(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の主題を実施するための具体的な例示的実施形態を詳細に述べる。これらの具体的な実施形態の例は、添付の図面に示される。これらの例は、特許請求の範囲を記載の実施形態に限定することを意図するものではないと理解するだろう。むしろ、これらの例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲により定義される開示の範囲内に含まれる、代替、変更および等価物に及ぶことが意図される。主題の徹底的な理解のため、下記の記載において詳細を説明する。これらの詳細の一部または全てがなくても、実施形態は実施されてもよい。また、主題を不必要に不明瞭にすることを避けるため、周知の特徴は詳細に説明されていないかもしれない。
【0007】
本開示によれば、構成要素、処理工程およびデータ構造の全て、またはいずれか一つが、様々なオペレーティングシステム、プログラミング言語、コンピューティングプラットフォーム、コンピュータプログラムおよび汎用機の全て、またはいずれか一つを用いて実装されてもよい。また、当業者は、ハードワイヤード装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等のそれほど汎用ではない装置も、本明細書に開示の概念から逸脱することなく、用いてもよいことを認識するだろう。また、実施形態は、メモリ装置等のコンピュータ読取可能な媒体上に保存された1組のコンピュータ命令として、有形に実施されてもよい。
【0008】
本開示の態様は、ユーザの嗜好に従って、ユーザの少なくとも1つの装置に通知を伝達するシステムおよび方法を提供する。ある実施形態では、ユーザの各装置上でのユーザの活動の追跡に基づいて、ユーザの嗜好が決定されてもよい。また、他の実施形態では、ユーザの嗜好が、通知の受信に関するユーザ指定の嗜好設定だけでなくユーザの活動にも基づいている。
【0009】
ユーザの嗜好には、例えば、通知を受信する装置、通知を受信する装置上で実行されるアプリケーション、通知を受信する時間、指定された通知の種類および通信の種類がある。通知は、通知の伝達のきっかけになるようにユーザによって指定されるイベントの検出に基づいて、ユーザに伝達されてもよい。実施形態によっては、通知を保存して、ユーザが後で見てもよい。
【0010】
図1は、ネットワーク上でデータ交換を行うよう構成されたクライアント−サーバアーキテクチャを有する、一実施形態によるネットワークシステム100を示すネットワーク図である。例えば、ネットワークシステム100は、クライアントがネットワークシステム100内でデータ通信および交換を行うネットワークベースのマーケットプレイス102であってもよい。データは、ネットワークシステム100およびそのユーザに関連した、様々な機能(例えば、オンライン購入)および態様(例えば、ルーティング通知)に関してもよい。
【0011】
ネットワークベースのマーケットプレイス102の一例示的形態をしたデータ交換プラットフォームは、ネットワーク104(例えば、インターネット)を介して1または複数のクライアント装置へサーバ側機能を提供してもよい。1または複数のクライアント装置は、ネットワークシステム100、具体的には、ネットワークベースのマーケットプレイス102を用いて通信ネットワーク104上でデータ交換を行うユーザによって、操作されてもよい。ユーザは、ネットワークベースのマーケットプレイス102内で、売り手、買い手、またはその両方として機能してもよい。通信ネットワーク104上で発生するデータ交換は、ネットワークシステム100のユーザとのデータの送信および受信(すなわち、通信)、ならびにコンテンツに関するデータ処理を含んでもよい。データは、とりわけ、ユーザ嗜好データ、製品およびサービスレビュー、製品、サービス、メーカおよびベンダの推薦ならびにID、買い手および売り手に関連した製品およびサービスのリスト、製品およびサービスの広告、オークション入札、ユーザ通知、ならびに取引データを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0012】
様々な実施形態において、ネットワークシステム100内でのデータ交換は、1または複数のクライアントまたはユーザインタフェース(UI)を通して利用できる、ユーザが選択した機能に依存してもよい。UIは、ウェブクライアント110を用いるクライアント装置106等の、クライアント装置と関連付けられてもよい。ウェブクライアント110は、ウェブサーバ122を介してネットワークベースのマーケットプレイス102と通信してもよい。また、UIは、クライアントアプリケーション等のプログラマティッククライアント112を用いるクライアント装置108、または第三者アプリケーション116を提供する第三者サーバ114(例えば、1もしくは複数のサーバまたはクライアント装置)と関連付けられてもよい。様々な実施形態において、クライアント装置106、108と第三者サーバ114の両方、またはいずれか一方は、買い手、売り手、第三者電子商取引プラットフォーム、支払サービスプロバイダ、または出荷サービスプロバイダと関連付けられてもよく、それぞれは、ネットワークベースのマーケットプレイス102と通信しており、また、オプションとして、互いに通信していることが理解できるだろう。買い手および売り手は、とりわけ、個人、小売業者、サービスプロバイダのうちのいずれか1つであってもよい。
【0013】
クライアント装置106、108は、様々な種類の装置(例えば、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、ウェアラブルコンピューティング装置および他の可動装置)のうちのいずれかであってもよい。クライアント装置106、108は、接続118を介して通信ネットワーク104(例えば、インターネットまたはWAN)とインタフェースで接続してもよい。クライアント装置106、108の形態によっては、様々な種類の接続118および通信ネットワーク104のうちのいずれかが用いられてもよい。
【0014】
例えば、接続118は、CDMA(Code Division Multiple Access)接続、GSM(Global System for Mobile communications)接続、または他の種類のセルラー接続であってもよい。このような接続118は、1xRTT(Single Carrier Radio Transmission Technology)、EV−DO(Evolution-Data Optimized)技術、GPRS(General Packet Radio Service)技術、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)技術、または他のデータ転送技術(例えば、第4世代ワイヤレスや4Gネットワーク)等の様々な種類のデータ転送技術のいずれかを実現してもよい。このような技術を用いると、ネットワーク104は、携帯電話局によって相互接続される、重複地理的カバレッジの複数のセルサイトを有するセルラーネットワークを含んでもよい。これらの携帯電話局は、ネットワークバックボーン(例えば、公衆交換電話網(PSTN)、パケット交換データ網または他の種類のネットワーク)に結合してもよい。
【0015】
