(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、リチウムイオン電池への充電の度に、バッテリパックを電気掃除装置から取り外す必要があることから、リチウムイオン電池への充電作業が面倒であるという問題があった。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、リチウムイオン電池から電源供給を受けて動作する電気掃除装置において、リチウムイオン電池への充電を簡単に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためになされた本発明の電気掃除装置は、外気を吸引するファンを回転駆動するためのモータと、このモータに電力を供給するためのリチウムイオン電池とを備える。
【0008】
そして、放電制御手段が、リチウムイオン電池からモータへの放電を制御することにより、モータ(延いてはファン)を回転さ
せる。
【0011】
また、リチウムイオン電池は、複数のセルをバッテリケース内に収納したバッテリパックとして構成されている。このため、リチウムイオン電池は、バッテリパックとして容易に取り扱うことができ、
モータ及び放電制御手段が収納された本体ケースへの収納時等に、リチウムイオン電池のセルが周囲の物体に当たって損傷するのを防止できる。
【0013】
また、バッテリパックは、電気掃除装置の本体ケースに着脱可能に設けることができることから、リチウムイオン電池の電池交換等を、バッテリパック単位で、簡単且つ安全に行うことができるようになる。
またこの場合、バッテリパックは、電気掃除装置の本体ケースに外付けするようにしてもよいが、このようにすると、電気掃除装置の使用時に、バッテリパックが周囲の物体に当たって、内部のリチウムイオン電池セルに衝撃が加わり、リチウムイオン電池が劣化することも考えられる。
【0014】
このため、本発明の電気掃除装置には、本体ケースに、バッテリパックを外部から挿入可能な開口部を有するバッテリパック収納部と、その開口部を閉塞する蓋体
とが設けられている。
【0015】
つまり、本発明の電気掃除装置によれば、バッテリパックを本体ケースのバッテリパック収納部内に収納して、バッテリパック収納部の開口部を蓋体にて閉塞することで、バッテリパックを、本体ケースと蓋体とにより保護した状態で、本体ケースに装着できることになる。
【0016】
よって、この場合、リチウムイオン電池セルは、バッテリパックを構成するケースと、電気掃除装置の本体ケースとにより、二重で保護されることになり、電気掃除装置が周囲の物体に当たった際にリチウムイオン電池セルに加わる衝撃を和らげ、リチウムイオン電池が劣化するのを防止できる。
また、バッテリパック収納部には、バッテリパックがバッテリパック収納部に挿入された状態で、開口部から引き出されて、バッテリパックとモータ及び放電制御手段とを接続する接続用コードが収納されている。
このため、バッテリパックは、バッテリパック収納部に収納した後、接続用コードを使って、本体ケース内のモータや放電制御部に簡単に接続することができる。
なお、接続用コードは、バッテリパック収納部においてバッテリパックの本体ケースとは反対側に配置されていてもよい。
また、開口部から引き出される接続用コードの先端には、互いに接続可能な一対のコネクタの一方が設けられていて、その一対のコネクタの他方は、一方のコネクタを接続するための接続部分が開口部から外方向を向くように配置されていてもよい。
【0017】
次に、本体ケースには、外部の直流電源から直流電力を供給するためのDCジャックが設けられ、本体ケース内には、直流電源からDCジャックに供給された直流電力にてリチウムイオン電池を充電する充電手段が備えられていてもよい。
このようにすれば、バッテリパックを本体ケースから取り外すことなく、リチウムイオン電池への充電を行うことができ、使用者による充電作業が極めて簡単になる。
ここで、充電手段は、直流電源からDCジャックに直流電力が供給されているときに、直流電源からDCジャックに供給された直流電力にてリチウムイオン電池を充電できればよい。
【0018】
このため、充電手段は、例えば、DCジャックとリチウムイオン電池とを接続する充電経路、或いは、その充電経路と充電経路を導通・遮断させるスイッチとで構成することができる。
【0019】
しかし、電気掃除装置に、DCジャックと充電手段とを設けただけでは、リチウムイオン電池への充電はできても、電気掃除装置内で充電電流等の制御を行うことができず、こうした充電制御は、DCジャックに直流電力を供給する直流電源側で実施する必要がある。
【0020】
