(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139704
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCE探索空間を決定する方法、およびそのための装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20170522BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 111
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-553189(P2015-553189)
(86)(22)【出願日】2014年1月13日
(65)【公表番号】特表2016-507189(P2016-507189A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】IB2014000111
(87)【国際公開番号】WO2014111805
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年8月14日
(31)【優先権主張番号】201310015323.3
(32)【優先日】2013年1月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,キ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チェン
【審査官】
篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】
NTT DOCOMO,Search Space Design for Localized EPDCCH Transmission,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #71 R1-124842,2012年11月 3日
【文献】
[71-07]EPDCCH Search space equations,3GPP_TSG_RAN_WG1 Archives,2012年11月21日,URL,http://list.etsi.org/scripts/wa.exe?A3=ind1211C&L=3GPP_TSG_RAN_WG1&E=quoted-printable&P=13439806&B=------_%3D_NextPart_002_01CDC82C.E0A3FE1E&T=text%2Fhtml;%20charset=us-ascii&XSS=3&header=1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法であって、
A.同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIおよびキャリア・インジケータn
CIに少なくとも従って、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するステップであって、前記キャリア・インジケータn
CIが、前記同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示すものであるステップと、
B.前記決定された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の位置を決定するステップと
、
を含
み、
前記ステップAが、
L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の総数を表す
【数1】
と、シーケンス番号mと、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数NECCE,kと、同時にスケジューリングできるキャリアの前記総数NCIと、前記キャリア・インジケータnCIとに従って、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補間の前記距離を決定するステップを含み、前記シーケンス番号
【数2】
が、前記
【数3】
個の候補間のシーケンス番号を表し、
前記ステップAで、前記距離が下式において決定され、
【数4】
上式で、Lが前記アグリゲーション・レベルを表し、PLが、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける候補間の距離を表す、
方法。
【請求項2】
前記ステップBで、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の前記位置が下式において決定され、
【数5】
上式で、
【数6】
が、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける前記探索空間を表し、Y
kが、フレームkと前記ユーザ機器のRNTIとに基づくハッシュ関数を表し、i=0,1,2...L−1が、各アグリゲーション・レベルにおけるECCEのシーケンス番号を表す、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
基地局または前記ユーザ機器によって実施される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法であって、
a.各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するステップと、
b.キャリア・インジケータnCIに基づくバイアス・パラメータを使用して、前記決定された距離を修正するステップであって、前記nCIが、同時にスケジューリングできるNCI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示し、NCIが、同時にスケジューリングできるキャリアの総数を表すものであるステップと、
c.前記修正された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の位置を決定するステップと、
