(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139695
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】小トラフィック伝送のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20170522BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20170522BHJP
【FI】
H04W72/04 134
H04W72/04 133
H04W4/08
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-546837(P2015-546837)
(86)(22)【出願日】2013年12月16日
(65)【公表番号】特表2016-504851(P2016-504851A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】CN2013089545
(87)【国際公開番号】WO2014090200
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年7月24日
(31)【優先権主張番号】61/737,636
(32)【優先日】2012年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/911,716
(32)【優先日】2013年6月6日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ケルヴィン・カー・キン・アウ
(72)【発明者】
【氏名】ジアンレイ・マ
(72)【発明者】
【氏名】ホセイン・ニコプール
(72)【発明者】
【氏名】アリレザ・ベイエステ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ジュキッチ
(72)【発明者】
【氏名】リチン・ザン
(72)【発明者】
【氏名】ペイイン・ジュ
【審査官】
伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−522940(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/120443(WO,A1)
【文献】
特表2010−516207(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/057540(WO,A1)
【文献】
Qualcomm Europe,HS-SCCH-less HS-PDSCH operation for improved support of IMS real-time services,3GPP TSG-RAN WG1#43,3GPP,2005年11月11日,R1-051511
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によって、ダウンリンクチャネルの第1のリソースをモバイルデバイスの第1のグループのための第1の探索空間として割り振るステップであって、前記ダウンリンクチャネルは、モバイルデバイスの異なるグループに割り当てられる複数の探索空間を含み、かつ前記第1の空間は、モバイルデバイスの前記第1のグループ内のモバイルデバイスに割り当てられる伝送コードを含む、ステップと、
前記伝送コードの第1の伝送コードをモバイルデバイスの前記第1のグループ中の第1のモバイルデバイスに割り当てるステップと、
伝送コード割り当てを前記第1のモバイルデバイスに伝達することなく、前記基地局によって、前記第1の伝送コードに従って前記リソースを介してパケットを伝送するステップであって、前記パケットは、制御情報ではない少なくともいくつかのデータを含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の伝送コードは直交または準直交シグネチャを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の伝送コードは、低密度シグネチャ、符号分割多重アクセス(CDMA)シグネチャ、擬似雑音(PN)シーケンス、Zadoff-Chuシーケンス、およびウォルシュ-アダマールコードのうち少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の伝送コードはスパース多重アクセスコードを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンリンクチャネルの前記リソースを介して前記パケットを伝送するステップは、複数の伝送コードに従って前記パケットを伝送するステップを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記探索空間は、前記ダウンリンクチャネルの時間/周波数リソースを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記探索空間は、前記ダウンリンクチャネルの空間リソースを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のモバイルデバイスは、ブラインド検出を使って前記パケットを受け取るよう構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、