そこで、本発明の電気掃除装置には、更に、充電手段による直流電源からリチウムイオン電池への充電を制御する充電制御手段を設けるようにしてもよい。
なお、電気掃除装置内には、リチウムイオン電池からモータへの放電を制御する放電制御手段が設けられているので、電気掃除装置内に充電制御手段を設ける場合には、充電制御手段及び放電制御手段として機能する一つの制御回路を設けるとよい。
【0021】
つまり、このようにすれば、一つの制御回路にて、充電制御手段及び放電制御手段として機能を実現することができ、電気掃除装置内の回路構成を簡単にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態は、リチウムイオン電池から電源供給を受けて動作する充電式の電気掃除装置(以下、ハンディクリーナという)2に本発明を適用したものである。
【0024】
図1、
図2に示すように、本実施形態のハンディクリーナ2は、筒状に形成された本体ケース3の先端部分に、外気を吸引する吸引口4を備え、本体ケース3の側壁に、粉塵が除去された空気を排出する排出口6を備え、本体ケース3の後端側に、使用者が手で持つための把持部8を備える。
【0025】
また、把持部8の上端部分には、使用者が把持部8を握った状態で操作できるように、電子スイッチ10が設けられており、電子スイッチ10の前方には、リチウムイオン電池26(
図4参照)への充電時に点灯するLED14が設けられている。
【0026】
なお、電子スイッチ10には、使用者が操作(押下)しているときにオン状態となり、使用者が操作していないときにオフ状態となる2つの操作スイッチが備えられている。そして、一方の操作スイッチは、駆動指令を入力するための駆動スイッチ11、他方の操作スイッチは、停止指令を入力するための停止スイッチ12、として設定されている。
【0027】
次に、
図2に示すように、ハンディクリーナ2の本体ケース3内には、吸引用ファン15、モータ16、バッテリパック20、及び、制御回路基板30が設けられている。
吸引用ファン15は、吸引口4から本体ケース3内に外気を吸引して排出口6から排出させるためのものであり、吸引した外気から粉塵を除去するためのフィルタを収納するフィルタ収納部5を挟んで、吸引口4との対向位置に配置されている。
【0028】
また、モータ16は、直流モータであり、吸引用ファン15の吸引口4とは反対側に配置されている。そして、モータ16の回転軸には、吸引用ファン15が連結されている。このため、モータ16は、自身の回転により吸引用ファン15を回転させて、外気を本体ケース3内に吸引させることができる。
【0029】
次に、バッテリパック20は、
図4に示すように、充放電可能な複数(本実施形態では3個)のリチウムイオン電池セル(以下単にセルという)21、22、23を直列接続してなるリチウムイオン電池26、及び、セル21〜23の温度を検出するセル温度検知用サーミスタ28を、合成樹脂製のバッテリケース70(
図5〜
図7参照)内に収納することにより構成されている。
【0030】
そして、このバッテリパック20は、ハンディクリーナ2の本体ケース3の下方後端側に形成されたバッテリパック収納部19に収納されている。
つまり、
図1〜
図3に示すように、ハンディクリーナ2において、把持部8の下端部分(本体ケース3の後端部分)には蓋体9が着脱可能に設けられている。そして、バッテリパック20は、
図3に示すように、蓋体9を本体ケース3から外すことにより開口される開口部19aから、バッテリパック収納部19内に挿入することにより、本体ケース3内に着脱自在に収納されている。
【0031】
次に、制御回路基板30は、本体ケース3内で、モータ16の上方、且つ、電子スイッチ10及びLED14との近傍位置に配置されている(
図2参照)。
そして、制御回路基板30には、
図4に示すACアダプタ60から電力供給を受けてリチウムイオン電池26への充電を行うと共に、リチウムイオン電池26から電源供給を受けて、モータ16への放電(換言すればモータ16の駆動)を行うための各種電子部品が組み付けられている。
【0032】
なお、ACアダプタ60は、交流電源から電源供給を受けて、リチウムイオン電池26充電用の直流電圧を生成し、制御回路基板30を介して一定の充電電流を供給するためのものであり、ハンディクリーナ2とは別体で構成されている。
【0033】
このため、本体ケース3の側壁上部で、LED14との近傍位置には、ACアダプタ60から引き出された電源コードの先端に設けられたDCプラグ62(
図4参照)を差し込み、ACアダプタ60から直流電圧を供給するためのDCジャック18(
図1〜