他の実施例では、接続118は、Wi−Fi(Wireless Fidelity、IEEE 802.11x規格)接続、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)接続、または他の種類の無線データ接続であってもよい。このような実施形態において、ネットワーク104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、または他のパケット交換データ網に結合した、1または複数の無線アクセスポイントを含んでもよい。
【0016】
さらに他の実施例では、接続118は、例えば、イーサネットリンクのような有線接続であってもよく、ネットワーク104は、LAN、WAN、インターネットまたは他のパケット交換データ網であってもよい。従って、様々な異なる構成が明示的に考慮される。
【0017】
ネットワークベースのマーケットプレイス102を具体的に見てみると、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)サーバ120およびウェブサーバ122はそれぞれ、複数のサーバ124に結合し、プログラマティックインタフェースおよびウェブインタフェースを提供する。サーバ124は、1または複数のマーケットプレイスアプリケーション126、支払アプリケーション128および通知アプリケーション130を提供する。複数のサーバ124は、これらのインタフェースを介してネットワーク104に、例えば、有線または無線インタフェースで結合してもよい。複数のサーバ124は、次に、1または複数のデータベース134へのアクセスを容易にする1または複数のデータベースサーバ132に結合するように示されている。実施例によっては、複数のサーバ124は、データベースサーバを必要とせずに直接データベース134にアクセスできる。
【0018】
マーケットプレイスアプリケーション126は、ネットワークベースのマーケットプレイス102にアクセスするユーザに対し、多数のマーケットプレイス機能およびサービスを提供してもよい。支払アプリケーション128は、同様に、多数の支払サービスおよび機能をユーザに提供してもよい。支払アプリケーション128は、ユーザに、代価を(例えば、USドル等の商業上の通貨で、または、「ポイント」等の独自の通貨で)アカウントに蓄積させて、後に、マーケットプレイスアプリケーション126を通して利用できる製品(例えば、物品やサービス)の蓄積された代価を清算させてもよい。通知アプリケーション130は、多数の通知サービスおよび機能をユーザに提供してもよい。通知アプリケーション130は、マーケットプレイスアプリケーション126および支払アプリケーション128のアクティビティに関連するイベントに関するユーザ装置(例えば、クライアント装置106)に、通知をルーティングしてもよい。通知は、ユーザが指定した一組の嗜好設定に加えて、ユーザの監視された活動によって決定されるユーザの嗜好に基づいて、ルーティングされてもよい。マーケットプレイスアプリケーション126、支払アプリケーション128および通知アプリケーション130は、
図1で、ネットワークベースのマーケットプレイス102の一部を形成するように示されているが、代替の実施形態において、支払アプリケーション128が、ネットワークベースのマーケットプレイス102とは分離した且つ別個の支払サービスの一部を形成してもよいということがわかるであろう。
【0019】
データベースサーバ132は、1または複数のデータベース134へのアクセスを容易にし、ネットワークベースのマーケットプレイス102に包有されるデータを検索してもよい。データは、ユーザ活動情報、ユーザ活動に関連するデータ、ユーザ嗜好設定、ユーザからの推薦、クーポンまたは広告、売り出し中の製品や関連製品のリスト等に対応してもよい。実施形態によっては、データベース134が、ネットワークベースのマーケットプレイス102の内部と外部の両方のデータベースを含んでもよい。
【0020】
また、
図1は、第三者サーバ114上で実行されて、APIサーバ120によって提供されるプログラマティックインタフェースを介してネットワークベースのマーケットプレイス102にプログラマティックアクセスをする、第三者アプリケーション116も示す。例えば、第三者アプリケーション116は、ネットワークベースのマーケットプレイス102から検索された情報を用いて、第三者によって提供されるウェブサイト上で、1もしくは複数の特徴または機能をサポートしてもよい。第三者ウェブサイトは、例えば、ネットワークベースのマーケットプレイス102の関連アプリケーションによってサポートされる1または複数のマーケットプレイス機能や支払機能を提供してもよい。
【0021】
さらに、
図1に示すシステム100は、クライアント−サーバアーキテクチャを用いているが、本発明の主題は、もちろん、そのようなアーキテクチャに限定されるものではなく、例えば、イベント駆動型アーキテクチャシステム、分散型アーキテクチャシステムまたはピアツーピアアーキテクチャシステムにも同様に応用できるだろう。複数のサーバ124の様々なモジュールもまた、必ずしもネットワーキング機能を有さないスタンドアロン型のシステムまたはソフトウェアプログラムとして、実装されてもよい。
【0022】
図2は、一例示的実施形態において、ネットワークベースのマーケットプレイス102の一部として提供される、複数のアプリケーション126、128を示すブロック図である。アプリケーション126、128は、サーバマシン間での通信を可能にするよう通信可能に結合している、複数の専用のまたは共有のサーバマシン(図示せず)上で提供されてもよい。アプリケーション126、128自体は、(例えば、適切なインタフェースを介して)相互におよび様々なデータソースに通信可能に結合しているので、情報をアプリケーション126および128間を通過させたり、アプリケーション126および128に共通データを共有させてアクセスさせたりすることができる。さらに、アプリケーション126、128は、データベースサーバ132を介して、1または複数のデータベース134にアクセスしてもよい。
【0023】
ネットワークベースのマーケットプレイス102は、多数の公開、リスト表示および価格設定機構を提供してもよく、それによって、売り手は、売り出し中の物品やサービスをリスト表示してもよく(または、売り出し中の物品やサービスに関する情報を公開してもよく)、買い手は、それらの物品やサービスへの関心を表現したり、それらの購入希望を示したりすることができ、また、それらの物品やサービスに関する取引に対して、価格が設定され得る。この目的のため、マーケットプレイスアプリケーション126および支払アプリケーション128は、少なくとも1つの公開アプリケーション200、および、オークション形式のリスト表示および価格設定機構(例えば、イングリッシュオークション、ダッチオークション、ヴィックリーオークション、チャイニーズオークション、ダブルオークション、リバースオークション等)をサポートする1または複数のオークションアプリケーション202を含むように示されている。また、様々なオークションアプリケーション202は、例えば、売り手がリストに関連して最低競売価格を指定できる最低競売価格特徴や、入札者が自動代理入札を起動できる代理入札特徴等の、そのようなオークション形式のリスト表示をサポートする多数の特徴を提供してもよい。
【0024】