前記プロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体であり、前記プログラミングは、
モバイルデバイスの第1のグループのための第1の探索空間としてダウンリンクチャネルの第1のリソースを割り振る命令であって、前記ダウンリンクチャネルは、モバイルデバイスの異なるグループに割り当てられる複数の探索空間を含み、かつ前記第1の空間は、モバイルデバイスの前記第1のグループ内のモバイルデバイスに割り当てられる伝送コードを含む、命令と、
前記伝送コードの第1の伝送コードをモバイルデバイスの前記第1のグループの第1のモバイルデバイスに割り当てる命令と、
いずれの伝送コード割り当ても前記第1のモバイルデバイスに伝達することなく、前記第1の伝送コードに従って前記リソースを介して第1のパケットを伝送する命令であって、前記パケットは、制御情報ではない少なくともいくつかのデータを含む、命令と、
を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体と、
を含む基地局。
【請求項10】
前記第1のモバイルデバイスはブラインド検出を使って前記第1のパケットを受け取るよう構成されている、請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
第1のモバイルデバイスによって、モバイルデバイスの第1のグループのためのダウンリンクチャネルの第1の探索空間を識別するステップであり、モバイルデバイスの前記第1のグループは少なくとも前記第1のモバイルデバイスを含み、前記ダウンリンクチャネルは、モバイルデバイスの異なるグループに割り当てられる複数の探索空間を含み、かつ前記第1の空間は、モバイルデバイスの前記第1のグループ内のモバイルデバイスに割り当てられる伝送コードを含む、ステップと、
前記第1のモバイルデバイスによって、前記第1の探索空間に関連付けられた1組の候補伝送コードを決定するステップと、
前記第1のモバイルデバイスによって、ブラインド検出を使って前記第1の探索空間において伝達されたパケットを受け取るステップであり、前記パケットは前記1組の候補伝送コード中の第1の伝送コードを介して伝達されるステップであって、前記パケットは、制御情報ではない少なくともいくつかのデータを含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
ブラインド検出を使って前記パケットを受け取るステップは、前記パケットを伝達するのに前記1組の候補伝送コード中のどの伝送コードが使用されたかを事前に知ることなく、前記第1のモバイルデバイスによって前記パケットを受け取るステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ブラインド検出を使って前記パケットを受け取るステップは、
前記第1のモバイルデバイスによって、前記1組の候補伝送コード中の対応する伝送コードを使って前記探索空間において伝達される複数のパケットを復号化するステップであり、各パケットは、前記1組の候補伝送コード中の異なる伝送コードに従って伝達されるステップと、
前記復号化されたパケットのうちどれが前記第1のモバイルデバイスに関連付けられた識別子を搬送するかを決定するステップと、
を含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記探索空間は、前記ダウンリンクチャネルの時間/周波数リソースを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記探索空間は前記ダウンリンクチャネルの空間リソースを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
モバイルデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによる実行のためのプログラミングを記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体であり、前記プログラミングは、
前記モバイルデバイスを含むモバイルデバイスの第1のグループのためのダウンリンクチャネルの第1の探索空間を識別する命令であり、前記ダウンリンクチャネルは、モバイルデバイスの異なるグループに割り当てられる複数の探索空間を含み、かつ前記第1の空間は、モバイルデバイスの前記第1のグループ内のモバイルデバイスに割り当てられる伝送コードを含む、命令と、