を含み、
前記ステップbで、前記決定された距離が、前記バイアス・パラメータを前記決定された距離に加えることによって修正され、前記バイアス・パラメータが前記キャリア・インジケータnCIである、
方法。
【請求項5】
前記ステップaで、前記距離が下式において決定され、
【数7】
上式で、Lが前記アグリゲーション・レベルを表し、P
Lが、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける候補間の距離を表し、N
ECCE,kが、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数を表し、
【数8】
が、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の候補の総数を表し、
【数9】
が、前記
【数10】
個の候補間のシーケンス番号を表す、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップcで、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の前記位置が下式において決定され、
【数11】
上式で、
【数12】
が、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける前記探索空間を表し、Y
kが、フレームkと前記ユーザ機器のRNTIとに基づくハッシュ関数を表し、i=0,1,2...L−1が、各アグリゲーション・レベルにおけるECCEのシーケンス番号を表す、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
基地局または前記ユーザ機器によって実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定するための装置であって、
同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIおよびキャリア・インジケータn
CIに少なくとも従って、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するように構成された第1の決定ユニットであって、前記キャリア・インジケータn
CIが、前記同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示す、第1の決定ユニットと、
前記決定された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の位置を決定するように構成された第2の決定ユニットと
、
を備え
、
前記第1の決定ユニットが、
L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の総数を表す
【数13】
と、シーケンス番号mと、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数NECCE,kと、同時にスケジューリングできるキャリアの前記総数NCIと、前記キャリア・インジケータnCIとに従って、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補間の前記距離を決定するように更に構成されており、
前記シーケンス番号
【数14】
が、前記
【数15】
個の候補間のシーケンス番号を表し、
前記第1の決定ユニットにおいて、前記距離が下式において決定され、
【数16】
上式で、Lが前記アグリゲーション・レベルを表し、PLが、前記L番目のアグリゲーション・レベルにおける候補間の距離を表す、
装置。
【請求項9】
クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定するための装置であって、
各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するように構成された第3の決定ユニットと、
キャリア・インジケータnCIに基づくバイアス・パラメータを使用して、前記決定された距離を修正するように構成された修正ユニットであって、前記nCIが、同時にスケジューリングできるNCI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示し、NCIが、同時にスケジューリングできるキャリアの総数を表す、修正ユニットと、
前記修正された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける前記探索空間の前記候補の位置を決定するように構成された第4の決定ユニットと、
を備え、
前記修正ユニットにおいて、前記決定された距離が、前記バイアス・パラメータを前記決定された距離に加えることによって修正され、前記バイアス・パラメータが前記キャリア・インジケータnCIである、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムに関し、特に、クロス・キャリア・スケジューリング(cross carrier scheduling)の場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法、およびそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTEアドバンストのリリース11では、エンハンスト物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH、Enhanced Physical Downlink Control Channel)という新しい制御チャネルが、サブフレーム内の1つまたは複数の物理リソース・ブロック(PRB、Physical Resource Block)対の中で送信されることが決定されている。各PRB対は、サブフレーム中の2分の1タイムスロットによって占められる時間領域リソース(すなわち7個のOFDMシンボル)と、12個のサブキャリアによって占められる周波数領域リソース(1サブキャリア当たり15KHzで総計180kHzになる)とを含む、リソースのブロックである。PRB対は、サブフレーム内の2つのタイムスロット中の2つのPRBを含む。
