希釈した。有機相を合わせ、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去し、そして得られた粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜40%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、油状物として得た(1.01g、49%収率)。
【0290】
工程3:7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【化78】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、4−クロロ−6−ヨード−7−(フェニルスルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g、2.38mmol、当量:1.00)、水 5mL中の炭酸カリウム(1.32g、9.53mmol、当量:4.00)、及び1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(744mg、3.57mmol、当量:1.5)を、DME(10mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(275mg、0.238mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を、90℃で6時間加熱した。反応混合物を、室温で一晩放置した。沈殿物が形成され、それを真空下で濾過して、標記化合物をベージュ色の固体として得た(194mg、22%収率)。LC/MS: m/z C
16H
12ClN
5O
2S ([M+H]
+)の計算値: 374.8 実測値: 374.1
【0291】
工程4:{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化79】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(150mg、0.401mmol、当量:1.00)、[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(161mg、0.441mmol、当量:1.1)、及び水3mL中の炭酸カリウム(222mg、1.61mmol、当量:4.00)を、DME(6mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(46.4mg、0.04mmol、当量:0.1)を加え、そして反応混合物を、160℃で60分間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去し、そして粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜70%酢酸エチル)により精製した。標記化合物を、固体として得た(74mg、42%収率)。LC/MS: m/z C
23H
25FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 437.4 実測値: 437.3
【0292】
工程5:4−tert−ブチル−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−N−メチル−ベンズアミド
【化80】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.092mmol、当量:1.00)を、DCM(3mL)及びTFA(3mL)と合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。4−tert−ブチル−安息香酸(18mg、0.101mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.1mL、0.573mmol、当量:6.25)及びHATU(38mg、0.101mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(38mg、84%収率)。LC/MS: m/z C
29H
29FN
6O ([M+H]
+)の計算値: 497.5 実測値: 497.4
【0293】
実施例I−32
5−メチル−チオフェン−2−カルボン酸{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−アミド
【化81】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(30mg、0.069mmol、当量:1.00)を、DCM(3mL)及びTFA(3mL)と合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。5−メチルチオフェン−2−カルボン酸(11mg、0.076mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.05mL、0.275mmol、当量:4.00)及びHATU(29mg、0.076mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(14mg、44%収率)。LC/MS: m/z C
24H
21FN
6OS ([M+H]
+)の計算値: 461.5 実測値: 461.2
【0294】
実施例I−33
2−tert−ブチル−5−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン
【化82】
【0295】
工程1:3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化83】
1L容量の丸底フラスコ内で、3−メチルチオフェン−2−カルボン酸(15g、106mmol)を、メタノール(211mL)と合わせて、オフホワイトの懸濁液を得た。この混合物を、氷水浴中、0℃に冷却した。濃硫酸(6mL、113mmol)を、その冷懸濁液に滴下した。反応混合物を、室温まで徐々に温めながら撹拌した。反応混合物を、室温で3日間かけて撹拌した。この時間の後、TLCは、出発物質のより極性の少ない生成物への完全な変換を示した。反応混合物を濃縮して、メタノールを除去した。残った明褐色の油状物を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液で分液した。有機相を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、褐色の油状物を得、それは、
1H NMR積分に基づいて、所望のメチルエステル(84%)と出発物質(16%)の混合物を含有した。粗生成物を、酢酸エチルに再溶解し、そして溶液を、1M NaOH水溶液で洗浄した。有機相を、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(13.6g、82%)を明褐色の油状物として得た。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.39 (d, J=5.09 Hz, 1 H), 6.92 (d, J=5.20 Hz, 1 H), 3.87 (s, 3 H), 2.57 (s, 3 H)。
【0296】
工程2:5−tert−ブチル−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化84】
500mL容量の丸底フラスコ内で、三塩化アルミニウム(17.3g、130mmol)を、DCM(20mL)と合わせて、オフホワイトの懸濁液を得た。この混合物を、アルゴンで充填し戻し、そして次にドライアイス/アセトン浴中、−78℃に冷却した。DCM 10mL中のメチル3−メチルチオフェン−2−カルボキシラート(13.5g、86.4mmol)の溶液を、5分間かけて滴下した。反応混合物を、−78℃で5分間撹拌した。DCM 10mL中の2−クロロ−2−メチルプロパン(9.87mL、90.7mmol)の溶液を、冷反応混合物に30分間かけて滴下した。反応混合物を、ドライアイス/アセトン浴を備えた還流冷却器の下、週末にかけて撹拌して、徐々に融解し、そして反応フラスコを室温に温めた。反応混合物を、氷水に注いだ。氷が解けた後、有機相を分離し、そして次にNa
2SO
4で乾燥させた。有機相を濾過し、次に濃縮して、褐色の油状物を得た。この油状物を、330グラムシリカゲルカラムに直接装填した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜5%EtOAc−ヘキサン)を使用して、5−tert−ブチル−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(7.05g、38%)を黄色の油状物として単離した。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.68 (s, 1 H), 3.84 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H), 1.38 (s, 9 H)。
【0297】
工程3:3−ブロモメチル−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化85】