多数の固定価格アプリケーション204は、固定価格リスト表示形式(例えば、伝統的な案内広告型のリスト表示やカタログリスト表示)および買い占め形式のリスト表示をサポートする。具体的には、買い占め形式のリスト表示(例えば、カリフォルニア州サンノゼのイーベイ インク.によって開発された即決購入(BIN)技術を含む)が、オークション形式のリスト表示と併せて提供されてもよく、オークションにも出品されている物品やサービスを、オークションの開始価格よりも一般的に高い固定価格で、買い手に購入させてもよい。
【0025】
店舗アプリケーション206は、売り手に、売り手のブランドを付けた「仮想」店舗や、その他の方法で売り手用に個人化した「仮想」店舗内で、リストを分類させる。また、そのような仮想店舗は、関連する売り手に特有であり、その売り手用に個人化されたプロモーション、インセンティブおよび特徴を提供してもよい。
【0026】
ネットワークベースのマーケットプレイス102のナビゲーションを、1または複数のナビゲーションアプリケーション208が容易にしてもよい。例えば、(ナビゲーションアプリケーションの一例としての)検索アプリケーションが、ネットワークベースのマーケットプレイス102を介して公開されたリストのキーワード検索を可能にしてもよい。閲覧アプリケーションが、ネットワークベースのマーケットプレイス102内でリストを分類する基になる、様々なカテゴリ、カタログ、在庫データ構造を、ユーザに閲覧させてもよい。他の様々なナビゲーションアプリケーション208が、検索閲覧アプリケーションを補うために提供されてもよい。
【0027】
メッセージングアプリケーション210は、ネットワークベースのマーケットプレイス102のユーザへのメッセージの作成および配信を担っており、そのようなメッセージは、例えば、ネットワークベースのマーケットプレイス102でのリストの状況をユーザに知らせる(例えば、オークション過程で入札者に「高値入札」通知を与えたり、プロモーション情報やマーチャンダイジング情報をユーザに与えたりする)。各メッセージングアプリケーション210は、ユーザにメッセージを配信するのに、多数のメッセージ配信ネットワークおよびプラットフォームのうちのいずれか1つを利用してもよい。例えば、メッセージングアプリケーション210は、電子メール(eメール)、インスタントメッセージ(IM)、ショートメッセージサービス(SMS)、テキスト、ファクシミリ、または音声(例えば、ボイスオーバIP(VoIP))メッセージを、有線ネットワーク(例えば、インターネット)、POTS(Plain Old Telephone Service)ネットワーク、または無線(例えば、モバイル、セルラー、WiFi、WiMAX)ネットワークによって配信してもよい。
【0028】
ネットワークベースのマーケットプレイス102は、例えば、特定の地域用にカスタマイズされた多数のマーケットプレイスをサポートしてもよい。あるバージョンのネットワークベースのマーケットプレイス102は英国用にカスタマイズされてもよいし、他のバーションのネットワークベースのマーケットプレイス102は米国用にカスタマイズされてもよい。これらのバーションの各々は、独立したマーケットプレイスとして動作してもよいし、共通の基盤マーケットプレイスのカスタマイズされた(または国際化された)提示形態であってもよい。従って、ネットワークベースのマーケットプレイス102は、所定の基準(例えば、地理的基準、人口統計学的基準、または市場的基準)に従って、ネットワークベースのマーケットプレイス102によって情報(と情報の提示の両方か、またはいずれか一方)をカスタマイズする、多数のカスタマイズアプリケーション212を含んでもよい。例えば、カスタマイズアプリケーション212は、ネットワークベースのマーケットプレイス102によって運営されて各ウェブサーバ122を通して利用できる多数の地域ウェブサイト用に、情報をカスタマイズするのをサポートするのに用いられてもよい。
【0029】
ネットワークベースのマーケットプレイス102自体、またはネットワークベースのマーケットプレイス102を介して取引を行う1または複数の当事者は、1または複数のロイヤリティ/プロモーションアプリケーション214によってサポートされるロイヤリティプログラムを動作させてもよい。例えば、買い手は、特定の売り手と確立や締結をした各取引に対して、ロイヤリティポイントまたはプロモーションポイントを獲得して、貯めたロイヤリティポイントで交換できる賞品が提供されてもよい。
【0030】
一実施形態において、電子ショッピングカートアプリケーション216が、ネットワークベースのマーケットプレイス102のユーザがストアアプリケーション206によってリストされた商品を追加したり溜めておいたりするのに用いる電子ショッピングカートを作成するのに用いられる。また、電子ショッピングカートアプリケーション216は、ユーザが電子ショッピングカート内の商品を購入することを意味する「清算」にも用いられてもよい。電子ショッピングカートアプリケーション216は、定義済みのベンダの組、比較ショッピングサイト、オークションサイト等のうちの少なくとも1つまたは全てにわたる電子ショッピングカート内の商品を自動的に見つけることによって、取引を容易にしてもよい。様々な実施形態において、どのベンダから購入すべきかの選択基準は、最低コスト、最速出荷時期、好みのもしくは最高ランクのベンダや売り手、またはそれらの組み合わせ等の基準を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
図3は、一例示的実施形態においてネットワークベースのマーケットプレイス102の一部として提供される、複数の通知アプリケーション130を示すブロック図である。通知アプリケーション130は、サーバマシン間での通信を可能にするよう通信可能に結合する複数の専用のまたは共有のサーバマシン(図示せず)上で提供されてもよい。通知アプリケーション130自体は、(例えば、適切なインタフェースを介して)互いにおよび様々なデータソースに通信可能に結合して、情報を各通知アプリケーション130間を通過させたり、通知アプリケーション130に共通データを共有してアクセスさせたりする。通知アプリケーション130は、更に、データベースサーバ132を介して、サーバ及び1または複数のデータベース134にアクセスすることが出来る。
【0032】
図3に示すように、通知アプリケーション130は、1または複数のユーザ嗜好アプリケーション302を含んでもよい。ユーザ嗜好アプリケーション302は、通知受信に関連する多数の種々のユーザ嗜好設定の選択を容易にするために、ユーザインタフェースを提供してもよい。さらに、ユーザ嗜好アプリケーション302は、ネットワークベースのマーケットプレイス102の各ユーザに対応する各組のユーザ嗜好設定を、データベース134内に保存してもよい。ある実施形態では、ユーザ嗜好設定が、全ての通知が伝達されるユーザ指定の装置(例えば、クライアント装置106)を含んでもよい。また、他の実施形態では、特定の通知の種類に関連する複数のアプリケーションを実行する複数の装置を有するユーザが、装置の指定に加えて、通知を受信するアプリケーションを指定してもよい。指定された装置またはアプリケーションの形態によっては、ユーザ嗜好設定は、通知を伝達する多数の種々の指定された通信の種類を含んでもよい。通信の種類には、例えば、プッシュ通知、eメール、IM、SMS、テキスト、ファクシミリ、音声(例えば、ボイスオーバIP(VoIP))メッセージ等がある。
【0033】