図4参照)が設けられている。
【0034】
次に、制御回路基板30の回路構成について説明する。
図4に示すように、制御回路基板30には、リチウムイオン電池26の正極側からモータ16を介してリチウムイオン電池26の負極側へ電流を流す放電経路が形成されている。
【0035】
そして、その放電経路でモータ16の負極側には、リチウムイオン電池26からモータ16への放電電流(つまり、モータ16の駆動電流)を制御する放電制御用FET32が設けられている。
【0036】
また、制御回路基板30には、ACアダプタ60の正極側端子(+)をリチウムイオン電池26の正極側に接続し、ACアダプタ60の負極側端子(−)をリチウムイオン電池26の負極側に接続する充電経路が形成されている。
【0037】
そして、この充電経路の内、ACアダプタ60の正極側端子(+)からリチウムイオン電池26の正極側に至る充電経路上には、充電制御用FET34と、リチウムイオン電池26を過電流から保護するための充電保護用FET36とが設けられている。
【0038】
放電制御用FET32、充電制御用FET34、及び充電保護用FET36は、それぞれ、放電経路若しくは充電経路を導通・遮断するスイッチング素子であり、リチウムイオン電池26への充放電を制御する制御回路40により駆動される。
【0039】
制御回路40は、CPU、ROM、RAM等を中心に構成されるマイクロコンピュータ(マイコン)からなり、ROMに記憶された制御プログラムに従い、上記各FET32〜36をオン・オフさせることで、モータ16の駆動及びリチウムイオン電池26への充電を行う。
【0040】
つまり、制御回路40は、駆動スイッチ11を介して使用者から入力されるハイ・ロー(図に示すHi/Lo)何れかの駆動指令に応じて、所定デューティ比のPWM信号(パルス幅変調信号)を生成し、放電制御用FET32に出力する。
【0041】
この結果、モータ16には、駆動指令に対応した電流が流れ、モータ16は、その電流に応じた速度で回転する。
なお、駆動スイッチ11からの駆動指令は、使用者が駆動スイッチ11を操作する度に、高速駆動指令(ハイ)・低速駆動指令(ロー)に交互に切り換えられる。
【0042】
また、制御回路40は、停止スイッチ12を介して使用者から停止指令が入力されると、放電制御用FET32をオフ状態にして、モータ16の駆動を停止する。
また、制御回路40は、モータ16の駆動停止時に、ACアダプタ60が接続されていて、リチウムイオン電池26からの出力電圧が充電開始判定用の閾値電圧よりも低い場合には、充電制御用FET34及び充電保護用FET36をオフ状態からオン状態に切り換えることで、リチウムイオン電池26への充電を開始する。
【0043】
また、制御回路40によるリチウムイオン電池26への充電制御は、リチウムイオン電池26が満充電状態になるまで継続され、リチウムイオン電池26が満充電状態になると、充電制御用FET34及び充電保護用FET36がオフ状態に切り換えられて、リチウムイオン電池26への充電が完了する。
【0044】
なお、制御回路40は、リチウムイオン電池26への充電中に、駆動スイッチ11からの駆動指令が入力されると、充電制御を終了し、その駆動指令(高速駆動指令又は低速駆動指令)に対応して、放電制御を実行する。
【0045】
また、この放電制御実行中に、停止スイッチ12から停止指令が入力されて、放電制御を終了すると、リチウムイオン電池26からの出力電圧が閾値電圧よりも低いか否かを判断することで、リチウムイオン電池26への充電の要否を判断し、充電が必要であれば、充電制御を再開する。
【0046】
つまり、本実施形態のハンディクリーナ2は、DCジャック18にACアダプタ60が接続されているときにでも、電子スイッチ10を操作することにより、電気掃除装置として動作させることができる。
【0047】
また次に、制御回路40は、こうした充・放電制御を行う際には、リチウムイオン電池26からの出力電圧に加えて、リチウムイオン電池26を構成する各セル21〜23の出力電圧や、リチウムイオン電池26の温度を監視し、これらの異常時には、充電保護用FET36や放電制御用FET32をオフ状態にして、リチウムイオン電池26への充放電を停止させる。
【0048】
このため、制御回路基板30には、リチウムイオン電池26の各セル21〜23の出力電圧を検出するセル電圧検出部42が設けられており、制御回路40には、セル電圧検出部42から、各セル21〜23の電圧を表す検出信号が入力される。
【0049】