1L容量のナシ型フラスコ内で、メチル5−tert−ブチル−3−メチルチオフェン−2−カルボキシラート(6.06g、28.5mmol)、N−ブロモスクシンイミド(6.1g、34.3mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(234mg、1.43mmol)を、四塩化炭素(80mL)と合わせて、橙色の懸濁液を得た。この混合物を、90℃で一晩加熱した。明朝に、反応混合物を、室温に冷却し、そして次に濾過して、沈殿した固体を除去した。濾液を、褐色の油状物に濃縮した。この生成物を、120グラムシリカゲルカラムに直接装填した。フラッシュクロマトグラフィー(5% EtOAc−ヘキサン)は、生成物の部分精製のみを提供した。純粋な生成物を含有する画分を統合して、3−ブロモメチル−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.65g、32%)を黄色の油状物として得た。第二のカラムを、ここでもまた120gシリカゲル及び5%EtOAc−ヘキサンを使用して、上記からの不純な画分に実施した)。別のロットの精製された3−ブロモメチル−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.54g、30%)を得た。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.93 (s, 1 H), 4.87 (s, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 1.39 (s, 8 H)。
【0298】
工程4:3−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化86】
250mL容量の丸底フラスコ内で、4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミン(5.34g、26.2mmol)、3−ブロモメチル−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.54g、8.72mmol)及び炭酸セシウム(3.73g、11.4mmol)を、アセトニトリル(50mL)と合わせて、白色の懸濁液を得た。反応混合物を、室温で週末にかけて撹拌した。反応混合物を濾過し、次に濾液を、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。粗生成物を、120グラムシリカゲルカラムに直接装填した。フラッシュクロマトグラフィー(5〜25%EtOAc−ヘキサン)により、3−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(1.88g、52%)を僅かに黄色の油状物として得た。LC/MS: m/z C
18H
22BrFN ([M+H]
+)の計算値: 414 及び 416 実測値: 416.0
【0299】
工程5:3−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸
【化87】
1L容量のナシ型フラスコ内で、3−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(1.85g、4.47mmol)及び水酸化リチウム一水和物(1.87g、44.7mmol)を、THF(12mL)及び水(12mL)と合わせて、無色の懸濁液を得た。この混合物を、室温で一晩撹拌した。明朝に、LCMSは、大部分の出発物質及び少量の生成物を示した。メタノール(5mL)を加え、そして反応混合物を、50℃で20時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、そしてロータリーエバポレーター上で濃縮乾固した。得られたオフホワイトの固体を、部分的に水に溶解し、次に4N HCl水溶液を、混合物が白色の懸濁液になるまで加えた。この懸濁液を、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして次に濃縮して、3−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−5−tert−ブチル−チオフェン−2−カルボン酸(1.77g、99%)をオフホワイトの泡状物として得た。LC/MS: m/z C
17H
20BrFNO ([M+H]
+)の計算値: 400 及び 402 実測値: 402.0
【0300】
工程6:5−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−2−tert−ブチル−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン
【化88】
1L容量の丸底フラスコ内で、3−((4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミノ)メチル)−5−tert−ブチルチオフェン−2−カルボン酸(1.77g、4.42mmol)を、塩化メチレン(80mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応フラスコを、アルゴンで充填し戻し、次に塩化チオニル(1.96g、1.2mL、16.4mmol)を、5分間かけて滴下した。反応混合物を、アルゴン下、室温で18時間撹拌した。この時間の後、LCMSは、出発物質と生成物の混合物を示した。追加の塩化チオニル 1.5mLを、反応混合物に加え、そして反応混合物を、室温でさらに24時間撹拌した。この時間の後、LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して、褐色を帯びた黄色の油状物を得た。この粗生成物を、塩化メチレンに溶解し、そして得られた溶液を、シリカゲルで濃縮した。シリカゲルに支持された粗生成物を、120グラムシリカゲルカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(5〜25%EtOAc−ヘキサン)により、5−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−2−tert−ブチル−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン(1.22g、72%)を僅かに黄色の油状物として得た。LC/MS: m/z C
17H
18BrFNOS ([M+H]
+)の計算値: 382 及び 384 実測値: 384.0
【0301】
工程7:2−tert−ブチル−5−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン
【化89】
250mL容量の丸底フラスコ内で、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.15g、4.53mmol)、5−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−2−tert−ブチル−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン(1.07g、2.8mmol)及び酢酸カリウム(825mg、8.41mmol)を、ジオキサン(9mL)と合わせて、暗褐色の懸濁液を得た。この混合物に、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(185mg、227μmol)を加えた。反応混合物を、110℃で8時間加熱した。この時間の後、反応混合物を、室温に冷却し、そしてジオキサンを蒸発させた。粗生成物を、塩化メチレンに溶解し、次に溶液を、水(30mL)に注いだ。有機相を分離し、そして次にMgSO
4で乾燥させ、濾過し、そしてシリカゲルで濃縮した。シリカゲルに支持された粗生成物を、120gシリカゲルカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5〜25%酢酸エチル)により、2−tert−ブチル−5−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン(0.72g、60%)を白色の粉末として得た。LC/MS: m/z C
23H
30BFNO
3S ([M+H]
+)の計算値: 430 実測値: 430.2
【0302】
工程8:2−tert−ブチル−5−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン
【化90】
10mL容量のマイクロ波管内で、7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(150mg、0.401mmol、当量:1.00)、2−tert−ブチル−5−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−4,5−ジヒドロ−チエノ[2,3−c]ピロール−6−オン(190mg、0.441mmol、当量:1.1)、及び水 2mL中の炭酸カリウム(222mg、1.61mmol、当量:4.00)を、DME(4mL)と合わせた。Pd(Ph
3P)
4(46mg、0.04mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。溶液を、EtOAcで希釈し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、明黄色の固体として得た(17mg、9%収率)。LC/MS: m/z C
27H
25FN
6OS ([M+H]
+)の計算値: 501.6 実測値: 501.3
【0303】
実施例I−34
5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化91】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg、0.178mmol、当量:1.00)を、DCM(3mL)及びTFA(3mL)と合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−カルボン酸(18mg、0.195mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.124mL、0.710mmol、当量:4.00)及びHATU(74mg、0.195mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(35mg、42%収率)。LC/MS: m/z C
25H
24FN
7O
2([M+H]
+)の計算値: 474.5 実測値: 474.3
【0304】
実施例I−35
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−(3−メチル−オキセタン−3−イル)−ベンズアミド
【化92】