【0003】
EPDCCHは、リソース・ユニットとしての、エンハンスト制御チャネル要素(ECCE、Enhanced Control Channel Element)の粒度で構成される。ECCEは、複数(例えば4個または8個)のエンハンスト・リソース要素グループ(EREG、Enhanced Resource Element Group)からなる可能性がある。PRB対は、16個のEREGを含む。
【0004】
EPDCCHは、局所化されたまたは分散された方式で送信されることが可能である。局所化送信では、ECCEは、同じPRB対のEREGにマッピングされる。分散送信では、ECCEは、異なるPRB対のEREGにマッピングされる。局所化送信では、周波数領域スケジューリングを介してマルチユーザ利得を得ることができる。分散送信では、周波数ダイバーシティ利得を得ることができる。
【0005】
種々のアグリゲーション・レベルに従って、EPDCCHは、種々のアグリゲーション・レベルにおいて、1、2、4、8、および16個を含めた、1つまたは複数のECCEを含む可能性がある。すなわち、EPDCCHは、1個のECCE、2個のECCE、4個のECCE、8個のECCE、または16個のECCEからなる可能性がある。
【0006】
異なるECCEアグリゲーション・レベルで、対応する候補数、すなわち、同じダウンリンク制御インジケータ(DCI、Downlink Control Indicator)フォーマットの最大ブラインド検出数がある。例えば、ユーザ機器特有の探索空間で、アグリゲーション・レベル1では8個の候補があり、アグリゲーション・レベル2では4個の候補があり、アグリゲーション・レベル4では2個の候補があり、アグリゲーション・レベル8では1個の候補がある。
【0007】
RAN1 #71において、局所化送信では、ユーザ機器(UE)についてのEPDCCHのユーザ機器特有探索空間は、下式において決定される。
【0008】
【数1】
【0009】
分散送信では、ユーザ機器(UE)についてのEPDCCHのユーザ機器特有探索空間は、下式において決定される。
【0010】
【数2】
【0011】
上の両式で、Lはアグリゲーション・レベルを表し、N
ECCE,kは、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数を表し、
【0012】
【数3】
は、L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間中の候補の総数を表し、
【0013】
【数4】
は、
【0014】
【数5】
個の候補間のシーケンス番号を表し、Y
kは、フレームkとユーザ機器のRNTIとに基づくハッシュ関数を表し、i=0,1,2...L−1は、各アグリゲーション・レベルにおけるECCEのシーケンス番号を表す。
【0015】
クロス・キャリア・スケジューリングでは、複数のキャリアを介するデータが、1つのキャリアを介する制御情報によってスケジューリングされることが可能だが、このクロス・キャリア・スケジューリングの状況で、EPDCCHに関して上の両式にどのようにキャリア・インジケータn
CIを導入するかという問題に対処することが、現在望ましい。ここで、キャリア・インジケータn
CIは、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示す。
【0016】
上記の問題に対する直観的な解決法は、キャリア・インジケータn
CIが式1および式2に直接に導入されるようにして、それにより、以下のような、局所化送信の場合の式3および分散送信の場合の式4をそれぞれ導出することである。
【0017】
【数6】
【0018】
【数7】
【0019】
しかし、式3から、新たに導入されたキャリア・インジケータn
CIはそれぞれのアグリゲーション・レベルにおける候補の分散に何の影響も有さず、このことは、キャリア・インジケータn
CIを式1に導入する元々の意図と対立する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従来技術における前述の問題に鑑みて、本発明の目的は、局所化送信の下でのクロス・キャリア・スケジューリングの場合にEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法を提供することである。この方法では、クロス・キャリア・スケジューリングの状況で、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補を、割り振られたECCE中で一様に位置付けることができ(すなわち、候補の全てのECCEを、割り振られた物理リソース・ブロック(PRB)対の間で一様に分散させることができ)、ユーザ機器に対して、異なる複数のキャリアを介したデータに対応するあるキャリアを介した制御情報が、間隔を空けられて異なる複数の候補を使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の態様によれば、クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法が提案される。この方法は、A.同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIおよびキャリア・インジケータn
CIに少なくとも従って、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するステップであって、キャリア・インジケータn
CIが、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示すものであるステップと、B.決定された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置を決定するステップとを含む。
【0022】