また、制御回路基板30には、リチウムイオン電池26の各セル21〜23の電圧を取り込み、その電圧が、制御回路40による充電時の過電圧判定値よりも高い閾値に達したとき(つまり、制御回路40による過電圧保護が正常に機能しなかったとき)に、充電制御用FET34を強制的にオフさせる保護回路46も設けられている。
【0050】
また、制御回路基板30には、リチウムイオン電池26内での各セル21〜23の接続部分を所定電位にすることで、セル電圧検出部42で検出されるセル電圧から、リチウムイオン電池26内での断線を検出する断線検出部44も設けられている。
【0051】
そして、制御回路40は、この断線検出部44を利用してリチウムイオン電池26内での断線を検出すると、リチウムイオン電池26の充放電を禁止する。
また、制御回路基板30には、制御回路40等、制御回路基板30に設けられた上記各回路に電源電圧(直流定電圧)を供給するためのレギュレータ50が設けられている。
【0052】
このレギュレータ50は、2つのダイオード52、54を介して、リチウムイオン電池26とACアダプタ60との両方から直流電圧を供給できるようになっており、その何れかから供給される直流電圧を用いて、直流定電圧を生成し、上記各回路に電源電圧として供給する。
【0053】
そして、制御回路40は、このレギュレータ50から電源供給を受けて、リチウムイオン電池26に対する充電制御を行っているとき、LED14を点灯させて、使用者にその旨を報知する。
【0054】
次に、制御回路40によるリチウムイオン電池26の温度の監視には、バッテリパック20内に設けられたセル温度検知用サーミスタ28からの検出信号と、制御回路基板30に設けられた基板温度検知用サーミスタ58からの検出信号とが利用される。
【0055】
これは、この2種類のサーミスタ28、58の何れかが故障したとしても、リチウムイオン電池26への充電時には、その一方のサーミスタ28、58からの検出信号に基づき、リチウムイオン電池26が充電可能な温度範囲から外れていることを検出できるようにするためである。
【0056】
つまり、リチウムイオン電池26は、例えば、温度が0℃よりも低いときに充電すると、正極から出たリチウムイオンが負極に吸収され難くなり、リチウム金属が析出し易くなるという問題がある。
【0057】
そこで、本実施形態では、リチウムイオン電池26への充電時に、制御回路40が
図4に示す温度チェック処理を実行することで、上記2つのサーミスタ28、58を用いて、リチウムイオン電池26が正常に充電可能な温度範囲にあるか否かを監視するようにされている。
【0058】
また、本実施形態では、この二つのサーミスタ28、58からの検出信号を制御回路40に取り込むために、制御回路40に設けられた一つのアナログポートと、二つのデジタルポートが利用される。
【0059】
これは、制御回路40を構成するマイクロコンピュータにおけるアナログポートの数が少なく、サーミスタ28、58による温度検出信号(アナログ信号)をA/D変換して取り込むことのできるアナログポートが1個しかないためである。
【0060】
つまり、サーミスタ28、58は、温度により抵抗値が変化し、
図3に示すように抵抗56を介して電流を流せば、その両端電圧から温度検出を行うことができる受動センサである。
【0061】
そこで、本実施形態では、セル温度検知用サーミスタ28及び基板温度検知用サーミスタ58の一端を、制御回路40の一つのアナログポートに接続し、その接続部分には、抵抗56を介して、レギュレータ50から供給される電源電圧Vcを印加するようにされている。
【0062】
また、セル温度検知用サーミスタ28及び基板温度検知用サーミスタ58の他端は、それぞれ、制御回路40の2つのデジタルポートに接続されている。
そして、制御回路40がこれら各サーミスタ28、58を介して温度を検出する際には、検出対象となるサーミスタ28又は58が接続されたデジタルポートのローサイドスイッチSW1又はSW2をオン状態にすることで、検出対象となるサーミスタ28又は58の他端をグランドに接地する。
【0063】
この結果、制御回路40は、バッテリパック20内に設けられたセル温度検知用サーミスタ28と、制御回路基板30に設けられた基板温度検知用サーミスタ58との2つのサーミスタを用いて、リチウムイオン電池26の温度を監視できるようになる。
【0064】
次に、リチウムイオン電池26を収納したバッテリパック20の構成について、
図5〜
図7に基づき説明する。
なお、
図5において、(a)はバッテリパック20を
図2とは反対側から見たときの正面図であり、(b)はその正面図に対する平面図、(c)は同じく底面図、(d)は同じく左側面図、(e)は同じく右側面図である。
【0065】