ある実施形態では、ユーザ嗜好設定が、通知を受信する指定時間を含んでもよい。指定時間は、ユーザがメッセージを受信したくない時間帯であってもよいし、また、ある実施形態では、ユーザが、アラートなしで通知を受信する時間を指定してもよい。
【0034】
実施形態によっては、ユーザ嗜好設定は、ユーザに、通知を受信することになる少なくとも1つの通知の種類に「登録」させてもよい。各通知の種類は、ユーザへの通知の伝達のきっかけになる1または複数の通知イベントを含んでもよい。通知イベントは、
図1および
図2を参照しながら上記で論じたように、ネットワークベースのマーケットプレイス102の様々なモジュールの機能に対応してもよい。通知イベントには、例えば、オークションに出品されている商品でユーザの入札価格を超える入札があった、ユーザが興味のある商品のオークションがまもなく終了する、ユーザが入札した商品のオークションがまもなく終了する、売り手が出品中の商品に入札があった、ユーザが興味のある商品が新たに値引きされた、クーポンまたは謝礼が小売業者から提供された、小売業者から提供された謝礼ポイントの期限が切れた、商品の発注があった、発注が売り手によって拒否された、カウンターオファーが提示された、検索結果を保存した、商品が出荷済みになった、商品が支払済みになった、商品が売り切れた、オークションで落札された、商品の清算が完了した、メッセージを受信した等がある。
【0035】
図3に示すように、通知アプリケーション130は、1または複数の使用追跡アプリケーション304も含んでもよい。使用追跡アプリケーション304は、ネットワークベースのマーケットプレイス102の様々なモジュールと供に1または複数の装置(例えば、クライアント装置106)を用いて、ユーザの活動やインタラクションを監視、追跡、記録するよう構成されてもよい。使用追跡アプリケーション304は、1または複数のユーザに対応する使用情報をデータベース134内に保存して、ネットワークベースのマーケットプレイス102の各ユーザに関連する使用性プロファイルを作成してもよい。実施形態によっては、使用追跡アプリケーション304は、
図2のナビゲーションアプリケーション208と共に作動して、ネットワークベースのマーケットプレイス102を介して公開されたリストの検索および閲覧に関連するユーザの活動を監視して、保存してもよい。
【0036】
実施形態によっては、使用追跡アプリケーション304は、ネットワークベースのマーケットプレイス102上のユーザの各装置の使用タイミングおよび頻度を追跡して、記録してもよい。そのような使用情報は、ユーザにより選択される装置を決定するのに用いられてもよい。実施形態によっては、選択される装置は、通知受信用のユーザ好みの装置であってもよい。例えば、選択される装置は、ユーザによって最後に使用された装置や、ユーザによって最も頻繁に使用される装置であってもよい。
【0037】
実施形態によっては、使用追跡アプリケーション304は、ユーザの1または複数の装置にインストールされた特定のアプリケーションの使用タイミングおよび頻度を追跡して、記録してもよい。アプリケーションの使用タイミングおよび頻度に関する情報は、通知受信用に選択されるアプリケーションを決定するのに用いられてもよく、選択されるアプリケーションは、通知受信用のユーザ好みのアプリケーションであってもよい。実施形態によっては、使用追跡アプリケーション304が、通信アプリケーション312によって伝達される通知の受信確認に関連するタイミングを追跡して記録してもよい。そのような情報が、ユーザへ通知を伝達する時間を決定するのに用いられてもよい。
【0038】
ユーザ追跡アプリケーション304によって取得される使用情報が、ネットワークベースのマーケットプレイス102から通知を受信する際に、ユーザの実際の嗜好の表示を提供してもよいことは、当業者であればわかるであろう。この目的のため、使用追跡アプリケーション304は、ユーザ嗜好アプリケーション302と共に作動して、使用追跡アプリケーション304によって収集された使用情報に基づいて、ユーザの嗜好を決定してもよい。例えば、ある時間にしか通知を確認しないユーザは、その時間にのみ通知が送信されるのを希望するだろうということが決定されてもよい。また、別の実施例では、特定の装置上で通知を頻繁に確認するユーザは、その特定の装置にのみ通知が送信されるのを希望するだろうということが決定されてもよい。
【0039】
実施形態によっては、ユーザが、複数の装置に、共通の通知イベントに関連する複数のアプリケーションを実行させているだろうということが、使用情報から決定されてもよい。この実施形態では、ユーザへ不必要に重複して通知が伝達されないようにするために、重複する通知が抑制されて、ユーザの各装置の各関連アプリケーションに配信されないようにしてもよい。通知が伝達されるべき特定のアプリケーションの決定は、通知に関連する商品カテゴリ、通知の種類、または通知タイミングに基づいてもよい。例えば、自動車のオンラインオークションでユーザの入札価格を超える入札があったという通知は、ネットワークベースのマーケットプレイス102上の自動車オークションでの入札に特化したアプリケーションを実行するユーザの特定の装置にルーティングされてもよく、その他のユーザ装置およびその内部で実行されるアプリケーションに関連する他の全ての重複した通知が抑制されるだろう。
【0040】
通知履歴アプリケーション306は、ユーザ装置に伝達される通知が保存されてユーザが後にその通知を見ることができるように構成されてもよい。ある実施形態では、通知履歴アプリケーション306が、データベース134に通知を保存してもよく、データベース134は、ユーザ嗜好情報に従って検索されてユーザに伝達されてもよい。
【0041】
また、他の実施形態においては、通知履歴アプリケーション306が、クライアント装置106に通知をクライアント装置106のコンピュータ読取可能な媒体に保存させる命令を、クライアント装置106に送信してもよい。通知履歴アプリケーション306は、クライアント装置のユーザインタフェースを介して、まだ見ていない通知を容易に見ることができるようにしてもよい。ユーザインタフェースは、各アプリケーションを「既読」または「未読」にするオプションをユーザに与えてもよく、ユーザは、「未読」にされた通知を後の指定時間に提供するように、インタフェースを構成できてもよい。
【0042】
標的化アプリケーション308は、ユーザに、ある基準に基づいて、通知を一群のユーザ宛にさせたり、「同報」させたりしてもよい。基準には、例えば、ユーザの地理、取引履歴、またはクライアント装置106にインストールされた特定のアプリケーションの使用がある。ユーザが指定された基準を満たすかどうかは、ユーザ嗜好アプリケーション302および使用追跡アプリケーション304の各々によって取得されたユーザ嗜好設定、または使用情報によって決定されてもよい。例えば、小売業者は、通知に登録している全てのユーザに対して、ネットワークベースのマーケットプレイス102の特定の国際的にカスタマイズされたマーケットプレイスを介して、通知を同報してもよい。
【0043】