10mL容量の密閉可能な管内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(65mg、0.155mmol、当量:1.00)を、DCM(3mL)及びTFA(3mL)と合わせた。溶液を、室温で60分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去し、そして真空下で乾燥させた。粗物質を、DMF(5mL)に溶解した。4−(3−メチルオキセタン−3−イル)安息香酸(59.6mg、0.31mmol、当量:2.00)、DIPEA(0.14mL、0.78mmol、当量:5.00)及びHATU(118mg、0.31mmol、当量:2.00)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。得られた溶液を、EtOAcで希釈し、水及びブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(44mg、57%収率)。LC/MS: m/z C
28H
25FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 497.5 実測値: 497.2
【0305】
実施例I−36
4−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化93】
実施例35に記載されたものと同様の手順に従い、4−(2−シアノプロパン−2−イル)安息香酸(58.7mg、0.310mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(43mg、53%収率)。LC/MS: m/z C
28H
24FN
7O ([M+H]
+)の計算値: 494.5 実測値: 494.2
【0306】
実施例I−37
4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化94】
実施例35に記載されたものと同様の手順に従い、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(57mg、0.31mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(53mg、63%収率)。LC/MS: m/z C
26H
23FN
6OS ([M+H]
+)の計算値: 487.5 実測値: 487.2
【0307】
実施例I−38
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド
【化95】
【0308】
工程1:4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−安息香酸
【化96】
500mL容量の丸底フラスコ内で、4−イソプロピル安息香酸(1.0g、6.09mmol)を、水中10% KOH 5mLと合わせて、濁った懸濁液を得た。水中のKOH(96mL、19.2mmol)及び水 100mL中の過マンガン酸カリウム(1.92g、12.2mmol)を加えた。反応混合物を、70℃で1時間加熱した。反応混合物に、グリセリン 5滴を加えた。反応混合物を、0℃に冷却した。固体残留物を、celiteパッドを通して濾過した。濾液を、エーテルで2回洗浄した。合わせた有機相を、ブラインですすぎ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、そして一晩乾燥させた。生成物4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−安息香酸を、白色の固体として回収し(870mg、79%)、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.80 (br. s, 1 H), 7.83 - 7.89 (m, 2 H), 7.55 - 7.60 (m, 2 H), 5.15 (s, 1 H), 1.43 (s, 6 H)。
【0309】
工程2:N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド
【化97】
実施例35に記載されたものと同様の手順に従い、4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)安息香酸(41.4mg、0.230mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(46mg、82%収率)。LC/MS: m/z C
27H
25FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 485.5 実測値: 485.4
【0310】
実施例I−39
3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化98】
【0311】
工程1:3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル
【化99】
1:1 t−ブタノール/水(40mL)中のピバルアルデヒド(pivaldehyde)(1.0g、11.6mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(807mg、11.6mmol)及び水酸化ナトリウム(464mg、11.6mmol)を加えた。混合物を、室温で30分間撹拌した後、クロラミン−T(5.49g、23.4mmol)を、5分間かけて少量ずつ加え、続いて硫酸銅(II)(327mg、1.3mmol)及び銅粉末(73.8mg、1.16mmol)及びプロピオル酸メチル(976mg、11.6mmol)を加えた。反応混合物を還流加熱し、ここでそれを2時間維持した。この時間の後、混合物を、室温に冷却し、そして氷/水(50g)に注いだ。水酸化アンモニウム(10mL)を加え、そして溶液を、DCM(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧下で濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中0%〜10%EtOAc)により精製して、3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル(427mg、20%)を無色の油状物として得た。LC/MS: m/z C
9H
13NO
3 [(M+H)
+]の計算値:184 実測値: 184.1
【0312】
工程2:3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸
【化100】
メタノール(4mL)中の3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル(425mg、2.32mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(11.6mL、11.6mmol)を加えた。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、次に濃縮し、そして1N 塩酸(10mL)で中和した。混合物を、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸(318mg、81%)を白色の半固体として得た。LC/MS: m/z C
8H
11NO
3 [(M+H)
+]の計算値:170 実測値: 170
【0313】
工程3:3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化101】
実施例35に記載されたものと同様の手順に従い、3−tert−ブチルイソオキサゾール−5−カルボン酸(39mg、0.230mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(39mg、71%収率)。LC/MS: m/z C
25H
24FN
7O
2([M+H]
+)の計算値: 474.5. 実測値: 474.3。
【0314】
実施例I−40
3−tert−ブトキシ−アゼチジン−1−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化102】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(65mg、0.155mmol、当量:1.00)を、DCM(3mL)及びTFA(3mL)と合わせた。溶液を、室温で60分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去し、そして真空下で乾燥させた。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(50.3mg、0.31mmol、当量:2.00)及びDIPEA(0.14mL、0.78mmol、当量:5.00)を、反応混合物に加えて、明黄色の溶液を得た。反応を、室温で2時間撹拌した。3−tert−ブトキシアゼチジン(40mg、0.310mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10%MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(32mg、43%収率)。LC/MS: m/z C
25H
28FN
7O
2([M+H]
+)の計算値: 478.5 実測値: 478.6
【0315】
実施例I−41
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化103】
実施例40に記載されたものと同様の手順に従い、イソインドリン(37.0mg、0.31mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、固体として得た(43mg、59%収率)。LC/MS: m/z C
26H
22FN
7O ([M+H]
+)の計算値: 468.5 実測値: 468.1
【0316】
実施例42
4−tert−ブチル−N−(4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジル)−ベンズアミド