前記第1の探索空間に関連付けられた1組の候補伝送コードを決定する命令と、
ブラインド検出を使って前記第1の探索空間において伝達されたパケットを受け取る命令であり、前記パケットは前記1組の候補伝送コード中の第1の伝送コードを介して伝達される命令であり、前記パケットは、制御情報ではない少なくともいくつかのデータを含む、命令と、
を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体と、
を含むモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
この出願は、2012年12月14日に出願された「System and Method for Small Traffic Transmissions」という名称の米国仮出願No.61/737,636の利益を主張し、また、2013年6月6日に出願された「System and Method for Small Traffic Transmissions」という名称の米国仮出願No. 13/911,716の優先権を主張し、それらは、それらのすべてが再現されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、無線通信のためのシステムおよび方法に関し、より詳細な実施形態においては、小トラフィック伝送のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
第3世代パートナーシップ(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)ネットワークにおいては、ダウンリンク(DL)伝送とアップリンク(UL)伝送の両方がスケジューリングベースのアクセスを利用しており、これは、ネットワークリソース(たとえば、時間/周波数リソース)がそれぞれの伝送に割り振られることを意味する。スケジューリングベースのアクセスは、典型的には、動的スケジューリングまたは準静的スケジューリングのいずれかを含む。動的スケジューリングでは、ユーザ機器(UE)および基地局(BS)は、伝送時間間隔(TTI)ごとにグラントベースのシグナリングを伝達する。準静的スケジューリングでは、UEおよびBSは、TTIのブロックでグラントベースのシグナリングを伝達する。動的スケジューリングは、UEおよびBSが高速リンク適応を達成することを可能にすることができ、一方、準静的シグナリングは、シグナリングのオーバヘッドの発生を削減することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に、小トラフィック伝送のためのシステムおよび方法を記載しているこの開示の実施形態により、技術的な利点が達成される。
【0005】
一実施形態に従って、データを伝達するための方法が提供される。この例では、その方法は、ダウンリンクチャネルのリソースをモバイルデバイスグループのための探索空間として割り振るステップと、第1の伝送コードを第1のモバイルデバイスに割り当てるステップと、伝送コード割り当てを第1のモバイルデバイスに伝達することなく、第1の伝送コードに従ってリソースを介してパケットを伝送するステップと、を含む。第1のモバイルデバイスは、ブラインド検出を使ってパケットを受け取るよう構成されている。この方法を実行するための装置も提供される。
【0006】
別の実施形態に従って、データを伝達するための別の方法が提供される。この例では、その方法は、モバイルデバイスグループのための探索空間を識別するステップを含む。探索空間は、ダウンリンクチャネルのリソースを含む。この方法はさらに、探索空間に関連付けられた1組の候補伝送コードを決定するステップと、ブラインド検出を使って探索空間において伝達されたパケットを受け取るステップと、を含む。探索空間はダウンリンクチャネルのリソースを含み、また、パケットは1組の候補伝送コード中の第1の伝送コードに従って伝達される。この方法を実行するための装置も提供される。
【0007】
さらに別の実施形態に従って、データを伝達するためのさらに別の方法が提供される。この例では、その方法は、モバイルデバイスグループのためのアクセス空間を識別するステップを含む。アクセス空間は、アップリンクチャネルのリソースを含む。この方法はさらに、モバイルデバイスグループ中の第1のモバイルデバイスのための1組の伝送コード中の第1の伝送コードを決定するステップと、アップリンクグラントを得ることなく、第1の伝送コードを使ってアップリンクチャネルのリソースを介してパケットを伝送するステップと、を含む。この方法を実行するための装置も提供される。
【0008】
さらに別の実施形態に従って、データを伝達するためのさらに別の方法が提供される。この例では、その方法は、モバイルデバイスグループのためのアクセス空間を識別するステップを含む。アクセス空間は、アップリンクチャネルのリソースを含む。この方法はさらに、アクセス空間に関連付けられた1組の伝送コードを識別するステップと、ブラインド検出を使ってアップリンクチャネルのリソースを介して伝達されたパケットを受け取るステップと、を含む。この方法を実行するための装置も提供される。