第2の態様によれば、クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する方法が提案される。この方法は、a.各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するステップと、b.キャリア・インジケータn
CIに基づくバイアス・パラメータを使用して、決定された距離を修正するステップであって、n
CIが、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示し、N
CIが、同時にスケジューリングできるキャリアの総数を表すものであるステップと、c.修正された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置を決定するステップとを含む。
【0023】
第3の態様によれば、クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定するための装置が提案される。この装置は、同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIおよびキャリア・インジケータn
CIに少なくとも従って、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するように構成された第1の決定ユニットであって、キャリア・インジケータn
CIが、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示す、第1の決定ユニットと、決定された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置を決定するように構成された第2の決定ユニットとを備える。
【0024】
第4の態様によれば、クロス・キャリア・スケジューリングの場合のEPDCCHのECCEユーザ機器特有探索空間を決定するための装置が提案される。この装置は、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離を決定するように構成された第3の決定ユニットと、キャリア・インジケータn
CIに基づくバイアス・パラメータを使用して、決定された距離を修正するように構成された修正ユニットであって、n
CIが、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示し、N
CIが、同時にスケジューリングできるキャリアの総数を表す、修正ユニットと、修正された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置を決定するように構成された第4の決定ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、RAN1 #71において導出される探索空間のフレームワークが局所化送信の場合に維持され、異なる複数のキャリアを介したデータに対応するあるキャリアを介した制御情報が、間隔を空けられて異なる複数の候補を使用すること、すなわち異なる複数のECCEを使用することができる。よって、異なる複数のキャリアを介して搬送されるデータに対応する制御情報は、実際に使用される周波数帯域リソースにわたって間隔を空けられることが可能である。それにより、同じユーザ機器に対する異なる複数のキャリアのスケジューリングの結果として生じる干渉が回避される。
【0026】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、非限定的な特定の実施形態に関する後続の詳細な記述を図面と共に検討すればより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の別の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここでは最初に、「背景技術」で提供した式1について、例として述べる。ここで、上記の式1におけるそれぞれのパラメータを、次のように仮定する。ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数N
ECCE,kは32であり(この場合、これらの利用可能なECCEのシーケンス番号は0,1,...,31とすることができる)、Y
kは1であり、L=1,2,4,8であり、これらのアグリゲーション・レベルLに対応する
【0029】
【数8】
は、それぞれ4,4,2,2である。次いで、式1において導出できる各アグリゲーション・レベルにおけるECCEの候補の位置は、以下のように式1において導出することができる。
【0030】
L=1では、ECCEの候補の位置は{1}、{9}、{17}、{25}として導出することができる。
【0031】
特に、L=1の状況では、i=0である。また、
【0032】
【数9】
なので、mは0,1,2,3の値をとる。よって、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0033】
【数10】
、およびm=0が式1に代入され、候補の位置は{1}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、1の番号が付いたECCE中に位置付けられる。次に、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0034】
【数11】
、およびm=1が式1に代入され、候補の位置は{9}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、9の番号が付いたECCE中に位置付けられる。これが繰り返されて、他の2つの候補の位置が{17}、{25}として導出される。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、17および25の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0035】