【化104】
【0317】
工程1:N,N−ジメチル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−エタンアミン
【化105】
250mL容量の丸底フラスコ内で、2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン(998mg、9.28mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.2g、6.18mmol)及び炭酸セシウム(4.03g、12.4mmol)を、アセトニトリル(20mL)と合わせて、白色の懸濁液を得た。反応混合物を、100℃で一晩加熱した。明朝に、反応混合物を、室温に冷却し、濾過し、そして濾液を濃縮して、標記化合物(1.26g、77%収率)を無色の油状物として得た。粗生成物を、精製することなくその後の反応に使用した。
【0318】
工程2:(4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化106】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−2−フルオロベンジルカルバマート(250mg、0.434mmol、当量:1.00)、N,N−ジメチル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタンアミン(319mg、1.2mmol、当量:2.77)及びPd(PPh
3)
4(50mg、0.043mmol、当量:0.1)を、DME(4mL)と合わせて、明褐色の懸濁液を得た。水(1mL)、続いて炭酸カリウム(240mg、1.74mmol、当量:4.00)を加えた。反応混合物を、マイクロ波で、150℃で1時間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブライン及び水で洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10%MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(62mg、29%収率)。LC/MS: m/z C
25H
30FN
7O
2([M+H]
+)の計算値: 480.6 実測値: 480.3
【0319】
工程3:(2−{4−[4−(4−アミノメチル−3−フルオロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−ピラゾール−1−イル}−エチル)−ジメチル−アミン
【化107】
100mL容量の丸底フラスコ内で、tert−ブチル4−(6−(1−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−2−フルオロベンジルカルバマート(62mg、0.129mmol、当量:1.00)を、DCM(8mL)と合わせて、明黄色の懸濁液を得た。TFA(4mL、51.9mmol、当量:402)を加え、そして室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、高真空下で2時間乾燥させた。残留物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。LC/MS: m/z C
20H
22FN
7 ([M+H]
+)の計算値: 380.4 実測値: 380.2
【0320】
工程4:4−tert−ブチル−N−(4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジル)−ベンズアミド
【化108】
10mL容量の密閉可能な管内で、(2−{4−[4−(4−アミノメチル−3−フルオロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−ピラゾール−1−イル}−エチル)−ジメチル−アミン(48mg、0.127mmol、当量:1.00)、4−tert−ブチル安息香酸(45mg、0.253mmol、当量:2.00)及びHATU(96mg、0.253mmol、当量:2.00)を、DMF(4mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。反応混合物を、5分間撹拌し、次にDIPEA(0.110mL、0.630mmol、当量:5.00)を加え、そして室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10%MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(49mg、71%収率)。LC/MS: m/z C
31H
34FN
7O ([M+H]
+)の計算値: 540.6 実測値: 540.3
【0321】
実施例I−43
3−tert−ブトキシ−アゼチジン−1−カルボン酸4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジルアミド
【化109】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、(2−{4−[4−(4−アミノメチル−3−フルオロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−ピラゾール−1−イル}−エチル)−ジメチル−アミン(22mg、0.056mmol、当量:1.00)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(19mg、0.116mmol、当量:2.00)及びDIPEA(51μL、0.290mmol、当量:5.00)を、DMF(2mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。反応を、室温で2時間撹拌した。3−tert−ブトキシアゼチジン(15.0mg、0.116mmol、当量:2.00)を加え、そして室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブライン及び水で洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(18mg、58%収率)。LC/MS: m/z C
28H
35FN
8O
2([M+H]
+)の計算値: 535.6. 実測値: 535.4。
【0322】
実施例I−44
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸4−{6−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−2−フルオロ−ベンジルアミド
【化110】
実施例43に記載されたものと同様の手順に従い、イソインドリン(14mg、0.116mmol、当量:2.00)を使用して、標記化合物を、黄色の固体として得た(20mg、63%収率)。LC/MS: m/z C
29H
29FN
8O ([M+H]
+)の計算値: 525.6 実測値: 525.3
【0323】
実施例I−45
[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル
【化111】
【0324】
工程1:(4−{4−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−フルオロ−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル}−ピラゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル
【化112】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−2−フルオロベンジルカルバマート(250mg、0.434mmol、当量:1.00)、エチル2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセタート(365mg、1.3mmol、当量:3)及びPd(PPh
3)
4(50mg、0.043mmol、当量:0.1)を、DMF(10mL)と合わせて、明褐色の懸濁液を得た。炭酸カリウム(240mg、1.74mmol、当量:4.00)を加えた。反応混合物を、マイクロ波で、155℃で1時間加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブライン及び水で洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5〜60%EtOAc)により精製した。標記化合物を、固体として得た(72mg、33%収率)。LC/MS: m/z C
25H
27FN
6O
4([M+H]
+)の計算値: 495.5 実測値: 495.3
【0325】
工程2:{4−[4−(4−アミノメチル−3−フルオロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−ピラゾール−1−イル}−酢酸エチルエステル
【化113】
50mL容量の丸底フラスコ内で、(4−{4−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−フルオロ−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル}−ピラゾール−1−イル)−酢酸エチルエステル(72mg、0.146mmol、当量:1.00)を、DCM(8mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。TFA(4mL、51.9mmol、当量:357)を加え、そして室温で1時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去し、真空下で3時間さらに乾燥させた。残留物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。LC/MS: m/z C
20H
19FN
6O
2([M+H]
+)の計算値: 395.4. 実測値: 395.2.