【0009】
さらに別の実施形態に従って、グラント不要通信モード機能をアドバタイズするための方法が提供される。この例では、その方法は、モバイルデバイスと基地局との間で機能情報を伝達するステップを含む。機能情報は、グラント不要通信モード機能を表す。この方法はさらに、モバイルデバイスと基地局との間でグラント不要シグナリングパラメータを伝達するステップを含む。グラント不要シグナリングパラメータは、グラント不要通信モードのための探索空間またはアクセス空間を定義する。この方法を実行するための装置も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示、およびその利点がより完全に理解されるように、添付の図面と併せて以下の説明を参照していく。図面は以下のようなものである。
【0011】
【
図1】データを伝達するための無線ネットワークの図を示す。
【
図2】データを伝達するための別の無線ネットワークの図を示す。
【
図3】グラント不要小パケット伝送を搬送するための一実施形態のダウンリンクデータチャネルの図を示す。
【
図4】ダウンリンクデータチャネルにおいてグラント不要小パケット伝送を伝達するための一実施形態の方法の流れ図を示す。
【
図5】ダウンリンクデータチャネルにおいてグラント不要小パケット伝送を受け取るための一実施形態の方法の流れ図を示す。
【
図6】グラント不要小パケット伝送を搬送するための一実施形態のダウンリンクデータチャネルの図を示す。
【
図7】アップリンクデータチャネルにおいてグラント不要小パケット伝送を行うための一実施形態の方法の流れ図を示す。
【
図8】アップリンクデータチャネルを介してグラント不要小パケット伝送を受け取るための一実施形態の方法の流れ図を示す。
【
図9】一実施形態の処理システムのブロック図を示す。
【
図10】一実施形態の通信デバイスのブロック図を示す。
【0012】
一般に、異なる図における対応する番号および記号は、別途記載がない限り、対応する部分を指すものとする。これらの図は、実施形態の該当する態様を明らかに示すために描かれたものであり、必ずしも一定の縮尺では描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この開示の実施形態の実施および使用について以下に詳細に論じる。しかし、本発明が、多種多様の具体的コンテキストにおいて具現化され得る多くの適用可能な発明概念を提供するものであることを正しく認識すべきである。論じる具体的な実施形態は、単に発明を実施使用する具体的な方法を説明するものにすぎず、発明の範囲を限定するものではない。
【0014】
動的および準静的スケジューリングの両方において、グラントベースのシグナリングは物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)および/または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して伝達される。より詳細には、ダウンリンク伝送パラメータ(たとえば、変調および符号化方式(MCS)、チャネルリソース割り振り、多入力多出力(MIMO)伝送モードなど)およびアップリンクグラント割り当ては、従来PDCCHを通して伝達され、一方、アップリンクグラント要求はPDCCHを通して信号送信されている。多くの将来のアプリケーションは、たとえば、リアルタイムゲーミング、インスタントメッセージング、マシンツーマシン(M2M)通信、ステータス更新メッセージングなどを含む、小パケット伝送に依存することになるだろう。従来のスケジューリングベースの伝送技法を使って小パケット伝送を伝達することは、比較的非効率的および/または望ましくない場合がある。より詳細には、動的スケジューリングは、小パケット通信のペイロードサイズに比べて著しい量のオーバヘッドを生じさせることがあり、一方、セミパーシステントスケジューリングは、遅延に敏感な小トラフィック伝送についてQoS要求を満たすことができないことがある。したがって、代わりとなる小パケット伝送のための通信方式が望まれている。
【0015】
この開示の態様は、無線ネットワークのダウンリンク/アップリンクデータチャネルにおける小トラフィック伝送のためのグラント不要伝送モードを提供する。ダウンリンクチャネルにおいて、基地局は、探索空間中のUEのグループに対し、それらのUEにいずれの伝送コードの割り当ても伝達することなく、パケットを伝送する。それらのUEは、ブラインド検出を使ってダウンリンクパケットを受け取る。アップリンクチャネルにおいて、UEは、UEによって独立して引き出されるか、あるいはそうでなければ低速シグナリングチャネルを使って基地局によって伝達される、割り当てられたアクセスコードを使って、アクセス空間でパケットを伝送する。いずれにしても、UEは、アップリンクグラント要求を待つことなく小トラフィック伝送を行うことができる。この開示においては、グラント不要伝送とは、PUCCHやPDCCHなどの動的制御チャネルにおけるグラントベースのシグナリングを伝達することなく実施されるデータ伝送を指す。グラント不要伝送にはアップリンク伝送またはダウンリンク伝送が含まれ得、別途指定されていない限りそのようなものとして解釈されるべきものである。