ある実施形態において、ルーティングアプリケーション310が、使用情報、ユーザ嗜好設定、またはその組み合わせに基づいて、通知をルーティングする選択された装置を決定してもよい。例えば、ユーザが定期的に、朝はある特定の装置を使用し、夕方は別の装置を使用するということを示す使用情報に基づいて、ルーティングアプリケーション310が、朝はユーザのある特定の装置へ、夕方は別の装置へ、通知をルーティングしてもよい。また、ある実施形態において、使用情報、ユーザ嗜好設定、またはその組み合わせに基づいて、ルーティング通知310が、通知を送信する1または複数の選択されたアプリケーションを決定してもよい。例えば、ルーティングアプリケーション310および通信アプリケーション312が、特定のアプリケーションに関連する通知をユーザの特定の装置へルーティングして伝達してもよいし、ルーティングアプリケーション310および通信アプリケーション312が、ユーザの嗜好設定に基づいて、異なるアプリケーションに関連する他の通知をユーザの他の装置へルーティングして伝達してもよい。
【0044】
通信アプリケーション312は、ネットワークベースのマーケットプレイス102のユーザへの通知の作成および配信を担っている。通信アプリケーション312は、ルーティングアプリケーション310によって選択された1または複数の装置へ通知を配信してもよく、ユーザの嗜好に従って通知を伝達してもよい。ある実施形態では、通知は、1または複数の装置に関連するプッシュ通知ネットワークにプッシュされてもよく、プッシュ通知ネットワークは、各装置への通知の配信を容易にする。また、ある実施形態では、ネットワーク104上でのクライアント装置106との無中断接続によって、通信アプリケーション312は、関連アプリケーションがクライアント装置106上で実行されることなく、通知をユーザ装置にプッシュ可能になる。他の実施形態では、通信アプリケーション312が、
図2のメッセージングアプリケーション210と共に作動して、メッセージングアプリケーション210を参照しながら上記で論じたように、多数のメッセージ配信ネットワークおよびプラットフォームを利用してユーザに通知を伝達してもよい。ある実施形態では、ユーザは、ユーザ嗜好アプリケーション302によって提供されるユーザインタフェースモジュールで、メッセージ配信ネットワークまたはプラットフォームを指定してもよい。
【0045】
図4は、一例示的実施形態による、通知をクライアント装置へルーティングする例示的な方法400を示すフローチャートである。この実施例では、方法400は、ユーザ活動の監視(動作405)、ユーザ嗜好データの取得(動作410)、通知イベントの検出(動作415)、ユーザへの通知の伝達(動作420)および通知の保存(動作425)等の動作を含んでもよい。
【0046】
動作405において、装置のユーザの活動が、使用追跡アプリケーション304によって監視される。ある実施形態では、ユーザの活動は、ネットワークベースのマーケットプレイス102によって提供される1または複数の様々な機能に対応してもよい。例えば、使用追跡アプリケーション304が、クライアント装置106上でマーケットプレイスアプリケーション126を介して、売りに出されている商品のユーザの購入を監視して追跡してもよい。また、ある実施形態では、使用追跡アプリケーション304が、ユーザの活動を監視することによって収集した使用データを、データベース134等のリポジトリに保存してもよい。
【0047】
動作410において、ユーザ嗜好データが、ユーザ嗜好アプリケーション302によって取得される。ユーザ嗜好データは、使用追跡アプリケーション304が受信した使用データに基づいて決定されてもよい。ある実施形態では、動作405および410は、ユーザ活動を監視しながらユーザ嗜好データを取得するために、並行して行われてもよい。例えば、ユーザ嗜好アプリケーション302は、ユーザが特定の装置への通知を受信したいということを、その装置がネットワークベースのマーケットプレイス102からの通知にアクセスするのに最後に用いられた装置であるということに基づいて、決定してもよい。
【0048】
ある実施形態では、ユーザ嗜好データは、ユーザ嗜好アプリケーション302によって提供されるユーザインタフェースでユーザから受信された1または複数のユーザ嗜好設定も含んでもよく、1または複数のユーザ嗜好設定は、通知の受信およびルーティング時のユーザの嗜好を明確に示す。ユーザ嗜好設定には、例えば、通知が送信される指定の装置、通知を受信する指定のタイミング、指定の通知の種類(例えば、「高値入札」通知、「落札」通知、「メッセージ受信」通知等)、または指定の通信の種類(例えば、プッシュ通知、SMS、eメール等)がある。
【0049】
動作415において、ユーザ嗜好アプリケーション302は、マーケットプレイスアプリケーション126または支払アプリケーション128から、特定のユーザに関連する通知イベントが発生したという表示を受信してもよい。通知イベントは、ネットワークベースのマーケットプレイス102の1または複数の動作に関連するイベント(例えば、ユーザがオンラインオークションに出品されている商品に入札した、等)に対応してもよい。マーケットプレイスアプリケーション126または支払アプリケーション128から表示を受信すると、ユーザ嗜好アプリケーション302は、通知イベントが1または複数の基準を満たしているかを、通知受信に関するユーザ嗜好に基づいて決定してもよい。ある実施形態では、ユーザ嗜好アプリケーション302が、通知イベントが、ユーザによって登録された通知の種類であって、ユーザ嗜好アプリケーション302によって提供されるユーザインタフェースでユーザによって指定される通知の送信のきっかけになる通知の種類に対応するかどうかを決定してもよい。例えば、ユーザ嗜好アプリケーション302が、ユーザは入札活動通知(通知の種類)に登録しているということを決定する場合、そのユーザは、ある商品に対してユーザの入札価格を超える入札があった(通知イベント)という通知を提供されてもよい。
【0050】
動作420において、通知イベントが発生したという表示を受信すると、通信アプリケーション312によって、通知が、ルーティングアプリケーション310によって決定された少なくとも1つの装置に伝達される。ルーティングアプリケーション310は、通知がルーティングされるべき1または複数の装置を、ユーザ嗜好データに基づいて決定してもよい。例えば、ある特定の装置が、ユーザが最も頻繁に使用する装置であるとルーティングアプリケーション310が決定したのに基づいて、通知が、その特定の装置に伝達されてもよい。他の例では、ユーザが所定の時間に通知を受信したいということを示す使用データに基づいて、通信アプリケーション312が、所定の時間に通知をクライアント装置106に伝達するのを待ってもよい。他の例では、通知の受信に関連する特定のアプリケーションがクライアント装置106にインストールされているとルーティングアプリケーション310が決定したのに基づいて、通信アプリケーション312が、1つの通知のみをそのクライアント装置106に伝達してもよい。
【0051】
また、方法400は、動作425でクライアント装置に通知を保存させる命令を、クライアント装置に送信してもよい。さらに、ユーザが予め保存された通知を見ることができるユーザインタフェースをクライアント装置に表示させる命令を、通知履歴アプリケーション306がクライアント装置に提供してもよい。ある実施形態では、通知が、ユーザの装置に伝達される前に、データベース134に保存されてもよい。
【0052】
<例示的ユーザインタフェース>
図5は、クライアント装置106に対して行われた通知502を含む、例示的なユーザインタフェース500の一部を示す図である。