【0326】
工程3:[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル
【化114】
50mL容量の丸底フラスコ内で、{4−[4−(4−アミノメチル−3−フルオロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−ピラゾール−1−イル}−酢酸エチルエステル(52mg、0.132mmol、当量:1.00)、4−tert−ブチル安息香酸(47.0mg、0.264mmol、当量:2.00)及びHATU(100mg、0.264mmol、当量:2.00)を、DMF(4mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。反応混合物を、5分間撹拌し、次にDIPEA(115μL、659μmol、当量:5.00)を加え、そして室温で一晩撹拌した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、そしてブライン及び水で洗浄した。有機相を合わせ、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、固体として得た(52mg、69%収率)。LC/MS: m/z C
31H
31FN
6O
3([M+H]
+)の計算値: 555.6 実測値: 555.4
【0327】
実施例46
[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−
【化115】
50mL容量の丸底フラスコ内で、[4−(4−{4−[(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−3−フルオロ−フェニル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル(47mg、0.085mmol、当量:1.00)を、THF(5mL)と合わせて、黄色の懸濁液を得た。NaOH 1M溶液(0.135mL、0.135mmol、当量:1.59)を加え、そして室温で一晩撹拌した。反応物を、1N HClの添加によって酸性化した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、HPLCにより精製して、標記化合物を黄色の固体として得た(34mg、76%収率)。LC/MS: m/z C
29H
27FN
6O
3([M+H]
+)の計算値: 527.6 実測値: 527.3
【0328】
実施例47
N−(2−フルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化116】
【0329】
工程1:N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化117】
DMF(3.15mL)中の(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メタンアミン(193mg、945μmol、当量:1.00)、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸(157mg、945μmol、当量:1.00)、HBTU(358mg、945μmol、当量:1.00)及びDIPEA(366mg、495μL、2.83mmol、当量:3)を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10〜65%酢酸エチル)により精製して、N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド(178mg、54%収率)を無色の油状物として得た。LC/MS: m/z C
15H
15BrFN
3O([M+H]
+)の計算値: 353.2 実測値: 354.1
【0330】
工程2:N−(2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化118】
NMP(3mL)中のN−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド(178mg、505μmol、当量:1.00)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(193mg、758μmol、当量:1.5)、PdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2付加物(37.0mg、50.5μmol、当量:0.1)及び酢酸カリウム(149mg、1.52mmol、当量:3)を、100℃に16時間加熱した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で除去した。得られた粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中30〜100%酢酸エチル)により精製して、N−(2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド(74mg、37%収率)を白色の固体として得た。LC/MS: m/z C
21H
27BFN
3O
3 ([M+H]
+)の計算値: 400.2 実測値: 400.2
【0331】
工程3:N−(2−フルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化119】
DME(1.48mL)/水(371μL)中の4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−(フェニルスルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(69.3mg、185μmol、当量:1.00)、N−(2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド(74mg、185μmol、当量:1.00)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(21.4mg、18.5μmol、当量:0.1)及び炭酸カリウム(76.8mg、556μmol、当量:3)を、マイクロ波中で、150℃に45分間加熱した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、[10%MeOH/酢酸エチル]中0〜100%酢酸エチル)により精製し、続いてHPLC精製して、N−(2−フルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボキサミド(5.7mg、7%収率)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.63 (s, 1 H), 8.79 (s, 1 H), 8.73 (t, J=5.8 Hz, 1 H), 8.31 (s, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.94 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 7.52 (t, J=8.2 Hz, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 6.43 (s, 1 H), 4.56 (d, J=6.2 Hz, 2 H), 4.15 (t, J=5.3 Hz, 2 H), 3.92 (s, 3 H), 2.80 (t, J=5.0 Hz, 2 H), 2.01 (br. s, 2 H), 1.82 (br. s, 2 H); LC/MS: m/z C
25H
23FN
8O ([M+H]
+)の計算値: 471.5 実測値: 471.2
【0332】
実施例48