【0016】
図1は、データを伝達するためのネットワーク100を示す。ネットワーク100は、サービスエリア112を有するアクセスポイント(AP)110、複数のユーザ機器(UE)120、およびバックホールネットワーク130を含む。AP 110は、基地局、エンハンスト基地局(eNB)、フェムトセル、およびその他の無線対応デバイスなどの、特に、UE 120とアップリンク(破線)および/またはダウンリンク(点線)接続を確立することによって無線アクセスを提供することが可能な任意のコンポーネントを含んでもよい。UE 120は、AP 110と無線接続を確立することが可能な任意のコンポーネントを含んでもよい。バックホールネットワーク130は、データがAP 110とリモートエンド(図示せず)との間で交換されることを可能にする任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集まりであってよい。実施形態によっては、ネットワーク100は、中継器、フェムトセルなど、その他の各種無線デバイスを含んでもよい。
【0017】
図2は、音声および/またはデータ無線通信サービスを複数の移動局(MS)に提供する複数の基地局(BS)を含む、無線通信ネットワーク200を示す。BSは、アクセスネットワーク(AN)要素、アクセスポイント(AP)、ノードB、eNB、または無線通信ネットワーク200においてMSと通信するよう構成された任意のその他のネットワークデバイスなど、その他の名称で呼ばれることもある。各BSは、データを伝達するための対応するサービスエリアを有し、ハンドオフに対応するために隣接BSのサービスエリアが重なることもある。BSは、無線リソースを割り振るためのスケジューラを含むことがある。
【0018】
図3は、グラント不要の小パケット伝送を搬送するためのダウンリンクデータチャネル300を示す。図示のように、ダウンリンクデータチャネル300の時間/周波数リソースを含む異なる探索空間が、異なるUEグループに割り当てられる。さらに、所与のグループ内のUEには個々の伝送コードが割り当てられる。伝送コードは、低密度シグネチャ、符号分割多重アクセスシグネチャ、擬似雑音(PN)シーケンス、Zadoff-Chuシーケンス、ウォルシュ-アダマールコードおよびその他など、各種タイプのシーケンスを含むことができる。一実施形態では、伝送コードは、コードブックやメトリクスで定義されているコードワードから得ることができる。一実施形態では、ユニキャスト伝送を成し遂げるために、個々の伝送コードが個々のUEに排他的に割り当てられる。別の実施形態では、マルチキャスト伝送を成し遂げるために、個々のコードワードがマルチキャストユーザグループに割り当てられる。UEグループのための探索空間は、たとえば、そのグループのための伝送を伝達することができる特定のダウンリンクチャネルリソース(たとえば、時間、周波数、空間など)として定義することができる。探索空間は、ネットワークによって割り当てることができ、あるいはUE接続シグネチャから引き出すことができる。パケットの到着時間は予測できないことがあり、そのため、複数回の検出トライアルが使用され得る。様々な実施形態において、より多くの帯域幅を必要とするUEに対しては、複数の伝送コードおよび/または探索空間を割り振ることができる。
【0019】
図4は、ダウンリンクデータチャネルにおいてグラント不要伝送を送るための方法400を示す。この方法は基地局によって実行されることがある。図示のように、方法400はステップ410で開始し、基地局がダウンリンクデータチャネルの時間/周波数リソースを、UEグループのための探索空間として割り振る。その後、方法400はステップ420に進み、そこで基地局は、そのUEグループ内の個々のUEに候補伝送コードを割り当てる。特に、基地局には伝送コードの割り当てがわかっているが、UEには伝送コードの割り当てが伝達されない。続いて、方法400はステップ430に進み、そこで基地局は、事前定義されたコードに従って、リソースを介してパケットを伝送する。特に、パケットは、UEグループにいずれの伝送コード割り当ても伝達することなく伝送される。
【0020】