バッテリパック20は、リチウムイオン電池26を構成する3つのセル21〜23と、セル温度検知用サーミスタ28と、制御回路基板30への接続用のコネクタ75とを、合成樹脂製のバッテリケース70内に収納することにより構成されている。
【0066】
ここで、まず、バッテリケース70は、矩形の箱状に形成されており、上方が開放された下側ケース71と、下側ケース71の開口を閉塞するための上側ケース72とから構成されている。
【0067】
下側ケース71の内部空間は、仕切り板73により、長手方向に2つ、短手方向に2つの、合計4つに区分されており、その4つの区画に、3つのセル21〜23と、コネクタ75と、がそれぞれ収納されている。
【0068】
コネクタ75は、6個の端子78と、この6個の端子78を固定するための端子台76とから構成されている。
そして、コネクタ75を構成する5個の端子78には、配線基板90に接続するためのリード線88が接続され、残りの1個の端子78には、リチウムイオン電池26の負極となる接続端子81に接続するためのリード線87が接続されている。
【0069】
次に、セル21の負極側、セル21の正極とセル22の負極との間、セル22の正極とセル23の負極との間、及び、セル23の正極側には、それぞれ、金属板からなる接続端子81、82、83、84が設けられている。
【0070】
接続端子81〜84は、各セル21〜23を直列に接続することによりリチウムイオン電池26を構成すると共に、そのリチウムイオン電池26の両端及びセル21〜23の接続点の4箇所を、コネクタ75を介して、制御回路基板30に接続するためのものである。
【0071】
このため、接続端子81は、コネクタ75の端子78の一つとリード線87を介して接続され、接続端子82、84は、配線基板90に直接接続され、接続端子83は、リード線89を介して配線基板90に接続されている。
【0072】
次に、配線基板90は、セル温度検知用サーミスタ28から引き出された2本のリード線29と、接続端子82〜84とを、それぞれ、コネクタ75の5つの端子に接続するための中継用の基板であり、コネクタ75と共に下側ケース71の1つ区画に設けられている。
【0073】
そして、配線基板90には、セル温度検知用サーミスタ28の2本のリード線29と接続端子82〜84とがそれぞれ接続されて、これら各部をコネクタ75の5つの端子78に接続するための配線パターンが形成されている。
【0074】
このため、コネクタ75の5つの端子78から引き出された5本のリード線88は、配線基板90に形成された5つの配線パターンにそれぞれ接続される。
なお、セル21の正極と接続端子82との間、セル22の正極と接続端子83との間、セル23の正極と接続端子84との間には、それぞれ、中空円板状の絶縁シート85が設けられている。
【0075】
これは、各接続端子82〜84が、各セル21〜23の正極端子周囲の負極に接触して、各セル21〜23の正極と負極とが短絡するのを防止するためである。
また、セル21の正極とセル22の負極との間に設けられる接続端子82は、セル21とセル22との間に配置される仕切り板73の両側に接続用の端子部分が配置されるよう、1枚の金属板を折り曲げ加工することにより形成されている。
【0076】
このため、接続端子82において、2つの端子間には隙間ができ、各セル21、22を下側ケース71内に収納した際には、その隙間により、各セル21、22を付勢することができる。よって、接続端子82は、各セル21、22と、その両側の接続端子81〜83との接続を良好に保ち、外部から衝撃が加わったときには、緩衝材として機能する。
【0077】
次に、セル温度検知用サーミスタ28は、
図6(b)に示すように、上記各部を下側ケース71に収納した状態で、セル22の表面に粘着シール98を介して貼り付けられる。
また、下側ケース71には、セル温度検知用サーミスタ28を含む上記各部を収納した状態で、上側ケース72が被せられるが、上側ケース72を被せる前に、各セル21〜23の上部には、接着剤99が塗布される。
【0078】
このため、下側ケース71に上側ケース72を被せ、下側ケース71の開口部と上側ケース72の開口部とを嵌合することにより、上記各部をバッテリパック20として一体化した後は、接着剤99が硬化して、セル21〜23がバッテリケース70内にしっかりと固定されることになる。
【0079】
そして、このように構成された本実施形態のバッテリパック20は、コネクタ75とは反対側を先端にして、本体ケース3のバッテリパック収納部19に挿入される。