5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化120】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg、0.178mmol、当量:1.00)を、DCM 2mL及びTFA 2mLと合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−カルボン酸(33.0mg、0.195mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.124mL、0.71mmol、当量:4.00)及びHATU(74mg、0.195mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(35mg、42%収率)。LC/MS: m/z C
25H
24FN
7O
2 ([M+H]
+)の計算値: 474.5 実測値: 474.3
【0333】
実施例49
3−tert−ブチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−カルボン酸2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジルアミド
【化121】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(150mg、0.355mmol、当量:1.00)を、DCM 3mL及びTFA 3mLと合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(4mL)に溶解した。3−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボン酸(66.5mg、0.391mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.25mL、1.42mmol、当量:4.00)及びブロモトリピロリジン−1−イルホスホニウム(Pybrop)(182mg、0.391mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体は、分取HPLC(10〜100%アセトニトリル−水)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(20mg、12%収率)。LC/MS: m/z C
24H
23FN
8O
2([M+H]
+)の計算値: 475.5 実測値: 475.2
【0334】
実施例50
{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化122】
20mL容量の密閉可能なマイクロ波管内で、7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(500mg、1.34mmol、当量:1.00)、[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(541mg、1.61mmol、当量:1.2)、及び水 5mL中の炭酸カリウム(739mg、5.35mmol、当量:4.00)を、DME(10mL)と合わせた。Pd(PPh
3)
4(375mg、0.325mmol、当量:0.1)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で、160℃で60分間加熱した。溶液を、EtOAc及びブラインで洗浄した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(150mg、27%収率)。LC/MS: m/z C
22H
23FN
6O
2 ([M+H]
+)の計算値: 423.4 実測値: 423.2
【0335】
実施例51
N−{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−ベンズアミド
【化123】
20mL容量のシンチレーションバイアル内で、{2−フルオロ−4−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.237mmol、当量:1.00)を、DCM 2mL及びTFA 2mLと合わせた。溶液を、室温で30分間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗物質を、DMF(2mL)に溶解した。安息香酸(32mg、0.26mmol、当量:1.1)、DIPEA(0.165mL、0.95mmol、当量:4.00)及びHATU(99mg、0.26mmol、当量:1.1)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌した。得られた溶液を、水 10mL及びEtOAc 5mLで希釈した。溶液を、室温でさらに30分間撹拌した。有機相を抽出し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を、減圧下で除去した。得られた固体を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中0〜10% MeOH)により精製した。標記化合物を、黄色の固体として得た(8mg、8%収率)。LC/MS: m/z C
24H
19FN
6O ([M+H]
+)の計算値: 427.5 実測値: 427.1
【0336】
生物学的実施例
ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)阻害アッセイ
本アッセイは、濾過による放射性
33Pリン酸化生成物の捕獲である。Btk、ビオチン化SH
2ペプチド基質(Src相同)及びATPの相互作用は、ペプチド基質のリン酸化をもたらす。ビオチン化生成物は、ストレプトアビジンセファロースビーズに結合される。全ての結合された放射標識生成物は、シンチレーションカウンターによって検出される。
【0337】
アッセイされるプレートは、96ウェルのポリプロピレン(Greiner)及び96ウェルの1.2 μm親水性PVDFフィルタープレート(Millipore)である。ここで報告される濃度は、最終アッセイ濃度である:DMSO(Burdick and Jackson)中の10〜100μM化合物、5〜10nM Btk酵素(His標識された、完全長)、30μM ペプチド基質(Biotin-Aca-AAAEEIYGEI-NH
2)、100μM ATP(Sigma)、8mM イミダゾール(Sigma、pH7.2)、8mM グリセリン−2−ホスファート(Sigma)、200μM EGTA(Roche Diagnostics)、1mM MnCl
2(Sigma)、20mM MgCl
2(Sigma)、0.1mg/mL BSA(Sigma)、2mM DTT(Sigma)、1μCi
33P ATP(Amersham)、20%ストレプトアビジンセファロースビーズ(Amersham)、50mM EDTA(Gibco)、2M NaCl(Gibco)、2M NaClw/1%リン酸(Gibco)、microscint-20(Perkin Elmer)。
【0338】
IC
50決定は、標準96ウェルプレートアッセイテンプレートから得られたデータを利用して、1化合物当たり10個のデータ点から計算される。1種の対照化合物及び7種の未知の阻害剤を、各プレート上で試験し、そして各プレートを2回実施した。典型的に、化合物を、100μMから出発し、そして3nMで終了する半対数(half-log)で希釈した。対照化合物はスタウロスポリンであった。バックグラウンドを、ペプチド基質の非存在下で計数した。総活性を、ペプチド基質の存在下で決定した。以下のプロトコールを使用して、Btk阻害を決定した。
【0339】
1)サンプル調製:試験化合物を、アッセイ緩衝液(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、EGTA、MnCl
2、MgCl
2、BSA)に半対数増分で希釈した。
2)ビーズ調製
a.)500gで遠心分離することによってビーズをすすぐ
b.)PBS及びEDTAを用いてビーズを再構成して、20%ビーズスラリーを生成する
3)30℃で15分間、基質を用いない反応混合物(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、