L=2の場合、ECCEの候補の位置は{2,3}、{10,11}、{18,19}、{26,27}として導出される。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、2、3;10、11;18、19;26、27の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0036】
特に、L=2の状況では、i=0,1である。また、
【0037】
【数12】
なので、mは0,1,2,3の値をとる。よって、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0038】
【数13】
m=0、およびi=0が式1に代入され、候補の位置は{2}として導出することができる。次に、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0039】
【数14】
、m=0、およびi=1(すなわち、iは1に変更され、他のパラメータの値は変更されないままとする)が式1に代入され、候補の位置は{3}として導出することができる。よって、m=0による候補の位置は{2,3}として導出される。次に、mの値が変更され、すなわちmがそれぞれ1,2,3に変更され、最終的に、それぞれのmの値による他の候補の位置も同様に{10,11}、{18,19}、{26,27}として導出することができる。この場合、1対の括弧の中の位置の数はアグリゲーション・レベルを反映し、アグリゲーション・レベルはここでは2である。
【0040】
L=4では、iは0,1,2,3の値をとり、
【0041】
【数15】
により、mは0および1の値をとる。よって、ECCEの候補の位置は、同様に{4,5,6,7}、{20,21,22,23}として導出することができる。
【0042】
L=8では、iは0,1,2,3,...,7の値をとり、
【0043】
【数16】
により、mは0および1の値をとる。よって、ECCEの候補の位置は、同様に{8,9,10,11,12,13,14,15}、{24,25,26,27,28,29,30,31}として導出することができる。
【0044】
前述の導出から明らかなものとすることができるように、全ての導出された候補のECCEは、割り振られた物理リソース・ブロック(PRB)対において一様に分散させることができる。
【0045】
次いで、「発明の背景」における、キャリア・インジケータn
CIが導入される式3を検討するが、式1と比較して、式3では、元のmが
【0046】
【数17】
で置き換えられている。ここでn
CIは0,1,...,N
CIでありn
CIは0および1なので、ここでは、同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIが2であると仮定する。式3における他のパラメータの値は、式1におけるそれぞれのパラメータの値と同一である。
【0047】
n
CIがそれぞれ0および1に等しいものとして、式3において導出が実施されることになり(具体的な導出プロセスは、上記の式1における導出プロセスと同様であり、その詳細な記述はここでは省略する)、n
CIが0および1に等しい場合の2つの状況で、ECCEの候補の位置が同じであることが以下のように導き出される。
【0048】
L=1の場合、ECCEの候補の位置は{1}、{9}、{17}、{25}として導出することができる。
【0049】
L=2の場合、ECCEの候補の位置は{2,3}、{10,11}、{18,19}、{26,27}として導出することができる。
【0050】
L=3の場合、ECCEの候補の位置は{4,5,6,7}、{20,21,22,23}として導出することができる。
【0051】
L=4の場合、ECCEの候補の位置は{8,9,10,11,12,13,14,15}、{24,25,26,27,28,29,30,31}として導出することができる。
【0052】
このように、「発明の背景」の式3における解決法を用いると、クロス・キャリア・スケジューリングの状況で、データを搬送する異なる複数のキャリアに対応する制御情報によって占められるECCEが相互と重なることになる。よって、データを搬送する異なる複数のキャリアに対して、異なる複数の候補ECCEの位置を区別することができず、したがって、結果として衝突が生じる。
【0053】
本発明の解決法について、図面を参照しながら以下に詳細に述べる。
【0054】
図1に、本発明の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。ステップS101で、同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIおよびキャリア・インジケータn
CIに少なくとも従って、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離が決定される。この場合、キャリア・インジケータn
CIは、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示す。特に、例えば、この距離は下式において決定することができる。
【0056】
上式で、Lはアグリゲーション・レベルを表し、P
Lは、L番目のアグリゲーション・レベルにおける候補間の距離を表し、N
ECCE,kは、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数を表し、
【0057】
【数19】
は、L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の総数を表し、
【0059】
【数21】
個の候補間のシーケンス番号を表す。
【0060】
次にステップS102で、決定された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置が決定される。特に、例えば、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置は、下式における探索空間として決定される。
【0064】
【数24】
は、L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間を表し、Y