図5は、ダウンリンクチャネルにおいてグラント不要伝送を受け取るための方法500を示す。この方法は、モバイルデバイスによって実行されることがある。モバイルデバイスは、ユーザ機器、移動局、または基地局から無線伝送を受け取るよう構成されたその他の任意のデバイスであってよい。図示のように、方法500はステップ510で開始し、そこでモバイルデバイスは、そのモバイルデバイスが属するUEグループのための探索空間を識別する。その後、方法500はステップ520に進み、そこで移動局は、その探索空間に関連付けられた1組の候補伝送コードを決定する。この1組の候補伝送コードは、先験的情報によって、または基地局によって伝達される制御情報(たとえば、初期化中、低速シグナリングチャネルを介して、など)に従って識別することができる。続いて、方法500はステップ530に進み、そこで移動局は、ブラインド検出を使って探索空間において伝達されたパケットを受け取る。より詳細には、移動局は、1組の候補伝送コード中の対応する伝送コードを使って探索空間において伝達されたパケットを復号化することにより、ブラインド検出を行うことができる。移動局は、次いで、復号化された各パケットについて周期的冗長検査(CRC)を実施して、パケットのうちどれがその移動局に宛てられたものであるかを検証することができる。一実施形態では、移動局に宛てられたパケットは、その移動局に関連付けられた識別子、たとえばUE識別子などを含む。別の実施形態では、CRCは、移動局に関連付けられたモバイルデバイス接続IDによってマスクされる。実施形態では、移動局は、他のUEの情報の知識を持っている場合には、それら他のUEのパケットを復号化できることがある。このような情報の例として、他のUEのIDまたはグループIDが挙げられる。非適応伝送の実施形態には、事前定義された変調レベルおよび/または事前定義された可能符号化レベルが含まれ、また繰り返しパターンも含まれる。
【0021】
図6は、グラント不要小パケット伝送を搬送するためのアップリンクデータチャネル600の図を示す。図示のように、アップリンクデータチャネル600の時間/周波数リソースを含む異なるアクセス空間が、異なるUEグループに割り当てられる。さらに、所与のグループ内のUEには個々のアクセスコードが割り当てられる。アクセスコードは、低密度シグネチャ、符号分割多重アクセスシグネチャ、擬似雑音(PN)シーケンス、Zadoff-Chuシーケンス、ウォルシュ-アダマールコードおよびその他など、各種タイプのシーケンスを含むことができる。一実施形態では、個々のアクセスコードは、単一ユーザがアップリンクチャネルにおいて競合なしアクセスを成し遂げるために使用される。あるいは、個々のアクセスコードは、複数のユーザが競合しながらアクセス空間を介して伝送を行うために使用される。アクセス空間および/またはアクセスコードは、ネットワークによって割り当てられるか、あるいは、事前情報または低速シグナリングチャネルを介して伝達された情報から引き出されることが可能である。一実施形態では、アクセスコード/空間を引き出すために使用される情報は、ネットワークやUEに知られている事前定義された規則、たとえば、UE接続シグネチャ、UE IDなどである。様々な実施形態において、より多くの帯域幅を必要とするUEに対してはより多くのアクセス空間および/またはアクセスコードを割り当てることができる。基地局は、事前定義されたアクセス空間に割り当てられることが可能なすべてのアクセスコードを試みることによってULパケットを検出する。基地局は、CRCチェックまたはヘッダ識別によってUEを識別する。非適応伝送の実施形態には、事前定義された変調レベル、事前定義された可能な符号化レベル、繰り返しパターン、またはそれらの組合せが含まれる。
【0022】
図7は、アップリンクデータチャネルにおいてグラント不要伝送を送るための方法700を示す。この方法は移動局によって実行されることがある。図示のように、方法700はステップ710で開始し、移動局はUEグループのためのアクセス空間を識別する。その後、方法700はステップ720に進み、そこで移動局は、そのアクセス空間に関連付けられた割り当てアクセスコードを識別する。一実施形態では、移動局は、基地局および移動局において知られているいくつかの事前定義規則に従って、独立して割り当てアクセスコードを引き出す。別の実施形態では、割り当てられたアクセスコードは、基地局によって低速シグナリングチャネルを介して伝達される。さらに別の実施形態では、移動局が、事前定義されたアクセスリソースに関連付けられたすべての可能なコードを含む事前定義されたアクセスコードセットを知らせるだけでよいように、移動局は、いくつかの事前定義された規則に従ってアクセスコードセットから割り当てられたアクセスコードを引き出す。続いて、方法700はステップ730に進み、そこで移動局は、選択されたアクセスコードを使ってアクセス空間においてパケットを伝送する。このパケットは、アップリンクグラントを得ることなく伝送される。
【0023】
図8は、アップリンクデータチャネルにおいてグラント不要伝送を受け取るための方法800を示す。この方法は基地局によって実行されることがある。図示のように、方法800はステップ810で開始し、基地局は、モバイルデバイスが属するUEグループのためのアクセス空間を識別する。その後、方法800はステップ820に進み、そこで基地局は、そのアクセス空間に関連付けられた1組の候補アクセスコードを決定する。続いて、方法800はステップ830に進み、そこで基地局は、ブラインド検出を使ってアクセス空間において伝達されたパケットを受け取る。より詳細には、基地局は、1組の候補アクセスコード中の対応するアクセスコードを使ってアクセス空間において伝達されたパケットを復号化することにより、ブラインド検出を行うことができる。基地局は、次いで、復号化された各パケットについて周期的冗長検査(CRC)を実施して、移動局を識別することができる。一実施形態では、基地局に宛てられたパケットは、その移動局に関連付けられた識別子、たとえばUE識別子などを含む。別の実施形態では、CRCは、その移動局に関連付けられたモバイルデバイス接続IDによってマスクされる。