33P ATP)、及び基質を含む混合物(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、
33P ATP、ペプチド基質)をプレインキュベートする
4)アッセイを開始するために、室温で10分間、酵素緩衝液中のBtk 10μL(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、BSA)及び試験化合物 10μLをプレインキュベートする。
5)基質を含むか又は含まない反応混合物 30μLをBtk及び化合物に加える。
6)30℃で30分間、総アッセイ混合物 50μLをインキュベートする。
7)アッセイ 40μLをフィルタープレート中のビーズスラリー 150μLに移して、反応を停止させる。
8)30分後、以下の工程でフィルタープレートを洗浄する
a. NaCl 3×250μL
b. 1%リン酸含有NaCl 3×250μL
c. H
2O 1×250μL
9)65℃で1時間又は室温で一晩、プレートを乾燥させる
10)microscint-20 50μLを加え、そしてシンチレーションカウンターで
33P cpmを計数する
cpmでの生データから活性パーセントを計算する
活性パーセント=(サンプル−バックグラウンド)/(総活性−バックグラウンド)×100
一部位用量反応シグモイド曲線モデル(one-site dose response sigmoidal model)を使用して活性パーセントからIC
50を計算する
y=A+((B−A)/(1+((x/C)
D))))
x=化合物濃度、y=活性%、A=最小、B=最大、C=IC
50、D=1(ヒル勾配(hill slope))
【0340】
ブルートンチロシンキナーゼ(BTK)阻害TR−FRET(時間分解FRET)アッセイ
このBTK競合アッセイは、FRET(Foerster/蛍光共鳴エネルギー移動)技術を使用して、ブルートンチロシンキナーゼの不活性状態についての化合物の効力(IC50)を測定する。BTK−ユウロピウム錯体を、50nM BTK-Bioease(商標):10nM ユウロピウム−ストレプトアビジン(Perkin-Elmer Catalog# AD0062)の開始濃度での使用の1時間前に、氷上でインキュベートした。アッセイ緩衝液は、3%キナーゼ安定剤(Kinase Stabilizer)(Fremont Biosolutions, Catalog # STB-K02)と共に、20mM HEPES(pH7.15)、0.1mM DTT、10mM MgCl
2、0.5mg/mL BSAからなった。1時間後、上記からの反応混合物を、アッセイ緩衝液中で10倍に希釈して、5nM BTK:1nM ユウロピウム−ストレプトアビジン錯体(ドナーフルオロフォア)を作った。次に、非陰性対照としてBTK−ユウロピウム単独を含む、0.11nM BTK−ユウロピウムと0.11nM Kinase Tracer 178(Invitrogen, Catalog # PV5593)の混合物 18μLを、384ウェル平底プレート(Greiner、784076)に分注した。アッセイで試験されるべき化合物を、10×濃度として調製し、そして10点曲線を作り出すために、半対数増分での段階希釈をDMSOで実施した。FRET反応を開始するために、DMSO中の10×ストックとして調製した化合物をプレートに加え、そしてプレートを、14℃で18〜24時間インキュベートした。
【0341】
インキュベーション後、プレートを、BMG Pherastar 蛍光プレート読取機(又は等価物)で読み取り、そしてユウロピウムドナーフルオロフォア(620nm発光)及びFRET(665nm発光)からの発光エネルギーを測定するために使用した。陰性対照ウェル値を平均化して、平均最小値を得た。陽性「非阻害剤」対照ウェルを平均化し、平均最大値を得た。最大FRETのパーセントを、以下の方程式を使用して計算した:
%最大FRET=100×[(FSR
化合物−FSR
平均最小)/(FSR
平均最大−FSR
平均最小)]
式中、FSR=FRETシグナル比。%最大FRET曲線を、Activity Base(Excel)にプロットし、そしてIC50(%)、ヒル勾配、z’及び%CVを決定した。平均IC50及び標準偏差は、Microsoft Excelを使用して、二重曲線から導出される(2つの独立希釈からの一重阻害曲線(singlet inhibition curve))。
【0342】
このアッセイについて代表的化合物データを、以下で表II中に列挙する。
【0343】
【表2】
【0344】
CD69発現によって測定される全血におけるB細胞活性化の阻害
ヒト血液中のB細胞のB細胞レセプター介在性活性化を抑制する、Btk阻害剤の能力を試験するための手順は以下の通りである:
【0345】
ヒト全血(HWB)を、以下の制限を有する健康な志願者から得る:24時間薬物を摂取していない、非喫煙者。血液を、ナトリウムヘパリンで抗凝固処理したヴァキュテーナー(Vacutainer)管内への静脈穿刺によって採取した。試験化合物を、PBS中、所望の出発薬物濃度の10倍に希釈し(20×)、続いてPBS中の10% DMSOで3倍段階希釈して、9点用量反応曲線を作成する。各化合物希釈 5.5μLを、二組の2mLの96ウェルV底プレートに加え(Analytical Sales and Services, #59623-23);PBS中の10% DMSO 5.5μLを、対照及び非刺激ウェルに加える。HWB(100μL)を各ウェルに加え、そして混合した後、プレートを、37C、5% CO
2、100%湿度で30分間インキュベートする。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Southern Biotech, #2022-14)(500μg/mL溶液 10μL、50μg/mL最終濃度)を、混合しながら各ウェル(非刺激ウェルを除く)に加え、そしてプレートを、さらに20時間インキュベートする。
【0346】
20時間のインキュベーションの最後に、サンプルを、蛍光プローブ標識抗体(florescent-probe-labeled anti-bodies)(PEマウス抗ヒトCD20 15μL、BD Pharmingen, #555623、及び/又はAPCマウス抗ヒトCD69 20ul、BD Pharmingen #555533)と共に、30分間、37C、5% CO
2、100%湿度で、インキュベートする。補償調節(compensation adjustments)及び初期電圧設定のために、誘導された対照の未染色及び単一染色を含む。次に、サンプルを、1X Pharmingen Lyse緩衝液(BD Pharmingen # 555899) 1mLで溶解し、そしてプレートを、1800rpmで5分間遠心分離する。上澄みを、吸引を介して除去し、そして残ったペレットを、さらなる1X Pharmingen Lyse緩衝液 1mLで再び溶解し、そしてプレートを、前述同様に遠心沈殿させる。上澄みを吸引し、そして残ったペレットを、FACs緩衝液(PBS+1% FBS)中で洗浄する。最終回転後、上澄み(supernantants)を除去し、そしてペレットを、FACs緩衝液 180μLに再懸濁した。サンプルを、BD LSR IIフローサイトメーター上のHTS96ウェルシステムで実行されるのに適する96ウェルプレートに移す。
【0347】
使用されるフルオロフォアに適切な励起及び発光波長を使用して、データを取得し、そしてパーセント陽性細胞値を、Cell Quest Softwareを使用して得る。結果を最初にFACS解析ソフトウェア(Flow Jo)によって分析する。試験化合物についてのIC50を、抗IgMによる刺激後、CD20陽性でもあるCD69陽性細胞のパーセンテージの50%減少する濃度として定義される(8個の対照ウェルの平均、非刺激バックグランドについての8個のウェルの平均の引き算後)。IC50値を、XLfit software version 3, equation 201を使用して計算する。
【0348】
B細胞活性化の阻害−Ramos細胞におけるB細胞FLIPRアッセイ