kは、フレームkとユーザ機器のRNTIとに基づくハッシュ関数を表し、i=0,1,2...L−1は、各アグリゲーション・レベルにおけるECCEのシーケンス番号を表す。
【0065】
式3における上記のそれぞれのパラメータをやはり使用して、式6によって以下の導出が実施されることになる。すなわち、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数N
ECCE,kは32であり、Y
kは1であり、L=1,2,4,8であり、これらのアグリゲーション・レベルLに対応する
【0066】
【数25】
はそれぞれ4,4,2,2であり、N
CIは2であり、n
CIは0および1である。
【0067】
第1に、n
CIが0に等しい状況では、以下のとおりである。
【0068】
L=1のとき、ECCEの候補の位置は{1}、{9}、{17}、{25}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、1、9、17、および25の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0069】
特に、L=1の状況では、i=0である。
【0070】
【数26】
なので、mは0,1,2,3の値をとる。よって、N
ECCE,k=32(この場合、これらの利用可能なECCEのシーケンス番号は0,1,...,31とすることができる)、Y
k=1、L=1、
【0071】
【数27】
、m=0、およびN
CI=2が式6に代入され、候補の位置は{1}として導出することができる。次に、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0072】
【数28】
、m=1、およびN
CI=2が式6に代入され、候補の位置は{9}として導出することができる。同様に、他のパラメータは変更されないままでm=2および3が式6に代入されて、他の2つのECCEの候補の位置が{17}、{25}として導出される。
【0073】
L=2のとき、ECCEの候補の位置は{2,3}、{10,11}、{18,19}、{26,27}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、2、3;10、11;18、19;26、27の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0074】
特に、L=2の状況では、i=0,1である。また、
【0075】
【数29】
なので、mは0,1,2,3の値をとる。よって、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0076】
【数30】
、m=0、およびi=0が式6に代入され、候補の位置は{2}として導出することができる。次に、N
ECCE,k=32、Y
k=1、L=1、
【0077】
【数31】
、m=0、およびi=1が式6に代入され(すなわち、iは1に変更され、他のパラメータの値は変更されないままとする)、候補の位置は{3}として導出することができる。よって、m=0による候補の位置は{2,3}として導出される。次に、mの値が変更され、すなわちmがそれぞれ1,2,3に変更され、最終的に、それぞれのmの値による他の候補の位置も同様に{10,11}、{18,19}、{26,27}として導出することができる。
【0078】
L=4の場合、iは0,1,2,3の値をとり、
【0079】
【数32】
により、mは0および1の値をとる。よって、ECCEの候補の位置は、同様に{4,5,6,7}、{20,21,22,23}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、4、5、6、7;20、21、22、23の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0080】
L=8の場合、iは0,1,2,3,...,7の値をとり、
【0081】
【数33】
により、mは0および1の値をとる。よって、ECCEの候補の位置は、同様に{8,9,10,11,12,13,14,15}、{24,25,26,27,28,29,30,31}として導出することができる。すなわち、候補は、割り振られたECCEのうち、8、9、10、11、12、13、14、15;24、25、26、27、28、29、30、31の番号が付いたECCE中に位置付けられる。
【0082】
第2に、n
CIが1に等しい状況では、以下のとおりである。
【0083】
以下のように、同様の導出が式6において実施されることになる。
【0084】
L=1のとき、ECCEの候補の位置は{5}、{13}、{21}、{29}である。
【0085】
L=2のとき、ECCEの候補の位置は{6,7}、{14,15}、{22,23}、{30,31}である。
【0086】
L=4のとき、ECCEの候補の位置は{12,13,14,15}、{28,29,30,31}である。
【0087】
L=8のとき、ECCEの候補の位置は{16,17,18,19,20,21,22,23}、{0,1,2,3,4,5,6,7}である。
【0088】
上記の導出結果から明らかなものとすることができるように、使用されるECCEの候補の位置は、異なるキャリア・インジケータn
CIに伴って変動することになる。このことは、データを搬送する異なる複数のキャリアについての制御情報が同じキャリアを介して搬送される(すなわちクロス・キャリア・スケジューリングが実施される)場合であっても、異なる複数のキャリアを介して搬送されるデータに対応する制御情報は、ECCEにわたって(すなわち、実際に使用される周波数帯域リソースにわたって)間隔を空けられることが可能であることを意味する。よって、同じユーザ機器についてのEPDCCHの、異なるクロス・キャリア・スケジューリングとの衝突を緩和することができる。この実施形態ではまた、それぞれのアグリゲーション・レベルにおける全ての導出された候補ECCEを、割り振られた物理リソース・ブロック(PRB)対において一様に分散させることができる。
【0089】
次に、本発明の別の実施形態について、
図2を参照しながら述べる。