【0024】
アクセスコードは、様々な実施形態において異なって定義されることがある。たとえば、ネットワークは、低密度シグネチャ(LDS)、符号分割多重アクセス(CDMA)、擬似ランダム雑音(PN)シーケンス、Zadoff-chu(ZC)シーケンス、ウォルシュ-アダマールコードおよびその他のスパース多重アクセスコードなど、直交擬似直交コードセットまたはコードブックを定義することができる。コードセットまたはコードブックは、典型的には、基地局および移動端末の両方に知られることが可能である。移動端末は、コードセットから1つまたは複数のコードを選択して小パケットを伝送することができる。
【0025】
準静的伝送モード構成を、ブロードキャストチャネルを通じてUEに信号送信することができる。ブロードキャストシグナリングは、グラント不要伝送モードがネットワークによってサポートされているかどうか、ならびにそのグラント不要伝送モードに関連付けられたトラフィックタイプまたはその他のパラメータを示すことができる。ネットワークは、ダウンリンクチャネル、アップリンクチャネル、またはその両方においてグラント不要伝送モードをサポートすることができ、また、そのような機能をブロードキャスト伝送(またはその他)を介して示すことができる。加えて、UEは、そのネットワークにアクセスするときに、グラント不要伝送モード機能(またはその機能を備えていないこと)をアドバタイズあるいは示すことができる。たとえば、UEは、アップリンクを介してグラント不要伝送を行うこと、および/またはダウンリンクチャネルを介してグラント不要伝送を受け取ることができるかどうかを示すことができる。変調および符号化方式(MCS)設定は、ブロードキャストチャネルまたはその他の低速シグナリングチャネルを通じて更新することができる。各UEのための探索空間およびアクセス空間は、UE接続ID、ジオメトリ位置、アクティブトラフィック/サービスタイプ、またはその他の基準に従って、ネットワークが決定することができる。定義済みの探索空間およびアクセス空間は、ブロードキャストチャネルを通じてUEに信号送信することができる。探索空間およびアクセス空間は、更新して、低速シグナリングチャネルを通じてUEに信号送信することができる。また、コードセットの最大サイズおよびコードセットの形成も、更新して、低速シグナリングチャネルを通じてUEに信号送信することができる。
【0026】
図9は、ここに開示しているデバイスおよび方法を実装するために使用できる処理システムのブロック図である。具体的なデバイスは、図示のコンポーネントすべてを利用してもよいし、あるいはそれらコンポーネントのサブセットのみを使用してもよい。また、統合のレベルはデバイスによって様々である。さらに、あるデバイスは、複数の処理装置、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機など、1つのコンポーネントの複数の事例を含み得る。この処理システムは、スピーカ、マイクロホン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイなど、1つまたは複数の入力/出力デバイスを備えた処理装置を含んでもよい。処理装置は、バスに接続された、中央処理装置(CPU)、メモリ、大容量ストレージデバイス、ビデオアダプタ、および入力/出力(I/O)インタフェースを含み得る。
【0027】
バスは、メモリバスまたはメモリ制御器、周辺バス、ビデオバスなどを含め、いくつかのバスアーキテクチャのいずれかのタイプの1つまたは複数であってよい。CPUは、任意のタイプの電子データプロセッサを含んでもよい。メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、それらの組合せなど、任意のタイプのシステムメモリを含んでもよい。一実施形態では、メモリには、起動時に使用するためのROM、プログラムを実行しながら使用するための、プログラムおよびデータ記憶用のDRAMが含まれてよい。
【0028】
大容量ストレージデバイスは、データ、プログラム、およびその他の情報を記憶するように、また、それらのデータ、プログラム、およびその他の情報へのバスを介したアクセスを可能にするように構成された任意のタイプのストレージデバイスを含んでもよい。大容量ストレージデバイスは、たとえば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどのうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0029】