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害を、抗IgMによって刺激されたB細胞応答に対する試験化合物の効果を決定することによって証明する。
【0349】
B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体による刺激から、細胞内カルシウム増加の潜在的な阻害剤の効果を決定する、細胞に基づいた機能的方法である。Ramos細胞(ヒトバーキットリンパ腫細胞株。ATCC-No. CRL-1596)を、増殖培地(以下で説明される)中で培養した。アッセイの1日前に、Ramos細胞を、新鮮な増殖培地(上記と同じ)に再懸濁し、組織培養フラスコ中で0.5×10
6/mLの濃度に設定した。アッセイの当日、細胞を計数し、そして組織培養フラスコ中で1μM FLUO−3AM(TefLabs Cat-No. 0116、無水DMSO及び10%プルロン酸(Pluronic acid)で調製した)を補充した増殖培地中、1×10
6/mLの濃度に設定し、そして37℃(4% CO
2)で1時間インキュベートする。細胞外色素を除去するために、細胞を、遠心分離(5分、1000rpm)によって回収し、1×10
6細胞/mLでFLIPR緩衝液(以下で説明される)に再懸濁し、そして次に96ウェルのポリ−D−リジン被覆された黒色/透明プレート(BD Cat-No. 356692)に1ウェル当たり1×10
5細胞で分注した。試験化合物を、100μM〜0.03μMにわたる種々の濃度で(7つの濃度、以下に詳述)加え、そして細胞と共に、室温で30分間インキュベートさせた。Ramos細胞Ca
2+シグナル伝達を、10μg/mL 抗IgM(Southern Biotech, Cat-No. 2020-01)の添加によって刺激し、そしてFLIPR(Molecular Devices、480nM 励起でのアルゴンレーザーを用い、CCDカメラを使用して96ウェルプレートの画像を取り込む)上で測定した。
【0350】
培地/緩衝液:
増殖培地:L−グルタミン(Invitrogen, Cat-No. 61870-010)、10%ウシ胎仔血清(FBS, Summit Biotechnology Cat-No. FP-100-05);1mM ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen Cat. No. 11360-070)を含むRPMI 1640培地。
【0351】
FLIPR緩衝液:HBSS(Invitrogen, Cat-No. 141175-079)、2mM CaCl
2(Sigma Cat-No. C-4901)、HEPES(Invitrogen, Cat-No. 15630-080)、2.5mM プロベネシド(Sigma, Cat-No. P-8761)、0.1% BSA(Sigma, Cat-No.A-7906)、11mM グルコース(Sigma, Cat-No.G-7528)
【0352】
化合物希釈詳細:
100μMの最も高い最終アッセイ濃度を達成するために、10mM化合物原液(DMSO中に作成) 24μLを、FLIPR緩衝液 576μLに直接加える。試験化合物を、FLIPR緩衝液で希釈して(Biomek 2000ロボット分注器を使用して)、以下の希釈スキームをもたらす:ビヒクル、1.00×10
−4M、1.00×10
−5、3.16×10
−6、1.00×10
−6、3.16×10
−7、1.00×10
−7、3.16×10
−8。
【0353】
アッセイ及び分析:
カルシウムにおける細胞内増加が最大−最小統計値を使用して報告された(Molecular DevicesのFLIPR対照及び統計値エクスポートソフトウェアを使用して、刺激性抗体の添加によって引き起こされたピークから休止基線値を引く。IC
50を、非線形曲線当てはめを使用して決定した(GraphPad Prism software)。
【0354】
マウスコラーゲン誘導関節炎(mCIA)
0日目、マウスに、フロイント完全アジュバント(CFA)中のII型コラーゲンのエマルションを、尾の付け根又は背中の幾つかの点で注射する(皮内)。コラーゲン免疫に続いて、動物は、約21〜35日で関節炎を発生するであろう。関節炎の発症は、21日目に、フロイント不完全アジュバント(IFA;皮内)中のコラーゲンの全身投与によって同期される(追加免疫)。動物を、20日目後、追加免疫するためのシグナルである軽度の関節炎(1又は2のスコア;以下のスコアの記載を参照のこと)のいかなる発症についても、日々検査する。追加免疫に続いて、マウスはスコア化され、規定された時間(典型的には2〜3週間)及び投薬頻度、日々(QD)又は1日2回(BID)で、候補治療薬を投薬する。
【0355】
ラットコラーゲン誘導関節炎(rCIA)
0日目、ラットに、フロイント不完全アジュバント(IFA)中のウシII型コラーゲンのエマルションを、背中の幾つかの場所で皮内注射する(皮内)。コラーゲンエマルションの追加免疫注射を、尾の付け根又は背中の代替部位で、約7日目に与える(皮内)。関節炎は、一般に、最初のコラーゲン注射の後、12〜14日目に観察される。動物を、14日目以降から、以下に記載するような関節炎の発生について評価することができる(関節炎の評価)。動物に、第二の抗原刺激時から始まり、そして規定された時間(典型的に2〜3週間)及び投薬頻度、日々(QD)又は1日2回(BID)で、候補治療薬を予防的に投薬する。
【0356】
関節炎の評価:
両方のモデルにおいて、足及び肢関節の炎症の発生を、以下に記載される判断基準に従って4本の足の評価を含む採点システムを使用して定量化する:
スコアリング: 1=足又は1本の足指の腫脹及び/又は発赤。
2=2つ以上の関節での腫脹。
3=3つ以上の関節を巻き込む足の著しい腫脹。
4=足全体及び足指全部の重度の関節炎。
【0357】
評価を、基線値測定のために0日目に行い、そして最初の兆候又は腫脹で再び開始し、実験が終わるまで1週間当たり最高で3回行う。各マウスについて関節炎の指標を、個々の足の4つのスコアを足し、動物1匹あたり最高で16のスコアを与えることによって得る。
【0358】
ラットインビボ喘息モデル
雄のBrown-Norwayラットを、3週間の間、週に1回(0日目、7日目及び14日目)、ミョウバン 0.2mL中のOA(オボアルブミン)100μgで感作する(腹腔内)。21日目(最終感作の一週間後)、ラットに、OAエーロゾル抗原刺激(45分間1% OA)の0.5時間前、ビヒクル又は化合物配合物のいずれかを毎日皮下投薬し、そして抗原刺激の4又は24時間後に終了する。殺処分時に、血清及び血漿を、それぞれ血清試験及びPK用に全ての動物から採取する。気管カニューレを挿入し、そして肺を、PBSで3回洗浄する。BAL流体を、全白血球数及び白血球分画について分析する。細胞のアリコート(20〜100μL)中の全白血球数を、Coulter Counterによって決定する。白血球分画について、サンプル 50〜200μLを、サイトスピン内で遠心分離し、そしてスライドをDiff-Quikで染色する。単球、好酸球、好中球及びリンパ球の割合を、標準形態学的基準を使用して光学顕微鏡下で計数し、そしてパーセンテージとして表す。Btkの代表的な阻害剤は、対照のレベルと比較して、OA感作されて抗原刺激されたラットのBALにおいて、減少された全白血球数を示す。
【0359】
前記の発明は、明瞭さ及び理解の目的のために、例証及び例として幾つかの詳細が記載されている。変更及び変形を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり、制限的ではないことを意図していることが理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、それよりも、以下の添付の特許請求の範囲に関して、かかる特許請求の範囲の権利が与えられる同等物の包括的範囲と共に決定されるべきである。
【0360】
本出願に引用される全ての特許、特許出願及び刊行物は、各個々の特許、特許出願又は刊行物が個々に示されたかのように、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。