図5に示すように、クライアント装置106は、スマートフォンの形態をとっている。他のクライアント装置としては、ラップトップコンピュータや携帯電話(例えば、スマートフォン)があってもよいが、これらに限定されない。様々な実施形態において、クライアント装置106は、少なくとも1つのプロセッサによって実行される1または複数のアプリケーションを含む。実行されたアプリケーションは、本明細書に記載の機能および方法を行うように構成されてもよい。
【0053】
通知502は、1または複数のアプリケーションのいずれもクライアント装置106によって実行されていない状態で、クライアント装置106に伝達されてもよく、ユーザ嗜好設定、使用情報、またはその組み合わせに従って、クライアント装置106へルーティングされてもよい。通知502は、本明細書に記載の通知の種類のいずれか1つであってもよい。例えば、通知502は、クライアント装置106のユーザが、オンラインオークションに出品された商品を落札したことを示してもよい。さらに、通知502は、本明細書に記載の通信の種類のいずれかによって伝達されてもよい。
【0054】
<例示的クライアント装置>
図6は、一例示的実施形態による、モバイル機器等のクライアント装置106を示すブロック図である。クライアント装置106は、プロセッサ610を含んでもよい。プロセッサ610は、モバイル機器に適した様々な異なる種類の市販のプロセッサ(例えば、XScaleアーキテクチャマイクロプロセッサ、MIPS(Microprocessor without Interlocked Pipeline Stages)アーキテクチャプロセッサ、または他の種類のプロセッサ)のいずれかであってもよい。ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、または他の種類のメモリ等のメモリ620は、概して、プロセッサ610にアクセス可能である。メモリ620は、ロケーションベースのサービス(例えば、物理的位置チェックイン)をユーザへ提供する移動体位置対応アプリケーション等のアプリケーションプログラム640に加えて、オペレーティングシステム(OS)630も保存するのに適合してもよい。プロセッサ610は、ディスプレイ650、およびキーパッド、タッチパネルセンサ、マイク等の1または複数の入出力(I/O)装置660と、直接または適切な仲介ハードウェア経由のどちらか一方で結合してもよい。同様に、ある実施形態では、プロセッサ610が、アンテナ690のインタフェースとなる送受信部670と結合してもよい。送受信部670は、クライアント装置106(
図1)の性質に応じて、セルラーネットワーク信号、無線データ信号、または他の種類の信号を、アンテナ690を介して送受信するように構成されてもよい。このように、ネットワーク104(
図1)との接続118(
図1)が確立されてもよい。さらに、ある構成では、GPS受信部680も、GPS信号を受信するのにアンテナ690を用いてもよい。
【0055】
<モジュール、構成要素および論理回路>
論理回路、または多数の構成要素、モジュールもしくは機構を含むような実施形態が、本明細書中に記載される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械読取可能な媒体上または送信信号中で実施されるコード)とハードウェアモジュールのいずれかを構成してもよい。ハードウェアモジュールは、ある動作を実施可能な有形の装置であり、ある特定の方法で構成または配置されてもよい。例示的実施形態において、1または複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン型コンピュータシステム、クライアントコンピュータシステムやサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの1または複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサや一群のプロセッサ)が、本明細書に記載のある特定の動作を実施するよう動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションやアプリケーション部)によって構成されてもよい。
【0056】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールが、機械的または電気的に実装されてもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)等の、専用のプロセッサとして)ある特定の動作を行うように恒久的に構成される専用の回路または論理回路を含んでもよい。また、ハードウェアモジュールは、ソフトウェアによってある特定の動作を行うように一時的に構成される、(例えば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるような)プログラマブル論理回路または回路を含んでもよい。ハードウェアモジュールの機械的な実装を、専用かつ恒久的に構成された回路内で行うか、または、一時的に構成された(例えば、ソフトウェアで構成された)回路内で行うかは、コストおよび時間を考慮することによって決定に至ることは理解されるであろう。
【0057】
従って、「ハードウェアモジュール」という語は、ある特定の方法で動作して本明細書に記載のある特定の動作を行うか、またはそのいずれか一方を行うように、物理的に構成されるか、恒久的に構成されるか(例えば、ハードワイヤード)、または一時的に構成された(例えば、プログラムされた)エンティティであるならば、有体物を包含すると理解されるべきである。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考えると、各ハードウェアモジュールは、いずれかの一時点に構成されてインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを用いて構成された汎用のプロセッサを含む場合、その汎用のプロセッサは、別々の時間にそれぞれ別々のハードウェアモジュールとして構成されてもよい。従って、ソフトウェアは、例えば、ある時点では特定のハードウェアモジュールを構成し、別の時点では別のハードウェアモジュールを構成するようプロセッサを構成してもよい。
【0058】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールへ情報を提供して、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。従って、記載のハードウェアモジュールは、通信可能に結合しているとみなしてもよい。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合、ハードウェアモジュールを接続する通信は、信号送信を通して(例えば、適切な回路およびバスを通して)達成されてもよい。複数のハードウェアモジュールが別々の時間に構成されるかインスタント化される実施形態において、そのようなハードウェアモジュール間での通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造への情報の保存および検索を通して達成されてもよい。例えば、あるハードウェアモジュールが動作を行って、その動作の出力を通信可能に結合しているメモリ装置に保存してもよい。そして、別のハードウェアモジュールが、その後に、そのメモリ装置にアクセスして保存された出力を検索して処理をしてもよい。また、ハードウェアモジュールは、入出力装置と通信を開始してもよく、リソース上で動作(例えば、情報収集)することができる。