ビデオアダプタおよびI/Oインタフェースは、外部入出力デバイスを処理装置に結合するためのインタフェースを提供する。図示のように、入出力デバイスの例には、ビデオアダプタに結合されるディスプレイおよびI/Oインタフェースに結合されるマウス/キーボード/プリンタが含まれる。その他のデバイスは処理装置に結合することができ、また、追加の、またはより少ないインタフェースカードを利用することができる。たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)(図示せず)などのシリアルインタフェースを使って、プリンタ用のインタフェースを提供することができる。
【0030】
処理装置はまた1つまたは複数のインタフェースも含み、それらは、イーサネットケーブルなどの有線リンク、および/またはノードや異なるネットワークにアクセスするための無線リンクを含んでもよい。ネットワークインタフェースは、処理装置がネットワークを介してリモート装置と通信することを可能にする。たとえば、ネットワークインタフェースは、1つまたは複数の送信機/送信アンテナおよび1つまたは複数の受信機/受信アンテナを介して無線通信を提供することができる。一実施形態では、処理装置は、その他の処理装置、インターネット、リモート記憶設備などのリモート装置とのデータ処理および通信のためのローカルエリアネットワークまたは広域ネットワークに結合されている。
【0031】
図10は、通信デバイス1000の実施形態のブロック図を示す。通信デバイス1000は、上で論じられた1つまたは複数のデバイス(たとえば、UE、NBなど)と同等のものであってよい。通信デバイス1000は、プロセッサ1004、メモリ1006、セルラインタフェース1010、追加インタフェース1012、およびバックホールインタフェース1014を含み得る。これらは
図10に示すように配置されることがある(されないこともある)。プロセッサ1004は、計算および/または他の処理関連タスクを行うことが可能な任意のコンポーネントであってよく、また、メモリ1006は、プロセッサ1004に対するプログラミングおよび/または命令を記憶することが可能な任意のコンポーネントであってよい。セルラインタフェース1010は、通信デバイス1000がセルラ信号を使って通信することを可能にする任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集まりであってよく、また、セルラネットワークのセルラ接続を介して情報を受信および/または送信するために使用され得る。追加インタフェース1012は、通信デバイス1000が追加プロトコルを介してデータまたは制御情報を伝達することを可能にする、任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集まりであってよい。たとえば、追加インタフェース1012は、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)またはブルートゥースプロトコルに従って通信を行うための非セルラ無線インタフェースであってよい。あるいは、追加インタフェース1012はワイヤラインインタフェースであってよい。バックホールインタフェース1014は、オプションで通信デバイス1000に含まれることがあり、また、通信デバイス1000がバックホールネットワークを介して別のデバイスと通信することを可能にする任意のコンポーネントまたはコンポーネントの集まりを含んでもよい。
【0032】
詳細にわたって説明を行ってきたが、添付の特許請求の範囲によって定義されるようなこの開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、代用、改変を行うことが可能であることを理解されたい。さらに、現在存在している、または今後開発されるであろうプロセス、マシン、製品、合成物、手段、方法、またはステップが、ここに記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成できることを、当業者がこの開示から容易に正しく認識するように、本開示の範囲は、ここに記載の特定の実施形態に限定されることを意図したものではない。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、マシン、製品、合成物、手段、方法、またはステップをその範囲内に含むことを意図したものである。
【符号の説明】
【0033】
100 ネットワーク
110 アクセスポイント(AP)
112 サービスエリア
120 ユーザ機器(UE)
130 バックホールネットワーク
200 無線通信ネットワーク
300 ダウンリンクデータチャネル
400 方法
500 方法
600 アップリンクデータチャネル
700 方法
800 方法
1000 通信デバイス
1004 プロセッサ
1006 メモリ
1010 セルラインタフェース
1012 追加インタフェース
1014 バックホールインタフェース