図2に示すように、ステップS201で、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離が決定される。例えば、この距離は、下式において決定することができる。
【0090】
【数34】
すなわち、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補間の距離は、ここでもはやり、式1の対応するセクションにおいて決定される。
【0091】
次にステップS202で、キャリア・インジケータn
CIに基づくバイアス・パラメータを使用して、決定された距離が修正される。この場合、n
CIは、同時にスケジューリングできるN
CI個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを示し、N
CIは、同時にスケジューリングできるキャリアの総数を表す。特に、バイアス・パラメータはキャリア・インジケータn
CIであり、決定された距離は、決定された距離にキャリア・インジケータn
CIを加えることによって修正することができる。別法としてまたは追加で、決定された距離は、アグリゲーション・レベルLの整数倍すなわちk
*Lとの組合せで修正することもできる。
【0092】
ステップS203で、修正された距離に少なくとも従って、割り振られたECCE中での、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置が決定される。特に、各アグリゲーション・レベルにおける探索空間の候補の位置、すなわち探索空間は、下式において決定することができる。
【0096】
【数37】
は、L番目のアグリゲーション・レベルにおける探索空間を表し、Y
kは、フレームkとユーザ機器のRNTIとに基づくハッシュ関数を表し、i=0,1,2...L−1は、各アグリゲーション・レベルにおけるECCEのシーケンス番号を表す。
【0097】
式3および式6における上記のそれぞれのパラメータをやはり使用して、式8において以下の導出が実施されることになる。すなわち、ユーザ機器についてのk番目のサブフレーム中で構成された利用可能なECCEの総数N
ECCE,kは32であり、Y
kは1であり、L=1,2,4,8であり、これらのアグリゲーション・レベルLに対応する
【0098】
【数38】
はそれぞれ4,4,2,2であり、N
CIは2であり、n
CIは0および1である。
【0099】
第1に、n
CIが0に等しい状況では、以下のとおりである。
【0100】
以下のように、上記の式6と同様の導出を式8において実施することができる。
【0101】
L=1のとき、候補の位置は{1}、{9}、{17}、{25}である。
【0102】
L=2のとき、候補の位置は{2,3}、{10,11}、{18,19}、{26,27}である。
【0103】
L=4のとき、候補の位置は{4,5,6,7}、{20,21,22,23}である。
【0104】
L=8のとき、候補の位置は{8,9,10,11,12,13,14,15}、{24,25,26,27,28,29,30,31}である。
【0105】
また、n
CIが1に等しい状況では、以下のとおりである。
【0106】
L=1のとき、候補の位置は{2}、{10}、{18}、{26}である。
【0107】
L=2のとき、候補の位置は{4,5}、{12,13}、{20,21}、{28,29}である。
【0108】
L=4のとき、候補の位置は{8,9,10,11}、{24,25,26,27}である。
【0109】
L=8のとき、候補の位置は{16,17,18,19,20,21,22,23}、{0,1,2,3,4,5,6,7}である。
【0110】
同じく、上記の導出結果から明らかなものとすることができるように、前の実施形態と同様にこの実施形態でも、同じユーザ機器についてのEPDCCHの、異なるクロス・キャリア・スケジューリングとの衝突を緩和することができ、それぞれのアグリゲーション・レベルにおける全ての導出された候補ECCEを、割り振られた物理リソース・ブロック(PRB)対において一様に分散させることができる。
【0111】
さらに、上記の2つの実施形態は、基地局側およびユーザ機器側で実践することができる。第1の実施形態では、基地局は、同時にスケジューリングできるキャリアの総数N
CIとキャリア・インジケータn
CIとの両方をユーザ機器に通知する必要があり、基地局とユーザ機器とは、同じアルゴリズムに基づいて、局所化送信の下でのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する。第2の実施形態では、基地局はキャリア・インジケータn
CIのみをユーザ機器に通知すればよく、次いで基地局とユーザ機器とは、同じアルゴリズムに基づいて、局所化送信の下でのECCEユーザ機器特有探索空間を決定する。
【0112】
当業者にとっては、本発明は明らかに、上記の例示的な実施形態の詳細に限定されず、本発明の主旨または本質を逸脱することなく他の特定の形で実践されてもよい。言い換えれば、当業者なら、本発明の実施形態に基づいて、同様の効果を得るためにそれぞれのパラメータの位置および導出を変更することができる。
【0113】
よって、これらの実施形態は、決して限定ではなく例に過ぎず、本発明の範囲は、前述の記述によってではなく添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。したがって、特許請求の範囲の主旨を逸脱しない全ての変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。請求項におけるどんな参照番号も、当該の請求項を限定すると解釈されるべきではない。さらに、明らかに、用語「含む、備える(comprise)」は、他の請求項または記述に列挙された別の要素またはステップを除外せず、単数は複数を除外しない。システム請求項に記載された複数の要素またはデバイスが、別法として、同じ要素またはデバイスとしてハードウェアまたはソフトウェアにおいて具体化される可能性もある。用語「第1」、「第2」等は、名称を示すに過ぎないものとし、どんな特定の順序を示唆するものともしない。