【0059】
本明細書に記載の例示的方法の様々な動作が、少なくとも部分的に、関連した動作を行うように(例えばソフトウェアによって)一時的に構成された、または、恒久的に構成された1または複数のプロセッサによって行われてもよい。一時的に構成されていようが恒久的に構成されていようが、そのようなプロセッサは、1または複数の動作または機能を行うように動作するプロセッサ実装モジュールを構成してもよい。本明細書で言及されるモジュールは、例示的実施形態によっては、プロセッサ実装モジュールを含んでもよい。
【0060】
同様に、本明細書に記載の方法は、少なくとも部分的にプロセッサ実装であってもよい。例えば、方法の動作のうちの少なくとも一部は、1もしくは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールによって行われてもよい。それらの動作の一部の実行は、単一のマシン内に存在するだけでなく多数のマシンにわたって配置された1または複数のプロセッサの間に、分散されてもよい。ある例示的実施形態では、プロセッサまたは複数のプロセッサは、単一の場所に(例えば、自宅環境内、オフィス環境内、またはサーバファームとして)位置してもよく、他の実施形態では、プロセッサは多数の場所に分散されてもよい。
【0061】
また、1または複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境内で、または「SaaS(software as a service)」として、関連する動作の実行をサポートするよう動作してもよい。例えば、それらの動作の少なくとも一部は、ネットワーク(例えば、インターネット)および1または複数の適切なインタフェース(例えば、API)を介してアクセス可能で、(プロセッサを含むマシンの例としての)一群のコンピュータによって実行されてもよい。
【0062】
<電子機器およびシステム>
例示的実施形態は、デジタル電子回路内で、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア内で、またはそれらの組み合わせ内で、実装されてもよい。例示的実施形態は、コンピュータプログラム製品を用いて、例えば、機械読取可能な媒体内等の情報担体内で有形に実施されるコンピュータプログラムであって、プログラマブルプロセッサ、コンピュータもしくは複数のコンピュータ等のデータ処理装置に実行させる、またはその動作を制御するためのコンピュータプログラムを用いて、実装されてもよい。
【0063】
コンピュータプログラムは、コンパイルされた言語または解釈された言語を含めた、いずれの形式のプログラム言語でも書き込むことができ、また、スタンドアロンプログラムとしての展開、またはモジュール、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他の装置としての展開を含めた、いずれの形式でも展開されることができる。コンピュータプログラムは、1つのサイトで1つのコンピュータ上もしくは複数のコンピュータ上で実行されるように、または、複数のサイトに分散されて通信ネットワークによって相互接続されるように、展開されることができる。
【0064】
例示的実施形態において、入力データを処理して出力を生じることによって機能を行うためのコンピュータプログラムを実行する1または複数のプログラマブルプロセッサによって、動作が行われてもよい。また、方法動作は、専用の論理回路(例えば、FPGAまたはASIC)によって実施されることができ、また、例示的実施形態の機器は、専用の論理回路として実装されてもよい。
【0065】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、互いに離れており、典型的には、通信ネットワークを通して対話する。クライアントとサーバの関係は、各コンピュータ上で実行されて互いに対してクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。プログラマブルコンピューティングシステムを展開する実施形態では、ハードウェアアーキテクチャとソフトウェアアーキテクチャの両方が考慮に値することが理解されるであろう。具体的には、ある機能の実装を、恒久的に構成されたハードウェア(例えば、ASIC)内にするか、一時的に構成されたハードウェア(例えば、ソフトウェアとプログラマブルプロセッサの組み合わせ)内にするか、または恒久的および一時的に構成されたハードウェアの組み合わせ内にするかの選択は、設計的事項であってもよいということが理解されるであろう。以下に、様々な例示的実施形態において展開されるハードウェア(例えばマシン)アーキテクチャおよびソフトウェアアーキテクチャを提示する。
【0066】
<例示的マシンアーキテクチャおよび機械読取可能な媒体>
図7は、本明細書で論じる方法のいずれか1つまたは複数をマシンに行わせる命令724が実行されるコンピュータシステム700の例示的な形をしたマシンのブロック図である。代替の実施形態において、マシンは、スタンドアロン装置として動作するか、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)してもよい。ネットワーク化された展開では、マシンは、サーバ−クライアントネットワーク環境でサーバまたはクライアントマシンの能力で、または、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境でピアマシンとして、動作してもよい。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、PDA、携帯電話、ウェブ器具、ネットワークルータやスウィッチやブリッジ、または、マシンによって取られるべきアクションを指定する命令(逐次的命令またはその他の命令)を実行可能な任意のマシンであってもよい。さらに、単一のマシンが図示されているが、「マシン」という語は、本明細書で論じる方法のいずれか1つまたは複数を行うための一組の(または複数組の)命令を個別にまたは共同で実行する、任意のマシンの集まりを含むものと解釈されたい。
【0067】
例示的コンピュータシステム700は、プロセッサ702(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、またはその両方)、メインメモリ704およびスタティックメモリ706を含み、バス708を介して互いに通信する。さらに、コンピュータシステム700は、ビデオディスプレイ部710(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)またはブラウン管(CRT))を含んでもよい。また、コンピュータシステム700は、英数字入力装置712(例えば、キーボード)、ユーザインタフェース(UI)ナビゲーション装置714(例えば、マウス)、ディスク駆動部716、信号生成装置718(例えば、スピーカ)およびネットワークインタフェース装置720を含む。
【0068】
<機械読取可能な媒体>