また、その挿入後は、コネクタ75に、制御回路基板30から把持部8内を通って引き出された接続用コードのコネクタが嵌合されることにより、制御回路基板30とバッテリパック20とが接続される。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のハンディクリーナ2においては、本体ケース3にDCジャック18が設けられ、外部の直流電源であるACアダプタ60からDCジャック18に直流電力を供給することで、バッテリパック20のリチウムイオン電池26を充電できるようになっている。
【0081】
このため、本実施形態のハンディクリーナ2によれば、バッテリパック20をハンディクリーナ2から外すことなく、リチウムイオン電池26への充電を行うことができ、その充電時の作業を簡単にすることができる。
【0082】
また、制御回路基板30には、リチウムイオン電池26を構成するセル21〜23の電圧や温度を監視しつつ、リチウムイオン電池26への充電、及び、リチウムイオン電池26からモータ16への放電、を制御する制御回路40が設けられている。
【0083】
このため、本実施形態のハンディクリーナ2によれば、リチウムイオン電池26に対する充電及び放電を、安全に実施することができる。
また、本実施形態のハンディクリーナ2は、DCジャック18にACアダプタ60が接続されているときにでも、電子スイッチ10を操作することにより、制御回路40に放電制御を実行させて、ハンディクリーナ2を掃除機として動作させることができる。このため、本実施形態によれば、使用者にとって、使い勝手のよいハンディクリーナを提供できる。
【0084】
また、リチウムイオン電池26は、バッテリパック20内に収納され、しかも、バッテリパック20は、ハンディクリーナ2の本体ケース3内に形成されたバッテリパック収納部19に収納される。
【0085】
このため、リチウムイオン電池26は、バッテリパック20を構成するバッテリケース70と、ハンディクリーナ2の本体ケース3及び蓋体9とにより、二重に保護されることになる。
【0086】
従って、ハンディクリーナ2が周囲の物体に当たった際に、リチウムイオン電池26のセル21に加わる衝撃を和らげ、その衝撃によりリチウムイオン電池26が劣化するのを抑制できる。
【0087】
また、DCジャック18は、充電状態表示用のLED14の横に配置されており、制御回路基板30は、その下方に配置されていることから、これら各部を接続するための配線を簡単に行うことができる。
【0088】
また、使用者は、DCジャック18にDCプラグ62を差し込んだ際に、充電が開始されたことを、DCジャック18近傍のLED14の点灯により速やかに確認できるので、充電時の確認作業を簡単に行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、外部の直流電源であるACアダプタ60からDCプラグ62、DCジャック18、制御回路基板30を介して、バッテリパック20内のリチウムイオン電池26に至る充電経路が、本発明の充電手段に相当する。
【0090】
また、その充電経路に設けられた充電制御用FET34及び充電保護用FET36と、これらを制御する制御回路40及び保護回路46が、本発明の充電制御手段に相当し、制御回路40は、本発明の放電制御手段にも相当する。
【0091】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、本発明をハンディクリーナ2に適用した場合について説明したが、本発明は、リチウムイオン電池から電源供給を受けてモータを駆動し、吸引用のファンを回転させる電気掃除装置であれば、上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、上記実施形態では、バッテリパック20は、ハンディクリーナ2の本体ケース3内に形成されたバッテリパック収納部19に収納されるものとして説明したが、バッテリパック20は、ハンディクリーナ2等の電気掃除装置の本体ケースに外付けするようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、リチウムイオン電池26への充電及び放電は、制御回路基板30に設けられたマイクロコンピュータからなる制御回路40にて制御されるものとして説明したが、リチウムイオン電池26への充電及び放電は、それぞれ、別体で構成された専用の制御回路にて行うようにしてもよい。
【0094】
また更に、リチウムイオン電池26への充電に関しては、電気掃除装置内に、DCジャック18からリチウムイオン電池26に充電電流を供給する電流経路(つまり充電手段)を設け、DCジャック18に外付けされる外部電源側で、充電電流等の制御を実施するようにしてもよい。