ディスク駆動部716は、機械読取可能な媒体722を含み、機械読取可能な媒体722上に、本明細書に記載の機能の方法または機能のいずれか1つまたは複数を実施するかそれによって用いられる、データ構造および命令724(例えば、ソフトウェア)の一組または複数組が保存される。また、命令724は、コンピュータシステム700によって実行されている間、メインメモリ704、スタティックメモリ706およびプロセッサ702、またはそのいずれか1つの内部に、完全にまたは少なくとも部分的に存在してもよく、また、メインメモリ704およびプロセッサ702は、機械読取可能な媒体を構成する。
【0069】
機械読取可能な媒体722は、例示的実施形態において、単一の媒体として示されているが、「機械読取可能な媒体」という語は、1もしくは複数のデータ構造または命令724を保存する、単一の媒体または複数の媒体(例えば、一元管理データベースもしくは分散データベース、ならびに関連付けられたキャッシュおよびサーバ、またはそのいずれか一方)を含んでもよい。また、「機械読取可能な媒体」という語は、マシンに実行させる命令を保存、符号化、または担持可能であって、本開示の方法論のいずれか1つまたは複数をマシンに行わせる任意の有形媒体、または、そのような命令によって用いられるデータ構造、もしくはそのような命令と関連付けられたデータ構造を保存、符号化、または担持可能な任意の有形媒体を含むものと解釈されたい。従って、「機械読取可能な媒体」という語は、固体メモリ、ならびに光学および磁性媒体を含むが、これらに限定されないものと解釈されたい。機械読取可能な媒体の具体例としては、例として、半導体メモリ装置(例えば、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory))およびフラッシュメモリ装置、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む、不揮発性メモリがある。
【0070】
<送信媒体>
さらに、命令724は、送信媒体を用いて、通信ネットワーク726上で送受信されてもよい。命令724は、ネットワークインタフェース装置720、および多数の周知の転送プロトコル(例えば、HTTP)のいずれか1つを用いて送信されてもよい。通信ネットワークの例としては、LAN、WAN、インターネット、携帯電話ネットワーク、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、および無線データネットワーク(例えば、WiFi、WiMaxネットワーク)がある。「送信媒体」という語は、マシンに実行させる命令を保存、符号化、もしくは担持可能であり、デジタルもしくはアナログ通信信号を含む任意の無形媒体、またはそのようなソフトウェアの通信を容易にする他の無形媒体を含むものと解釈されたい。
【0071】
本発明の実施形態は、具体的な例示的実施形態を参照しながら説明したが、広範囲の発明の主題から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変形および変更を行ってもよいことは明らかであろう。従って、明細書および図面は、限定的というよりむしろ例示的な意味で考慮するべきである。本明細書の一部をなす添付の図面は、限定としてではなく例として、主題が実施される具体的な実施形態を示す。図示された実施形態は、当業者が本明細書に開示の教示を実施することができる程度に十分に詳細に説明される。本開示の範囲を逸脱することなく構造的および論理的置換ならびに変更を行えるように、他の実施形態が、図示された実施形態から派生して用いられてもよい。それゆえ、発明を実施するための形態は限定する意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲の権利を有する均等物の全範囲と共に、その特許請求の範囲よってのみ定義される。
【0072】
発明の主題のこれらの実施形態は、本明細書において、単に便宜上、個別にかつ総称して、またはそのいずれか一方で、「発明」と称されてもよいが、複数が実際に開示されている場合、いずれかの単一の発明または発明概念に本出願の範囲を任意に制限する意図はない。従って、特定の実施形態が本明細書に示され、かつ記載されているが、同一の目的を達成するように意図されたいかなる構成も、示された特定の実施形態に代えることができると理解されたい。本開示は、様々な実施形態の一切の適応または変形を含むことを意図されている。上記実施形態と本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、上記記載を検討することにより当業者には明らかであろう。
【0073】
本文書中で言及されているあらゆる刊行物、特許、および特許文献は、個々に参照により組み込まれているかのように、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。本文書と、参照により組み込まれた文書との間に矛盾した用法がある場合、参照として組み込まれた文書における用法は、本文書の用法を補足するものと考えられるべきであり、相容れない矛盾が生じた場合は、本文書の用法が優先される。
【0074】
本文書中では、特許文献では一般的であるように、「a」または「an」の語が、何か他の例、または「at least one(少なくとも1)」もしくは「one or more(1または複数)」の使用とは無関係に、1または複数を含めるように使用されている。本文書では、「or」の語が、非排他的であることを指すように、すなわち、特に明記しない限り、「A or B」が「A but not B(AだがBでない)」、「B but not A(BだがAでない)」および「A and B(AおよびB)」を含むように、使用されている。添付の特許請求の範囲では、「including」および「in which」の語は、それぞれ「comprising」および「wherein」の語の明白な英語の等価物として使用されている。また、添付の特許請求の範囲では、「including」および「comprising」の語は開かれた結語であり、すなわち、請求項でそのような語の後に挙げる要素に加えて要素を含むシステム、装置、物品、またはプロセスが、依然としてその請求項の範囲内のものであるとみなされる。さらに、添付の特許請求の範囲では、「first(第1)」、「second(第2)」、「third(第3)」などの語は、単なるラベルとして使用されており、その対象に数的要件を課すことを意図するものではない。
【0075】
要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確かめることができるように、提供されている。それは、請求項の範囲や意味を解釈したり、限定したりするのに用いられないという理解のもとに提出されている。また、上記発明を実施するための形態においては、様々な特徴が、開示の合理化のために、単一の実施形態にグループ化されていることがわかるだろう。この開示方法は、請求されている実施形態は、各請求項に明示されている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を表していると解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が表すように、発明の主題は、開示された単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、添付の特許請求の範囲は、これにより、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、個別の実施形態として、そのまま成立する。